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デジタル・ガバメント海外事例と 日本の現状 令和2212内閣官房IT総合戦略室 資料1

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デジタル・ガバメント海外事例と日本の現状

令和2年2月12日内閣官房IT総合戦略室

資料1

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概要

主要マイルストン

11月 EC(European Commision)のデータの年次会議SEMIC、ECのDigital Government conference、FIWARE Global Summit等への参加、エストニア、デンマーク、ドイツ訪問。

[デジタル・ガバメント、データ戦略、スマートシティに関する意見交換]

12月 米国政府がFederal Data Strategy 2020Action Planを発表

1月 米国政府とデジタル・ガバメント、データ戦略に関する意見交換

1月 ECのサービス・カタログに関するWebinarへの参加

ポイント

ワンスオンリー(ベース・レジストリ、品質・マチュリティモデル)

• EU各国は、ワンスオンリーを実現するため、また、デジタル社会の競争力の源泉かつ社会基盤として

ベース・レジストリを最重要政策の一つに位置付け。米国もレジストリ整備の取り組みを推進。データ整備と並行して品質管理を重要課題として強力に推進。

スマート・シティ(デジタル・ガバメントとの融合、サービス・カタログ)

• デジタル・ガバメント基盤を活用した都市づくりやセンサーによる現場支援が活発化。

• ECでは、大量の情報を効率的に利用する仕組みとしてサービス・カタログ等の整備を推進。

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日本はデジタル社会を支える仕組みやデータ基盤に関して、世界に置いて行かれつつあることを認識する必要がある。強い意志を持って強力に推進しないと置いていかれる。

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これまでの取り組みと成果

国内課題だけでなく、国際動向も参考にしながらデジタル・ガバメント戦略を推進しており、基盤を作るための土台までは整備されてきた。

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日本への示唆

1. 台帳類の全容把握とデジタル化は緊急の課題

2. デジタル時代に合わせた法律作成プロセスの検討が必要

3. 添付書類廃止に合わせて、申請・報告とエビデンス類のデータ標準化が必要

4. アーキテクチャ思考で中長期を俯瞰した取り組みが必要

5. 外部サービスの活用、モデリングによる可視化等によるサービス実現の効率化が必要

6. サービス・カタログとIDによるサービス管理体系の検討が必要

7. 多様なサービスや技術に対応できる実力主義の機動的な体制が必要

(特に、府省横断のデータ・インタオペラビリティ推進チームは必須)

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「変われない日本」からの脱却

「やるリスク」<「やらないリスク」を理解する必要がある

デジタル化の波からは逃げられない

第2回新戦略推進専門調査会デジタル・ガバメント分科会第21回各府省情報化専任審議官等連絡会議 合同会議 平成30年7月6日資料4 デジタル・ガバメントに関する国際動向について

1. データ標準整備等の環境(土台)整備完了2. 継続して情報収集中3. 法人サービス向けのデータ標準作成中(3月末目途)

4. Society5.0リファレンスアーキテクチャの普及5. 継続して検討中

6. サービス・カタログの作成中(3月末目途)7. CIO補佐官のレベルアップと多様化

土台

基盤

サービス

現在

2018年7月の状況

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ワンスオンリー

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EUの取り組みの経緯

デジタル・ガバメントの推進で、多くの国は次期ビジョンとしてゼロストップサービスを目指しているが、その通過点としてワンスオンリーサービスの確実な推進が行われている。

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2017年 タリン宣言 2.ワンスオンリー

ベース・レジストリ(台帳等)の整備

データ品質の確保

ワンスオンリーを実現するには、基本情報を再利用するための基本データが必要。

ベース・レジストリは、データが構造化され、正確でアップデートされた情報で構成されなければいけない。

タリン宣言から2年経過し、各国はワンスオンリーを実現するために、ベース・レジストリの問題に直面。所管省庁を超えた枠組みで実施。

日本もデジタル手続法で掲げたワンスオンリーを実現するために、不可避な課題。

※ ベース・レジストリとは、公的機関等で公開され、様々な場面で参照される、人、法人、土地、資格等の社会の基本データ

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欧州等のワンスオンリーを支えるベース・レジストリ

欧州各国は、ベース・レジストリを、各担当組織の中で正確かつ最新に管理する。単に同じデータ項目を持つだけでなく、更新も相互に連携する。

政府横断で方針を決定し、各データの担当府省が責任を持ち推進する。 各府省で遅延が生じないよう、政府横断委員会が強力な権限を持つ。

米国政府もレジストリ管理を強化しており、2020年中にリスト化する。 各省にCDO(Chief Data Officer)がおり、CDOカウンシルも年内に設置予定。 5

個人

不動産

住所、道路、地区

地図、地理情報

法人

保有する

雇用される

属する

生活する 活動する

場所を示す

保有する 保有する

氏名性別住所所有不動産所属組織

名称法人種別住所所有不動産社員名

市町村合併などがあると、全ベース・レジストリの情報が連動して更新される

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日本のベース・レジストリ(具体的に示すため商業登記を例示)

日本は台帳管理は行われているが、各台帳は独立しており、データ項目が同じでも、その形式や内容の整合性が取れていないことがある。 文字の管理も十分ではないため、検索が困難で、表示されないことがある。

政府横断でデータの整合性をとる組織がないため、改善が進んでいない。

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個人(戸籍、住民基本台帳)

不動産(不動産登記)

住所、道路、地区(各種台帳)

地図、地理情報(電子国土等)

法人(商業登記)

異なる文字体系

住所表記の変更が反映されない・「東京市」の本店住所データが12,725件(2020-01-15時点)

例:東京市小石川区久堅街〇〇東京市麹町区内幸町〇〇

他システムと連携できない外字を追加している・漢和辞典にもなく、語源も読み方も不明な字を管理例

文字種の種別をしてないため検索できないデータが存在している・「ト」、「ロ」、「ー」等、カナと漢字の判断が目視で困難、かつ、コンピュータでの照合や処理が困難

例:「〇〇サポート」等の法人名称のうち225法人は「卜(漢字のボク)」(2020-01-15時点)「-」ホリゾンタルバーは、gBizIDはじめ多くのシステムで使用できない

6万文字 ↔ 7万文字

ワンスオンリーができないだけでなく、商業登記法第一条「商号、会社等に係る信用の維持を図り、かつ、取引の安全と円滑に資することを目的とする。」が実現できない。

本店移転の変更登記がされていない法人がある・本店の旧住所に住む住民から苦情が来ることがある

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日本のワンスオンリー 欧米の早くて短時間で処理できるエコ

システムに対して、日本の仕組みは全体の流れで考えられていない。

ベースレジストリが改善されないままでは、先進国に追いつけないだけではなく、後進国にも追い越される。

台帳等制度の抜本的な見直しが必要

• 信頼できない情報が一部でもあると検証プロセスに膨大なコストと時間がかかる。

処理全体のエコシステムで考える必要がある。

企業活動が円滑にできないことは国際競争力の点からも深刻な課題。

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データ連携プラットフォーム(x-Road等)

個人 法人 不動産 住所等 地図等

法人番号法人名本社住所等 申請内容

法人番号等のキー項目を入力する

既提出情報が表示される

追加情報、修正情報を送信する。(関係情報が更新される)

先進国のワンスオンリー

個人 法人 不動産 住所等 地図等

全申請情報 全申請情報(別申請)

全申請情報を入力し送信する

日本の現状

全申請情報を再力し送信する(再入力が発生)

データ連携プラットフォーム

個人 法人 不動産 住所等 地図等

法人番号法人名本社住所等

申請内容

法人番号等の

キー項目を入力する

既提出情報が表示される

追加情報を送信する。(当該情報のみ更新)

現状の延長での日本のワンスオンリー

照合・修正

ベース・レジストリ

ベース・レジストリ

ベース・レジストリ

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ワンスオンリーを支えるデータ品質

ワンスオンリーの効果を最大化するには、データ不整合等の例外処理をなくすことが重要である。よって、米欧はデータ品質管理を強化している。

工業社会で日本は品質で世界を席巻した。しかし、このままではデジタル社会ではデータ品質が日本の足かせになりつつある。

正確性完全性一貫性信憑性最新性標準適合性アクセシビリティ

以下を参照し作成ISO/IEC 25024:2015 Systems and software engineering – SQuaRE -- Measurement of data qualityISO/IEC 25012:2008 Software engineering – SQuaRE -- Data quality model

データ設計 データ収集

データ統合

外部データ連携

データ処理

Webサイト

API

データ蓄積

廃棄

法人番号公表サイト

統一資格情報

EDINET

商業登記

各府省

調達物品コード

法人インフォメーション

クレンジング

クレンジング

色は、処理、データ品質に関する評価青:処理が適正でデータの最新性などが確保されている黄:データの最新性が確保されない時がある赤:処理にデータ品質管理の仕組みがなく、データの最新性が確保されていない

機密性効率性精度追跡可能性理解性可用性移植性回復性

古いコード体系

クレンジング仕切れないデータ

源流のデータが正確でないと最後までその影響が出る

・データ不整合によるクレンジング費用、例外処理費用は各サービスが負担・クレームはフロントサービスの窓口に来る(データ所有部署を案内)

下線は、サービスに直接影響する品質特性項目。(総合品質は掛算で考える)

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IT室での現在の取り組み

ベース・レジストリのためのデータ標準整備 文字情報基盤、行政データ連携標準、共通語彙基盤の整備・追加

日付データ、法人活動データのデータ標準群の整備(3月末目標)

ベースレジストリの実態調査 手続き棚卸しデータ等の分析

• 主要ベースレジストリの利用状況(平成29年度)の調査– 登記事項証明書(商業登記)は、政府内1767手続きで添付が必要

» 総手続き件数8500万件(7700万件が非オンライン)

[登記統計(2018)によると、民間利用含め登記事項証明書(商業登記)は、約1億枚を発行(480-600円/枚)]

デジタル社会構築TFで調査を実施

• ベース・レジストリ関連データの利用と標準活用状況の調査

(現在取りまとめ中)

ベース・レジストリの品質評価 国内外の動向を踏まえ、データ品質管理体系、簡易評価ツールを整備(3月末目標)

• データ本体を評価するISO25012、データの連鎖を評価するISO25024、データのガバナンス状況や体制を評価するISO8000を組み合わせた評価

– 単なる指標ではなく、改善を目標としたマチュリティモデルを検討

上記に基づく、主要ベース・レジストリの評価を実施。9

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スマート・シティ

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スマートシティでは、データが安価に安定的に供給される持続可能なエコシステムが重要。社会の基本データは、デジタル時代のインフラであり、地力(ポテンシャル)。

スマートシティを支えるベース・レジストリ

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土地データ

インフラデータ

交通データ

土地データ

インフラデータ

交通データ

すぐに新ビジネスを開始できる暮らしやすい 新ビジネスのスタートアップコストが大きい

サービスレベルが向上しない

人や企業、投資は、より魅力的な場所へ移動

データが、低品質であったり、利用制限されている場合がある。

ベース・レジストリが整備済みの国・都市 ベース・レジストリの整備が遅れている国・都市

データ収集でコストと時間を浪費

法人データ

法人データ

データは最新かつ正確で自由に使える。また、連携している。

実証できても持続できない

オープンデータ

ベースレジストリ

+民間データ

海外の先進のスマートシティでは、国だけでなく自治体もベース・レジストリの整備を進めている。

プラットフォーム

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スマート・シティにおけるデジタル・ガバメント

スマートシティを支えるためには、データを活用するためのアクセスコントロールやサービス分類の仕組みが必要。

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スマートシティ

ID プラットフォーム

サービスカタログ

ベースレジストリ

エストニア タリン市の考えるスマートシティ(前提となるベースレジストリを追記)

ID :スマートシティの各サービスへのアクセス管理をするために重要プラットフォーム :データ連携に必要サービスカタログ:利用者向けカスタマイズサービスやサービス案内をするのに重要

欧州全体では、サービスカタログに加えて、詳細分類を行うコントロール・ボキャブラリが重要

コントロール・ボキャブラリとは、データを分類するための基本のタグ。コードになる場合が多い。例:性別:0不明、1男、2女、9適用外 (ISOの性別コード定義)

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日本のスマートシティ

AIやIoT等を活用した未来社会であるSociety5.0の具体的モデルであるスマートシティのプ

ロジェクトが進められている。また、規制緩和なども合わせておこなうスーパーシティの検討が進められている。

多くのスマートシティプロジェクトが並行して行われており、成果の集約が必要。 13

Society 5.0 Smart City Super City

内閣府総合科学技術イノベーション会議

内閣府、国土交通省、総務省、経済産業省 地方創生本部

サイバーとリアルを組み合わせた人間中心社会

- 経済の発展と社会課題の課題解決を実現

- AIとIoTを使った新しい社会モデル

Society 5.0のリアルモデル主要なポイント- アーキテクチャ- Interoperability- 官民協力- 国際協調

先進技術やビッグデータを活用した未来の都市のショーケース

戦略・政策

ルール

組織

ビジネス

利活用機能

データ

データ連携

アセットセンサー、アクチュエーターハードウェア、ネットワーク

データ収集、データ統合データクレンジング、デバイス管理

データ項目定義、データセット定義コード

カタログ、検索、AI、解析

業務プロセス業務ルール

組織間調整体制

法律規則

ビジョン重点分野

セキュリティ・認証

アーキテクチャ

http://www.mlit.go.jp/scpf/index.html

100以上のプロジェクト

11府省112自治体353 民間組織合計 465組織

スマートシティ官民連携プラットフォーム

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IT室での現在の取り組み

データ基盤の整備 オープンデータ

• スマートシティに有用な自治体保有データに、推奨データセットのフォーマットを提供

ベース・レジストリ(台帳類)(P9参照)

• ベース・レジストリ整備のための標準の整備

プラットフォーム等のスマートシティに必要な基盤整備への参加

• スマートシティ関係府省の会議への参加(Society5.0リファレンスアーキテクチャ、分野間データ連携基盤、APIガイド等)

サービスカタログの整備

デジタル・ガバメント技術検討会議で、個人用、法人用サービスカタログおよびガイドを作成(3月末目標)

コントロールボキャブラリ 行政データ連携標準としてPoI(地物)コード等を公表済。日時データに時間帯コード

等を追加(3月末目標)

政府機関が保有するコードをコード一覧として収集(3月末目標)

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