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1.はじめに アメリカ って、 さし った っている。 らく から隔 された されてきた した い、 しかけている。学 テレ じて英 につける みを コミュニケーション・ギャップ み、 して って していける か、 いう がっている。 300以 した われるが、 っている 210 175、カナダ35) あり、 から されている 20に られている。アリゾナ ニューメキシコ した 、オクラホマ チェロキー 、ミシシッピ チョクトー れているが、 がほ り、 まれ 多く する。ハワイ ニイハ 200 (うち 30 )を いて、70 ハワイ せる にい って いた。 200 うち、いずれか 36 2,000 あり、多くが ある。 多い ナバホ (ナバホ 25 うち 148,530 あり、カリフォルニア しつつある。( かった って、 えて アイデンティティ える。 リズム、 映さ れている。アコマ・プエブロ S.オーティス( ようにふり る。 覚えてい い。ずっ から、こ があった。いつ があった。こ 、こ まり。こ んて えられ い。 いう によって まってきた。 せられた 21 アメリカ から― 綾 

アメリカ先住民族の言語復興と教育...23 アメリカ先住民族の言語復興と教育 校を直接運営し、部族大学の運営資金を連邦政府から受けることが可能になった。

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1.はじめに

 現代の先住アメリカ人にとって、部族語の保存と継承はさし迫った課題となっている。

長らく主流社会から隔絶された保留地で維持されてきた部族語も、通信・交通手段が発

達した今日では急激に話者を失い、消滅しかけている。学校やテレビなどを通じて英語

を身につける子供と部族語のみを話す高齢者との間にはコミュニケーション・ギャップ

が進み、部族のことばを喪失してどうやって伝統文化を継承していけるのか、という深

い懸念が広がっている。

 白人の入植前、北米には300以上の言語が存在したと言われるが、今日残っているの

は210語(合衆国175、カナダ35)であり、合衆国で親から子へ家庭で継承されている言

語は約20に限られている。アリゾナ州とニューメキシコ州を中心とした南西部の各部族

語や、オクラホマのチェロキー語、ミシシッピ州のチョクトー語などは子供に受け継が

れているが、北西部や太平洋岸の部族では話者がほとんどいなくなり、存続が危ぶまれ

る言語が数多く存在する。ハワイでは最近まで、西北のニイハウ島の住民200人(うち

子供の話者約30人)を除いて、70才以下でハワイ語を話せる者は実質的にいなくなって

いた。北米の先住民族人口200万人のうち、いずれかの部族語を話す者は約36万2,000人

であり、多くが高齢者である。最も多い話者をもつのはナバホ語(ナバホ族人口約25万

のうちの148,530人)であり、カリフォルニア州の小さな諸部族の言語は、実質的に消

滅しつつある。(������������� �����)

 そもそも文字を持たなかった先住民族にとって、言語は世代を超えて部族の価値観や

信仰、祖先の記憶を語り継ぐ文化的アイデンティティの源泉と言える。民族言語の独自

の発音やリズム、文法、言語構造には多様な思考様式や世界観、伝統的な知恵が反映さ

れている。アコマ・プエブロの詩人S.オーティス(���������)は、部族語の意味を

次のようにふり返る。

ことばのない世界など覚えていない。ずっと幼い頃から、ことばがあった。いつも、

ことばや想像、思索、音の表現があった。ことば、ことばの始まり。ことば無しの自

分なんて考えられない。自分という存在はことばによって定まってきた。発せられた

21

アメリカ先住民族の言語復興と教育

アメリカ先住民族の言語復興と教育―近年の動向から―

内 田 綾 子

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り、押しとどめられたことば、話しことばや身振りのことばによって。記憶を欠いた

世界など覚えていない。記憶は、新しいものであれ、はるか昔のものであれ、時を超

えて血に肉に、細胞に宿っている。自分がどのようにことばを発し、話そうとしたか

は覚えてないが、胸の奥にひっかかる何か、表わしようのないものをどうにか発して

みた感じは覚えている。人生を知るために我々を存在あらしめるのが、ことばなのだ。

(�����������)

 各部族語が絶滅の危機にさらされている今日、先住アメリカ人の間ではどのような教

育的取り組みが見られるのか、それは合衆国の中で部族主権を守りぬこうとする彼らの

文化的アイデンティティといかに関わっているのか。さらに、近年、合衆国で再び勢い

を増している英語公用語化はどのようなインパクトを与えているのか。アメリカ先住民

族の言語教育については、90年代に入って言語学者や教育学者の間で新たな関心の高ま

りが見られ、特に�������������� ��������� ���������������は1994年以来、北

アリゾナ大学との共催によって毎年シンポジウムを開催し、各地での取り組みに関する

論文や報告書をまとめている。(������������� ������������������������������������ ���)

また、先住アメリカ人の全国紙������������� ����や先住民族の諸問題を扱った

����������������������� は、各地での教育の動向を伝えている。本稿では、主にこれら

を参考にして90年代までの先住アメリカ人の言語をとりまく問題を考察していく。

2.言語の喪失から回復へ

 合衆国政府の先住アメリカ人政策は19世紀以来、紆余曲折を経てきているが、1930年

代のインディアン・ニューディール期を除いて、教育においても同化主義が基調であっ

た。そのような先住アメリカ人の教育・言語政策に実質的に転換がはかられたのは1960

年代以降であり、今日、依然としてその改革の途上にあると言える。1887年のドーズ法

制定後、連邦政府は先住アメリカ人の教育に積極的に介入するようになり、1920年代に

かけて教育は政府による同化政策の主軸となった。1879年にカーライル・インディアン

学校を創設した������プラット(������������ ����)は、保留地外の寄宿学校での職業

訓練教育を通じて、インディアンの子供たちに同化を促していくことを提唱した。また、

1885年から88年にかけてインディアン局長官を務めた��������アトキンズ(���������

������)は、インディアン学校に関する規則を再度発令し、英語による授業を義務づけ

た。やがて、1900年頃から、インディアン学校教育長��リール(������������)やイン

ディアン局長官��ループ(�����������)などによって、保留地内での学校運営が試み

られるようになったが、英語のみの画一的なカリキュラムを採用して文化的同化を押し

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言語文化論集 第ⅩⅩⅢ巻 第1号

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進める一方、かえってアメリカ主流社会からの疎外を促すことになった。次第にこれら

の学校は財政難から、十分な教育と職業訓練を維持できなくなり、生徒たちは最小限の

読み書き、算数を習う他は、給食の準備や制服の縫製、校舎の修理といった学校の雑務

に追われるようになった。

 このようなインディアン学校の実情は、1920年代に��コリア(����������)に代表さ

れる新世代の改革者によって批判されるに至る。1928年に発表されたメリアム報告書

(�����������)は、先住民の生徒が親元から通えるよう通学学校を推奨し、彼らの伝

統文化に配慮したカリキュラムを始めとする教育改革を提唱した。インディアン局教育

部長を1936年から務めた���ビーティ(���������������)は、スー、ナバホ、プエブロ

の生徒のためにバイリンガルの教科書をつくり、バイリンガルの教員養成を試みた。し

かし、第二次大戦の勃発によって、���(インディアン局)のプロジェクトは大幅に資

金削減がなされ、コリアのインディアン・ニューディールは中途で挫折する。やがて各

州の教育庁はインディアン児童のための基金を他目的に流用するようになり、この傾向

は1970年代に改革されるまで続くことになる。

 第二次大戦に兵士として参戦し、都市の軍需工場で働いた先住アメリカ人たちは、次

第に教育の必要性を自覚するようになった。各部族政府は義務教育法を定めて奨学金を

設け、戦後の���学校には復員兵や都市生活に適応しようとする成人たちも集まった。こ

うして、就学率は次第に上昇し、1960年代半ばまでに大部分の先住アメリカ人の生徒が

教育を受けるようになった。都市への移住が高まり、先住民の間で自意識が深まってき

た1960年代には、教育における先住アメリカ人の自治を確立する試みが生まれた。経済

機会局からの基金によって、ヘッドスタート・プログラムや初の部族大学ナバホ・コミュ

ニティ・カレッジ(1969年設立)が実現した。同年のケネディ上院報告書は、���学校

での先住アメリカ人の文化を尊重したカリキュラムの実現と親たちの意思尊重を支持し

た。例えば、当時のナバホ保留地では学校の教員は大部分が白人であり、公立学校の教

育委員会に部族員はほとんど含まれていなかった。���学校の���はナバホの親たちで

構成されていたが、学校の運営に対してほとんど発言権を持たなかった。保留地の学校

カリキュラムにはナバホ文化が反映されておらず、当時のアリゾナ州法では、公立学校

での教育は英語使用が義務づけられていた。このような状況を改めるために、1970年代

にはインディアン教育法(1972年)、インディアン自決・教育援助法(1975年)、教育修

正条項第11条(1978年)、部族運営コミュニティ・カレッジ援助法(1978年)といった

一連の画期的法律が成立した。特に1975年のインディアン自決・教育援助法は、部族語

教育を促進して教育機会の拡大・進学援助をはかるとともに、部族と教育局・内務省と

の協力体制を定めた。こうして、公立学校や���学校の教育プログラムに先住民の親た

ちが参加できるようになった。また、部族は政府との契約のもとに自ら保留地の���学

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アメリカ先住民族の言語復興と教育

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校を直接運営し、部族大学の運営資金を連邦政府から受けることが可能になった。

 このような進展にもかかわらず、1980年代に入るとレーガン政権下での保守の巻き返

しや福祉予算削減などによって、先住民族の教育は打撃を受ける。1987年に���は、現

存する���学校を部族運営または公立へと変えていくことを発表し、ハスケル・インディ

アン・ネイション・カレッジやサンタフェのアメリカン・インディアン美術学校、アル

バカーキの南西部インディアン・ポリテクニック学校などでは、年間800ドルの授業料

を徴収することを提案し、これらの学校を残して廃校が続いた。その一方で、先住アメ

リカ人は教育において徐々に主導権をとるようになり、先住民の教育者も活躍するよう

になった。24の部族大学に加えて、ニューメキシコ州のズニ公立学校区のように先住ア

メリカ人の公立学校プログラムへの参与も深まった。(�����������������)

 70年代から80年代にかけての注目されるもうひとつの動きがバイリンガル教育の進展

である。バイリンガル教育は、英語が母語でない生徒に母語で教育を受ける権利を保障

し、英語を学びながら数学や社会など一部の科目を母語で教えるという方法であり、英

語で学習できるまでの過渡的措置とマイノリティの民族文化の継承というふたつの目的

を担っている。1968年に制定されたバイリンガル教育法は、英語を母語としないマイノ

リティの子供たちのために、公立学校で民族言語を使って授業することを許可したが、

この時点ではどちらかというと母語の継承よりも英語能力の開発に重点が置かれてい

た。しかし、1974年のラウ対ニコラス判決によってバイリンガル教育は母語維持の観点

からも発展が促されていく。この裁判では、サンフランシスコの統一学校区(教育委員

会)で全体の5分の1程を占める約3000人の中国系生徒の大半が英語を理解しないまま

授業を受けさせられていると親たちが訴え、連邦最高裁で勝訴した。これによって、公

立学校は英語を母語としない子供たちに言語の壁をのりこえて授業についていけるよう

英語の特訓とともに母語による教科指導が義務づけられたのである。

 しかし、80年代に入るとバイリンガル教育に批判的な論調が高まり、英語を州の公用

語と規定して、他言語の公的使用を禁止することを目標とする団体��イングリッシュ

(1983年)やイングリッシュ・ファースト(1986年)が設立された。86年には、カリフォ

ルニア州で、州憲法を修正して英語をカリフォルニア州の公用語として宣言するだけで

なく、実際に法律化しようと試みる「提案63」が一般投票で全体の7割の支持を得た。

このような英語公用語化運動が高まる中、88年までにバイリンガル教育法実施のための

連邦予算は半分に削減された。一方、イングリッシュ・オンリーの立場に対抗して、多

様な言語と文化を保護し、尊重することをめざすイングリッシュ・プラスの運動も展開

された。1988年には、国民の歴史的、文化的、言語的多様性を憲法修正によって保障し

ようとする文化権利修正案が提案された。また、翌89年には、ニューメキシコ州がバイ

リンガリズム支持を決議し、多言語能力は国益につながることを強調した。イングリッ

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言語文化論集 第ⅩⅩⅢ巻 第1号

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シュ・プラスの運動は、マイノリティが民族言語を維持する一方で英語学習をおろそか

にするわけではないと主張した。

 先住アメリカ人にとって画期的な意味を持つのが、1990年の先住アメリカ人言語法

(�������������� ����������������� ���������)である。この法律は、先住民族が自らの

言語を使用し、発展させていく権利と自由を保証し、合衆国は彼らの文化と言語の維持

に責任を負うことを表明した。連邦政府は部族語の維持を促す政策をとり、各連邦局や

州・諸機関にもこれを支援するよう定めた。具体的には、学校での指導言語として部族

語の使用を促し、数少ない高齢の話者も教えられるよう部族語教員の資格制限を柔軟に

する。州や地域の教育機関は先住民の親や教育者、部族議会などと協力体制を確立し、

連邦政府の資金援助を受けている学校での教育や部族の商業活動においても部族語を用

いる権利を認めている。この法律は、部族主権を尊重する政策の一環であり、英語公用

語化運動に対する先住民側の働きかけの成果であった。2年後の同法修正版(������102-

524)では具体的な資金援助の対象や手続きが決められ、言語の継承と保存をはかるた

めに各部族や先住アメリカ人団体に対する奨励金プログラムも定められた。

 1990年代までには、国や州、部族各レベルの教育やメディアの分野で活躍する先住民

族が増え、ネイティブの教育関係者は独自のネットワークを形成していた。レーガンを

継いだブッシュ政権のもとで、徐々に政府と部族間の対話の道が開かれ、1991年から92

年にかけて、先住アメリカ人の教育問題について検討する�������������������� ���

�����が結成された。従来のメリアム・リポート(1928年)やケネディ・リポート(1969

年)の場合とは異なって、このタスクフォースには12人中10人のネイティブが参加し、

トリンギット・スー族出身の教育家で前アラスカ教育委員である�����デマート

(��������������� ����)が前教育長官�����ベル(���������������)と共同で指揮をとっ

た。タスクフォースは各地で公聴会を開いた後に報告書を作成し、90年代の具体的目標

を掲げて連邦政府に教育改善の必要性を説いた。それによると、今日の先住アメリカ人

の教育は、急激に変化しつつある技術社会に対応する一方で、文化的アイデンティティ

を支えていく内容であるべきとされている。1992年以降のクリントン政権下、インディ

アン政策は好転し、部族尊重主義が広まってくる。2年後には、クリントン大統領がホ

ワイトハウスで300人の各部族指導者と懇談し、部族政府と連邦政府との対等な関係を確

認した。最初に触れたように、1994年以来、先住アメリカ人の言語教育をめぐって、北

アリゾナ大学を中心に�������������� ��������� ����������が毎年開催され、報告

書がまとめられている。シンポジウムを通じて確認されたのは、部族の言語が先住民族

の文化的アイデンティティと切り離せないものであり、今日、その存続がいかに緊急の

課題であるかという認識だった。94年のアメリカ学校改善法の第7条で改訂されたバイ

リンガル教育法は、連邦政府が先住アメリカ人の言語の危機状態を鑑みて、学校や部族

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アメリカ先住民族の言語復興と教育

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組織でのバイリンガル教育プログラム実施に資金を提供していくことを定め、先住アメ

リカ人生徒のための教材開発をさらに推進していくことになった。(�����������������)

 1990年代には教育問題を通して、先住アメリカ人諸団体の連携が深まった。1944年の

����(������������� ��������������������)創設以来、各インディアン団体が増設さ

れる中で連帯が難しくなっていたが、この時期に����(���������������� ������

�����������)は他団体との歩み寄りや協力体制をとり、95年からは����と�����

(������������� ���������������������������)、����(�������������� ����������)と

ともに先住民側からの教育プラン(������または��������)を作成してクリントン大

統領に送付した。これを受けてクリントンは1998年の大統領令で、インディアン教育の

改善をはかるうえで部族主権を尊重し、先住民団体や部族との協議を重視するよう提唱

した。クリントンはこの他、99年にオグララ・ラコタ・スー族のパインリッジ保留地を

訪問して住民の声に耳を傾けるなど、先住アメリカ人と合衆国政府の対話の可能性を印

象づけた。(�����������������)

3.学校とコミュニティの取り組み

 1960年代以来の教育改革にもかかわらず、今日、先住アメリカ人の生徒の学業成績は

依然として他のエスニック集団よりも低い。中途退学率は全国平均の2倍であり、先住

アメリカ人の高校生の10人に3人がドロップアウトしていることになる。これらは学業

成績やアルコールなどの個々の原因、または家庭環境のみによるものでもない。エス

ニック集団の中でも先住アメリカ人の生徒に顕著な学力不振、中途退学の原因として注

目されてきたのが、学校を通じた主流社会との接触による深い挫折感、文化的アイデン

ティティに根ざした自己像を構築できないことに由来する自尊心の欠如である。これは、

家庭・地域の環境と学校との間の隔たりに起因している。先住アメリカ人の子供の場合

は多くが、学校教師との文化的摩擦に直面し、両親や家庭とはずれたアメリカ主流社会

の価値観を教えられ、家庭と学校との間で引き裂かれることになる。親たちの文化を捨

て去るよう暗黙に要求される生徒たちは多くが内的葛藤を抱え、肯定的自己像を築けな

いまま、麻薬やアルコールへ走ってしまう。(���������)

 このようなギャップをなくす方法として、従来より学校での教授法やカリキュラムの

見直し、生徒の内的葛藤に対処するカウンセリング・プログラムの充実が要請されてき

た。保留地内外の学校では、依然として先住アメリカ人の生徒に則した授業が行われて

いるとは言い難い。生徒の中途退学を防止するためにも、教育カリキュラムは個々に独

立したものではなく、有機的まとまりを持っていなくてはならない。特に先住アメリカ

人の教員は、生徒が抱える問題をより深く理解し、ロールモデルとして学校のカリキュ

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言語文化論集 第ⅩⅩⅢ巻 第1号

Page 7: アメリカ先住民族の言語復興と教育...23 アメリカ先住民族の言語復興と教育 校を直接運営し、部族大学の運営資金を連邦政府から受けることが可能になった。

ラム改革を担っていけると期待されている。(���������)

 90年代に入って、学校カリキュラムの中で生徒の文化的アイデンティティを培い、家

族やコミュニティ、部族の中での自らの位置を確認させていくプログラムとして注目さ

れているのが、部族語教育である。特に、部族語の話者が高齢になって次々に亡くなっ

ていく中、伝統文化の核とも言える部族語の継承は焦眉の課題でもある。80年代までの

教育改革が主に学校を舞台としていたとすれば、90年代に入って見られてきた傾向は、

学校を中心としながらも、広いコミュニティの文脈にまで広げることで家庭と学校を架

橋しようとする取り組みである。特に、部族語の復興には、社会学者フィッシュマン

(������������)が強調しているように、学校が果たせる役割は限られており、家庭や

コミュニティでの世代間の伝授も重要である。その意味で、学校と家庭というコミュニ

ティ全体での連携が不可欠になってきている。(����������� ���������)

 早い時期から、この視点に立って学校とコミュニティ、大学との間の連携を深めるこ

とで部族語の継承を促してきたのが、現在、アリゾナ大学に籍をおく�����(��������

���������������� ��������������)である。1978年に�����語族の話者と言語学者、

教育者がインディアン学校での教育改善のために結成した�����は、毎年夏に部族語教

育のための教材やカリキュラム開発をテーマに4週間の集中講座を開いてきた。年ごと

に参加者は増し、1996年には合衆国以外にカナダやベネズエラ、ブラジルまでの諸言語

を代表する116人が参加した。これまでに部族語や文化保存にとり組む研究者、カリキュ

ラム開発者、そして1000人以上の先住民の親や教員が�����を受講している。(��������

����������)

 また近年、合衆国のバイリンガル教育において注目されているのがイマージョン

(���������)方式である。これは基本的に学習対象である言語そのもので授業をすすめ

る方法であり、特に就学前の幼児や小学生の言語習得にはイマージョン形式の授業が効

果的であることが明らかになっている。(������������� �)米国教育長官�����ラ

イリー(������������� )も、2000年3月のスピーチで、バイリンガル教育におけるイ

マージョン授業の重要性を説いた。先住アメリカ人の部族語学習では、従来、1日の授

業で15分間のみがレッスンに割かれていたが、近年、この包括的なイマージョン・プロ

グラムが採用されるようになっている。その際、言語学習のみに多くの時間が費やされ

て他の教科が遅れないようにカリキュラムが工夫される。

 イマージョン・プログラムの模範例としてしばしば挙げられるのが、ハワイ語のケー

スである。わずかな話者しか残っておらず、消滅が危ぶまれた1980年代、ハワイ語がか

ろうじて日常会話で使われていたコミュニティで、幼児にイマージョン教育を行う試み

が着手された。その後、非営利組織のプーナナレオ(����������)が設立されて教材作

成や教員養成にのり出し、主に年少の児童を対象とした私立のハワイ語学校を開校した。

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アメリカ先住民族の言語復興と教育

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その後、年長の生徒も対象にした特別のハワイ語学級が公立学校の中に設けられるよう

になった。今日、このようなハワイのイマージョン教室は10以上を数え、約2000人の生

徒が学んでいる。高校生も受講予約リストに登録し、ハワイ語継承者としての子供たち

を多数送り出すことでプログラムは大きな成功をみている。一般に、カリキュラムでは

幼稚園から4年生まではハワイ語で授業を受け、5年生でハワイ語による英語学習が導

入される。以降は高校まで、英語が一日に1時間教えられるが、中学・高校生は第三言

語も選択する。長期の調査によれば、彼らの学業成績は一般の英語学校に通う生徒と同

等かそれ以上になっている。このようにハワイのイマージョン・プログラムは、他の言

語復興のモデルとなっているが、今日でも教材やスタッフ獲得の努力が続いている。

(����������)

 アメリカ・インディアンの各保留地でも、イマージョン・プログラムを中心とした幼

児からの部族語学習が行われている。ワイオミング州のウィンド・リバー保留地では、

���の「アラパホ語ロッジ」(������������������)の主導のもと、幼稚園児に対するア

ラパホ語のイマージョン授業が成果を上げているが、ハワイと同様、家庭でも部族語を

用いて子供と接するよう親もレッスンに参加している。指導者のグレイモーニング

(������������� ��)は、ニュージーランドのマオリやハワイ先住民によるイマージョ

ン方式を見本に方策を探求してきた。(������������ )また、フラットヘッド保留地

では、幼児向けイマージョン・プログラムから大学の講座まで部族語教育が整い、伝統

儀式に必要な言葉は実際に儀式を通じて教えられている。アリゾナ州フォート・ディファ

イアンスではナバホ語のイマージョン・プログラムが1987年に開始したが、このプログ

ラムで学習した生徒は、英語と数学のテストで成績が上位であった。その他、モホーク

やチョクトー、ブラックフット、コチティ・プエブロ、カリフォルニア諸部族でも、イ

マージョン・プログラムが試みられている。(������������� ������以下����������������)

 サウスダコタ州のシャイアン・リバー保留地でも、部族語教育と継承について関心が

高まっている。ラコタ語のイマージョン授業をヘッドスタートと初等学年にとりいれる

ことについて、近年行われた住民調査では、88人の回答者のうち80%以上が部族語教育

に積極的であった。これらの大部分は小学生から中学生の子供を持つ40代から50代の親

たちで、部族語を日常会話として復活させるために、全学年でバイリンガル教育かイマー

ジョン授業を実施すべきと答えた。自分の子供をイマージョン教室に通わせたいと答え

た者も80%に及び、反対者は4%であった。しかし、実際に家庭で子供にラコタ語を教

えている親は半数にとどまっていることから、学校でのラコタ語のイマージョンやバイ

リンガル教育への期待が高まっている。(����������)

 幼児や初等教育向けのイマージョン・プログラムが開発される一方、中等・高等教育

機関での部族語プログラムも進展を見せている。アリゾナ州のロックポイント・コミュ

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言語文化論集 第ⅩⅩⅢ巻 第1号

Page 9: アメリカ先住民族の言語復興と教育...23 アメリカ先住民族の言語復興と教育 校を直接運営し、部族大学の運営資金を連邦政府から受けることが可能になった。

ニティ学校では、はやくも1960年に���の授業が始まり、67年に維持型バイリンガル教

育プログラムが着手された。生徒はナバホ語で読解の指導を受け、ナバホ語と英語双方

の授業を維持するが、その結果、英語のみで指導を受けた生徒よりも英語の標準テスト

で高い成績が報告されている。また多くの部族大学でも部族語の授業が開講され、語学

教員が養成されている。1968年のナバホ・コミュニティ・カレッジ(現在の�����������)

設立以来、部族大学が各地で創られ、1999年にはアメリカ・インディアン高等教育協会

(�����)に31の大学・高等教育機関が加盟している。これらの部族大学は、それぞれ

の部族の伝統文化の継承、発展を教育目標に掲げている。ディネ・カレッジ(ナバホ)、

シンテ・グレスカ・カレッジ(ラコタ)、オグララ・ラコタ・カレッジ(ラコタ)、ハス

ケル・インディアン・ネイション大学は4年制の教員養成プログラムを持ち、部族間大

学であるハスケルを除いて、部族語と文化の授業が教員養成で必修となっている。ナバ

ホ保留地に近い北アリゾナ大学のような部族大学以外の教育機関でも、部族語やバイリ

ンガル教員養成のプログラムが設けられている。ハワイ大学ヒロ校は、1970年代にハワ

イ語の指導を始め、82年にハワイ語専攻の学士プログラムを設立し、ハワイ語の普及に

力を入れている。他にニューメキシコ大学、コロラド州立大学、ミネソタ大学、ワシン

トン大学などでは先住民との協同で部族語の研究が進んでいる。また、部族語を教える

努力は学校外のコミュニティでも行われている。例えば、2000年夏、ホピ族の村では、

年長者が5~19歳の青少年に工芸とともにホピ語を教えるイマージョン・プログラムが

実施された。(�������������� �������������)

 近年、多くの先住民コミュニティで注目されるのが、コンピュータやラジオ放送など

のメディアを用いた部族語保存の試みである。今日ではこれらの通信手段を利用して、

保留地の情報交換や遠隔教育がなされている。例えば、各部族は独自のラジオ局を持ち、

ホピの����、ラコタの����、ナバホの����など、インディアンのラジオ放送局は全

国で30にのぼる。ローカル・ニュースを流すこれらのラジオ放送は、保留地の重要なコ

ミュニケーション媒体だが、部族語放送をとり入れるなど言語保持における役割が注目

されている。(������������������ ���������)一方、超部族の非営利組織����������� ��

は、オクラホマの部族語再生のために、毎週30分間の教育番組を放映している。

(����������)さらに、部族語の教育に大きな役割を果たしているのが、コンピュー

タでのマルチメディア授業である。インディアナ大学を始めとする各地の大学で部族語

の音声つき辞書データベースがつくられ、教材として利用されるようになっている。こ

のマルチメディア教材は実際に部族語話者がいなくても、個々に自分のペースで発音を

確認しながら学習できるので大きな注目を集めている。(����������� ����������

���������������)保留地の学校でのコンピュータ施設の整備も進んでいる。サウスダコ

タ州のパインリッジ保留地の私立レッド・クラウド・スクールは、ほぼ個人献金によっ

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アメリカ先住民族の言語復興と教育

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て学校を運営しているが、近年、インターネットを利用した学習の可能性に期待して、

コンピュータ設備の充実と教員の技術的トレーニングに力を注いでいる。また、同保留

地の他の学校では、インターネットを利用したラコタ語の授業が行われている。(����

����������)

 これら一連の部族語学習は、部族語の再生・継承に大きく貢献するのみでなく、先住

アメリカ人の生徒自身にも大いにプラスと期待されている。部族語を通じた文化的アイ

デンティティの確立は、先住アメリカ人の学力不振やアルコール・麻薬中毒などの非行、

高い中途退学率といった諸問題に解決の道を開き、部族語の学習が、生徒の学力向上に

結びつくことも報告されている。(��������������)部族語教育を成功させるには、言

語と文化のつながりを重視して包括的なカリキュラムを用意し、学校をとりまく家庭や

コミュニティの支援が不可欠である。前述のように、社会学者フィッシュマンが、言語

の存続には、学校よりも家庭やコミュニティでの実践・自覚が重要であると説いている

ように、教育者や言語学者が声高に言語の危機を叫んだところで、日常に根ざした生活

言語として回復されなければ、消滅の運命は避けられない。その意味で、今日の先住ア

メリカ人の親たちは、新たな世代が部族語を継承していくような環境を家庭やコミュニ

ティにおいて意識的につくりあげ、日々実践していくという任務を背負っている。

4.結びに代えて―英語公用語化の波紋

 以上、見てきたように、1990年代には先住アメリカ人自身による教育改革とともに部

族語保存の努力がみられたが、その一方で、マイノリティに対する風当たりが強まって

きているのも事実である。とくに90年代後半、メキシコ系移民の急増に危機感を募らせ

た西海岸・西南部の諸州を中心に英語公用語化運動が盛り上がりを見せた。全米でバイ

リンガル教育を受けている児童約320万人のうちの40%の140万人は、カリフォルニアに

集中しているが、バイリンガル教育にともなうコスト大に悩んでいたカリフォルニア州

では1998年に州法修正法案227号が可決した。これは州内公立学校での教育活動を全て英

語で行うことを定めており、法律上、バイリンガル教育は廃止された。同州では、これ

以前の1996年に州と公共団体による差別と優遇措置の禁止を求める住民提案209号が可

決し、アファーマティブ・アクションが廃止されている。60年代以降のマイノリティ運

動の発祥の地であり、長らくバイリンガル教育の実験場であったカリフォルニア州でこ

のような措置がとられたことは全米に衝撃を与えた。

 このバイリンガル教育の廃止を導いたのは、シリコンバレーのコンピュータ実業家���

アンズ(�������)や先述の��������といった英語公用語化を目指す団体であった。

全国に140万の会員を誇る��������には、各界の著名人が顧問として名を連ね、皮肉

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言語文化論集 第ⅩⅩⅢ巻 第1号

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にも現在の会長は、チリから移住した建築家��ムジカ(�������������)である。���

�������は、これまでにアラスカ、ジョージア、モンタナ、ニューハンプシャー、サウス

ダコタ、ヴァージニア、ワイオミング、ミズーリ各州における英語公用語化立法を支援

し、インターネット(�������������� ���)を通じて寄付を募っている。(�������������)

バイリンガル教育反対の主な論点は、コストの大きさと児童の英語習得が遅れるという

ことであるが、国家の分裂を危惧する反移民感情が多分に横たわっていると言える。直

接のターゲットはメキシコ系移民であるが、言語の問題は必然的に他のマイノリティに

も影響を及ぼし、とくに部族語の継承が緊急の課題となっている先住アメリカ人にとっ

ては打撃である。

 カリフォルニアの動きは他州にも広がり、2000年には全米の中でも多くの先住民人口

を有するオクラホマ州やアリゾナ州で同様の提案が持ち上がった。アリゾナ州は既に

1988年、いったん英語を公用語と定めたものの、90年代に無効を求める訴訟がいくつか

持ち上がり、98年4月にはアリゾナ州最高裁判所によって修正は無効という判決が下さ

れていた。2000年に再び英語を強化する提案203号が浮上したとき、州内の先住アメリ

カ人は、部族語継承への直接攻撃としてこれに強く反対した。とくにナバホ部族議会は

全員一致でこれを非難し、2000年9月、ナバホ部族評議会議長��ビゲイ(������������)

が提案203号をナバホ族の教育・言語における自治主権を脅かすものとして強く批判し

た。翌10月にはナバホ族が中心となってフェニックスの州議事堂で抗議集会を行った。

(������������������ �����)

 これらの反対にもかかわらず、提案203号は11月に州民の63%の州民の支持を得て可決

され、バイリンガル教育が廃止される代わりに1年間の英語のイマージョン・プログラ

ムが設けられることになった。アリゾナ州の15郡のうち、4郡だけが反対にまわったが、

そのうちの3つはナバホ保留地だった。可決後、��ジャクソン(������������ナバホ族

出身のアリゾナ州議員)は提案203号がナバホ族にどのような影響をもたらすのか確認す

るために司法長官の見解を要求した。これを受けて2001年2月15日、アリゾナ州司法長

官ジャネット・ナポリターノ(�������������)は、保留地内外の先住アメリカ人の教

育・言語の権利、部族の主権はこの提案によって脅かされないという見解を打ち出した。

すなわち、先住アメリカ人言語法と先住民の自治権に言及して、部族学校や州・連邦の

学校で彼らの言語や文化の教育が阻まれるようなことはないと保証した。しかし、ナバ

ホ族は今後の見通しについてむしろ悲観的である。(��������������)

 このように合衆国では英語公用語化運動による言語的同化が新たに広まっているが、

全米人口の1%に満たない先住アメリカ人にとって、他のマイノリティと連帯して主流

アメリカ人から一定の支持を得ない限り、多数派の世論には無力である。長らく先住ア

メリカ人の部族語の保存について研究し、バイリンガル・マルチカルチュラル教育を模

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アメリカ先住民族の言語復興と教育

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索してきた北アリゾナ大学の���レイナー(����������)は、現代の主流社会の中で自己

を見失い、非行や犯罪にはしりがちな先住民の若者をつなぎとめるものは、祖先の言葉

であり、伝統的価値観に根ざした文化的アイデンティティであると訴え続けている。言

語や文化は、マイノリティにとって自らの存在意義に気づいて自己を確立し、疎外的な

社会を生き抜いていくための手だてと言える。

 さらに、このようなアメリカ先住民が立たされている状況をグローバルな文脈でとら

え直していく必要がある。今日、世界で話されている言語約6000語のうち、50%はもは

や子供の世代に話されなくなっている。21世紀には、全体の90%の言語が消滅し、英語、

スペイン語、中国語などの代表的な言語にとって代わられるだろうという予測もある。

現代世界で言語の多様性が保たれているのは、パプア・ニューギニアやインドネシア、

ナイジェリア、インドなどの生物的多様性(����������)が集中しつつも、環境破壊な

ど近代化や開発の歪みにさらされている地域である。近年、国際的にも先住民族の文化

や言語に対する権利が議論されてきている。1994年の国連の先住民族権利宣言草案第14

条は、先住民族による母語の使用・継承の権利を謳っている。

 先住民族は、彼(女)らの歴史、言語、口承伝統、哲学、文字体系および文学を再活

性化し、使用し、発展させ、そして未来の世代に伝達する権利、並びに彼(女)ら独自

の共同体名、地名、そして人名を選定しかつ保持する権利を有する。

 国家は、この権利が保障されることを確実にするために、また、政治的、法的、行

政的な手続きにおいて、必要な場合は通訳の提供または他の適切な手段によって、彼

(女)らが理解できかつ理解され得ることを確実にするために、先住民族のいかなる権

利でも脅かされそうな時は常に、効果的措置を取ることとする。(手島訳、アジア・

太平洋人権情報センター 1998)

 資本主義経済が引き起こす急速なグローバル化の中で、人類共通の遺産である多様な

言語・文化を今後、人権と多文化共生の観点からどのように守り継承していくか、先住

アメリカ人のケースは、未来をうらなう一つの試金石となっている。

参考文献

(財)アジア・太平洋人権情報センター(1998) 「先住民族の権利に関する国際連合宣言」(手島武

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言語文化論集 第ⅩⅩⅢ巻 第1号

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雅訳)『アジア・太平洋の先住民族―権利回復への道』解放出版社,73-83.

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