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食料産業局 令和2年4月 バイオマスの活用をめぐる状況

バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

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Page 1: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

食料産業局

令和2年4月

バイオマスの活用をめぐる状況

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

目次

Ⅰ バイオマス活用推進基本法制定後の推移1バイオマスとは 32主なバイオマス関連施策等の経緯 43バイオマス活用推進基本法の概要 54バイオマス関連施策の推進体制 65新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 76新たなバイオマス活用推進基本計画によって

目指す地域の姿 87バイオマス事業化戦略の概要 9

Ⅱ バイオマス活用推進基本計画の進捗状況1バイオマス活用推進基本計画における

国が達成すべき目標 112バイオマスの利用拡大 123バイオマス活用推進計画の策定 134バイオマス産業の市場規模 145バイオマス産業都市について 156バイオマス産業都市の選定地域 16

7選定地域の事業化プロジェクト 178再生可能エネルギーの固定価格買取制度 189バイオマス発電の導入状況 1910固定価格買取制度を活用したバイオマス発電

の導入状況 2011木質バイオマスの利用拡大 2112その他のバイオマス産業の状況 2213農林漁業バイオ燃料法について 23

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」

25

Ⅳ 主な取組事例 36

Ⅴ バイオマス関連施策 52

1

食料産業局

Ⅰ バイオマス活用推進基本法制定後の推移

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー1バイオマスとは

バイオマスとは生物資源(bio)の量(mass)を示す概念であり「動植物に由来する有機物である資源(化石資源を除く)」であり大気中の二酸化炭素を増加させない「カーボンニュートラル」と呼ばれる特性を有している

バイオマスを製品やエネルギーとして活用していくことは農山漁村の活性化や地球温暖化の防止循環型社会の形成といった我が国の抱える課題の解決に寄与するものでありその活用の推進を加速化することが強く求められている

廃棄物系バイオマス 家畜排せつ物 下水汚泥 黒液

紙 食品廃棄物 製材工場等残材 建設発生木材

木材パルプを作るときに化学的に分解分離した際発生する液体

未利用系バイオマス 農作物非食用部 林地残材

資源作物 微細藻類 等

バイオマスの種類 用 途

多くのバイオマスは地域に「広く薄く」存在しているため経済性の向上が重要 原料の効率的な収集運搬システムの確立 バイオマス製品等の販路の確保 幅広い用途への活用(高付加価値化) 製造利用技術の低コスト化

経済性が確保された一貫システムの構築

バイオマス活用にあたっての課題

製品利用製材製品木質ボード 等

エネルギー利用発電熱利用

良質材

CO2

成長

光合成 再利用

CO2排出(+)CO2吸収

(-)

(plusmn0)

カーボンニュートラルとは生物由来のバイオマスは燃焼等により二酸化炭素を放出しても生物の成長過

程で光合成により吸収大気中の二酸化炭素を増加させないという性質 マテリアル利用 素材として

プラスチック樹脂等 化成品原料として

アミノ酸有用化学物質 等

エネルギー利用 電気熱に変換

直接燃焼ガス化 燃料に変換

エタノールディーゼル固形燃料ガス 等

(既存利用) 肥飼料 薪炭 等

もみ殻

林地残材

木質バイオマス発電所

3

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯

4

2002 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025

(2010年度における目標設定)廃棄物系バイオマス80以上未利用バイオマス25以上活用等

農林漁業バイオ燃料法 (20085 制定同年10月施行)

バイオマス活用施策の総合的かつ計画的な推進 バイオマス活用推進計画の策定(国都道府県市町村) バイオマス活用推進会議の設置

バイオマス活用推進基本計画 (201012 閣議決定)

電気事業者による再エネ電気の調達に関する特別措置法(FIT法) (20118 制定20127 施行)

多種多様なバイオマス利用技術を評価した「技術ロードマップ」の策定 技術とバイオマスの選択と集中による事業化の推進 バイオマス産業を軸とするまちづくりむらづくり(バイオマス産業都市の推進)

農山漁村再生可能エネルギー法 (201311 制定20145 施行)

地球温暖化対策計画 (20165 閣議決定)

(2025年における目標設定)年間約2600万炭素トンのバイオマスを利用 600市町村においてバイオマス活用推進計画を策定 5000億円の市場を形成

エネルギー基本計画 (第5次20187 閣議決定)

プラスチック資源循環戦略2019 (20195 関係大臣決裁)

バイオ戦略2019 (20196 閣議決定)

パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略 (20196 閣議決定)

発電に加えエネルギー効率の高い熱利用の促進バイオガス化及び消化液の利用促進新たなバイオマス製品の製造販売の事業化に向けた技術開発や普及の推進

バイオマスニッポン総合戦略 (200212 閣議決定20063 改定)

バイオマス活用推進基本法 (20096 制定同年9月 施行)

バイオマス事業化戦略 (20129 バイオマス活用推進会議決定)

新たなバイオマス活用推進計画 (第2次20169 閣議決定)

食料農業農村基本計画 (第5次20203 閣議決定)

固定価格買取制度 開始

2030年におけるバイオマス発電の導入量 電源構成の37~46程度(394~490億kWh) 長期エネルギー需給見通し (20157 経済産業省決定)

森林林業基本計画 (第4次20165 閣議決定)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要(平成21年6月12日法律第52号)

5

バイオマス活用推進基本計画の策定等

国地方公共団体事業者等の責務の明確化とそれぞれの主体の連携の強化

責務連携の強化

① 政府は関係行政機関相互の調整を行うことによりバイオマスの活用の総合的一体的かつ効果的な推進を図るためバイオマス活用推進会議を設けるものとする

② 関係行政機関はバイオマスの活用に関し専門的知識を有する者によって構成するバイオマス活用推進専門家会議を設け①の調整を行うに際しては意見を聴くものとする

バイオマス活用推進会議

国の施策 必要な基盤の整備 バイオマスを供給する事業

の創出 技術の研究開発普及 人材の育成確保 バイオマス製品の利用の促

民間団体の自発的な活動の促進

地方公共団体の活動の促進 国際的な連携国際協力の

推進 情報の収集 国民の理解の増進

政府はバイオマスの活用の推進に関する施策を実施するため必要な法制上財政上税制上又は金融上の措置その他の措置を講じなければならない

法制上の措置等基本理念 総合的一体的かつ効果

的な推進 地球温暖化の防止に向

けた推進 循環型社会の形成に向

けた推進 産業の発展国際競争

力の強化への寄与 農山漁村の活性化等に

資する推進

バイオマスの種類ごとの特性に応じた最大限の利用

エネルギー供給源の多様化 地域の主体的な取組の促進 社会的気運の醸成 食料の安定供給の確保 環境の保全への配慮

政府はバイオマスの活用の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るためバイオマスの活用の推進に関する基本的な計画(バイオマス活用推進基本計画)を策定しなければならない

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制

6

バイオマス活用推進基本法(平成21年6月12日法律第52号)に基づいて関係する7府省(内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省)の政務で構成される「バイオマス活用推進会議」が設置され連携してバイオマスの活用に資する施策を推進

地方行財政政策 消防法制

総務省

農林水産政策 農山漁村地域政策 食料産業政策

農林水産省

地球温暖化対策 廃棄物政策

環境省

国家基本政策

内閣府

科学技術政策 教育政策

文部科学省

国土交通政策 社会資本整備

(下水道等)

国土交通省

産業政策 エネルギー政策

経済産業省

バ イ オ マ ス活用推進会議(7府省の政務で構成)

メンバー

農林水産副大臣

内閣府大臣政務官

総務大臣政務官

文部科学大臣政務官

経済産業大臣政務官

国土交通大臣政務官

環境大臣政務官

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)

7

1 施策についての基本的な方針地域に存在するバイオマスを活用して地域が主体となった事業を創出し農林漁業の振興や地域への利益還元による活性化につな

げていく施策を推進

3 政府が総合的かつ効果的に講ずべき施策 より経済的な価値を生み出す高度利用や多段階利用などの地域が主体となった取組を後押し エネルギー効率の高い熱利用の普及拡大熱源としてのバイオガスの積極的利用等を推進 成功事例のノウハウなどを幅広く共有していくことによる取組の横展開を促進

4 技術の研究開発に関する事項 地域の実情に応じた多様なバイオマスの混合利用下水汚泥由来の水素ガスの製造利用方法の確立 発電等に伴う余剰熱及びバイオガス製造過程で発生する消化液等の副産物の利用技術の確立 産業化を見据えた微細藻類等による次世代バイオ燃料の研究開発等の推進

バイオマス活用推進基本法(平成21年法律第52号)に基づきバイオマスの活用の促進に関する施策についての基本的な方針国が達成すべき目標技術の研究開発に関する事項等について定める計画

従前の基本計画(平成22年12月17日閣議決定)のもとエネルギー利用を中心にバイオマス産業の市場規模が拡大したが固定価格買取制度を活用した売電の取組に偏りがみられ売電以外の取組では経済性の確保や地域が主体となる持続的な事業モデルの確立が課題となっており新たな基本計画によってこれらの課題の解決を図る

2 国が達成すべき目標(目標2025年)

5000億円の市場を形成

新たな産業創出年間約2600万炭素トンの

バイオマスを利用

環境負荷の少ない持続的な社会全都道府県600市町村で

バイオマス活用推進計画を策定

農林漁業農山漁村の活性化

経済性が確保された取組を強化 地域に利益が還元され持続的かつ自立的な取組を推進

重点事項

実用化高付加価値化を促進

重点事項

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿

8

成功事例を幅広く共有事業の横展開

環境負荷の少ない持続的な社会 農林漁業農山漁村の活性化 新たな産業の創出

得られた利益が地域に還元される取組

これまで廃棄物処理を行っていた農畜産業生産現場で発生する農作物非食用部や家畜排せつ物等の廃棄物系バイオマスについて高度利用等に用いることでその処理費用や運搬等の労力が軽減

バイオマスの変換技術により得られた電気熱等のエネルギーや製品等を地域の農家や公共施設等に安価に提供することでこれまで必要としていたエネルギー等に要する費用の負担が軽減

より経済的な価値を生み出す取組

<従来>家畜排せつ物

<高度利用>

堆 肥

家畜排せつ物

農地牧草地に還元堆肥化

メタン発酵

ガ ス

精製濃縮

施設園芸都市ガスの代替

電 気自家消費売電等

熱施設の暖房給湯等

消化液

バイオガスコジェネレーション

農地牧草地に還元

製材用丸太 小径丸太 枝葉

製材加工(製材工場)

(直材) (曲がり材短尺材) (低質材) (梢端)

チップ製造 ペレット製造

製材製品(板角材等) 木質ボード 紙 肥料飼料 電気熱

(建設資材) (回収) (灰CO2回収)

鋸屑端材

廃材解体材

(利用)(再利用)

農業生産現場や地域の熱需要施設等において熱利用は化石燃料の代替となることが期待

エネルギー需要のおよそ半分は熱であり特に農業生産現場におけるエネルギー消費の約8割が熱利用であることからバイオマスの熱利用を推進 熱利用は発電と比べてエネルギー効率がよい

(熱利用60~90程度発電10~40程度)

現在は十分に活用されていない発電における余熱の利用を進める「熱電併給」の取組も加速

高度利用 より経済的な価値を生み出す

地域に存在するバイオマスをエネルギーや製品等に変換活用する新産業が創出

②③による節約費用は経営規模の拡大等に充当することが可能

上記の取組等により新たな雇用が創出

持続的かつ自立可能な取組

地方公共団体等

バイオガスプラント

市町村バイオマス活用推進計画(バイオマス産業を軸とした地域づくり)

(取組のイメージ)

畑作農家園芸農家 畜産農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥 家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物

電気熱 食品廃棄物し尿

電気熱

(製品)小売店等へ

(農作物)加工施設小売店等へ

経済性が確保された一貫システムの構築

(畜産物)加工施設小売店等へ

多段階利用 限られた資源を徹底的に使う 熱利用 エネルギー効率のよい熱利用の推進

①産業振興雇用創出 ②廃棄物等の処理費用や労力の軽減 ③安価なエネルギーや製品等の供給

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)

9

地域のバイオマスを活用した産業創出と地域循環型エネルギーシステム

の構築に向けたバイオマス産業都市の構築(バイオマスタウンの発展高度化)

原料生産から収集運搬製造利用までの事業者の連携による事業化

の取組を推進する制度の検討(農林漁業バイオ燃料法の見直し)

技術とバイオマスの選択と集中による事業化の重点的な推進

関係者の連携による原料生産から収集運搬製造利用までの一貫システムの構築

地域のバイオマスを活用した事業化推進による地域産業の創出と自立分散型エネルギー供給体制の強化

技術ロードマップに基づき事業化に活用する実用化技術とバイオマスを整理

技 術メタン発酵堆肥化直接燃焼固体燃料化液体燃料化

バイオマス木質食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物

産学官の研究機関の連携による実用化を目指す技術の開発加速化

戦略2技術戦略(技術開発と製造)

バイオマス活用と一体となった川上の農林業の体制整備

バイオマスの効率的な収集運搬システムの構築

高バイオマス量易分解性等の資源用作物植物の開発

多様なバイオマス資源の混合利用と廃棄物系の徹底利用

戦略4入口戦略(原料調達)

戦略6総合支援戦略

固定価格買取制度の積極的活用

投資家事業者の参入を促すバイオマス関連税制の推進

各種クレジット制度の活用による温室効果ガス削減の推進

高付加価値製品の創出による事業化の推進

戦略3出口戦略(需要の創出拡大)

アジア等における持続可能なバイオマス利用システムの構築

持続可能なバイオマス利用に向けた国際的な基準づくり等の推進

戦略7海外戦略⑤バイオ燃料

①木質バイオマス

②食品廃棄物

③下水汚泥

④家畜排せつ物

未利用間伐材等の効率的な収集運搬システムの構築と木質発電所等でのエネルギー利用を一体的重点的に推進

分別回収の徹底強化とバイオガス化他のバイオマスとの混合利用固体燃料化による再生利用を推進

地域のバイオマス活用の拠点としてバイオガス化食品廃棄物等との混合利用固形燃料化による再生利用を推進

メタン発酵直接燃焼食品廃棄物等との混合利用による再生利用を推進

戦略5個別重点戦略

大規模製造プラントを有する地域での農業と一体となった地域循環型バイオ燃料利用の可能性について具体化の方策を検討

バイオディーゼル燃料の税制等による低濃度利用の普及や高効率低コスト生産システムの開発

研究機関の連携による次世代バイオ燃料製造技術の開発加速化

戦略1基本戦略

食料産業局

Ⅱ バイオマス活用推進基本計画の進捗状況

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標

11

将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿

環境負荷の少ない持続的な社会 新たな産業創出と農林漁業農山漁村の活性化 バイオマス利用を軸にした新しいライフスタイル 国際的な連携の下でのバイオマス活用

バイオマスの利用拡大 化石資源を用いて製造されているエネルギー

や製品をバイオマス由来のものに代替することで炭素量換算で年間約2600万炭素トンのバイオマスを利用

バイオマスの種類ごとに利用率の目標を設定

地球温暖化の防止や循環型社会の形成

バイオマス産業の規模 バイオマスをエネルギーや製品に活用する環境

調和型産業を育成しそれらの産業化が進展することを前提として5000億円の市場を形成

新たな産業の発展や国際競争力の強化

バイオマス活用推進計画の策定 都道府県バイオマス活用推進計画を全ての

都道府県で策定 市町村バイオマス活用推進計画を全市町村

数の3分の1に相当する600市町村で策定

農林漁業農山漁村の活性化

将来像を実現するために必要な目標(2025年)を設定

現基本計画では将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿を想定し柱となる「地球温暖化の防止」「新たな産業の発展」「農山漁村の活性化」の達成状況を判断する指標としてバイオマスの利用拡大バイオマス新産業の規模バイオマス活用推進計画の策定を評価軸に2025年に国が達成すべき目標値を設定

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー2バイオマスの利用拡大

12

バイオマスの発生量(賦存量)は廃棄物系バイオマスの発生抑制の取組等により中長期的には減少傾向 利用量の炭素量換算値は現時点で約2400万トンとなっているが2025年に約2600万トンが利用されることを目指す 既存の利用方法に配慮しつつより経済的な価値を生み出す高度利用等を推進すべくバイオマスの種類毎の目標を設定

2010年(平成22年)

2015年(平成27年) 【中長期的傾向】

2025年(令和7年)

バイオマスの発生量

(炭素換算値)約3300万トン 約3400万トン

廃棄物系バイオマスは発生抑制の取組等により減少傾向

[将来予測]約3200万トン

バイオマスの利用量

(炭素換算値)

約2300万トン[利用率]約697

約2400万トン[利用率]約706 [推進施策]

製品として価値の高い順に可能な限り繰り返し利用する多段階利用やエネルギー効率の高い熱利用などの取組を推進

木材の安定供給に影響を及ぼさないようマテリアル利用とエネルギー利用の両立を図りつつ活用を推進

地域の実情に応じた地域経済の好循環に結びつく構想づくりを支援し生み出された価値が農林漁業の振興や地域への利益還元につながる取組を推進

[目標値]約2600万トン

バイオマスの種類 発生量 利用量 利用率 利用率

廃棄物系バイオマス

家畜排せつ物 87 約90

下水汚泥 68 約85

黒液 100 100

紙 81 約85

食品廃棄物 29 約40

製材工場等残材 97 約97

建設発生木材1 94 約95

未利用系

バイオマス

農作物非食用部(すき込みを除く) 32 約45

林地残材 13 30以上

1000万トン814万トン

発生量486万トン利用量419万トン

90万トン61万トン

403万トン403万トン

65万トン19万トン

320万トン310万トン

220万トン207万トン

438万トン139万トン

420万トン56万トン

各年度の実績の数値を計上(基本計画に記載の利用率等は各年度時点の最新の統計調査に基づくものであるため異なる場合がある) 1建設発材は元となる統計調査が5年ごとであり平成20年度実績の数値

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定

13

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

北海道 策定済み(H2512) 12 30 35

青森県 策定済み(H2312) 2 12 2

岩手県 未策定 2 9 2秋田県 未策定 0 9 0宮城県 未策定 2 4 5山形県 未策定 1 8 2

福島県 策定済み(H3011) 1 9 0

茨城県 策定済み(H293) 0 7 1

栃木県 未策定 4 5 3

群馬県 策定済み(H293改訂) 1 5 1

埼玉県 策定済み(H303改訂) 0 1 0

千葉県 策定済み(H238 ) 0 9 0

東京都 未策定 0 2 0神奈川県 未策定 0 2 0山梨県 未策定 1 8 1長野県 未策定 1 10 1

静岡県 策定済み(H293改訂) 4 4 2

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

新潟県 策定済み(H303改定) 4 14 2

富山県 未策定 1 7 2石川県 未策定 0 7 0福井県 未策定 0 4 0岐阜県 未策定 0 6 0

愛知県策定済み(H293策

定)0 4 2

三重県 未策定 1 2 1滋賀県 未策定 0 6 0

京都府 策定済み(H2410) 2 5 3

大阪府 未策定 0 3 0

兵庫県 策定済み(H2810) 4 10 2

奈良県 未策定 0 5 0和歌山県 未策定 0 4 0鳥取県 未策定 1 2 1

島根県 策定済み(H253) 1 9 3

岡山県 未策定 2 7 3広島県 未策定 1 5 1

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

山口県 策定済み(H253 ) 1 4 1

徳島県 未策定 0 3 0香川県 未策定 1 1 1

愛媛県 策定済み(H246) 1 5 0

高知県 未策定 0 9 0福岡県 未策定 4 5 4佐賀県 未策定 2 4 2長崎県 未策定 1 7 0

熊本県 策定済み(H243 ) 1 11 0

宮崎県 策定済み(H254) 1 7 1

大分県 策定済み(H283 ) 2 7 4

鹿児島県策定済み(H293改

訂)2 15 2

沖縄県 未策定 1 6 0

計 1966 318 90

386重複を除く

目標 47 600

バイオマス活用推進計画の策定数は現在都道府県計画19道府県市町村計画65市町村(類似施策を含めると重複を排除して386市町村)であり2025年までに全都道府県600市町村での計画策定を目指す

バイオマスの活用を推進する地域計画の策定状況 (農林水産省調べ(R2年4月 現在))

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー4バイオマス産業の市場規模

14

バイオマス産業の市場規模の推計(農林水産省調べ)

注) 旧基本計画策定以前から明確に市場が形成されている肥料飼料などは推計の対象外としている 経済波及効果は総務省が公開している産業連関表に基づく統合大分類(37部門)による経済波及効果の簡易計算ツールを用いて算定

バイオマス産業の市場規模については旧基本計画策定当時経済波及効果を含め約1200億円規模であったものが固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大し現時点で約3500億円(約70)

新たな基本計画の下発電以外の取組についての市場規模の拡大も推進しつつ2025年に5000億円の市場の形成を目指す

旧基本計画策定時点2010年

(平成22年)

現在2015年

(平成27年)

目標値2025年

(平成37年)

市場規模 約1200億円 約3500億円 5000億円

億円

5000

4000

3000

2000

1000

0

C

C

C

C

C

発電以外の取組についても拡大を推進

固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー5バイオマス産業都市について

15

バイオマス産業都市とは経済性が確保された一貫システムを構築し地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまちむらづくりを目指す地域であり関係7府省が共同で選定

関係7府省内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省

地方公共団体等

バイオマス産業を軸としたまちむらづくり

バイオガスプラント園芸農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥

家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物し尿 電気熱

(農作物)

加工施設小売店等へ

(畜産物)加工施設小売店等へ

低品質材(CD材)未利用材竹

木質チップペレット製造施設

木質バイオマス発電施設

(売電)

農業地域

農村部都市部

畜産農家

一般家庭

高品質材(AB材)

製材工場等

製材工場等残材建築家具製造メーカー等へ

マテリアル利用製紙工場等へ

電気熱

(チップペレット)

ボイラー用燃料

林業者

林業地域 畜産酪農地域

木質バイオマスボイラー

電気熱

(バイオマス産業都市のイメージ)

漁業地域漁業者

(海産物) 加工施設小売店等へ

水産残さ等堆肥化施設バイオガスプラント

堆肥液肥(売電)

(売電)

経済性が確保された一貫システムの構築

液肥散布

BDF製造施設発電施設

(売電)廃食用油

輸送用燃料

耕種農家

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

北海道ブロック(35市町村)十勝地域(19市町村)下川町別海町<H25①>釧路市興部町<H25②>平取町<H27>知内町音威子府村西興部村標茶町<H28>滝上町中標津町鶴居村<H29>稚内市浜頓別町幌延町<H30>八雲町<R1>

東北ブロック(11市町村)青森県 平川市<H28>西目屋村<H29>岩手県 一関市<H28>軽米町<R1>宮城県 東松島市<H25①>

南三陸町<H25②>大崎市<H27>加美町<H28>色麻町<H29>

山形県 最上町<H27>飯豊町<H29>

関東ブロック(9市町村)茨城県 牛久市<H25①>栃木県 茂木町<H27>大田原市<H29>さくら市<R1>群馬県 上野村<H29>山梨県 甲斐市<H27>静岡県 浜松市<H25②>掛川市<H28>長野県 中野市<R1>

北陸ブロック(4市)新潟県 新潟市<H25①>十日町市<H28>富山県 射水市<H26>南砺市<H28>

東海ブロック(3市)愛知県 大府市<H25①>半田市<H28>三重県 津市<H25②>

近畿ブロック(5市町)京都府 南丹市<H27>京丹波町<H28>京都市<H29>兵庫県 洲本市<H26>養父市<H30>

中国四国ブロック(10市町村)鳥取県 北栄町<H30>島根県 奥出雲町<H25②>

隠岐の島町<H26>飯南町<H27>

岡山県 真庭市西粟倉村<H25②>津山市<H27>

広島県 東広島市<H29>山口県 宇部市<H29>香川県 三豊市<H25①>

九州ブロック(13市町)福岡県 みやま市<H26>宗像市<H27>糸島市<H28>朝倉市<R1>佐賀県 佐賀市<H26>玄海町<R1>大分県 佐伯市<H26>臼杵市<H27>国東市<H28>竹田市<R1>宮崎県 小林市<H27>鹿児島県 薩摩川内市長島町<H28>

H25H26 H27 H28 H29 H30 R1

1次 2次26 8 6 11 16 11 5 7

年度別選定地域数(市町村数) <>内は選定年度(①1次選定②2次選定)青字は令和元年度選定地域

16

Ⅱー6バイオマス産業都市の選定地域(9 0市町村)

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト

17

用途 原料 木質バイオマス 家畜排せつ物 食品廃棄物 下水汚泥

発電

FIT活用

下川町滝上町中標津町鶴居村一関市東松島市最上町大田原市上野村甲斐市浜松市掛川市射水市津市京都市津山市真庭市佐伯市臼杵市

十勝地域音威子府村下川町興部町西興部村別海町標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町幌延町八雲町平川市一関市色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市南丹市京丹波町養父市糸島市国東市長島町玄海町

音威子府村西興部村標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市東松島市色麻町飯豊町大田原市浜松市十日町市半田市大府市南丹市京都市洲本市養父市宇部市糸島市佐伯市臼杵市国東市長島町朝倉市

音威子府村興部町平川市色麻町飯豊町浜松市十日町市南丹市洲本市佐伯市国東市玄海町

その他(未定を含む)

十勝地域釧路市興部町十日町市養父市隠岐の島町小林市

釧路市大崎市加美町最上町北栄町宗像市小林市長島町

興部町滝上町大崎市加美町南三陸町最上町新潟市南砺市津市宗像市みやま市佐賀市小林市

加美町南三陸町最上町新潟市養父市北栄町宗像市みやま市

熱 利 用

十勝地域釧路市知内町下川町平取町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村平川市西目屋村一関市東松島市大崎市加美町南三陸町最上町飯豊町牛久市上野村茂木町大田原市甲斐市浜松市掛川市中野市新潟市十日町市南砺市津市南丹市京丹波町京都市洲本市養父市北栄町奥出雲町飯南町隠岐の島町津山市西粟倉村東広島市三豊市みやま市糸島市佐賀市佐伯市臼杵市国東市小林市朝倉市

十勝地域釧路市下川町音威子府村西興部村標茶町興部町別海町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市一関市加美町色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市京丹波町国東市長島町

音威子府村興部町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村稚内市浜頓別平川市東松島市加美町飯豊町南三陸町色麻町最上町大田原市新潟市十日町市南砺市半田市津市隠岐の島町宇部市臼杵市国東市

音威子府村平川市加美町色麻町最上町飯豊町新潟市十日町市国東市

肥料飼料等 茂木町射水市京都市洲本市飯南町津山市東広島市三豊市宗像市

十勝地域釧路市音威子府村下川町興部町西興部村標茶町別海町中標津町鶴居村八雲町平川市一関市加美町大崎市色麻町最上町平川市茂木町大田原市甲斐市掛川市十日町市半田市南丹市京丹波町飯南町糸島市宗像市佐賀市小林市長島町

興部町音威子府村西興部村標茶町平川市東松島市大崎市加美町南三陸町色麻町最上町茂木町甲斐市浜松市新潟市十日町市南砺市半田市大府市南丹市三豊市隠岐の島町東広島市宇部市宗像市みやま市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市長島町

音威子府村平川市南三陸町加美町色麻町最上町十日町市南丹市京都市宗像市みやま市国東市

燃 料

下川町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村幌延町平取町西目屋村一関市大崎市加美町南三陸町飯豊町大田原市上野村牛久市掛川市新潟市十日町市津市京丹波町京都市北栄町隠岐の島町東広島市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市竹田市

軽米町南丹市

十勝地域下川町平川市大崎市軽米町牛久市茂木町甲斐市新潟市射水市十日町市大府市南丹市京都市洲本市飯南町真庭市三豊市宗像市みやま市臼杵市小林市

稚内市津市南丹市京都市

その他(マテリアル利用等)

茂木町大田原市京都市洲本市隠岐の島町津山市真庭市三豊市糸島市薩摩川内市 半田市 浜松市新潟市

地域名市町村名の着色は前ページの地域ブロックの着色と同一であり下線は令和元年度選定市町村

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Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)

18

固定価格買取制度は再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを約束する制度のことで太陽光風力水力地熱バイオマス由来の電気が対象買取の価格(調達価格)と期間(調達期間)は専門家で構成される調達価格等算定委員会の意見を尊重し経済産業大臣が決定

令和2年度の主要なバイオマス発電による電気の調達価格は13~40円kWh(税抜) 一般木材バイオマスのうち10000kw以上は入札制比較的小規模の10000kw未満は地域分散型エネルギー

源となりうるため24円kwh(税抜)を維持また競争環境が成立しているバイオマス液体燃料(全規模)も同様に入札制

令和2年度の調達価格と調達期間(バイオマス関係)

バイオマスの種類 調達価格1kWh当たり

調達期間

メタン発酵ガス(バイオマス由来) 39円+税

20年間

間伐材等由来の木質バイオマス1

2000kW未満 40円+税

2000kW以上 32円+税

一般木材バイオマス210000kW未満 24円+税

10000kW以上 +税

バイオマス液体燃料 +税

建設資材廃棄物 13円+税

一般廃棄物その他のバイオマス 17円+税1 「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」に基づく証明のないものにつ

いては建設資材廃棄物と同等に取扱う2 農作物の収穫に伴って生じるバイオマスも含む

事業計画

費用負担調整機関

制度の概要

入札制度

入札制度

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Ⅱー9バイオマス発電の導入状況

19

固定価格買取制度を活用したバイオマス発電については平成31年3月末において約171万kWが運転を開始済RPS制度のもとで導入された発電設備の設備容量を合わせると約402万kWが稼動

バイオマス発電の固定価格買取制度による買取電力量は平成30年度で約125億kWh

平成31年3月末におけるバイオマス発電の導入状況

(注) 四捨五入により合計値が合わない場合がある 設備認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値を集計

単位千kWRPS FIT設備導入量 ( )はRPSからFITへの移行を含む 合計

(FIT計)FIT導入後 認定容量

~H246 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H2407~H313

メタン発酵ガス(バイオマス由来)

147 32 60 74 115 126 123 676 837(32) (172) (74) (104) (122) (130) (634)

間伐材由来の木質バイオマス

145 129 559 1379 901 291 473 3879 5055(129) (655) (1374) (901) (291) (516) (3867)

一般木質バイオマス農作物残渣

1634 298 118 961 1919 3328 3442 11701 79623(298) (856) (961) (1919) (3328) (3947) (11310)

建設資材廃棄物4398 03 35 54 00 38 18 4511 857

(03) (3355) (54) (00) (44) (97) (3552)

一般廃棄物その他のバイオマス

16814 762 243 471 395 306 462 19451 3727(762) (7305) (428) (357) (94) (694) (9640)

計 231381224 1015 2939 3330 4089 4482 40218 90099

17079 (29003)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況

20

沖縄県 1845(3件) 8558(4件)

北海道14048(74件)86544( 5件) 9421( 3件)30084( 9件)

青森県 980(3件) 6250(1件)12400(1件) 6657(2件)

岩手県 630(3件)14717(4件)19800(2件)11297(4件)

宮城県 1143(3件) 880(3件)62657(1件) 1816(1件)14983(4件)

秋田県 730(1件) 7130(3件)21490(2件) 3750(2件) 4765(2件)

東京都 1468( 4件)166303(24件)

神奈川県 9000(3件)49000(1件) 2064(1件)44222(8件)

群馬県 725(3件) 6795(2件)13600(1件) 5540(2件)

千葉県 670(2件)47557(3件)12378(8件)

静岡県 1518(6件)89021(4件)54524(7件)

埼玉県 370( 1件) 146( 1件) 5976( 3件)16721( 1件)26003(12件)

岐阜県 685(2件) 6482(2件) 4300(1件) 600(1件) 6068(3件)

愛知県 2354( 6件)128029( 3件) 76096(14件)

和歌山県 10(1件) 2690(2件)

奈良県 50(1件) 6500(1件) 3499(2件)

京都府 155( 1件) 1760( 1件)17834( 4件)

鳥取県 1490(3件)22350(2件) 2360(1件)

山口県 74(2件) 67(1件)59656(2件)43123(2件)22526(4件)

島根県 759(1件) 6550(1件)12700(1件) 5400(3件)

岡山県 25(1件)10336(2件) 3949(2件) 8756(3件)

広島県 1116(1件)10157(2件)10800(2件)35792(7件)

高知県12750(2件)29500(1件)25730(2件) 5354(3件)

佐賀県 9850(1件) 4403(2件)

鹿児島県29450(2件)49000(1件)13255(5件)

表示出力は発電設備の認定出力にバイオマス比率を乗じたもの(各都道府県の合計出力)

平成31年3月末現在運転開始済みのものでFIT活用施設のみ

(資料)資源エネルギー庁資料を

もとに農林水産省作成

愛媛県 1160(2件)12500(1件)16134(4件)

三重県 1286(5件) 5800(1件)26980(3件) 1990(1件)18011(6件)

茨城県 645(2件) 7740(2件)190523(7件) 4990(1件) 11981(6件)

福島県 25(1件) 5785(3件)69855(2件)27772(2件)18433(5件)

山梨県14500(1件) 4698(3件)

新潟県 709(4件)12000(2件)10704(4件)

長崎県 250(1件) 7840(1件) 4750(3件)

福岡県 3397(3件)116450(3件) 59690(8件)

長野県 710(3件) 5060(4件) 5648(3件)

山形県 825(2件)13352(5件)55250(2件) 5813(4件)

徳島県 6470(2件) 710(1件)

大阪府 5440( 7件)14170( 3件)98781(14件)

香川県 525(2件) 1484(1件)

大分県 990(3件)25416(3件)50000(1件)12000(1件) 7426(3件)

宮崎県 2161(2件)38880(5件)19620(3件)14893(3件)

兵庫県 1382( 5件)22179( 3件)22740( 2件)21608( 2件)55961(14件)

栃木県 2525(9件) 1995(1件) 265(1件)24000(1件) 9214(6件)

石川県 455(3件)10920(4件)

全国計 メタンガス 63382kW (183件) 未利用木質 386741kW ( 70件) 一般木質 1130962kW ( 58件) 建設廃材 355237kW ( 32件) 一般廃棄物 963995kW (237件)

出 力 導入件数

福井県 25(1件) 7545(2件)37000(1件)

熊本県 808(1件) 6327(2件)12500(2件) 185(1件) 2850(1件)

富山県 195(1件) 5750(1件) 990(1件)13330(2件)

滋賀県 25(1件) 3550(1件) 3221(3件)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

36444

50693 58243

78258

98184 110092

126035 119569

120161

126532

131400

63 7585

108 109120

142 142 148 147 154

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大

21

木質バイオマスの活用は再生可能エネルギーの推進だけではなく林業や地域経済の活性化雇用の確保等にも貢献特に未利用となっている林地残材には大きな可能性

木質バイオマスは木質チップや木質ペレット等に加工され製材工場や公共施設発電所等におけるエネルギー源としての利用が増えてきている

木質バイオマスボイラー数の推移木質バイオマスボイラーは製材工場などを中心に2000基程度が設置されており最近は公共施設や温泉農業施設などへの導入も進んできている

地球温暖化問題への関心の高まりや化石燃料から再生可能エネルギー熱への転換による経営リスクの軽減等を背景に近年生産施設数及び生産量ともに増加

(基) ( t )(施設数)

- 施設数(第1軸(左)) 生産量(第2軸(右))

615 838

924

1218

1461

1701

2023

1945

1972

2058

2064

0

500

1000

1500

2000

2500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

台数

木質ペレットの製造施設数及び生産量

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

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Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 2: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

目次

Ⅰ バイオマス活用推進基本法制定後の推移1バイオマスとは 32主なバイオマス関連施策等の経緯 43バイオマス活用推進基本法の概要 54バイオマス関連施策の推進体制 65新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 76新たなバイオマス活用推進基本計画によって

目指す地域の姿 87バイオマス事業化戦略の概要 9

Ⅱ バイオマス活用推進基本計画の進捗状況1バイオマス活用推進基本計画における

国が達成すべき目標 112バイオマスの利用拡大 123バイオマス活用推進計画の策定 134バイオマス産業の市場規模 145バイオマス産業都市について 156バイオマス産業都市の選定地域 16

7選定地域の事業化プロジェクト 178再生可能エネルギーの固定価格買取制度 189バイオマス発電の導入状況 1910固定価格買取制度を活用したバイオマス発電

の導入状況 2011木質バイオマスの利用拡大 2112その他のバイオマス産業の状況 2213農林漁業バイオ燃料法について 23

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」

25

Ⅳ 主な取組事例 36

Ⅴ バイオマス関連施策 52

1

食料産業局

Ⅰ バイオマス活用推進基本法制定後の推移

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー1バイオマスとは

バイオマスとは生物資源(bio)の量(mass)を示す概念であり「動植物に由来する有機物である資源(化石資源を除く)」であり大気中の二酸化炭素を増加させない「カーボンニュートラル」と呼ばれる特性を有している

バイオマスを製品やエネルギーとして活用していくことは農山漁村の活性化や地球温暖化の防止循環型社会の形成といった我が国の抱える課題の解決に寄与するものでありその活用の推進を加速化することが強く求められている

廃棄物系バイオマス 家畜排せつ物 下水汚泥 黒液

紙 食品廃棄物 製材工場等残材 建設発生木材

木材パルプを作るときに化学的に分解分離した際発生する液体

未利用系バイオマス 農作物非食用部 林地残材

資源作物 微細藻類 等

バイオマスの種類 用 途

多くのバイオマスは地域に「広く薄く」存在しているため経済性の向上が重要 原料の効率的な収集運搬システムの確立 バイオマス製品等の販路の確保 幅広い用途への活用(高付加価値化) 製造利用技術の低コスト化

経済性が確保された一貫システムの構築

バイオマス活用にあたっての課題

製品利用製材製品木質ボード 等

エネルギー利用発電熱利用

良質材

CO2

成長

光合成 再利用

CO2排出(+)CO2吸収

(-)

(plusmn0)

カーボンニュートラルとは生物由来のバイオマスは燃焼等により二酸化炭素を放出しても生物の成長過

程で光合成により吸収大気中の二酸化炭素を増加させないという性質 マテリアル利用 素材として

プラスチック樹脂等 化成品原料として

アミノ酸有用化学物質 等

エネルギー利用 電気熱に変換

直接燃焼ガス化 燃料に変換

エタノールディーゼル固形燃料ガス 等

(既存利用) 肥飼料 薪炭 等

もみ殻

林地残材

木質バイオマス発電所

3

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Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯

4

2002 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025

(2010年度における目標設定)廃棄物系バイオマス80以上未利用バイオマス25以上活用等

農林漁業バイオ燃料法 (20085 制定同年10月施行)

バイオマス活用施策の総合的かつ計画的な推進 バイオマス活用推進計画の策定(国都道府県市町村) バイオマス活用推進会議の設置

バイオマス活用推進基本計画 (201012 閣議決定)

電気事業者による再エネ電気の調達に関する特別措置法(FIT法) (20118 制定20127 施行)

多種多様なバイオマス利用技術を評価した「技術ロードマップ」の策定 技術とバイオマスの選択と集中による事業化の推進 バイオマス産業を軸とするまちづくりむらづくり(バイオマス産業都市の推進)

農山漁村再生可能エネルギー法 (201311 制定20145 施行)

地球温暖化対策計画 (20165 閣議決定)

(2025年における目標設定)年間約2600万炭素トンのバイオマスを利用 600市町村においてバイオマス活用推進計画を策定 5000億円の市場を形成

エネルギー基本計画 (第5次20187 閣議決定)

プラスチック資源循環戦略2019 (20195 関係大臣決裁)

バイオ戦略2019 (20196 閣議決定)

パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略 (20196 閣議決定)

発電に加えエネルギー効率の高い熱利用の促進バイオガス化及び消化液の利用促進新たなバイオマス製品の製造販売の事業化に向けた技術開発や普及の推進

バイオマスニッポン総合戦略 (200212 閣議決定20063 改定)

バイオマス活用推進基本法 (20096 制定同年9月 施行)

バイオマス事業化戦略 (20129 バイオマス活用推進会議決定)

新たなバイオマス活用推進計画 (第2次20169 閣議決定)

食料農業農村基本計画 (第5次20203 閣議決定)

固定価格買取制度 開始

2030年におけるバイオマス発電の導入量 電源構成の37~46程度(394~490億kWh) 長期エネルギー需給見通し (20157 経済産業省決定)

森林林業基本計画 (第4次20165 閣議決定)

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Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要(平成21年6月12日法律第52号)

5

バイオマス活用推進基本計画の策定等

国地方公共団体事業者等の責務の明確化とそれぞれの主体の連携の強化

責務連携の強化

① 政府は関係行政機関相互の調整を行うことによりバイオマスの活用の総合的一体的かつ効果的な推進を図るためバイオマス活用推進会議を設けるものとする

② 関係行政機関はバイオマスの活用に関し専門的知識を有する者によって構成するバイオマス活用推進専門家会議を設け①の調整を行うに際しては意見を聴くものとする

バイオマス活用推進会議

国の施策 必要な基盤の整備 バイオマスを供給する事業

の創出 技術の研究開発普及 人材の育成確保 バイオマス製品の利用の促

民間団体の自発的な活動の促進

地方公共団体の活動の促進 国際的な連携国際協力の

推進 情報の収集 国民の理解の増進

政府はバイオマスの活用の推進に関する施策を実施するため必要な法制上財政上税制上又は金融上の措置その他の措置を講じなければならない

法制上の措置等基本理念 総合的一体的かつ効果

的な推進 地球温暖化の防止に向

けた推進 循環型社会の形成に向

けた推進 産業の発展国際競争

力の強化への寄与 農山漁村の活性化等に

資する推進

バイオマスの種類ごとの特性に応じた最大限の利用

エネルギー供給源の多様化 地域の主体的な取組の促進 社会的気運の醸成 食料の安定供給の確保 環境の保全への配慮

政府はバイオマスの活用の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るためバイオマスの活用の推進に関する基本的な計画(バイオマス活用推進基本計画)を策定しなければならない

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Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制

6

バイオマス活用推進基本法(平成21年6月12日法律第52号)に基づいて関係する7府省(内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省)の政務で構成される「バイオマス活用推進会議」が設置され連携してバイオマスの活用に資する施策を推進

地方行財政政策 消防法制

総務省

農林水産政策 農山漁村地域政策 食料産業政策

農林水産省

地球温暖化対策 廃棄物政策

環境省

国家基本政策

内閣府

科学技術政策 教育政策

文部科学省

国土交通政策 社会資本整備

(下水道等)

国土交通省

産業政策 エネルギー政策

経済産業省

バ イ オ マ ス活用推進会議(7府省の政務で構成)

メンバー

農林水産副大臣

内閣府大臣政務官

総務大臣政務官

文部科学大臣政務官

経済産業大臣政務官

国土交通大臣政務官

環境大臣政務官

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Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)

7

1 施策についての基本的な方針地域に存在するバイオマスを活用して地域が主体となった事業を創出し農林漁業の振興や地域への利益還元による活性化につな

げていく施策を推進

3 政府が総合的かつ効果的に講ずべき施策 より経済的な価値を生み出す高度利用や多段階利用などの地域が主体となった取組を後押し エネルギー効率の高い熱利用の普及拡大熱源としてのバイオガスの積極的利用等を推進 成功事例のノウハウなどを幅広く共有していくことによる取組の横展開を促進

4 技術の研究開発に関する事項 地域の実情に応じた多様なバイオマスの混合利用下水汚泥由来の水素ガスの製造利用方法の確立 発電等に伴う余剰熱及びバイオガス製造過程で発生する消化液等の副産物の利用技術の確立 産業化を見据えた微細藻類等による次世代バイオ燃料の研究開発等の推進

バイオマス活用推進基本法(平成21年法律第52号)に基づきバイオマスの活用の促進に関する施策についての基本的な方針国が達成すべき目標技術の研究開発に関する事項等について定める計画

従前の基本計画(平成22年12月17日閣議決定)のもとエネルギー利用を中心にバイオマス産業の市場規模が拡大したが固定価格買取制度を活用した売電の取組に偏りがみられ売電以外の取組では経済性の確保や地域が主体となる持続的な事業モデルの確立が課題となっており新たな基本計画によってこれらの課題の解決を図る

2 国が達成すべき目標(目標2025年)

5000億円の市場を形成

新たな産業創出年間約2600万炭素トンの

バイオマスを利用

環境負荷の少ない持続的な社会全都道府県600市町村で

バイオマス活用推進計画を策定

農林漁業農山漁村の活性化

経済性が確保された取組を強化 地域に利益が還元され持続的かつ自立的な取組を推進

重点事項

実用化高付加価値化を促進

重点事項

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Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿

8

成功事例を幅広く共有事業の横展開

環境負荷の少ない持続的な社会 農林漁業農山漁村の活性化 新たな産業の創出

得られた利益が地域に還元される取組

これまで廃棄物処理を行っていた農畜産業生産現場で発生する農作物非食用部や家畜排せつ物等の廃棄物系バイオマスについて高度利用等に用いることでその処理費用や運搬等の労力が軽減

バイオマスの変換技術により得られた電気熱等のエネルギーや製品等を地域の農家や公共施設等に安価に提供することでこれまで必要としていたエネルギー等に要する費用の負担が軽減

より経済的な価値を生み出す取組

<従来>家畜排せつ物

<高度利用>

堆 肥

家畜排せつ物

農地牧草地に還元堆肥化

メタン発酵

ガ ス

精製濃縮

施設園芸都市ガスの代替

電 気自家消費売電等

熱施設の暖房給湯等

消化液

バイオガスコジェネレーション

農地牧草地に還元

製材用丸太 小径丸太 枝葉

製材加工(製材工場)

(直材) (曲がり材短尺材) (低質材) (梢端)

チップ製造 ペレット製造

製材製品(板角材等) 木質ボード 紙 肥料飼料 電気熱

(建設資材) (回収) (灰CO2回収)

鋸屑端材

廃材解体材

(利用)(再利用)

農業生産現場や地域の熱需要施設等において熱利用は化石燃料の代替となることが期待

エネルギー需要のおよそ半分は熱であり特に農業生産現場におけるエネルギー消費の約8割が熱利用であることからバイオマスの熱利用を推進 熱利用は発電と比べてエネルギー効率がよい

(熱利用60~90程度発電10~40程度)

現在は十分に活用されていない発電における余熱の利用を進める「熱電併給」の取組も加速

高度利用 より経済的な価値を生み出す

地域に存在するバイオマスをエネルギーや製品等に変換活用する新産業が創出

②③による節約費用は経営規模の拡大等に充当することが可能

上記の取組等により新たな雇用が創出

持続的かつ自立可能な取組

地方公共団体等

バイオガスプラント

市町村バイオマス活用推進計画(バイオマス産業を軸とした地域づくり)

(取組のイメージ)

畑作農家園芸農家 畜産農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥 家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物

電気熱 食品廃棄物し尿

電気熱

(製品)小売店等へ

(農作物)加工施設小売店等へ

経済性が確保された一貫システムの構築

(畜産物)加工施設小売店等へ

多段階利用 限られた資源を徹底的に使う 熱利用 エネルギー効率のよい熱利用の推進

①産業振興雇用創出 ②廃棄物等の処理費用や労力の軽減 ③安価なエネルギーや製品等の供給

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Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)

9

地域のバイオマスを活用した産業創出と地域循環型エネルギーシステム

の構築に向けたバイオマス産業都市の構築(バイオマスタウンの発展高度化)

原料生産から収集運搬製造利用までの事業者の連携による事業化

の取組を推進する制度の検討(農林漁業バイオ燃料法の見直し)

技術とバイオマスの選択と集中による事業化の重点的な推進

関係者の連携による原料生産から収集運搬製造利用までの一貫システムの構築

地域のバイオマスを活用した事業化推進による地域産業の創出と自立分散型エネルギー供給体制の強化

技術ロードマップに基づき事業化に活用する実用化技術とバイオマスを整理

技 術メタン発酵堆肥化直接燃焼固体燃料化液体燃料化

バイオマス木質食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物

産学官の研究機関の連携による実用化を目指す技術の開発加速化

戦略2技術戦略(技術開発と製造)

バイオマス活用と一体となった川上の農林業の体制整備

バイオマスの効率的な収集運搬システムの構築

高バイオマス量易分解性等の資源用作物植物の開発

多様なバイオマス資源の混合利用と廃棄物系の徹底利用

戦略4入口戦略(原料調達)

戦略6総合支援戦略

固定価格買取制度の積極的活用

投資家事業者の参入を促すバイオマス関連税制の推進

各種クレジット制度の活用による温室効果ガス削減の推進

高付加価値製品の創出による事業化の推進

戦略3出口戦略(需要の創出拡大)

アジア等における持続可能なバイオマス利用システムの構築

持続可能なバイオマス利用に向けた国際的な基準づくり等の推進

戦略7海外戦略⑤バイオ燃料

①木質バイオマス

②食品廃棄物

③下水汚泥

④家畜排せつ物

未利用間伐材等の効率的な収集運搬システムの構築と木質発電所等でのエネルギー利用を一体的重点的に推進

分別回収の徹底強化とバイオガス化他のバイオマスとの混合利用固体燃料化による再生利用を推進

地域のバイオマス活用の拠点としてバイオガス化食品廃棄物等との混合利用固形燃料化による再生利用を推進

メタン発酵直接燃焼食品廃棄物等との混合利用による再生利用を推進

戦略5個別重点戦略

大規模製造プラントを有する地域での農業と一体となった地域循環型バイオ燃料利用の可能性について具体化の方策を検討

バイオディーゼル燃料の税制等による低濃度利用の普及や高効率低コスト生産システムの開発

研究機関の連携による次世代バイオ燃料製造技術の開発加速化

戦略1基本戦略

食料産業局

Ⅱ バイオマス活用推進基本計画の進捗状況

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Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標

11

将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿

環境負荷の少ない持続的な社会 新たな産業創出と農林漁業農山漁村の活性化 バイオマス利用を軸にした新しいライフスタイル 国際的な連携の下でのバイオマス活用

バイオマスの利用拡大 化石資源を用いて製造されているエネルギー

や製品をバイオマス由来のものに代替することで炭素量換算で年間約2600万炭素トンのバイオマスを利用

バイオマスの種類ごとに利用率の目標を設定

地球温暖化の防止や循環型社会の形成

バイオマス産業の規模 バイオマスをエネルギーや製品に活用する環境

調和型産業を育成しそれらの産業化が進展することを前提として5000億円の市場を形成

新たな産業の発展や国際競争力の強化

バイオマス活用推進計画の策定 都道府県バイオマス活用推進計画を全ての

都道府県で策定 市町村バイオマス活用推進計画を全市町村

数の3分の1に相当する600市町村で策定

農林漁業農山漁村の活性化

将来像を実現するために必要な目標(2025年)を設定

現基本計画では将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿を想定し柱となる「地球温暖化の防止」「新たな産業の発展」「農山漁村の活性化」の達成状況を判断する指標としてバイオマスの利用拡大バイオマス新産業の規模バイオマス活用推進計画の策定を評価軸に2025年に国が達成すべき目標値を設定

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Ⅱー2バイオマスの利用拡大

12

バイオマスの発生量(賦存量)は廃棄物系バイオマスの発生抑制の取組等により中長期的には減少傾向 利用量の炭素量換算値は現時点で約2400万トンとなっているが2025年に約2600万トンが利用されることを目指す 既存の利用方法に配慮しつつより経済的な価値を生み出す高度利用等を推進すべくバイオマスの種類毎の目標を設定

2010年(平成22年)

2015年(平成27年) 【中長期的傾向】

2025年(令和7年)

バイオマスの発生量

(炭素換算値)約3300万トン 約3400万トン

廃棄物系バイオマスは発生抑制の取組等により減少傾向

[将来予測]約3200万トン

バイオマスの利用量

(炭素換算値)

約2300万トン[利用率]約697

約2400万トン[利用率]約706 [推進施策]

製品として価値の高い順に可能な限り繰り返し利用する多段階利用やエネルギー効率の高い熱利用などの取組を推進

木材の安定供給に影響を及ぼさないようマテリアル利用とエネルギー利用の両立を図りつつ活用を推進

地域の実情に応じた地域経済の好循環に結びつく構想づくりを支援し生み出された価値が農林漁業の振興や地域への利益還元につながる取組を推進

[目標値]約2600万トン

バイオマスの種類 発生量 利用量 利用率 利用率

廃棄物系バイオマス

家畜排せつ物 87 約90

下水汚泥 68 約85

黒液 100 100

紙 81 約85

食品廃棄物 29 約40

製材工場等残材 97 約97

建設発生木材1 94 約95

未利用系

バイオマス

農作物非食用部(すき込みを除く) 32 約45

林地残材 13 30以上

1000万トン814万トン

発生量486万トン利用量419万トン

90万トン61万トン

403万トン403万トン

65万トン19万トン

320万トン310万トン

220万トン207万トン

438万トン139万トン

420万トン56万トン

各年度の実績の数値を計上(基本計画に記載の利用率等は各年度時点の最新の統計調査に基づくものであるため異なる場合がある) 1建設発材は元となる統計調査が5年ごとであり平成20年度実績の数値

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Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定

13

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

北海道 策定済み(H2512) 12 30 35

青森県 策定済み(H2312) 2 12 2

岩手県 未策定 2 9 2秋田県 未策定 0 9 0宮城県 未策定 2 4 5山形県 未策定 1 8 2

福島県 策定済み(H3011) 1 9 0

茨城県 策定済み(H293) 0 7 1

栃木県 未策定 4 5 3

群馬県 策定済み(H293改訂) 1 5 1

埼玉県 策定済み(H303改訂) 0 1 0

千葉県 策定済み(H238 ) 0 9 0

東京都 未策定 0 2 0神奈川県 未策定 0 2 0山梨県 未策定 1 8 1長野県 未策定 1 10 1

静岡県 策定済み(H293改訂) 4 4 2

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

新潟県 策定済み(H303改定) 4 14 2

富山県 未策定 1 7 2石川県 未策定 0 7 0福井県 未策定 0 4 0岐阜県 未策定 0 6 0

愛知県策定済み(H293策

定)0 4 2

三重県 未策定 1 2 1滋賀県 未策定 0 6 0

京都府 策定済み(H2410) 2 5 3

大阪府 未策定 0 3 0

兵庫県 策定済み(H2810) 4 10 2

奈良県 未策定 0 5 0和歌山県 未策定 0 4 0鳥取県 未策定 1 2 1

島根県 策定済み(H253) 1 9 3

岡山県 未策定 2 7 3広島県 未策定 1 5 1

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

山口県 策定済み(H253 ) 1 4 1

徳島県 未策定 0 3 0香川県 未策定 1 1 1

愛媛県 策定済み(H246) 1 5 0

高知県 未策定 0 9 0福岡県 未策定 4 5 4佐賀県 未策定 2 4 2長崎県 未策定 1 7 0

熊本県 策定済み(H243 ) 1 11 0

宮崎県 策定済み(H254) 1 7 1

大分県 策定済み(H283 ) 2 7 4

鹿児島県策定済み(H293改

訂)2 15 2

沖縄県 未策定 1 6 0

計 1966 318 90

386重複を除く

目標 47 600

バイオマス活用推進計画の策定数は現在都道府県計画19道府県市町村計画65市町村(類似施策を含めると重複を排除して386市町村)であり2025年までに全都道府県600市町村での計画策定を目指す

バイオマスの活用を推進する地域計画の策定状況 (農林水産省調べ(R2年4月 現在))

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー4バイオマス産業の市場規模

14

バイオマス産業の市場規模の推計(農林水産省調べ)

注) 旧基本計画策定以前から明確に市場が形成されている肥料飼料などは推計の対象外としている 経済波及効果は総務省が公開している産業連関表に基づく統合大分類(37部門)による経済波及効果の簡易計算ツールを用いて算定

バイオマス産業の市場規模については旧基本計画策定当時経済波及効果を含め約1200億円規模であったものが固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大し現時点で約3500億円(約70)

新たな基本計画の下発電以外の取組についての市場規模の拡大も推進しつつ2025年に5000億円の市場の形成を目指す

旧基本計画策定時点2010年

(平成22年)

現在2015年

(平成27年)

目標値2025年

(平成37年)

市場規模 約1200億円 約3500億円 5000億円

億円

5000

4000

3000

2000

1000

0

C

C

C

C

C

発電以外の取組についても拡大を推進

固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー5バイオマス産業都市について

15

バイオマス産業都市とは経済性が確保された一貫システムを構築し地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまちむらづくりを目指す地域であり関係7府省が共同で選定

関係7府省内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省

地方公共団体等

バイオマス産業を軸としたまちむらづくり

バイオガスプラント園芸農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥

家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物し尿 電気熱

(農作物)

加工施設小売店等へ

(畜産物)加工施設小売店等へ

低品質材(CD材)未利用材竹

木質チップペレット製造施設

木質バイオマス発電施設

(売電)

農業地域

農村部都市部

畜産農家

一般家庭

高品質材(AB材)

製材工場等

製材工場等残材建築家具製造メーカー等へ

マテリアル利用製紙工場等へ

電気熱

(チップペレット)

ボイラー用燃料

林業者

林業地域 畜産酪農地域

木質バイオマスボイラー

電気熱

(バイオマス産業都市のイメージ)

漁業地域漁業者

(海産物) 加工施設小売店等へ

水産残さ等堆肥化施設バイオガスプラント

堆肥液肥(売電)

(売電)

経済性が確保された一貫システムの構築

液肥散布

BDF製造施設発電施設

(売電)廃食用油

輸送用燃料

耕種農家

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

北海道ブロック(35市町村)十勝地域(19市町村)下川町別海町<H25①>釧路市興部町<H25②>平取町<H27>知内町音威子府村西興部村標茶町<H28>滝上町中標津町鶴居村<H29>稚内市浜頓別町幌延町<H30>八雲町<R1>

東北ブロック(11市町村)青森県 平川市<H28>西目屋村<H29>岩手県 一関市<H28>軽米町<R1>宮城県 東松島市<H25①>

南三陸町<H25②>大崎市<H27>加美町<H28>色麻町<H29>

山形県 最上町<H27>飯豊町<H29>

関東ブロック(9市町村)茨城県 牛久市<H25①>栃木県 茂木町<H27>大田原市<H29>さくら市<R1>群馬県 上野村<H29>山梨県 甲斐市<H27>静岡県 浜松市<H25②>掛川市<H28>長野県 中野市<R1>

北陸ブロック(4市)新潟県 新潟市<H25①>十日町市<H28>富山県 射水市<H26>南砺市<H28>

東海ブロック(3市)愛知県 大府市<H25①>半田市<H28>三重県 津市<H25②>

近畿ブロック(5市町)京都府 南丹市<H27>京丹波町<H28>京都市<H29>兵庫県 洲本市<H26>養父市<H30>

中国四国ブロック(10市町村)鳥取県 北栄町<H30>島根県 奥出雲町<H25②>

隠岐の島町<H26>飯南町<H27>

岡山県 真庭市西粟倉村<H25②>津山市<H27>

広島県 東広島市<H29>山口県 宇部市<H29>香川県 三豊市<H25①>

九州ブロック(13市町)福岡県 みやま市<H26>宗像市<H27>糸島市<H28>朝倉市<R1>佐賀県 佐賀市<H26>玄海町<R1>大分県 佐伯市<H26>臼杵市<H27>国東市<H28>竹田市<R1>宮崎県 小林市<H27>鹿児島県 薩摩川内市長島町<H28>

H25H26 H27 H28 H29 H30 R1

1次 2次26 8 6 11 16 11 5 7

年度別選定地域数(市町村数) <>内は選定年度(①1次選定②2次選定)青字は令和元年度選定地域

16

Ⅱー6バイオマス産業都市の選定地域(9 0市町村)

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト

17

用途 原料 木質バイオマス 家畜排せつ物 食品廃棄物 下水汚泥

発電

FIT活用

下川町滝上町中標津町鶴居村一関市東松島市最上町大田原市上野村甲斐市浜松市掛川市射水市津市京都市津山市真庭市佐伯市臼杵市

十勝地域音威子府村下川町興部町西興部村別海町標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町幌延町八雲町平川市一関市色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市南丹市京丹波町養父市糸島市国東市長島町玄海町

音威子府村西興部村標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市東松島市色麻町飯豊町大田原市浜松市十日町市半田市大府市南丹市京都市洲本市養父市宇部市糸島市佐伯市臼杵市国東市長島町朝倉市

音威子府村興部町平川市色麻町飯豊町浜松市十日町市南丹市洲本市佐伯市国東市玄海町

その他(未定を含む)

十勝地域釧路市興部町十日町市養父市隠岐の島町小林市

釧路市大崎市加美町最上町北栄町宗像市小林市長島町

興部町滝上町大崎市加美町南三陸町最上町新潟市南砺市津市宗像市みやま市佐賀市小林市

加美町南三陸町最上町新潟市養父市北栄町宗像市みやま市

熱 利 用

十勝地域釧路市知内町下川町平取町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村平川市西目屋村一関市東松島市大崎市加美町南三陸町最上町飯豊町牛久市上野村茂木町大田原市甲斐市浜松市掛川市中野市新潟市十日町市南砺市津市南丹市京丹波町京都市洲本市養父市北栄町奥出雲町飯南町隠岐の島町津山市西粟倉村東広島市三豊市みやま市糸島市佐賀市佐伯市臼杵市国東市小林市朝倉市

十勝地域釧路市下川町音威子府村西興部村標茶町興部町別海町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市一関市加美町色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市京丹波町国東市長島町

音威子府村興部町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村稚内市浜頓別平川市東松島市加美町飯豊町南三陸町色麻町最上町大田原市新潟市十日町市南砺市半田市津市隠岐の島町宇部市臼杵市国東市

音威子府村平川市加美町色麻町最上町飯豊町新潟市十日町市国東市

肥料飼料等 茂木町射水市京都市洲本市飯南町津山市東広島市三豊市宗像市

十勝地域釧路市音威子府村下川町興部町西興部村標茶町別海町中標津町鶴居村八雲町平川市一関市加美町大崎市色麻町最上町平川市茂木町大田原市甲斐市掛川市十日町市半田市南丹市京丹波町飯南町糸島市宗像市佐賀市小林市長島町

興部町音威子府村西興部村標茶町平川市東松島市大崎市加美町南三陸町色麻町最上町茂木町甲斐市浜松市新潟市十日町市南砺市半田市大府市南丹市三豊市隠岐の島町東広島市宇部市宗像市みやま市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市長島町

音威子府村平川市南三陸町加美町色麻町最上町十日町市南丹市京都市宗像市みやま市国東市

燃 料

下川町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村幌延町平取町西目屋村一関市大崎市加美町南三陸町飯豊町大田原市上野村牛久市掛川市新潟市十日町市津市京丹波町京都市北栄町隠岐の島町東広島市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市竹田市

軽米町南丹市

十勝地域下川町平川市大崎市軽米町牛久市茂木町甲斐市新潟市射水市十日町市大府市南丹市京都市洲本市飯南町真庭市三豊市宗像市みやま市臼杵市小林市

稚内市津市南丹市京都市

その他(マテリアル利用等)

茂木町大田原市京都市洲本市隠岐の島町津山市真庭市三豊市糸島市薩摩川内市 半田市 浜松市新潟市

地域名市町村名の着色は前ページの地域ブロックの着色と同一であり下線は令和元年度選定市町村

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Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)

18

固定価格買取制度は再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを約束する制度のことで太陽光風力水力地熱バイオマス由来の電気が対象買取の価格(調達価格)と期間(調達期間)は専門家で構成される調達価格等算定委員会の意見を尊重し経済産業大臣が決定

令和2年度の主要なバイオマス発電による電気の調達価格は13~40円kWh(税抜) 一般木材バイオマスのうち10000kw以上は入札制比較的小規模の10000kw未満は地域分散型エネルギー

源となりうるため24円kwh(税抜)を維持また競争環境が成立しているバイオマス液体燃料(全規模)も同様に入札制

令和2年度の調達価格と調達期間(バイオマス関係)

バイオマスの種類 調達価格1kWh当たり

調達期間

メタン発酵ガス(バイオマス由来) 39円+税

20年間

間伐材等由来の木質バイオマス1

2000kW未満 40円+税

2000kW以上 32円+税

一般木材バイオマス210000kW未満 24円+税

10000kW以上 +税

バイオマス液体燃料 +税

建設資材廃棄物 13円+税

一般廃棄物その他のバイオマス 17円+税1 「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」に基づく証明のないものにつ

いては建設資材廃棄物と同等に取扱う2 農作物の収穫に伴って生じるバイオマスも含む

事業計画

費用負担調整機関

制度の概要

入札制度

入札制度

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Ⅱー9バイオマス発電の導入状況

19

固定価格買取制度を活用したバイオマス発電については平成31年3月末において約171万kWが運転を開始済RPS制度のもとで導入された発電設備の設備容量を合わせると約402万kWが稼動

バイオマス発電の固定価格買取制度による買取電力量は平成30年度で約125億kWh

平成31年3月末におけるバイオマス発電の導入状況

(注) 四捨五入により合計値が合わない場合がある 設備認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値を集計

単位千kWRPS FIT設備導入量 ( )はRPSからFITへの移行を含む 合計

(FIT計)FIT導入後 認定容量

~H246 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H2407~H313

メタン発酵ガス(バイオマス由来)

147 32 60 74 115 126 123 676 837(32) (172) (74) (104) (122) (130) (634)

間伐材由来の木質バイオマス

145 129 559 1379 901 291 473 3879 5055(129) (655) (1374) (901) (291) (516) (3867)

一般木質バイオマス農作物残渣

1634 298 118 961 1919 3328 3442 11701 79623(298) (856) (961) (1919) (3328) (3947) (11310)

建設資材廃棄物4398 03 35 54 00 38 18 4511 857

(03) (3355) (54) (00) (44) (97) (3552)

一般廃棄物その他のバイオマス

16814 762 243 471 395 306 462 19451 3727(762) (7305) (428) (357) (94) (694) (9640)

計 231381224 1015 2939 3330 4089 4482 40218 90099

17079 (29003)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況

20

沖縄県 1845(3件) 8558(4件)

北海道14048(74件)86544( 5件) 9421( 3件)30084( 9件)

青森県 980(3件) 6250(1件)12400(1件) 6657(2件)

岩手県 630(3件)14717(4件)19800(2件)11297(4件)

宮城県 1143(3件) 880(3件)62657(1件) 1816(1件)14983(4件)

秋田県 730(1件) 7130(3件)21490(2件) 3750(2件) 4765(2件)

東京都 1468( 4件)166303(24件)

神奈川県 9000(3件)49000(1件) 2064(1件)44222(8件)

群馬県 725(3件) 6795(2件)13600(1件) 5540(2件)

千葉県 670(2件)47557(3件)12378(8件)

静岡県 1518(6件)89021(4件)54524(7件)

埼玉県 370( 1件) 146( 1件) 5976( 3件)16721( 1件)26003(12件)

岐阜県 685(2件) 6482(2件) 4300(1件) 600(1件) 6068(3件)

愛知県 2354( 6件)128029( 3件) 76096(14件)

和歌山県 10(1件) 2690(2件)

奈良県 50(1件) 6500(1件) 3499(2件)

京都府 155( 1件) 1760( 1件)17834( 4件)

鳥取県 1490(3件)22350(2件) 2360(1件)

山口県 74(2件) 67(1件)59656(2件)43123(2件)22526(4件)

島根県 759(1件) 6550(1件)12700(1件) 5400(3件)

岡山県 25(1件)10336(2件) 3949(2件) 8756(3件)

広島県 1116(1件)10157(2件)10800(2件)35792(7件)

高知県12750(2件)29500(1件)25730(2件) 5354(3件)

佐賀県 9850(1件) 4403(2件)

鹿児島県29450(2件)49000(1件)13255(5件)

表示出力は発電設備の認定出力にバイオマス比率を乗じたもの(各都道府県の合計出力)

平成31年3月末現在運転開始済みのものでFIT活用施設のみ

(資料)資源エネルギー庁資料を

もとに農林水産省作成

愛媛県 1160(2件)12500(1件)16134(4件)

三重県 1286(5件) 5800(1件)26980(3件) 1990(1件)18011(6件)

茨城県 645(2件) 7740(2件)190523(7件) 4990(1件) 11981(6件)

福島県 25(1件) 5785(3件)69855(2件)27772(2件)18433(5件)

山梨県14500(1件) 4698(3件)

新潟県 709(4件)12000(2件)10704(4件)

長崎県 250(1件) 7840(1件) 4750(3件)

福岡県 3397(3件)116450(3件) 59690(8件)

長野県 710(3件) 5060(4件) 5648(3件)

山形県 825(2件)13352(5件)55250(2件) 5813(4件)

徳島県 6470(2件) 710(1件)

大阪府 5440( 7件)14170( 3件)98781(14件)

香川県 525(2件) 1484(1件)

大分県 990(3件)25416(3件)50000(1件)12000(1件) 7426(3件)

宮崎県 2161(2件)38880(5件)19620(3件)14893(3件)

兵庫県 1382( 5件)22179( 3件)22740( 2件)21608( 2件)55961(14件)

栃木県 2525(9件) 1995(1件) 265(1件)24000(1件) 9214(6件)

石川県 455(3件)10920(4件)

全国計 メタンガス 63382kW (183件) 未利用木質 386741kW ( 70件) 一般木質 1130962kW ( 58件) 建設廃材 355237kW ( 32件) 一般廃棄物 963995kW (237件)

出 力 導入件数

福井県 25(1件) 7545(2件)37000(1件)

熊本県 808(1件) 6327(2件)12500(2件) 185(1件) 2850(1件)

富山県 195(1件) 5750(1件) 990(1件)13330(2件)

滋賀県 25(1件) 3550(1件) 3221(3件)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

36444

50693 58243

78258

98184 110092

126035 119569

120161

126532

131400

63 7585

108 109120

142 142 148 147 154

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大

21

木質バイオマスの活用は再生可能エネルギーの推進だけではなく林業や地域経済の活性化雇用の確保等にも貢献特に未利用となっている林地残材には大きな可能性

木質バイオマスは木質チップや木質ペレット等に加工され製材工場や公共施設発電所等におけるエネルギー源としての利用が増えてきている

木質バイオマスボイラー数の推移木質バイオマスボイラーは製材工場などを中心に2000基程度が設置されており最近は公共施設や温泉農業施設などへの導入も進んできている

地球温暖化問題への関心の高まりや化石燃料から再生可能エネルギー熱への転換による経営リスクの軽減等を背景に近年生産施設数及び生産量ともに増加

(基) ( t )(施設数)

- 施設数(第1軸(左)) 生産量(第2軸(右))

615 838

924

1218

1461

1701

2023

1945

1972

2058

2064

0

500

1000

1500

2000

2500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

台数

木質ペレットの製造施設数及び生産量

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 3: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

食料産業局

Ⅰ バイオマス活用推進基本法制定後の推移

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー1バイオマスとは

バイオマスとは生物資源(bio)の量(mass)を示す概念であり「動植物に由来する有機物である資源(化石資源を除く)」であり大気中の二酸化炭素を増加させない「カーボンニュートラル」と呼ばれる特性を有している

バイオマスを製品やエネルギーとして活用していくことは農山漁村の活性化や地球温暖化の防止循環型社会の形成といった我が国の抱える課題の解決に寄与するものでありその活用の推進を加速化することが強く求められている

廃棄物系バイオマス 家畜排せつ物 下水汚泥 黒液

紙 食品廃棄物 製材工場等残材 建設発生木材

木材パルプを作るときに化学的に分解分離した際発生する液体

未利用系バイオマス 農作物非食用部 林地残材

資源作物 微細藻類 等

バイオマスの種類 用 途

多くのバイオマスは地域に「広く薄く」存在しているため経済性の向上が重要 原料の効率的な収集運搬システムの確立 バイオマス製品等の販路の確保 幅広い用途への活用(高付加価値化) 製造利用技術の低コスト化

経済性が確保された一貫システムの構築

バイオマス活用にあたっての課題

製品利用製材製品木質ボード 等

エネルギー利用発電熱利用

良質材

CO2

成長

光合成 再利用

CO2排出(+)CO2吸収

(-)

(plusmn0)

カーボンニュートラルとは生物由来のバイオマスは燃焼等により二酸化炭素を放出しても生物の成長過

程で光合成により吸収大気中の二酸化炭素を増加させないという性質 マテリアル利用 素材として

プラスチック樹脂等 化成品原料として

アミノ酸有用化学物質 等

エネルギー利用 電気熱に変換

直接燃焼ガス化 燃料に変換

エタノールディーゼル固形燃料ガス 等

(既存利用) 肥飼料 薪炭 等

もみ殻

林地残材

木質バイオマス発電所

3

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯

4

2002 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025

(2010年度における目標設定)廃棄物系バイオマス80以上未利用バイオマス25以上活用等

農林漁業バイオ燃料法 (20085 制定同年10月施行)

バイオマス活用施策の総合的かつ計画的な推進 バイオマス活用推進計画の策定(国都道府県市町村) バイオマス活用推進会議の設置

バイオマス活用推進基本計画 (201012 閣議決定)

電気事業者による再エネ電気の調達に関する特別措置法(FIT法) (20118 制定20127 施行)

多種多様なバイオマス利用技術を評価した「技術ロードマップ」の策定 技術とバイオマスの選択と集中による事業化の推進 バイオマス産業を軸とするまちづくりむらづくり(バイオマス産業都市の推進)

農山漁村再生可能エネルギー法 (201311 制定20145 施行)

地球温暖化対策計画 (20165 閣議決定)

(2025年における目標設定)年間約2600万炭素トンのバイオマスを利用 600市町村においてバイオマス活用推進計画を策定 5000億円の市場を形成

エネルギー基本計画 (第5次20187 閣議決定)

プラスチック資源循環戦略2019 (20195 関係大臣決裁)

バイオ戦略2019 (20196 閣議決定)

パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略 (20196 閣議決定)

発電に加えエネルギー効率の高い熱利用の促進バイオガス化及び消化液の利用促進新たなバイオマス製品の製造販売の事業化に向けた技術開発や普及の推進

バイオマスニッポン総合戦略 (200212 閣議決定20063 改定)

バイオマス活用推進基本法 (20096 制定同年9月 施行)

バイオマス事業化戦略 (20129 バイオマス活用推進会議決定)

新たなバイオマス活用推進計画 (第2次20169 閣議決定)

食料農業農村基本計画 (第5次20203 閣議決定)

固定価格買取制度 開始

2030年におけるバイオマス発電の導入量 電源構成の37~46程度(394~490億kWh) 長期エネルギー需給見通し (20157 経済産業省決定)

森林林業基本計画 (第4次20165 閣議決定)

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Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要(平成21年6月12日法律第52号)

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バイオマス活用推進基本計画の策定等

国地方公共団体事業者等の責務の明確化とそれぞれの主体の連携の強化

責務連携の強化

① 政府は関係行政機関相互の調整を行うことによりバイオマスの活用の総合的一体的かつ効果的な推進を図るためバイオマス活用推進会議を設けるものとする

② 関係行政機関はバイオマスの活用に関し専門的知識を有する者によって構成するバイオマス活用推進専門家会議を設け①の調整を行うに際しては意見を聴くものとする

バイオマス活用推進会議

国の施策 必要な基盤の整備 バイオマスを供給する事業

の創出 技術の研究開発普及 人材の育成確保 バイオマス製品の利用の促

民間団体の自発的な活動の促進

地方公共団体の活動の促進 国際的な連携国際協力の

推進 情報の収集 国民の理解の増進

政府はバイオマスの活用の推進に関する施策を実施するため必要な法制上財政上税制上又は金融上の措置その他の措置を講じなければならない

法制上の措置等基本理念 総合的一体的かつ効果

的な推進 地球温暖化の防止に向

けた推進 循環型社会の形成に向

けた推進 産業の発展国際競争

力の強化への寄与 農山漁村の活性化等に

資する推進

バイオマスの種類ごとの特性に応じた最大限の利用

エネルギー供給源の多様化 地域の主体的な取組の促進 社会的気運の醸成 食料の安定供給の確保 環境の保全への配慮

政府はバイオマスの活用の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るためバイオマスの活用の推進に関する基本的な計画(バイオマス活用推進基本計画)を策定しなければならない

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Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制

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バイオマス活用推進基本法(平成21年6月12日法律第52号)に基づいて関係する7府省(内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省)の政務で構成される「バイオマス活用推進会議」が設置され連携してバイオマスの活用に資する施策を推進

地方行財政政策 消防法制

総務省

農林水産政策 農山漁村地域政策 食料産業政策

農林水産省

地球温暖化対策 廃棄物政策

環境省

国家基本政策

内閣府

科学技術政策 教育政策

文部科学省

国土交通政策 社会資本整備

(下水道等)

国土交通省

産業政策 エネルギー政策

経済産業省

バ イ オ マ ス活用推進会議(7府省の政務で構成)

メンバー

農林水産副大臣

内閣府大臣政務官

総務大臣政務官

文部科学大臣政務官

経済産業大臣政務官

国土交通大臣政務官

環境大臣政務官

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)

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1 施策についての基本的な方針地域に存在するバイオマスを活用して地域が主体となった事業を創出し農林漁業の振興や地域への利益還元による活性化につな

げていく施策を推進

3 政府が総合的かつ効果的に講ずべき施策 より経済的な価値を生み出す高度利用や多段階利用などの地域が主体となった取組を後押し エネルギー効率の高い熱利用の普及拡大熱源としてのバイオガスの積極的利用等を推進 成功事例のノウハウなどを幅広く共有していくことによる取組の横展開を促進

4 技術の研究開発に関する事項 地域の実情に応じた多様なバイオマスの混合利用下水汚泥由来の水素ガスの製造利用方法の確立 発電等に伴う余剰熱及びバイオガス製造過程で発生する消化液等の副産物の利用技術の確立 産業化を見据えた微細藻類等による次世代バイオ燃料の研究開発等の推進

バイオマス活用推進基本法(平成21年法律第52号)に基づきバイオマスの活用の促進に関する施策についての基本的な方針国が達成すべき目標技術の研究開発に関する事項等について定める計画

従前の基本計画(平成22年12月17日閣議決定)のもとエネルギー利用を中心にバイオマス産業の市場規模が拡大したが固定価格買取制度を活用した売電の取組に偏りがみられ売電以外の取組では経済性の確保や地域が主体となる持続的な事業モデルの確立が課題となっており新たな基本計画によってこれらの課題の解決を図る

2 国が達成すべき目標(目標2025年)

5000億円の市場を形成

新たな産業創出年間約2600万炭素トンの

バイオマスを利用

環境負荷の少ない持続的な社会全都道府県600市町村で

バイオマス活用推進計画を策定

農林漁業農山漁村の活性化

経済性が確保された取組を強化 地域に利益が還元され持続的かつ自立的な取組を推進

重点事項

実用化高付加価値化を促進

重点事項

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿

8

成功事例を幅広く共有事業の横展開

環境負荷の少ない持続的な社会 農林漁業農山漁村の活性化 新たな産業の創出

得られた利益が地域に還元される取組

これまで廃棄物処理を行っていた農畜産業生産現場で発生する農作物非食用部や家畜排せつ物等の廃棄物系バイオマスについて高度利用等に用いることでその処理費用や運搬等の労力が軽減

バイオマスの変換技術により得られた電気熱等のエネルギーや製品等を地域の農家や公共施設等に安価に提供することでこれまで必要としていたエネルギー等に要する費用の負担が軽減

より経済的な価値を生み出す取組

<従来>家畜排せつ物

<高度利用>

堆 肥

家畜排せつ物

農地牧草地に還元堆肥化

メタン発酵

ガ ス

精製濃縮

施設園芸都市ガスの代替

電 気自家消費売電等

熱施設の暖房給湯等

消化液

バイオガスコジェネレーション

農地牧草地に還元

製材用丸太 小径丸太 枝葉

製材加工(製材工場)

(直材) (曲がり材短尺材) (低質材) (梢端)

チップ製造 ペレット製造

製材製品(板角材等) 木質ボード 紙 肥料飼料 電気熱

(建設資材) (回収) (灰CO2回収)

鋸屑端材

廃材解体材

(利用)(再利用)

農業生産現場や地域の熱需要施設等において熱利用は化石燃料の代替となることが期待

エネルギー需要のおよそ半分は熱であり特に農業生産現場におけるエネルギー消費の約8割が熱利用であることからバイオマスの熱利用を推進 熱利用は発電と比べてエネルギー効率がよい

(熱利用60~90程度発電10~40程度)

現在は十分に活用されていない発電における余熱の利用を進める「熱電併給」の取組も加速

高度利用 より経済的な価値を生み出す

地域に存在するバイオマスをエネルギーや製品等に変換活用する新産業が創出

②③による節約費用は経営規模の拡大等に充当することが可能

上記の取組等により新たな雇用が創出

持続的かつ自立可能な取組

地方公共団体等

バイオガスプラント

市町村バイオマス活用推進計画(バイオマス産業を軸とした地域づくり)

(取組のイメージ)

畑作農家園芸農家 畜産農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥 家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物

電気熱 食品廃棄物し尿

電気熱

(製品)小売店等へ

(農作物)加工施設小売店等へ

経済性が確保された一貫システムの構築

(畜産物)加工施設小売店等へ

多段階利用 限られた資源を徹底的に使う 熱利用 エネルギー効率のよい熱利用の推進

①産業振興雇用創出 ②廃棄物等の処理費用や労力の軽減 ③安価なエネルギーや製品等の供給

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)

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地域のバイオマスを活用した産業創出と地域循環型エネルギーシステム

の構築に向けたバイオマス産業都市の構築(バイオマスタウンの発展高度化)

原料生産から収集運搬製造利用までの事業者の連携による事業化

の取組を推進する制度の検討(農林漁業バイオ燃料法の見直し)

技術とバイオマスの選択と集中による事業化の重点的な推進

関係者の連携による原料生産から収集運搬製造利用までの一貫システムの構築

地域のバイオマスを活用した事業化推進による地域産業の創出と自立分散型エネルギー供給体制の強化

技術ロードマップに基づき事業化に活用する実用化技術とバイオマスを整理

技 術メタン発酵堆肥化直接燃焼固体燃料化液体燃料化

バイオマス木質食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物

産学官の研究機関の連携による実用化を目指す技術の開発加速化

戦略2技術戦略(技術開発と製造)

バイオマス活用と一体となった川上の農林業の体制整備

バイオマスの効率的な収集運搬システムの構築

高バイオマス量易分解性等の資源用作物植物の開発

多様なバイオマス資源の混合利用と廃棄物系の徹底利用

戦略4入口戦略(原料調達)

戦略6総合支援戦略

固定価格買取制度の積極的活用

投資家事業者の参入を促すバイオマス関連税制の推進

各種クレジット制度の活用による温室効果ガス削減の推進

高付加価値製品の創出による事業化の推進

戦略3出口戦略(需要の創出拡大)

アジア等における持続可能なバイオマス利用システムの構築

持続可能なバイオマス利用に向けた国際的な基準づくり等の推進

戦略7海外戦略⑤バイオ燃料

①木質バイオマス

②食品廃棄物

③下水汚泥

④家畜排せつ物

未利用間伐材等の効率的な収集運搬システムの構築と木質発電所等でのエネルギー利用を一体的重点的に推進

分別回収の徹底強化とバイオガス化他のバイオマスとの混合利用固体燃料化による再生利用を推進

地域のバイオマス活用の拠点としてバイオガス化食品廃棄物等との混合利用固形燃料化による再生利用を推進

メタン発酵直接燃焼食品廃棄物等との混合利用による再生利用を推進

戦略5個別重点戦略

大規模製造プラントを有する地域での農業と一体となった地域循環型バイオ燃料利用の可能性について具体化の方策を検討

バイオディーゼル燃料の税制等による低濃度利用の普及や高効率低コスト生産システムの開発

研究機関の連携による次世代バイオ燃料製造技術の開発加速化

戦略1基本戦略

食料産業局

Ⅱ バイオマス活用推進基本計画の進捗状況

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標

11

将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿

環境負荷の少ない持続的な社会 新たな産業創出と農林漁業農山漁村の活性化 バイオマス利用を軸にした新しいライフスタイル 国際的な連携の下でのバイオマス活用

バイオマスの利用拡大 化石資源を用いて製造されているエネルギー

や製品をバイオマス由来のものに代替することで炭素量換算で年間約2600万炭素トンのバイオマスを利用

バイオマスの種類ごとに利用率の目標を設定

地球温暖化の防止や循環型社会の形成

バイオマス産業の規模 バイオマスをエネルギーや製品に活用する環境

調和型産業を育成しそれらの産業化が進展することを前提として5000億円の市場を形成

新たな産業の発展や国際競争力の強化

バイオマス活用推進計画の策定 都道府県バイオマス活用推進計画を全ての

都道府県で策定 市町村バイオマス活用推進計画を全市町村

数の3分の1に相当する600市町村で策定

農林漁業農山漁村の活性化

将来像を実現するために必要な目標(2025年)を設定

現基本計画では将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿を想定し柱となる「地球温暖化の防止」「新たな産業の発展」「農山漁村の活性化」の達成状況を判断する指標としてバイオマスの利用拡大バイオマス新産業の規模バイオマス活用推進計画の策定を評価軸に2025年に国が達成すべき目標値を設定

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Ⅱー2バイオマスの利用拡大

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バイオマスの発生量(賦存量)は廃棄物系バイオマスの発生抑制の取組等により中長期的には減少傾向 利用量の炭素量換算値は現時点で約2400万トンとなっているが2025年に約2600万トンが利用されることを目指す 既存の利用方法に配慮しつつより経済的な価値を生み出す高度利用等を推進すべくバイオマスの種類毎の目標を設定

2010年(平成22年)

2015年(平成27年) 【中長期的傾向】

2025年(令和7年)

バイオマスの発生量

(炭素換算値)約3300万トン 約3400万トン

廃棄物系バイオマスは発生抑制の取組等により減少傾向

[将来予測]約3200万トン

バイオマスの利用量

(炭素換算値)

約2300万トン[利用率]約697

約2400万トン[利用率]約706 [推進施策]

製品として価値の高い順に可能な限り繰り返し利用する多段階利用やエネルギー効率の高い熱利用などの取組を推進

木材の安定供給に影響を及ぼさないようマテリアル利用とエネルギー利用の両立を図りつつ活用を推進

地域の実情に応じた地域経済の好循環に結びつく構想づくりを支援し生み出された価値が農林漁業の振興や地域への利益還元につながる取組を推進

[目標値]約2600万トン

バイオマスの種類 発生量 利用量 利用率 利用率

廃棄物系バイオマス

家畜排せつ物 87 約90

下水汚泥 68 約85

黒液 100 100

紙 81 約85

食品廃棄物 29 約40

製材工場等残材 97 約97

建設発生木材1 94 約95

未利用系

バイオマス

農作物非食用部(すき込みを除く) 32 約45

林地残材 13 30以上

1000万トン814万トン

発生量486万トン利用量419万トン

90万トン61万トン

403万トン403万トン

65万トン19万トン

320万トン310万トン

220万トン207万トン

438万トン139万トン

420万トン56万トン

各年度の実績の数値を計上(基本計画に記載の利用率等は各年度時点の最新の統計調査に基づくものであるため異なる場合がある) 1建設発材は元となる統計調査が5年ごとであり平成20年度実績の数値

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Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定

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都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

北海道 策定済み(H2512) 12 30 35

青森県 策定済み(H2312) 2 12 2

岩手県 未策定 2 9 2秋田県 未策定 0 9 0宮城県 未策定 2 4 5山形県 未策定 1 8 2

福島県 策定済み(H3011) 1 9 0

茨城県 策定済み(H293) 0 7 1

栃木県 未策定 4 5 3

群馬県 策定済み(H293改訂) 1 5 1

埼玉県 策定済み(H303改訂) 0 1 0

千葉県 策定済み(H238 ) 0 9 0

東京都 未策定 0 2 0神奈川県 未策定 0 2 0山梨県 未策定 1 8 1長野県 未策定 1 10 1

静岡県 策定済み(H293改訂) 4 4 2

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

新潟県 策定済み(H303改定) 4 14 2

富山県 未策定 1 7 2石川県 未策定 0 7 0福井県 未策定 0 4 0岐阜県 未策定 0 6 0

愛知県策定済み(H293策

定)0 4 2

三重県 未策定 1 2 1滋賀県 未策定 0 6 0

京都府 策定済み(H2410) 2 5 3

大阪府 未策定 0 3 0

兵庫県 策定済み(H2810) 4 10 2

奈良県 未策定 0 5 0和歌山県 未策定 0 4 0鳥取県 未策定 1 2 1

島根県 策定済み(H253) 1 9 3

岡山県 未策定 2 7 3広島県 未策定 1 5 1

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

山口県 策定済み(H253 ) 1 4 1

徳島県 未策定 0 3 0香川県 未策定 1 1 1

愛媛県 策定済み(H246) 1 5 0

高知県 未策定 0 9 0福岡県 未策定 4 5 4佐賀県 未策定 2 4 2長崎県 未策定 1 7 0

熊本県 策定済み(H243 ) 1 11 0

宮崎県 策定済み(H254) 1 7 1

大分県 策定済み(H283 ) 2 7 4

鹿児島県策定済み(H293改

訂)2 15 2

沖縄県 未策定 1 6 0

計 1966 318 90

386重複を除く

目標 47 600

バイオマス活用推進計画の策定数は現在都道府県計画19道府県市町村計画65市町村(類似施策を含めると重複を排除して386市町村)であり2025年までに全都道府県600市町村での計画策定を目指す

バイオマスの活用を推進する地域計画の策定状況 (農林水産省調べ(R2年4月 現在))

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー4バイオマス産業の市場規模

14

バイオマス産業の市場規模の推計(農林水産省調べ)

注) 旧基本計画策定以前から明確に市場が形成されている肥料飼料などは推計の対象外としている 経済波及効果は総務省が公開している産業連関表に基づく統合大分類(37部門)による経済波及効果の簡易計算ツールを用いて算定

バイオマス産業の市場規模については旧基本計画策定当時経済波及効果を含め約1200億円規模であったものが固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大し現時点で約3500億円(約70)

新たな基本計画の下発電以外の取組についての市場規模の拡大も推進しつつ2025年に5000億円の市場の形成を目指す

旧基本計画策定時点2010年

(平成22年)

現在2015年

(平成27年)

目標値2025年

(平成37年)

市場規模 約1200億円 約3500億円 5000億円

億円

5000

4000

3000

2000

1000

0

C

C

C

C

C

発電以外の取組についても拡大を推進

固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー5バイオマス産業都市について

15

バイオマス産業都市とは経済性が確保された一貫システムを構築し地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまちむらづくりを目指す地域であり関係7府省が共同で選定

関係7府省内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省

地方公共団体等

バイオマス産業を軸としたまちむらづくり

バイオガスプラント園芸農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥

家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物し尿 電気熱

(農作物)

加工施設小売店等へ

(畜産物)加工施設小売店等へ

低品質材(CD材)未利用材竹

木質チップペレット製造施設

木質バイオマス発電施設

(売電)

農業地域

農村部都市部

畜産農家

一般家庭

高品質材(AB材)

製材工場等

製材工場等残材建築家具製造メーカー等へ

マテリアル利用製紙工場等へ

電気熱

(チップペレット)

ボイラー用燃料

林業者

林業地域 畜産酪農地域

木質バイオマスボイラー

電気熱

(バイオマス産業都市のイメージ)

漁業地域漁業者

(海産物) 加工施設小売店等へ

水産残さ等堆肥化施設バイオガスプラント

堆肥液肥(売電)

(売電)

経済性が確保された一貫システムの構築

液肥散布

BDF製造施設発電施設

(売電)廃食用油

輸送用燃料

耕種農家

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

北海道ブロック(35市町村)十勝地域(19市町村)下川町別海町<H25①>釧路市興部町<H25②>平取町<H27>知内町音威子府村西興部村標茶町<H28>滝上町中標津町鶴居村<H29>稚内市浜頓別町幌延町<H30>八雲町<R1>

東北ブロック(11市町村)青森県 平川市<H28>西目屋村<H29>岩手県 一関市<H28>軽米町<R1>宮城県 東松島市<H25①>

南三陸町<H25②>大崎市<H27>加美町<H28>色麻町<H29>

山形県 最上町<H27>飯豊町<H29>

関東ブロック(9市町村)茨城県 牛久市<H25①>栃木県 茂木町<H27>大田原市<H29>さくら市<R1>群馬県 上野村<H29>山梨県 甲斐市<H27>静岡県 浜松市<H25②>掛川市<H28>長野県 中野市<R1>

北陸ブロック(4市)新潟県 新潟市<H25①>十日町市<H28>富山県 射水市<H26>南砺市<H28>

東海ブロック(3市)愛知県 大府市<H25①>半田市<H28>三重県 津市<H25②>

近畿ブロック(5市町)京都府 南丹市<H27>京丹波町<H28>京都市<H29>兵庫県 洲本市<H26>養父市<H30>

中国四国ブロック(10市町村)鳥取県 北栄町<H30>島根県 奥出雲町<H25②>

隠岐の島町<H26>飯南町<H27>

岡山県 真庭市西粟倉村<H25②>津山市<H27>

広島県 東広島市<H29>山口県 宇部市<H29>香川県 三豊市<H25①>

九州ブロック(13市町)福岡県 みやま市<H26>宗像市<H27>糸島市<H28>朝倉市<R1>佐賀県 佐賀市<H26>玄海町<R1>大分県 佐伯市<H26>臼杵市<H27>国東市<H28>竹田市<R1>宮崎県 小林市<H27>鹿児島県 薩摩川内市長島町<H28>

H25H26 H27 H28 H29 H30 R1

1次 2次26 8 6 11 16 11 5 7

年度別選定地域数(市町村数) <>内は選定年度(①1次選定②2次選定)青字は令和元年度選定地域

16

Ⅱー6バイオマス産業都市の選定地域(9 0市町村)

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト

17

用途 原料 木質バイオマス 家畜排せつ物 食品廃棄物 下水汚泥

発電

FIT活用

下川町滝上町中標津町鶴居村一関市東松島市最上町大田原市上野村甲斐市浜松市掛川市射水市津市京都市津山市真庭市佐伯市臼杵市

十勝地域音威子府村下川町興部町西興部村別海町標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町幌延町八雲町平川市一関市色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市南丹市京丹波町養父市糸島市国東市長島町玄海町

音威子府村西興部村標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市東松島市色麻町飯豊町大田原市浜松市十日町市半田市大府市南丹市京都市洲本市養父市宇部市糸島市佐伯市臼杵市国東市長島町朝倉市

音威子府村興部町平川市色麻町飯豊町浜松市十日町市南丹市洲本市佐伯市国東市玄海町

その他(未定を含む)

十勝地域釧路市興部町十日町市養父市隠岐の島町小林市

釧路市大崎市加美町最上町北栄町宗像市小林市長島町

興部町滝上町大崎市加美町南三陸町最上町新潟市南砺市津市宗像市みやま市佐賀市小林市

加美町南三陸町最上町新潟市養父市北栄町宗像市みやま市

熱 利 用

十勝地域釧路市知内町下川町平取町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村平川市西目屋村一関市東松島市大崎市加美町南三陸町最上町飯豊町牛久市上野村茂木町大田原市甲斐市浜松市掛川市中野市新潟市十日町市南砺市津市南丹市京丹波町京都市洲本市養父市北栄町奥出雲町飯南町隠岐の島町津山市西粟倉村東広島市三豊市みやま市糸島市佐賀市佐伯市臼杵市国東市小林市朝倉市

十勝地域釧路市下川町音威子府村西興部村標茶町興部町別海町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市一関市加美町色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市京丹波町国東市長島町

音威子府村興部町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村稚内市浜頓別平川市東松島市加美町飯豊町南三陸町色麻町最上町大田原市新潟市十日町市南砺市半田市津市隠岐の島町宇部市臼杵市国東市

音威子府村平川市加美町色麻町最上町飯豊町新潟市十日町市国東市

肥料飼料等 茂木町射水市京都市洲本市飯南町津山市東広島市三豊市宗像市

十勝地域釧路市音威子府村下川町興部町西興部村標茶町別海町中標津町鶴居村八雲町平川市一関市加美町大崎市色麻町最上町平川市茂木町大田原市甲斐市掛川市十日町市半田市南丹市京丹波町飯南町糸島市宗像市佐賀市小林市長島町

興部町音威子府村西興部村標茶町平川市東松島市大崎市加美町南三陸町色麻町最上町茂木町甲斐市浜松市新潟市十日町市南砺市半田市大府市南丹市三豊市隠岐の島町東広島市宇部市宗像市みやま市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市長島町

音威子府村平川市南三陸町加美町色麻町最上町十日町市南丹市京都市宗像市みやま市国東市

燃 料

下川町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村幌延町平取町西目屋村一関市大崎市加美町南三陸町飯豊町大田原市上野村牛久市掛川市新潟市十日町市津市京丹波町京都市北栄町隠岐の島町東広島市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市竹田市

軽米町南丹市

十勝地域下川町平川市大崎市軽米町牛久市茂木町甲斐市新潟市射水市十日町市大府市南丹市京都市洲本市飯南町真庭市三豊市宗像市みやま市臼杵市小林市

稚内市津市南丹市京都市

その他(マテリアル利用等)

茂木町大田原市京都市洲本市隠岐の島町津山市真庭市三豊市糸島市薩摩川内市 半田市 浜松市新潟市

地域名市町村名の着色は前ページの地域ブロックの着色と同一であり下線は令和元年度選定市町村

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Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)

18

固定価格買取制度は再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを約束する制度のことで太陽光風力水力地熱バイオマス由来の電気が対象買取の価格(調達価格)と期間(調達期間)は専門家で構成される調達価格等算定委員会の意見を尊重し経済産業大臣が決定

令和2年度の主要なバイオマス発電による電気の調達価格は13~40円kWh(税抜) 一般木材バイオマスのうち10000kw以上は入札制比較的小規模の10000kw未満は地域分散型エネルギー

源となりうるため24円kwh(税抜)を維持また競争環境が成立しているバイオマス液体燃料(全規模)も同様に入札制

令和2年度の調達価格と調達期間(バイオマス関係)

バイオマスの種類 調達価格1kWh当たり

調達期間

メタン発酵ガス(バイオマス由来) 39円+税

20年間

間伐材等由来の木質バイオマス1

2000kW未満 40円+税

2000kW以上 32円+税

一般木材バイオマス210000kW未満 24円+税

10000kW以上 +税

バイオマス液体燃料 +税

建設資材廃棄物 13円+税

一般廃棄物その他のバイオマス 17円+税1 「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」に基づく証明のないものにつ

いては建設資材廃棄物と同等に取扱う2 農作物の収穫に伴って生じるバイオマスも含む

事業計画

費用負担調整機関

制度の概要

入札制度

入札制度

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Ⅱー9バイオマス発電の導入状況

19

固定価格買取制度を活用したバイオマス発電については平成31年3月末において約171万kWが運転を開始済RPS制度のもとで導入された発電設備の設備容量を合わせると約402万kWが稼動

バイオマス発電の固定価格買取制度による買取電力量は平成30年度で約125億kWh

平成31年3月末におけるバイオマス発電の導入状況

(注) 四捨五入により合計値が合わない場合がある 設備認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値を集計

単位千kWRPS FIT設備導入量 ( )はRPSからFITへの移行を含む 合計

(FIT計)FIT導入後 認定容量

~H246 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H2407~H313

メタン発酵ガス(バイオマス由来)

147 32 60 74 115 126 123 676 837(32) (172) (74) (104) (122) (130) (634)

間伐材由来の木質バイオマス

145 129 559 1379 901 291 473 3879 5055(129) (655) (1374) (901) (291) (516) (3867)

一般木質バイオマス農作物残渣

1634 298 118 961 1919 3328 3442 11701 79623(298) (856) (961) (1919) (3328) (3947) (11310)

建設資材廃棄物4398 03 35 54 00 38 18 4511 857

(03) (3355) (54) (00) (44) (97) (3552)

一般廃棄物その他のバイオマス

16814 762 243 471 395 306 462 19451 3727(762) (7305) (428) (357) (94) (694) (9640)

計 231381224 1015 2939 3330 4089 4482 40218 90099

17079 (29003)

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Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況

20

沖縄県 1845(3件) 8558(4件)

北海道14048(74件)86544( 5件) 9421( 3件)30084( 9件)

青森県 980(3件) 6250(1件)12400(1件) 6657(2件)

岩手県 630(3件)14717(4件)19800(2件)11297(4件)

宮城県 1143(3件) 880(3件)62657(1件) 1816(1件)14983(4件)

秋田県 730(1件) 7130(3件)21490(2件) 3750(2件) 4765(2件)

東京都 1468( 4件)166303(24件)

神奈川県 9000(3件)49000(1件) 2064(1件)44222(8件)

群馬県 725(3件) 6795(2件)13600(1件) 5540(2件)

千葉県 670(2件)47557(3件)12378(8件)

静岡県 1518(6件)89021(4件)54524(7件)

埼玉県 370( 1件) 146( 1件) 5976( 3件)16721( 1件)26003(12件)

岐阜県 685(2件) 6482(2件) 4300(1件) 600(1件) 6068(3件)

愛知県 2354( 6件)128029( 3件) 76096(14件)

和歌山県 10(1件) 2690(2件)

奈良県 50(1件) 6500(1件) 3499(2件)

京都府 155( 1件) 1760( 1件)17834( 4件)

鳥取県 1490(3件)22350(2件) 2360(1件)

山口県 74(2件) 67(1件)59656(2件)43123(2件)22526(4件)

島根県 759(1件) 6550(1件)12700(1件) 5400(3件)

岡山県 25(1件)10336(2件) 3949(2件) 8756(3件)

広島県 1116(1件)10157(2件)10800(2件)35792(7件)

高知県12750(2件)29500(1件)25730(2件) 5354(3件)

佐賀県 9850(1件) 4403(2件)

鹿児島県29450(2件)49000(1件)13255(5件)

表示出力は発電設備の認定出力にバイオマス比率を乗じたもの(各都道府県の合計出力)

平成31年3月末現在運転開始済みのものでFIT活用施設のみ

(資料)資源エネルギー庁資料を

もとに農林水産省作成

愛媛県 1160(2件)12500(1件)16134(4件)

三重県 1286(5件) 5800(1件)26980(3件) 1990(1件)18011(6件)

茨城県 645(2件) 7740(2件)190523(7件) 4990(1件) 11981(6件)

福島県 25(1件) 5785(3件)69855(2件)27772(2件)18433(5件)

山梨県14500(1件) 4698(3件)

新潟県 709(4件)12000(2件)10704(4件)

長崎県 250(1件) 7840(1件) 4750(3件)

福岡県 3397(3件)116450(3件) 59690(8件)

長野県 710(3件) 5060(4件) 5648(3件)

山形県 825(2件)13352(5件)55250(2件) 5813(4件)

徳島県 6470(2件) 710(1件)

大阪府 5440( 7件)14170( 3件)98781(14件)

香川県 525(2件) 1484(1件)

大分県 990(3件)25416(3件)50000(1件)12000(1件) 7426(3件)

宮崎県 2161(2件)38880(5件)19620(3件)14893(3件)

兵庫県 1382( 5件)22179( 3件)22740( 2件)21608( 2件)55961(14件)

栃木県 2525(9件) 1995(1件) 265(1件)24000(1件) 9214(6件)

石川県 455(3件)10920(4件)

全国計 メタンガス 63382kW (183件) 未利用木質 386741kW ( 70件) 一般木質 1130962kW ( 58件) 建設廃材 355237kW ( 32件) 一般廃棄物 963995kW (237件)

出 力 導入件数

福井県 25(1件) 7545(2件)37000(1件)

熊本県 808(1件) 6327(2件)12500(2件) 185(1件) 2850(1件)

富山県 195(1件) 5750(1件) 990(1件)13330(2件)

滋賀県 25(1件) 3550(1件) 3221(3件)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

36444

50693 58243

78258

98184 110092

126035 119569

120161

126532

131400

63 7585

108 109120

142 142 148 147 154

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大

21

木質バイオマスの活用は再生可能エネルギーの推進だけではなく林業や地域経済の活性化雇用の確保等にも貢献特に未利用となっている林地残材には大きな可能性

木質バイオマスは木質チップや木質ペレット等に加工され製材工場や公共施設発電所等におけるエネルギー源としての利用が増えてきている

木質バイオマスボイラー数の推移木質バイオマスボイラーは製材工場などを中心に2000基程度が設置されており最近は公共施設や温泉農業施設などへの導入も進んできている

地球温暖化問題への関心の高まりや化石燃料から再生可能エネルギー熱への転換による経営リスクの軽減等を背景に近年生産施設数及び生産量ともに増加

(基) ( t )(施設数)

- 施設数(第1軸(左)) 生産量(第2軸(右))

615 838

924

1218

1461

1701

2023

1945

1972

2058

2064

0

500

1000

1500

2000

2500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

台数

木質ペレットの製造施設数及び生産量

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

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農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

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Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

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Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 4: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー1バイオマスとは

バイオマスとは生物資源(bio)の量(mass)を示す概念であり「動植物に由来する有機物である資源(化石資源を除く)」であり大気中の二酸化炭素を増加させない「カーボンニュートラル」と呼ばれる特性を有している

バイオマスを製品やエネルギーとして活用していくことは農山漁村の活性化や地球温暖化の防止循環型社会の形成といった我が国の抱える課題の解決に寄与するものでありその活用の推進を加速化することが強く求められている

廃棄物系バイオマス 家畜排せつ物 下水汚泥 黒液

紙 食品廃棄物 製材工場等残材 建設発生木材

木材パルプを作るときに化学的に分解分離した際発生する液体

未利用系バイオマス 農作物非食用部 林地残材

資源作物 微細藻類 等

バイオマスの種類 用 途

多くのバイオマスは地域に「広く薄く」存在しているため経済性の向上が重要 原料の効率的な収集運搬システムの確立 バイオマス製品等の販路の確保 幅広い用途への活用(高付加価値化) 製造利用技術の低コスト化

経済性が確保された一貫システムの構築

バイオマス活用にあたっての課題

製品利用製材製品木質ボード 等

エネルギー利用発電熱利用

良質材

CO2

成長

光合成 再利用

CO2排出(+)CO2吸収

(-)

(plusmn0)

カーボンニュートラルとは生物由来のバイオマスは燃焼等により二酸化炭素を放出しても生物の成長過

程で光合成により吸収大気中の二酸化炭素を増加させないという性質 マテリアル利用 素材として

プラスチック樹脂等 化成品原料として

アミノ酸有用化学物質 等

エネルギー利用 電気熱に変換

直接燃焼ガス化 燃料に変換

エタノールディーゼル固形燃料ガス 等

(既存利用) 肥飼料 薪炭 等

もみ殻

林地残材

木質バイオマス発電所

3

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯

4

2002 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025

(2010年度における目標設定)廃棄物系バイオマス80以上未利用バイオマス25以上活用等

農林漁業バイオ燃料法 (20085 制定同年10月施行)

バイオマス活用施策の総合的かつ計画的な推進 バイオマス活用推進計画の策定(国都道府県市町村) バイオマス活用推進会議の設置

バイオマス活用推進基本計画 (201012 閣議決定)

電気事業者による再エネ電気の調達に関する特別措置法(FIT法) (20118 制定20127 施行)

多種多様なバイオマス利用技術を評価した「技術ロードマップ」の策定 技術とバイオマスの選択と集中による事業化の推進 バイオマス産業を軸とするまちづくりむらづくり(バイオマス産業都市の推進)

農山漁村再生可能エネルギー法 (201311 制定20145 施行)

地球温暖化対策計画 (20165 閣議決定)

(2025年における目標設定)年間約2600万炭素トンのバイオマスを利用 600市町村においてバイオマス活用推進計画を策定 5000億円の市場を形成

エネルギー基本計画 (第5次20187 閣議決定)

プラスチック資源循環戦略2019 (20195 関係大臣決裁)

バイオ戦略2019 (20196 閣議決定)

パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略 (20196 閣議決定)

発電に加えエネルギー効率の高い熱利用の促進バイオガス化及び消化液の利用促進新たなバイオマス製品の製造販売の事業化に向けた技術開発や普及の推進

バイオマスニッポン総合戦略 (200212 閣議決定20063 改定)

バイオマス活用推進基本法 (20096 制定同年9月 施行)

バイオマス事業化戦略 (20129 バイオマス活用推進会議決定)

新たなバイオマス活用推進計画 (第2次20169 閣議決定)

食料農業農村基本計画 (第5次20203 閣議決定)

固定価格買取制度 開始

2030年におけるバイオマス発電の導入量 電源構成の37~46程度(394~490億kWh) 長期エネルギー需給見通し (20157 経済産業省決定)

森林林業基本計画 (第4次20165 閣議決定)

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Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要(平成21年6月12日法律第52号)

5

バイオマス活用推進基本計画の策定等

国地方公共団体事業者等の責務の明確化とそれぞれの主体の連携の強化

責務連携の強化

① 政府は関係行政機関相互の調整を行うことによりバイオマスの活用の総合的一体的かつ効果的な推進を図るためバイオマス活用推進会議を設けるものとする

② 関係行政機関はバイオマスの活用に関し専門的知識を有する者によって構成するバイオマス活用推進専門家会議を設け①の調整を行うに際しては意見を聴くものとする

バイオマス活用推進会議

国の施策 必要な基盤の整備 バイオマスを供給する事業

の創出 技術の研究開発普及 人材の育成確保 バイオマス製品の利用の促

民間団体の自発的な活動の促進

地方公共団体の活動の促進 国際的な連携国際協力の

推進 情報の収集 国民の理解の増進

政府はバイオマスの活用の推進に関する施策を実施するため必要な法制上財政上税制上又は金融上の措置その他の措置を講じなければならない

法制上の措置等基本理念 総合的一体的かつ効果

的な推進 地球温暖化の防止に向

けた推進 循環型社会の形成に向

けた推進 産業の発展国際競争

力の強化への寄与 農山漁村の活性化等に

資する推進

バイオマスの種類ごとの特性に応じた最大限の利用

エネルギー供給源の多様化 地域の主体的な取組の促進 社会的気運の醸成 食料の安定供給の確保 環境の保全への配慮

政府はバイオマスの活用の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るためバイオマスの活用の推進に関する基本的な計画(バイオマス活用推進基本計画)を策定しなければならない

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制

6

バイオマス活用推進基本法(平成21年6月12日法律第52号)に基づいて関係する7府省(内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省)の政務で構成される「バイオマス活用推進会議」が設置され連携してバイオマスの活用に資する施策を推進

地方行財政政策 消防法制

総務省

農林水産政策 農山漁村地域政策 食料産業政策

農林水産省

地球温暖化対策 廃棄物政策

環境省

国家基本政策

内閣府

科学技術政策 教育政策

文部科学省

国土交通政策 社会資本整備

(下水道等)

国土交通省

産業政策 エネルギー政策

経済産業省

バ イ オ マ ス活用推進会議(7府省の政務で構成)

メンバー

農林水産副大臣

内閣府大臣政務官

総務大臣政務官

文部科学大臣政務官

経済産業大臣政務官

国土交通大臣政務官

環境大臣政務官

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)

7

1 施策についての基本的な方針地域に存在するバイオマスを活用して地域が主体となった事業を創出し農林漁業の振興や地域への利益還元による活性化につな

げていく施策を推進

3 政府が総合的かつ効果的に講ずべき施策 より経済的な価値を生み出す高度利用や多段階利用などの地域が主体となった取組を後押し エネルギー効率の高い熱利用の普及拡大熱源としてのバイオガスの積極的利用等を推進 成功事例のノウハウなどを幅広く共有していくことによる取組の横展開を促進

4 技術の研究開発に関する事項 地域の実情に応じた多様なバイオマスの混合利用下水汚泥由来の水素ガスの製造利用方法の確立 発電等に伴う余剰熱及びバイオガス製造過程で発生する消化液等の副産物の利用技術の確立 産業化を見据えた微細藻類等による次世代バイオ燃料の研究開発等の推進

バイオマス活用推進基本法(平成21年法律第52号)に基づきバイオマスの活用の促進に関する施策についての基本的な方針国が達成すべき目標技術の研究開発に関する事項等について定める計画

従前の基本計画(平成22年12月17日閣議決定)のもとエネルギー利用を中心にバイオマス産業の市場規模が拡大したが固定価格買取制度を活用した売電の取組に偏りがみられ売電以外の取組では経済性の確保や地域が主体となる持続的な事業モデルの確立が課題となっており新たな基本計画によってこれらの課題の解決を図る

2 国が達成すべき目標(目標2025年)

5000億円の市場を形成

新たな産業創出年間約2600万炭素トンの

バイオマスを利用

環境負荷の少ない持続的な社会全都道府県600市町村で

バイオマス活用推進計画を策定

農林漁業農山漁村の活性化

経済性が確保された取組を強化 地域に利益が還元され持続的かつ自立的な取組を推進

重点事項

実用化高付加価値化を促進

重点事項

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿

8

成功事例を幅広く共有事業の横展開

環境負荷の少ない持続的な社会 農林漁業農山漁村の活性化 新たな産業の創出

得られた利益が地域に還元される取組

これまで廃棄物処理を行っていた農畜産業生産現場で発生する農作物非食用部や家畜排せつ物等の廃棄物系バイオマスについて高度利用等に用いることでその処理費用や運搬等の労力が軽減

バイオマスの変換技術により得られた電気熱等のエネルギーや製品等を地域の農家や公共施設等に安価に提供することでこれまで必要としていたエネルギー等に要する費用の負担が軽減

より経済的な価値を生み出す取組

<従来>家畜排せつ物

<高度利用>

堆 肥

家畜排せつ物

農地牧草地に還元堆肥化

メタン発酵

ガ ス

精製濃縮

施設園芸都市ガスの代替

電 気自家消費売電等

熱施設の暖房給湯等

消化液

バイオガスコジェネレーション

農地牧草地に還元

製材用丸太 小径丸太 枝葉

製材加工(製材工場)

(直材) (曲がり材短尺材) (低質材) (梢端)

チップ製造 ペレット製造

製材製品(板角材等) 木質ボード 紙 肥料飼料 電気熱

(建設資材) (回収) (灰CO2回収)

鋸屑端材

廃材解体材

(利用)(再利用)

農業生産現場や地域の熱需要施設等において熱利用は化石燃料の代替となることが期待

エネルギー需要のおよそ半分は熱であり特に農業生産現場におけるエネルギー消費の約8割が熱利用であることからバイオマスの熱利用を推進 熱利用は発電と比べてエネルギー効率がよい

(熱利用60~90程度発電10~40程度)

現在は十分に活用されていない発電における余熱の利用を進める「熱電併給」の取組も加速

高度利用 より経済的な価値を生み出す

地域に存在するバイオマスをエネルギーや製品等に変換活用する新産業が創出

②③による節約費用は経営規模の拡大等に充当することが可能

上記の取組等により新たな雇用が創出

持続的かつ自立可能な取組

地方公共団体等

バイオガスプラント

市町村バイオマス活用推進計画(バイオマス産業を軸とした地域づくり)

(取組のイメージ)

畑作農家園芸農家 畜産農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥 家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物

電気熱 食品廃棄物し尿

電気熱

(製品)小売店等へ

(農作物)加工施設小売店等へ

経済性が確保された一貫システムの構築

(畜産物)加工施設小売店等へ

多段階利用 限られた資源を徹底的に使う 熱利用 エネルギー効率のよい熱利用の推進

①産業振興雇用創出 ②廃棄物等の処理費用や労力の軽減 ③安価なエネルギーや製品等の供給

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Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)

9

地域のバイオマスを活用した産業創出と地域循環型エネルギーシステム

の構築に向けたバイオマス産業都市の構築(バイオマスタウンの発展高度化)

原料生産から収集運搬製造利用までの事業者の連携による事業化

の取組を推進する制度の検討(農林漁業バイオ燃料法の見直し)

技術とバイオマスの選択と集中による事業化の重点的な推進

関係者の連携による原料生産から収集運搬製造利用までの一貫システムの構築

地域のバイオマスを活用した事業化推進による地域産業の創出と自立分散型エネルギー供給体制の強化

技術ロードマップに基づき事業化に活用する実用化技術とバイオマスを整理

技 術メタン発酵堆肥化直接燃焼固体燃料化液体燃料化

バイオマス木質食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物

産学官の研究機関の連携による実用化を目指す技術の開発加速化

戦略2技術戦略(技術開発と製造)

バイオマス活用と一体となった川上の農林業の体制整備

バイオマスの効率的な収集運搬システムの構築

高バイオマス量易分解性等の資源用作物植物の開発

多様なバイオマス資源の混合利用と廃棄物系の徹底利用

戦略4入口戦略(原料調達)

戦略6総合支援戦略

固定価格買取制度の積極的活用

投資家事業者の参入を促すバイオマス関連税制の推進

各種クレジット制度の活用による温室効果ガス削減の推進

高付加価値製品の創出による事業化の推進

戦略3出口戦略(需要の創出拡大)

アジア等における持続可能なバイオマス利用システムの構築

持続可能なバイオマス利用に向けた国際的な基準づくり等の推進

戦略7海外戦略⑤バイオ燃料

①木質バイオマス

②食品廃棄物

③下水汚泥

④家畜排せつ物

未利用間伐材等の効率的な収集運搬システムの構築と木質発電所等でのエネルギー利用を一体的重点的に推進

分別回収の徹底強化とバイオガス化他のバイオマスとの混合利用固体燃料化による再生利用を推進

地域のバイオマス活用の拠点としてバイオガス化食品廃棄物等との混合利用固形燃料化による再生利用を推進

メタン発酵直接燃焼食品廃棄物等との混合利用による再生利用を推進

戦略5個別重点戦略

大規模製造プラントを有する地域での農業と一体となった地域循環型バイオ燃料利用の可能性について具体化の方策を検討

バイオディーゼル燃料の税制等による低濃度利用の普及や高効率低コスト生産システムの開発

研究機関の連携による次世代バイオ燃料製造技術の開発加速化

戦略1基本戦略

食料産業局

Ⅱ バイオマス活用推進基本計画の進捗状況

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Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標

11

将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿

環境負荷の少ない持続的な社会 新たな産業創出と農林漁業農山漁村の活性化 バイオマス利用を軸にした新しいライフスタイル 国際的な連携の下でのバイオマス活用

バイオマスの利用拡大 化石資源を用いて製造されているエネルギー

や製品をバイオマス由来のものに代替することで炭素量換算で年間約2600万炭素トンのバイオマスを利用

バイオマスの種類ごとに利用率の目標を設定

地球温暖化の防止や循環型社会の形成

バイオマス産業の規模 バイオマスをエネルギーや製品に活用する環境

調和型産業を育成しそれらの産業化が進展することを前提として5000億円の市場を形成

新たな産業の発展や国際競争力の強化

バイオマス活用推進計画の策定 都道府県バイオマス活用推進計画を全ての

都道府県で策定 市町村バイオマス活用推進計画を全市町村

数の3分の1に相当する600市町村で策定

農林漁業農山漁村の活性化

将来像を実現するために必要な目標(2025年)を設定

現基本計画では将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿を想定し柱となる「地球温暖化の防止」「新たな産業の発展」「農山漁村の活性化」の達成状況を判断する指標としてバイオマスの利用拡大バイオマス新産業の規模バイオマス活用推進計画の策定を評価軸に2025年に国が達成すべき目標値を設定

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Ⅱー2バイオマスの利用拡大

12

バイオマスの発生量(賦存量)は廃棄物系バイオマスの発生抑制の取組等により中長期的には減少傾向 利用量の炭素量換算値は現時点で約2400万トンとなっているが2025年に約2600万トンが利用されることを目指す 既存の利用方法に配慮しつつより経済的な価値を生み出す高度利用等を推進すべくバイオマスの種類毎の目標を設定

2010年(平成22年)

2015年(平成27年) 【中長期的傾向】

2025年(令和7年)

バイオマスの発生量

(炭素換算値)約3300万トン 約3400万トン

廃棄物系バイオマスは発生抑制の取組等により減少傾向

[将来予測]約3200万トン

バイオマスの利用量

(炭素換算値)

約2300万トン[利用率]約697

約2400万トン[利用率]約706 [推進施策]

製品として価値の高い順に可能な限り繰り返し利用する多段階利用やエネルギー効率の高い熱利用などの取組を推進

木材の安定供給に影響を及ぼさないようマテリアル利用とエネルギー利用の両立を図りつつ活用を推進

地域の実情に応じた地域経済の好循環に結びつく構想づくりを支援し生み出された価値が農林漁業の振興や地域への利益還元につながる取組を推進

[目標値]約2600万トン

バイオマスの種類 発生量 利用量 利用率 利用率

廃棄物系バイオマス

家畜排せつ物 87 約90

下水汚泥 68 約85

黒液 100 100

紙 81 約85

食品廃棄物 29 約40

製材工場等残材 97 約97

建設発生木材1 94 約95

未利用系

バイオマス

農作物非食用部(すき込みを除く) 32 約45

林地残材 13 30以上

1000万トン814万トン

発生量486万トン利用量419万トン

90万トン61万トン

403万トン403万トン

65万トン19万トン

320万トン310万トン

220万トン207万トン

438万トン139万トン

420万トン56万トン

各年度の実績の数値を計上(基本計画に記載の利用率等は各年度時点の最新の統計調査に基づくものであるため異なる場合がある) 1建設発材は元となる統計調査が5年ごとであり平成20年度実績の数値

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Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定

13

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

北海道 策定済み(H2512) 12 30 35

青森県 策定済み(H2312) 2 12 2

岩手県 未策定 2 9 2秋田県 未策定 0 9 0宮城県 未策定 2 4 5山形県 未策定 1 8 2

福島県 策定済み(H3011) 1 9 0

茨城県 策定済み(H293) 0 7 1

栃木県 未策定 4 5 3

群馬県 策定済み(H293改訂) 1 5 1

埼玉県 策定済み(H303改訂) 0 1 0

千葉県 策定済み(H238 ) 0 9 0

東京都 未策定 0 2 0神奈川県 未策定 0 2 0山梨県 未策定 1 8 1長野県 未策定 1 10 1

静岡県 策定済み(H293改訂) 4 4 2

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

新潟県 策定済み(H303改定) 4 14 2

富山県 未策定 1 7 2石川県 未策定 0 7 0福井県 未策定 0 4 0岐阜県 未策定 0 6 0

愛知県策定済み(H293策

定)0 4 2

三重県 未策定 1 2 1滋賀県 未策定 0 6 0

京都府 策定済み(H2410) 2 5 3

大阪府 未策定 0 3 0

兵庫県 策定済み(H2810) 4 10 2

奈良県 未策定 0 5 0和歌山県 未策定 0 4 0鳥取県 未策定 1 2 1

島根県 策定済み(H253) 1 9 3

岡山県 未策定 2 7 3広島県 未策定 1 5 1

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

山口県 策定済み(H253 ) 1 4 1

徳島県 未策定 0 3 0香川県 未策定 1 1 1

愛媛県 策定済み(H246) 1 5 0

高知県 未策定 0 9 0福岡県 未策定 4 5 4佐賀県 未策定 2 4 2長崎県 未策定 1 7 0

熊本県 策定済み(H243 ) 1 11 0

宮崎県 策定済み(H254) 1 7 1

大分県 策定済み(H283 ) 2 7 4

鹿児島県策定済み(H293改

訂)2 15 2

沖縄県 未策定 1 6 0

計 1966 318 90

386重複を除く

目標 47 600

バイオマス活用推進計画の策定数は現在都道府県計画19道府県市町村計画65市町村(類似施策を含めると重複を排除して386市町村)であり2025年までに全都道府県600市町村での計画策定を目指す

バイオマスの活用を推進する地域計画の策定状況 (農林水産省調べ(R2年4月 現在))

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Ⅱー4バイオマス産業の市場規模

14

バイオマス産業の市場規模の推計(農林水産省調べ)

注) 旧基本計画策定以前から明確に市場が形成されている肥料飼料などは推計の対象外としている 経済波及効果は総務省が公開している産業連関表に基づく統合大分類(37部門)による経済波及効果の簡易計算ツールを用いて算定

バイオマス産業の市場規模については旧基本計画策定当時経済波及効果を含め約1200億円規模であったものが固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大し現時点で約3500億円(約70)

新たな基本計画の下発電以外の取組についての市場規模の拡大も推進しつつ2025年に5000億円の市場の形成を目指す

旧基本計画策定時点2010年

(平成22年)

現在2015年

(平成27年)

目標値2025年

(平成37年)

市場規模 約1200億円 約3500億円 5000億円

億円

5000

4000

3000

2000

1000

0

C

C

C

C

C

発電以外の取組についても拡大を推進

固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大

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Ⅱー5バイオマス産業都市について

15

バイオマス産業都市とは経済性が確保された一貫システムを構築し地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまちむらづくりを目指す地域であり関係7府省が共同で選定

関係7府省内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省

地方公共団体等

バイオマス産業を軸としたまちむらづくり

バイオガスプラント園芸農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥

家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物し尿 電気熱

(農作物)

加工施設小売店等へ

(畜産物)加工施設小売店等へ

低品質材(CD材)未利用材竹

木質チップペレット製造施設

木質バイオマス発電施設

(売電)

農業地域

農村部都市部

畜産農家

一般家庭

高品質材(AB材)

製材工場等

製材工場等残材建築家具製造メーカー等へ

マテリアル利用製紙工場等へ

電気熱

(チップペレット)

ボイラー用燃料

林業者

林業地域 畜産酪農地域

木質バイオマスボイラー

電気熱

(バイオマス産業都市のイメージ)

漁業地域漁業者

(海産物) 加工施設小売店等へ

水産残さ等堆肥化施設バイオガスプラント

堆肥液肥(売電)

(売電)

経済性が確保された一貫システムの構築

液肥散布

BDF製造施設発電施設

(売電)廃食用油

輸送用燃料

耕種農家

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

北海道ブロック(35市町村)十勝地域(19市町村)下川町別海町<H25①>釧路市興部町<H25②>平取町<H27>知内町音威子府村西興部村標茶町<H28>滝上町中標津町鶴居村<H29>稚内市浜頓別町幌延町<H30>八雲町<R1>

東北ブロック(11市町村)青森県 平川市<H28>西目屋村<H29>岩手県 一関市<H28>軽米町<R1>宮城県 東松島市<H25①>

南三陸町<H25②>大崎市<H27>加美町<H28>色麻町<H29>

山形県 最上町<H27>飯豊町<H29>

関東ブロック(9市町村)茨城県 牛久市<H25①>栃木県 茂木町<H27>大田原市<H29>さくら市<R1>群馬県 上野村<H29>山梨県 甲斐市<H27>静岡県 浜松市<H25②>掛川市<H28>長野県 中野市<R1>

北陸ブロック(4市)新潟県 新潟市<H25①>十日町市<H28>富山県 射水市<H26>南砺市<H28>

東海ブロック(3市)愛知県 大府市<H25①>半田市<H28>三重県 津市<H25②>

近畿ブロック(5市町)京都府 南丹市<H27>京丹波町<H28>京都市<H29>兵庫県 洲本市<H26>養父市<H30>

中国四国ブロック(10市町村)鳥取県 北栄町<H30>島根県 奥出雲町<H25②>

隠岐の島町<H26>飯南町<H27>

岡山県 真庭市西粟倉村<H25②>津山市<H27>

広島県 東広島市<H29>山口県 宇部市<H29>香川県 三豊市<H25①>

九州ブロック(13市町)福岡県 みやま市<H26>宗像市<H27>糸島市<H28>朝倉市<R1>佐賀県 佐賀市<H26>玄海町<R1>大分県 佐伯市<H26>臼杵市<H27>国東市<H28>竹田市<R1>宮崎県 小林市<H27>鹿児島県 薩摩川内市長島町<H28>

H25H26 H27 H28 H29 H30 R1

1次 2次26 8 6 11 16 11 5 7

年度別選定地域数(市町村数) <>内は選定年度(①1次選定②2次選定)青字は令和元年度選定地域

16

Ⅱー6バイオマス産業都市の選定地域(9 0市町村)

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Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト

17

用途 原料 木質バイオマス 家畜排せつ物 食品廃棄物 下水汚泥

発電

FIT活用

下川町滝上町中標津町鶴居村一関市東松島市最上町大田原市上野村甲斐市浜松市掛川市射水市津市京都市津山市真庭市佐伯市臼杵市

十勝地域音威子府村下川町興部町西興部村別海町標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町幌延町八雲町平川市一関市色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市南丹市京丹波町養父市糸島市国東市長島町玄海町

音威子府村西興部村標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市東松島市色麻町飯豊町大田原市浜松市十日町市半田市大府市南丹市京都市洲本市養父市宇部市糸島市佐伯市臼杵市国東市長島町朝倉市

音威子府村興部町平川市色麻町飯豊町浜松市十日町市南丹市洲本市佐伯市国東市玄海町

その他(未定を含む)

十勝地域釧路市興部町十日町市養父市隠岐の島町小林市

釧路市大崎市加美町最上町北栄町宗像市小林市長島町

興部町滝上町大崎市加美町南三陸町最上町新潟市南砺市津市宗像市みやま市佐賀市小林市

加美町南三陸町最上町新潟市養父市北栄町宗像市みやま市

熱 利 用

十勝地域釧路市知内町下川町平取町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村平川市西目屋村一関市東松島市大崎市加美町南三陸町最上町飯豊町牛久市上野村茂木町大田原市甲斐市浜松市掛川市中野市新潟市十日町市南砺市津市南丹市京丹波町京都市洲本市養父市北栄町奥出雲町飯南町隠岐の島町津山市西粟倉村東広島市三豊市みやま市糸島市佐賀市佐伯市臼杵市国東市小林市朝倉市

十勝地域釧路市下川町音威子府村西興部村標茶町興部町別海町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市一関市加美町色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市京丹波町国東市長島町

音威子府村興部町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村稚内市浜頓別平川市東松島市加美町飯豊町南三陸町色麻町最上町大田原市新潟市十日町市南砺市半田市津市隠岐の島町宇部市臼杵市国東市

音威子府村平川市加美町色麻町最上町飯豊町新潟市十日町市国東市

肥料飼料等 茂木町射水市京都市洲本市飯南町津山市東広島市三豊市宗像市

十勝地域釧路市音威子府村下川町興部町西興部村標茶町別海町中標津町鶴居村八雲町平川市一関市加美町大崎市色麻町最上町平川市茂木町大田原市甲斐市掛川市十日町市半田市南丹市京丹波町飯南町糸島市宗像市佐賀市小林市長島町

興部町音威子府村西興部村標茶町平川市東松島市大崎市加美町南三陸町色麻町最上町茂木町甲斐市浜松市新潟市十日町市南砺市半田市大府市南丹市三豊市隠岐の島町東広島市宇部市宗像市みやま市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市長島町

音威子府村平川市南三陸町加美町色麻町最上町十日町市南丹市京都市宗像市みやま市国東市

燃 料

下川町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村幌延町平取町西目屋村一関市大崎市加美町南三陸町飯豊町大田原市上野村牛久市掛川市新潟市十日町市津市京丹波町京都市北栄町隠岐の島町東広島市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市竹田市

軽米町南丹市

十勝地域下川町平川市大崎市軽米町牛久市茂木町甲斐市新潟市射水市十日町市大府市南丹市京都市洲本市飯南町真庭市三豊市宗像市みやま市臼杵市小林市

稚内市津市南丹市京都市

その他(マテリアル利用等)

茂木町大田原市京都市洲本市隠岐の島町津山市真庭市三豊市糸島市薩摩川内市 半田市 浜松市新潟市

地域名市町村名の着色は前ページの地域ブロックの着色と同一であり下線は令和元年度選定市町村

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Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)

18

固定価格買取制度は再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを約束する制度のことで太陽光風力水力地熱バイオマス由来の電気が対象買取の価格(調達価格)と期間(調達期間)は専門家で構成される調達価格等算定委員会の意見を尊重し経済産業大臣が決定

令和2年度の主要なバイオマス発電による電気の調達価格は13~40円kWh(税抜) 一般木材バイオマスのうち10000kw以上は入札制比較的小規模の10000kw未満は地域分散型エネルギー

源となりうるため24円kwh(税抜)を維持また競争環境が成立しているバイオマス液体燃料(全規模)も同様に入札制

令和2年度の調達価格と調達期間(バイオマス関係)

バイオマスの種類 調達価格1kWh当たり

調達期間

メタン発酵ガス(バイオマス由来) 39円+税

20年間

間伐材等由来の木質バイオマス1

2000kW未満 40円+税

2000kW以上 32円+税

一般木材バイオマス210000kW未満 24円+税

10000kW以上 +税

バイオマス液体燃料 +税

建設資材廃棄物 13円+税

一般廃棄物その他のバイオマス 17円+税1 「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」に基づく証明のないものにつ

いては建設資材廃棄物と同等に取扱う2 農作物の収穫に伴って生じるバイオマスも含む

事業計画

費用負担調整機関

制度の概要

入札制度

入札制度

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Ⅱー9バイオマス発電の導入状況

19

固定価格買取制度を活用したバイオマス発電については平成31年3月末において約171万kWが運転を開始済RPS制度のもとで導入された発電設備の設備容量を合わせると約402万kWが稼動

バイオマス発電の固定価格買取制度による買取電力量は平成30年度で約125億kWh

平成31年3月末におけるバイオマス発電の導入状況

(注) 四捨五入により合計値が合わない場合がある 設備認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値を集計

単位千kWRPS FIT設備導入量 ( )はRPSからFITへの移行を含む 合計

(FIT計)FIT導入後 認定容量

~H246 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H2407~H313

メタン発酵ガス(バイオマス由来)

147 32 60 74 115 126 123 676 837(32) (172) (74) (104) (122) (130) (634)

間伐材由来の木質バイオマス

145 129 559 1379 901 291 473 3879 5055(129) (655) (1374) (901) (291) (516) (3867)

一般木質バイオマス農作物残渣

1634 298 118 961 1919 3328 3442 11701 79623(298) (856) (961) (1919) (3328) (3947) (11310)

建設資材廃棄物4398 03 35 54 00 38 18 4511 857

(03) (3355) (54) (00) (44) (97) (3552)

一般廃棄物その他のバイオマス

16814 762 243 471 395 306 462 19451 3727(762) (7305) (428) (357) (94) (694) (9640)

計 231381224 1015 2939 3330 4089 4482 40218 90099

17079 (29003)

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Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況

20

沖縄県 1845(3件) 8558(4件)

北海道14048(74件)86544( 5件) 9421( 3件)30084( 9件)

青森県 980(3件) 6250(1件)12400(1件) 6657(2件)

岩手県 630(3件)14717(4件)19800(2件)11297(4件)

宮城県 1143(3件) 880(3件)62657(1件) 1816(1件)14983(4件)

秋田県 730(1件) 7130(3件)21490(2件) 3750(2件) 4765(2件)

東京都 1468( 4件)166303(24件)

神奈川県 9000(3件)49000(1件) 2064(1件)44222(8件)

群馬県 725(3件) 6795(2件)13600(1件) 5540(2件)

千葉県 670(2件)47557(3件)12378(8件)

静岡県 1518(6件)89021(4件)54524(7件)

埼玉県 370( 1件) 146( 1件) 5976( 3件)16721( 1件)26003(12件)

岐阜県 685(2件) 6482(2件) 4300(1件) 600(1件) 6068(3件)

愛知県 2354( 6件)128029( 3件) 76096(14件)

和歌山県 10(1件) 2690(2件)

奈良県 50(1件) 6500(1件) 3499(2件)

京都府 155( 1件) 1760( 1件)17834( 4件)

鳥取県 1490(3件)22350(2件) 2360(1件)

山口県 74(2件) 67(1件)59656(2件)43123(2件)22526(4件)

島根県 759(1件) 6550(1件)12700(1件) 5400(3件)

岡山県 25(1件)10336(2件) 3949(2件) 8756(3件)

広島県 1116(1件)10157(2件)10800(2件)35792(7件)

高知県12750(2件)29500(1件)25730(2件) 5354(3件)

佐賀県 9850(1件) 4403(2件)

鹿児島県29450(2件)49000(1件)13255(5件)

表示出力は発電設備の認定出力にバイオマス比率を乗じたもの(各都道府県の合計出力)

平成31年3月末現在運転開始済みのものでFIT活用施設のみ

(資料)資源エネルギー庁資料を

もとに農林水産省作成

愛媛県 1160(2件)12500(1件)16134(4件)

三重県 1286(5件) 5800(1件)26980(3件) 1990(1件)18011(6件)

茨城県 645(2件) 7740(2件)190523(7件) 4990(1件) 11981(6件)

福島県 25(1件) 5785(3件)69855(2件)27772(2件)18433(5件)

山梨県14500(1件) 4698(3件)

新潟県 709(4件)12000(2件)10704(4件)

長崎県 250(1件) 7840(1件) 4750(3件)

福岡県 3397(3件)116450(3件) 59690(8件)

長野県 710(3件) 5060(4件) 5648(3件)

山形県 825(2件)13352(5件)55250(2件) 5813(4件)

徳島県 6470(2件) 710(1件)

大阪府 5440( 7件)14170( 3件)98781(14件)

香川県 525(2件) 1484(1件)

大分県 990(3件)25416(3件)50000(1件)12000(1件) 7426(3件)

宮崎県 2161(2件)38880(5件)19620(3件)14893(3件)

兵庫県 1382( 5件)22179( 3件)22740( 2件)21608( 2件)55961(14件)

栃木県 2525(9件) 1995(1件) 265(1件)24000(1件) 9214(6件)

石川県 455(3件)10920(4件)

全国計 メタンガス 63382kW (183件) 未利用木質 386741kW ( 70件) 一般木質 1130962kW ( 58件) 建設廃材 355237kW ( 32件) 一般廃棄物 963995kW (237件)

出 力 導入件数

福井県 25(1件) 7545(2件)37000(1件)

熊本県 808(1件) 6327(2件)12500(2件) 185(1件) 2850(1件)

富山県 195(1件) 5750(1件) 990(1件)13330(2件)

滋賀県 25(1件) 3550(1件) 3221(3件)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

36444

50693 58243

78258

98184 110092

126035 119569

120161

126532

131400

63 7585

108 109120

142 142 148 147 154

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大

21

木質バイオマスの活用は再生可能エネルギーの推進だけではなく林業や地域経済の活性化雇用の確保等にも貢献特に未利用となっている林地残材には大きな可能性

木質バイオマスは木質チップや木質ペレット等に加工され製材工場や公共施設発電所等におけるエネルギー源としての利用が増えてきている

木質バイオマスボイラー数の推移木質バイオマスボイラーは製材工場などを中心に2000基程度が設置されており最近は公共施設や温泉農業施設などへの導入も進んできている

地球温暖化問題への関心の高まりや化石燃料から再生可能エネルギー熱への転換による経営リスクの軽減等を背景に近年生産施設数及び生産量ともに増加

(基) ( t )(施設数)

- 施設数(第1軸(左)) 生産量(第2軸(右))

615 838

924

1218

1461

1701

2023

1945

1972

2058

2064

0

500

1000

1500

2000

2500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

台数

木質ペレットの製造施設数及び生産量

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

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農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

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Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

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Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

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施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 5: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯

4

2002 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025

(2010年度における目標設定)廃棄物系バイオマス80以上未利用バイオマス25以上活用等

農林漁業バイオ燃料法 (20085 制定同年10月施行)

バイオマス活用施策の総合的かつ計画的な推進 バイオマス活用推進計画の策定(国都道府県市町村) バイオマス活用推進会議の設置

バイオマス活用推進基本計画 (201012 閣議決定)

電気事業者による再エネ電気の調達に関する特別措置法(FIT法) (20118 制定20127 施行)

多種多様なバイオマス利用技術を評価した「技術ロードマップ」の策定 技術とバイオマスの選択と集中による事業化の推進 バイオマス産業を軸とするまちづくりむらづくり(バイオマス産業都市の推進)

農山漁村再生可能エネルギー法 (201311 制定20145 施行)

地球温暖化対策計画 (20165 閣議決定)

(2025年における目標設定)年間約2600万炭素トンのバイオマスを利用 600市町村においてバイオマス活用推進計画を策定 5000億円の市場を形成

エネルギー基本計画 (第5次20187 閣議決定)

プラスチック資源循環戦略2019 (20195 関係大臣決裁)

バイオ戦略2019 (20196 閣議決定)

パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略 (20196 閣議決定)

発電に加えエネルギー効率の高い熱利用の促進バイオガス化及び消化液の利用促進新たなバイオマス製品の製造販売の事業化に向けた技術開発や普及の推進

バイオマスニッポン総合戦略 (200212 閣議決定20063 改定)

バイオマス活用推進基本法 (20096 制定同年9月 施行)

バイオマス事業化戦略 (20129 バイオマス活用推進会議決定)

新たなバイオマス活用推進計画 (第2次20169 閣議決定)

食料農業農村基本計画 (第5次20203 閣議決定)

固定価格買取制度 開始

2030年におけるバイオマス発電の導入量 電源構成の37~46程度(394~490億kWh) 長期エネルギー需給見通し (20157 経済産業省決定)

森林林業基本計画 (第4次20165 閣議決定)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要(平成21年6月12日法律第52号)

5

バイオマス活用推進基本計画の策定等

国地方公共団体事業者等の責務の明確化とそれぞれの主体の連携の強化

責務連携の強化

① 政府は関係行政機関相互の調整を行うことによりバイオマスの活用の総合的一体的かつ効果的な推進を図るためバイオマス活用推進会議を設けるものとする

② 関係行政機関はバイオマスの活用に関し専門的知識を有する者によって構成するバイオマス活用推進専門家会議を設け①の調整を行うに際しては意見を聴くものとする

バイオマス活用推進会議

国の施策 必要な基盤の整備 バイオマスを供給する事業

の創出 技術の研究開発普及 人材の育成確保 バイオマス製品の利用の促

民間団体の自発的な活動の促進

地方公共団体の活動の促進 国際的な連携国際協力の

推進 情報の収集 国民の理解の増進

政府はバイオマスの活用の推進に関する施策を実施するため必要な法制上財政上税制上又は金融上の措置その他の措置を講じなければならない

法制上の措置等基本理念 総合的一体的かつ効果

的な推進 地球温暖化の防止に向

けた推進 循環型社会の形成に向

けた推進 産業の発展国際競争

力の強化への寄与 農山漁村の活性化等に

資する推進

バイオマスの種類ごとの特性に応じた最大限の利用

エネルギー供給源の多様化 地域の主体的な取組の促進 社会的気運の醸成 食料の安定供給の確保 環境の保全への配慮

政府はバイオマスの活用の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るためバイオマスの活用の推進に関する基本的な計画(バイオマス活用推進基本計画)を策定しなければならない

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制

6

バイオマス活用推進基本法(平成21年6月12日法律第52号)に基づいて関係する7府省(内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省)の政務で構成される「バイオマス活用推進会議」が設置され連携してバイオマスの活用に資する施策を推進

地方行財政政策 消防法制

総務省

農林水産政策 農山漁村地域政策 食料産業政策

農林水産省

地球温暖化対策 廃棄物政策

環境省

国家基本政策

内閣府

科学技術政策 教育政策

文部科学省

国土交通政策 社会資本整備

(下水道等)

国土交通省

産業政策 エネルギー政策

経済産業省

バ イ オ マ ス活用推進会議(7府省の政務で構成)

メンバー

農林水産副大臣

内閣府大臣政務官

総務大臣政務官

文部科学大臣政務官

経済産業大臣政務官

国土交通大臣政務官

環境大臣政務官

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)

7

1 施策についての基本的な方針地域に存在するバイオマスを活用して地域が主体となった事業を創出し農林漁業の振興や地域への利益還元による活性化につな

げていく施策を推進

3 政府が総合的かつ効果的に講ずべき施策 より経済的な価値を生み出す高度利用や多段階利用などの地域が主体となった取組を後押し エネルギー効率の高い熱利用の普及拡大熱源としてのバイオガスの積極的利用等を推進 成功事例のノウハウなどを幅広く共有していくことによる取組の横展開を促進

4 技術の研究開発に関する事項 地域の実情に応じた多様なバイオマスの混合利用下水汚泥由来の水素ガスの製造利用方法の確立 発電等に伴う余剰熱及びバイオガス製造過程で発生する消化液等の副産物の利用技術の確立 産業化を見据えた微細藻類等による次世代バイオ燃料の研究開発等の推進

バイオマス活用推進基本法(平成21年法律第52号)に基づきバイオマスの活用の促進に関する施策についての基本的な方針国が達成すべき目標技術の研究開発に関する事項等について定める計画

従前の基本計画(平成22年12月17日閣議決定)のもとエネルギー利用を中心にバイオマス産業の市場規模が拡大したが固定価格買取制度を活用した売電の取組に偏りがみられ売電以外の取組では経済性の確保や地域が主体となる持続的な事業モデルの確立が課題となっており新たな基本計画によってこれらの課題の解決を図る

2 国が達成すべき目標(目標2025年)

5000億円の市場を形成

新たな産業創出年間約2600万炭素トンの

バイオマスを利用

環境負荷の少ない持続的な社会全都道府県600市町村で

バイオマス活用推進計画を策定

農林漁業農山漁村の活性化

経済性が確保された取組を強化 地域に利益が還元され持続的かつ自立的な取組を推進

重点事項

実用化高付加価値化を促進

重点事項

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿

8

成功事例を幅広く共有事業の横展開

環境負荷の少ない持続的な社会 農林漁業農山漁村の活性化 新たな産業の創出

得られた利益が地域に還元される取組

これまで廃棄物処理を行っていた農畜産業生産現場で発生する農作物非食用部や家畜排せつ物等の廃棄物系バイオマスについて高度利用等に用いることでその処理費用や運搬等の労力が軽減

バイオマスの変換技術により得られた電気熱等のエネルギーや製品等を地域の農家や公共施設等に安価に提供することでこれまで必要としていたエネルギー等に要する費用の負担が軽減

より経済的な価値を生み出す取組

<従来>家畜排せつ物

<高度利用>

堆 肥

家畜排せつ物

農地牧草地に還元堆肥化

メタン発酵

ガ ス

精製濃縮

施設園芸都市ガスの代替

電 気自家消費売電等

熱施設の暖房給湯等

消化液

バイオガスコジェネレーション

農地牧草地に還元

製材用丸太 小径丸太 枝葉

製材加工(製材工場)

(直材) (曲がり材短尺材) (低質材) (梢端)

チップ製造 ペレット製造

製材製品(板角材等) 木質ボード 紙 肥料飼料 電気熱

(建設資材) (回収) (灰CO2回収)

鋸屑端材

廃材解体材

(利用)(再利用)

農業生産現場や地域の熱需要施設等において熱利用は化石燃料の代替となることが期待

エネルギー需要のおよそ半分は熱であり特に農業生産現場におけるエネルギー消費の約8割が熱利用であることからバイオマスの熱利用を推進 熱利用は発電と比べてエネルギー効率がよい

(熱利用60~90程度発電10~40程度)

現在は十分に活用されていない発電における余熱の利用を進める「熱電併給」の取組も加速

高度利用 より経済的な価値を生み出す

地域に存在するバイオマスをエネルギーや製品等に変換活用する新産業が創出

②③による節約費用は経営規模の拡大等に充当することが可能

上記の取組等により新たな雇用が創出

持続的かつ自立可能な取組

地方公共団体等

バイオガスプラント

市町村バイオマス活用推進計画(バイオマス産業を軸とした地域づくり)

(取組のイメージ)

畑作農家園芸農家 畜産農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥 家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物

電気熱 食品廃棄物し尿

電気熱

(製品)小売店等へ

(農作物)加工施設小売店等へ

経済性が確保された一貫システムの構築

(畜産物)加工施設小売店等へ

多段階利用 限られた資源を徹底的に使う 熱利用 エネルギー効率のよい熱利用の推進

①産業振興雇用創出 ②廃棄物等の処理費用や労力の軽減 ③安価なエネルギーや製品等の供給

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)

9

地域のバイオマスを活用した産業創出と地域循環型エネルギーシステム

の構築に向けたバイオマス産業都市の構築(バイオマスタウンの発展高度化)

原料生産から収集運搬製造利用までの事業者の連携による事業化

の取組を推進する制度の検討(農林漁業バイオ燃料法の見直し)

技術とバイオマスの選択と集中による事業化の重点的な推進

関係者の連携による原料生産から収集運搬製造利用までの一貫システムの構築

地域のバイオマスを活用した事業化推進による地域産業の創出と自立分散型エネルギー供給体制の強化

技術ロードマップに基づき事業化に活用する実用化技術とバイオマスを整理

技 術メタン発酵堆肥化直接燃焼固体燃料化液体燃料化

バイオマス木質食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物

産学官の研究機関の連携による実用化を目指す技術の開発加速化

戦略2技術戦略(技術開発と製造)

バイオマス活用と一体となった川上の農林業の体制整備

バイオマスの効率的な収集運搬システムの構築

高バイオマス量易分解性等の資源用作物植物の開発

多様なバイオマス資源の混合利用と廃棄物系の徹底利用

戦略4入口戦略(原料調達)

戦略6総合支援戦略

固定価格買取制度の積極的活用

投資家事業者の参入を促すバイオマス関連税制の推進

各種クレジット制度の活用による温室効果ガス削減の推進

高付加価値製品の創出による事業化の推進

戦略3出口戦略(需要の創出拡大)

アジア等における持続可能なバイオマス利用システムの構築

持続可能なバイオマス利用に向けた国際的な基準づくり等の推進

戦略7海外戦略⑤バイオ燃料

①木質バイオマス

②食品廃棄物

③下水汚泥

④家畜排せつ物

未利用間伐材等の効率的な収集運搬システムの構築と木質発電所等でのエネルギー利用を一体的重点的に推進

分別回収の徹底強化とバイオガス化他のバイオマスとの混合利用固体燃料化による再生利用を推進

地域のバイオマス活用の拠点としてバイオガス化食品廃棄物等との混合利用固形燃料化による再生利用を推進

メタン発酵直接燃焼食品廃棄物等との混合利用による再生利用を推進

戦略5個別重点戦略

大規模製造プラントを有する地域での農業と一体となった地域循環型バイオ燃料利用の可能性について具体化の方策を検討

バイオディーゼル燃料の税制等による低濃度利用の普及や高効率低コスト生産システムの開発

研究機関の連携による次世代バイオ燃料製造技術の開発加速化

戦略1基本戦略

食料産業局

Ⅱ バイオマス活用推進基本計画の進捗状況

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標

11

将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿

環境負荷の少ない持続的な社会 新たな産業創出と農林漁業農山漁村の活性化 バイオマス利用を軸にした新しいライフスタイル 国際的な連携の下でのバイオマス活用

バイオマスの利用拡大 化石資源を用いて製造されているエネルギー

や製品をバイオマス由来のものに代替することで炭素量換算で年間約2600万炭素トンのバイオマスを利用

バイオマスの種類ごとに利用率の目標を設定

地球温暖化の防止や循環型社会の形成

バイオマス産業の規模 バイオマスをエネルギーや製品に活用する環境

調和型産業を育成しそれらの産業化が進展することを前提として5000億円の市場を形成

新たな産業の発展や国際競争力の強化

バイオマス活用推進計画の策定 都道府県バイオマス活用推進計画を全ての

都道府県で策定 市町村バイオマス活用推進計画を全市町村

数の3分の1に相当する600市町村で策定

農林漁業農山漁村の活性化

将来像を実現するために必要な目標(2025年)を設定

現基本計画では将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿を想定し柱となる「地球温暖化の防止」「新たな産業の発展」「農山漁村の活性化」の達成状況を判断する指標としてバイオマスの利用拡大バイオマス新産業の規模バイオマス活用推進計画の策定を評価軸に2025年に国が達成すべき目標値を設定

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー2バイオマスの利用拡大

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バイオマスの発生量(賦存量)は廃棄物系バイオマスの発生抑制の取組等により中長期的には減少傾向 利用量の炭素量換算値は現時点で約2400万トンとなっているが2025年に約2600万トンが利用されることを目指す 既存の利用方法に配慮しつつより経済的な価値を生み出す高度利用等を推進すべくバイオマスの種類毎の目標を設定

2010年(平成22年)

2015年(平成27年) 【中長期的傾向】

2025年(令和7年)

バイオマスの発生量

(炭素換算値)約3300万トン 約3400万トン

廃棄物系バイオマスは発生抑制の取組等により減少傾向

[将来予測]約3200万トン

バイオマスの利用量

(炭素換算値)

約2300万トン[利用率]約697

約2400万トン[利用率]約706 [推進施策]

製品として価値の高い順に可能な限り繰り返し利用する多段階利用やエネルギー効率の高い熱利用などの取組を推進

木材の安定供給に影響を及ぼさないようマテリアル利用とエネルギー利用の両立を図りつつ活用を推進

地域の実情に応じた地域経済の好循環に結びつく構想づくりを支援し生み出された価値が農林漁業の振興や地域への利益還元につながる取組を推進

[目標値]約2600万トン

バイオマスの種類 発生量 利用量 利用率 利用率

廃棄物系バイオマス

家畜排せつ物 87 約90

下水汚泥 68 約85

黒液 100 100

紙 81 約85

食品廃棄物 29 約40

製材工場等残材 97 約97

建設発生木材1 94 約95

未利用系

バイオマス

農作物非食用部(すき込みを除く) 32 約45

林地残材 13 30以上

1000万トン814万トン

発生量486万トン利用量419万トン

90万トン61万トン

403万トン403万トン

65万トン19万トン

320万トン310万トン

220万トン207万トン

438万トン139万トン

420万トン56万トン

各年度の実績の数値を計上(基本計画に記載の利用率等は各年度時点の最新の統計調査に基づくものであるため異なる場合がある) 1建設発材は元となる統計調査が5年ごとであり平成20年度実績の数値

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定

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都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

北海道 策定済み(H2512) 12 30 35

青森県 策定済み(H2312) 2 12 2

岩手県 未策定 2 9 2秋田県 未策定 0 9 0宮城県 未策定 2 4 5山形県 未策定 1 8 2

福島県 策定済み(H3011) 1 9 0

茨城県 策定済み(H293) 0 7 1

栃木県 未策定 4 5 3

群馬県 策定済み(H293改訂) 1 5 1

埼玉県 策定済み(H303改訂) 0 1 0

千葉県 策定済み(H238 ) 0 9 0

東京都 未策定 0 2 0神奈川県 未策定 0 2 0山梨県 未策定 1 8 1長野県 未策定 1 10 1

静岡県 策定済み(H293改訂) 4 4 2

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

新潟県 策定済み(H303改定) 4 14 2

富山県 未策定 1 7 2石川県 未策定 0 7 0福井県 未策定 0 4 0岐阜県 未策定 0 6 0

愛知県策定済み(H293策

定)0 4 2

三重県 未策定 1 2 1滋賀県 未策定 0 6 0

京都府 策定済み(H2410) 2 5 3

大阪府 未策定 0 3 0

兵庫県 策定済み(H2810) 4 10 2

奈良県 未策定 0 5 0和歌山県 未策定 0 4 0鳥取県 未策定 1 2 1

島根県 策定済み(H253) 1 9 3

岡山県 未策定 2 7 3広島県 未策定 1 5 1

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

山口県 策定済み(H253 ) 1 4 1

徳島県 未策定 0 3 0香川県 未策定 1 1 1

愛媛県 策定済み(H246) 1 5 0

高知県 未策定 0 9 0福岡県 未策定 4 5 4佐賀県 未策定 2 4 2長崎県 未策定 1 7 0

熊本県 策定済み(H243 ) 1 11 0

宮崎県 策定済み(H254) 1 7 1

大分県 策定済み(H283 ) 2 7 4

鹿児島県策定済み(H293改

訂)2 15 2

沖縄県 未策定 1 6 0

計 1966 318 90

386重複を除く

目標 47 600

バイオマス活用推進計画の策定数は現在都道府県計画19道府県市町村計画65市町村(類似施策を含めると重複を排除して386市町村)であり2025年までに全都道府県600市町村での計画策定を目指す

バイオマスの活用を推進する地域計画の策定状況 (農林水産省調べ(R2年4月 現在))

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー4バイオマス産業の市場規模

14

バイオマス産業の市場規模の推計(農林水産省調べ)

注) 旧基本計画策定以前から明確に市場が形成されている肥料飼料などは推計の対象外としている 経済波及効果は総務省が公開している産業連関表に基づく統合大分類(37部門)による経済波及効果の簡易計算ツールを用いて算定

バイオマス産業の市場規模については旧基本計画策定当時経済波及効果を含め約1200億円規模であったものが固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大し現時点で約3500億円(約70)

新たな基本計画の下発電以外の取組についての市場規模の拡大も推進しつつ2025年に5000億円の市場の形成を目指す

旧基本計画策定時点2010年

(平成22年)

現在2015年

(平成27年)

目標値2025年

(平成37年)

市場規模 約1200億円 約3500億円 5000億円

億円

5000

4000

3000

2000

1000

0

C

C

C

C

C

発電以外の取組についても拡大を推進

固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー5バイオマス産業都市について

15

バイオマス産業都市とは経済性が確保された一貫システムを構築し地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまちむらづくりを目指す地域であり関係7府省が共同で選定

関係7府省内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省

地方公共団体等

バイオマス産業を軸としたまちむらづくり

バイオガスプラント園芸農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥

家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物し尿 電気熱

(農作物)

加工施設小売店等へ

(畜産物)加工施設小売店等へ

低品質材(CD材)未利用材竹

木質チップペレット製造施設

木質バイオマス発電施設

(売電)

農業地域

農村部都市部

畜産農家

一般家庭

高品質材(AB材)

製材工場等

製材工場等残材建築家具製造メーカー等へ

マテリアル利用製紙工場等へ

電気熱

(チップペレット)

ボイラー用燃料

林業者

林業地域 畜産酪農地域

木質バイオマスボイラー

電気熱

(バイオマス産業都市のイメージ)

漁業地域漁業者

(海産物) 加工施設小売店等へ

水産残さ等堆肥化施設バイオガスプラント

堆肥液肥(売電)

(売電)

経済性が確保された一貫システムの構築

液肥散布

BDF製造施設発電施設

(売電)廃食用油

輸送用燃料

耕種農家

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

北海道ブロック(35市町村)十勝地域(19市町村)下川町別海町<H25①>釧路市興部町<H25②>平取町<H27>知内町音威子府村西興部村標茶町<H28>滝上町中標津町鶴居村<H29>稚内市浜頓別町幌延町<H30>八雲町<R1>

東北ブロック(11市町村)青森県 平川市<H28>西目屋村<H29>岩手県 一関市<H28>軽米町<R1>宮城県 東松島市<H25①>

南三陸町<H25②>大崎市<H27>加美町<H28>色麻町<H29>

山形県 最上町<H27>飯豊町<H29>

関東ブロック(9市町村)茨城県 牛久市<H25①>栃木県 茂木町<H27>大田原市<H29>さくら市<R1>群馬県 上野村<H29>山梨県 甲斐市<H27>静岡県 浜松市<H25②>掛川市<H28>長野県 中野市<R1>

北陸ブロック(4市)新潟県 新潟市<H25①>十日町市<H28>富山県 射水市<H26>南砺市<H28>

東海ブロック(3市)愛知県 大府市<H25①>半田市<H28>三重県 津市<H25②>

近畿ブロック(5市町)京都府 南丹市<H27>京丹波町<H28>京都市<H29>兵庫県 洲本市<H26>養父市<H30>

中国四国ブロック(10市町村)鳥取県 北栄町<H30>島根県 奥出雲町<H25②>

隠岐の島町<H26>飯南町<H27>

岡山県 真庭市西粟倉村<H25②>津山市<H27>

広島県 東広島市<H29>山口県 宇部市<H29>香川県 三豊市<H25①>

九州ブロック(13市町)福岡県 みやま市<H26>宗像市<H27>糸島市<H28>朝倉市<R1>佐賀県 佐賀市<H26>玄海町<R1>大分県 佐伯市<H26>臼杵市<H27>国東市<H28>竹田市<R1>宮崎県 小林市<H27>鹿児島県 薩摩川内市長島町<H28>

H25H26 H27 H28 H29 H30 R1

1次 2次26 8 6 11 16 11 5 7

年度別選定地域数(市町村数) <>内は選定年度(①1次選定②2次選定)青字は令和元年度選定地域

16

Ⅱー6バイオマス産業都市の選定地域(9 0市町村)

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト

17

用途 原料 木質バイオマス 家畜排せつ物 食品廃棄物 下水汚泥

発電

FIT活用

下川町滝上町中標津町鶴居村一関市東松島市最上町大田原市上野村甲斐市浜松市掛川市射水市津市京都市津山市真庭市佐伯市臼杵市

十勝地域音威子府村下川町興部町西興部村別海町標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町幌延町八雲町平川市一関市色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市南丹市京丹波町養父市糸島市国東市長島町玄海町

音威子府村西興部村標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市東松島市色麻町飯豊町大田原市浜松市十日町市半田市大府市南丹市京都市洲本市養父市宇部市糸島市佐伯市臼杵市国東市長島町朝倉市

音威子府村興部町平川市色麻町飯豊町浜松市十日町市南丹市洲本市佐伯市国東市玄海町

その他(未定を含む)

十勝地域釧路市興部町十日町市養父市隠岐の島町小林市

釧路市大崎市加美町最上町北栄町宗像市小林市長島町

興部町滝上町大崎市加美町南三陸町最上町新潟市南砺市津市宗像市みやま市佐賀市小林市

加美町南三陸町最上町新潟市養父市北栄町宗像市みやま市

熱 利 用

十勝地域釧路市知内町下川町平取町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村平川市西目屋村一関市東松島市大崎市加美町南三陸町最上町飯豊町牛久市上野村茂木町大田原市甲斐市浜松市掛川市中野市新潟市十日町市南砺市津市南丹市京丹波町京都市洲本市養父市北栄町奥出雲町飯南町隠岐の島町津山市西粟倉村東広島市三豊市みやま市糸島市佐賀市佐伯市臼杵市国東市小林市朝倉市

十勝地域釧路市下川町音威子府村西興部村標茶町興部町別海町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市一関市加美町色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市京丹波町国東市長島町

音威子府村興部町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村稚内市浜頓別平川市東松島市加美町飯豊町南三陸町色麻町最上町大田原市新潟市十日町市南砺市半田市津市隠岐の島町宇部市臼杵市国東市

音威子府村平川市加美町色麻町最上町飯豊町新潟市十日町市国東市

肥料飼料等 茂木町射水市京都市洲本市飯南町津山市東広島市三豊市宗像市

十勝地域釧路市音威子府村下川町興部町西興部村標茶町別海町中標津町鶴居村八雲町平川市一関市加美町大崎市色麻町最上町平川市茂木町大田原市甲斐市掛川市十日町市半田市南丹市京丹波町飯南町糸島市宗像市佐賀市小林市長島町

興部町音威子府村西興部村標茶町平川市東松島市大崎市加美町南三陸町色麻町最上町茂木町甲斐市浜松市新潟市十日町市南砺市半田市大府市南丹市三豊市隠岐の島町東広島市宇部市宗像市みやま市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市長島町

音威子府村平川市南三陸町加美町色麻町最上町十日町市南丹市京都市宗像市みやま市国東市

燃 料

下川町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村幌延町平取町西目屋村一関市大崎市加美町南三陸町飯豊町大田原市上野村牛久市掛川市新潟市十日町市津市京丹波町京都市北栄町隠岐の島町東広島市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市竹田市

軽米町南丹市

十勝地域下川町平川市大崎市軽米町牛久市茂木町甲斐市新潟市射水市十日町市大府市南丹市京都市洲本市飯南町真庭市三豊市宗像市みやま市臼杵市小林市

稚内市津市南丹市京都市

その他(マテリアル利用等)

茂木町大田原市京都市洲本市隠岐の島町津山市真庭市三豊市糸島市薩摩川内市 半田市 浜松市新潟市

地域名市町村名の着色は前ページの地域ブロックの着色と同一であり下線は令和元年度選定市町村

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Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)

18

固定価格買取制度は再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを約束する制度のことで太陽光風力水力地熱バイオマス由来の電気が対象買取の価格(調達価格)と期間(調達期間)は専門家で構成される調達価格等算定委員会の意見を尊重し経済産業大臣が決定

令和2年度の主要なバイオマス発電による電気の調達価格は13~40円kWh(税抜) 一般木材バイオマスのうち10000kw以上は入札制比較的小規模の10000kw未満は地域分散型エネルギー

源となりうるため24円kwh(税抜)を維持また競争環境が成立しているバイオマス液体燃料(全規模)も同様に入札制

令和2年度の調達価格と調達期間(バイオマス関係)

バイオマスの種類 調達価格1kWh当たり

調達期間

メタン発酵ガス(バイオマス由来) 39円+税

20年間

間伐材等由来の木質バイオマス1

2000kW未満 40円+税

2000kW以上 32円+税

一般木材バイオマス210000kW未満 24円+税

10000kW以上 +税

バイオマス液体燃料 +税

建設資材廃棄物 13円+税

一般廃棄物その他のバイオマス 17円+税1 「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」に基づく証明のないものにつ

いては建設資材廃棄物と同等に取扱う2 農作物の収穫に伴って生じるバイオマスも含む

事業計画

費用負担調整機関

制度の概要

入札制度

入札制度

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Ⅱー9バイオマス発電の導入状況

19

固定価格買取制度を活用したバイオマス発電については平成31年3月末において約171万kWが運転を開始済RPS制度のもとで導入された発電設備の設備容量を合わせると約402万kWが稼動

バイオマス発電の固定価格買取制度による買取電力量は平成30年度で約125億kWh

平成31年3月末におけるバイオマス発電の導入状況

(注) 四捨五入により合計値が合わない場合がある 設備認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値を集計

単位千kWRPS FIT設備導入量 ( )はRPSからFITへの移行を含む 合計

(FIT計)FIT導入後 認定容量

~H246 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H2407~H313

メタン発酵ガス(バイオマス由来)

147 32 60 74 115 126 123 676 837(32) (172) (74) (104) (122) (130) (634)

間伐材由来の木質バイオマス

145 129 559 1379 901 291 473 3879 5055(129) (655) (1374) (901) (291) (516) (3867)

一般木質バイオマス農作物残渣

1634 298 118 961 1919 3328 3442 11701 79623(298) (856) (961) (1919) (3328) (3947) (11310)

建設資材廃棄物4398 03 35 54 00 38 18 4511 857

(03) (3355) (54) (00) (44) (97) (3552)

一般廃棄物その他のバイオマス

16814 762 243 471 395 306 462 19451 3727(762) (7305) (428) (357) (94) (694) (9640)

計 231381224 1015 2939 3330 4089 4482 40218 90099

17079 (29003)

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Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況

20

沖縄県 1845(3件) 8558(4件)

北海道14048(74件)86544( 5件) 9421( 3件)30084( 9件)

青森県 980(3件) 6250(1件)12400(1件) 6657(2件)

岩手県 630(3件)14717(4件)19800(2件)11297(4件)

宮城県 1143(3件) 880(3件)62657(1件) 1816(1件)14983(4件)

秋田県 730(1件) 7130(3件)21490(2件) 3750(2件) 4765(2件)

東京都 1468( 4件)166303(24件)

神奈川県 9000(3件)49000(1件) 2064(1件)44222(8件)

群馬県 725(3件) 6795(2件)13600(1件) 5540(2件)

千葉県 670(2件)47557(3件)12378(8件)

静岡県 1518(6件)89021(4件)54524(7件)

埼玉県 370( 1件) 146( 1件) 5976( 3件)16721( 1件)26003(12件)

岐阜県 685(2件) 6482(2件) 4300(1件) 600(1件) 6068(3件)

愛知県 2354( 6件)128029( 3件) 76096(14件)

和歌山県 10(1件) 2690(2件)

奈良県 50(1件) 6500(1件) 3499(2件)

京都府 155( 1件) 1760( 1件)17834( 4件)

鳥取県 1490(3件)22350(2件) 2360(1件)

山口県 74(2件) 67(1件)59656(2件)43123(2件)22526(4件)

島根県 759(1件) 6550(1件)12700(1件) 5400(3件)

岡山県 25(1件)10336(2件) 3949(2件) 8756(3件)

広島県 1116(1件)10157(2件)10800(2件)35792(7件)

高知県12750(2件)29500(1件)25730(2件) 5354(3件)

佐賀県 9850(1件) 4403(2件)

鹿児島県29450(2件)49000(1件)13255(5件)

表示出力は発電設備の認定出力にバイオマス比率を乗じたもの(各都道府県の合計出力)

平成31年3月末現在運転開始済みのものでFIT活用施設のみ

(資料)資源エネルギー庁資料を

もとに農林水産省作成

愛媛県 1160(2件)12500(1件)16134(4件)

三重県 1286(5件) 5800(1件)26980(3件) 1990(1件)18011(6件)

茨城県 645(2件) 7740(2件)190523(7件) 4990(1件) 11981(6件)

福島県 25(1件) 5785(3件)69855(2件)27772(2件)18433(5件)

山梨県14500(1件) 4698(3件)

新潟県 709(4件)12000(2件)10704(4件)

長崎県 250(1件) 7840(1件) 4750(3件)

福岡県 3397(3件)116450(3件) 59690(8件)

長野県 710(3件) 5060(4件) 5648(3件)

山形県 825(2件)13352(5件)55250(2件) 5813(4件)

徳島県 6470(2件) 710(1件)

大阪府 5440( 7件)14170( 3件)98781(14件)

香川県 525(2件) 1484(1件)

大分県 990(3件)25416(3件)50000(1件)12000(1件) 7426(3件)

宮崎県 2161(2件)38880(5件)19620(3件)14893(3件)

兵庫県 1382( 5件)22179( 3件)22740( 2件)21608( 2件)55961(14件)

栃木県 2525(9件) 1995(1件) 265(1件)24000(1件) 9214(6件)

石川県 455(3件)10920(4件)

全国計 メタンガス 63382kW (183件) 未利用木質 386741kW ( 70件) 一般木質 1130962kW ( 58件) 建設廃材 355237kW ( 32件) 一般廃棄物 963995kW (237件)

出 力 導入件数

福井県 25(1件) 7545(2件)37000(1件)

熊本県 808(1件) 6327(2件)12500(2件) 185(1件) 2850(1件)

富山県 195(1件) 5750(1件) 990(1件)13330(2件)

滋賀県 25(1件) 3550(1件) 3221(3件)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

36444

50693 58243

78258

98184 110092

126035 119569

120161

126532

131400

63 7585

108 109120

142 142 148 147 154

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大

21

木質バイオマスの活用は再生可能エネルギーの推進だけではなく林業や地域経済の活性化雇用の確保等にも貢献特に未利用となっている林地残材には大きな可能性

木質バイオマスは木質チップや木質ペレット等に加工され製材工場や公共施設発電所等におけるエネルギー源としての利用が増えてきている

木質バイオマスボイラー数の推移木質バイオマスボイラーは製材工場などを中心に2000基程度が設置されており最近は公共施設や温泉農業施設などへの導入も進んできている

地球温暖化問題への関心の高まりや化石燃料から再生可能エネルギー熱への転換による経営リスクの軽減等を背景に近年生産施設数及び生産量ともに増加

(基) ( t )(施設数)

- 施設数(第1軸(左)) 生産量(第2軸(右))

615 838

924

1218

1461

1701

2023

1945

1972

2058

2064

0

500

1000

1500

2000

2500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

台数

木質ペレットの製造施設数及び生産量

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

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農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

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Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

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Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 6: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要(平成21年6月12日法律第52号)

5

バイオマス活用推進基本計画の策定等

国地方公共団体事業者等の責務の明確化とそれぞれの主体の連携の強化

責務連携の強化

① 政府は関係行政機関相互の調整を行うことによりバイオマスの活用の総合的一体的かつ効果的な推進を図るためバイオマス活用推進会議を設けるものとする

② 関係行政機関はバイオマスの活用に関し専門的知識を有する者によって構成するバイオマス活用推進専門家会議を設け①の調整を行うに際しては意見を聴くものとする

バイオマス活用推進会議

国の施策 必要な基盤の整備 バイオマスを供給する事業

の創出 技術の研究開発普及 人材の育成確保 バイオマス製品の利用の促

民間団体の自発的な活動の促進

地方公共団体の活動の促進 国際的な連携国際協力の

推進 情報の収集 国民の理解の増進

政府はバイオマスの活用の推進に関する施策を実施するため必要な法制上財政上税制上又は金融上の措置その他の措置を講じなければならない

法制上の措置等基本理念 総合的一体的かつ効果

的な推進 地球温暖化の防止に向

けた推進 循環型社会の形成に向

けた推進 産業の発展国際競争

力の強化への寄与 農山漁村の活性化等に

資する推進

バイオマスの種類ごとの特性に応じた最大限の利用

エネルギー供給源の多様化 地域の主体的な取組の促進 社会的気運の醸成 食料の安定供給の確保 環境の保全への配慮

政府はバイオマスの活用の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るためバイオマスの活用の推進に関する基本的な計画(バイオマス活用推進基本計画)を策定しなければならない

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制

6

バイオマス活用推進基本法(平成21年6月12日法律第52号)に基づいて関係する7府省(内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省)の政務で構成される「バイオマス活用推進会議」が設置され連携してバイオマスの活用に資する施策を推進

地方行財政政策 消防法制

総務省

農林水産政策 農山漁村地域政策 食料産業政策

農林水産省

地球温暖化対策 廃棄物政策

環境省

国家基本政策

内閣府

科学技術政策 教育政策

文部科学省

国土交通政策 社会資本整備

(下水道等)

国土交通省

産業政策 エネルギー政策

経済産業省

バ イ オ マ ス活用推進会議(7府省の政務で構成)

メンバー

農林水産副大臣

内閣府大臣政務官

総務大臣政務官

文部科学大臣政務官

経済産業大臣政務官

国土交通大臣政務官

環境大臣政務官

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)

7

1 施策についての基本的な方針地域に存在するバイオマスを活用して地域が主体となった事業を創出し農林漁業の振興や地域への利益還元による活性化につな

げていく施策を推進

3 政府が総合的かつ効果的に講ずべき施策 より経済的な価値を生み出す高度利用や多段階利用などの地域が主体となった取組を後押し エネルギー効率の高い熱利用の普及拡大熱源としてのバイオガスの積極的利用等を推進 成功事例のノウハウなどを幅広く共有していくことによる取組の横展開を促進

4 技術の研究開発に関する事項 地域の実情に応じた多様なバイオマスの混合利用下水汚泥由来の水素ガスの製造利用方法の確立 発電等に伴う余剰熱及びバイオガス製造過程で発生する消化液等の副産物の利用技術の確立 産業化を見据えた微細藻類等による次世代バイオ燃料の研究開発等の推進

バイオマス活用推進基本法(平成21年法律第52号)に基づきバイオマスの活用の促進に関する施策についての基本的な方針国が達成すべき目標技術の研究開発に関する事項等について定める計画

従前の基本計画(平成22年12月17日閣議決定)のもとエネルギー利用を中心にバイオマス産業の市場規模が拡大したが固定価格買取制度を活用した売電の取組に偏りがみられ売電以外の取組では経済性の確保や地域が主体となる持続的な事業モデルの確立が課題となっており新たな基本計画によってこれらの課題の解決を図る

2 国が達成すべき目標(目標2025年)

5000億円の市場を形成

新たな産業創出年間約2600万炭素トンの

バイオマスを利用

環境負荷の少ない持続的な社会全都道府県600市町村で

バイオマス活用推進計画を策定

農林漁業農山漁村の活性化

経済性が確保された取組を強化 地域に利益が還元され持続的かつ自立的な取組を推進

重点事項

実用化高付加価値化を促進

重点事項

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿

8

成功事例を幅広く共有事業の横展開

環境負荷の少ない持続的な社会 農林漁業農山漁村の活性化 新たな産業の創出

得られた利益が地域に還元される取組

これまで廃棄物処理を行っていた農畜産業生産現場で発生する農作物非食用部や家畜排せつ物等の廃棄物系バイオマスについて高度利用等に用いることでその処理費用や運搬等の労力が軽減

バイオマスの変換技術により得られた電気熱等のエネルギーや製品等を地域の農家や公共施設等に安価に提供することでこれまで必要としていたエネルギー等に要する費用の負担が軽減

より経済的な価値を生み出す取組

<従来>家畜排せつ物

<高度利用>

堆 肥

家畜排せつ物

農地牧草地に還元堆肥化

メタン発酵

ガ ス

精製濃縮

施設園芸都市ガスの代替

電 気自家消費売電等

熱施設の暖房給湯等

消化液

バイオガスコジェネレーション

農地牧草地に還元

製材用丸太 小径丸太 枝葉

製材加工(製材工場)

(直材) (曲がり材短尺材) (低質材) (梢端)

チップ製造 ペレット製造

製材製品(板角材等) 木質ボード 紙 肥料飼料 電気熱

(建設資材) (回収) (灰CO2回収)

鋸屑端材

廃材解体材

(利用)(再利用)

農業生産現場や地域の熱需要施設等において熱利用は化石燃料の代替となることが期待

エネルギー需要のおよそ半分は熱であり特に農業生産現場におけるエネルギー消費の約8割が熱利用であることからバイオマスの熱利用を推進 熱利用は発電と比べてエネルギー効率がよい

(熱利用60~90程度発電10~40程度)

現在は十分に活用されていない発電における余熱の利用を進める「熱電併給」の取組も加速

高度利用 より経済的な価値を生み出す

地域に存在するバイオマスをエネルギーや製品等に変換活用する新産業が創出

②③による節約費用は経営規模の拡大等に充当することが可能

上記の取組等により新たな雇用が創出

持続的かつ自立可能な取組

地方公共団体等

バイオガスプラント

市町村バイオマス活用推進計画(バイオマス産業を軸とした地域づくり)

(取組のイメージ)

畑作農家園芸農家 畜産農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥 家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物

電気熱 食品廃棄物し尿

電気熱

(製品)小売店等へ

(農作物)加工施設小売店等へ

経済性が確保された一貫システムの構築

(畜産物)加工施設小売店等へ

多段階利用 限られた資源を徹底的に使う 熱利用 エネルギー効率のよい熱利用の推進

①産業振興雇用創出 ②廃棄物等の処理費用や労力の軽減 ③安価なエネルギーや製品等の供給

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)

9

地域のバイオマスを活用した産業創出と地域循環型エネルギーシステム

の構築に向けたバイオマス産業都市の構築(バイオマスタウンの発展高度化)

原料生産から収集運搬製造利用までの事業者の連携による事業化

の取組を推進する制度の検討(農林漁業バイオ燃料法の見直し)

技術とバイオマスの選択と集中による事業化の重点的な推進

関係者の連携による原料生産から収集運搬製造利用までの一貫システムの構築

地域のバイオマスを活用した事業化推進による地域産業の創出と自立分散型エネルギー供給体制の強化

技術ロードマップに基づき事業化に活用する実用化技術とバイオマスを整理

技 術メタン発酵堆肥化直接燃焼固体燃料化液体燃料化

バイオマス木質食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物

産学官の研究機関の連携による実用化を目指す技術の開発加速化

戦略2技術戦略(技術開発と製造)

バイオマス活用と一体となった川上の農林業の体制整備

バイオマスの効率的な収集運搬システムの構築

高バイオマス量易分解性等の資源用作物植物の開発

多様なバイオマス資源の混合利用と廃棄物系の徹底利用

戦略4入口戦略(原料調達)

戦略6総合支援戦略

固定価格買取制度の積極的活用

投資家事業者の参入を促すバイオマス関連税制の推進

各種クレジット制度の活用による温室効果ガス削減の推進

高付加価値製品の創出による事業化の推進

戦略3出口戦略(需要の創出拡大)

アジア等における持続可能なバイオマス利用システムの構築

持続可能なバイオマス利用に向けた国際的な基準づくり等の推進

戦略7海外戦略⑤バイオ燃料

①木質バイオマス

②食品廃棄物

③下水汚泥

④家畜排せつ物

未利用間伐材等の効率的な収集運搬システムの構築と木質発電所等でのエネルギー利用を一体的重点的に推進

分別回収の徹底強化とバイオガス化他のバイオマスとの混合利用固体燃料化による再生利用を推進

地域のバイオマス活用の拠点としてバイオガス化食品廃棄物等との混合利用固形燃料化による再生利用を推進

メタン発酵直接燃焼食品廃棄物等との混合利用による再生利用を推進

戦略5個別重点戦略

大規模製造プラントを有する地域での農業と一体となった地域循環型バイオ燃料利用の可能性について具体化の方策を検討

バイオディーゼル燃料の税制等による低濃度利用の普及や高効率低コスト生産システムの開発

研究機関の連携による次世代バイオ燃料製造技術の開発加速化

戦略1基本戦略

食料産業局

Ⅱ バイオマス活用推進基本計画の進捗状況

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標

11

将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿

環境負荷の少ない持続的な社会 新たな産業創出と農林漁業農山漁村の活性化 バイオマス利用を軸にした新しいライフスタイル 国際的な連携の下でのバイオマス活用

バイオマスの利用拡大 化石資源を用いて製造されているエネルギー

や製品をバイオマス由来のものに代替することで炭素量換算で年間約2600万炭素トンのバイオマスを利用

バイオマスの種類ごとに利用率の目標を設定

地球温暖化の防止や循環型社会の形成

バイオマス産業の規模 バイオマスをエネルギーや製品に活用する環境

調和型産業を育成しそれらの産業化が進展することを前提として5000億円の市場を形成

新たな産業の発展や国際競争力の強化

バイオマス活用推進計画の策定 都道府県バイオマス活用推進計画を全ての

都道府県で策定 市町村バイオマス活用推進計画を全市町村

数の3分の1に相当する600市町村で策定

農林漁業農山漁村の活性化

将来像を実現するために必要な目標(2025年)を設定

現基本計画では将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿を想定し柱となる「地球温暖化の防止」「新たな産業の発展」「農山漁村の活性化」の達成状況を判断する指標としてバイオマスの利用拡大バイオマス新産業の規模バイオマス活用推進計画の策定を評価軸に2025年に国が達成すべき目標値を設定

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー2バイオマスの利用拡大

12

バイオマスの発生量(賦存量)は廃棄物系バイオマスの発生抑制の取組等により中長期的には減少傾向 利用量の炭素量換算値は現時点で約2400万トンとなっているが2025年に約2600万トンが利用されることを目指す 既存の利用方法に配慮しつつより経済的な価値を生み出す高度利用等を推進すべくバイオマスの種類毎の目標を設定

2010年(平成22年)

2015年(平成27年) 【中長期的傾向】

2025年(令和7年)

バイオマスの発生量

(炭素換算値)約3300万トン 約3400万トン

廃棄物系バイオマスは発生抑制の取組等により減少傾向

[将来予測]約3200万トン

バイオマスの利用量

(炭素換算値)

約2300万トン[利用率]約697

約2400万トン[利用率]約706 [推進施策]

製品として価値の高い順に可能な限り繰り返し利用する多段階利用やエネルギー効率の高い熱利用などの取組を推進

木材の安定供給に影響を及ぼさないようマテリアル利用とエネルギー利用の両立を図りつつ活用を推進

地域の実情に応じた地域経済の好循環に結びつく構想づくりを支援し生み出された価値が農林漁業の振興や地域への利益還元につながる取組を推進

[目標値]約2600万トン

バイオマスの種類 発生量 利用量 利用率 利用率

廃棄物系バイオマス

家畜排せつ物 87 約90

下水汚泥 68 約85

黒液 100 100

紙 81 約85

食品廃棄物 29 約40

製材工場等残材 97 約97

建設発生木材1 94 約95

未利用系

バイオマス

農作物非食用部(すき込みを除く) 32 約45

林地残材 13 30以上

1000万トン814万トン

発生量486万トン利用量419万トン

90万トン61万トン

403万トン403万トン

65万トン19万トン

320万トン310万トン

220万トン207万トン

438万トン139万トン

420万トン56万トン

各年度の実績の数値を計上(基本計画に記載の利用率等は各年度時点の最新の統計調査に基づくものであるため異なる場合がある) 1建設発材は元となる統計調査が5年ごとであり平成20年度実績の数値

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Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定

13

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

北海道 策定済み(H2512) 12 30 35

青森県 策定済み(H2312) 2 12 2

岩手県 未策定 2 9 2秋田県 未策定 0 9 0宮城県 未策定 2 4 5山形県 未策定 1 8 2

福島県 策定済み(H3011) 1 9 0

茨城県 策定済み(H293) 0 7 1

栃木県 未策定 4 5 3

群馬県 策定済み(H293改訂) 1 5 1

埼玉県 策定済み(H303改訂) 0 1 0

千葉県 策定済み(H238 ) 0 9 0

東京都 未策定 0 2 0神奈川県 未策定 0 2 0山梨県 未策定 1 8 1長野県 未策定 1 10 1

静岡県 策定済み(H293改訂) 4 4 2

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

新潟県 策定済み(H303改定) 4 14 2

富山県 未策定 1 7 2石川県 未策定 0 7 0福井県 未策定 0 4 0岐阜県 未策定 0 6 0

愛知県策定済み(H293策

定)0 4 2

三重県 未策定 1 2 1滋賀県 未策定 0 6 0

京都府 策定済み(H2410) 2 5 3

大阪府 未策定 0 3 0

兵庫県 策定済み(H2810) 4 10 2

奈良県 未策定 0 5 0和歌山県 未策定 0 4 0鳥取県 未策定 1 2 1

島根県 策定済み(H253) 1 9 3

岡山県 未策定 2 7 3広島県 未策定 1 5 1

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

山口県 策定済み(H253 ) 1 4 1

徳島県 未策定 0 3 0香川県 未策定 1 1 1

愛媛県 策定済み(H246) 1 5 0

高知県 未策定 0 9 0福岡県 未策定 4 5 4佐賀県 未策定 2 4 2長崎県 未策定 1 7 0

熊本県 策定済み(H243 ) 1 11 0

宮崎県 策定済み(H254) 1 7 1

大分県 策定済み(H283 ) 2 7 4

鹿児島県策定済み(H293改

訂)2 15 2

沖縄県 未策定 1 6 0

計 1966 318 90

386重複を除く

目標 47 600

バイオマス活用推進計画の策定数は現在都道府県計画19道府県市町村計画65市町村(類似施策を含めると重複を排除して386市町村)であり2025年までに全都道府県600市町村での計画策定を目指す

バイオマスの活用を推進する地域計画の策定状況 (農林水産省調べ(R2年4月 現在))

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー4バイオマス産業の市場規模

14

バイオマス産業の市場規模の推計(農林水産省調べ)

注) 旧基本計画策定以前から明確に市場が形成されている肥料飼料などは推計の対象外としている 経済波及効果は総務省が公開している産業連関表に基づく統合大分類(37部門)による経済波及効果の簡易計算ツールを用いて算定

バイオマス産業の市場規模については旧基本計画策定当時経済波及効果を含め約1200億円規模であったものが固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大し現時点で約3500億円(約70)

新たな基本計画の下発電以外の取組についての市場規模の拡大も推進しつつ2025年に5000億円の市場の形成を目指す

旧基本計画策定時点2010年

(平成22年)

現在2015年

(平成27年)

目標値2025年

(平成37年)

市場規模 約1200億円 約3500億円 5000億円

億円

5000

4000

3000

2000

1000

0

C

C

C

C

C

発電以外の取組についても拡大を推進

固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー5バイオマス産業都市について

15

バイオマス産業都市とは経済性が確保された一貫システムを構築し地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまちむらづくりを目指す地域であり関係7府省が共同で選定

関係7府省内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省

地方公共団体等

バイオマス産業を軸としたまちむらづくり

バイオガスプラント園芸農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥

家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物し尿 電気熱

(農作物)

加工施設小売店等へ

(畜産物)加工施設小売店等へ

低品質材(CD材)未利用材竹

木質チップペレット製造施設

木質バイオマス発電施設

(売電)

農業地域

農村部都市部

畜産農家

一般家庭

高品質材(AB材)

製材工場等

製材工場等残材建築家具製造メーカー等へ

マテリアル利用製紙工場等へ

電気熱

(チップペレット)

ボイラー用燃料

林業者

林業地域 畜産酪農地域

木質バイオマスボイラー

電気熱

(バイオマス産業都市のイメージ)

漁業地域漁業者

(海産物) 加工施設小売店等へ

水産残さ等堆肥化施設バイオガスプラント

堆肥液肥(売電)

(売電)

経済性が確保された一貫システムの構築

液肥散布

BDF製造施設発電施設

(売電)廃食用油

輸送用燃料

耕種農家

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

北海道ブロック(35市町村)十勝地域(19市町村)下川町別海町<H25①>釧路市興部町<H25②>平取町<H27>知内町音威子府村西興部村標茶町<H28>滝上町中標津町鶴居村<H29>稚内市浜頓別町幌延町<H30>八雲町<R1>

東北ブロック(11市町村)青森県 平川市<H28>西目屋村<H29>岩手県 一関市<H28>軽米町<R1>宮城県 東松島市<H25①>

南三陸町<H25②>大崎市<H27>加美町<H28>色麻町<H29>

山形県 最上町<H27>飯豊町<H29>

関東ブロック(9市町村)茨城県 牛久市<H25①>栃木県 茂木町<H27>大田原市<H29>さくら市<R1>群馬県 上野村<H29>山梨県 甲斐市<H27>静岡県 浜松市<H25②>掛川市<H28>長野県 中野市<R1>

北陸ブロック(4市)新潟県 新潟市<H25①>十日町市<H28>富山県 射水市<H26>南砺市<H28>

東海ブロック(3市)愛知県 大府市<H25①>半田市<H28>三重県 津市<H25②>

近畿ブロック(5市町)京都府 南丹市<H27>京丹波町<H28>京都市<H29>兵庫県 洲本市<H26>養父市<H30>

中国四国ブロック(10市町村)鳥取県 北栄町<H30>島根県 奥出雲町<H25②>

隠岐の島町<H26>飯南町<H27>

岡山県 真庭市西粟倉村<H25②>津山市<H27>

広島県 東広島市<H29>山口県 宇部市<H29>香川県 三豊市<H25①>

九州ブロック(13市町)福岡県 みやま市<H26>宗像市<H27>糸島市<H28>朝倉市<R1>佐賀県 佐賀市<H26>玄海町<R1>大分県 佐伯市<H26>臼杵市<H27>国東市<H28>竹田市<R1>宮崎県 小林市<H27>鹿児島県 薩摩川内市長島町<H28>

H25H26 H27 H28 H29 H30 R1

1次 2次26 8 6 11 16 11 5 7

年度別選定地域数(市町村数) <>内は選定年度(①1次選定②2次選定)青字は令和元年度選定地域

16

Ⅱー6バイオマス産業都市の選定地域(9 0市町村)

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Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト

17

用途 原料 木質バイオマス 家畜排せつ物 食品廃棄物 下水汚泥

発電

FIT活用

下川町滝上町中標津町鶴居村一関市東松島市最上町大田原市上野村甲斐市浜松市掛川市射水市津市京都市津山市真庭市佐伯市臼杵市

十勝地域音威子府村下川町興部町西興部村別海町標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町幌延町八雲町平川市一関市色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市南丹市京丹波町養父市糸島市国東市長島町玄海町

音威子府村西興部村標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市東松島市色麻町飯豊町大田原市浜松市十日町市半田市大府市南丹市京都市洲本市養父市宇部市糸島市佐伯市臼杵市国東市長島町朝倉市

音威子府村興部町平川市色麻町飯豊町浜松市十日町市南丹市洲本市佐伯市国東市玄海町

その他(未定を含む)

十勝地域釧路市興部町十日町市養父市隠岐の島町小林市

釧路市大崎市加美町最上町北栄町宗像市小林市長島町

興部町滝上町大崎市加美町南三陸町最上町新潟市南砺市津市宗像市みやま市佐賀市小林市

加美町南三陸町最上町新潟市養父市北栄町宗像市みやま市

熱 利 用

十勝地域釧路市知内町下川町平取町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村平川市西目屋村一関市東松島市大崎市加美町南三陸町最上町飯豊町牛久市上野村茂木町大田原市甲斐市浜松市掛川市中野市新潟市十日町市南砺市津市南丹市京丹波町京都市洲本市養父市北栄町奥出雲町飯南町隠岐の島町津山市西粟倉村東広島市三豊市みやま市糸島市佐賀市佐伯市臼杵市国東市小林市朝倉市

十勝地域釧路市下川町音威子府村西興部村標茶町興部町別海町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市一関市加美町色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市京丹波町国東市長島町

音威子府村興部町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村稚内市浜頓別平川市東松島市加美町飯豊町南三陸町色麻町最上町大田原市新潟市十日町市南砺市半田市津市隠岐の島町宇部市臼杵市国東市

音威子府村平川市加美町色麻町最上町飯豊町新潟市十日町市国東市

肥料飼料等 茂木町射水市京都市洲本市飯南町津山市東広島市三豊市宗像市

十勝地域釧路市音威子府村下川町興部町西興部村標茶町別海町中標津町鶴居村八雲町平川市一関市加美町大崎市色麻町最上町平川市茂木町大田原市甲斐市掛川市十日町市半田市南丹市京丹波町飯南町糸島市宗像市佐賀市小林市長島町

興部町音威子府村西興部村標茶町平川市東松島市大崎市加美町南三陸町色麻町最上町茂木町甲斐市浜松市新潟市十日町市南砺市半田市大府市南丹市三豊市隠岐の島町東広島市宇部市宗像市みやま市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市長島町

音威子府村平川市南三陸町加美町色麻町最上町十日町市南丹市京都市宗像市みやま市国東市

燃 料

下川町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村幌延町平取町西目屋村一関市大崎市加美町南三陸町飯豊町大田原市上野村牛久市掛川市新潟市十日町市津市京丹波町京都市北栄町隠岐の島町東広島市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市竹田市

軽米町南丹市

十勝地域下川町平川市大崎市軽米町牛久市茂木町甲斐市新潟市射水市十日町市大府市南丹市京都市洲本市飯南町真庭市三豊市宗像市みやま市臼杵市小林市

稚内市津市南丹市京都市

その他(マテリアル利用等)

茂木町大田原市京都市洲本市隠岐の島町津山市真庭市三豊市糸島市薩摩川内市 半田市 浜松市新潟市

地域名市町村名の着色は前ページの地域ブロックの着色と同一であり下線は令和元年度選定市町村

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Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)

18

固定価格買取制度は再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを約束する制度のことで太陽光風力水力地熱バイオマス由来の電気が対象買取の価格(調達価格)と期間(調達期間)は専門家で構成される調達価格等算定委員会の意見を尊重し経済産業大臣が決定

令和2年度の主要なバイオマス発電による電気の調達価格は13~40円kWh(税抜) 一般木材バイオマスのうち10000kw以上は入札制比較的小規模の10000kw未満は地域分散型エネルギー

源となりうるため24円kwh(税抜)を維持また競争環境が成立しているバイオマス液体燃料(全規模)も同様に入札制

令和2年度の調達価格と調達期間(バイオマス関係)

バイオマスの種類 調達価格1kWh当たり

調達期間

メタン発酵ガス(バイオマス由来) 39円+税

20年間

間伐材等由来の木質バイオマス1

2000kW未満 40円+税

2000kW以上 32円+税

一般木材バイオマス210000kW未満 24円+税

10000kW以上 +税

バイオマス液体燃料 +税

建設資材廃棄物 13円+税

一般廃棄物その他のバイオマス 17円+税1 「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」に基づく証明のないものにつ

いては建設資材廃棄物と同等に取扱う2 農作物の収穫に伴って生じるバイオマスも含む

事業計画

費用負担調整機関

制度の概要

入札制度

入札制度

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Ⅱー9バイオマス発電の導入状況

19

固定価格買取制度を活用したバイオマス発電については平成31年3月末において約171万kWが運転を開始済RPS制度のもとで導入された発電設備の設備容量を合わせると約402万kWが稼動

バイオマス発電の固定価格買取制度による買取電力量は平成30年度で約125億kWh

平成31年3月末におけるバイオマス発電の導入状況

(注) 四捨五入により合計値が合わない場合がある 設備認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値を集計

単位千kWRPS FIT設備導入量 ( )はRPSからFITへの移行を含む 合計

(FIT計)FIT導入後 認定容量

~H246 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H2407~H313

メタン発酵ガス(バイオマス由来)

147 32 60 74 115 126 123 676 837(32) (172) (74) (104) (122) (130) (634)

間伐材由来の木質バイオマス

145 129 559 1379 901 291 473 3879 5055(129) (655) (1374) (901) (291) (516) (3867)

一般木質バイオマス農作物残渣

1634 298 118 961 1919 3328 3442 11701 79623(298) (856) (961) (1919) (3328) (3947) (11310)

建設資材廃棄物4398 03 35 54 00 38 18 4511 857

(03) (3355) (54) (00) (44) (97) (3552)

一般廃棄物その他のバイオマス

16814 762 243 471 395 306 462 19451 3727(762) (7305) (428) (357) (94) (694) (9640)

計 231381224 1015 2939 3330 4089 4482 40218 90099

17079 (29003)

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Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況

20

沖縄県 1845(3件) 8558(4件)

北海道14048(74件)86544( 5件) 9421( 3件)30084( 9件)

青森県 980(3件) 6250(1件)12400(1件) 6657(2件)

岩手県 630(3件)14717(4件)19800(2件)11297(4件)

宮城県 1143(3件) 880(3件)62657(1件) 1816(1件)14983(4件)

秋田県 730(1件) 7130(3件)21490(2件) 3750(2件) 4765(2件)

東京都 1468( 4件)166303(24件)

神奈川県 9000(3件)49000(1件) 2064(1件)44222(8件)

群馬県 725(3件) 6795(2件)13600(1件) 5540(2件)

千葉県 670(2件)47557(3件)12378(8件)

静岡県 1518(6件)89021(4件)54524(7件)

埼玉県 370( 1件) 146( 1件) 5976( 3件)16721( 1件)26003(12件)

岐阜県 685(2件) 6482(2件) 4300(1件) 600(1件) 6068(3件)

愛知県 2354( 6件)128029( 3件) 76096(14件)

和歌山県 10(1件) 2690(2件)

奈良県 50(1件) 6500(1件) 3499(2件)

京都府 155( 1件) 1760( 1件)17834( 4件)

鳥取県 1490(3件)22350(2件) 2360(1件)

山口県 74(2件) 67(1件)59656(2件)43123(2件)22526(4件)

島根県 759(1件) 6550(1件)12700(1件) 5400(3件)

岡山県 25(1件)10336(2件) 3949(2件) 8756(3件)

広島県 1116(1件)10157(2件)10800(2件)35792(7件)

高知県12750(2件)29500(1件)25730(2件) 5354(3件)

佐賀県 9850(1件) 4403(2件)

鹿児島県29450(2件)49000(1件)13255(5件)

表示出力は発電設備の認定出力にバイオマス比率を乗じたもの(各都道府県の合計出力)

平成31年3月末現在運転開始済みのものでFIT活用施設のみ

(資料)資源エネルギー庁資料を

もとに農林水産省作成

愛媛県 1160(2件)12500(1件)16134(4件)

三重県 1286(5件) 5800(1件)26980(3件) 1990(1件)18011(6件)

茨城県 645(2件) 7740(2件)190523(7件) 4990(1件) 11981(6件)

福島県 25(1件) 5785(3件)69855(2件)27772(2件)18433(5件)

山梨県14500(1件) 4698(3件)

新潟県 709(4件)12000(2件)10704(4件)

長崎県 250(1件) 7840(1件) 4750(3件)

福岡県 3397(3件)116450(3件) 59690(8件)

長野県 710(3件) 5060(4件) 5648(3件)

山形県 825(2件)13352(5件)55250(2件) 5813(4件)

徳島県 6470(2件) 710(1件)

大阪府 5440( 7件)14170( 3件)98781(14件)

香川県 525(2件) 1484(1件)

大分県 990(3件)25416(3件)50000(1件)12000(1件) 7426(3件)

宮崎県 2161(2件)38880(5件)19620(3件)14893(3件)

兵庫県 1382( 5件)22179( 3件)22740( 2件)21608( 2件)55961(14件)

栃木県 2525(9件) 1995(1件) 265(1件)24000(1件) 9214(6件)

石川県 455(3件)10920(4件)

全国計 メタンガス 63382kW (183件) 未利用木質 386741kW ( 70件) 一般木質 1130962kW ( 58件) 建設廃材 355237kW ( 32件) 一般廃棄物 963995kW (237件)

出 力 導入件数

福井県 25(1件) 7545(2件)37000(1件)

熊本県 808(1件) 6327(2件)12500(2件) 185(1件) 2850(1件)

富山県 195(1件) 5750(1件) 990(1件)13330(2件)

滋賀県 25(1件) 3550(1件) 3221(3件)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

36444

50693 58243

78258

98184 110092

126035 119569

120161

126532

131400

63 7585

108 109120

142 142 148 147 154

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大

21

木質バイオマスの活用は再生可能エネルギーの推進だけではなく林業や地域経済の活性化雇用の確保等にも貢献特に未利用となっている林地残材には大きな可能性

木質バイオマスは木質チップや木質ペレット等に加工され製材工場や公共施設発電所等におけるエネルギー源としての利用が増えてきている

木質バイオマスボイラー数の推移木質バイオマスボイラーは製材工場などを中心に2000基程度が設置されており最近は公共施設や温泉農業施設などへの導入も進んできている

地球温暖化問題への関心の高まりや化石燃料から再生可能エネルギー熱への転換による経営リスクの軽減等を背景に近年生産施設数及び生産量ともに増加

(基) ( t )(施設数)

- 施設数(第1軸(左)) 生産量(第2軸(右))

615 838

924

1218

1461

1701

2023

1945

1972

2058

2064

0

500

1000

1500

2000

2500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

台数

木質ペレットの製造施設数及び生産量

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 7: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制

6

バイオマス活用推進基本法(平成21年6月12日法律第52号)に基づいて関係する7府省(内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省)の政務で構成される「バイオマス活用推進会議」が設置され連携してバイオマスの活用に資する施策を推進

地方行財政政策 消防法制

総務省

農林水産政策 農山漁村地域政策 食料産業政策

農林水産省

地球温暖化対策 廃棄物政策

環境省

国家基本政策

内閣府

科学技術政策 教育政策

文部科学省

国土交通政策 社会資本整備

(下水道等)

国土交通省

産業政策 エネルギー政策

経済産業省

バ イ オ マ ス活用推進会議(7府省の政務で構成)

メンバー

農林水産副大臣

内閣府大臣政務官

総務大臣政務官

文部科学大臣政務官

経済産業大臣政務官

国土交通大臣政務官

環境大臣政務官

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)

7

1 施策についての基本的な方針地域に存在するバイオマスを活用して地域が主体となった事業を創出し農林漁業の振興や地域への利益還元による活性化につな

げていく施策を推進

3 政府が総合的かつ効果的に講ずべき施策 より経済的な価値を生み出す高度利用や多段階利用などの地域が主体となった取組を後押し エネルギー効率の高い熱利用の普及拡大熱源としてのバイオガスの積極的利用等を推進 成功事例のノウハウなどを幅広く共有していくことによる取組の横展開を促進

4 技術の研究開発に関する事項 地域の実情に応じた多様なバイオマスの混合利用下水汚泥由来の水素ガスの製造利用方法の確立 発電等に伴う余剰熱及びバイオガス製造過程で発生する消化液等の副産物の利用技術の確立 産業化を見据えた微細藻類等による次世代バイオ燃料の研究開発等の推進

バイオマス活用推進基本法(平成21年法律第52号)に基づきバイオマスの活用の促進に関する施策についての基本的な方針国が達成すべき目標技術の研究開発に関する事項等について定める計画

従前の基本計画(平成22年12月17日閣議決定)のもとエネルギー利用を中心にバイオマス産業の市場規模が拡大したが固定価格買取制度を活用した売電の取組に偏りがみられ売電以外の取組では経済性の確保や地域が主体となる持続的な事業モデルの確立が課題となっており新たな基本計画によってこれらの課題の解決を図る

2 国が達成すべき目標(目標2025年)

5000億円の市場を形成

新たな産業創出年間約2600万炭素トンの

バイオマスを利用

環境負荷の少ない持続的な社会全都道府県600市町村で

バイオマス活用推進計画を策定

農林漁業農山漁村の活性化

経済性が確保された取組を強化 地域に利益が還元され持続的かつ自立的な取組を推進

重点事項

実用化高付加価値化を促進

重点事項

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿

8

成功事例を幅広く共有事業の横展開

環境負荷の少ない持続的な社会 農林漁業農山漁村の活性化 新たな産業の創出

得られた利益が地域に還元される取組

これまで廃棄物処理を行っていた農畜産業生産現場で発生する農作物非食用部や家畜排せつ物等の廃棄物系バイオマスについて高度利用等に用いることでその処理費用や運搬等の労力が軽減

バイオマスの変換技術により得られた電気熱等のエネルギーや製品等を地域の農家や公共施設等に安価に提供することでこれまで必要としていたエネルギー等に要する費用の負担が軽減

より経済的な価値を生み出す取組

<従来>家畜排せつ物

<高度利用>

堆 肥

家畜排せつ物

農地牧草地に還元堆肥化

メタン発酵

ガ ス

精製濃縮

施設園芸都市ガスの代替

電 気自家消費売電等

熱施設の暖房給湯等

消化液

バイオガスコジェネレーション

農地牧草地に還元

製材用丸太 小径丸太 枝葉

製材加工(製材工場)

(直材) (曲がり材短尺材) (低質材) (梢端)

チップ製造 ペレット製造

製材製品(板角材等) 木質ボード 紙 肥料飼料 電気熱

(建設資材) (回収) (灰CO2回収)

鋸屑端材

廃材解体材

(利用)(再利用)

農業生産現場や地域の熱需要施設等において熱利用は化石燃料の代替となることが期待

エネルギー需要のおよそ半分は熱であり特に農業生産現場におけるエネルギー消費の約8割が熱利用であることからバイオマスの熱利用を推進 熱利用は発電と比べてエネルギー効率がよい

(熱利用60~90程度発電10~40程度)

現在は十分に活用されていない発電における余熱の利用を進める「熱電併給」の取組も加速

高度利用 より経済的な価値を生み出す

地域に存在するバイオマスをエネルギーや製品等に変換活用する新産業が創出

②③による節約費用は経営規模の拡大等に充当することが可能

上記の取組等により新たな雇用が創出

持続的かつ自立可能な取組

地方公共団体等

バイオガスプラント

市町村バイオマス活用推進計画(バイオマス産業を軸とした地域づくり)

(取組のイメージ)

畑作農家園芸農家 畜産農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥 家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物

電気熱 食品廃棄物し尿

電気熱

(製品)小売店等へ

(農作物)加工施設小売店等へ

経済性が確保された一貫システムの構築

(畜産物)加工施設小売店等へ

多段階利用 限られた資源を徹底的に使う 熱利用 エネルギー効率のよい熱利用の推進

①産業振興雇用創出 ②廃棄物等の処理費用や労力の軽減 ③安価なエネルギーや製品等の供給

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)

9

地域のバイオマスを活用した産業創出と地域循環型エネルギーシステム

の構築に向けたバイオマス産業都市の構築(バイオマスタウンの発展高度化)

原料生産から収集運搬製造利用までの事業者の連携による事業化

の取組を推進する制度の検討(農林漁業バイオ燃料法の見直し)

技術とバイオマスの選択と集中による事業化の重点的な推進

関係者の連携による原料生産から収集運搬製造利用までの一貫システムの構築

地域のバイオマスを活用した事業化推進による地域産業の創出と自立分散型エネルギー供給体制の強化

技術ロードマップに基づき事業化に活用する実用化技術とバイオマスを整理

技 術メタン発酵堆肥化直接燃焼固体燃料化液体燃料化

バイオマス木質食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物

産学官の研究機関の連携による実用化を目指す技術の開発加速化

戦略2技術戦略(技術開発と製造)

バイオマス活用と一体となった川上の農林業の体制整備

バイオマスの効率的な収集運搬システムの構築

高バイオマス量易分解性等の資源用作物植物の開発

多様なバイオマス資源の混合利用と廃棄物系の徹底利用

戦略4入口戦略(原料調達)

戦略6総合支援戦略

固定価格買取制度の積極的活用

投資家事業者の参入を促すバイオマス関連税制の推進

各種クレジット制度の活用による温室効果ガス削減の推進

高付加価値製品の創出による事業化の推進

戦略3出口戦略(需要の創出拡大)

アジア等における持続可能なバイオマス利用システムの構築

持続可能なバイオマス利用に向けた国際的な基準づくり等の推進

戦略7海外戦略⑤バイオ燃料

①木質バイオマス

②食品廃棄物

③下水汚泥

④家畜排せつ物

未利用間伐材等の効率的な収集運搬システムの構築と木質発電所等でのエネルギー利用を一体的重点的に推進

分別回収の徹底強化とバイオガス化他のバイオマスとの混合利用固体燃料化による再生利用を推進

地域のバイオマス活用の拠点としてバイオガス化食品廃棄物等との混合利用固形燃料化による再生利用を推進

メタン発酵直接燃焼食品廃棄物等との混合利用による再生利用を推進

戦略5個別重点戦略

大規模製造プラントを有する地域での農業と一体となった地域循環型バイオ燃料利用の可能性について具体化の方策を検討

バイオディーゼル燃料の税制等による低濃度利用の普及や高効率低コスト生産システムの開発

研究機関の連携による次世代バイオ燃料製造技術の開発加速化

戦略1基本戦略

食料産業局

Ⅱ バイオマス活用推進基本計画の進捗状況

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標

11

将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿

環境負荷の少ない持続的な社会 新たな産業創出と農林漁業農山漁村の活性化 バイオマス利用を軸にした新しいライフスタイル 国際的な連携の下でのバイオマス活用

バイオマスの利用拡大 化石資源を用いて製造されているエネルギー

や製品をバイオマス由来のものに代替することで炭素量換算で年間約2600万炭素トンのバイオマスを利用

バイオマスの種類ごとに利用率の目標を設定

地球温暖化の防止や循環型社会の形成

バイオマス産業の規模 バイオマスをエネルギーや製品に活用する環境

調和型産業を育成しそれらの産業化が進展することを前提として5000億円の市場を形成

新たな産業の発展や国際競争力の強化

バイオマス活用推進計画の策定 都道府県バイオマス活用推進計画を全ての

都道府県で策定 市町村バイオマス活用推進計画を全市町村

数の3分の1に相当する600市町村で策定

農林漁業農山漁村の活性化

将来像を実現するために必要な目標(2025年)を設定

現基本計画では将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿を想定し柱となる「地球温暖化の防止」「新たな産業の発展」「農山漁村の活性化」の達成状況を判断する指標としてバイオマスの利用拡大バイオマス新産業の規模バイオマス活用推進計画の策定を評価軸に2025年に国が達成すべき目標値を設定

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー2バイオマスの利用拡大

12

バイオマスの発生量(賦存量)は廃棄物系バイオマスの発生抑制の取組等により中長期的には減少傾向 利用量の炭素量換算値は現時点で約2400万トンとなっているが2025年に約2600万トンが利用されることを目指す 既存の利用方法に配慮しつつより経済的な価値を生み出す高度利用等を推進すべくバイオマスの種類毎の目標を設定

2010年(平成22年)

2015年(平成27年) 【中長期的傾向】

2025年(令和7年)

バイオマスの発生量

(炭素換算値)約3300万トン 約3400万トン

廃棄物系バイオマスは発生抑制の取組等により減少傾向

[将来予測]約3200万トン

バイオマスの利用量

(炭素換算値)

約2300万トン[利用率]約697

約2400万トン[利用率]約706 [推進施策]

製品として価値の高い順に可能な限り繰り返し利用する多段階利用やエネルギー効率の高い熱利用などの取組を推進

木材の安定供給に影響を及ぼさないようマテリアル利用とエネルギー利用の両立を図りつつ活用を推進

地域の実情に応じた地域経済の好循環に結びつく構想づくりを支援し生み出された価値が農林漁業の振興や地域への利益還元につながる取組を推進

[目標値]約2600万トン

バイオマスの種類 発生量 利用量 利用率 利用率

廃棄物系バイオマス

家畜排せつ物 87 約90

下水汚泥 68 約85

黒液 100 100

紙 81 約85

食品廃棄物 29 約40

製材工場等残材 97 約97

建設発生木材1 94 約95

未利用系

バイオマス

農作物非食用部(すき込みを除く) 32 約45

林地残材 13 30以上

1000万トン814万トン

発生量486万トン利用量419万トン

90万トン61万トン

403万トン403万トン

65万トン19万トン

320万トン310万トン

220万トン207万トン

438万トン139万トン

420万トン56万トン

各年度の実績の数値を計上(基本計画に記載の利用率等は各年度時点の最新の統計調査に基づくものであるため異なる場合がある) 1建設発材は元となる統計調査が5年ごとであり平成20年度実績の数値

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定

13

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

北海道 策定済み(H2512) 12 30 35

青森県 策定済み(H2312) 2 12 2

岩手県 未策定 2 9 2秋田県 未策定 0 9 0宮城県 未策定 2 4 5山形県 未策定 1 8 2

福島県 策定済み(H3011) 1 9 0

茨城県 策定済み(H293) 0 7 1

栃木県 未策定 4 5 3

群馬県 策定済み(H293改訂) 1 5 1

埼玉県 策定済み(H303改訂) 0 1 0

千葉県 策定済み(H238 ) 0 9 0

東京都 未策定 0 2 0神奈川県 未策定 0 2 0山梨県 未策定 1 8 1長野県 未策定 1 10 1

静岡県 策定済み(H293改訂) 4 4 2

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

新潟県 策定済み(H303改定) 4 14 2

富山県 未策定 1 7 2石川県 未策定 0 7 0福井県 未策定 0 4 0岐阜県 未策定 0 6 0

愛知県策定済み(H293策

定)0 4 2

三重県 未策定 1 2 1滋賀県 未策定 0 6 0

京都府 策定済み(H2410) 2 5 3

大阪府 未策定 0 3 0

兵庫県 策定済み(H2810) 4 10 2

奈良県 未策定 0 5 0和歌山県 未策定 0 4 0鳥取県 未策定 1 2 1

島根県 策定済み(H253) 1 9 3

岡山県 未策定 2 7 3広島県 未策定 1 5 1

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

山口県 策定済み(H253 ) 1 4 1

徳島県 未策定 0 3 0香川県 未策定 1 1 1

愛媛県 策定済み(H246) 1 5 0

高知県 未策定 0 9 0福岡県 未策定 4 5 4佐賀県 未策定 2 4 2長崎県 未策定 1 7 0

熊本県 策定済み(H243 ) 1 11 0

宮崎県 策定済み(H254) 1 7 1

大分県 策定済み(H283 ) 2 7 4

鹿児島県策定済み(H293改

訂)2 15 2

沖縄県 未策定 1 6 0

計 1966 318 90

386重複を除く

目標 47 600

バイオマス活用推進計画の策定数は現在都道府県計画19道府県市町村計画65市町村(類似施策を含めると重複を排除して386市町村)であり2025年までに全都道府県600市町村での計画策定を目指す

バイオマスの活用を推進する地域計画の策定状況 (農林水産省調べ(R2年4月 現在))

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー4バイオマス産業の市場規模

14

バイオマス産業の市場規模の推計(農林水産省調べ)

注) 旧基本計画策定以前から明確に市場が形成されている肥料飼料などは推計の対象外としている 経済波及効果は総務省が公開している産業連関表に基づく統合大分類(37部門)による経済波及効果の簡易計算ツールを用いて算定

バイオマス産業の市場規模については旧基本計画策定当時経済波及効果を含め約1200億円規模であったものが固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大し現時点で約3500億円(約70)

新たな基本計画の下発電以外の取組についての市場規模の拡大も推進しつつ2025年に5000億円の市場の形成を目指す

旧基本計画策定時点2010年

(平成22年)

現在2015年

(平成27年)

目標値2025年

(平成37年)

市場規模 約1200億円 約3500億円 5000億円

億円

5000

4000

3000

2000

1000

0

C

C

C

C

C

発電以外の取組についても拡大を推進

固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大

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Ⅱー5バイオマス産業都市について

15

バイオマス産業都市とは経済性が確保された一貫システムを構築し地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまちむらづくりを目指す地域であり関係7府省が共同で選定

関係7府省内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省

地方公共団体等

バイオマス産業を軸としたまちむらづくり

バイオガスプラント園芸農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥

家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物し尿 電気熱

(農作物)

加工施設小売店等へ

(畜産物)加工施設小売店等へ

低品質材(CD材)未利用材竹

木質チップペレット製造施設

木質バイオマス発電施設

(売電)

農業地域

農村部都市部

畜産農家

一般家庭

高品質材(AB材)

製材工場等

製材工場等残材建築家具製造メーカー等へ

マテリアル利用製紙工場等へ

電気熱

(チップペレット)

ボイラー用燃料

林業者

林業地域 畜産酪農地域

木質バイオマスボイラー

電気熱

(バイオマス産業都市のイメージ)

漁業地域漁業者

(海産物) 加工施設小売店等へ

水産残さ等堆肥化施設バイオガスプラント

堆肥液肥(売電)

(売電)

経済性が確保された一貫システムの構築

液肥散布

BDF製造施設発電施設

(売電)廃食用油

輸送用燃料

耕種農家

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

北海道ブロック(35市町村)十勝地域(19市町村)下川町別海町<H25①>釧路市興部町<H25②>平取町<H27>知内町音威子府村西興部村標茶町<H28>滝上町中標津町鶴居村<H29>稚内市浜頓別町幌延町<H30>八雲町<R1>

東北ブロック(11市町村)青森県 平川市<H28>西目屋村<H29>岩手県 一関市<H28>軽米町<R1>宮城県 東松島市<H25①>

南三陸町<H25②>大崎市<H27>加美町<H28>色麻町<H29>

山形県 最上町<H27>飯豊町<H29>

関東ブロック(9市町村)茨城県 牛久市<H25①>栃木県 茂木町<H27>大田原市<H29>さくら市<R1>群馬県 上野村<H29>山梨県 甲斐市<H27>静岡県 浜松市<H25②>掛川市<H28>長野県 中野市<R1>

北陸ブロック(4市)新潟県 新潟市<H25①>十日町市<H28>富山県 射水市<H26>南砺市<H28>

東海ブロック(3市)愛知県 大府市<H25①>半田市<H28>三重県 津市<H25②>

近畿ブロック(5市町)京都府 南丹市<H27>京丹波町<H28>京都市<H29>兵庫県 洲本市<H26>養父市<H30>

中国四国ブロック(10市町村)鳥取県 北栄町<H30>島根県 奥出雲町<H25②>

隠岐の島町<H26>飯南町<H27>

岡山県 真庭市西粟倉村<H25②>津山市<H27>

広島県 東広島市<H29>山口県 宇部市<H29>香川県 三豊市<H25①>

九州ブロック(13市町)福岡県 みやま市<H26>宗像市<H27>糸島市<H28>朝倉市<R1>佐賀県 佐賀市<H26>玄海町<R1>大分県 佐伯市<H26>臼杵市<H27>国東市<H28>竹田市<R1>宮崎県 小林市<H27>鹿児島県 薩摩川内市長島町<H28>

H25H26 H27 H28 H29 H30 R1

1次 2次26 8 6 11 16 11 5 7

年度別選定地域数(市町村数) <>内は選定年度(①1次選定②2次選定)青字は令和元年度選定地域

16

Ⅱー6バイオマス産業都市の選定地域(9 0市町村)

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト

17

用途 原料 木質バイオマス 家畜排せつ物 食品廃棄物 下水汚泥

発電

FIT活用

下川町滝上町中標津町鶴居村一関市東松島市最上町大田原市上野村甲斐市浜松市掛川市射水市津市京都市津山市真庭市佐伯市臼杵市

十勝地域音威子府村下川町興部町西興部村別海町標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町幌延町八雲町平川市一関市色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市南丹市京丹波町養父市糸島市国東市長島町玄海町

音威子府村西興部村標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市東松島市色麻町飯豊町大田原市浜松市十日町市半田市大府市南丹市京都市洲本市養父市宇部市糸島市佐伯市臼杵市国東市長島町朝倉市

音威子府村興部町平川市色麻町飯豊町浜松市十日町市南丹市洲本市佐伯市国東市玄海町

その他(未定を含む)

十勝地域釧路市興部町十日町市養父市隠岐の島町小林市

釧路市大崎市加美町最上町北栄町宗像市小林市長島町

興部町滝上町大崎市加美町南三陸町最上町新潟市南砺市津市宗像市みやま市佐賀市小林市

加美町南三陸町最上町新潟市養父市北栄町宗像市みやま市

熱 利 用

十勝地域釧路市知内町下川町平取町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村平川市西目屋村一関市東松島市大崎市加美町南三陸町最上町飯豊町牛久市上野村茂木町大田原市甲斐市浜松市掛川市中野市新潟市十日町市南砺市津市南丹市京丹波町京都市洲本市養父市北栄町奥出雲町飯南町隠岐の島町津山市西粟倉村東広島市三豊市みやま市糸島市佐賀市佐伯市臼杵市国東市小林市朝倉市

十勝地域釧路市下川町音威子府村西興部村標茶町興部町別海町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市一関市加美町色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市京丹波町国東市長島町

音威子府村興部町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村稚内市浜頓別平川市東松島市加美町飯豊町南三陸町色麻町最上町大田原市新潟市十日町市南砺市半田市津市隠岐の島町宇部市臼杵市国東市

音威子府村平川市加美町色麻町最上町飯豊町新潟市十日町市国東市

肥料飼料等 茂木町射水市京都市洲本市飯南町津山市東広島市三豊市宗像市

十勝地域釧路市音威子府村下川町興部町西興部村標茶町別海町中標津町鶴居村八雲町平川市一関市加美町大崎市色麻町最上町平川市茂木町大田原市甲斐市掛川市十日町市半田市南丹市京丹波町飯南町糸島市宗像市佐賀市小林市長島町

興部町音威子府村西興部村標茶町平川市東松島市大崎市加美町南三陸町色麻町最上町茂木町甲斐市浜松市新潟市十日町市南砺市半田市大府市南丹市三豊市隠岐の島町東広島市宇部市宗像市みやま市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市長島町

音威子府村平川市南三陸町加美町色麻町最上町十日町市南丹市京都市宗像市みやま市国東市

燃 料

下川町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村幌延町平取町西目屋村一関市大崎市加美町南三陸町飯豊町大田原市上野村牛久市掛川市新潟市十日町市津市京丹波町京都市北栄町隠岐の島町東広島市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市竹田市

軽米町南丹市

十勝地域下川町平川市大崎市軽米町牛久市茂木町甲斐市新潟市射水市十日町市大府市南丹市京都市洲本市飯南町真庭市三豊市宗像市みやま市臼杵市小林市

稚内市津市南丹市京都市

その他(マテリアル利用等)

茂木町大田原市京都市洲本市隠岐の島町津山市真庭市三豊市糸島市薩摩川内市 半田市 浜松市新潟市

地域名市町村名の着色は前ページの地域ブロックの着色と同一であり下線は令和元年度選定市町村

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Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)

18

固定価格買取制度は再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを約束する制度のことで太陽光風力水力地熱バイオマス由来の電気が対象買取の価格(調達価格)と期間(調達期間)は専門家で構成される調達価格等算定委員会の意見を尊重し経済産業大臣が決定

令和2年度の主要なバイオマス発電による電気の調達価格は13~40円kWh(税抜) 一般木材バイオマスのうち10000kw以上は入札制比較的小規模の10000kw未満は地域分散型エネルギー

源となりうるため24円kwh(税抜)を維持また競争環境が成立しているバイオマス液体燃料(全規模)も同様に入札制

令和2年度の調達価格と調達期間(バイオマス関係)

バイオマスの種類 調達価格1kWh当たり

調達期間

メタン発酵ガス(バイオマス由来) 39円+税

20年間

間伐材等由来の木質バイオマス1

2000kW未満 40円+税

2000kW以上 32円+税

一般木材バイオマス210000kW未満 24円+税

10000kW以上 +税

バイオマス液体燃料 +税

建設資材廃棄物 13円+税

一般廃棄物その他のバイオマス 17円+税1 「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」に基づく証明のないものにつ

いては建設資材廃棄物と同等に取扱う2 農作物の収穫に伴って生じるバイオマスも含む

事業計画

費用負担調整機関

制度の概要

入札制度

入札制度

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Ⅱー9バイオマス発電の導入状況

19

固定価格買取制度を活用したバイオマス発電については平成31年3月末において約171万kWが運転を開始済RPS制度のもとで導入された発電設備の設備容量を合わせると約402万kWが稼動

バイオマス発電の固定価格買取制度による買取電力量は平成30年度で約125億kWh

平成31年3月末におけるバイオマス発電の導入状況

(注) 四捨五入により合計値が合わない場合がある 設備認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値を集計

単位千kWRPS FIT設備導入量 ( )はRPSからFITへの移行を含む 合計

(FIT計)FIT導入後 認定容量

~H246 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H2407~H313

メタン発酵ガス(バイオマス由来)

147 32 60 74 115 126 123 676 837(32) (172) (74) (104) (122) (130) (634)

間伐材由来の木質バイオマス

145 129 559 1379 901 291 473 3879 5055(129) (655) (1374) (901) (291) (516) (3867)

一般木質バイオマス農作物残渣

1634 298 118 961 1919 3328 3442 11701 79623(298) (856) (961) (1919) (3328) (3947) (11310)

建設資材廃棄物4398 03 35 54 00 38 18 4511 857

(03) (3355) (54) (00) (44) (97) (3552)

一般廃棄物その他のバイオマス

16814 762 243 471 395 306 462 19451 3727(762) (7305) (428) (357) (94) (694) (9640)

計 231381224 1015 2939 3330 4089 4482 40218 90099

17079 (29003)

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Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況

20

沖縄県 1845(3件) 8558(4件)

北海道14048(74件)86544( 5件) 9421( 3件)30084( 9件)

青森県 980(3件) 6250(1件)12400(1件) 6657(2件)

岩手県 630(3件)14717(4件)19800(2件)11297(4件)

宮城県 1143(3件) 880(3件)62657(1件) 1816(1件)14983(4件)

秋田県 730(1件) 7130(3件)21490(2件) 3750(2件) 4765(2件)

東京都 1468( 4件)166303(24件)

神奈川県 9000(3件)49000(1件) 2064(1件)44222(8件)

群馬県 725(3件) 6795(2件)13600(1件) 5540(2件)

千葉県 670(2件)47557(3件)12378(8件)

静岡県 1518(6件)89021(4件)54524(7件)

埼玉県 370( 1件) 146( 1件) 5976( 3件)16721( 1件)26003(12件)

岐阜県 685(2件) 6482(2件) 4300(1件) 600(1件) 6068(3件)

愛知県 2354( 6件)128029( 3件) 76096(14件)

和歌山県 10(1件) 2690(2件)

奈良県 50(1件) 6500(1件) 3499(2件)

京都府 155( 1件) 1760( 1件)17834( 4件)

鳥取県 1490(3件)22350(2件) 2360(1件)

山口県 74(2件) 67(1件)59656(2件)43123(2件)22526(4件)

島根県 759(1件) 6550(1件)12700(1件) 5400(3件)

岡山県 25(1件)10336(2件) 3949(2件) 8756(3件)

広島県 1116(1件)10157(2件)10800(2件)35792(7件)

高知県12750(2件)29500(1件)25730(2件) 5354(3件)

佐賀県 9850(1件) 4403(2件)

鹿児島県29450(2件)49000(1件)13255(5件)

表示出力は発電設備の認定出力にバイオマス比率を乗じたもの(各都道府県の合計出力)

平成31年3月末現在運転開始済みのものでFIT活用施設のみ

(資料)資源エネルギー庁資料を

もとに農林水産省作成

愛媛県 1160(2件)12500(1件)16134(4件)

三重県 1286(5件) 5800(1件)26980(3件) 1990(1件)18011(6件)

茨城県 645(2件) 7740(2件)190523(7件) 4990(1件) 11981(6件)

福島県 25(1件) 5785(3件)69855(2件)27772(2件)18433(5件)

山梨県14500(1件) 4698(3件)

新潟県 709(4件)12000(2件)10704(4件)

長崎県 250(1件) 7840(1件) 4750(3件)

福岡県 3397(3件)116450(3件) 59690(8件)

長野県 710(3件) 5060(4件) 5648(3件)

山形県 825(2件)13352(5件)55250(2件) 5813(4件)

徳島県 6470(2件) 710(1件)

大阪府 5440( 7件)14170( 3件)98781(14件)

香川県 525(2件) 1484(1件)

大分県 990(3件)25416(3件)50000(1件)12000(1件) 7426(3件)

宮崎県 2161(2件)38880(5件)19620(3件)14893(3件)

兵庫県 1382( 5件)22179( 3件)22740( 2件)21608( 2件)55961(14件)

栃木県 2525(9件) 1995(1件) 265(1件)24000(1件) 9214(6件)

石川県 455(3件)10920(4件)

全国計 メタンガス 63382kW (183件) 未利用木質 386741kW ( 70件) 一般木質 1130962kW ( 58件) 建設廃材 355237kW ( 32件) 一般廃棄物 963995kW (237件)

出 力 導入件数

福井県 25(1件) 7545(2件)37000(1件)

熊本県 808(1件) 6327(2件)12500(2件) 185(1件) 2850(1件)

富山県 195(1件) 5750(1件) 990(1件)13330(2件)

滋賀県 25(1件) 3550(1件) 3221(3件)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

36444

50693 58243

78258

98184 110092

126035 119569

120161

126532

131400

63 7585

108 109120

142 142 148 147 154

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大

21

木質バイオマスの活用は再生可能エネルギーの推進だけではなく林業や地域経済の活性化雇用の確保等にも貢献特に未利用となっている林地残材には大きな可能性

木質バイオマスは木質チップや木質ペレット等に加工され製材工場や公共施設発電所等におけるエネルギー源としての利用が増えてきている

木質バイオマスボイラー数の推移木質バイオマスボイラーは製材工場などを中心に2000基程度が設置されており最近は公共施設や温泉農業施設などへの導入も進んできている

地球温暖化問題への関心の高まりや化石燃料から再生可能エネルギー熱への転換による経営リスクの軽減等を背景に近年生産施設数及び生産量ともに増加

(基) ( t )(施設数)

- 施設数(第1軸(左)) 生産量(第2軸(右))

615 838

924

1218

1461

1701

2023

1945

1972

2058

2064

0

500

1000

1500

2000

2500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

台数

木質ペレットの製造施設数及び生産量

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

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森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

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す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

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(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 8: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)

7

1 施策についての基本的な方針地域に存在するバイオマスを活用して地域が主体となった事業を創出し農林漁業の振興や地域への利益還元による活性化につな

げていく施策を推進

3 政府が総合的かつ効果的に講ずべき施策 より経済的な価値を生み出す高度利用や多段階利用などの地域が主体となった取組を後押し エネルギー効率の高い熱利用の普及拡大熱源としてのバイオガスの積極的利用等を推進 成功事例のノウハウなどを幅広く共有していくことによる取組の横展開を促進

4 技術の研究開発に関する事項 地域の実情に応じた多様なバイオマスの混合利用下水汚泥由来の水素ガスの製造利用方法の確立 発電等に伴う余剰熱及びバイオガス製造過程で発生する消化液等の副産物の利用技術の確立 産業化を見据えた微細藻類等による次世代バイオ燃料の研究開発等の推進

バイオマス活用推進基本法(平成21年法律第52号)に基づきバイオマスの活用の促進に関する施策についての基本的な方針国が達成すべき目標技術の研究開発に関する事項等について定める計画

従前の基本計画(平成22年12月17日閣議決定)のもとエネルギー利用を中心にバイオマス産業の市場規模が拡大したが固定価格買取制度を活用した売電の取組に偏りがみられ売電以外の取組では経済性の確保や地域が主体となる持続的な事業モデルの確立が課題となっており新たな基本計画によってこれらの課題の解決を図る

2 国が達成すべき目標(目標2025年)

5000億円の市場を形成

新たな産業創出年間約2600万炭素トンの

バイオマスを利用

環境負荷の少ない持続的な社会全都道府県600市町村で

バイオマス活用推進計画を策定

農林漁業農山漁村の活性化

経済性が確保された取組を強化 地域に利益が還元され持続的かつ自立的な取組を推進

重点事項

実用化高付加価値化を促進

重点事項

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿

8

成功事例を幅広く共有事業の横展開

環境負荷の少ない持続的な社会 農林漁業農山漁村の活性化 新たな産業の創出

得られた利益が地域に還元される取組

これまで廃棄物処理を行っていた農畜産業生産現場で発生する農作物非食用部や家畜排せつ物等の廃棄物系バイオマスについて高度利用等に用いることでその処理費用や運搬等の労力が軽減

バイオマスの変換技術により得られた電気熱等のエネルギーや製品等を地域の農家や公共施設等に安価に提供することでこれまで必要としていたエネルギー等に要する費用の負担が軽減

より経済的な価値を生み出す取組

<従来>家畜排せつ物

<高度利用>

堆 肥

家畜排せつ物

農地牧草地に還元堆肥化

メタン発酵

ガ ス

精製濃縮

施設園芸都市ガスの代替

電 気自家消費売電等

熱施設の暖房給湯等

消化液

バイオガスコジェネレーション

農地牧草地に還元

製材用丸太 小径丸太 枝葉

製材加工(製材工場)

(直材) (曲がり材短尺材) (低質材) (梢端)

チップ製造 ペレット製造

製材製品(板角材等) 木質ボード 紙 肥料飼料 電気熱

(建設資材) (回収) (灰CO2回収)

鋸屑端材

廃材解体材

(利用)(再利用)

農業生産現場や地域の熱需要施設等において熱利用は化石燃料の代替となることが期待

エネルギー需要のおよそ半分は熱であり特に農業生産現場におけるエネルギー消費の約8割が熱利用であることからバイオマスの熱利用を推進 熱利用は発電と比べてエネルギー効率がよい

(熱利用60~90程度発電10~40程度)

現在は十分に活用されていない発電における余熱の利用を進める「熱電併給」の取組も加速

高度利用 より経済的な価値を生み出す

地域に存在するバイオマスをエネルギーや製品等に変換活用する新産業が創出

②③による節約費用は経営規模の拡大等に充当することが可能

上記の取組等により新たな雇用が創出

持続的かつ自立可能な取組

地方公共団体等

バイオガスプラント

市町村バイオマス活用推進計画(バイオマス産業を軸とした地域づくり)

(取組のイメージ)

畑作農家園芸農家 畜産農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥 家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物

電気熱 食品廃棄物し尿

電気熱

(製品)小売店等へ

(農作物)加工施設小売店等へ

経済性が確保された一貫システムの構築

(畜産物)加工施設小売店等へ

多段階利用 限られた資源を徹底的に使う 熱利用 エネルギー効率のよい熱利用の推進

①産業振興雇用創出 ②廃棄物等の処理費用や労力の軽減 ③安価なエネルギーや製品等の供給

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)

9

地域のバイオマスを活用した産業創出と地域循環型エネルギーシステム

の構築に向けたバイオマス産業都市の構築(バイオマスタウンの発展高度化)

原料生産から収集運搬製造利用までの事業者の連携による事業化

の取組を推進する制度の検討(農林漁業バイオ燃料法の見直し)

技術とバイオマスの選択と集中による事業化の重点的な推進

関係者の連携による原料生産から収集運搬製造利用までの一貫システムの構築

地域のバイオマスを活用した事業化推進による地域産業の創出と自立分散型エネルギー供給体制の強化

技術ロードマップに基づき事業化に活用する実用化技術とバイオマスを整理

技 術メタン発酵堆肥化直接燃焼固体燃料化液体燃料化

バイオマス木質食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物

産学官の研究機関の連携による実用化を目指す技術の開発加速化

戦略2技術戦略(技術開発と製造)

バイオマス活用と一体となった川上の農林業の体制整備

バイオマスの効率的な収集運搬システムの構築

高バイオマス量易分解性等の資源用作物植物の開発

多様なバイオマス資源の混合利用と廃棄物系の徹底利用

戦略4入口戦略(原料調達)

戦略6総合支援戦略

固定価格買取制度の積極的活用

投資家事業者の参入を促すバイオマス関連税制の推進

各種クレジット制度の活用による温室効果ガス削減の推進

高付加価値製品の創出による事業化の推進

戦略3出口戦略(需要の創出拡大)

アジア等における持続可能なバイオマス利用システムの構築

持続可能なバイオマス利用に向けた国際的な基準づくり等の推進

戦略7海外戦略⑤バイオ燃料

①木質バイオマス

②食品廃棄物

③下水汚泥

④家畜排せつ物

未利用間伐材等の効率的な収集運搬システムの構築と木質発電所等でのエネルギー利用を一体的重点的に推進

分別回収の徹底強化とバイオガス化他のバイオマスとの混合利用固体燃料化による再生利用を推進

地域のバイオマス活用の拠点としてバイオガス化食品廃棄物等との混合利用固形燃料化による再生利用を推進

メタン発酵直接燃焼食品廃棄物等との混合利用による再生利用を推進

戦略5個別重点戦略

大規模製造プラントを有する地域での農業と一体となった地域循環型バイオ燃料利用の可能性について具体化の方策を検討

バイオディーゼル燃料の税制等による低濃度利用の普及や高効率低コスト生産システムの開発

研究機関の連携による次世代バイオ燃料製造技術の開発加速化

戦略1基本戦略

食料産業局

Ⅱ バイオマス活用推進基本計画の進捗状況

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標

11

将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿

環境負荷の少ない持続的な社会 新たな産業創出と農林漁業農山漁村の活性化 バイオマス利用を軸にした新しいライフスタイル 国際的な連携の下でのバイオマス活用

バイオマスの利用拡大 化石資源を用いて製造されているエネルギー

や製品をバイオマス由来のものに代替することで炭素量換算で年間約2600万炭素トンのバイオマスを利用

バイオマスの種類ごとに利用率の目標を設定

地球温暖化の防止や循環型社会の形成

バイオマス産業の規模 バイオマスをエネルギーや製品に活用する環境

調和型産業を育成しそれらの産業化が進展することを前提として5000億円の市場を形成

新たな産業の発展や国際競争力の強化

バイオマス活用推進計画の策定 都道府県バイオマス活用推進計画を全ての

都道府県で策定 市町村バイオマス活用推進計画を全市町村

数の3分の1に相当する600市町村で策定

農林漁業農山漁村の活性化

将来像を実現するために必要な目標(2025年)を設定

現基本計画では将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿を想定し柱となる「地球温暖化の防止」「新たな産業の発展」「農山漁村の活性化」の達成状況を判断する指標としてバイオマスの利用拡大バイオマス新産業の規模バイオマス活用推進計画の策定を評価軸に2025年に国が達成すべき目標値を設定

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー2バイオマスの利用拡大

12

バイオマスの発生量(賦存量)は廃棄物系バイオマスの発生抑制の取組等により中長期的には減少傾向 利用量の炭素量換算値は現時点で約2400万トンとなっているが2025年に約2600万トンが利用されることを目指す 既存の利用方法に配慮しつつより経済的な価値を生み出す高度利用等を推進すべくバイオマスの種類毎の目標を設定

2010年(平成22年)

2015年(平成27年) 【中長期的傾向】

2025年(令和7年)

バイオマスの発生量

(炭素換算値)約3300万トン 約3400万トン

廃棄物系バイオマスは発生抑制の取組等により減少傾向

[将来予測]約3200万トン

バイオマスの利用量

(炭素換算値)

約2300万トン[利用率]約697

約2400万トン[利用率]約706 [推進施策]

製品として価値の高い順に可能な限り繰り返し利用する多段階利用やエネルギー効率の高い熱利用などの取組を推進

木材の安定供給に影響を及ぼさないようマテリアル利用とエネルギー利用の両立を図りつつ活用を推進

地域の実情に応じた地域経済の好循環に結びつく構想づくりを支援し生み出された価値が農林漁業の振興や地域への利益還元につながる取組を推進

[目標値]約2600万トン

バイオマスの種類 発生量 利用量 利用率 利用率

廃棄物系バイオマス

家畜排せつ物 87 約90

下水汚泥 68 約85

黒液 100 100

紙 81 約85

食品廃棄物 29 約40

製材工場等残材 97 約97

建設発生木材1 94 約95

未利用系

バイオマス

農作物非食用部(すき込みを除く) 32 約45

林地残材 13 30以上

1000万トン814万トン

発生量486万トン利用量419万トン

90万トン61万トン

403万トン403万トン

65万トン19万トン

320万トン310万トン

220万トン207万トン

438万トン139万トン

420万トン56万トン

各年度の実績の数値を計上(基本計画に記載の利用率等は各年度時点の最新の統計調査に基づくものであるため異なる場合がある) 1建設発材は元となる統計調査が5年ごとであり平成20年度実績の数値

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定

13

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

北海道 策定済み(H2512) 12 30 35

青森県 策定済み(H2312) 2 12 2

岩手県 未策定 2 9 2秋田県 未策定 0 9 0宮城県 未策定 2 4 5山形県 未策定 1 8 2

福島県 策定済み(H3011) 1 9 0

茨城県 策定済み(H293) 0 7 1

栃木県 未策定 4 5 3

群馬県 策定済み(H293改訂) 1 5 1

埼玉県 策定済み(H303改訂) 0 1 0

千葉県 策定済み(H238 ) 0 9 0

東京都 未策定 0 2 0神奈川県 未策定 0 2 0山梨県 未策定 1 8 1長野県 未策定 1 10 1

静岡県 策定済み(H293改訂) 4 4 2

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

新潟県 策定済み(H303改定) 4 14 2

富山県 未策定 1 7 2石川県 未策定 0 7 0福井県 未策定 0 4 0岐阜県 未策定 0 6 0

愛知県策定済み(H293策

定)0 4 2

三重県 未策定 1 2 1滋賀県 未策定 0 6 0

京都府 策定済み(H2410) 2 5 3

大阪府 未策定 0 3 0

兵庫県 策定済み(H2810) 4 10 2

奈良県 未策定 0 5 0和歌山県 未策定 0 4 0鳥取県 未策定 1 2 1

島根県 策定済み(H253) 1 9 3

岡山県 未策定 2 7 3広島県 未策定 1 5 1

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

山口県 策定済み(H253 ) 1 4 1

徳島県 未策定 0 3 0香川県 未策定 1 1 1

愛媛県 策定済み(H246) 1 5 0

高知県 未策定 0 9 0福岡県 未策定 4 5 4佐賀県 未策定 2 4 2長崎県 未策定 1 7 0

熊本県 策定済み(H243 ) 1 11 0

宮崎県 策定済み(H254) 1 7 1

大分県 策定済み(H283 ) 2 7 4

鹿児島県策定済み(H293改

訂)2 15 2

沖縄県 未策定 1 6 0

計 1966 318 90

386重複を除く

目標 47 600

バイオマス活用推進計画の策定数は現在都道府県計画19道府県市町村計画65市町村(類似施策を含めると重複を排除して386市町村)であり2025年までに全都道府県600市町村での計画策定を目指す

バイオマスの活用を推進する地域計画の策定状況 (農林水産省調べ(R2年4月 現在))

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー4バイオマス産業の市場規模

14

バイオマス産業の市場規模の推計(農林水産省調べ)

注) 旧基本計画策定以前から明確に市場が形成されている肥料飼料などは推計の対象外としている 経済波及効果は総務省が公開している産業連関表に基づく統合大分類(37部門)による経済波及効果の簡易計算ツールを用いて算定

バイオマス産業の市場規模については旧基本計画策定当時経済波及効果を含め約1200億円規模であったものが固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大し現時点で約3500億円(約70)

新たな基本計画の下発電以外の取組についての市場規模の拡大も推進しつつ2025年に5000億円の市場の形成を目指す

旧基本計画策定時点2010年

(平成22年)

現在2015年

(平成27年)

目標値2025年

(平成37年)

市場規模 約1200億円 約3500億円 5000億円

億円

5000

4000

3000

2000

1000

0

C

C

C

C

C

発電以外の取組についても拡大を推進

固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー5バイオマス産業都市について

15

バイオマス産業都市とは経済性が確保された一貫システムを構築し地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまちむらづくりを目指す地域であり関係7府省が共同で選定

関係7府省内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省

地方公共団体等

バイオマス産業を軸としたまちむらづくり

バイオガスプラント園芸農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥

家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物し尿 電気熱

(農作物)

加工施設小売店等へ

(畜産物)加工施設小売店等へ

低品質材(CD材)未利用材竹

木質チップペレット製造施設

木質バイオマス発電施設

(売電)

農業地域

農村部都市部

畜産農家

一般家庭

高品質材(AB材)

製材工場等

製材工場等残材建築家具製造メーカー等へ

マテリアル利用製紙工場等へ

電気熱

(チップペレット)

ボイラー用燃料

林業者

林業地域 畜産酪農地域

木質バイオマスボイラー

電気熱

(バイオマス産業都市のイメージ)

漁業地域漁業者

(海産物) 加工施設小売店等へ

水産残さ等堆肥化施設バイオガスプラント

堆肥液肥(売電)

(売電)

経済性が確保された一貫システムの構築

液肥散布

BDF製造施設発電施設

(売電)廃食用油

輸送用燃料

耕種農家

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

北海道ブロック(35市町村)十勝地域(19市町村)下川町別海町<H25①>釧路市興部町<H25②>平取町<H27>知内町音威子府村西興部村標茶町<H28>滝上町中標津町鶴居村<H29>稚内市浜頓別町幌延町<H30>八雲町<R1>

東北ブロック(11市町村)青森県 平川市<H28>西目屋村<H29>岩手県 一関市<H28>軽米町<R1>宮城県 東松島市<H25①>

南三陸町<H25②>大崎市<H27>加美町<H28>色麻町<H29>

山形県 最上町<H27>飯豊町<H29>

関東ブロック(9市町村)茨城県 牛久市<H25①>栃木県 茂木町<H27>大田原市<H29>さくら市<R1>群馬県 上野村<H29>山梨県 甲斐市<H27>静岡県 浜松市<H25②>掛川市<H28>長野県 中野市<R1>

北陸ブロック(4市)新潟県 新潟市<H25①>十日町市<H28>富山県 射水市<H26>南砺市<H28>

東海ブロック(3市)愛知県 大府市<H25①>半田市<H28>三重県 津市<H25②>

近畿ブロック(5市町)京都府 南丹市<H27>京丹波町<H28>京都市<H29>兵庫県 洲本市<H26>養父市<H30>

中国四国ブロック(10市町村)鳥取県 北栄町<H30>島根県 奥出雲町<H25②>

隠岐の島町<H26>飯南町<H27>

岡山県 真庭市西粟倉村<H25②>津山市<H27>

広島県 東広島市<H29>山口県 宇部市<H29>香川県 三豊市<H25①>

九州ブロック(13市町)福岡県 みやま市<H26>宗像市<H27>糸島市<H28>朝倉市<R1>佐賀県 佐賀市<H26>玄海町<R1>大分県 佐伯市<H26>臼杵市<H27>国東市<H28>竹田市<R1>宮崎県 小林市<H27>鹿児島県 薩摩川内市長島町<H28>

H25H26 H27 H28 H29 H30 R1

1次 2次26 8 6 11 16 11 5 7

年度別選定地域数(市町村数) <>内は選定年度(①1次選定②2次選定)青字は令和元年度選定地域

16

Ⅱー6バイオマス産業都市の選定地域(9 0市町村)

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト

17

用途 原料 木質バイオマス 家畜排せつ物 食品廃棄物 下水汚泥

発電

FIT活用

下川町滝上町中標津町鶴居村一関市東松島市最上町大田原市上野村甲斐市浜松市掛川市射水市津市京都市津山市真庭市佐伯市臼杵市

十勝地域音威子府村下川町興部町西興部村別海町標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町幌延町八雲町平川市一関市色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市南丹市京丹波町養父市糸島市国東市長島町玄海町

音威子府村西興部村標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市東松島市色麻町飯豊町大田原市浜松市十日町市半田市大府市南丹市京都市洲本市養父市宇部市糸島市佐伯市臼杵市国東市長島町朝倉市

音威子府村興部町平川市色麻町飯豊町浜松市十日町市南丹市洲本市佐伯市国東市玄海町

その他(未定を含む)

十勝地域釧路市興部町十日町市養父市隠岐の島町小林市

釧路市大崎市加美町最上町北栄町宗像市小林市長島町

興部町滝上町大崎市加美町南三陸町最上町新潟市南砺市津市宗像市みやま市佐賀市小林市

加美町南三陸町最上町新潟市養父市北栄町宗像市みやま市

熱 利 用

十勝地域釧路市知内町下川町平取町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村平川市西目屋村一関市東松島市大崎市加美町南三陸町最上町飯豊町牛久市上野村茂木町大田原市甲斐市浜松市掛川市中野市新潟市十日町市南砺市津市南丹市京丹波町京都市洲本市養父市北栄町奥出雲町飯南町隠岐の島町津山市西粟倉村東広島市三豊市みやま市糸島市佐賀市佐伯市臼杵市国東市小林市朝倉市

十勝地域釧路市下川町音威子府村西興部村標茶町興部町別海町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市一関市加美町色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市京丹波町国東市長島町

音威子府村興部町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村稚内市浜頓別平川市東松島市加美町飯豊町南三陸町色麻町最上町大田原市新潟市十日町市南砺市半田市津市隠岐の島町宇部市臼杵市国東市

音威子府村平川市加美町色麻町最上町飯豊町新潟市十日町市国東市

肥料飼料等 茂木町射水市京都市洲本市飯南町津山市東広島市三豊市宗像市

十勝地域釧路市音威子府村下川町興部町西興部村標茶町別海町中標津町鶴居村八雲町平川市一関市加美町大崎市色麻町最上町平川市茂木町大田原市甲斐市掛川市十日町市半田市南丹市京丹波町飯南町糸島市宗像市佐賀市小林市長島町

興部町音威子府村西興部村標茶町平川市東松島市大崎市加美町南三陸町色麻町最上町茂木町甲斐市浜松市新潟市十日町市南砺市半田市大府市南丹市三豊市隠岐の島町東広島市宇部市宗像市みやま市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市長島町

音威子府村平川市南三陸町加美町色麻町最上町十日町市南丹市京都市宗像市みやま市国東市

燃 料

下川町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村幌延町平取町西目屋村一関市大崎市加美町南三陸町飯豊町大田原市上野村牛久市掛川市新潟市十日町市津市京丹波町京都市北栄町隠岐の島町東広島市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市竹田市

軽米町南丹市

十勝地域下川町平川市大崎市軽米町牛久市茂木町甲斐市新潟市射水市十日町市大府市南丹市京都市洲本市飯南町真庭市三豊市宗像市みやま市臼杵市小林市

稚内市津市南丹市京都市

その他(マテリアル利用等)

茂木町大田原市京都市洲本市隠岐の島町津山市真庭市三豊市糸島市薩摩川内市 半田市 浜松市新潟市

地域名市町村名の着色は前ページの地域ブロックの着色と同一であり下線は令和元年度選定市町村

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Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)

18

固定価格買取制度は再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを約束する制度のことで太陽光風力水力地熱バイオマス由来の電気が対象買取の価格(調達価格)と期間(調達期間)は専門家で構成される調達価格等算定委員会の意見を尊重し経済産業大臣が決定

令和2年度の主要なバイオマス発電による電気の調達価格は13~40円kWh(税抜) 一般木材バイオマスのうち10000kw以上は入札制比較的小規模の10000kw未満は地域分散型エネルギー

源となりうるため24円kwh(税抜)を維持また競争環境が成立しているバイオマス液体燃料(全規模)も同様に入札制

令和2年度の調達価格と調達期間(バイオマス関係)

バイオマスの種類 調達価格1kWh当たり

調達期間

メタン発酵ガス(バイオマス由来) 39円+税

20年間

間伐材等由来の木質バイオマス1

2000kW未満 40円+税

2000kW以上 32円+税

一般木材バイオマス210000kW未満 24円+税

10000kW以上 +税

バイオマス液体燃料 +税

建設資材廃棄物 13円+税

一般廃棄物その他のバイオマス 17円+税1 「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」に基づく証明のないものにつ

いては建設資材廃棄物と同等に取扱う2 農作物の収穫に伴って生じるバイオマスも含む

事業計画

費用負担調整機関

制度の概要

入札制度

入札制度

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Ⅱー9バイオマス発電の導入状況

19

固定価格買取制度を活用したバイオマス発電については平成31年3月末において約171万kWが運転を開始済RPS制度のもとで導入された発電設備の設備容量を合わせると約402万kWが稼動

バイオマス発電の固定価格買取制度による買取電力量は平成30年度で約125億kWh

平成31年3月末におけるバイオマス発電の導入状況

(注) 四捨五入により合計値が合わない場合がある 設備認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値を集計

単位千kWRPS FIT設備導入量 ( )はRPSからFITへの移行を含む 合計

(FIT計)FIT導入後 認定容量

~H246 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H2407~H313

メタン発酵ガス(バイオマス由来)

147 32 60 74 115 126 123 676 837(32) (172) (74) (104) (122) (130) (634)

間伐材由来の木質バイオマス

145 129 559 1379 901 291 473 3879 5055(129) (655) (1374) (901) (291) (516) (3867)

一般木質バイオマス農作物残渣

1634 298 118 961 1919 3328 3442 11701 79623(298) (856) (961) (1919) (3328) (3947) (11310)

建設資材廃棄物4398 03 35 54 00 38 18 4511 857

(03) (3355) (54) (00) (44) (97) (3552)

一般廃棄物その他のバイオマス

16814 762 243 471 395 306 462 19451 3727(762) (7305) (428) (357) (94) (694) (9640)

計 231381224 1015 2939 3330 4089 4482 40218 90099

17079 (29003)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況

20

沖縄県 1845(3件) 8558(4件)

北海道14048(74件)86544( 5件) 9421( 3件)30084( 9件)

青森県 980(3件) 6250(1件)12400(1件) 6657(2件)

岩手県 630(3件)14717(4件)19800(2件)11297(4件)

宮城県 1143(3件) 880(3件)62657(1件) 1816(1件)14983(4件)

秋田県 730(1件) 7130(3件)21490(2件) 3750(2件) 4765(2件)

東京都 1468( 4件)166303(24件)

神奈川県 9000(3件)49000(1件) 2064(1件)44222(8件)

群馬県 725(3件) 6795(2件)13600(1件) 5540(2件)

千葉県 670(2件)47557(3件)12378(8件)

静岡県 1518(6件)89021(4件)54524(7件)

埼玉県 370( 1件) 146( 1件) 5976( 3件)16721( 1件)26003(12件)

岐阜県 685(2件) 6482(2件) 4300(1件) 600(1件) 6068(3件)

愛知県 2354( 6件)128029( 3件) 76096(14件)

和歌山県 10(1件) 2690(2件)

奈良県 50(1件) 6500(1件) 3499(2件)

京都府 155( 1件) 1760( 1件)17834( 4件)

鳥取県 1490(3件)22350(2件) 2360(1件)

山口県 74(2件) 67(1件)59656(2件)43123(2件)22526(4件)

島根県 759(1件) 6550(1件)12700(1件) 5400(3件)

岡山県 25(1件)10336(2件) 3949(2件) 8756(3件)

広島県 1116(1件)10157(2件)10800(2件)35792(7件)

高知県12750(2件)29500(1件)25730(2件) 5354(3件)

佐賀県 9850(1件) 4403(2件)

鹿児島県29450(2件)49000(1件)13255(5件)

表示出力は発電設備の認定出力にバイオマス比率を乗じたもの(各都道府県の合計出力)

平成31年3月末現在運転開始済みのものでFIT活用施設のみ

(資料)資源エネルギー庁資料を

もとに農林水産省作成

愛媛県 1160(2件)12500(1件)16134(4件)

三重県 1286(5件) 5800(1件)26980(3件) 1990(1件)18011(6件)

茨城県 645(2件) 7740(2件)190523(7件) 4990(1件) 11981(6件)

福島県 25(1件) 5785(3件)69855(2件)27772(2件)18433(5件)

山梨県14500(1件) 4698(3件)

新潟県 709(4件)12000(2件)10704(4件)

長崎県 250(1件) 7840(1件) 4750(3件)

福岡県 3397(3件)116450(3件) 59690(8件)

長野県 710(3件) 5060(4件) 5648(3件)

山形県 825(2件)13352(5件)55250(2件) 5813(4件)

徳島県 6470(2件) 710(1件)

大阪府 5440( 7件)14170( 3件)98781(14件)

香川県 525(2件) 1484(1件)

大分県 990(3件)25416(3件)50000(1件)12000(1件) 7426(3件)

宮崎県 2161(2件)38880(5件)19620(3件)14893(3件)

兵庫県 1382( 5件)22179( 3件)22740( 2件)21608( 2件)55961(14件)

栃木県 2525(9件) 1995(1件) 265(1件)24000(1件) 9214(6件)

石川県 455(3件)10920(4件)

全国計 メタンガス 63382kW (183件) 未利用木質 386741kW ( 70件) 一般木質 1130962kW ( 58件) 建設廃材 355237kW ( 32件) 一般廃棄物 963995kW (237件)

出 力 導入件数

福井県 25(1件) 7545(2件)37000(1件)

熊本県 808(1件) 6327(2件)12500(2件) 185(1件) 2850(1件)

富山県 195(1件) 5750(1件) 990(1件)13330(2件)

滋賀県 25(1件) 3550(1件) 3221(3件)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

36444

50693 58243

78258

98184 110092

126035 119569

120161

126532

131400

63 7585

108 109120

142 142 148 147 154

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大

21

木質バイオマスの活用は再生可能エネルギーの推進だけではなく林業や地域経済の活性化雇用の確保等にも貢献特に未利用となっている林地残材には大きな可能性

木質バイオマスは木質チップや木質ペレット等に加工され製材工場や公共施設発電所等におけるエネルギー源としての利用が増えてきている

木質バイオマスボイラー数の推移木質バイオマスボイラーは製材工場などを中心に2000基程度が設置されており最近は公共施設や温泉農業施設などへの導入も進んできている

地球温暖化問題への関心の高まりや化石燃料から再生可能エネルギー熱への転換による経営リスクの軽減等を背景に近年生産施設数及び生産量ともに増加

(基) ( t )(施設数)

- 施設数(第1軸(左)) 生産量(第2軸(右))

615 838

924

1218

1461

1701

2023

1945

1972

2058

2064

0

500

1000

1500

2000

2500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

台数

木質ペレットの製造施設数及び生産量

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

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施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 9: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿

8

成功事例を幅広く共有事業の横展開

環境負荷の少ない持続的な社会 農林漁業農山漁村の活性化 新たな産業の創出

得られた利益が地域に還元される取組

これまで廃棄物処理を行っていた農畜産業生産現場で発生する農作物非食用部や家畜排せつ物等の廃棄物系バイオマスについて高度利用等に用いることでその処理費用や運搬等の労力が軽減

バイオマスの変換技術により得られた電気熱等のエネルギーや製品等を地域の農家や公共施設等に安価に提供することでこれまで必要としていたエネルギー等に要する費用の負担が軽減

より経済的な価値を生み出す取組

<従来>家畜排せつ物

<高度利用>

堆 肥

家畜排せつ物

農地牧草地に還元堆肥化

メタン発酵

ガ ス

精製濃縮

施設園芸都市ガスの代替

電 気自家消費売電等

熱施設の暖房給湯等

消化液

バイオガスコジェネレーション

農地牧草地に還元

製材用丸太 小径丸太 枝葉

製材加工(製材工場)

(直材) (曲がり材短尺材) (低質材) (梢端)

チップ製造 ペレット製造

製材製品(板角材等) 木質ボード 紙 肥料飼料 電気熱

(建設資材) (回収) (灰CO2回収)

鋸屑端材

廃材解体材

(利用)(再利用)

農業生産現場や地域の熱需要施設等において熱利用は化石燃料の代替となることが期待

エネルギー需要のおよそ半分は熱であり特に農業生産現場におけるエネルギー消費の約8割が熱利用であることからバイオマスの熱利用を推進 熱利用は発電と比べてエネルギー効率がよい

(熱利用60~90程度発電10~40程度)

現在は十分に活用されていない発電における余熱の利用を進める「熱電併給」の取組も加速

高度利用 より経済的な価値を生み出す

地域に存在するバイオマスをエネルギーや製品等に変換活用する新産業が創出

②③による節約費用は経営規模の拡大等に充当することが可能

上記の取組等により新たな雇用が創出

持続的かつ自立可能な取組

地方公共団体等

バイオガスプラント

市町村バイオマス活用推進計画(バイオマス産業を軸とした地域づくり)

(取組のイメージ)

畑作農家園芸農家 畜産農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥 家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物

電気熱 食品廃棄物し尿

電気熱

(製品)小売店等へ

(農作物)加工施設小売店等へ

経済性が確保された一貫システムの構築

(畜産物)加工施設小売店等へ

多段階利用 限られた資源を徹底的に使う 熱利用 エネルギー効率のよい熱利用の推進

①産業振興雇用創出 ②廃棄物等の処理費用や労力の軽減 ③安価なエネルギーや製品等の供給

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)

9

地域のバイオマスを活用した産業創出と地域循環型エネルギーシステム

の構築に向けたバイオマス産業都市の構築(バイオマスタウンの発展高度化)

原料生産から収集運搬製造利用までの事業者の連携による事業化

の取組を推進する制度の検討(農林漁業バイオ燃料法の見直し)

技術とバイオマスの選択と集中による事業化の重点的な推進

関係者の連携による原料生産から収集運搬製造利用までの一貫システムの構築

地域のバイオマスを活用した事業化推進による地域産業の創出と自立分散型エネルギー供給体制の強化

技術ロードマップに基づき事業化に活用する実用化技術とバイオマスを整理

技 術メタン発酵堆肥化直接燃焼固体燃料化液体燃料化

バイオマス木質食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物

産学官の研究機関の連携による実用化を目指す技術の開発加速化

戦略2技術戦略(技術開発と製造)

バイオマス活用と一体となった川上の農林業の体制整備

バイオマスの効率的な収集運搬システムの構築

高バイオマス量易分解性等の資源用作物植物の開発

多様なバイオマス資源の混合利用と廃棄物系の徹底利用

戦略4入口戦略(原料調達)

戦略6総合支援戦略

固定価格買取制度の積極的活用

投資家事業者の参入を促すバイオマス関連税制の推進

各種クレジット制度の活用による温室効果ガス削減の推進

高付加価値製品の創出による事業化の推進

戦略3出口戦略(需要の創出拡大)

アジア等における持続可能なバイオマス利用システムの構築

持続可能なバイオマス利用に向けた国際的な基準づくり等の推進

戦略7海外戦略⑤バイオ燃料

①木質バイオマス

②食品廃棄物

③下水汚泥

④家畜排せつ物

未利用間伐材等の効率的な収集運搬システムの構築と木質発電所等でのエネルギー利用を一体的重点的に推進

分別回収の徹底強化とバイオガス化他のバイオマスとの混合利用固体燃料化による再生利用を推進

地域のバイオマス活用の拠点としてバイオガス化食品廃棄物等との混合利用固形燃料化による再生利用を推進

メタン発酵直接燃焼食品廃棄物等との混合利用による再生利用を推進

戦略5個別重点戦略

大規模製造プラントを有する地域での農業と一体となった地域循環型バイオ燃料利用の可能性について具体化の方策を検討

バイオディーゼル燃料の税制等による低濃度利用の普及や高効率低コスト生産システムの開発

研究機関の連携による次世代バイオ燃料製造技術の開発加速化

戦略1基本戦略

食料産業局

Ⅱ バイオマス活用推進基本計画の進捗状況

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標

11

将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿

環境負荷の少ない持続的な社会 新たな産業創出と農林漁業農山漁村の活性化 バイオマス利用を軸にした新しいライフスタイル 国際的な連携の下でのバイオマス活用

バイオマスの利用拡大 化石資源を用いて製造されているエネルギー

や製品をバイオマス由来のものに代替することで炭素量換算で年間約2600万炭素トンのバイオマスを利用

バイオマスの種類ごとに利用率の目標を設定

地球温暖化の防止や循環型社会の形成

バイオマス産業の規模 バイオマスをエネルギーや製品に活用する環境

調和型産業を育成しそれらの産業化が進展することを前提として5000億円の市場を形成

新たな産業の発展や国際競争力の強化

バイオマス活用推進計画の策定 都道府県バイオマス活用推進計画を全ての

都道府県で策定 市町村バイオマス活用推進計画を全市町村

数の3分の1に相当する600市町村で策定

農林漁業農山漁村の活性化

将来像を実現するために必要な目標(2025年)を設定

現基本計画では将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿を想定し柱となる「地球温暖化の防止」「新たな産業の発展」「農山漁村の活性化」の達成状況を判断する指標としてバイオマスの利用拡大バイオマス新産業の規模バイオマス活用推進計画の策定を評価軸に2025年に国が達成すべき目標値を設定

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー2バイオマスの利用拡大

12

バイオマスの発生量(賦存量)は廃棄物系バイオマスの発生抑制の取組等により中長期的には減少傾向 利用量の炭素量換算値は現時点で約2400万トンとなっているが2025年に約2600万トンが利用されることを目指す 既存の利用方法に配慮しつつより経済的な価値を生み出す高度利用等を推進すべくバイオマスの種類毎の目標を設定

2010年(平成22年)

2015年(平成27年) 【中長期的傾向】

2025年(令和7年)

バイオマスの発生量

(炭素換算値)約3300万トン 約3400万トン

廃棄物系バイオマスは発生抑制の取組等により減少傾向

[将来予測]約3200万トン

バイオマスの利用量

(炭素換算値)

約2300万トン[利用率]約697

約2400万トン[利用率]約706 [推進施策]

製品として価値の高い順に可能な限り繰り返し利用する多段階利用やエネルギー効率の高い熱利用などの取組を推進

木材の安定供給に影響を及ぼさないようマテリアル利用とエネルギー利用の両立を図りつつ活用を推進

地域の実情に応じた地域経済の好循環に結びつく構想づくりを支援し生み出された価値が農林漁業の振興や地域への利益還元につながる取組を推進

[目標値]約2600万トン

バイオマスの種類 発生量 利用量 利用率 利用率

廃棄物系バイオマス

家畜排せつ物 87 約90

下水汚泥 68 約85

黒液 100 100

紙 81 約85

食品廃棄物 29 約40

製材工場等残材 97 約97

建設発生木材1 94 約95

未利用系

バイオマス

農作物非食用部(すき込みを除く) 32 約45

林地残材 13 30以上

1000万トン814万トン

発生量486万トン利用量419万トン

90万トン61万トン

403万トン403万トン

65万トン19万トン

320万トン310万トン

220万トン207万トン

438万トン139万トン

420万トン56万トン

各年度の実績の数値を計上(基本計画に記載の利用率等は各年度時点の最新の統計調査に基づくものであるため異なる場合がある) 1建設発材は元となる統計調査が5年ごとであり平成20年度実績の数値

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Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定

13

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

北海道 策定済み(H2512) 12 30 35

青森県 策定済み(H2312) 2 12 2

岩手県 未策定 2 9 2秋田県 未策定 0 9 0宮城県 未策定 2 4 5山形県 未策定 1 8 2

福島県 策定済み(H3011) 1 9 0

茨城県 策定済み(H293) 0 7 1

栃木県 未策定 4 5 3

群馬県 策定済み(H293改訂) 1 5 1

埼玉県 策定済み(H303改訂) 0 1 0

千葉県 策定済み(H238 ) 0 9 0

東京都 未策定 0 2 0神奈川県 未策定 0 2 0山梨県 未策定 1 8 1長野県 未策定 1 10 1

静岡県 策定済み(H293改訂) 4 4 2

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

新潟県 策定済み(H303改定) 4 14 2

富山県 未策定 1 7 2石川県 未策定 0 7 0福井県 未策定 0 4 0岐阜県 未策定 0 6 0

愛知県策定済み(H293策

定)0 4 2

三重県 未策定 1 2 1滋賀県 未策定 0 6 0

京都府 策定済み(H2410) 2 5 3

大阪府 未策定 0 3 0

兵庫県 策定済み(H2810) 4 10 2

奈良県 未策定 0 5 0和歌山県 未策定 0 4 0鳥取県 未策定 1 2 1

島根県 策定済み(H253) 1 9 3

岡山県 未策定 2 7 3広島県 未策定 1 5 1

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

山口県 策定済み(H253 ) 1 4 1

徳島県 未策定 0 3 0香川県 未策定 1 1 1

愛媛県 策定済み(H246) 1 5 0

高知県 未策定 0 9 0福岡県 未策定 4 5 4佐賀県 未策定 2 4 2長崎県 未策定 1 7 0

熊本県 策定済み(H243 ) 1 11 0

宮崎県 策定済み(H254) 1 7 1

大分県 策定済み(H283 ) 2 7 4

鹿児島県策定済み(H293改

訂)2 15 2

沖縄県 未策定 1 6 0

計 1966 318 90

386重複を除く

目標 47 600

バイオマス活用推進計画の策定数は現在都道府県計画19道府県市町村計画65市町村(類似施策を含めると重複を排除して386市町村)であり2025年までに全都道府県600市町村での計画策定を目指す

バイオマスの活用を推進する地域計画の策定状況 (農林水産省調べ(R2年4月 現在))

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Ⅱー4バイオマス産業の市場規模

14

バイオマス産業の市場規模の推計(農林水産省調べ)

注) 旧基本計画策定以前から明確に市場が形成されている肥料飼料などは推計の対象外としている 経済波及効果は総務省が公開している産業連関表に基づく統合大分類(37部門)による経済波及効果の簡易計算ツールを用いて算定

バイオマス産業の市場規模については旧基本計画策定当時経済波及効果を含め約1200億円規模であったものが固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大し現時点で約3500億円(約70)

新たな基本計画の下発電以外の取組についての市場規模の拡大も推進しつつ2025年に5000億円の市場の形成を目指す

旧基本計画策定時点2010年

(平成22年)

現在2015年

(平成27年)

目標値2025年

(平成37年)

市場規模 約1200億円 約3500億円 5000億円

億円

5000

4000

3000

2000

1000

0

C

C

C

C

C

発電以外の取組についても拡大を推進

固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー5バイオマス産業都市について

15

バイオマス産業都市とは経済性が確保された一貫システムを構築し地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまちむらづくりを目指す地域であり関係7府省が共同で選定

関係7府省内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省

地方公共団体等

バイオマス産業を軸としたまちむらづくり

バイオガスプラント園芸農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥

家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物し尿 電気熱

(農作物)

加工施設小売店等へ

(畜産物)加工施設小売店等へ

低品質材(CD材)未利用材竹

木質チップペレット製造施設

木質バイオマス発電施設

(売電)

農業地域

農村部都市部

畜産農家

一般家庭

高品質材(AB材)

製材工場等

製材工場等残材建築家具製造メーカー等へ

マテリアル利用製紙工場等へ

電気熱

(チップペレット)

ボイラー用燃料

林業者

林業地域 畜産酪農地域

木質バイオマスボイラー

電気熱

(バイオマス産業都市のイメージ)

漁業地域漁業者

(海産物) 加工施設小売店等へ

水産残さ等堆肥化施設バイオガスプラント

堆肥液肥(売電)

(売電)

経済性が確保された一貫システムの構築

液肥散布

BDF製造施設発電施設

(売電)廃食用油

輸送用燃料

耕種農家

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

北海道ブロック(35市町村)十勝地域(19市町村)下川町別海町<H25①>釧路市興部町<H25②>平取町<H27>知内町音威子府村西興部村標茶町<H28>滝上町中標津町鶴居村<H29>稚内市浜頓別町幌延町<H30>八雲町<R1>

東北ブロック(11市町村)青森県 平川市<H28>西目屋村<H29>岩手県 一関市<H28>軽米町<R1>宮城県 東松島市<H25①>

南三陸町<H25②>大崎市<H27>加美町<H28>色麻町<H29>

山形県 最上町<H27>飯豊町<H29>

関東ブロック(9市町村)茨城県 牛久市<H25①>栃木県 茂木町<H27>大田原市<H29>さくら市<R1>群馬県 上野村<H29>山梨県 甲斐市<H27>静岡県 浜松市<H25②>掛川市<H28>長野県 中野市<R1>

北陸ブロック(4市)新潟県 新潟市<H25①>十日町市<H28>富山県 射水市<H26>南砺市<H28>

東海ブロック(3市)愛知県 大府市<H25①>半田市<H28>三重県 津市<H25②>

近畿ブロック(5市町)京都府 南丹市<H27>京丹波町<H28>京都市<H29>兵庫県 洲本市<H26>養父市<H30>

中国四国ブロック(10市町村)鳥取県 北栄町<H30>島根県 奥出雲町<H25②>

隠岐の島町<H26>飯南町<H27>

岡山県 真庭市西粟倉村<H25②>津山市<H27>

広島県 東広島市<H29>山口県 宇部市<H29>香川県 三豊市<H25①>

九州ブロック(13市町)福岡県 みやま市<H26>宗像市<H27>糸島市<H28>朝倉市<R1>佐賀県 佐賀市<H26>玄海町<R1>大分県 佐伯市<H26>臼杵市<H27>国東市<H28>竹田市<R1>宮崎県 小林市<H27>鹿児島県 薩摩川内市長島町<H28>

H25H26 H27 H28 H29 H30 R1

1次 2次26 8 6 11 16 11 5 7

年度別選定地域数(市町村数) <>内は選定年度(①1次選定②2次選定)青字は令和元年度選定地域

16

Ⅱー6バイオマス産業都市の選定地域(9 0市町村)

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Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト

17

用途 原料 木質バイオマス 家畜排せつ物 食品廃棄物 下水汚泥

発電

FIT活用

下川町滝上町中標津町鶴居村一関市東松島市最上町大田原市上野村甲斐市浜松市掛川市射水市津市京都市津山市真庭市佐伯市臼杵市

十勝地域音威子府村下川町興部町西興部村別海町標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町幌延町八雲町平川市一関市色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市南丹市京丹波町養父市糸島市国東市長島町玄海町

音威子府村西興部村標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市東松島市色麻町飯豊町大田原市浜松市十日町市半田市大府市南丹市京都市洲本市養父市宇部市糸島市佐伯市臼杵市国東市長島町朝倉市

音威子府村興部町平川市色麻町飯豊町浜松市十日町市南丹市洲本市佐伯市国東市玄海町

その他(未定を含む)

十勝地域釧路市興部町十日町市養父市隠岐の島町小林市

釧路市大崎市加美町最上町北栄町宗像市小林市長島町

興部町滝上町大崎市加美町南三陸町最上町新潟市南砺市津市宗像市みやま市佐賀市小林市

加美町南三陸町最上町新潟市養父市北栄町宗像市みやま市

熱 利 用

十勝地域釧路市知内町下川町平取町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村平川市西目屋村一関市東松島市大崎市加美町南三陸町最上町飯豊町牛久市上野村茂木町大田原市甲斐市浜松市掛川市中野市新潟市十日町市南砺市津市南丹市京丹波町京都市洲本市養父市北栄町奥出雲町飯南町隠岐の島町津山市西粟倉村東広島市三豊市みやま市糸島市佐賀市佐伯市臼杵市国東市小林市朝倉市

十勝地域釧路市下川町音威子府村西興部村標茶町興部町別海町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市一関市加美町色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市京丹波町国東市長島町

音威子府村興部町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村稚内市浜頓別平川市東松島市加美町飯豊町南三陸町色麻町最上町大田原市新潟市十日町市南砺市半田市津市隠岐の島町宇部市臼杵市国東市

音威子府村平川市加美町色麻町最上町飯豊町新潟市十日町市国東市

肥料飼料等 茂木町射水市京都市洲本市飯南町津山市東広島市三豊市宗像市

十勝地域釧路市音威子府村下川町興部町西興部村標茶町別海町中標津町鶴居村八雲町平川市一関市加美町大崎市色麻町最上町平川市茂木町大田原市甲斐市掛川市十日町市半田市南丹市京丹波町飯南町糸島市宗像市佐賀市小林市長島町

興部町音威子府村西興部村標茶町平川市東松島市大崎市加美町南三陸町色麻町最上町茂木町甲斐市浜松市新潟市十日町市南砺市半田市大府市南丹市三豊市隠岐の島町東広島市宇部市宗像市みやま市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市長島町

音威子府村平川市南三陸町加美町色麻町最上町十日町市南丹市京都市宗像市みやま市国東市

燃 料

下川町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村幌延町平取町西目屋村一関市大崎市加美町南三陸町飯豊町大田原市上野村牛久市掛川市新潟市十日町市津市京丹波町京都市北栄町隠岐の島町東広島市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市竹田市

軽米町南丹市

十勝地域下川町平川市大崎市軽米町牛久市茂木町甲斐市新潟市射水市十日町市大府市南丹市京都市洲本市飯南町真庭市三豊市宗像市みやま市臼杵市小林市

稚内市津市南丹市京都市

その他(マテリアル利用等)

茂木町大田原市京都市洲本市隠岐の島町津山市真庭市三豊市糸島市薩摩川内市 半田市 浜松市新潟市

地域名市町村名の着色は前ページの地域ブロックの着色と同一であり下線は令和元年度選定市町村

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Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)

18

固定価格買取制度は再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを約束する制度のことで太陽光風力水力地熱バイオマス由来の電気が対象買取の価格(調達価格)と期間(調達期間)は専門家で構成される調達価格等算定委員会の意見を尊重し経済産業大臣が決定

令和2年度の主要なバイオマス発電による電気の調達価格は13~40円kWh(税抜) 一般木材バイオマスのうち10000kw以上は入札制比較的小規模の10000kw未満は地域分散型エネルギー

源となりうるため24円kwh(税抜)を維持また競争環境が成立しているバイオマス液体燃料(全規模)も同様に入札制

令和2年度の調達価格と調達期間(バイオマス関係)

バイオマスの種類 調達価格1kWh当たり

調達期間

メタン発酵ガス(バイオマス由来) 39円+税

20年間

間伐材等由来の木質バイオマス1

2000kW未満 40円+税

2000kW以上 32円+税

一般木材バイオマス210000kW未満 24円+税

10000kW以上 +税

バイオマス液体燃料 +税

建設資材廃棄物 13円+税

一般廃棄物その他のバイオマス 17円+税1 「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」に基づく証明のないものにつ

いては建設資材廃棄物と同等に取扱う2 農作物の収穫に伴って生じるバイオマスも含む

事業計画

費用負担調整機関

制度の概要

入札制度

入札制度

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Ⅱー9バイオマス発電の導入状況

19

固定価格買取制度を活用したバイオマス発電については平成31年3月末において約171万kWが運転を開始済RPS制度のもとで導入された発電設備の設備容量を合わせると約402万kWが稼動

バイオマス発電の固定価格買取制度による買取電力量は平成30年度で約125億kWh

平成31年3月末におけるバイオマス発電の導入状況

(注) 四捨五入により合計値が合わない場合がある 設備認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値を集計

単位千kWRPS FIT設備導入量 ( )はRPSからFITへの移行を含む 合計

(FIT計)FIT導入後 認定容量

~H246 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H2407~H313

メタン発酵ガス(バイオマス由来)

147 32 60 74 115 126 123 676 837(32) (172) (74) (104) (122) (130) (634)

間伐材由来の木質バイオマス

145 129 559 1379 901 291 473 3879 5055(129) (655) (1374) (901) (291) (516) (3867)

一般木質バイオマス農作物残渣

1634 298 118 961 1919 3328 3442 11701 79623(298) (856) (961) (1919) (3328) (3947) (11310)

建設資材廃棄物4398 03 35 54 00 38 18 4511 857

(03) (3355) (54) (00) (44) (97) (3552)

一般廃棄物その他のバイオマス

16814 762 243 471 395 306 462 19451 3727(762) (7305) (428) (357) (94) (694) (9640)

計 231381224 1015 2939 3330 4089 4482 40218 90099

17079 (29003)

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Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況

20

沖縄県 1845(3件) 8558(4件)

北海道14048(74件)86544( 5件) 9421( 3件)30084( 9件)

青森県 980(3件) 6250(1件)12400(1件) 6657(2件)

岩手県 630(3件)14717(4件)19800(2件)11297(4件)

宮城県 1143(3件) 880(3件)62657(1件) 1816(1件)14983(4件)

秋田県 730(1件) 7130(3件)21490(2件) 3750(2件) 4765(2件)

東京都 1468( 4件)166303(24件)

神奈川県 9000(3件)49000(1件) 2064(1件)44222(8件)

群馬県 725(3件) 6795(2件)13600(1件) 5540(2件)

千葉県 670(2件)47557(3件)12378(8件)

静岡県 1518(6件)89021(4件)54524(7件)

埼玉県 370( 1件) 146( 1件) 5976( 3件)16721( 1件)26003(12件)

岐阜県 685(2件) 6482(2件) 4300(1件) 600(1件) 6068(3件)

愛知県 2354( 6件)128029( 3件) 76096(14件)

和歌山県 10(1件) 2690(2件)

奈良県 50(1件) 6500(1件) 3499(2件)

京都府 155( 1件) 1760( 1件)17834( 4件)

鳥取県 1490(3件)22350(2件) 2360(1件)

山口県 74(2件) 67(1件)59656(2件)43123(2件)22526(4件)

島根県 759(1件) 6550(1件)12700(1件) 5400(3件)

岡山県 25(1件)10336(2件) 3949(2件) 8756(3件)

広島県 1116(1件)10157(2件)10800(2件)35792(7件)

高知県12750(2件)29500(1件)25730(2件) 5354(3件)

佐賀県 9850(1件) 4403(2件)

鹿児島県29450(2件)49000(1件)13255(5件)

表示出力は発電設備の認定出力にバイオマス比率を乗じたもの(各都道府県の合計出力)

平成31年3月末現在運転開始済みのものでFIT活用施設のみ

(資料)資源エネルギー庁資料を

もとに農林水産省作成

愛媛県 1160(2件)12500(1件)16134(4件)

三重県 1286(5件) 5800(1件)26980(3件) 1990(1件)18011(6件)

茨城県 645(2件) 7740(2件)190523(7件) 4990(1件) 11981(6件)

福島県 25(1件) 5785(3件)69855(2件)27772(2件)18433(5件)

山梨県14500(1件) 4698(3件)

新潟県 709(4件)12000(2件)10704(4件)

長崎県 250(1件) 7840(1件) 4750(3件)

福岡県 3397(3件)116450(3件) 59690(8件)

長野県 710(3件) 5060(4件) 5648(3件)

山形県 825(2件)13352(5件)55250(2件) 5813(4件)

徳島県 6470(2件) 710(1件)

大阪府 5440( 7件)14170( 3件)98781(14件)

香川県 525(2件) 1484(1件)

大分県 990(3件)25416(3件)50000(1件)12000(1件) 7426(3件)

宮崎県 2161(2件)38880(5件)19620(3件)14893(3件)

兵庫県 1382( 5件)22179( 3件)22740( 2件)21608( 2件)55961(14件)

栃木県 2525(9件) 1995(1件) 265(1件)24000(1件) 9214(6件)

石川県 455(3件)10920(4件)

全国計 メタンガス 63382kW (183件) 未利用木質 386741kW ( 70件) 一般木質 1130962kW ( 58件) 建設廃材 355237kW ( 32件) 一般廃棄物 963995kW (237件)

出 力 導入件数

福井県 25(1件) 7545(2件)37000(1件)

熊本県 808(1件) 6327(2件)12500(2件) 185(1件) 2850(1件)

富山県 195(1件) 5750(1件) 990(1件)13330(2件)

滋賀県 25(1件) 3550(1件) 3221(3件)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

36444

50693 58243

78258

98184 110092

126035 119569

120161

126532

131400

63 7585

108 109120

142 142 148 147 154

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大

21

木質バイオマスの活用は再生可能エネルギーの推進だけではなく林業や地域経済の活性化雇用の確保等にも貢献特に未利用となっている林地残材には大きな可能性

木質バイオマスは木質チップや木質ペレット等に加工され製材工場や公共施設発電所等におけるエネルギー源としての利用が増えてきている

木質バイオマスボイラー数の推移木質バイオマスボイラーは製材工場などを中心に2000基程度が設置されており最近は公共施設や温泉農業施設などへの導入も進んできている

地球温暖化問題への関心の高まりや化石燃料から再生可能エネルギー熱への転換による経営リスクの軽減等を背景に近年生産施設数及び生産量ともに増加

(基) ( t )(施設数)

- 施設数(第1軸(左)) 生産量(第2軸(右))

615 838

924

1218

1461

1701

2023

1945

1972

2058

2064

0

500

1000

1500

2000

2500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

台数

木質ペレットの製造施設数及び生産量

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 10: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)

9

地域のバイオマスを活用した産業創出と地域循環型エネルギーシステム

の構築に向けたバイオマス産業都市の構築(バイオマスタウンの発展高度化)

原料生産から収集運搬製造利用までの事業者の連携による事業化

の取組を推進する制度の検討(農林漁業バイオ燃料法の見直し)

技術とバイオマスの選択と集中による事業化の重点的な推進

関係者の連携による原料生産から収集運搬製造利用までの一貫システムの構築

地域のバイオマスを活用した事業化推進による地域産業の創出と自立分散型エネルギー供給体制の強化

技術ロードマップに基づき事業化に活用する実用化技術とバイオマスを整理

技 術メタン発酵堆肥化直接燃焼固体燃料化液体燃料化

バイオマス木質食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物

産学官の研究機関の連携による実用化を目指す技術の開発加速化

戦略2技術戦略(技術開発と製造)

バイオマス活用と一体となった川上の農林業の体制整備

バイオマスの効率的な収集運搬システムの構築

高バイオマス量易分解性等の資源用作物植物の開発

多様なバイオマス資源の混合利用と廃棄物系の徹底利用

戦略4入口戦略(原料調達)

戦略6総合支援戦略

固定価格買取制度の積極的活用

投資家事業者の参入を促すバイオマス関連税制の推進

各種クレジット制度の活用による温室効果ガス削減の推進

高付加価値製品の創出による事業化の推進

戦略3出口戦略(需要の創出拡大)

アジア等における持続可能なバイオマス利用システムの構築

持続可能なバイオマス利用に向けた国際的な基準づくり等の推進

戦略7海外戦略⑤バイオ燃料

①木質バイオマス

②食品廃棄物

③下水汚泥

④家畜排せつ物

未利用間伐材等の効率的な収集運搬システムの構築と木質発電所等でのエネルギー利用を一体的重点的に推進

分別回収の徹底強化とバイオガス化他のバイオマスとの混合利用固体燃料化による再生利用を推進

地域のバイオマス活用の拠点としてバイオガス化食品廃棄物等との混合利用固形燃料化による再生利用を推進

メタン発酵直接燃焼食品廃棄物等との混合利用による再生利用を推進

戦略5個別重点戦略

大規模製造プラントを有する地域での農業と一体となった地域循環型バイオ燃料利用の可能性について具体化の方策を検討

バイオディーゼル燃料の税制等による低濃度利用の普及や高効率低コスト生産システムの開発

研究機関の連携による次世代バイオ燃料製造技術の開発加速化

戦略1基本戦略

食料産業局

Ⅱ バイオマス活用推進基本計画の進捗状況

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標

11

将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿

環境負荷の少ない持続的な社会 新たな産業創出と農林漁業農山漁村の活性化 バイオマス利用を軸にした新しいライフスタイル 国際的な連携の下でのバイオマス活用

バイオマスの利用拡大 化石資源を用いて製造されているエネルギー

や製品をバイオマス由来のものに代替することで炭素量換算で年間約2600万炭素トンのバイオマスを利用

バイオマスの種類ごとに利用率の目標を設定

地球温暖化の防止や循環型社会の形成

バイオマス産業の規模 バイオマスをエネルギーや製品に活用する環境

調和型産業を育成しそれらの産業化が進展することを前提として5000億円の市場を形成

新たな産業の発展や国際競争力の強化

バイオマス活用推進計画の策定 都道府県バイオマス活用推進計画を全ての

都道府県で策定 市町村バイオマス活用推進計画を全市町村

数の3分の1に相当する600市町村で策定

農林漁業農山漁村の活性化

将来像を実現するために必要な目標(2025年)を設定

現基本計画では将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿を想定し柱となる「地球温暖化の防止」「新たな産業の発展」「農山漁村の活性化」の達成状況を判断する指標としてバイオマスの利用拡大バイオマス新産業の規模バイオマス活用推進計画の策定を評価軸に2025年に国が達成すべき目標値を設定

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Ⅱー2バイオマスの利用拡大

12

バイオマスの発生量(賦存量)は廃棄物系バイオマスの発生抑制の取組等により中長期的には減少傾向 利用量の炭素量換算値は現時点で約2400万トンとなっているが2025年に約2600万トンが利用されることを目指す 既存の利用方法に配慮しつつより経済的な価値を生み出す高度利用等を推進すべくバイオマスの種類毎の目標を設定

2010年(平成22年)

2015年(平成27年) 【中長期的傾向】

2025年(令和7年)

バイオマスの発生量

(炭素換算値)約3300万トン 約3400万トン

廃棄物系バイオマスは発生抑制の取組等により減少傾向

[将来予測]約3200万トン

バイオマスの利用量

(炭素換算値)

約2300万トン[利用率]約697

約2400万トン[利用率]約706 [推進施策]

製品として価値の高い順に可能な限り繰り返し利用する多段階利用やエネルギー効率の高い熱利用などの取組を推進

木材の安定供給に影響を及ぼさないようマテリアル利用とエネルギー利用の両立を図りつつ活用を推進

地域の実情に応じた地域経済の好循環に結びつく構想づくりを支援し生み出された価値が農林漁業の振興や地域への利益還元につながる取組を推進

[目標値]約2600万トン

バイオマスの種類 発生量 利用量 利用率 利用率

廃棄物系バイオマス

家畜排せつ物 87 約90

下水汚泥 68 約85

黒液 100 100

紙 81 約85

食品廃棄物 29 約40

製材工場等残材 97 約97

建設発生木材1 94 約95

未利用系

バイオマス

農作物非食用部(すき込みを除く) 32 約45

林地残材 13 30以上

1000万トン814万トン

発生量486万トン利用量419万トン

90万トン61万トン

403万トン403万トン

65万トン19万トン

320万トン310万トン

220万トン207万トン

438万トン139万トン

420万トン56万トン

各年度の実績の数値を計上(基本計画に記載の利用率等は各年度時点の最新の統計調査に基づくものであるため異なる場合がある) 1建設発材は元となる統計調査が5年ごとであり平成20年度実績の数値

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定

13

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

北海道 策定済み(H2512) 12 30 35

青森県 策定済み(H2312) 2 12 2

岩手県 未策定 2 9 2秋田県 未策定 0 9 0宮城県 未策定 2 4 5山形県 未策定 1 8 2

福島県 策定済み(H3011) 1 9 0

茨城県 策定済み(H293) 0 7 1

栃木県 未策定 4 5 3

群馬県 策定済み(H293改訂) 1 5 1

埼玉県 策定済み(H303改訂) 0 1 0

千葉県 策定済み(H238 ) 0 9 0

東京都 未策定 0 2 0神奈川県 未策定 0 2 0山梨県 未策定 1 8 1長野県 未策定 1 10 1

静岡県 策定済み(H293改訂) 4 4 2

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

新潟県 策定済み(H303改定) 4 14 2

富山県 未策定 1 7 2石川県 未策定 0 7 0福井県 未策定 0 4 0岐阜県 未策定 0 6 0

愛知県策定済み(H293策

定)0 4 2

三重県 未策定 1 2 1滋賀県 未策定 0 6 0

京都府 策定済み(H2410) 2 5 3

大阪府 未策定 0 3 0

兵庫県 策定済み(H2810) 4 10 2

奈良県 未策定 0 5 0和歌山県 未策定 0 4 0鳥取県 未策定 1 2 1

島根県 策定済み(H253) 1 9 3

岡山県 未策定 2 7 3広島県 未策定 1 5 1

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

山口県 策定済み(H253 ) 1 4 1

徳島県 未策定 0 3 0香川県 未策定 1 1 1

愛媛県 策定済み(H246) 1 5 0

高知県 未策定 0 9 0福岡県 未策定 4 5 4佐賀県 未策定 2 4 2長崎県 未策定 1 7 0

熊本県 策定済み(H243 ) 1 11 0

宮崎県 策定済み(H254) 1 7 1

大分県 策定済み(H283 ) 2 7 4

鹿児島県策定済み(H293改

訂)2 15 2

沖縄県 未策定 1 6 0

計 1966 318 90

386重複を除く

目標 47 600

バイオマス活用推進計画の策定数は現在都道府県計画19道府県市町村計画65市町村(類似施策を含めると重複を排除して386市町村)であり2025年までに全都道府県600市町村での計画策定を目指す

バイオマスの活用を推進する地域計画の策定状況 (農林水産省調べ(R2年4月 現在))

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー4バイオマス産業の市場規模

14

バイオマス産業の市場規模の推計(農林水産省調べ)

注) 旧基本計画策定以前から明確に市場が形成されている肥料飼料などは推計の対象外としている 経済波及効果は総務省が公開している産業連関表に基づく統合大分類(37部門)による経済波及効果の簡易計算ツールを用いて算定

バイオマス産業の市場規模については旧基本計画策定当時経済波及効果を含め約1200億円規模であったものが固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大し現時点で約3500億円(約70)

新たな基本計画の下発電以外の取組についての市場規模の拡大も推進しつつ2025年に5000億円の市場の形成を目指す

旧基本計画策定時点2010年

(平成22年)

現在2015年

(平成27年)

目標値2025年

(平成37年)

市場規模 約1200億円 約3500億円 5000億円

億円

5000

4000

3000

2000

1000

0

C

C

C

C

C

発電以外の取組についても拡大を推進

固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー5バイオマス産業都市について

15

バイオマス産業都市とは経済性が確保された一貫システムを構築し地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまちむらづくりを目指す地域であり関係7府省が共同で選定

関係7府省内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省

地方公共団体等

バイオマス産業を軸としたまちむらづくり

バイオガスプラント園芸農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥

家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物し尿 電気熱

(農作物)

加工施設小売店等へ

(畜産物)加工施設小売店等へ

低品質材(CD材)未利用材竹

木質チップペレット製造施設

木質バイオマス発電施設

(売電)

農業地域

農村部都市部

畜産農家

一般家庭

高品質材(AB材)

製材工場等

製材工場等残材建築家具製造メーカー等へ

マテリアル利用製紙工場等へ

電気熱

(チップペレット)

ボイラー用燃料

林業者

林業地域 畜産酪農地域

木質バイオマスボイラー

電気熱

(バイオマス産業都市のイメージ)

漁業地域漁業者

(海産物) 加工施設小売店等へ

水産残さ等堆肥化施設バイオガスプラント

堆肥液肥(売電)

(売電)

経済性が確保された一貫システムの構築

液肥散布

BDF製造施設発電施設

(売電)廃食用油

輸送用燃料

耕種農家

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

北海道ブロック(35市町村)十勝地域(19市町村)下川町別海町<H25①>釧路市興部町<H25②>平取町<H27>知内町音威子府村西興部村標茶町<H28>滝上町中標津町鶴居村<H29>稚内市浜頓別町幌延町<H30>八雲町<R1>

東北ブロック(11市町村)青森県 平川市<H28>西目屋村<H29>岩手県 一関市<H28>軽米町<R1>宮城県 東松島市<H25①>

南三陸町<H25②>大崎市<H27>加美町<H28>色麻町<H29>

山形県 最上町<H27>飯豊町<H29>

関東ブロック(9市町村)茨城県 牛久市<H25①>栃木県 茂木町<H27>大田原市<H29>さくら市<R1>群馬県 上野村<H29>山梨県 甲斐市<H27>静岡県 浜松市<H25②>掛川市<H28>長野県 中野市<R1>

北陸ブロック(4市)新潟県 新潟市<H25①>十日町市<H28>富山県 射水市<H26>南砺市<H28>

東海ブロック(3市)愛知県 大府市<H25①>半田市<H28>三重県 津市<H25②>

近畿ブロック(5市町)京都府 南丹市<H27>京丹波町<H28>京都市<H29>兵庫県 洲本市<H26>養父市<H30>

中国四国ブロック(10市町村)鳥取県 北栄町<H30>島根県 奥出雲町<H25②>

隠岐の島町<H26>飯南町<H27>

岡山県 真庭市西粟倉村<H25②>津山市<H27>

広島県 東広島市<H29>山口県 宇部市<H29>香川県 三豊市<H25①>

九州ブロック(13市町)福岡県 みやま市<H26>宗像市<H27>糸島市<H28>朝倉市<R1>佐賀県 佐賀市<H26>玄海町<R1>大分県 佐伯市<H26>臼杵市<H27>国東市<H28>竹田市<R1>宮崎県 小林市<H27>鹿児島県 薩摩川内市長島町<H28>

H25H26 H27 H28 H29 H30 R1

1次 2次26 8 6 11 16 11 5 7

年度別選定地域数(市町村数) <>内は選定年度(①1次選定②2次選定)青字は令和元年度選定地域

16

Ⅱー6バイオマス産業都市の選定地域(9 0市町村)

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト

17

用途 原料 木質バイオマス 家畜排せつ物 食品廃棄物 下水汚泥

発電

FIT活用

下川町滝上町中標津町鶴居村一関市東松島市最上町大田原市上野村甲斐市浜松市掛川市射水市津市京都市津山市真庭市佐伯市臼杵市

十勝地域音威子府村下川町興部町西興部村別海町標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町幌延町八雲町平川市一関市色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市南丹市京丹波町養父市糸島市国東市長島町玄海町

音威子府村西興部村標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市東松島市色麻町飯豊町大田原市浜松市十日町市半田市大府市南丹市京都市洲本市養父市宇部市糸島市佐伯市臼杵市国東市長島町朝倉市

音威子府村興部町平川市色麻町飯豊町浜松市十日町市南丹市洲本市佐伯市国東市玄海町

その他(未定を含む)

十勝地域釧路市興部町十日町市養父市隠岐の島町小林市

釧路市大崎市加美町最上町北栄町宗像市小林市長島町

興部町滝上町大崎市加美町南三陸町最上町新潟市南砺市津市宗像市みやま市佐賀市小林市

加美町南三陸町最上町新潟市養父市北栄町宗像市みやま市

熱 利 用

十勝地域釧路市知内町下川町平取町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村平川市西目屋村一関市東松島市大崎市加美町南三陸町最上町飯豊町牛久市上野村茂木町大田原市甲斐市浜松市掛川市中野市新潟市十日町市南砺市津市南丹市京丹波町京都市洲本市養父市北栄町奥出雲町飯南町隠岐の島町津山市西粟倉村東広島市三豊市みやま市糸島市佐賀市佐伯市臼杵市国東市小林市朝倉市

十勝地域釧路市下川町音威子府村西興部村標茶町興部町別海町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市一関市加美町色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市京丹波町国東市長島町

音威子府村興部町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村稚内市浜頓別平川市東松島市加美町飯豊町南三陸町色麻町最上町大田原市新潟市十日町市南砺市半田市津市隠岐の島町宇部市臼杵市国東市

音威子府村平川市加美町色麻町最上町飯豊町新潟市十日町市国東市

肥料飼料等 茂木町射水市京都市洲本市飯南町津山市東広島市三豊市宗像市

十勝地域釧路市音威子府村下川町興部町西興部村標茶町別海町中標津町鶴居村八雲町平川市一関市加美町大崎市色麻町最上町平川市茂木町大田原市甲斐市掛川市十日町市半田市南丹市京丹波町飯南町糸島市宗像市佐賀市小林市長島町

興部町音威子府村西興部村標茶町平川市東松島市大崎市加美町南三陸町色麻町最上町茂木町甲斐市浜松市新潟市十日町市南砺市半田市大府市南丹市三豊市隠岐の島町東広島市宇部市宗像市みやま市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市長島町

音威子府村平川市南三陸町加美町色麻町最上町十日町市南丹市京都市宗像市みやま市国東市

燃 料

下川町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村幌延町平取町西目屋村一関市大崎市加美町南三陸町飯豊町大田原市上野村牛久市掛川市新潟市十日町市津市京丹波町京都市北栄町隠岐の島町東広島市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市竹田市

軽米町南丹市

十勝地域下川町平川市大崎市軽米町牛久市茂木町甲斐市新潟市射水市十日町市大府市南丹市京都市洲本市飯南町真庭市三豊市宗像市みやま市臼杵市小林市

稚内市津市南丹市京都市

その他(マテリアル利用等)

茂木町大田原市京都市洲本市隠岐の島町津山市真庭市三豊市糸島市薩摩川内市 半田市 浜松市新潟市

地域名市町村名の着色は前ページの地域ブロックの着色と同一であり下線は令和元年度選定市町村

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Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)

18

固定価格買取制度は再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを約束する制度のことで太陽光風力水力地熱バイオマス由来の電気が対象買取の価格(調達価格)と期間(調達期間)は専門家で構成される調達価格等算定委員会の意見を尊重し経済産業大臣が決定

令和2年度の主要なバイオマス発電による電気の調達価格は13~40円kWh(税抜) 一般木材バイオマスのうち10000kw以上は入札制比較的小規模の10000kw未満は地域分散型エネルギー

源となりうるため24円kwh(税抜)を維持また競争環境が成立しているバイオマス液体燃料(全規模)も同様に入札制

令和2年度の調達価格と調達期間(バイオマス関係)

バイオマスの種類 調達価格1kWh当たり

調達期間

メタン発酵ガス(バイオマス由来) 39円+税

20年間

間伐材等由来の木質バイオマス1

2000kW未満 40円+税

2000kW以上 32円+税

一般木材バイオマス210000kW未満 24円+税

10000kW以上 +税

バイオマス液体燃料 +税

建設資材廃棄物 13円+税

一般廃棄物その他のバイオマス 17円+税1 「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」に基づく証明のないものにつ

いては建設資材廃棄物と同等に取扱う2 農作物の収穫に伴って生じるバイオマスも含む

事業計画

費用負担調整機関

制度の概要

入札制度

入札制度

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Ⅱー9バイオマス発電の導入状況

19

固定価格買取制度を活用したバイオマス発電については平成31年3月末において約171万kWが運転を開始済RPS制度のもとで導入された発電設備の設備容量を合わせると約402万kWが稼動

バイオマス発電の固定価格買取制度による買取電力量は平成30年度で約125億kWh

平成31年3月末におけるバイオマス発電の導入状況

(注) 四捨五入により合計値が合わない場合がある 設備認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値を集計

単位千kWRPS FIT設備導入量 ( )はRPSからFITへの移行を含む 合計

(FIT計)FIT導入後 認定容量

~H246 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H2407~H313

メタン発酵ガス(バイオマス由来)

147 32 60 74 115 126 123 676 837(32) (172) (74) (104) (122) (130) (634)

間伐材由来の木質バイオマス

145 129 559 1379 901 291 473 3879 5055(129) (655) (1374) (901) (291) (516) (3867)

一般木質バイオマス農作物残渣

1634 298 118 961 1919 3328 3442 11701 79623(298) (856) (961) (1919) (3328) (3947) (11310)

建設資材廃棄物4398 03 35 54 00 38 18 4511 857

(03) (3355) (54) (00) (44) (97) (3552)

一般廃棄物その他のバイオマス

16814 762 243 471 395 306 462 19451 3727(762) (7305) (428) (357) (94) (694) (9640)

計 231381224 1015 2939 3330 4089 4482 40218 90099

17079 (29003)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況

20

沖縄県 1845(3件) 8558(4件)

北海道14048(74件)86544( 5件) 9421( 3件)30084( 9件)

青森県 980(3件) 6250(1件)12400(1件) 6657(2件)

岩手県 630(3件)14717(4件)19800(2件)11297(4件)

宮城県 1143(3件) 880(3件)62657(1件) 1816(1件)14983(4件)

秋田県 730(1件) 7130(3件)21490(2件) 3750(2件) 4765(2件)

東京都 1468( 4件)166303(24件)

神奈川県 9000(3件)49000(1件) 2064(1件)44222(8件)

群馬県 725(3件) 6795(2件)13600(1件) 5540(2件)

千葉県 670(2件)47557(3件)12378(8件)

静岡県 1518(6件)89021(4件)54524(7件)

埼玉県 370( 1件) 146( 1件) 5976( 3件)16721( 1件)26003(12件)

岐阜県 685(2件) 6482(2件) 4300(1件) 600(1件) 6068(3件)

愛知県 2354( 6件)128029( 3件) 76096(14件)

和歌山県 10(1件) 2690(2件)

奈良県 50(1件) 6500(1件) 3499(2件)

京都府 155( 1件) 1760( 1件)17834( 4件)

鳥取県 1490(3件)22350(2件) 2360(1件)

山口県 74(2件) 67(1件)59656(2件)43123(2件)22526(4件)

島根県 759(1件) 6550(1件)12700(1件) 5400(3件)

岡山県 25(1件)10336(2件) 3949(2件) 8756(3件)

広島県 1116(1件)10157(2件)10800(2件)35792(7件)

高知県12750(2件)29500(1件)25730(2件) 5354(3件)

佐賀県 9850(1件) 4403(2件)

鹿児島県29450(2件)49000(1件)13255(5件)

表示出力は発電設備の認定出力にバイオマス比率を乗じたもの(各都道府県の合計出力)

平成31年3月末現在運転開始済みのものでFIT活用施設のみ

(資料)資源エネルギー庁資料を

もとに農林水産省作成

愛媛県 1160(2件)12500(1件)16134(4件)

三重県 1286(5件) 5800(1件)26980(3件) 1990(1件)18011(6件)

茨城県 645(2件) 7740(2件)190523(7件) 4990(1件) 11981(6件)

福島県 25(1件) 5785(3件)69855(2件)27772(2件)18433(5件)

山梨県14500(1件) 4698(3件)

新潟県 709(4件)12000(2件)10704(4件)

長崎県 250(1件) 7840(1件) 4750(3件)

福岡県 3397(3件)116450(3件) 59690(8件)

長野県 710(3件) 5060(4件) 5648(3件)

山形県 825(2件)13352(5件)55250(2件) 5813(4件)

徳島県 6470(2件) 710(1件)

大阪府 5440( 7件)14170( 3件)98781(14件)

香川県 525(2件) 1484(1件)

大分県 990(3件)25416(3件)50000(1件)12000(1件) 7426(3件)

宮崎県 2161(2件)38880(5件)19620(3件)14893(3件)

兵庫県 1382( 5件)22179( 3件)22740( 2件)21608( 2件)55961(14件)

栃木県 2525(9件) 1995(1件) 265(1件)24000(1件) 9214(6件)

石川県 455(3件)10920(4件)

全国計 メタンガス 63382kW (183件) 未利用木質 386741kW ( 70件) 一般木質 1130962kW ( 58件) 建設廃材 355237kW ( 32件) 一般廃棄物 963995kW (237件)

出 力 導入件数

福井県 25(1件) 7545(2件)37000(1件)

熊本県 808(1件) 6327(2件)12500(2件) 185(1件) 2850(1件)

富山県 195(1件) 5750(1件) 990(1件)13330(2件)

滋賀県 25(1件) 3550(1件) 3221(3件)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

36444

50693 58243

78258

98184 110092

126035 119569

120161

126532

131400

63 7585

108 109120

142 142 148 147 154

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大

21

木質バイオマスの活用は再生可能エネルギーの推進だけではなく林業や地域経済の活性化雇用の確保等にも貢献特に未利用となっている林地残材には大きな可能性

木質バイオマスは木質チップや木質ペレット等に加工され製材工場や公共施設発電所等におけるエネルギー源としての利用が増えてきている

木質バイオマスボイラー数の推移木質バイオマスボイラーは製材工場などを中心に2000基程度が設置されており最近は公共施設や温泉農業施設などへの導入も進んできている

地球温暖化問題への関心の高まりや化石燃料から再生可能エネルギー熱への転換による経営リスクの軽減等を背景に近年生産施設数及び生産量ともに増加

(基) ( t )(施設数)

- 施設数(第1軸(左)) 生産量(第2軸(右))

615 838

924

1218

1461

1701

2023

1945

1972

2058

2064

0

500

1000

1500

2000

2500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

台数

木質ペレットの製造施設数及び生産量

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

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(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

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竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

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名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

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施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

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施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 11: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

食料産業局

Ⅱ バイオマス活用推進基本計画の進捗状況

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標

11

将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿

環境負荷の少ない持続的な社会 新たな産業創出と農林漁業農山漁村の活性化 バイオマス利用を軸にした新しいライフスタイル 国際的な連携の下でのバイオマス活用

バイオマスの利用拡大 化石資源を用いて製造されているエネルギー

や製品をバイオマス由来のものに代替することで炭素量換算で年間約2600万炭素トンのバイオマスを利用

バイオマスの種類ごとに利用率の目標を設定

地球温暖化の防止や循環型社会の形成

バイオマス産業の規模 バイオマスをエネルギーや製品に活用する環境

調和型産業を育成しそれらの産業化が進展することを前提として5000億円の市場を形成

新たな産業の発展や国際競争力の強化

バイオマス活用推進計画の策定 都道府県バイオマス活用推進計画を全ての

都道府県で策定 市町村バイオマス活用推進計画を全市町村

数の3分の1に相当する600市町村で策定

農林漁業農山漁村の活性化

将来像を実現するために必要な目標(2025年)を設定

現基本計画では将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿を想定し柱となる「地球温暖化の防止」「新たな産業の発展」「農山漁村の活性化」の達成状況を判断する指標としてバイオマスの利用拡大バイオマス新産業の規模バイオマス活用推進計画の策定を評価軸に2025年に国が達成すべき目標値を設定

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー2バイオマスの利用拡大

12

バイオマスの発生量(賦存量)は廃棄物系バイオマスの発生抑制の取組等により中長期的には減少傾向 利用量の炭素量換算値は現時点で約2400万トンとなっているが2025年に約2600万トンが利用されることを目指す 既存の利用方法に配慮しつつより経済的な価値を生み出す高度利用等を推進すべくバイオマスの種類毎の目標を設定

2010年(平成22年)

2015年(平成27年) 【中長期的傾向】

2025年(令和7年)

バイオマスの発生量

(炭素換算値)約3300万トン 約3400万トン

廃棄物系バイオマスは発生抑制の取組等により減少傾向

[将来予測]約3200万トン

バイオマスの利用量

(炭素換算値)

約2300万トン[利用率]約697

約2400万トン[利用率]約706 [推進施策]

製品として価値の高い順に可能な限り繰り返し利用する多段階利用やエネルギー効率の高い熱利用などの取組を推進

木材の安定供給に影響を及ぼさないようマテリアル利用とエネルギー利用の両立を図りつつ活用を推進

地域の実情に応じた地域経済の好循環に結びつく構想づくりを支援し生み出された価値が農林漁業の振興や地域への利益還元につながる取組を推進

[目標値]約2600万トン

バイオマスの種類 発生量 利用量 利用率 利用率

廃棄物系バイオマス

家畜排せつ物 87 約90

下水汚泥 68 約85

黒液 100 100

紙 81 約85

食品廃棄物 29 約40

製材工場等残材 97 約97

建設発生木材1 94 約95

未利用系

バイオマス

農作物非食用部(すき込みを除く) 32 約45

林地残材 13 30以上

1000万トン814万トン

発生量486万トン利用量419万トン

90万トン61万トン

403万トン403万トン

65万トン19万トン

320万トン310万トン

220万トン207万トン

438万トン139万トン

420万トン56万トン

各年度の実績の数値を計上(基本計画に記載の利用率等は各年度時点の最新の統計調査に基づくものであるため異なる場合がある) 1建設発材は元となる統計調査が5年ごとであり平成20年度実績の数値

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定

13

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

北海道 策定済み(H2512) 12 30 35

青森県 策定済み(H2312) 2 12 2

岩手県 未策定 2 9 2秋田県 未策定 0 9 0宮城県 未策定 2 4 5山形県 未策定 1 8 2

福島県 策定済み(H3011) 1 9 0

茨城県 策定済み(H293) 0 7 1

栃木県 未策定 4 5 3

群馬県 策定済み(H293改訂) 1 5 1

埼玉県 策定済み(H303改訂) 0 1 0

千葉県 策定済み(H238 ) 0 9 0

東京都 未策定 0 2 0神奈川県 未策定 0 2 0山梨県 未策定 1 8 1長野県 未策定 1 10 1

静岡県 策定済み(H293改訂) 4 4 2

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

新潟県 策定済み(H303改定) 4 14 2

富山県 未策定 1 7 2石川県 未策定 0 7 0福井県 未策定 0 4 0岐阜県 未策定 0 6 0

愛知県策定済み(H293策

定)0 4 2

三重県 未策定 1 2 1滋賀県 未策定 0 6 0

京都府 策定済み(H2410) 2 5 3

大阪府 未策定 0 3 0

兵庫県 策定済み(H2810) 4 10 2

奈良県 未策定 0 5 0和歌山県 未策定 0 4 0鳥取県 未策定 1 2 1

島根県 策定済み(H253) 1 9 3

岡山県 未策定 2 7 3広島県 未策定 1 5 1

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

山口県 策定済み(H253 ) 1 4 1

徳島県 未策定 0 3 0香川県 未策定 1 1 1

愛媛県 策定済み(H246) 1 5 0

高知県 未策定 0 9 0福岡県 未策定 4 5 4佐賀県 未策定 2 4 2長崎県 未策定 1 7 0

熊本県 策定済み(H243 ) 1 11 0

宮崎県 策定済み(H254) 1 7 1

大分県 策定済み(H283 ) 2 7 4

鹿児島県策定済み(H293改

訂)2 15 2

沖縄県 未策定 1 6 0

計 1966 318 90

386重複を除く

目標 47 600

バイオマス活用推進計画の策定数は現在都道府県計画19道府県市町村計画65市町村(類似施策を含めると重複を排除して386市町村)であり2025年までに全都道府県600市町村での計画策定を目指す

バイオマスの活用を推進する地域計画の策定状況 (農林水産省調べ(R2年4月 現在))

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー4バイオマス産業の市場規模

14

バイオマス産業の市場規模の推計(農林水産省調べ)

注) 旧基本計画策定以前から明確に市場が形成されている肥料飼料などは推計の対象外としている 経済波及効果は総務省が公開している産業連関表に基づく統合大分類(37部門)による経済波及効果の簡易計算ツールを用いて算定

バイオマス産業の市場規模については旧基本計画策定当時経済波及効果を含め約1200億円規模であったものが固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大し現時点で約3500億円(約70)

新たな基本計画の下発電以外の取組についての市場規模の拡大も推進しつつ2025年に5000億円の市場の形成を目指す

旧基本計画策定時点2010年

(平成22年)

現在2015年

(平成27年)

目標値2025年

(平成37年)

市場規模 約1200億円 約3500億円 5000億円

億円

5000

4000

3000

2000

1000

0

C

C

C

C

C

発電以外の取組についても拡大を推進

固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー5バイオマス産業都市について

15

バイオマス産業都市とは経済性が確保された一貫システムを構築し地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまちむらづくりを目指す地域であり関係7府省が共同で選定

関係7府省内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省

地方公共団体等

バイオマス産業を軸としたまちむらづくり

バイオガスプラント園芸農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥

家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物し尿 電気熱

(農作物)

加工施設小売店等へ

(畜産物)加工施設小売店等へ

低品質材(CD材)未利用材竹

木質チップペレット製造施設

木質バイオマス発電施設

(売電)

農業地域

農村部都市部

畜産農家

一般家庭

高品質材(AB材)

製材工場等

製材工場等残材建築家具製造メーカー等へ

マテリアル利用製紙工場等へ

電気熱

(チップペレット)

ボイラー用燃料

林業者

林業地域 畜産酪農地域

木質バイオマスボイラー

電気熱

(バイオマス産業都市のイメージ)

漁業地域漁業者

(海産物) 加工施設小売店等へ

水産残さ等堆肥化施設バイオガスプラント

堆肥液肥(売電)

(売電)

経済性が確保された一貫システムの構築

液肥散布

BDF製造施設発電施設

(売電)廃食用油

輸送用燃料

耕種農家

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

北海道ブロック(35市町村)十勝地域(19市町村)下川町別海町<H25①>釧路市興部町<H25②>平取町<H27>知内町音威子府村西興部村標茶町<H28>滝上町中標津町鶴居村<H29>稚内市浜頓別町幌延町<H30>八雲町<R1>

東北ブロック(11市町村)青森県 平川市<H28>西目屋村<H29>岩手県 一関市<H28>軽米町<R1>宮城県 東松島市<H25①>

南三陸町<H25②>大崎市<H27>加美町<H28>色麻町<H29>

山形県 最上町<H27>飯豊町<H29>

関東ブロック(9市町村)茨城県 牛久市<H25①>栃木県 茂木町<H27>大田原市<H29>さくら市<R1>群馬県 上野村<H29>山梨県 甲斐市<H27>静岡県 浜松市<H25②>掛川市<H28>長野県 中野市<R1>

北陸ブロック(4市)新潟県 新潟市<H25①>十日町市<H28>富山県 射水市<H26>南砺市<H28>

東海ブロック(3市)愛知県 大府市<H25①>半田市<H28>三重県 津市<H25②>

近畿ブロック(5市町)京都府 南丹市<H27>京丹波町<H28>京都市<H29>兵庫県 洲本市<H26>養父市<H30>

中国四国ブロック(10市町村)鳥取県 北栄町<H30>島根県 奥出雲町<H25②>

隠岐の島町<H26>飯南町<H27>

岡山県 真庭市西粟倉村<H25②>津山市<H27>

広島県 東広島市<H29>山口県 宇部市<H29>香川県 三豊市<H25①>

九州ブロック(13市町)福岡県 みやま市<H26>宗像市<H27>糸島市<H28>朝倉市<R1>佐賀県 佐賀市<H26>玄海町<R1>大分県 佐伯市<H26>臼杵市<H27>国東市<H28>竹田市<R1>宮崎県 小林市<H27>鹿児島県 薩摩川内市長島町<H28>

H25H26 H27 H28 H29 H30 R1

1次 2次26 8 6 11 16 11 5 7

年度別選定地域数(市町村数) <>内は選定年度(①1次選定②2次選定)青字は令和元年度選定地域

16

Ⅱー6バイオマス産業都市の選定地域(9 0市町村)

image1wmf

_1634651316doc

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト

17

用途 原料 木質バイオマス 家畜排せつ物 食品廃棄物 下水汚泥

発電

FIT活用

下川町滝上町中標津町鶴居村一関市東松島市最上町大田原市上野村甲斐市浜松市掛川市射水市津市京都市津山市真庭市佐伯市臼杵市

十勝地域音威子府村下川町興部町西興部村別海町標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町幌延町八雲町平川市一関市色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市南丹市京丹波町養父市糸島市国東市長島町玄海町

音威子府村西興部村標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市東松島市色麻町飯豊町大田原市浜松市十日町市半田市大府市南丹市京都市洲本市養父市宇部市糸島市佐伯市臼杵市国東市長島町朝倉市

音威子府村興部町平川市色麻町飯豊町浜松市十日町市南丹市洲本市佐伯市国東市玄海町

その他(未定を含む)

十勝地域釧路市興部町十日町市養父市隠岐の島町小林市

釧路市大崎市加美町最上町北栄町宗像市小林市長島町

興部町滝上町大崎市加美町南三陸町最上町新潟市南砺市津市宗像市みやま市佐賀市小林市

加美町南三陸町最上町新潟市養父市北栄町宗像市みやま市

熱 利 用

十勝地域釧路市知内町下川町平取町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村平川市西目屋村一関市東松島市大崎市加美町南三陸町最上町飯豊町牛久市上野村茂木町大田原市甲斐市浜松市掛川市中野市新潟市十日町市南砺市津市南丹市京丹波町京都市洲本市養父市北栄町奥出雲町飯南町隠岐の島町津山市西粟倉村東広島市三豊市みやま市糸島市佐賀市佐伯市臼杵市国東市小林市朝倉市

十勝地域釧路市下川町音威子府村西興部村標茶町興部町別海町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市一関市加美町色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市京丹波町国東市長島町

音威子府村興部町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村稚内市浜頓別平川市東松島市加美町飯豊町南三陸町色麻町最上町大田原市新潟市十日町市南砺市半田市津市隠岐の島町宇部市臼杵市国東市

音威子府村平川市加美町色麻町最上町飯豊町新潟市十日町市国東市

肥料飼料等 茂木町射水市京都市洲本市飯南町津山市東広島市三豊市宗像市

十勝地域釧路市音威子府村下川町興部町西興部村標茶町別海町中標津町鶴居村八雲町平川市一関市加美町大崎市色麻町最上町平川市茂木町大田原市甲斐市掛川市十日町市半田市南丹市京丹波町飯南町糸島市宗像市佐賀市小林市長島町

興部町音威子府村西興部村標茶町平川市東松島市大崎市加美町南三陸町色麻町最上町茂木町甲斐市浜松市新潟市十日町市南砺市半田市大府市南丹市三豊市隠岐の島町東広島市宇部市宗像市みやま市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市長島町

音威子府村平川市南三陸町加美町色麻町最上町十日町市南丹市京都市宗像市みやま市国東市

燃 料

下川町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村幌延町平取町西目屋村一関市大崎市加美町南三陸町飯豊町大田原市上野村牛久市掛川市新潟市十日町市津市京丹波町京都市北栄町隠岐の島町東広島市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市竹田市

軽米町南丹市

十勝地域下川町平川市大崎市軽米町牛久市茂木町甲斐市新潟市射水市十日町市大府市南丹市京都市洲本市飯南町真庭市三豊市宗像市みやま市臼杵市小林市

稚内市津市南丹市京都市

その他(マテリアル利用等)

茂木町大田原市京都市洲本市隠岐の島町津山市真庭市三豊市糸島市薩摩川内市 半田市 浜松市新潟市

地域名市町村名の着色は前ページの地域ブロックの着色と同一であり下線は令和元年度選定市町村

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)

18

固定価格買取制度は再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを約束する制度のことで太陽光風力水力地熱バイオマス由来の電気が対象買取の価格(調達価格)と期間(調達期間)は専門家で構成される調達価格等算定委員会の意見を尊重し経済産業大臣が決定

令和2年度の主要なバイオマス発電による電気の調達価格は13~40円kWh(税抜) 一般木材バイオマスのうち10000kw以上は入札制比較的小規模の10000kw未満は地域分散型エネルギー

源となりうるため24円kwh(税抜)を維持また競争環境が成立しているバイオマス液体燃料(全規模)も同様に入札制

令和2年度の調達価格と調達期間(バイオマス関係)

バイオマスの種類 調達価格1kWh当たり

調達期間

メタン発酵ガス(バイオマス由来) 39円+税

20年間

間伐材等由来の木質バイオマス1

2000kW未満 40円+税

2000kW以上 32円+税

一般木材バイオマス210000kW未満 24円+税

10000kW以上 +税

バイオマス液体燃料 +税

建設資材廃棄物 13円+税

一般廃棄物その他のバイオマス 17円+税1 「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」に基づく証明のないものにつ

いては建設資材廃棄物と同等に取扱う2 農作物の収穫に伴って生じるバイオマスも含む

事業計画

費用負担調整機関

制度の概要

入札制度

入札制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー9バイオマス発電の導入状況

19

固定価格買取制度を活用したバイオマス発電については平成31年3月末において約171万kWが運転を開始済RPS制度のもとで導入された発電設備の設備容量を合わせると約402万kWが稼動

バイオマス発電の固定価格買取制度による買取電力量は平成30年度で約125億kWh

平成31年3月末におけるバイオマス発電の導入状況

(注) 四捨五入により合計値が合わない場合がある 設備認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値を集計

単位千kWRPS FIT設備導入量 ( )はRPSからFITへの移行を含む 合計

(FIT計)FIT導入後 認定容量

~H246 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H2407~H313

メタン発酵ガス(バイオマス由来)

147 32 60 74 115 126 123 676 837(32) (172) (74) (104) (122) (130) (634)

間伐材由来の木質バイオマス

145 129 559 1379 901 291 473 3879 5055(129) (655) (1374) (901) (291) (516) (3867)

一般木質バイオマス農作物残渣

1634 298 118 961 1919 3328 3442 11701 79623(298) (856) (961) (1919) (3328) (3947) (11310)

建設資材廃棄物4398 03 35 54 00 38 18 4511 857

(03) (3355) (54) (00) (44) (97) (3552)

一般廃棄物その他のバイオマス

16814 762 243 471 395 306 462 19451 3727(762) (7305) (428) (357) (94) (694) (9640)

計 231381224 1015 2939 3330 4089 4482 40218 90099

17079 (29003)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況

20

沖縄県 1845(3件) 8558(4件)

北海道14048(74件)86544( 5件) 9421( 3件)30084( 9件)

青森県 980(3件) 6250(1件)12400(1件) 6657(2件)

岩手県 630(3件)14717(4件)19800(2件)11297(4件)

宮城県 1143(3件) 880(3件)62657(1件) 1816(1件)14983(4件)

秋田県 730(1件) 7130(3件)21490(2件) 3750(2件) 4765(2件)

東京都 1468( 4件)166303(24件)

神奈川県 9000(3件)49000(1件) 2064(1件)44222(8件)

群馬県 725(3件) 6795(2件)13600(1件) 5540(2件)

千葉県 670(2件)47557(3件)12378(8件)

静岡県 1518(6件)89021(4件)54524(7件)

埼玉県 370( 1件) 146( 1件) 5976( 3件)16721( 1件)26003(12件)

岐阜県 685(2件) 6482(2件) 4300(1件) 600(1件) 6068(3件)

愛知県 2354( 6件)128029( 3件) 76096(14件)

和歌山県 10(1件) 2690(2件)

奈良県 50(1件) 6500(1件) 3499(2件)

京都府 155( 1件) 1760( 1件)17834( 4件)

鳥取県 1490(3件)22350(2件) 2360(1件)

山口県 74(2件) 67(1件)59656(2件)43123(2件)22526(4件)

島根県 759(1件) 6550(1件)12700(1件) 5400(3件)

岡山県 25(1件)10336(2件) 3949(2件) 8756(3件)

広島県 1116(1件)10157(2件)10800(2件)35792(7件)

高知県12750(2件)29500(1件)25730(2件) 5354(3件)

佐賀県 9850(1件) 4403(2件)

鹿児島県29450(2件)49000(1件)13255(5件)

表示出力は発電設備の認定出力にバイオマス比率を乗じたもの(各都道府県の合計出力)

平成31年3月末現在運転開始済みのものでFIT活用施設のみ

(資料)資源エネルギー庁資料を

もとに農林水産省作成

愛媛県 1160(2件)12500(1件)16134(4件)

三重県 1286(5件) 5800(1件)26980(3件) 1990(1件)18011(6件)

茨城県 645(2件) 7740(2件)190523(7件) 4990(1件) 11981(6件)

福島県 25(1件) 5785(3件)69855(2件)27772(2件)18433(5件)

山梨県14500(1件) 4698(3件)

新潟県 709(4件)12000(2件)10704(4件)

長崎県 250(1件) 7840(1件) 4750(3件)

福岡県 3397(3件)116450(3件) 59690(8件)

長野県 710(3件) 5060(4件) 5648(3件)

山形県 825(2件)13352(5件)55250(2件) 5813(4件)

徳島県 6470(2件) 710(1件)

大阪府 5440( 7件)14170( 3件)98781(14件)

香川県 525(2件) 1484(1件)

大分県 990(3件)25416(3件)50000(1件)12000(1件) 7426(3件)

宮崎県 2161(2件)38880(5件)19620(3件)14893(3件)

兵庫県 1382( 5件)22179( 3件)22740( 2件)21608( 2件)55961(14件)

栃木県 2525(9件) 1995(1件) 265(1件)24000(1件) 9214(6件)

石川県 455(3件)10920(4件)

全国計 メタンガス 63382kW (183件) 未利用木質 386741kW ( 70件) 一般木質 1130962kW ( 58件) 建設廃材 355237kW ( 32件) 一般廃棄物 963995kW (237件)

出 力 導入件数

福井県 25(1件) 7545(2件)37000(1件)

熊本県 808(1件) 6327(2件)12500(2件) 185(1件) 2850(1件)

富山県 195(1件) 5750(1件) 990(1件)13330(2件)

滋賀県 25(1件) 3550(1件) 3221(3件)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

36444

50693 58243

78258

98184 110092

126035 119569

120161

126532

131400

63 7585

108 109120

142 142 148 147 154

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大

21

木質バイオマスの活用は再生可能エネルギーの推進だけではなく林業や地域経済の活性化雇用の確保等にも貢献特に未利用となっている林地残材には大きな可能性

木質バイオマスは木質チップや木質ペレット等に加工され製材工場や公共施設発電所等におけるエネルギー源としての利用が増えてきている

木質バイオマスボイラー数の推移木質バイオマスボイラーは製材工場などを中心に2000基程度が設置されており最近は公共施設や温泉農業施設などへの導入も進んできている

地球温暖化問題への関心の高まりや化石燃料から再生可能エネルギー熱への転換による経営リスクの軽減等を背景に近年生産施設数及び生産量ともに増加

(基) ( t )(施設数)

- 施設数(第1軸(左)) 生産量(第2軸(右))

615 838

924

1218

1461

1701

2023

1945

1972

2058

2064

0

500

1000

1500

2000

2500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

台数

木質ペレットの製造施設数及び生産量

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 12: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標

11

将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿

環境負荷の少ない持続的な社会 新たな産業創出と農林漁業農山漁村の活性化 バイオマス利用を軸にした新しいライフスタイル 国際的な連携の下でのバイオマス活用

バイオマスの利用拡大 化石資源を用いて製造されているエネルギー

や製品をバイオマス由来のものに代替することで炭素量換算で年間約2600万炭素トンのバイオマスを利用

バイオマスの種類ごとに利用率の目標を設定

地球温暖化の防止や循環型社会の形成

バイオマス産業の規模 バイオマスをエネルギーや製品に活用する環境

調和型産業を育成しそれらの産業化が進展することを前提として5000億円の市場を形成

新たな産業の発展や国際競争力の強化

バイオマス活用推進計画の策定 都道府県バイオマス活用推進計画を全ての

都道府県で策定 市町村バイオマス活用推進計画を全市町村

数の3分の1に相当する600市町村で策定

農林漁業農山漁村の活性化

将来像を実現するために必要な目標(2025年)を設定

現基本計画では将来的に実現すべきバイオマスの活用が進んだ社会の姿を想定し柱となる「地球温暖化の防止」「新たな産業の発展」「農山漁村の活性化」の達成状況を判断する指標としてバイオマスの利用拡大バイオマス新産業の規模バイオマス活用推進計画の策定を評価軸に2025年に国が達成すべき目標値を設定

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー2バイオマスの利用拡大

12

バイオマスの発生量(賦存量)は廃棄物系バイオマスの発生抑制の取組等により中長期的には減少傾向 利用量の炭素量換算値は現時点で約2400万トンとなっているが2025年に約2600万トンが利用されることを目指す 既存の利用方法に配慮しつつより経済的な価値を生み出す高度利用等を推進すべくバイオマスの種類毎の目標を設定

2010年(平成22年)

2015年(平成27年) 【中長期的傾向】

2025年(令和7年)

バイオマスの発生量

(炭素換算値)約3300万トン 約3400万トン

廃棄物系バイオマスは発生抑制の取組等により減少傾向

[将来予測]約3200万トン

バイオマスの利用量

(炭素換算値)

約2300万トン[利用率]約697

約2400万トン[利用率]約706 [推進施策]

製品として価値の高い順に可能な限り繰り返し利用する多段階利用やエネルギー効率の高い熱利用などの取組を推進

木材の安定供給に影響を及ぼさないようマテリアル利用とエネルギー利用の両立を図りつつ活用を推進

地域の実情に応じた地域経済の好循環に結びつく構想づくりを支援し生み出された価値が農林漁業の振興や地域への利益還元につながる取組を推進

[目標値]約2600万トン

バイオマスの種類 発生量 利用量 利用率 利用率

廃棄物系バイオマス

家畜排せつ物 87 約90

下水汚泥 68 約85

黒液 100 100

紙 81 約85

食品廃棄物 29 約40

製材工場等残材 97 約97

建設発生木材1 94 約95

未利用系

バイオマス

農作物非食用部(すき込みを除く) 32 約45

林地残材 13 30以上

1000万トン814万トン

発生量486万トン利用量419万トン

90万トン61万トン

403万トン403万トン

65万トン19万トン

320万トン310万トン

220万トン207万トン

438万トン139万トン

420万トン56万トン

各年度の実績の数値を計上(基本計画に記載の利用率等は各年度時点の最新の統計調査に基づくものであるため異なる場合がある) 1建設発材は元となる統計調査が5年ごとであり平成20年度実績の数値

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Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定

13

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

北海道 策定済み(H2512) 12 30 35

青森県 策定済み(H2312) 2 12 2

岩手県 未策定 2 9 2秋田県 未策定 0 9 0宮城県 未策定 2 4 5山形県 未策定 1 8 2

福島県 策定済み(H3011) 1 9 0

茨城県 策定済み(H293) 0 7 1

栃木県 未策定 4 5 3

群馬県 策定済み(H293改訂) 1 5 1

埼玉県 策定済み(H303改訂) 0 1 0

千葉県 策定済み(H238 ) 0 9 0

東京都 未策定 0 2 0神奈川県 未策定 0 2 0山梨県 未策定 1 8 1長野県 未策定 1 10 1

静岡県 策定済み(H293改訂) 4 4 2

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

新潟県 策定済み(H303改定) 4 14 2

富山県 未策定 1 7 2石川県 未策定 0 7 0福井県 未策定 0 4 0岐阜県 未策定 0 6 0

愛知県策定済み(H293策

定)0 4 2

三重県 未策定 1 2 1滋賀県 未策定 0 6 0

京都府 策定済み(H2410) 2 5 3

大阪府 未策定 0 3 0

兵庫県 策定済み(H2810) 4 10 2

奈良県 未策定 0 5 0和歌山県 未策定 0 4 0鳥取県 未策定 1 2 1

島根県 策定済み(H253) 1 9 3

岡山県 未策定 2 7 3広島県 未策定 1 5 1

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

山口県 策定済み(H253 ) 1 4 1

徳島県 未策定 0 3 0香川県 未策定 1 1 1

愛媛県 策定済み(H246) 1 5 0

高知県 未策定 0 9 0福岡県 未策定 4 5 4佐賀県 未策定 2 4 2長崎県 未策定 1 7 0

熊本県 策定済み(H243 ) 1 11 0

宮崎県 策定済み(H254) 1 7 1

大分県 策定済み(H283 ) 2 7 4

鹿児島県策定済み(H293改

訂)2 15 2

沖縄県 未策定 1 6 0

計 1966 318 90

386重複を除く

目標 47 600

バイオマス活用推進計画の策定数は現在都道府県計画19道府県市町村計画65市町村(類似施策を含めると重複を排除して386市町村)であり2025年までに全都道府県600市町村での計画策定を目指す

バイオマスの活用を推進する地域計画の策定状況 (農林水産省調べ(R2年4月 現在))

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー4バイオマス産業の市場規模

14

バイオマス産業の市場規模の推計(農林水産省調べ)

注) 旧基本計画策定以前から明確に市場が形成されている肥料飼料などは推計の対象外としている 経済波及効果は総務省が公開している産業連関表に基づく統合大分類(37部門)による経済波及効果の簡易計算ツールを用いて算定

バイオマス産業の市場規模については旧基本計画策定当時経済波及効果を含め約1200億円規模であったものが固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大し現時点で約3500億円(約70)

新たな基本計画の下発電以外の取組についての市場規模の拡大も推進しつつ2025年に5000億円の市場の形成を目指す

旧基本計画策定時点2010年

(平成22年)

現在2015年

(平成27年)

目標値2025年

(平成37年)

市場規模 約1200億円 約3500億円 5000億円

億円

5000

4000

3000

2000

1000

0

C

C

C

C

C

発電以外の取組についても拡大を推進

固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー5バイオマス産業都市について

15

バイオマス産業都市とは経済性が確保された一貫システムを構築し地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまちむらづくりを目指す地域であり関係7府省が共同で選定

関係7府省内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省

地方公共団体等

バイオマス産業を軸としたまちむらづくり

バイオガスプラント園芸農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥

家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物し尿 電気熱

(農作物)

加工施設小売店等へ

(畜産物)加工施設小売店等へ

低品質材(CD材)未利用材竹

木質チップペレット製造施設

木質バイオマス発電施設

(売電)

農業地域

農村部都市部

畜産農家

一般家庭

高品質材(AB材)

製材工場等

製材工場等残材建築家具製造メーカー等へ

マテリアル利用製紙工場等へ

電気熱

(チップペレット)

ボイラー用燃料

林業者

林業地域 畜産酪農地域

木質バイオマスボイラー

電気熱

(バイオマス産業都市のイメージ)

漁業地域漁業者

(海産物) 加工施設小売店等へ

水産残さ等堆肥化施設バイオガスプラント

堆肥液肥(売電)

(売電)

経済性が確保された一貫システムの構築

液肥散布

BDF製造施設発電施設

(売電)廃食用油

輸送用燃料

耕種農家

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

北海道ブロック(35市町村)十勝地域(19市町村)下川町別海町<H25①>釧路市興部町<H25②>平取町<H27>知内町音威子府村西興部村標茶町<H28>滝上町中標津町鶴居村<H29>稚内市浜頓別町幌延町<H30>八雲町<R1>

東北ブロック(11市町村)青森県 平川市<H28>西目屋村<H29>岩手県 一関市<H28>軽米町<R1>宮城県 東松島市<H25①>

南三陸町<H25②>大崎市<H27>加美町<H28>色麻町<H29>

山形県 最上町<H27>飯豊町<H29>

関東ブロック(9市町村)茨城県 牛久市<H25①>栃木県 茂木町<H27>大田原市<H29>さくら市<R1>群馬県 上野村<H29>山梨県 甲斐市<H27>静岡県 浜松市<H25②>掛川市<H28>長野県 中野市<R1>

北陸ブロック(4市)新潟県 新潟市<H25①>十日町市<H28>富山県 射水市<H26>南砺市<H28>

東海ブロック(3市)愛知県 大府市<H25①>半田市<H28>三重県 津市<H25②>

近畿ブロック(5市町)京都府 南丹市<H27>京丹波町<H28>京都市<H29>兵庫県 洲本市<H26>養父市<H30>

中国四国ブロック(10市町村)鳥取県 北栄町<H30>島根県 奥出雲町<H25②>

隠岐の島町<H26>飯南町<H27>

岡山県 真庭市西粟倉村<H25②>津山市<H27>

広島県 東広島市<H29>山口県 宇部市<H29>香川県 三豊市<H25①>

九州ブロック(13市町)福岡県 みやま市<H26>宗像市<H27>糸島市<H28>朝倉市<R1>佐賀県 佐賀市<H26>玄海町<R1>大分県 佐伯市<H26>臼杵市<H27>国東市<H28>竹田市<R1>宮崎県 小林市<H27>鹿児島県 薩摩川内市長島町<H28>

H25H26 H27 H28 H29 H30 R1

1次 2次26 8 6 11 16 11 5 7

年度別選定地域数(市町村数) <>内は選定年度(①1次選定②2次選定)青字は令和元年度選定地域

16

Ⅱー6バイオマス産業都市の選定地域(9 0市町村)

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト

17

用途 原料 木質バイオマス 家畜排せつ物 食品廃棄物 下水汚泥

発電

FIT活用

下川町滝上町中標津町鶴居村一関市東松島市最上町大田原市上野村甲斐市浜松市掛川市射水市津市京都市津山市真庭市佐伯市臼杵市

十勝地域音威子府村下川町興部町西興部村別海町標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町幌延町八雲町平川市一関市色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市南丹市京丹波町養父市糸島市国東市長島町玄海町

音威子府村西興部村標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市東松島市色麻町飯豊町大田原市浜松市十日町市半田市大府市南丹市京都市洲本市養父市宇部市糸島市佐伯市臼杵市国東市長島町朝倉市

音威子府村興部町平川市色麻町飯豊町浜松市十日町市南丹市洲本市佐伯市国東市玄海町

その他(未定を含む)

十勝地域釧路市興部町十日町市養父市隠岐の島町小林市

釧路市大崎市加美町最上町北栄町宗像市小林市長島町

興部町滝上町大崎市加美町南三陸町最上町新潟市南砺市津市宗像市みやま市佐賀市小林市

加美町南三陸町最上町新潟市養父市北栄町宗像市みやま市

熱 利 用

十勝地域釧路市知内町下川町平取町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村平川市西目屋村一関市東松島市大崎市加美町南三陸町最上町飯豊町牛久市上野村茂木町大田原市甲斐市浜松市掛川市中野市新潟市十日町市南砺市津市南丹市京丹波町京都市洲本市養父市北栄町奥出雲町飯南町隠岐の島町津山市西粟倉村東広島市三豊市みやま市糸島市佐賀市佐伯市臼杵市国東市小林市朝倉市

十勝地域釧路市下川町音威子府村西興部村標茶町興部町別海町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市一関市加美町色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市京丹波町国東市長島町

音威子府村興部町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村稚内市浜頓別平川市東松島市加美町飯豊町南三陸町色麻町最上町大田原市新潟市十日町市南砺市半田市津市隠岐の島町宇部市臼杵市国東市

音威子府村平川市加美町色麻町最上町飯豊町新潟市十日町市国東市

肥料飼料等 茂木町射水市京都市洲本市飯南町津山市東広島市三豊市宗像市

十勝地域釧路市音威子府村下川町興部町西興部村標茶町別海町中標津町鶴居村八雲町平川市一関市加美町大崎市色麻町最上町平川市茂木町大田原市甲斐市掛川市十日町市半田市南丹市京丹波町飯南町糸島市宗像市佐賀市小林市長島町

興部町音威子府村西興部村標茶町平川市東松島市大崎市加美町南三陸町色麻町最上町茂木町甲斐市浜松市新潟市十日町市南砺市半田市大府市南丹市三豊市隠岐の島町東広島市宇部市宗像市みやま市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市長島町

音威子府村平川市南三陸町加美町色麻町最上町十日町市南丹市京都市宗像市みやま市国東市

燃 料

下川町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村幌延町平取町西目屋村一関市大崎市加美町南三陸町飯豊町大田原市上野村牛久市掛川市新潟市十日町市津市京丹波町京都市北栄町隠岐の島町東広島市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市竹田市

軽米町南丹市

十勝地域下川町平川市大崎市軽米町牛久市茂木町甲斐市新潟市射水市十日町市大府市南丹市京都市洲本市飯南町真庭市三豊市宗像市みやま市臼杵市小林市

稚内市津市南丹市京都市

その他(マテリアル利用等)

茂木町大田原市京都市洲本市隠岐の島町津山市真庭市三豊市糸島市薩摩川内市 半田市 浜松市新潟市

地域名市町村名の着色は前ページの地域ブロックの着色と同一であり下線は令和元年度選定市町村

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)

18

固定価格買取制度は再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを約束する制度のことで太陽光風力水力地熱バイオマス由来の電気が対象買取の価格(調達価格)と期間(調達期間)は専門家で構成される調達価格等算定委員会の意見を尊重し経済産業大臣が決定

令和2年度の主要なバイオマス発電による電気の調達価格は13~40円kWh(税抜) 一般木材バイオマスのうち10000kw以上は入札制比較的小規模の10000kw未満は地域分散型エネルギー

源となりうるため24円kwh(税抜)を維持また競争環境が成立しているバイオマス液体燃料(全規模)も同様に入札制

令和2年度の調達価格と調達期間(バイオマス関係)

バイオマスの種類 調達価格1kWh当たり

調達期間

メタン発酵ガス(バイオマス由来) 39円+税

20年間

間伐材等由来の木質バイオマス1

2000kW未満 40円+税

2000kW以上 32円+税

一般木材バイオマス210000kW未満 24円+税

10000kW以上 +税

バイオマス液体燃料 +税

建設資材廃棄物 13円+税

一般廃棄物その他のバイオマス 17円+税1 「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」に基づく証明のないものにつ

いては建設資材廃棄物と同等に取扱う2 農作物の収穫に伴って生じるバイオマスも含む

事業計画

費用負担調整機関

制度の概要

入札制度

入札制度

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Ⅱー9バイオマス発電の導入状況

19

固定価格買取制度を活用したバイオマス発電については平成31年3月末において約171万kWが運転を開始済RPS制度のもとで導入された発電設備の設備容量を合わせると約402万kWが稼動

バイオマス発電の固定価格買取制度による買取電力量は平成30年度で約125億kWh

平成31年3月末におけるバイオマス発電の導入状況

(注) 四捨五入により合計値が合わない場合がある 設備認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値を集計

単位千kWRPS FIT設備導入量 ( )はRPSからFITへの移行を含む 合計

(FIT計)FIT導入後 認定容量

~H246 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H2407~H313

メタン発酵ガス(バイオマス由来)

147 32 60 74 115 126 123 676 837(32) (172) (74) (104) (122) (130) (634)

間伐材由来の木質バイオマス

145 129 559 1379 901 291 473 3879 5055(129) (655) (1374) (901) (291) (516) (3867)

一般木質バイオマス農作物残渣

1634 298 118 961 1919 3328 3442 11701 79623(298) (856) (961) (1919) (3328) (3947) (11310)

建設資材廃棄物4398 03 35 54 00 38 18 4511 857

(03) (3355) (54) (00) (44) (97) (3552)

一般廃棄物その他のバイオマス

16814 762 243 471 395 306 462 19451 3727(762) (7305) (428) (357) (94) (694) (9640)

計 231381224 1015 2939 3330 4089 4482 40218 90099

17079 (29003)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況

20

沖縄県 1845(3件) 8558(4件)

北海道14048(74件)86544( 5件) 9421( 3件)30084( 9件)

青森県 980(3件) 6250(1件)12400(1件) 6657(2件)

岩手県 630(3件)14717(4件)19800(2件)11297(4件)

宮城県 1143(3件) 880(3件)62657(1件) 1816(1件)14983(4件)

秋田県 730(1件) 7130(3件)21490(2件) 3750(2件) 4765(2件)

東京都 1468( 4件)166303(24件)

神奈川県 9000(3件)49000(1件) 2064(1件)44222(8件)

群馬県 725(3件) 6795(2件)13600(1件) 5540(2件)

千葉県 670(2件)47557(3件)12378(8件)

静岡県 1518(6件)89021(4件)54524(7件)

埼玉県 370( 1件) 146( 1件) 5976( 3件)16721( 1件)26003(12件)

岐阜県 685(2件) 6482(2件) 4300(1件) 600(1件) 6068(3件)

愛知県 2354( 6件)128029( 3件) 76096(14件)

和歌山県 10(1件) 2690(2件)

奈良県 50(1件) 6500(1件) 3499(2件)

京都府 155( 1件) 1760( 1件)17834( 4件)

鳥取県 1490(3件)22350(2件) 2360(1件)

山口県 74(2件) 67(1件)59656(2件)43123(2件)22526(4件)

島根県 759(1件) 6550(1件)12700(1件) 5400(3件)

岡山県 25(1件)10336(2件) 3949(2件) 8756(3件)

広島県 1116(1件)10157(2件)10800(2件)35792(7件)

高知県12750(2件)29500(1件)25730(2件) 5354(3件)

佐賀県 9850(1件) 4403(2件)

鹿児島県29450(2件)49000(1件)13255(5件)

表示出力は発電設備の認定出力にバイオマス比率を乗じたもの(各都道府県の合計出力)

平成31年3月末現在運転開始済みのものでFIT活用施設のみ

(資料)資源エネルギー庁資料を

もとに農林水産省作成

愛媛県 1160(2件)12500(1件)16134(4件)

三重県 1286(5件) 5800(1件)26980(3件) 1990(1件)18011(6件)

茨城県 645(2件) 7740(2件)190523(7件) 4990(1件) 11981(6件)

福島県 25(1件) 5785(3件)69855(2件)27772(2件)18433(5件)

山梨県14500(1件) 4698(3件)

新潟県 709(4件)12000(2件)10704(4件)

長崎県 250(1件) 7840(1件) 4750(3件)

福岡県 3397(3件)116450(3件) 59690(8件)

長野県 710(3件) 5060(4件) 5648(3件)

山形県 825(2件)13352(5件)55250(2件) 5813(4件)

徳島県 6470(2件) 710(1件)

大阪府 5440( 7件)14170( 3件)98781(14件)

香川県 525(2件) 1484(1件)

大分県 990(3件)25416(3件)50000(1件)12000(1件) 7426(3件)

宮崎県 2161(2件)38880(5件)19620(3件)14893(3件)

兵庫県 1382( 5件)22179( 3件)22740( 2件)21608( 2件)55961(14件)

栃木県 2525(9件) 1995(1件) 265(1件)24000(1件) 9214(6件)

石川県 455(3件)10920(4件)

全国計 メタンガス 63382kW (183件) 未利用木質 386741kW ( 70件) 一般木質 1130962kW ( 58件) 建設廃材 355237kW ( 32件) 一般廃棄物 963995kW (237件)

出 力 導入件数

福井県 25(1件) 7545(2件)37000(1件)

熊本県 808(1件) 6327(2件)12500(2件) 185(1件) 2850(1件)

富山県 195(1件) 5750(1件) 990(1件)13330(2件)

滋賀県 25(1件) 3550(1件) 3221(3件)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

36444

50693 58243

78258

98184 110092

126035 119569

120161

126532

131400

63 7585

108 109120

142 142 148 147 154

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大

21

木質バイオマスの活用は再生可能エネルギーの推進だけではなく林業や地域経済の活性化雇用の確保等にも貢献特に未利用となっている林地残材には大きな可能性

木質バイオマスは木質チップや木質ペレット等に加工され製材工場や公共施設発電所等におけるエネルギー源としての利用が増えてきている

木質バイオマスボイラー数の推移木質バイオマスボイラーは製材工場などを中心に2000基程度が設置されており最近は公共施設や温泉農業施設などへの導入も進んできている

地球温暖化問題への関心の高まりや化石燃料から再生可能エネルギー熱への転換による経営リスクの軽減等を背景に近年生産施設数及び生産量ともに増加

(基) ( t )(施設数)

- 施設数(第1軸(左)) 生産量(第2軸(右))

615 838

924

1218

1461

1701

2023

1945

1972

2058

2064

0

500

1000

1500

2000

2500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

台数

木質ペレットの製造施設数及び生産量

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 13: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー2バイオマスの利用拡大

12

バイオマスの発生量(賦存量)は廃棄物系バイオマスの発生抑制の取組等により中長期的には減少傾向 利用量の炭素量換算値は現時点で約2400万トンとなっているが2025年に約2600万トンが利用されることを目指す 既存の利用方法に配慮しつつより経済的な価値を生み出す高度利用等を推進すべくバイオマスの種類毎の目標を設定

2010年(平成22年)

2015年(平成27年) 【中長期的傾向】

2025年(令和7年)

バイオマスの発生量

(炭素換算値)約3300万トン 約3400万トン

廃棄物系バイオマスは発生抑制の取組等により減少傾向

[将来予測]約3200万トン

バイオマスの利用量

(炭素換算値)

約2300万トン[利用率]約697

約2400万トン[利用率]約706 [推進施策]

製品として価値の高い順に可能な限り繰り返し利用する多段階利用やエネルギー効率の高い熱利用などの取組を推進

木材の安定供給に影響を及ぼさないようマテリアル利用とエネルギー利用の両立を図りつつ活用を推進

地域の実情に応じた地域経済の好循環に結びつく構想づくりを支援し生み出された価値が農林漁業の振興や地域への利益還元につながる取組を推進

[目標値]約2600万トン

バイオマスの種類 発生量 利用量 利用率 利用率

廃棄物系バイオマス

家畜排せつ物 87 約90

下水汚泥 68 約85

黒液 100 100

紙 81 約85

食品廃棄物 29 約40

製材工場等残材 97 約97

建設発生木材1 94 約95

未利用系

バイオマス

農作物非食用部(すき込みを除く) 32 約45

林地残材 13 30以上

1000万トン814万トン

発生量486万トン利用量419万トン

90万トン61万トン

403万トン403万トン

65万トン19万トン

320万トン310万トン

220万トン207万トン

438万トン139万トン

420万トン56万トン

各年度の実績の数値を計上(基本計画に記載の利用率等は各年度時点の最新の統計調査に基づくものであるため異なる場合がある) 1建設発材は元となる統計調査が5年ごとであり平成20年度実績の数値

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Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定

13

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

北海道 策定済み(H2512) 12 30 35

青森県 策定済み(H2312) 2 12 2

岩手県 未策定 2 9 2秋田県 未策定 0 9 0宮城県 未策定 2 4 5山形県 未策定 1 8 2

福島県 策定済み(H3011) 1 9 0

茨城県 策定済み(H293) 0 7 1

栃木県 未策定 4 5 3

群馬県 策定済み(H293改訂) 1 5 1

埼玉県 策定済み(H303改訂) 0 1 0

千葉県 策定済み(H238 ) 0 9 0

東京都 未策定 0 2 0神奈川県 未策定 0 2 0山梨県 未策定 1 8 1長野県 未策定 1 10 1

静岡県 策定済み(H293改訂) 4 4 2

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

新潟県 策定済み(H303改定) 4 14 2

富山県 未策定 1 7 2石川県 未策定 0 7 0福井県 未策定 0 4 0岐阜県 未策定 0 6 0

愛知県策定済み(H293策

定)0 4 2

三重県 未策定 1 2 1滋賀県 未策定 0 6 0

京都府 策定済み(H2410) 2 5 3

大阪府 未策定 0 3 0

兵庫県 策定済み(H2810) 4 10 2

奈良県 未策定 0 5 0和歌山県 未策定 0 4 0鳥取県 未策定 1 2 1

島根県 策定済み(H253) 1 9 3

岡山県 未策定 2 7 3広島県 未策定 1 5 1

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

山口県 策定済み(H253 ) 1 4 1

徳島県 未策定 0 3 0香川県 未策定 1 1 1

愛媛県 策定済み(H246) 1 5 0

高知県 未策定 0 9 0福岡県 未策定 4 5 4佐賀県 未策定 2 4 2長崎県 未策定 1 7 0

熊本県 策定済み(H243 ) 1 11 0

宮崎県 策定済み(H254) 1 7 1

大分県 策定済み(H283 ) 2 7 4

鹿児島県策定済み(H293改

訂)2 15 2

沖縄県 未策定 1 6 0

計 1966 318 90

386重複を除く

目標 47 600

バイオマス活用推進計画の策定数は現在都道府県計画19道府県市町村計画65市町村(類似施策を含めると重複を排除して386市町村)であり2025年までに全都道府県600市町村での計画策定を目指す

バイオマスの活用を推進する地域計画の策定状況 (農林水産省調べ(R2年4月 現在))

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Ⅱー4バイオマス産業の市場規模

14

バイオマス産業の市場規模の推計(農林水産省調べ)

注) 旧基本計画策定以前から明確に市場が形成されている肥料飼料などは推計の対象外としている 経済波及効果は総務省が公開している産業連関表に基づく統合大分類(37部門)による経済波及効果の簡易計算ツールを用いて算定

バイオマス産業の市場規模については旧基本計画策定当時経済波及効果を含め約1200億円規模であったものが固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大し現時点で約3500億円(約70)

新たな基本計画の下発電以外の取組についての市場規模の拡大も推進しつつ2025年に5000億円の市場の形成を目指す

旧基本計画策定時点2010年

(平成22年)

現在2015年

(平成27年)

目標値2025年

(平成37年)

市場規模 約1200億円 約3500億円 5000億円

億円

5000

4000

3000

2000

1000

0

C

C

C

C

C

発電以外の取組についても拡大を推進

固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大

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Ⅱー5バイオマス産業都市について

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バイオマス産業都市とは経済性が確保された一貫システムを構築し地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまちむらづくりを目指す地域であり関係7府省が共同で選定

関係7府省内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省

地方公共団体等

バイオマス産業を軸としたまちむらづくり

バイオガスプラント園芸農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥

家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物し尿 電気熱

(農作物)

加工施設小売店等へ

(畜産物)加工施設小売店等へ

低品質材(CD材)未利用材竹

木質チップペレット製造施設

木質バイオマス発電施設

(売電)

農業地域

農村部都市部

畜産農家

一般家庭

高品質材(AB材)

製材工場等

製材工場等残材建築家具製造メーカー等へ

マテリアル利用製紙工場等へ

電気熱

(チップペレット)

ボイラー用燃料

林業者

林業地域 畜産酪農地域

木質バイオマスボイラー

電気熱

(バイオマス産業都市のイメージ)

漁業地域漁業者

(海産物) 加工施設小売店等へ

水産残さ等堆肥化施設バイオガスプラント

堆肥液肥(売電)

(売電)

経済性が確保された一貫システムの構築

液肥散布

BDF製造施設発電施設

(売電)廃食用油

輸送用燃料

耕種農家

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北海道ブロック(35市町村)十勝地域(19市町村)下川町別海町<H25①>釧路市興部町<H25②>平取町<H27>知内町音威子府村西興部村標茶町<H28>滝上町中標津町鶴居村<H29>稚内市浜頓別町幌延町<H30>八雲町<R1>

東北ブロック(11市町村)青森県 平川市<H28>西目屋村<H29>岩手県 一関市<H28>軽米町<R1>宮城県 東松島市<H25①>

南三陸町<H25②>大崎市<H27>加美町<H28>色麻町<H29>

山形県 最上町<H27>飯豊町<H29>

関東ブロック(9市町村)茨城県 牛久市<H25①>栃木県 茂木町<H27>大田原市<H29>さくら市<R1>群馬県 上野村<H29>山梨県 甲斐市<H27>静岡県 浜松市<H25②>掛川市<H28>長野県 中野市<R1>

北陸ブロック(4市)新潟県 新潟市<H25①>十日町市<H28>富山県 射水市<H26>南砺市<H28>

東海ブロック(3市)愛知県 大府市<H25①>半田市<H28>三重県 津市<H25②>

近畿ブロック(5市町)京都府 南丹市<H27>京丹波町<H28>京都市<H29>兵庫県 洲本市<H26>養父市<H30>

中国四国ブロック(10市町村)鳥取県 北栄町<H30>島根県 奥出雲町<H25②>

隠岐の島町<H26>飯南町<H27>

岡山県 真庭市西粟倉村<H25②>津山市<H27>

広島県 東広島市<H29>山口県 宇部市<H29>香川県 三豊市<H25①>

九州ブロック(13市町)福岡県 みやま市<H26>宗像市<H27>糸島市<H28>朝倉市<R1>佐賀県 佐賀市<H26>玄海町<R1>大分県 佐伯市<H26>臼杵市<H27>国東市<H28>竹田市<R1>宮崎県 小林市<H27>鹿児島県 薩摩川内市長島町<H28>

H25H26 H27 H28 H29 H30 R1

1次 2次26 8 6 11 16 11 5 7

年度別選定地域数(市町村数) <>内は選定年度(①1次選定②2次選定)青字は令和元年度選定地域

16

Ⅱー6バイオマス産業都市の選定地域(9 0市町村)

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Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト

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用途 原料 木質バイオマス 家畜排せつ物 食品廃棄物 下水汚泥

発電

FIT活用

下川町滝上町中標津町鶴居村一関市東松島市最上町大田原市上野村甲斐市浜松市掛川市射水市津市京都市津山市真庭市佐伯市臼杵市

十勝地域音威子府村下川町興部町西興部村別海町標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町幌延町八雲町平川市一関市色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市南丹市京丹波町養父市糸島市国東市長島町玄海町

音威子府村西興部村標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市東松島市色麻町飯豊町大田原市浜松市十日町市半田市大府市南丹市京都市洲本市養父市宇部市糸島市佐伯市臼杵市国東市長島町朝倉市

音威子府村興部町平川市色麻町飯豊町浜松市十日町市南丹市洲本市佐伯市国東市玄海町

その他(未定を含む)

十勝地域釧路市興部町十日町市養父市隠岐の島町小林市

釧路市大崎市加美町最上町北栄町宗像市小林市長島町

興部町滝上町大崎市加美町南三陸町最上町新潟市南砺市津市宗像市みやま市佐賀市小林市

加美町南三陸町最上町新潟市養父市北栄町宗像市みやま市

熱 利 用

十勝地域釧路市知内町下川町平取町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村平川市西目屋村一関市東松島市大崎市加美町南三陸町最上町飯豊町牛久市上野村茂木町大田原市甲斐市浜松市掛川市中野市新潟市十日町市南砺市津市南丹市京丹波町京都市洲本市養父市北栄町奥出雲町飯南町隠岐の島町津山市西粟倉村東広島市三豊市みやま市糸島市佐賀市佐伯市臼杵市国東市小林市朝倉市

十勝地域釧路市下川町音威子府村西興部村標茶町興部町別海町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市一関市加美町色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市京丹波町国東市長島町

音威子府村興部町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村稚内市浜頓別平川市東松島市加美町飯豊町南三陸町色麻町最上町大田原市新潟市十日町市南砺市半田市津市隠岐の島町宇部市臼杵市国東市

音威子府村平川市加美町色麻町最上町飯豊町新潟市十日町市国東市

肥料飼料等 茂木町射水市京都市洲本市飯南町津山市東広島市三豊市宗像市

十勝地域釧路市音威子府村下川町興部町西興部村標茶町別海町中標津町鶴居村八雲町平川市一関市加美町大崎市色麻町最上町平川市茂木町大田原市甲斐市掛川市十日町市半田市南丹市京丹波町飯南町糸島市宗像市佐賀市小林市長島町

興部町音威子府村西興部村標茶町平川市東松島市大崎市加美町南三陸町色麻町最上町茂木町甲斐市浜松市新潟市十日町市南砺市半田市大府市南丹市三豊市隠岐の島町東広島市宇部市宗像市みやま市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市長島町

音威子府村平川市南三陸町加美町色麻町最上町十日町市南丹市京都市宗像市みやま市国東市

燃 料

下川町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村幌延町平取町西目屋村一関市大崎市加美町南三陸町飯豊町大田原市上野村牛久市掛川市新潟市十日町市津市京丹波町京都市北栄町隠岐の島町東広島市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市竹田市

軽米町南丹市

十勝地域下川町平川市大崎市軽米町牛久市茂木町甲斐市新潟市射水市十日町市大府市南丹市京都市洲本市飯南町真庭市三豊市宗像市みやま市臼杵市小林市

稚内市津市南丹市京都市

その他(マテリアル利用等)

茂木町大田原市京都市洲本市隠岐の島町津山市真庭市三豊市糸島市薩摩川内市 半田市 浜松市新潟市

地域名市町村名の着色は前ページの地域ブロックの着色と同一であり下線は令和元年度選定市町村

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Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)

18

固定価格買取制度は再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを約束する制度のことで太陽光風力水力地熱バイオマス由来の電気が対象買取の価格(調達価格)と期間(調達期間)は専門家で構成される調達価格等算定委員会の意見を尊重し経済産業大臣が決定

令和2年度の主要なバイオマス発電による電気の調達価格は13~40円kWh(税抜) 一般木材バイオマスのうち10000kw以上は入札制比較的小規模の10000kw未満は地域分散型エネルギー

源となりうるため24円kwh(税抜)を維持また競争環境が成立しているバイオマス液体燃料(全規模)も同様に入札制

令和2年度の調達価格と調達期間(バイオマス関係)

バイオマスの種類 調達価格1kWh当たり

調達期間

メタン発酵ガス(バイオマス由来) 39円+税

20年間

間伐材等由来の木質バイオマス1

2000kW未満 40円+税

2000kW以上 32円+税

一般木材バイオマス210000kW未満 24円+税

10000kW以上 +税

バイオマス液体燃料 +税

建設資材廃棄物 13円+税

一般廃棄物その他のバイオマス 17円+税1 「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」に基づく証明のないものにつ

いては建設資材廃棄物と同等に取扱う2 農作物の収穫に伴って生じるバイオマスも含む

事業計画

費用負担調整機関

制度の概要

入札制度

入札制度

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Ⅱー9バイオマス発電の導入状況

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固定価格買取制度を活用したバイオマス発電については平成31年3月末において約171万kWが運転を開始済RPS制度のもとで導入された発電設備の設備容量を合わせると約402万kWが稼動

バイオマス発電の固定価格買取制度による買取電力量は平成30年度で約125億kWh

平成31年3月末におけるバイオマス発電の導入状況

(注) 四捨五入により合計値が合わない場合がある 設備認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値を集計

単位千kWRPS FIT設備導入量 ( )はRPSからFITへの移行を含む 合計

(FIT計)FIT導入後 認定容量

~H246 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H2407~H313

メタン発酵ガス(バイオマス由来)

147 32 60 74 115 126 123 676 837(32) (172) (74) (104) (122) (130) (634)

間伐材由来の木質バイオマス

145 129 559 1379 901 291 473 3879 5055(129) (655) (1374) (901) (291) (516) (3867)

一般木質バイオマス農作物残渣

1634 298 118 961 1919 3328 3442 11701 79623(298) (856) (961) (1919) (3328) (3947) (11310)

建設資材廃棄物4398 03 35 54 00 38 18 4511 857

(03) (3355) (54) (00) (44) (97) (3552)

一般廃棄物その他のバイオマス

16814 762 243 471 395 306 462 19451 3727(762) (7305) (428) (357) (94) (694) (9640)

計 231381224 1015 2939 3330 4089 4482 40218 90099

17079 (29003)

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Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況

20

沖縄県 1845(3件) 8558(4件)

北海道14048(74件)86544( 5件) 9421( 3件)30084( 9件)

青森県 980(3件) 6250(1件)12400(1件) 6657(2件)

岩手県 630(3件)14717(4件)19800(2件)11297(4件)

宮城県 1143(3件) 880(3件)62657(1件) 1816(1件)14983(4件)

秋田県 730(1件) 7130(3件)21490(2件) 3750(2件) 4765(2件)

東京都 1468( 4件)166303(24件)

神奈川県 9000(3件)49000(1件) 2064(1件)44222(8件)

群馬県 725(3件) 6795(2件)13600(1件) 5540(2件)

千葉県 670(2件)47557(3件)12378(8件)

静岡県 1518(6件)89021(4件)54524(7件)

埼玉県 370( 1件) 146( 1件) 5976( 3件)16721( 1件)26003(12件)

岐阜県 685(2件) 6482(2件) 4300(1件) 600(1件) 6068(3件)

愛知県 2354( 6件)128029( 3件) 76096(14件)

和歌山県 10(1件) 2690(2件)

奈良県 50(1件) 6500(1件) 3499(2件)

京都府 155( 1件) 1760( 1件)17834( 4件)

鳥取県 1490(3件)22350(2件) 2360(1件)

山口県 74(2件) 67(1件)59656(2件)43123(2件)22526(4件)

島根県 759(1件) 6550(1件)12700(1件) 5400(3件)

岡山県 25(1件)10336(2件) 3949(2件) 8756(3件)

広島県 1116(1件)10157(2件)10800(2件)35792(7件)

高知県12750(2件)29500(1件)25730(2件) 5354(3件)

佐賀県 9850(1件) 4403(2件)

鹿児島県29450(2件)49000(1件)13255(5件)

表示出力は発電設備の認定出力にバイオマス比率を乗じたもの(各都道府県の合計出力)

平成31年3月末現在運転開始済みのものでFIT活用施設のみ

(資料)資源エネルギー庁資料を

もとに農林水産省作成

愛媛県 1160(2件)12500(1件)16134(4件)

三重県 1286(5件) 5800(1件)26980(3件) 1990(1件)18011(6件)

茨城県 645(2件) 7740(2件)190523(7件) 4990(1件) 11981(6件)

福島県 25(1件) 5785(3件)69855(2件)27772(2件)18433(5件)

山梨県14500(1件) 4698(3件)

新潟県 709(4件)12000(2件)10704(4件)

長崎県 250(1件) 7840(1件) 4750(3件)

福岡県 3397(3件)116450(3件) 59690(8件)

長野県 710(3件) 5060(4件) 5648(3件)

山形県 825(2件)13352(5件)55250(2件) 5813(4件)

徳島県 6470(2件) 710(1件)

大阪府 5440( 7件)14170( 3件)98781(14件)

香川県 525(2件) 1484(1件)

大分県 990(3件)25416(3件)50000(1件)12000(1件) 7426(3件)

宮崎県 2161(2件)38880(5件)19620(3件)14893(3件)

兵庫県 1382( 5件)22179( 3件)22740( 2件)21608( 2件)55961(14件)

栃木県 2525(9件) 1995(1件) 265(1件)24000(1件) 9214(6件)

石川県 455(3件)10920(4件)

全国計 メタンガス 63382kW (183件) 未利用木質 386741kW ( 70件) 一般木質 1130962kW ( 58件) 建設廃材 355237kW ( 32件) 一般廃棄物 963995kW (237件)

出 力 導入件数

福井県 25(1件) 7545(2件)37000(1件)

熊本県 808(1件) 6327(2件)12500(2件) 185(1件) 2850(1件)

富山県 195(1件) 5750(1件) 990(1件)13330(2件)

滋賀県 25(1件) 3550(1件) 3221(3件)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

36444

50693 58243

78258

98184 110092

126035 119569

120161

126532

131400

63 7585

108 109120

142 142 148 147 154

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大

21

木質バイオマスの活用は再生可能エネルギーの推進だけではなく林業や地域経済の活性化雇用の確保等にも貢献特に未利用となっている林地残材には大きな可能性

木質バイオマスは木質チップや木質ペレット等に加工され製材工場や公共施設発電所等におけるエネルギー源としての利用が増えてきている

木質バイオマスボイラー数の推移木質バイオマスボイラーは製材工場などを中心に2000基程度が設置されており最近は公共施設や温泉農業施設などへの導入も進んできている

地球温暖化問題への関心の高まりや化石燃料から再生可能エネルギー熱への転換による経営リスクの軽減等を背景に近年生産施設数及び生産量ともに増加

(基) ( t )(施設数)

- 施設数(第1軸(左)) 生産量(第2軸(右))

615 838

924

1218

1461

1701

2023

1945

1972

2058

2064

0

500

1000

1500

2000

2500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

台数

木質ペレットの製造施設数及び生産量

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

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す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

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「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

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(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 14: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定

13

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

北海道 策定済み(H2512) 12 30 35

青森県 策定済み(H2312) 2 12 2

岩手県 未策定 2 9 2秋田県 未策定 0 9 0宮城県 未策定 2 4 5山形県 未策定 1 8 2

福島県 策定済み(H3011) 1 9 0

茨城県 策定済み(H293) 0 7 1

栃木県 未策定 4 5 3

群馬県 策定済み(H293改訂) 1 5 1

埼玉県 策定済み(H303改訂) 0 1 0

千葉県 策定済み(H238 ) 0 9 0

東京都 未策定 0 2 0神奈川県 未策定 0 2 0山梨県 未策定 1 8 1長野県 未策定 1 10 1

静岡県 策定済み(H293改訂) 4 4 2

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

新潟県 策定済み(H303改定) 4 14 2

富山県 未策定 1 7 2石川県 未策定 0 7 0福井県 未策定 0 4 0岐阜県 未策定 0 6 0

愛知県策定済み(H293策

定)0 4 2

三重県 未策定 1 2 1滋賀県 未策定 0 6 0

京都府 策定済み(H2410) 2 5 3

大阪府 未策定 0 3 0

兵庫県 策定済み(H2810) 4 10 2

奈良県 未策定 0 5 0和歌山県 未策定 0 4 0鳥取県 未策定 1 2 1

島根県 策定済み(H253) 1 9 3

岡山県 未策定 2 7 3広島県 未策定 1 5 1

都道府県名

都道府県計画

市町村計画数

(参考)類似施策策定市町村数

バイオマスタウン構想

バイオマス産業都市

構想

山口県 策定済み(H253 ) 1 4 1

徳島県 未策定 0 3 0香川県 未策定 1 1 1

愛媛県 策定済み(H246) 1 5 0

高知県 未策定 0 9 0福岡県 未策定 4 5 4佐賀県 未策定 2 4 2長崎県 未策定 1 7 0

熊本県 策定済み(H243 ) 1 11 0

宮崎県 策定済み(H254) 1 7 1

大分県 策定済み(H283 ) 2 7 4

鹿児島県策定済み(H293改

訂)2 15 2

沖縄県 未策定 1 6 0

計 1966 318 90

386重複を除く

目標 47 600

バイオマス活用推進計画の策定数は現在都道府県計画19道府県市町村計画65市町村(類似施策を含めると重複を排除して386市町村)であり2025年までに全都道府県600市町村での計画策定を目指す

バイオマスの活用を推進する地域計画の策定状況 (農林水産省調べ(R2年4月 現在))

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー4バイオマス産業の市場規模

14

バイオマス産業の市場規模の推計(農林水産省調べ)

注) 旧基本計画策定以前から明確に市場が形成されている肥料飼料などは推計の対象外としている 経済波及効果は総務省が公開している産業連関表に基づく統合大分類(37部門)による経済波及効果の簡易計算ツールを用いて算定

バイオマス産業の市場規模については旧基本計画策定当時経済波及効果を含め約1200億円規模であったものが固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大し現時点で約3500億円(約70)

新たな基本計画の下発電以外の取組についての市場規模の拡大も推進しつつ2025年に5000億円の市場の形成を目指す

旧基本計画策定時点2010年

(平成22年)

現在2015年

(平成27年)

目標値2025年

(平成37年)

市場規模 約1200億円 約3500億円 5000億円

億円

5000

4000

3000

2000

1000

0

C

C

C

C

C

発電以外の取組についても拡大を推進

固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー5バイオマス産業都市について

15

バイオマス産業都市とは経済性が確保された一貫システムを構築し地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまちむらづくりを目指す地域であり関係7府省が共同で選定

関係7府省内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省

地方公共団体等

バイオマス産業を軸としたまちむらづくり

バイオガスプラント園芸農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥

家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物し尿 電気熱

(農作物)

加工施設小売店等へ

(畜産物)加工施設小売店等へ

低品質材(CD材)未利用材竹

木質チップペレット製造施設

木質バイオマス発電施設

(売電)

農業地域

農村部都市部

畜産農家

一般家庭

高品質材(AB材)

製材工場等

製材工場等残材建築家具製造メーカー等へ

マテリアル利用製紙工場等へ

電気熱

(チップペレット)

ボイラー用燃料

林業者

林業地域 畜産酪農地域

木質バイオマスボイラー

電気熱

(バイオマス産業都市のイメージ)

漁業地域漁業者

(海産物) 加工施設小売店等へ

水産残さ等堆肥化施設バイオガスプラント

堆肥液肥(売電)

(売電)

経済性が確保された一貫システムの構築

液肥散布

BDF製造施設発電施設

(売電)廃食用油

輸送用燃料

耕種農家

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

北海道ブロック(35市町村)十勝地域(19市町村)下川町別海町<H25①>釧路市興部町<H25②>平取町<H27>知内町音威子府村西興部村標茶町<H28>滝上町中標津町鶴居村<H29>稚内市浜頓別町幌延町<H30>八雲町<R1>

東北ブロック(11市町村)青森県 平川市<H28>西目屋村<H29>岩手県 一関市<H28>軽米町<R1>宮城県 東松島市<H25①>

南三陸町<H25②>大崎市<H27>加美町<H28>色麻町<H29>

山形県 最上町<H27>飯豊町<H29>

関東ブロック(9市町村)茨城県 牛久市<H25①>栃木県 茂木町<H27>大田原市<H29>さくら市<R1>群馬県 上野村<H29>山梨県 甲斐市<H27>静岡県 浜松市<H25②>掛川市<H28>長野県 中野市<R1>

北陸ブロック(4市)新潟県 新潟市<H25①>十日町市<H28>富山県 射水市<H26>南砺市<H28>

東海ブロック(3市)愛知県 大府市<H25①>半田市<H28>三重県 津市<H25②>

近畿ブロック(5市町)京都府 南丹市<H27>京丹波町<H28>京都市<H29>兵庫県 洲本市<H26>養父市<H30>

中国四国ブロック(10市町村)鳥取県 北栄町<H30>島根県 奥出雲町<H25②>

隠岐の島町<H26>飯南町<H27>

岡山県 真庭市西粟倉村<H25②>津山市<H27>

広島県 東広島市<H29>山口県 宇部市<H29>香川県 三豊市<H25①>

九州ブロック(13市町)福岡県 みやま市<H26>宗像市<H27>糸島市<H28>朝倉市<R1>佐賀県 佐賀市<H26>玄海町<R1>大分県 佐伯市<H26>臼杵市<H27>国東市<H28>竹田市<R1>宮崎県 小林市<H27>鹿児島県 薩摩川内市長島町<H28>

H25H26 H27 H28 H29 H30 R1

1次 2次26 8 6 11 16 11 5 7

年度別選定地域数(市町村数) <>内は選定年度(①1次選定②2次選定)青字は令和元年度選定地域

16

Ⅱー6バイオマス産業都市の選定地域(9 0市町村)

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Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト

17

用途 原料 木質バイオマス 家畜排せつ物 食品廃棄物 下水汚泥

発電

FIT活用

下川町滝上町中標津町鶴居村一関市東松島市最上町大田原市上野村甲斐市浜松市掛川市射水市津市京都市津山市真庭市佐伯市臼杵市

十勝地域音威子府村下川町興部町西興部村別海町標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町幌延町八雲町平川市一関市色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市南丹市京丹波町養父市糸島市国東市長島町玄海町

音威子府村西興部村標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市東松島市色麻町飯豊町大田原市浜松市十日町市半田市大府市南丹市京都市洲本市養父市宇部市糸島市佐伯市臼杵市国東市長島町朝倉市

音威子府村興部町平川市色麻町飯豊町浜松市十日町市南丹市洲本市佐伯市国東市玄海町

その他(未定を含む)

十勝地域釧路市興部町十日町市養父市隠岐の島町小林市

釧路市大崎市加美町最上町北栄町宗像市小林市長島町

興部町滝上町大崎市加美町南三陸町最上町新潟市南砺市津市宗像市みやま市佐賀市小林市

加美町南三陸町最上町新潟市養父市北栄町宗像市みやま市

熱 利 用

十勝地域釧路市知内町下川町平取町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村平川市西目屋村一関市東松島市大崎市加美町南三陸町最上町飯豊町牛久市上野村茂木町大田原市甲斐市浜松市掛川市中野市新潟市十日町市南砺市津市南丹市京丹波町京都市洲本市養父市北栄町奥出雲町飯南町隠岐の島町津山市西粟倉村東広島市三豊市みやま市糸島市佐賀市佐伯市臼杵市国東市小林市朝倉市

十勝地域釧路市下川町音威子府村西興部村標茶町興部町別海町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市一関市加美町色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市京丹波町国東市長島町

音威子府村興部町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村稚内市浜頓別平川市東松島市加美町飯豊町南三陸町色麻町最上町大田原市新潟市十日町市南砺市半田市津市隠岐の島町宇部市臼杵市国東市

音威子府村平川市加美町色麻町最上町飯豊町新潟市十日町市国東市

肥料飼料等 茂木町射水市京都市洲本市飯南町津山市東広島市三豊市宗像市

十勝地域釧路市音威子府村下川町興部町西興部村標茶町別海町中標津町鶴居村八雲町平川市一関市加美町大崎市色麻町最上町平川市茂木町大田原市甲斐市掛川市十日町市半田市南丹市京丹波町飯南町糸島市宗像市佐賀市小林市長島町

興部町音威子府村西興部村標茶町平川市東松島市大崎市加美町南三陸町色麻町最上町茂木町甲斐市浜松市新潟市十日町市南砺市半田市大府市南丹市三豊市隠岐の島町東広島市宇部市宗像市みやま市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市長島町

音威子府村平川市南三陸町加美町色麻町最上町十日町市南丹市京都市宗像市みやま市国東市

燃 料

下川町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村幌延町平取町西目屋村一関市大崎市加美町南三陸町飯豊町大田原市上野村牛久市掛川市新潟市十日町市津市京丹波町京都市北栄町隠岐の島町東広島市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市竹田市

軽米町南丹市

十勝地域下川町平川市大崎市軽米町牛久市茂木町甲斐市新潟市射水市十日町市大府市南丹市京都市洲本市飯南町真庭市三豊市宗像市みやま市臼杵市小林市

稚内市津市南丹市京都市

その他(マテリアル利用等)

茂木町大田原市京都市洲本市隠岐の島町津山市真庭市三豊市糸島市薩摩川内市 半田市 浜松市新潟市

地域名市町村名の着色は前ページの地域ブロックの着色と同一であり下線は令和元年度選定市町村

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Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)

18

固定価格買取制度は再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを約束する制度のことで太陽光風力水力地熱バイオマス由来の電気が対象買取の価格(調達価格)と期間(調達期間)は専門家で構成される調達価格等算定委員会の意見を尊重し経済産業大臣が決定

令和2年度の主要なバイオマス発電による電気の調達価格は13~40円kWh(税抜) 一般木材バイオマスのうち10000kw以上は入札制比較的小規模の10000kw未満は地域分散型エネルギー

源となりうるため24円kwh(税抜)を維持また競争環境が成立しているバイオマス液体燃料(全規模)も同様に入札制

令和2年度の調達価格と調達期間(バイオマス関係)

バイオマスの種類 調達価格1kWh当たり

調達期間

メタン発酵ガス(バイオマス由来) 39円+税

20年間

間伐材等由来の木質バイオマス1

2000kW未満 40円+税

2000kW以上 32円+税

一般木材バイオマス210000kW未満 24円+税

10000kW以上 +税

バイオマス液体燃料 +税

建設資材廃棄物 13円+税

一般廃棄物その他のバイオマス 17円+税1 「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」に基づく証明のないものにつ

いては建設資材廃棄物と同等に取扱う2 農作物の収穫に伴って生じるバイオマスも含む

事業計画

費用負担調整機関

制度の概要

入札制度

入札制度

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Ⅱー9バイオマス発電の導入状況

19

固定価格買取制度を活用したバイオマス発電については平成31年3月末において約171万kWが運転を開始済RPS制度のもとで導入された発電設備の設備容量を合わせると約402万kWが稼動

バイオマス発電の固定価格買取制度による買取電力量は平成30年度で約125億kWh

平成31年3月末におけるバイオマス発電の導入状況

(注) 四捨五入により合計値が合わない場合がある 設備認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値を集計

単位千kWRPS FIT設備導入量 ( )はRPSからFITへの移行を含む 合計

(FIT計)FIT導入後 認定容量

~H246 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H2407~H313

メタン発酵ガス(バイオマス由来)

147 32 60 74 115 126 123 676 837(32) (172) (74) (104) (122) (130) (634)

間伐材由来の木質バイオマス

145 129 559 1379 901 291 473 3879 5055(129) (655) (1374) (901) (291) (516) (3867)

一般木質バイオマス農作物残渣

1634 298 118 961 1919 3328 3442 11701 79623(298) (856) (961) (1919) (3328) (3947) (11310)

建設資材廃棄物4398 03 35 54 00 38 18 4511 857

(03) (3355) (54) (00) (44) (97) (3552)

一般廃棄物その他のバイオマス

16814 762 243 471 395 306 462 19451 3727(762) (7305) (428) (357) (94) (694) (9640)

計 231381224 1015 2939 3330 4089 4482 40218 90099

17079 (29003)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況

20

沖縄県 1845(3件) 8558(4件)

北海道14048(74件)86544( 5件) 9421( 3件)30084( 9件)

青森県 980(3件) 6250(1件)12400(1件) 6657(2件)

岩手県 630(3件)14717(4件)19800(2件)11297(4件)

宮城県 1143(3件) 880(3件)62657(1件) 1816(1件)14983(4件)

秋田県 730(1件) 7130(3件)21490(2件) 3750(2件) 4765(2件)

東京都 1468( 4件)166303(24件)

神奈川県 9000(3件)49000(1件) 2064(1件)44222(8件)

群馬県 725(3件) 6795(2件)13600(1件) 5540(2件)

千葉県 670(2件)47557(3件)12378(8件)

静岡県 1518(6件)89021(4件)54524(7件)

埼玉県 370( 1件) 146( 1件) 5976( 3件)16721( 1件)26003(12件)

岐阜県 685(2件) 6482(2件) 4300(1件) 600(1件) 6068(3件)

愛知県 2354( 6件)128029( 3件) 76096(14件)

和歌山県 10(1件) 2690(2件)

奈良県 50(1件) 6500(1件) 3499(2件)

京都府 155( 1件) 1760( 1件)17834( 4件)

鳥取県 1490(3件)22350(2件) 2360(1件)

山口県 74(2件) 67(1件)59656(2件)43123(2件)22526(4件)

島根県 759(1件) 6550(1件)12700(1件) 5400(3件)

岡山県 25(1件)10336(2件) 3949(2件) 8756(3件)

広島県 1116(1件)10157(2件)10800(2件)35792(7件)

高知県12750(2件)29500(1件)25730(2件) 5354(3件)

佐賀県 9850(1件) 4403(2件)

鹿児島県29450(2件)49000(1件)13255(5件)

表示出力は発電設備の認定出力にバイオマス比率を乗じたもの(各都道府県の合計出力)

平成31年3月末現在運転開始済みのものでFIT活用施設のみ

(資料)資源エネルギー庁資料を

もとに農林水産省作成

愛媛県 1160(2件)12500(1件)16134(4件)

三重県 1286(5件) 5800(1件)26980(3件) 1990(1件)18011(6件)

茨城県 645(2件) 7740(2件)190523(7件) 4990(1件) 11981(6件)

福島県 25(1件) 5785(3件)69855(2件)27772(2件)18433(5件)

山梨県14500(1件) 4698(3件)

新潟県 709(4件)12000(2件)10704(4件)

長崎県 250(1件) 7840(1件) 4750(3件)

福岡県 3397(3件)116450(3件) 59690(8件)

長野県 710(3件) 5060(4件) 5648(3件)

山形県 825(2件)13352(5件)55250(2件) 5813(4件)

徳島県 6470(2件) 710(1件)

大阪府 5440( 7件)14170( 3件)98781(14件)

香川県 525(2件) 1484(1件)

大分県 990(3件)25416(3件)50000(1件)12000(1件) 7426(3件)

宮崎県 2161(2件)38880(5件)19620(3件)14893(3件)

兵庫県 1382( 5件)22179( 3件)22740( 2件)21608( 2件)55961(14件)

栃木県 2525(9件) 1995(1件) 265(1件)24000(1件) 9214(6件)

石川県 455(3件)10920(4件)

全国計 メタンガス 63382kW (183件) 未利用木質 386741kW ( 70件) 一般木質 1130962kW ( 58件) 建設廃材 355237kW ( 32件) 一般廃棄物 963995kW (237件)

出 力 導入件数

福井県 25(1件) 7545(2件)37000(1件)

熊本県 808(1件) 6327(2件)12500(2件) 185(1件) 2850(1件)

富山県 195(1件) 5750(1件) 990(1件)13330(2件)

滋賀県 25(1件) 3550(1件) 3221(3件)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

36444

50693 58243

78258

98184 110092

126035 119569

120161

126532

131400

63 7585

108 109120

142 142 148 147 154

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大

21

木質バイオマスの活用は再生可能エネルギーの推進だけではなく林業や地域経済の活性化雇用の確保等にも貢献特に未利用となっている林地残材には大きな可能性

木質バイオマスは木質チップや木質ペレット等に加工され製材工場や公共施設発電所等におけるエネルギー源としての利用が増えてきている

木質バイオマスボイラー数の推移木質バイオマスボイラーは製材工場などを中心に2000基程度が設置されており最近は公共施設や温泉農業施設などへの導入も進んできている

地球温暖化問題への関心の高まりや化石燃料から再生可能エネルギー熱への転換による経営リスクの軽減等を背景に近年生産施設数及び生産量ともに増加

(基) ( t )(施設数)

- 施設数(第1軸(左)) 生産量(第2軸(右))

615 838

924

1218

1461

1701

2023

1945

1972

2058

2064

0

500

1000

1500

2000

2500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

台数

木質ペレットの製造施設数及び生産量

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

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(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

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竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

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名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

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う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

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施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

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施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 15: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー4バイオマス産業の市場規模

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バイオマス産業の市場規模の推計(農林水産省調べ)

注) 旧基本計画策定以前から明確に市場が形成されている肥料飼料などは推計の対象外としている 経済波及効果は総務省が公開している産業連関表に基づく統合大分類(37部門)による経済波及効果の簡易計算ツールを用いて算定

バイオマス産業の市場規模については旧基本計画策定当時経済波及効果を含め約1200億円規模であったものが固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大し現時点で約3500億円(約70)

新たな基本計画の下発電以外の取組についての市場規模の拡大も推進しつつ2025年に5000億円の市場の形成を目指す

旧基本計画策定時点2010年

(平成22年)

現在2015年

(平成27年)

目標値2025年

(平成37年)

市場規模 約1200億円 約3500億円 5000億円

億円

5000

4000

3000

2000

1000

0

C

C

C

C

C

発電以外の取組についても拡大を推進

固定価格買取制度を活用した発電の取組を中心に拡大

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー5バイオマス産業都市について

15

バイオマス産業都市とは経済性が確保された一貫システムを構築し地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまちむらづくりを目指す地域であり関係7府省が共同で選定

関係7府省内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省

地方公共団体等

バイオマス産業を軸としたまちむらづくり

バイオガスプラント園芸農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥

家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物し尿 電気熱

(農作物)

加工施設小売店等へ

(畜産物)加工施設小売店等へ

低品質材(CD材)未利用材竹

木質チップペレット製造施設

木質バイオマス発電施設

(売電)

農業地域

農村部都市部

畜産農家

一般家庭

高品質材(AB材)

製材工場等

製材工場等残材建築家具製造メーカー等へ

マテリアル利用製紙工場等へ

電気熱

(チップペレット)

ボイラー用燃料

林業者

林業地域 畜産酪農地域

木質バイオマスボイラー

電気熱

(バイオマス産業都市のイメージ)

漁業地域漁業者

(海産物) 加工施設小売店等へ

水産残さ等堆肥化施設バイオガスプラント

堆肥液肥(売電)

(売電)

経済性が確保された一貫システムの構築

液肥散布

BDF製造施設発電施設

(売電)廃食用油

輸送用燃料

耕種農家

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

北海道ブロック(35市町村)十勝地域(19市町村)下川町別海町<H25①>釧路市興部町<H25②>平取町<H27>知内町音威子府村西興部村標茶町<H28>滝上町中標津町鶴居村<H29>稚内市浜頓別町幌延町<H30>八雲町<R1>

東北ブロック(11市町村)青森県 平川市<H28>西目屋村<H29>岩手県 一関市<H28>軽米町<R1>宮城県 東松島市<H25①>

南三陸町<H25②>大崎市<H27>加美町<H28>色麻町<H29>

山形県 最上町<H27>飯豊町<H29>

関東ブロック(9市町村)茨城県 牛久市<H25①>栃木県 茂木町<H27>大田原市<H29>さくら市<R1>群馬県 上野村<H29>山梨県 甲斐市<H27>静岡県 浜松市<H25②>掛川市<H28>長野県 中野市<R1>

北陸ブロック(4市)新潟県 新潟市<H25①>十日町市<H28>富山県 射水市<H26>南砺市<H28>

東海ブロック(3市)愛知県 大府市<H25①>半田市<H28>三重県 津市<H25②>

近畿ブロック(5市町)京都府 南丹市<H27>京丹波町<H28>京都市<H29>兵庫県 洲本市<H26>養父市<H30>

中国四国ブロック(10市町村)鳥取県 北栄町<H30>島根県 奥出雲町<H25②>

隠岐の島町<H26>飯南町<H27>

岡山県 真庭市西粟倉村<H25②>津山市<H27>

広島県 東広島市<H29>山口県 宇部市<H29>香川県 三豊市<H25①>

九州ブロック(13市町)福岡県 みやま市<H26>宗像市<H27>糸島市<H28>朝倉市<R1>佐賀県 佐賀市<H26>玄海町<R1>大分県 佐伯市<H26>臼杵市<H27>国東市<H28>竹田市<R1>宮崎県 小林市<H27>鹿児島県 薩摩川内市長島町<H28>

H25H26 H27 H28 H29 H30 R1

1次 2次26 8 6 11 16 11 5 7

年度別選定地域数(市町村数) <>内は選定年度(①1次選定②2次選定)青字は令和元年度選定地域

16

Ⅱー6バイオマス産業都市の選定地域(9 0市町村)

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト

17

用途 原料 木質バイオマス 家畜排せつ物 食品廃棄物 下水汚泥

発電

FIT活用

下川町滝上町中標津町鶴居村一関市東松島市最上町大田原市上野村甲斐市浜松市掛川市射水市津市京都市津山市真庭市佐伯市臼杵市

十勝地域音威子府村下川町興部町西興部村別海町標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町幌延町八雲町平川市一関市色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市南丹市京丹波町養父市糸島市国東市長島町玄海町

音威子府村西興部村標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市東松島市色麻町飯豊町大田原市浜松市十日町市半田市大府市南丹市京都市洲本市養父市宇部市糸島市佐伯市臼杵市国東市長島町朝倉市

音威子府村興部町平川市色麻町飯豊町浜松市十日町市南丹市洲本市佐伯市国東市玄海町

その他(未定を含む)

十勝地域釧路市興部町十日町市養父市隠岐の島町小林市

釧路市大崎市加美町最上町北栄町宗像市小林市長島町

興部町滝上町大崎市加美町南三陸町最上町新潟市南砺市津市宗像市みやま市佐賀市小林市

加美町南三陸町最上町新潟市養父市北栄町宗像市みやま市

熱 利 用

十勝地域釧路市知内町下川町平取町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村平川市西目屋村一関市東松島市大崎市加美町南三陸町最上町飯豊町牛久市上野村茂木町大田原市甲斐市浜松市掛川市中野市新潟市十日町市南砺市津市南丹市京丹波町京都市洲本市養父市北栄町奥出雲町飯南町隠岐の島町津山市西粟倉村東広島市三豊市みやま市糸島市佐賀市佐伯市臼杵市国東市小林市朝倉市

十勝地域釧路市下川町音威子府村西興部村標茶町興部町別海町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市一関市加美町色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市京丹波町国東市長島町

音威子府村興部町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村稚内市浜頓別平川市東松島市加美町飯豊町南三陸町色麻町最上町大田原市新潟市十日町市南砺市半田市津市隠岐の島町宇部市臼杵市国東市

音威子府村平川市加美町色麻町最上町飯豊町新潟市十日町市国東市

肥料飼料等 茂木町射水市京都市洲本市飯南町津山市東広島市三豊市宗像市

十勝地域釧路市音威子府村下川町興部町西興部村標茶町別海町中標津町鶴居村八雲町平川市一関市加美町大崎市色麻町最上町平川市茂木町大田原市甲斐市掛川市十日町市半田市南丹市京丹波町飯南町糸島市宗像市佐賀市小林市長島町

興部町音威子府村西興部村標茶町平川市東松島市大崎市加美町南三陸町色麻町最上町茂木町甲斐市浜松市新潟市十日町市南砺市半田市大府市南丹市三豊市隠岐の島町東広島市宇部市宗像市みやま市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市長島町

音威子府村平川市南三陸町加美町色麻町最上町十日町市南丹市京都市宗像市みやま市国東市

燃 料

下川町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村幌延町平取町西目屋村一関市大崎市加美町南三陸町飯豊町大田原市上野村牛久市掛川市新潟市十日町市津市京丹波町京都市北栄町隠岐の島町東広島市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市竹田市

軽米町南丹市

十勝地域下川町平川市大崎市軽米町牛久市茂木町甲斐市新潟市射水市十日町市大府市南丹市京都市洲本市飯南町真庭市三豊市宗像市みやま市臼杵市小林市

稚内市津市南丹市京都市

その他(マテリアル利用等)

茂木町大田原市京都市洲本市隠岐の島町津山市真庭市三豊市糸島市薩摩川内市 半田市 浜松市新潟市

地域名市町村名の着色は前ページの地域ブロックの着色と同一であり下線は令和元年度選定市町村

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Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)

18

固定価格買取制度は再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを約束する制度のことで太陽光風力水力地熱バイオマス由来の電気が対象買取の価格(調達価格)と期間(調達期間)は専門家で構成される調達価格等算定委員会の意見を尊重し経済産業大臣が決定

令和2年度の主要なバイオマス発電による電気の調達価格は13~40円kWh(税抜) 一般木材バイオマスのうち10000kw以上は入札制比較的小規模の10000kw未満は地域分散型エネルギー

源となりうるため24円kwh(税抜)を維持また競争環境が成立しているバイオマス液体燃料(全規模)も同様に入札制

令和2年度の調達価格と調達期間(バイオマス関係)

バイオマスの種類 調達価格1kWh当たり

調達期間

メタン発酵ガス(バイオマス由来) 39円+税

20年間

間伐材等由来の木質バイオマス1

2000kW未満 40円+税

2000kW以上 32円+税

一般木材バイオマス210000kW未満 24円+税

10000kW以上 +税

バイオマス液体燃料 +税

建設資材廃棄物 13円+税

一般廃棄物その他のバイオマス 17円+税1 「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」に基づく証明のないものにつ

いては建設資材廃棄物と同等に取扱う2 農作物の収穫に伴って生じるバイオマスも含む

事業計画

費用負担調整機関

制度の概要

入札制度

入札制度

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Ⅱー9バイオマス発電の導入状況

19

固定価格買取制度を活用したバイオマス発電については平成31年3月末において約171万kWが運転を開始済RPS制度のもとで導入された発電設備の設備容量を合わせると約402万kWが稼動

バイオマス発電の固定価格買取制度による買取電力量は平成30年度で約125億kWh

平成31年3月末におけるバイオマス発電の導入状況

(注) 四捨五入により合計値が合わない場合がある 設備認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値を集計

単位千kWRPS FIT設備導入量 ( )はRPSからFITへの移行を含む 合計

(FIT計)FIT導入後 認定容量

~H246 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H2407~H313

メタン発酵ガス(バイオマス由来)

147 32 60 74 115 126 123 676 837(32) (172) (74) (104) (122) (130) (634)

間伐材由来の木質バイオマス

145 129 559 1379 901 291 473 3879 5055(129) (655) (1374) (901) (291) (516) (3867)

一般木質バイオマス農作物残渣

1634 298 118 961 1919 3328 3442 11701 79623(298) (856) (961) (1919) (3328) (3947) (11310)

建設資材廃棄物4398 03 35 54 00 38 18 4511 857

(03) (3355) (54) (00) (44) (97) (3552)

一般廃棄物その他のバイオマス

16814 762 243 471 395 306 462 19451 3727(762) (7305) (428) (357) (94) (694) (9640)

計 231381224 1015 2939 3330 4089 4482 40218 90099

17079 (29003)

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Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況

20

沖縄県 1845(3件) 8558(4件)

北海道14048(74件)86544( 5件) 9421( 3件)30084( 9件)

青森県 980(3件) 6250(1件)12400(1件) 6657(2件)

岩手県 630(3件)14717(4件)19800(2件)11297(4件)

宮城県 1143(3件) 880(3件)62657(1件) 1816(1件)14983(4件)

秋田県 730(1件) 7130(3件)21490(2件) 3750(2件) 4765(2件)

東京都 1468( 4件)166303(24件)

神奈川県 9000(3件)49000(1件) 2064(1件)44222(8件)

群馬県 725(3件) 6795(2件)13600(1件) 5540(2件)

千葉県 670(2件)47557(3件)12378(8件)

静岡県 1518(6件)89021(4件)54524(7件)

埼玉県 370( 1件) 146( 1件) 5976( 3件)16721( 1件)26003(12件)

岐阜県 685(2件) 6482(2件) 4300(1件) 600(1件) 6068(3件)

愛知県 2354( 6件)128029( 3件) 76096(14件)

和歌山県 10(1件) 2690(2件)

奈良県 50(1件) 6500(1件) 3499(2件)

京都府 155( 1件) 1760( 1件)17834( 4件)

鳥取県 1490(3件)22350(2件) 2360(1件)

山口県 74(2件) 67(1件)59656(2件)43123(2件)22526(4件)

島根県 759(1件) 6550(1件)12700(1件) 5400(3件)

岡山県 25(1件)10336(2件) 3949(2件) 8756(3件)

広島県 1116(1件)10157(2件)10800(2件)35792(7件)

高知県12750(2件)29500(1件)25730(2件) 5354(3件)

佐賀県 9850(1件) 4403(2件)

鹿児島県29450(2件)49000(1件)13255(5件)

表示出力は発電設備の認定出力にバイオマス比率を乗じたもの(各都道府県の合計出力)

平成31年3月末現在運転開始済みのものでFIT活用施設のみ

(資料)資源エネルギー庁資料を

もとに農林水産省作成

愛媛県 1160(2件)12500(1件)16134(4件)

三重県 1286(5件) 5800(1件)26980(3件) 1990(1件)18011(6件)

茨城県 645(2件) 7740(2件)190523(7件) 4990(1件) 11981(6件)

福島県 25(1件) 5785(3件)69855(2件)27772(2件)18433(5件)

山梨県14500(1件) 4698(3件)

新潟県 709(4件)12000(2件)10704(4件)

長崎県 250(1件) 7840(1件) 4750(3件)

福岡県 3397(3件)116450(3件) 59690(8件)

長野県 710(3件) 5060(4件) 5648(3件)

山形県 825(2件)13352(5件)55250(2件) 5813(4件)

徳島県 6470(2件) 710(1件)

大阪府 5440( 7件)14170( 3件)98781(14件)

香川県 525(2件) 1484(1件)

大分県 990(3件)25416(3件)50000(1件)12000(1件) 7426(3件)

宮崎県 2161(2件)38880(5件)19620(3件)14893(3件)

兵庫県 1382( 5件)22179( 3件)22740( 2件)21608( 2件)55961(14件)

栃木県 2525(9件) 1995(1件) 265(1件)24000(1件) 9214(6件)

石川県 455(3件)10920(4件)

全国計 メタンガス 63382kW (183件) 未利用木質 386741kW ( 70件) 一般木質 1130962kW ( 58件) 建設廃材 355237kW ( 32件) 一般廃棄物 963995kW (237件)

出 力 導入件数

福井県 25(1件) 7545(2件)37000(1件)

熊本県 808(1件) 6327(2件)12500(2件) 185(1件) 2850(1件)

富山県 195(1件) 5750(1件) 990(1件)13330(2件)

滋賀県 25(1件) 3550(1件) 3221(3件)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

36444

50693 58243

78258

98184 110092

126035 119569

120161

126532

131400

63 7585

108 109120

142 142 148 147 154

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大

21

木質バイオマスの活用は再生可能エネルギーの推進だけではなく林業や地域経済の活性化雇用の確保等にも貢献特に未利用となっている林地残材には大きな可能性

木質バイオマスは木質チップや木質ペレット等に加工され製材工場や公共施設発電所等におけるエネルギー源としての利用が増えてきている

木質バイオマスボイラー数の推移木質バイオマスボイラーは製材工場などを中心に2000基程度が設置されており最近は公共施設や温泉農業施設などへの導入も進んできている

地球温暖化問題への関心の高まりや化石燃料から再生可能エネルギー熱への転換による経営リスクの軽減等を背景に近年生産施設数及び生産量ともに増加

(基) ( t )(施設数)

- 施設数(第1軸(左)) 生産量(第2軸(右))

615 838

924

1218

1461

1701

2023

1945

1972

2058

2064

0

500

1000

1500

2000

2500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

台数

木質ペレットの製造施設数及び生産量

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

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農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

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Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

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Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

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施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 16: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー5バイオマス産業都市について

15

バイオマス産業都市とは経済性が確保された一貫システムを構築し地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまちむらづくりを目指す地域であり関係7府省が共同で選定

関係7府省内閣府総務省文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省環境省

地方公共団体等

バイオマス産業を軸としたまちむらづくり

バイオガスプラント園芸農家

食品加工施設 公共施設小売店等

農作物残さ等

電気熱液肥

家畜排せつ物

電気熱敷料

食品廃棄物し尿 電気熱

(農作物)

加工施設小売店等へ

(畜産物)加工施設小売店等へ

低品質材(CD材)未利用材竹

木質チップペレット製造施設

木質バイオマス発電施設

(売電)

農業地域

農村部都市部

畜産農家

一般家庭

高品質材(AB材)

製材工場等

製材工場等残材建築家具製造メーカー等へ

マテリアル利用製紙工場等へ

電気熱

(チップペレット)

ボイラー用燃料

林業者

林業地域 畜産酪農地域

木質バイオマスボイラー

電気熱

(バイオマス産業都市のイメージ)

漁業地域漁業者

(海産物) 加工施設小売店等へ

水産残さ等堆肥化施設バイオガスプラント

堆肥液肥(売電)

(売電)

経済性が確保された一貫システムの構築

液肥散布

BDF製造施設発電施設

(売電)廃食用油

輸送用燃料

耕種農家

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

北海道ブロック(35市町村)十勝地域(19市町村)下川町別海町<H25①>釧路市興部町<H25②>平取町<H27>知内町音威子府村西興部村標茶町<H28>滝上町中標津町鶴居村<H29>稚内市浜頓別町幌延町<H30>八雲町<R1>

東北ブロック(11市町村)青森県 平川市<H28>西目屋村<H29>岩手県 一関市<H28>軽米町<R1>宮城県 東松島市<H25①>

南三陸町<H25②>大崎市<H27>加美町<H28>色麻町<H29>

山形県 最上町<H27>飯豊町<H29>

関東ブロック(9市町村)茨城県 牛久市<H25①>栃木県 茂木町<H27>大田原市<H29>さくら市<R1>群馬県 上野村<H29>山梨県 甲斐市<H27>静岡県 浜松市<H25②>掛川市<H28>長野県 中野市<R1>

北陸ブロック(4市)新潟県 新潟市<H25①>十日町市<H28>富山県 射水市<H26>南砺市<H28>

東海ブロック(3市)愛知県 大府市<H25①>半田市<H28>三重県 津市<H25②>

近畿ブロック(5市町)京都府 南丹市<H27>京丹波町<H28>京都市<H29>兵庫県 洲本市<H26>養父市<H30>

中国四国ブロック(10市町村)鳥取県 北栄町<H30>島根県 奥出雲町<H25②>

隠岐の島町<H26>飯南町<H27>

岡山県 真庭市西粟倉村<H25②>津山市<H27>

広島県 東広島市<H29>山口県 宇部市<H29>香川県 三豊市<H25①>

九州ブロック(13市町)福岡県 みやま市<H26>宗像市<H27>糸島市<H28>朝倉市<R1>佐賀県 佐賀市<H26>玄海町<R1>大分県 佐伯市<H26>臼杵市<H27>国東市<H28>竹田市<R1>宮崎県 小林市<H27>鹿児島県 薩摩川内市長島町<H28>

H25H26 H27 H28 H29 H30 R1

1次 2次26 8 6 11 16 11 5 7

年度別選定地域数(市町村数) <>内は選定年度(①1次選定②2次選定)青字は令和元年度選定地域

16

Ⅱー6バイオマス産業都市の選定地域(9 0市町村)

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト

17

用途 原料 木質バイオマス 家畜排せつ物 食品廃棄物 下水汚泥

発電

FIT活用

下川町滝上町中標津町鶴居村一関市東松島市最上町大田原市上野村甲斐市浜松市掛川市射水市津市京都市津山市真庭市佐伯市臼杵市

十勝地域音威子府村下川町興部町西興部村別海町標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町幌延町八雲町平川市一関市色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市南丹市京丹波町養父市糸島市国東市長島町玄海町

音威子府村西興部村標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市東松島市色麻町飯豊町大田原市浜松市十日町市半田市大府市南丹市京都市洲本市養父市宇部市糸島市佐伯市臼杵市国東市長島町朝倉市

音威子府村興部町平川市色麻町飯豊町浜松市十日町市南丹市洲本市佐伯市国東市玄海町

その他(未定を含む)

十勝地域釧路市興部町十日町市養父市隠岐の島町小林市

釧路市大崎市加美町最上町北栄町宗像市小林市長島町

興部町滝上町大崎市加美町南三陸町最上町新潟市南砺市津市宗像市みやま市佐賀市小林市

加美町南三陸町最上町新潟市養父市北栄町宗像市みやま市

熱 利 用

十勝地域釧路市知内町下川町平取町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村平川市西目屋村一関市東松島市大崎市加美町南三陸町最上町飯豊町牛久市上野村茂木町大田原市甲斐市浜松市掛川市中野市新潟市十日町市南砺市津市南丹市京丹波町京都市洲本市養父市北栄町奥出雲町飯南町隠岐の島町津山市西粟倉村東広島市三豊市みやま市糸島市佐賀市佐伯市臼杵市国東市小林市朝倉市

十勝地域釧路市下川町音威子府村西興部村標茶町興部町別海町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市一関市加美町色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市京丹波町国東市長島町

音威子府村興部町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村稚内市浜頓別平川市東松島市加美町飯豊町南三陸町色麻町最上町大田原市新潟市十日町市南砺市半田市津市隠岐の島町宇部市臼杵市国東市

音威子府村平川市加美町色麻町最上町飯豊町新潟市十日町市国東市

肥料飼料等 茂木町射水市京都市洲本市飯南町津山市東広島市三豊市宗像市

十勝地域釧路市音威子府村下川町興部町西興部村標茶町別海町中標津町鶴居村八雲町平川市一関市加美町大崎市色麻町最上町平川市茂木町大田原市甲斐市掛川市十日町市半田市南丹市京丹波町飯南町糸島市宗像市佐賀市小林市長島町

興部町音威子府村西興部村標茶町平川市東松島市大崎市加美町南三陸町色麻町最上町茂木町甲斐市浜松市新潟市十日町市南砺市半田市大府市南丹市三豊市隠岐の島町東広島市宇部市宗像市みやま市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市長島町

音威子府村平川市南三陸町加美町色麻町最上町十日町市南丹市京都市宗像市みやま市国東市

燃 料

下川町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村幌延町平取町西目屋村一関市大崎市加美町南三陸町飯豊町大田原市上野村牛久市掛川市新潟市十日町市津市京丹波町京都市北栄町隠岐の島町東広島市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市竹田市

軽米町南丹市

十勝地域下川町平川市大崎市軽米町牛久市茂木町甲斐市新潟市射水市十日町市大府市南丹市京都市洲本市飯南町真庭市三豊市宗像市みやま市臼杵市小林市

稚内市津市南丹市京都市

その他(マテリアル利用等)

茂木町大田原市京都市洲本市隠岐の島町津山市真庭市三豊市糸島市薩摩川内市 半田市 浜松市新潟市

地域名市町村名の着色は前ページの地域ブロックの着色と同一であり下線は令和元年度選定市町村

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Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)

18

固定価格買取制度は再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを約束する制度のことで太陽光風力水力地熱バイオマス由来の電気が対象買取の価格(調達価格)と期間(調達期間)は専門家で構成される調達価格等算定委員会の意見を尊重し経済産業大臣が決定

令和2年度の主要なバイオマス発電による電気の調達価格は13~40円kWh(税抜) 一般木材バイオマスのうち10000kw以上は入札制比較的小規模の10000kw未満は地域分散型エネルギー

源となりうるため24円kwh(税抜)を維持また競争環境が成立しているバイオマス液体燃料(全規模)も同様に入札制

令和2年度の調達価格と調達期間(バイオマス関係)

バイオマスの種類 調達価格1kWh当たり

調達期間

メタン発酵ガス(バイオマス由来) 39円+税

20年間

間伐材等由来の木質バイオマス1

2000kW未満 40円+税

2000kW以上 32円+税

一般木材バイオマス210000kW未満 24円+税

10000kW以上 +税

バイオマス液体燃料 +税

建設資材廃棄物 13円+税

一般廃棄物その他のバイオマス 17円+税1 「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」に基づく証明のないものにつ

いては建設資材廃棄物と同等に取扱う2 農作物の収穫に伴って生じるバイオマスも含む

事業計画

費用負担調整機関

制度の概要

入札制度

入札制度

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Ⅱー9バイオマス発電の導入状況

19

固定価格買取制度を活用したバイオマス発電については平成31年3月末において約171万kWが運転を開始済RPS制度のもとで導入された発電設備の設備容量を合わせると約402万kWが稼動

バイオマス発電の固定価格買取制度による買取電力量は平成30年度で約125億kWh

平成31年3月末におけるバイオマス発電の導入状況

(注) 四捨五入により合計値が合わない場合がある 設備認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値を集計

単位千kWRPS FIT設備導入量 ( )はRPSからFITへの移行を含む 合計

(FIT計)FIT導入後 認定容量

~H246 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H2407~H313

メタン発酵ガス(バイオマス由来)

147 32 60 74 115 126 123 676 837(32) (172) (74) (104) (122) (130) (634)

間伐材由来の木質バイオマス

145 129 559 1379 901 291 473 3879 5055(129) (655) (1374) (901) (291) (516) (3867)

一般木質バイオマス農作物残渣

1634 298 118 961 1919 3328 3442 11701 79623(298) (856) (961) (1919) (3328) (3947) (11310)

建設資材廃棄物4398 03 35 54 00 38 18 4511 857

(03) (3355) (54) (00) (44) (97) (3552)

一般廃棄物その他のバイオマス

16814 762 243 471 395 306 462 19451 3727(762) (7305) (428) (357) (94) (694) (9640)

計 231381224 1015 2939 3330 4089 4482 40218 90099

17079 (29003)

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Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況

20

沖縄県 1845(3件) 8558(4件)

北海道14048(74件)86544( 5件) 9421( 3件)30084( 9件)

青森県 980(3件) 6250(1件)12400(1件) 6657(2件)

岩手県 630(3件)14717(4件)19800(2件)11297(4件)

宮城県 1143(3件) 880(3件)62657(1件) 1816(1件)14983(4件)

秋田県 730(1件) 7130(3件)21490(2件) 3750(2件) 4765(2件)

東京都 1468( 4件)166303(24件)

神奈川県 9000(3件)49000(1件) 2064(1件)44222(8件)

群馬県 725(3件) 6795(2件)13600(1件) 5540(2件)

千葉県 670(2件)47557(3件)12378(8件)

静岡県 1518(6件)89021(4件)54524(7件)

埼玉県 370( 1件) 146( 1件) 5976( 3件)16721( 1件)26003(12件)

岐阜県 685(2件) 6482(2件) 4300(1件) 600(1件) 6068(3件)

愛知県 2354( 6件)128029( 3件) 76096(14件)

和歌山県 10(1件) 2690(2件)

奈良県 50(1件) 6500(1件) 3499(2件)

京都府 155( 1件) 1760( 1件)17834( 4件)

鳥取県 1490(3件)22350(2件) 2360(1件)

山口県 74(2件) 67(1件)59656(2件)43123(2件)22526(4件)

島根県 759(1件) 6550(1件)12700(1件) 5400(3件)

岡山県 25(1件)10336(2件) 3949(2件) 8756(3件)

広島県 1116(1件)10157(2件)10800(2件)35792(7件)

高知県12750(2件)29500(1件)25730(2件) 5354(3件)

佐賀県 9850(1件) 4403(2件)

鹿児島県29450(2件)49000(1件)13255(5件)

表示出力は発電設備の認定出力にバイオマス比率を乗じたもの(各都道府県の合計出力)

平成31年3月末現在運転開始済みのものでFIT活用施設のみ

(資料)資源エネルギー庁資料を

もとに農林水産省作成

愛媛県 1160(2件)12500(1件)16134(4件)

三重県 1286(5件) 5800(1件)26980(3件) 1990(1件)18011(6件)

茨城県 645(2件) 7740(2件)190523(7件) 4990(1件) 11981(6件)

福島県 25(1件) 5785(3件)69855(2件)27772(2件)18433(5件)

山梨県14500(1件) 4698(3件)

新潟県 709(4件)12000(2件)10704(4件)

長崎県 250(1件) 7840(1件) 4750(3件)

福岡県 3397(3件)116450(3件) 59690(8件)

長野県 710(3件) 5060(4件) 5648(3件)

山形県 825(2件)13352(5件)55250(2件) 5813(4件)

徳島県 6470(2件) 710(1件)

大阪府 5440( 7件)14170( 3件)98781(14件)

香川県 525(2件) 1484(1件)

大分県 990(3件)25416(3件)50000(1件)12000(1件) 7426(3件)

宮崎県 2161(2件)38880(5件)19620(3件)14893(3件)

兵庫県 1382( 5件)22179( 3件)22740( 2件)21608( 2件)55961(14件)

栃木県 2525(9件) 1995(1件) 265(1件)24000(1件) 9214(6件)

石川県 455(3件)10920(4件)

全国計 メタンガス 63382kW (183件) 未利用木質 386741kW ( 70件) 一般木質 1130962kW ( 58件) 建設廃材 355237kW ( 32件) 一般廃棄物 963995kW (237件)

出 力 導入件数

福井県 25(1件) 7545(2件)37000(1件)

熊本県 808(1件) 6327(2件)12500(2件) 185(1件) 2850(1件)

富山県 195(1件) 5750(1件) 990(1件)13330(2件)

滋賀県 25(1件) 3550(1件) 3221(3件)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

36444

50693 58243

78258

98184 110092

126035 119569

120161

126532

131400

63 7585

108 109120

142 142 148 147 154

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大

21

木質バイオマスの活用は再生可能エネルギーの推進だけではなく林業や地域経済の活性化雇用の確保等にも貢献特に未利用となっている林地残材には大きな可能性

木質バイオマスは木質チップや木質ペレット等に加工され製材工場や公共施設発電所等におけるエネルギー源としての利用が増えてきている

木質バイオマスボイラー数の推移木質バイオマスボイラーは製材工場などを中心に2000基程度が設置されており最近は公共施設や温泉農業施設などへの導入も進んできている

地球温暖化問題への関心の高まりや化石燃料から再生可能エネルギー熱への転換による経営リスクの軽減等を背景に近年生産施設数及び生産量ともに増加

(基) ( t )(施設数)

- 施設数(第1軸(左)) 生産量(第2軸(右))

615 838

924

1218

1461

1701

2023

1945

1972

2058

2064

0

500

1000

1500

2000

2500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

台数

木質ペレットの製造施設数及び生産量

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

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農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

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Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

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Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

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施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

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施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 17: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

北海道ブロック(35市町村)十勝地域(19市町村)下川町別海町<H25①>釧路市興部町<H25②>平取町<H27>知内町音威子府村西興部村標茶町<H28>滝上町中標津町鶴居村<H29>稚内市浜頓別町幌延町<H30>八雲町<R1>

東北ブロック(11市町村)青森県 平川市<H28>西目屋村<H29>岩手県 一関市<H28>軽米町<R1>宮城県 東松島市<H25①>

南三陸町<H25②>大崎市<H27>加美町<H28>色麻町<H29>

山形県 最上町<H27>飯豊町<H29>

関東ブロック(9市町村)茨城県 牛久市<H25①>栃木県 茂木町<H27>大田原市<H29>さくら市<R1>群馬県 上野村<H29>山梨県 甲斐市<H27>静岡県 浜松市<H25②>掛川市<H28>長野県 中野市<R1>

北陸ブロック(4市)新潟県 新潟市<H25①>十日町市<H28>富山県 射水市<H26>南砺市<H28>

東海ブロック(3市)愛知県 大府市<H25①>半田市<H28>三重県 津市<H25②>

近畿ブロック(5市町)京都府 南丹市<H27>京丹波町<H28>京都市<H29>兵庫県 洲本市<H26>養父市<H30>

中国四国ブロック(10市町村)鳥取県 北栄町<H30>島根県 奥出雲町<H25②>

隠岐の島町<H26>飯南町<H27>

岡山県 真庭市西粟倉村<H25②>津山市<H27>

広島県 東広島市<H29>山口県 宇部市<H29>香川県 三豊市<H25①>

九州ブロック(13市町)福岡県 みやま市<H26>宗像市<H27>糸島市<H28>朝倉市<R1>佐賀県 佐賀市<H26>玄海町<R1>大分県 佐伯市<H26>臼杵市<H27>国東市<H28>竹田市<R1>宮崎県 小林市<H27>鹿児島県 薩摩川内市長島町<H28>

H25H26 H27 H28 H29 H30 R1

1次 2次26 8 6 11 16 11 5 7

年度別選定地域数(市町村数) <>内は選定年度(①1次選定②2次選定)青字は令和元年度選定地域

16

Ⅱー6バイオマス産業都市の選定地域(9 0市町村)

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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト

17

用途 原料 木質バイオマス 家畜排せつ物 食品廃棄物 下水汚泥

発電

FIT活用

下川町滝上町中標津町鶴居村一関市東松島市最上町大田原市上野村甲斐市浜松市掛川市射水市津市京都市津山市真庭市佐伯市臼杵市

十勝地域音威子府村下川町興部町西興部村別海町標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町幌延町八雲町平川市一関市色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市南丹市京丹波町養父市糸島市国東市長島町玄海町

音威子府村西興部村標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市東松島市色麻町飯豊町大田原市浜松市十日町市半田市大府市南丹市京都市洲本市養父市宇部市糸島市佐伯市臼杵市国東市長島町朝倉市

音威子府村興部町平川市色麻町飯豊町浜松市十日町市南丹市洲本市佐伯市国東市玄海町

その他(未定を含む)

十勝地域釧路市興部町十日町市養父市隠岐の島町小林市

釧路市大崎市加美町最上町北栄町宗像市小林市長島町

興部町滝上町大崎市加美町南三陸町最上町新潟市南砺市津市宗像市みやま市佐賀市小林市

加美町南三陸町最上町新潟市養父市北栄町宗像市みやま市

熱 利 用

十勝地域釧路市知内町下川町平取町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村平川市西目屋村一関市東松島市大崎市加美町南三陸町最上町飯豊町牛久市上野村茂木町大田原市甲斐市浜松市掛川市中野市新潟市十日町市南砺市津市南丹市京丹波町京都市洲本市養父市北栄町奥出雲町飯南町隠岐の島町津山市西粟倉村東広島市三豊市みやま市糸島市佐賀市佐伯市臼杵市国東市小林市朝倉市

十勝地域釧路市下川町音威子府村西興部村標茶町興部町別海町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市一関市加美町色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市京丹波町国東市長島町

音威子府村興部町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村稚内市浜頓別平川市東松島市加美町飯豊町南三陸町色麻町最上町大田原市新潟市十日町市南砺市半田市津市隠岐の島町宇部市臼杵市国東市

音威子府村平川市加美町色麻町最上町飯豊町新潟市十日町市国東市

肥料飼料等 茂木町射水市京都市洲本市飯南町津山市東広島市三豊市宗像市

十勝地域釧路市音威子府村下川町興部町西興部村標茶町別海町中標津町鶴居村八雲町平川市一関市加美町大崎市色麻町最上町平川市茂木町大田原市甲斐市掛川市十日町市半田市南丹市京丹波町飯南町糸島市宗像市佐賀市小林市長島町

興部町音威子府村西興部村標茶町平川市東松島市大崎市加美町南三陸町色麻町最上町茂木町甲斐市浜松市新潟市十日町市南砺市半田市大府市南丹市三豊市隠岐の島町東広島市宇部市宗像市みやま市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市長島町

音威子府村平川市南三陸町加美町色麻町最上町十日町市南丹市京都市宗像市みやま市国東市

燃 料

下川町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村幌延町平取町西目屋村一関市大崎市加美町南三陸町飯豊町大田原市上野村牛久市掛川市新潟市十日町市津市京丹波町京都市北栄町隠岐の島町東広島市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市竹田市

軽米町南丹市

十勝地域下川町平川市大崎市軽米町牛久市茂木町甲斐市新潟市射水市十日町市大府市南丹市京都市洲本市飯南町真庭市三豊市宗像市みやま市臼杵市小林市

稚内市津市南丹市京都市

その他(マテリアル利用等)

茂木町大田原市京都市洲本市隠岐の島町津山市真庭市三豊市糸島市薩摩川内市 半田市 浜松市新潟市

地域名市町村名の着色は前ページの地域ブロックの着色と同一であり下線は令和元年度選定市町村

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Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)

18

固定価格買取制度は再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを約束する制度のことで太陽光風力水力地熱バイオマス由来の電気が対象買取の価格(調達価格)と期間(調達期間)は専門家で構成される調達価格等算定委員会の意見を尊重し経済産業大臣が決定

令和2年度の主要なバイオマス発電による電気の調達価格は13~40円kWh(税抜) 一般木材バイオマスのうち10000kw以上は入札制比較的小規模の10000kw未満は地域分散型エネルギー

源となりうるため24円kwh(税抜)を維持また競争環境が成立しているバイオマス液体燃料(全規模)も同様に入札制

令和2年度の調達価格と調達期間(バイオマス関係)

バイオマスの種類 調達価格1kWh当たり

調達期間

メタン発酵ガス(バイオマス由来) 39円+税

20年間

間伐材等由来の木質バイオマス1

2000kW未満 40円+税

2000kW以上 32円+税

一般木材バイオマス210000kW未満 24円+税

10000kW以上 +税

バイオマス液体燃料 +税

建設資材廃棄物 13円+税

一般廃棄物その他のバイオマス 17円+税1 「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」に基づく証明のないものにつ

いては建設資材廃棄物と同等に取扱う2 農作物の収穫に伴って生じるバイオマスも含む

事業計画

費用負担調整機関

制度の概要

入札制度

入札制度

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Ⅱー9バイオマス発電の導入状況

19

固定価格買取制度を活用したバイオマス発電については平成31年3月末において約171万kWが運転を開始済RPS制度のもとで導入された発電設備の設備容量を合わせると約402万kWが稼動

バイオマス発電の固定価格買取制度による買取電力量は平成30年度で約125億kWh

平成31年3月末におけるバイオマス発電の導入状況

(注) 四捨五入により合計値が合わない場合がある 設備認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値を集計

単位千kWRPS FIT設備導入量 ( )はRPSからFITへの移行を含む 合計

(FIT計)FIT導入後 認定容量

~H246 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H2407~H313

メタン発酵ガス(バイオマス由来)

147 32 60 74 115 126 123 676 837(32) (172) (74) (104) (122) (130) (634)

間伐材由来の木質バイオマス

145 129 559 1379 901 291 473 3879 5055(129) (655) (1374) (901) (291) (516) (3867)

一般木質バイオマス農作物残渣

1634 298 118 961 1919 3328 3442 11701 79623(298) (856) (961) (1919) (3328) (3947) (11310)

建設資材廃棄物4398 03 35 54 00 38 18 4511 857

(03) (3355) (54) (00) (44) (97) (3552)

一般廃棄物その他のバイオマス

16814 762 243 471 395 306 462 19451 3727(762) (7305) (428) (357) (94) (694) (9640)

計 231381224 1015 2939 3330 4089 4482 40218 90099

17079 (29003)

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Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況

20

沖縄県 1845(3件) 8558(4件)

北海道14048(74件)86544( 5件) 9421( 3件)30084( 9件)

青森県 980(3件) 6250(1件)12400(1件) 6657(2件)

岩手県 630(3件)14717(4件)19800(2件)11297(4件)

宮城県 1143(3件) 880(3件)62657(1件) 1816(1件)14983(4件)

秋田県 730(1件) 7130(3件)21490(2件) 3750(2件) 4765(2件)

東京都 1468( 4件)166303(24件)

神奈川県 9000(3件)49000(1件) 2064(1件)44222(8件)

群馬県 725(3件) 6795(2件)13600(1件) 5540(2件)

千葉県 670(2件)47557(3件)12378(8件)

静岡県 1518(6件)89021(4件)54524(7件)

埼玉県 370( 1件) 146( 1件) 5976( 3件)16721( 1件)26003(12件)

岐阜県 685(2件) 6482(2件) 4300(1件) 600(1件) 6068(3件)

愛知県 2354( 6件)128029( 3件) 76096(14件)

和歌山県 10(1件) 2690(2件)

奈良県 50(1件) 6500(1件) 3499(2件)

京都府 155( 1件) 1760( 1件)17834( 4件)

鳥取県 1490(3件)22350(2件) 2360(1件)

山口県 74(2件) 67(1件)59656(2件)43123(2件)22526(4件)

島根県 759(1件) 6550(1件)12700(1件) 5400(3件)

岡山県 25(1件)10336(2件) 3949(2件) 8756(3件)

広島県 1116(1件)10157(2件)10800(2件)35792(7件)

高知県12750(2件)29500(1件)25730(2件) 5354(3件)

佐賀県 9850(1件) 4403(2件)

鹿児島県29450(2件)49000(1件)13255(5件)

表示出力は発電設備の認定出力にバイオマス比率を乗じたもの(各都道府県の合計出力)

平成31年3月末現在運転開始済みのものでFIT活用施設のみ

(資料)資源エネルギー庁資料を

もとに農林水産省作成

愛媛県 1160(2件)12500(1件)16134(4件)

三重県 1286(5件) 5800(1件)26980(3件) 1990(1件)18011(6件)

茨城県 645(2件) 7740(2件)190523(7件) 4990(1件) 11981(6件)

福島県 25(1件) 5785(3件)69855(2件)27772(2件)18433(5件)

山梨県14500(1件) 4698(3件)

新潟県 709(4件)12000(2件)10704(4件)

長崎県 250(1件) 7840(1件) 4750(3件)

福岡県 3397(3件)116450(3件) 59690(8件)

長野県 710(3件) 5060(4件) 5648(3件)

山形県 825(2件)13352(5件)55250(2件) 5813(4件)

徳島県 6470(2件) 710(1件)

大阪府 5440( 7件)14170( 3件)98781(14件)

香川県 525(2件) 1484(1件)

大分県 990(3件)25416(3件)50000(1件)12000(1件) 7426(3件)

宮崎県 2161(2件)38880(5件)19620(3件)14893(3件)

兵庫県 1382( 5件)22179( 3件)22740( 2件)21608( 2件)55961(14件)

栃木県 2525(9件) 1995(1件) 265(1件)24000(1件) 9214(6件)

石川県 455(3件)10920(4件)

全国計 メタンガス 63382kW (183件) 未利用木質 386741kW ( 70件) 一般木質 1130962kW ( 58件) 建設廃材 355237kW ( 32件) 一般廃棄物 963995kW (237件)

出 力 導入件数

福井県 25(1件) 7545(2件)37000(1件)

熊本県 808(1件) 6327(2件)12500(2件) 185(1件) 2850(1件)

富山県 195(1件) 5750(1件) 990(1件)13330(2件)

滋賀県 25(1件) 3550(1件) 3221(3件)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

36444

50693 58243

78258

98184 110092

126035 119569

120161

126532

131400

63 7585

108 109120

142 142 148 147 154

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大

21

木質バイオマスの活用は再生可能エネルギーの推進だけではなく林業や地域経済の活性化雇用の確保等にも貢献特に未利用となっている林地残材には大きな可能性

木質バイオマスは木質チップや木質ペレット等に加工され製材工場や公共施設発電所等におけるエネルギー源としての利用が増えてきている

木質バイオマスボイラー数の推移木質バイオマスボイラーは製材工場などを中心に2000基程度が設置されており最近は公共施設や温泉農業施設などへの導入も進んできている

地球温暖化問題への関心の高まりや化石燃料から再生可能エネルギー熱への転換による経営リスクの軽減等を背景に近年生産施設数及び生産量ともに増加

(基) ( t )(施設数)

- 施設数(第1軸(左)) 生産量(第2軸(右))

615 838

924

1218

1461

1701

2023

1945

1972

2058

2064

0

500

1000

1500

2000

2500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

台数

木質ペレットの製造施設数及び生産量

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

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農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

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Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

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Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

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施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト

17

用途 原料 木質バイオマス 家畜排せつ物 食品廃棄物 下水汚泥

発電

FIT活用

下川町滝上町中標津町鶴居村一関市東松島市最上町大田原市上野村甲斐市浜松市掛川市射水市津市京都市津山市真庭市佐伯市臼杵市

十勝地域音威子府村下川町興部町西興部村別海町標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町幌延町八雲町平川市一関市色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市南丹市京丹波町養父市糸島市国東市長島町玄海町

音威子府村西興部村標茶町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市東松島市色麻町飯豊町大田原市浜松市十日町市半田市大府市南丹市京都市洲本市養父市宇部市糸島市佐伯市臼杵市国東市長島町朝倉市

音威子府村興部町平川市色麻町飯豊町浜松市十日町市南丹市洲本市佐伯市国東市玄海町

その他(未定を含む)

十勝地域釧路市興部町十日町市養父市隠岐の島町小林市

釧路市大崎市加美町最上町北栄町宗像市小林市長島町

興部町滝上町大崎市加美町南三陸町最上町新潟市南砺市津市宗像市みやま市佐賀市小林市

加美町南三陸町最上町新潟市養父市北栄町宗像市みやま市

熱 利 用

十勝地域釧路市知内町下川町平取町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村平川市西目屋村一関市東松島市大崎市加美町南三陸町最上町飯豊町牛久市上野村茂木町大田原市甲斐市浜松市掛川市中野市新潟市十日町市南砺市津市南丹市京丹波町京都市洲本市養父市北栄町奥出雲町飯南町隠岐の島町津山市西粟倉村東広島市三豊市みやま市糸島市佐賀市佐伯市臼杵市国東市小林市朝倉市

十勝地域釧路市下川町音威子府村西興部村標茶町興部町別海町中標津町鶴居村稚内市浜頓別町平川市一関市加美町色麻町飯豊町軽米町大田原市十日町市半田市京丹波町国東市長島町

音威子府村興部町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村稚内市浜頓別平川市東松島市加美町飯豊町南三陸町色麻町最上町大田原市新潟市十日町市南砺市半田市津市隠岐の島町宇部市臼杵市国東市

音威子府村平川市加美町色麻町最上町飯豊町新潟市十日町市国東市

肥料飼料等 茂木町射水市京都市洲本市飯南町津山市東広島市三豊市宗像市

十勝地域釧路市音威子府村下川町興部町西興部村標茶町別海町中標津町鶴居村八雲町平川市一関市加美町大崎市色麻町最上町平川市茂木町大田原市甲斐市掛川市十日町市半田市南丹市京丹波町飯南町糸島市宗像市佐賀市小林市長島町

興部町音威子府村西興部村標茶町平川市東松島市大崎市加美町南三陸町色麻町最上町茂木町甲斐市浜松市新潟市十日町市南砺市半田市大府市南丹市三豊市隠岐の島町東広島市宇部市宗像市みやま市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市長島町

音威子府村平川市南三陸町加美町色麻町最上町十日町市南丹市京都市宗像市みやま市国東市

燃 料

下川町西興部村標茶町滝上町中標津町鶴居村幌延町平取町西目屋村一関市大崎市加美町南三陸町飯豊町大田原市上野村牛久市掛川市新潟市十日町市津市京丹波町京都市北栄町隠岐の島町東広島市糸島市佐賀市臼杵市国東市小林市竹田市

軽米町南丹市

十勝地域下川町平川市大崎市軽米町牛久市茂木町甲斐市新潟市射水市十日町市大府市南丹市京都市洲本市飯南町真庭市三豊市宗像市みやま市臼杵市小林市

稚内市津市南丹市京都市

その他(マテリアル利用等)

茂木町大田原市京都市洲本市隠岐の島町津山市真庭市三豊市糸島市薩摩川内市 半田市 浜松市新潟市

地域名市町村名の着色は前ページの地域ブロックの着色と同一であり下線は令和元年度選定市町村

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Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)

18

固定価格買取制度は再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを約束する制度のことで太陽光風力水力地熱バイオマス由来の電気が対象買取の価格(調達価格)と期間(調達期間)は専門家で構成される調達価格等算定委員会の意見を尊重し経済産業大臣が決定

令和2年度の主要なバイオマス発電による電気の調達価格は13~40円kWh(税抜) 一般木材バイオマスのうち10000kw以上は入札制比較的小規模の10000kw未満は地域分散型エネルギー

源となりうるため24円kwh(税抜)を維持また競争環境が成立しているバイオマス液体燃料(全規模)も同様に入札制

令和2年度の調達価格と調達期間(バイオマス関係)

バイオマスの種類 調達価格1kWh当たり

調達期間

メタン発酵ガス(バイオマス由来) 39円+税

20年間

間伐材等由来の木質バイオマス1

2000kW未満 40円+税

2000kW以上 32円+税

一般木材バイオマス210000kW未満 24円+税

10000kW以上 +税

バイオマス液体燃料 +税

建設資材廃棄物 13円+税

一般廃棄物その他のバイオマス 17円+税1 「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」に基づく証明のないものにつ

いては建設資材廃棄物と同等に取扱う2 農作物の収穫に伴って生じるバイオマスも含む

事業計画

費用負担調整機関

制度の概要

入札制度

入札制度

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Ⅱー9バイオマス発電の導入状況

19

固定価格買取制度を活用したバイオマス発電については平成31年3月末において約171万kWが運転を開始済RPS制度のもとで導入された発電設備の設備容量を合わせると約402万kWが稼動

バイオマス発電の固定価格買取制度による買取電力量は平成30年度で約125億kWh

平成31年3月末におけるバイオマス発電の導入状況

(注) 四捨五入により合計値が合わない場合がある 設備認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値を集計

単位千kWRPS FIT設備導入量 ( )はRPSからFITへの移行を含む 合計

(FIT計)FIT導入後 認定容量

~H246 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H2407~H313

メタン発酵ガス(バイオマス由来)

147 32 60 74 115 126 123 676 837(32) (172) (74) (104) (122) (130) (634)

間伐材由来の木質バイオマス

145 129 559 1379 901 291 473 3879 5055(129) (655) (1374) (901) (291) (516) (3867)

一般木質バイオマス農作物残渣

1634 298 118 961 1919 3328 3442 11701 79623(298) (856) (961) (1919) (3328) (3947) (11310)

建設資材廃棄物4398 03 35 54 00 38 18 4511 857

(03) (3355) (54) (00) (44) (97) (3552)

一般廃棄物その他のバイオマス

16814 762 243 471 395 306 462 19451 3727(762) (7305) (428) (357) (94) (694) (9640)

計 231381224 1015 2939 3330 4089 4482 40218 90099

17079 (29003)

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Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況

20

沖縄県 1845(3件) 8558(4件)

北海道14048(74件)86544( 5件) 9421( 3件)30084( 9件)

青森県 980(3件) 6250(1件)12400(1件) 6657(2件)

岩手県 630(3件)14717(4件)19800(2件)11297(4件)

宮城県 1143(3件) 880(3件)62657(1件) 1816(1件)14983(4件)

秋田県 730(1件) 7130(3件)21490(2件) 3750(2件) 4765(2件)

東京都 1468( 4件)166303(24件)

神奈川県 9000(3件)49000(1件) 2064(1件)44222(8件)

群馬県 725(3件) 6795(2件)13600(1件) 5540(2件)

千葉県 670(2件)47557(3件)12378(8件)

静岡県 1518(6件)89021(4件)54524(7件)

埼玉県 370( 1件) 146( 1件) 5976( 3件)16721( 1件)26003(12件)

岐阜県 685(2件) 6482(2件) 4300(1件) 600(1件) 6068(3件)

愛知県 2354( 6件)128029( 3件) 76096(14件)

和歌山県 10(1件) 2690(2件)

奈良県 50(1件) 6500(1件) 3499(2件)

京都府 155( 1件) 1760( 1件)17834( 4件)

鳥取県 1490(3件)22350(2件) 2360(1件)

山口県 74(2件) 67(1件)59656(2件)43123(2件)22526(4件)

島根県 759(1件) 6550(1件)12700(1件) 5400(3件)

岡山県 25(1件)10336(2件) 3949(2件) 8756(3件)

広島県 1116(1件)10157(2件)10800(2件)35792(7件)

高知県12750(2件)29500(1件)25730(2件) 5354(3件)

佐賀県 9850(1件) 4403(2件)

鹿児島県29450(2件)49000(1件)13255(5件)

表示出力は発電設備の認定出力にバイオマス比率を乗じたもの(各都道府県の合計出力)

平成31年3月末現在運転開始済みのものでFIT活用施設のみ

(資料)資源エネルギー庁資料を

もとに農林水産省作成

愛媛県 1160(2件)12500(1件)16134(4件)

三重県 1286(5件) 5800(1件)26980(3件) 1990(1件)18011(6件)

茨城県 645(2件) 7740(2件)190523(7件) 4990(1件) 11981(6件)

福島県 25(1件) 5785(3件)69855(2件)27772(2件)18433(5件)

山梨県14500(1件) 4698(3件)

新潟県 709(4件)12000(2件)10704(4件)

長崎県 250(1件) 7840(1件) 4750(3件)

福岡県 3397(3件)116450(3件) 59690(8件)

長野県 710(3件) 5060(4件) 5648(3件)

山形県 825(2件)13352(5件)55250(2件) 5813(4件)

徳島県 6470(2件) 710(1件)

大阪府 5440( 7件)14170( 3件)98781(14件)

香川県 525(2件) 1484(1件)

大分県 990(3件)25416(3件)50000(1件)12000(1件) 7426(3件)

宮崎県 2161(2件)38880(5件)19620(3件)14893(3件)

兵庫県 1382( 5件)22179( 3件)22740( 2件)21608( 2件)55961(14件)

栃木県 2525(9件) 1995(1件) 265(1件)24000(1件) 9214(6件)

石川県 455(3件)10920(4件)

全国計 メタンガス 63382kW (183件) 未利用木質 386741kW ( 70件) 一般木質 1130962kW ( 58件) 建設廃材 355237kW ( 32件) 一般廃棄物 963995kW (237件)

出 力 導入件数

福井県 25(1件) 7545(2件)37000(1件)

熊本県 808(1件) 6327(2件)12500(2件) 185(1件) 2850(1件)

富山県 195(1件) 5750(1件) 990(1件)13330(2件)

滋賀県 25(1件) 3550(1件) 3221(3件)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

36444

50693 58243

78258

98184 110092

126035 119569

120161

126532

131400

63 7585

108 109120

142 142 148 147 154

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大

21

木質バイオマスの活用は再生可能エネルギーの推進だけではなく林業や地域経済の活性化雇用の確保等にも貢献特に未利用となっている林地残材には大きな可能性

木質バイオマスは木質チップや木質ペレット等に加工され製材工場や公共施設発電所等におけるエネルギー源としての利用が増えてきている

木質バイオマスボイラー数の推移木質バイオマスボイラーは製材工場などを中心に2000基程度が設置されており最近は公共施設や温泉農業施設などへの導入も進んできている

地球温暖化問題への関心の高まりや化石燃料から再生可能エネルギー熱への転換による経営リスクの軽減等を背景に近年生産施設数及び生産量ともに増加

(基) ( t )(施設数)

- 施設数(第1軸(左)) 生産量(第2軸(右))

615 838

924

1218

1461

1701

2023

1945

1972

2058

2064

0

500

1000

1500

2000

2500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

台数

木質ペレットの製造施設数及び生産量

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

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農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

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Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

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Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

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施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

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施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 19: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)

18

固定価格買取制度は再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを約束する制度のことで太陽光風力水力地熱バイオマス由来の電気が対象買取の価格(調達価格)と期間(調達期間)は専門家で構成される調達価格等算定委員会の意見を尊重し経済産業大臣が決定

令和2年度の主要なバイオマス発電による電気の調達価格は13~40円kWh(税抜) 一般木材バイオマスのうち10000kw以上は入札制比較的小規模の10000kw未満は地域分散型エネルギー

源となりうるため24円kwh(税抜)を維持また競争環境が成立しているバイオマス液体燃料(全規模)も同様に入札制

令和2年度の調達価格と調達期間(バイオマス関係)

バイオマスの種類 調達価格1kWh当たり

調達期間

メタン発酵ガス(バイオマス由来) 39円+税

20年間

間伐材等由来の木質バイオマス1

2000kW未満 40円+税

2000kW以上 32円+税

一般木材バイオマス210000kW未満 24円+税

10000kW以上 +税

バイオマス液体燃料 +税

建設資材廃棄物 13円+税

一般廃棄物その他のバイオマス 17円+税1 「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」に基づく証明のないものにつ

いては建設資材廃棄物と同等に取扱う2 農作物の収穫に伴って生じるバイオマスも含む

事業計画

費用負担調整機関

制度の概要

入札制度

入札制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー9バイオマス発電の導入状況

19

固定価格買取制度を活用したバイオマス発電については平成31年3月末において約171万kWが運転を開始済RPS制度のもとで導入された発電設備の設備容量を合わせると約402万kWが稼動

バイオマス発電の固定価格買取制度による買取電力量は平成30年度で約125億kWh

平成31年3月末におけるバイオマス発電の導入状況

(注) 四捨五入により合計値が合わない場合がある 設備認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値を集計

単位千kWRPS FIT設備導入量 ( )はRPSからFITへの移行を含む 合計

(FIT計)FIT導入後 認定容量

~H246 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H2407~H313

メタン発酵ガス(バイオマス由来)

147 32 60 74 115 126 123 676 837(32) (172) (74) (104) (122) (130) (634)

間伐材由来の木質バイオマス

145 129 559 1379 901 291 473 3879 5055(129) (655) (1374) (901) (291) (516) (3867)

一般木質バイオマス農作物残渣

1634 298 118 961 1919 3328 3442 11701 79623(298) (856) (961) (1919) (3328) (3947) (11310)

建設資材廃棄物4398 03 35 54 00 38 18 4511 857

(03) (3355) (54) (00) (44) (97) (3552)

一般廃棄物その他のバイオマス

16814 762 243 471 395 306 462 19451 3727(762) (7305) (428) (357) (94) (694) (9640)

計 231381224 1015 2939 3330 4089 4482 40218 90099

17079 (29003)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況

20

沖縄県 1845(3件) 8558(4件)

北海道14048(74件)86544( 5件) 9421( 3件)30084( 9件)

青森県 980(3件) 6250(1件)12400(1件) 6657(2件)

岩手県 630(3件)14717(4件)19800(2件)11297(4件)

宮城県 1143(3件) 880(3件)62657(1件) 1816(1件)14983(4件)

秋田県 730(1件) 7130(3件)21490(2件) 3750(2件) 4765(2件)

東京都 1468( 4件)166303(24件)

神奈川県 9000(3件)49000(1件) 2064(1件)44222(8件)

群馬県 725(3件) 6795(2件)13600(1件) 5540(2件)

千葉県 670(2件)47557(3件)12378(8件)

静岡県 1518(6件)89021(4件)54524(7件)

埼玉県 370( 1件) 146( 1件) 5976( 3件)16721( 1件)26003(12件)

岐阜県 685(2件) 6482(2件) 4300(1件) 600(1件) 6068(3件)

愛知県 2354( 6件)128029( 3件) 76096(14件)

和歌山県 10(1件) 2690(2件)

奈良県 50(1件) 6500(1件) 3499(2件)

京都府 155( 1件) 1760( 1件)17834( 4件)

鳥取県 1490(3件)22350(2件) 2360(1件)

山口県 74(2件) 67(1件)59656(2件)43123(2件)22526(4件)

島根県 759(1件) 6550(1件)12700(1件) 5400(3件)

岡山県 25(1件)10336(2件) 3949(2件) 8756(3件)

広島県 1116(1件)10157(2件)10800(2件)35792(7件)

高知県12750(2件)29500(1件)25730(2件) 5354(3件)

佐賀県 9850(1件) 4403(2件)

鹿児島県29450(2件)49000(1件)13255(5件)

表示出力は発電設備の認定出力にバイオマス比率を乗じたもの(各都道府県の合計出力)

平成31年3月末現在運転開始済みのものでFIT活用施設のみ

(資料)資源エネルギー庁資料を

もとに農林水産省作成

愛媛県 1160(2件)12500(1件)16134(4件)

三重県 1286(5件) 5800(1件)26980(3件) 1990(1件)18011(6件)

茨城県 645(2件) 7740(2件)190523(7件) 4990(1件) 11981(6件)

福島県 25(1件) 5785(3件)69855(2件)27772(2件)18433(5件)

山梨県14500(1件) 4698(3件)

新潟県 709(4件)12000(2件)10704(4件)

長崎県 250(1件) 7840(1件) 4750(3件)

福岡県 3397(3件)116450(3件) 59690(8件)

長野県 710(3件) 5060(4件) 5648(3件)

山形県 825(2件)13352(5件)55250(2件) 5813(4件)

徳島県 6470(2件) 710(1件)

大阪府 5440( 7件)14170( 3件)98781(14件)

香川県 525(2件) 1484(1件)

大分県 990(3件)25416(3件)50000(1件)12000(1件) 7426(3件)

宮崎県 2161(2件)38880(5件)19620(3件)14893(3件)

兵庫県 1382( 5件)22179( 3件)22740( 2件)21608( 2件)55961(14件)

栃木県 2525(9件) 1995(1件) 265(1件)24000(1件) 9214(6件)

石川県 455(3件)10920(4件)

全国計 メタンガス 63382kW (183件) 未利用木質 386741kW ( 70件) 一般木質 1130962kW ( 58件) 建設廃材 355237kW ( 32件) 一般廃棄物 963995kW (237件)

出 力 導入件数

福井県 25(1件) 7545(2件)37000(1件)

熊本県 808(1件) 6327(2件)12500(2件) 185(1件) 2850(1件)

富山県 195(1件) 5750(1件) 990(1件)13330(2件)

滋賀県 25(1件) 3550(1件) 3221(3件)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

36444

50693 58243

78258

98184 110092

126035 119569

120161

126532

131400

63 7585

108 109120

142 142 148 147 154

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大

21

木質バイオマスの活用は再生可能エネルギーの推進だけではなく林業や地域経済の活性化雇用の確保等にも貢献特に未利用となっている林地残材には大きな可能性

木質バイオマスは木質チップや木質ペレット等に加工され製材工場や公共施設発電所等におけるエネルギー源としての利用が増えてきている

木質バイオマスボイラー数の推移木質バイオマスボイラーは製材工場などを中心に2000基程度が設置されており最近は公共施設や温泉農業施設などへの導入も進んできている

地球温暖化問題への関心の高まりや化石燃料から再生可能エネルギー熱への転換による経営リスクの軽減等を背景に近年生産施設数及び生産量ともに増加

(基) ( t )(施設数)

- 施設数(第1軸(左)) 生産量(第2軸(右))

615 838

924

1218

1461

1701

2023

1945

1972

2058

2064

0

500

1000

1500

2000

2500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

台数

木質ペレットの製造施設数及び生産量

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

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Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

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Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

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施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 20: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー9バイオマス発電の導入状況

19

固定価格買取制度を活用したバイオマス発電については平成31年3月末において約171万kWが運転を開始済RPS制度のもとで導入された発電設備の設備容量を合わせると約402万kWが稼動

バイオマス発電の固定価格買取制度による買取電力量は平成30年度で約125億kWh

平成31年3月末におけるバイオマス発電の導入状況

(注) 四捨五入により合計値が合わない場合がある 設備認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値を集計

単位千kWRPS FIT設備導入量 ( )はRPSからFITへの移行を含む 合計

(FIT計)FIT導入後 認定容量

~H246 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H2407~H313

メタン発酵ガス(バイオマス由来)

147 32 60 74 115 126 123 676 837(32) (172) (74) (104) (122) (130) (634)

間伐材由来の木質バイオマス

145 129 559 1379 901 291 473 3879 5055(129) (655) (1374) (901) (291) (516) (3867)

一般木質バイオマス農作物残渣

1634 298 118 961 1919 3328 3442 11701 79623(298) (856) (961) (1919) (3328) (3947) (11310)

建設資材廃棄物4398 03 35 54 00 38 18 4511 857

(03) (3355) (54) (00) (44) (97) (3552)

一般廃棄物その他のバイオマス

16814 762 243 471 395 306 462 19451 3727(762) (7305) (428) (357) (94) (694) (9640)

計 231381224 1015 2939 3330 4089 4482 40218 90099

17079 (29003)

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Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況

20

沖縄県 1845(3件) 8558(4件)

北海道14048(74件)86544( 5件) 9421( 3件)30084( 9件)

青森県 980(3件) 6250(1件)12400(1件) 6657(2件)

岩手県 630(3件)14717(4件)19800(2件)11297(4件)

宮城県 1143(3件) 880(3件)62657(1件) 1816(1件)14983(4件)

秋田県 730(1件) 7130(3件)21490(2件) 3750(2件) 4765(2件)

東京都 1468( 4件)166303(24件)

神奈川県 9000(3件)49000(1件) 2064(1件)44222(8件)

群馬県 725(3件) 6795(2件)13600(1件) 5540(2件)

千葉県 670(2件)47557(3件)12378(8件)

静岡県 1518(6件)89021(4件)54524(7件)

埼玉県 370( 1件) 146( 1件) 5976( 3件)16721( 1件)26003(12件)

岐阜県 685(2件) 6482(2件) 4300(1件) 600(1件) 6068(3件)

愛知県 2354( 6件)128029( 3件) 76096(14件)

和歌山県 10(1件) 2690(2件)

奈良県 50(1件) 6500(1件) 3499(2件)

京都府 155( 1件) 1760( 1件)17834( 4件)

鳥取県 1490(3件)22350(2件) 2360(1件)

山口県 74(2件) 67(1件)59656(2件)43123(2件)22526(4件)

島根県 759(1件) 6550(1件)12700(1件) 5400(3件)

岡山県 25(1件)10336(2件) 3949(2件) 8756(3件)

広島県 1116(1件)10157(2件)10800(2件)35792(7件)

高知県12750(2件)29500(1件)25730(2件) 5354(3件)

佐賀県 9850(1件) 4403(2件)

鹿児島県29450(2件)49000(1件)13255(5件)

表示出力は発電設備の認定出力にバイオマス比率を乗じたもの(各都道府県の合計出力)

平成31年3月末現在運転開始済みのものでFIT活用施設のみ

(資料)資源エネルギー庁資料を

もとに農林水産省作成

愛媛県 1160(2件)12500(1件)16134(4件)

三重県 1286(5件) 5800(1件)26980(3件) 1990(1件)18011(6件)

茨城県 645(2件) 7740(2件)190523(7件) 4990(1件) 11981(6件)

福島県 25(1件) 5785(3件)69855(2件)27772(2件)18433(5件)

山梨県14500(1件) 4698(3件)

新潟県 709(4件)12000(2件)10704(4件)

長崎県 250(1件) 7840(1件) 4750(3件)

福岡県 3397(3件)116450(3件) 59690(8件)

長野県 710(3件) 5060(4件) 5648(3件)

山形県 825(2件)13352(5件)55250(2件) 5813(4件)

徳島県 6470(2件) 710(1件)

大阪府 5440( 7件)14170( 3件)98781(14件)

香川県 525(2件) 1484(1件)

大分県 990(3件)25416(3件)50000(1件)12000(1件) 7426(3件)

宮崎県 2161(2件)38880(5件)19620(3件)14893(3件)

兵庫県 1382( 5件)22179( 3件)22740( 2件)21608( 2件)55961(14件)

栃木県 2525(9件) 1995(1件) 265(1件)24000(1件) 9214(6件)

石川県 455(3件)10920(4件)

全国計 メタンガス 63382kW (183件) 未利用木質 386741kW ( 70件) 一般木質 1130962kW ( 58件) 建設廃材 355237kW ( 32件) 一般廃棄物 963995kW (237件)

出 力 導入件数

福井県 25(1件) 7545(2件)37000(1件)

熊本県 808(1件) 6327(2件)12500(2件) 185(1件) 2850(1件)

富山県 195(1件) 5750(1件) 990(1件)13330(2件)

滋賀県 25(1件) 3550(1件) 3221(3件)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

36444

50693 58243

78258

98184 110092

126035 119569

120161

126532

131400

63 7585

108 109120

142 142 148 147 154

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大

21

木質バイオマスの活用は再生可能エネルギーの推進だけではなく林業や地域経済の活性化雇用の確保等にも貢献特に未利用となっている林地残材には大きな可能性

木質バイオマスは木質チップや木質ペレット等に加工され製材工場や公共施設発電所等におけるエネルギー源としての利用が増えてきている

木質バイオマスボイラー数の推移木質バイオマスボイラーは製材工場などを中心に2000基程度が設置されており最近は公共施設や温泉農業施設などへの導入も進んできている

地球温暖化問題への関心の高まりや化石燃料から再生可能エネルギー熱への転換による経営リスクの軽減等を背景に近年生産施設数及び生産量ともに増加

(基) ( t )(施設数)

- 施設数(第1軸(左)) 生産量(第2軸(右))

615 838

924

1218

1461

1701

2023

1945

1972

2058

2064

0

500

1000

1500

2000

2500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

台数

木質ペレットの製造施設数及び生産量

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

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「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

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<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

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森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

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た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

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す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

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な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

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「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

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(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

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竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

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名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 21: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況

20

沖縄県 1845(3件) 8558(4件)

北海道14048(74件)86544( 5件) 9421( 3件)30084( 9件)

青森県 980(3件) 6250(1件)12400(1件) 6657(2件)

岩手県 630(3件)14717(4件)19800(2件)11297(4件)

宮城県 1143(3件) 880(3件)62657(1件) 1816(1件)14983(4件)

秋田県 730(1件) 7130(3件)21490(2件) 3750(2件) 4765(2件)

東京都 1468( 4件)166303(24件)

神奈川県 9000(3件)49000(1件) 2064(1件)44222(8件)

群馬県 725(3件) 6795(2件)13600(1件) 5540(2件)

千葉県 670(2件)47557(3件)12378(8件)

静岡県 1518(6件)89021(4件)54524(7件)

埼玉県 370( 1件) 146( 1件) 5976( 3件)16721( 1件)26003(12件)

岐阜県 685(2件) 6482(2件) 4300(1件) 600(1件) 6068(3件)

愛知県 2354( 6件)128029( 3件) 76096(14件)

和歌山県 10(1件) 2690(2件)

奈良県 50(1件) 6500(1件) 3499(2件)

京都府 155( 1件) 1760( 1件)17834( 4件)

鳥取県 1490(3件)22350(2件) 2360(1件)

山口県 74(2件) 67(1件)59656(2件)43123(2件)22526(4件)

島根県 759(1件) 6550(1件)12700(1件) 5400(3件)

岡山県 25(1件)10336(2件) 3949(2件) 8756(3件)

広島県 1116(1件)10157(2件)10800(2件)35792(7件)

高知県12750(2件)29500(1件)25730(2件) 5354(3件)

佐賀県 9850(1件) 4403(2件)

鹿児島県29450(2件)49000(1件)13255(5件)

表示出力は発電設備の認定出力にバイオマス比率を乗じたもの(各都道府県の合計出力)

平成31年3月末現在運転開始済みのものでFIT活用施設のみ

(資料)資源エネルギー庁資料を

もとに農林水産省作成

愛媛県 1160(2件)12500(1件)16134(4件)

三重県 1286(5件) 5800(1件)26980(3件) 1990(1件)18011(6件)

茨城県 645(2件) 7740(2件)190523(7件) 4990(1件) 11981(6件)

福島県 25(1件) 5785(3件)69855(2件)27772(2件)18433(5件)

山梨県14500(1件) 4698(3件)

新潟県 709(4件)12000(2件)10704(4件)

長崎県 250(1件) 7840(1件) 4750(3件)

福岡県 3397(3件)116450(3件) 59690(8件)

長野県 710(3件) 5060(4件) 5648(3件)

山形県 825(2件)13352(5件)55250(2件) 5813(4件)

徳島県 6470(2件) 710(1件)

大阪府 5440( 7件)14170( 3件)98781(14件)

香川県 525(2件) 1484(1件)

大分県 990(3件)25416(3件)50000(1件)12000(1件) 7426(3件)

宮崎県 2161(2件)38880(5件)19620(3件)14893(3件)

兵庫県 1382( 5件)22179( 3件)22740( 2件)21608( 2件)55961(14件)

栃木県 2525(9件) 1995(1件) 265(1件)24000(1件) 9214(6件)

石川県 455(3件)10920(4件)

全国計 メタンガス 63382kW (183件) 未利用木質 386741kW ( 70件) 一般木質 1130962kW ( 58件) 建設廃材 355237kW ( 32件) 一般廃棄物 963995kW (237件)

出 力 導入件数

福井県 25(1件) 7545(2件)37000(1件)

熊本県 808(1件) 6327(2件)12500(2件) 185(1件) 2850(1件)

富山県 195(1件) 5750(1件) 990(1件)13330(2件)

滋賀県 25(1件) 3550(1件) 3221(3件)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

36444

50693 58243

78258

98184 110092

126035 119569

120161

126532

131400

63 7585

108 109120

142 142 148 147 154

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大

21

木質バイオマスの活用は再生可能エネルギーの推進だけではなく林業や地域経済の活性化雇用の確保等にも貢献特に未利用となっている林地残材には大きな可能性

木質バイオマスは木質チップや木質ペレット等に加工され製材工場や公共施設発電所等におけるエネルギー源としての利用が増えてきている

木質バイオマスボイラー数の推移木質バイオマスボイラーは製材工場などを中心に2000基程度が設置されており最近は公共施設や温泉農業施設などへの導入も進んできている

地球温暖化問題への関心の高まりや化石燃料から再生可能エネルギー熱への転換による経営リスクの軽減等を背景に近年生産施設数及び生産量ともに増加

(基) ( t )(施設数)

- 施設数(第1軸(左)) 生産量(第2軸(右))

615 838

924

1218

1461

1701

2023

1945

1972

2058

2064

0

500

1000

1500

2000

2500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

台数

木質ペレットの製造施設数及び生産量

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 22: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

36444

50693 58243

78258

98184 110092

126035 119569

120161

126532

131400

63 7585

108 109120

142 142 148 147 154

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大

21

木質バイオマスの活用は再生可能エネルギーの推進だけではなく林業や地域経済の活性化雇用の確保等にも貢献特に未利用となっている林地残材には大きな可能性

木質バイオマスは木質チップや木質ペレット等に加工され製材工場や公共施設発電所等におけるエネルギー源としての利用が増えてきている

木質バイオマスボイラー数の推移木質バイオマスボイラーは製材工場などを中心に2000基程度が設置されており最近は公共施設や温泉農業施設などへの導入も進んできている

地球温暖化問題への関心の高まりや化石燃料から再生可能エネルギー熱への転換による経営リスクの軽減等を背景に近年生産施設数及び生産量ともに増加

(基) ( t )(施設数)

- 施設数(第1軸(左)) 生産量(第2軸(右))

615 838

924

1218

1461

1701

2023

1945

1972

2058

2064

0

500

1000

1500

2000

2500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

台数

木質ペレットの製造施設数及び生産量

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

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Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

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し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

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「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

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<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

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森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

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た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

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す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

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な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

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「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

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(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

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竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

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名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 23: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

19211778 1650

2152

26702412

25182633

31523315

126293

125387

127509

136939

150485

144936

152155

154622 163380

170050

15hellip

00

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

180000

200000

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況

22

バイオマスプラスチックの生産量と市場規模の推移

市場規模

(億円)( t )19000

注)酢酸セルロースの単価はH29年のデータから反映開始

1823

- 生産量

【マーク名】 バイオマスマーク【認定団体】(一社)日本有機資源協会【認定対象】 植物等のバイオマスを10以上含む製品プラスチック類をはじめとし印刷インキ洗剤繊維製品バイオ燃料等多岐に渡る

【マーク名】 バイオマスプラマーク【認定団体】 日本バイオプラスチック協会【認定対象】 協会が定める基準に適合するバイオマスプラスチックの製品プラスチックに特化している

識別表示制度

バイオマス製品例

地球規模での資源廃棄物制約や海洋プラスチック問題が注目される中バイオマスプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進などを図るため「プラスチック資源循環戦略」(令和元年5月 関係大臣決裁)を策定

燃料や熱利用に限らずバイオマスプラスチックやプラスチック代替素材としてのマテリアル利用が加速しており市場規模の成長が期待される また令和2年7月からはプラスチック製買物袋のレジ袋有料化の義務化が開始されるがバイオマス素材の配合率が25以上のものなど一定の環境

性能が認められるものは対象外となっている

---------------------

(日本バイオマス製品推進協議会事務局推計資料をもとに農林水産省で作成)

酢酸セルロース100000トン 1500億円

158540

(3230)

ごみ袋 食器 育苗ポット

(マーク右下の数値(25)はバイオマス度を示す)

(マーク右下の数値(25)はバイオマスプラスチック度を示す)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 24: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

農山漁村には「地域資源」であるバイオマスが豊富に存在これらのバイオマスを活用してバイオ燃料を製造し農林漁業の持続的かつ健全な発展エネルギー供給源の多様化に寄与する

目的

未利用バイオマス(間伐材稲わら)

廃棄物系バイオマス(家畜排せつ物)

資源作物(糖質資源油脂資源でん粉質資源)

バイオエタノール

木質固形燃料(ペレット等)

バイオディーゼル燃料

メタンガス

木炭木質バイオマスガス

対象となる取組の例

生産製造連携事業計画 研究開発事業計画

主務大臣に申請

審査

認定

主務大臣は農林水産大臣経済産業大臣環境大臣ただし環境大臣への申請は

廃棄物処理に該当する措置を含む場合のみ

主務大臣に申請

審査

認定

農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同で目標事業内容資金計画等の計画を作成

研究開発事業者(民間事業者大学地方公共団体等)が目標事業内容資金計画等の計画を作成

固定資産税の減免措置の特例(生産製造連携事業計画のみ対象)

農業改良資金林業木材産業改善資金沿岸漁業改善資金の特例

中小企業投資育成株式会社法の特例

産業廃棄物処理事業振興財団の債務保証業務の特例

品種登録の出願料及び登録料の特例(研究開発事業計画のみ対象)

認定による支援措置

5

1

5

13

1 1

26件 バイオディーゼル

木質ペレット

メタンガス

バイオエタノール

ガス(木質バイオマス)

ガス(水素)

生産製造連携事業計画の認定実績件数事業計画の作成から認定まで

rarr 償還期間が最大2年間延長

rarr 株式等の引受対象が拡大

rarr 製造施設(産業廃棄物)整備に必要な資金への債務保証

rarr 出願料及び登録料(第1年から第6年まで)を軽減

(令和2年4月時点)

rarr バイオ燃料製造設備に係る課税標準となるべき価格を3年間()内の率を掛けた額とする対象バイオエタノール(23)バイオディーゼル(23) 木質固形燃料(23)ガス(メタン木質) (12)

計画認定後令和4年3月31日までに取得した設備

コスト低減を図り原料生産及びバイオ燃料製造の自立的かつ安定的な取組を目指す

新作物開発生産製造コスト低減品質向上等に資する研究を目指す

Ⅱー13農林漁業バイオ燃料法

23

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

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施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 25: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

食料産業局

Ⅲ バイオマス利用技術の現状とロードマップ

バイオマスとは動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるが家畜排せつ物下水汚泥生ごみ等の廃棄物系稲わら等の農作物非食用部間伐材等の未利用系ソルガム等の資源作物藻類など多種多様なものがあるそしてこれらのバイオマスを私たちの生活に役立つように活用するためには熱ガス燃料化学品等に変換するための技術(以下「バイオマス利用技術」という)が必要となるバイオマス利用技術には直接燃焼などの単純なものから糖化発酵ガス化再合成などの高度なものまで様々なものがありその技術の到達レベルも基礎研究段階のもの基礎研究を終え実証段階にあるもの既に実用化されているものなど様々である

このためバイオマス利用技術の到達レベル技術的な課題及び実用化の見通しについて関係省庁研究機関企業による横断的な評価を行い平成24年9月に「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(以下「技術ロードマップ」という)が決定されこのたび2回目の見直しを行った技術の到達レベルは現状(2019年)概ね5年後(2024年頃)概ね10年後(2029年頃)概ね20年後(2039年頃)のタイムフレームの中で技術開発の進展状況を踏まえ研究実証実用化の3段階で評価したなお実用化とは技術的な観点からの評価であり事業化のためには原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案し事業性を確保する必要がある

関係省庁研究機関企業はこの技術ロードマップを産学官共通の技術評価のプラットホームとして研究段階にある技術は研究開発を重点的に行う技術開発の進展状況に応じてラボレベルベンチレベルパイロットレベルのように段階的にスケールアップしながら研究実証を進める実証を終え実用化された技術は事業化に活用するなど限られた人的資金的リソースを効率的に活用していく必要がある

この技術ロードマップは概ね2年ごとに技術開発の進展状況等を勘案したうえで必要があるとみとめるときは見直しを行うこととしている

(新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」(令和元年5月17日バイオマス活用推進会議決定)より抜粋)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

25

平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

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施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 26: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)

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平成24年9月「バイオマス事業化戦略」と併せて決定された「バイオマス利用技術の現状とロードマップについて」 (以下「技術ロードマップ」という)について関係府省国立研究開発法人等からの情報を基に見直を行い新たな技術ロードマップは令和元年5月に決定

バイオマスの利用技術の到達レベルを一覧性をもって俯瞰して見ることができる技術ロードマップを産学官共通のプラットホームとして技術開発の進展状況に応じ効率的かつ効果的に研究実証を進め実用化段階にある技術は事業化に活用

新たな技術ロードマップのポイント 新規追加した技術 7件

更新見直した技術 31件変更なし 17件

実用化実証研究の技術レベル毎に一覧表で技術を整理

期待される技術ロードマップの利用方法等についてFAQで整理

追加された「実用化」段階の技術事例熱化学的変換ガス化(発電熱利用)

原料籾殻製造物ガス熱電気(副産物くん炭)現状籾殻を原料にしたガス化において高

温で生成する結晶質シリカと低温で発生するタールの抑制を両立することが可能

今後実用化が期待される技術事例 国産リグニンのマテリアル利用(内閣府(SIP次世代農林水産業創造技術))

[技術概要]日本固有の樹木であるスギから木質の25~35を占める成分で

あるリグニンを無毒の水性高分子のPEG(ポリエチレングリコール)を用い加工性の高い改質リグニンを製造することが可能幅広い用途の製品が開発中

改質リグニン

資源作物(エリアンサス)のエネルギー利用(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構)

[技術概要]エリアンサスは多年生高収量の資源作物でペレット等のバイオ燃料の原

料としてエネルギー利用が期待日本に適した新品種を開発しその栽培法及びペレット燃料加工利用法を確立

開発品種「JES1」

収 穫 梱 包 エリアンサスペレット

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

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「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

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(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

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名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

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施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

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施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
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  • Ⅳ-11香川県綾川町
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  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 27: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)

26

技術レベル 原  料 製 造 物 (技術番号) 備        考

 木質系草本系チップペレット(12)直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(1315)メタン発酵によるガス熱電気(29)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化(15)は籾殻

家畜排せつ物 直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28) (57)は鶏ふんのみ

食品廃棄物直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)メタン発酵によるガス熱電気(28)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(31)収集運搬保管技術(54)

(31)は甜菜米小麦 等

下水汚泥直接燃焼による熱電気(5)直接燃焼による熱(7)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(10)ガス化(13)固体燃料(25)水素(27)メタン発酵によるガス熱電気(28)

(10 )は炭化(13)は高温ガス化

油糧作物 バイオディーゼル燃料(BDF)(18)

糖質澱粉質系 バイオプラスチック素材(38)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4950)

木質系草本系チップペレット(3)燃焼灰の有価物利用(6)直接燃焼による熱電気(8)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)糖質澱粉質系発酵によるエタノール化学品(32)資源作物開発(52)収集運搬保管技術(53)

(3)原料はネピアグラスOPT竹 等(11)は半炭化(12)は水熱炭化(32)はOPT

食品廃棄物 燃料(バイオ重油)(4)ペレット等(26)

下水汚泥 直接燃焼による電気(9)固体燃料スラリー燃料バイオコークス(1112)ペレット等(26)収集運搬保管技術(55) (11)は半炭化(12)は水熱炭化

動植物油 接触分解による軽質炭化水素燃料(軽油)(23)

油糧種子 水素化分解による軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)(24)

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4243 )

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(45)

木質系草本系

ガス化(1416)ガス化液体燃料製造(BTL)による液体燃料(メタノールジェット燃料等)(17)急速熱分解液化による液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品(19)水熱液化による液体燃料(バイオオイルBDE等)(20)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)セルロース系発酵によるエタノール化学品(3334)ブタノール(35)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(14 )は低温ガス化(16)は半炭化ペレット小型ガス化(33)はソフトセルロース(稲わら等)(34)はハードセルロース(間伐材等)(35)は草本系等

家畜排せつ物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)

食品廃棄物 水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22)水素発酵によるガス熱電気(30)

下水汚泥 ガス化(14)水熱ガス化によるガス熱電気(21)高速加水分解による飼料肥料(22) (14 )は低温ガス化

リグニンリグノセルロース系 バイオプラスチック素材(4144)

セルロースナノファイバー バイオプラスチック素材(4647)

糖質澱粉質等水素発酵によるガス熱電気(30)ブタノール(35)ジェット燃料(36)バイオプラスチック素材(3940)バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産(4851)

(39)原料は高分子多糖類(40)原料は糖質類

微細藻類大型藻類 液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)(37)

()はバイオマス利用技術の現状とロードマップの技術毎の番号

各到達レベルにあるバイオマスと利用技術(技術レベル単位の整理表)

2 実証段階

3 研究実証

1 実用化段階

赤字は実用化(一部実証)青字は実証(一部実用化)紫字は研究実証(一部実用化)緑字は研究段階

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

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施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)

27

(共通事項) 高性能化コスト縮減原料の品質確保(③[1]) ダンパーのPDE制御の挙動排ガス等の安全性の検証(③[2]) SEへの効率的な熱伝導の検証が必要 連続稼働による発電効率の維持のためのメンテナンス

体制の構築 安定稼働の実証

木質系 チップ

木質チップの生産過程において熱回収機能等を組み込むことによる効率的な乾燥システム(水分15以下)小型ガス化発電の廃熱を利用した乾燥ムラを低減させる乾燥システムバーク等の低質燃料を熱源とした多段式のチップ乾燥装置物理的圧縮による高含水率の木材チップ中の水分を脱水する技術など開発

水分が高く熱効率が悪い木質チップを発電廃熱を利用して静置式で通風乾燥する方式を実証

木材チップの乾燥挙動等の特性が明らかにされておらず引き続き実証による蓄積は必要

燃料品質の向上 ガス化発電システムに適合した燃料の品質(樹種形状

水分)と量(乾燥チップ生産能力)のバランスがとれたトータルシステムの構築及び採算性の検証が必要

(2)

技術レベルの「現状」が「実用化」段階にある場合に記載

木質系草本系等(新たな原料ネピアグラスOPT(オイルパームトランク)竹ヤナギ)

チップペレット等

新たな原料を用いた固形燃料化技術で技術的には実証段階 ネピアグラス(イネ科の多年草)の栽培技術乾燥技術ペレッ

ト製造技術の開発を実施(一部実用化段階) OPTを用い無動力樹液抽出技術を利用したゼロエミッション型

の灰分の少ないペレット技術を開発またOPTの搾汁糖分からバイオガスを回収した残渣を利用したペレット化技術を開発

竹の改質により燃焼時弊害となっていたカリウム及び塩素の濃度を低減させることに成功燃料等への利用可能性を確認

固体燃料化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

木質系草本系等

チップペレット等

実用化

木材を切断破砕したチップ粉砕後圧縮成型したペレット厨芥類を原料とするRDF(Refuse Derived Fuel)下水汚泥を乾燥成型したバイオソリッド等があり技術的には実用化段階

技術の現状技術 原料

物理的変換

製造物

実証(一部実用化

実用化

燃料製造食品廃棄物(グリーストラップ由来)

燃料(バイオ重油)

実証 実用化

飲食店等のグリーストラップ由来の廃棄物を60以下で加温して油分をバイオ重油として抽出するとともに抽出残渣をバイオガス化するデュアル燃料製造技術で技術的には実証段階

油脂高含有廃棄物に対する安定メタン発酵技術を開発するとともにデュアル燃料製造技術の実装を想定したシステムを構築

熱化学的変換

直接燃焼(専焼混焼)

実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

木質下水汚泥等のバイオマスを直接燃焼して熱として利用する又はボイラー発電を行う技術で技術的には実用化段階

実規模レベルでの実証により焼却廃熱を利用する発電技術等を活用しコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等の効果を確認

燃料の品質向上 国内における資源作物栽培等による資源確保(OPT等) 改質コストの削減(竹)

燃焼灰の有効利用技術の開発 燃料の規格標準化国際規格(ISO17225)に対応する国内

規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要する

コストを勘案した事業性の確保

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

コスト縮減 実機スケールで混焼した際の排ガスの評価

バイオマス混焼率向上のための粉砕脱水混合の技術開発燃焼機器の高性能化(エネルギー熱効率の向上利用可能な燃

料の含水率の向上排出ガス低減性能の向上等) 燃焼灰の有効利用技術の開発 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコ

ストを勘案した事業性の確保

直接燃焼(小型出力装置の開発①小型バーナー②次世代型薪ストーブ③小型ボイラ)

実用化(一部実

証)実用化

木質系草本系鶏ふん下水汚泥食品廃棄物等

熱電気

小型(100kW級)の温室用バイオマスバーナーに安価な他のバイオマスを用いる技術として木質切断チップやボード用材料を用い篩分けや簡単な破砕処理で燃料使用できるシステムで技術的には実用化段階

高性能化コスト縮減原料の品質確保 複数の温室を同時に別条件で加温するシステムの開発

(3)

(1)

技術番号

(4)

(5)

(7)

実用化(一部実証)

実用化

木質系

② 薪ストーブの起動時及び薪追加時に発生する煙を触媒燃焼と補助バーナーを利用して無煙化する技術(煙道に設置可能な除煙ユニットを開発)で技術的には実証段階

③[1] 安価な高含水率高灰成分燃料(木質系農業残渣)に対応した小型ボイラの独立型熱電併給システムで技術的には実証段階

③[2] 日本の家屋向けに高効率で排気ガスがクリーンな薪ボイラ(10kW)を開発するため炉内酸素濃度等を把握し吸気を制御する技術で技術的には実証段階

③[3] チップボイラ(30kW)薪ボイラ(75kW)とスターリングエンジンを組み合わせた熱電併給システムで技術的には実証段階既存の薪ボイラにも後付け可能な安価なシステムを目指す(薪ボイラ熱電併給システム)

実証(一部実用化)

実用化 (8)

実証 実用化木質系燃焼灰の有価物利用

木質バイオマスの燃焼灰中に含まれるカリウムを高濃度で回収する技術を開発これまで産業廃棄物として処理していた燃焼灰を有価物として利用することが可能技術的には実証段階

安定した需要の確保

(6)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

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施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 29: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)

28

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(海外研究機関と共同研究中)

半炭化ペレットの製造コストを含めた事業採算性

直接燃焼(焼却廃熱利用)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

下水汚泥 電気

既存の小規模汚泥焼却設備に付加可能な焼却廃熱を利用する高効率発電技術で技術的には実証段階

技術の現状技術 原料 製造物

実規模レベルの実証による課題の把握

技術的な課題等 ()事業化にあたっての留意点 ()

(10)

(12)

(9)

技術番号

(13)

(14)

実証 実用化

熱化学的変換

ガス化(発電熱利用)(①高温ガス化②低温ガス化)

木質系草本系下水汚泥半炭化ペレット等(半炭化ペレットは(16)の原料)

ガス熱電気

木質等のバイオマスから高温下(650~1100)で水蒸気酸素等のガス化剤を利用してガスを発生させ発電や熱利用を行う技術で技術的には実用化段階

ガス化炉は大別して固定床流動床噴流床があるが高温になるほどガス(COH2 )発生量が多くなりタールやチャーの発生量は少なくなるまた水蒸気酸素等のガス化剤の使用によりタールやチャーの発生を抑制できる

実用化

研究

実証実用化

ヒノキ下水汚泥豚糞などの混合バイオマスを原料として低温(450)でガス化する技術で技術的には研究実証段階

二塔化式ガス化炉とOPT他燃料ペレット等バイオマス燃料からの合成ガスの製造発電窒素肥料の製造

固体燃料化(①炭化②半炭化③水熱炭化)

木質系草本系下水汚泥等

実証 実用化

水熱炭化木質等のバイオマスを300程度の加圧水で脱水脱酸素圧密作用を行って炭化し更にスラリー化(液体化)することにより高密度で高カロリーの液体燃料を得る技術で技術的には実証段階

木質チップを炭化し粉砕後ブリケット化し石炭焚火力発電所にて石炭の100代替もしくは混焼する実証試験を実施

タール等の抑制除去利用技術の開発 小型高性能ガス化炉の開発 ガス化原料調整のための効率的なバイオマス粉砕技術

の開発 ガス利用設備(ガスエンジン等)の高性能化(エネル

ギー効率の向上耐久性の向上等)開発 国内製品の導入実績の増加 安定操業のため燃料には低含水率(15以下)のチッ

プもしくはホワイトペレットを使用することが望ましい 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

スケールアップによる実証 生産コスト縮減 開発した触媒の混合ガス対応(木質バイオマス活性汚

泥等からの混合ガス)及び触媒活性の向上 二塔式化ガス化炉とOPTペレットの製造技術を組み合

わせたプロセスの確認

実用化

固体燃料スラリー燃料バイオコークス

炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断又は制限して400~900程度に加熱し熱分解により炭素含有率の高い固体生成物を得る技術で技術的には実用化段階

実証(一部実用化

実用化

半炭化木質等のバイオマスを酸素供給を遮断して200~300程度の炭化する手前の中低温領域で加熱脱水しエネルギー密度や耐水性が高い固体生成物を得る技術で技術的には実証段階(下水汚泥は実用化段階)

優れた耐水性やエネルギー効率等を活かした用途開発を実施(専焼技術)

通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残し粉砕性と耐水性を向上した固形燃料を開発し既存の石炭火力微粉炭ボイラーを活用して100専焼を可能とした

炭素含有率の高い固体燃料化技術の開発 バイオマス原料発生地での簡易移動式製造機の開発 副生物の改質濾液(木酢液と類似組成)の利用技術の

開発(③) 燃料の規格化標準化国際規格(ISO17225)に対応

する国内規格の制定(JASなど) 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

(11)

(15)実用化(一部実証)

実用化

農業残渣である籾殻において高温で生成する発がん性物質の結晶質シリカの抑制と低温で発生するタールの抑制を両立させるとともに残渣であるくん炭は肥料成分である可溶ケイ酸を含有し循環型農業に貢献できる技術を確立した

小規模分散型に合わせた小型ユニット化(実証中)

(16)研究

実証実用化

タールが少なく冷ガス効率が向上するなど熱効率の高い技術として主に木質草本バイオマスを対象に海外で研究が展開中ペレット化によってエネルギー密度を向上できることから家庭規模での超小型ガス化(マイクロCHP)への展開も検討されている

①②

①②

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

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Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

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Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

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Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

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Ⅳ-3静岡県牧之原市

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「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

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「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

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<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

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Ⅳ-6岡山県真庭市

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森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

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た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

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す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 30: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)

29

高速加水分解(亜臨界水処理技術)

飼料肥料等

国内における実証試験による効果コストの検証課題等の整理

(22)

熱化学的変換

研究

実証実証 実用化水熱ガス化

木質系草本系食品廃棄物下水汚泥家畜排せつ物等

ガス熱電気

超臨界水中(374220気圧以上)で加水分解反応と熱分解反応が迅速に進行し有機物が効率よく分解されることを利用して食品廃棄物等のバイオマスをガス化する技術で含水率の高いバイオマスを有効利用することが可能技術的には研究実証段階

研究

実証実用化ガス化液体

燃料製造(BTL)木質系草本系等

液体燃料(メタノールジェット燃料等)

木質等のバイオマスを水蒸気酸素等のガス化剤によってガス化し生成したガスから触媒を用いて液体燃料(メタノールジメチルエーテルガソリン代替燃料ジェット燃料等)を得る技術有機性化合物であれば木質系草本系厨芥類等幅広いバイオマスに利用可能技術的には研究実証段階

ラボレベルベンチプラントレベルで高性能触媒等を用いた液体燃料製造(FT合成)に成功

パイロットプラントの構築に向けた連続安定運転のための基盤技術の開発多様なバイオマスへの適用性の研究を実施中

バイオマスペレットからの二塔化式ガス化炉からの合成ガスまたは同バイオマス液体部からのメタンガス由来合成ガスより軽油など石油代替液体燃料を製造

実証

液体燃料製造(エステル化部分水素化)

廃食用油油糧作物

バイオディーゼル燃料(BDFH-FAME)

廃食用油や植物油にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換する等の方法でバイオディーゼル燃料である脂肪酸メチルエステル(FAME)を得る技術で技術的には実用化段階

東南アジアで推進されている輸送用燃料におけるバイオ燃料高濃度化に対応するため部分水素化による BDF改質技術を開発し車走行試験により製品の自動車適合性を確認(H-FAME)技術的には実証段階

急速熱分解液化

木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)化学品

木質等のバイオマスを500~600程度に加熱して急速に熱分解を進行させ油状生成物を得る技術生成物はエネルギー密度が低く酸性であるが液化燃料として熱や発電に利用できるほか水素化等により輸送用燃料や化学品原料を製造することが可能瞬間加熱には熱砂赤外線マイクロ波などが用いられる技術的には研究実証段階

パイロットプラントでのジェトロファ木質バイオマスのバイオオイルの生成は実証済みバイオオイルの高品質化を検討中木質バイオマスのバイオオイル生成時の副生チャーは燃料資材利用を検討

実用化

研究

実証実証 実用化

安定操業性の確立 加圧装置及び高圧加水分解反応器等の低価格化によ

る製造コストの削減

合成に適したガスの生成制御技術の開発 タール硫化物等触媒を被毒する不純物の発生抑制

除去技術の開発 連続して安定した運転が可能な一貫製造技術の確立 製造コストの削減(高効率高選択性の触媒開発低圧

合成技術開発効率的なガス精製技術開発等) 燃料作物資源の確保

グリセリンの利用除去技術の開発 貯蔵安定性の確保 新型ディーゼル車両(DPFやNOx除去装置)との適合性の確保 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

油状生成物の変換利用技術の開発 高付加価値製品の製造技術の開発 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 化学品の分離精製を省エネルギー化する材料プロセ

ス技術の開発 熱分解炉の低価格化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(17)

実用化(一部

実証)

(18)

(19)

(21)

水熱液化木質系草本系等

液体燃料(バイオオイルBDF等)

木質等のバイオマスを高温高圧の熱水で改質することにより液状生成物を得る技術で生成物は高い粘性があり酸性である技術的には研究段階

副生する廃液の抑制利用技術の開発 油状生成物の改質利用技術の開発 製造コストの削減研究 実証

研究

実証実用化 (20)

研究

実証(一部実用化)

実用化

亜臨界水領域(事業化の目安は扱いやすい100-20010-20気圧)で加水分解反応が迅速に進行し有機物が効率的に分解されることを利用して様々なバイオマスを資源利用する技術高機能堆肥の生産アミノ酸フルボ酸等の有用物の製造など多様な技術展開が見込まれる技術的には研究実証段階(堆肥化飼料化は一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

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う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

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施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

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施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 31: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)

30

原料調達を含む事業環境の整備やコストを勘案した事業性の確保

熱化学的変換

水素化分解油糧種子(カメリナジャトロハ等)

軽質炭化水素燃料(ジェット燃料灯油軽油等)

カメリナジャトロハ等の油糧種子の油脂分を原料として高温高圧の水素ガス環境下で触媒を用いた分解水素化異性化脱硫等の化学反応を行いジェット燃料灯油などの軽質炭化水素を製造する技術で技術的には実証段階

モリブデン系触媒と固体酸触媒と組み合わせて高性能な多元機能触媒を開発植物油を90の収率でガソリン70以上の収率で軽油に変換可能

原料の確保 水素分解反応での水素圧の低減 低温低圧での反応が可能な革新触媒等の開発 低コスト化低エネルギー化技術の開発 水素製造設備の低コスト化

実用化実証

固体燃料化

下水汚泥 固体燃料

下水汚泥を低酸素状態で熱を加え固形燃料化する炭化技術や乾燥させて固形燃料化する技術は既に実機が稼働している実用化技術であるまた中小規模下水処理場向けのコンパクトで高効率の汚泥脱水乾燥技術も実規模実証を経て実用化段階

事業主体の登場

実用化

生物化学的変換

水素製造 下水汚泥 水素

燃料電池車等に供給するため下水汚泥由来の消化ガスから水蒸気改質等のプロセスを経て水素を製造する技術で技術的には実用化段階

燃料電池車の普及 事業主体の登場

実用化

メタン発酵(湿式乾式)

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物等

ガス熱電気

下水汚泥家畜排せつ物食品廃棄物草木等のバイオマスを微生物による嫌気性発酵によってメタンガスを発生させる技術で液状原料を利用する湿式と水分80程度の固形原料を利用する乾式があるメタンを主成分とするバイオガスは熱や発電利用のほか都市ガスや自動車燃料等に利用可能技術的には実用化段階(一部実証段階)

微生物糖化技術を用いた発酵速度の向上技術を開発(草本系澱粉系食品廃棄物)(研究実証段階)

原料回収の最大化メタン発生の最大化発電効率の最大化及び使用電力量の最小化や精製による高品位バイオガスの回収を図る技術について実規模レベルでの実証を行いコスト縮減温室効果ガス排出量削減エネルギー消費量削減等について効果を確認(下水汚泥)

副生成物である消化液の農地への液肥利用について化成肥料の施肥効果と遜色がないこと及び土壌の物理性(団粒化)改善を確認(家畜排せつ物食品廃棄物)

無動力の消化槽攪拌装置等中規模下水処理場におけるコンパクトな発酵槽等の開発小規模下水処理場における脱水機の二段活用による高濃縮汚泥の横型消化槽での高濃度消化による低コスト高効率なメタン発酵技術(実証段階)

廃棄物回収システムの改良効率化(異物除去等) 高効率で安価な発酵メタン精製濃縮装置の開発 効率的な複数原料の混合発酵技術の開発 メタンの利用方法の拡大(未精製ガスの利用技術の開

発等) 気温低下によるガス生成量減少の改善(無動力メタン発酵槽) 特に鶏糞を原料とした場合のアンモニアによる発酵阻害 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保 消化液の肥料等への利用拡大

実用化(一部実証)

間伐材等 ガス熱電気

湿式ミリング前処理による様々な木材の直接メタン発酵の実証に成功原料1kgあたり400~500Lのメタンガスが発生しガス濃度は概ね60実用化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(24)

(25)

(27)

(28)

(29)

下水汚泥食品廃棄物等

ペレット等

し尿下水汚泥等の粒状固形燃料化技術で技術的には実証段階発熱量向上および臭気低減可能な固形燃料の製造技術は研究段階(研究では模擬汚泥およびプラスチックを使用)

実用化(一部研究実証)

実証(一部研

究)

工程の効率向上 新規粒状固形燃料燃焼用ボイラーの開発 実際の廃棄物を利用し発熱量および臭気低減可能な

固形燃料の製造条件の解明

(26)実用化

動植物油の油脂分を原料として接触分解触媒を用いて脱炭酸反応により炭化水素系の軽油ナフサ留分などの軽質炭化水素などを製造する技術で技術的には実証段階

水素化の燃料改質工程を経て安定性を向上させた燃料を用いた市バスなどの実車走行により車両適合性を確認

製造システムのパッケージ化 燃料収率の向上 製造コスト縮減 製造工程の合理化によるコスト削減に向け分解と水素

化の同時反応としての低圧水素化分解触媒の開発

接触分解 動植物油軽質炭化水素燃料(軽油) 実用化実証 (23)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

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名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

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施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

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施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 32: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)

31

廉価なバイオマス由来糖の確保 微生物によるバイオブタノール生産性の向上 ブタノール耐性等の微生物の改良 オリゴマー化水素化等の触媒開発 生産コストの低減 空港までの輸送や貯蔵設備混合法などの規則や空港

インフラ整備

生物化学的変換

糖質澱粉質系発酵(第1世代)

余剰規格外農産物食品廃棄物(甜菜米小麦等)

エタノール化学品

糖質澱粉質系原料を酵素で糖化し酵母細菌等によりエタノール発酵させることによりエタノールを生成する技術で技術的には実用化段階

酵素や微生物の高機能化(耐熱性や高生産性)を実施(研究段階)

実用化

安価で効率的な栄養源供給(窒素源等) 一貫プロセスの効率化と環境負荷の低減(糖化発酵

副生成物利用等) 原料の多様化 微生物の耐熱性の向上 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロース系発酵(第2世代)

①ソフトセルロース(稲わら等)②ハードセルロース(間伐材等)

エタノール化学品

木質系草本系のセルロース原料を加圧熱水や酸アルカリ糖化酵素等を利用して前処理糖化した上でエタノール発酵を行う技術で技術的には研究実証段階(一部実用化段階(紙類厨芥類))

生物学的糖化技術を用い酵素使用量を抑制する技術を実証 高収量資源作物(エリアンサス等)食料と競合しないキャッサ

バパルプ製糖後の副産物であるバガスを原料とするエタノール及び乳酸製造技術を確立

キャッサバパルプを水熱処理してエタノールを製造する商業プラントの事業性評価を実施中

バイオマス由来の酵素安定化剤の開発によりバイオエタノール製造における酵素使用量の低減を図る技術を開発

ハードセルロースでの商用化に向けた一貫プロセスを検証中

木質系草本系(新たな原料OPT)

エタノール化学品

OPTに含まれている遊離糖からエタノールブタノール乳酸ポリヒドロキシ酪酸(PHB)グルタミン酸ナトリウム(MSG)タンパク質等さまざまな化学品を製造する技術で技術的には実証段階

ブタノール発酵

糖質澱粉質草本系等

ブタノール

主に糖質澱粉質系原料からクロストリジウムなどの偏性嫌気性細菌を用いてアセトン及びブタノールを作る発酵技術(ABE発酵)を基本とするが現在は欧米において遺伝子組換え酵母日本では遺伝子組換えコリネ菌によるイソブタノールの製造技術の開発が進んでいる日本では技術的には研究実証段階(米国では実証から実用化段階に移行中)

非可食性バイオマス由来の混合糖(C5+C6糖類)を出発原料とした高効率バイオブタノール生産基盤技術を確立し今後実証

実用化実証

研究

実証実証 実用化

実用化

実用化

研究

実証(一部実用化)

研究

実証

実用化(一部実

証)②

セルロース構造改変等の前処理技術の開発 高効率かつ低コストな酵素開発 多様な糖質の同時発酵使用微生物の高温発酵性向

上及び固体発酵技術等の開発 最終製品に適合した良質な糖を得るための糖化精製

技術の開発 一貫プロセスの効率化低コスト化と環境負荷の低減(前

処理糖化発酵蒸留副産物利用等) リグニンを利用した高付加価値製品の製造技術の開発 酢酸発酵と水素化分解による次世代セルロース系発酵

技術の開発 販路等を含む事業性の確保

技術の海外展開

発酵効率の改善 糖質澱粉系以外の原料を使用した発酵技術の開発 製造コストの削減

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(31)

(32)

(33)

(35)

イソブタノール発酵

糖質アミノ酸アルコールを原料としたジェット燃料

エタノールやn-ブタノールイソブタノール等のアルコールを原料としたバイオジェット燃料の製造方法技術的には実証済

ブタノールの場合はバイオマス糖を原料としてイソブタノールを製造し第二工程で脱水オリゴマー化最後に水素化処理工程を経てバイオジェット燃料になる

2018年にバイオエタノール及びバイオブタノール由来バイオジェット燃料がASTMにより認可(最大50混合率)

研究

実証実証 実用化 (36)

(34)

(30)水素発酵食品廃棄物糖質澱粉質等

ガス熱電気

食品廃棄物等のバイオマスを可溶化して水素発酵により水素を回収しさらに残渣をメタン発酵することによりメタンを主成分とするバイオガスを回収する技術で技術的には研究段階

組換え大腸菌を用いてバイオマス由来ギ酸から300LH2hLの水素生産を達成

グルコース1モルから最大理論収率12モルの水素生産を目指した光合成細菌との統合型水素生産システム技術の開発を実施

二段発酵のエネルギー回収率の向上 原料の変化に対応した微生物管理技術の開発 微生物水素発生機構の解明(ヒドロゲナーゼニトロゲナーゼ) 水素生産強化を目的とした微生物育種 水素生産酵素や発生機構の異種微生物への導入 変換の低コスト化

研究 実証実用化(一部実

証)実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

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(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

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名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 33: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)

32

糖質澱粉質系バイオプラスチック素材

とうもろこし等糖質澱粉質系バイオマスからポリ乳酸やプラスチック素材を製造する技術で技術的には実用化段階実用化

実用化実証研究研究

高分子多糖類(α-13-グルカン)に短鎖長鎖のアルキル基を導入し優れた耐熱性を示すバイオプラスチックの合成に成功機械強度耐衝撃性や結晶性非晶性制御が可能なことを示しゼロ複屈折フィルムを実現

アルコール系の分子を用いてマクロモノマーの末端を修飾することにより細胞膜の物質輸送を促進できることを見出した分子量1000程度の中分子の膜輸送を強化することによる生産性の向上精製プロセスの簡素化を目指す

実用化実証研究

糖質類を原料とした発酵法によって得られる脂肪族有機酸類を利用した新規耐熱性樹脂素材やバイオベースアクリル樹脂などの機能性材料の合成技術を開発

実証

バイオマテリアル

量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

紙パルプ製造工程や木質バイオマス変換工程で発生するリグニンやリグノフェノールを活用し付加価値の高い樹脂化学原料等を製造する技術で技術的には研究実証段階

リグニンを除去したセルロース系バイオマスから糖化乳酸発酵を経て乳酸オリゴマーを製造生分解性を持ちかつ融点の高いプラスチック原料の製造に成功

イオン液体による効率的なバイオマスの低分子化と有用物質の製造セルロース可溶化能が高い含水イオン液体によりフラン化合物の回収に成功

マイクロ波減圧蒸留装置により竹から抽出液を取り出し残渣をセルロースナノファイバーや建材などに利用する総合利用技術を開発

低分子化リグニンを組換え微生物で発酵してプラットフォームケミカル(ピロンジカルボン酸)に変換しこれを重縮合してPET代替ポリエステル樹脂開発に成功

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

実用化実証

コリネ型細菌を用いたバイオプロセスによりフェノール樹脂の原料であるフェノールの生産に成功石油由来製品と同等な性質のフェノール樹脂が得られる非可食バイオマス由来糖からの一貫生産システムが完成し量産化目前

軟化温度310超のポリイミドを初めとする芳香族系バイオマスプラスチックのポリマー生産において混合速度の調整により100gスケールの生産を実証済み(実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(38)

(39)

(41)

(40)

スギを原料にポリエチレングリコールを用いて反応性が高く分子構造を制御した改質リグニンを製造しクレイや繊維との複合化によって電子材料ガスケット材耐熱性形成物等を開発また改質リグニン分離時に副産するセルロースからラクチルセグメントを安価に製造する技術を開発

低分子リグニンから効率よくバニリンを生成回収する技術を開発

(42)実用化実証

(43)

微細藻類大型藻類

液体燃料(軽油代替ジェット燃料等)

油分生産性の高い藻類を大量培養し油分の抽出精製等によって軽油代替ジェット燃料を製造する技術で技術的には研究段階

高速増殖性を有する藻株を用いた屋外の大規模培養施設での連続した安定培養及び油脂生産技術を確立するとともに10000m2程度のパイロットスケール設備を用いた技術開発を実施中

藻の回収のための膜を使用した濃縮技術の開発を実施

藻類由来液体燃料製造

(第3世代)

生産性の高い藻類の探索育種 自然光での微細藻類の大規模栽培技術の確立 光エネルギー変換効率が高く安価な培養槽の開発 藻体残渣の低減利用技術の開発(飼料肥料他) コスト縮減のためのプロセス一貫システム(培養回収

(収集乾燥)油分抽出精製)の確立 耐ストレス性の付与(特にオープンポンドの場合)

(37)研究

研究

実証(一部実用化)

実用化

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

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竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

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名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 34: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)

33

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

各種バイオマス由来の発酵性糖質等を基点に多様な化学品エネルギー物質(アルコール有機酸アミノ酸ポリマー原料輸送用燃料等)並びに熱電気などのエネルギーを効率的に併産する総合技術システムで個々の単位技術の現状と課題はそれぞれの技術によって異なるが総合的利用技術の開発は研究実証段階

バイオマス原料の前処理と糖化技術にセルロース系発酵(第2世代)と同等技術が利用可能

ソーダアントラキノン蒸解によりスギ及びユーカリから木材3成分(セルロースヘミセルロースリグニン)を分離する方法を開発(実証段階)

酸素アルカリ蒸解によりスギからバニリン等フェノール系モノマー類を製造する技術を開発(実証段階)

ソーダ蒸解で得られた竹由来の低分子リグニン画分が抗腫瘍活性抗酸化活性を有することを確認不溶性画分から炭素ナノ繊維を生成

各種バイオマス由来のリグノセルロースを効率的に発酵性糖質に変換する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

発酵阻害物質を含まない糖質の生産発酵阻害を起こさない発酵技術の開発

バイオマス構成成分代謝物等を総合的効率的に既存あるいは新規の有用物質に変換する技術の開発

高付加価値な長炭素鎖を持つモノマー生産のための植物微生物のバイオプロセス改変技術の確立

高負荷価値低分子画分の活性および収益向上炭素ナノ繊維の品質構造と製造法の最適化

活性成分の活用には効果及び安全性の確認が必須

(48)

バイオマテリアル

(再掲) 量産化技術の開発 各種バイオマス由来のリグノセルロース等を効率的に発

酵性糖質に変換する技術の確立 低コストで高機能のポリ乳酸やナノファイバープラス

チック素材を製造する技術の確立 用途開発 工業利用するには生成物の化審法登録やイオン液体

のリサイクル技術等が必要 前処理や加水分解で発生するフルフラールなどの発酵

阻害物質に耐性をもつ微生物及び阻害を受けないバイオプロセスの開発

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性をもつ微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

新規芳香族化合物の探索(原料バイオマス中のリグニンの有効利用法に資するため)

バイオマスの分解に有効なイオン液体の開発と有用成分製造技術の開発

竹抽出液の殺菌作用抗アレルギー活性等の性能評価

セルロース系バイオマス前処理糖化プロセスのコスト縮減 セルロース系バイオマスを糖化した混合糖(C5+C6糖

類)を同時に効率的に利用できる微生物の開発 改質リグニンの商用化を実現するプラントの建設及び流

通システムの構築 リグニンの低分子化収率向上が必要 原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に

要するコストを勘案した事業性の確保

セルロースナノファイバー

バイオプラスチック素材

木質バイオマスからセルロース繊維を精製しポリオレフィン等の樹脂と複合化し各種部材を製造する技術で技術的には実証段階

酵素処理後にミリング処理や超音波等の物理的処理を組み合わせて薬品を使用しない低エネルギーなナノ化手法を確立パルプ化からナノ化までを一貫製造する実証ベンチプラントを建設

酵素前処理でセルロースの機械解繊ナノ化エネルギーを低減する技術を開発実証済(実用化)

水中カウンターコリジョン(ACC)法で得られる竹由来のCNF(ACC-CNF)製造プロセスの簡素化低エネルギー化 (生産工程でのCO2削減)により生産コスト削減

実用化

CNF系水系化電極を用いたLiイオン電池についてアイドリングストップ(ISS)車用および小型EV用のプロトタイプ電池を試作しISS電池は従来の鉛電池と比較して3倍以上の寿命および重量を約13にできる見通し

リグノセルロースナノファイバーと樹脂を混練した樹脂複合材料を高効率で連続的に製造するプロセスを開発

再生セルロースにナノセルロースを添加しその強度性向上に成功 高効率で高性能リグノセルロースナノファイバー強化樹脂材料

を生産するプロセスをラボレベルで開発しテストプラントを完成

セルロースナノファイバー発泡化技術による軽量化高機能プラスチック創製に取り組みポリプロピレンの発泡倍率18倍(空隙率94)を達成

研究

実証実用化実証研究

研究

実証実用化

実証(一部

実用化)

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

(46)

(45)

(47)

研究

実証実用化実証研究

微生物や触媒を用いてセルロース系バイオマス由来のグルコースからエンジニアリングプラスチックの原料であるモノマー(芳香族カルボン酸芳香族アミン)を得て優れた耐熱性を示すプラスチックの合成に成功

バニリン類を原料とし高耐熱性樹脂素材の合成技術を開発

(44)

研究

実証

実証(一部実用化)

実用化

リグニンリグノセルロース系

バイオプラスチック素材

実証(一部

実用化)

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

34

車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

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施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 35: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)

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車両の運転条件等の整理

バイオリファイナリー

糖質澱粉質系木質系草本系等

バイオマス由来物質を基点に多様な化学品エネルギーを生産

未利用農林水産物のナノ化高純度化処理により新機能高性能材料を開発する技術籾殻や林地残材のバイオマスフィラーへの転換技術の開発や海藻からバイオナノカーボン材を創出しキャパシタの試作品を製作など

カニ殻由来キチンの農作物の病害防除成長促進等の機能を持つことを明らかにし農業資材に利用できる素材を低コストに製造する方法を開発

実用化(一部実証)

塗料や化粧品以外への製品展開

研究

木質バイオマスからセミセルロースヘミセルロースリグニンを分離する技術を確立し触媒反応酵素反応などの合成反応を用い化学品原料を得る技術を開発

必須脂肪酸であるDHAを高効率で生産するオーランチオキトリウム株の採取に成功最適な培養条件及び全ゲノムのドラフト配列を決定

海洋性微生物由来酵素群を用いて非可食性バイオマス由来のリグニンからフェニルプロパノン骨格を持つ芳香族モノマーが得られることを見出した

情報科学の手法で代謝経路の設計の自動化を行いイソプレンを生合成する人工代謝経路を細胞内で構築

イソプレン合成に関わる代謝酵素の変異体を作成し野生型の酵素の1000倍以上の活性をもつ酵素作成に成功

コスト縮減スケールアップに必要な技術開発

芳香族モノマーの効率的な骨格変換技術の開発

酵素生産コストの縮減

イソプレン生産コストの更なる縮減

研究

実証(一部実用化)

実証

実用化実用化

木質系草本系等

資源開発

資源用作物植物の開発は実証段階 エリアンサスジャイアントミスカンサスなどの永年性で低投入型

の資源作物を開発耕作放棄地を活用した試験栽培を実施

資源作物植物の開発収集運搬

実証 実用化

実証(一部実用化)

実用化

木質草本系資源の効率的な生産収集運搬保管システムの開発は実証段階森林GISを活用した林地残材搬出方式導入シミュレーションを実施

端材と用材を切り離さずそのまま搬出する一体材搬出用横積みフォワーダー開発(実用化段階)

水稲収穫用のコンバインの改造により乾燥日数を短縮する稲わら圧砕装置を開発また圧砕装置によるバイオマス用稲わらの収集作業を効率化できる機構を開発

収集運搬保管

高バイオマス量易分解性の資源用作物の開発と生産コストの削減

各種バイオマスの効率的な生産収集運搬保管システム減容圧縮技術等の開発

低コストで効率的な収集運搬システムと一体的利用技術の確立

遺伝子組換え作物植物の実用化(野外植栽)に向けた基準の明確化

下水汚泥収集運搬保管

実証 実用化

メタン精製装置と車載式メタン吸蔵装置を組み合わせ小規模下水処理場でのメタン発酵により生成されたバイオガスを集約してバイオガス発電に利用する技術で技術的には実証段階

食品廃棄物収集運搬保管

実用化

家庭系厨芥をディスポーザーと下水道管渠を用いて収集運搬する技術は実用化段階グリーストラップ由来の油脂の混合発酵に着手(研究実証段階)

グリーストラップ利用では長大な管路を経由する場合油脂等の性状が変化

技術レベル5年後 10年後 20年後現 状

技術の現状技術 原料 製造物技術的な課題等 ()

事業化にあたっての留意点 ()技術番号

実用化 (50)

(51)

(52)

(53)

(54)

(55)

実用化(一部実

証)

コリネ型細菌や酵母等の微生物を用いたバイオプロセスにより有機酸(コハク酸DL-乳酸)アミノ酸(グルタミン酸飼料用アミノ酸アラニン)エタノール等の実用生産中

セルロース系バイオマスについてはコリネ型細菌を用いたC5C6糖類同時利用や発酵阻害物質耐性バイオプロセスが実現

実用化

高濃度のアルコールや芳香族化合物に耐性のある微生物の育種技術及び耐性を付与する技術の確立

原料調達販路等を含む事業環境の整備や製造等に要するコストを勘案した事業性の確保

(49)

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 36: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

食料産業局

Ⅳ 主な取組事例

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 37: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

1北海道十勝地域 鹿追町

2北海道十勝地域 清水町

3静岡県牧之原市

4愛知県田原市

5北海道下川町

6岡山県真庭市

7岐阜県高山市

8石川県珠洲市

9石川県中能登町

10栃木県さくら市

11香川県綾川町

12熊本県南関町

13福岡県みやま市

14群馬県上野村

糞 食 汚 電 肥 熱

糞 電 肥食

他汚 電 肥

糞 電 熱

木 熱

木 食 尿 電 肥

木 電 熱

汚 食尿 熱 肥

汚 食 尿 電 肥

草 熱

廃 糞 汚 他 電 熱 他

竹 木 電 熱 他

食 尿 汚 廃 電 熱 肥

木 電 熱

Ⅳ事例紹介 目次〈糞〉家畜排せつ物〈食〉食品廃棄物〈廃〉一般廃棄物

〈汚〉汚泥〈尿〉し尿〈木〉木質バイオマス

〈竹〉竹〈草〉草本バイオマス〈他〉その他

[電]発電[肥]液体肥料や堆肥[熱]熱

[他]その他

36

原料

利用法

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

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森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

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す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

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(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 38: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追

37

鹿追町は平成19年に家畜ふん尿の適正処理生ゴミ汚泥の資源化等を図るため既存の汚泥処理施設にバイオガスプラント堆肥化施設を新設し「鹿追町環境保全センター」を設置

バイオガスによる電力は施設内で利用するとともに余剰分は固定価格買取制度により北海道電力に売電消化液は液肥堆肥として農地還元し環境に配慮した地域資源循環型社会の形成を推進余剰熱を利用した温室栽培魚類の養殖も実施

同施設では将来の水素社会を見据え平成27年よりバイオガスから水素を製造利用する実証事業(環境省)にも着手 瓜幕バイオガスプラント (処理量210トン日発電能力1000kW(250kWtimes4基))が平成28年4月より本格稼働

本格稼働 平成28年4月処理量 家畜ふん尿 210t日バイオガス利用機器

発電機 250kWtimes4基

瓜幕バイオガスプラント(出典鹿追町資料)

チョウザメ

マンゴー

稼働開始平成19年10月

処理量家畜ふん尿 948t日

バイオガス利用機器発電機100kWtimes1基190kWtimes1基

温水ボイラ100000kcaltimes3基

蒸気ボイラ1000kghtimes1基

原料の搬入

消化液散布車

う り ま く

し か お い ち ょ う

鹿追町環境保全センター

その

鹿追町が考えるバイオガスプラント「一石五鳥」のメリット

酪農家周辺の環境改善 臭気軽減地下水河川への負荷軽減

① 環境の改善

消化液堆肥使用による農産物の品質向上 ふん尿処理の労働時間コスト削減 飼養頭数の増頭規模拡大

② 農業生産力の向上

バイオガス発電によるCO2削減に寄与③ 地球温暖化の防止

地域のバイオマス資源を活用し得られるエネルギー(電気熱)消化液を地域で活用

④ 循環型社会の形成

観光業イメージアップ 雇用創出 新産業創出(余剰熱を利用した作物果物等温室栽培魚類養殖事業等)⑤ 地域経済活性化の推進

鹿追町環境保全センター(中鹿追バイオガスプラント)

瓜幕バイオガスプラント

水素製造設備及び水素ステーション

水素製造方法 膜分離(メタン濃縮)後水蒸気改質水素純度 9997以上水素利用方法

定置型燃料電池(電気温水利用)燃料電池自動車 燃料電池フォークリフト

家畜ふん尿由来水素活用の実証

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

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「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

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た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

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<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

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森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

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た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

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す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 39: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳー2北海道十勝地域 清水町

38

し み ず ち ょ う

「御影バイオガス発電所」は主に家畜排せつ物(乳牛ふん尿)を原料としたバイオガス発電施設 バイオガス発電施設として株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)からの出資を受けたはじめての事例 系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所でのプラント建設が必要となり原料の運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地

に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保 一般的な消化液貯留槽(コンクリート製鋼製)ではなくラグーン形式を採用することなどにより建設コストを縮減

施 設 概 要名 称 御影バイオガス発電所事業主体 株式会社御影バイオエナジー設計施工 株式会社土谷特殊農機具製作所総事業費 約16億円主な施設 原料槽2基発酵槽4基管理棟2棟ほか発 電 2系統750kW(一般家庭1000世帯分)電気の利用 自家利用及びFIT売電処 理 量 240t日(家畜排せつ物(成牛2800頭分)

(1次事業者及び周辺畜産農家から受入)副 産 物 消化液228t日

(固分は敷料液分は周辺農家等に全量販売)稼動開始 平成29年5月

資金調達日本政策金融公庫と地方銀行等の協調融資及び道銀アグリビジネスファンド(農林漁業成長産業化ファンド)からの出資及び自己資金による

プラント立地及び原料及び消化液の運搬建設にあたり系統接続の制約等で原料の発生場所から離れた場所での建設が必要となり原料運搬費用の増嵩が課題となったが消化液を散布する農地に近接して建設し消化液の運搬費用を低減させることにより経済性を確保

消化液の貯留方法ラグーン形式を採用し建設コストを縮減

取組及び施設の特徴

北海道銀行

みずほ銀行

北海道ベンチャーキャピタル

A-FIVE

道銀アグリビジネスファンド

農林漁業成長産業化ファンド

御影バイオエナジー

6次産業化事業体

ノベルズデイリーファーム

(1次事業者)

ノベルズ(1次事業者)

本事業における農林漁業成長産業化ファンドのスキーム出資

出資

出資

出資

出資

出資

出資

御影バイオマス発電所全景

原料槽

発酵槽

発電機

固液分離棟消化液貯留池

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-3静岡県牧之原市

39

「牧之原バイオガス発電所」は主に食品工場などから排出される食品廃棄物を原料としたバイオガス発電施設 民間事業者がプロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達により建設したことが特徴で施設の建設運営ともに可能な限り地

元企業により行うことで地方経済の活性化にも寄与 バイオマス活用を推進する牧之原市の協力のもと地元との丁寧な調整を重ねて合意形成を図ってきたことが功を奏し地元農家からの発案で副産物で

ある消化液を利用する提案があるなど地域との良好な関係が構築

施 設 概 要稼動開始 平成29年3月総事業費 約20億円処理量 産業廃棄物 80トン日

(動植物性残さ汚泥廃酸廃油廃アルカリ)バイオガス利用機器 発電機 325kWtimes2基電気の利用 自家利用及びFIT売電副産物(消化液)の利用

固分 堆肥として販売(外部委託)液分 水処理 地元農家提案で液肥利用を検討中

プロジェクト企画運営 アーキアエナジー株式会社オペレーション 株式会社ゲネシス

資金調達プロジェクトファイナンス方式を用いた全額民間資金による資金調達

建設及び運営可能な限り地元企業により実施

合意形成市の協力のもと合計30回以上の住民説明会を実施必要に応じて個人対応先進施設見学会なども実施

処理プロセスメタン発酵の前段階で原料の性状を安定させるため酸発酵のプロセス(右図③)を組み込んでいる

取組及び施設の特徴

施 設 全 景

メタン発酵槽消化液槽前処理棟内 発電機酸発酵槽

ま き の は ら し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

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森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

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た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

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す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

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「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

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(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

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竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

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名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

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う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

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施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

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施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 41: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「バイオガス田原発電所」は家畜排せつ物(豚糞尿)を原料としたバイオガス発電施設(平成28年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金採択案件)

施設の導入に際しコストが高額であるという課題について企業と大学が参画するコンソーシアムにより低コストで導入可能な発電システムを開発平成28年5月愛知県豊橋市において1号機が稼働を開始し本施設は2号機中部地方で3基が導入稼働中

更なる普及拡大に向け食品残渣原料寒冷地仕様や消化液利用(貯留槽の設置等)に対応したシステムの開発に着手

施 設 概 要名 称 バイオガス田原発電所稼動開始 平成29年7月処 理 量 17t日(家畜排せつ物(豚3000頭分))バイオガス利用機器

発電機 30kWtimes2基電気の利用 FIT売電熱 利 用 発酵槽加温に加え農業用ハウスにも利用予定副産物の利用 固分は農家へ提供(堆肥利用)

液分は水処理プロジェクト主体 郡類畜産設計施工 ゼネック(株)(イクナムホールディングス(株)傘下)技術指導 豊橋技術科学大学発電機連系機器 (株)イーパワー愛知電機(株)

採用機器等発電機や付帯設備(ガスバッグ等ローテク機器)に安価な海外製品(中国製)を採用し低コスト化を実現その他は国内の在来技術を応用しており全国展開が比較的容易

設計施工発酵槽の建設にあたっては一般的な円形ではなく直線を組み合わせた形状(多角形)を採用し施工の合理化を図ることにより工期を短縮すると同時にコストを縮減

rArr これらにより50kW規模の施設で1億円程度(浄化槽を除く)での導入が実現

施設の特徴

発酵槽

ガスバッグ

発電機

消化液

発酵槽

ガスバッグ発電機

原水槽

固液分離設備

水処理設備(既設)

畜舎

施 設 全 景

水処理設備(増設)

連系機器

イクナムホールディングス(株)設備設計と施工排水処理の技術指導

愛知電機(株)系統連系機器供給電力会社との連系協議

豊橋技術科学大学メタン発酵の技術指導

(株)イーパワー発電事業資金調達計画海外機器輸入と技術指導

各分野の専門家が発電事業を支援

設計調達建設受託 事業コンサルティング 共同事業

コンソーシアムの構成

Ⅳー4愛知県田原市

40

た は ら し【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

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<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

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森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

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「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

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(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

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竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 42: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-5北海道下川町

41

<実施体制>下川町

木質原料製造施設

各熱供給施設に木質チップを安定供給

(指定管理契約)

事業者や町民等が木質チップの原料となる木材等を木材加工施設(下川町木質原料製造施設)に搬入地元の化石燃料供給会社で構成する「エネルギー供給協同組合」が下川町から指定管理委託を受け木質チップの製造及び供給を実施

木質ボイラーは役場五味温泉育苗施設集合住宅町営住宅病院小学校中学校等に11基設置 一の橋地区では木質バイオマスボイラーを中心とした地域のエネルギー自給や集住化によるコミュニケーション機会の創出とともに高齢者の生活支援コ

ミュニティビジネスの創造など地域の複合的な課題の解決に向けた取組を進めている

【一の橋バイオマスビレッジでの取組】

エネルギー供給施設

特用林産物(菌床しいたけ)栽培平成27年度生産実績菌床しいたけ生産量 539t年間売上額 51467千円

運営体制町担当職員2名(研究所長研究員)町臨時職員2名町パート職員21名地域おこし協力隊2名(兼任)

し も か わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

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た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

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「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

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(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

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竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 43: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-6岡山県真庭市

42

森林から発生する切り捨て間伐材や林地残材及び製材所等から発生する製材端材や樹皮等を効率的かつ価値を付け収集集積基地において収集した木材をチップ化しバイオマス発電用燃料として安定的に供給し発電

資源調達から流通までの情報管理が可能なシステムを構築活用し山元へ必ず利益還元ができる仕組みを実現

④観光産業拡大事業バイオマスツアー(平成18年スタート)コースメニューを拡大(平成26年利用人数2912人)

真庭産原料を活用したお土産ペレットクッキー(福祉作業所)CLTチョコレート

地域内外の木質資源を収集貯留チップ化し発電所へ供給

森林林業

木材産業

集積基地

<実施体制>

複数の関連事業者が連携し地域協議会を立ち上げ発電用燃料購入費の内から山元への利益還元の仕組み構築

真庭バイオマス発電所

山林所有者

木質資源安定供給協議会

利益還元の仕組み構築(500円t)

森林組合素材生産事業者製材所等

バイオマス集積貯留加工供給拠点(数社)

設備導入費41億円(うち14億円補助事業)原料未利用木材9万t年一般木材58万t年発電規模10000kW発電量7920万kWh年雇用創出直接雇用15名

①バイオマス発電事業

真庭市家庭ごみ分別収集推進事業(家庭系生ゴミ)

真庭市の許可事業者(し尿浄化槽汚泥)(事業系生ごみ)

バイオガスプラント5t日

(バイオ液肥)(メタンガス)

農地への液肥散布

食品残さ(産業廃棄物)

ガス利用

③有機廃棄物資源化事業(生ごみ資源化バイオガス活用による循環)

②木質バイオマスリファイナリー事業

バイオマスラボ(研究所)

NPO

地元企業

大学など森林組合木材組合国県真庭市

連携支援産業技術総合研究所

真庭市バイオマスリファイナリー事業推進協議会 森林資源を活用したバイオマス新産業の創出の取組

セルロースナノファイバーなど素材や製品の開発

(出典真庭市資料)

ま に わ し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

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竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 44: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

「飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所」は地元で発生する未利用木材から製造された木質ペレットを燃料とした小規模ガス化熱電併給(CHPCombined Heat and Power)施設

建設にあたっては可能な限り地元企業により行うことで地域に利益が還元 電力は固定価格買取制度により中部電力に売電熱は隣接する市営温浴施設に販売 木質バイオマスのガス化にあたっては燃料の性状(含水率10未満等)に注意が必要であるが燃料製造者との綿密な連携により燃料

の品質を維持しつつセンサー等を用いた運転状況の適切な監視等により安定した連続運転を実現

燃料製造施設木質燃料株式会社

発電所への供給(約900年)に加え市内の大型ホテルや銭湯等に設置されたペレットボイラー(6基)小中学校や一般家庭等に設置されたペレットストーブ(約300台)への供給ホームセンター等への販売のため約2500年を生産

未利用木材

粉砕オガ粉製造設備

オガ粉

乾燥設備造粒設備

ペレット

3~5mmまで粉砕

水分率15まで乾燥

飛騨高山の森林未利用材

発電所建屋燃料サイロ

ガス化熱電併給施設

事業主体 飛騨高山グリーンヒート合同会社稼動開始 平成29年5月総事業費 2億650万円

(設備費建屋等を含む)燃 料 木質ペレット(35000円)

約900年補助金 清流の国ぎふ森林環境基金事業(木質バイオマス利用施設導入促進事業) 高山市企業立地支援制度

出力規模熱出力 ガス化ユニット 70kW

熱電併給システム 190kW電気出力 165kW

電気利用FIT売電(40円kWh)一部自家利用1192MWh年

熱利用市営温浴施設に販売(27円MJ≒97円kWh)1146MWh年

飛騨高山しぶきの湯小型木質バイオマス発電所

ガス化ユニット

<設備緒元>ガス化ユニット独ブルクハルト社製 V390

熱電併給ユニット独ブルクハルト社製 ECO-165HG

購 入

売 電電 気

市営温浴施設

浴 槽

カラン

暖 房

宇津江四十八滝温泉しぶきの湯 遊湯館

計画値以上の熱利用を行った場合計画値を超える熱は無料で提供

灯油使用削減量約12万年

売 熱蓄熱タンク熱交換器

ガス化炉内の温度や生成ガスの組成についてセンサー等を用いてリアルタイムで監視

サイロからガス化炉へ自動供給

熱電併給ユニット

ペレットrarr

生成ガスdarr造粒時の熱により水分率10未満まで乾燥

Ⅳ-7岐阜県高山市

43

た か や ま し 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

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竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 45: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

珠洲市浄化センターバイオマスメタン発酵施設は下水汚泥をはじめ事業系の食品廃棄物や農業集落排水汚泥浄化槽汚泥し尿を集約混合処理しており処理の過程で発生するメタンガスはメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用

メタンガスを場内利用することで下水汚泥の燃焼処理に必要な燃料が大幅に削減その結果従来の処理に比べてCO2排出量(2370t年)及びコスト(5700万円年)を削減

事業系の生ゴミは小中学校等の公共施設のほかコンビニエンスストアや個人経営の飲食店などからも幅広く受入

施設概要補助事業珠洲市浄化センター

Ⅳ-8石川県珠洲市

44

す ず し

食品廃棄物の受入状況

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造

5種類のバイオマスを利用して地域の為になるものが出来た

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等

コンビニエンスストアやスーパー食品工場 小中学校個人経営の飲食店ホテル など

食品廃棄物はメタンガス発生量確保に有益な原料であると位置づけ処理費は徴収していない(収集運搬費は別途徴収)

浄化センターへの食品廃棄物搬出について市内の団体等に幅広く周知し68団体が賛同

計68団体(H29年度)

計画量 07t日を安定して排出

下水汚泥の40倍(試験値)

食品廃棄物のメタンガス発生量

事業主体 珠洲市 稼動開始 平成19年8月総事業費 13億9000万円補助金 国交省所管新世代下水道支援事業制度リサイクル

推進事業(未利用エネルギー活用型) 環境省所管循環型社会形成推進交付金事業

メタン発酵槽 ガスタンク

肥料(為五郎)

事業の背景 下水汚泥処分の増大による処分費の高騰 市単独によるし尿処理体制の構築が必要 「京都議定書」「バイオマスニッポン総合戦略」「下水道ビジョン2100」などの政策的背景

これらを包括的に解決するため複合バイオマス発酵施設を導入

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 46: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

複数の地域バイオマスを一ヶ所の処理場に集約することにより汚泥量を確保(集約化)

下水汚泥の発酵を促進させる改質技術の導入によるメタンガス発生率の向上(効率化)

高濃度汚泥の撹拌技術の開発によるメタン発酵層の小型化(小型化)

鹿島中部クリーンセンターバイオマスメタン発酵施設は産学官連携により取りまとめられた「メタン活用いしかわモデル」(小規模下水処理場における混合バイオマスメタン発酵システム)の第一号機として平成29年10月から本格運用

下水汚泥をはじめ事業系食品廃棄物(食品工場や給食センター)や農業集落排水汚泥し尿浄化槽汚泥を集約混合処理 処理の過程で発生するメタンガスは民間事業者が買い取って施設内のガス発電設備により発電し固定価格買取制度を活用し

て売電されているまたガス発電時の余熱はメタン発酵槽の加温汚泥の乾燥用として場内利用されている

施設概要補助事業

Ⅳ-9石川県中能登町

45

な か の と ま ち

食品廃棄物の受入

食品廃棄物の排出団体等油揚げや練り物の食品工場給食センターや介護施設 など 受入時にナイロン等の袋類の混合が想定されたことから排出団体に生物分解できる袋類を使用してもらっている

メタン活用いしかわモデル

事業主体 中能登町稼動開始 平成29年10月総事業費 14億8000万円事業制度(社会資本整備総合交付金)新世代下水道支援事業制度リサイクル推進事業(未利用エネルギー活用型)汚水処理施設共同整備事業効果促進事業

処理フロー

油揚げの受入

鹿島中部クリーンセンター

ガス発電設備とメタン発酵槽

消化汚泥を乾燥させて肥料を製造ガス発電設備の余熱はメタン発酵槽の加温や

消化汚泥の乾燥に活用生物分解可能な袋

409t日(計画投入量)

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-10栃木県さくら市

46

「エリアンサス」は熱帯亜熱帯地域に自生するイネ科に属する草本の一種多年生で長期的な周年栽培が可能 「JES1」は地域自給燃料として活用するため国の研究機関が育成した品種で九州以北であれば雑草化の懸念がない 再生された荒廃農地を活用し民間事業者がエリアンサス(JES1)を栽培収穫しペレット化市がペレットを購入して市営温浴

施設に配備されたペレットボイラで使用しシャワー用熱源等として利用している産学官連携の取組 今後市営温浴施設の熱源のすべてをエリアンサスで供給することが可能な規模まで栽培面積を拡大することを検討中

温浴施設

栽培収穫 製 造

粉砕

梱包

製造能力約15トン日 約500kg袋

木質バイオマスと比較してペレット造粒が困難であるというエリアンサスの性質を補完するため創意工夫を行い木質ペレットと同等の品質を実現

利 用

ペレット製造施設

製造事業者タカノ

市営もとゆ温泉

ボイラ棟 ペレットボイラ

熱交換器熱導管

エリアンサス栽培圃場(穂積圃場)

生産者タカノ農園

[エリアンサス(JES1)] 「エリアンサス」はイネ科に属する草本で熱帯亜熱

帯地域に自生多年生で越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能

「JES1」は農研機構1及びJIRCAS2

が共同で育成した我が国における第1号品種 九州以北で栽培した場合種子ができないため雑草

化の懸念はない

エリアンサス近景

約4m

収穫物積込状況収穫状況

1 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 2 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

<取組概要>① 農研機構とJIRCASがタカノ農園にJES1種苗利用を許諾JIRCA

Sが熱帯島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で採種した種子を提供② タカノ農園が市内の荒廃農地を再生しエリアンサスを栽培(H297現在8ha)③ タカノがエリアンサスをペレット燃料に加工し販売④ 市が「市営もとゆ温泉」にバイオマスペレットボイラを配備しシャワー用熱源等としてペ

レット燃料を購入し使用

熱供給

ペレットはボイラ棟のサイロを通じペレットボイラに投入され燃焼

燃焼熱は熱交換器を介し温浴施設に供給

サイロ

収穫されたエリアンサス

ペレット使用量約500kg日

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

47

(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 48: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-11香川県綾川町

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(株)富士クリーンはNEDOの助成を受け国内で事例の無い縦型乾式メタン発酵施設を導入(平成30年10月実証運転開始) 山間部に位置するため排水処理設備を設置できない小ロット多種類の廃棄物の処理需要があるなどの理由からメタン発酵残さ

の水処理が不要でメタン発酵不適物に対する許容度が高い乾式メタン発酵処理施設を選択 廃棄物処理中に得られたエネルギーは場内施設の電力やメタン発酵槽の加温として副産物である発酵残渣は既設焼却施設の

補助燃料として利用することで重油電力にかかる経費を削減(余剰電力は相対契約により売電)

名 称 縦型乾式メタン発酵施設事業主体 (株)富士クリーン設計施工 栗田工業(株)総事業費 約40億円主な施設 発酵槽 3000ガス発電機 370times2基

蒸気ボイラ 05thtimes2基 ほか発 電 約186h日電気の利用 自家利用及び四国電力へ売電(非FIT)処理能力 約73t日副 産 物 発酵残渣 約50t 日

施設概要 取組及び施設の特徴

縦型乾式メタン発酵プラント

発酵層

ガスホルダー

蒸気ボイラー発電機

ガス蒸気

ガス回収

縦型乾式メタン発酵施設撹拌装置が不要で省エネルギー化に貢献横型と比較し省スペース化にも成功

混合系バイオマスの受入れ縦型乾式メタン発酵の採用により都市ごみや有機汚泥など混合系バイオマスの処理に適する高効率ドラム式選別装置によりメタン発酵の適合物を高効率に選別が可能

発酵残渣の活用埋立て処分していたカーボン滓と混合し既設の焼却施設の補助燃料として利用 最終的な焼却灰は埋立て処分

02000400060008000

10000120001400016000 廃棄物搬入量見込み

(t

年)

縦型乾式メタン発酵施設

メタン菌を含んだ発酵残渣を発酵槽下部から引き抜き一部を投入前の原料と混合

混合後の原料は導入管から自然落下で投入

rArr攪拌不要な施設を実現

高効率ドラム式選別装置

バイオマス回収率80以上不適物の混入率10未満を実現単純な構造であり維持管理費を低減

発酵残渣

エネルギー利用発酵槽や既設施設へ電力熱として供給

既設焼却施設の補助燃料として供給

メタン発酵

焼却施設 補助燃料(カーボン滓5含む)

あ や が わ ち ょ う 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

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竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

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う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 49: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-12熊本県南関町

48

竹は成長が旺盛で放置竹林の拡大が一部地域で課題にバンブーフロンティアは森林資源である竹を自社伐採するほか南関町を含む周辺13市町村の事業者との調達体制を整備し年間約20000トンの調達を計画幹材をチップ及び繊維材化しバンブーマテリアルで加工して新建材を製造販売

また竹燃焼時におけるクリンカ(炉壁などに付着する灰やかす)の発生等の影響から竹の有効利用が進んでいなかったがバンブーエナジーはバーク(樹皮)との混焼によりボイラー内でクリンカが発生しないことを実証不要な竹枝葉等のチップとバークをバイオマスボイラーで混焼発電し電気と熱をバンブーマテリアル製造工場で全量利用する仕組みを構築

地域の雇用創出や里山の環境問題解決を目指す

サイロ

収穫されたエリアンサス

事業概要

分割プレス工場

燃焼用原料棟

重油ボイラー棟

粉砕工場

発酵ヤード製品製造工場

製品加工工場

管理棟

発電設備棟製品倉庫

バイオマス

ボイラ

【バンブーマテリアル(株)】

【バンブーマテリアル(株)】事業概要竹の特性を活かした新建材の製造販売不燃新建材の開発総事業費 約27億円(うち農林漁業成長産業化ファンド 8億円)製品

Bam Wood竹の繊維材を原料に製造フローリング

などの内装材向け日本合板検査会にてフローリング日本

農林規格(JAS)に基づく試験により「F」同等である試験評価を取得ナンカンボード竹と杉のチップ2を原料に製造家具部材やテーブル置床材等向け社内検査にてパーティクルボード日本工業規格(JIS)基準をほぼクリア

【バンブーエナジー(株)】事業概要竹バーク1を活用したORCユニットによる熱電併給総事業費 約20億円(うちNEDO補助金 約12億円)主な施設バイオマス熱電併給設備燃焼炉最大熱出力hellip 7815kWth発電機最大発電量hellip995kWe用 途電気バンブーマテリアルが全量利用熱バンブーマテリアルが製品製造過程で乾燥機等に利用

【バンブーフロンティア(株)】事業概要 竹林整備伐採収集一次加工枝葉等はチップ化幹材はチップ及び繊維材化

総事業費 約6億円(うち総務省補助金 5000万円)年間の竹総調達量 (計画)20000トン

内訳自社伐採 1000トン周辺13市町村の事業者からの調達19000トン

エネルギー効率約70

(電力10+熱60)

竹枝葉等チップ

地元製材所から買取り2杉チップ

竹幹材チップ等1バーク

バンブーエナジーバンブーフロンティアバンブーマテリアル各工場群

Bam Wood

電気

廃熱

建材製造

ナンカンボード

な ん か ん ま ち 【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 50: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

みやま市では「みやま市バイオマス産業都市構想」(平成26年7月選定)に基づき「生ごみし尿浄化汚泥メタン発酵発電液肥化プロジェクト」を実施

バイオマスセンター(平成30年稼働開始)にて1日当たり家庭系事業系一般廃棄物し尿浄化槽汚泥を合計130トン受け入れメタン発酵ガス発電熱併給を行い電力と温水を施設内利用

バイオマスセンターの整備に先立ち一部地域を対象に生ごみを試験的に収集する「生ごみ収集モデル事業」により事業可能性を確認またメタン発酵消化液の液肥利用を進めるための液肥利用協議会を設立し市内の圃場にて「液肥散布モデル事業」を実施

Ⅳ-13福岡県みやま市

49

名称 みやま市バイオマスセンター「ルフラン」事業主体 福岡県みやま市設計施工 三井造船環境エンジニアリング中原電工特定建設工事共同企業体稼働開始 平成30年12月~総事業費 18億8700万円主な施設 発酵槽 1100ガスホルダ 200

ガス発電機 25times4基温水ボイラ(加温用) 消化液貯留槽 4000トンtimes2基消化液タンク 10トン(点滴かんがい用)

1日あたり処理量家庭事業系生ごみ 10トンし尿 42トン浄化槽汚泥 78トン

電気利用 施設内利用(約6割)みやまスマートエネルギー社(約4割)熱利用 施設内利用(桶や生ごみ回収バケツの洗浄用)

生ごみの分別収集に成功これまで生ごみは可燃ごみに含めて収集していたが新たに分別区分を設定分別

を誘導するため燃やすごみの袋(10枚入り)を300円から450円へ値上げ資源化する生ごみは無料としたまた「生ごみ収集モデル事業」により市民の生ごみ資源化に対する意識を向上エネルギーの地産地消バイオマスセンターで発生した電気や熱は施設内で利用不足分の電気は地域新

電力(太陽光発電)を購入しエネルギーの地産地消を実現消化液の活用「液肥散布モデル事業」により幅広い関係者と調整を重ね液肥として水稲麦

ナス菜種レンコン筍など1年を通じた液肥利用計画を作成液肥を使用したい農業者が増加しており今後の配布計画作成が必要液肥は無償とし散布経費のみ費用を徴収

取組及び施設の特徴

略式化して図示しています

発酵後メタンガスはガスホルダへ消化液は貯留槽(写真左)へ

ガスは乾式脱硫塔を経由し発電機へ廃熱は温水製造に利用

温水で桶を洗浄市民へ再配布発酵槽の加温にも使用

発酵

発電

廃熱

利用

施設概要

バイオガス発電機 (25times4基)左消化液貯留層 右メタン発酵層

darrdarr

生ごみ回収桶の洗浄異物確認

異物混入の有無を確認するほか生ごみのうち固いものや大きいものは手作業で粉砕

【原料】 【利用法】

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 51: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅳ-14群馬県上野村

50

う え の む ら

上野村は村面積の95を占める山林から発生する木材を原料に木質ペレットを製造FITを活用せず電気や熱を地域内で自家利用 製造された木質ペレットは「上野村きのこセンター」において国内初となる木質ベレットガス化熱電併給システムにより電力をきのこ栽培に必

要な空調の電源として利用 木質ペレットは村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用としても利用 森林から木材を伐り出す林業その木材を加工する製材所やペレット工場きのこセンター等で雇用を創出し人口1200人のうち20のI

ターン者の定住につながっている

平成27年に(株)上野村きのこセンターとして運営開始発生熱量 270kW発電量 180kW電力はきのこ栽培の空調として利用

60人の雇用創出

ペレットの熱利用

面積の95を占める山林

柱板材として市場出荷

木工品に加工

端材曲がり材等をペレットに加工

ペレットを不完全燃焼させガス化ガスを利用して熱電気を供給

木材利用

上野村きのこセンター(木質ペレットガス化熱電併給システム)

電気はきのこ栽培棟の空調に利用

ペレットストーブ

高齢者集合住宅

温泉施設給湯利用

【原料】 【利用法】

食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
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食料産業局

Ⅴ バイオマス関連施策

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【総務省】

【国土交通省】

【農林水産省】

【文部科学省】

Ⅴ-1令和2年度概算決定予算

52

施 策食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市の推進

食料産業6次産業化交付金のうちバイオマス産業都市施設整備事業

食料産業6次産業化交付金のうち6次産業化施設整備

農山漁村振興交付金のうち農山漁村活性化整備対策

畜産酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち畜産環境対策総合支援事業

林業成長産業化総合対策のうち木質バイオマス利用促進施設整備

木材需要の創出輸出力強化対策のうち「地域内エコシステム」構築支援事業

「知」と集積と活用の場によるイノベーションの創出推進事業のうちイノベーション創出強化研究推進事業

農林水産研究推進事業のうち脱炭素環境対応プロジェクト

施 策地域経済循環創造事業交付金のうちローカル10000プロジェクト

地域経済循環創造事業交付金のうち分散型エネルギーインフラプロジェクト

施 策未来社会創造事業地球規模課題である低炭素社会の実現領域

施 策下水道事業調査費のうち下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

下水道事業調査費のうち民間活力イノベーション推進下水道事業

社会資本整備総合交付金のうち下水道リノベーション推進総合事業制度

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
Page 54: バイオマスの活用をめぐる状況 - maff.go.jp...農林水産省食料産業局/Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. Ⅰ ー1.バイオマスとは

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

【経済産業省】 【環境省】

施 策 減 免 額

省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)(経産省農水省国交省環境省)木質バイオマス発電設備木質バイオマス熱供給装置に係る特例

法人等が木質バイオマス発電設備又は木質バイオマス熱供給装置を取得製作建設しかつ1年以内に事業の用に供した場合普通償却額に加え取得価格の14相当額を限度に特別償却

農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減(農水省経産省環境省)バイオ燃料製造設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(メタンガス木炭木質バイオガス2分の1木質ペレットBDFエタノール3分の2)

再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減(経産省環境省農水省)バイオマス発電設備の固定資産税の課税標準を3年間下線部の率に軽減(1万kW未満2分の11万kW以上2万kW未満3分の2)

バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例(経産省環境省農水省) 混合バイオエタノールの揮発油税(538円L)の減免

【関連税制】

Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制

53

施 策

地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを確立するための実証事業

新エネルギー等のシーズ発掘事業化に向けた技術開発事業

地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金

カーボンリサイクル技術等を活用したバイオジェット燃料生産技術開発事業

施 策

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット達成促進事業

CO2排出削減対策強化誘導型技術開発実証事業のうちバイオマス循環資源低炭素化技術開発分野

循環型社会形成推進交付金(浄化槽分を除く)

廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

地域の防災減災と低炭素化を同時実現する自立分散型エネルギー施設等導入推進事業

脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業

農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資
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農林水産省 食料産業局 Food Industry Affairs Bureau Ministry of Agriculture Forestry and Fisheries

Ⅴ-3関連投融資

54

施 策 投 融 資 の 条 件 等

地域低炭素投資促進ファンド(グリーンファンド)【出資】

対象事業に係る総出資額の2分の1未満を出資【対象事業の要件】事業の実施によりCO₂排出量が抑制削減されること事業を実施する地域の活性化に資すること必要な資金の調達が可能となる見込みがあること長期的に採算をとる見込みがあること対象事業者が専ら対象事業を行うことを目的とするものであること対象事業者が自ら主導的に事業を遂行する能力意思及び体制を有すること

農林漁業成長産業化ファンド【出資等】

出資等の期間は最長15年間事業計画に基づき施設整備運転資金等多様な資金ニーズに対応自己資本の充実により更なる民間融資等の活用が可能出資要件等① 農林漁業者等を主たる出資者として2次3次産業の事業者(パートナー企業)が資本参画す

る合弁事業体であること(平成29年5月から農林漁業を行う法人についても収益が確保されると認められる場合には当該法人も出資対象となっている) 合弁事業体については農林漁業者の主体性が確保されている(農林漁業者の議決権がパート

ナー企業出資分を超えている)ことが必要② 「六次産業化地産地消法」に基づく総合化事業計画の認定とともにファンドによる事業計画資

金計画等の審査が必要

農林漁業施設資金(バイオマス利活用施設)(日本政策金融公庫)【融資】

資金使途農林漁業者等によるバイオマス利活用施設の改良造成復旧取得貸付利率010(農林漁業金利D-3)

(R2318現在)貸付限度額負担額の80償還期間20年以内(据置期間3年以内)

  • スライド番号 1
  • 目次
  • スライド番号 3
  • スライド番号 4
  • Ⅰー2主なバイオマス関連施策等の経緯
  • Ⅰー3バイオマス活用推進基本法の概要 (平成21年6月12日法律第52号)
  • Ⅰー4バイオマス関連施策の推進体制
  • Ⅰー5新たなバイオマス活用推進基本計画の概要 (平成28年9月16日閣議決定)
  • Ⅰー6新たなバイオマス活用推進基本計画によって目指す地域の姿
  • Ⅰー7バイオマス事業化戦略の概要 (平成24年9月6日バイオマス活用推進会議決定)
  • スライド番号 11
  • Ⅱー1バイオマス活用推進基本計画における国が達成すべき目標
  • Ⅱー2バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー3バイオマス活用推進計画の策定
  • Ⅱー4バイオマス産業の市場規模
  • Ⅱー5バイオマス産業都市について
  • スライド番号 17
  • Ⅱー7選定地域の事業化プロジェクト
  • Ⅱ-8再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (Feed in Tariff)
  • Ⅱー9バイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー10固定価格買取制度を活用したバイオマス発電の導入状況
  • Ⅱー11木質バイオマスの利用拡大
  • Ⅱー12その他のバイオマス産業の状況
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • Ⅲー1新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(概要)
  • Ⅲ-2新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(整理表)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(1)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(2)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(3)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(4)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(5)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(6)
  • Ⅲー3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(7)
  • Ⅲ-3新たな「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」(8)
  • スライド番号 36
  • Ⅳ事例紹介 目次
  • Ⅳ-1北海道十勝地域 鹿追
  • Ⅳー2北海道十勝地域 清水町
  • Ⅳ-3静岡県牧之原市
  • Ⅳー4愛知県田原市
  • Ⅳ-5北海道下川町
  •  Ⅳ-6岡山県真庭市
  • Ⅳ-7岐阜県高山市
  • Ⅳ-8石川県珠洲市
  • Ⅳ-9石川県中能登町
  • Ⅳ-10栃木県さくら市
  • Ⅳ-11香川県綾川町
  • Ⅳ-12熊本県南関町
  • Ⅳ-13福岡県みやま市
  • Ⅳ-14群馬県上野村
  • スライド番号 52
  • Ⅴ-1令和2年度概算決定予算
  • Ⅴ-2令和2年度概算決定予算関連税制
  • Ⅴ-3関連投融資