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1下水処理において,固液分離プロセスは,
処理水の水質を決める上で重要な役割を果たしている。
本共同研究では,チェーンフライト式汚泥かき寄せ機を対象とし(図-1),新設や改築更新に必要な留意事項等について調査研究を行ない,その概要,構造,特徴を整理するとともに,設計,施工,保守・維持管理等に関して,最新の知見を技術資料にとりまとめた。
技術資料では,以下に示す5型式のチェーンフライト式汚泥かき寄せ機について,構造・特徴等を整理した。
◆金属製汚泥かき寄せ機(図-2)40年以上の実績があり,実績が最も多く,
チェーン強度が最も高い。
◆セミプラスチック製汚泥かき寄せ機
主要部備品が合成樹脂製のため耐腐食性,
施工性は金属製より優れている。
◆ノッチチェーン式汚泥かき寄せ機
ノッチ式チェーンにより摩耗箇所を分散させることで,チェーンの耐摩耗性を向上している。
◆浮上型汚泥かき寄せ機
全てのレールや軸が池底付近にあり,水面に揺れ等が発生しても,レールからのフライト脱落やチェーン脱輪が発生しにくい(図-3)。
◆全プラスチック製汚泥かき寄せ機各種部品の多くは合成樹脂製のため,セミ
プラ製汚泥かき寄せ機よりも軽量で必要動力を小さくできる。
最���池最���池
���池
��池
チェーンフライト式
ミー�ー式
�行�イフ�ン式
��式
���動式
���動式
金属製
セミプラスチック製
全プラスチック製
���
���
汚泥かき寄せ機の分類 ��型
浮上型
ノッチチェーン式
研究対象範囲
��型
図-1 汚泥かき寄せ機の分類と研究対象範囲
図-2 金属製汚泥かき寄せ機の構造
図-3 浮上型汚泥かき寄せ機の耐震構造
2
1下水処理において,固液分離プロセスは,
処理水の水質を決める上で重要な役割を果たしている。
本共同研究では,チェーンフライト式汚泥かき寄せ機を対象とし(図-1),新設や改築更新に必要な留意事項等について調査研究を行ない,その概要,構造,特徴を整理するとともに,設計,施工,保守・維持管理等に関して,最新の知見を技術資料にとりまとめた。
技術資料では,以下に示す5型式のチェーンフライト式汚泥かき寄せ機について,構造・特徴等を整理した。
◆金属製汚泥かき寄せ機(図-2)40年以上の実績があり,実績が最も多く,
チェーン強度が最も高い。
◆セミプラスチック製汚泥かき寄せ機
主要部備品が合成樹脂製のため耐腐食性,
施工性は金属製より優れている。
◆ノッチチェーン式汚泥かき寄せ機
ノッチ式チェーンにより摩耗箇所を分散させることで,チェーンの耐摩耗性を向上している。
◆浮上型汚泥かき寄せ機
全てのレールや軸が池底付近にあり,水面に揺れ等が発生しても,レールからのフライト脱落やチェーン脱輪が発生しにくい(図-3)。
◆全プラスチック製汚泥かき寄せ機各種部品の多くは合成樹脂製のため,セミ
プラ製汚泥かき寄せ機よりも軽量で必要動力を小さくできる。
最���池最���池
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チェーンフライト式
ミー�ー式
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金属製
セミプラスチック製
全プラスチック製
���
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汚泥かき寄せ機の分類 ��型
浮上型
ノッチチェーン式
研究対象範囲
��型
図-1 汚泥かき寄せ機の分類と研究対象範囲
図-2 金属製汚泥かき寄せ機の構造
図-3 浮上型汚泥かき寄せ機の耐震構造
2
1下水処理において,固液分離プロセスは,
処理水の水質を決める上で重要な役割を果たしている。
本共同研究では,チェーンフライト式汚泥かき寄せ機を対象とし(図-1),新設や改築更新に必要な留意事項等について調査研究を行ない,その概要,構造,特徴を整理するとともに,設計,施工,保守・維持管理等に関して,最新の知見を技術資料にとりまとめた。
技術資料では,以下に示す5型式のチェーンフライト式汚泥かき寄せ機について,構造・特徴等を整理した。
◆金属製汚泥かき寄せ機(図-2)40年以上の実績があり,実績が最も多く,
チェーン強度が最も高い。
◆セミプラスチック製汚泥かき寄せ機
主要部備品が合成樹脂製のため耐腐食性,
施工性は金属製より優れている。
◆ノッチチェーン式汚泥かき寄せ機
ノッチ式チェーンにより摩耗箇所を分散させることで,チェーンの耐摩耗性を向上している。
◆浮上型汚泥かき寄せ機
全てのレールや軸が池底付近にあり,水面に揺れ等が発生しても,レールからのフライト脱落やチェーン脱輪が発生しにくい(図-3)。
◆全プラスチック製汚泥かき寄せ機各種部品の多くは合成樹脂製のため,セミ
プラ製汚泥かき寄せ機よりも軽量で必要動力を小さくできる。
最���池最���池
���池
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チェーンフライト式
ミー�ー式
�行�イフ�ン式
��式
���動式
���動式
金属製
セミプラスチック製
全プラスチック製
���
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汚泥かき寄せ機の分類 ��型
浮上型
ノッチチェーン式
研究対象範囲
��型
図-1 汚泥かき寄せ機の分類と研究対象範囲
図-2 金属製汚泥かき寄せ機の構造
図-3 浮上型汚泥かき寄せ機の耐震構造
下水処理において,固液分離プロセスは,処理水の水質を決める上で重要な役割を果たしている。 本共同研究では,チェーンフライト式汚泥かき寄せ機を対象とし(図-1),新設や改築更新に必要な留意事項等について調査研究を行ない,その概要,構造,特徴を整理するとともに,設計,施工,保守・維持管理等に関して,最新の知見を技術資料にとりまとめた。
技術資料では,以下に示す5型式のチェーンフライト式汚泥かき寄せ機について,構造・特徴等を整理した。
◆金属製汚泥かき寄せ機(図-2) 40年以上の実績があり,実績が最も多く,チェーン強度が最も高い。
◆セミプラスチック製汚泥かき寄せ機 主要部備品が合成樹脂製のため耐腐食性,施工性は金属製より優れている。
◆ノッチチェーン式汚泥かき寄せ機 ノッチ式チェーンにより摩耗箇所を分散させることで,チェーンの耐摩耗性を向上している。
◆浮上型汚泥かき寄せ機 全てのレールや軸が池底付近にあり,水面に揺れ等が発生しても,レールからのフライト脱落やチェーン脱輪が発生しにくい(図-3)。
◆全プラスチック製汚泥かき寄せ機 各種部品の多くは合成樹脂製のため,セミプラ製汚泥かき寄せ機よりも軽量で必要動力を小さくできる。
図-1 汚泥かき寄せ機の分類と研究対象範囲
図-2 金属製汚泥かき寄せ機の構造
図-3 浮上型汚泥かき寄せ機の耐震構造
公益財団法人 日本下水道新技術機構
1 汚泥かき寄せ機の分類と研究対象範囲
2 各型式の構造・特徴等
チェーンフライト式汚泥かき寄せ機技術 に関する共同研究
技術資料 �2016年3月���4
技術資料���3
チェーンフライト式汚泥かき寄せ機
技術資料
-2016年3月-
(公財)日本下水道新技術機構
目 次第1章 総則第2章 全体概要および各型式の
構造・特徴等第3章 設備の設計第4章 設備の施工第5章 設備の保守・維持管理第6章 設計計算例資 料 編
◆��資料本技術資料は,チェーンフライト
式汚泥かき寄せ機(5型式)について,概要,特徴を整理すると共に,各型式の設計,施工,保守・維持管理における留意事項をとり纏めています。
共同研究者:株式会社クボタ,三機工業株式会社,株式会社神鋼環境ソリューション,水ing株式会社,センクシア株式会社,月島機械株式会社,前澤工業株式会社,三菱化工機株式会社
◆各型式について耐震性の項目を記載
東日本大震災ではスロッシング現象により,チェーンやフライトの脱落が多数報告されたことを踏まえ,耐震対策について記載している。
(1)浮上防止レール(図-4)(2)耐震型チェーン(3)耐震型フライトシュー(図-5)
◆運転管理に関して通常運転時と運転休止時の留意事項を整理
通常運転時の留意事項に加えて,運転休止時の留意事項についても記載するなど,維持管理上の留意事項についての記述を充実させている。
◆長寿命化計画への活用
長寿命化計画にも反映できるように,消耗品リストにて消耗品の名称,材質,交換の目安期間を記載するとともに,消耗品の具体的な消耗判断基準を記載している。
通常運転時の注意事項 運転休止時の注意事項
基本は連続運転とし,定期点検や非常時以外では停止しない。
チェーンの張り調整を定期的に行い,適切な張りで運転を行う。
砂が多い場合,樹脂製のチェーン,スプロケット,シューが異常に摩耗する可能性があるので,流入水質や砂の発生状況について十分注意が必要である。
定期的に無負荷運転をする。 オイル・グリス類は,性状を確認し,劣化している
場合は,交換を行った上で運転する。 金属製の場合は,チェーンをドライの状態にして,
防錆油を塗っておく。 プラスチック部品を用いている場合,1週間以上休
止する際は池内に満水まで水を張り,温度変化の少ない状態で休止する。
図-4 浮上防止レール例 図-5 耐震型フライトシュー
表-1 運転管理に関する留意事項
スロッシングによるフライト転落の防止
技術資料 �2016年3月���4
技術資料���3
チェーンフライト式汚泥かき寄せ機
技術資料
-2016年3月-
(公財)日本下水道新技術機構
目 次第1章 総則第2章 全体概要および各型式の
構造・特徴等第3章 設備の設計第4章 設備の施工第5章 設備の保守・維持管理第6章 設計計算例資 料 編
◆��資料本技術資料は,チェーンフライト
式汚泥かき寄せ機(5型式)について,概要,特徴を整理すると共に,各型式の設計,施工,保守・維持管理における留意事項をとり纏めています。
共同研究者:株式会社クボタ,三機工業株式会社,株式会社神鋼環境ソリューション,水ing株式会社,センクシア株式会社,月島機械株式会社,前澤工業株式会社,三菱化工機株式会社
◆各型式について耐震性の項目を記載
東日本大震災ではスロッシング現象により,チェーンやフライトの脱落が多数報告されたことを踏まえ,耐震対策について記載している。
(1)浮上防止レール(図-4)(2)耐震型チェーン(3)耐震型フライトシュー(図-5)
◆運転管理に関して通常運転時と運転休止時の留意事項を整理
通常運転時の留意事項に加えて,運転休止時の留意事項についても記載するなど,維持管理上の留意事項についての記述を充実させている。
◆長寿命化計画への活用
長寿命化計画にも反映できるように,消耗品リストにて消耗品の名称,材質,交換の目安期間を記載するとともに,消耗品の具体的な消耗判断基準を記載している。
通常運転時の注意事項 運転休止時の注意事項
基本は連続運転とし,定期点検や非常時以外では停止しない。
チェーンの張り調整を定期的に行い,適切な張りで運転を行う。
砂が多い場合,樹脂製のチェーン,スプロケット,シューが異常に摩耗する可能性があるので,流入水質や砂の発生状況について十分注意が必要である。
定期的に無負荷運転をする。 オイル・グリス類は,性状を確認し,劣化している
場合は,交換を行った上で運転する。 金属製の場合は,チェーンをドライの状態にして,
防錆油を塗っておく。 プラスチック部品を用いている場合,1週間以上休
止する際は池内に満水まで水を張り,温度変化の少ない状態で休止する。
図-4 浮上防止レール例 図-5 耐震型フライトシュー
表-1 運転管理に関する留意事項
スロッシングによるフライト転落の防止
技術資料 �2016年3月���4
技術資料���3
チェーンフライト式汚泥かき寄せ機
技術資料
-2016年3月-
(公財)日本下水道新技術機構
目 次第1章 総則第2章 全体概要および各型式の
構造・特徴等第3章 設備の設計第4章 設備の施工第5章 設備の保守・維持管理第6章 設計計算例資 料 編
◆��資料本技術資料は,チェーンフライト
式汚泥かき寄せ機(5型式)について,概要,特徴を整理すると共に,各型式の設計,施工,保守・維持管理における留意事項をとり纏めています。
共同研究者:株式会社クボタ,三機工業株式会社,株式会社神鋼環境ソリューション,水ing株式会社,センクシア株式会社,月島機械株式会社,前澤工業株式会社,三菱化工機株式会社
◆各型式について耐震性の項目を記載
東日本大震災ではスロッシング現象により,チェーンやフライトの脱落が多数報告されたことを踏まえ,耐震対策について記載している。
(1)浮上防止レール(図-4)(2)耐震型チェーン(3)耐震型フライトシュー(図-5)
◆運転管理に関して通常運転時と運転休止時の留意事項を整理
通常運転時の留意事項に加えて,運転休止時の留意事項についても記載するなど,維持管理上の留意事項についての記述を充実させている。
◆長寿命化計画への活用
長寿命化計画にも反映できるように,消耗品リストにて消耗品の名称,材質,交換の目安期間を記載するとともに,消耗品の具体的な消耗判断基準を記載している。
通常運転時の注意事項 運転休止時の注意事項
基本は連続運転とし,定期点検や非常時以外では停止しない。
チェーンの張り調整を定期的に行い,適切な張りで運転を行う。
砂が多い場合,樹脂製のチェーン,スプロケット,シューが異常に摩耗する可能性があるので,流入水質や砂の発生状況について十分注意が必要である。
定期的に無負荷運転をする。 オイル・グリス類は,性状を確認し,劣化している
場合は,交換を行った上で運転する。 金属製の場合は,チェーンをドライの状態にして,
防錆油を塗っておく。 プラスチック部品を用いている場合,1週間以上休
止する際は池内に満水まで水を張り,温度変化の少ない状態で休止する。
図-4 浮上防止レール例 図-5 耐震型フライトシュー
表-1 運転管理に関する留意事項
スロッシングによるフライト転落の防止
技術資料 �2016年3月���4
技術資料���3
チェーンフライト式汚泥かき寄せ機
技術資料
-2016年3月-
(公財)日本下水道新技術機構
目 次第1章 総則第2章 全体概要および各型式の
構造・特徴等第3章 設備の設計第4章 設備の施工第5章 設備の保守・維持管理第6章 設計計算例資 料 編
◆��資料本技術資料は,チェーンフライト
式汚泥かき寄せ機(5型式)について,概要,特徴を整理すると共に,各型式の設計,施工,保守・維持管理における留意事項をとり纏めています。
共同研究者:株式会社クボタ,三機工業株式会社,株式会社神鋼環境ソリューション,水ing株式会社,センクシア株式会社,月島機械株式会社,前澤工業株式会社,三菱化工機株式会社
◆各型式について耐震性の項目を記載
東日本大震災ではスロッシング現象により,チェーンやフライトの脱落が多数報告されたことを踏まえ,耐震対策について記載している。
(1)浮上防止レール(図-4)(2)耐震型チェーン(3)耐震型フライトシュー(図-5)
◆運転管理に関して通常運転時と運転休止時の留意事項を整理
通常運転時の留意事項に加えて,運転休止時の留意事項についても記載するなど,維持管理上の留意事項についての記述を充実させている。
◆長寿命化計画への活用
長寿命化計画にも反映できるように,消耗品リストにて消耗品の名称,材質,交換の目安期間を記載するとともに,消耗品の具体的な消耗判断基準を記載している。
通常運転時の注意事項 運転休止時の注意事項
基本は連続運転とし,定期点検や非常時以外では停止しない。
チェーンの張り調整を定期的に行い,適切な張りで運転を行う。
砂が多い場合,樹脂製のチェーン,スプロケット,シューが異常に摩耗する可能性があるので,流入水質や砂の発生状況について十分注意が必要である。
定期的に無負荷運転をする。 オイル・グリス類は,性状を確認し,劣化している
場合は,交換を行った上で運転する。 金属製の場合は,チェーンをドライの状態にして,
防錆油を塗っておく。 プラスチック部品を用いている場合,1週間以上休
止する際は池内に満水まで水を張り,温度変化の少ない状態で休止する。
図-4 浮上防止レール例 図-5 耐震型フライトシュー
表-1 運転管理に関する留意事項
スロッシングによるフライト転落の防止
◆各型式について耐震性の項目を記載 東日本大震災ではスロッシング現象により,チェーンやフライトの脱落が多数報告されたことを踏まえ,耐震対策について記載している。
(1)浮上防止レール(図-4)(2)耐震型チェーン(3)耐震型フライトシュー(図-5)
◆技術資料 本技術資料は,チェーンフライト式汚泥かき寄せ機(5型式)について,概要,特徴を整理すると共に,各型式の設計,施工,保守・維持管理における留意事項をとり纏めています。
◆運転管理に関して通常運転時と運転休止時の留意事項を整理 通常運転時の留意事項に加えて,運転休止時の留意事項についても記載するなど,維持管理上の留意事項についての記述を充実させている。
◆長寿命化計画への活用 長寿命化計画にも反映できるように,消耗品リストにて消耗品の名称,材質,交換の目安期間を記載するとともに,消耗品の具体的な消耗判断基準を記載している。
共同研究者:�株式会社クボタ,三機工業株式会社,株式会社神鋼環境ソリューション,水ing株式会社,センクシア株式会社,月島機械株式会社,前澤工業株式会社,三菱化工機株式会社
図-4 浮上防止レール例
表-1 運転管理に関する留意事項
図-5 耐震型�フライトシュー
公益財団法人 日本下水道新技術機構 Japan Institute of Wastewater Engineering & Technology〒162-0811東京都新宿区水道町 3 番 1 号 水道町ビル 7 階 TEL 03-5228-6511 FAX 03-5228-6512URL http://www.jiwet.or.jp/ E-mail [email protected]
3 技術資料の特徴
4 技術資料 - 2016 年 3 月発刊-