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マレーシア短期派遣プログラムレポート⑤ UTM での授業、学生との交流 UTM での授業は全て英語で、普段なかなか英語を使 わない私たちにとって、最初はとても大変な壁でし た。授業の度に英語で自己紹介をしたり、質問され たりすると緊張していましたが、何度も授業を受け るうちに慣れてきました。授業はほぼ専門外のこと でしたが、見たことのない分野の授業の様子を見る ことができて新鮮でした。 最も驚いたのが授業を受ける学生の姿勢です。先生 の問いかけには全員が返事をし、日本の学生と比べるとはるかに学ぶことに対して意識が 高いなと感じました。また、学生は普段はマレー語を話していますが、使用している教科 書は英語で、さらにほぼ全員が英語を話すことができました。この点も、日本の学生とは 違うところであると感じました。 このプログラムで何よりも嬉しかったのは、 UTM の学生が非常に優しく温かく接してく れたことです。授業後には一緒におやつを食べに行き、たくさんの食べ物をごちそうして くれたり、夜にナイトマーケットに連れて行ってくれたりと、至れり尽くせりの 2 週間で した。学生からマレーシアの文化や習慣を習うことは多く、相手も日本の文化を知りたが っていたので、多くの情報交換をすることができました。出会った学生と、今も連絡を取 り合ったりしているので、日本以外の地に友達がたくさんできたということで、マレーシ アが第二のホームタウンになったような気持ちになりました。 フィールドトリップ 授業中の実習だけでなく、今回のプログラム中に国 立公園など様々なフィールドトリップに出かける機 会がありました。 マレーシアに到着して 2 日目に、私たちはジョホール へと移動し、マレー半島の最南端かつユーラシア大陸 最南端の地であるタンジュンピアイに出かけました。 この地は海に面しており、豊かなマングローブの森の 中で野生のカニクイザルなどの動物たちとも出会うことができました。マングローブの根 や種子は特徴的で、東京に住んでいる私たちにはなかなか見ることのできない植物だった ので、とても新鮮でした。気候だけでなく植生も東京とは全く違うものばかりで、ひとつ ひとつに驚きや発見を感じられました。 ジョホールでは、金曜日と土曜日が休日で、その時間を利用して様々な場所へ出かけま

マレーシア短期派遣プログラムレポート⑤ · マレーシアには主にマレー系、中華系、インド系 の人々が暮らしており、それぞれの文化を様々な

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Page 1: マレーシア短期派遣プログラムレポート⑤ · マレーシアには主にマレー系、中華系、インド系 の人々が暮らしており、それぞれの文化を様々な

マレーシア短期派遣プログラムレポート⑤

UTM での授業、学生との交流

UTM での授業は全て英語で、普段なかなか英語を使

わない私たちにとって、最初はとても大変な壁でし

た。授業の度に英語で自己紹介をしたり、質問され

たりすると緊張していましたが、何度も授業を受け

るうちに慣れてきました。授業はほぼ専門外のこと

でしたが、見たことのない分野の授業の様子を見る

ことができて新鮮でした。

最も驚いたのが授業を受ける学生の姿勢です。先生

の問いかけには全員が返事をし、日本の学生と比べるとはるかに学ぶことに対して意識が

高いなと感じました。また、学生は普段はマレー語を話していますが、使用している教科

書は英語で、さらにほぼ全員が英語を話すことができました。この点も、日本の学生とは

違うところであると感じました。

このプログラムで何よりも嬉しかったのは、UTM の学生が非常に優しく温かく接してく

れたことです。授業後には一緒におやつを食べに行き、たくさんの食べ物をごちそうして

くれたり、夜にナイトマーケットに連れて行ってくれたりと、至れり尽くせりの 2 週間で

した。学生からマレーシアの文化や習慣を習うことは多く、相手も日本の文化を知りたが

っていたので、多くの情報交換をすることができました。出会った学生と、今も連絡を取

り合ったりしているので、日本以外の地に友達がたくさんできたということで、マレーシ

アが第二のホームタウンになったような気持ちになりました。

フィールドトリップ

授業中の実習だけでなく、今回のプログラム中に国

立公園など様々なフィールドトリップに出かける機

会がありました。

マレーシアに到着して 2 日目に、私たちはジョホール

へと移動し、マレー半島の最南端かつユーラシア大陸

最南端の地であるタンジュンピアイに出かけました。

この地は海に面しており、豊かなマングローブの森の

中で野生のカニクイザルなどの動物たちとも出会うことができました。マングローブの根

や種子は特徴的で、東京に住んでいる私たちにはなかなか見ることのできない植物だった

ので、とても新鮮でした。気候だけでなく植生も東京とは全く違うものばかりで、ひとつ

ひとつに驚きや発見を感じられました。

ジョホールでは、金曜日と土曜日が休日で、その時間を利用して様々な場所へ出かけま

Page 2: マレーシア短期派遣プログラムレポート⑤ · マレーシアには主にマレー系、中華系、インド系 の人々が暮らしており、それぞれの文化を様々な

した。金曜日には、コタティンギという滝によって作られる天然のプールで泳いだり、土

曜には隣の国であるシンガポールへ行ったりと、休日でさえ忙しい日々でした。コタティ

ンギには、小さい子どもから大人までが水遊びを目的に訪れ、賑わっていました。このよ

うな場所や保養林、国立公園などの利用料は、たいていマレーシア人と外国人の値段は異

なっていて、マレーシア人だと安い値段で入場することができます。

土曜日に訪れたシンガポールは、マレーシアとは雰囲気も物価も全く異なっていて、国

が違うというだけでここまで違いがあるのかと驚きました。道にゴミはほとんど落ちてお

らず、物価は日本と同じくらいでした。マレーシアと同じものを頼んでも値段は 3 倍ほど

するため、私にとっては買い物や食事はマレーシアの方がいいかなと感じました。

マレーシアの文化

マレーシアには主にマレー系、中華系、インド系

の人々が暮らしており、それぞれの文化を様々な

場所で味わうことが出来ます。マレー系マレーシ

ア人の信仰する宗教はイスラーム教であり、これ

がマレーシアの国教です。

女性は肌の露出を避けるためにカイン・トゥドゥ

ンというスカーフのようなものを身に着けていま

す。マレーシアに着いたら、このスカーフを身に

着けている人を多く目にするでしょう。スカーフもファッションのひとつで、色とりどり

のものが売っています。端を止めるためのピンのようなものにもさまざまな色や形のもの

があり、若い世代ほどカラフルなものを身に着けている印象を受けました。

また、イスラーム教信者は、一日に 5 度お祈りの時間があり、あらゆる場所(スーパーマー

ケットやアウトレットモール、学校など)にお祈りをする部屋が設けられていました。さら

に、左手は不純なものであるとされており、握手をするときや食事をするときには右手を

使います。

イスラーム教には、食べるものにもルールがいくつかあります。まず、豚肉とアルコール

は食べることが禁止されており、お祈りを済ませてあるハラールフードのみを口にするこ

とができます。このような文化は、当然日本で普通に生活していたら見ることも、感じる

ことすらできないものです。異国に行ったら、その国の文化を尊重することが大切である

と感じました。

食べ物も、日本のものとは大きく異なっていました。

まず、一番感じたのは米の違いです。日本ではふっく

らとしていて粘りのある米を食べていますが、マレー

シアでは水気の少ない細長い米が主食です。また、お

かずとなるカレーやスープ、炒めものは基本的に辛い

物ばかりで慣れるまでは唐辛子で胃が痛みました。マ

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レー系の料理は、ご飯にカレーのようなスープをか

け、揚げたチキンや魚、炒めた野菜をその上に乗せ

るものが一般的です。マレーシアには中華系のレス

トランも多く、日本の中華とは一味違う本場の味を

楽しむことができます。イスラーム教ではアルコー

ルが禁止されていますが、中華系のレストランでは

アルコール(主にビール)を飲むことが可能です。

道端にも、様々なおやつが売られています。例え

ば、ピサン ゴレン(揚げたバナナ)やABC(様々なシロップがかかったかき氷)、チェンドル(甘

い汁に寒天麺のようなものが入っている)といったもので、値段はどれも RM2.00~3.00(日

本円で 100 円ほど)です。おやつを含め、屋台で売られているような食べ物はどれもリーズ

ナブルです。

特にフルーツの種類の豊富さを見ると、南国に来たな

という感じがします。時期によっておいてある果物が

異なりますが、果物の王様と呼ばれるドリアンや果物

の女王であるマンゴスチン、その他マンゴーやドラゴ

ンフルーツ、ライチやジャックフルーツなど色とりど

りの果物が商店街を彩ります。

まとめ

私にとってマレーシアに滞在するのは今回で 3 度目でした。いつ来てもこの国の人々は

温かく受け入れ、私たちを歓迎してくれます。その温かさ、心の広さにあらためて感激し

た 2 週間となりました。日本とは全く異なる文化を知ることで、私自身の幅が広がり、大

きく成長できたような気がしています。今回のこのプログラムで得たことを生かして、今

後の学生生活に励みたいと考えています。