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トップガンを目指して 視野を広げ キャリアパスを意識し 実力をつけよう 新日鉄ソリューションズ株式会社 フェロー 経団連 高度情報通信人財育成部会 戦略企画チーム座長 特定非営利活動法人 CeFIL 理事 JST 統合データベースセンター 運営委員 人材育成WG 委員 大力

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トップガンを目指して

視野を広げキャリアパスを意識し

実力をつけよう

新日鉄ソリューションズ株式会社 フェロー経団連 高度情報通信人財育成部会 戦略企画チーム座長

特定非営利活動法人 CeFIL 理事JST 統合データベースセンター 運営委員 人材育成WG 委員

大力 修

略歴

• 1971;東大工学部卒業、東芝入社– 指導教官;一流の技術者になるには現場を見て来い

• 1973;東大大学院入学– 現場経験を活かして勉強

• 1975;新日鐵入社– 厚板圧延モデルを担当、自動圧延を実現

• 1981;UCB留学– ローレンスバークレー研究所から論文

• 1983;大分製鉄所、100人の工員さんの親分– 留学から圧延現場へ、論文から焼酎へ

• 1987;電子制御研究開発センター– ソフトウエアの研究開始、実質は人材育成

• その後、– 研究開発管理者(研究所長)->経営幹部(取締役、フェロー)

海外と日本

•U.C.B.への留学(1981-1983)– 企業派遣留学として大学院に在籍

•学生は、実力をつけて、良い会社の良い地位を目指す

•優れた教育を行わない大学は没落する

•海外視察– 主として、ベンチャー企業と教育機関を視察

– 主な視察先•米国、メキシコ、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、ロシア

、ウクライナ、ベラルーシ、チェコ、中国、イギリス、アイルランド、フランス、スペイン、ベトナム、韓国

– 先進国•大学教授や大学院生が会社を興す

– NASDACに上場する夢

– 旧共産圏•政府も大学も資金不足

– 教授も学生も大学を自活のためにビジネスに乗り出す

– 両方とも実践力を身につけている

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情報系企業

金融

製造

流通

医療

福祉

行政

教育

研究

安全保障

情報技術

21世紀では、情報技術は全ての基盤この技術を失うと、全てで国際競争に敗退する

情報系技術は、社会を支える

情報技術の位置付け

人材像キャリアパス

経団連の望む情報通信人材分布

レベル

低いスタートライン

大 学 (院)

日本の現状

プロ候補

スペシャリスト

新人教育・トレーニー教育、現場 OJT

プロ人材

トップ

トップのレベルアップ

先進国標準のスタートライン

産学連携による実践 的 ICT教育 (大学院 )

改善目標

スペシャリスト

プロ人材

トップ

プロ候補

高度な社内教育

能力の低い者が低い処遇を受けるのは

当然!

トップ層を育て優遇する

下流は自動化

オフショア化

新卒者に求める知識・スキル

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英語で技術的な文章を読み書きできる

コンピュータシステムのみならず、実際にシステムが対象とする実作業をした経験がある

情報工学関連のみならず、法律、経済、機械工学など他分野の基礎知識を持っている

システム開発プロセスを一通り経験し、各プロセスを実施可能なスキルを身につけている

技術的な文章を的確に読みこなす理解力を持つ

作業計画、各工程の作業内容・・・その手順、意義を理解している

品質、コスト、工程リスクなどシステム開発の管理技術の基礎知識を持っている

課題を発見、分析することができる

複数のプログラミング言語を使いこなし、簡単なプログラミングができる

理解できる文章を記述する力がある

自分の考えをまとめて、論理立てて説明するプレゼン能力がある

ハード、ミドル、ネットワーク、DB、OS等のシステム開発に関わる要素技術の基本概念を理解している

ICTベンダー企業 組み込みソフト企業 ICユーザー企業

企業の中核を担う高度ICT人材に求める資質

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企業経営に精通している

高い語学力を持つ

システム・ソフトウエア等の開発プロセスを一通り経験している

情報工学関連のみならず、法律、経済、機械工学などの他分野の知識を持っている

ICTセキュリティに関する知識・スキルを有する

要件定義・設計・レビューといった一連の作業を実施することができる

プロジェクト・マネージメントの知識・スキルを持つ

最新の知識・技術・スキルを理解・吸収・応用する能力がある

自社(または顧客企業)の現場(技術、商品、サービス、ビジネス環境等)に関する知識・スキルを有する

志が高く、チャレンジ精神がある

課題・リスク等を分析し、対策を立案・実施できる

自社(または顧客企業)や業界(または顧客業界)のビジネスを鳥瞰・俯瞰できる

リーダーシップを発揮できる(周囲を巻き込んで、,最後までやり抜ける)

ICTベンダー企業 組み込みソフト企業 ICユーザー企業

情報系業務に付ける予定の新卒者のレベル全業種

全学科出身者

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ICTベンダー企業(組込み系を含む)全学科出身者

8%

82%

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全業種情報関連系出身者

8%

64%

28%

ICTベンダー(組込み系を含む)情報関連学科出身者

7%

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標準的ICT研修では対応できない標準的ICT研修により対応できる即戦力としてOJTで対応できる

2011年 経団連 高度情報通信人材育成部会 アンケート調査

人材分類

キャリアパスを考えよう• 単純なプログラマーになって欲しいのではない

– 単純なことは、自動化できる

– その前に、単価の安いオフショア開発に仕事を取られる

• なって欲しいのは

– コンサルタント:構想力

• 分析力、構想力、説得力

– 業務SE:分析力

• 業務分析、業務可視化、業務改善

– アーキテクト:論理的思考力

• 費用、拡張性、運用性等を考慮し、大規模システムを設計する

– プロジェクトマネージャ:人間的魅力

• 要件、人、時間、費用を管理し、大プロジェクトを完遂する

• 簡単にはなれない

– プログラミングは必要条件

• 文盲の編集者、文学者はいない

– プログラミングは十分条件ではない

• プログラマー止まりでは学卒の価値が無い

高度情報人材になるために

•ITスキル– 頼んでも泣きついても、コンピューターは気を利かせてくれない– パイロットと同じで、スキルが無ければどうにもならない– 専門学校程度のスキルでは、トップには立てない

•社会を支え、家族を幸せにするトップSEになろう

•業務改革力– 業務そのものでは、顧客に勝てない– 業務を分析し、最適化し、システム化する

•ユースケース•サービスサイエンス

•人間力– 統率力、表現力、説得力、交渉力など

•「おたく」ではなく「プロフェッショナル」へ•人間力関連の学習を意識的に行う•世代、立場、興味の違う人との積極的交流

人間力思考力

意思決定

PBLに備えて

集団における意思決定法

•コンセンサス法– 皆で意見を述べ合い、合意する

•弁証法的討議– 2グループに分ける

– 1グループが提案する

– 他方はそれを否定する案を作る

– それを繰り返し、最終案をまとめる

•悪魔の代弁者的手法– 提案者とは別に、提案の根拠を追及する者を置く

– 全ての追求を乗り越えるまで提案を修正する

意思決定法別の結果

感情的対立

提案の満足度

悪魔の代弁者

弁証法

コンセンサス

「決断の本質」 マイケル A. ロベルト著

認知的対立を促す

•色々な意見を出し合うこと– 十分な検討を導く– 上位下達や思い込みを避ける

•違った視点から検討する– ブレインストーミング

»結論を出すことを目的としない

•根拠を追求し、確認する

•感情的対立とは別だが– 感情的対立に結び付き易い

•感情的対立を抑える工夫が必要

•弁証法的討論、悪魔の代弁人法– 感情的対立を避け、認知的対立を促す手法

ケネディの意思決定

•ピッグス湾上陸事件– 亡命キューバ人を訓練、上陸、ほぼ全滅

– 大統領就任77日後

– 前政権の計画継承

– コンセンサス法

•ミサイル危機– 本質的危機

– 空爆か封鎖か

– 弁証法、悪魔の代弁者「13日間 - キューバ危機回想録」 ロバート・ケネディ著

会議を無意味にする手軽な方法

• 準備した資料をひたすら読み、時間をつぶす– 説明者は、要点だけ話せばよいのに、あえて全て読み上げる

– 今日は時間が無いので、検討は、また次回に、、、

• 結論を確認しない– 決定をあいまいにし、なし崩しにする

– 確かにそんな意見もあったけど、、、

• それも良いが、それだけでは、、、– 反対したように見えないが、実質は反対

– 誰かの提案をうやむやにして棚上げする

• 手段を目的とすり替える– 特定の手段に議論を集中し、本来の目的から目をそらす

•事業を成長させよう– 中期計画を作ろう

» 精緻な会議資料を作ろう

» 財務が気に入る数字を出そう

チームの有効性

•心理的安心感– このチームは対人関係でリスクを取っても大丈夫だと言う

共通の信念

– チームのメンバーが、高い信頼を寄せ合い、相互に尊敬し合っている

– チームのメンバーが、このグループでは、大勢の意見と異なる意見を述べても、個人が非難されたり罰せられたりすることがないと確信している

メンバーの地位身分の差

リーダーの指導と支援

親密さの程度

チームの心理的安心感

チームの学習行動

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情報産業の課題と対策

情報産業の抱える問題

•人間産業– 人件費に敏感

•アジアの中の日本

•人月単価の呪い

•未熟連層の参入による3K、5K、7K

– 立地条件の制約がゆるい•ソフトウエアは、輸送コストが小さく、世界中が競争相手

•業務改革にまで参画できれば地の利

– 変革に時間がかかる•従業員を入れ替えるわけにはいかない

– 教育には時間がかかり、歩留りも高くない

•装置産業は、新鋭工場を作れば3年で革新できる– 転炉、連鋳機

– 亀山モデル、堺モデル

装置産業化

•原価の中の人件費比率を下る– 投資は増える

•変化のスピードを上げる– 新鋭開発プロセス/環境の導入

•開発環境、プロセスの標準化– 繰り返しのメリット

– 特注品はアジャイルチームで

•人材ネック– プロセス/環境の企画、設計者

•ソフトウエア工学のプロ

ソフトウェア開発センター(SDC)クラウド基盤の上に

D-CloudS-Cloud

SDC利用状況 2012/8/31現在

•アクティブユーザー 11,653人

•累積案件数 466件

•実行中案件 348件

•仮想サーバー 600台

*アクティブユーザ;課金対象のユーザー

就職

民間企業技術者のキャリアモデル

評価

新卒採用後経過年数

難しいが、やりがいのある仕事

平凡な仕事

トップ層

ボトム層

評価には差がついている

ある時期から急激に処遇差が付く

数年は処遇にほとんど差が付かない

処遇

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職種別年齢と年収(企業規模1000人以上)平成22年賃金構造基本統計調査より

パイロット

大学教授

大学准教授

医師

大学講師 高等学校教員

一級建築士

自然科学系研究者 電車運転士

技術士臨床検査技師

診療放射線・診療エックス線技師電気工歯科医師

薬剤師

歯科技工士看護師 バス運転者自動車外交販売員プログラマー キャビンアテンダント

ビル清掃員

幼稚園教諭

保育士

栄養士百貨店店員

福祉施設介護員

スーパーレジ

タクシー運転者

建設機械運転

自動車整備工

個人教師、塾・予備校講師理学療法士、作業療法士港湾荷役作業員ケアマネージャー

保険外交員調理士 警備員理容・美容師 販売店員

ホームヘルパー用務員

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平均

年収

職業別平均年収と平均年齢

就職活動に向けて

•大学(院)卒として相手にされるためには– 専攻した学問を身につける

•中卒、高卒と大差ない学識ではどうしようもない

– 大学には多額の国費が投入されている•中卒、高卒の人も払う税金で遊ぶのは倫理観の欠如

– 即戦力でなくても、5年10年後に活躍できる基礎を•一般教養:論理的日本語、英語etc.•理系基礎:数学、確率、統計ect.•情報系基礎:プログラム、UML、ソフトウエア工学etc.•いわゆる人間力:コミュニケーション、リーダーシップetc.

– 部活、アルバイトでの活躍はおまけ•根性、体力だけを問う企業は怪しい企業

•目指す職種の仕事内容の調査– どんな能力が必要か– 自分に不足しているのは何か– 卒業までに何を向上させるのか– 自分に向いているのか

役に立つこと、有害なこと

• 教養を身につけよう– 面接で無教養は、ぼろが出る– 社会人として肩身が狭い思いをする

• 人脈を広げよう– 分野、年代の違う人と知り合いになろう– そのためには、人の役に立つ力を持とう

• 結果を考える習慣を持とう– 大人は結果責任– 結果が良くなければ努力も無意味

• 偏った環境に嵌らない– 2チャンネル、タブロイド紙、学生仲間の噂話– 根拠のはっきりしない話はうそが多い

• 具体性の無いきれいごとを言わない– 社会貢献、ボランティア活動– 話しだけなら誰でもできる

• 悪習慣を避けよう– 賭け事、ゲーム、タバコ、夜更し朝寝– 「個性豊か」と「変な癖がある」は別物

言語における情緒と論理

•情緒言語;芸術表現

– 行間を読む、想像力を楽しむ

– 多様な解釈の余地

– 日本の国語教育は、ほとんど情緒言語だけ

•論理言語;契約、仕様、マニュアル、、、

– 説明、交渉、契約等実務の基本

– 解釈は一意に決まらなければならない

– 日本では、ほとんど教育されていない

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優しさと正義を

•ノーブレス オブリージュ–恵まれたものには義務がある

•優しさのない人は、排除される–自分だけという人は人脈を作れない

–人脈が無ければ、大きな仕事はできない

•より正義に近づこう–人類は未だ正義を実現できていない

–正義を主張するだけでは駄目

–結果が少しでも正義に近づくように行動しよう

ご清聴ありがとうございました。

国を支えるために、

豊かな未来を手に入れるために

がんばりましょう。

子供たちに、

暖かい部屋で、

おいしいものを食べさせるために

協力し合いましょう。

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