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あぶないホクロの見分け方
-メラノーマの早期発見のために-
高田 実(岡田整形外科・皮膚科)
色素細胞(メラノサイト)が「がん化」して生じる悪性腫瘍皮膚のメラニン色素をつくる色素細胞(メラノサイト)から発生する皮膚がんです。
メラノーマ(悪性黒色腫)とは?
男性
女性
男女合計
日本におけるメラノーマ死亡者数
1. 人種によって発生頻度に桁違いの差がみられる。
<人口10万当たりの年間患者発生数>
白人:黄色人種:黒人= 20:2:0.5
2. 発生部位も人種によって大きく異なる。
白人では背部、大腿、下腿などに多く生じ、
黒人では四肢末端部(とくに足底)に好発する。
日本人での発生部位はその中間である。
メラノーマの人種による違い
白人ではメラノーマの発生には紫外線が関与するが有色人種では紫外線の関与は少ない
では,具体的にメラノーマがどんな色
や形をしているのか,一緒にみてみま
しょう。
日本人では足の裏や爪のメラノーマが多い
顔のメラノーマ
若い人の体幹・四肢にできるメラノーマが増えている
黒くないメラノーマもある!
このように、メラノーマは色々な形や色をしていることがお分かりいただけたかと思います。
それでは、次にメラノーマの診断についてお話いたします。
メラノーマほくろ(色素細胞母斑)
基底細胞がん老人性いぼ(脂漏性角化症)
黒褐色調を呈する皮膚病変
ほくろ(色素細胞母斑)
老人性いぼ(脂漏性角化症)
表面がザラザラしている
周囲との境界がはっきりしている
基底細胞がん
高齢者の顔(特に眼、鼻のまわり)に多い
一部が潰瘍に
周囲との境界が明瞭
進行期早期ごく早期
メラノーマの進展
治癒率100% 治癒率90% 治癒率30%
ごく早期のメラノーマ
早期のメラノーマとほくろはよく似ている
メラノーマのはじまり 良性の色素細胞母斑(ほくろ)
メラノーマ早期病変の臨床的特徴
1.通常の後天性母斑より大きい。最大径が7 mm超。(ただし、先天性母斑は大きなことがある)
2.不規則な形状を呈する。
外形が非対称性で、しばしば辺縁に鋭角状の
切れ込み(notching)を伴う。
3.黒褐色の色素“斑”としてみられる。淡褐色から黒色までの濃淡差が、無秩序かつ非対称性に認められる。
メラノーマの早期病変
メラノーマのはじまり
ダーモスコピーによるメラノーマと色素細胞母斑の鑑別
色素細胞母斑(ほくろ)
メラノーマのはじまり
ダーモスコピーによる足底のメラノーマと色素細胞母斑の鑑別
色素細胞母斑(ほくろ)
爪のメラノーマの早期病変
メラノーマの特徴がわかってきたとこ
ろで,早期発見のためのポイントを挙
げます。
早期メラノーマ発見のためのチェックポイント
足の裏やからだに中年以降から出てきた黒いシミがある。
大きさが7ミリ以上である。
着色に濃淡がある。
形がいびつである。
爪の幅の1/2以上に黒い線が入っている。
理由なく爪が割れてきた。
おわりに
皮膚がんは内臓のがんと違って眼に見えますので、皆さんご自身で健診することが可能です。定期的に全身の皮膚をよく診て、メラノーマなどの皮膚がんの早期発見に努めましょう。