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次世代の分析ソリューション違いを見分ける科学 多変量解析の世界
C219-0066A
2
研究・開発を加速する“違いを見分けるテクニック”
クロマトグラフ、分光光度計、試験機と豊富な装置ラインナップを有する島津が提供できる「違いを見分けるテクニック」を紹介します。
高感度・高速化を実現した当社の分析装置を使うと、従来よりはるかに短時間に正確なデータを得ることができます。しかし得られたデータは膨大なものとなります。その膨大なデータの中から、試料間の違いを見つけるにはどうすればよいでしょうか?その課題には“多変量解析”が威力を発揮します。多変量解析を使うと、容易に違いを見つけ出すことができます。 世界最高レベルの性能を有する当社装置と多変量解析を組み合わせることで、研究・開発の能率を飛躍的に引き上げることが可能となります。
多変量解析とは?
多変量解析の世界
定量手法
CLS
重回帰
PCR
PLS
●多成分混合試料の同時定量●みかん、イチゴの糖度測定●モモのポリフェノール濃度測定●トマトの水分量測定 など
分類手法
主成分分析(PCA)クラスター分析判別分析因子分析・・
●ミネラルウォーターの分類●茶葉の産地判別●においの分類●タイヤゴムの添加剤の分類 など
多変量解析とは、大量のデータの中から有効な情報を取り出す統計的な手法です。現代では分析機
器の高速化が進み、測定者は膨大なデータにとり囲まれています。そのような状況で試料間の差異を
見出したり、有効な情報を取り出したりするのはたいへんです。多変量解析なら、そんな大仕事も
楽々とやってのけます。例えば、商品の劣化前と劣化後でどんな成分が増え、どんな成分が減っている
のか?を調べたいとします。そんな難問も多変量解析を使うと容易に解決します。そこでは多変量解
析の分類手法が役立ちます。また例えば、複雑な混合系の中から目的物の量のみを知りたいとしま
す。そのような複雑な系でも多変量解析を使えば大丈夫。この場合は定量手法が威力を発揮します。
3
nm230.0 250.0 300.0 350.0 400.0
Abs.
1.5
1.0
0.5
0.0
ビール類の違いを探るカロリー、アルコールの視点から1
含有成分の視点から2
ビール、発泡酒、ノンアルコールビールの吸収スペクトルに多変量解析を適用することで、ビール類を蛋白質やアルコールの量から大きく分類することができます。
LCMSデータに多変量解析を適用してビール類をさらに緻密に分析します!各ビール類に多く含まれる成分を特定することができます。
食 品
スコアプロットで分類できたら、ローディングプロットでグループの特徴を把握します!スコアプロットで分類できたら、ローディングプロットでグループの特徴を把握します!
紫外可視近赤外分光光度計UV-3600 Plus
各ビール類を特徴づける要因がわかった。新商品開発に役立ちそう!
ピログルタミン酸多い
乳酸多い
リンゴ酸多い
スコアプロット
スコアプロット
ローディングプロット
紫外域
ノンアルコールビール
発泡酒
アルコール少ない
ビール
蛋白質等多い
nm1400.0 1420.0 1440.0 1460.0 1480.0 1500.0
Abs.
3.0
2.8
2.6
2.4
2.2
2.0近赤外域
Nexera + LCMS-2020(シングル四重極型質量分析計)
Nexera + LCMS-8050(トリプル四重極型質量分析計)
Nexera + LCMS-IT-TOF(イオントラップ一飛行時間型質量分析計)
主成分分析(PCA)はデータの分類に威力を発揮します。スコアプロットを使うと、各試料間の類似度を把握できます。
4
日本茶の違いを探る
おいしいお茶って何が原因しているのかしら…
におい識別装置FF-2020と多変量解析を組み合わせることで、においを強さと質という視点で分類できました。
品評会で順位づけされた緑茶葉を分類しました。多変量解析を使うと、高順位の茶葉と低順位の茶葉における含有成分の違いを明らかにすることができます。
におい識別装置FF-2020
ガスクロマトグラフ質量分析計GCMS-TQ8040
トータルイオンクロマトグラム
高順位の茶葉
低順位の茶葉
玉露は強くて甘いにおいをもち、煎茶Eは弱い焦げ臭をもっている。
においの強さ、質の視点から1
味に関係する含有成分の視点から2
食 品
グルタミンやカフェインが多い!
フラクトースやグルコースが多い!
スコアプロット
スコアプロット
お茶のおいしさの秘密がわかった!食品開発に役立つ情報が得られた。
5
PC-1 (37%)-3 -2 -1 0 1 2 3 4 5
PC-2(21%)
-3
-2
-1
0
1
2
3
スコア
AB
C
D
EF
G
H
I
J K
L
ミネラルウォーターの違いを探る
ミネラルウォーター20種の紫外吸収スペクトルを分類!
ミネラルウォーター11種(+水道水1種)の元素分析結果
ICPE-9800と多変量解析を組み合わせることでミネラルウォーター間の差異や類似度を把握することができます。スコアプロットからEとF、JとCは似ていることがわかります。
紫外可視分光光度計のデータを用いてミネラルウォーターを総吸収量(イオン量)の観点で分類しました。近くにプロットされた試料同士は似ている、離れているものは似ていないと言えます。
スコアプロット
発光分光分析装置ICPE-9800
スコアプロット
薄い、濃いの視点から1
多元素分析の視点から2
- 2- 1.5- 1- 0.500.511.522.5
0 2 4 6 8 10 12
t[1]
t[2]
FB
A
P
GE
O D
LS
QKR
TCI NMH
J
総吸収量少ない!
総吸収量多い!
EとF、JとCは似ている!
軟水
硬水
試料名 B Ba Ca Fe K Mg Na P Si VA 0.006 0.0053 4.5 0.0008 3.9 2.1 6.9 0.060 29 0.0018B 0.043 0.0074 25 <0.0001 0.30 5.4 19 0.011 15 0.0001C 0.015 0.0047 6.9 <0.0001 4.6 5.4 11 0.071 33 0.0083D 0.084 0.0111 27 0.001 5.7 11 27 0.085 25 0.0086E 0.013 0.0010 7.9 <0.0001 1.0 2.5 6.7 0.13 15 0.069F 0.007 0.0006 7.2 <0.0001 0.86 2.6 5.0 0.11 16 0.065G 0.018 0.0029 6.2 <0.0001 1.4 5.4 12 0.16 28 0.058H 0.038 0.020 101 0.0003 5.2 22 7.8 <0.007 4.1 0.0005 I 0.012 0.11 86 0.0003 1.1 29 7.3 <0.007 6.9 0.0002J 0.0080 0.0012 13 <0.0001 6.6 8.7 12 0.16 15 0.0043K 0.19 0.011 462 0.0007 3.5 94 9.4 <0.007 3.9 0.0003
L(水道水) 0.011 0.0089 12 0.038 1.7 2.2 8.8 <0.007 0.92 0.0003
軟水と硬水を分けることができた。産地判別に役立ちそう…
6
錠剤における成分分布の可視化を実現する
製薬・医学
錠剤中の有効成分や滑沢剤等の分布は、服用時の体内での溶出挙動や効能に影響を及ぼします。これらの分布状態の把握は重要な評価項目のひとつです。レニショー社製顕微ラマン分光光度計は、励起レーザー光をライン上にフォーカスし、試料ステージをXY方向に走査してイメージング測定を行います。顕微鏡の視野範囲に制限されることなく、錠剤全体など広い領域の高速イメージング測定が可能です。
ラマン測定結果に多変量解析とイメージング処理を加えることで、錠剤表面の成分分布状態の視覚的な把握が可能となります。
膵臓がん患者と健常者の血清からそれぞれ抽出した代謝物をGC/MSで測定し、代謝成分データベースを用いて代謝物の同定を行いました。得られた結果に対し多変量解析を行った結果、膵臓がん患者と健常者のグループを分けることができました。
レニショー社顕微ラマン分光光度計
GCMS-TQ8040
膵臓がん患者と健常人のメタボロームデータのスコアプロット
健常人群(●)とがん患者群(●)がグループ分けされた。(データご提供:神戸大学大学院医学研究科 吉田優先生 使用装置:GCMS-QP2010Plus)
鎮痛剤断面の有効成分分布
成分の分散状態が悪い試料 成分の分散状態が良い試料
血中代謝物プロファイリングによる膵臓がんの新規診断法
7
色素増感型太陽電池電解液の劣化解析
よう素価測定が簡便になります
LCMS-IT-TOFと多変量解析を組み合わせることで電解液の劣化指標となる成分を見出し、組成推定を行うことができます。
従来手法でよう素価を求めるには時間がかかります。FTIRと多変量解析PLSを組み合わせることでよう素価を簡単に求められるようになります。
(サンプルご提供:東京大学先端科学技術研究センター 瀬川浩司先生、内田聡先生)
化 学
よう素価はサンプル100gに吸収されるよう素の量(g)を表したもので、サンプル中の不飽和脂肪酸量および脂肪酸の不飽和度が大きいほどこの値は大きくなります。よう素価は油脂などの不飽和度を示す尺度の一つとなっています。
加速試験1SUN (100mW/cm2)、85℃の条件で加速試験を行った。
Sample 1 : 加速なしSample 2 : 12時間加速Sample 3 : 150時間加速
LCMS-IT-TOF
劣化指標となる成分の候補が見つかった!
IRTracer-100
PLSによる定量
PLSで迅速定量
次世代の分析ソリューション
3656-09401-10AIT
島津「ケモメトリックス入門講習会」開催中!
島津製作所京都本社、東京支社で随時開催中!
「ケモメトリックス入門講習会」で検索!
http://www.an.shimadzu.co.jp/spectro/support/training/spc/chemometric.htm
多変量解析の理論・各手法の解説
・多変量解析の概要の解説・CLSの解説 ・重回帰の解説・PCR(主成分回帰法)の解説・PLSの解説・PCA(主成分分析)の解説
多変量解析の実例
・ミネラル水混合試料の同時定量(UV)・PLS法を用いたよう素価測定(FTIR)・緑茶中代謝物の解析(GC/MS)
多変量解析の実演
実データを使用し、表計算ソフトウェアを用いて重回帰の計算を実演します。
本資料における多変量解析の計算は、主にUmetrics社のSIMCA-PとCAMO社のThe Unscramblerを用いて行いました。SIMCA-Pは Umetrics社の商標または登録商標です。The Unscramberは CAMO社の商標または登録商標です。