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調18 宿傘かしげ

アロハの精神...報 恩 謝 徳 「アロハ」といえば、ハワ い意味があります。のひとつですが、そこには深イで交わされているあいさつ

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Page 1: アロハの精神...報 恩 謝 徳 「アロハ」といえば、ハワ い意味があります。のひとつですが、そこには深イで交わされているあいさつ

報恩

謝徳

 

「アロハ」といえば、ハワ

イで交わされているあいさつ

のひとつですが、そこには深

い意味があります。

 

アロハとは、全てを受け入

れる「心」や「精神」であり、

「思いやり」「尊敬」「愛」をも

って人に接する事を意味して

います。

 

アロハは英語で「A・R・

O・H・A」と表記します。

AROHAの「A」は思いや

り、「R」は協調性、「O」は喜

び、「H」は謙虚・素直な心、

「A」は忍耐をも意味してい

ます。

 

ハワイはかつてアロハ州と

呼ばれていたころがありまし

た。「思いやりと素直な心をも

って他者に感謝し、慈悲と愛

情を与え幸福を分かち合う」

との思いがあったそうです。

 

さて、話題は変わりますが、

東京が江戸と呼ばれていたそ

の昔、18世紀の江戸の人口は

140万人に達し、当時世界

最大の都市といわれました。

その人口密度は現在の東京よ

りもなお高かったようです。

 

江戸の市街地は武家の住居

により占められていたので、

人口の大半を占める町民は限

られた地域にひしめき合って

いたことになります。

 

そんな暮らしぶりの中で、

相手を思いやることを第一義

として自分を磨き、そして相

手を尊重することや素直で自

由な発想ができる人、相手を

思いやることのできる人を「江

戸っ子」と呼んでいました。

 

「江戸っ子」の多くは長屋

に住み、「思いやり」や「尊敬」、

「愛」をもって隣人と接する

ことが極めて大切でした。

 

また、親から受け継ぎ磨き

上げた江戸っ子の気質に、「江

戸しぐさ」と呼ばれているも

のがあります。「江戸しぐさ」

とは、日常の生活や往来での

マナーのことです。

 

狭い往来をすれ違う時など、

ちょっと会釈をし、「肩引き」

をして、お互いがぶつからな

いようにするとか、雨のしず

くが相手にかからないように

「傘かしげ」をするとかいっ

たような、ちょっとした気配

り思いやりなど、日常の行動

を現した言葉です。

 「アロハ」と「江戸しぐさ」。

 

先日、下町情緒あふれる墨

田の街を巡りながら、今地域

で失われているものを思うこ

とでした。

 

釜かまふた蓋

神社をはじめ、番所鼻

自然公園やタツノオトシゴハ

ウスなど、パワースポットと

して注目されている南九州市

の頴娃。その頴娃では、新た

に「お茶」を生かした滞在型

の観光に取り組んでいます。

 

これまで車窓から眺めるば

かりだった茶畑でしたが、ガ

イドと一緒に散策したり、美お

味い

しいお茶の入れ方などを学

んだりと、さまざまな楽しみ

方を創出しています。

 

また、大野岳には108歳

の長寿を祝う「茶寿」をモチ

ーフにした108段の「茶寿

階段」が整備され、思わず行

ってみたくなる工夫が凝らさ

れており、メディアにも多く

取り上げられています。

 

これらは、昔から地域にあ

るものや目にしているものの

魅力に地域の人たちが気付き、

遊び心やストーリー性を持た

せることによって、立派な観

光資源に育て上げられたもの

です。

 

これは本市にも言えること

で、例えば、知林ヶ島の砂州

を「絆」や「縁」に見立てた

ことで、縁結びのパワースポ

ットとして人気が高まりまし

た。

 

また、長崎鼻は、観光特急

「指宿のたまて箱」の運行と

併せて竜宮伝説発祥の地とし

てPRしたり、龍宮神社を建

て替えたりしたことで、かつ

ての賑わいを取り戻しました。

 

このように、日ごろ何気な

く見ている風景や親しんでき

た場所にも、観光資源が眠っ

ています。地域の魅力を再発

見し、それらの原石を一緒に

磨き上げていきましょう。

問い合わせ先

観光課観光企画係

☎㉒2111(内線326)

光を観せて、魅せられて

観光シリーズ

観光資源の磨き上げ

26

アロハの精神

指宿市長 豊留

悦男 傘かしげ

14広報いぶすき 7月号