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1 ユースケース エグゼクティブサマリー 企業の規模拡大と方向転換は急速に進んでいます。 世界では毎年 5 万件を超える M&A が行われています。競争が激化する今日の企業環境では、エンタープライズの運営と実行のス ピードが成功を左右することが多いため、M&A 後に効率的な統合を行い、すみやかに投資収益(ROI)を得ることが不可欠です。 これは IT 部門にとって大きな課題です。エンドユーザーの生産性に影響を与えず、複雑さや技術的な負債を増やさず、そして最も 重要なこととして、エンタープライズのセキュリティを犠牲にせず、インフラストラクチャやアプリケーションアクセスの観点か らこれを実現する方法を見つけるのは簡単なことではありません。 これまでは、企業間コミュニケーションの実現が困難であったため、多くの組織では統合におけるこの一要素を合理化するために、 一方向でアプリケーションアクセスを許可していました。その結果、ユーザーやデバイスを信頼できるかどうかは、その場所によっ て決まるため、危険性の高い前例となっていました。Akamai ではユーザーとデバイスを社内の企業 LAN に直接接続する以上の方 策を講じてきましたが、他の多くの企業ネットワークに見られるベストプラクティスは十分に進化していません。 今日の多くの組織が、仮想プライベートネットワーク(VPN)、リモート・デスクトップ・プロトコル(RDP)、プロキシなど、現 状に合わない旧式のアクセステクノロジーや複数の ID ストアに依然として依存しており、それらがすべて、複雑で予測不能なイン フラストラクチャにまとめられています。M&A が成功したとしても、このような旧式で不安定なフレームワークでは、安全できめ 細かい認証済みのアプリケーションアクセスは提供できないと思われます。規模を迅速に拡大する、合併や買収後に増大する従業 員を企業アプリケーションアクセスに設定する、あるいは売却の場合にアクセスを適切に廃止するなどを求められたとしても、テ クノロジーがバラバラでまとまりがないと十分な対応はできません。 緊急性とは? 迅速な統合は、成功を左右する最も重要な要因です。 効率的な融合ができない企業は、経済的にも競合の面でも脆弱です。そこで、IT 部門によ る迅速な対応が不可欠です。とは言え、未知で信頼できない、流動的な従業員に対して、 時代遅れのアクセスアーキテクチャの設定、展開、廃止を行うためには、数日間から場合 によっては数か月にわたり、IT 部門による長時間の作業が必要です。 IT チームは、 VPN や仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)に加え、クライアント側 のハードウェアやソフトウェア、セキュリティ、アイデンティティアクセス管理(IAM)、ポリシー 関連の設定など、さまざまなソリューションを提供する必要があります。従来のアクセスモデ ルによるオンボーディングやアクセス廃止は、ユーザー 1 人につき 10 を超えるネットワーク やアプリケーションコンポーネントの設定と解除が必要になることを意味します。 1 このような状況に対して、 IT 部門が新たな従業員をサポートするために、複数の環境や地 域にまたがるネットワーク、アイデンティティ、セキュリティスタックを複製しようとする ことが考えられます。ところが、複製することは複雑で、多くの場合、労力やアップグレー ドの必要性という点で法外なコストがかかります。アクセス制御を制限するために、アク セス要件が事前にロードされたハードウェアを IT 部門が新しいユーザーに物理的に配付す るという方法を取ることがあります。しかしながら、このやり方は非効率的で実用的でなく、 多くの場合、従業員は複数のノート PC やシステムを使用することになります。 当初想定された結果に 達しない M&A 取引は 少なくない 2 合併や買収をシンプル化する アプリケーションアクセスの再定義

ユースケース 合併や買収をシンプル化する アプリ …...て決まるため、危険性の高い前例となっていました。Akamai ではユーザーとデバイスを社内の企業

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ユースケース

エ グ ゼ ク テ ィ ブ サ マ リ ー

企業の規模拡大と方向転換は急速に進んでいます。 世界では毎年 5 万件を超える M&A が行われています。競争が激化する今日の企業環境では、エンタープライズの運営と実行のスピードが成功を左右することが多いため、M&A 後に効率的な統合を行い、すみやかに投資収益(ROI)を得ることが不可欠です。

これは IT 部門にとって大きな課題です。エンドユーザーの生産性に影響を与えず、複雑さや技術的な負債を増やさず、そして最も重要なこととして、エンタープライズのセキュリティを犠牲にせず、インフラストラクチャやアプリケーションアクセスの観点からこれを実現する方法を見つけるのは簡単なことではありません。

これまでは、企業間コミュニケーションの実現が困難であったため、多くの組織では統合におけるこの一要素を合理化するために、一方向でアプリケーションアクセスを許可していました。その結果、ユーザーやデバイスを信頼できるかどうかは、その場所によって決まるため、危険性の高い前例となっていました。Akamai ではユーザーとデバイスを社内の企業 LAN に直接接続する以上の方策を講じてきましたが、他の多くの企業ネットワークに見られるベストプラクティスは十分に進化していません。

今日の多くの組織が、仮想プライベートネットワーク(VPN)、リモート・デスクトップ・プロトコル(RDP)、プロキシなど、現状に合わない旧式のアクセステクノロジーや複数の ID ストアに依然として依存しており、それらがすべて、複雑で予測不能なインフラストラクチャにまとめられています。M&A が成功したとしても、このような旧式で不安定なフレームワークでは、安全できめ細かい認証済みのアプリケーションアクセスは提供できないと思われます。規模を迅速に拡大する、合併や買収後に増大する従業員を企業アプリケーションアクセスに設定する、あるいは売却の場合にアクセスを適切に廃止するなどを求められたとしても、テクノロジーがバラバラでまとまりがないと十分な対応はできません。

緊 急 性 と は ?

迅速な統合は、成功を左右する最も重要な要因です。 効率的な融合ができない企業は、経済的にも競合の面でも脆弱です。そこで、IT 部門による迅速な対応が不可欠です。とは言え、未知で信頼できない、流動的な従業員に対して、時代遅れのアクセスアーキテクチャの設定、展開、廃止を行うためには、数日間から場合によっては数か月にわたり、IT 部門による長時間の作業が必要です。

IT チームは、VPN や仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)に加え、クライアント側のハードウェアやソフトウェア、セキュリティ、アイデンティティアクセス管理(IAM)、ポリシー関連の設定など、さまざまなソリューションを提供する必要があります。従来のアクセスモデルによるオンボーディングやアクセス廃止は、ユーザー 1 人につき 10 を超えるネットワークやアプリケーションコンポーネントの設定と解除が必要になることを意味します。1

このような状況に対して、IT 部門が新たな従業員をサポートするために、複数の環境や地域にまたがるネットワーク、アイデンティティ、セキュリティスタックを複製しようとすることが考えられます。ところが、複製することは複雑で、多くの場合、労力やアップグレードの必要性という点で法外なコストがかかります。アクセス制御を制限するために、アクセス要件が事前にロードされたハードウェアを IT 部門が新しいユーザーに物理的に配付するという方法を取ることがあります。しかしながら、このやり方は非効率的で実用的でなく、多くの場合、従業員は複数のノート PC やシステムを使用することになります。

当初想定された結果に 達しない M&A 取引は

少なくない2

合併や買収をシンプル化する アプリケーションアクセスの再定義

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このようなアプローチは、うまくいったとしても新しい従業員の不満につながり、可用性やパフォーマンスの問題から生産性の低下を招くだけでなく、IT リソースを浪費することになります。そして最悪の場合、古いテクノロジーによってアクセス方式が変更されることで、重大かつ脆弱な状況下でエンタープライズをセキュリティ侵害にさらすことになります。2018 年に世界の M&A 取引高が過去 2 番目に高い記録を達成した後も、M&A は件数と規模の両面で今後も拡大することが予測されています。3 これらの取引を円滑に行い、セキュリティを確保することは、エンタープライズの成功に不可欠です。

ゼロトラスト・セキュリティ戦略で今日の脅威からビジネスを保護しながら、M&A のシンプル化と活用を図り、さらに加速するためには、アプリケーション・アクセス・モデルの再定義が必要です。IT チームは、ユーザーをネットワークに配置し、VPN やその他の従来型サービスを介してワークロードを提供する代わりに、エッジで提供されるクラウドネイティブのシンプルな適応型アクセスソリューションを活用して、M&A の成功をサポートする必要があります。

ソ リ ュ ー シ ョ ン

サービスとしての安全で拡張可能なアクセス。主にクラウドに常駐する最新の企業アプリケーションへのアクセスを提供するサービスは、クラウド上で構築してエッジで提供する必要があると Akamai は考えます。アプリケーションがオープンインターネット固有の脅威にさらされることはありません。Akamai Enterprise Application Access は、クラウドベースのソリューションであり、IT チームが行う、単一のセキュリティおよびアクセス制御によるアプリケーションアクセスのプロビジョニングと保護をサポートします。

Akamai のソリューションは、管理をシンプル化し、IT 部門が限りあるリソースを拡張して、あらゆる環境でビジネスの要求を満たせるように設計されています。Enterprise Application Access を使用すると、IT 部門は単一のポータルを介して、わずか数分で新しいアプリケーションとユーザーを立ち上げることができます。このテクノロジーは、最新のウェブアプリケーションと従来のシック・クライアント・アプリケーションをサポートしているため、エンドユーザーのアクセスがより高速で直感的になります。また、アプリケーションパフォーマンスの低下、VPN の接続問題、デバイスの非互換性などの問題に関するサポートへの問い合わせ件数も減少します。

Enterprise Application Access は、デバイスの状態やその他のセキュリティ信号に基づいた適応型アクセスを可能にしながら、多要素認証にも対応します。また、あらゆるタイプのアプリケーション(オンプレミス、IaaS、SaaS)に対応し、データパス保護、シングルサインオン、アイデンティティ、アプリケーションアクセス、管理の可視化と制御が単一のサービスに統合されます。

そのうえ、Akamai Enterprise Application Access により、ゼロトラスト・セキュリティ戦略の採用が可能になります。このソリューションは、許可されたユーザーとデバイスだけがアプリケーションにアクセスできるように設計されています。ユーザーアイデンティティと認証を提供する際は、ユーザーが必要とするアプリケーションにのみ、アプリケーション単位でアクセス許可を付与します。ネットワークレベルで付与することはありません。Enterprise Application Access を使用すると、IT チームがインバウンド・ファイアウォール・ポートを閉じて、インターネットや公衆回線からアプリケーションを分離できます。アプリケーションへの直接パスもなくなります。ダイヤルアウトは、クラウドまたはオンプレミス環境から Akamai Intelligent Edge への安全で相互認証された TLS 接続を介してのみ行われます。

さらに、Akamai の ID 認識型プロキシアーキテクチャによって、実績のあるアプリケーション高速化が可能になり、エンタープライズは新たに獲得した支店にインターネット経由でビジネスアプリケーションを配信するという課題を解決できます。これは、ユーザー、クラウド、オンプレミスのワークロードに近い Akamai Intelligent Edge Platform にアプリケーション配信機能を配置することで行います。しかも世界中のあらゆる場所に対応できます。

取引が期待通りの ROI を生み出さない主な 3 つの

理由の 1 つは統合におけるギャップである 4

Akamai Enterprise Application Access により、どのように複雑さが軽減され、統合が加速し、IT 部門が M&A の成功に貢献できるようになるのかをご覧ください。詳細および無料トライアルについては、akamai.com/eaa でご確認ください。

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出典

1) IDC Remote Access and Security Report(IDC リモートアクセスとセキュリティレポート) https://www.akamai.com/us/en/multimedia/documents/report/remote-

access-security-challenges-and-opportunities.pdf

2) Deloitte 2019 Report(Deloitte 2019年度レポート):Mergers and Acquisitions Trends(合併・買収動向)、https://www2.deloitte.com/us/en/pages/mergers-and-

acquisitions/articles/ma-trends-report.html

3) 同上4) 同上

Akamai は世界中の企業に安全で快適なデジタル体験を提供しています。Akamai のインテリジェントなエッジプラットフォームは、企業のデータセンターからクラウドプロバイダーのデータセンターまで広範に網羅し、企業とそのビジネスを高速、スマート、そしてセキュアなものにします。 マルチクラウドアーキテクチャの力を拡大させる、俊敏性に優れたソリューションを活用して競争優位を確立するため、世界中のトップブランドが Akamai を利用しています。Akamai は、意思決定、アプリケーション、体験を、ユーザーの最も近くで提供すると同時に、攻撃や脅威は遠ざけます。また、エッジセキュリティ、ウェブ/モバイルパフォーマンス、エンタープライズアクセス、ビデオデリバリーによって構成される Akamai のソリューションポートフォリオは、比類のないカスタマーサービスと分析、365 日 /24 時間体制のモニタリングによって支えられています。世界中のトップブランドが Akamai を信頼する理由について、www.akamai.com/jp/ja/、blogs.akamai.com/jp/ および Twitter の @Akamai_jp でご紹介しています。全事業所の連絡先情報は、www.akamai.com/jp/ja/locations.jsp をご覧ください。公開日:2019 年 6 月。