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1 エンジン電子制御装置の構造・機能及び点検・整備 通 称 名 車両型式 エンジン型式 適用時期 出 典 資 料 MAZDA DEMIO DBA-DJ3FS DBA-DJ3AS P3-VPS 2014.7~ 新型車の紹介 整備書    1 概 要 1 ) 特 徴 SKYACTIV-G 1.3 は,低燃費化を実現するために以下が実施されている。 機械抵抗損失改善 クランクシャフト・ジャーナルを細軸化 ピストン・スカートの形状を最適化 ピストン・リングを低張力化 ローラ・フォロアを採用 バルブ・スプリング荷重を低減 タイミング・チェーンの挙動を安定化 冷却水通路を最適化 ウォータ・ポンプのインペラ形状を最適化 ドライブ・ベルトを低張力化 油路を最適化 オイル・ポンプの形状を最適化 ポンピング・ロス改善 吸気側に可変バルブ・タイミング機構を採用 冷却損失改善 キャビティを有するピストンを採用 燃焼効率改善 多孔式フューエル・インジェクタを採用 吸入空気量計測の精度向上 吸入空気量の検出に L ジェトロニック式 *1 と D ジェトロニック式 *2 を併用 -エア・フロー・センサを採用 -吸気圧センサを採用 -吸気温センサ No.1,No.2 を採用 燃費性 / エミッション性能向上 インテーク側に油圧可変バルブ・タイミング制御を採用 -インテーク・カムシャフト・ポジション・センサを採用 電源供給安定性向上 DC-DC コンバータ制御を採用 電力消費低減 フューエル・ポンプ制御を採用 -フューエル・ポンプ・コントロール・モジュールを採用 燃費性 / アイドリング安定性向上 オルタネータ発電制御を採用 -電流センサを採用 エンジン信頼性向上 イオン・センサを採用し,プリイグニッションを検出 ハーネス簡素化 電流センサ,DC-DC コンバータに LIN 通信を採用 燃費向上,排気ガス低減,アイドリング 騒音低下 i-stop 制御を採用 *1:エア・フロー・センサを用いて吸入空気量を直接的に計測する。 *2:吸気圧センサを用いてシリンダ内に吸入される吸入空気圧を計測し,間接的に吸入空気量を求める。

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マ ツ ダ 株 式 会 社

エンジン電子制御装置の構造・機能及び点検・整備通 称 名 車 両 型 式 エンジン型式 適 用 時 期 出 典 資 料

MAZDADEMIO

DBA-DJ3FSDBA-DJ3AS P3-VPS 2014.7~ 新型車の紹介

整備書   

1 概 要

1) 特 徴

SKYACTIV-G 1.3は,低燃費化を実現するために以下が実施されている。

機械抵抗損失改善

クランクシャフト・ジャーナルを細軸化ピストン・スカートの形状を最適化ピストン・リングを低張力化ローラ・フォロアを採用バルブ・スプリング荷重を低減タイミング・チェーンの挙動を安定化冷却水通路を最適化ウォータ・ポンプのインペラ形状を最適化ドライブ・ベルトを低張力化油路を最適化オイル・ポンプの形状を最適化

ポンピング・ロス改善 吸気側に可変バルブ・タイミング機構を採用冷却損失改善 キャビティを有するピストンを採用燃焼効率改善 多孔式フューエル・インジェクタを採用

吸入空気量計測の精度向上

吸入空気量の検出にLジェトロニック式*1とDジェトロニック式*2を併用-エア・フロー・センサを採用-吸気圧センサを採用-吸気温センサNo.1,No.2を採用

燃費性/エミッション性能向上 インテーク側に油圧可変バルブ・タイミング制御を採用-インテーク・カムシャフト・ポジション・センサを採用

電源供給安定性向上 DC-DCコンバータ制御を採用

電力消費低減 フューエル・ポンプ制御を採用-フューエル・ポンプ・コントロール・モジュールを採用

燃費性/アイドリング安定性向上 オルタネータ発電制御を採用-電流センサを採用

エンジン信頼性向上 イオン・センサを採用し,プリイグニッションを検出ハーネス簡素化 電流センサ,DC-DCコンバータにLIN通信を採用燃費向上,排気ガス低減,アイドリング騒音低下 i-stop制御を採用

*1:エア・フロー・センサを用いて吸入空気量を直接的に計測する。*2:吸気圧センサを用いてシリンダ内に吸入される吸入空気圧を計測し,間接的に吸入空気量を求める。

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マツダ

2) 仕 様

項 目 仕 様

エンジン本体

シリンダ数及び配置 直列4気筒 横置燃焼室形式 ペントルーフ形バルブ駆動方式 DOHCタイミング・チェーン駆動16バルブ総排気量 (ml) 1,298内径×行程 (mm) 71.0×82.0圧縮比 12.0:1

バルブ・タイミング

IN開き (°) BTDC 43-ATDC 8閉じ (°) ABDC 31-ABDC 82

EX開き (°) BBDC 49閉じ (°) ATDC 5

潤滑装置

潤滑方式 全流ろ過圧送式オイル・プレッシャ(参考値)[水温80~90℃] (kPa[rpm]) 230~400[3,000]オイル・ポンプ 形式 トロコイド式

オイル・フィルタ形式 フル・フロー式バイパス圧力 (kPa) 78~118

エンジン・オイル量(参考値)

オイル交換時油量(L) 3.5オイル+オイル・フィルタ交換時油量 (L) 3.8全油量(L) 4.3

クーリング・システム

冷却方式 水冷,電動式

全冷却水量(参考値) (L)ATX:5.2MTX:5.0

燃料装置

フューエル・インジェクタタイプ 高抵抗燃料供給方式 トップ・フィード

プレッシャ・レギュレータ制御圧力 (kPa) 約450フューエル・ポンプ形式 電動式フューエル・タンク容量 (L) 44フューエル・タイプ 無鉛レギュラ・ガソリン

排出ガス発散防止装置

触媒型式 直下型三元触媒(モノリス)三元触媒(モノリス)

燃料蒸発ガス排出抑止装置 キャニスタ式ブローバイ・ガス還元装置 クローズド式

充放電装置

バッテリ形式 Q-85

オルタネータ出力 (V-A) 12-100レギュレータ調整電圧 無(PCM制御)

点火装置イグニッション・システム

方式 SEI進角方式 電子進角

スパーク・プラグ 型式 CHAMPION REA8WYPB4

始動装置 スタータ形式 同軸リダクション出力 (kW) 1.4

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マツダ

2 構造・機能

1) エンジン本体

⑴ ミラー・サイクル・エンジン

ミラー・サイクル・エンジンを採用し,インテーク・バルブを遅閉じにすることで,有効圧縮比を上げることなく高膨張比化を実現している。イ 作動(図-1)

①空気をシリンダ内に吸入する。②吸気行程終了後もインテーク・バルブを開いたままにしておき,シリンダ内の空気を吸気管に逆流させる。③インテーク・バルブが閉じた位置から圧縮が始まる(小さく圧縮)。④混合気が燃焼し,ピストンが下死点まで押し下げられる(大きく膨張)。

図-1 作 動

⑵ ピストン(図-2)

・高温強度で熱伝導性に優れるアルミ合金製を採用している。・ピストンは頂面にキャビティを有している。これにより燃焼初期の火炎がピストン頂面に接触することを抑制し,冷却損失の低減を図っている。

図-2 ピストン

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マツダ

⑷ ドライブ・ベルト(図-4)

・ドライブ・ベルトにはVリブド・ベルト,ウォータ・ポンプ・ドライブ・ベルトはストレッチ・タイプを採用している。・油圧式のドライブ・ベルト・オート・テンショナを採用したことで,油圧ダンパ作用によって張力変化を吸収している。これにより,ドライブ・ベルトの設定張力を低くし,摺動抵抗低減を図っている。

図-4 ドライブ・ベルト

・ピストン・スカート部の面積縮小及び肉厚低減により,摺動抵抗の低減及び部品質量の軽減を実現している。・ピストン中心からピストン・ピン中心をオフセットさせたオフセット・ピストンを採用し,ピストン・スラップを抑制している。⑶ コネクティング・ロッド(図-3)

・高強度鍛造炭素鋼を採用し,軽量化を図っている。・I幹から大端にかけて形状を最適化したことによって,軽量化を図っている。・コネクティング・ロッドとコネクティング・ロッド・キャップを破断分離するクラッキング工法*1を採用し,精度向上を図っている。・ピストンとの連結をフル・フロート・タイプとし,更に小端形状をテーパ化したことで,ピストンを含めた往復慣性重量を低減している。*1: コネクティング・ロッドを一体成形した後に大端部を

破断することで,コネクティング・ロッドとコネクティ

ング・ロッド・キャップに分割する工法 図-3 コネクティング・ロッド

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マツダ

⑸ HLA(ハイドロリック・ラッシュ・アジャスタ)及びロッカ・アーム

イ HLA(図-5)

バルブ・クリアランスを常時0mmに保ち,バルブ・クリアランスのメンテナンス・フリー化を実現している。

図-5 HLA

ロ ロッカ・アーム(図-6)

ニードル・ローラ・ベアリング内蔵のロッカ・アームを採用し,カムとの接触を転がり接触とすることで,摺動抵抗を低減している。

図-6 ロッカ・アーム

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マツダ

⑹ 可変バルブ・タイミング機構

バルブ・タイミングを最適に変化させることで,内部EGR量及び有効圧縮比を制御し,ポンピング・ロスを低減すると共に燃焼を最適にコントロールしている。イ 構成図(図-7)

図-7 可変バルブ・タイミング機構

ロ 油圧可変バルブ・タイミング・アクチュエータ(図-8)

・油圧可変バルブ・タイミング・アクチュエータは,OCVから供給されたエンジン・オイルによって作動し,インテーク・カムシャフトの位相を変化させる。・油圧可変バルブ・タイミング・アクチュエータは精密構造のため分解できない。

図-8 油圧可変バルブ・タイミング・アクチュエータ

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マツダ

ハ OCV(オイル・コントロール・バルブ)(図-9)

OCVは,エンジンの各運転状態に応じたPCMからの信号により作動し,油圧可変バルブ・タイミング・アクチュエータへの油路を切り替える。

図-9 OCV

ニ 作 動

可変バルブ・タイミング機構には,以下の四つのモードがある。

モード OCVの作動(スプール・バルブ)

油圧可変バルブ・タイミング・アクチュエータの作動バルブ・タイミング

油圧 ストッパ・ピン ロータ固定モード 最遅角位置 遅角室へ ○ 最遅角位置 最遅角進角モード 進角側へ 進角室へ × 進角側へ移動 進角遅角モード 遅角側へ 遅角室へ × 遅角側へ移動 遅角保持モード 中間位置 進角室/遅角室へ × 最適な位置で保持 最適な位置で保持

○:ロータの凹部と嵌合している×:ロータの凹部から外れている

⒜ 固定モード(図-10)

最遅角位置にあるロータの凹部と油圧可変バルブ・タイミング・アクチュエータ内部のストッパ・ピンが,スプリング力によって嵌合している。これによりハウジング(インテーク・カムシャフト・スプロケット)とロータ(インテーク・カムシャフト)は一体で回転する。

図-10 固定モード

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マツダ

⒝ 進角モード(図-11,12)

・PCMからの信号により,OCV内部のスプール・バルブが進角側へ移動し,油圧可変バルブ・タイミング・アクチュエータ内部の,ストッパ・ピン,進角室に油圧が作用する。固定モードから油圧が作用した場合は,ストッパ・ピンに油圧が作用することで嵌合が解除される。

図-11 ストッパ・ピン

・その後進角室に油圧が作用することにより,ロータ(インテーク・カムシャフト)はハウジング(インテーク・カムシャフト・スプロケット)に対して相対的に進角方向へ回転することで,バルブ・タイミングが進角する。

図-12 進角モード

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⒞ 遅角モード(図-13)

PCMからの信号により,OCV内部のスプール・バルブが遅角側へ移動し,油圧可変バルブ・タイミング・アクチュエータ内部の遅角室に油圧が作用する。これにより,ロータ(インテーク・カムシャフト)はハウジング(インテーク・カムシャフト・スプロケット)に対して相対的に遅角方向へ回転することで,バルブ・タイミングが遅角する。

図-13 遅角モード

⒟ 保持モード

PCMからの信号により,OCV内部のスプール・バルブを進角時と遅角時の中間付近に位置させる。このとき,油圧可変バルブ・タイミング・アクチュエータ内部の進角室と遅角室の両方に油圧が作用する。これにより,ロータ(インテーク・カムシャフト)とハウジング(インテーク・カムシャフト・スプロケット)の相対角度に変化はなく,現在のバルブ・タイミングを保持する。参考  (ATX)

エンジン・スイッチをOFF(LOCK)したとき,固定モード(油圧可変バルブ・タイミング・アクチュエータ内

部のロック・ピンがロータ凹部に嵌合した状態)にするため,次に示す状況の場合は,エンジン停止を遅延(約

0.5秒以内)させる。これにより,エンジン再始動性の向上を図っている。

-ファースト・アイドル・アップ中(キャタリスト・コンバータの早期活性化制御中),又は終了直後

-高地で停車時にD/R/Mレンジ,又はD/R/MレンジからP/Nレンジへ操作した直後

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マツダ

⑺ エンジン・マウント(図-14,15)

・エンジン前部(No.3エンジン・マウント),トランスアクスル片側(No.1エンジン・マウント),トランスアクスル後上部(No.4エンジン・マウント)での3点支持としている。・No.3エンジン・マウント・ラバーの内部には液体を封入し,ダンパ効果を向上させている。

図-14 エンジン・マウント①

・トランスアクスル片側(No.1エンジン・マウント)をトランスアクスル最下端部に配置することで,No.1エンジン・マウントがエンジン・トルクの変動時に発生するパワー・トレイン系への回転力を吸収し,その回転力をエンジン前後方向(振り子)に分散させている。

図-15 エンジン・マウント②

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2) 吸気装置

⑴ バキューム・ポンプ(図-16)

・バキューム・ポンプは,吸気遅閉によるパワー・ブレーキ・ユニットへのインテーク・マニホールド負圧の低下を補うため,ブレーキの制動力に必要な負圧を確保する。・ベーンの回転をスムーズにするために,エンジン・オイルの一部を循環させる潤滑経路を設けたシングル・ベーン式を採用している。

図-16 バキューム・ポンプ

⑵ スロットル・ボデー(図-17)

・スロットル・ボデーは,PCMからの制御信号により,スロットル・バルブを開閉し,シリンダ内に供給される空気量を調節する。・スロットル・ボデーは,スロットル・バルブ,スロットル・バルブ・アクチュエータ,スロットル・ポジション・センサ等で構成している。

図-17 スロットル・ボデー

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⑶ アクセル・ペダル及びキックダウン・スイッチ(ATX)(図-18)

・アクセル・ペダルは,運転者の発進/加速意思をPCMに伝える。・キックダウン・スイッチは,運転者が不用意にアクセル・ペダルを踏み込んでしまうことを防ぐため,踏み込み途中で踏力抵抗を設けることで,ペダル踏み込み量が100%近くであることを運転者に伝える。

図-18 アクセル・ペダル及びキックダウン・スイッチ

3) 燃料装置

⑴ リターンレス・フューエル・システム(図-19)

フューエル・ポンプから吐出する燃料量(燃圧)を調整し,余剰な燃料を吐出しないことで,燃料蒸発ガスの発生を低減する。

図-19 リターンレス・フューエル・システム

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マツダ

⑵ フューエル・ポンプ・ユニット(図-20)

・フューエル・ポンプ,フューエル・フィルタ(低圧側),フューエル・フィルタ(高圧側),プレッシャ・レギュレータ,ジェット・ポンプ(4WD),ロア・カバーで構成している。・PCMからの制御信号により,サーキット・オープニング・リレー,フューエル・ポンプ・コントロール・モジュールが駆動することで,フューエル・ポンプが作動する。・フューエル・ポンプはロア・カバー内の燃料を吸上げ,高圧フューエル・ポンプまで圧送する。燃料はフューエル・フィルタ(低圧側)とフューエル・フィルタ(高圧側)でろ過された後に,プレッシャ・レギュレータにより約450kPaに調圧される。

図-20 フューエル・ポンプ・ユニット

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マツダ

図-21 フューエル・ポンプ・コントロール・モジュール

⑷ 筒内直接噴射システム(図-22)

・筒内直接噴射システムは,燃料を燃焼室へマルチホール・インジェクタで直接噴射する。噴射された燃料の気化潜熱により燃焼室内のガス温度を低下させることにより,耐ノック性が改善してトルク向上を実現している。・燃料噴射開始から燃焼室に燃料が供給されるまでのタイムロスがないため,高い応答性を実現している。

⑶ フューエル・ポンプ・コントロール・モジュール(図-21)

・フューエル・ポンプの負荷低減,燃費向上のため,PCMからの制御信号に基づきフューエル・ポンプに印加される電圧を制御している。・自己診断機能を備えており,フューエル・ポンプ・コントロール・モジュール内で発生した不具合に対してPCMに診断信号を送信する。

・PCMは受信した診断信号の内容により必要に応じてサービス・コードを記憶する。

図-22 筒内直接噴射システム

イ フューエル・インジェクタ(図-23)

・マルチホール・インジェクタを採用し,複数の孔から燃料を噴射することで,燃料の微粒子化を図っている。・PCMからの制御信号により,燃料を噴射する。

図-23 フューエル・インジェクタ

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4) 排出ガス発散抑止装置

⑴ 構 成

システム名 関連部品排気ガス浄化装置 キャタリスト・コンバータブローバイ・ガス還元装置 PCVバルブ

燃料蒸発ガス排出抑止装置

パージ・ソレノイド・バルブキャッチ・タンクチャコール・キャニスタフューエル・フィラ・キャップロールオーバ・バルブチェック・バルブ

ロ 高圧フューエル・ポンプ(図-24)

・フューエル・ポンプから送られてきた燃料を加圧し,フューエル・ディストリビュータへ圧送する。・スピル弁コントロール・ソレノイド・バルブ,スピル弁,ピストン,スプリング等で構成している。・排気側カムシャフト後端に取り付けられているカムが回転することによってピストンが上下し,燃料を吸込み,圧送する。・PCMは燃圧センサからの信号を基に,運転状態に応じた燃圧になるように高圧フューエル・ポンプ内のスピル弁コントロール・ソレノイド・バルブを制御し,フューエル・インジェクタへの燃圧を調整する。・故障時の安全性確保のため,高圧フューエル・ポンプ内にリリーフ・バルブを設けている。燃圧が一定値を超えるとリリーフ・バルブが開き,燃圧の上昇を防いでいる。

図-24 高圧フューエル・ポンプ

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⑵ 排気ガス浄化装置(図-25)

・キャタリスト・コンバータは直下型三元触媒と三元触媒を採用している。・排気ガス中の有害物質(HC,CO,NOx)は,キャタリスト・コンバータを通過する間に酸化・還元作用により浄化する。-酸化作用炭化水素(HC)と一酸化炭素(CO)を酸素と結び付けて,無害な二酸化炭素と水に変える。O2+HC+CO→CO2+H2O

-還元作用窒素酸化物(NOx)を無害な窒素と酸素に変える。この際に発生した酸素の一部は,酸化作用に使用している。NOx→N2+O2

図-25 排気ガス浄化装置

⑶ ブローバイ・ガス還元装置(図-26)

・ブローバイ・ガス(未燃焼ガス)の大気放出を防止している。・ブローバイ・ガスはインテーク・マニホールド負圧に応じて,PCVバルブ,又はベンチレーション・ホースからインテーク・マニホールドへ導入される。

図-26 ブローバイ・ガス還元装置

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マツダ

⑷ 燃料蒸発ガス排出抑止装置(図-27)

・燃料蒸発ガスの大気放出を防止している。・燃料蒸発ガスはインテーク・マニホールド負圧によって,チャコール・キャニスタ,パージ・ソレノイド・バルブを通り,インテーク・マニホールドへ導入される。

図-27 燃料蒸発ガス排出抑止装置

イ キャッチ・タンク(図-28)

パージ・ソレノイド・バルブからインテーク・マニホールドへ吸入される燃料蒸発ガスを一時的に溜め,燃料蒸発ガスがインテーク・マニホールドへ吸入されるときに発生する脈動を抑制する。

図-28 キャッチ・タンク

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ロ パージ・ソレノイド・バルブ(図-29)

・パージ・ソレノイド・バルブは,チャコール・キャニスタに吸着している燃料蒸発ガスをインテーク・マニホールドに導く。・PCMからの制御信号により,パージ・ソレノイド・バルブが開閉する。

図-29 パージ・ソレノイド・バルブ

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マツダ

5) 制御装置

⑴ 構成図(図-30,31,32,33)

〈入力部品〉

図-30 構成図(入力部品①)

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図-31 構成図(入力部品②)

〈出力部品〉

図-32 構成図(出力部品①)

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図-33 構成図(出力部品②)

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⑵ システム配線図(図-34)

図-34 システム配線図①

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図-35 システム配線図②

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図-36 システム配線図③

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⑶ 入力部品の構造・機能

部品名 仕様 機能・特徴 作 動ニュートラル・スイッチ ON/OFF式 ・ニュートラル位置を検出

・スイッチNo.1,No.2で検出 ニュートラル位置にすると接点がONする

クラッチ・スイッチ ON/OFF式 クラッチの接続状態を検出 クラッチ・ペダルを踏み込むと接点がONする

エア・フロー・センサ(図-37)

ホット・フィルム

・吸入空気流量を検出・吸気温センサNo.1を内蔵

図-37 エア・フロー・センサ

吸気温センサ(図-38) サーミスタ

No.1はスロットル・ボデー通過前,No.2はスロットル・ボデー通過後の吸入空気温度を検出

図-38 吸気温センサ

吸気圧センサ(図-39)

シリコン・ダイヤフラム

・吸入空気圧を検出・吸気温センサNo.2を内蔵

図-39 吸気圧センサ

スロットル・ポジション・センサ(図-40)

ホール素子 メイン・センサ(No.1)とサブ・センサ(No.2)の2系統で検出

図-40 スロットル・ポジション・センサ

アクセル・ペダル・ポジション・センサ(図-41)

電磁誘導式 メイン・センサ(No.1)とサブ・センサ(No.2)の2系統で検出

図-41 アクセル・ペダル・ポジション・センサ

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マツダ

部品名 仕様 機能・特徴 作 動

冷却水温センサ(図-42) サーミスタ エンジン冷却水温を検出

図-42 冷却水温センサ

燃圧センサ(図-43)金属ダイヤフラム薄膜歪ゲージ

フューエル・ディストリビュータ内の燃圧を検出

図-43 燃圧センサ

部品名 仕様 機能・特徴 作 動

クランクシャフト・ポジション・センサ(図-44)

MR*1素子 クランクシャフトの回転速度を検出

図-44 クランクシャフト・ポジション・センサ川端

カムシャフト・ポジション・センサ(図-45)

GMR素子 カムシャフトの回転速度を検出

図-45 カムシャフト・ポジション・センサ

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マツダ

部品名 仕様 機能・特徴 作 動

ノック・センサ(図-46) ピエゾ素子

シリンダ内で発生する異常燃焼を検出

図-46 ノック・センサ

大気圧センサ(図-47) ピエゾ素子 ・大気圧を検出

・PCMに内蔵

図-47 大気圧センサ

電流センサ シャント抵抗,サーミスタ

バッテリ状態を監視

LIN通信により,バッテリの充放電電流,バッテリ電圧,バッテリ端子温度を,BCMを介してPCMに送信

パワー・ブレーキ・ユニット負圧センサ(図-48)

ピエゾ素子 パワー・ブレーキ・ユニット内の負圧

図-48 パワー・ブレーキ・ユニット不圧センサ

クラッチ・ストローク・センサ ホール素子

クラッチ・ペダルの踏み込み量を検出

図-49 クラッチ・ストローク・センサ

*1:Magnetic・Resistance

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マツダ

ロ O2センサ(図-51)

⒜ 機能・特徴

キャタリスト・コンバータの劣化判定情報として,排出ガス中の酸素濃度(理論空燃比)を検出し,酸素濃度(理論空燃比)信号としてPCMに送信する。⒝ 構 造

・検出部にジルコニア素子を採用している。・出力電圧の誤診断を防止するために,PCMはO2センサの出力電圧に約1.5Vを印加している。

図-51 O2センサ

イ A/F(空燃比)センサ(図-50)

⒜ 機能・特徴

・排出ガス中の酸素濃度(全領域空燃比)を検出し,酸素濃度(全領域空燃比)信号としてPCMに送信する。・理論空燃比に対し酸素濃度が濃い/薄いを検出するO2センサに比べて,A/Fセンサは実空燃比に比例した出力特性があるため,詳細な空燃比が検出できる。⒝ 構 造

・検出部にジルコニア素子を採用している。・A/Fセンサは,常に酸素濃度100%を保っている酸素基準室と排出ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出室を設けている。ジルコニア素子は電流が流れることで,酸素が移動する特性を利用して,酸素基準室と酸素濃度検出室内の酸素濃度と比較することで,排気ガス中の酸素濃度を検出している。

図-50 A/F(空燃比)センサ

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マツダ

⑷ 各制御システムと入力/出力部品の関係○:適用有り

項 目

メイン・リレー制御

ドライブ・バイ・ワイヤ制御

油圧可変バルブ・タイミング制御

燃料噴射制御

フューエル・ポンプ制御

高圧フューエル・ポンプ制御

点火時期制御

パージ制御

O2

センサ・ヒータ御御

A/F

センサ・ヒータ制御

A/C

カット制御

エンジン冷却ファン制御

スタータ・カット制御

オルタネータ発電制御

i-stop

制御

DC-DC

コンバータ制御

入力部品アクセル・ペダル・ポジション・センサNo.1,No.2 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○スロットル・ポジション・センサNo.1,No.2 ○ ○ ○ ○エア・フロー・センサ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○吸気温センサNo.1 ○ ○ ○ ○ ○ ○吸気温センサNo.2 ○ ○ ○ ○吸気圧センサ ○ ○ ○ ○ ○クランクシャフト・ポジション・センサ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○カムシャフト・ポジション・センサ ○ ○ ○ ○ ○冷却水温センサ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○燃圧センサ ○ ○ ○ ○ ○大気圧センサ ○ ○ ○ ○ ○パワー・ブレーキ・ユニット負圧センサ ○ノック・センサ ○A/Fセンサ ○ ○O2センサ ○A/Cプレッシャ・センサ ○ ○IG1リレー ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ストップ・ライト・スイッチ(No.1信号) ○ ○ストップ・ライト・スイッチ(No.2信号) ○トランスアクスル・レンジ・センサ(ATX) ○ ○ ○ ○クラッチ・スイッチ(MTX) ○ ○ ○ ○ ○スタータ・インターロック・スイッチ(MTX) ○クラッチ・ストローク・センサ(MTX) ○ニュートラル・スイッチNo.1(MTX) ○ ○ ○ ○ ○ニュートラル・スイッチNo.2(MTX) ○バッテリ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○オルタネータ(ステータ・コイル) ○CAN関連部品*1 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○出力部品メイン・リレー ○スロットル・バルブ・アクチュエータ ○ ○OCV ○フューエル・インジェクタNo.1~No.4 ○ ○フューエル・インジェクタ・リレー ○ ○フューエル・ポンプ・コントロール・モジュール ○サーキット・オープニング・リレー ○

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マツダ

項 目

メイン・リレー制御

ドライブ・バイ・ワイヤ制御

油圧可変バルブ・タイミング制御

燃料噴射制御

フューエル・ポンプ制御

高圧フューエル・ポンプ制御

点火時期制御

パージ制御

O2

センサ・ヒータ御御

A/F

センサ・ヒータ制御

A/C

カット制御

エンジン冷却ファン制御

スタータ・カット制御

オルタネータ発電制御

i-stop

制御

DC-DC

コンバータ制御

スピル弁コントロール・ソレノイド・バルブ(高圧フューエル・ポンプ) ○

イグニッション・コイルNo.1~No.4 ○ ○パージ・ソレノイド・バルブ ○A/Fセンサ・ヒータ ○O2センサ・ヒータ ○A/Cリレー ○クーリング・ファン・リレーNo.1,No.2 ○スタータ・リレー ○ ○オルタネータ(フィールド・コイル) ○ ○DC-DCコンバータ ○ ○

*1: DSC HU/CM,TCM(ATX),EPSコントロール・モジュール,コンビネーション・メータ,BCM,スタート・ストップ・ユニット

3 点検・整備

1) 故障コードの表示・消去方法

⑴ 表示方法

①外部診断器をダイアグノーシス・コネクタ2に接続する。②車両識別後,画面の指示に従いサービス・コードを確認する。サービス・コードが表示される場合は,該当するサービス・コード別点検に従って不具合箇所を修復する。③ダイアグノーシス・コネクタ2から外部診断器を取り外す。⑵ 消去方法

①外部診断器をダイアグノーシス・コネクタ2に接続する。②車両識別後,画面の指示に従いサービス・コードを消去する。③ダイアグノーシス・コネクタ2から外部診断器を取り外す。

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マツダ

⑶ サービス・コード一覧○:適用あり-:適用なし

サービス・コード 診断系統

エンジン警告灯

マスタ警告灯

i-stop警告灯(橙)

充電警告灯

オイル警告灯

レンチ表示灯

フェイルセーフ

ドライブ・サイクル

B10A2 : 00 車両衝突 - - - - - - ○ 1P0011 : 00 油圧可変バルブ・タイミング制御系統:過進角異常 点灯 - - - - - - 1P0012 : 00 油圧可変バルブ・タイミング制御系統:過遅角異常 点灯 - - - - - - 1P0031 : 00 A/Fセンサ・ヒータ制御系統:低入力 点灯 - - - - - ○ 2P0032 : 00 A/Fセンサ・ヒータ制御系統:高入力 点灯 - - - - - ○ 2P0037 : 00 O2センサ・ヒータ制御系統:低入力 点灯 - - - - - ○ 2P0038 : 00 O2センサ・ヒータ制御系統:高入力 点灯 - - - - - ○ 2P0069 : 00 吸気圧/大気圧:相関異常 - - - - - - - 2P0072 : 00 外気温センサ系統:低入力 - - - - - - - 1P0073 : 00 外気温センサ系統:高入力 - - - - - - - 1P0087 : 00 燃圧センサ系統:回路異常 点灯 - - - - - ○ 1P0088 : 00 燃圧センサ系統:回路異常 点灯 - - - - - ○ 1

P0089 : 00 スピル弁コントロール・ソレノイド・バルブ系統:特性異常 点灯 - - - - - ○ 1

P0091 : 00 スピル弁コントロール・ソレノイド・バルブ系統:低入力 点灯 - - - - - ○ 1

P0092 : 00 スピル弁コントロール・ソレノイド・バルブ系統:高入力 点灯 - - - - - ○ 1

P0097 : 00 吸気温センサNo.2系統:低入力 点灯 - - - - - - 1P0098 : 00 吸気温センサNo.2系統:高入力 点灯 - - - - - - 1P0101 : 00 エア・フロー・センサ系統:機能異常 - - - - - - - 2P0102 : 00 エア・フロー・センサ系統:低入力 点灯 - - - - - ○ 1P0103 : 00 エア・フロー・センサ系統:高入力 点灯 - - - - - ○ 1P0107 : 00 吸気圧センサ系統:低入力 点灯 - - - - - ○ 1P0108 : 00 吸気圧センサ系統:高入力 点灯 - - - - - ○ 1P0112 : 00 吸気温センサNo.1系統:低入力 点灯 - - - - - ○ 1P0113 : 00 吸気温センサNo.1系統:高入力 点灯 - - - - - ○ 1P0116 : 00 冷却水温センサ系統:機能異常 - - - - - - - 1P0117 : 00 冷却水温センサ系統:低入力 点灯 - - - - - ○ 1P0118 : 00 冷却水温センサ系統:高入力 点灯 - - - - - ○ 1P0122 : 00 スロットル・ポジション・センサNo.1系統:低入力 点灯 - - - - - ○ 1P0123 : 00 スロットル・ポジション・センサNo.1系統:高入力 点灯 - - - - - ○ 1

P0130 : 00 A/Fセンサ系統:PCM 1AB端子~PCM 1AG端子間の電圧異常 点灯 - - - - - ○ 2

P0131 : 00 A/Fセンサ系統:低入力 点灯 - - - - - ○ 2P0132 : 00 A/Fセンサ系統:高入力 点灯 - - - - - ○ 2P0133 : 00 A/Fセンサ系統:応答遅れ 点灯 - - - - - ○ 2P0134 : 00 A/Fセンサ系統:不活性 点灯 - - - - - ○ 2P0137 : 00 O2センサ系統:低入力 点灯 - - - - - ○ 2P0138 : 00 O2センサ系統:高入力 点灯 - - - - - - 2P013A: 00 O2センサ系統:応答遅れ(リッチからリーン移行時) 点灯 - - - - - - 2P0140 : 00 O2センサ系統:不活性 点灯 - - - - - - 2P0171 : 00 燃料噴射制御系統:空燃比リーン 点灯 - - - - - - 2P0172 : 00 燃料噴射制御系統:空燃比リッチ 点灯 - - - - - - 2P0192 : 00 燃圧センサ系統:低入力 点灯 - - - - - ○ 1

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マツダ

サービス・コード 診断系統

エンジン警告灯

マスタ警告灯

i-stop警告灯(橙)

充電警告灯

オイル警告灯

レンチ表示灯

フェイルセーフ

ドライブ・サイクル

P0193 : 00 燃圧センサ系統:高入力 点灯 - - - - - ○ 1P0201 : 00 フューエル・インジェクタNo.1系統:回路異常 点灯 - - - - - - 1P0202 : 00 フューエル・インジェクタNo.2系統:回路異常 点灯 - - - - - - 1P0203 : 00 フューエル・インジェクタNo.3系統:回路異常 点灯 - - - - - - 1P0204 : 00 フューエル・インジェクタNo.4系統:回路異常 点灯 - - - - - - 1P0222 : 00 スロットル・ポジション・センサNo.2系統:低入力 点灯 - - - - - ○ 1P0223 : 00 スロットル・ポジション・センサNo.2系統:高入力 点灯 - - - - - ○ 1

P025B : 00 フューエル・ポンプ・コントロール・モジュール系統:回路異常 - - - - - - ○ 1

P025C : 00 フューエル・ポンプ・コントロール・モジュール系統:自己診断結果低入力 - - - - - - - 1

P025D : 00 フューエル・ポンプ・コントロール・モジュール系統:自己診断結果高入力 - - - - - - - 1

P0300 : 00 ランダム失火 点滅/点灯 - - - - - ○ 2

P0301 : 00 シリンダNo.1失火 点滅/点灯 - - - - - ○ 2

P0302 : 00 シリンダNo.2失火 点滅/点灯 - - - - - ○ 2

P0303 : 00 シリンダNo.3失火 点滅/点灯 - - - - - ○ 2

P0304 : 00 シリンダNo.4失火 点滅/点灯 - - - - - ○ 2

P0327 : 00 ノック・センサ系統:低入力 点灯 - - - - - ○ 1P0328 : 00 ノック・センサ系統:高入力 点灯 - - - - - ○ 1P0335 : 00 クランクシャフト・ポジション・センサ系統:回路異常 点灯 - - - - - ○ 1P0340 : 00 カムシャフト・ポジション・センサ系統:回路異常 点灯 - - - - - ○ 1P0421 : 00 キャタリスト・コンバータ系統 点灯 - - - - - - 2P0443 : 00 パージ・ソレノイド・バルブ系統:回路異常 点灯 - - - - - - 2P0461 : 00 フューエル・ゲージ・センダ・ユニット系統:回路異常 - - - - - - - 2P0462 : 00 フューエル・ゲージ・センダ・ユニット系統:低入力 - - - - - - - 2P0463 : 00 フューエル・ゲージ・センダ・ユニット系統:高入力 - - - - - - - 2P0480 : 00 クーリング・ファン・リレーNo.2制御系統:回路異常 - - - - - - - 1P0482 : 00 クーリング・ファン・リレーNo.1制御系統:回路異常 - - - - - - - 1P0500 : 00 車速信号系統:回路異常 点灯 - - - - - ○ 2P0504 : 00 ストップ・ライト・スイッチ入力系統:回路異常 点灯 点灯 - - - - - 1P0520 : 00 オイル・プレッシャ・スイッチ系統:回路異常 - - - - - - - 1P0524 : 00 オイル・プレッシャ・スイッチ系統:油圧無し - 点灯 - - 点灯*1 - - 1P0532 : 00 A/Cプレッシャ・センサ系統:低入力 - - - - - - - 1P0533 : 00 A/Cプレッシャ・センサ系統:高入力 - - - - - - - 1P0555 : 00 パワー・ブレーキ・ユニット負圧センサ系統:回路異常 - - 点滅 - - - ○ 1P057F : 00 電源システム系統:バッテリ劣化 - 点灯 点滅 - - - ○ 1P058A: 00 電流センサ系統:機能異常 - 点灯 点滅 点灯*2 - - ○ 2P0600 : 00 シリアル通信リンク 点灯 - - - - - - 1P0601 : 00 PCMメモリ・チェックサム・エラー 点灯 - - - - - ○ 1P0604 : 00 PCMランダム・アクセス・メモリ・エラー 点灯 - - - - - ○ 1P0606 : 00 PCM処理装置 点灯 - - - - - ○ 1P0607 : 00 PCM内部の故障 点灯 - - - - - - 1P0615 : 00 スタータ/スタータ・リレー作動回数 - - 点滅 - - - ○ 1

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マツダ

サービス・コード 診断系統

エンジン警告灯

マスタ警告灯

i-stop警告灯(橙)

充電警告灯

オイル警告灯

レンチ表示灯

フェイルセーフ

ドライブ・サイクル

P061B : 00 PCM処理装置 点灯 - - - - - ○ 1P061D : 00 PCM処理装置 点灯 - - - - - ○ 1P061F : 00 PCM処理装置 - - - - - - - 1

P0628 : 00 フューエル・ポンプ・コントロール・モジュール系統:低入力 - - - - - - - 1

P0629 : 00 フューエル・ポンプ・コントロール・モジュール系統:高入力 - - - - - - ○ 1

P0638 : 00 スロットル・バルブ・アクチュエータ制御系統:特性異常 点灯 - - - - - ○ 1

P064D : 00 PCM内部のA/Fセンサ制御装置:実行エラー 点灯 - - - - - - 1

P06B8 : 00 PCM内部の不揮発性ランダム・アクセス・メモリ・エラー - - - - - - - 1

P0703 : 00 ストップ・ライト・スイッチ入力系統:回路異常 点灯 点灯 - - - - - 2P0704 : 00*4 クラッチ・スイッチ入力系統:回路異常 点灯 - - - - - - 2P07BE : 00*4 トランスアクスル不確定(ニュートラル判定しない) - - - - - - - 1P0850 : 00*4 ニュートラル・スイッチNo.1入力系統:回路異常 点灯 - - - - - - 2P0A0F : 00 エンジン再始動不能 - - 点滅 - - - ○ 1P0A8D: 00 電源システム系統:低入力 - 点灯 点滅 - - - ○ 1P0A8F : 00 電源システム系統:低入力 - 点灯 点滅 - - - ○ 2

P0A94 : 00 DC-DCコンバータ制御系統:回路異常,DC-DCコンバータ異常 - - 点滅 - - - ○ 1

P111A: 00 冷却装置系統:エンジン冷却水温が高い - - - - - - ○ 1P117A: 00 エンジン・オイル系統:エンジン油温が高い - - - - - - ○ 1P1260 : 00 イモビライザ・システム系統:システム異常 - - - - - - - -

P176E : 00*4 クラッチ・ストローク・センサ/スタータ・インターロック・スイッチ:相関異常 - - 点滅 - - - ○ 1

P2088 : 00 油圧可変バルブ・タイミング制御系統:低入力 点灯 - - - - - ○ 1P2089 : 00 油圧可変バルブ・タイミング制御系統:高入力 点灯 - - - - - ○ 1P2096 : 00 O2センサ燃料噴射制御系統:空燃比リーン 点灯 - - - - - - 2P2097 : 00 O2センサ燃料噴射制御系統:空燃比リッチ 点灯 - - - - - - 2

P2101 : 00 スロットル・バルブ・アクチュエータ制御モータ系統:回路異常 点灯 - - - - - ○ 1

P2107 : 00 スロットル・バルブ・アクチュエータ制御装置:プロセッサ・エラー 点灯 - - - - - ○ 1

P2109 : 00 スロットル・ポジション・センサ系統:全閉特性異常 点灯 - - - - - ○ 1

P2110 : 00 スロットル・バルブ・アクチュエータ制御装置:エンジン回転数制限 点灯 - - - - - ○ 1

P2112 : 00 スロットル・バルブ・アクチュエータ制御モータ電流:特性異常 点灯 - - - - - ○ 1

P2119 : 00 スロットル・ボデー系統:機械的異常 点灯 - - - - - ○ 1

P2122 : 00 アクセル・ペダル・ポジション・センサNo.1系統:低入力 点灯 - - - - - ○ 1

P2123 : 00 アクセル・ペダル・ポジション・センサNo.1系統:高入力 点灯 - - - - - ○ 1

P2127 : 00 アクセル・ペダル・ポジション・センサNo.2系統:低入力 点灯 - - - - - ○ 1

P2128 : 00 アクセル・ペダル・ポジション・センサNo.2系統:高入力 点灯 - - - - - ○ 1

P2135 : 00 スロットル・ポジション・センサ系統:No.1/No.2相関異常 点灯 - - - - - ○ 1

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マツダ

サービス・コード 診断系統

エンジン警告灯

マスタ警告灯

i-stop警告灯(橙)

充電警告灯

オイル警告灯

レンチ表示灯

フェイルセーフ

ドライブ・サイクル

P2138 : 00 アクセル・ペダル・ポジション・センサ系統:No.1/No.2相関異常 点灯 - - - - - ○ 1

P2199 : 00 吸気温センサNo.2系統:相関異常 - - - - - - - 2P2226 : 00 大気圧センサ系統:回路異常 点灯 - - - - - ○ 1P2228 : 00 大気圧センサ系統:低入力 点灯 - - - - - ○ 1P2229 : 00 大気圧センサ系統:高入力 点灯 - - - - - ○ 1

P2237 : 00 A/Fセンサ系統:A/FセンサB端子~PCM 1AG端子間の断線 点灯 - - - - - ○ 2

P2243 : 00 A/Fセンサ系統:基準電圧回路断線 点灯 - - - - - - 2

P2251 : 00 A/Fセンサ系統:A/FセンサD端子~PCM 1AB端子間の断線 点灯 - - - - - - 2

P2299 : 00 アクセル・ペダル系統:戻り不良 - - - - - - ○ 1P2502 : 00 オルタネータ系統:オルタネータ発電電圧異常 - - 点滅 点灯*2 - - ○ 1P2503 : 00 オルタネータ系統:オルタネータ発電電圧が低い - - 点滅 点灯*2 - - ○ 1P2504 : 00 オルタネータ系統:オルタネータ発電電圧が高い - - 点滅 点灯*2 - - ○ 1P2507 : 00 PCM電源系統:低入力 点灯 - - - - - - 1P2610 : 00 コンビネーション・メータ内部の故障 - - - - - - ○ 2U0073 : 00 CAN通信系統:BUS・OFF - - - - - - - 1U0074 : 00*5 CAN通信系統:BUS・OFF - - - - - - - 1U0101 : 00*5 CAN通信系統:TCMとの通信エラー 点灯 - 点滅 - - - ○ 1U0121 : 00 CAN通信系統:DSC・HU/CMとの通信エラー 点灯 - 点滅 - - - ○ 1

U0131 : 00 CAN通信系統:EPSコントロール・モジュールとの通信エラー - - 点滅 - - - ○ 1

U0140 : 00 CAN通信系統:BCMとの通信エラー - - 点滅 - - - ○ 1

U0151 : 00 CAN通信系統:SASコントロール・モジュールとの通信エラー - - 点滅 - - - ○ 1

U0155 : 00 CAN通信系統:コンビネーション・メータとの通信エラー - - 点滅 - - - ○ 1

U0214 : 00 CAN通信系統:スタート・ストップ・ユニットとの通信エラー - - 点滅 - - - ○ 1

U0235 : 00 CAN通信系統:レーザ・センサとの通信エラー - - - - - - ○ 1

U0298 : 00 CAN/LIN通信系統:BCMとのDC-DCコンバータ情報の通信エラー - - 点滅 - - - ○ 1

U0302 : 00*5 TCM処理装置系統 点灯 - - - - - - 1U0315 : 00 DSC HU/CM異常 - - - - - - - 1U0320 : 00 EPSコントロール・モジュール異常 - - - - - - - 1U0323 : 00 コンビネーション・メータ異常 - - - - - - - 1U0336 : 00 SASコントロール・モジュール異常 - - - - - - - 1U0338 : 00 スタート・ストップ・ユニット異常 - - - - - - - 1U0433 : 00 レーザ・センサとの通信異常 - - - - - - ○ 1

U1007 : 00 CAN/LIN通信系統:BCMとの電流センサ情報の通信エラー - 点灯 点滅 点灯*2 - - ○ 1

U2300 : 00 グローバル・セントラル・コンフィグ異常 - 点灯*3 - - - - ○ 1U3000 : 41 PCM処理装置系統 - - - - - - - -

*1:ディスプレイに,エンジン油圧の異常に関するメッセージが表示される。*2:ディスプレイに,充電システムの異常に関するメッセージが表示される。*3:ディスプレイに,車両システムの異常に関するメッセージが表示される。*4:MTX*5:ATX

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マツダ

2) 作業前の注意点警告  ・燃料は引火性が高いため,火気を近づけてはならない。引火した場合は,重大な死傷事故及び施設破損の

原因となる。

・燃料装置系統は加圧されており引火性の高い燃料が飛散したり漏れると重大な死傷事故や,設備破損の原

因となる。また燃料が皮膚に付着したり,目に入ると炎症を起こす。これらを防止するため,燃料装置系

統の作業を行う場合は,次の「燃料飛散防止作業」を必ず実施する。

・作業者に帯電した静電気により,火災,爆発が発生して死傷事故につながるおそれがあるため,燃料装置

系統の作業を行う場合は,事前に車体を触るなどして静電気を除去する。

⑴ 燃料飛散防止作業(図-52)

①バッテリ(-)ケーブルを切り離す。②フューエル・フィラ・キャップを取り外し,フューエル・タンク内圧を下げる。③サーキット・オープニング・リレーを取り外す。④高圧フューエル・ポンプ・コネクタを切り離す。⑤バッテリ(-)ケーブルを接続し,エンジンを始動する。⑥エンスト後,クランキングを2~3回繰り返し,アイドル状態が維持できないことを確認する。(燃料配管内の圧力を抜くため)

図-52 燃料飛散防止作業

3) エンジン本体の点検

⑴ 圧縮圧力点検(図-53)

①バッテリが完全充電状態であることを確認する。②外部診断器をダイアグノーシス・コネクタ2に接続する。③エンジンを暖機する。④外部診断器のデータ・モニタ機能を使用して,RPM(エンジン回転数)を表示させる。⑤燃料飛散防止作業を行う。⑥フューエル・インジェクタ・リレー,イグニッション・コイル,スパーク・プラグを取り外す。〈次の手順で圧縮圧力を測定する。〉ⓐコンプレッション・ゲージをスパーク・プラグ穴に取り付ける。ⓑアクセル・ペダルを全開にする。ⓒエンジンをクランキングし,圧縮圧力とエンジン回転数の数値を測定する。

ⓓ測定結果を以下と比較する。 標準値:グラフ参照 限度値:グラフ参照 気筒間差:208kPa以内[250rpm]

図-53 圧縮圧力点検

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測定値が限度値以下,または気筒間差が基準値を超える場合は,スパーク・プラグ穴から少量のエンジン・オイルを加えて,前記ⓐ~ⓒ項の作業を行う。圧縮圧力が上がる場合:ピストン・リングとシリンダ壁面が摩耗,損傷していることが考えられる。圧縮圧力が変わらない場合:バルブの焼付き,バルブの当り不良,シリンダ・ヘッド・ガスケットからの圧力漏れが考えられる。

⑵ 油圧可変バルブ・タイミング点検

イ OCV作動点検(図-54)

①バッテリ(-)ケーブルを切り離す。②OCVのコネクタを切り離す。③バッテリ(-)ケーブルを再接続する。④エンジンを始動し,アイドリング状態にする。⑤OCVのA-B端子間にバッテリ電圧を掛けたとき,アイドル回転速度がふらつく又はエンストするかを確認する。参考  A,B端子への(+),(-)ケーブルはどちらに接続し

ても良い。 図-54 OCV作動点検

ロ OCVのコイル抵抗点検

OCVのコネクタを取り外した状態で,OCV側のA-B端子間のコイル抵抗値を測定する。OCVコイル抵抗標準値:6.9~7.5Ω[20℃]

ハ OCVスプール・バルブ作動点検(図-55,56)

①バッテリ(-)ケーブルを切り離す。②イグニッション・コイル,シリンダ・ヘッド・カバーを取り外す。③OCVを取り外し,OCV内部のスプール・バルブが最遅角位置にあることを確認する。

図-55 OCVスプール・バルブ作動点検①

④OCVのA-B端子間にバッテリ電圧を掛けたとき,スプール・バルブが作動し,最進角位置へ移動することを確認する。

図-56 OCVスプール・バルブ作動点検②

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ニ 油圧可変バルブ・タイミング・アクチュエータ点検(図-57)

①バッテリ(-)ケーブルを切り離す。②イグニッション・コイル,シリンダ・ヘッド・カバーを取り外す。③油圧可変バルブ・タイミング・アクチュエータの,ロータの切り欠きとカバーの突起が一致し,固定されていることを確認する。-ロータの切り欠きとカバーの突起が一致していない場合は,クランクシャフトをエンジン回転方向に2回転させ,切り欠きが一致することを確認する。

図-57  油圧可変バルブ・タイミング・アクチュエータ点検

4) 吸気装置系統の点検

⑴ インテーク・マニホールド負圧点検(図-58)

①インテーク・マニホールドとパージ・ソレノイド・バルブを接続しているエバポ・ホース(パージ・ソレノイド・バルブ側)を切り離し,バキューム・ゲージを取り付ける。②エンジンを完全に暖機する。③アイドル(無負荷時)のインテーク・マニホールド負圧を測定する。インテーク・マニホールド負圧値:約-60kPa

図-58 インテーク・マニホールド負圧点検

⑵ スロットル・バルブ抵抗点検(図-59)

①バッテリ(-)ケーブルを切り離す。②スロットル・ボデーのコネクタを切り離す。③スロットル・ボデーのE-F端子間の抵抗を測定する。スロットル・ボデー抵抗値(標準値): 0.3~100Ω[20℃]標準値外の場合,スロットル・ボデーを交換する。

図-59 スロットル・バルブ抵抗点検

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⑶ チェック・バルブ通気点検(図-60)

①バキューム・ホースを取り外す。②バキューム・ホースのバキューム・ポンプ側から息を吹き込んだとき,インテーク・マニホールド側に息が通じ,逆にインテーク・マニホールド側から息を吹込んだとき,バキューム・ポンプ側には息が通じないことを確認する。チェック・バルブに不具合があれば,バキューム・ホースと一体で交換する。 図-60 チェック・バルブ通気点検

5) 燃料装置系統の点検

⑴ 燃圧点検(図-61,62)

①燃料飛散防止作業を行う。②バッテリ(-)ケーブルを切り離す。③図に示すクイック・コネクタを切り離し,燃圧計を取り付ける。④“カチッ”と音がするまでクイック・コネクタをフューエル・パイプ,燃圧計に押し込む。⑤クイック・コネクタを手で引っ張り,確実に取り付けられていることを確認する。

図-61 燃圧点検①

⑥サーキット・オープニング・リレーを取り外す。⑦ジャンパ・ワイヤを使用して,リレー・アンド・フューズ・ブロック内のサーキット・オープニング・リレーC端子とD端子を短絡する。注意  短絡端子を間違えると故障の原因となるため,定めら

れた端子を短絡する。

図-62 燃圧点検②

⑧バッテリ(-)ケーブルを接続して,フューエル・ポンプを作動させる。⑨燃圧を測定する。燃圧値:425~505kPa⑩バッテリ(-)ケーブルを切り離して,フューエル・ポンプを停止させる。⑪5分後の燃料保持圧を測定する。燃料保持圧:250kPa以上⑫燃料飛散防止作業を行った後,燃圧計を取り外し,クイック・コネクタを接続する。⑬手順⑪によりフューエル・ポンプを作動させ,燃料漏れがないかを点検する。

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⑵ フューエル・インジェクタ抵抗点検(図-63)

①バッテリ(-)ケーブルを切り離す。②インテーク・マニホールドを取り外す。③フューエル・インジェクタのコネクタを切り離す。④フューエル・インジェクタのA-B端子間の抵抗を点検する。フューエル・インジェクタ抵抗値: 1.74~2.04Ω[20℃] 図-63 フューエル・インジェクタ抵抗点検

6) 排出ガス発散抑止装置系統の点検

⑴ パージ制御点検(図-64)

①エンジンを始動し,アイドル状態にする。②パージ・ソレノイド・バルブからチャコール・キャニスタへ通じているエバポ・ホース(パージ・ソレノイド・バルブ側)を切り離す。③エンジン冷間時のアイドル状態で,図に示すようにパージ・ソレノイド・バルブに指をあて,負圧が作用していないことを確認する。④車両をシャシ・ローラに乗せて走行し,エンジン回転速度を約2,000rpmに保つ。⑤約30秒後,負圧が作用していることを確認する。

図-64 パージ制御点検

⑵ パージ・ソレノイド・バルブ通気点検(図-65)

①バッテリ(-)ケーブルを切り離す。②パージ・ソレノイド・バルブを取り外す。③以下の条件でポート間の通気状態を点検する。

測定条件 ポートA-B間の通気A-B端子間に電圧を掛けないとき なしA-B端子間に電圧を掛けたとき あり

図-65 パージ・ソレノイド・バルブ通気点検

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⑶ PCVバルブ通気点検(図-66)

①ベンチレーション・ホースの図示A部を切り離す。②エンジンを始動し,アイドル状態で,切り離したベンチレーション・ホースの先に負圧が掛かっていることを確認する。負圧が掛かっていない場合,手順③以降を行う。

図-66 PCVバルブ通気点検①③バッテリ(-)ケーブルを切り離す。④インテーク・マニホールドを取り外す。⑤PCVバルブとオイル・セパレータを一体で取り外す。⑥ポートBに圧力(5kPa以上)を掛けたときに,通気がないことを確認する。⑦ポートBに負圧を掛けたときに,通気があることを確認する。

図-67 PCVバルブ通気点検②

7) 制御装置系統の点検

⑴ PCM点検(図-68)

PCM端子電圧表参考  以下に載せている数値は参考値である。

図-68 PCM車両ハーネス側コネクタ

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-: 該当なし

端子 信号名 接続先 測定項目 測定条件 電圧(V)

1A*1 CAN_2H CAN関連部品 この端子はCAN通信用のため端子電圧点検では良否判定ができない。1B*1 CAN_2L CAN関連部品 この端子はCAN通信用のため端子電圧点検では良否判定ができない。1D ノッキング(-) ノック・センサ 電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止) 約1.64

1G*2 ニュートラル・スイッチNo.2

ニュートラル・スイッチNo.2 電圧 エンジン・スイッチON

(エンジン停止)

シフト・レバーがニュートラルの位置 1.0以下

シフト・レバーがニュートラルの位置以外 VB

1H ノッキング(+) ノック・センサ 電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止) 約3.281I アース シールド線 電圧 常時 1.0以下

1K*2 ニュートラル位置 ニュートラル・スイッチNo.1 電圧

シフト・レバーがニュートラルの位置 1.0以下シフト・レバーがニュートラルの位置以外 VB

1L*2 バック・アップ・ライト

バック・アップ・ライト・スイッチ 電圧

シフト・レバーがリバースの位置 1.0以下シフト・レバーがリバースの位置以外 VB

1P オイル・プレッシャ オイル・プレッシャ・スイッチ 電圧

エンジン・スイッチON(エンジン停止) 1.0以下アイドル(暖機後,無負荷時) VB

1W A/F A/Fセンサ 電圧 アイドル(暖機後,無負荷時) 約4.18

1Y カムシャフト・ポジション

カムシャフト・ポジション・センサ 波形 (参照:カムシャフト・ポジション)

1AB A/F A/Fセンサ 電流 アイドル(暖機後,無負荷時):0mA

1AC アース カムシャフト・ポジション・センサ 電圧 常時 1.0以下

1AD クランクシャフト・ポジション

クランクシャフト・ポジション・センサ 波形 (参照:クランクシャフト・ポジション)

1AF オルタネータ発電電圧 オルタネータ 波形 (参照:オルタネータ発電電圧)

1AG A/F A/Fセンサ 電圧 アイドル(暖機後,無負荷時) 約4.01

1AH アース クランクシャフト・ポジション・センサ 電圧 常時 1.0以下

1AI パージ制御 パージ・ソレノイド・バルブ 波形 (参照:パージ制御)

1AJ 点火時期制御 イグニッション・コイルNo.4 波形 (参照:点火時期制御)

1AK 冷却水温 冷却水温センサ 電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止)

冷却水温20℃ 約3.10冷却水温40℃ 約2.16冷却水温60℃ 約1.40冷却水温80℃ 約0.87冷却水温100℃ 約0.54

1AM アース 冷却水温センサ 電圧 常時 1.0以下

1AN 油圧可変バルブ・タイミング制御 OCV 波形 (参照:油圧可変バルブ・タイミング制御)

1AO 点火時期制御 イグニッション・コイルNo.3 波形 (参照:点火時期制御)

1AT 点火時期制御 イグニッション・コイルNo.2 波形 (参照:点火時期制御)

1AY 点火時期制御 イグニッション・コイルNo.1 波形 (参照:点火時期制御)

1BB アース シールド線 電圧 常時 1.0以下

1BE オルタネータ発電制御 オルタネータ 波形 (参照:オルタネータ発電制御)

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端子 信号名 接続先 測定項目 測定条件 電圧(V)

1BJ 供給電圧 燃圧センサ 電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止) 約5.021BL アース シールド線 電圧 常時 1.0以下

1BN 供給電圧 クランクシャフト・ポジション・センサ 電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止) 約5.02

1BO 供給電圧 吸気圧センサ 電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止) 約5.02

1BP スロットル・ポジション(No.1)

スロットル・ポジション・センサNo.1 電圧 エンジン・スイッチON

(エンジン停止)アクセル・ペダル開放 約1.15アクセル・ペダル踏み込み 約4.63

1BQ アース スロットル・ポジション・センサNo.1,No.2 電圧 常時 1.0以下

1BS 供給電圧 スロットル・ポジション・センサNo.1,No.2 電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止) 約5.02

1BU スロットル・ポジション(No.2)

スロットル・ポジション・センサNo.2 電圧 エンジン・スイッチON

(エンジン停止)アクセル・ペダル開放 約3.95アクセル・ペダル踏み込み 約0.45

1BW 吸気圧 吸気圧センサ 電圧エンジン・スイッチON(エンジン停止) 約4.15アイドル(暖機後,無負荷時) 約1.96レーシング(エンジン回転速度2,000回転) 約1.33

1BX アース 吸気圧センサ,吸気温センサNo.2 電圧 常時 1.0以下

1BY A/Fセンサ・ヒータ制御 A/Fセンサ・ヒータ 波形 (参照:A/Fセンサ・ヒータ制御)

1BZ アース アース 電圧 常時 1.0以下

1CA 燃圧 燃圧センサ 電圧エンジン・スイッチON(エンジン停止) 約1.51アイドル(暖機後,無負荷時) 約1.13

1CB アース 燃圧センサ 電圧 常時 1.0以下

1CC ドライブ・バイ・ワイヤ制御(-)

スロットル・バルブ・アクチュエータ 電圧

エンジン・スイッチON(エンジン停止) 約11.23アイドル(暖機後,無負荷時) VB

1CE 吸気温(No.2) 吸気温センサNo.2 電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止)

吸気温20℃ 約3.57吸気温40℃ 約2.70吸気温60℃ 約1.87

1CG ドライブ・バイ・ワイヤ制御(+)

スロットル・バルブ・アクチュエータ 波形 (参照:ドライブ・バイ・ワイヤ制御(+))

1CK バッテリ電圧 メイン・リレー 電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止) VB1CL アース アース 電圧 常時 1.0以下

1CO バッテリ電圧 フューエル・インジェクタ・リレー 電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止) VB

1CP アース アース 電圧 常時 1.0以下

1CS バッテリ電圧 フューエル・インジェクタ・リレー 電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止) VB

1CT アース アース 電圧 常時 1.0以下

1CW バッテリ電圧 フューエル・インジェクタ・リレー 電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止) VB

1CX アース アース 電圧 常時 1.0以下

1DA バッテリ電圧 フューエル・インジェクタ・リレー 電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止) VB

1DB アース アース 電圧 常時 1.0以下

1DG バッテリ電圧 フューエル・インジェクタ・リレー 電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止) VB

1DH アース アース 電圧 常時 1.0以下

1DK バッテリ電圧 フューエル・インジェクタ・リレー 電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止) VB

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マツダ

端子 信号名 接続先 測定項目 測定条件 電圧(V)

1DL アース アース 電圧 常時 1.0以下

1DO 燃料噴射制御(-) フューエル・インジェクタNo.1 波形 (参照:燃料噴射制御(-))

1DP 燃料噴射制御(+) フューエル・インジェクタNo.1 波形 (参照:燃料噴射制御(+))

1DS 燃料噴射制御(-) フューエル・インジェクタNo.4 波形 (参照:燃料噴射制御(-))

1DT 燃料噴射制御(+) フューエル・インジェクタNo.4 波形 (参照:燃料噴射制御(+))

1DW 燃料噴射制御(-) フューエル・インジェクタNo.2 波形 (参照:燃料噴射制御(-))

1DX 燃料噴射制御(+) フューエル・インジェクタNo.2 波形 (参照:燃料噴射制御(+))

1EA 燃料噴射制御(-) フューエル・インジェクタNo.3 波形 (参照:燃料噴射制御(-))

1EB 燃料噴射制御(+) フューエル・インジェクタNo.3 波形 (参照:燃料噴射制御(+))

1EE 高圧フューエル・ポンプ制御(+)

高圧フューエル・ポンプ 波形 (参照:高圧フューエル・ポンプ制御(+))

1EF 高圧フューエル・ポンプ制御(-)

高圧フューエル・ポンプ 波形 (参照:高圧フューエル・ポンプ制御(-))

2C O2 センサ・ヒータ制御 O2センサ・ヒータ 波形 (参照:O2センサ・ヒータ制御)

2G ブレーキ(No.1) ストップ・ライト・スイッチ(No.1信号) 電圧

ブレーキ・ペダル開放 1.0以下

ブレーキ・ペダル踏み込み VB

2H イグニッション(IG1) IG1リレー 電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止) VB

2I 外気温 外気温センサ 電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止)

外気温20℃ 約2.70外気温30℃ 約1.80

2J*2 クラッチクラッチ・スイッチ,スタート・ストップ・ユニット

電圧クラッチ・ペダル踏み込み 1.0以下

クラッチ・ペダル開放 VB

2K メイン・リレー制御 メイン・リレー 電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止) 約0.83

2M*2 クラッチ・ストローク・センサ

クラッチ・ストローク・センサ

電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止)

クラッチ・ペダル開放 約4.56クラッチ・ペダル踏み込み 約1.06

2O バッテリ電圧 バッテリ 電圧 常時 VB

2P DC-DCコンバータ制御 DC-DCコンバータ 電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止) 1.0以下

2Q パワー・ブレーキ・ユニット負圧

パワー・ブレーキ・ユニット負圧センサ 電圧 アイドル(暖機後,無負荷

時) ブレーキ・ペダル開放 約0.47

2R ブレーキ(No.2)ストップ・ライト・スイッチ(No.2 信号)

電圧ブレーキ・ペダル開放 1.0以下

ブレーキ・ペダル踏み込み VB

2S バッテリ電圧 メイン・リレー 電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止) VB2T バッテリ電圧 メイン・リレー 電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止) VB

2U 吸気温(No.1) 吸気温センサNo.1 電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止)

吸気温20℃ 約2.64吸気温40℃ 約1.27吸気温60℃ 約0.66

2AA アース アース 電圧 常時 1.0以下2AD アース シールド線 電圧 常時 1.0以下

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マツダ

端子 信号名 接続先 測定項目 測定条件 電圧(V)

2AE フューエル・ポンプ制御

フューエル・ポンプ・コントロール・モジュール

波形 (参照:フューエル・ポンプ制御)

2AF A/Cカット制御 A/Cリレー 電圧A/CリレーOFF VBA/CリレーON 1.0以下

2AG O2センサ(-) O2センサ 電圧 アイドル(暖機後,無負荷時) 約1.63

2AH アース

パワー・ブレーキ・ユニット負圧センサ,クラッチ・ストローク・センサ*2

電圧 常時 1.0以下

2AI O2センサ(+) O2センサ 電圧 アイドル(暖機後,無負荷時) 約2.35

2AJ アースA/C プレッシャ・センサ,外気温センサ

電圧 常時 1.0以下

2AK HS CAN_H CAN関連部品 この端子はCAN通信用のため端子電圧点検では良否判定ができない。2AL HS CAN_L CAN関連部品 この端子はCAN通信用のため端子電圧点検では良否判定ができない。

2AM

フューエル・ポンプ・コントロール・モジュール自己診断結果

フューエル・ポンプ・コントロール・モジュール

波形 (参照:フューエル・ポンプ・コントロール・モジュール自己診断結果)

2ANアクセル・ペダル・ ポ ジ シ ョ ン(No.1)

アクセル・ペダル・ポジション・センサNo.1

電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止)

アクセル・ペダル開放 約0.82

アクセル・ペダル踏み込み 約4.58

2AO アースアクセル・ペダル・ポジション・センサNo.1

電圧 常時 1.0以下

2AQ フューエル・ポンプ制御

サーキット・オープニング・リレー 電圧

エンジン・スイッチON(エンジン停止) VBアイドル(暖機後,無負荷時) 1.0以下

2AR 供給電圧アクセル・ペダル・ポジション・センサNo.1

電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止) 約5.02

2ASアクセル・ペダル・ポジション(No.2)

アクセル・ペダル・ポジション・センサNo.2

電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止)

アクセル・ペダル開放 約0.42

アクセル・ペダル踏み込み 約2.30

2AT アースアクセル・ペダル・ポジション・センサNo.2

電圧 常時 1.0以下

2AU クーリング・ファン制御

クーリング・ファン・リレーNo.2 電圧

クーリング・ファン作動時 1.0以下クーリング・ファン非作動時 VB

2AV クーリング・ファン制御

クーリング・ファン・リレーNo.1 電圧

クーリング・ファン作動時 1.0以下クーリング・ファン非作動時 VB

2AW 供給電圧アクセル・ペダル・ポジション・センサNo.2

電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止) 約5.02

2AX A/Cプレッシャ A/C プレッシャ・センサ 電圧

A/Cプレッシャ圧1.0MPa 約1.58A/Cプレッシャ圧1.1MPa 約1.72A/Cプレッシャ圧1.2MPa 約1.88

2AY アースエア・フロー・センサ,吸気温センサNo.1

電圧 常時 1.0以下

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マツダ

端子 信号名 接続先 測定項目 測定条件 電圧(V)

2AZ スタータ・カット制御

スタータ・リレー,スタート・ストップ・ユニット

電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止)

MTX クラッチ・ペダル開放VB

ATX セレクト・レバーがPレンジ又はNレンジ以外のとき

MTX クラッチ・ペダル踏み込み1.0以下

ATX セレクト・レバーがPレンジ又はNレンジのとき

2BB 供給電圧A/C プレッシャ・センサ,エア・フロー・センサ

電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止) 約5.02

2BC 吸入空気量 エア・フロー・センサ 電圧

エンジン・スイッチON(エンジン停止) 約0.76アイドル(暖機後,無負荷時) 約1.12レーシング(エンジン回転速度 2,000回転) 約1.44

2BD

セレクト・レバー位置*1

TCM,スタート・ストップ・ユニット 電圧

セレクト・レバーがPレンジ又はNレンジ以外のとき VBセレクト・レバーがPレンジ又はNレンジのとき 1.0以下

スタータ・インターロック*2

スタータ・インターロック・スイッチ,スタート・ストップ・ユニット

電圧クラッチ・ペダル踏み込み 1.0以下

クラッチ・ペダル開放 VB

2BG 供給電圧

パワー・ブレーキ・ユニット負圧センサ,クラッチ・ストローク・センサ*2

電圧 エンジン・スイッチON(エンジン停止) 約5.02

*1:ATX*2:MTX

参考

各入出力発生パルス計器設定共通:DCレンジ

カムシャフト・ポジション クランクシャフト・ポジション計器設定:2V/DIV(Y),20ms/DIV(X)測定条件:アイドル(暖機後,無負荷時)

計器設定:2V/DIV(Y),20ms/DIV(X)測定条件:アイドル(暖機後,無負荷時)

オルタネータ発電電圧 パージ制御計器設定:5V/DIV(Y),2ms/DIV(X)測定条件:アイドル(暖機後,無負荷時)

計器設定:10V/DIV(Y),50ms/DIV(X)測定条件:レーシング(エンジン回転数2,000rpm)

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マツダ

点火時期制御 油圧可変バルブ・タイミング制御計器設定:2V/DIV(Y),50ms/DIV(X)測定条件:アイドル(暖機後,無負荷時)

計器設定:5V/DIV(Y),1ms/DIV(X)測定条件:アイドル(暖機後,無負荷時)

オルタネータ発電制御 A/Fセンサ・ヒータ制御計器設定:1V/DIV(Y),2ms/DIV(X)測定条件:アイドル(暖機後,無負荷時)

計器設定:5V/DIV(Y),50ms/DIV(X)測定条件:アイドル(暖機後,無負荷時)

ドライブ・バイ・ワイヤ制御(+) 燃料噴射制御(-)計器設定:5V/DIV(Y),1ms/DIV(X)測定条件:アイドル(暖機後,無負荷時)

計器設定:10V/DIV(Y),5ms/DIV(X)測定条件:アイドル(暖機後,無負荷時)

燃料噴射制御(+) 高圧フューエル・ポンプ制御(+)計器設定:10V/DIV(Y),5ms/DIV(X)測定条件:アイドル(暖機後,無負荷時)

計器設定:10V/DIV(Y),5ms/DIV(X)測定条件:アイドル(暖機後,無負荷時)

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高圧フューエル・ポンプ制御(-)計器設定:10V/DIV(Y),5ms/DIV(X)測定条件:アイドル(暖機後,無負荷時)

参 考

エンジン制御装置(SKYACTIV-G 1.3) 電気配線図

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