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ハイパースケール クラウド テクニカル ホワイト ペーパー 発行日: 2015 年 5 月 対象製品: SQL Server 2016 CTP2、SQL Server 2014、および Microsoft Azure 概要: クラウド コンピューティングが新しいパラダイム シフトとなるにつれて、多くの組織では、クラ ウドの優れたスケールと柔軟性を活用してデータベース アプリケーションを実行することによるコスト 面での利点が実現しています。Microsoft SQL Server はクラウド統合を念頭に構築されています。 SQL Server は、プライベート クラウド、ハイブリッド クラウド、またはパブリック クラウドに容易 に展開でき、使い慣れたツールを使用して開発と管理を行うことができます。パブリック クラウドでは、 Microsoft Azure Virtual Machine 内で SQL Server を実行できます。Azure Virtual Machine 内の Microsoft SQL Server は、オンプレミスの SQL Server と同じ機能パリティを提供します。実質的にど こからでもこのような論理的境界をシームレスに越えて、運用をデータおよびサービスと統合できる機 能は、SQL Server 2016 および Microsoft Azure の最もエキサイティングでインパクトのある機能の 1 つです。

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ハイパースケール クラウド

テクニカル ホワイト ペーパー

発行日: 2015 年 5 月

対象製品: SQL Server 2016 CTP2、SQL Server 2014、および Microsoft Azure

概要: クラウド コンピューティングが新しいパラダイム シフトとなるにつれて、多くの組織では、クラ

ウドの優れたスケールと柔軟性を活用してデータベース アプリケーションを実行することによるコスト

面での利点が実現しています。Microsoft SQL Server はクラウド統合を念頭に構築されています。

SQL Server は、プライベート クラウド、ハイブリッド クラウド、またはパブリック クラウドに容易

に展開でき、使い慣れたツールを使用して開発と管理を行うことができます。パブリック クラウドでは、

Microsoft Azure Virtual Machine 内で SQL Server を実行できます。Azure Virtual Machine 内の

Microsoft SQL Server は、オンプレミスの SQL Server と同じ機能パリティを提供します。実質的にど

こからでもこのような論理的境界をシームレスに越えて、運用をデータおよびサービスと統合できる機

能は、SQL Server 2016 および Microsoft Azure の最もエキサイティングでインパクトのある機能の 1

つです。

2 ページ

著作権

このドキュメントに記載されている情報は、このドキュメントの発行時点におけるマイクロソフトの見

解を反映したものです。変化する市場状況に対応する必要があるため、このドキュメントは、記載され

た内容の実現に関するマイクロソフトの確約とはみなされないものとします。また、発行以降に発表さ

れる情報の正確性に関して、マイクロソフトはいかなる保証もいたしません。

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Microsoft、Access、Microsoft Azure、Office 365、SQL Server、Visual Studio、Windows、および

Windows Server は、米国 Microsoft Corporation およびその関連会社の商標です。

その他のすべての商標は、それぞれの所有者に帰属します。

目次

内容

SQL Server の評価 ........................................................................................................................................ 4

SQL Server によるハイパースケール クラウド ........................................................................................... 5

ハイブリッド ソリューション ................................................................................................................... 6

従来のベアメタル展開 ............................................................................................................................ 7

クラウド展開:: パブリック クラウドとプライベート クラウド ........................................................... 8

簡素性 ....................................................................................................................................................... 15

Azure への強力なバックアップ ........................................................................................................... 16

オンプレミス SQL Server の容易な移行 ............................................................................................ 18

シンプルになった Azure のレプリカ追加ウィザード ......................................................................... 18

一貫性 ....................................................................................................................................................... 19

一般的な開発、管理、および識別ツール ............................................................................................. 19

SQL Server と Azure .......................................................................................................................... 22

結論 .............................................................................................................................................................. 23

追加情報 ....................................................................................................................................................... 24

4 ページ

SQL Server の評価

長年にわたって、Microsoft SQL Server は、外部データ ソースとの容易な統合を実現しながら、管理

をシンプルにしてきました。マイクロソフト クラウド サービスの最近の進化とデータ ソースの種類と

規模が増大したことを受けて、クラウドの機能は劇的な早さで成長しています。SQL Server 2012 か

ら、クラウド戦略は開発の中心的なフォーカスとなっています。SQL Server 2014 では、新しいクラ

ウド機能が大幅に追加されました。これらの機能は、SQL Server 2016 でさらに強化されています。

"ハイパースケール クラウド" は、SQL Server の開発者、管理者、およびビジネス リーダーの間で広

く使われている用語で、ハイブリッド クラウドが提供する多くの利点を表しています。Gartner の

『Magic Quadrant for Infrastructure as a Service』で示されているように、クラウド開発に対する

SQL Server の積極的な姿勢およびそのバージョンで実行できる機能は多くのアナリストに認識されて

います (図 1)。

図 1: Gartner『Magic Quadrant for Infrastructure as a Service』1

さらに、SQL Server には、過去 15 年にわたって継続的に革新的な機能が追加されてきました (図 2)。

図 2: リリースごとに追加されてきた SQL Server の機能

1 Gartner、 http://aws.amazon.com/resources/gartner-mq-2014-learn-more/、2014 年 5 月。

5 ページ

SQL Server 2016 では、以下の機能が追加されています。

• Stretch Databases

• クラウドへのバックアップの強化

• クラウドへの移行の強化

• クラウド レプリカの可用性の強化

• オンプレミス SQL Server、Azure Virtual Machines 上の SQL Server、

および Azure SQL Database を操作する才の一貫性の強化

SQL Server によるハイパースケール クラウド

SQL Server 2014 および SQL Server 2016 は、ハイブリッド環境で機能するよう設計されています。

SQL Server および Microsoft Azure の多くの新しいツールを使用すれば、クラウドへのスケールだけ

でなく、修正プログラム配布、バックアップ、および障害復旧ソリューションの構築、そして格納場所

(オンプレミス、プライベート クラウド、またはパブリック クラウド) に制限されることのないアクセ

スがこれまで以上に容易になります。これらのツールは、オンプレミスの SQL Server データベースの

クラウドへの容易な移行を実現するため、お客様は既存のスキルを使用してマイクロソフトのグローバ

ル データセンターを活用できます。これは、共通タスクのシンプルさを維持し、オンプレミスでもクラ

ウドでも同様の方法に機能する一貫したツールのセットを提供しながらハイブリッド シナリオを効率化

するために設計されたアーキテクチャによって実現します。

6 ページ

ハイブリッド ソリューション

大規模なパグリック Web サイトから小規模の部門アプリケーションまで、ほとんどすべてのアプリケー

ション シナリオでは、大多数のアプリケーションは何らかのデータベース管理システムに依存していま

す。リレーショナル データベースは至る所に存在するので、多くの開発者と IT プロフェッショナルは

リレーショナル データベースに対して鈍感になり、今日のアプリケーションの一部とみなすようになり

ました。組織でのクラウド コンピューティングの活用が進むにつれて、クラウド対応のデータベース シ

ステムの可用性はビジネスの成功にとって非常に重要になります。

このホワイト ペーパーでは、クラウド コンピューティングのコンテキストにおけるリレーショナル

データベース管理に関するマイクロソフトのビジョンについて説明します。これは、業界標準の

Microsoft SQL Server テクノロジ セットを活用し、今日の組織のさまざまな展開アプローチで利用可

能にするというハイブリッド IT ビジョンです (図 3)。

図 3: 今日の IT 部門はオンプレミスとクラウ ホスト型配信の組み合わせによってビジネス ニーズを満たすことが

できます。

"ハイブリッド クラウド" の概念では、一般的に組織のビジネスではさまざまなアプリケーションが展開

されていて、固有の要件を含むさまざまな環境が存在するという認識に基づいています。一部のアプリ

ケーションでは、クラウド コンピューティングで提供される "すべての要件を満たす 1 つのサイズ" の

環境への展開に逆行するような詳細かつ複雑なハードウェア構成が必要です。同様に、多くのビジネス

には大規模なパブリック クラウドに非常に理想的なワークロードが存在します。クラウドを使用しない

場合、需要の増減が激しいアプリケーションに十分なレベルのハードウェアを経済的に割り当てること

は困難です。ハイブリッド クラウドにおけるマイクロソフトの目標は、さまざまなソリューションの

ポートフォリオにわたって共通のサーバー製品、ツール、および専門知識を使用できるようにしながら、

アプリケーションを実行する方法と場所に関する多様な選択肢を提供することです (図 4)。

7 ページ

図 4: データベース展開の各アプローチの固有の利点と課題 — ますます多くのワークロードがクラウドに移行され

ています。

従来のベアメタル展開

仮想化テクノロジは過去 10 年において大幅に向上しましたが、特定のワークロードの仮想化では顕著

なパフォーマンスの問題が残っています。大規模で複雑なミッション クリティカル OLTP (オンライン

トランザクション システム) は、オペレーティング システムおよびデータベース プラットフォームが物

理マシンに直接インストールされた大規模な専用サーバーでいまだに実行されています。

仮想化されていない専用ハードウェア

ほとんどのワークロードの場合、総保有コスト (TCO) に大きな利点がある仮想化は理想的なアプローチ

です。しかし、スケール アップとパフォーマンスが重要視される場合、ワークロードは物理サーバー上

で実行する必要があります。通常、これらの状況では、購入することのできる物理サーバー マシンのパ

フォーマンスを引き出す必要があります。その結果、特定のアプリケーションを実行するための専用の

サーバー ソフトウェアがセットアップされることになります。

物理的チューニング

大規模な専用ハードウェア リソースを実行する主な利点は、高度な物理的チューニングの機会が多く存

在することです。SQL Server などのデータベース展開における最も顕著な領域は、ストレージ サブシ

ステムの物理的構成です。クラウド環境に移行した場合、物理的チューニングを行うことはできなくな

ります。

8 ページ

クラウド展開:: パブリック クラウドとプライベート クラウド

プライベート クラウドにはパブリック クラウドのすべての特性が備わっていることがありますが、必ず

しもすべての特性が備わっているわけではありません。たとえば、多くのプライベート クラウドには完

全なチャージバック会計メカニズムが実装されていません。しかし、組織のプライベート クラウド戦略

が成熟するにしたがって、プライベート クラウドで提供されるサービスおよびサービル レベルはパブ

リック クラウド プロバイダーが提供するものに近くなっていきます。

プールおよび仮想化されたリソース

サーバー仮想化は、プライベートとパブリックの両方の環境を支えています。しかし、クラウド ベース

のアプローチでは、単なるワークロードの仮想化以上のことが必要になります。多くのオンプレミス仮

想化環境には、特定のアプリケーション ターゲットがあります。環境は仮想化されますが、アプリケー

ションは、専用のサーバー ホスト上で実行する必要があります。これは技術的な要件による場合があり

ますが、特定の部署がそのノードを "所有" しているという理由による場合もあります。クラウド環境は、

ハードウェア リソースのプーリングで予測されますが、仮想化はプーリング機能の鍵なので、ハード

ウェア リソースは十分ではありません。

"プーリング" は、リソースを集約して、任意のワークロードを実行する機能の f 同種プールとして利用

可のにするメカニズムです。プールされたクラウド環境で実行するワークロードは、それが実際に展開

される物理ハードウェアに関しては不明です。

高度な物理的チューニングが必要なので、前に説明した Tire-1 ワークロードはプーリングに適していま

せん。たとえば、物理的チューニングの特定のアプローチと特定のハード ドライブ スピンドル レイア

ウトが必要な SQL Server ワークロードを仮想化することは可能ですが、その他のアプリケーションで

は必要とされない固有のリソース要件があるので、プールされたリソースを使用することはありません。

これらの特定のスピンドル構成をプールに入れても、他のアプリケーションでは使用される機会があり

ません。

弾性

"弾性" は、需要の増減に対応するクラウドの機能を意味します。多くのビジネス プロセスは本質的に季

節的です。たとえば、干草作りにおける一年間の作業では、特定の季節にしか使用しない大型トラク

ターや干草梱包機を所有するのは農家にとって経済的ではないので、農家は、必要な農機具を持つ外部

9 ページ

の作業者を雇い入れます。同じような意味で IT ワークロードも季節的です。それをサポートするために

機材を購入しても、ピーク時以外はほとんど使用されません。

季節的なワークロードの典型的な例は、スポーツや文化イベントのチケットの販売です。大規模なイベ

ントでは、チケットを求める人の数がチケットの供給を上回ることがあります。そのような場合、チ

ケットを求めてチケット売り場の前に並んで待つ徹夜組が見られます。オンラインの世界では、このよ

うに並んで待つという形ではなく、チケットを求めるユーザーが仮想チケット オフィスに大量にアクセ

スしてシステムがダウンすることがあります。

クラウド リソースは一般的でもありプールされてもいるので、予備の容量を持つことは容易です。パブ

リックでもプライベートでも、クラウド プロバイダーは、ピークに対処するために容量の一部を常時使

用可能にしています。この点において、パブリック クラウドには際立った利点があります。パブリック

クラウドは、プールされたリソースに膨大な数のユーザーがアクセスするという大規模なスケールで運

用されるので、小規模なプライベート クラウドよりも多くの絶対ヘッドルームを維持することができま

す。100 台のサーバーで構成されたクラウドの 1% では急激なピークをに対応できませんが、10,000

台のサーバーで構成されたクラウドの 1% であればそれは可能です。アイドル状態の容量を維持する必

要がある弾性は、プライベート データセンターで実現することが最も困難なクラウドの特性です。しか

し、アイドル状態を回避することは、クラウド ベースの展開が正当化される第一の理由です。

一部のワークロード (前に説明したチケット販売の例など) はプライベート クラウド環境では対応する

ことは不可能です。クラウドの弾性は、「予期されるエラスティックな需要の何倍の容量がクラウドで展

開されているか」という質問に答えることで確認できます。容量は単なる倍数ではなく、規模で測定す

る必要があります。ピーク時の処理に大量のサーバーが必要な場合は、少なくとも数千のノードのある

クラウドを検討することが推奨されます。

セルフサービス

クラウド コンピューティングのセルフサービスは、2 つの補完的目的を満たします。まず、リソースの

プロビジョニングに必要な人件費を削減または排除することにより、サービス提供のコストが削減され

ます。次に、セルフサービス機能を提供することによってユーザーにとっての利点が生まれます。クラ

ウド ユーザーは、リソースに直接アクセスできます。複雑な承認プロセスはなく、リクエストが IT 管

理者にとってのビジネスの優先事項になるまで待つ必要もありません。

10 ページ

クラウド環境では、オンデマンドでプールからリソースをプロビジョニングする権限がユーザーに委任

されます。ユーザーのワークロードがその他のワークロードに干渉することはなく、ユーザーがプロビ

ジョニングできるリソースは、そのユーザーに許可された容量レベルまでに制限されます (パブリック

クラウドの場合はクレジット制限の範囲内)。セルフサービスを導入することにより、新しい事項を試す

ことや新規市場にすばやく参入することができるので、アジャイルなビジネスを実現することができま

す。エンタープライズ内のプライベート クラウドであっても Azure 内のクラウドであっても、その他の

展開アプローチに比べて、開発したアプリケーションをすばやく運用することが可能です。

従量ベースのモデルは、IT 容量が “無償” である場合に多数のユーザーが利用できる共有資源が乱獲さ

れることによってリソースが枯渇するという、ほとんどの共有 IT 環境で見られる “コモンズの悲劇2”

から救うことができます。 消費者は、使用した分の水道、ガス、電気などの資源に対して支払うことに

違和感を感じることはありません。クラウド コンピューティング プロバイダーが提供する同様の従量

ベース モデルでは、使用しない容量はプールされます。

パブリック クラウド ベンダーは、それが提供するサービスに対して課金する必要があるので、これらの

環境は常にメーター計測および課金されます。プライベート クラウドでは状況が異なります。チャージ

バック モデルをサポートする会計システムが存在しない場合、その実装は複雑になりますが、チャージ

バック モデルには大きな利点があります。プライベート クラウド環境における従量制の目的は、ユー

ザーのアクティビティを促進し、クラウド リソースを限りある資源として可能な限り維持することです。

クォーターおよびその他のリソース割り当てメカニズムは、一部の プライベート クラウド環境にとって

従量制よりも適切である場合があります。

パブリックおよびプライベート クラウドの事業者にとって共通の課題は、“どのメーターを使用するか”

です。課金の根拠となるものは何でしょうか。指標にはサービス提供の実際のコストとの相関性が必要

ですが、利用者が理解できるようにシンプルなものである必要があります。特定のアプリケーションで

発生するクエリ時間がどれくらいなのかをクラウドのユーザーが予測できない場合、“クエリ時間” を測

定することにあまり意味はありません。

課金モデルは、クラウド プロバイダーが効率性を伝えるためのメカニズムです。仮想化層がリアルなリ

ソースを置き換えるクラウド環境では、組織は、コスト最適化を宰一の目的としてアプリケーションを

設計する必要があります。

2

"The Tragedy of the Commons" ( 「コモンズの悲劇」 )。『 Science』 162 (3859): 1243–1248。 1968 年。

http://www.sciencemag.org/cgi/reprint/162/3859/1243.pdf

11 ページ

コンプライアンス

いくつかのアプリケーション シナリオでは、特定のエンタープライズまたは業界標準のポリシーに準拠

する必要があります。一般的に、これらのポリシーは、セキュリティ、システム管理、および法的事項

に関連するものです。ポリシーは、シンプルなもの (サーバーにどのウィルス対策ソフトウェアをインス

トールするか) から複雑なもの (ISO/IEC 27001 のような情報セキュリティ マネジメント システム) ま

で多岐にわたります。

組織がシステム スタック全体を制御できる場合、すべてのポリシーと要件にシステムが準拠する可能性

が高くなります。エア ギャップ展開を必要とするエンタープライズ ポリシーはパブリック クラウドの

展開には適していません。同様に、分離されたプライベート クラウドは、プールされたハードウェア上

でインターネットに接続されたプライベート クラウドと共存することはできません。コンプライアン要

件が複雑になるほど、エンタープライズの完全な制御下で実行する専用の環境が必要になる可能性が高

くなります。

大手のパブリック クラウド ベンダーは、業界標準のフレームワークでの監査および認証を始めています。

多くの中小規模の組織にとって、コンプライアンス達成はコストが高すぎます。これらの小規模な組織

の場合、パブリック クラウド コンピューティングを使用すれば、自社データセンター内にこれらの標準

を実装するコストなしで、認証済みの環境にアプリケーションを展開できます。

それでも、パブリック クラウド コンピューティングには、コンプライアンスに関するいくつかの課題が

残っています。システムの完全な管理が必要とされる組織では、データが特定の国内に存在し、システ

ムへのアクセスは専任のスタッフに制限されるという要件があることがあります。そのような組織では、

専用のシステムまたはプライベート クラウドが唯一の現実的なソリューションです。

さまざまな業界標準への Azure のコンプライアンスに関する詳細については、

http://www.windowsazure.com/ja-jp/support/trust-center/compliance/ を参照してください。

たとえば、SQL Server は、SQL Server 2005 以来、情報セキュリティ国際評価基準 (Common

Criteria) 認証を受けています。この認証は、CCRA (Common Criteria Recognition Arrangement) に

署名した 26 の国で公的に認識されています。また、製品ベースでは、製品ベースで 40 の政府によっ

て公的に認められています。CCRA は、単なるセキュリティ機能および保証要件の定義ではなく、CEM

(Common Evaluation Methodology) ドキュメントで定義された厳格な評価プロセスでもあります。さ

らに、情報セキュリティ国際評価基準の評価を実施する各国の公式な承認済み評価スキームであり、

12 ページ

その国で独立した評価ラボ認証を管理する政府の政府認証でもあります。SQL Server のコンプライアン

スの詳細については、http://www.microsoft.com/ja-jp/sqlserver を参照してください。

SQL Server 2016 の新機能:

Stretch Databases

データは非常に速い速度で継続的に増加しています。ユーザーは、クローズしたビジネス (アーカイブ/

コールド) データを始めとするすべてのデータを次のような理由で維持することを望んでいます。

• 規制へのコンプライアンス (税金など)

• 監査 (不正取引など)

• 計画 (過去の結果との比較など)

• ビジネスの特性 (小売りコランザクションの詳細履歴など)

• どの情報を削除できるかが決定できない (政府機関や調査機関が求めるデータが不明な場合など)

一般的に、従来のアーカイブ ソリューションでは、サードパーティ製ソフトウェアおよびそれがアクセ

する完全に別個のデータ ストアとアプリケーションが必要です。いくつかのアーカイブ ソリューション

は、バックアップまたはオフライン ストレージに依存します。この構成が許容される環境もありますが、

多くのエンタープライズは、データが生成された場所にアーカイブを格納することを望んでいます。ま

た、データがレストアされたりオンラインに戻されたりするまで待つことなく、必要に応じて、同一の

アプリケーションを使用してアクセスすることも望まれています。

これらのユーザーにとって、唯一のオプションは、すべてのデータを運用データベースで維持すること

ですが、解決が非常に困難なその他の問題が発生することになります。これには次のような問題があり

ます。

• 保守作業が非常に困難になる。10 億行、1 TB のテーブルを再インデックスする場合のコストが

膨大になる。

• 5 TB のデータベースを並べ替えるのに丸 1 日以上かかる場合がある (このデータの大部分はす

ばやくオンラインにする必要のないコールド データであることがあります)。

• 階層化されたストレージ ソリューション (SSD + SAS + SATA など) は物理ディスクに比べて

大幅にコストを節約できるが、これらのソリューションは通常、同一の SAN インフラストラク

13 ページ

チャ (ラック、トレイ、インターコネクト、電源、管理ソフトウェア) 上に存在し、同一のライ

センス、保守契約、および管理労力が必要なので、全体的な TCO はあまり節約されない。

SQL Server 2016 の Stretch Databases では、オンプレミスのテーブルを Microsoft Azure に透過的

に拡張して、低い TCO でほぼ無制限の容量を利用できます。アプリケーションはコードの変更なしで引

き続き機能します。既存のデータベース管理者 (DBA) スキルおよびプロセスの関連性は維持され、開発

者は現在のツールおよび API を引き続き利用できます。Stretch Databases を使用した場合、外部の

アーカイブおよびハードウェアの管理に関連する複雑さやコストを気にする必要はありません。Stretch

Databases は、このような一般的な問題を解決する独自の機能です。

Stretch Databases を使用すれば、選択したデータを必要に応じてクラウドに移行できます (図 5)。ま

た、特に大規模なデータベースでは、既存のアプリケーションを強化して DBA タスクを効率化すること

も可能です。

図 5: Stretch Databases 機能を使用して、選択したデータをオンプレミスの SQL Server からクラウドに移行で

きます。

ユーザーの思いどおりのクラウド

特定の SQL Server データベース テーブルを選択して Azure に拡張できます。テーブル全体を Azure

に移行することができますが、古いデータやコールド データだけを Azure に格納することもできます。

テーブルに格納されているのがアーカイブ データだけである場合、テーブル全体を移行することが推奨

されます。単一のテーブルにホット (現在の) データとコールド (古い) データの両方が含まれる場合は、

コールド データを移行することが推奨されます。移行オプションを設定した後、Stretch Databases に

よってデータが段階的に Azure に移行されます。データはオンプレミスの SQL Server データベースに

14 ページ

戻すことも可能なので、既存のストアド プロシージャ、関数、その他のアプリケーション コード、およ

びユーザー アクセス制御を変更することなく、透過的な双方向でのデータ移動を実現することができま

す。データの格納場所 (クラウドまたはオンプレミス) を完全に制御することができます。

さらに、このプロセスでは、データは常時セキュリティで保護されます。透過的なデータ暗号化 (TDE)

は、データベース システムやクラウド サービス プロバイダーに決して渡されることのないキーを含む

テーブル内の個々のデータの選択的な暗号化によって、格納されているデータ、移動中のデータ、使用

中のデータに適用できます。

既存のアプリケーションの強化

どのデータをどこに格納するかを選択することによって、SQL Server 2016 の Stretch Databases を

使用して既存のアプリケーションを強化することができます。たとえば、データのアーカイブ方法に影

響する企業ポリシー、SLA、または TCO 目標がある場合、Stretch Databases を使用して、これらの目

標を満たすことや、これらのポリシーに準拠することができます。また、Azure 上で発生する演算処理

の量にも制限があるので、Stretch Databases は、最も適切な場所で演算処理を実行するよう自動的に

決定します。さらに、Stretch Databases は、必要に応じて Azure 上で追加のシャードを作成すること

によって透過的にスケール アウトします。

DBA の強化

SQL Server 2016 の Stretch Databases には、データベース管理を効率化する多くの機能が搭載され

ています (図 6)。オンプレミスと拡張されたテーブルの間での管理機能およびツール (セキュリティ、

アクセス制御、監視、保守、ポリシーなど) の対称性が維持されます。通常どおりにバックアップと復元

を行うことができますが、アーカイブされた行やコールド行は Azure 上に格納されるので、バックアッ

プ時間が短縮されます。これは、非常に大きいデータベースにおいて特に重要です。同じ原則は、イン

デックスの保守にも適用され、Stretch Databases シナリオでのコスト削減につながります。最も重要

な点は、外部のアーカイブ ソリューションの複雑さや TCO を増加させることなく、ほぼ無限のデータ

ベース ストレージを利用できることです。

15 ページ

図 6: Stretch Databases: オンプレミスとクラウドの間でのデータ移行

SQL Server 2016 の Stretch Databases を使用すれば、大規模なデータベースで一般的な問題を解決

する非常にエレガントなソリューションを利用できます。すべてのデータをオンプレミスに維持した場

合に比べて、コールド データにアクセスする場合のパフォーマンスは低下し、更新や削除操作は管理機

能として処理されます。しかし、アーカイブ データや古いデータの特性を考えれば、このような短所は、

低い TCO、複雑さの削減、および Stretch Database が提供するその他の利点に比べれば許容できます。

簡素性

優れたスケーラビリティと低い TCO に加えて、ハイブリッド クラウド環境の運用は非常にシンプルな

ものになります。SQL Server は、Azure へのバックアップ、オンプレミス SQL Server の Azure への

移行、およびハイブリッド環境の AlwaysOn 可用性グループへの Azure ノードを容易に追加する機能

を始めとして、管理タスクを効率化する多くのツールをサポートします。SQL Server 2016 これらの機

能が大幅に強化されました (図 7)。

図 7: クラウドでの管理タスクを効率化する SQL Server ツール

16 ページ

SQL Server 2016 の機能強化:

Azure への強力なバックアップ

ハイブリッド クラウドのアプローチでは、バックアップ戦略が大きく強化されます。SQL Server には、

Azure へのバックアップに関するいくつかのオプションがあります (マネージ バックアップ、Azure ブ

ロック Blob へのバックアップ、および Azure Storage スナップショット バックアップ)。

SQL Server 2016 では、これらの各バックアップ オプションが強化されています。

マネージ バックアップ

マネージ バックアップは、Microsoft Azure Blob Storage への SQL Server のバックアップの容易な

管理と自動化を行う機能を提供します。SQL Server Management Studio のオブジェクト エクスプ

ローラの管理ノードから直悦アクセスできる使いやすいインターフェイスを使用して、インスタンス全

体または特定のデータベースを管理できます。その結果、オフサイトの地理的に冗長なバックアップを

作成して、データの保持期間を設定することが可能になります。

SQL Server 2016 では、このツールにいくつかの機能強化が行われています。たとえば、フル バック

アップとログ バックアップの両方のバックアップ スケジュールをよりきめ細やかに制御することができ

るようになりました。また、バックアップをローカルに作成して、クラウドにアップロードできるので、

迅速な復元が可能になり、一時的なネットワークの問題に対処することもできます。また、システム

データベース上でマネージ バックアップを実行することもできるようになりました。さらに、

SQL Server 2016 は、シンプルな復元モードをサポートします。

17 ページ

ブロック Blob による Azure へのバックアップ

Azure ブロック Blob へのバックアップでは、プロセスを詳細に制御して Azure BLOB Storage への

バックアップを管理できます。このサービス (以前の名称は "URL へのバックアップ") は、

SQL Server 2016 で強化されています。プロセスはデータベース エンジンに組み込まれ、使用する

Blob ストレージの種類も 3 コピー ページ Blob から非常に安価なパリティ ベースのブロック Blob に

変更されています。その結果、以下のような利点が生まれます。

• ストレージのコスト節約。

• ほとんどすべてのバックアップおよび復元機能 (ミラーリングとストライピングを含む)。

• 大幅いに向上した復元パフォーマンス。

• Azure Storage のよりきめの細かい制御。

フィル スナップショットによる Azure へのバックアップ

SQL Server 2014 では、Microsoft Azure のデータ ファイルが導入されました。その結果、

Azure Blob として格納された SQL Server データベース ファイルをネイティブにサポートすることが

可能になりました。この機能を使用すると、オンプレミスで実行している SQL Server 内または Azure

上のバーチャル マシン内にデータベースを作成することができます (Azure Blob Storage 内のデータの

専用のストレージ場所を指定できます)。Azure Storage からの復元および Azure Storage への復元が

可能なので、データベース バックアップ ファイル用の代替ストレージとしても利用できます。

SQL Server 2016 は、ファイル スナップショットによるバックアップ機能を活用します。ファイル ス

ナップショットによるバックアップでは、バックアップの作成および復元の実行をすばやく低いコストで

行うことができます。ブロック Blob による Azure へのバックアップとは異なり、データが実際に移動さ

れることはありません。その代わり、SQL Server データベース ファイルは Azure Storage に直接格納

され、これらのファイルのスナップショットが作成されます。バックアップ チェーンを確立するために

実行する必要のあるフル バックアップは 1 回だけです。スナップショット バックアップでは、バック

アップを行うための SQL Server リソースの使用は最小限に抑えられます。これは、バックアップの影響

が顕著となることのある非常に大規模なデータベースでの操作を緩和させる場合に特に便利です。

SQL Server 2016 の機能強化:

18 ページ

オンプレミス SQL Server の容易な移行

SQL Server 2016 では、オンプレミスから Azure Virtual Machines への SQL Server の移行プロセス

が強化されています。以前のバージョンでは、SQL Server を Azure Virtual Machines に移行する場合、

スキーマとデータだけが移行されました。SQL Server 2016 では、システム オブジェクト (ログイン、

ジョブ、証明書など) および SQL Server の設定 (トレース フラグ、既定の言語、メモリ設定など) を移

行できます (図 8)。さらに、移行ウィザードが強化され、イメージ サイズとバーチャル マシンのサイ

ズに関する推奨設定が提供されるようになりました。移行は、ポイント アンド クリックというシンプル

な操作になります。

図 8: SQL Server 2016 における移行の強化

SQL Server 2016 の機能強化:

シンプルになった Azure のレプリカ追加ウィザード

AlwaysOn 可用性グループのコンテキストでは、可用性レプリカのプライマリ ロールとセカンダリ ロー

ルは、フェールオーバーと呼ばれるプロセスにおいて相互に代替可能です。可用性グループは、可用性

レプリカレベルでフェールオーバーします。したがって、可用性グループは、そのセカンダリ レプリカ

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の 1 つ (現在のフェールオーバー ターゲット) にフェールオーバーします。可用性グループには、デー

タベースへの接続を提供するグループ リスナーが必要です。

Azure のレプリカ追加ウィザードは、データベースのレプリカを Azure Blob Storage に追加します。

SQL Server 2016 では、ウィザード内でグループ リスナーの作成と構成を行うことができるので、

ウィザードでの設定を完了すれば、フェールオーバーの後、クライアントは追加の複雑な手順なしで

Azure レプリカにシームレスに接続できます (図 9)。

図 9: Azure のレプリカ追加ウィザード内での可用性グループのグループ リスナーの検証

一貫性

一般的な開発、管理、および識別ツール

マイクロソフトの開発、管理、および ID ツールの基盤は Windows Server と Microsoft Azure です。

これらは、Microsoft SQL Server、Microsoft System Center、Microsoft Active Directory、および

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Microsoft Visual Studio を始めとする広範なマイクロソフト テクノロジ ソリューションによって補完

されます。これらのテクノロジが連動して、インフラストラクチャ、アプリケーション、およびデータ

用の一貫した 1 つのプラットフォームを提供します。このプラットフォームは、自社データセンター、

サービス プロバイダーのデータセンター、およびマイクロソフトのパブリック クラウドに拡張できます。

この一貫したプラットフォームでは複雑さが取り除かれるので、エンタープライズは、ビジネス ニーズ

を識別して、アプリケーションでどのように対処するかを検討することに集中することができます。こ

の一貫性に関するビジョンは、エンタープライズにおいて 3 つのクラウドにわたってアプリケーション

を展開する最適な方法を検討する場合に大きく役立ちます。このプラットフォームの主要なコンポーネ

ントは、統合された仮想化、完全なデータ プラットフォーム、統合された管理と DevOps、柔軟な開発

パラダイム、および共通の ID です (図 10)。

図 10: 一貫した 1 つのプラットフォーム

統合された仮想化:

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Windows Server に組み込まれている統合された移植可能な仮想化テクノロジは、サーバーの仮想化だ

けでなく、ネットワーク、ストレージ、およびアプリケーションを複数のクラウドにわたって仮想化す

ることを可能にします。バーチャル マシンが存在する場所に関係なく、統合された仮想化を使用して、

SDN (Software-Defined-Networking) およびストレージの仮想化のためのコンピューティング機能を

活用できます。

完全なデータ プラットフォーム

SQL Server と Microsoft Azure によって実現する完全なプラットフォームでは、ペタバイトのデータ

の管理、ミッション クリティカルなアプリケーションの実現、および Microsoft Excel から Hadoop ま

での広範なツールによる BI ソリューションの提供を行うことができます。

統合された管理

統合された管理機能では、System Center などのツールを使用して、データセンターのリソースの管理

およびプールに使用するすべての自動化スクリプトを管理することが可能になります。たとえば、バー

チャル マシン、オブジェクト、またはデータのプロビジョニングを行って、サービス プロバイダーまた

は Azure に移行し、無限のストレージ、冗長性、および障害復旧を活用することができます。

柔軟な開発

柔軟な開発によって、組織の開発者は任意のツール、言語 (マイクロソフトの言語またはオープン ソー

ス)、およびオープンの標準を使用してアプリケーションをすばやく構築できます。構築したアプリケー

ションは、その他のアプリやデータに接続して、オンプレミス、クラウド、またはハイブリッド モデル

に展開することができます。Visual Studio および Microsoft Team Foundation Server を使用すると、

アイデアからアプリの展開までのアプリケーションのライフサイクル管理が可能になります。

共通の ID

一貫したハイブリッド クラウド プラットフォームに関するマイクロソフトのビジョンは、アプリケー

ションがホストされている場所に関係なく、エンタープライズのすべてのアプリケーションをシームレ

スに管理および接続する機能を提供します。Active Directory および Microsoft Azure Active

Directory は、複数のクラウドにわたる単一の ID の基盤を提供し、さまざまなユーザーおよびデバイス

にアプリケーションを安全に拡張することを可能にします。たとえば、エンタープライズは、既存の

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Active Directory グループ ポリシーを Active Directory Federation Services および Azure Active

Directory で活用して、グループ ポリシーをクラウドに自動的に拡張できます。

SQL Server と Azure

マイクロソフト データ プラットフォームでは、物理的なオンプレミス マシン、プライベート クラウド、

サードパーティがホストするプライベート クラウド、およびパブリック クラウドにわたって SQL

Server テクノロジを活用することができるので、オンプレミスとクラウドでホストされた展開の組み合

わせを使って、多岐にわたる固有のビジネス ニーズを満たすことができます。同時に、これらの環境に

わたって同じサーバー製品、開発ツール、および専門知識を活用できます。

図 11 に示すように、各製品およびサービスはインフラストラクチャにおける管理レベル (X 軸) および

データベースレベルの統合と自動化によるコスト効率のレベル (Y 軸) によって分類されます。

図 11: SQL Server テクノロジ: オンプレミスからパブリック クラウドまで

アプリケーションの設計では、SQL Server をホストするための 4 つの基本的なオプションがあります。

• 仮想化されていない物理マシン上

• オンプレミスのバーチャル マシン上 (プライベート クラウド)

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• Azure Virtual Machine 上 (パブリック クラウド)

• Azure SQL Database (パブリック クラウド)

SQL Server 2016 の新機能および機能強化:

SQL Server 2016 には、ハイブリッド クラウドへの移行を効率化するための新機能および機能強化が

搭載されています。Azure Virtual Machines またはその他の Azure サービス内の SQL Server を操作

するためにスケーラビリティ、可用性、セキュリティ、ID、バックアップと復元、およびレプリケー

ションが強化されています。

さらに、(そのほとんどがクラウド上にネイティブに存在する) 膨大な量の新しいデータ ソースが利用で

きるようになったことにより、SQL Server 2016 では、統合、処理、および分析機能も強化されていま

す。Analysis Services、Reporting Services、および Integration Services には、クラウド データお

よびハイブリッド ソリューションでの作業を容易にする多くの機能が追加されています。

SQL Server 2016 は、ハイブリッド クラウド環境での作業を容易にすることによって、展開および管

理タスクの一貫性を強化します。

結論

SQL Server には、外部データ ソースとの容易な統合を実現しながら、管理をシンプルにしてきた長い

実績があります。特に、SQL Server 2016 は、データおよびサービスが多くの場所に存在するハイブ

リッド クラウド環境での作業を効率化することを目的に設計されています。SQL Server 2016 の

Stretch Databases 機能は、この種類の対話によって提供されるスケーラビリティを示しています。

バックアップ、移行、可用性などの管理機能は、SQL Server 2016 ですべて強化され、シンプルなもの

となっています。マイクロソフトのハイブリッド クラウドの概念によってツールとプロセスの一貫性が

促進され、ハイパースケール クラウドの利点を容易に実現するので、SQL Server および

Microsoft Azure を組み合わせて使用することにより、優れたプラットフォームを構築することができ

ます。

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追加情報

このホワイト ペーパーで取り上げたトピックに関する詳細については、以下の Web サイトを参照して

ください。

• http://www.microsoft.com/ja-jp/server-cloud/products/sql-server-2016/:

SQL Server 2016 の Web サイト

• http://technet.microsoft.com/ja-jp/sqlserver/: SQL Server TechCenter

• http://msdn.microsoft.com/ja-jp/sqlserver/: SQL Server DevCenter

• http://azure.microsoft.com/ja-jp/: Microsoft Azure

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