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マルチイオン照射のための小型 ECR イオン源の開発 DEVELOPMENT OF COMPACT ECR ION SOURCE FOR MULTIPLE-ION THERAPY 大内章央 #, A) , 鈴木太久 A) , 高橋勝之 A) , 佐々野利信 A) , 白石直浩 A) , 村松正幸 B) , 岩田佳之 B) , 水島康太 B) , 北川敦志 B) Fumihisa Ouchi #, A) , Taku Suzuki A) , Katsuyuki Takahashi A) , Toshinobu Sasano A) , Tadahiro Shiraishi A) , Masayuki Muramatsu B) , Yoshiyuki Iwata B) , Kouta Mizushima B) , Atsushi Kitagawa B) , A) Accelerator Engineering Corporation B) National Institutes for Quantum Radiological Science and Technology Abstract National Institute of Radiological Sciences (NIRS) is promoting multiple-ion therapy to form ideal LET and dose distribution by irradiating several kinds of ion to the target. Possible ions are Helium, Carbon, Oxygen, and Neon. However, in the case of compact accelerator for heavy ion radiotherapy facility, it is desirable to cope with one Electron Cyclotron Resonance (ECR) ion source with all permanent magnets-from the viewpoint of cost, operation and maintenance. We have conducted experimental supply and ion production tests with 18 GHz ECR Ion Source (NIRS- HEC) since 2018. The problem noticed in the supply and tests is that He and Ne take time to switch to other ions. We guessed the case of problem is remaining gas in line. Therefore, we test ions switching with new gas line. As result, we achieved ion switching within 1 minute. In sufficient confinement magnetic field for highly charged ion production of Ne is not obtained at ECR Ion Source with all permanent magnets. Because the mirror magnetic-filed is optimized for C 4+ . We decided to do a beam test with NIRS-HEC to develop a new ion source with all permanent magnets. The assumed ions were He 2+ , C 4+ , O 6+ , Ne 7+ , which can be used by linear accelerators used in the population type treatment factory. We performed four ions production tests using NIRS-HEC, and data were acquired to investigate whether the magnetic field distribution could be reproduced by permanent magnets. 1. はじめに 放射線医学総合研究所(放医研)では、1994 年に炭素 による重粒子線治療が始まり、2004 年からは重粒子線が ん治療装置の小型化・低コスト化の研究を行っている。 そして現在、数種類のイオンを照射する事で、患部をより 効果的に治療する事が出来るマルチイオン照射を推進 している[1,2]。ヘリウム、炭素、酸素、ネオンの 4 種類の 核種を想定しており、複数のイオン源を利用すれば容易 に切替えが可能となるが、コストと運転・メンテナンスの観 点から、イオン源 1 台で対応することが望まれる。そこで 我々は、生物・物理実験に於いて様々な核種の供給実 績のある 18GHz ECR イオン源(NIRS-HEC) [3]を用いて He 2+ , C 2+ , O 3+ , Ne 4+ のイオン生成試験及び供給を行って きた。 NIRS-HEC ではマスフローコントローラ(MFC)によるガ ス流量制御がされている 2 系統のガス配管ラインが接続 されている。ヘリウム, ネオンガスをガス配管ラインから供 給し、CO 2 ガスを別の系統からガスパルシング法を用い て供給することで、イオン源 1 台で 4 核種の供給を実現 している[4]。しかし、ネオンから他核種への切替えに最 大で 4 分間の時間を要してしまう事が問題となっている。 実際の治療を想定した場合、患者への負担を考慮し、 切替え時間を出来る限り短くすることが望ましい。そこで、 ネオンガス用新規配管の作成及び、切替え試験を実施 した。 また、重粒子線治療用イオン源のさらなる普及のため には、ミラー磁場を永久電磁石により作成する ECR 型イ オン源を用いて、省コスト、省スペース化を図ることが望 ましい。しかし現在、群馬、佐賀、神奈川の治療施設で 利用されている永久磁石型 ECR 型イオン源(Kei2) [5]は、ミラー磁場が C 4+ に最適化されているため、炭素以外 の核種について十分な量の多価イオンを得ることは困難 である。そのため、我々はマルチイオン供給用の新規永 久磁石型 ECR イオン源の設計を検討している。目標の イオンは He 2+ , C 4+ , O 6+ , Ne 7+ とした。これらのイオンは前 述の治療施設で使用されている線形加速器で加速可能 なもの(質量電荷比が 1/3 以上)である。ビーム電流の目 標値は放医研で行われた実験供給の実績より算出し、 それぞれ 940 eμA290 eμA330 eμA245 eμA とし、 NIRS-HEC を用いて上記の 4 種類のイオン生成試験を 行った。 2. 試験方法 2.1 核種切替え高速化試験 Figure 1 に、変更前後の NIRS-HEC のガス配管構成 を示す。Figure 1 中の(1)が従来のネオンガス配管で、(2) が新規作成したネオンガス配管である。既存のガス配管 MFC からイオン源までの配管長が 7m 程度あり、切替 え時にこの配管内の残留ガスの影響を受け、供給核種 の切替えに時間がかかるのだと推測された。一方、新規 作成したガス配管は配管長が 0.6m と短く、残留ガスの影 響を軽減できると考えられる。それぞれの配管で核種を 切替え後、ビーム電流値によらすに、値が安定するまで ___________________________________________ # [email protected] Proceedings of the 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan July 31 - August 3, 2019, Kyoto, Japan PASJ2019 WEPI037 - 550 -

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マルチイオン照射のための小型 ECR イオン源の開発

DEVELOPMENT OF COMPACT ECR ION SOURCE FOR MULTIPLE-ION THERAPY

大内章央#, A), 鈴木太久 A), 高橋勝之 A), 佐々野利信 A), 白石直浩 A),

村松正幸 B), 岩田佳之 B), 水島康太 B), 北川敦志 B)

Fumihisa Ouchi#, A), Taku Suzuki A), Katsuyuki TakahashiA), Toshinobu Sasano A), Tadahiro Shiraishi A),

Masayuki Muramatsu B), Yoshiyuki Iwata B), Kouta Mizushima B), Atsushi Kitagawa B), A) Accelerator Engineering Corporation

B) National Institutes for Quantum Radiological Science and Technology

Abstract National Institute of Radiological Sciences (NIRS) is promoting multiple-ion therapy to form ideal LET and dose

distribution by irradiating several kinds of ion to the target. Possible ions are Helium, Carbon, Oxygen, and Neon. However, in the case of compact accelerator for heavy ion radiotherapy facility, it is desirable to cope with one Electron Cyclotron Resonance (ECR) ion source with all permanent magnets-from the viewpoint of cost, operation and maintenance. We have conducted experimental supply and ion production tests with 18 GHz ECR Ion Source (NIRS-HEC) since 2018. The problem noticed in the supply and tests is that He and Ne take time to switch to other ions. We guessed the case of problem is remaining gas in line. Therefore, we test ions switching with new gas line. As result, we achieved ion switching within 1 minute. In sufficient confinement magnetic field for highly charged ion production of Ne is not obtained at ECR Ion Source with all permanent magnets. Because the mirror magnetic-filed is optimized for C4+. We decided to do a beam test with NIRS-HEC to develop a new ion source with all permanent magnets. The assumed ions were He2+, C4+, O6+, Ne7+, which can be used by linear accelerators used in the population type treatment factory. We performed four ions production tests using NIRS-HEC, and data were acquired to investigate whether the magnetic field distribution could be reproduced by permanent magnets.

1. はじめに

放射線医学総合研究所(放医研)では、1994 年に炭素による重粒子線治療が始まり、2004 年からは重粒子線がん治療装置の小型化・低コスト化の研究を行っている。そして現在、数種類のイオンを照射する事で、患部をより効果的に治療する事が出来るマルチイオン照射を推進している[1,2]。ヘリウム、炭素、酸素、ネオンの 4 種類の核種を想定しており、複数のイオン源を利用すれば容易に切替えが可能となるが、コストと運転・メンテナンスの観点から、イオン源 1 台で対応することが望まれる。そこで我々は、生物・物理実験に於いて様々な核種の供給実績のある 18GHz ECR イオン源(NIRS-HEC) [3]を用いてHe2+, C2+, O3+, Ne4+のイオン生成試験及び供給を行ってきた。

NIRS-HEC ではマスフローコントローラ(MFC)によるガス流量制御がされている 2 系統のガス配管ラインが接続されている。ヘリウム, ネオンガスをガス配管ラインから供給し、CO2 ガスを別の系統からガスパルシング法を用いて供給することで、イオン源 1 台で 4 核種の供給を実現している[4]。しかし、ネオンから他核種への切替えに大で 4 分間の時間を要してしまう事が問題となっている。実際の治療を想定した場合、患者への負担を考慮し、切替え時間を出来る限り短くすることが望ましい。そこで、ネオンガス用新規配管の作成及び、切替え試験を実施した。

また、重粒子線治療用イオン源のさらなる普及のためには、ミラー磁場を永久電磁石により作成する ECR 型イオン源を用いて、省コスト、省スペース化を図ることが望ましい。しかし現在、群馬、佐賀、神奈川の治療施設で利用されている永久磁石型 ECR 型イオン源(Kei2) [5]では、ミラー磁場が C4+に 適化されているため、炭素以外の核種について十分な量の多価イオンを得ることは困難である。そのため、我々はマルチイオン供給用の新規永久磁石型 ECR イオン源の設計を検討している。目標のイオンは He2+, C4+, O6+, Ne7+とした。これらのイオンは前述の治療施設で使用されている線形加速器で加速可能なもの(質量電荷比が 1/3 以上)である。ビーム電流の目標値は放医研で行われた実験供給の実績より算出し、それぞれ 940 eµA、290 eµA、330 eµA、245 eµA とし、NIRS-HEC を用いて上記の 4 種類のイオン生成試験を行った。

2. 試験方法

2.1 核種切替え高速化試験

Figure 1 に、変更前後の NIRS-HEC のガス配管構成を示す。Figure 1 中の(1)が従来のネオンガス配管で、(2)が新規作成したネオンガス配管である。既存のガス配管は MFC からイオン源までの配管長が 7m 程度あり、切替え時にこの配管内の残留ガスの影響を受け、供給核種の切替えに時間がかかるのだと推測された。一方、新規作成したガス配管は配管長が 0.6mと短く、残留ガスの影響を軽減できると考えられる。それぞれの配管で核種を切替え後、ビーム電流値によらすに、値が安定するまで

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の時間を比較した。ビーム電流値を安定とした基準は、取得した全電流値の平均の±10%以内に収まった時とした。核種切替えは、マイクロ波パワー、加速ギャップ電圧、導入ガス種及びガス流量のパラメータを手動で切替える事で対応した。また、C2+と O3+については、CO2 ガスで供給していることから、切替え時の挙動は同等であると考え、He2+, C2+, Ne4+についてのみ試験を行った。

Figure 1: The gas line diagram for ion production test inNIRS-HEC.

2.2 多価イオン生成パラメータの検討

He2+, C4+, O6+, Ne7+の生成のために、過去の供給条件を参考にした基本パラメータを作成した。多価のデータを取得するため、マルチイオン供給条件とは異なり、O6+

は O2 ガス、C4+は CH4 ガスを利用して試験を行った。NIRS-HEC はクライストロンアンプ(KRY)と進行波管増幅器(TWTA)による二重周波数加熱[6]が可能で、それぞれ 大出力は 1400 W と 1200 W である。基本パラメータを元に、各イオン種でのビーム電流とマイクロ波パワーの依存性を取得し、目的のイオンを目標電流値まで確保するために必要なマイクロ波パワーの調査を行った。

取得した結果から 適なマイクロ波パワーの値を決定し、新規イオン源の永久磁石の性能を決定するために、

もビーム電流が確保しにくかった Ne7+について 適なミラーコイルによる閉じ込め磁場の調査を行った。閉じ込め磁場は上流側コイルの電流値は 800, 820, 840, 860 Aで、下流側コイルの電流値は 480, 500, 520, 540, 560, 580, 600 A の組み合わせとした。

得られた Ne7+の閉じ込め磁場結果より、想定する核種の中で も軽い核種である He2+でも、目標電流値を確保できるか試験を行った。調査・試験においてのビーム電流値の評価は、Fig. 2 に示すように、サンプルホールド(S/H)位置でのオシロスコープ(Tektronix TDS3034)で読み取ったビーム電流波形の上端と下端を測定し、それを誤差としてその中心値をビーム電流値とした。

Figure 2: Method of measuring beam current.

3. 試験結果

3.1 核種切替え高速化試験

Figure 3, 4, 5, 6, 7 にネオンガス配管の変更前後における He2+, C2+, Ne4+の切替え試験結果を示す。パラメータ変更後から、ファラデーカップで検出されたビーム電流を 1 秒毎にプロットし、時間経過によるビーム電流値の変化を示している。全ての切替え試験において切替え時間の短縮が達成できた。特に Fig. 4 及び Fig. 7 より、配管の残留ガスの影響が懸念されていたネオンから他核種への切替えでは、ビームが安定するまでの時間が 2分前後短縮されたことを確認した。

Figure 3: C2+→Ne4+ beam switching test at NIRS-HEC.

Figure 4: Ne4+→C2+ beam switching test at NIRS-HEC.

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Figure 5: He2+→Ne4+ beam switching test at NIRS-HEC.

Figure 6: Expand from 0 to 2 min. in Fig. 5.

Figure 7: Ne4+→He2+ beam switching test at NIRS-HEC.

3.2 マイクロ波パワー依存性

Figure 8, 9, 10, 11 に He2+, C4+, O6+, Ne7+のビーム電流とマイクロ波パワーとの依存性を示す。ビーム電流が 0 となっている点はイオン源での放電が頻発し、データの取得が出来なかった点である。図中の点線はそれぞれのビーム電流の目標値を示している。マイクロ波のパワーの導入は、 大で 2000 W までとし、1200 W までは KRYのみを使用し、以降は KRY+TWTA を使用した。 適なマイクロ波パワーは、ビーム電流値、ビームの誤差及び放電頻度を考慮し、He2+及び O6+では 1200 W、C4+及び Ne7+で 1600 W とした。

Figure 8: Dependence of He2+ beam current and microwave power.

Figure 9: Dependence of C4+ beam current and microwave power.

Figure 10: Dependence of O6+ beam current andmicrowave power.

Figure 11: Dependence of Ne7+ beam current and microwave power.

3.3 ミラー磁場依存性

3.2 節の結果より、4 核種の中でもビーム電流値を確保

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しづらいと思われる Ne7+の 適な閉じ込め磁場のパラメータを検討した。Figure 12 にミラーコイルによる閉じ込め磁場と Ne7+のビーム電流の依存性を示す。Ne7+は上流ミラーコイルの電流値が高いほどビーム電流を確保しやすい傾向が見られた。しかし、下流ミラーコイルを 580 A より大きい値にすると、リップルが増大しビームが不安定となった。

もビーム電流を確保できた組み合わせは上流/下流ミラーコイルの電流値が 860 A/540 A の時であった。しかし、ミラーコイルで 860 A となる磁場を永久磁石で再現するのは構造上の問題から困難である。そのため、上流ミラーコイル電流値を 840 A とした場合について検討を行った。Figure 13 に上流ミラーコイル電流値を 840 A とした時の、下流ミラーコイルの閉じ込め磁場と Ne7+のビーム電流の依存性を示す。マイクロ波パワーは 3.2 節で得られた値を用いた。点線は各イオン種でのビーム電流の目標値を示している。目標電流値を達成した組み合わせは上流 /下流ミラーコイルの電流値が (840 A/ 500A), (840 A/520 A ), (840 A/540 A)の 3 通りであった。

Figure 14 に上流ミラーコイル 840 A とし、下流側ミラーコイルを変化させた時の Ne7+と He2+のビーム電流値の測定結果を示す。マイクロ波パワーは 3.2 節で得られた値を用いた。点線は各イオン種でのビーム電流の目標値を示している。Figure 14 より、Ne7+と He2+のビーム電流値の推移から、それぞれの 適な磁場分布は異なるものと推測されるが、上流 / 下流ミラーコイル電流値の組み合わせが(840 A/500 A), (840 A/520 A)の時に Ne7+, He2+ともに目標電流値を上回る結果となった。

(a) Downstream: 480A. (b) Downstream: 500A.

(c) Downstream: 520A. (d) Downstream: 540A.

(e) Downstream: 560A. (f) Downstream: 580A.

Figure 12: Dependence of Ne7+ beam current and mirror magnetic field.

Figure 13: Dependence of Ne7+ beam current and mirrormagnetic field (upstream coil current: 840A).

Figure 14: He2+ and Ne7+ beam current at the optimum magnetic filed of Ne7+.

4. まとめ

ネオンガス配管の構造を見直したことで、HIMAC で供給しているマルチイオン核種の切替えを 短で 7sec,

長でも 35sec と短時間で行えるようになった。今後、より高速化を実現できるよう CO2, ヘリウムガス配管にも同様の配管を作成し、試験を行う。

多価イオン生成のデータ取得では、いずれの核種も1200 W 以上のマイクロ波パワーを入れることで、ビーム電流が も増える結果となった。また、重い核種であるNe7+のビーム強度を確保するための磁場分布、上流 / 下流ミラーコイル電流値がそれぞれ(840 A/500 A), (840 A/520 A)としても、軽い核種である He2+で目標電流値を確保出来る事が分かった。今回得られたデータを元に、マルチイオン供給用の新規永久磁石型 ECR イオン源設計について検討する。

参考文献 [1] T. Inaniwa, N. Kanematsu, Phys. Med. Boil. 61 542-550

(2016). [2] T. Inaniwa et al., Phys. Med. Boil. 62-5180 (2016). [3] A. Kitagawa et al., Rev. Sci. Instrum. 69 674 (1998). [4] K. Takahashi et al., PASJ2018 WEP043, (2018). [5] M. Muramatsu et al., Rev. Sci. Instrum. 76, 113304 1-6

(2005). [6] A. Kitagawa et al., Rev. Sci. Instrum. 87, 02C107 (2016).

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