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コグニティブ無線における コグニティブ無線における 既存無線システムとの共存技術 既存無線システムとの共存技術 2007 2007 年電子情報通信学会 年電子情報通信学会 ソサイエティ大会 ソサイエティ大会 パネル討論 パネル討論 BP-3 BP-3 2007 2007 9 9 12 12

コグニティブ無線における 既存無線システムとの共存技術 · 2007. 12. 3. · コグニティブ無線に関する動き 1 • J. Mitola氏による提案 (1999)

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Page 1: コグニティブ無線における 既存無線システムとの共存技術 · 2007. 12. 3. · コグニティブ無線に関する動き 1 • J. Mitola氏による提案 (1999)

コグニティブ無線におけるコグニティブ無線における既存無線システムとの共存技術既存無線システムとの共存技術

20072007年電子情報通信学会年電子情報通信学会ソサイエティ大会ソサイエティ大会

パネル討論 パネル討論 BP-3 BP-3 20072007年年99月月1212日日

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コグニティブ無線コグニティブ無線

周辺の電波環境や利用者のニーズを認知 (cognition) し,

自動的に最適な通信を行う無線システム

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コグニティブ無線に関する動き コグニティブ無線に関する動き 11• J. Mitola氏による提案 (1999)

– 環境と要求の認知– ソフトウェア無線の拡張– 記述言語に力点

• FCCの政策– コグニティブ無線の積極的採用 (2003)– コグニティブ無線を前提としてテレビ放送用周波数を

無免許使用に開放する方針 (2004)

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コグニティブ無線に関する動き コグニティブ無線に関する動き 22• IEEE 802.22 (2004-)

– Wireless Regional Area Network– ルーラル向けFWAの仕様

– FCCのテレビ周波数開放方針を前提

• IST E2R (2004-)– End-to-end reconfiguration– 端末・ネットワーク双方の協調– レギュレーションやビジネスモデルにも言及

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コグニティブ無線に関する動き コグニティブ無線に関する動き 33• 総務省の政策

– 周波数資源の開拓:利用効率に力点– 電波資源拡大のための研究開発 (2005-)

• コグニティブ無線通信技術の研究開発

• 電子情報通信学会ソフトウェア無線研究会– ソフトウェア無線の応用としてのコグニティブ無線から

スタート– 現在では中心的トピックのひとつ

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コグニティブ無線の2つの流れコグニティブ無線の2つの流れ

• マルチモード– ユーザのQoSデマンドとネットワークのサービス状況により

ネットワーク間のハンドオーバをシームレスに行う.

• 周波数有効活用 (dynamic spectrum access)– 既存無線システムに割り当てられたスペクトルの時間的・

空間的な空きを利用して通信を行う.

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パネル討論の趣旨パネル討論の趣旨

• スペクトルセンシングに基づくダイナミックなスペクトル利用を導入

• スペクトルの時間的空間的利用効率の向上• 既存無線システムが用いるスペクトルに対する

「スペクトルの二次利用」• 既存無線システムとの周波数共用の視点

– コグニティブ無線技術の動向– 将来課題の明確化

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プログラムプログラム9:00-9:10 座長挨拶 高田潤一(東工大)

9:10-9:25 周波数共用のためのコグニティブ無線 -概論- 三瓶政一(阪大,オーガナイザ)

9:25-9:40 コグニティブ無線,電波監理政策からの一考察 湧口清隆(相模女子大学)

9:40-9:55 コグニティブ無線におけるスペクトルセンシング技術佐々木重信(新潟大)

9:55-10:10 周波数共用技術:欧州における研究動向と効率的な共用実現のための一考察 四方博之(オールボー大(デンマーク))

10:10-10:25 メーカーの視点でのコグニティブ無線研究開発 小林崇裕(東芝)

10:25-11:25 総合討論

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討論の論点討論の論点

• 制度設計• 技術要素

– 検出技術– 制御技術– ハードウェア技術

• アプリケーション• 研究開発の動向

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制度設計制度設計

• スペクトル2次利用の思想– RRを頂点とする現行の法規制との関係

– WRC 2007でQuestion化?

• 専用帯域か既存帯域か– 例えばTV帯 (IEEE 802.22)– 例えばアナログTV跡地 (日本)

• 対象となるスペクトル– RF/IFアナログ系への負担 - ソフトウェア無線

• 被干渉側の観点– UWBでの議論

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技術要素:検出技術技術要素:検出技術

• キャリアセンスの感度– そもそも検出可能か~隠れ端末問題

• 受信機のダイナミックレンジ– 検出と通信の両立?

• 検出時間・帯域幅

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技術要素:制御技術技術要素:制御技術

• 干渉回避・抑圧・除去– 同一チャネルのシステム間干渉

• MACプロトコル– チャネル割り当て– リンクの確立

• 優先順位– システム間・ユーザ間の優先制御

• 制御専用チャネル– 自律分散の限界は?

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技術要素:ハードウェア技術技術要素:ハードウェア技術

• 広い帯域・変化する帯域幅– RFに大きな負担

• 広い受信ダイナミックレンジ– センシングと通信

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アプリケーションアプリケーション

• FWA– ルーラル (IEEE 802.22)

• PAN– UWB(アンダレイ)に対抗するオーバレイ技術

• 移動網への展開?

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研究プロジェクト研究プロジェクト

• 欧州の研究プロジェクト動向• 日本の目指す方向?

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三瓶先生の論点三瓶先生の論点

• 情報通信基盤の進展:3G以降 - 分散する頭脳– システムに頭脳– 線(伝搬路)にも頭脳– 端末にも頭脳

• Mitolaのエッセンス– 無線リソースに対するアクション– Context awareness + radio awareness– Learn -> plan

• 議論の背景– スペクトル利用度に大きな差– ユビキタス時代はこれから~ノードは100倍

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三瓶先生の論点三瓶先生の論点

• 議論の背景– 現在の周波数有効利用:MIMO

• 電力方向への周波数有効利用• 電磁界の時空感動的分布の活用

– インテリジェントな周波数共用– 最終的にはユーザ要求の満足

• 役割– スペクトル不足への対処– ユーザセントリックサービス

• バッテリーの有効利用など端末固有課題への対処

– 無線通信に対する認識再考• 優先をしのぐメリット

• Opportunity

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三瓶先生の論点三瓶先生の論点

• 十分な無線リソースの獲得– 無線システム:マルチモード– 無線スペクトル:ダイナミックスペクトルアクセス

• 周波数共用からコグニティブ無線へ– 従来:相互干渉が極めて低いシステム間で共用– コグニティブ:動的変化を利用,スペクトルの監視機能– X%の干渉ではなく(100-X)%の非干渉に主眼

• 周波数有効利用と周波数共用– 周波数有効利用の高度化:通信路容量の制御– 周波数共用の高度化:ダイナミックな共用,干渉モニタリング

• インテリジェント共用の形態

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三瓶先生の論点三瓶先生の論点

• インテリジェント共用の形態– 協調型

• マクロセル/マイクロセルオーバレイ• 共通制御チャネル

– 非協調型• センシング

• 技術課題は山積– 個別技術ラインアップの時期~10年先を見据える

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湧口先生の論点湧口先生の論点

電波管理政策からの一考察• 切符売場のモデル

– 行き先により窓口の混み方が違う– 周波数の再配分:利用客に合わせて窓口を変化– 動的な再配分の必要性:時間帯により乗客の分布が変化– どの窓口もすべての切符を販売

• すべての窓口がすべての切符を発券(SDR)

• どの窓口が空いているか(センサ)• 端末製造コストは高くならないか?• 窓口が増えるとアクセスに時間がかからないか?(センシング時間)• 空いているときは近い窓口から使われる.本当に必要な人が来たと

きにすぐに利用できない.(一次利用・二次利用)• 出発時刻が迫っている場合.(優先権を持つ利用者の区別)

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湧口先生の論点湧口先生の論点

• 周波数資源全体を帯域・空間に区切って用途– Command & Control, Spectrum Rights (3Gオークション)

• ダイナミックな空き周波数の感知– 周波数利用効率には貢献

– Open Access– 免許不要とは同義でない:従来とは異なる免許体系

• Command & Control– 排他的利用:リースを含む– コモンズ型:遅延

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湧口先生の論点湧口先生の論点

• 課題– SDRとの結びつき

• コスト• 不法なソフトウェアの排除

– センシング技術– 周波数の選好と特定周波数の混雑

• 帯域を区切ったほうがセンシング時間が短縮

– 優先利用権者

• 電波の物理的性質と経済学的性質• 電波利用制度見直し

– 排他利用とコモンズの中間

• 免許政策– 将来もコグニティブか– 完全自由ではなくセキュリティと需給調整

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佐々木先生の論点佐々木先生の論点

スペクトルセンシング• 周辺の電波環境の認知⇒周波数利用の元となる情報• センシングにおける論点

– 検出すべき信号レベル– 付加的な情報

• 他の周波数利用DB(位置など)

• 信号の既知パターン

– 標準化はどうするか?• IEEE 802.22 を例に

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佐々木先生の論点佐々木先生の論点

• 要求される検出レベル– マルチモード型⇒ 検出対象は割り当てられたシステムで閉じる

• 比較的高い検出レベル

– 周波数有効利用⇒ プライマリシステムの保護

• 非常に低い検出レベル

– 検出すべきレベルの実例• 5GHz無線LAN: -62dBm (200mW以下) / -64dBm (200mW以上)• IEEE 802.22: -116dBm (ATSC, 保護レベルに24dBのマージン)

– SNR=-20.8 dB

• 手法

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佐々木先生の論点佐々木先生の論点

• 手法– Energy-based detection

• 検出対象に依存しない

• 低SNでは検出困難

– Feature-based detection• 検出対象信号の事前情報~対象を特定

• 比較的低SNでも検出可能

• 付加情報の存在– 位置と周波数の情報

• 放送などでは利用可能

– 既知の信号パターン

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佐々木先生の論点佐々木先生の論点

• ワイヤレスマイクの検出– FCC Part 74 Subpart H– 帯域200kHz, FM– 検出のための所要SN比: -47 dB~検出帯域幅 6 MHz– 拡張検出シナリオ

• ワイヤレスマイクの受信機がビーコン信号を発射:IEEE 802.22.1

• センシングの標準化– 誤りの原因

• 誤警報:有効利用率にマイナス• 検出見逃し:既存無線信号へ干渉 ~より重要• 受信機は標準化の範囲外

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佐々木先生の論点佐々木先生の論点

• IEEE 802.22におけるセンシング機能の標準化– 入出力のみ規定されたブラックボックス

• まとめ– センシングのハードルが高い– 共用対象の特定が不可欠– センシングのための付加情報– 非干渉システム側の力:言いたいことは言って欲しい

• ワイヤレスマイクメーカー

• TV放送事業者

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四方先生の論点四方先生の論点

• 欧州における研究動向– FP6– FP7

• FP6– 2002-2008– Activity area: IST (Information Society Technology)– Objective: Beyond 3G– Clusters

• E2R– 欧州最大のプログラム– 動的な周波数共用のためのアーキテクチャやシステム構成

– PHY/MACの検討は少ない

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四方先生の論点四方先生の論点

• ORACLE– Opportunistic Radio– PHY/MAC, hierarchical sharing

• WINNER– 4G radio interface– Equal-right access among different RANs

• PULSER– UWB

• SPORT VIEWS– 関連プロジェクトの取りまとめ

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四方先生の論点四方先生の論点

• 各国の国家プロジェクト• これまでの動向

– SDRの延長

– Heterogenious system– Dynamic Sectrum Access– MAC/PHYは少ない

• 周波数規制変更の動き– WAPECS: 技術中立,サービス中立な利用ポリシー

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四方先生の論点四方先生の論点

• FP7– ICT (Information and Communication Technology)– 1019M Euro– 1st call: 2007年5月

– 現在1次審査終了– 2007年終わりから開始

– Challenges• Challenge 1: pervasive and trusted networks• Challenge 2: cognitive systems and robotics

– 無線に特化したobjectiveはない

– 異なるシナリオをターゲットにしたプロジェクトのひとつのパッケージ

• Home network• Disaster relief

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四方先生の論点四方先生の論点

• オールボー大学での研究– プライマリシステムエリア内でのセカンダリ通信の実現

• どのようなプライマリにも対応可能な通信方式• 特定のプライマリとの共用を狙った通信方式 ⇒ 狙う

– プライマリとセカンダリの独立性は確保• プライマリに手を加えない

– セカンダリシステムにとってプライマリシステムの信号はガウス雑音でない

• トラフィック特性,通信パラメタ• プライマリの制御情報やデータ全体も復号可能

– 活用例• アレーアンテナを用いた干渉低減• 分散アレーを用いた干渉低減

• MACプロトコル

• 干渉除去

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四方先生の論点四方先生の論点

• まとめ– これまでの大きな流れは reconfigurable & heterogenious– 今年の終わりから大きなプロジェクトが走り始める– 実現技術のひとつ– 既存システムの信号を活用したセカンダリ通信

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小林様の論点小林様の論点

• 高速通信への要求– 屋外でMbps,屋内でGbps

• マルチモード– 高度な組み合わせ– 既存無線インタフェースを使うため早期実現可能– モード間干渉を考慮した実装– 実装負荷の増加– スループットに上限

• 新規インタフェース– 広域向け

• 基地局が周波数を管理• 端末は簡易なキャリアセンスで十分

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小林様の論点小林様の論点

– PAN/LAN向け• 各端末がセンシング• 広帯域・高速伝送可能

• 周波数利用率向上/Gbpsクラス伝送

• 無線通信のPAN/LAN応用– 有線接続のリプレース:伝送速度・品質

• 切れない• すぐ使える

– 信号処理的課題• 雑音レベルに近い検出• 遠近問題にともなうダイナミックレンジ• 送信スペクトル整形技術

– システム的課題• 制御チャネルの確保• プライマリ信号とセカンダリ信号との識別

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小林様の論点小林様の論点

– 広帯域化/高速化• 高速回路技術

– 演算処理

– ADC/DAC– 消費電力削減

• 無線アナログ部– 低ひずみ– 広帯域フラット化

• COGSIP (COGnitive System of Intelligent Processing)– PAN応用

– Adhoc– 頻繁なキャリアセンス

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小林様の論点小林様の論点

• COGSIP概要– 1GHz幅程度のメインバンドから空きスペクトルを検出し

マルチキャリア伝送– プライマリ信号の早期検出:サブバンド毎に短時間繰り返し

• 検討例– ADCでのクリッピングの補償

– 制御チャネル

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まずは質問まずは質問

• ハードウェア実現へ向けて– ハードルが高いアナログ部分(広帯域・マルチバンドの

RF/アンテナ)はマルチバンドとワイドバンドのどちらが有望としているか?

• 1チップはまだハードルが高いが,端末の小形化のために1チップ化は必要.

• 周波数の割り当てポリシーについて– 周波数共用のコグニティブ無線でも集中制御と自立分散が

有り得るが,どちらが優れているのか?• 自立分散の方が大きなチャレンジ.段階的な進化としては,協調型

からスタートして技術要素が発展するのがよい.遅延の問題は確率的に自己解消する.

• 最終的には自立分散の方がよいが,混雑に対する制御ができない.帯域専用型でないと制御ができず全員が不幸になる.

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討論討論

• 集中制御の方がやりやすいが,自立分散の方がアカデミックには面白い.自立分散でどこまでできるかを明らかにすることで集中制御へもフィードバックできる.

• 段々と自立分散の方向へ向かう.技術的ハードルは高いので,すぐには難しい.

• 802.22は集中制御で保守的なアプローチ.professional-installedの基地局.周波数DB.CPEは基地局と接続しなければ通信を介しできない.~非干渉側の声でこの辺りに落ち着いたのであろう.非干渉側が声を上げることが大事.

• E2Rは制御チャネルを前提.自立分散的なPHY/MACが出てこない.

• スペクトラムポリシー/エコノミーの観点からは,日本は導入しやすい.欧米ではオークションに伴う周波数権がはっきりしている.日本の免許制度では周波数権は謳われていない.

– 敵は放送と固定に絞られるのか?(radio awarenessとの関係)

• 一次業務もマージンぎりぎりで運用している.本当に全体的に見た効率は上がるのか.

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討論討論

• テレビは実は向いていないのではないか.非干渉側が何もものを言わない.「空いている」の把握技術がひとつのネックだが,マイグレーションは必要.

• 非干渉側が表に出てこない.割り当ての段にならないと出てこない上に,感情的になる.屋内運用ならば,かならず運用条件の担保を持ち出す.x%をゼロにする.RRに基づく慣例.学問の場でコンセンサスを得るための技術を積み上げることが必要不可欠.

• アマチュア無線・電波天文とPLCの問題も同じ.明らかにノイズレベルは上がるが我慢しろ,といわれて我慢できるか?プライマリが干渉を受けたときにセカンダリに電波を止めさせるメカニズムが必ず必要である.コグニティブ無線も免許または届出制でIDによる特定ができるようにして欲しい.

• そもそも登録制度というのが必要なのはこの理由.セカンダリ間の調整ができないのが問題.放送が強いのは万国共通.

• 802.22のPHYはすぐ固まっているが,コグニティブ部分が未知の領域.手探り状態で進んで行くうちに議論が膨らんでいる.FCCの後押しが大きな契機.米国でも一時よりは後退.

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討論討論

– システム/アプリケーションのイメージは?• 米国における周波数割り当てに対する抜本的な考え方の変更.

NTIA所掌の業務系のシステムの周波数利用効率の低さが問題となっていた.技術開発要素から知財が発生して民生へ波及する.セルラや放送に絞ってはいけない.実現しうるシステムと実現できるシステムは分けて考えて技術開発をしなくてはいけない.

• 軍事や防災が適した用途ではないか.すぐ止められるか否かも重要.ワイヤレスブロードバンドへの応用か.

• プライマリに周波数開放のモチベーションがなければ始まらない.周波数マーケットができなければ難しい.レートが上がることがはっきり見える技術でなければ普及しない.

• 必要以上に飛ばさないという意味では,屋内からスタートした方がよい.無線LANのようにすでに混雑しているところから始めるのがよいのでは?

• メリットとリスクを考えたときに,メリットが大きくないと導入されない.802.22ではwin-winの要素があるからテレビ局も参加するモチベーションがある.

• VHF跡地の自営のようなところで専用帯域のコグニティブ無線を実現するのも最初のステップか?

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パネル討論を通信ソサエティパネル討論を通信ソサエティWebWebサイトのサイトの「コミュニティサービス」上で継続します。「コミュニティサービス」上で継続します。

ソフトウェア無線研究会フォーラムの「コグニティブ

無線における既存無線システムとの共存技術」 の

スレッドへの投稿をお待ちしています。

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B-17 B-17 ソフトウェア無線ソフトウェア無線

本日 13:30-17:15明日 9:15-17:00 大学院棟28講義室

コグニティブ無線の関連発表も多数あります.

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ソフトウェア無線研究会 今後の予定ソフトウェア無線研究会 今後の予定

11月26日(月)~11月27日(火) 広島国際大学

• テーマ:コグニティブ無線– E2RIIとの共同ワークショップ(第2種研究会),

一般講演,ポスターセッション,国際会議報告– 申込締切 9月18日(火)9:00

2008年1月24日(木) - 1月25日(金) 長野県大町市

• テーマ:ソフトウェア無線・コグニティブ無線の応用・展開– パネル討論,一般講演

– 申込締切 11月12日(月)

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ソフトウェア無線研究会 今後の予定ソフトウェア無線研究会 今後の予定

2008年3月5日(水) - 3月7日(金) YRP• テーマ:移動通信ワークショップ

– 申込締切 12月10日(月)

詳細・お申込: http://www.ieice.org/cs/sr/jpn/