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JIIMA規格 JIIMA マイクロフィルムの濃度 Z 6010 1984 DensityofSilver-GelatinT ypeMicrofilmsforMicrographics 1. 適用範囲 この規格は,撮影文は複製によ って得られる第 2 世代までの処理済み銀 ・セ・ラチンマイクロフィルム (以下,フィルムという。)の濃度について規定する。 この規格は.次のフィルムには適用しない。 (1) 図面用フィルム(') (2) 計算機出力7 イクロフィルマによって作られるフィルム i 主(') 図面用フィルムの濃度は , JISZ 6 5( 図面用 35mm マイクロフィルム (処理済み銀塩フ ィルム)の 品質]による。 2 用跨の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。 ( 1) (generation) 被写体文書を基準とし,それから系統的に写真複製を重ねていくときの呼び。被写体文 舎を撮影したフィルムを第 1 世代とし,第 1 世代から密着焼付けしたフ ィルムを第 2 世代.第 2 世代から更 に密着焼付けしたフィルムを第 3 世代という 。 (2) パックグラウンド;湿度 (backgrounddensity) 被写体文書のマイクロ像において,文字及び画線が搭かれて いないところの濃度。 (3) コントラスト (contrast) 像の明暗の相違を表す量。被写体となる文書,図画などのコントラストは.明部(紙 の自さ )と暗部(文字,画線の黒き )との明るきの比をいう 。 (4) (frame) マイクロフィ ルムカメラで露光するフィルムの領域。こま (働)には.マイクロ像とフレーム マージンが含まれる。フレームともいう。 3 温度 3.1 温度の鉱験 1 度度の試験方法は, 4 による。 3.2 ネガ状フィルムの繍合 ネガ状フィルムの濃度は,次による。 ( 1 ) 朱露光都の温度 1 世 代フ ィルムの未露光都の濃度(2)は ,0.12 以下とする。 i 主(') 未露光都の温度は,支持体濃度とかより濃度との和をいう。例えば,こま とこまとめ問の部分を指す。 (2) パ ックグラウンド濃度 l 世代フィルムのパ y クグラウンド機度は,撮影する文書の品質に応じ付衰の とおりとする。第 2 世 代 フ ィ ル ム の パ ッ クグラウンド濃度は, 付 衰の 値 又 は 第 l 世代フィルムの濃度を測 定し,その値と同等か少し高〈仕上げるのがよい。 着色支持体 を使用 した第 l 世代フィルムのパ yクグラウンド温度は ,付表に 示す{直と同等程度でよい。 3.3 ポジ状フィルムの場合 ポジ状フィルムの濃度!;J:,次による 。また,第 l 世代フィルムの濃度は,規定しない。 (1) 露光都の漉度 2 世代フィルムの露光部(ネカ・状第 I 世代フィルムの未露光都に相当する部分)の濃度 は, l.l 0 以上と す るのがよい。 引用規格 JISK 7613 スチル写真用及び映画用カラーリバーサルフィルムの I50写真感度の求め方及び 表示方法 JISZ 6005 図面用 35 mm '7イクロフィルム (処理済み銀塩フ ィルム)の 品 質 対応国際規格 1506200 Micrographics-Densityof silver.gelatintype Ims 関連規格 : JISZ 6001 文書周マイクロフ ィッ シュ -280-

マイクロフィルムの濃度 - JIIMA · 3.1 温度の鉱験 1度度の試験方法は, 4による。 3.2 ネガ状フィルムの繍合 ネガ状フィルムの濃度は,次による。

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Page 1: マイクロフィルムの濃度 - JIIMA · 3.1 温度の鉱験 1度度の試験方法は, 4による。 3.2 ネガ状フィルムの繍合 ネガ状フィルムの濃度は,次による。

JIIMA規格 JIIMA

マイクロフィルムの濃度 Z 6010白 1984

Density of Silver-Gelatin T ype Microfilms for Micrographics

1. 適用範囲 この規格は,撮影文は複製によ って得られる第2世代までの処理済み銀・セ・ラチンマイクロフィルム

(以下,フィルムという。)の濃度について規定する。

備 考 この規格は.次のフィルムには適用しない。

(1 ) 図面用フィルム(')

(2) 計算機出力7 イクロフィルマによって作られるフィルム

i主 (') 図面用フィルムの濃度は,JIS Z 6∞5(図面用 35mmマイクロフィルム(処理済み銀塩フ ィルム)の

品質]による。

2 用跨の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。

( 1 ) 世 代 (generation) 被写体文書を基準とし,それから系統的に写真複製を重ねていくときの呼び。被写体文

舎を撮影したフィルムを第 1世代とし,第 1世代から密着焼付けしたフ ィルムを第 2世代.第 2世代から更

に密着焼付けしたフィルムを第 3世代という 。

(2 ) パックグラウンド;湿度 (backgrounddensity) 被写体文書のマイクロ像において,文字及び画線が搭かれて

いないところの濃度。

(3) コントラスト (contrast) 像の明暗の相違を表す量。被写体となる文書,図画などのコントラストは.明部(紙

の自さ)と暗部(文字,画線の黒き)との明るきの比をいう 。

(4) こ ま(frame) マイクロフィ ルムカメラで露光するフィルムの領域。こま (働)には.マイクロ像とフレーム

マージンが含まれる。フレームともいう。

3 温度

3.1 温度の鉱験 1度度の試験方法は, 4による。

3.2 ネガ状フィルムの繍合 ネガ状フィルムの濃度は,次による。

( 1 ) 朱露光都の温度 第 1世代フ ィルムの未露光都の濃度(2)は,0.12以下とする。

i主 (') 未露光都の温度は,支持体濃度とかより濃度との和をいう。例えば,こま とこまとめ問の部分を指す。

(2 ) パ ックグラウンド濃度 第 l世代フィルムのパ y クグラウンド機度は,撮影する文書の品質に応じ付衰の

とおりとする。第 2世代フィルムのパックグラウンド濃度は, 付衰の値又は第 l世代フィルムの濃度を測

定し,その値と同等か少し高〈仕上げるのがよい。

備 考 着色支持体を使用した第 l世代フィルムのパ yクグラウンド温度は,付表に示す{直と同等程度でよい。

3.3 ポジ状フィルムの場合 ポジ状フィルムの濃度!;J:,次による。また,第 l世代フィルムの濃度は,規定しない。

(1) 露光都の漉度 第2世代フィルムの露光部(ネカ・状第 I世代フィルムの未露光都に相当する部分)の濃度

は,l.l0以上と するのがよい。

引用規格 JISK 7613 スチル写真用及び映画用カラーリバーサルフィルムの I50写真感度の求め方及び

表示方法

JIS Z 6005 図面用 35mm '7イクロフィルム(処理済み銀塩フ ィルム)の品質

対応国際規格 1506200 Micrographics-Density of silver.gelatin type品Ims

関連規格 :JIS Z 6001 文書周マイクロフ ィッ シュ

-280-

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Z 6010・1984

(2 ) パ ックグラウンド濃度 第2世代フ ィルムのパックグラウンド濃度は. 0.25以下とするのがよい.

4. tt験方法

4.1 測定条件 測定は.温度 23:t5・C,温度 50:t20%の条件で行う。

4.2 測定 器 測定は. JIS K 7613(スチル写真周及び映函周カラーリバーサルフィ ルムの ISO写真感度の求

め方及び表示方法)の 3.5.3及び3.5.4の規定を満足する拡散光温度計を使用する。また,鉱散光濃度計のアノマーチ

ュアの直径iは.0.5-3.0 mmとする。

4.3 方 法 試験方法は.l大による。

( 1 ) 拡散光濃度計の補正 フィルムの濃度を測定する前に.拡散光濃度計を標準濃度片で補正する。

(2 ) フィルムの向き フィルムは,膜函を測定都の光学系にある拡散板に向けて測定する。

(3 ) 測定位置及び測定値 濃度は,一つの試料(一こま)について少なくとも 3か所以上測定し,それらを算術

平均して測定値とする。パックグラウ ンド濃度の測定箇所は,ネガ状フィルムの場合は, 一こ ま内のパッ

クグラウンド濃度の高い部分を.ポジ状フィルムの場合li.パ ックグラウン ド濃度の低い部分を選ぶもの

とする。

付 表 文書の品質区分と第 1世代フィ ルムのパッ クグラウンド温度

文書警の品質 (') パックグラウンド濃度

等級 品質水司自 基準値 (‘) 許容差 (')

特級 温い墨で奮いた毛筆によ る日本文の文谷.太字で 1.35 +0.15

印刷した英文の文書などのような高品質文書.-0.65

l 級 高品質の日本文の文書など 1.15 +0.15

例 紙の地肌が白で文字温度の濃い筏コン トラス -0.45

卜の印刷文書 (文字の大きさは.3mm以上)。

2 級 普通の品質の日本文の文書など 1.∞ +0.20

例 新聞,雑誌、又はそれらに準ずる品質の文容 0.30

(文字の大きさは. 2-3mm程度).HB. F

又liHの鉛筆で濃く望書いた原稿.ワー ドプ

ロセ yサの出力文書.

3 級 低品質の日本文の文書など 0.85 +0.15

例 薄い鉛量置で奮いた原稿,非常に細い線の漢字 -0.15

を含むノj、さな文字の文書.低コ ントラス トの

印刷物(古い新聞など).感圧紙やジアゾ感光

紙による複写物。

i主 (') 文聖書を等級分けする場合li.文字の大きさ,画線の太さ.獲さ,かすれ.密度,

色.紙の地肌の白色度 (反射率)などの項目を総合的に検査し,決定する.例え

l;r,地肌の白色度が高<,文字が大きし函線が太〈黒色で.iAぃ文書は,高品

質文書に属する。

(‘) 一こまに撮彫する文書の中に等級の異なったものが共存している場合は,品質の

低い方の基準値による.

(り 一こまに撮影する文書全体が一つめ等級に属する場合には.フィルムの仕上げ漫

度i立,各等級ともに基準値を中心とし.そのZ午答差は, :t0.15とするのがよい.

-281ー

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Z 6010-1984

参考 ジアゾマイクロフィルムの温度

第 1世代銀・ゼラチンマイクロフィルムから複製するネガ状第2世代ジアゾマイク ロフィルム(以下,ジアゾフィル

ムという 。)の濃度は.次の値とするのがよい。ただし,計算機出カマイクロフィルムから複製するジアゾフィルムは

除 〈。

1. 温度

1.1 D光郁の滋度 ジアゾフィルムの露光都の濃度は.0.15以下とする。

1.2 パックグラウンド温度 ジアゾフィルムのパックグラウンド漫度は. 0.90以上とする。

2. 賦験方法 濃度の測定'i.ジアゾフィルムの現像処理後.1時間放置した後に行うものとし,その試験方法は,本

規格の 4.に準ずる。

qr旬。。フ】

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JIIMA Z 6010-1984

マ イ ク ロ フ ィルムの濃度解説

I. 制定の経過

( 1 ) 我が国の状況及び制定の主眼点 我が国でマイクロフィルムが利用されるようになって既に 30年以上経過

し,その間マイクロフィルムは重要な文書,図面の記録材料として.図書館,学校,病院,官公庁,金融,

保険,新聞,出版,製造業など多くの事業体で用いられてきている。

また,その使用量も近年増大してきており,同時に高性能なマイクロフィルムカメラ,現像装置,複製装

置(デュープリケータ),マイクロフィルムリ ーダ/プリンタなどが次々と開発,製品化きれ,市場に出てお

り,それらの単体機器が撮影用.デュープ用各種の?イクロフ ィルム と共に,いろいろに組み合わされ,シ

ステム{じされて利用されている。

このよ うなマイクロシステムを活用する際に最も重要なことは,マイクロフ ィルムが復元されたとき,元

の被写体文・(original)と比べて満足な可読性が得られることである。

マイクロフィルムは,他の記録媒体に比べ安価で函像品質が格段に優れている。したがって,文書,図面

をマイクロ化する際に,その撮影システムでマイクロフ ィルムのこのような優れた特性を最大限に生かすた

めの重要な品質管理項目としては,解像力と濃度を考える必要がある。特にマイクロフィルムが満足な可読

性を持つには,被写体文書の品質に応じた濃度に仕上げることが必要である。しかし我が国にはフィルムの

濃度を定めた規格として図面用では JISZ 6005[図面用 35mmマイクロフィルム(処理済みの銀塩フィルム)

の品質],文書用では団体規格JMAS-T-I-1963があるが,これらは,被写体文書,図面の品質区分に対し

て濃度を定めてはいない。

文書,図面の中にも品質が高品質のものから低品質のものまであって,千差万別であり,それらを繊影す

るときに,すべてをある一定の濃度で仕上げることは.可読性を保証するうえで無理がある。

また, 7 イクロフィルムは一般の写真フィルムに比べて硬調な特性をもっており,被写体文書をマイクロ

フィルムカメラで撮影するとき露光量の変化がフィルムの仕上がり漫度の変化に大きく影響する。

また,そのフィルムから複製フィルムを作るときは,マスターフィルムの濃度は慎重に仕上げる必要があ

る。

例えば,被写体文書の中に低品質のもの,又は 1ページの中に高品質と低品質文書が混在している ときに.

文書の品質を考えずに,高品質文書に合わせて, 一定の高い濃度でフィルムを織影すると,フィルムの復元

時に可読性を保証することは困難となる。マイクロ像の復元時の,このようなトラブルは,特に被写体文書

を廃棄処分にしてしまった後では,文書管理システムに致命的なダメージを与えることになる。したがって

マイクロフィルムの品質管理基準として解像力の保証と同様に,フィルムの捜度はできる限り厳密に管理す

る必要がある。また複製してフィルムを使うときも 同様である。

上記したように,これまで我が国では,被写体文書の品質に合わせて,マイクロフィルムの仕上がり濃度

を等級分けした標準化が行われておらず,漢字使用国に適した JISの制定が.使用・利用者及ぴ生産者から

強〈望まれてきた。

また,それらの濃度管理は,マイクロ像の商線濃度(文書像の文字部の線の部分の波度)よりもパックグラ

ウンド濃度(文書像の文字のない紙の地肌の部分の濃度)が測定しやすく管理もしやすい。そこで本規格では.

画線濃度の代替として実際的な品質管理が容易にできるパックグラウンド濃度を被写体文書の品質水準に合

丹、u

nxu つ'“

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Z 601 0-19R~ 解説

わせて.規定することにした。規定の対象とするマイクロフィ ルムは.第 1世代と第 2世代の銀 ・セ・ラチン

マイクロフ ィルムとした。

また,ジアゾフィルムも普及が著しいことを考え,参考に掲げた[解脱の 11.の(1)を参照]。

(2) 制定の経過 昭和 57年 6月,通商産業省工業技術院は,"マイクロフィルムの濃度"に関する工業標準新規

原案の調査作成を社団法人日本マイクロ写真協会(以下, JMAという。)に委託した。 JMAは.本規格の原案

調査作成のため.昭和 57年 7月に JIS委員会を発足させた。

この委貝会は,本委員会と分科会で矯成し.その筏成委員は解脱の末尾に示すとおりである。

本委員会では,原案調査作成に関する基本方針. 規定項目及び内容が適正であるかなどについて審議し,

分科会では本委員会の審議事項の総かい点の検討などを行った。

本規格の原案l:t,昭和 58年 2月に審餓を完了し.同年 3月工業技術院へ提出された。その後,原案は工業

技術院内部及び昭和 58年 12月の情報部会などの審議を経て,新規JISとして制定された。

(3) 150及び各国の練準化状況 図面のマイクロ化を除き,被写体文書(original)に対する銀・ゼラチンマイクロ

フィルムの濃度の標準化・規格化について 150及び各固め実状について多少触れると次のとおりである。

我が固めように漢字を用いる文書をマイクロ化するのと異なり,英数字を用いる文書をマイクロ化する欧

米では,フィルムのパックグラウンド濃度を 0.70まで下げて規定しているのは,特別の場合を除いて見当た

らない。

① 我が国の規絡 20年前に作られた団体規格JMAふ T-I-1963(現像処理後のマイクロフィ ルム検査標準)で

は参考 1のようにマイクロフィルムのi.度を規定している。ここでは,被写体文書の品質を限定して濃度を

規定している.また.規定した温度範囲も広い。

参 考 1 文・..の温度 後写体原稿の生地(白地)と函線部(黒い部分)の反射濃度の差が0.7以上をもち,かっ

しみ,かすれ,又は古文書などのように褐色化していない被写体の場合に,フィルム上で与下記の濃度範囲にあ

ることが望ま しい。

支持体温度+かぶり濃度 0.3以下

パックグラウンド濃度 0.9-1.5

② 米国規格[ANSI/NMAMS 23 -1983(Practice for Operational Procedures/lnspection and Quality Control of

First-Generation, Silver-Gelatin Microfilm of Documents)] この規格では,高品質から低品質の被写体文書を

5段階(ク'ループ 1-5)に区分してパックグラウンド獲度を規定している。

クやループ1-4のパック グラウンド狼度は, 0.80-1.50の範囲にあり.それぞれ 1.3-1.50,1.15-1.40,

1.0-1.20, 0.80-1.0と定められている。

グループ5は,特別に品質の悪い文書に対して, その温度範囲を 0.70-0.85と定めている.しかし,グルー

プ 5の規定を適用することは,一般に極めて例外のようである.

③ 西独規絡 DIN 19051 Teil/21 この規格では,参考2に示すように,実質上,高い方の温度は 0.9-1.5

の範闘を規定している。しかし被写体文書に対して等級分けはしていない。

参 考 2 高い方の光学濃度は,調IJ定を複数回行い,その平均値をとる。その平均値は, 0.9以上でなければなら

ない。また, 1.5を超えるときは,低い方の光学温度は 0.2以下でなければならない。

④ 150国際規格 150 6200 この規格は.米国規格と類似しているが,グループ分けは, 1-4までの 4段階

に分けている。それぞれの捜度範囲は1.30-1.50,1.15-1.40, 1.∞-1.20, 0.90-1.10となっており最高

機度は 1.50,最低温度は 0.90である.この規格を制定する際,我が国と西独が制定に反対している。我が固

め場合は, 被写体を 4段階に分ける ことはよいのであるが, 漢字使用固として温度の最低値を 0.70まで下げ

るべきであると反対理由を主張し,規格制定に不賛成と した。

-284-.

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Z 6010寸 984解説

11. 規絡作成に当たっての基本的な考え方

( 1 ) 規定対象とするフィルムの種類と世代 規定の対象とするフィルムは,すべてのフィルムの中で最も標準的

で基本的な銀・ゼラチンマイクロフ ィルムとし,世代の範聞を第2世代までとした。これは,ISO国際規格

と一致している。この他,撮影用?イクロフィルムとして熱処理銀塩フィルムなどがあり,また,ジアゾフィ

ルム,ベシキュラーフィルムなどの複製用フィルム,カラーフィルムなどがあるが,規格に必要なデータが

少ないので除外した。ただし,ジアゾフィルム (第 2世代)の濃度を参考に掲げた。

(2) 被写体文書の品質区分とフ ィルムの濃度 被写体文書の品質区分は,四つに等級分けし, ISO国際規格と僅

力整合をとるように努めた。しかし,それぞれの等級に対するパックグラウンド濃度については,漢字を用

いる文書を使用する我が国の特異性のため, ISO国際規格と金〈同じよ うな規定では無理が生じるので,我

が国独自の決め方とした。すなわち,後述のようにノ〈ックグラウンド波度に基準値と,それに対する許容差

を設け,かっその下の許容差は,高品質文書ほど大きくとり ,すべての等級でのパックグラウンド濃度の下

限値は,0.70になるようにした。

上記の被写体文書の品質の等級分けは,かなり古くから行われてきている方法であって,地肌と文字部の

コントラストを考慮しつつ,基本的には被写体文書の文字の線幅及び線獲度の品質を等級分けし,それぞれ

の品質に合わせたパックグラウンド濃度の範囲を設定し,フィルムの復元時の可読性を保証するやり方であ

り,フィルムの画線濃度による品質管理法 (Controlledline density method)とでもいうべきものである。こ

の観点からすれば,それぞれの等級に対する濃度はコントラストを考えつつ,フィルム上の函線濃度を規定

するのが理想的である。しかしながら酒線濃度の測定は,極めて細い線の濃度を計る測定器が必要で‘,また,

それは高価で、'かつ一般の使用・利用者にとっては操作も面倒で実際的ではない。

ところが薗線濃度とパ yクグラウンド濃度は,ある程度相関性があるので,この性質を利用して酒線濃度

の代わりにパックグラウンド濃度を規定する方法で普通に使用されるマイクロシステムにおいては,実用上

満足なマイクロ像の可読性を保証することが可能である。この波度管理の方法では.フィルムの濃度測定面

積が直径0.5-3mmと大きくてよく,測定器は,操作が簡単で価格も比較的安〈購入できるので,使用・利

用者には非常に便利な方法である。

なお, ISO規格及び各国の規格とも我が固と同様に.マイクロフィルムの濃度はパ yクグラウンド濃度で

規定しているので,我が国の規格で作られた?イクロフィルムを情報交換のために海外へ送っても現地でマ

イクロ像を復元し,その可読性が問題になることは,まずないと考える。

(3) 適正なフィルム温度の評価方法 マイクロフィルムの復元は,利用される目的によって主に次の三つの場合

カずある。

① 単にマイクロフィルムリーダを用い,スクリーン上て・7 イクロ像を復元して読む場合

② マイクロフィルムリーダ/プリンタでハードコピーを作り読む場合

③ 情報の配布のために複製装置 (デュープ リケータ)でマスターフィルムから複製フ ィルムを作る場合

マイクロフィルムが復元されるとき,最も重要なことは,マイクロ像の可読性が満足なものであるかとい

うことである。 したがって,この観点からフィルムの各世代のパックグラウンド濃度を適正な値に決めなけ

ればならない。

本規格の作成に当たっては,様々な品質の被写体文書を収集して,等級分けし.等級分けの予備検証をま

ず上記②の方法で行った。次に等級分けした被写体文書を 35mm及び 16mmフィルムに撮影(縮率は 1: 15

と 1: 24)し,マスターフィルムを完成きせてから上記②,③,①の順によってパックグラウンド濃度を実験

デー タから評価した。更に専門家の経験,濃度と作業能率,現在の技術レベルからみたマイクロ機材の特性

などを加味して被写体文書の等級分けに対するそれぞれのパγ クグラウンド濃度を定めた。②では湿式酸化

phd

nδ フ-

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Z 6010-198-1-解説

亜鉛方式,各種の感光体と現像方式の異なる PPC方式など,方式の異なるマイクロフィルムリーダ/プリンタ

で実験データをとり評価した。③では銀・セ'ラチンマイクロフィルム,直接反転フィルム及びジアゾフィル

ムを用いて可読性データをとっ評価した。

(4 ) 温度の測定法 従来{変われてきた JISK 7605 (写真濃度の測定方法)に代わり新しい JISK 7613(スチ

ル写真用及び映画用カラーリバーサルフィルムの ISO写真感度の求め方及び表示方法)で示された測定法

をf采用することにした。

本件については,解説の 111の 4.2を参照のこと。

(5) ISO国際規格との整合性 本件については.前記 11.の(1)及び (2)を参照のこと。

III. 響強中問題となった事項友び規定項目の内容などの鋭明 この規格名称は,ジアゾフ ィルム.ベシキュ ラー

フィルムなとeの濃度も,将来本規格に含めていくことを考慮し, 日本名は,一般的な名称として“マイクロフィルム

の濃度"とした。

英文名では,今回の規定対象とした銀・セ'ラチンマイクロフィルムをそのまま特定した表現とした。したがって,

今後,ジアゾフィルムなどの濃度が規定きれていくどきは,英文名から silveト gelatintypeを削除するか.又は, diazo

microfilmを加える必要があろう。

1. 適用範囲 前記11.の(1)で述べたように,規定するフィルムの対象は.銀・セ'ラチンマイクロフィルムとした。

また,世代は, 一般の使用・利用者が用いる範囲を考え.第 2世代までを規定することにした。

縮率は,特に定めていないが,超マイクロフィルムに適用することは,考慮していない。

また,平床式,輪転式マイクロフィルムカメラで録影きれる文書を特に区別していない。

図面の?イクロ化に対する濃度 (規定)は, JIS Z 6005によるものとし,また, COMマイクロフ ィルムは.特殊

な作成方法によるため,本規格を適用できない。

2. 用需の意味

(2) パックグラウンド濃度 この規格で規定されている濃度とは, JIS Z 8120 (光学用語)の中の光学濃度のこ

とて"?イクロフィルムのマイクロ像の黒き(不透明き)の度合を示す濃度(D)は,次式で表きれる。

日 g,件)ここに, 10・入射する光の強き

I 透過してきた光の強さ

例 フィルムに入射した光に対し透過してきた光が占のとき慨は1.0,市のときは 2.0となる。

(3) コントラスト コントラストは JISZ 8120に規定されているが,この規格においては,被写体となる文書

や図面などの紙の白さと文字や函線などの黒さとの比をいう。例えば,白い上質紙に黒色インキで印刷され

たものはコントラストは高<,紙質の悪い印刷物や古くなった新聞紙などは,コントラストが低いというこ

とになる。

3.2 ネガ状フィルムの場合 現在市販されている一般撮影用マイクロフィルムとしては,クリアーベースとグ

レーベース(着色支持体)の 2種類がある。

また,使用状況では.大部分がクリアーベースフ ィルムであり,グレーベースフィルムは 10%以下である。したがっ

て,実験は,標準的な特性をもっクリアーベースフィ ルムを用い,その現像は,フィルムに指定の条件によった。こ

の場合のフィルムのガンマ(階調度)は, 3.2程度である。

(1) 禾露光都の濃度 第 l世代(撮影用)フィルムの未露光部の濃度については, JIS Z 6005との繋合を図っ

?こ一。

(2) パックグラウンド温度

nvn6

フ】

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Z 6010-1984解説

(a) (第 1世代フ ィルムのパックグラウンド温度) 付表の作成方法は,前述の 11.(3)に,また第 I世代フィ

ルムの現像処理条件は.上記 3.2のとおりである。この撮影は.縮率 1: 15と1: 24の2通りてー行った

が,実験結果及び経験上,付表に示す濃度の実用となる縮率範囲は, 1: 12-1 : 35程度である。

(b) (付衰の活用について) 被写体文書を付表によって等級分けすること,及び撮影のときの露光の決定

は,次の要領で行うのがよい。

文書の最小文字の高さ撮影の縮率と解像力からは、実用品位数が 11以上となることを確認する。この

値が 11以下になると漢字の可読性の低下と共に,復元のときの濃度の許容差が狭くなる。実用品位数を

求める方法は,JIS Z 6001 (文書用マイクロフィ yシュ)の附属書で規定している。

文書の等級分けは,本文のj主(3)に留意し,文書の主要な文字の線の太さ,線の獲さ及び紙の白さの 3

項目に着目し,付表の中のいずれの品質水準に当てはまるかを検討する。

1. 最も細い線や文字の細きの程度。

2. 最も薄い線や文字の薄きの程度。

3. 紙の地肌の褐色の程度。

上記 3.で紙が褐色化していても,文字が大きく線が黒くて凄いときは,2級相当の品質に属する場合

もあり.このようなときは,実際の撮影・復元システムに従ってテストして決めるのがよい。

付衰のとおり文書の品質に応じて,濃度を変えて仕上げるのは,フィルム上の文字や線の函線部(ネガ

状で透明の部分)の濃度をなるべく低くし,かつコントラストの高い7 イクロ像とするためである。

また,マスターフィルムから復製フィルムを作るときに,一定な露光条件でプリン トしても,品質の

イ.~下が少なし複製フィルムから可読なハードコピーが得られるようにするためである。

(c) 本文の注(‘)について 品質の低い方で撮影の露光を決めるのは,もしも文字の濃度の薄い低品質文書を

高品質文書に合わせて撮影すると,高濃度となり低品質文書の像は文字がかすれて読めなくなるためで

ある。また,逆に高品質文書は.低濃度の仕上げて・多少文字が太りつぶれ気味となっても.可読なコピー

が得;られるからである。

紙の地肌を測る自動露光調節方式の場合も,濃度としては,被写体文書における低い方の基準値を採

用する。

(d) 本文の注(')について パックグラウンド濃度の許容差が土0.15とは,実際には,ま とまった資料の撮影

てい,その文書の品質が一つの等級に属するとき,その等級でのパックグラウンド濃度の差を 0.30以下に

仕上げることによって,7 スターフィルムからの複製又は復元を一定の露光条件で与行って も, 可読な

ハードコピーが得られることである。

なお,濃度の許容差の下限を,いずれの等級でも 0.70としたのは,本文のi主(‘)の場合を考慮したため

てeある。

( e) (第 2世代フィルムのパックグラウンド温度) 銀・セ'ラチンマイクロフィルムを用いて,マスターフィ

ルム(ネガ状)からネガ状の第 2世代フィルムを作成する場合は,複製用の直接返転フィルム(DDフィル

ム)を使用する。このフィルムの標準的現像処理では. ガン7 は1.4程度で.実験はこの条件によった。

マスターフィルムだけをみて,被写体文書の品質を等級分けすることが難しいのがほとんどである。

この場合は,マイクロ像の波度(文字部の透明の程度と紙の地肌昔日のパンクグラウンド濃度)によって焼

付けの露光量を決める こととなる。

実験結果では,マス ターフィルムの濃度範囲が 0.80ー1.40(低品質~高品質の文書の共存)で,標準

的な仕上がりの場合は, このフィルムの濃度 1.20-1.40の所を,これから焼付けした DDフィルムで

の濃度が 0.1-0.2程度マスターフ ィルムよりも高くなるように仕上げるのがよかった。またマスター

iQU

円ノ』

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Z 6010-19制 解鋭

フィルムが低品質文書(濃度0.70-0.90)だけからなる場合.これから焼付けした DDフィルムの濃度を

マスターフィルムよりも 0.15程度高〈仕上げることで,この DDフィルムからのハードコピーが良好で、

あった。

3.2 (2)の備考 グレーベース(着色支持体)の第 l世代フィ ルムについても,クリアーベースフィルムと同様に撮

影及び複製を行い.両者をハードコピー上で比較した。その結果.両者のフィルムの未露光部の捜度の差(0.15程度)

だけ.グレーベースフィルムでのパックグラウンド機度を高〈仕上げると,引伸しでの露光量が過大になりすき'実用

的でなかった。グレーベースフィルムでのパックグラウンド濃度は.クリアーベースフィルムにおける値と同等に仕

上げればよい。

3.3 ポジ状フィルムの場合

( 1 ) 露光郎の濃度 7 スターフィルムから密着焼付けによって作成する標準的なポジ状フィルムのカ・ンマは,

1.8程度であり.この条件で実験を行った。

マスターフィルムが,低品質の文書(濃度 0.70-0.90)だけからなる場合は,これから焼付けしたポジ状

第 2世代フ ィルムの露光部(こまとこまとの簡の部分)の狼度を. 1.10程度に仕上げるとよい.

マスターフィルムに等級の異なったものが共存している場合は,そのマスターフィルムのパックグラウ

ンド濃度に応じ.露光部の漫度を1.20-1.50に仕上げることで. リーダでの満足な可読性が得られる。

ISO 6200では露光部の濃度を1.10以上と規定しており.この場合?スターフィルムのパックグラウ

ンド濃度は.0.90以上である。

(2) パッ クグラウンド滋度 低品質文書のポジ状フィルムは. リーダのスクリーン上で文字や線の薗線濃度が

薄すぎないよう.そしてかすれた文字でも読みやすいよ うにするため.紙の地机が少し目立つく らいに仕

上げるのがよい。したがって.ポジ状フィルムのパ yクグラウンド濃度は,高品質より低品質文書の場合

に高くなる。

ポジ状フィルムのパ yクグラウンド濃度の値について ISO6200では.0.20以下と規定しており .これ

に対応したマスターフィルムのパックグラウンド濃度は 0.90以上と定めている。

これに対して JISは,漢字の画数の多い文字を使用する特異性から,マスターフィルムの漫度の下限を

0.70とし. ISOより 0.20低〈定めている。

これらの事項から,ポジ状第 2世代フィルムのパγ クグラウン ドi度度は.0.25以下と規定した.

4. I式験方法

4.1 測定条件 規定する温湿度条件下においては,使用する拡散光波度計の測定誤差は考えなくてもよい。ただ

し.高湿度下の測定て¥フィルムを長時間放置することは,マイクロフィルムの保存に悪い影響があるので.その取

り扱い方には注意する必要がある。この場合は.JIS Z 6009(銀・セヲチンマイクロフィルムの処理と保存)を参照す

るとよい。

4.2 測 定 器 現在,濃度測定器の条件は.JlS K 7605に規定されている。しかしこの規格は,改正中であり.

また.それと関係する ISO 5(拡散透過濃度の測定法)も問機に改正中である。そこで ISO 5の改正案に沿った規格で

ある JISK 7613に規定されている条件を持った拡散光濃度計を使用することにした。 JISK 7613の 3.5.3は透

過濃度測定め幾何条件を. 3.5.4'ま透過濃度測定の分光条件を規定したものである。この分光条件は,マイク ロフィ

ルムリーダて・マイクロフィルムを拡大して読むときには満足する条件である。また,複製フィルムを作ったり,ハー

ドコピーを作るときは,複製フィルムやハードコピーの感光材料や感光部の持っている分光感度と合致した分光条件

をもった拡散光濃度計を使用するのが理想である。しかし,使用する感光材料の分光感度や使用している個々の機器

の感光都の分光感度を正確に知ることは図錐である。実用面及びこの規格の作成のための実験においても問題がな

かったので.本規格の分光条件lま.祝覚感度に合致したものにした。

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Z 6010ー1984解説

拡散光機度言十のアパーチュアサイズの直径については,JI5K 7613では 3mm以上, 1505の改正案では 0.5mm

以上, ISO/D P 8126(ジアゾ,ベシキュラーフィルムの温度測定法)では 0.5-3mmと規定している。アノマーチュア

サイズは大きい方が測定の精度は高くなるが,マイクロフィルムの波度測定は,こまの中のパックグラウンド機度を

測定するので, アノマーチュアサイズは小さい方が測定しやすい。そこで本規絡は 150/DP8126の債である 0.5-3

mmを採用した。

4.3. (1) 濃度計の補正 拡散光濃度計が本文の 4.2の条件に一致 しないものを使用するときは,棟準濃度片 又

は4.2の条件を満足 している拡散光濃度計で校正したステップタブレットを使 って濃度計の補正を行い測定すれば

よい。

参考 ジアゾマイクロフィルムの濃度 ジアゾマイクロフィルムは配布用に使われる複製フィルムの一つであり,

このフィルムも最近普及が著しい。

ジアゾフイ ノレムの場合, <スターフィルムのように直接被写体文容の品質を見て撮影するのと異なり ,7 スターフィ

ルムに写し込まれた文書の品質を評価することができ ない場合が多いので, マスターフィルムのマイクロ像の画線濃

度 とパックグラウンドI1度によ って焼付けの露光量を決める必要がある。

実験には標準的なブループラ γ ク及ぴブラックのジアゾフィルムを用い,フィルムの濃度の評価は,前述の 11.の

(3)の考え方で行った。

1.1 ft光都の濃度 露光都の濃度は,低いほど,文字昔日のぬけの状態がよく, 一般に復元性のよ いジアゾフィルム

となる。

この濃度を低;くするためには,焼付けの露光量を増すことだが,増しすぎると文字部が太くなり,パ"クグラウン

ド濃度をも低下させ, コン トラス トの低いフィルムとなる。

このことから分かるように ジアゾフィルムの露光都の濃度は,一方的に低くすることはできず.パ yクグラ ウンド

波度とのバランスによって決めなければならない。本規格では.ZZ光部の濃度は 0.15以下とし,関連するパックグラ

ウンド濃度は 0.90以上とした.

1.2 パックグラウンド濃度 ジアゾフィルムのパ γ クグラウン ド濃度はマスターフィルムの濃度と同等又は 0.1

程度高めに仕上げる ことで,マスターフィルムに近いコントラストが得 られる。 例えば 7 スターフィルムのパγ ク

グラ ウンド濃度が 1.00である場合,ジアゾフィルムのパックグラウンド濃度は1.00-1.10に仕上げるのがよ い。バッ

クグラウ ン ド濃度を 0.9以上と定めたのは,マスターフィ ルムの低品質文書の基虫駆漫度が0.85であり.ジアゾフィ ル

ムからのハードコピーによる復元性を考慮してパックグラウンド漫度は 0.9以上と した。

2. I式験方法 現像処理後のジアゾフィルム1;1, フィ ルム上のアンモニアガスがぬけて温度が安定するのに 1時間ほ

どカ‘カ‘る。

マイクロフ ィルムの温度原案作成委員会情成褒

氏名 所属

(委員長)鳥海史郎 社団法人日本?イクロ写真協会(ミノルタカメラ株式会社)

国中健 工業技術院計量研究所

木村 政 夫 東京工芸大学

太田健一郎 工業技術院標準部

大橋 信男 社団法人日本マイクロ写真協会

度瀕金光 国立国会図書館

岸並 E召 日本原子力研究所

瀬倉 久 男 防衛庁

小島雅郎 写真感光材料工業会(小西六写真工業株式会社)

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Z 6010-1984解鋭

牛丸 カ 石川島播磨盆工業株式会社

石崎 勇 東京芝浦電気株式会社

山 田 」盾E包Z 日産自動車株式会社

積田博之 富士写真フィルム株式会社

島野元首、 日本マイクロ写真株式会社

鈴木弘明 キヤノ ン株式会社

設楽真 富士写真フィルム株式会社

青木喜彦 クスダ事務機株式会社

宮内勇三朗 富士ゼロ ックス株式会社

石井健二朗 ミノルタカメラ株式会社

下川原 寿 ソマール工業抹式会社

小林秀行 日本イ ンフォーメーション株式会社

伊藤光敏 住友スリーエム株式会社

(事務局) 戸所幸一 社団法人日本マイクロ写真協会

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