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EDC-2888-JP Rev. 4 1 体温管理に関する白書 カテーテル関連深部静脈血栓症の 発生率を上昇させない血管内体温理

カテーテル関連深部静脈血栓症の 発生率を上昇させない血管 …...DVTと PEの違いは以下の通りである。DVTは血栓の形成である。大半は下肢に起こるが、上

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体温管理に関する白書

カテーテル関連深部静脈血栓症の発生率を上昇させない血管内体温理

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概要 この白書では、中心静脈カテーテル(CVC)の留置に起因する深部静脈血栓症(DVT)の危険因子について検討する。血管内体温管理による低体温療法も、CVC挿入部位を使用するため、同様のリスクの可能性がある。IVTM(血管内体温管理)で冷却された患者を、中心静脈ラインを留置した一般の危篤患者と比較すると、DVTおよび肺塞栓症(PE)の発生率に差がないことが既刊文献により示されている。この結果は、冷却用カテーテルを使用したIVTMがDVT発生率の上昇に関連しないことを示している。

重要なポイント

1. CVCを留置した救命治療患者における血栓の発生率は 20~30%である。2. 末梢挿入中心静脈カテーテルの患者では、CVC留置患者よりも DVT発生率が著し

く高かった(27.2%に対し 9.6%、p=0.0012)。3. DVTは一般の脳神経外科患者にはよく見られ、発生率は19~50%である。4. 循環器以外の理由でIVTMを受けた患者における DVT発生率は5%である。5. 心停止蘇生後にIVTMを受けた患者におけるDVT発生率は 1.7%である。6. 合計943人の患者に対して実施された無作為化対照臨床試験4件で、ZOLL製IVTMカ

テーテルと標準CVCを比較した結果、DVT発生率に差がないことが示された。7. 体表冷却法の施行患者における DVT発生率は 3~15%であることが報告されてい

る。8. 予防的抗凝固療法の適時施行は安全であり、高リスク患者においてDVT発生率を著しく

低下させる。

略語

CVC: 中心静脈カテーテル DVT: 深部静脈血栓症 IVTM: 血管内体温管理 PE: 肺塞栓症 PICC: 末梢挿入型中心静脈カテーテル PTP: 薬理学的血栓予防法 PTS: 血栓後症候群 PTT: 部分トロンボプラスチン時間 TBI: 外傷性脳損傷 VTE: 静脈血栓塞栓症

はじめに 静脈血栓塞栓症(VTE)は危篤患者によく見られる合併症であり、深部静脈血栓症(DVT)および肺塞栓症(PE)が含まれる。米国において、VTEは年間およそ10万人に 100人の割合で発症し 1、そのうち 3分の 2が PE、3分の 1が DVT である 1-2。DVTとPEの違いは以下の通りである。DVTは血栓の形成である。大半は下肢に起こるが、上肢や骨盤内静脈など他の部位にも起こる3。適切な治療を施された場合でも、DVTを発症する患者もいる4-6。DVTは、静脈壁に付着した血栓が線維素溶解と再疎通というプロセスにより破壊される7。対照的に、PEは肺動脈血栓症が関与する生命を脅かしうる疾患であるが、体の一部分(脚部が大半)に形成された血栓が臨床的に重大となり、血流を通じて肺に達し動脈を閉塞するものである。これは呼吸器系や循環器系の破綻に繋がり、死に至ることもある。

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VTE 患者全体の死亡率は 32%にも上ると報告されている2,8。米国における VTE 患者数は、2050 年までに成人 182 万人にまで倍加すると推定される 9。

DVT の危険因子 ウィルヒョウの3要素(Virchow triad)には、血栓症に寄与する3大危険因子として、凝固能亢進、血流の変化(うっ滞または乱流)、血管内皮細胞の損傷や障害が挙げられている10。

Stasis of blood flow 血流うっ滞 Endothelial injury 血管内皮損傷 Hypercoagulability 凝固能亢進

また、過去の試験により、炎症7 状態は、血液凝固因子の増加と自然な抗凝固経路の阻害4 に起因する凝固異常に関連しており、血栓形成傾向と微小血管血栓症を引き起こす可能性があることが示されている。炎症反応に伴い血管内皮が機能障害を起こし、抗凝固、抗凝集、血管拡張を起こす性質を喪失するなど様々な結果を生む 4。以下の表は DVTの様々な危険因子をまとめたものである。

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患者に依存する DVT 危険因子 6,11,12 疾患または手術に依存する DVT 危険因子 6,11,13

• 年齢 40 歳以上• 肥満• 人工呼吸器を要する重症疾患• 中心静脈カテーテル挿入• ホルモン療法(エストロゲン、プロゲス

テロン)• 経口避妊薬の使用• 深部静脈血栓または肺塞栓症の既往• 栓友病、アンチトロンビン(AT)III 因

子、プロテイン C、プロテイン S の欠損、およびループス性抗凝固因子、活性化プテイン C 抵抗性、ホモシスチン血症

• 遺伝的素因

• 外傷または手術(特に骨盤内、股関節、脚) • 原発性または転移性の悪性疾患(特に骨盤

内、腹部)• 手術による歩行不能• 心不全• 最近の心筋梗塞• 対麻痺• 重度の感染症• 腸炎

o 赤血球増加症o パラプロテイン血症o ベーチェット病o 発作性夜間ヘモグロビン尿症

脳神経外科患者における DVT 血栓塞栓症は、脳神経外科および神経内科の患者によく見られる問題である14-16。そのため、脊髄損傷、脳腫瘍、くも膜下出血、頭部外傷、脳卒中の患者や、脳神経外科手術を受けた患者などは DVTおよび PE の大きなリスクにさらされる。一般の脳神経外科患者におけるDVT発生率は19~50%である(表1、別表)。脳卒中および脊髄損傷患者、DVTのリスクが高い17(表 2 および表 3、別表)。Chalouhiらの最近の文献では、減圧半頭蓋切除術を受けた患者の DVTおよび PE の発生率を観察し、標準的な予防的治療が利用されていたにもかかわらず、DVTの発生率が 35%だったと報告している156。

脳神経外科患者においてDVTのリスクが2倍に上昇することは、4時間を超える手術に関連している18。人体内のトロンボプラスチンは、脳に最も高濃度で含まれているが、脳の外傷、梗塞、または手術の結果、組織中トロンボプラスチンの放出および血液凝固カスケードが起きると推測されている19。凝血異常のうち、血栓のリスク増加に関連しうるものを以下に挙げる:1)フィブリノペプチドAおよびフィブリノーゲンフラグメントB[ベータ]の上昇20、2)活性化部分トロンボプラスチン時間(PTT)の低下およびフィブリノペプチドA濃度の増加21-22、血小板凝集能とプラスミノーゲン濃度の低下を伴う血小板数と血漿フィブリノーゲン濃度の増加23、および脳卒中患者の麻痺肢の表在静脈における線維素溶解の低下24、3)脳腫瘍患者における無症候性の播種性血管内凝固症候群25-26、4)脊髄損傷患者における第VIII 因子と血小板凝集能の増加27。これらの変化の機序に関する仮説は不確実である。脊髄損傷の試験においては、DVT発生率が 41.4%(12/25)であり、術後3日目という早期に認められ(25%)、DVT 形成のピークが 7 日目に起きていた28。麻痺がより重度の症例でDVTのリスクが増大することから、早期診断および治療が極めて重要である。さらに重要なことは、血栓塞栓性疾患発症の危険因子について認識していれば、適切な予防措置を開始できるということである15。

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危篤患者における中心静脈ライン関連血栓症 中心静脈カテーテル(CVC)および介入手技は、心停止蘇生後の患者や危篤患者の管理に必須であるが、カテーテルにリスクがないとは言えない。カテーテル留置患者の20~30%において、中心静脈系の血栓症が発生することが試験により示されている29。これは、カテーテル先端による血管内皮細胞の損傷、カテーテル自体の抗血栓性の特性、そして血管内のカテーテル留置時間に関連している可能性が高い30。

最もよく使われるCVCの挿入部位は、鎖骨下静脈、内頸静脈、大腿静脈である。片側性大腿静脈カニューレ挿入を必要とし、カニューレ挿入から1ケ月間にわたり毎週、両側血管の超音波ドプラ検査を受けた外傷患者76人に対して実施された試験では、14%の患者で腸骨大腿骨にDVTが認められた31。内科/外科混合ICUに逐次入院した患者80人に対して実施された低体温症に関する試験では、静脈造影法で発見されたカテーテル関連大腿静脈血栓症の発生率が8.5%であった32。しかし、それら症例の15.7%に、血栓に関与するフィブリンスリーブ(繊維性の非球形のタンパク質)が観察されている。この所見で重要なのは、カテーテルの材質にかかわらず留置カテーテルの周囲にフィブリンスリーブが常に形成される可能性があり、臨床的に明白でなくても静脈血栓症に関連することがあるという点である33。大腿静脈カテーテルを挿入され、超音波ドプラ検査を受けた混合ICU患者124人における別の試験では、9.6%がカテーテル関連血栓症を発症していた34。同試験では、血栓症の発生率がカテーテル留置時間に関連するということは認められなかった。従って、多様な内科・外科疾患を有する救命救急患者において、大腿中心静脈カテーテルに伴う血栓症の発生率は 8.5~26.2%と報告された 31-32,34。また、静脈の挿入部位がによっては、より血栓を起こしやすいようである。CVCまたは末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)に無作為に割り付けられた患者 239 人を対象とした試験では、PICC 患者における DVT発生率が CVC患者よりも有意に高かった(27.2%に対し9.6%、p=0.0012)14。

最近NEJMに収載されたParientiらの文献は、CVC挿入部位3通り(鎖骨下静脈、頸静脈、大腿静脈)における合併症発生率をさらに詳細に調べたものである35。この多施設共同無作為化試験では、2,352本のカテーテルを3通りの挿入部位に1:1:1に無作為に割り付けて留置した。3 種類の挿入部位において、カテーテル留置日数の範囲は 2~9日間で、中央値は5日間であった。大腿静脈において症候性DVTの発生率が高かったにもかかわらず、大腿静脈と頸静脈挿入部位ではDVT発生率に差は見られなかった。これとは逆に、頸静脈群のDVT発症率は頸静脈群に比べて有意に高かったが、症候性DVTの発生率は同じであった。Parientiらは、頸静脈および大腿静脈部位に比べて鎖骨下静脈挿入部位がDVT発症率のリスク低下と関連していることを見出したが、この結果について重要な指摘事項がいくつかある。第一に、集められた症例の59.0%で無症候性DVTのデータが欠損していることから、同試験で報告されたDVT発生率は慎重に解釈する必要がある。第二に、同試験では、3種類の挿入部位における総合併症発生率(カテーテル関連血流感染、深部静脈血栓症、機械的事象の合計)が類似していた(鎖骨下静脈3.1%、頸静脈3.8%、大腿静脈3.3%)。著者らによると、この結果はCVC挿入に理想的な部位が存在しないことを示唆している35。CVC挿入部位の選定には、1種類の合併症(気胸といった機械的合併症など)よりも大きな影響を及ぼす総合併症発生率を考慮することが重要である。最後に、同試験の結果は、大腿静脈挿入部位における挿入失敗率(5.3%)が頸静脈(7.7%)、鎖骨下静脈(14.7%)に比べて最も低いことを示している。従って、CVC挿入部位の選定には挿入のしやすさも考慮すべきである。

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下大静脈血栓症 下大静脈(IVC)に起こる血栓症は稀な事象であり、IVC血栓症に関するデータと臨床所見が不足している。レジストリーに連続して登録されている、DVT既往の記録がある患者1,470人中、60 人(0.4%)に IVC 血栓症が認められた。同試験により、初めての血栓性事象として IVC血栓症を発症した患者の年齢が有意に低いことが示された。58%が40歳前にIVC血栓症を経験し、78%(47症例)が初めての血栓症であった。IVC血栓症の最好発部位は腎臓下であった36。大半の症例では、IVC血栓症が腸骨静脈および下肢静脈まで拡大していた。IVCの初期症状で最も多いのは、下背部痛および腹痛である。IVC血栓症の患者には悪性疾患の頻度が高く、先天性 IVC 奇形がそれに続く。

IVC奇形の発生率は0.5%であり、他の先天性奇形を伴う場合もある。疾患の後期では、 DVTの有無を問わず栄養障害性潰瘍が常に見られる所見である。この疾患は通常、無症候性であるため、偶然見つかる所見がほとんどである。IVC奇形の発生率は若年健常人では0.3~0.5%であり、特発性DVTを有する成人患者では5~6.7%に上昇する37。 2001年にRuggeriらは、代償性肥大にも関わらず奇静脈系で下肢から十分に血液が流出しないことを理由として、先天性IVC奇形がDVTの危険因子である可能性があると述べた38。この状態をKILT(下肢血栓を伴う腎臓およびIVC奇形)症候群と呼ぶ著者もいる39。下大静脈奇形が見られない症例は、これまでにごく少数のみ文献報告がなされている40-42。

表4は、IVC血栓症と下肢DVTの孤立症例を比較し、確立された危険因子の分布を示している 36。先天性 IVC 奇形、炎症性疾患、悪性疾患、VTE の家族歴があると、IVC血栓症の可能性が高くなる。

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表 4.IVC 血栓症と下肢 DVT の確立された危険因子の分布 36。

IVC 血栓症 (N=60)

孤立 LE-DVT (N=57)

p 値

N (%) N (%) 先天性IVC奇形 8 (13) 0 (0) 0.006

VTEの家族歴 12 (20) 20 (35) 0.096 栓友病 32 (53) 35 (61) 0.455

長時間の旅行 3 (5) 8 (14) 0.119 不動状態 10 (17) 9 (16) 1.000 過去の手術歴 13 (22) 7 (12) 0.223 炎症性疾患 19 (32) 10 (18) 0.090 悪性疾患 16 (27) 5 (9) 0.015 肥満(BMI e 30 kg/m2) 15 (25) 14 (25) 0.832 ホルモン療法 (OC/HRT) 21 (58)* 20 (57)* 1.000 妊娠中および産後 1 (3)* 4 (11)* 0.199 OC=経口避妊薬; HRT=ホルモン補充療法; LE=下肢; *女性の割合(%)

DVT および PE の臨床症状 下肢DVTの典型的な症状は、発赤、片側性下肢腫脹、疼痛である。それより頻度は低いが、患者は深部静脈に沿った圧痛や、側枝として機能している表在静脈の隆起、血管の拡張、静脈瘤様腫脹、最終的には血栓後症候群(PTS)としても知られる鬱血性潰瘍43

を呈する。PTSの正確な病態生理は分かっていないが、残存する静脈血流障害に起因する静脈性高血圧、あるいはDVT後の弁損傷に続発する静脈弁閉鎖不全の臨床所見であると考えられている43-44。赤血球、フィブリンおよび炎症性メディエータの溢出は、静脈性高血圧の結果引き起こされる45。重度のDVTは下肢に永久的な損傷をもたらす。DVTが記録されている脳神経外科患者の10~17%のみが、静脈血栓症の臨床症状や徴候を呈する31,46。

DVT と比べ、PEによく見られる症状には息切れおよび頻脈があるが、胸骨下や片側に鋭い胸痛を伴うことがあり、それが首、顎、肩や腕に放散することもある。ただし多くの場合、PEの発症前、患者は無症候である。

DVT診断法の選択肢

DVTが疑われる場合、医師は完全な病歴を聴取し、診察を行うが、さらに検査が必要になることもある。DVTの疑いのある患者では、静脈の超音波検査が選択肢となる。PEの疑いのある患者では、コンピューター断層肺血管造影(CTPA)および肺換気血流スキャン(V/Q スキャン)の2つが推奨される画像検査である。感受性の高いバイオマーカーであるDダイマーは、急性DVTの除外に有用であるが、診断確定に必要な特異性に欠けるため、Dダイマー試験が陽性であれば、患者は続けて超音波検査を行うべきである。超音波検査はDVTの優れた非侵襲的スクリーニング方法であるため、依然としてDVTの至適診断基準となっている47。臨床医が可能な限りの診断方法を利用できる試験では、患者の24.3%が静脈造影で、91.4%が超音波でスクリーニングされた48。DVTの検出における超音波検査法の感受性は 98%~100%、特異性は 75%~100%と報告されている46,49-50。

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DVTが疑われる患者の管理における近年の進歩により、診断精度が向上するとともに、管理アルゴリズムがさらに安全で使いやすくなり、標準化も進んだ。これらの診断アルゴリズムは、主として、臨床検査前確率および Dダイマー測定値と、DVTの疑いに対しては圧迫超音波検査(CUS)とコンピューター断層肺血管造影(CTPA)、PEの疑いに対しては肺換気血流(V/Q)スキャンで表わされる画像検査の評価に基づいている。図1に、DVTおよび PEの両方に有効な診断アルゴリズムの1例を示す30。

*図1:静脈血栓塞栓性疾患の診断ストラテジー1)疾患の確率が低い(またはありそうもない)時、感受性の高い D ダイマー検査の陰性結果は DVTまたは PEを除外する。2)D ダイマーの測定は簡単な非侵襲的血液検査であり、疾患の確率が低いかありそうもない患者において、特定のカットオフ値(ほとんどの検査で<500µg/L)を下回る場合、VTEを安全に除外することが可能である。3)DVTが疑われる場合の超音波検査、PEが疑われる場合の CT肺血管造影。4)疾患の確率が高い患者で超音波検査または CTPA が陰性の場合、追加の画像診断法、例えば静脈造影法(DVTの疑い)や肺換気血流シンチグラフィーまたは肺血管造影(PEの疑い)を考慮する 30。

これらの診断アルゴリズムにより、VTEが疑われるほとんどの患者で安全かつコスト効果の高い診断が可能になる。ただし、高齢者や妊婦、VTE既往のある患者など特殊な患者集団における VTEの診断には困難が伴う。例えば、DVT および PEの診断法としての D ダイマー濃度測定は、感受性が低く、測定のタイミングに依存するが28、特に高齢者や妊婦、VTE既往のある50歳未満の患者に当てはまる51。架橋化フィブリンの誘導体であるDダイマーには多くの研究がなされており、従来はDVTおよび肺塞栓症(PE)の両方に関連づけられていた 52。DVT診断用としての Dダイマーの感受性は 96%と報告されているが、特異性の低さ(40%)と陽性的中率(PPV)(48%)の低さを考えると、DVT用のバイオマーカーとしては劣っている 53-54。ただし、正常な血漿Dダイマー濃度は、DVTを除外する検査としての役目を果たす。

圧縮超音波検査法(CUS)もCTPAが禁忌の高齢患者に利用できそうである。PEが疑われる患者では、近位DVTの存在はPEを強く予測させるため、PE診断においてはさらに胸部造影をしなくとも決定的である55。

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V/Qスキャンの限界は、主として、確定診断に結びつかない結果が出る割合であり、それは年齢とともに増加する(40歳未満の患者で32%、80歳を超える患者で58%)51。このように、V/Qスキャンの結果は、疾患の可能性、DダイマーおよびCUSと合わせて解釈する必要があり、安全にPEを除外するために後者を1週間間隔で繰り返し検査することがある56。

PEの至適検査法である肺血管造影に代わるものとして、プラナー肺血流・換気(V/Q)スキャンおよび SPECT(単一光子放射型コンピュータ断層撮影法)が開発されたが57、検査結果が非決定的である割合が高いことと、更なる造影検査が必要になる回数が多いという限界がある。これまでに発表された試験において、技術的に未熟な検査結果の割合が高いことと総合的な感受性が劣ることが報告されている58-59。この診断法は、CTPAが禁忌(造影剤腎症、アレルギーのため)である患者や妊婦において有用と言えるかもしれない。

画像診断法の可用性が広がったことから、VTEを過剰に疑うことが起こり得る。臨床的にDVT が疑われる患者の 20%のみが、DVT を有すると判明している 60。DVTおよび PEを調べる標準的なアプローチは、臨床症状に基づいている。標準化されたアプローチが存在しないため、報告されているDVT発生率は、医師がどれほど懸命かつ頻繁にこれらのイベントを見つけようとするかに左右されかねない。監視バイアスとは、選択バイアスまたは情報バイアスの一種で、(超音波や画像法への)曝露の結果、曝露した患者で(DVT の)検出確率が高くなり得るときに起こる15。DVTの診断をより特異的なものにし、非効率的な画像診断を減らすためのガイドラインが、いくつかの機関で策定されている。米国内科学会および米国家庭医学会を始めとする学会により、検査前確率を確立するための臨床的判断の規範が推奨されている 61。

治療法

危篤患者ではVTE発症のリスクが高いため、DVTとそれに続発するPEを治療するよりも予防するほうがコスト効果が高い7,53,62-63。この高リスク患者のための標準治療として、よく構成された血栓症予防のプログラムがあれば、DVTおよび PEの発生率は劇的に低下するであろうし、多数の人命が救われ、医療に費やすエネルギーと費用が節約できるであろう64。VTE の予防法がなければ、DVT 発生率は 13~50%である 65-66。待期的な一般的手術を受ける 40 歳以上の患者の 3 人に 1 人が DVTを発症することも示されている5,9,37。一般 MICUの患者100人における試験では、61%がDVT予防法を受け、DVT発生率は 16%であった61。

DVT予防の基本原則は、静脈滞留の予防、静脈還流の促進、抗凝固である。血栓症予防には、薬物的、機械的という2つの基本的方法を用いて着手するが、それらは単独でも併用でも使用できる。

未分画ヘパリン(UFH)または低分子ヘパリン(LMWH)を用いる薬物的予防法は、内科および外科患者、危篤患者において、大出血やICUでの死亡率を増加させることなくDVT およびPEの発生率を低下させることが実証されている67。過去数十年にわたり、VTE予防法はICUにおける標準予防措置となってきた。しかし、5.1~15.5%という高い失敗率が報告されている68-69。この失敗率は、抗凝固療法にも関わらず、危篤患者におけるVTEの高いリスクを際立たせている。内科・外科ICUの患者261人における前向きコホート試験では、5,000単位のUFHが1日2回皮下投与され、患者の9.6%が入院期間中に DVT を発症した。DVT の患者では、人工呼吸器を受ける期間、ICU 入院期間、そして入院期間が、非

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DVT患者に比べて著しく長かった70。米国のICU成人患者に対して最近行われた観察試験では、294,896例の重症疾患エピソードが含まれ、予防的抗凝固療法を受けた患者群の死亡リスクが VTE予防法を施行しなかった患者群に比べ有意に低下したことが報告されている71。危篤患者においては、有効性に優れ、かつヘパリン起因性血小板減少症の可能性が低いことが実証されているため、LMWHが望ましい薬剤となっている。患者が腎機能障害を有する場合は、UFHが代替薬となりうる 72-73。

高リスク患者には、機械的な予防法、すなわち段階式着圧靴下(GCS)や間欠的空気圧迫装置(IPC)の使用を考慮する必要がある。ICU患者において、機械的予防法を何ら行わない場合に比べ、IPCがVTE発生率を低下させることが試験により示されているが、他の予防ストラテジーと比べた GCSの有効性についてはあまり知られていない 74-75。

高リスク患者には、IVCフィルターと呼ばれる徹底的な予防的治療を考慮してもよい。 IVC(下大静脈)フィルターは、抗凝固薬が絶対禁忌で、活動性のDVT患者、またはフィルター挿入予定の IVC 部位より下に血栓の徴候があるような PE を有する患者が適応である。IVCフィルターは、PEを予防するための DVT後の検出にも使用できる。

臨床の場では、VTE予防法を施行する割合は様々であり、施行が不十分な医療機関もあるかもしれない。最近の試験では、内科ICUでの予防法施行率が 33%であることが示唆されている76。これに対し、内科・外科 ICUでの予防法施行率は 63~86%と報告されている77-78。外科ICUでの予防法施行率は 86.7%である32。予防法施行率が低いのは、出血に対する懸念と、危篤患者におけるVTEのリスクが低いと医師の大半が認識している(そしておそらく過小評価している)ことに原因がある。

あるメタ分析では、ヘパリンによる予防法をプラセボと比較した場合、薬物的予防法が大出血のリスクを増大させるというエビデンスは見つからなかった67。静脈血栓症国際医療予防レジストリー(IMPROVE)に登録された1件の大規模な観察研究では、急性期の内科患者において院内出血リスクの評価が行われた。その結果、ヘパリンによる予防法が高出血リスクに関連しないことが示された79。服薬遵守を向上させるストラテジーとして、医師の継続教育が挙げられる。下図はVTE予防法のディシジョン・ツリーである 80。

米国胸部専門医学会(ACCP)のエビデンスに基づく臨床診療ガイドラインでは、危篤患者への予防法として、予防措置なし 81(グレード2B)、IPCの併用(グレード2C)、抗凝固薬が禁忌の患者でIPCと着圧靴下の併用(グレード1C+)、リハビリ期間中のLMWH療法またはビタミンK拮抗薬の経口投与(グレード 1C)よりも、LMWHまたは

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低用量UFHを推奨している。さらに、治療を72時間以内に開始した場合、UFH5000単位を8時間ごとに投与された患者と、LMWH30mgを12時間ごとに投与された患者の間で、DVTおよび出血性合併症の発生率に差は見られなかった 82。

神経救急・集中治療(Neurocritical Care)における静脈血栓塞栓症の予防法に関する指針

前述のように、VTEは脳神経外科および神経内科の患者によく見られる問題である14-16。そのため、脊髄損傷、脳腫瘍、くも膜下出血、外傷性脳損傷、脳卒中の患者や、脳神経外科手術を受ける患者など、DVTおよび PE の大きなリスクにさらされる患者においては、神経救急・集中治療患者のVTE予防法はさらに重要である。Neurocritical Care Society(NCS:米国神経救急・集中治療学会)および米国集中治療医学会(SCCM)では、神経内科/脳神経外科疾患と診断された成人 ICU患者における VTE 予防法について、科学的根拠に基づくガイドラインを発表している 154。

外傷性脳損傷患者における VTE の予防法

TBI患者は、長時間の不動状態および凝固亢進状態のため、DVTおよび PEを含めたVTE の発症リスクが増大する83-84。従って、TBI患者においては、VTEに対する早期の予防法の施行が必要である85。機械的または薬理学的血栓予防法(PTP)を施行しなか った重度の頭部外傷患者では、VTEの発生率は 54%にも達すると思われる 86。しかし、頭蓋内血腫(ICH)が拡大する可能性のある PTPと VTE のリスクのをバランスをとることは難しい。TBIの患者が均質ではないことと、外傷前に抗凝固剤を使用していた場合、 TBI患者の管理に関して意見がさらに分かれることから、既刊文献でも見解は一致していない。ICH進展のリスクの高い患者に対し医師が PTP施行を遅らせる傾向のある臨床現場では、選択バイアスも存在する。

TBI後の抗凝固療法の効果とリスクに関して Shen らが最近実施したメタデータ分析は、 1026 件の個別の研究を精査したものであるが、その大半は観察研究であった 87。そのうちTBI後抗凝固療法の結果について完全な情報を含んでいたのは 23件のみであった。この分析の結果、TBI 患者が均質ではないことと、患者の VTE 発症リスクおよび既存外傷の進展リスクに基づいて抗凝固療法に関するガイドラインを作成する必要性が示唆された。ICH進展のリスクを評価する上で、通例、出血の安定性が重要な基準と考えられている。Levyらの研究では、出血パターンの安定を確認することの重要性が強調され、入院から24時間後の CT画像が安定している患者において PTPが安全であることが示された 88。これらの研究により、新規の出血を起こしたり、既存の出血が進行するリスクが低い TBI患者において、PTPが安全であることが示された。TBI患者が外傷から24時間以内に早くもVTEを発症しうることは、以前から示されていた88-89。従って、予防的抗凝固療法を早期に開始して VTE 発症を防ぐことには有用性がある。Reiffらは、TBIに対し、24時間以内、24~48時間以内、48時間超経過後のPTP施行の比較を行った。彼らにより、DVT発生率が、PTPを24時間以内に施行した場合の3.6%から、48時間以上経過後には 15.4%に上昇することが見出された 90。TBIに対する PTPのタイミングに関するもう 1件の系統的精査およびメタ分析の報告によると、PTPを早期に開始した TBI患者では、ICHの進展に影響を与えることなく、VTE発症リスクがほぼ半減したことが示された91。この研究では、事後CT画像が安定している状態で PTPを 72時間以内に開始することを推奨している。

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臨床現場という状況においては、多くの病院で PTPが TBI患者の標準管理に取り入れられている。例を挙げると、ピッツバーグ大学メディカルセンター(UPMC)の重症外傷性脳損傷患者の入院時標準プロトコールには、エノキサパリン30mgを12時間毎に皮下投与することが含まれている155。本剤は入院から48時間後に開始する。

TBI患者に予防的抗凝固療法を施行する際に、頭蓋内出血および全身性出血のリスクが従来から大きな懸念事項となっていた87,92。しかし、血液凝固が正常で、かつ頭蓋内出血パターンが安定している患者においては、予防的抗凝固療法が安全にVTE発生率を低下させることが、複数の試験により示された93-95。

血管内体温管理

患者体温フィードバック調節を使用した低体温療法は、ICUにおいて、幅広い脳神経損傷(心停止、急性虚血性脳梗塞、脳外傷、頭蓋内圧低下など)の患者にルーチンで使用されるようになった。低体温療法は目標体温管理(TTM)とも呼ばれる。多様な臨床試験から有望な結果が得られている低体温療法は、いくつかの重症疾患の病態に対する有効な手段としての認識がますます高まってきている。低体温療法は、院外心停止後に自己心拍再開ができたものの昏睡状態が続いている患者や、新生児低酸素性虚血性脳症の新生児における蘇生後治療として、推奨度が現在クラスIとなっている96-97。低体温療法は、頭蓋内圧亢進の発生率の著しい低下にも関連している 98-102。

新生児低酸素性虚血後や脳外傷後に起きた心停止蘇生後の低体温症における複数の試験はすべて、目標体温により早く達すれば、低体温療法が既に実証されているよりもさらに有用となる可能性を示唆している 96,103。心停止、脳卒中、脳外傷患者の発見、蘇生、搬送が遅れるのは避けられないことを考えると、低体温療法を開始する時点までに、既に著しい二次性脳損傷が起きていることは大いにあり得る。患者の目標体温までの冷却が早ければ早いほど、患者がこの療法から得られるメリットが大きくなる可能性が高い 104-106。目標体温の精密な管理により脳神経の転帰が改善できると実証されていることが重要である 107。冷却ブランケット、アイスパック、ゲルパッド、その他の外的方法は、臨床的に非効率的で人手がかかり過ぎ、絶え間ない医療ケアを要する危篤患者に近づく妨げとなる 108-109。アイスパックと冷却ブランケットを使用した低体温療法の試験において、目標体温に達したのは患者のわずか 30%であったと Holzerは報告している 110。患者 1,036人で行われたもう 1 件の観察コホート研究でも、同様の結果が報告されている 111。体表冷却に失敗した(目標体温に達しない)のは、患者のほぼ 3分の 1であり、肥満患者および経皮的冠動脈形成術を受けた患者(共に蘇生された患者によく見られる)において失敗率がさらに高かった 111。

皮膚表面冷却に比べ、血管内体温管理(IVTM)システムでは急速に目標体温に達し、患者の深部体温を正確に維持することができる。最近の文献に目標体温(33°C)に達するまでの平均時間が64分であったことが示されたが110、別の試験では、IVTMシステムで冷却された患者の98%が目標体温に維持されたが、これに比べ体表面冷却法の患者では 50%のみであった 112。IVTM は使用が容易であるだけではなく、短期、長期の転帰がともに良好であることが示された 113。

予防的抗凝固薬の使用にもかかわらず、CVCおよび介入カテーテルを挿入されている患者は血栓症になりやすいと一般的に想定されている。臨床の場では、患者の状況によ ってはヘパリンコーティングなしのカテーテルも使用されるが、ヘパリンは抗血栓性で

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あることからカテーテルの親水性コーティングには一般にヘパリンが用いられている。カテーテルのヘパリン結合コーティングが DVT および PE の発生率を低下させ、フィブリンスリーブの形成を抑制することが試験により示されている33,67。高リスクの患者においては、血栓症の予防法をルーチンとして考慮すべきである。

臨床医が低体温療法または発熱管理の施行を考慮する際には、療法のリスクだけでなくベネフィットの可能性も慎重に考慮すべきである。いかなる介入手技も同様に、IVTMでは鎖骨下静脈、内頸静脈経由で上大静脈内に、あるいは大腿静脈経由で IVC 内にカテ ーテルを挿入するため、CVC関連の合併症の可能性がある。しかし、低体温療法の候補と見なされうる患者の大半は、重篤な病状のためにいずれにしても中心静脈アクセスが必要であるため、この可能性は相対的なものである。

DVTの観点から IVTMを施行した症例シリーズ

重度の脳損傷患者および蘇生後の患者の両方において、経大腿静脈IVTMの使用に関連する血栓について論じた文献はほとんどない。この項では、表5に挙げたDVTについて報告している症例シリーズのすべてを検討する。

表 5:DVT を報告する IVTM 症例シリーズ

症例シリーズ 疾患 患者数 Simosa114

TBI(外傷性脳損傷) 10 Furlan115

脊髄損傷 35 Müller116

SAH 43 Reccius117

CA、TBI、ICH、SAH および CI 20 Maze118

CA 61

Lau119

CA 1

Andremont159 CA 89

Simosa114 は、重度脳外傷後の患者における超音波ドプラ検査がとらえた血栓のエビデンスと、大腿カテーテルの使用説明書(IFU)に記載の承認留置時間である最長 日間を超過して4~8日間カテーテルを留置した患者にのみ血栓が認められたことを報告している。この高リスク患者集団では、凝固亢進検査パネルの検査はルーチンでは行われておらず、 DVT 予防法も行われていなかった。DVTの存在が入院期間を長引かせたり、転帰に影響したりすることはなかった。この群において PEの発生は報告されなかった。

多発外傷または脳外傷を負った高リスク患者83人において、深部冷却および加温の両方の目的でIVTMを施行した別の試験では120、IVC血栓の患者5人を含む10人に血栓が認められた。患者は抗凝固療法または予防用IVCフィルターのいずれかによる治療を受けていた。ここで報告されている患者集団には DVTのリスクが高く、DVT予防法を受けた者はいなかった。この DVT 群は、全体と比較して外傷重要度スコアが高かった(33に対し 21、p=0.039)。このことから、外傷の重要度がDVTの形成に寄与することが示唆された。試験対象集団の60%が予防的IVCフィルターを挿入されており、同集団においてDVTのリスクが高いことも意味している。

これに加え、FurlanらのデータもIVTM患者集団におけるDVT発生率が低かったことを示している115。同試験では、脊髄を完全に損傷した患者35人が IVTMによる冷却を受け、1年後の経過観察で、43%で少なくとも1グレードのASAスコア改善が見られた

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(過去のデータ 26%と比較した場合)。DVTおよび DVT予防法の可能性を評価するため、患者全員が超音波検査を受けた。2 件の DVT(1 つは鎖骨下静脈で見られ、大腿カテ ーテルとの関連はなし)、2件のPE、下大静脈に1件の血栓という5件の事象が観察された。これらのうち3件の事象のみが冷却用カテーテルに関連していた(PE2件、鎖骨下静脈外の DVT1 件)。Lovenox の投与を受けた最初の患者 14人は DVTを発症せず、すべての DVTは、その後、病院全体で行った変更として Fragminを投与された患者に見られたと、著者は述べている。脊髄損傷後のDVTおよびPEの発生率は様々で、43%にも達したと報告された17。別の DVT予防薬への変更にも関わらず、IVTMの使用による全体的なDVT発生率は8.6%(3/35)と、既刊データに比べ予想よりはるかに低かった121。

さらに、発熱管理または低体温療法のためにIVTMを施行された重度のくも膜下出血(SAH)患者 43人において、カルテの遡及的検討を行った結果が報告されている 116。合計 16人の患者で、超音波検査とCTスキャンにより DVT(N=11)および PE(N=5)が確認された。PEは発熱の治療を受けている患者でより高頻度で発生する傾向があったが、統計的有意差はなかった。血栓症発症の中央値は15日目であった。IVTM 群の患者では、Hunt and Hess(ハントとヘス)の重症度分類のグレードが標準 CVC患者と比べ高かった(3.6 に対し2.5、p< 0.001)。血栓塞栓性事象の発生率が高いのは、重症SAH集団の炎症反応とカテーテル留置期間が長いことが原因である可能性がある。また、同試験に使用した冷却用カテーテルには、共有結合させたヘパリンコーティングがなかった。IVTMによる転帰の改善というベネフィットがDVTリスクを補って余りあるため、SAH患者の管理に医療機関がIVTMカテーテルの使用を継続することが重要である。 IVTM および CVC 患者集団における DVT発生率を評価するため、少数の試験がデザインされた。Recciusらの文献では、ICU内の危篤患者集団におけるIVTMの使用に関連し、侵襲的な大静脈造影法および超音波検査法という感受性の高い2種類の方法で下大静脈の血栓を検出するという目的で行った患者 20 人の試験について述べられている 117。この患者集団は、重度の脳外傷、心停止、脳内出血、急性虚血性脳卒中、動脈瘤性くも膜下出血といった原疾患を有し、静脈血栓症のリスクが高かった。これらの患者 20人のいずれにも DVT の臨床的エビデンスは報告されておらず、血行動態に著しく影響するような狭窄を形成した血栓がなかったことに注目すべきである。

患者20人のうち18人のIVCに、侵襲的大静脈造影法により臨床的に無症候な血栓が認められたという結果が示されたが、最新文献にはこの方法で検出される血栓の発生率が示されておらず、比較はできない。超音波検査法の使用により患者20人のうち3人のみに血栓が確認されたが、これはCVC留置の危篤患者集団において報告されたDVT発生率と同等である31。この症例シリーズでは肺塞栓症は認められなかった。また、同試験中、患者の大半において、カテーテルの留置期間が使用カテーテルのIFUで認められた留置時間である4日間を超えていた。患者全員に機械的DVT予報措置が講じられていたが、脳出血のリスクがより高いと考えられたため、脳神経系患者集団においてはLMWH予防法は行われなかった。

同試験の治験責任医師との直接のやりとりによると、試験の結果、試験実施施設では2011 年版ガイドラインに準じた DVT 予防法を早めに施行するなど、患者ケアの方法が改善されていた122。さらに、同施設では、IVTMによる転帰の改善というベネフィットがDVTリスクを補って余りあることから、冠動脈カテーテル留置術を施行される心停止蘇生後患者

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の 100%に IVTM の使用が継続されている。また、同施設のプロトコールでは、血栓症のリスクを低下させるため、カテーテル留置術施行中はヘパリン、アスピリン、クロピドグレルを投与することになっている。同施設では、肥満の神経疾患患者の管理にもIVTMも使用している。

2つ目の試験では、DVT予防法施行患者のDVT発生率が報告されている118。この後向きコホート試験118 では、患者61人のうち 41人が DVT予防法(ヘパリン皮下投与)を施行され、20人がUFH を投与された。患者全員が、症状の有無に関わらず、超音波検査法または静脈造影法による DVTのスクリーニングを受けた。予防的用量のヘパリン投与を受けた患者 9人にカテーテル関連血栓症が認められた(患者 2人に DVT、7人にIVC血栓症)。カテーテルに血栓が見られた患者2人は症候性 PE を発症し、コンピュータ断層撮影で確認された。ヘパリンの総量を投与された群ではDVTは認められず、出血性合併症も増加しなかった。同試験では、試験群間で症候性事象における差はなかった(UFH投与群で 20例中 0例、ヘパリン皮下投与群で41例中 3例、p=0.54)。同試験に使用したカテーテルには、共有結合させたヘパリンのコーティングはなかった。低体温療法(TH)施行の心停止生還者は、炎症が起こりやすい生理学的状態にあり、無意識状態のため不動であることから、合併症の高リスク患者である。皮下投与ヘパリンかUFHかの選定は、出血と血栓の両方のリスクバランスに依存する。同試験では、UFH 群で出血の明らかな増加が見られなかったことから、カテーテル関連血栓症(CRT)のリスクは否定された。同施設では、院内標準治療として、心停止蘇生後患者を33℃まで冷却するためにIVTMの使用を継続している。

心停止蘇生後にIVTMカテーテル留置を受けた1症例についてLauらの報告もある119。この患者には薬物およびアルコール乱用歴があり、特発性心室細動から蘇生後の昏睡状態で入院した後に TH が開始された。TH開始後 15 日目に、患者のカテーテル留置部位の付近に右大腿静脈血栓症が見つかった。IVC血栓症が冷却用カテーテルもたらした結果であるかどうかは不明である、と著者らは述べている 119。 Andremontらは、標準CVC(コントロール群)と比較したIVTMカテーテルに起因する合併症の発生を報告している159。この試験では、1箇所の病院で 2012年 8月から 2014年 11月までにTTMを必要とした患者からデータが収集され、超音波検査法によって確認された血管挿入部位または下大静脈のいずれかにおける血栓の存在によってDVTが定義された。IVTM カテーテルによる治療を受けた患者は、コントロール群の患者よりDVTの発生率が高いことが判明した(89人のうち 15人(17%)対 512人のうち 21人(4%))。著者らは、3人の患者がPEを発症したことも報告している。ただし、これは標準治療手順で確認されたものではない。コントロール群の患者の心停止(著者達が言及しているように、起こりうる心機能異常や循環による血栓合併症の増加という状態)の発生がなかった、ことは重要である。これらすべての患者に対して日常的な超音波検査が行われていなかったことから、コントロール群においてDVTが綿密に検査されたのかも不明確である。一例として、コントロール群における無症候な血栓に関する説明がない。さらに、この試験で使用されたいずれの IVTMカテーテルもカテーテルコーティングにヘパリンが含まれていなかった。 血管内体温管理における DVT発生率

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非心停止、心停止蘇生後にIVTMを施行した患者におけるDVT/VCT、PEの発生率を、それぞれ表 6および 7にまとめた。いずれの試験においても PE による死亡例が全くなか ったことは、留意すべき点である。

表 6:非心停止患者集団における IVTM シリーズ 疾患 患者数 評価法 DVT/VCT(%) PE (%) Simosa114

TBI(外傷性脳損傷) 10 超音波 5 0 Keller123

SAH 90 臨床所見 0 0 Diringer124

TBI、SAH、ICH、CI

154 臨床所見 1 0

Horn125 重度脳卒中 20 臨床所見 1 0

Levi121 脊髄損傷 35 超音波/CT 3 2 Hoedemaekers112

TBI(外傷性脳損傷) 5 臨床所見 0 0 Taylor E126

多発外傷 12 臨床所見 0 0 Sahuquillo127

TBI(外傷性脳損傷) 24 超音波 1 0 Allen128

OPCAB 38 臨床所見 0 0 Müller116

SAH 43 超音波 11 5 David129 重度熱傷 23 臨床所見 0 0 Fischer130

TBI(外傷性脳損傷) 6 臨床所見 0 0 Prunet131

重度熱傷 4 超音波 0 0 Puccio98

TBI(外傷性脳損傷) 21 臨床所見 0 0 Georgiadis132

脳卒中 6 臨床所見 0 0 Guluma133 脳卒中 10 臨床所見 0 0 Gierman120

多発外傷、TBI 83 大静脈造影または

血管内超音波検査 10 0

Hinz134 SAH、TBI 13 臨床所見 0 0 Broessner135

SAH、脳卒中 102 臨床所見 0 0 Reccius117

TBI、ICH、SAH および CI

14 大静脈造影または

血管内超音波検査 14 0

合計 713 36 7 DVT 発生率 5% 1%

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表 7:心停止蘇生後患者集団における IVTM シリーズ 疾患 患者数 評価法 DVT/VCT(%

) PE (%)

Pichon107 CA 40 超音波 0 0

Bruel62 CA 33 臨床所見 0 0

Flemming136 CA 31 臨床所見 0 0 Lopez-de-Sa137 CA 36 超音波 1 1 Tømte138

CA 72 臨床所見 0 0 Hoedemaekers112

CA 5 臨床所見 0 0 Lundbye139

電気ショック非適応 CA 52 臨床所見 0 Sunde140

CA 29 臨床所見 0 0 Arrich141

CA 347 臨床所見 0 0 Feuchtl142

CA 19 臨床所見 0 0 Holzer143

CA 97 臨床所見 0 0 Grimes144

CA 38 臨床所見 0 0 Patel63

CA 115 臨床所見 0 0 Maze R118

CA 61 心エコー検査 9 1 Waard145

CA 97 臨床所見 0 0 Lau119

CA 1 静脈造影 1 0 Pittl146

CA 40 臨床所見 0 0 Kozinski147

CA 32 臨床所見 0 0 Zobel148

心原性ショック 20 臨床所見 0 0 Deye109 CA 203 臨床所見 0 0 Reccius117

CA 6 超音波および

大静脈造影法 4 0

Nielsen149 CA 228 臨床所見 0 0

Look157 CA 23 臨床所見 0 0 Sonder158 CA 48 臨床所見 0 0 Andremont159 CA 89 超音波 15 3 合計 1,756 30 5 DVT 発生率 1.7% 0.28%

体表冷却と IVTM を比較した無作為化対照試験(RCT)における DVT発生率

体表冷却を IVTMと比較した 2件の多施設共同・無作為化対照試験において、IVTMカテ ーテルが DVT発生率の増加には関連しないことが示されている 109,124。Diringerらの試験では、脳神経科 ICU患者(TBI、SAH、ICH、および脳卒中)296人が、ZOLL製 IVTMカテーテルによる発熱管理または標準 CVCによる体表冷却に 1:1の割合で無作為に割り付けられた 124。その結果、IVTM群では体表冷却群に比べ発熱負荷が 64%低減されたことと、DVT発生率に両群で差がなかったことが示された 124。Deyeらにより、もう1件の無作為化対照試験が心停止蘇生後患者 400人に対して実施され、ZOLL製 IVTM大腿カテーテル、または体表冷却と CVC併用のいずれかにより治療的低体温が誘発された。同試験の結果、IVTM群において長期の神経学的転帰の改善と、看護作業負荷の 74%削減が得られたのみならず、標準 CVCに比べ DVT発生率に差はなかった109。

また、患者247人を対象とした2件の単一施設無作為化試験(Tomte&Pittl)138,146では、ZOLL製 IVTMを Bard Arctic Sunシステムを使用した体表冷却と比較した結果、両群でDVTおよび PEの発生率に差はなかった。

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体表冷却装置を使用したときのDVT発生率 危篤患者または蘇生患者における体表冷却法による体温管理の試験から得られたDVTに関する結果は、DVT発生率が報告されていない試験が数多くあるために、一貫性がなく過小報告されている。このような試験の対象患者は、薬剤投与のためと、末梢血管が収縮しているため中心静脈から採血できるように、全員が標準CVC留置を受けていた 150。心停止蘇生後患者において、体表冷却装置であるArctic SunとBlanketrolを比較した無作為化臨床試験では、DVT 発生率が 3%と示された 151。もう 1 件の試験では、神経科 ICU患者 40人にArctic SunおよびBlanketrolを使用した発熱管理を実施した結果、DVT発生率が 15%であった 152。

公表文献のまとめから、IVTMを使用した場合、総発生率がDVT(2.2%)およびPE (0.39%)と低いことが示された。IVTM施行の脳神経外科患者において、DVTおよびPE 発生率は心停止蘇生後患者より高かった(DVTでは5.0%に対し0.94%、PEでは1.0%に対し0.13%)。しかしこれらの数値は共に、既に発表されているDVTおよびPE発生率(脳神経外科患者で19~50%、標準CVC患者で8.5~26.2%)を下回っていた。IVTMを用いた場合のDVT発生率が低いことについて考えられる理由として、留置時間が短いこと、ならびに大半の医療施設で危篤患者に DVT予防法を施行していることが挙げられる。

製品使用調査データ 製造業者の社内苦情データベースを基にしたIVTMカテーテルの市販後調査では、2009年5月から2017年12月までに販売されたカテーテル252,000本のうちDVTが発生したのは86本という発生率(0.034%)が示されている153。医療機関からの苦情が過小報告されている可能性はあるものの、過小報告された発生率が実際の割合の100分の1であったとしても、表 5および 6で報告された IVTM患者のDVT発生率は1~5%未満を示すであろう。

結論 ICUに収容された危篤患者は、傷害後の炎症 7 状態、凝固異常、不動状態、カテーテル留置が主な原因で DVTを発症しやすい。医療機関は、薬物的方法および機械的方法を含めた DVT予防ガイドラインに従う必要がある。これらの予防措置を取り入れた標準プロトコールを医療機関で実施していることが、DVT発生率の低下に貢献してきた可能性がある。重要なことに、大腿静脈に留置した ZOLL製 IVTM冷却用カテーテルを使用する低体温療法は、DVTおよび PE 発生率の増加に関連していない。4件の無作為化対照試験(多施設共同 2件、単一施設 2件)が合計 943人の患者に対して実施された結果、ZOLL製 IVTMカテーテルと標準 CVC を比べた場合に DVT 発生率に差がないことが示された 109,124。IVTM を用いて冷却した患者を中心静脈ラインを留置した一般の危篤患者と比較した場合、DVTおよび PE発生率に差はない。従って、危篤患者に IVTMを使用するベネフィットは、DVTおよび PEの潜在的リスクを上回っている。

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表 1.血栓塞栓症および神経疾患(神経外科患者集団)17

シリーズ 患者番号 評価法 DVT (%)

PE (%)

PE 死亡

率 (%)

一般神経外科患者集団 Wetzel et al, 1960 599 剖検 該当せず 3 Joffe, 1975 23 I-フィブリノーゲン 43 0 0 Turpie et al, 1977 63 I-フィブリノーゲン 19.1 0 0 Cerrato et al, 1978 50 I-フィブリノーゲン 34 Skillman et al, 1978 48 I-フィブリノーゲン 25 4.2 50 Turpie et al, 1979 96 I-フィブリノーゲン 20.8 0 0 Valladares et al, 1980 100 I-フィブリノーゲン 29 1 0 Zelikovski et al, 1981 20 I-フィブリノーゲン 50 5 100 Mark et al, 1986 101 剖検 該当せず 24.8

頭部外傷 Kaufman et al, 1983 23 I-フィブリノーゲン 20

くも膜下出血 Black et al, 1985 56 ドプラ検査 18

脳腫瘍 Brisman and Mendell, 1973 238 剖検 該当せず 8.4 Kayser-Gatchalian and Kayser, 1975

334 剖検 27.5

Sawaya et al, 1989 46 I-フィブリノーゲン 45 *DVT=深部静脈血栓症; PE=肺塞栓症; Mort=死亡率; PEは剖検にふるい分けられた場合を除き、臨床的に診断された。

表 2.脳卒中患者における血栓塞栓症 17

シリーズ 患者番号 評価法 DVT (%)

PE (%)

PE 死亡率 (%)

Warlow et al, 1972 30 I-フィブリノーゲン 60 13 25 Denham et al, 1973 47 I-フィブリノーゲン 46.8 Warlow et al, 1976 76 I-フィブリノーゲン 53 15.8 71 Warlow et al, 1976 15 I-フィブリノーゲン 53 Wetzel et al, 1976 26 I-フィブリノーゲン 50 3.8 0 Wetzel et al, 1977 16 I-フィブリノーゲン 75 Miyamoto and Miller, 1980 141 I-フィブリノーゲン 29 0** 0 Bounds et al, 1981 100 剖検 13 McCarthy and Turner, 1986 161 I-フィブリノーゲン 72.2 19.8 100 Turpie et al, 1987 25 I-フィブリノーゲン 28 8 0 Bornstein and Norris, 1988 49 I-フィブリノーゲンおよび IPG 22.5 2 0 Scmidt et al, 1988 1538 臨床所見 7.1

(最初の 3週間に 573 死亡例 13.6) (3 週目以降 7 年目に 596 死亡例

5.2)

Landi et al, 1992 70 I-フィブリノーゲンおよびドプラ検査

28.6 11.4 40

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表 3.脊髄損傷患者における血栓塞栓症 17

シリーズ 患者番号 評価法 DVT

(%)

PE (%

)

PE 死亡率 (%)

脊髄損傷 Wetzel et al, 1954 99 静脈造影 58.6 Philipps, 1963 25 静脈造影 12 Tribe, 1963 28 剖検 21.4 Todd et al, 1976 20 I-フィブリノーゲン 10 Brach et al, 1977 10 I-フィブリノーゲン 70 10 0 Perkash et al, 1978 50 I-フィブリノーゲン 16 8 50 Rossi et al, 1980 18 I-フィブリノーゲン 72 Frisbie and Sasahara, 1981 17 IPG 5.9 Myllynen et al, 1985 23 I-フィブリノーゲン 100 9 0 Mark et al, 1986 101 剖検 24.8 Merli et al, 1988 17 I-フィブリノーゲン 47 DeVivo et al, 1989 459 臨床所見 9 Myllynen et al, 1989 54 臨床所見 13 42.8 Petaja et al, 1989 9 I-フィブリノーゲン 67 Yelnik et al, 1991 127 静脈造影 22.8 0.8** 0

脊髄損傷のない脊椎骨折 Myllynen et al, 1985 14 I-フィブリノーゲン 0 0 0 Petaja et al, 1989 12 I-フィブリノーゲン 8.3

*DVT=深部静脈血栓症; PE=肺塞栓症; Mort=死亡率; IPG=インピーダンスプレスチモグラフィー; PEは剖検にふるい分けられた場合を除き、臨床的に診断された。 **試験のこの部分では、DVT が実証された患者全員に PE予防のための抗凝固療法が施行された。