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マレーシアの環境に対する市民意識と環境関連政策 日本貿易振興機構 海外調査部

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マレーシアの環境に対する市民意識と環境関連政策

日本貿易振興機構

海外調査部

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地球温暖化問題への関心を受け、各国では環境関連政策の整備が進み、政府の啓発活動に

伴い市民の環境に対する意識が高まりつつある。

環境意識の高まりは地球温暖化問題だけに向けられているものではなく、健康、安心・安

全、居心地の快適さ、バリアフリーなどへの関心と相まっており、意識の高まりに伴い、市

場が大きく変化する兆しを見せている。こうした動きは先進国だけでなく新興国でも見られ、

特に台湾や ASEAN ではビジネス環境の急転が見込まれている。サッカー・ワールド・カッ

プとオリンピックを控えているブラジルでも、政府や自治体は市民に対する環境教育にいっ

そう力を入れるようになった。

こうした世界的なトレンドを受け、ジェトロでは、主要 30 カ国・地域を選び、市民の環境

への意識および環境関連政策について、概要を取りまとめることとした。

環境関連政策としては、(1)電力・エネルギー、(2)廃棄物処理、(3)交通、(4)住宅・建築をと

りあげた。また、ビジネスの参考として、環境関連の経済指標および当該国・地域の気候関

連情報についても盛り込むこととした。

本レポートは、この一連の調査のマレーシア版である。

なお本レポートは、 環境政策関連のデータベースを運用する民間のシンクタンク、Enhesa,

Inc.1に委託した調査の報告書「Environmental Policy Research 2010 」を基に、ジェトロが

編集・改訂を行ったものである。

2011 年 2 月

海外調査部

「環境に対する市民意識と環境関連政策」レポート掲載国・地域一覧

EU、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、スウェーデン、ハンガリー、ポーラ

ンド、デンマーク、チェコ、サウジアラビア、UAE、インド、シンガポール、マレーシア、

インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、カンボジア、台湾、中国、韓国、オーストラ

リア、カナダ、米国、メキシコ、ブラジル、チリ。

1 www.enhesa.com

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1. 位置・気候

マレーシアはマレー半島南部を占める西マレーシアと、ボルネオ島北部の 3 分の 1 を占め

る東マレーシアからなる。緯度は東西マレーシアともおおよそ北緯 2 度~7 度に位置する2。

東西マレーシアとも熱帯雨林気候で、1 年を通じて高温多湿であるが、西マレーシアはモ

ンスーン(季節風)の影響を受ける。この季節風は 5 月から 9 月にかけて南西に向けて吹き、

11 月から 3 月にかけては北東に向けて吹く。気温は 24℃~33℃で、気温が比較的高いのは

4 月~5 月、低いのは 12 月~1 月である3。

国連食糧農業機関によれば、02 年末の時点におけるマレーシアの森林面積は約 2,000 万ヘ

クタールで、国土の 59.9%を占めている。このうち 1,400 万ヘクタールは森林以外への転換

を禁じた永久保存林に指定され、その大部分は生産林(1,100 万ヘクタール)と保護林(320

万ヘクタール)で構成されている4。森林管理は州に委ねられている。マレー半島のベラ州に

は、同半島最大の 43,000 ヘクタールに及ぶマングローブ林が広がっている。このマングロー

ブ林では、1902 年から、伐採が樹齢 30 年以上の老木に制限されてきた。

2. 環境に対する市民意識

マレーシアでは 1974 年に環境基準法が制定されており、環境への取り組みは歴史がある。

1994 年には生物多様性条約と国連気候変動枠組み条約を批准している。一方で、マレーシア

の南洋材はコンクリートパネルなどの素材として乱開発が続き、ゴムやアブラヤシなどのプ

ランテーションとしての開発により失われてきた森林も多い。森林伐採は、この地域の生物

多様性だけでなく先住民の生活も脅かしてきた。特に大手企業による違法伐採は社会問題化

しただけでなく、度々、国際問題化している。

しかしながら長年にわたりマレーシア政府は森林経営の国際標準受け入れを拒んできた。

中央政府が国際的な NGO 組織である森林管理協議会(Forest Steward Council; FSC5)の森

林管理のための認証制度を受け入れたのは 00 年になってである。FAO によると、マレーシ

アの森林喪失面積は 1990 年~00 年に 7 万 8,000 ヘクタールだったのが、00~05 年は 14 万

ヘクタールと、FSC の認証制度を施行したにも関わらず森林喪失の速度は増している。

今日、マレーシア政府は環境に対する国民の意識を高めるための努力をしており、公式、

非公式で行われる教育活動を通していくつかのプログラムが実行に移されている。

環境局(DOE)と教育省は協力して、環境に関する教育を主眼に置いた「Sekolah

Lestari6」(持続可能性に関する学校)を運営している。この学校では生物多様性や熱帯雨林

の再生、ゴミの分別回収などの環境教育を行っている。

政府は、非公式レベルでの教育活動を推進するため、環境に関する情報の発信にメディア

や社会団体が積極的に関わることを奨励している。また DOE では次のような環境教育を進

めている。

1)使用済みの携帯電話を回収するための回収容器を全国に配置し、携帯電話リサイクル推

進キャンペーンを実施。

2)環境週間を定め、環境に対する市民の意識の向上を喚起。

2 https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/geos/my.html 3 http://www.met.gov.my/index.php?option=com_content&task=view&id=75&Itemid=1089&limit=1&limitstart=0 4 http://www.fao.org/forestry/country/57478/en/mys/ 5 http://www.fsc.org/ 6 http://www.doe.gov.my/files/multimedia141/Asas_Pembentukan_SLAAS.pdf

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3)環境汚染を防止するための活動を行い、環境汚染の事例を政府機関に報告することを奨

励し、環境保護への国民参加を推進する「Rakan Alam Sekitar7」(自然を見る友達)計

画を実施。

4)環境保護を通して社会に貢献した個人や団体への表彰制度「Anugerah Langkawi」(ラ

ンカウィ賞8)の導入(1991 年より)。

一方、市民の側も国連、ODA の援助国による支援、国際的な NGO、外資系企業の環境関

連活動なども通じて、環境意識を高めてきた。

3. 環境関連政策

1974 年に制定された Environmental Quality Act(EQA)(Act 127)9、およびこれに関

連する規程と命令が、環境問題に対処するための法律的なツールとなっている10。環境局

(DOE)もこの法律に基づいて設けられた。組織上は科学技術環境省に属すが独立権限が強

く、EQA を管轄している。この法律は、指定された施設に対し廃棄物を水や土壌に排出する

ためのライセンス、および許容できる条件を超える騒音を発生させるためのライセンスを得

ることを義務付けている。ライセンスに定められる条件に従わない場合は、刑事罰の適用対

象となる。

02 年、科学・技術・環境省は国家環境政策(NEP)11を遂行すると発表した。NEP は社会

と政府機関に適用され、すべての開発計画に「持続可能な発展」を目指す考えを組み込み、

生活の質の向上、生態系の保護、天然資源の保護と責任ある利用を図ることを目標としてい

る。

既存の開発計画、および将来的に策定される開発計画はすべて NEP に準拠しなければな

らない。NEP は、経済と社会の発展、ならびに環境の保護を考慮して策定されている。この

政策は政府機関、産業、および社会全般が目指すべき一般的な方向性を指し示している。

NEP の目的は次の通り。

1)現在および未来の世代のために清潔で、安全で、健康的で、生産的な環境を創る。

2)独自性と多様性を持つ国の文化と自然の遺産を、社会のあらゆる部門が参加することで

保護する。

3)持続可能な生活様式と様々な形態の消費活動と生産活動を可能にする。

目的を達成するために、政府は NEP の中に次の 8 つ原則を組み込み、環境に対する義務

を伴う経済発展を定義付けている12。 1.環境の管理

2.自然の活力と多様性の維持

3.環境の質の継続的な向上

7 http://www.doe.gov.my/files/u1/Rakan_Alam_Sekitar.pdf 8 1989 年にランカウィ島で開催された英連邦会議 (CHOGM 1989)では、The Langkawi Declaration on the

Environment が採択され、1991 年にリオデジャネイロで開催された国連環境会議に大きな影響を与えた。ラン

カウィ島はユネスコから東南アジア初のジオパークに指定されるなど、環境のシンボル・ワードとなっている。 9 http://www.doe.gov.my/portal/legislation-actsregulation-

order/browse/Legislation%2C+Acts%2C+Regulation%2C+Order/Acts 10 http://www.doe.gov.my/portal/legislation-actsregulation-order/browse/Legislation%2C+Acts%2C+Regulation%2C+Order 11 http://www.doe.gov.my/portal/wp-content/uploads/2010/07/dasar_alam_sekitar_negara.pdf 12 http://www.doe.gov.my/en/content/national-policy-environment

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4.天然資源の持続的な利用

5.統合化された意思決定

6.民間部門の役割

7.関与と説明責任

8.国際社会への積極的な参加

NEP は、持続可能な世界の実現に向けた環境と発展の関係性を許可するために、環境と発

展に関する国連会議により採択された「アジェンダ 21」の原則の採用と遂行に対するマレー

シアの誓いを実行に移すという目的の一部を形成している。

NEP の中で、政府は環境の健全性を促進するためにマレーシアのグリーン戦略を打ち出し、

環境に対する意識の向上、天然資源と環境の効果的な管理、統合的な開発、公害と環境务化

の防止と管理などの分野に力を入れている。 09 年、政府は環境保護に関する国家計画の一環として国家気候変動政策(NCCP)を導入

した。NCCP は既存の法律規定と政策を合理化、かつ調整し、政策を遂行するため省および

文化的背景を横断する委員会を設置し、低炭素経済を達成するための選択肢と戦略を特定す

ることを目指している13。

マレーシア第 9 次計画(06 年~10 年)に従い、天然資源・環境省は有毒廃棄物の扱いを

含む企業の環境管理に基づく星評価を導入する計画を発表した。ヤシ油産業からの流出物の

影響で汚染問題が国内で深刻化していたことを背景に、この計画は当初はヤシ油製造工場を

対象にしていたが、その後、他の産業も対象とするようになった。

毎年、星評価を行うために省の諮問委員会が発足した。政府は、この計画が公害の軽減を

目指す、より広く包括的な取り組みの一部として、この計画によって消費者が星評価の高い

企業の商品をより積極的に購入するようになると期待した。

マレーシア第 10 次計画(11 年~15 年)では、政府は気候への対応力ある成長に向けたロ

ードマップの策定、および国の生態学的資産の保護努力を高めることに継続的に尽力してい

る14。カーボン・フットプリントに関して政府は、今後 5 年間で次の分野に力を入れる予定で

ある。

1)再生可能なエネルギーへの投資を促進するため、より大きな刺激策を遂行する。

2)エネルギー効率を高める。

3)固形廃棄物の管理を向上させる。

4)森林を保護する。

5)空気の質を改善するため排出量を減らす。

(1)電力・エネルギー政策

マレーシアは豊富な天然地下資源に恵まれている。発電は、00-05 年ベースでは、天然ガス

が約 60%、石炭が約 30%で、残りは水力などとなっている。石油の発電に占める割合は低い。

水力を除く再生可能エネルギーによる発電は 1%未満とされる。

マレーシアでは、省エネルギー化、高効率化の技術開発および商品の普及が、再生可能エ

ネルギーの開発よりも政策的に優先されてきた。

NEP におけるマレーシアのグリーン戦略には、エネルギーの保存とエネルギー効率の高い

技術の普及が含まれる。この分野に関して、政府は適切な価格設定構造と技術移転を促進し、

13 http://www.epu.gov.my/html/themes/epu/html/RMKE10/img/pdf/en/chapt6.pdf 14 http://www.epu.gov.my/html/themes/epu/html/RMKE10/rmke10_english.html

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効率性に関する基準を設定し、消費者に関する情報を提供している。政府はより清潔な化石

燃料と化石燃料に代わる燃料の使用、および清潔で再生可能なエネルギー源の開発を推奨し

ている。 09 年に就任したラザク首相は、国家グリーン技術政策に着手した15。この政策は持続可能

な発展と自然保護を確保しながらグリーン技術を容易に利用できるものとして普及させ、エ

ネルギー消費の増加を最小限に抑えることを目的としている。

この政策を通して、政府はカーボン・フットプリントを削減し、持続可能な成長を促進し、

国内経済の発展を加速させるとしている。マレーシア政府はまた、グリーン技術を供給しま

たは使用する企業に対する政策融資を整えるなど、政策を遂行するための資金を提供してい

る。

この政策に関しては、財政的な刺激策として、15 億リンギ(1 リンギ=27.3 円)規模のソフ

トローン(長期低利貸付)制度が整えられた。この制度では、政府が総利子の 2%を負担し、

融資額の 60%を保証し、金融機関が残りの 40%にリスクを負う。

国家グリーン技術政策で、グリーン技術は「自然環境と天然資源を保存するために使用さ

れ、人間の活動による影響を最小限に抑え・軽減する製品、機器、およびシステムの開発と

応用」と定義されている。これらの製品、機器、およびシステムは以下の基準を満たすべき

とされている。

1)環境の务化を最小限に抑える。

2)温室効果ガスの排出量をゼロないし低く抑える。

3)安全に使用でき、あらゆる形態の生活のために健康的でより上質な環境を約束する。

4)エネルギーと天然資源の利用を節約する。

5)再生可能な資源の利用を促進する。

政府が遂行した措置の一つに、首相が議長を務める国家グリーン技術評議会の設立がある。

この評議会は複数の省の 12 人のメンバーによって構成され、政策の実行とグリーン技術に関

するその他の事項について話し合う。

政府はまた、政府の施設へのグリーン技術導入を率先している。例えば、「Pusat Tenaga

Malaysia(マレーシア・エネルギー・センター)16」は環境に配慮したコンセプトと環境に

やさしい技術を基盤として設計された。同センターは、基準を設定しグリーン技術を推進す

る中心的な施設としての役割を果たす国家グリーン技術センターとして再編される予定であ

る。

再生可能エネルギーに関してエネルギー・グリーン技術・水資源省は 01 年、再生可能エネ

ルギーを使用する小規模な発電所が電力供給網を経由して設備に電気を有償供給することを

認める小規模再生可能エネルギー電力計画の実施に着手した。この計画は、バイオマス、バ

イオガス、都市廃棄物、太陽熱、小型水力、および風力といったあらゆる種類の再生可能エ

ネルギー源を対象にしてきた17。

政府は、09 年に発電量の 1%未満に過ぎなかった再生可能エネルギーの比率を、15 年まで

に 5.5%に引き上げる目標を設定した18。この計画を支援するため、政府は、エネルギー・グ

リーン技術・水資源省のもと持続可能エネルギー開発機関によって運営される再生可能エネ

ルギー基金を設立する予定である。

15 http://www.kettha.gov.my/en/content/definition 16 http://www.futurarc.com/previous_edition/zeroenergy.cfm 17 http://www.st.gov.my/index.php?option=com_content&task=view&id=4946&itemid=1238 18 http://www.epu.gov.my/html/themes/epu/html/RMKE10/img/pdf/en/chapt6.pdf

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再生可能エネルギーによる発電施設への投資について、政府はマレーシア第 10 次計画を通

して固定価格買取り制度をインセンティブとして導入した。電気料金に 1%が加算され、再生

可能エネルギーの開発事業にあてられる。

エネルギー政策に関したその他の計画の内容は、エネルギー・グリーン技術・水資源省の

ウェブサイトで閲覧することができる。 http://www.kettha.gov.my/ (英語サイトあり)

また再生可能エネルギーとエネルギー効率に関連する刺激策についての情報は、以下のウ

ェブサイトにて閲覧することができる。 http://www.greenbuildingindex.org/Resources/KeTTHA%20-%20Incentives%20for%20Renewable%20Ene

rgy,%20Energy%20Efficiency%20&%20Green%20Buildings%20in%20Malaysia.pdf

(2)廃棄物処理政策

マレーシアでは、廃棄物は指定廃棄物(危険廃棄物)と固形廃棄物という 2 つの種類に分

類されている。固形廃棄物は次のように定義される。

1)あるプロセスを適用することで発生する廃品材料、その他の余分な材料、または不合格

となった製品。

2)破損した、磨耗した、汚染した、またはその他の使用できない状態になったため廃棄す

ることが必要となった物。

3)07 年の Solid Waste and Public Cleansing Management またはその他の法律が指定す

るその他の物は、当局によって廃棄されなければならない。しかし、これらの物には指

定廃棄物、06 年の Water Services Industry Act の定義による下水、または 1984 年の

核エネルギー許可法(Atomic Energy Licensing Act)の定義による放射性廃棄物は含ま

れない。

指定廃棄物の管理は DOE の権限のもとで行われる一方、固形廃棄物の管理は住宅自治省

傘下の国家固形廃棄物管理庁の管掌のもと、地方政府が担ってきた。

06 年から 10 年までのマレーシア第 9 次計画によれば、年間 43 万トンの指定廃棄物が発生

しているという。05 年に西マレーシアで発生した固形廃棄物は 1 万 9,100 トンで、そのうち

45%は木材の廃棄物、24%はプラスチックの廃棄物、7%は紙類の廃棄物、6%は鉄の廃棄物、

3%はガラス類およびその他の廃棄物であった。このことからは、指定廃棄物排出の深刻さが

うかがえる。

1997 年以降、中央政府は廃棄物管理の複雑さを解消し、廃棄物処理事業の効率性を高める

ことに努力している。この課題に対処するため、中央政府は 07 年に、地方政府が担ってきた

廃棄物処理事業を民営化した。民営化の計画は、多くの地元当局が採用している固形廃棄物

の伝統的な管理システムを、より近代的な都市部で発生する廃棄物を処理するために作られ

たシステムに組み込むことを目的としている。

07 年、中央政府は固形廃棄物の管理を中央政府が担うための法律、Solid Waste and

Public Cleansing Management Act と Solid Waste and Public Cleansing Management

Corporation Act を起草した。しかし民営化への移行が遅れたため、これらの法律が実際に施

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行されるのは 11 年になる見込みである19。これらの法律が実際に施行されると、固形廃棄物

の管理権限は中央政府に移され、地方政府は執行機関としての役割を担うことになる。

なお、マレーシアでは国家廃棄物管理政策20を導入しているが、その目的は次の通り。

1)収集と輸送、中間処理、および廃棄を行うための統合化され、コスト効果の高い固形廃

棄物の管理。

2)3R(低減、再利用、リサイクル)の活動による家庭、商業、産業、公共機関、コミュニ

ティ、および建設の分野で発生する固形廃棄物の低減。

3)民営化、効率的な管理、および一貫性のある基準に基づく効率性とコスト効果の高いサ

ービス。

4)CAPEX(設備投資)とOPEX(運用コスト)の面で有利な、有効性が実証済みで実現可

能、かつ環境に優しい技術の選択。

5)環境の持続可能性、および公衆衛生の保護の確保。

6)固形廃棄物の管理に関する法律の制定と機関の設立。

リサイクル構想に従い、住宅自治省は 01 年 4 月、全国規模のリサイクル計画に着手した。

この計画は主として家庭から排出される廃棄物を対象にしており、減税措置などの財務的な

インセンティブを通してこれらの生産者である産業界に、廃棄物のリサイクルを促している。

インセンティブの詳細は、該当する地元の当局によって決められる。なお、この計画は、20

年までに家庭から排出される廃棄物の 20%をリサイクルすることを目指している。

Solid Waste and Public Cleansing Management Act が施行されると、ゴミの廃棄処理と

リサイクルに関する強制規則が定められることとなる。政府はこの法律に先立ち、リサイク

ルの自発的な実施を奨励している。 リサイクル計画を遂行するために、地方レベルではいくつかの構想が実行に移されている。

ペナン州では、廃棄物のリサイクル計画に参加した住民が優遇税制措置を受けられる。イポ

ー市では、議会が住民に対しゴミの分別収集の実施を呼びかける計画に乗り出している。

サバ州ではすでに、01 年 6 月 24 日にマレーシアで最初となる廃棄物の交換データを記録

するデータベース(サバ州リサイクル・ネット)が稼動した。このデータベースは持続可能

都市開発計画の一環として構築された。再利用とリサイクルが可能な廃棄物を持つ業界とそ

れらの使用を望む業界をリンクさせることで、環境に、より配慮した産業管理を、国内とア

ジア太平洋地域に広めることを目的としている。

指定廃棄物は、05 年の Environmental Quality (Scheduled Wastes) Regulations21によっ

て規制されている。これらの規定は指定廃棄物の分類、処理、保存、および廃棄、ならびに

廃棄物を生成する装置の設置場所に関する必要条件を定めている。施設は、実行可能な最善

の措置を用いて可能な限り指定廃棄物の発生を低減する義務を負っている。 政府は、産業廃棄物の管理に関して複数のインセンティブを導入している。主な内容は次

の通り22。

19 http://www.waste-management-world.com/index/display/article-display/5844738857/articles/waste-management world/recycling/2010/10/Recycling_in_Malaysia_Meets_with_Approval_from_NGOs.html 20http://www.kpkt.gov.my/jpspn/main.php?Content=vertsections&SubVertSectionID=63&VertSectionID=12&CurLocation=12&IID=&Page=1

21http://www.doe.gov.my/portal/legislation-actsregulation-order/browse/Legislation%2C+Acts%2C+Regulation%2C+Order/Regulation

22 http://www.doe.gov.my/en/content/environmental-requirements-guide-investors

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1)有毒廃棄物および危険廃棄物の保存、処理、および廃棄に関する取り組みを一貫して行

っている企業に対し、「パイオニア・ステータス」というインセンティブを与える。

2)機械、設備、原料、および構成部品にかかる輸入税と消費税を免除する。

3)工場の建設時に汚染管理装置を設置する企業に対し、資本控除のインセンティブを与え

る。※1998年の所得税(工場手当の受給資格認定)(管理設備)に関する規定。

4)廃棄物のリサイクルまたは廃棄物を利用して商品にするために更なる処理を行うための

工場または機械設備を設置する企業に対する資産の加速償却。

※2000年の所得税(加速資本控除)(廃棄物のリサイクル)に関する規則。

(3)交通政策

マレーシアは海を隔てて東と西に分かれた国で、陸上に加え海上、航空の公共交通機関が

発達している。国内に敷設された鉄道網は総延長 1,849 km、道路の総延長は 9 万 8,721 km

におよぶ。海上輸送と航空輸送は、輸出のために用いられている主要な輸送手段でもある。

マレーシアには 5 つの大きな貨物港と 24 の主要な港、5 つの国際空港、15 の国内線向け空

港がある。

運輸部門は、交通省が管轄している。08 年から 18 年までの戦略計画23で、交通省は輸送ネ

ットワークの拡充、情報通信技術の利用の最適化、新技術すなわち環境に配慮した乗り物の

最適化を推し進めることによる運輸インフラの発展の必要性を強調している。

マレーシア第 10 次計画の中で、政府は公共の輸送手段を再編し、都市での輸送活動に重点

に置いた輸送インフラの拡充を図ることで、rakyat(国民)を中心に据えた公共の輸送シス

テムの発展に取り組んでいる。09 年に 12%であった公共輸送利用比率を 15 年までに 30%に

高めることが計画の目標に据えられている。これらには約 28 億リンギの予算が割り当てられ

る。

都市での取り組みは、クアラルンプール、プラウピナン、ジョホールバルの市街地を対象

としている。特にクアラルンプールで政府は、輸送容量の大きい近郊鉄道の整備、革新的な

バス・システムによる高速交通システムの導入、大型車両に対する都市中心部の迂回、およ

び私的に車両を使用する必要性を軽減する取り組みに力を入れている。

10 年にはクアラルンプール市内と近郊を結ぶバス・エクスプレスウェイ・トランジット

(BET24)システムを導入した。BET システムに基づき、バスはより渋滞の尐ない幹線道路

を利用して住宅の多い地域と都市の中心市街地とを運行する。このシステムの導入により、

所要時間は路線によっては従来の半分以下になったとされている。

近い将来、政府はクアラルンプールから半径 20 km の地域を結ぶ複数の高速輸送システム

を新たに整備することを検討している。この輸送システムでは、1 日に 200 万人の乗客を運

ぶ能力を前提として試算している25。バス高速トランジット・システムや河川輸送(すなわち

水上バス)システムを導入する構想があるほか、複数の交通機関を利用できるキャッシュレス

の単一発券システムの導入が計画されている26。陸路公共交通委員会(LPTC)は 11 年 9 月まで

に公共交通政策をとりまとめるとしている。

23 http://www.mot.gov.my/index.php?option=com_wrapper&Itemid=150 24 http://www.mot.gov.my/index.php?option=com_content&task=view&id=659&Itemid=186 25 http://www.iskandarmalaysia.com.my/news/100611/10mp-malaysia-plans-mrt-system 26 http://www.epu.gov.my/html/themes/epu/html/RMKE10/img/pdf/en/chapt6.pdf

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クアラルンプール市内および近郊の鉄道

クアラルンプールには、タイとシンガポールをつなぐマレー鉄道の他に、エクスプレス・

レール・リンクが国際空港~市内を結ぶ鉄道(総延長 57km)、政府出資のラピッド KL が郊

外と市内を結ぶ鉄道(総延長 56km)、同じくラピッド KL が運営する主要なオフィス街と商

業施設地域とを結ぶモノレール27(総延長 8.6km)が開業している。

MRT も 1 号線が 10 年に着工を予定、総延長は約 60km で建設には数年を要する28。2 号線

以降の計画も近々明らかにされる見通しにある。

(4)住宅・建築政策

マレーシアの住宅政策はこれまで、低所得者層を対象に農村地帯と都市部に手頃の価格の

住居を提供することを目的としてきた。政府は主としてこの層の人々を対象にした宅地開発

に携わる一方で、民間の宅地開発業者は自社の宅地開発計画の 30%を低コストの住宅に割り

当て、公共の施設を建設するための土地を提供することを義務付けられてきた29。政府はまた、

あらゆる基本的なニーズを満たす住居を提供する統合化国民向け住居を導入している30。これ

らによりマレーシア政府はこれまでに、低価格住居を 80 万 8,000 軒供給してきた。これらの

戦略は著しい成果をもたらし、過去 20 年間で住居問題を大きく低減することに成功した。

マレーシア第 10 次計画(11 年~15 年)の中で、政府は社会のあらゆる部門に十分な住居

が供給されるようにするため、住居のストックに関する戦略を変更している。戦略は、安全

で、健全で、快適な環境の中に住居を用意することを主眼においている。

マレーシア第 10 次計画に示された目標を達成するために乗り越えなければならない課題の

一つとして、環境的に持続性のある設計を住居に持たせることを挙げることができる。この

課題に対応するための政府の政策の一つに、高品質で環境的に持続可能な住居を供給するた

めの取り組みがある。この取り組みは、以下の具体的な計画を通して遂行される31。

1)必要となる住居の質に関わる最小限の仕様を設計に組み込み、かつ手頃な価格で住居を

建設するため、既存の法律を見直す。

2)ディベロッパーに対し、適正な技能と資格のある労働力と優れた建設プロセス能力を裏

付ける認定を得るように促す。

3)グリーン・ガイドラインとグリーン評価システムを導入することで、環境に配慮した街

づくりと質の高い近隣環境の実現を促進する。

4)環境に配慮した建物と設計に適用する優遇税制措置など、税務上のインセンティブを見

直す。

5)ソーラー利用、雨水の集積設備など、環境に配慮した設計要素を組み込む。

07 年にマレーシア政府は、新たに建設する建物の設計に取り入れる省エネ特性の基準につ

いて定めた Code of Practice on Energy Efficiency and Use of Renewable Energy for Non-

27 上下分離式で、施設は国営の National Infrastructure Company Limited が保有している。 28 http://www.spad.gov.my/index.php?option=com_content&view=article&id=119%3Akerajaan-meluluskan-projek-aliran-

transit-massa-mrt&catid=36%3Anews-a-announcements&Itemid=74&lang=en 29 http://www.un.org/esa/sustdev/csd/csd13/statements/2204_malaysia.pdf 30 http://www.epu.gov.my/html/themes/epu/html/RMKE10/img/pdf/en/chapt6.pdf 31 http://www.epu.gov.my/html/themes/epu/html/RMKE10/img/pdf/en/chapt6.pdf

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Residential Building を制定している。これは通称「MS1525:2007」と呼ばれる。この基準

は任意のもので強制力はない。

「グリーンビル・インデックス(GBI)32」を取得した建物に対する優遇措置も 09 年から

導入された。GBI とは、地球環境に優しい建造物に対して発行される認証制度で、エネルギ

ー・水効率性、建物内の環境対応度、リサイクル可能で環境に優しい資材・資源の利用度な

どの点で評価される。建物の所有者、不動産購入者が優遇措置の対象となっている。 また、

新築、改築でも優遇措置を受けられる。

1. 建物の所有者への優遇

1)GBI 認証の取得にかかった追加資本的支出額の 100%相当額の課税を免除。

2)法定所得の 100%まで経費相殺を認める。

3)ただし、1 つの建物について、GBI 認証は 1 回のみ。

4)09 年 10 月 24 日から 14 年 12 月 31 日の間に GBI 認証を付与された建物に対して有効。

2.不動産の購入者への印紙税免除

1)GBI 認証の取得にかかった追加費用に対する印紙税を免除。

2)対象物件は GBI 認証が付与された建物と住居用不動産。

3)対象者は最初の購入者のみとする。

4)09 年 10 月 24 日から 14 年 12 月の間に履行された売買契約書に対して有効とする。

環境に配慮した建物に対するインセンティブの詳細については、次のウェブサイトに詳し

い。 http://www.greenbuildingindex.org/Resources/KeTTHA%20-%20Incentives%20for%20Renewable%20Ene

rgy,%20Energy%20Efficiency%20&%20Green%20Buildings%20in%20Malaysia.pdf

マレーシア第10次計画におけるグリーン・ビルディングの普及戦略については次のレポート

に詳しい。 http://www.pam.org.my/Library/cpd_notes/Energy-Efficiency.pdf#search='Code of Practice on Energy Effic

iency and Use of Renewable Energy for NonResidential Building'

なお、エネルギー・グリーン技術・水資源省は、その本省の建物を、環境とエネルギー効

率に配慮した建物の低エネルギー・モデルとして建設している。目的は、エネルギー効率に

配慮しない建物によって使用されるエネルギーの半分以上に相当するエネルギーを節約でき

る建物を作ることである。ゼロ・エネルギー・オフィスも同省に属するもう一つの建物であ

るが、この建物は再生可能なエネルギー源を利用している33。

32 http://www.greenbuildingindex.org/why-green-buildings.html 33http://www.kettha.gov.my/en/content/programs-projects

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4. 経済指標

①鉄道総延長 1,849 km (2009年)

②鉄道旅客輸送キロ N/A

③鉄道貨物輸送キロ N/A

④高速道路・アウトバーン総延長 N/A

⑤国道総延長 1,821 km (2008年)

⑥水路総延長 7,200 km (2008年)

⑦住宅戸数 N/A

⑧住宅建築着工許可件数 N/A

⑨非住宅建築着工許可件数 N/A

⑩乗用車登録台数 8,506,080 台 (2009年)

⑪商用車登録台数 N/A

⑫乗用車普及率(1,000人あたり) N/A

⑬商用車普及率(1,000人あたり) N/A

⑭廃棄物量 N/A

⑮廃棄物埋め立て処理率 N/A

⑯廃棄物焼却処理率 N/A

⑰水資源使用量(地表水)    9.02 k㎥ (2000年)

⑱一人当たり水使用量 356 ㎥ (2000年)

⑲CO2排出量    180.9 百万トン (2008年)

⑳CO2一人当たり排出量 6.7 トン (2008年) 出所:①⑤⑥CIA、⑩マレーシア道路運輸局、⑰⑱WWO、⑲⑳IEA

以上

添付資料:マレーシアの気象データ

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気象データ34

1. 降雨量

出所: マレーシア国家海洋局・科学・技術・革新省

2.代表的都市の気候

(1)クアラルンプール

出所:WMO

34 http://www.met.gov.my/?option=com_weathertimeseries&purpose=minmax&Itemid=908

Month

Mean Temperature oC Mean Total Rainfall

(mm) Mean Number of

Rain Days Daily

Minimum Daily

Maximum

Jan 22.5 32.1 169.5 11

Feb 22.8 32.9 165.4 12

Mar 23.2 33.2 240.9 14

Apr 23.7 33.1 259.2 16

May 23.9 32.9 204.4 13

Jun 23.6 32.7 125.3 9

Jul 23.2 32.3 127.2 10

Aug 23.1 32.3 155.7 11

Sep 23.2 32.1 192.8 13

Oct 23.2 32.1 253.1 16

Nov 23.2 31.6 287.8 18

Dec 22.9 31.5 245.7 15

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(2)ジョホールバル

出所: (1)に同じ。

(3)クアンタン

出所: (1)に同じ。

(4)コタキナバル

出所: (1)に同じ

Month

Mean Temperature oC Mean Total Rainfall

(mm) Mean Number of

Rain Days Daily

Minimum Daily

Maximum

Jan 21.9 31.0 162.6 11

Feb 22.0 32.0 139.8 9

Mar 22.4 32.5 203.4 13

Apr 22.9 32.8 232.8 15

May 23.1 32.5 215.3 15

Jun 22.9 32.1 148.1 12

Jul 22.4 31.5 177.0 13

Aug 22.4 31.5 185.9 13

Sep 22.4 31.5 190.8 13

Oct 22.6 31.8 217.7 16

Nov 22.7 31.3 237.6 17

Dec 22.4 30.6 244.5 15

Month

Mean Temperature oC Mean Total Rainfall

(mm) Mean Number of

Rain Days Daily

Minimum Daily

Maximum

Jan 21.9 29.5 279.8 12

Feb 22.1 30.7 140.3 9

Mar 22.7 31.7 168.6 9

Apr 23.3 32.8 150.0 10

May 23.6 33.2 172.4 12

Jun 23.4 32.9 164.1 10

Jul 23.0 32.5 155.7 10

Aug 23.0 32.6 178.1 12

Sep 23.0 32.4 207.5 14

Oct 23.0 32.0 264.6 16

Nov 22.9 30.5 412.9 19

Dec 22.5 29.1 598.2 17

Month

Mean Temperature oC Mean Total Rainfall

(mm) Mean Number of

Rain Days Daily

Minimum Daily

Maximum

Jan 22.9 30.4 104.8 8

Feb 23.0 30.7 73.4 7

Mar 23.4 31.5 50.5 6

Apr 24.1 32.2 114.2 8

May 24.3 32.1 216.2 12

Jun 24.0 31.8 279.4 13

Jul 23.7 31.5 262.7 13

Aug 23.7 31.6 270.3 13

Sep 23.7 31.4 285.2 14

Oct 23.6 31.2 345.8 16

Nov 23.5 31.0 302.4 17

Dec 23.3 30.9 242.3 13

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