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JETI 87 Vol.57,No.12(2009) 1. ポリアミド系エラストマーの概要 ポリアミド系熱可塑性エラストマー(PAEある いは TPAE)は,熱可塑性エラストマーの中で最 も新しく開発されたもののひとつで,一般にその 合成はポリアミドオリゴマーの生成とソフトセグ メントとして用いるポリエーテルとの縮合反応に よる高分子量化の 2 段階に分けて行われ,構造的 にはマルチブロックコポリマーとなる。ポリアミ ド成分としてはポリアミド 6 あるいはポリアミド 12,ポリアミド 11 が主に用いられており,ソフト セグメントとしてはポリエーテルジオールを用い ているものが多い。 ポリアミド 12 をハードセグメントとする PAE について,第1図にその高次構造の概念図を示す。 その構造から,Poly Ether Blocked Amide を略 新しいポリアミド系エラストマーの技術と用途 六田 充輝 (むつだ・みつてる) ダイセル・エボニック㈱ テクニカルセンター 所長 分類 (一般略称) ポリアミド系 TPAEポリエステル系 TPEE ポリウレタン系 TPU ポリスチレン系 TPS ポリオレフィン系 TPO ハードセグメント (分子拘束様式) ポリアミド (結晶相) ポリエステル (結晶相) ポリウレタン (結晶相) ポリスチレン (凍結層) 主にポリプロピレン (凍結層) ソフトセグメント 主にポリエーテル ポリエーテル ポリエステル or ポリエーテル ポリブタジエン or ポリイソプレン EPR 比重 1.01 1.17 1.25 1.1 1.25 0.91 0.95 0.88 耐摩耗性 × 耐屈曲性 耐油性 × 耐候性 × 複合化のし易さ × 用途例 ホース、チューブ ギア、医療品 スポーツ用品 ホース、チューブ ギア、シール ジョイントブーツ ローラー スポーツ用品 自動車、電機 HMA 、エンプラ改質 アスファルト改質 自動車内装 PVC 代替 PP PE 改質 第1表 代表的な熱可塑性エラストマーの一般的な性能 幅広い分野で採用される熱可塑性エラストマー ハードセグメント : ポリアミド12 ソフトセグメント : ポリエーテルジオール 第1図 ポリアミド 12 をハードセグメントとする PAE の高次構造概念図

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JETI 87Vol.57,No.12(2009)

 1. ポリアミド系エラストマーの概要

 ポリアミド系熱可塑性エラストマー(PAE ある

いは TPAE)は,熱可塑性エラストマーの中で最

も新しく開発されたもののひとつで,一般にその

合成はポリアミドオリゴマーの生成とソフトセグ

メントとして用いるポリエーテルとの縮合反応に

よる高分子量化の 2 段階に分けて行われ,構造的

にはマルチブロックコポリマーとなる。ポリアミ

ド成分としてはポリアミド 6 あるいはポリアミド

12,ポリアミド 11 が主に用いられており,ソフト

セグメントとしてはポリエーテルジオールを用い

ているものが多い。

 ポリアミド 12 をハードセグメントとする PAE

について,第1図にその高次構造の概念図を示す。

その構造から,Poly Ether Blocked Amide を略

新しいポリアミド系エラストマーの技術と用途

六 田 充 輝(むつだ・みつてる)

ダイセル・エボニック㈱テクニカルセンター 所長

分類

(一般略称)

ポリアミド系

(TPAE)

ポリエステル系

(TP E E)

ポリウレタン系

(TP U)

ポリスチレン系

(TP S)

ポリオレフィン系

(TP O)

ハードセグメント

(分子拘束様式)

ポリアミド

(結晶相)

ポリエステル

(結晶相)

ポリウレタン

(結晶相)

ポリスチレン

(凍結層)

主にポリプロピレン

(凍結層)

ソフトセグメント 主にポリエーテル ポリエーテル

ポリエステル

orポリエーテル

ポリブタジエン

orポリイソプレン

E P R

比重 1.01 1 .17~1 .25 1 .1~1 .25 0 .91~0 .95 0 .88

耐摩耗性 ○ △ ◎ △ ×

耐屈曲性 ◎ ◎ ○ ○ △

耐油性 ◎ ◎ ○ × △

耐候性 ○ △ △ × ○

複合化のし易さ ○ ○ ◎ △ ×

用途例

ホース、チューブ

ギア、医療品

スポーツ用品

ホース、チューブ

ギア、シール

ジョイントブーツ

ローラー

スポーツ用品

自動車、電機

H M A、エンプラ改質

アスファルト改質

自動車内装

P V C 代替

P P、P E 改質

第 1 表 代表的な熱可塑性エラストマーの一般的な性能

幅広い分野で採用される熱可塑性エラストマー

ハードセグメント : ポリアミド12

ソフトセグメント : ポリエーテルジオール

第1図 ポリアミド 12 をハードセグメントとする

PAE の高次構造概念図    

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88 JETI Vol.57,No.12(2009)

して PEBA と呼称されることも多い。結晶領域は

ほぼハードセグメントであるポリアミド部によっ

てのみ構成されており,ソフトセグメントである

ポリエーテル部の比率が増すと球晶間の非晶領域

が増え,また球晶内の非晶層の厚みも増大するこ

とが知られている 1)。

 第1表に他の熱可塑性エラストマーとの比較を

示す。PAE はヒステリシスロスが小さく物理特性

に優れ,特に物性の温度依存性が小さいことが知

られており(第2図),その特徴からスポーツ用品

分野や弱電分野におけるノイズレスギアなどでは

重要な位置を占めている。さらに他の熱可塑性エ

ラストマーとの比較においては,TPU に比べて耐

候性,比重において優れ,TPEE に比べると耐加

水分解性,比重において優れ,TPS に比べると耐

薬品性に優れ,TPO に比べると他材料との接着複

合化やウェルド部の強度に優れている。

 PAE は,こうした特性を背景に,1982 年に初

めて上市されて以来,1991 ~ 2006 年の 15 年で 2.5

倍ほどの市場規模となっている。近年は特に,広

い意味でのコストダウンの要請や環境問題意識の

高まりなどを背景に新たな市場ニーズ=技術課題

が生まれてきている。本稿ではそのいくつかを

ピックアップして解説を試みたい。

 2. ポリアミドエラストマーの新しい展開

 2.1 TPU との複合接着技術 2)

 前述したように,PAE の大きな用途分野のひと

つはスポーツアプリケーション,特にスポーツ

シューズのソール部である。これは PAE の特徴

である低ヒステリシスロス,低比重が上手くいか

されるアプリケーションであり,しばしば摺動性

に優れる TPU のスタッドと複合化されて用いら

れる。

 PAE と TPU はその構造も比較的似ており,従

来からインサート成形や二色成形によって直接接

着による複合化が行われている。しかし従来の材

料,技術では,次のようなケースにおいては良い

接着を得ることは困難であった。

 ① PAE と TPU の硬度に差がある場合

 硬度や弾性率が異なる材料同士は,ハードセグ

メントとソフトセグメントの比率に差があり,そ

ういう場合は従来の類似性に依存した融着による

接着にはしばしば問題が発生していた。特に PAE

の弾性率が 200MPa 程度以上になった場合,軟ら

かい TPU との接着は極端に悪くなる傾向がある。

 ② PAE インサート,TPU 射出による複合化

 通常のインサート成形では,プロセス温度の低

い材料をインサートし,プロセス温度の高い材料

をオーバーモールドする必要がある。したがって,

プロセス温度の高い PAE をインサートする工法

では良い接着を得ることができない。

 この問題点のひとつは金型設計上,その自由度

に制限があることであるが,それ以外にも,イン

サート材が軟らかい材料の場合,接着は良いもの

が得られるものの,オーバーモールドされる材料

からの熱や圧力によりインサート材が変形した

り,インサート金型からずれてしまうなどの問題

もあった。

 ③ TPU のインサート材の保管

 TPUのインサート材の保管時間が長くなると,

PAE をオーバーモールドしても接着しなくなる

ことが知られている。そのため TPU のインサー

ト材の保管については厳密な管理が必要であっ

た。

 ダイセル・エボニックではこうした問題を解決

するために,“反応による接着”というコンセプト

を導入,PAE,K2 シリーズの開発に成功した。

第 2 図 ショア硬度 D55 程度の各種エラストマーの

tan δ の温度依存性      

TPU : ポリウレタンエラストマーTPEE : ポリエステルエラストマー  TPAE : ポリアミドエラストマー

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JETI 89Vol.57,No.12(2009)

K2 シリーズの代表的なグレードの物性を第2表

に,②で指摘した PAE インサートの場合の接着

性についての従来材料との比較を第3表に,③で

指摘したインサート材の保管と接着性についての

関係について第3図に示す。

 これら①~③といった問題が解決されること

で,製品デザインの自由度が上がるばかりでなく,

プロセスコストの削減も可能となる。例えば,②

の解決により高価な二色成形の必要がなくなり,

通常のインサート成形でも複合成形が可能になる

し,また,③の解決により複合品の歩留まりの向

上や品質検査上の工程も簡略化が可能となる。金

型のデザインの簡素化によるコストダウンは,あ

る試算によると 40%以上にも達する。こうしたメ

リットは,プロセスコストを下げることで製品原

価を下げるという新しいトレンドを作り出そうと

している。

試験方法 単位 E62K2 E68K2 E74K2

ショア硬度 D スケール 62 68 74

引張り破断強度 MPa 48 48 54

引張り破断伸度 % 440 360 340

シャルピー

(23℃, ノッチ付) kJ/m2 NB NB 11

引張り弾性率 MPa 380 710 1200

第 2 表 K2 シリーズの一例

02040

6080

100

120140160

180

接着強度

[N/cm]

保管1日 保管4日 保管7日

E62K2インサート,TPUオーバーモールド

TPUインサート,E62K2オーバーモールド

PAE/TPU

エステルタイプ TPU エーテルタイプ TPU

ET198-50

95A

ET690

90A

S80A50

80A

1190A50STR

90A

1185A

85A

LP9292

73A

E62K2

145 N/cm 125 N/cm 125 N/cm 160 N/cm 140 N/cm 115 N/cm

従来品

硬度 60D 3 N/cm 5 N/cm 10 N/cm 30 N/cm 10 N/cm 30 N/cm

第3表 PAE インサート,TPU オーバーモールドの場合の接着強度比較例

第3図 E62K2 と TPU(Desmopan8792A) の接着強度における、

保管時間の影響と成形順序の影響      

・ 試験片は PAE,TPU ともに 2mm 厚の複合品。1.5cm 幅に成形した後,50mm/min の引張り速度で

180°剥離試験により評価した。

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90 JETI Vol.57,No.12(2009)

 2.2 ゴムとの直接接着

 樹脂とゴムの直接接着技術= K&K は,80 年代

後半よりドイツのヒュルス社が先鞭をつけた技術

であるが,99 年以降,ダイセル・エボニック(当

時はダイセル・ヒュルス)が技術開発に参画,大

きな進展を遂げた 3) ~ 7)。接着機構は,ゴム中の架

橋剤(主に過酸化物)の反応性を利用したゴム-

樹脂界面での架橋反応である。この技術の最大の

特長は,①反応を利用しているため,材料の組み

合わせ上の制限が少ない,②接着剤を利用せず,

それに関連した前処理も必要ないため,工程が簡

単でかつ有機溶剤等の環境負荷物質を一切使用し

ないことの2点である。特に②は,近年の地球温

暖化をはじめとする環境問題に対応した従来にな

い特長といえる。

 従来この技術は,Tg が 190℃と極めて高い特殊

変性 PPE「ベストラン」や耐熱が高く吸水による

物性変化が少ない PA612 や PPA といった材料に

主に適用され採用されてきたが,成形技術の向上

により耐熱の低い PA12 や PAE にも工業的な適

用が可能になった。例えば,㈱中野製作所(東京:

03 - 3658 - 7257,担当・中山)は精密ローラーなど

で実績のあるゴムのモルダーであり,既に前述し

た特殊変性 PPE「ベストラン」を用いたゴムとの

直接接着により各種ローラー類の開発を成功させ

ている会社であるが 8),ここでは第4図のような

樹脂-ゴムのコンポジットフィルムを,160 ~

180℃といった低い融点の PA 系材料を用いて工

業的な生産に成功している。用途は,靴底,シー

ル材,特殊な防振ゴムなど様々な分野が考えられ

る。中野製作所で実績のあるゴムの物性について,

その一例を第4表に示す。

 2.3 透 明 材 料

 “透明”は,スポーツシューズなどの用途ではデ

ザイン性に大きなインパクトを持ち,チューブ・

ホースなどの用途では中を通るものの確認が可

能,というふうに,材料の重要な機能のひとつで

ある。例えば,引張り弾性率が 1,000MPa を超え

るようなポリアミド系材料としては,微晶性ポリ

アミド(例えば,当社「トロガミド CX7323」=

引張り弾性率 1,500MPa)やスキーなどの表面

フィルムに使われるポリアミド(例えば,当社「ベ

スタミド LX9012」=引張り弾性率 1,100MPa)な

どが既に様々な用途で使用されている。しかし,

エラストマー材料として中硬度とでもいうべき引

張り弾性率 400 ~ 900MPa 程度の領域において,

透明なポリアミドはこれまで上市されていない。

 ダイセル・エボニックが新しく開発した「ダイ

アミド A5595」は,ちょうどこの中硬度領域の材

料であり,その透明度は従来にない高いものであ

る。第5表にその一般物性を示す。ダイセル・エ

ボニックではこの「ダイアミド A5595」 以外にも

中硬度領域の軟質材料をいくつか開発しており,

その特長をいかせる用途毎に展開を進めている。

項目/ゴム No. Nakano 0803 Ceramic 60 Ceramic 40

ショア硬度 A A62 A62 A44

引張り破断強度 MPa 21 15 8

引張り破断伸度 % 900 670 760

引き裂き強度 N/mm 42 51 33

アクロン磨耗 cm3 0.029 0.031 0.014

比重 g/cm3 1.15 1.23 1.22

第4表 中野製作所開発の K&K 用ゴムの一例

第4図 低融点 PA フィルムとゴムによる

    コンポジット(中野製作所作成)

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JETI 91Vol.57,No.12(2009)

 3. 今後の展望

 リーマンショック以降,あらゆるところでコス

トダウンへの取り組みが行われている。その取り

組みのひとつとして,工程の簡略化によるプロセ

スコストの低減と,環境へ配慮した技術は今まで

以上に大きな流れとなるのではないか。そうした

観点から,ダイセル・エボニックでは,今後も複

合化工程の簡略化やソルベント・フリー化,ある

いは軽量化などのキーワードのもとに,新しい材

料,新しい技術の開発を行ってゆきたいと考えて

いる。

参 考 文 献

1) 喜多雅巳 , 佐々城賢一;日本ゴム協会誌 , vol.57,

No.11, 753(1984).

2) 六田充輝;日本接着学会誌 , vol.42, No.6, 245(2006).

3) 六田充輝;プラスチックスエージ , vol.52, May, 110

(2006).

4) M. Mutsuda, H. Omae;Macromolecules, 37(9),

3346(2004).

5) M. Mutsuda, H. Komada;Journal of Applied

Polymer Science, vol.95, issue 1, Jan, 53(2005).

6) US patent : 7175916B2.

7) 六田充輝;プラスチックスエージ , vol.55, May, 67

(2009).

8) 柳谷奈津子 , 寺井英次 他;日本ゴム協会誌 , vol.79,

No.12, 557(2006).

項目 単位 A5595

ショア硬度 D D71

引張り弾性率 MPa 450

引張り破断強度 MPa 57

引張り破断伸度 % 380

シャルピー衝撃強度

(ノッチ付,室温) kJ/m2 NB

シャルピー衝撃強度

(ノッチ付,-30℃) kJ/m2 11

第5表 A5595 の一般物性

東レはこのほど,第一三共と

共同開発し販売している天然型

インターフェロン ベータ製造

フエロン「フエロン注射用 100

万・注射用300万・注射用600万」

について,“リバビリンとの併

用による C 型慢性肝炎におけ

るウイルス血症の改善”を新た

な効能・効果として国内で承認

を取得した。これにより,フエ

ロンはインターフェロン ベー

タ製剤としては初めて,リバビ

リンとの併用が可能になった。

天 然 型 イ ン タ ー フ ェ ロ ン

ベータ製造フエロンは,膠芽

腫(脳腫瘍)および皮膚悪性黒

色腫(皮膚癌)の治療薬として

1985 年より販売を開始した国

内初のインターフェロン製剤。

その後,B 型慢性,C 型慢性肝

炎,C 型代償性肝硬変などの効

能を追加してきた。なお,フエ

ロンの販売は第一三共および東

レ・メディカルが行なっていく。

 東レ

天然型インターフェロン ベータ製剤の効能追加

■トピックス                                       ■

信越化学工業は同社 100%子

会社であるオーストラリアのシ

ムコア社が,西オーストラリア

州にある金属ケイ素の製造工場

の生産能力を倍増する計画を決

定したと発表した。

現在のシムコア社の生産能力

は年産 3 万 2,000t で,第一期

増設では年間 1 万 6,000t 増や

し, 合 計 4 万 8,000t と す る。

さらに,第二期増設では年間 1

万 6,000t 増やし,2013 年末ま

でに合計 6 万 4,000t の能力に

引き上げる予定。第一期増設に

かかる投資額は 80 億円で,完

成は 2011 年末を予定している。

金属ケイ素は信越化学工業の主

要製品である半導体シリコン,

シリコーン樹脂,合成石英の主

原料である。また,世界的に需

要が期待されている太陽電池の

主原料として利用されるため,

金属ケイ素の需要は堅調な伸び

が予想されている。

 信越化学工業

オーストラリアで金属ケイ素の生産能力を倍増