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2008 8 月改訂(第 4 版) 2007 5 月改訂(第 7 版)の添付文書の記載に基づき作成した。 日本標準商品分類番号 872123 医薬品インタビューフォーム 日本病院薬剤師会のIF記載要領(1998 9 月)に準拠して作成 β-遮断剤 アイデイトロール R 10 AIDEITOROL10 (プロプラノロール塩酸塩錠) 劇薬、指定医薬品、 処方せん医薬品(注意-医師等の処方せんにより使用すること) 白色の片面割線入り錠剤 規格・含量 1錠中プロプラノロール塩酸塩10mgを含有する。 和名:プロプラノロール塩酸塩 洋名:Propranolol Hydrochloride 製造承認年月日 薬価基準収載 販売年月日 製造承認年月日:1978 年 10 月 13 日 薬価基準収載年月日:1981 年 9 月 1 日 販売年月日:1981 年 9 月 1 日 開発・製造 輸入・販売・提携 製造販売元:鶴原製薬株式会社 担当者の連絡先

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2008 年 8 月改訂(第 4 版)

2007 年 5 月改訂(第 7 版)の添付文書の記載に基づき作成した。

日本標準商品分類番号 872123

医薬品インタビューフォーム 日本病院薬剤師会のIF記載要領(1998 年 9 月)に準拠して作成

β-遮断剤

アイデイトロール○R 10 AIDEITOROL10

(プロプラノロール塩酸塩錠)

劇薬、指定医薬品、

処方せん医薬品(注意-医師等の処方せんにより使用すること)

剤 形 白色の片面割線入り錠剤

規格・含量 1錠中プロプラノロール塩酸塩10mgを含有する。

一 般 名 和名:プロプラノロール塩酸塩

洋名:Propranolol Hydrochloride

製造承認年月日

薬価基準収載

販売年月日

製造承認年月日:1978 年 10 月 13 日

薬価基準収載年月日:1981 年 9 月 1 日

販売年月日:1981 年 9 月 1 日

開発・製造 輸入・販売・提携

販 売 会 社 名

製造販売元:鶴原製薬株式会社

担当者の連絡先

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IF利用の手引きの概要―日本病院薬剤師会― 1.医薬品インタビューフォーム作成の経緯

当該医薬品について製薬企業の医薬情報担当者(以下、MRと略す)等にインタビ

ューし、当該医薬品の評価を行うのに必要な医薬品情報源として使われていたイン

タビューフォームを、昭和63年日本病院薬剤師会(以下、日病薬と略す)学術第

2小委員会が「医薬品インタビューフォーム」(以下、IFと略す)として位置付

けを明確化し、その記載様式を策定した。そして、平成10年日病薬学術第3小委

員会によって新たな位置付けとIF記載要領が策定された。 2.IFとは

IFは「医療用医薬品添付文書等の情報を補完し、薬剤師等の医療従事者にとって

日常業務に必用な医薬品の適正使用や評価のための情報あるいは薬剤情報提供の

裏付けとなる情報等が集約された総合的な医薬品解説書として、日病薬が記載要領

を策定し、薬剤師等のために当該医薬品の製薬企業に作成及び提供を依頼している

学術資料」と位置付けられる。 しかし、薬事法の規制や製薬企業の機密等に関わる情報、製薬企業の製剤意図に反

した情報及び薬剤師自らが評価・判断・提供すべき事項等はIFの記載事項とはな

らない。 3.IFの様式・作成・発行

規格はA4判、横書きとし、原則として9ポイント以上の字体で記載し、印刷は一

色刷りとする。表紙の記載項目は統一し、原則として製剤の投与経路別に作成する。

IFは日病薬が策定した「IF記載要領」に従って記載するが、本IF記載要領は、

平成11年1月以降に承認された新医薬品から適用となり、既発売品については

「IF記載要領」による作成・提供が強制されるものではない。また、再審査及び

再評価(臨床試験実施による)がなされた時点ならびに適応症の拡大等がなされ、

記載内容が大きく異なる場合にはIFが改定・発行される。 4.IFの利用にあたって

IF策定の原点を踏まえ、MRへのインタビュー、自己調査のデータを加えてIF

の内容を充実させ、IFの利用性を高めておく必要がある。 MRへのインタビューで調査・補足する項目として、開発の経緯、製剤的特徴、薬

理作用、臨床成績、非臨床試験等の項目が挙げられる。また、随時改定される使用

上の注意等に関する事項に関しては、当該医薬品の製薬企業の協力のもと、医療用

医薬品添付文書、お知らせ文書、緊急安全性情報、Drug Safety Update(医薬品安

全対策情報)等により薬剤師等自らが加筆、整備する。そのための参考として、表

紙の下段にIF作成の基となった添付文書の作成又は改訂年月を記載している。な

お適正使用や安全確保の点から記載されている「臨床成績」や「主な外国での発売

状況」に関する項目等には承認外の用法・用量、効能・効果が記載されている場合

があり、その取扱いには慎重を有する。

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目 次 Ⅰ.概要に関する項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 1.開発の経緯 2.製品の特徴及び有効性 Ⅱ.名称に関する項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 1.販売名 2.一般名 3.構造式又は示性式 4.分子式及び分子量 5.化学名(命名法) 6.慣用名、別名、略号、略号番号 7.CAS登録番号 Ⅲ.有効成分に関する項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 1.有効成分の規制区分 2.物理化学的性質 3.有効成分の各種条件下における安定性 4.有効成分の確認試験法 5.有効成分の定量法 Ⅳ.製剤に関する項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 1.剤 形 2.製剤の組成 3.製剤の各種条件下における安定性 4.混入する可能性のある夾雑物 5.溶出試験 6.生物学的試験 7.製剤中の有効成分の確認試験法 8.製剤中の有効成分の定量法 9.力価 10.容器の材質 11.その他 Ⅴ.治療に関する項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 1.効能又は効果 2.用法及び用量 Ⅵ.薬効薬理に関する項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 1.薬理学的に関連ある化合物又は化合物群 2.薬理作用 Ⅶ.薬物動態に関する項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 1.生物学的同等性

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Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 1.警告内容とその理由 2.禁忌内容とその理由 3.効能・効果に関連する使用上の注意とその理由 4.用法・用量に関連する使用上の注意とその理由 5.慎重投与内容とその理由 6.重要な基本的注意とその理由及び処置方法 7.相互作用 8.副作用 9.高齢者への投与 10.妊婦、産婦、授乳婦等への投与 11.小児等への投与 12.臨床検査結果に及ぼす影響 13.過量投与 14.適用上及び薬剤交付時の注意(患者等に留意すべき必須事項等) 15.その他の注意 16.その他 Ⅸ.非臨床試験に関する項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 1.一般薬理 2.毒性 Ⅹ.取扱い上の注意等に関する項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 1.有効期間又は使用期限 2.貯法・保存条件 3.薬剤取扱い上の注意点 4.承認条件 5.包装 6.同一成分・同効薬 7.国際誕生年月日 8.製造・輸入承認年月日及び承認番号 9.薬価基準収載年月日 10.効能・効果追加、用法・用量変更追加等の年月日及びその内容 11.再審査結果、再評価結果公表年月日及びその内容 12.再審査期間 13.長期投与の可否 14.厚生労働省薬価基準収載医薬品コード 15.保険給付上の注意

ⅩⅠ.文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 1.引用文献 2.その他の参考文献 ⅩⅡ.参考資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 ⅩⅢ.備考・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 1.その他の関連資料 2.商品情報お問い合わせ先

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1

1.開発の経緯

2.製品の特徴及び有効性

本剤の成分である塩酸プロプラノロールは非選択的β受容体遮断剤で、ISA(内因性交感神

経刺激作用)を有しない。

Ⅰ.概要に関する項目

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2

1.販売名

(1)和名

アイデイトロール10 (2)洋名

AIDEITOROL10 2.一般名

(1)和名(命名法) プロプラノロール塩酸塩(JAN) (2)洋名(命名法) Propranolol Hydrochloride 3.構造式又は示性式

O N

CH3

CH3

H OHClH

H .

4.分子式及び分子量

分子式:C16H21NO2・HCl 分子量:295.80 5.化学名(命名法)

(2RS )-1-(1-Methylethyl)amino-3-(naphthalen-1-yloxy) propan-2-ol monohydrochloride

6.慣用名、別名、略号、略号番号

特になし

7.CAS登録番号

318-98-9

Ⅱ.名称に関する項目

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3

1.有効成分の規制区分

劇薬、指定医薬品、処方せん医薬品(注意-医師等の処方せんにより使用すること) 2.物理化学的性質

(1)外観・性状

白色の結晶性の粉末である。

(2)溶解性

本品はメタノールに溶けやすく、水又は酢酸(100)にやや溶けやすく、エタノール

(99.5)にやや溶けにくい。

本品 0.5gを水 50mLに溶かした液のpHは 5.0~6.0 である。

本品のメタノール溶液(1→40)は施光性を示さない。

(3)融点

163~166℃

3.有効成分の各種条件下における安定性

本品は光によって徐々に帯黄白色~淡褐色になる。

4.有効成分の確認試験方法

(1) 紫外可視吸光度測定法 (2) 赤外吸収スペクトル法 (3) 塩化物の定性反応(2) 5.有効成分の定量法

(1)電位差滴定法

Ⅲ.有効成分に関する項目

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1.剤形

白色の片面割線入り錠剤で、識別記号はTSU001である。

2.製剤の組成

(1)有効成分の含量

1錠中プロプラノロール塩酸塩10mgを含有する。

(2)添加物

乳糖水和物、バレイショデンプン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステ

アリン酸マグネシウム

3.製剤の各種条件下における安定性

試験条件及び保管 試験期間 保 存 包 装 試 験 項 目 試 験

ロット

バら包装注1) 長期保存試験

室温 5 年

PTP 包装注2)

(1)性 状

(2)確認試験

(3)重量偏差試験

(4)崩壊試験

(5)定量

601

602

603

注1) 着色びんに入れ密栓 注2) PTP包装したものを紙箱に入れる

性 状

いずれの条件においても着色、着香、吸湿などの変化は認められなかった。

確 認 試 験

いずれの条件においても規格に適合した。

重量偏差試験

いずれの条件においても規格に適合した。

崩 壊 試 験

いずれの条件においてもほとんど変化は認められなかった。

定 量 試 験

低下率は 2%以内で規格内であった。

Ⅳ.製剤に関する項目

直径:約6.0mm

厚さ:約2.5mm

重量:約90mg001

TSU

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5

結 論 以上の結果よりアイデイトロール 10 はその包装形態で 5年間は安定であった。 よって使用期限は 5年間と設定した。 以上の結果よりアイデイトロール 10 は、通常の医薬品保存状態においては、5 年間殆ど変化なく安定した製剤であると推測される。よって、アイデイトロール 10 は室温 5年間は安定な薬剤であると考えられる。又、貯法を有効成分の保存条件を参考に遮光保存とした。

アイデイトロール 10 の経時変化試験成績表

保存 条件

包装 保存 期間

ロット 番号

性 状 確認試験 重量偏差試験 崩壊試験 定量試験(%)

601 白色割線入り

錠剤 陽性 適 2.30~2.56 100.3

602 同上 同上 同上 1.30~2.44 99.3 製造時

603 同上 同上 同上 2.50~3.20 99.0

601 同上 同上 同上 2.12~3.05 100.0

602 同上 同上 同上 1.24~2.47 99.2 1 年

603 同上 同上 同上 2.40~3.18 100.0

601 同上 同上 同上 2.06~3.12 99.6

602 同上 同上 同上 1.34~2.15 98.5 2 年

603 同上 同上 同上 2.42~3.24 100.2

601 同上 同上 同上 2.30~2.54 100.1

602 同上 同上 同上 1.54~2.36 99.2 3 年

603 同上 同上 同上 2.30~3.18 100.1

601 同上 同上 同上 1.30~2.36 99.5

602 同上 同上 同上 2.06~3.12 99.1 4 年

603 同上 同上 同上 2.15~3.29 99.2

601 同上 同上 同上 2.02~2.42 98.9

602 同上 同上 同上 2.06~3.12 99.2

バラ包装

5 年

603 同上 同上 同上 2.18~3.34 99.4

601 同上 同上 同上 2.30~2.42 100.9

602 同上 同上 同上 1.54~2.36 100.4 製造時

603 同上 同上 同上 2.06~2.42 101.2

601 同上 同上 同上 2.15~3.06 100.1

602 同上 同上 同上 2.12~3.32 100.2 1 年

603 同上 同上 同上 2.16~2.50 100.9

601 同上 同上 同上 2.18~3.02 100.0

602 同上 同上 同上 2.15~3.26 100.1 2 年

603 同上 同上 同上 2.17~2.51 100.5

601 同上 同上 同上 2.32~3.12 99.6

602 同上 同上 同上 2.10~3.12 100.1 3 年

603 同上 同上 同上 2.15~3.52 100.2

601 同上 同上 同上 2.24~3.06 99.2

602 同上 同上 同上 2.12~3.15 100.0 4 年

603 同上 同上 同上 2.36~4.10 100.1

601 同上 同上 同上 2.12~3.12 99.1

602 同上 同上 同上 2.16~3.26 101.2

室温

PTP包装

5 年 603 同上 同上 同上 2.54~4.06 99.5

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6

0

20

40

60

80

100

120

0 10 20 30時間(分)

溶出

率(%

アイデイトロール10

標準製剤

4.混入する可能性のある夾雑物

5.溶出試験

アイデイトロール 10 の溶出は、日本薬局方外医薬品規格第三部「プロプラノロール塩酸塩

錠」の判定基準に適合した。(オレンジブック No.5 掲載)

6.生物学的試験

なし

7.製剤中の有効成分の確認試験法

1)ライネッケ塩試液による沈殿反応

2)プロプラノロール塩基の融点測定 3)紫外可視吸光度測定法 4)塩化物の定性反応(2)

溶出規格 規定時間 溶出率 15分 80%以上

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7

8.製剤中の有効成分の定量法

紫外部吸収スペクトル

9.力価

10.容器の材質

PTP包装:ポリ塩化ビニル、アルミ箔

11.その他

特になし

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1.効能又は効果

狭心症。

期外収縮(上室性、心室性)、発作性頻拍の予防、頻拍性心房細動(徐脈効果)、洞性頻脈、

新鮮心房細動、発作性心房細動の予防。

褐色細胞腫手術時。

本態性高血圧症(軽症~中等症)。

他の降圧剤で満足な効果が得られないか、または副作用などの発現により、他の降圧剤

の投与が困難な際に使用する。

2.用法及び用量

プロプラノロール塩酸塩として通常成人には1日30mgより投与をはじめ、効果が不充

分な場合は60mg、90mgと漸増する。

本態性高血圧症(軽症~中等症)に使用する場合は、プロプラノロール塩酸塩として1日

30~60mgより投与をはじめ、効果不充分な場合は120mgまで漸増する。

1日3回分割経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減する。

Ⅴ.治療に関する項目

《用法・用量に関連する使用上の注意》

褐色細胞腫の患者では、本剤投与により急激に血圧が上昇することがあるので本剤

を単独で投与しないこと。褐色細胞腫の患者に投与する場合には、α遮断剤で初期

治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断剤を併用すること。

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1.薬理学的に関連のある化合物又は化合物群

2.薬理作用

抗不整脈作用

カテコールアミン刺激による心筋や刺激伝導系の過度の興奮を抑制して不整脈の発生を防

止する。麻酔ネコでイソプロテレノールによる頻脈を抑制し、フローセン麻酔イヌにおいて

もアドレナリンによる不整脈の発生を著明に抑制する。1)2)

抗狭心症作用

心機能を抑制することによって心筋酸素消費を減少させ、狭心症状を改善する。イヌ、ネコ

で心筋収縮力を低下させ、心拍出量、心拍数、一回拍出量を減少させることが報告されてい

る。1)2)3)

血圧低下作用

作用機序は十分解明されていないが、心拍出量低下、レニン分泌抑制作用による他、一部中

枢神経系を介しての作用が考えられている。

イヌ、ネコに投与した場合心機能低下と血圧低下がみられ、3)ウサギにおいても平均血圧、

血漿レニン活性の低下が認められている。4)5)

Ⅵ.薬効薬理に関する項目

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10

1.生物学的同等性 6)

アイデイトロール10と標準製剤との生物学的同等性を検討するため、家兎を用いたク

ロスオーバー法による両製剤投与後の血清中プロプラノロール塩酸塩濃度推移を比較した

場合、投与後 1.5 時間目に両製剤とも最高血清中濃度に達し、アイデイトロール10では

平均 0.85μg/mL、標準製剤では 0.83μg/mL 検出された。その後減少し、投与後5時間で両

製剤ともピーク時の 1/4 の濃度になった。

この結果について、くり返しのある 2元配置で分散分析したところ、投与順序(A 因子)およ

び投与製剤(B 因子)の寄与は小さく問題はなかった。また、各時間におけるプロプラノロー

ル塩酸塩濃度の平均値について有意差検定をした結果、どの時間でも有意差は認められな

かった。以上の実験及び統計学的検討の結果から、アイデイトロール10および標準製剤

は同等の製剤であると認められた。

Ⅶ.薬物動態に関する項目

血清中プロプラノロール塩酸塩濃度推移

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 1 2 3 4 5 6 7 8時間 (hr)

血清

中プ

ロプ

ラノ

ロー

ル塩

酸塩

濃度

(μg/

mL)

アイデイトロール10

標準製剤

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1.警告内容とその理由

記載事項なし

2.禁忌内容とその理由

3.効能・効果に関連する使用上の注意とその理由

記載事項なし

Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】

(1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

(2)気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者〔気管支を収縮し、喘息症状が誘発又

は悪化するおそれがある。〕

(3)糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者〔アシドーシスによる

心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある。〕

(4)高度又は症状を呈する徐脈、房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)、洞房ブロック、洞不全症

候群のある患者〔これらの症状が悪化するおそれがある。〕

(5)心原性ショックの患者〔心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。〕

(6)肺高血圧による右心不全のある患者〔心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがあ

る。〕

(7)うっ血性心不全のある患者〔心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。〕

(8)低血圧症の患者〔心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。〕

(9)長期間絶食状態の患者〔低血糖症状を起こしやすく、かつその症状をマスクし、発

見を遅らせる危険性がある。〕

(10)重度の末梢循環障害のある患者(壊疽等)〔症状が悪化するおそれがある。〕

(11)未治療の褐色細胞腫の患者(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)

(12)異型狭心症の患者〔症状が悪化するおそれがある。〕

(13)チオリダジンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)

(14)リザトリプタン安息香酸塩を投与中の患者(「相互作用」の項参照)

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4.用法・用量に関連する使用上の注意とその理由

5.慎重投与内容とその理由

1)うっ血性心不全のおそれのある患者〔心機能を抑制し、うっ血性心不全が発現するおそれ

があるので、観察を十分に行い、ジギタリス剤を併用するなど、慎重に投与すること。〕

2)甲状腺中毒症の患者〔中毒症状をマスクするおそれがある。〕

3)特発性低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、絶食状態(手術前後等)の患者〔低血糖

症状を起こしやすく、かつその症状をマスクしやすいので血糖値に注意すること。〕

4)重篤な肝、腎機能障害のある患者〔薬物の代謝・排泄が影響をうける可能性がある。〕

5)重度でない末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、間欠性跛行症等)〔症状が悪化す

るおそれがある。〕

6)徐脈のある患者(「禁忌」の項参照)〔徐脈が悪化するおそれがある。〕

7)房室ブロック(Ⅰ度)のある患者〔房室伝導時間が延長し、症状が悪化するおそれがある。〕

8)高齢者〔「重要な基本的注意」及び「高齢者への投与」の項参照〕

6.重要な基本的注意とその理由及び処置方法

1)投与は少量より開始し、長期投与の場合は心機能検査(脈拍・血圧・心電図・X線等)を

定期的に行うこと。特に徐脈になったとき及び低血圧を起こした場合には減量又は中止す

ること。また、必要に応じアトロピンなどを使用すること。なお、肝機能、腎機能、血液

像等に注意すること。

2)本剤使用中の狭心症の患者で急に投与を中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起

こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行う

こと。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないよう注意すること。狭心症以外の

適用、例えば不整脈で投与する場合でも特に高齢者においては同様の注意をすること。

3)褐色細胞腫の手術時に使用する場合を除き、手術前24時間は投与しないことが望ましい。

4)めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期)には、

自動車の運転等危険を伴う機械の作業に注意させること。

【用法及び用量に関連する使用上の注意】

褐色細胞腫の患者では、本剤投与により急激に血圧が上昇することがあるので本剤を単独

で投与しないこと。褐色細胞腫の患者に投与する場合には、α遮断剤で初期治療を行った

後に本剤を投与し、常にα遮断剤を併用すること。

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7.相互作用

本剤は主として肝代謝酵素CYP2D6、CYP1A2、CYP2C19で代謝される。

(1)併用禁忌(併用しないこと)

(2)併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 チオリダジン

(メレリル)

チオリダジンの血中濃度が上昇し、作用が

増強する可能性がある。

本剤がチオリダジンの肝代謝を阻

害することが考えられている。

リザトリプタ

ン安息香酸塩

(マクサル

ト)

リザトリプタンの消失半減期が延長、AUC

が増加し、作用が増強する可能性がある。

本剤投与中あるいは本剤投与中止から24

時間以内の患者にはリザトリプタンを投

与しないこと。

相互作用のメカニズムは解明され

ていないが、本剤がリザトリプタ

ンの代謝を阻害する可能性が示唆

されている。

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 交感神経系に

対し抑制的に

作用する他の

薬剤

レセルピン等

交感神経系の過剰の抑制(徐脈、心不全等)

をきたすことがあるので、減量するなど慎

重に投与すること。

相互に作用(交感神経抑制作用)

を増強させる。

血糖降下剤

インスリン、

トルブタミド、

アセトヘキサミ

血糖降下作用が増強されることがある。ま

た、低血糖症状(頻脈等)をマスクするこ

とがあるので血糖値に注意すること。

血糖値が低下するとカテコールア

ミンが副腎から分泌され、肝での

グリコーゲンの分解を促し、血糖

値を上昇させる。

このとき、肝臓のβ受容体が遮断

されていると、カテコールアミン

による血糖上昇作用が抑えられ、

血糖降下作用が増強する可能性が

ある。

また、カテコールアミンによる頻

脈のような低血糖症状がマスクさ

れると考えられている。

カルシウム拮

抗剤

ベラパミル、

ジルチアゼム、

ニフェジピン

ベラパミル、ジルチアゼム等では、低血圧、

徐脈、房室ブロック等の伝導障害、心不全

が発現するおそれがあるので減量するなど

注意すること。また、ジヒドロピリジン系

薬剤でも、低血圧、心不全が発現するおそ

れがあるので注意すること。

本剤からカルシウム拮抗剤の静脈投与に変

更する場合には

48時間以上あけること。

相互に作用(心収縮力や刺激伝導

系の抑制作用、降圧作用等)を増

強させる。

薬物動態的な相互作用のメカニズ

ムは解明されていないが、肝血流

量の変化によって本剤の代謝が影

響をうけると考えられている。

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薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 クロニジン クロニジンの投与中止後のリバウンド現象

(血圧上昇、頭痛、嘔気等)を増強する可

能性がある。クロニジンを中止する場合に

は、本剤を先に中止し、その後数日間観察

した後、クロニジンを中止すること。また、

クロニジンから本剤へ投与を変更する場合

にはクロニジンを中止した数日後から本剤

を投与すること。

クロニジンを投与されている患者

でクロニジンを中止すると、血中

カテコールアミンが上昇し、血圧

上昇をきたす。β遮断剤が投与さ

れていると、カテコールアミンに

よるα刺激作用が優位になり、血

管収縮がさらに増強される。

クラスⅠ抗不整

脈剤

ジソピラミド、プ

ロカインアミド、

アジマリン等

過度の心機能抑制(徐脈、心停止等)があ

らわれることがあるので、減量するなど慎

重に投与すること。

クラスⅠ抗不整脈剤は陰性変力作用

及び陰性変時作用を有する。β遮断

剤もカテコールアミンの作用を遮断

することにより心機能を抑制するた

め、併用により心機能が過度に抑制

される。

交感神経刺激剤

アドレナリン等

相互の薬剤の効果が減弱する。また、血管

収縮、血圧上昇をきたすことがあるので注

意すること。

非選択性のβ遮断剤により末梢血

管のβ受容体が遮断された状態で

エピネフリンなどの交感神経作動

薬が投与されると、α受容体を介

する血管収縮作用のみがあらわれ

る。

また、徐脈は副交感神経の反射に

よるものである。

麻酔剤

エーテル等

反射性頻脈が弱まり、低血圧のリスクが増

加することがある。陰性変力作用の小さい

麻酔剤を選択すること。また、心筋抑制作

用を有する麻酔剤との併用は出来るだけ避

けること。

麻酔剤により低血圧が起こると反

射性の頻脈が起こる。β遮断剤が

併用されていると、反射性の頻脈

を弱め、低血圧が強められる可能

性がある。

また、陰性変力作用を有する麻酔

剤では、相互に作用を増強させる。

リドカイン リドカインの代謝を遅延させ、血中濃度を

上昇させることがあるので併用は避けるこ

と。

本剤が肝血流量を減らし、また肝

の薬物代謝酵素を阻害するため

に、リドカインの代謝が遅れると

考えられている。

ジギタリス製剤 房室伝導時間が延長し、徐脈、房室ブロッ

ク等が発現することがあるので注意するこ

と。

ジギタリス、β遮断剤はともに房

室結節伝導時間を延長させる。ジ

ギタリス中毒時には特に注意を要

する。

シメチジン 本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強する

可能性があるので注意すること。

シメチジンが肝血流量を低下さ

せ、また、肝の薬物代謝酵素を阻

害することにより、肝での本剤の

分解が低下し、血中濃度が上昇す

ると考えられている。

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薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

クロルプロマジ

本剤とクロルプロマジンの作用がそれぞれ

に増強することがある。

本剤とクロルプロマジンが薬物代謝

酵素を競合するために、本剤、クロ

ルプロマジンともに血中濃度が上昇

すると考えられている。

ヒドララジン 本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強する

可能性があるので注意すること。

ヒドララジンが肝血流量を増加さ

せるためと考えられている。

麦角アルカロイ

エルゴタミン等

下肢の疼痛、冷感、チアノーゼ等が発現す

ることがあるので注意すること。

麦角アルカロイドとβ遮断剤が相

乗的に末梢灌流を低下させると考

えられている。

非ステロイド性

抗炎症剤

インドメタシン

本剤の降圧作用が減弱することがある。 非ステロイド性抗炎症剤は血管拡

張作用を有するプロスタグランジ

ンの合成を阻害する。

アルコール 本剤の血中濃度の変動により、作用が減弱

または増強する可能性があるので注意する

こと。

アルコールにより本剤の吸収、代

謝が変動するためと考えられてい

る。

リファンピシン 本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱する

可能性があるので注意すること。

リファンピシンが肝酵素を誘導

し、本剤の代謝・消失を促進する

と考えられている。

キニジン、プロ

パフェノン

本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強する

可能性があるので注意すること。

本剤はチトクロームP450によ

って代謝をうける。このため、チ

トクロームP450によって代謝

をうける薬剤との間で、血中濃度

が影響をうける可能性がある。

ワルファリン ワルファリンの血中濃度が上昇し、作用が

増強する可能性があるので注意すること。

相互作用のメカニズムは解明され

ていないが、本剤がワルファリン

の肝代謝を阻害することが考えられ

ている。

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8.副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

1)重大な副作用(頻度不明)

1.うっ血性心不全(又はその悪化)、徐脈、末梢性虚血(レイノー様症状等)、房室ブロッ

ク、失神を伴う起立性低血圧:このような症状があらわれた場合には、減量又は中止する

など適切な処置を行うこと。

2.無顆粒球症、血小板減少症、紫斑病:このような症状があらわれた場合には、減量又は中

止するなど適切な処置を行うこと。

3.気管支痙攣、呼吸困難、喘鳴:このような症状があらわれた場合には、減量又は中止し、

必要に応じてβ2作動薬を用いるなど適切な処置を行うこと。

2)その他の副作用

頻 度 不 明

過敏症注1) 発疹等

循 環 器 低血圧、胸内苦悶、労作時息切れ、胸部不快・不安感

精神神経系 頭痛、めまい、ふらふら感、眠気、不眠、幻覚、抑うつ、悪夢、

錯乱、しびれ、気分の変化、精神変調等

眼注2) 視力異常、霧視、涙液分泌減少

消 化 器 口渇、悪心、嘔吐、食欲不振、上腹部不快感、腹部痙攣、便秘、

下痢等

肝 臓 肝機能異常(AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P の上昇等)

そ の 他 脱力感、疲労感、筋肉痛、可逆的脱毛、LDH 上昇、血中尿素上昇、

血糖値低下、乾癬様皮疹、乾癬悪化、抗核抗体陽性化、重症筋無

力様症状、重症筋無力症悪化

注1)このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。 注2)このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること〔角膜潰瘍等の重篤な合

併症を防止するため〕。

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9.高齢者への投与

高齢者には、次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投

与すること。

1)高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている。〔脳梗塞等が起こるおそれが

ある。〕

2)休薬を要する場合は、徐々に減量する。〔「重要な基本的注意」の項参照〕

10.妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1)妊娠中の投与により新生児の発育遅延、血糖値低下、呼吸抑制が認められたとの報告があ

り、また、動物実験で胎仔に対して、母体より長時間β遮断作用を示すことが報告されて

いるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、緊急やむを得ない場合以外は投

与しないことが望ましい。

2)母乳中へ移行することが報告されているので、投与中は授乳を避けさせること。

11.小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。

12.臨床検査結果に及ぼす影響

該当記載事項なし

13.過量投与

過度の徐脈をきたした場合には、まず硫酸アトロピン(1~2mg)を静注し、更に必要に応じて

β1 刺激剤であるドブタミン(毎分2.5~10μg/kg を静注)を投与する。グルカゴン(10mg を

静注)が有効であったとの報告もある。気管支痙攣は高用量のβ2 作動薬(静注及び吸入―患

者の反応に応じて投与量を増減)により消失させることができる。アミノフィリン(静注)、

イプラトロピウム(吸入)も考慮すること。グルカゴン(1~2mg を静注)が気管支拡張を促

すという報告がある。重度である場合には、酸素又は人工換気が必要である。

14.適用上及び薬剤交付時の注意

薬剤交付時:PTP 包装の薬剤はPTP シートから取り出して服用するよう指導すること。(PTP シ

ートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤

な合併症を併発することが報告されている。)

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15.その他の注意

1)アナフィラキシーの既往歴のある患者で、本剤又は他のβ遮断剤投与中に発生したアナフ

ィラキシー反応の増悪を示し、又、エピネフリンによる治療に抵抗性を示したとの報告が

ある。

2)他のβ遮断剤の投与により血清クレアチンホスホキナーゼ値の上昇がみられたとの報告が

ある。

16.その他

記載事項なし

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1.一般薬理

該当資料なし

2.毒性

該当資料なし

Ⅸ.非臨床試験に関する項目

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1.有効期間又は使用期限

外箱、容器に表示

2.貯法・保存条件

遮光保存

3.薬剤取扱い上の注意点

劇薬、指定医薬品、処方せん医薬品(注意-医師等の処方せんにより使用すること)

4.承認条件

特になし

5.包装

(PTP):100 錠、1,000 錠

(バラ):1,200 錠

6.同一成分・同効薬

同一成分薬:インデラル錠10mg(大日本住友)

7.国際誕生年月日

不明

8.製造・輸入承認年月日及び承認番号

製造承認年月日:1978 年 10 月 13 日

承 認 番 号:15300AMZ01044000

9.薬価基準収載年月日

1981 年 9 月 1 日

10.効能・効果追加、用法・用量変更追加等の年月日及びその内容

1983 年 2 月 8 日:

本態性高血圧症(軽症~中等症)の効能・効果及びそれに伴う用法・用量の追加

Ⅹ.取扱い上の注意等に関する項目

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11.再審査結果、再評価結果公表年月日及びその内容

該当しない

12.再審査期間

該当しない

13.長期投与の可否

14.厚生労働省薬価基準収載医薬品コード

2123008F1013

15.保険給付上の注意

特になし

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1.引用文献

1)Black,J.W.et al.:Br.J.Pharmacol.,25,577(1965)

2)岩月賢一他:麻酔,15,328(1966)

3)Garvey,H.L.et al.:Europ.J.Pharmacol.,33,283(1975)

4)Weber,M.A.et.al.:J.Pharmacol.Exp.Ther.,188,234(1974)

5)Weber,M.A.et al.:J.Clin.Invest.,54,1413(1974)

6)鶴原製薬株式会社 社内資料

2.その他の参考文献

第15改正日本薬局方

日本薬局方外医薬品規格

主な外国での販売状況

なし

1.その他の関連資料

なし

2.商品情報お問い合わせ先

鶴原製薬株式会社 医薬情報部

〒563-0036 大阪府池田市豊島北1丁目 16 番 1 号 TEL:072-761-1456(代表) FAX:072-760-5252

ⅩⅠ.文献

ⅩⅢ.備考

ⅩⅡ.参考資料

ⅩⅢ.備考

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製 造 販 売 元

鶴原製薬株式会社 大阪府池田市豊島北 1丁目 16 番 1 号 文献請求先:鶴原製薬(株)医薬情報部