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資料4-2
エネルギー転換部門における現在までの排出量及び関連データについて
1. CO2排出量の推移(1)エネルギー転換部門
○ エネルギー転換部門とは、輸入ないし生産されたエネルギー源をより使いやすい形態に転換する工程で
あり、発電、石油精製、コークス類製造、都市ガスの自家消費などに分類される。
○ エネルギー転換部門とは、輸入ないし生産されたエネルギー源をより使いやすい形態に転換する工程で
あり、発電、石油精製、コークス類製造、都市ガスの自家消費などに分類される。
発電 石油精製(石油製品の製造)
石油ナフサ
石炭ガソリン
電力天然ガス重油
原子力 原油軽油
水力灯油
LPGコークス類製造
コークス
石炭
コークス炉ガス
2
○ 電気・熱配分とは、電気事業者の発電に伴うCO2排出量と、熱供給事業者の熱発生に伴うCO2排出量を、
電力・熱の消費量に応じて産業、運輸、業務その他、及び家庭部門に配分することである。
○ 電気・熱配分とは、電気事業者の発電に伴うCO2排出量と、熱供給事業者の熱発生に伴うCO2排出量を、
電力・熱の消費量に応じて産業、運輸、業務その他、及び家庭部門に配分することである。
1. CO2排出量の推移(2) 電気・熱配分
5% 4%
2%工業プロセス
廃棄物
エネルギー転換
産業
業務その他
家庭
38%
21%
21%
運輸
8%
合計12億1400万t
16%
6%
37%
22%
13%
4%
うち電力由来13%
うち電力由来
8%
うち電力由来
7%
2%
うち電力由来1%
工業プロセス
廃棄物 エネルギー転換
産業
運輸
業務その他
家庭
合計12億1400万t うち熱由来
3%
配分前 電気・熱配分後 3
1. CO2排出量の推移(3)エネルギー転換部門概況(電気・熱配分後)
エネ転 -5.6%
4
都市ガス(自家消費)71万トン -37.4%
発電所内消費・送配電ロス2,985万トン +3.7%
石油製品製造2,953万トン +19.3%
コークス類製造1,751万トン -36.3%
(1990年比)
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
8,000
9,0001990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
CO2排出量(万t-CO2)
発電所内消費・送配電ロス
石油製品(ガソリン等)製造
コークス類製造
都市ガス(自家消費)
○ 電気・熱配分後における2001年のエネルギー転換部門の発生源別CO2排出量を見ると、発電所内の電力の消費、送配電ロス、及びガソリン等の石油製品の製造に伴うCO2排出が約3/4を占める。
○ 1990年の排出量と比較すると、コークス類の製造に伴う排出量が減少する一方、石油製品の製造と発電に
関する排出量が増加傾向にある。
○ 電気・熱配分後における2001年のエネルギー転換部門の発生源別CO2排出量を見ると、発電所内の電力の消費、送配電ロス、及びガソリン等の石油製品の製造に伴うCO2排出が約3/4を占める。
○ 1990年の排出量と比較すると、コークス類の製造に伴う排出量が減少する一方、石油製品の製造と発電に
関する排出量が増加傾向にある。
7,7608,219
<出典>温室効果ガス排出・吸収目録より算定
○ 電気・熱配分前における2001年のエネルギー転換の発生源別CO2排出量を見ると、発電に伴うCO2排出が約9割を占める。
○ 1990年の排出量と比較すると、コークス類の製造に伴う排出量が減少する一方、石油製品の製造と発電に
関する排出量が増加傾向にある。
○ 電気・熱配分前における2001年のエネルギー転換の発生源別CO2排出量を見ると、発電に伴うCO2排出が約9割を占める。
○ 1990年の排出量と比較すると、コークス類の製造に伴う排出量が減少する一方、石油製品の製造と発電に
関する排出量が増加傾向にある。
1. CO2排出量の推移(4)エネルギー転換部門概況(電気・熱配分前)
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
40,0001990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
CO2排出量(万t-CO2)
発電
石油製品(ガソリン等)製造
コークス類製造
地域熱供給 都市ガス(自家消費) エネ転 +3.6%
35,07733,857
地域熱供給87万トン +50.3%
都市ガス(自家消費)71万トン -37.4%
コークス類製造1,702万トン -35.2%
石油製品製造1,621万トン +13.2%
発電31,595万トン +6.6%
( ※一般電気事業者、電源開発、共同火力を含む)( ※自家発電を含まない)
(1990年比)
5<出典>温室効果ガス排出・吸収目録より算定
○ 一般電力会社及び卸電気事業者などの発電電力量を見ると、1990年比で21.7%増加している。
○ 一方、発電時のCO2排出量の増加は6.6%の伸びに抑えられており、これは主に一般電気事業者のCO2排出係数が11.7%減少したことに起因している。
○ 一般電力会社及び卸電気事業者などの発電電力量を見ると、1990年比で21.7%増加している。
○ 一方、発電時のCO2排出量の増加は6.6%の伸びに抑えられており、これは主に一般電気事業者のCO2排出係数が11.7%減少したことに起因している。
1. CO2排出量の推移(5)発電電力量の推移
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
8,000
9,000
10,0001990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
発電電力量(億kWh)
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
CO2排出量(万t-CO2)
発電電力量
CO2排出量
<出典>温室効果ガス排出・吸収目録より算定
発電電力量9,220億kWh
+21.7%
(1990年比)
CO2排出量31,595万トン
+6.6%
6
○ 火力発電所における燃料区分別の発電効率の経年変化によると、石油、石炭火力が概ね横ばいで
推移する一方、天然ガス火力は近年大幅に向上している。
○ 2001年度の各発電所の利用率と発電効率を比べると、最新の高効率な天然ガス火力よりも、発電効率が
小さい一部の石炭火力の利用率の方が大きい。
○ 火力発電所における燃料区分別の発電効率の経年変化によると、石油、石炭火力が概ね横ばいで
推移する一方、天然ガス火力は近年大幅に向上している。
○ 2001年度の各発電所の利用率と発電効率を比べると、最新の高効率な天然ガス火力よりも、発電効率が
小さい一部の石炭火力の利用率の方が大きい。
1. CO2排出量の推移(6)火力発電の発電効率
0%
10%
20%
30%
40%
50%
1950 1960 1970 1980 1990 2000
運転開始年
発電効率(発電端、%)
石油
石炭
天然ガス
0%
10%
20%
30%
40%
50%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
利用率(%)
発電効率(発電端、%)
石油
石炭
天然ガス
2001年度7<出典>電力需給の概要より算定
1. CO2排出量の推移(7) 一日の電源の組み合わせ
○ ベース供給力とは、高い利用率(60-80%)で発電される電源であり、流れ込み式水力、原子力、及び火力発電の中でCO2排出源単位が最も大きい石炭が用いられている。
○ 火力発電の中でCO2排出源単位が最も小さい天然ガスは、LPG及びその他ガス火力とともに、利用率30-50%で活用されるミドル供給力として位置づけられている。
○ 石油火力と揚水式水力などは、利用率20%以下のピーク供給力として負荷調整に活用されている。
○ ベース供給力とは、高い利用率(60-80%)で発電される電源であり、流れ込み式水力、原子力、及び火力発電の中でCO2排出源単位が最も大きい石炭が用いられている。
○ 火力発電の中でCO2排出源単位が最も小さい天然ガスは、LPG及びその他ガス火力とともに、利用率30-50%で活用されるミドル供給力として位置づけられている。
○ 石油火力と揚水式水力などは、利用率20%以下のピーク供給力として負荷調整に活用されている。
8<出典>東京電力、電気事業連合会資料
○ 設備容量とは、各発電所において発電できる電力量を指し、発電所の発電能力を表わす。
○ 2001年度末における一般電力会社の各種発電における設備容量を見ると、火力発電が60.7%を占める。また、火力発電の設備容量のうち、天然ガス火力と石油火力で約85%を占める。
○ 設備容量とは、各発電所において発電できる電力量を指し、発電所の発電能力を表わす。
○ 2001年度末における一般電力会社の各種発電における設備容量を見ると、火力発電が60.7%を占める。また、火力発電の設備容量のうち、天然ガス火力と石油火力で約85%を占める。
1. CO2排出量の推移(8)各種発電の設備容量
一般電力会社全体の発電における設備容量の内訳 火力発電における設備容量の内訳
地熱48万kW
0.2%
その他火力51万kW
0.4%
火力11,965万kW
60.7%
原子力4,313万kW
21.9%
水力3,375万kW
17.1%
石油4,296万kW
36.3%
天然ガス5,764万kW
48.7%
石炭1,728万kW
14.6%
9<出典>電気事業便覧、電力需給の概要より作成
○ 最大発電能力とは、発電設備を一年間最大限に運転したときに得られる発電量を指す。
○ 2001年における一般電力会社の火力発電の最大発電能力と発電実績を比較すると、石炭火力では最大発電能力のうち74.5%が利用されている一方、天然ガス火力の利用率は50.5%にとどまっている。
○ 最大発電能力とは、発電設備を一年間最大限に運転したときに得られる発電量を指す。
○ 2001年における一般電力会社の火力発電の最大発電能力と発電実績を比較すると、石炭火力では最大発電能力のうち74.5%が利用されている一方、天然ガス火力の利用率は50.5%にとどまっている。
1. CO2排出量の推移(9)各種発電の最大発電能力及び発電実績
<出典>電力需給の概要より算定
3,175
3,945
496
521
1,069
1,435 3,931
2,512
4,974
405
0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000
最大発電能力(億kWh)
発電実績(億kWh)
石炭 石油 天然ガス原子力 水力その他火力
石炭 石油原子力 水力 その他火力
769 3,526 2,462
366
天然ガス
その他火力49.7%
天然ガス火力50.5%
原子力80.5%
水力95.2%
石炭火力74.5%
石油火力10.3%(2001年度設備利用率) 10
11
71.0% 68.4%
76.1% 73.4% 72.0% 73.2%76.4%
82.7%78.5%
82.0% 82.2%
56.7% 56.3% 57.2% 57.9% 59.3%55.0%
62.8% 60.3%63.4%
60.5% 62.0%
18.1% 17.7% 15.3% 14.0% 14.9% 14.7% 16.7% 17.6% 19.8% 19.6% 19.0%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1990 1991 0.8 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000
設備
利用
率(%)
その他火力石炭
原子力
72.6% 73.7%76.5%
80.1%76.1%
63.5%
71.2% 71.2%
79.2%
66.1%
46.6%42.5%
37.5%
23.1% 22.6%
14.0%20.2% 18.8%
70.5%77.2%
79.1%
75.0%
84.0%81.7%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001
設備
利用
率(%)
石炭、石油、その他火力
天然ガス
原子力
1. CO2排出量の推移(10) 各種発電の設備利用率の国際比較
○ 日本の石炭火力の設備利用率は70%前後の高水準で推移する一方、天然ガス火力においては50%弱の低い
利用率にとどまっており、天然ガス火力が負荷調整に利用されることが多いことを示唆している。
○ 独国の火力発電の主力は石炭火力であり、高い設備利用率で推移している。
○ 英国では1993年から開始された大規模な天然ガス転換において、天然ガス火力発電所が70%程度の高い
設備利用率で推移しており、石炭、石油火力により負荷調整を行っていることを示唆している。
○ 日本の石炭火力の設備利用率は70%前後の高水準で推移する一方、天然ガス火力においては50%弱の低い
利用率にとどまっており、天然ガス火力が負荷調整に利用されることが多いことを示唆している。
○ 独国の火力発電の主力は石炭火力であり、高い設備利用率で推移している。
○ 英国では1993年から開始された大規模な天然ガス転換において、天然ガス火力発電所が70%程度の高い
設備利用率で推移しており、石炭、石油火力により負荷調整を行っていることを示唆している。
独国日本
英国
72.7% 73.8% 74.2% 75.4% 76.6%80.2% 80.8% 81.3%
84.2%80.1% 81.7% 80.5%
58.9% 58.2% 57.2% 56.4%58.9%
54.7% 53.6% 51.7%49.8% 51.0% 52.1% 50.5%
72.7% 73.4% 72.0% 72.5% 74.3%71.6%
74.8% 73.6%70.2%
73.8% 74.3% 74.4%
39.3%36.8% 37.0%
29.5%
36.4%
30.1%27.8%
21.9%18.7% 18.4%
15.6%
9.8%0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001
設備利用率(%)
石油
天然ガス石炭
原子力
<出典>日本: 電気事業連合会 「電気事業便覧」より算定独国: 連邦産業省 「電気事業統計」より算定英国: 貿易産業省統計より算定
○ 一般電気事業者のCO2排出係数は、1990年に比べて11.7%減少した。○ 一般電気事業者のCO2排出係数は、1990年に比べて11.7%減少した。
2. CO2排出量の増減要因(1)一般電気事業者のCO2排出係数の減少
0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
発電端排出係数(kg-CO2/kWh)
一般電気事業者0.344
kg-CO2/kWh
0.390kg-CO2/kWh
発電端CO2排出係数(一般電気事業者)
-11.7%
(1990年比)
12<出典>温室効果ガス排出・吸収目録より算定
13<出典>電気事業便覧より作成
○ 排出係数の減少は主に原子力による発電量が増加したことに起因している。○ 排出係数の減少は主に原子力による発電量が増加したことに起因している。
2. CO2排出量の増減要因(2)発電構成の変化(電源構成)
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
8,000
9,000
10,0001990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
発電電力量(億kWh)
原子力
火力
水力
新エネルギー発電電力量
9,220億kWh +21.7%
新エネルギー32億kWh +114.2%
水力865億kWh -2.5%
原子力3,196億kWh +58.7%
火力5,127億kWh +10.0%
(1990年比)
14
○ 火力発電所のCO2排出係数(火力平均)は、1990年に比べて3.1%減と微減の傾向を示した。○ 火力発電所のCO2排出係数(火力平均)は、1990年に比べて3.1%減と微減の傾向を示した。
2. CO2排出量の増減要因(3)火力発電所のCO2排出係数の減少
<出典>温室効果ガス排出・吸収目録より算定
0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.71990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
発電端排出係数(kg-CO2/kWh)
火力発電所 0.616kg-CO2/kWh
0.636kg-CO2/kWh
発電端CO2排出係数(火力発電所)
-3.1%
(1990年比)
15<出典>電力需給の概要より作成
○ 火力発電所の構成を見ると、石油火力の減少と天然ガス火力の増加傾向が顕著であり、これがCO2排出
係数を低減する要因となっている。
○ しかし、一方で石炭火力も大幅に伸びているため、火力平均のCO2排出係数は微減にとどまっている。
○ 火力発電所の構成を見ると、石油火力の減少と天然ガス火力の増加傾向が顕著であり、これがCO2排出
係数を低減する要因となっている。
○ しかし、一方で石炭火力も大幅に伸びているため、火力平均のCO2排出係数は微減にとどまっている。
2. CO2排出量の増減要因(4)発電構成の変化(火力発電種別電源構成)
その他火力22億kWh 441.0%(2001/1994年比)
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
3,500
4,000
4,5001990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
発電電力量(億kWh)
石炭
天然ガス
石油
その他火力
石油379億kWh -76.7%
天然ガス2,512億kWh +38.3%
石炭1,046億kWh +180.7%
(1990年比)