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平成28年度 介護支援専門員実務研修資料 岡山県保健福祉部長寿社会課 ケアマネジメントに係る法令等の理解 1 高齢化の進展と介護保険制度の創設 介護保険制度の基本的な仕組み 介護保険制度改正の経緯 介護保険制度の現状と今後 介護保険制度改正(2014年改正)の内容 介護保険制度の見直しに関する意見(概要) 岡山県高齢者保健福祉計画・介護保険事業支援計画 2

ケアマネジメントに係る法令等の理解 · 税金 保険料 市町村 都道府県 国 12.5% 12.5%(※) 25%(※) (平成27-29年度) サービス事業者

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平成28年度介護支援専門員実務研修資料

岡山県保健福祉部長寿社会課

ケアマネジメントに係る法令等の理解

1

1 高齢化の進展と介護保険制度の創設

2 介護保険制度の基本的な仕組み

3 介護保険制度改正の経緯

4 介護保険制度の現状と今後

5 介護保険制度改正(2014年改正)の内容

6 介護保険制度の見直しに関する意見(概要)

7 岡山県高齢者保健福祉計画・介護保険事業支援計画

2

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1 高齢化の進展と介護保険制度の創設

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4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2055 2060

人口、高齢化率の推移

人口(万人) (%)

14歳以下人口

15~64歳人口

65~74歳人口

75歳以上人口65歳以上人口の割合

75歳以上人口の割合

12,806

1,517

1,407

8,103

1,680

23.0%(2010)

8,674

1,128

2,336

4,418

791

26.9%

39.9%

平成24年推計値(日本の将来推計人口)

実績値(国勢調査等)

11.1%

(2010)

4

出典:2010年までは総務省「国勢調査」(2010年の総数は年齢不詳を含む。)、2015年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果

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1 すべての国民の年金、医療、介護をカバー(国民皆保険・皆年金体制)

・ 社会保障給付の大宗を占める年金・医療・介護は、社会保険方式により運営

・ 年金制度は、高齢期の生活の基本的部分を支える年金を保障

・ 医療保険制度は、「誰でも、いつでも、どこでも」保険証1枚で医療を受けられる医療を保障

・ 介護保険制度は、加齢に伴う要介護状態になっても自立した生活を営むことが出来るよう必要

な介護を保障

2 社会保険方式に公費も投入し、「保険料」と「税」の組み合わせによる財政運営

4 国・都道府県・市町村が責任・役割を分担・連携

3 「サラリーマングループ」と「自営業者等グループ」の2本立て

・ 社会保障の財源は、約60%が保険料。約30%が公費、約10%が資産収入等で、保険料中

心の構成

・ サラリーマン(被用者)を対象とする職域保険(健康保険、厚生年金)と自営業者、農業者、高齢者等

を対象とする自営業者等グループ(国民健康保険、国民年金)の2つの制度で構成

・ 年金等は国、医療は都道府県、福祉は市町村がそれぞれ中心となり、社会保障制度を運営

・ 医療・福祉サービスにおいては、民間主体が重要な役割を果たしている。

我が国の社会保障制度の特徴

5

昭和20年代

平成以降

昭和50・60年代

昭和30・40年代

戦後の緊急援護と基盤整備

安定成長への移行と社会保障制度の見直し

国民皆保険・皆年金と社会保障制度の発展

少子高齢社会に対応した社会保障制度の構築

○栄養改善、伝染病予防

○生活保護法の制定 〈1946年〉

○児童福祉法 〈1947年〉、身体障害者福祉法の制定 〈1949年〉

○国民皆保険・皆年金の達成 〈1961年〉

○福祉元年(老人医療費の無料化、年金給付額の改善) 〈1973年〉

○福祉3プラン(ゴールドプラン、エンゼルプラン、障害者プラン)の策定と推進

〈1989年、1994年、1995年〉

○厚生年金の支給開始年齢の引上げ〈1994年、2000年〉

○年金の将来の保険料水準を固定し、被保険者数の減少等に応じ給付を自動

的に調整する仕組みの導入〈2004年〉

○介護保険の創設 〈2000年~〉

○介護保険改正(予防重視システムへの転換、施設給付の見直し)〈2005年、2006年〉

○老人医療1割負担の徹底 〈2002年〉、健康保険本人3割負担 〈2003年〉

○後期高齢者医療制度の創設、医療費適正化計画の策定〈2008年〉

○老人保健制度の創設 〈1983年〉、健康保険本人1割負担の導入 〈1984年〉

○基礎年金の創設、給付水準の適正化 〈1985年〉

(注)厚生白書(平成11年版)

等を基に作成

社会保障制度の変遷

6

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• 利用者本位 ・・・利用者が主体性をもって決めていくこと(自己決定)を専門職が支援

• 利用者の選択の尊重・・・利用者の選択に基づきサービスを提供

• 自立支援・・・本人の持つ能力を活かしながら自立した日常生活が送れるよう支援

(居宅重視・・・居宅で生活を送りたいという利用者ニーズ)

介護保険の3つの基本理念

11

介護保険法

(目的)

第一条 この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。

(介護保険)

第二条 介護保険は、被保険者の要介護状態又は要支援状態に関し、必要な保険給付を行うものとする。

2 前項の保険給付は、要介護状態又は要支援状態の軽減又は悪化の防止に資するよう行われるとともに、医療との連携に十分配慮して行われなければならない。

3 第一項の保険給付は、被保険者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて、被保険者の選択に基づき、適切な保健医療サービス及び福祉サービスが、多様な事業者又は施設から、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮して行われなければならない。

4 第一項の保険給付の内容及び水準は、被保険者が要介護状態となった場合においても、可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならない。

12

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介護保険法

(国民の努力及び義務)

第四条 国民は、自ら要介護状態となることを予防するため、加齢に伴って生ずる心身の

変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、要介護状態となった場合におい

ても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを

利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする。

13

介護保険法

(定義)

第七条

5 この法律において「介護支援専門員」とは、要介護者又は要支援者(以下「要介護者

等」という。)からの相談に応じ、及び要介護者等がその心身の状況等に応じ適切な居

宅サービス、地域密着型サービス、施設サービス、介護予防サービス若しくは地域密

着型介護予防サービス又は特定介護予防・日常生活支援総合事業を利用できるよう

市町村、居宅サービス事業を行う者、地域密着型サー ビス事業を行う者、介護保険

施設、介護予防サービス事業を行う者、地域密着型介護予防サービス事業を行う者、

特定介護予防・日常生活支援総合事業を行う者等との連絡調整等を行う者であって、

要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識及び技

術を有する者として第六十九条の七第一項の介護支援専門員証の交付を受けたもの

をいう。

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介護保険法

(介護支援専門員の義務)

第六十九条の三十四 介護支援専門員は、その担当する要介護者等の人格を尊重し、常

に当該要介護者等の立場に立って、当該要介護者等に提供される居宅サービス、地域密着型サービス、施設サービス、介護予防サービス若しくは地域密着型介護予防サービス又は特定介護予防・日常生活支援総合事業が特定の種類又は特定の事業者若しくは施設に不当に偏ることのないよう、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。

2 介護支援専門員は、厚生労働省令で定める基準に従って、介護支援専門員の業務を行わなければならない。

3 介護支援専門員は、要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する

専門的知識及び技術の水準を向上させ、その他その資質の向上を図るように努めなければならない。

15

介護保険法

(名義貸しの禁止等)

第六十九条の三十五 介護支援専門員は、介護支援専門員証を不正に使用し、又はその名義を他人に介護支援専門員の業務のため使用させてはならない。

(信用失墜行為の禁止)

第六十九条の三十六 介護支援専門員は、介護支援専門員の信用を傷つけるような行為をしてはならない。

(秘密保持義務)

第六十九条の三十七 介護支援専門員は、正当な理由なしに、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。介護支援専門員でなくなった後においても、同様とする。

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2 介護保険制度の基本的な仕組み

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費用の9割分(8割分)の支払い

第1号被保険者

・65歳以上の者

第2号被保険者

・40歳から64歳までの者

保険料

原則年金からの天引き

国民健康保険 ・

健康保険組合など

1割(2割)負担

サービス利用

加 入 者 (被保険者)

市 町 村 (保険者)

22% 28%

税 金

保険料

市町村 都道府県 国12.5% 12.5%(※) 25%(※)

(平成27-29年度)

サービス事業者

○在宅サービス・訪問介護

・通所介護 等

○地域密着型サービス・認知症対応型共同生活介護

・小規模多機能型居宅介護 等

○施設サービス・老人福祉施設

・老人保健施設 等

個別市町村

居住費・食費

要介護認定

請求

※施設等給付の場合は、

国20%、都道府県17.5%

50%

50%人口比に基づき設定

介護保険制度の仕組み

18

全国プール

3,202万人 4,247万人

(注)平成27年8月以降、一定以上所得者については費用の8割分の支払い及び2割負担。

財政安定化基金

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■主な市町村事務(保険者として事業を実施)

①被保険者の資格管理に関わる事務

②要介護認定・要支援認定に関わる事務

③保険給付に関わる事務

④地域支援事業・保健福祉事業に関する事務

⑤事業所・施設に関する事務

⑥市町村介護保険事業計画の策定に関わる事務

⑦保険料の徴収に関わる事務

⑧条例・規則等に関わる事務

⑨会計等に関わる事務

⑩介護保険制度関連の他制度に関わる事務

19

■主な都道府県事務(必要な助言と適切な援助)

①市町村支援に関する事務

②事業所・施設に関する事務

③介護保険サービス情報の公表の事務

④介護支援専門員の登録等に関わる事務

⑤財政支援に関わる事務

⑥介護保険事業支援計画の策定に係る事務

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要介護認定等基準時間

・要支援1 25分以上32分未満

・要支援2 32分以上要介護1 50分未満

・要介護2 50分以上70分未満

・要介護3 70分以上90分未満

・要介護4 90分以上110分未満

・要介護5 110分以上

判定の段階

担当

主治医

調査員

事務局

介護認定審査会

申 請

認定調査 主治医意見書

一次判定(審査会資料の出力)

第二号被保険者の「特定疾病」に関する確認

一次判定の修正・確定STEP1

介護の手間にかかる審査判定

介護認定審査会として付する意見

状態の維持・改善可能性に係る審査判定

STEP2

STEP3

■認定審査

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要支援2・要介護1の振り分け方

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29 29

ケアチーム

・日常的個別指導・相談・支援困難事例等への指導・助言・地域でのケアマネジャーのネット

ワークの構築

総合相談・支援事業

ケアマネジャー

長期継続ケアマネジメント

予防給付・介護予防事業

・アセスメントの実施↓

・プランの策定↓

・事業者による事業実施↓

・再アセスメント

高齢者等高齢者等

主治医

多職種協働・連携の実現支援

連携

行政機関、保健所、医療機関、児童相

談所など必要なサービスにつなぐ

多面的(制度横断的)支援の展開

介護サービス

成年後見制度

日常生活自立支援事業

医療サービス ヘルスサービス

虐待防止

主治医

ボランティア

民生委員

包括的・継続的ケアマネジメント支援事業

地域医師会、福祉関係団体、介護支援専門員等の職能

団体

利用者、被保険者(老人クラブ等)介護保険サービスの関係者

NPO等の地域サービスの関係者

権利擁護・相談を担う関係者

主任ケアマネジャー等

地域包括支援センター運営協議会

介護予防ケアマネジメント事業

・センターの運営支援、評価 ・中立性の確保・地域資源のネットワーク化 ・人材確保支援

保健師等

社会福祉士等

介護相談員

チームアプローチ

権利擁護事業(虐待防止等)

居宅介護支援事業所

⇒市町村ごとに設置(市町村が事務局)

包括的支援事業の円滑な実施、センターの中立性・公正性の確保の観点から、地域の実情を踏まえ、選定

■地域包括支援センター

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1 意 義

行政庁の違法又は不当な処分に関し、簡易迅速な手続によ

る国民の権利救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保

2 種 類

(1)異議申立て 処分庁に対する不服申立て

(2)審査請求

処分庁以外の行政庁に対する不服申立て

(法により都道府県に介護保険審査会が設置)

(3)再審査請求

審査請求の裁決後にさらに行う不服申立て

不服申立ての意義と種類

35

1 却下

審査請求の理由の有無(処分が違法・不当か否か)の判断をしないもの

2 棄却審査請求に理由がないとき(処分を違法・不当と認

めないもの)3 認容(処分の取消し)

審査請求に理由があるとき(処分を違法・不当と認めるもの)

審査庁が行う裁決の種類

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審査請求では、処分を取り消す裁決を求めることのみ認めら

れており、「要介護度の変更」を求めることはできない。

審理は、処分が行われた時点での処分庁(市町村)の判断

について行う。

介護保険審査会は、処分庁に対し、弁明書の提出を求める。

→ 認定調査、認定審査会の議事録等、処分に至る経緯の記

録保管が重要

裁決は、処分庁を拘束する。処分が取り消されたときは、裁

決の趣旨に従い、改めて申請に対する処分をしなければなら

ない。

審査のポイント等

37

■介護保険審査会への審査請求

要介護認定以外に係る処分 要介護認定に係る処分

第1項合議体 第2項合議体 第2項合議体

公益代表委員9人

3人 3人市町村代表委員

3人

被保険者代表委員

3人

3人

介護保険審査会(岡山県)

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■介護給付等費用適正化事業

不適切な給付を削減する一方で、利用者に対する適切な介護サービスを確保することにより、介護保険制度の信頼性を高めるとともに、介護給付費や介護保険料の増大を抑制することを通じて、持続可能な介護保険制度の構築に資する。

主な適正化事業項目 概 要

①認定調査状況チェック 保険者職員等による認定調査の実施等

②ケアプランの点検 ケアプランの内容について保険者の視点から確認等

③住宅改修等の点検 住宅改修の点検・・・利用者宅の実態調査や施工状況の確認等

福祉用具購入、貸与調査・・・利用者の必要性の確認等

④医療情報との突合・縦覧点検

医療情報との突合・・・突合リストによる請求内容のチェック

縦覧点検・・・請求内容を複数月にわたって点検

⑤介護給付費通知 サービス内容と費用の内訳を通知39

3 介護保険制度改正の経緯

40

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■地域支援事業(平成17年改正)

必須事業

①介護予防事業 要介護状態等の軽減もしくは悪化を防止するために必要な事業

包括的支援事業

②介護予防ケアマネジメント業務

介護予防事業などが包括的かつ効率的に提供されるよう必要な援助や調整を行う事業

③総合相談支援業務保健医療・公衆衛生・社会福祉など関連する施策の情報提供、関係機関との連絡調整など

④権利擁護業務虐待の防止・早期発見など権利擁護のために必要な援助を実施

⑤包括的・継続的ケアマネジメント支援業務

支援困難事例のケアマネジャーへの助言、ケアマネジャーのネットワーク作りなど

任意事業

⑥介護給付費等費用適正化事業

被保険者のコスト意識を喚起する事業など

⑦家族介護支援事業介護方法の勉強会の開催など、要介護者を介護する人を支援

⑧その他の事業介護保険事業の安定化や被保険者の地域での自立した日常生活の支援

43

■介護予防事業(平成17年改正)

高 齢 者

×要介護者要支援者

〈要介護認定〉介護の手間に係る審査

+状態の維持または改善可能性の審査

非該当者

要支援・要介護となるおそれのある者

要介護者

予防給付 介護給付

地域包括支援センター(介護予防ケアマネジメント)

要支援者

非該当者

介護予防のための

スクリーニング

重度化防止 重度化防止

×

居宅介護支援事業所

(ケアマネジメント)

地域支援事業(二次予防事業

地域支援事業

(一次予防事業)

要支援・要介護者と思われる者

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4 介護保険制度の現状と今後

4848

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介護保険制度の利用の拡大~制度創設時との比較~

(出典:介護保険事業状況報告)

49

65歳以上(第1号)被保険者数

2,165万人 ⇒ 3,308万人(1.53倍)

(2000年4月末) (2015年4月末)

97万人 ⇒ 382万人 (3.94倍)在宅

52万人 ⇒ 90万人 (1.73倍)施設

- 40万人地域密着

149万人 ⇒ 512万人 (3.43倍)

(2000年4月末) (2015年4月末)

合計

サービス利用者数

介護保険施行後の推移

29 87

8455

118

39

106

32

79

34

73

29

60

平成12年4月末 平成27年4月末(単位:万人)

(出典:介護保険事業状況報告)

218万人

608万人2.79倍

50

要介護・要支援の認定者数~制度創設時との比較~

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3.2

9.4

2000年度 2015年度

+190%

兆円

兆円26.1

36.7

2000年度 2014年度

+41%

兆円

兆円

※ 国民医療費ベース。2000年度は実績ベース、2014年度は予算ベース

※ 2015年度予算案ベースは集計中

介護給付費の伸び~制度創設時との比較~

51

※2000年度は実績ベース2015年度は予算案ベース

介護 (参考)医療

2025年の介護保険をとりまく状況

52

2012年 2025年

(括弧内は65歳以上人口対比)

462万人(15%)

約700万人(約20%)

※「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」(平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業 九州大学 二宮教授)による速報値

2010年 2025年

世帯主が65歳以上の夫婦のみの世帯数

世帯主が65歳以上の単独世帯数

540万世帯

701万世帯498万世帯

645万世帯

1,038万世帯(20.0%)

1,346万世帯(25.7%)

1.高齢者の増加

2.認知症高齢者の増加 3.単独世帯・夫婦のみ世帯の増加

2012年8月 2025年

65歳以上人口(割合) 3,058万人(24.0%) 3,657万人(30.3%)

75歳以上人口(割合) 1,511万人(11.8%) 2,179万人(18.1%)

(括弧内は世帯数対比)

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5 介護保険制度改正(平成26年改正)の内容

53

いつまでも元気に暮らすために・・・

生活支援・介護予防

住まい

地域包括ケアシステムの姿

※ 地域包括ケアシステムは、おおむね30分以内に必要なサービスが提供される日常生活圏域(具体的には中学校区)を単位として想定

■在宅系サービス:・訪問介護 ・訪問看護 ・通所介護・小規模多機能型居宅介護・短期入所生活介護・24時間対応の訪問サービス・複合型サービス

(小規模多機能型居宅介護+訪問看護) 等

・自宅・サービス付き高齢者向け住宅 等

相談業務やサービスのコーディネートを行います。

■施設・居住系サービス・介護老人福祉施設・介護老人保健施設・認知症共同生活介護・特定施設入所者生活介護

日常の医療:・かかりつけ医、有床診療所・地域の連携病院・歯科医療、薬局

老人クラブ・自治会・ボランティア・NPO 等

・地域包括支援センター・ケアマネジャー

通院・入院通所・入所

病院:急性期、回復期、慢性期

病気になったら・・・

医 療 介護が必要になったら・・・

介 護

■介護予防サービス

地域包括ケアシステムの構築について

○ 団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現。

○ 今後、認知症高齢者の増加が見込まれることから、認知症高齢者の地域での生活を支えるためにも、地域包括ケアシステムの構築が重要。

○ 人口が横ばいで75歳以上人口が急増する大都市部、75歳以上人口の増加は緩やかだが人口は減少する町村部等、高齢化の進展状況には大きな地域差。

○ 地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていくことが必要。

54

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地域における医療・介護の総合的な確保を図るための改革

改革の目的: 今回の医療・介護の改革は、プログラム法の規定に基づき、高度急性期から在宅医療・介護までの一連のサービスを地域において総合的に確保することで地域における適切な医療・介護サービスの提供体制を実現し、患者の早期の社会復帰を進め、住み慣れた地域での継続的な生活を可能とすること

■医療及び介護サービスの整合的な計画の策定と、医療・介護を対象とした新たな財政支援制度・都道府県が策定する医療計画と介護保険事業計画を、一体的・強い整合性を持った形で策定(両者を包括する基本的な方針)・消費税増収分を活用した新たな財政支援制度(各都道府県に基金を設置)を法定化(医療・介護とも対象)

■地域での効率的・質の高い医療の確保○病床の機能分化・連携・ 各医療機関が医療機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)を都道府県に報告

・ 都道府県は、報告制度等を活用し、各医療機能の必要量等を含む地域の医療提供体制の将来のあるべき姿(地域医療構想(ビジョン))を策定

・ 地域医療構想(ビジョン)は、医療機関の自主的な取組と医療機関相互の協議により推進することを基本。なお、医療機関相互の協議の合意に従わない医療機関が現れた場合等には必要な対処措置を講ずる

○有床診療所等の役割の位置づけ・ 病床機能報告制度及び地域医療構想(ビジョン)の導入を踏まえ、国、地方公共団体、病院、国民(患者)と併せ、有床診療所の役割・責務について、医療法に位置づける。

○在宅医療の推進、介護との連携

■地域包括ケアシステムの構築○地域支援事業の充実①在宅医療・介護連携の推進 ②認知症施策の推進③地域ケア会議の推進 ④生活支援サービスの充実・強化*前回改正による24時間対応の定期巡回サービスをはじめ、介護サービ

スの充実・普及を推進

○全国一律の予防給付(訪問介護・通所介護)を市町村が取り組む地域支援事業に移行し、多様化

○特別養護老人ホームの「新規」入所者を、原則、要介護3以上に重点化 *要介護1・2でも一定の場合には入所可能

■持続可能な介護保険制度の構築 (費用負担の公平化)

○低所得者の保険料の軽減割合を拡大*給付費の5割の公費に加えて別枠で公費を投入し、低所得者の保険料の軽減割合を拡大

○一定以上の所得のある利用者の自己負担を引上げ

○低所得の施設利用者の食費・居住費を補填する「補足給付」の要件に資産などを追加

■医療・介護従事者の確保○医師確保支援を行う地域医療支援センターの

機能の位置づけ

○看護師等免許保持者に対して、ナースセンターへの届出制度を創設

○医療機関の勤務環境改善*指針の策定、都道府県で取組を支援する仕組み

○臨床修練制度の高度な医療技術を有する外国医師への拡充

○歯科技工士国家試験の全国統一化

○介護従事者の確保*上記基金による対応、27年度介護報酬改定で検討

効率的かつ質の高い医療提供体制の構築 地域包括ケアシステムの構築

サービスの充実

基金

○介護従事者の確保

*上記基金による対応、27年度介護報酬改定で

検討

■地域での効率的・質の高い医療の確保○医療事故にかかる調査の仕組みの位置づけ○医療法人制度に係る見直し

・持ち分なし医療法人への移行促進策を創設(移行計画の策定等)・医療法人社団と医療法人財団の合併を可能とする。

○臨床研究中核病院の位置づけ

■チーム医療の推進○診療の補助のうちの特定行為を明確化し、それを手順書により行

う看護師の研修制度を新設○診療放射線技師、臨床検査技師、歯科衛生士の業務範囲又は

業務実施体制の見直し

サービス充実の基盤制度の整備

計画

55

高齢者が住み慣れた地域で生活を継続できるようにするため、介護、医療、生活支援、介護予防を充実。

低所得者の保険料軽減を拡充。また、保険料上昇をできる限り抑えるため、所得や資産のある人の利用者負担を見直す。

介護保険制度の改正の主な内容について

②費用負担の公平化①地域包括ケアシステムの構築

○地域包括ケアシステムの構築に向けた地域支援事業の充実

* 介護サービスの充実は、前回改正による24時間対応の定期巡回サービスを含めた介護サービスの普及を推進

* 介護職員の処遇改善は、27年度介護報酬改定で検討

サービスの充実○低所得者の保険料の軽減割合を拡大

・給付費の5割の公費に加えて別枠で公費を投入し、低所得者の保険料の軽減割合を拡大(※軽減例・対象は完全実施時のイメージ)

低所得者の保険料軽減を拡充

①全国一律の予防給付(訪問介護・通所介護)を市町村が取り組む地域支援事業に移行し、多様化

重点化・効率化

①一定以上の所得のある利用者の自己負担を引上げ・ 2割負担とする所得水準は、65歳以上高齢者の上位20%に該当

する合計所得金額160万円以上(単身で年金収入のみの場合、

280万円以上)。ただし、月額上限があるため、見直し対象の全員

の負担が2倍になるわけではない。

・ 医療保険の現役並み所得相当の人は、月額上限を37,200円か

ら 44,400円に引上げ

②低所得の施設利用者の食費・居住費を補填する「補足給付」の要件に資産などを追加・預貯金等が単身1000万円超、夫婦2000万円超の場合は対象外

・世帯分離した場合でも、配偶者が課税されている場合は対象外

・給付額の決定に当たり、非課税年金(遺族年金、障害年金)を収

入として勘案 *不動産を勘案することは、引き続きの検討課題

重点化・効率化

○ このほか、「2025年を見据えた介護保険事業計画の策定」、「サービス付高齢者向け住宅への住所地特例の適用」、 「居宅介護支援事業所の指定権限の市町村への移譲・小規模通所介護の地域密着型サービスへの移行」等を実施

* 段階的に移行(~29年度)* 介護保険制度内でのサービス提供であり、財源構成も変わらない。

* 見直しにより、既存の介護事業所による既存サービスに加え、NPO、 民間企業、住民ボランティア、協同組合等による多様なサービスの提供が可能。これにより、効果的・効率的な事業も実施可能。

②特別養護老人ホームの新規入所者を、原則、要介護3以上に重点化(既入所者は除く)* 要介護1・2でも一定の場合には入所可能

56

* 保険料見通し: 現在5,000円程度→2025年度8,200円程度

* 軽減例: 年金収入80万円以下 5割軽減 → 7割軽減に拡大

* 軽減対象: 市町村民税非課税世帯(65歳以上の約3割)

①在宅医療・介護連携の推進

②認知症施策の推進

③地域ケア会議の推進

④生活支援サービスの充実・強化

Page 29: ケアマネジメントに係る法令等の理解 · 税金 保険料 市町村 都道府県 国 12.5% 12.5%(※) 25%(※) (平成27-29年度) サービス事業者

【財源構成】

国 25%

都道府県12.5%

市町村12.5%

1号保険料22%

2号保険料28%

【財源構成】

国 39%

都道府県19.5%

市町村19.5%

1号保険料22%

介護予防給付(要支援1~2)

介護予防事業又は介護予防・日常生活支援総合事業○ 二次予防事業○ 一次予防事業

介護予防・日常生活支援総合事業の場合は、上記の他、生活支援サービスを含む要支援者向け事業、介護予防支援事業。

包括的支援事業

○地域包括支援センターの運営・介護予防ケアマネジメント、総合相談支援業務、権利擁護業務、ケアマネジメント支援

任意事業○ 介護給付費適正化事業○ 家族介護支援事業○ その他の事業

新しい介護予防・日常生活支援総合事業(要支援1~2、それ以外の者)

○ 介護予防・生活支援サービス事業・訪問型サービス・通所型サービス・生活支援サービス(配食等)・介護予防支援事業(ケアマネジメント)

○ 一般介護予防事業

包括的支援事業

○ 地域包括支援センターの運営(左記に加え、地域ケア会議の充実)

○ 在宅医療・介護連携の推進

○ 認知症施策の推進(認知症初期集中支援チーム、認知症地域支援推進員 等)

○ 生活支援サービスの体制整備(コーディネーターの配置、協議体の設置等)

介護予防給付(要支援1~2)

充実

現行と同様

事業に移行

訪問看護、福祉用具等

訪問介護、通所介護

多様化

任意事業○ 介護給付費適正化事業○ 家族介護支援事業○ その他の事業

地域支援事業

地域支援事業

介護給付 (要介護1~5) 介護給付(要介護1~5)

新しい地域支援事業の全体像<旧> <新>介護保険制度

全市町村で実施

57

○ 医療と介護の両方を必要とする状態の高齢者が、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、地

域における医療・介護の関係機関(※)が連携して、包括的かつ継続的な在宅医療・介護を提供することが重要。

(※)在宅療養を支える関係機関の例

・診療所・在宅療養支援診療所・歯科診療所等 (定期的な訪問診療等の実施)

・病院・在宅療養支援病院・診療所(有床診療所)等 (急変時の診療・一時的な入院の受入れの実施)

・訪問看護事業所、薬局 (医療機関と連携し、服薬管理や点滴・褥瘡処置等の医療処置、看取りケアの実施等)

・介護サービス事業所 (入浴、排せつ、食事等の介護の実施)

○ このため、関係機関が連携し、多職種協働により在宅医療・介護を一体的に提供できる体制を構築するため、都道府

県・保健所の支援の下、市区町村が中心となって、地域の医師会等と緊密に連携しながら、地域の関係機関の連携体制

の構築を推進する。

【24年度要求額 :1804百万円 】

地域包括支援センター

在宅療養支援診療所等

利用者・患者

在宅療養支援病院・診療所(有床診療所)等

介護サービス事業所

訪問診療

訪問看護等

訪問診療介護サービス

一時入院(急変時の診療や一時受入れ)

連携

訪問看護事業所、薬局等

在宅医療・介護連携支援に関する相談窓口(郡市区医師会等)

関係機関の連携体制の構築支援

都道府県・保健所後方支援、広域調整等の支援

市町村

・地域の医療・介護関係者による会議の開催・在宅医療・介護連携に関する相談の受付・在宅医療・介護関係者の研修 等

※市区町村役場、地域包括支援センターに設置することも可能

58

在宅医療・介護の連携の推進

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地域の医療機関の分布、医療機能を把握し、リスト・マップ化

必要に応じて、連携に有用な項目(在宅医療の取組状況、医師の相談対応が可能な日時等)を調査

結果を関係者間で共有

(ア)地域の医療・介護サービス資源の把握

(イ)在宅医療・介護連携の課題の抽出と対応策の検討

地域の医療・介護関係者等が参画する会議を開催し、在宅医療・介護連携の現状を把握し、課題の抽出、対応策を検討

(オ)在宅医療・介護連携に関する相談支援

医療・介護関係者の連携を支援するコーディネーターの配置等による、在宅医療・介護連携に関する相談窓口の設置・運営により、連携の取組を支援。

(エ)医療・介護関係者の情報共有の支援

情報共有シート、地域連携パス等の活用により、医療・介護関係者の情報共有を支援

在宅での看取り、急変時の情報共有にも活用

(キ)地域住民への普及啓発

地域住民を対象にしたシンポジウム等の開催

パンフレット、チラシ、区報、HP等を活用した、在宅医療・介護サービスに関する普及啓発

在宅での看取りについての講演会の開催等

(カ)医療・介護関係者の研修

地域の医療・介護関係者がグループワーク等を通じ、多職種連携の実際を習得

介護職を対象とした医療関連の研修会を開催等

(ウ)切れ目のない在宅医療と介護サービスの提供体制の構築推進

◆地域の医療・介護関係者の協力を得て、在宅

医療・介護サービスの提供体制の構築を推進

(ク)在宅医療・介護連携に関する関係市区町村の連携

◆同一の二次医療圏内にある市区町村や隣接する市区町村等が連携して、広域連携が必要な事項について検討

例)二次医療圏内の病院から退院する事例等に関して、都道府県、保健所等の支援の下、医療・介護関係者間で情報共有の方法等について協議 等

○事業項目と取組例

○ 在宅医療・介護の連携推進については、これまで医政局施策の在宅医療連携拠点事業(平成23・24年度)、在宅医療推進事業(平成

25年度~)により一定の成果。それを踏まえ、介護保険法の中で制度化。

○ 介護保険法の地域支援事業に位置づけ、市区町村が主体となり、郡市区医師会等と連携しつつ取り組む。

○ 実施可能な市区町村は平成27年4月から取組を開始し、平成30年4月には全ての市区町村で実施。

○ 各市区町村は、原則として(ア)~(ク)の全ての事業項目を実施。

○ 事業項目の一部を郡市区医師会等(地域の中核的医療機関や他の団体を含む)に委託することも可能。

○ 都道府県・保健所は、市区町村と都道府県医師会等の関係団体、病院等との協議の支援や、都道府県レベルでの研修等により支援。国

は、事業実施関連の資料や事例集の整備等により支援するとともに、都道府県を通じて実施状況を把握。

在宅医療・介護連携推進事業(介護保険の地域支援事業、平成27年度~)

59

認知症専門医による指導の下(司令塔機能)に早期診断、早期対応に向けて以下の体制を地域包括支援センター等に整備○認知症初期集中支援チーム-複数の専門職が認知症が疑われる人、認知症の人とその家族を訪問(アウトリーチ)し、認知症の専門医による鑑別診断等を

ふまえて、観察・評価を行い、本人や家族支援などの初期の支援を包括的・集中的に行い、自立生活のサポートを行う。

○認知症地域支援推進員 -認知症の人ができる限り住み慣れた良い環境で暮らし続けることができるよう、地域の実情に応じて医療機関、介護サービス事業所や地域の支援機関をつなぐ連携支援や認知症の人やその家族を支援する相談業務等を行う。

診断・指導

指導・助言

地域包括支援センター・認知症疾患医療センター等に設置

紹介

診断・指導

紹介

情報提供・相談

複数の専門職による個別の訪問支援(受診勧奨や本人・家族へのサポート等)

(個別の訪問支援)

(専任の連携支援・相談等)

保健師・看護師等

連携

認知症初期集中支援チームと認知症地域支援推進員について

認知症サポート医である専門医(嘱託) ○ 専門的な鑑別診断

○ 定期的なアセスメント○ 行動・心理症状外来対応○ 地域連携

●認知症初期集中支援チーム●専門医療機関(認知症疾患医療センター等)

●認知症地域支援推進員

地域の実態に応じた認知症施策の推進(医療・介護・地域資源と専門相談等)

●かかりつけ医・歯科医

①訪問支援対象者の把握、②情報収集(本人の生活情報や家族の状況など)、③初回訪問時の支援(認知症への理解、専門的医療機関等の利用の説明、介護保

険サービス利用の説明、本人・家族への心理的サポート)、④観察・評価(認知機能、生活機能、行動・心理症状、家族の介護負担度、身体の様子のチェック)、

⑤専門医を含めたチーム員会議の開催(観察・評価内容の確認、支援の方針・内容・頻度等の検討)、⑥初期集中支援の実施(専門的医療機関等への受診勧奨、

本人への助言、身体を整えるケア、生活環境の改善など)、⑦引き継ぎ後のモニタリング

≪認知症初期集中支援チームの主な業務の流れ≫

指導

助言

相談

情報提供

医療系+介護系職員(保健師、看護師、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士等)

訪問担当者相談

情報提供

指導

助言

近隣地域

本人

家族

訪問(観察・評価)

専門医

派遣

日常診療・相談

診療・相談

相談

60

Page 31: ケアマネジメントに係る法令等の理解 · 税金 保険料 市町村 都道府県 国 12.5% 12.5%(※) 25%(※) (平成27-29年度) サービス事業者

【参考】認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)

~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けてのポイント

認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指す。

①高齢化に伴い認知症の人は増加2012年 462万人(高齢者の約7人に1人) ⇒ 2025年 約700万人(約5人に1人)

②認知症の人が認知症とともによりよく生きていくことができるような環境整備が必要

2025年まで (数値目標は2017年度末)

①厚生労働省が関係府省庁と共同して策定

②認知症の人やその家族など様々な関係者から意見聴取

61

1.認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進

2.認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供

3.若年性認知症施策の強化

4.認知症の人の介護者への支援

5.認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進

6.認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の

研究開発の推進

7.認知症の人やその家族の視点の重視

基本的考え方

背景

特長

対象期間

○地域包括支援センターが開催○個別ケース(困難事例等)の支援内容を通じた①地域支援ネットワークの構築②高齢者の自立支援に資するケアマネジメント支援③地域課題の把握 などを行う。※幅広い視点から、直接サービス提供に当たらない専門職種も参加

※行政職員は、会議の内容を把握しておき、地域課題の集約などに活かす。

地域づくり・資源開発

政策形成介護保険事業計画等への位置づけなど

地域課題の把握

個別のケアマネジメント

市町村レベルの会議(地域ケア推進会議)

事例提供

支 援

サービス担当者会議(全てのケースについて、多職種協働により適切なケアプランを検討)

≪主な構成員≫

その他必要に応じて参加

医師、歯科医師、薬剤師、看護師、歯科衛生士、PT、OT、ST、管理栄養士、ケアマネジャー、介護サービス事業者 など

自治会、民生委員、ボランティア、NPOなど

医療・介護の専門職種等

地域包括支援センターレベルでの会議(地域ケア個別会議)

地域の支援者

生活支援体制整備

生活支援コーディネーター

協議体

認知症施策

認知症初期集中支援チーム

認知症地域支援推進員

在宅医療連携の拠点

医師会等関係団体

医療関係専門職等

・地域包括支援センターの箇所数:4,484ヶ所(センター・ブランチ・サブセンター合計7,196ヶ所)(平成25年4月末現在)・地域ケア会議は全国の保険者で約8割(1,207保険者)で実施(平成24年度末時点)

地域ケア会議の推進

地域ケア会議は、高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の整備とを同時に進めていく、地域包括ケアシステムの実現に向けた手法。

具体的には、地域包括支援センター等が主催し、○ 医療、介護等の多職種が協働して高齢者の個別課題の解決を図るとともに、介護支援専門員の自立支援に資するケアマネジメントの実践力を高める。

○ 個別ケースの課題分析等を積み重ねることにより、地域に共通した課題を明確化する。○ 共有された地域課題の解決に必要な資源開発や地域づくり、さらには介護保険事業計画への反映などの政策形成につなげる。

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○予防給付のうち訪問介護・通所介護について、市町村が地域の実情に応じた取組ができる介護保険制度の地域支援事業へ移

行(29年度末まで)。財源構成は給付と同じ(国、都道府県、市町村、1号保険料、2号保険料)。

○既存の介護事業所による既存のサービスに加えて、NPO、民間企業、ボランティアなど地域の多様な主体を活用して高齢者を支

援。高齢者は支え手側に回ることも。

予防給付の見直しと生活支援サービスの充実

・住民主体で参加しやすく、地域に根ざした介護予防活動の推進・元気な時からの切れ目ない介護予防の継続・リハビリテーション専門職等の関与による介護予防の取組・見守り等生活支援の担い手として、生きがいと役割づくりによる互助の推進

・住民主体のサービス利用の拡充

・認定に至らない高齢者の増加

・重度化予防の推進

・専門的なサービスを必要とする人には専門的サービスの提供(専門サービスにふさわしい単価)

・支援する側とされる側という画一的な関係性ではなく、サービスを利用しながら地域とのつながりを維持できる

・能力に応じた柔軟な支援により、介護サービスからの自立意欲が向上

・多様なニーズに対するサービスの拡がりにより、在宅生活の安心確保

予防給付(全国一律の基準)

地域支援事業

移行

移行

・多様な担い手による多様なサービス(多様な単価、住民主体による低廉な単価の設定、単価が低い場合には利用料も低減)

同時に実現

サービスの充実

費用の効率化

訪問介護NPO、民間事業者等による掃除・洗濯等の生活支援サービス

住民ボランティアによるゴミ出し等の生活支援サービス

既存の訪問介護事業所による身体介護・生活援助の訪問介護

通所介護

既存の通所介護事業所による機能訓練等の通所介護

NPO、民間事業者等によるミニデイサービス

コミュニティサロン、住民主体の運動・交流の場

リハビリ、栄養、口腔ケア等の専門職等関与する教室

介護予防・生活支援の充実

63

地域住民の参加

高齢者の社会参加生活支援・介護予防サービス

生活支援の担い手としての社会参加

○現役時代の能力を活かした活動○興味関心がある活動○新たにチャレンジする活動

・一般就労、起業・趣味活動・健康づくり活動、地域活動・介護、福祉以外のボランティア活動 等

○ニーズに合った多様なサービス種別

○住民主体、NPO、民間企業等多様な主体によるサービス提供

・地域サロンの開催・見守り、安否確認・外出支援・買い物、調理、掃除などの家事支援・介護者支援 等

バックアップ

バックアップ

都道府県等による後方支援体制の充実

市町村を核とした支援体制の充実・強化

○ 単身世帯等が増加し、支援を必要とする軽度の高齢者が増加する中、生活支援の必要性が増加。ボランティア、NPO、民間企業、協同組合等の多様な主体が生活支援・介護予防サービスを提供することが必要。

○ 高齢者の介護予防が求められているが、社会参加・社会的役割を持つことが生きがいや介護予防につながる。○ 多様な生活支援・介護予防サービスが利用できるような地域づくりを市町村が支援することについて、制度的な位置づけの強

化を図る。具体的には、生活支援・介護予防サービスの充実に向けて、ボランティア等の生活支援の担い手の養成・発掘等の地域資源の開発やそのネットワーク化などを行う「生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)」の配置などについて、介護保険法の地域支援事業に位置づける。

64

生活支援・介護予防サービスの充実と高齢者の社会参加

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民間企業

ボランティアNPO

バックアップ

市町村を核とした支援体制の充実・強化(コーディネーターの配置、協議体の設置等を通じた住民ニーズとサービス資源のマッチング、情報集約等)

事業

主体

○高齢者の在宅生活を支えるため、ボランティア、NPO、民間企業、社会福祉法人、協同組合等の多様な事業主体による重層的な生活支援・介護予防サービスの提供体制の構築を支援

・介護支援ボランティアポイント等を組み込んだ地域の自助・互助の好取組を全国展開

・「生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)」の配置や協議体の設置などに対する支援

民間とも協働して支援体制を構築

家事援助安否確認

食材配達

移動販売

配食+見守り

自治会単位の圏域

小学校区単位の圏域

市町村単位の圏域

交流サロン

声かけ

コミュニティカフェ

権利擁護

外出支援

生活支援・介護予防サービスの提供イメージ

協同組合

多様な主体による生活支援・介護予防サービスの重層的な提供

社会福祉法人

介護者支援

65

【参考】生活支援・介護予防の体制整備におけるコーディネーター・協議体の役割

(2)協議体の設置 ⇒多様な関係主体間の定期的な情報共有及び連携・協働による取組を推進

(1)生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)の配置 ⇒多様な主体による多様な取組のコーディネート機能を担い、一体的な活動を推進。コーディネート機能は、以下のA~Cの機能があるが、当面AとBの機能を中心に充実。

エリアとしては、第1層の市町村区域、第2層の中学校区域があり、平成26年度は第1層、平成29年度までの間に第2層の充実を目指す。① 第1層 市町村区域で、主に資源開発(不足するサービスや担い手の創出・養成、活動する場の確保)中心② 第2層 中学校区域で、第1層の機能の下で具体的な活動を展開※ コーディネート機能には、第3層として、個々の生活支援サービスの事業主体で、利用者と提供者をマッチングする機能が

あるが、これは本事業の対象外

(A)資 源 開 発 (B)ネットワーク構築 (C)ニーズと取組のマッチング

生活支援・介護予防の基盤整備に向けた取組

○ 地域に不足するサービスの創出○ サービスの担い手の養成○ 元気な高齢者などが担い手として活動す

る場の確保 など

○ 関係者間の情報共有○ サービス提供主体間の連携の体制づくりなど

○ 地域の支援ニーズとサービス提供主体の活動をマッチングなど

民間企業 ボランティアNPO 協同組合 社会福祉法人

生活支援・介護予防サービスの多様な関係主体の参画例

※1 これらの取組については、平成26年度予算においても先行的に取り組めるよう5億円を計上。※2 コーディネーターの職種や配置場所については、一律には限定せず、地域の実情に応じて多様な主体が活用でき

る仕組みとする予定であるが、市町村や地域包括支援センターと連携しながら活動することが重要6666

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訪問看護、福祉用具等※全国一律の人員基準、運営基準

介護予防給付

介護予防・生活支援サービス事業対象者要 支 援 者

総 合 事 業

要支援認定

一般介護予防事業(要支援者等も参加できる住民運営の通いの場の充実等。全ての高齢者が対象。)

一般高齢者等

地域包括支援センターが介護予防ケアマネジメントを実施

○ サービスの種類・内容・人員基準・運営基準・単価等が全国一律となっている予防給付のうち、訪問介護・通所介護について、市町村が地域の実情に応じ、住民主体の取組を含めた多様な主体による柔軟な取組により、効果的かつ効率的にサービスを提供できるよう、地域支援事業の形式に見直す(平成29年度末には全て事業に移行)。

○ 訪問介護・通所介護以外のサービス(訪問看護、福祉用具等)は、引き続き介護予防給付によるサービス提供を継続。

○ 地域包括支援センターによる介護予防ケアマネジメントに基づき、総合事業(介護予防・生活支援サービス事業及び一般介護予防事業)のサービスと、介護予防給付のサービス(要支援者のみ)を組み合わせる。

○ 介護予防・生活支援サービス事業によるサービスのみ利用する場合は、要介護認定等を省略して「介護予防・生活支援サービス事業対象者」とし、迅速なサービス利用を可能に(基本チェックリストで判断)。

※ 第2号被保険者は、基本チェックリストではなく、要介護認定等申請を行う。

介護予防・生活支援サービス事業①訪問型・通所型サービス②その他の生活支援サービス(栄養改善を目的とした配食、定期的な安否確認・緊急時の対応 等)

※事業内容は、市町村の裁量を拡大、柔軟な人員基準・運営基準

従 来 の 要 支 援 者基本チェックリスト※で判断

※2次予防事業対象者把握のための基本チェックリストの配布は行わない

新しい介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)の概要

67

68

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総合事業への指定事業者制の導入等による円滑な移行

・指定介護予防事業者(都道府県が指定)

・介護報酬(全国一律)

・国保連に審査・支払いを委託

※被保険者に対する介護予防サービス費の支給を、指定事業者が被保険者に代わって受領する仕組み

<介護予防給付の仕組み> <新しい総合事業の仕組み>

・指定事業者 (市町村が指定)

・単価は市町村が独自に設定

・国保連に審査・支払いの委託が可能

※被保険者に対する事業支給費の支給を、指定事業者が被保険者に代わって受領する仕組み

①指定事業者による方法(給付の仕組みに類似)

②その他の方法

・事業者への委託、事業者への補助、市町村による直接実施

・委託費等は市町村が独自に設定(利用者1回当たりや1人当たりの単価による方法や、利用定員等に対して年間、月

間等の委託費総額を取り決める方法など、様々な方法が可能)

・単価による方法の場合は、国保連に審査・支払いの委託が可能

○ 給付から事業への移行により、多様な主体による多様なサービスが可能となり、市町村の事業の実施方法も多様となる。国が介護保険法に基づきガイドライン(指針)を定め、円滑な移行を支援。

○ 市町村の総合事業の実施方法として、事業者への委託等のほか、予防給付と類似した指定事業者制を導入

・指定事業者制により、事業者と市町村の間で毎年度委託契約を締結することが不要となり、事務負担を軽減

・施行時には、原則、都道府県が指定している予防給付の事業者(訪問介護・通所介護)を、市町村の総合事業の指定事業者とみなす経過措置を講じ、事務負担を軽減するとともに、円滑な移行を図る

・審査・支払についても、現在の予防給付と同様に、国民健康保険団体連合会の活用を推進

円滑な移行(訪問介護・通所介護)

改正法の施行時には、原則、都道府県が指定している予防給付の事業者(訪問介護・通所介護)を、市町村の総合事業の指定事業者とみなす経過措置

(必要な方への専門的なサービス提供等)

・専門的なサービスを必要とする方に対しては、既存の介護事業者等も活用して、専門的なサービスを提供

・既にサービスを受けている方は、事業移行後も市町村のケアマネジメントに基づき、既存サービス相当のサービスを利用可能とする

・国としてガイドラインを定めること等を通じ、専門的なサービスにについてふさわしい単価設定を行うことなど市町村の取組を支援

※ 新しくサービスを受ける者には、市町村を中心とした支え合いの体制づくりを進めることで、ボランティア、NPOなどの多様なサービスの提供を推進 69

70

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○ 介護保険においては、住所地の市町村が保険者となるのが原則だが、介護保険施設等の所在する市町村の財政に配慮するため、特例として、入所者は入所前の市町村の被保険者となる仕組み(住所地特例)を設けている。

○ 現在、サービス付き高齢者向け住宅は有料老人ホームに該当しても特例の対象外だが、所在市町村の負担を考慮し、その他の有料老人ホームとの均衡を踏まえ、有料老人ホームに該当するサービス付き高齢者向け住宅についても、住所地特例の対象とする。

○ 従来の住所地特例では、対象者が住所地の市町村の指定した地域密着型サービス及び地域支援事業を使えないという課題があるが、住所地特例対象者に限り、住所地市町村の指定を受けた地域密着型サービスを使えるようにし、住所地市町村の地域支援事業を利用できることとする(地域支援事業の費用負担は調整)。

サービス付き高齢者向け住宅への住所地特例の適用

<現在の対象施設等>(1) 介護保険3施設(2) 特定施設(地域密着型特定施設を除く。)

・有料老人ホーム※特定施設入居者生活介護の指定を受けていない賃貸借方式のサービス付き高齢者向け住宅は対象外。

・軽費老人ホーム(3) 養護老人ホーム

A町 B市

自宅 施設等

住所 B市住民税 B市行政サービス B市介護保険の保険者 A町介護保険料 A町保険給付 A町

<制度概要>

この除外規定を見直し、有料老人ホームに該当するサービス付き高齢者向け住宅を住所地特例の対象とする

72

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地域密着型通所介護

小規模多機能型居宅介護のサテライト型事業所

見直し案

大規模型大規模型【前年度1月当たり平均利用延人員数:750人超】

現行

通常規模型【前年度1月当たり平均利用延人員数:300人超】

小規模型【前年度1月当たり平均利用延人員数:300人以内】

都道府県が指定

地域密着型サービス

(

市町村が指定)

都道府県が指定

※地域密着型サービスとした場合の市町村の事務等○事業所の指定・監督○事業所指定、基準・報酬設定を行う際、住民、関係者からの意見聴取○運営推進会議への参加 等

※地域密着型サービスは、市町村の判断で公募により事業者を指定できる。

通常規模型

(注)事業所規模は現在の取扱いを記載。

認知症対応型認知症対応型市町村が

指定※

※地域密着型サービス

大規模型/通常規模型のサテライト型事業所

○ 増加する小規模の通所介護の事業所について、①地域との連携や運営の透明性を確保するため市町村が指定・監督する地域密着型サービスへ移行、②経営の安定性の確保、サービスの質の向上のため、通所介護(大規模型・通常規模型)や小規模多機能型居宅介護のサテライト事業所へ移行。

小規模型通所介護の移行と居宅介護支援事業者の指定権限の移譲について

○ 現在、居宅介護支援事業者の指定は、事業所からの申請により、都道府県が行うこととなっているが、指定都

市・中核市以外の市町村にも指定権限を移譲する。(平成30年度施行)※ 大都市等の特例により、指定都市及び中核市については、居宅介護支援事業者の指定権限が移譲されている。

73

市町村民税 本人が課税市町村民税 本人が非課税、世帯に課税者がいる

介護保険の1号保険料について、給付費の5割の公費とは別枠で公費を投入し、低所得の高齢者の保険料の軽減を強化

(65歳以上全体の約3割)

(保険料基準額×)

0.5

0.75

1.01.2

1.5(65歳以上全体の約7割)

第6

段階第9段階

月4,972円

(第5期(H24~H26)の全国平均額)

第5段階0.3

0.7 ②②

収入

第1段階

生活保護被保護者世帯全員が市町村民税非課税の老齢福祉年金受給者世帯全員が市町村民税非課税かつ本人年金収入等80万円以下

第3段階

世帯全員が市町村民税非課税かつ本人年金収入120万円超

第5段階

本人が市町村民税非課税(世帯に課税者がいる)かつ本人年金収入等80万円超

第6段階

市町村民税課税かつ合計所得金額120万円未満

第9段階

市町村民税課税かつ合計所得金額290万円以上

第1段階

第2

段階

第3

段階

市町村民税世帯全員が非課税

第4段階

第2段階

世帯全員が市町村民税非課税かつ本人年金収入等80万円超120万円以下

第4段階

本人が市町村民税非課税(世帯に課税者がいる)かつ本人年金収入等80万円以下

保険料基準額に対する割合

第1段階 現行 0.5 → 0.45

介護保険の1号保険料の低所得者軽減強化

※公費負担割合

国1/2、都道府県1/4

市町村1/4

保険料基準額に対する割合

第1段階 0.45 → 0.3

第2段階 現行 0.75 → 0.5

第3段階 現行 0.75 → 0.7

①0.45

0.9

第7

段階第8

段階

第7段階

市町村民税課税かつ合計所得金額120万円以上190万円未満

第8段階

市町村民税課税かつ合計所得金額190万円以上290万円未満

1.3

1.7

更なる保険料軽減を行い、その軽減分を公費により補填

65歳以上全体の約2割

※保険料段階は平成27年度からの新段階で表示 ※具体的軽減幅は各割合の範囲内で市町村が条例で規定

①平成27年4月(所要額:221億円)第一弾として、市町村民税非課税世帯のうち

特に所得の低い者を対象(65歳以上の約2割)

②平成29年4月(所要見込額:約1,400億円)

消費税10%引上げ時に、市町村民税非課税世帯全体を対象として完全実施(65歳以上の約3割)

650万人 240万人 240万人※被保険者数は平成27年10月1日現在の人口推計を基に算出

540万人 440万人 410万人 370万人 270万人 270万人74

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7575

7676

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平成27年度介護報酬改定の全体像

都道府県の基金(介護分)

724億円

認知症施策等の充実(地域支援事業の充実)

236億円

収支状況などを反映した適正化等

▲4.48%

処遇改善加算の拡充(月+1.2万円相当)

+1.65%

+0.56%

改定率 ▲2.27%※ 金額は公費ベース。

計 960億円

介護サービスの確保に向けた取組の充実(平成27年度予算案)

改定の方向性:「地域包括ケアシステム」の構築に向けて① 中重度の要介護者や認知症高齢者への対応の更なる強化② 介護人材確保対策の推進③ サービス評価の適正化と効率的なサービス提供体制の構築

中重度の要介護者等に対する在宅生活を支援するため

のサービスの充実

各サービスの介護

報酬の設定におい

てメリハリをつけて

配分

77

78

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○ 地域包括ケア実現に向けた、充実・強化の取組を地域支援事業の枠組みを活用し、市町村が推進。○ あわせて要支援者に対するサービスの提供の方法を給付から事業へ見直し、サービスの多様化を図る。○ これらを市町村が中心となって総合的に取り組むことで地域で高齢者を支える社会が実現。※「医療・介護連携強化」「認知症施策の推進」「生活支援体制整備」に係る事業については、地域包括支援センター以外の実

施主体に事業を委託することも可能

平成30年度までに全市町村が地域支援事業として以下の事業に取り組めるよう、必要な財源を確保し、市町村の取組を支援する。

地域の医療・介護関係者による会議の開催、在宅医療・介護関係者の研修等を行い、在宅医療と介護サービスを一体的に提供する体制の構築を推進

初期集中支援チームの関与による認知症の早期診断・早期対応や、地域支援推進員による相談対応等を行い、認知症の人本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる地域の構築を推進

生活支援コーディネーターの配置や協議体の設置等により、担い手やサービスの開発等を行い、高齢者の社会参加及び生活支援の充実を推進

在宅医療・介護連携

(26億円)認知症施策

(56億円)

地域包括支援センター等において、多職種協働による個別事例の検討等を行い、地域のネットワーク構築、ケアマネジメント支援、地域課題の把握等を推進

地域ケア会議

(47億円)生活支援の充実・強化

(107億円)

※1 平成30年度からの完全実施に向けて段階的に予算を拡充。(財源は、消費税の増収分を活用)※2 上記の地域支援事業(包括的支援事業)の負担割合は、国39%、都道府県19.5%、市町村19.5%、1号保険料22%※3 金額は四捨五入により、億円単位にまとめているため、合計額は一致していない。

市町村による在宅医療・介護連携、認知症施策など地域支援事業の充実

79

消費税財源活用

市町村

市町村計画

(基金事業計画)

都道府県

都道府県計画

(基金事業計画)

基金※国と都道府県の

負担割合2/3、 1/3

申請

事業者等(医療機関、介護サービス事業所等)

交付

交付

地域医療介護総合確保基金

交付提出

交付提出

申請

地域医療介護総合確保基金の対象事業

1 地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設又は設備の整備に関する事業

2 居宅等における医療の提供に関する事業

3 介護施設等の整備に関する事業

4 医療従事者の確保に関する事業

5 介護従事者の確保に関する事業

都道府県計画及び市町村計画(基金事業計画)

○ 基金に関する基本的事項・公正かつ透明なプロセスの確保(関係者の意見を反映させる仕組みの整備)・事業主体間の公平性など公正性・透明性の確保・診療報酬・介護報酬等との役割分担

○ 都道府県計画及び市町村計画の基本的な記載事項医療介護総合確保区域の設定※1 / 目標と計画期間(原則1年間) /事業の内容、費用の額等 / 事業の評価方法※2

※1 都道府県は、二次医療圏及び老人福祉圏域を念頭に置きつつ、地域の実情を踏まえて設定。市町村は、日常生活圏域を念頭に設定。

※2 都道府県は、市町村の協力を得つつ、事業の事後評価等を実施国は都道府県の事業を検証し、基金の配分等に活用

○ 都道府県は市町村計画の事業をとりまとめて、都道府県計画を作成

○ 団塊の世代が75歳以上となる2025年を展望すれば、病床の機能分化・連携、在宅医療・介護の推進、医療・介護従事者の確保・勤務環境の改善等、「効率的かつ質の高い医療提供体制の構築」と「地域包括ケアシステムの構築」が急務の課題。

○ このため、消費税増収分を活用した新たな財政支援制度(地域医療介護総合確保基金) を創設し、各都道府県に設置。各都道府県は、都道府県計画を作成し、当該計画に基づき事業を実施。

80

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地域医療介護総合確保基金を活用した介護施設等の整備

1.地域密着型サービス施設等の整備への助成

○ 可能な限り住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、地域密着型サービス施設・事業所等の整備に対して支援を行う。

(対象施設) 地域密着型特別養護老人ホーム、小規模な老人保健施設・養護老人ホーム・ケアハウス、都市型軽費老人ホーム、認知症高齢者グループホーム、小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、複合型サービス、緊急ショートステイ等

※定員30人以上の広域型施設の整備費については、平成18年度より一般財源化され、各都道府県が支援を行っている。

2.介護施設の開設準備経費等への支援

○ 特別養護老人ホーム等の円滑な開設のため、施設の開設準備に要する経費について支援を行う。

※定員30人以上の広域型施設を含む。

○ 在宅での療養生活に伴う医療ニーズの増大に対応するため、訪問看護ステーションの大規模化やサテライト型事業所の設置に必要な設備費用等について支援を行う。

○ 土地の取得が困難な都市部等での施設整備を支援するため、定期借地権の設定のための一時金について支援を行う。

○ 介護施設で働く職員等を確保するため、施設内の保育施設の整備に対して支援を行う。

3.特養多床室のプライバシー保護のための改修等による介護サービスの改善○ 特別養護老人ホームにおける多床室のプライバシー保護のための改修費用について支援を行う。

○ 特別養護老人ホーム等のユニット化に係る改修費用について支援を行う。

○ 介護療養型医療施設等の老人保健施設等への転換整備について支援を行う。

対象事業

(参考) その他の高齢者向け施設等の整備助成

◆ 地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金(ハード交付金)・ 既存介護施設におけるスプリンクラー等の整備や耐震化改修を行い、介護施設等の防災対策を推進。《平成26年度補正予算》※消防法施行令が改正され、原則として全ての介護施設等についてスプリンクラーの設置が義務付け(H27.4施行、H30.3まで経過措置)

・ 地域支え合いセンター整備など地域における高齢者の生きがい活動や地域貢献等を支援する先進的・モデル的な事業を推進。◆ 地域介護・福祉空間整備推進交付金(ソフト交付金)

・ 先進的・モデル的な事業の設備等に要する経費を支援。◆ 介護基盤緊急整備等臨時特例基金 → 平成26年度末をもって震災対応分を除き終了

※「地域支え合い体制づくり事業(震災対応分)」、「被災地健康支援事業」について基金の延長・積増し。「復興まちづくり整備事業」は復興庁の事業として継続。

○ 地域包括ケアシステムの構築に向けて、都道府県計画に基づき、地域密着型サービス等、地域の実情に応じた介護サービス提供体制の整備を促進するための支援を行う。

81

○ 地域の実情に応じた介護従事者の確保対策を支援するため、都道府県計画を踏まえて実施される「参入促進」・「資質の向上」・「労働環境・処遇の改善」に資する事業を支援。

→ これまで予備費や補正予算で実施してきた基金事業を大幅に充実・拡充(参考)福祉・介護人材確保緊急支援事業の25年度執行実績33億円

○ 地域住民や学校の生徒に対する介護や介護の仕事の理解促進

○ 若者・女性・高齢者など多様な世代を対象とした介護の職場体験

○ 高齢者など地域の住民による生活支援の担い手の養成

○ 介護未経験者に対する研修支援

○ 過疎地域等の人材確保が困難

な地域における合同就職説明会の実施

○ 介護人材キャリアアップ研修支援・ 経験年数3~5年程度の中堅職員に対する研修・ 喀痰吸引等研修・ 介護キャリア段位におけるアセッサー講習受講・ 介護支援専門員に対する研修

○ 各種研修に係る代替要員の確保

○ 潜在介護福祉士の再就業促進・ 知識や技術を再確認するための研修の実施・ 離職した介護福祉士の所在等の把握

○ 認知症ケアに携わる人材育成のための研修

○ 地域包括ケアシステム構築に資する人材育成・ 生活支援コーディネーターの養成のための研修

○ 認知症高齢者等の権利擁護のための人材育成

○ 新人介護職員に対するエル

ダー・メンター(新人指導担当者)制度等導入のための研修

○ 管理者等に対する雇用改善方策の普及・ 管理者に対する雇用管理改善の

ための労働関係法規、休暇・休職制度等の理解のための説明会の開催

・ 介護従事者の負担軽減に資する介護ロボットの導入支援

○ 介護従事者の子育て支援のための施設内保育施設運営支援

参入促進 資質の向上 労働環境・処遇の改善

地域医療介護総合確保基金を活用した介護従事者の確保

○ 関係機関・団体との連携・協働の推進を図るための、都道府県単位での協議会の設置○ 介護人材育成等に取り組む事業所に対する都道府県の認証評価制度の運営支援

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○市町村介護予防強化推進事業(介護予防モデル事業)に関する事例http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/yobou/jitsurei.html

【厚生労働省のHP>政策について > 分野別の政策一覧 > 福祉・介護 > 介護・高齢者福祉 > 介護予防>5 市町村介護予防強化推進事業 】

○介護予防・日常生活支援総合事業に関する事例

○介護予防事業に関する事例

「地域の実情に応じた効果的・効率的な介護予防の取組事例」(参考)http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/yobou/torikumi_02.html【厚生労働省のHP>> 政策について > 分野別の政策一覧 > 福祉・介護 > 介護・高齢者福祉 > 介護予防

>4 地域の実情に応じた効果的・効率的な介護予防の取組事例】

○生活支援コーディネーターに関する事例

「地域における生活支援サービスのコーディネーターの育成に関する調査研究事業 報告書」

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000046377.pdf

【厚生労働省のHP>政策について > 分野別の政策一覧 > 福祉・介護 > 介護・高齢者福祉 > 地域包括ケアシステム> 5.生活支援サービスの充実と高齢者の社会参加】

○地域包括ケアシステム構築に関する事例「事例を通じて、我がまちの地域包括ケアを考えよう 「地域包括ケアシステム」事例集成

~できること探しの素材集~」http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/dl/jirei.pdf

【厚生労働省のHP>政策について > 分野別の政策一覧 > 福祉・介護 > 介護・高齢者福祉 > 地域包括ケアシステム>1.地域包括ケアシステムの実現に向けて>地域包括ケアシステム構築に向けた取組事例】

「過疎地域における地域包括ケアシステムの構築に関する調査研究事業報告書」

http://www.hit-north.or.jp/houkokusyo/2013tiikihokatsu-shiryo.pdf 【社団法人北海道総合研究調査会HP】

○地域ケア会議に関する事例「地域包括ケアの実現に向けた地域ケア会議実践事例集~地域の特色を活かした実践のために~」

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/dl/link3-0-01.pdf

【厚生労働省のHP>政策について > 分野別の政策一覧 > 福祉・介護 > 介護・高齢者福祉 > 地域包括ケアシステム>3.地域ケア会議について】

(参考)地域包括ケアシステム構築へ向けた取組事例

地域包括ケアシステムについては、市町村が中心となって、地域の多様な支える力を集結させ、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じてつくり上げていく必要があります。特に予防給付を見直し、円滑に地域支援事業へ移行していくためには、市町村が中心となって支え合いの体制づくりを進めることが必要です。厚生労働省では、市町村の好事例を取りまとめました。好事例も参考にしながら、各市町村で取組を進めていただきたいと考えています。

83

6 介護保険制度の見直しに関する意見(概要)

84

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7 岡山県高齢者保健福祉計画・介護保険事業支援計画

87

第5期計画H24~26

H37(2025)

第9期計画

H36~38

第8期計画

H33~35

H27(2015)

第7期計画

H30~32

団塊の世代が65歳に 団塊の世代が75歳に

○地域包括ケアシステムを段階的に推進するための施策

○持続可能な制度とするために必要な施策

第6期計画

H27~29

平成37年までの見通し

2025年(平成37年)を見据えた計画

88

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直面する課題○後期高齢者の増加により、要支援・要介護認定者、認知症高齢者が増加

○高齢者のみの世帯の増加により、食事づくり、買物、ごみ出しなどの生活支援の必

要な高齢者が増加

○生産年齢人口の減少により、産業全体の労働力が低下する中、介護人材不足が深刻

○介護サービス利用者の増加により、介護サービス費用が増大し、保険料と公費負担

が重くなる

後期高齢者の増加

高齢者のみの世帯の増加

課題 ④

介護人材の不足

課題 ⑤

介護サービス費用の増加

課題 ①

要支援・要介護認定者の増加

課題 ②

認知症高齢者の増加

課題 ③

生活支援の必要な高齢者の増加

89

直面する課題への対応 ~地域包括ケアシステムの構築~

90

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要介護状態となっても、住み慣れた地域で最期まで尊厳を保持しながら自立した日常生活を継続できるように、医療と介護が切れ目なく提供できる体制を構築

①医療・介護連携

認知症の人が、尊厳を重視され、できる限り住み慣れた地域の良い環境で暮らし続けることができる社会の実現

②認知症施策の推進

医療や介護の専門職とボランティアや自治会などの地域住民が、役割分担しながら協働して支える体制の構築

高齢者が人との交わりや役割を通じて、できるだけ長く活動的な状態を維持できるよう介護予防の推進体制を構築

④介護予防の推進

③地域ぐるみで支える体制

2025年(平成37年)までに目指す姿

住宅施策と連携して、心身の状態変化、世帯状況の変化、所得等に応じて住まい方を選択できる社会の実現

⑤住まい方の選択肢の拡充

91

(1)在宅医療と介護の連携

在宅医療と介護を支える人材の育成

在宅医療と介護を支える体制の整備(協議会の設置、晴れやかネット など)

(2)認知症施策 認知症の人への医療・介護サービスの提供体制の整備(認知症疾患医療センター、認知症サポート医、

医師等の認知症対応力の向上 など)

認知症の人を地域で支える体制の整備(認知症サポーター養成、家族支援、市民後見の推進 など)

(3)生活支援と介護予防

新総合事業の円滑な導入(高齢者が担い手として活躍できる場の創出、多様な担い手による活動促進、

社会参加を通じた介護予防の推進 など)

生活支援サービスの基盤整備(生活支援コーディネーターの養成、NPO・ボランティア団体のネット

ワーク形成 など)

(4)高齢者の住まい 住宅のバリアフリー(専門家による相談体制、改修費用の助成 など) サービス付き高齢者向け住宅(登録物件の情報管理と指導監督 など)

(5)在宅サービスの充実・強化

中重度者の在宅生活を支えるサービスの普及(訪問看護、複合型サービス など)

第6期計画の施策~地域包括ケアシステム構築のための市町村支援~

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■第6期計画における岡山県の高齢者数、要支援・要介護認定数の推計

1 総人口、前期高齢者数、後期高齢者数

(単位:人)区 分 平成27年度 平成28年度 平成29年度

総 人 口 ① 1,939,293 1,932,918 1,925,949

前期高齢者(65~74歳) ② 274,273 274,133 272907

後期高齢者(75歳~) ③ 272,160 278,638 284,362構成割合 ③/④ 49.8% 50.4% 51.0%

高齢者合計 ④ 546,433 552,771 557,269

高齢化率 ④/① 28.2% 28.6% 28.9%

2 要支援・要介護認定者数

(単位:人)区 分 平成27年度 平成28年度 平成29年度

要 支 援 34,272 36,222 38,227

要支援1 16,623 17,781 18.990

要支援2 17,649 18,441 19,237

要 介 護 81,911 84,293 86,841

要介護1 21,652 22,390 23,179

要介護2 20,835 21,801 22,837

要介護3 13,944 14,072 14,263

要介護4 13,544 13,907 14,268

要介護5 11,936 12,123 12,294

再掲

要介護2以下(軽度) ⑤ 76,759 80,413 84,243要介護3以上(中重度) ⑥ 39,424 40,102 40,825

合 計 ⑦ 116,183 120,515 125,068認定率 ⑦/④ 21.3% 21.8% 22.4%

要介護2以下(軽度) ⑤/④ 14.0% 14.5% 15.1%

要介護3以上(中重度) ⑥/④ 7.2% 7.3% 7.3%

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第1期(H12~14) 第2期(H15~17) 第3期(H18~20) 第4期(H21~23) 第5期(H24~26) 第6期(H27~29)

(2000~2002) (2003~2005) (2006~2008) (2009~2011) (2012~2014) (2015~2017)

2,911円 3,293円(+13%)

○ 65歳以上が支払う第1号被保険者保険料

4,090円(+24%)

4,160円(+1.7%)

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4,972円(+19.5%)

〔全国平均(月額・加重平均)〕

〔岡山県(月額・加重平均)〕

3,072円3,663円(+19%)

4,449円(+21%)

4,474円(+0.6%)

5,224円(+16.8%)

5,514円(+10.9%)

第1期(H12~14) 第2期(H15~17) 第3期(H18~20) 第4期(H21~23) 第5期(H24~26) 第6期(H27~29)

(2000~2002) (2003~2005) (2006~2008) (2009~2011) (2012~2014) (2015~2017)

5,914円(+13.2%)

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介護保険法に関連する他制度

• 生活保護法関係

介護保険給付と介護扶助との併用

介護保険被保険者と被保険者でない者との違い

• 障害者総合支援法関係

障害福祉サービスの利用者

→65歳以上になると、原則「介護保険優先」

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• 老人福祉法関係

介護保険=利用者と事業者の契約

措置制度=市町村の行政処分 ex.措置入所

• 育児・介護休業法

「介護離職」を防ぐための家族支援の必要性

• 社会保障制度・税番号(マイナンバー)制度

個人情報保護の観点、取扱時の注意点

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実践上の法令遵守

• 法令遵守の意味

法令遵守の義務(介護保険法74条6項、69条の34)

違反した場合…事業所の指定取消し等

介護支援専門員の登録消除

• 個人情報の保護

ケアマネジメントを実践する際の注意

高齢者虐待防止法との関係

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介護報酬にかかる告示・通知の概要

• 介護保険制度法令等の階層

介護保険法を根拠として具体的な

内容については施行令、施行規則

になどにより定められる

• 介護報酬の算定基準

介護保険法を根拠として、告示及び通知に

より具体的な内容が示される

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法令政令省令告示通知

事務連絡・QA