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電気学会論文誌 D(産業応用部門誌) IEEJ Transactions on Industry Applications Vol.xxx No.xx pp.1–8 DOI: 10.1541/ieejias.xxx.1 ワイヤレス給電における送電側による最大効率と 受電側による所望受電電力の独立制御 学生員 平松 敏幸 孝亮 ∗∗ 加藤 昌樹 ∗∗ 居村 岳広 ∗∗ フェロー 洋一 ∗∗ Independent Control of Maximum Transmission Eciency by the Transmitter Side and Power by the Receiver Side for Wireless Power Transfer Toshiyuki Hiramatsu , Student Member, Xiaoliang Huang ∗∗ , Member, Masaki Kato ∗∗ , Member, Takehiro Imura ∗∗ , Member, Yoichi Hori ∗∗ , Fellow Wireless power transfer via magnetic resonant coupling is becoming ideal for applications in electric vehicles (EV) because it is considered a potential solution. The transmission eciency and charging power, decided by the load impedance and mutual inductance, are very important for achieving a high eciency in the charging system of EVs. However, in order to achieve a simple transmitter, communication between the transmitter and receiver sides is not desired. In this study, a simultaneous control method without communication is proposed to control the transmis- sion eciency on the transmitter side and the charging power on the receiver side. It is shown that the transmission eciency can be changed by manipulating the transmitter-side voltage while the transmitted power is controlled by the receiver side. A method for estimating the desired power by the transmitter side is also proposed in order to achieve the optimal transmitter-side voltage without communication. The eectiveness of the proposed method using the calculated optimal transmitter-side voltage and the method for estimating the charging power is shown through experiments. キーワード:ワイヤレス電力伝送,最大伝送効率,所望受電電力,受電電力推定,独立制御,DC–DC コンバータ Keywords: Wireless power transfer, maximum transmission eciency, desired power, power estimation, independent control, DC– DC converter 1. はじめに 近年,磁界共振結合 (Magnetic Resonant Coupling : MRC) 方式によるワイヤレス電力伝送(Wireless Power Transfer : WPT)が高効率で大ギャップの伝送が可能なことから注 目されており,携帯電話などの小電力のものから電気自動 東京大学大学院 工学系研究科 電気系工学専攻 277-8561 千葉県柏市柏の葉 5-1-5 Department of Electrical Engineering, Graduate School of En- gineering, The University of Tokyo 4-6-1, Kashiwanoha, Kashiwa, Tokyo 277-8561 ∗∗ 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 先端エネルギー工学 専攻 277-8561 千葉県柏市柏の葉 5-1-5 Department of Advanced Energy, Graduate School of Frontier Sciences, The University of Tokyo 4-6-1, Kashiwanoha, Kashiwa, Tokyo 277-8561 (Electric Vehicles : EVs) までさまざまな応用が検討され ている (1) (3) WPT が様々な電子機器に応用されれば,自 由に充電することが可能になり大きく利便性が向上する。 さらに,高頻度な充電が可能になることから機器に搭載す る蓄電装置の重量低減やコスト削減など多くのメリットが ある。特に,EV への応用は,EV の大きな問題である航続 距離の問題を解決できることから注目されている (4) (6) 。ま た,WPT を用いて EV などの移動体へ給電する場合には, 送電設備の簡略化が求められ送電側と受電側との通信は望 ましくない。これは,送電側は地中深くに埋める必要があ り,メンテナンスが難しいためである。その他にも通信遅 れや通信周波数の干渉などの問題から相互通信は望ましく ない。 MRC の伝送効率と受電電力は受電側の負荷インピーダン スと相互インダクタンスなどにより決定される (7) 。送電側 電源などの小型化や省エネルギーの観点から高効率伝送が c 201x The Institute of Electrical Engineers of Japan. 1

ワイヤレス給電における送電側による最大効率と 受電側によ …hflab.k.u-tokyo.ac.jp/papers/2015/IEEJD_EfficiencyPower...電気学会論文誌D(産業応用部門誌)

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電気学会論文誌 D(産業応用部門誌)IEEJ Transactions on Industry ApplicationsVol.xxx No.xx pp.1–8 DOI: 10.1541/ieejias.xxx.1

論 文

ワイヤレス給電における送電側による最大効率と

受電側による所望受電電力の独立制御

学 生 員 平松 敏幸∗ 正 員 黄 孝亮∗∗

正 員 加藤 昌樹∗∗ 正 員 居村 岳広∗∗

フェロー 堀 洋一∗∗

Independent Control of Maximum Transmission Efficiency by the Transmitter Sideand Power by the Receiver Side for Wireless Power Transfer

Toshiyuki Hiramatsu∗, Student Member, Xiaoliang Huang∗∗, Member, Masaki Kato∗∗, Member, Takehiro Imura∗∗, Member,

Yoichi Hori∗∗, Fellow

Wireless power transfer via magnetic resonant coupling is becoming ideal for applications in electric vehicles (EV)

because it is considered a potential solution. The transmission efficiency and charging power, decided by the load

impedance and mutual inductance, are very important for achieving a high efficiency in the charging system of EVs.

However, in order to achieve a simple transmitter, communication between the transmitter and receiver sides is not

desired. In this study, a simultaneous control method without communication is proposed to control the transmis-

sion efficiency on the transmitter side and the charging power on the receiver side. It is shown that the transmission

efficiency can be changed by manipulating the transmitter-side voltage while the transmitted power is controlled by

the receiver side. A method for estimating the desired power by the transmitter side is also proposed in order to

achieve the optimal transmitter-side voltage without communication. The effectiveness of the proposed method using

the calculated optimal transmitter-side voltage and the method for estimating the charging power is shown through

experiments.

キーワード:ワイヤレス電力伝送,最大伝送効率,所望受電電力,受電電力推定,独立制御,DC–DCコンバータ

Keywords: Wireless power transfer, maximum transmission efficiency, desired power, power estimation, independent control, DC–DC converter

1. はじめに

近年,磁界共振結合 (Magnetic Resonant Coupling : MRC)

方式によるワイヤレス電力伝送(Wireless Power Transfer

: WPT)が高効率で大ギャップの伝送が可能なことから注

目されており,携帯電話などの小電力のものから電気自動

∗ 東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻

277-8561千葉県柏市柏の葉 5-1-5Department of Electrical Engineering, Graduate School of En-gineering, The University of Tokyo4-6-1, Kashiwanoha, Kashiwa, Tokyo 277-8561

∗∗ 東京大学大学院新領域創成科学研究科先端エネルギー工学

専攻

277-8561千葉県柏市柏の葉 5-1-5Department of Advanced Energy, Graduate School of FrontierSciences, The University of Tokyo4-6-1, Kashiwanoha, Kashiwa, Tokyo 277-8561

車 (Electric Vehicles : EVs)までさまざまな応用が検討され

ている (1)∼ (3)。WPTが様々な電子機器に応用されれば,自

由に充電することが可能になり大きく利便性が向上する。

さらに,高頻度な充電が可能になることから機器に搭載す

る蓄電装置の重量低減やコスト削減など多くのメリットが

ある。特に,EVへの応用は,EVの大きな問題である航続

距離の問題を解決できることから注目されている (4)∼ (6)。ま

た,WPTを用いて EVなどの移動体へ給電する場合には,

送電設備の簡略化が求められ送電側と受電側との通信は望

ましくない。これは,送電側は地中深くに埋める必要があ

り,メンテナンスが難しいためである。その他にも通信遅

れや通信周波数の干渉などの問題から相互通信は望ましく

ない。

MRCの伝送効率と受電電力は受電側の負荷インピーダン

スと相互インダクタンスなどにより決定される (7)。送電側

電源などの小型化や省エネルギーの観点から高効率伝送が

c⃝ 201x The Institute of Electrical Engineers of Japan. 1

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送電側効率と受電側電力の独立制御(平松敏幸,他)

Fig. 1. The schematic of system applied WPT to EV.

Fig. 2. The equivalent circuit of magnetic resonant cou-pling.

求められ,蓄電装置の容量と給電時間に限りがあることか

ら,所望の受電電力を実現する必要がある (8) (9)。先行研究で

は,それぞれの相互インダクタンスにおいて最大効率とな

る負荷インピーダンスが存在するため,受電側 DC–DCコ

ンバータにより見かけの負荷インピーダンスを制御し,効

率を最大化する手法が提案されている (10)∼ (12)。しかしこの

場合,送電側電圧により受電電力が決定するため,所望電

力を実現するためには通信技術を用いる必要がある。所望

電力を実現するために受電電力を受電側で制御する手法も

提案されているが,負荷インピーダンスに対して伝送効率

と受電電力はトレードオフの関係にあるため,送電側電圧

一定の場合には最大効率を達成できない (13) (14)。そのため,

通信を用いずに最大効率と所望電力を達成するためは送電

側電圧の独立制御による効率改善制御が必要となる。これ

までに,探索法を用いた送電側による効率改善に関する研

究が行われているが,受電電力と伝送効率の関係が理論的

に明らかにされておらず,受電電力が変化する場合に最適

な送電側電圧が変化するため実現が難しい (15)また,負荷イ

ンピーダンスにより効率が決定するため,受電側で効率制

御を,送電側で電力制御を行うことが考えられてきた。

本稿では,まずWPTの等価回路から負荷インピーダン

スに対して受電電力と伝送効率がトレードオフの関係にあ

ることを示す。受電側受電電力制御を行う場合に送電側電

圧により効率改善が可能であることを示し,送電側による

効率制御と受電側による受電電力制御を各々独立に行うこ

とで高効率と所望電力を達成できることを等価回路を用い

て理論的に示す。その際,送電側で所望電力の情報が必要

であるが,受電電力が理論式から推定できることについて

も示し,本制御構成が有益であることを述べる。本稿では,

特に受電側電力を一定制御している際に,送電側電圧によ

り最大効率が達成できる原理について検討を行い,具体的

な制御系の設計法や安定性については考慮しない。

2. EV へのWPT の応用

EVなどの移動体にWPTを応用した際のエネルギーシス

テムを Fig. 1に示す。WPTにより伝送された受電電力は

整流器により平滑化され,蓄電装置に吸収もしくはモータ

により消費される。DC-DCコンバータは見かけの負荷イ

ンピーダンスを制御することで伝送効率や受電電力を制御

するために挿入する。

3. 送電側電圧一定時の効率と電力のトレードオフ

磁界共振結合方式の等価回路図を Fig. 2に示す。L1, L2

はそれぞれ送電側および受電側コイルの自己インダクタン

ス,C1, C2はそれぞれ送電側および受電側の共振コンデン

サの容量,R1, R2はそれぞれ等価直列抵抗であり,負荷や

伝送距離に応じて変化しない。また,これらのコイル定数

は温度により変化するが,本稿では簡単のため一定として

考察を行った。磁界共振結合であるため,送電側と受信側

の共振角周波数 ω0が同じ,つまり式 (1)を満たすとする。

ω0 =1

√L1C1

=1

√L2C2

· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (1)

V1, I1はそれぞれ電源側電圧,電流の実効値であり,V2, I2

はそれぞれ受電側電圧,電流の実効値である。ZLは受信側

の見かけ上の負荷インピーダンスであり,本稿では実数で

あると定義する。送電側が共振角周波数 ω0 の正弦波電圧

源で電源電圧の基本波成分の実効値が V10,受電側電圧の

基本波成分の実効値が V20であるとする。このとき,電圧

増幅率 AV,電流増幅率 AI,伝送効率 η,受電電力 PL は式

(2) ∼ (5)と表される。

AV =V20

V10=

ω0LmZL

R1ZL + R1R2 + (ω0Lm)2. · · · · · · · · · · · · (2)

AI =I20

I10=ω0Lm

ZL + R2. · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (3)

η=V20I20

V10I10=

(ω0Lm)2ZL

(ZL+R2)R1ZL+R1R2+(ω0Lm)2

. · · · (4)

PL =(ω0Lm)2ZL

R1ZL + R1R2 + (ω0Lm)22 V210· · · · · · · · · · · · · (5)

このとき,伝送効率 ηを最大化する負荷インピーダンス

ZL ηmaxとそのときの受電電力 PL ηmaxはそれぞれ式 (6), (7)

2 IEEJ Trans. IA, Vol.xxx, No.xx, 201x

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送電側効率と受電側電力の独立制御(平松敏幸,他)

100

101

102

103

104

0

25

50

75

100

Load impedance ZL [Ω]

Tra

nsm

issi

on

eff

icie

ncy

[%

]

100

101

102

103

1040

5

10

15

20

Po

wer

PL [

W]

Load impedance ZL [Ω]

PL (experiment) [W]

PL (calculation) [W]

η (experiment) [%]

η (calculation) [%]

Fig. 3. Transmission efficiency and power in each loadimpedance.

のように表される。

ZL ηmax=

√R2

(ω0Lm)2

R1+ R2

· · · · · · · · · · · · · · · · · (6)

PL ηmax=

√R2(ω0Lm)2+R1R2

(ω0Lm)2V2

10√

R1

√R1R2

(ω0Lm)2+R1R2

+R1R2+(ω0Lm)2

2 (7)

また,受電電力を最大化する負荷インピーダンス ZL PLmax

とそのときの受電電力 Pmaxは,それぞれ式 (8), (9)のよう

に表される。

ZL PLmax=(ω0Lm)2

R1+ R2 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (8)

PLmax=1

4R1

(1+ R1R2

ω0Lm

) · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (9)

負荷インピーダンスに対する伝送効率と受電電力の値が

計算結果と一致するか実験により確認した。Fig. 3に負荷

インピーダンスに対する伝送効率 ηと受電電力 PL の計算

結果と実験結果を示す。このとき,電源電圧実効値 10Vで

実験を行い,実験に用いたコイルを Fig. 4に,コイルのパ

ラメータを Table. 1に示す。この実験結果から,計算結果

と測定結果がほぼ一致することがわかる。計算結果と理論

値のずれは,抵抗値の誤差や共振周波数のずれによるもの

であると考えられる。また,式 (6), (8)から伝送効率 ηと

受電電力 PL をそれぞれ最大化する負荷インピーダンス ZL

が異なり,受電側による負荷インピーダンス制御のみでは,

高効率で所望電力を伝送できないことがわかる。

4. 最大効率と所望受電電力の両立

受電側受電電力制御のみでは,高効率と所望電力を両立

Fig. 4. The picture of transmitter and receiver coils.

Table 1. The parameters of coils

Operation frequency 100.9 kHz

Inductance of transmitter coil :L1 0.614 mH

Inductance of receiver coil :L2 0.616 mH

Resistance of transmitter coil :R1 1.5Ω

Resistance of receiver :R2 1.5Ω

Capacitance of transmitter coil :C1 4.05 nF

Capacitance of receiver coil :C2 4.04 nF

できないことを前章で述べた。本稿では,送電側で伝送効

率制御と受電側で受電電力制御の各々を独立に行うことで

最大効率と所望電力を実現できる手法を提案する。本章で

は,受電側と送電側の双方を制御すれば最大効率で所望電

力を実現できることを示す。また,受電側で受電電力制御

時に送電側電圧により伝送効率が変化し最大効率を実現で

きる電圧があることを示す。最大効率を実現する送電側電

圧が受電側電力に応じて変化するため,送電側から受電電

力を推定できることも示す。

本検討で対象とするシステムの回路図を Fig. 5に示す。

また,相互インダクタンス Lmの値は初期状態の送電側と

受電側のパラメータをあらかじめ既知とすることで送電側

および受電側双方から通信を用いずに推定可能である (16)。

そのため,本稿では既知であるものとする。

〈4・1〉 矩形波電圧源駆動と整流器による影響 MRC

によるWPTは,共振周波数で効率よく大きな電力を電力

伝送できるバンドパスフィルタの特性をもつ (17)。Fig. 5の

システムでは,電源側はインバータで矩形波駆動を行う。

このときの送電側電圧,電流,受電側電圧,電流をそれぞ

れ Fig. 6に示す。送電側電流は Fig. 6のような正弦波とな

り基本波力率は 1となるため,送電側電圧のWPTにかか

わる基本波成分のみを考慮する。矩形波のフーリエ変換か

ら,V1の伝送に関与する基本波成分の実効値 V10は式 (10)

で表される。

V10 =2√

V0 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (10)

また,WPTはイミタンス特性を示すため,送電側を電圧

源とすると受電側は電流源のようになる (18)。Fig. 6のよう

にWPTは受電側は定電流特性を示し,整流前の V2は振幅

3 IEEJ Trans. IA, Vol.xxx, No.xx, 201x

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送電側効率と受電側電力の独立制御(平松敏幸,他)

Fig. 5. The circuit of energy system.

Fig. 6. The waveformsV1, V2, I1, andI2.

が整流後電圧の大きさ VWPTの矩形波となる。電流が共振

周波数の正弦波で基本波力率は 1であるため,伝送に関与

するのは基本波成分のみである。V2の基本波成分の実効値

V20は式 (11)で表される。

V20 =2√

VWPT· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (11)

〈4・2〉 送電側電圧に対する伝送効率と受電電力の変化

送電側電圧 V1と負荷インピーダンス ZLに対する伝送効率

η と受電電力 PL の変化を Fig. 7に示す。Fig. 7 (b)より,

送電側電圧 V1と負荷インピーダンス ZLにより受電側電力

PL が定まり,Fig. 7 (a)より,ZL によってのみ伝送効率が

決定することがわかる。このことから,送電側電圧 V1と負

荷インピーダンス ZL を変化させることで受電側の所望電

力を最大伝送効率で伝送できることがわかる。つまり,送

電側と受電側の双方を制御することで最大伝送効率で所望

電力を伝送できることがわかる。

〈4・3〉 受電側受電電力制御時の送電側電圧と伝送効率

の関係 本節では,受電側による受電電力制御時に送電

側電圧を変化させると伝送効率が変化し,最大伝送効率と

なる送電側電圧があることを示す。受電側電圧 V20,受電

側電流 I20は,式 (2), (3)から送電側情報のみで表すことも

可能で,式 (12), (13)として表される。

V20=(ω0Lm)2I10 − R2(V10 − R1I10)

ω0Lm· · · · · · · · · · · · ·(12)

I20=V10 − R1I10

ω0Lm· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (13)

そのため負荷インピーダンス ZLは,Fig. 2の等価回路か

ら式 (12), (13)を用いて送電側の情報のみで表すことも可

能で,式 (14)として表される。

ZL=V20

I20=

(ω0Lm)2I10 − R2(V10 − R1I10)V10 − R1I10

· · · · · · · (14)

伝送効率 η,受電電力 PLは式 (4), (5), (14)から送電側電

圧の基本波実効値 V10と送電側電流 I10のみでも表すこと

ができ,それぞれ式 (15), (16)のように表される。

η= f (V10, I10)

=(ω0Lm)2(V10 − R1I10)I10 − R2(V10 − R1I10)2

(ω0Lm)2V10I10· · · · · (15)

PL= f (V10, I10)

=(ω0Lm)2(V10 − R1I10)I10 − R2(V10 − R1I10)2

(ω0Lm)2· · · (16)

式 (15), (16)から伝送効率 ηは,受電電力 PLと送電側電

圧の基本波の実効値 V10の関数として表せる。そのため受

電側による受電電力制御時,つまり受電電力 PL が与えら

れた場合には送電側電圧の基本波 V10により伝送効率が決

定される。このとき,∂η∂V10= 0を満たし,伝送効率を最大

にする送電側電圧の基本波実効値 V10optが存在し,式 (4)∼(6)から式 (17)のように表される。

V10opt=

√R1R2

(ω0Lm)2+R1R2

+(ω0Lm)2+R1R2

ω0Lm(ω0Lm)2+R1R2

14 R

142

R141

√PL (17)

よって,受電側による受電電力制御時には,送電側電圧の

基本波実効値 V10を V10optに制御することで所望電力を最

大伝送効率で伝送することが可能である。

4 IEEJ Trans. IA, Vol.xxx, No.xx, 201x

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送電側効率と受電側電力の独立制御(平松敏幸,他)

(a) Transmission efficiency (b) Power

Fig. 7. The transmission efficiency and power in eachZL andV1.

Fig. 8. The schematic of transmitter and receiver sidecontroller.

〈4・4〉 送電側による計算式を用いた受電電力推定 式

(17)から,最大効率で所望の受電電力を伝送するには,送

電側で所望の受電電力の情報が必要となる。通信を用いず

に実現する場合には,送電側で受電側で求める受電電力の

情報を推定する必要がある。これは,受電側で所望の受電

電力が実現されるとすると,式 (16)を用いて定常状態にお

ける送電側電圧 V10と送電側電流 I10から所望受電電力 PL

を計算により求めることができる。この送電側情報から計

算により推定した給電電力を P∗Lestとする。

〈4・5〉 提案する制御構成 本論文では上記までの内

容を考慮し,Fig. 8のような制御構成を提案する。これは,

受電側で所望電力となる様に受電電電力制御を行い,送電

側で最大効率となるように効率制御を行う制御構成である。

ただし,本論文では,制御系設計や応答性,安定性に関する

議論は行わず,原理的に可能であることの確認を行う。受

電側では,通信を用いずとも所望電力の情報を得られかつ,

受電電力の情報も得ることができるため,文献 (13)のよう

にフィードフォワード制御とフィードバック制御を組み合

わせて用いることが可能であり,これにより負荷インピー

ダンスを変化させ所望電力を実現可能である。送電側では,

回路方程式から求めた計算式と送電側情報を用いて受電電

力を推定し,式 (17)から,最大伝送効率となる送電側電圧

を実現可能である。この送電側最大効率制御,受電側で受

電電力制御を各々独立に行うことで通信を用いずに最大効

率,所望受電電力の両立が可能である。

ここで Fig. 7 (a)から,負荷インピーダンスによっての

み伝送効率が変化するため,最大効率となる負荷インピー

ダンスに調整することで最大伝送効率を実現できることが

わかる。さらに Fig. 7 (b)から,最大効率を実現する負荷

インピーダンスにおいて,所望の電力を実現する送電側電

圧を実現すれば所望受電電力を実現できることがわかる。

そのため,受電側で負荷インピーダンスを変えることによ

り最大効率制御を実現し,送電側で所望受電電力を実現す

ることも可能である。しかしこの場合,通信を用いなけれ

ば,所望受電電力の情報を送電側で得ることは難しく,受

電電力をフィードバック制御することもできない。伝送効

率に関しても,理論式から導出した結果を用いてフィード

フォワード制御することしかできず,送受電側ともフィー

ドフォワード制御となるため推定値の誤差やパラメータ誤

差による影響を受けやすくなる。

これに対して,提案する制御構成では受電側で受電電力

をフィードバック制御器を用いて制御することで,通信を

用いずに EVに所望電力をより正確に伝送することができ,

送電側で推定を用いて独立に効率改善ができるため大変有

益な手法である。

5. 理論計算と実験結果の比較と考察

Fig. 4と Table. 1に示すコイルを用い,導出した理論式

を実験により確認を行った。Fig. 5のようなシステムでは,

DC–DCコンバータにより整流後電圧 VWPTを制御しれ受

電電力制御を行う。この整流後電圧 VWPTを模擬するため

に,負荷として定電圧特性を有する負荷を用いて給電実験

5 IEEJ Trans. IA, Vol.xxx, No.xx, 201x

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送電側効率と受電側電力の独立制御(平松敏幸,他)

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.50

5

10

15

20

25

Transmitter side Current I1 [A]

Pow

er P

L [

W]

Theoretical calculation

Experimental result

Fig. 9. The estimation result of power.

を行った。

〈5・1〉 送電側による受電電力推定 まず,送電側電

圧と送電側電流から受電電力を推定できるかについて確認

を行った。Fig. 9に送電側電圧 V0 = 15V一定時における

送電側電流に対する受電電力の理論値と実験結果を示す。

式 (16)から求められる計算結果と実験結果がほとんど一致

していることから,送電側電圧と送電側電流から理論値を

用いて受電電力が推定できることがわかる。また,送電側

電流が小さい場合と大きい場合で理論値とのずれが顕著に

なっている。送電側電流が小さい場合には,受電側電流が

大きくなるため受電側の配線による抵抗値のずれや整流器

による電圧降下がより影響するためである。送電側電流が

大きい場合には,送電側の配線による抵抗値のずれの影響

が大きくなるためである。その他にも共振周波数のずれや

整流器と定電圧負荷を用いていることによる電流と電圧の

位相のずれなどが原因として考えられる。いずれにしても

計算結果と実験結果はほとんど一致しているため,送電側

情報から受電電力が推定可能である。

この推定法により送電側から受電電力を推定することで,

通信を用いずに受電側の所望電力の情報送電側で得ること

ができ,これを用いて送電側電圧を制御できる。

〈5・2〉 送電側電圧による効率改善 式 (12)∼ (16)よ

り,受電電力 PLと送電側電圧 V1に対する伝送効率 ηの計

算結果を Fig. 10に示す。Fig. 10は,受電側で電力制御が

行われていると仮定し,Fig. 7の変数である負荷インピー

ダンス ZLを消去し,送電側電圧と受電電力を変数として伝

送効率を示した図である。Fig. 10から,それぞれの受電電

力 PL において伝送効率 ηを最大にする送電側電圧が存在

することがわかる。また伝送効率を最大とする送電側電圧

は式 (17)に示されているように受電電力 PL の正の平方根√PL に対して比例する。

受電側による受電電力制御時に,送電側電圧により最大

伝送効率を達成できることを実験により確認した。式 (12)

∼ (16)から求めた受電電力 PL = 20,30W一定時の送電側

020

4060

80

1520

2530

354060

65

70

75

80

85

90

95

V1 [V]

PL [W]

Tra

nsm

issi

on

eff

icie

ncy

[%

]

Fig. 10. The Calculation result of transmission effi-ciencyη.

電圧 V1に対する伝送効率 ηと受電側電圧 V2の計算結果と

実験結果を Fig. 11, 12に示す。Fig. 11, 12の計算結果から

伝送効率がピークとなる送電側電圧 V1optは,式 (10), (17)

を用いて求めることができ,受電電力 PL = 20Wのとき

V1opt = 26.08V,PL = 30Wのとき V1opt = 31.95Vとなる。

これらの結果から受電側で受電電力制御を行っているため,

それぞれの所望受電電力において送電側電圧を伝送効率が

最大になるように制御すれば,高効率と所望電力を両立す

ることができる。また,Fig. 11, 12の送電側電圧の増加に

応じて受電側電圧が低下するのは,受電側で受電電力制御

を行うためである。

Fig. 11, 12から伝送効率と受電側電圧の実験結果と理論

計算の結果がほとんど一致することがわかる。ピークにお

ける伝送効率の最大値にずれがあるが,これは整流器によ

る電圧降下や配線による抵抗値の増加,共振周波数のずれ,

整流器による V20と I20の位相のずれによるものと考えら

れる。伝送効率が最大となる送電側電圧はほとんど一致し

ていることから,受電電力の情報と式 (17)を用いて送電側

電圧の制御で最大効率を実現できる。また,緩やかなピー

クとなるため提案手法のフィードフォワード制御のみでも

十分に高効率を実現できる。

これらの結果から送電側の情報から推定できる受電電力

PLestと式 (17)を用いて送電側電圧を制御することで,最

高効率で所望の受電電力を通信を用いずに実現できる。

6. まとめと今後の課題

本稿では,移動体の蓄電装置の重量低減やコスト削減を

目的として,EVにWPTを応用するエネルギーシステムを

考え,WPTによる最大効率と所望受電電力の両立に注目し

た。これまでは,負荷インピーダンスにより伝送効率が決

定するため,受電側で伝送効率を,送電側で所望電力を制御

することのみ考えられていた。それに対し本稿では,受電

側で蓄電装置の状態に応じた受電電力制御,送電側で効率

改善制御を各々独立で行うシステムを提案した。また,受

電側で受電電力制御が行われている場合には,送電側電圧

6 IEEJ Trans. IA, Vol.xxx, No.xx, 201x

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送電側効率と受電側電力の独立制御(平松敏幸,他)

15 20 25 30 35 40 45 5010

30

50

70

90

110

Transmitter side voltage V1 [V]

Rec

eiver

sid

e volt

age

V2 [

V]

15 20 25 30 35 40 45 5070

75

80

85

90

95

Tra

nsm

issi

on e

ffic

iency

[%

]

η [%] (experiment)

η [%] (calculation)

V2 [V] (experiment)

V2 [V] (calculation)

Fig. 11. The calculation and experimental result ofηandV2 (PL = 20W).

15 20 25 30 35 40 45 5010

30

50

70

90

110

Transmitter side voltage V1 [V]

Rec

eiver

sid

e volt

age

V2 [

V]

15 20 25 30 35 40 45 5070

75

80

85

90

95

Tra

nsm

issi

on e

ffic

iency

[%

]

η [%] (experiment)

η [%] (calculation)

V2 [V] (experiment)

V2 [V] (calculation)

Fig. 12. The calculation and experimental result ofηandV2 (PL = 30W).

を的確に制御することで最大効率で所望の電力を電力伝送

できることと,提案した制御系に必要な所望の受電電力を

送電側から推定できることを等価回路を用いて理論的に述

べた。それぞれの妥当性について実験で確認を行い,相互

通信を用いずに最高効率と所望受電電力の両立が理論的に

可能であることを示した。

今後は,本稿で提案した相互通信を用いない伝送効率と

受電電力を両立する手法の実装を行い,応答性および制御

設計,安定性解析などに関する検討を行う予定である。

文 献

( 1) A. Kurs, A. Karalis, R.Moffatt, J. D. Joannopoulos, P. Fisher, and M.Soljacic,“Wireless Power Transfer via Strongly Coupled Magnetic Reso-nances,” Science Express, vol. 317, no. 5834, pp.83-86 June, 2007.

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用した位置ずれに強いワイヤレス電力伝送-磁界型アンテナと電界型アンテナ-」,電学論 D, vol. 130 no. 1 pp. 76-83 2010

( 3) T. Imura, H. Okabe, T. Uchida, and Y. Hori, “Study of Magnetic and ElectricCoupling for Contactless Power Transfer Using Equivalent Circuits,” IEEJTransactions on Industry Applications, vol. 130 no. 1 pp. 84-92 2010 (inJapanese).居村岳広・岡部浩之・内田利之・堀洋一:「等価回路から見た非接触

電力伝送の磁界結合と電界結合関する研究」,電学論 D, vol. 130 no.1 pp. 84-92 2010

( 4) S. Ahn, N.P. Suh, and D. H. Cho, “Charging up the road if electric vehiclescould draw power from the streets, there’s no telling how far they could go”IEEE Spectrum, vol. 50, pp.48-54 Apr, 2013.

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によるワイヤレス給電電力制御におけるフィードフォワード制御器

の実験的検証」,電気学会産業応用部門大会, pp.131-134, 2014.(14) J. U. W. Hsu, A. P. Hu, and A. Swain, “A wireless Power Pickup Based on

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(15) W. Zhong and S. Y. R Hui, “Maximum Efficiency Tracking for WirelessPower Transfer Systems,” IEEE Transactions on Power Electronics, vol. PP,2014 (early access)

(16) Vissuta Jiwariyavej, Takehiro Imura, and Yoichi Hori, “Coupling Coeffi-cients Estimation of Wireless Power Transfer System via Magnetic Reso-nance Coupling using Information from Either Side of the System,” in Proc.the 2012 International Conference on Broadband and Biomedical Commu-nication, Nov 2012.

(17) D. Gunji, T. Imura, and H. Fujimoto, “Secondary Voltage Envelope Modeland Application to Control System Design on Wireless Power Transfer usingMagnetic Resonance Coupling”, IEICE WPT Technical Meeting Record,pp45-50, June, 2014.郡司大輔・居村岳広・藤本博志:「磁界共振結合ワイヤレス電力伝送

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送電側効率と受電側電力の独立制御(平松敏幸,他)

IEEJ Transactions on Industry Applications, vol. 129 no. 5 pp. 511-517 2009(in Japanese).入江寿一・田原陽介:「非接触給電装置における T-LCL 形と T-CLC形イミタンス変換器のカスケード構成」,電学論 D, vol. 129 no. 5 pp.511-517 2009

平 松 敏 幸 (学生員) 1991年 3月 4日生。2013年 3月千葉

大学工学部電気電子工学科卒業。同年 4月東京大

学大学院工学系研究科電気系工学専攻博士前期課

程(修士課程)入学。現在,キャパシタ・バッテ

リハイブリッド蓄電装置とワイヤレス電力伝送の

電気自動車への応用の研究に従事。

黄 孝 亮 (正員) 1985年 10月 3日生。2014年 9月東京

大学新領域創成科学科先端エネルギー工学博士課

程後期課程修了。電気自動車のエネルギーシステ

ム,DC-DCコンバータ制御,スーパーキャパシ

タの研究に従事。

加 藤 昌 樹 (正員) 1973年 10月 23日生。1998年芝浦工業

大学工学部電気工学科卒業,同年 4月電子計測機

器製造会社に入社,2003年 8月自動車用制御ユ

ニット製造会社に入社。2011年 3月東京大学大

学院新領域創成科学研究科先端エネルギー工学専

攻修士課程修了,2014年同専攻博士課程修了。現

在同研究科客員共同研究員。磁界共振結合による

ワイヤレス電力伝送の研究に従事。

居 村 岳 広 (正員) 1980年 8月 11日生。2005年上智大学

理工学部電気電子工学科卒業。2007年 3月東京

大学大学院工学系研究科電子工学専攻修士課程修

了。2010年 3月同大学大学院工学系研究科電気

工学専攻博士後期課程卒業。同年 4月同大学大学

院新領域創成科学研究科客員共同研究員。同年 9

月より同大学大学院新領域創成科学研究科助教。

現在,磁界共振結合,電磁共鳴を用いた電気自動

車や電気機器へのワイヤレス電力伝送の研究に従事。

堀 洋 一 (フェロー) 1955年 7月 14日生。1978年東京大

学工学部電気工学科卒業,1983年同大学院博士課

程修了。助手,講師,助教授を経て,2000年 2月

電気工学科教授。2008年 4月より東京大学大学

院新領域創成科学研究科教授。この間,1991年~

1992年,カリフォルニア大学バークレー校客員

研究員。専門は制御工学とその産業応用,特に,

モーションコントロール,メカトロニクス,電気

自動車などの分野への応用研究。電気学会産業応用部門元部門長,自

動車技術会技術担当理事,日本能率協会モータ技術シンポジウム委員

長,キャパシタフォーラム会長などを勤めている。IEEE Fellow,自動

車技術会,計測自動制御学会,システム制御情報学会,日本ロボット

学会,日本機械学会,パワーエレクトロニクス学会などの会員。1993

年,2001年および 2013年,IEEE Trans. on Industrial Electronics最優

秀論文賞,2010年産業応用部門高憲章,2011年電気学会業績賞など

を受賞。

8 IEEJ Trans. IA, Vol.xxx, No.xx, 201x