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労働安全衛生法が改正されます ~平成26年中から平成28年6月までの間に順次施行~ 平成26年7月 さいたま労働基準監督署 安全衛生課 0/51

労働安全衛生法が改正されます2.ストレスチェック及び面接指導の実施 3.受動喫煙防止措置の努力義務 7.外国に立地する検査機関の登録

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Page 1: 労働安全衛生法が改正されます2.ストレスチェック及び面接指導の実施 3.受動喫煙防止措置の努力義務 7.外国に立地する検査機関の登録

労働安全衛生法が改正されます~平成26年中から平成28年6月までの間に順次施行~

平成26年7月

さいたま労働基準監督署 安全衛生課

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改正の概要 1/3

改正の背景

化学物質による健康被害が問題となった胆管がん事案の発生や、精神障害を原因とする労災認定件数の増加など、最近の社会情勢の変化や労働災害の動向に即応し、労働者の安全と健康の確保対策を一層充実する。

改正される法律

「労働安全衛生法(以下「労安法」)の一部を改正する法律」(平成26年法律第82号)が平成26年6月25日に公布されました。

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2.ストレスチェック及び面接指導の実施3.受動喫煙防止措置の努力義務

7.外国に立地する検査機関の登録

改正される労働安全衛生法は以下の7事項です

4.重大な労働災害を繰り返す企業への対応

1.化学物質のリスクアセスメントの実施

施行期日:平成26年6月25日(公布日)から以下の政令で定める日です!

① 5と6は【6か月以内】 ② 3と4と7は【1年以内】③ 2 は【1年か6か月以内】 ④ 1 は【2年以内】

5.第88条第1項に基づく届出の廃止6.電動ファン付呼吸用保護具の型式検定

労働安全衛生法の改正(平成26年6月25日公布) 2/3

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よくある質問 3/3

政省令等はいつごろ示されますか?

①現時点で未定です

②労働政策審議会の安全衛生分科会などで専門家の意見を聴きながら策定されることになります

③十分な周知期間をとれるよう進められるを思います

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26年度 27年度

計画届(88条1項)の廃止

政令・省令

審議会に諮問

電動ファン付呼吸用保護具

外国検査・検定機関の登録

6月25日 9月 4月公布 6月 12月

受動喫煙防止の努力義務化

12月

H27年6月までに施行・外国検査・検定機関・特別安全衛生改善計画・受動喫煙防止

H26年12月までに施行

特別安全衛生改善計画制度の創設

リスクアセスメントの義務化

ストレスチェック制度の創設

ラベル対象物拡大

6月

ラベル成分削除

政令

審議会に諮問

省令審議会に諮問

28年度

省令審議会に諮問

省令審議会に諮問

政令・省令審議会に諮問※政令改正事項(H25.12

の審議会建議に記載)

省令審議会に諮問

4月

H27年12月までに施行

H28年6月までに施行・リスクアセスメント・ラベル

労働安全衛生法改正の施行スケジュール(予定)

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一定の危険性・有害性が確認されている化学物質による危険性又は有害性等の調査(リスクアセスメント)の実施を事業者の義務とする。

施行期日:平成26年6月25日(公布日)から2年以内で政令で定める日

1.化学物質のリスクアセスメント 1/14

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特に危険・有害な物質とされている特別規則の物質以外でも、使用量や使用法によっては労働者の安全や健康に害を及ぼすおそれがあり、対策を強化する必要。(胆管がん事案の原因物質は発生時は特別規則以外。)

現行 施行後

製造禁止

(リスクアセスメント努力義務)

安全データシート

(SDS)交付義務

(SDS交付努力義務)

製造禁止

リスクアセスメント義務

(リスクアセスメント

努力義務)

安全データシート

(SDS)交付義務

強化部分

(SDS交付努力義務)

石綿等重度の健康障害あり(十分な防止対策なし)

健康障害多発(特にリスクの高い業務あり)PCB等

一定の危険・有害な物質

危険性・有害性が確認されていない物質

健康障害発生(使用量や使用法によってリスクあり)

8物質

116物質

640物質

約6万物質

胆管がん発生

【化学物質のリスクに応じた規制の体系】

1.化学物質のリスクアセスメント 実施 2/14

特別規則

特別規則

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新規に化学物質を採用する際や作業手順を変更する時など、従来の労働安全衛生法第28条の2に基づくリスクアセスメントの実施時期を基本として今後省令で定める予定。

安全データシート(SDS)の交付義務の対象である640物質。

対象の化学物質を製造し、又は取り扱う全ての事業者(業種、規模を問わない)が行わなければならない。

実施すべき事業者

対象物質

実施時期

第57条の31 事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、第57条第1項の政令で定める物及び通知対象物による危険性又は有害性等を調査しなければならない。

1.化学物質のリスクアセスメント 条文 3/147/51

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よくある質問 4/14

リスクアセスメントが義務付けとなる化学物質はどのような物質ですか?

①SDS交付義務の対象物質で640物質です

②平成26年7月現在の物質は「化管法・安衛法におけるラベル表示・SDS提供制度」の41~45ページを参照してください

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よくある質問 5/14

リスクアセスメントは具体的にいつ行えばいいのですか?

①安衛則28条の2に基づくリスク・・・の実施時期を基本に今後省令で定められます

②例えば、新規に化学物質を使用するとき、作業手順を変更するときなどです

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リスクアセスメントの結果に基づく措置は、

労働安全衛生法に基づく労働安全衛生規則や特定化学物質障害予防規則等の特別規則に規定がある場合は、当該規定に基づく措置を講じることが必要。

法令に規定がない場合は、結果を踏まえた事業者の判断により、必要な措置を講じることが努力義務。

結果に基づく措置

第57条の32 事業者は、前項の調査の結果に基づいて、この法律又はこれに基づく命令の規定による措置を講ずるほか、労働者の危険又は健康障害を防止するため必要な措置を講ずるように努めなければならない。

1.化学物質のリスクアセスメント 条文(その2)6/1410/51

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よくある質問 7/14

リスクアセスメントの結果を踏まえた措置って、どのようなものですか?

①安衛則や特化則などに義務付けられた措置

②法令規定がないものは、リスクの高いと評価されたものから各事業者の判断で労働者の健康と安全を守るための措置を講じる努力義務があります

③リスクアセスメントの結果保存については規定は想定していません

④当該結果を労働者に周知するための規定は今後省令化されると考えています

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(参考)化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針について(18.3.30付け基発第0330004号)

第57条の33 厚生労働大臣は、第28条第1項及び第3項に定めるもののほか、前2項の措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。4 厚生労働大臣は、前項の指針に従い、事業者又はその団体に対し、必要な指導、援助等を行うことができる。

「適切かつ有効な実施を図るため必要な指針」

施行までに公表

1.化学物質のリスクアセスメント 条文(その3)8/14

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出典:労働者死傷病報告

化学物質に起因する労働災害により、平成24年は約900人の被災者を出しており、そのうち有害物による被災者数は年間300人程度となっている。

1,000

1,200

合計900人

有害物

300人

【背景】化学物質に起因する労働災害の発生状況(急性中毒、爆発・火災等)9/14

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全体としては4割が実施している。平成23年と平成18年を比較すると概ね横ばい。事業場規模別に見ると、500人以上の事業場では約7割だが、50人未満では3割~4割と中小企業の取組が遅れている。

50人未満3~4割

500人以上約7割

【背景】リスクアセスメント実施状況(事業場規模別) 10/14

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化学物質を新規に採用するとき、作業方法又は作業手順を新規に採用・変更するとき等

特定された危険性又は有害性によって生ずるおそれのある負傷又は疾病の重篤度と発生する可能性の度合を組み合わせたもの

発生するおそれのある負傷・疾病の重篤度と発生の可能性の度合から見積る。化学物質等による疾病では、有害性の度合とばく露量を用いる。(ばく露限界も考慮する。)

以下の情報を入手し、危険性又は有害性を特定する。①安全データシート(SDS)、仕様書、機械・設備の情報、②作業標準書、作業手順書③作業環境測定結果、④災害事例、災害統計等

特定された危険性又は有害性によるリスクの見積り

化学物質等による危険性又は有害性の特定

リスクを低減するための優先度の設定、リスクを低減するための措置内容の検討

★ 優先度に対応したリスク低減措置の実施★

リスク低減措置の優先順位①危険有害性の高い化学物質等の使用中止 ②化学反応プロセス等の運転条件の変更等③工学的対策(局所排気装置の設置等) ④管理対策(マニュアル整備等)⑤個人用保護具の使用

リスクアセスメントとは、化学物質等による危険性又は有害性によるリスクを見積もるもの。

リスク・・・指針には、リスクアセスメントの方法及びリスク低減措置についても具体的に規定する予定。

実施時期

リスクアセスメントの流れ

(※)リスクとは・・・

個々の段階における具体的な実施事項については、リスクアセスメント指針で以下のように規定。リスクアセスメントの流れ

リスクアセスメント及びリスクアセスメント指針の概要 11/14

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「化学物質リスク簡易評価法」とは・・・リスクアセスメント実施のためのツールであり、一定の項目(以下の項目)を入力すると

講ずべき措置が示されるもの

米厚生労働省ホームページ内「職場のあんぜんサイト」で公開

化学物質の名称

作業者の人数

SDSを確認して入力。簡易名でも可

貯蔵・保管、粉じん処理、充填及び輸送、洗浄及びメッキ、成形、その他

10人未満、10~49人、50~99人、100人~299人、300人以上

作業の内容

GHS分類区分 急性毒性、皮膚腐食性・刺激性、眼刺激性、呼吸器感作性、発がん性、その他

液体、粉体の別 微細な軽い粉体、結晶状・顆粒状、ペレット

沸点(℃) SDSを確認して入力

取扱温度(℃) 事業場ごとに入力取扱温度(℃)

液体:kℓ単位、ℓ単位、mℓ単位、粉体:トン単位、Kg単位、g単位取扱量単位

出力○他の化学物質への代替化 ○全体換気、局所排気装置の設置等○呼吸用保護具の使用

「化学物質リスク簡易評価法」(コントロール・バンディング) 12/14

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譲渡提供者(製造者・輸入者等)

SDS

譲渡提供先(使用者等)

1. 相談窓口(コールセンター)を設置し、電話やメール等で相談を受付SDSやラベルの作成、リスクアセスメント(「化学物質リスク簡易評価法」の使い方等)について

※「化学物質リスク簡易評価法」の支援サービスセンターが入力を支援し、評価結果をメール等で通知

事業者 コールセンター使用物質、作業内容等

評価結果を通知(メール、FAX)

SDSシート ラベルの作成 リスクアセスメントの実施

(支援をかつようしよう!)

リスクアセスメント実施に対する相談窓口、専門家による支援 13/14

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2.専門家によるリスクアセスメントの訪問支援

3.事業者による好事例集の作成・公表

相談窓口における相談の結果 事業場の要望に応じて専門家を派遣 リスクアセスメントの実施を支援

訪問指導を通じて改善された事案を好事例としてとりまとめる リスクアセスメントを実施するための参考資料として公表

リスクアセスメント実施に対する相談窓口、専門家による支援 14/14

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常時使用する労働者に対して、医師、保健師等による心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)の実施を事業者に義務付け(労働者50人未満の事業場については当分の間努力義務)

検査の結果、一定の要件に該当する労働者から申出があった場合、医師による面接指導を実施することを事業者の義務とする。

施行期日:平成26年6月25日(公布日)から1年6ケ月以内で政令で定める日

2.ストレスチェック及び面接指導の実施 1/10

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[件]

労働者がメンタルヘルス不調に陥ることを未然に防止するためには、労働者自身のストレスへの気付きを促すとともに、ストレスの原因となる職場環境の改善につなげることが重要である。

このため、ストレスチェック制度を創設することとし、メンタルヘルス不調の未然防止(一次予防)のための取組みを強化することとした。

212 265341

447524

656

819952 927

1,136 1,1811,272 1,257

1,409

36 70100 108 130 127 205 268 269 234

308 325475 436

19 31 43 40 45 42 66 81 66 63 65 66 93 63

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

H12年度 H13年度 H14年度 H15年度 H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度

請求件数 認定件数 認定のうち自殺

平成25年度の精神障害に関する事案の労災請求件数は、1,409件で高水準で推移。平成25年度の支給決定件数は過去最高だった前年度から減少したものの400件を大幅に上回って推移。

支給決定(認定)された436件のうち、未遂を含む自殺件数は63件。

1,409

400超え

2.ストレスチェック及び面接指導の実施 2/10

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第66条の10(心理的な負担の程度を把握するための検査等)

事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者(以下この条において「医師等」という。)による心理的な負担の程度を把握するための検査を行わなければならない。

ストレスチェックの実施者は、今後省令で定める予定で、医師、保健師のほか、一定の研修を受けた看護師、精神保健福祉士を含める予定。

ストレスチェック

実施者

労働者50人未満の事業場は当分の間努力義務。 検査の対象者は常時使用する労働者で、受診義務はない。 検査項目は、「職業性ストレス簡易調査票」(57項目による検査)を参

考とし、今後標準的な項目を示す予定。 検査の頻度は1年ごとに1回とすることを想定。

2.ストレスチェック及び面接指導の条文 3/10

21/51

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よくある質問 4/10なぜ、50人未満の事業場は努力義務なのですか?① 産業医の選任義務がなく、体制が整っていない、労働者のプライバシー

に十分配慮した情報管理などを行うことに懸念が否定できないために努力義務としています精神疾患の早期発見を行うものではありません

② メンタルヘルス不調を未然に防ぐことは重要ですので、周知・啓発を行い、また、産業保険総合支援センターによる面接指導の実施体制を整備を進めて、支援を行っていきたいと考えています

すべての労働者が対象になるのですか?① 一般定期健康診断の対象労働者と同じです

② 常時使用する労働者(期間の定めのない契約の方、1年以上使用されることが予定されている方、更新により実態として1年以上使用されている方)であって、その者の1週間の労働時間数が同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の3/4以上である方をいいます

③ 派遣労働者は、一般定期健康診断と同じく、派遣元で実施していただくことになります

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※1 要件は、今後省令で定める予定で、高ストレスと判定された者などを含める予定。

※2 就業上の措置とは、労働者の実情を考慮し、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を行うこと。なお、大臣が就業上の措置に関する指針を定める予定。(参考)健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針(H20.1.31公示)

第66条の10 第2項~第6項の内容

検査結果は、検査を実施した医師、保健師等から直接本人に通知され、本人の同意なく事業者に提供することは禁止される。

検査の結果、一定の要件※1に該当する労働者から申出があった場合、医師による面接指導を実施することが事業者の義務となる。また、申出を理由とする不利益取扱は禁止。

面接指導の結果に基づき、医師の意見を聴き、必要に応じ、就業上の措置※2を講じることが事業者の義務となる。

2.ストレスチェック及び面接指導の条文(その2)5/10

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よくある質問 6/10ストレスチェックでうつ病かどうか事業者にわかってしまうのですか?

① ストレスチェックは労働者の気づきを促すととも、職場改善につなげていくための制度です

② 精神疾患の早期発見を行うものではありません

③ ストレスチェックの内容も精神疾患かどうかを把握する内容は想定していません

ストレスチェックの結果で解雇されてしまうのですか?① ストレスチェックの結果は労働者の同意なしで事業者に伝えてはならな

いこととされています

② ストレスチェックの実施者や実施事務従事者には守秘義務が課されています

③ 労働者が面接指導を申し出たことを理由に不合理な不利益取り扱いがされないような仕組みとしています

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ストレスチェックの流れ 7/10

フロー図

スタート

労働者の同意を得て通知

医師、保健師等が

ストレスチェックを実施

医療機関

相談・情報提供※時間外労働の制限、

作業の転換等について意見

事業者

労働者

産業医、保健師等

相談、情報提供機関

※申出を理由とする不利益取扱を禁止

相談

指導

産業保健総合支援センター(全国47か所)をご活用ください!○事業者、産業保健スタッフ等のみなさんからの相談対応や研修、50人未満の事業場の労働者の方からのメンタルヘルスを含む健康相談など、産業保健活動の支援を行っています。http://www.rofuku.go.jp/shisetsu/tabid/578/Default.aspx

事業場内で行うこと

結果通知 ①面接の申出

⑤就業上の措置の実施

③面接指導の実施 ②面接実施依頼

④医師から意見聴取

(産業医等)

気づきの促進 労働者の意向確認

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A あなたの仕事についてうかがいます。最もあてはまるものに○を付けてください。

1. 非常にたくさんの仕事をしなければならない

2. 時間内に仕事が処理しきれない

3. 一生懸命働かなければならない

4. かなり注意を集中する必要がある-

5. 高度の知識や技術が必要なむずかしい仕事だ

6. 勤務時間中はいつも仕事のことを考えていなければならない

7. からだを大変よく使う仕事だ

8. 自分のペースで仕事ができる

9. 自分で仕事の順番・やり方を決めることができる

10.職場の仕事の方針に自分の意見を反映できる

11.自分の技能や知識を仕事で使うことが少ない

12.私の部署内で意見のくい違いがある

13.私の部署と他の部署とはうまが合わない

14.私の職場の雰囲気は友好的である

15.私の職場の作業環境(騒音、照明、温度、換気など)はよくない

16.仕事の内容は自分にあっている

17.働きがいのある仕事だ

B 最近1か月間のあなたの状態についてうかがいます。最もあてはまるものに○を付けてください。

1. 活気がわいてくる

2. 元気がいっぱいだ

3. 生き生きする

4. 怒りを感じる

5. 内心腹立たしい

6. イライラしている

13. ゆううつだ

14. 何をするのも面倒だ

15. 物事に集中できない

16. 気分が晴れない

17. 仕事が手につかない

18. 悲しいと感じる

19. めまいがする

20. 体のふしぶしが痛む

21. 頭が重かったり頭痛がする

22. 首筋や肩がこる

23. 腰が痛い

24. 目が疲れる

25. 動悸や息切れがする

26. 胃腸の具合が悪い

27. 食欲がない

28. 便秘や下痢をする

29. よく眠れない

7. ひどく疲れた

8. へとへとだ

9. だるい

10. 気がはりつめている

11. 不安だ

12. 落着かない

C あなたの周りの方々についてうかがいます。最もあてはまるものに○を付けてください。次の人たちはどのくらい気軽に話ができますか?1. 上司2. 職場の同僚3. 配偶者、家族、友人等

あなたが困った時、次の人たちはどのくらい頼りになりますか?4. 上司5. 職場の同僚6. 配偶者、家族、友人等

あなたの個人的な問題を相談したら、次の人たちはどのくらいきいてくれますか?7. 上司8. 職場の同僚9. 配偶者、家族、友人等

D 満足度について1. 仕事に満足だ

2. 家庭生活に満足だ

回答肢(4段階)の例

ちがう

ややちがう

まあそうだ

そうだ

ほとんどいつもあった

しばしばあった

ときどきあった

ほとんどなかった

心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)企業でよく使われている 8/10

「職業性ストレス簡易調査票」の項目【平成7年~11年度労働省委託研究にて作成】

26/51

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メンタルヘルス不調の未然防止

(労働者のストレスマネジメントの向上及び

職場環境等の把握と改善)(一次予防)

メンタルヘルス不調の

早期発見と適切な対応

(二次予防)

職場復帰支援

(三次予防)

○ 衛生委員会等での調査審議○ 事業場内の体制整備

○ 職場復帰支援プログラムの策定、実施

○ 主治医との連携

○ 労働者のストレスマネジメントの向上・ 教育研修、情報提供・ セルフケア

○ 職場環境等の把握と改善・ 過重労働による健康障害防止・ 職場でのパワハラ・セクハラ対策

○ 上司、産業保健スタッフ等による相談対応、早期発見と適切な対応

○ ストレスチェックと面接指導制度

体制整備

具体的取組

ストレスチェック等により未然防止の取組を強化

○メンタルヘルス不調の未然防止のためには、以下が重要となります①職場環境の改善等により心理的負担を軽減させること(職場環境改善)

②労働者のストレスマネジメントの向上を促すこと(セルフケア)

○実行するためには、以下を強化する必要があります①ストレスチェック制度を設け、 ②労働者の心理的な負担の程度を把握し、

③セルフケアや、職場環境の改善につなげ、 ④メンタルヘルス不調の未然防止のための取組(一次予防)

<メンタルヘルス対策の体系>(労働者の心の健康の保持増進のための指針)

ストレスチェック制度の位置づけ 9/10

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http://kokoro.mhlw.go.jp/

職場のメンタルヘルスに関する情報提供-予防と職場復帰-○メンタルヘルスに関する基礎知識○事業場の取組事例○各種支援・助成制度○専門の相談機関や医療機関○統計情報○関係行政機関の情報 等

活動実績の推移

○ 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」

○ 職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けたポータルサイト「みんなでなくそう!職場のパワーハラスメント あかるい職場応援団」

職場のパワーハラスメントに関する情報提供を実施

○パワーハラスメントに関する基礎知識○事業場の取組事例○裁判事例○統計情報 等 http://www.no-awahara.mhlw.go.jp/

ポータルサイトを通じた事業場への情報提供

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よくある質問 10/10

ストレスチェックの結果は保存しなくてよいのですか?

① 保存はストレスチェック実施者がすることを想定しています

② 具体的な保存方法は、今後労使や専門家の意見を聴いて検討してお示しする予定があるとのことです

面接指導の結果は、労働者の同意なく事業者が把握してもよいのですか?

① 面接指導は労働者の申出に基づくものです

② その結果、必要に応じた措置が事業者には義務づけられていますので、労働者の同意なく、その結果を把握することができます

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第104条 第65条の2第1項及び第66条第1項から第4項までの規定による健康診断、第66条の8第1項の規定による面接指導、第66条の10第1項の規定による検査又は同条第3項の規定による面接指導の実施の事務に従事した者は、その実施に関して知り得た労働者の秘密を漏らしてはならない。

プライバシー保護・不利益取扱の防止~ストレスチェック及び面接指導を安心して受けていただくために~

③ 指針等・ストレスチェックやその結果を踏まえた面接指導について不利益な取扱いと考えられるものを指針等で示す。

① 第66条の10の規定(前述)・労働者の受診義務は規定していない。・労働者の同意なく、結果が事業者に通知されることはない。(第66条の10第2項)

・面接指導を申し出たことによる不利益取扱いは禁止。(第66条の10第3項)

② 従事者の秘密の保持

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受動喫煙防止のため、事業者及び事業場の実情に応じ適切な措置を講じることを事業者の努力義務とする。

施行期日:平成26年6月25日(公布日)から、1年以内で政令で定める日

3.受動喫煙防止措置の努力義務 1/7

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3.受動喫煙防止措置の条文 2/7

第68条の2(受動喫煙の防止)

事業者は、労働者の受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。第71条第1項において同じ。)を防止するため、当該事業者及び事業場の実情に応じ適切な措置を講ずるよう努めるものとする。

第71条(国の援助)

国は、労働者の健康の保持増進に関する措置の適切かつ有効な実施を図るため、必要な資料の提供、作業環境測定及び健康診断の実施の促進、受動喫煙の防止のための設備の設置の促進、事業場における健康教育等に関する指導員の確保及び資質の向上の促進その他の必要な援助に努めるものとする。

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よくある質問 3/7

なぜ、快適職場指針から今回受動喫煙防止対策が努力義務として規定されたのですか?

①受動喫煙が労働者の健康に与える影響を踏まえて、労働者の健康の保持増進のための取組として位置づけたものです

なぜ、努力義務なのですか?①労働政策審議会安全衛生分科会の中で、現時点で義務化するよりも、

努力義務として助成金などにより、対策が遅れている事業者を援助していくほうが適当との意見がありました

②平成24年の労働者健康状況調査で次の問題点などが挙げられており、 ①喫煙者の理解が得られない、②顧客に喫煙をやめさせるのが困難、さらなる周知・啓発が必要な状況であるとされ

③上記の状況を踏まえて、努力義務とした上で、国による援助をすることとされました

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(%)

【出典】 平成24年労働者健康状況調査

事業所規模が小さいほど、受動喫煙を受けている労働者の割合は高い傾向にある

(参考)平成19年度の調査との比較

【背景】受動喫煙を受けている労働者の割合 4/7

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(%) 全面禁煙+ 空間分煙

61.4

97.1

89.2

83.6

81.2

75.3

69.0

63.1

58.7

全面禁煙 空間分煙

(参考)平成19、23年の調査との比較

46.3

47.5

61.4

○H23→H24で全面禁煙・空間分煙で対策を行っている事業主が大幅に増加。○事業場規模が大きいほど対策は進んでいるが、事業場規模が小さくなるほど全面禁煙を行っている事業場は多い。

(%)

【出典】 平成24年労働者健康状況調査

【背景】受動喫煙防止対策に関する事業場の取組状況(事業所規模別) 5/7

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○ 対象事業主 : すべての業種の中小企業事業主○ 助成対象 : 喫煙室の設置のための費用

換気措置等の受動喫煙を低減する措置(飲食店・宿泊業を営む事業場に限定)○ 助成率、助成額 : 受動喫煙防止対策のための費用の1/2 (上限200万円)○ 問い合わせ先 : 各都道府県労働局健康主務課

※ 平成25年度から以下のとおり支給要件を見直した。対象事業主:飲食店、宿泊業等に限定→すべての業種に拡大助成率 :1/4→1/2に拡充

※ 平成26年7月から以下のとおり支給要件を見直した。助成対象 :「換気措置等の受動喫煙を低減する措置」を追加

○ 喫煙室の設置、飲食店の喫煙エリアにおける浮遊粉じんの濃度基準への対応など各種相談について、専門家による電話相談を実施。

○ 依頼者の希望に応じて、実地指導も実施。○ 平成25年度から、経営者、人事担当及び安全衛生担当者を対象とした受動喫煙防止対策に関する説明会を実施。○ 費用は無料(電話相談、実地指導及び説明会参加のいずれも)

(平成26年度事業受託業者:株式会社 インターリスク総研)

○ 職場の空気環境を確認するために、たばこ煙の濃度や喫煙室の換気の状態を測定する機器(粉じん計、風速計)の貸し出しを実施。

○ 依頼者の希望に応じて、貸出機器の使い方を電話・実地で説明。○ 貸出費用は無料(平成26年度から機器の往復の送料も無料)

(平成26年度事業受託業者:柴田科学株式会社)

詳細については、厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/jigyousya/kitsuenboushi/ )を参照してください。

(2)受動喫煙防止対策に関する相談窓口

(1)受動喫煙防止対策助成金

(3)たばこ煙の濃度等の測定機器の貸出

職場における受動喫煙防止対策の支援事業 6/7

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よくある質問 7/7受動喫煙を防止するための実情に応じた適切な措置って具体的にはなんですか?①例として、全面禁煙、喫煙室による空間分煙、たばこ煙を十分に低減できる換気扇の設置があります

②各々の事業場の現状を把握して、実情に照らして実行可能な措置のうち最も効果的な措置を講じていただくよう努めていただきたいと考えています

将来的に受動喫煙対策を義務化する予定はあるのですか?①改正法の施行状況を見ながら労働政策審議会安全衛生分科会において、労使等の意見えお聴きながら検討することになります

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重大な労働災害を繰り返す企業に対して、厚生労働大臣が「特別安全衛生改善計画」の作成を指示することができるとする。(計画作成指示に従わない場合、計画を守っていない場合などに、大臣が勧告し、勧告に従わない場合はその旨を公表することができる。)

施行期日:平成26年6月25日(公布日)から、1年以内

で政令で定める日

4.重大な労働災害を繰り返す企業への対応 1/7

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よくある質問 2/7

重大災害を繰り返す企業への対応の制度はどのような理由で作られたのですか?

①死亡災害などの重大な災害を繰り返す企業が散見される

②そうした企業に着実に改善を図らせ、再発防止を期するために創設されました

重大な災害を繰り返すとは、具体的にどんな災害をどれぐらいの頻度ですか?

①現時点で例えば、死亡災害、障害等級1級から7級に相当する労働災害を想定しています

②今後検討していく予定ですが、例えば、3年間で同様な重大な災害を発生させた場合にしてはという議論もあります

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第78条(特別安全衛生改善計画)

厚生労働大臣は、重大な労働災害として厚生労働省令で定めるもの※1(以下この条において「重大な労働災害」という。)が発生した場合において、重大な労働災害の再発を防止するため必要がある場合として厚生労働省令で定める場合※2に該当すると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、その事業場の安全又は衛生に関する改善計画(以下「特別安全衛生改善計画」という。)を作成し、これを厚生労働大臣に提出すべきことを指示することができる。

※1 今後定める予定で、例えば、死亡災害、障害等級第1級~第7級に相当する労働災害を想定。

※2 今後定める予定で、例えば、3年間に同一企業の複数の事業場で同様の災害が発生した場合などを想定。

4.重大な労働災害を繰り返す企業への対応の条文 3/7

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○同一企業内で、安全衛生関係法令に違反し、同様の重大な労働災害が繰り返し発生○労働災害が繰り返し発生した後も、企業として改善に取り組んでいない

※具体的な要件は省令等で定める予定

【特別安全衛生改善計画の流れ】

厚生労働大臣が企業に対し「全社的な改善計画」の作成を指示

計画を作成 計画が著しく不適当

計画を実施 計画を変更

厚生労働大臣が計画の変更を指示

計画の実施状況を確認

企業全体で改善!

実施しない

変更しない

作成しない

厚生労働大臣が勧告

企業名を公表

従わない

第78条 第4項~第6項の内容

○企業が計画の作成指示に従わない場合、計画を守っていない場合などに厚生労働大臣が必要な措置をとるべきことを勧告し、勧告に従わない場合はその旨を公表することができる。

4.重大な労働災害を繰り返す企業への対応の条文(その2) 4/7

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★企業全体で改善に取り組む必要企業

業種 事業所 発生年月日 概 要 起因物 災害の型

A社

造船業

A造船所平成21年8月7日

パレット(1.3トン)をクレーンで降ろす作業中、吊り具がパレットに掛かりパレットが移動し、被災者が移動したパレットにはさまれて死亡した。

クレーン はさまれ

B造船所平成23年3月9日

鋼板12枚を、クレーンで移動させる作業中、クレーンが走行し、鋼板がクレーンに引きずられ、被災者が移動してきた鋼板と架台の間にはさまれて死亡した。

クレーン はさまれ

B社

建設業

C支店平成21年10月5日

道路舗装工事中に、工事箇所の終点を確認していた被災者が、後退してきたドラグ・ショベルに轢かれ死亡した。

掘削用機械 激突され

D支店平成22年2月15日

道路舗装工事のためのアスファルト路面剥ぎ取り作業準備のため、道路内でスプレーによるマーキングを行っていた被災者が、後退してきたダンプトラックに轢かれ即死した。

トラック 激突され

【背景】繰り返される同様の死亡災害の事例 5/7

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★ 企業全体で改善に取り組む必要

企業

業種 事業所 発生年月日 災害の概要 起因物 災害の型

C社

卸売業

E支店平成22年11月22日

派遣先の入出荷エリアの中2階において、出荷された日用品の仕分け作業中、スタッカークレーンと搬送台車の荷の取り合いの開口部から約5m下の1階床面に墜落し死亡した。

開口部 墜落

F支店平成23年4月9日

倉庫内において、フォークリフトに乗って、ラックに置かれた商品を取り出す作業中、約4mの高さから墜落し死亡した。

開口部 墜落

D社

サービス業

G支社平成21年1月17日

被災者がエレベータの地下ピット内にハンドランプを置きに入っていた所、他の労働者がエレベータを操作し、エレベータとピット端部との間にはさまれ死亡した。

エレベータ はさまれ

H営業所平成23年4月27日

エレベータの点検中、被災者が昇降路ピット内で、ユニット上で作業中、下降してきた他のエレベータと同ユニットの外装板との間にはさまれ死亡した。

エレベータ はさまれ

【背景】繰り返される同様の死亡災害の事例 6/7

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■省令で定める基準①重大な労働災害として厚生労働省令で定めるもの

労働政策審議会安全衛生分科会では、以下のものとしてはどうかとの議論。・死亡災害・障害等級7級以上に相当する労働災害

②重大な労働災害の再発を防止するために必要がある場合として厚生労働省令で定める場合労働政策審議会安全衛生分科会では、以下のものとしてはどうかとの議論。・重大な労働災害を、3年間の間に、複数の事業場で発生させた場合。

■運用上の基準省令で定める基準のほか、運用上の基準として、計画の作成指示をするかどうかについて

は以下の事項についても確認する方向で検討する予定。○法令違反の有無○同様の災害かどうか○重大な労働災害発生後の企業の取組の有無

【計画の指示対象】厚生労働大臣は、重大な労働災害として厚生労働省令で定めるもの①が発生した場合において、重大な労働災害の再発を防止するために必要がある場合として厚生労働省令で定める場合②に該当すると認めるときは、事業者に対し、特別安全衛生改善計画を作成し、これを厚生労働大臣に提出すべきことを指示することができる。

企業単位での改善を求める具体的な要件について(今後検討予定) 7/7

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規模の大きい工場等で建設物、機械等の設置、移転等を行う場合の事前届出(法第88条第1項)を廃止。

施行期日:平成26年6月25日(公布日)から、6か月以内で政令で定める日

5.第88条第1項に基づく届出の廃止 1/2

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○技術水準の向上により、他の手段で目的が達成されている規制は見直す必要

現 行 見直し後

機械等の事前届出規制

①規模の大きい工場等で生産ライン等を新設・変更する場合は事前届出

②危険な機械等を設置・移転等する場合は事前届出

③大規模建設工事は事前届出

④一定規模以上の建設工事は事前届出

機械等の事前届出規制

廃止

②危険な機械等を設置・移転等する場合は事前届出

③大規模建設工事は事前届出

④一定規模以上の建設工事は事前届出

現状維持

※廃止する届出の年間届出数は約1万2千件

○規模の大きい工場等で、建設物、機械等の設置・移転等(生産ライン等の新設・変更)を行う場合の事前届出を廃止する。

生産ライン等の新設・変更を行う場合の事前届出を廃止する 2/2

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特に粉じん濃度が高くなる作業に従事する際に使用が義務付けられている電動ファン付き呼吸用保護具を型式検定・譲渡制限の対象に追加。

施行期日:平成26年6月25日(公布日)から、6か月以内で政令で定める日

6.電動ファン付呼吸用保護具の型式検定 1/2

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電動ファン付き呼吸用保護具は、特に粉じん濃度が高くなるおそれがある次の作

業での使用が義務付けられている。

粉じん障害防止規則:ずい道の建設の作業のうち、コンクリートを吹き付ける場所における作業

石綿障害予防規則:吹き付けられた石綿の除去の作業 特定化学物質障害予防規則:インジウム化合物を製造し又は取り扱う作業(作業環境測定の結果で濃度が一定以上のもの)

主に電動ファン、ろ過材、面体から構成され、環境空気中の有害物質を除去した空気を装着者へ供給するろ過式呼吸用保護具。面体内が陽圧になることが特徴。

電動ファン付き呼吸用保護具とは(Powered Air Purifying Respirator (PAPR))

(譲渡等の制限について)法第42条において、別表第2に掲げる機械等で政令で定めるものにつ

いて、その種類に応じて、厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備しなければ、譲渡、貸与、設置をしてはならないこととされている。

(型式検定について)法第44条の2において、法第42条の機械、器具その他の設備(以下

「機械等」という。)のうち、法別表第4に掲げる機械等で政令で定めるものを製造し、又は輸入した者は、厚生労働大臣の登録を受けた者(登録型式検定機関)が行う当該機械等の型式についての検定を受けなければならないこととされている。

譲渡制限、型式検定とは

○電動ファン付き呼吸用保護具を法別表第2(第42条関係)、法別表第4(第44条の2関係)に追加する。

これにより、譲渡の制限の対象及び型式検定の対象となる。

譲渡の制限の対象及び型式検定の対象となる 2/2

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国際的な動向を踏まえ、ボイラーなど、特に危険な機械等の検査・検定を行う機関について、日本国内に事務所のない機関も登録できるとする。

施行期日:平成26年6月25日(公布日)から、1年以内で政令で定める日

7.外国に立地する検査機関の登録 1/2

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外国立地検査・検定

機関

製造者

日本国内 外国

③輸出

①検査依頼

②検査実施

輸入者又は事業者

検査・検定機関(又は国)

新たに外国立地機関も認める

機械等の検査・検定の仕組み

○世界的に貿易の障壁の撤廃に向けた動きが進む中で、国際化に対応する観点から規制を見直す必要

○ボイラーなど特に危険性が高い機械を製造等する際に受けなければならないこととされている検査等を行う機関(登録検査・検定機関)のうち、日本国内に事務所のない外国に立地する機関についても登録を受けられることとする。

機械等の検査・検定の仕組み 2/2

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改正事項 施行予定

1 化学物質のリスクアセスメントの実施 平成28年6月までに施行

2 ストレスチェック及び面接指導の実施 平成27年12月までに施行

3 受動喫煙防止措置の努力義務 平成27年6月までに施行

4 重大な労働災害を繰り返す企業への対応 平成27年6月までに施行

5 第88条第1項に基づく届出の廃止 平成26年12月までに施行

6 電動ファン付呼吸用保護具の型式検定 平成26年12月までに施行

7 外国に立地する検査機関の登録 平成27年6月までに施行

安衛法の改正事項の施行日は、以下施行期日までの間に政令で定める日となる。

改正事項の施行日

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