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サスティナブル ツーリズム 山形県飯豊町 ~ 「暮らし選択」、「本当の豊かさ」を地方から考える ~

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サスティナブルツーリズム

山形県飯豊町

~ 「暮らし選択」、「本当の豊かさ」を地方から考える ~

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昭和49年 飯豊町総合計画昭和49年 飯豊町総合計画

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人口減少

労働力

人口減少

消費市場

縮小

地方経済規模縮小

社会生活

サービスの低下

将来への

不安

負のスパイラル

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=中間の地域(中核市)

=下位4000万人の地域:農村部

=上位4000万人の地域:都市部

日本を人口で3分割してみると

★ 「日本で最も美しい村」の認定地

★★

★★

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正式名称:NPO法人「日本で最も美しい村」連合

設立年月日:2005年10月4日

参加町村数:63地域(29町 24村 10地域協議会 2019年2月現在)

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「日本で最も美しい村」連合の目的

素晴らしい地域資源を持ちながら過疎にある美しい町や村が「日本で最も美しい村」を宣言することで、

①自らの地域に誇りを持ち、将来にわたって美しい地域づくりを行うこと

②住民によるまちづくり活動を展開することで地域の活性化をはかり、地域の自立を推進すること

③生活の営みにより作られてきた景観や環境、伝統文化を守り、これらを活用することで、観光的付加価値を高め、地域の資源の保護と地域経済の発展に寄与すること

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「自立するむらづくり」学習活動体系図

経済的自立

日本で最も美しい村

住民参加

若者育成

景観保全

再生可能

エネルギー開発

美味しい村

開発

ツーリズム

交流促進

移住促進

住民の自主的参加 世襲財産

最も美しい村づくり

持続可能な資源を育む村づくり

地域内産業連関のある村づくり

最も訪れたい村づくり

最も暮らしたい村づくり

未来への挑戦がある村づくり

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これからの“飯豊”が目指すサスティナブル・タウンとは?

地域資源(エネルギーなど)の域内循環をつくり、自立する社会を推進

●社会潮流・地⽅創⽣の推進・低炭素社会の実現・観光交流(インバウンド)の拡⼤

【これまで】人もお金も地域外流出・東京一極集中による地方の人口減少・過疎化・化石燃料や原子力への依存・産業衰退、雇用の減少

【現在】人を地域に留める動きが加速・定住・子育て支援・都市構造の見直し、モビリティの変化・地域資源を活用した活性化の取り組み

【これから】持続可能な地域循環型社会・地方での創造的居住・公共空間のリノベーション・地域資源(エネルギー)とお金の地域内循環による産業・雇用創出

これからの飯豊町に向けた課題

・地域資源(景観・文化・エネル

ギー・食など)を地域内で循環

させ、人やお金の地域外流出

を抑制するシステム(社会イン

フラ)が不可欠

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飯豊町バイオマス産業都市構想 事業化プロジェクトい い で ま ち

⺠間事業者を実施主体とし、町内畜産事業者から家畜排せつ物等を調達し、バイオガス発電に取組む。

事業主体 ⺠間事業者

原料調達

町内畜産事業者を中⼼に原料調達■⾁⽜糞 約6,722t/年■豚糞 約2,000t/年■⾷物残渣 177t/年(予定)■農業集落排⽔処理施設 1,480t/年

施設整備■最⼤発電規模 150kW級■定格運転時間 24時間/⽇■年間計画発電量 約950,000 kW

製 品エネルギー利 ⽤

■固定価格買取制度(FIT)により電⼒会社(PPS含)へ売電■発酵槽加温、施設外熱供給等への熱利⽤を検討■発酵後の消化液と固液分離した固形物は堆肥利⽤■消化液は、飼料作物(デントコーン等)栽培への利⽤実証試験

事 業 費 バイオガス化発電プラント設備 約3〜4億円

年 度 別計 画

平成30年度 実施設計、施設建設の着⼿平成31年度 施設建設・完成、運転開始平成32年度 消化液利⽤実証試験開始

事業収⽀ ■収⼊ 3,700万円/年(税抜)■⽀出 取扱原料の調達条件を設定して事業判断

① 家畜排せつ物等を利⽤したバイオガス発電事業プロジェクト ② ⽊質バイオマス資源利活⽤推進・熱供給推進プロジェクト

町内広葉樹・針葉樹の素材⽣産体制を拡⼤し、⽊質バイオマス燃料製造・素材(丸太)供給の体制を整備する。住宅団地や公共施設等への熱供給システム導⼊を展開する。

事業主体 飯豊町、⺠間事業者

原料調達 町内⺠有林・財産区有林から原料を調達■町内の年間素材⽣産量 ⽬標10,000m3

施設整備■町内関連事業者の実施体制⾒直しと改善■町内住宅団地や公共施設等へのバイオマス熱供給システムの導⼊検討・実施体制整備

製 品エネルギー利 ⽤

■町内の熱需要向けチップ、ペレット、薪の⽣産体制整備、菌床キノコ⽤のおが粉⽣産体制の増強■ 町外向けバイオマス発電⽤チップ、丸太供給体制の検討と整備■町内住宅団地、公共施設等を対象としたバイオマス熱供給システム(熱利⽤)の整備

事 業 費 ■バイオマス熱供給システムの整備 約4億円■素材⽣産設備、燃料製造設備 約1億3,000万円

年 度 別計 画

平成30年度 バイオマス資源利活⽤事業化可能性検討等平成31年度 ⽊質バイオマス総合事業体設⽴・運営等平成32年度 熱供給プロジェクトの展開

事業収⽀ ■収⼊ 1億円/年 (⽊質チップ、おが粉、ペレット販売等)■⽀出 9,000万円 (⼈件費・その他販管費)

地 域波 及効 果

① 地域バイオマス利⽤ / 廃棄系バイオマス 94.8%から99.1%へ、 未利⽤バイオマス 67.5%から87.8%へ② 新規雇⽤創出効果 / 20名 (①バイオガス発電事業プロジェクト 5名 ②⽊質バイオマス資源プロジェクト 15名)③ 経済波及効果 / 27.8億円 (直接効果 9.7億円 波及効果 18.1億円)※ 温室効果ガス(CO2)削減量 約335t/年、 化⽯燃料代替量 電気950MW/年、 熱5,413GJ/年、 化⽯燃料代替費 約1,500万円/年など

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薪炭

ペレット燃料チップ

(ボイラ⽤)

⾷品廃棄物(⽣ゴミ)

農業集落排⽔処理施設

学校給⾷共同調理場

有機肥料センター

たい肥

⽊質バイオマス発電所(隣接市町)

⾼品質素材(建材・⽤材⽤)

ダム流⽊

バイオガス発電プラント

家畜飼料・敷料

し尿汚泥

公共施設⺠間施設

液肥

バイオマス熱供給システム

⽩川ダム

⽊材加⼯場・製材所

低質素材(丸太)

燃料⽤チップ(発電⽤)

低質素材

(丸太)電気・熱

広葉樹・針葉樹

原⽊⽤ほだ⽊菌床⽤おが粉

農地還元

飯豊町 ⽥園の息吹が暮らしを豊かにするまち・バイオマス資源循環を軸にした環境にやさしく、持続可能な地域社会の実現・エネルギー⾃給率の⾼いまちづくりと地域産業と環境が調和した低炭素社会の構築・新たな産業による雇⽤創出と農林業の活性化

⽊質バイオマス資源利活⽤推進・熱供給推進プロジェクト

飯豊産⽶沢⽜

⽔分調整材

農地還元

地域材の多様化

バイオマス資源循環の確⽴

飯豊町の地域材の総合利活⽤

家畜排せつ物等バイオガス発電事業プロジェクト

キノコ廃菌床用おが粉・ペレット製造

アスパラ

水田

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⼭形⼤学xEV飯豊研究センター- 産学官⾦連携事業 - (H25年協議開始、26年事業スタート)

総事業費 約15億円 (飯豊町負担約7億円)場 所 飯豊町内 遊休町有地(約30,000㎡)整備内容 研究棟新築、既存施設改修、研究機械導⼊等

⼭形⼤学有機エレクトロニクスイノベーションセンターの付属施設としての位置づけられています。飯豊町では、「世界の電池⼯房プロジェクト」のほか、「宇宙⽤電池開発プロジェクト」について開発を進めます。⼭形⼤学、独⽴⾏政法⼈産業技術総

合研究所、⼭形銀⾏、飯豊町、企業の連携による「ヒト・モノ・カネ・情報」が集まる仕組みを創造します。本プロジェクトにより、研究補助スタッフ

等の雇⽤、技術者の⼈材育成、町内外企業との企業間連携、勤務者の町内居住等の効果を⾒込んでいます。

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交流人口拡大に向けた施設の整備

☆ホテルスロービレッジ(コ・ワーキングスペースを備えた

ブティックホテル)

※民間の力で活性化

☆飯豊型屋台村の整備

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景観・環境に配慮した「エコタウン椿」整備構想- これからの飯豊の暮らし -

◆区画数 22区画(概ね100坪前後)◆完成予定 平成31年度予定

飯豊町における低エネルギー型の新しい暮らし⽅を提案する場として、室温の変化が少ない⾼い気密性・断熱性能を定めた⼀定の⽔準以上のエコ住宅「飯豊型エコハウス」の集積を図り、光熱費の節約だけでなく、⾼⾎圧やヒートショックを防ぎ、家族の⽣命、健康を守り、快適で健康な暮らしを提供します。エネルギーコストの流出を抑え、経済の域内循環のモデルとなるような住宅団地整備を⾏っていきます。

山形県 飯豊町

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飯豊型エコハウスで

IIDEECO

HOUSE

「飯豊型エコハウス」とは、最新のパッシブデザインをもとに、県産木材をふんだんに使用し、素材や気候を熟知した地元工務店が施工にあたる地消地産の家です。飯豊町ではこの地で育まれてきたモノ、技術を取り入れた「飯豊型エコハウス」を通じて、地域の資源と経済が循環するまちを目指します。

飯豊型エコハウスの

基準

◆ 山形県産木材の利用率75%以上

構造が木造で、構造材として使用する木材の総量の75%以上

に山形県産木材を使用する

◆ 年間暖房負荷48kWh/㎡以下床面積1㎡当たりの年間暖房エネルギー消費量が48 k W h / (㎡ ・

年 )以下

◆ 相当隙間面積0.8㎠/㎡以下

床面積1㎡当たりの相当隙間面積が0. 8㎠ /㎡以下

暖房を利用する時期に、室内を20℃の一定温度に保つために必要な年間の暖房エネルギー消費量の基準が48 k W h /㎡以下です(この値は 3 5坪の住宅で、灯油換算すると約5 4 0 ℓの使用量となります。1 8 ℓ当たり 1 , 5 0 0円とすると、年間 4 5 , 0 0 0円の灯油代です) 。また、相当隙間面積の基準が、0 . 8㎠ /㎡以下で、冬は熱が逃げにく く 、夏は熱が入りづらい高気密で断熱に優れた家です。暖房代だけでなく 、夏場の冷房代の節約にも繋がります。

省燃費なのに家中どこでも暖かい

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事業名:農村計画研究所の再興~変化のための研究学習活動~ 提案者名:山形県飯豊町

取組内容の概要

飯豊町が目指すサスティナブルツーリズム概要

社会経済

環境

①⼭形⼤学xEV飯豊研究センター②地域内バイオマス資源の活⽤・⽊質バイオマス資源利活⽤促進・熱供給プロジェクト・家畜排せつ物等を利⽤したバイオガス発電事業プロジェクト

③飯豊・農の未来事業

ピンチをチャンスに、逆境からの転換点

①「⼿づくりのまち いいで」原点を⾒つめる② 置賜⾃給圏などスマートテロワールの推進③地域づくり推進事業の推進④農⼭村のグランドデザイン

地域のコミュニティ⼒、地域⼒の停滞

①バイオマス産業都市構想の推進②飯豊町らしい住環境の提案と実践③空き家イノベーション④農⼭村アメニティの維持

地域内資源を活⽤した持続可能な美しい農⼭村

農村計画研究所の再興『2030年も「⽇本で最も美しい村」

であり続けるために』環境⾯の相乗効果②

パートナーシップ強化と共助社会の推進

社会⾯の相乗効果②⽥園散居集落景観など豊かな農村景観の保全

経済⾯の相乗効果①域内⾃給社会の促進

社会⾯の相乗効果①新たな価値と⼈材の交流によるリノベーション促進

環境⾯の相乗効果①⽶沢⽜ブランドの振興

経済⾯の相乗効果②飯豊町らしいエッセンスのより住み良い住環境

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美しい村に答えはない

答えを探すのは私たち自身である

美しさとは何か 豊かな暮らしとは何か

自分たちにできることは何かを見つめ直す

美しい村から日本を変える