4
(1/3) 本資料は投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。銘柄の選択、投資判断の最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。本資料に掲載された意見 は作成日における判断であり、予告なしに変更される場合があります。本資料に掲載された意見・データは、当社が信頼できると判断したデータ等により作成いたしましたが、その正確性、安全性等について保障するものではあ りません。著作権、知的所有権等一切の権利はモーニングスター株式会社並びに Morningstar.Inc に帰属しますので、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。 Morningstar Equity Research Report 2019.11.28 次世代パネル「SRI+」始動に向けたスケジュールを決定 市場調査の国内最大手、業界のパイオニア 株価 投資単位 時価総額 年初来高値 年初来安値 PER(予) 940(19/11/27) 100380.0億円 (19/11/27) 1,068(19/5/27) 786(19/8/13) (19/11/27) インテージホールディングス (4326・東証1部) ■全事業で増収も、 「SRI+」開発などが影響 20年6月期2Q累計(19年4-9月、決算期変更)の連結業 績は、売上高25,148百万円(前年同期比9.0%増)、営業利 益1,190百万円(同1.8%減)。会社計画(2Q累計)の売上 高27,000百万円、営業利益1,350百万円を若干下回った。 売上高は、M&A(企業の合併・買収)効果もあり全セグ メントで増収を確保。一方、利益面では、マーケティング支 援事業が消費財・サービス分野、ヘルスケア分野ともに2ケ タの減益だった。消費財・サービス分野は、主力商材をリニ ューアルする次世代パネル「SRI+」の開発に加え、ビジネ スのデジタル化などにより顧客のマーケティング課題が変化 する中で一部大手顧客に従来型案件を見直す動きが出たこと や、それに伴う高難易度案件への対応、海外事業(タイ・香 港等)の利益率低下が響いた。ヘルスケア分野は、CRO(医 薬品開発業務受託機関)の単価下落や、18年9月にグルー プ入りした協和企画のプロモーション事業の苦戦が影響し た。なお、システム開発のビジネスインテリジェンス(BI) 事業は、既存業界向けソリューションが堅調で大幅営業増益。 AI(人工知能)・データビジネスの増勢も目立った。 次世代パネル「SRI+」のロードマップを策定 消費財・サービス分野で大型投資が続く次世代パネル「SRI +」の本リリースを21年1月に決定。主力商材「SRI(全国 小売店パネル調査)」の市場反映性およびデータ精度を高め た「SRI+」は、一部チェーンの全店データまで網羅した膨 大なビッグデータを扱い、最先端技術を用いた個店別のデー タ推計や、日次単位のデータ提供への一本化を可能とする特 徴を持つ。すでに19年1月にテストデータの提供を開始し、 顧客からの評価は良好だという。 本リリースに先立ち、 20年6月から現行の「SRI」と「SRI+」 を並行提供する予定で、顧客の要望を吸収する期間に充てる。 一例として、スマートテレビの視聴を人単位で推定できる独 自の「メディアゲージダイナミックパネル」と小売店のPOS (販売時点情報管理)データを組み合わせ、商圏の購買活動 の分析に役立てるなど、新サービスの開発を顧客とともに模 索していく。さらに、 EC(電子商取引)データを5カテゴリ (ヘアケア、ランドリー、紙製品、ペットフード、OTC医薬品) で20年1月に提供開始。先行して収益に貢献させつつ、「SRI +」の本リリース時に統合する構想だ。 消費財・サービス分野ではデジタル化への対応や、海外で の営業強化およびアジア圏でのモバイルを対象としたパネル 構築も推進。ヘルスケア分野は、CROでは上市する医薬品で 希少疾患系の割合が高まり案件の小型化が進むが、RPA(ロ ボットによる業務自動化)の一層の活用や人件費・労務費を 見直すことで対応する。また、プロモーション事業が苦戦す る協和企画については、リサーチとの相乗効果を促進。すで に大型案件の獲得も出はじめている。 20年6月期(19年4月―20年6月、15カ月間の変則決 算)の会社側連結業績計画は売上高71,000百万円、営業利 益4,840百万円と、1Q決算発表時に開示した予想を据え置 いた。モーニングスターでは、特にヘルスケア分野の収益性 の改善を見極める必要があると判断し、2Q累計の計画下振 れを保守的に織り込み売上高67,000百万円、営業利益4,500 百万円と予想。ただ、消費財・サービス分野でカスタムリサ ーチ(アドホック調査)のWeb調査が回復基調にあり、BI 事業のAI・データビジネスの増勢や、「SRI+」を軸とした事 業展開の将来性も前向きに評価し、投資判断「Neutral」、想 定株価レンジ1,000-1,250円を据え置く。   (松尾 繁) 投資判断(11/27) Neutral 継続 業績動向 売上高 (百万円) 前年比 (%) 営業利益 (百万円) 前年比 (%) 経常利益 (百万円) 前年比 (%) 純利益 (百万円) 前年比 (%) EPS (円) 18 年 3 月期 実績 50,499 5.2 4,023 ▲5.7 4,311 ▲1.9 3,050 6.2 76.1 19 年 3 月期 実績 53,986 6.9 4,268 6.1 4,215 ▲2.2 2,859 ▲6.3 69.5 20 年 6 月期 会社予想 71,000 4,840 4,750 3,150 78.4 MS 予想 67,000 4,500 4,400 2,900 72.2 21 年 6 月期 MS 予想 61,000 4,800 4,750 3,200 79.7 11/27時点) 20 年 6 月期は決算期変更に伴う 15 カ月間の変則決算 想定株価レンジ 1,000~ 1,250(千株) 1,068 26週線 出来高 13週平均線 (円) 785 13週線 700 900 1,100 1,300 0 500 1,000 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 13週移動平均線 26週移動平均線 出来高(13週平均) 936939309,769

インテージホールディングス Neutral継続 - Morningstarportal.morningstarjp.com/stock/er_report/pdf/er4326... · +」の本リリース時に統合する構想だ。

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: インテージホールディングス Neutral継続 - Morningstarportal.morningstarjp.com/stock/er_report/pdf/er4326... · +」の本リリース時に統合する構想だ。

(1/3)本資料は投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。銘柄の選択、投資判断の最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。本資料に掲載された意見は作成日における判断であり、予告なしに変更される場合があります。本資料に掲載された意見・データは、当社が信頼できると判断したデータ等により作成いたしましたが、その正確性、安全性等について保障するものではありません。著作権、知的所有権等一切の権利はモーニングスター株式会社並びにMorningstar.Inc に帰属しますので、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。

Morningstar Equity Research Report 2019.11.28

次世代パネル「SRI+」始動に向けたスケジュールを決定

市場調査の国内最大手、業界のパイオニア

株価 投資単位 時価総額 年初来高値 年初来安値 PER(予)

940円(19/11/27) 100株

380.0億円(19/11/27)

1,068円(19/5/27)

786円(19/8/13)

―(19/11/27)

インテージホールディングス (4326・東証1部)

■全事業で増収も、「SRI+」開発などが影響20年6月期2Q累計(19年4-9月、決算期変更)の連結業

績は、売上高25,148百万円(前年同期比9.0%増)、営業利益1,190百万円(同1.8%減)。会社計画(2Q累計)の売上高27,000百万円、営業利益1,350百万円を若干下回った。

売上高は、M&A(企業の合併・買収)効果もあり全セグメントで増収を確保。一方、利益面では、マーケティング支援事業が消費財・サービス分野、ヘルスケア分野ともに2ケタの減益だった。消費財・サービス分野は、主力商材をリニューアルする次世代パネル「SRI+」の開発に加え、ビジネスのデジタル化などにより顧客のマーケティング課題が変化する中で一部大手顧客に従来型案件を見直す動きが出たことや、それに伴う高難易度案件への対応、海外事業(タイ・香港等)の利益率低下が響いた。ヘルスケア分野は、CRO(医薬品開発業務受託機関)の単価下落や、18年9月にグループ入りした協和企画のプロモーション事業の苦戦が影響した。なお、システム開発のビジネスインテリジェンス(BI)事業は、既存業界向けソリューションが堅調で大幅営業増益。AI(人工知能)・データビジネスの増勢も目立った。

■次世代パネル「SRI+」のロードマップを策定消費財・サービス分野で大型投資が続く次世代パネル「SRI+」の本リリースを21年1月に決定。主力商材「SRI(全国小売店パネル調査)」の市場反映性およびデータ精度を高めた「SRI+」は、一部チェーンの全店データまで網羅した膨大なビッグデータを扱い、最先端技術を用いた個店別のデータ推計や、日次単位のデータ提供への一本化を可能とする特徴を持つ。すでに19年1月にテストデータの提供を開始し、顧客からの評価は良好だという。本リリースに先立ち、20年6月から現行の「SRI」と「SRI+」を並行提供する予定で、顧客の要望を吸収する期間に充てる。一例として、スマートテレビの視聴を人単位で推定できる独自の「メディアゲージダイナミックパネル」と小売店のPOS

(販売時点情報管理)データを組み合わせ、商圏の購買活動の分析に役立てるなど、新サービスの開発を顧客とともに模

索していく。さらに、EC(電子商取引)データを5カテゴリ(ヘアケア、ランドリー、紙製品、ペットフード、OTC医薬品)で20年1月に提供開始。先行して収益に貢献させつつ、「SRI+」の本リリース時に統合する構想だ。

消費財・サービス分野ではデジタル化への対応や、海外での営業強化およびアジア圏でのモバイルを対象としたパネル構築も推進。ヘルスケア分野は、CROでは上市する医薬品で希少疾患系の割合が高まり案件の小型化が進むが、RPA(ロボットによる業務自動化)の一層の活用や人件費・労務費を見直すことで対応する。また、プロモーション事業が苦戦する協和企画については、リサーチとの相乗効果を促進。すでに大型案件の獲得も出はじめている。

20年6月期(19年4月―20年6月、15カ月間の変則決算)の会社側連結業績計画は売上高71,000百万円、営業利益4,840百万円と、1Q決算発表時に開示した予想を据え置いた。モーニングスターでは、特にヘルスケア分野の収益性の改善を見極める必要があると判断し、2Q累計の計画下振れを保守的に織り込み売上高67,000百万円、営業利益4,500百万円と予想。ただ、消費財・サービス分野でカスタムリサーチ(アドホック調査)のWeb調査が回復基調にあり、BI事業のAI・データビジネスの増勢や、「SRI+」を軸とした事業展開の将来性も前向きに評価し、投資判断「Neutral」、想定株価レンジ1,000-1,250円を据え置く。   (松尾 繁)

投資判断(11/27)

Neutral 継続

業績動向売上高

(百万円)前年比(%)

営業利益(百万円)

前年比(%)

経常利益(百万円)

前年比(%)

純利益(百万円)

前年比(%)

EPS(円)

18 年 3 月期 実績 50,499 5.2 4,023 ▲5.7 4,311 ▲1.9 3,050 6.2 76.1

19 年 3 月期 実績 53,986 6.9 4,268 6.1 4,215 ▲2.2 2,859 ▲6.3 69.5

20 年 6 月期会社予想 71,000 - 4,840 - 4,750 - 3,150 - 78.4MS 予想 67,000 - 4,500 - 4,400 - 2,900 - 72.2

21 年 6 月期 MS 予想 61,000 - 4,800 - 4,750 - 3,200 - 79.7

(11/27時点)

20 年 6 月期は決算期変更に伴う 15 カ月間の変則決算

想定株価レンジ 1,000円~ 1,250円

(千株)

1,06826週線

出来高13週平均線

(円)

785 13週線700

900

1,100

1,300

0

500

1,000

11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11

13週移動平均線 26週移動平均線 出来高(13週平均)

936円 939円 309,769株

Page 2: インテージホールディングス Neutral継続 - Morningstarportal.morningstarjp.com/stock/er_report/pdf/er4326... · +」の本リリース時に統合する構想だ。

本資料は投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。銘柄の選択、投資判断の最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。本資料に掲載された意見は作成日における判断であり、予告なしに変更される場合があります。本資料に掲載された意見・データは、当社が信頼できると判断したデータ等により作成いたしましたが、その正確性、安全性等について保障するものではありません。著作権、知的所有権等一切の権利はモーニングスター株式会社並びにMorningstar.Inc に帰属しますので、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。

(2/3)

Morningstar Equity Research Report 2019.11.28

インテージホールディングス(4326・東証1部)

リスク要因

多種多様かつ膨大な企業情報や個人情報を取り扱っており、万が一こうした情報が漏えいした場合は企業としての信用失墜につながりかねず、経営に悪影響を及ぼす恐れがある。顧客企業のリサーチ業務の報告が年度末に集中しやすいことなどから、平準化に取り組んではいるものの、業績は毎年10月-翌年3月に偏重する傾向がある。その他、国内市場シェアの限界に近づきつつあるパネル調査分野で高付加価値サービスへの転換が思うように進まなかった場合や、ネット調査専業会社との競争激化、顧客による市場調査の内製化などがリスクとなる。

■ 会社概要市場調査で国内首位、世界でも上位。1960年設立で半

世紀以上の歴史を持つ業界のパイオニア。マーケティング支援(消費財・サービス)事業では、独自に収集した多様なデータやリサーチ技術、データ解析力に基づき調査サービスを提供している。主要商材の「パネル調査」は、全国の消費者や小売店を長期間固定して継続的にデータ収集し、購買・販売の両面から時系列で市場動向や競合状況を把握することが可能。「カスタムリサーチ」は、顧客の課題に合わせテーマごとに最適な方法を組み立てて調査を提供するアドホック調査となる。また、コミュニケーション分野として、購買履歴とメディア接触データを同一個人から収集して消費行動と情報接触の因果関係を明確化し、広告プランニング・効果測定をサポートする「i-SSP」などを育成中。

マーケティング支援(ヘルスケア)事業では、「パネル調査」「カスタムリサーチ」のほか、医薬品の製造販売後調査などCRO(医薬品開発業務受託機関)を手掛ける。その他、システム開発のビジネスインテリジェンス(BI)事業を展開。

■ 事業環境と展望市場調査は顧客の事業活動が続く限り継続的な需要が見

込めるサービスではあるものの、パネル調査は国内市場が成熟し、大幅なシェア拡大を見込みづらい環境にある。顧客による調査活動の内製化や、一部ではネット調査専業会社との競争激化も警戒され、さらなる成長には高付加価値サービスの育成が急務となる。

同社は、主力商材をリニューアルした次世代パネル「SRI+」を21年1月に正式リリース予定。また、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、ビッグデータをはじめ先端領域での開発・投資にも意欲的で、16年10月組成のCVCファンド「INTAGE Open Innovation Fund」は19年10月時点で21社の企業に約23.6億円を投資。17年4月に新設した全社横断的な「R&Dセンター」も軌道に乗る。19年10月30日にはシーシーエス(京都市上京区)との業務提携を発表、製造業向け外観検査へのAI活用をより容易にするとした。

■ 株主優待■ 配当の状況1株当たり配当金

中間期末 期末 年間

18年3月期 実績 0.00円 20.00円 20.00円

19年3月期 実績 0.00円 22.00円 22.00円

20年6月期 会社予想 0.00円 30.00円 30.00円

株主還元(11/27時点)

20 年 6 月期は決算期変更に伴う 15 カ月間の変則決算

9 月 30 日現在の株主名簿に記載された 100 株以上保有する株主が対象なお、21 年 6 月期からは基準日を 12 月 31 日に変更予定

・100 ~ 199 株………500 円分の「キッズスマイル QUO カード」・200 ~ 399 株………1,000 円分の「キッズスマイル QUO カード」・400 ~ 999 株………2,000 円相当のオリジナルカタログからひとつ選択・1,000 ~ 4,999 株…4,000 円相当のオリジナルカタログからひとつ選択・5,000 株以上………8,000 円相当のオリジナルカタログからひとつ選択

各セグメントの主な事業内容

出所:会社資料

「SRI+」およびECサービスのスケジュール

2019年3月 連結売上高

539億86百万円

マーケティング支援(消費財・サービス)

パネル調査(SRI、SCIなど)/カスタムリサーチ(オンライン、オフラインなど)/コミュニケーション領域/海外子会社(アジアおよび米国)/官公庁案件/コンサルティング

63% 338億15百万円

マーケティング支援(ヘルスケア)

一般用医薬品調査・医療用医薬品・医療機器調査/CRO(医薬品開発業務受託機関)/パネル調査(SDI)/処方情報分析/医療経済/広告代理店(医療分野)

24% 130億86百万円

70億84百万円

ビジネスインテリジェンス

ITソリューション/システム開発/ IT基盤構築/研究開発(特に旅行、医薬、健康情報、AI分野)

13%

出所:会社資料

ECデータ

20年1~3月 4~6月 7~9月 10~12月 4~6月

21年1~3月

1月本リリース5カテゴリ※1

※※1 ペットフード・医薬品・紙製品・ヘアケア・ランドリー ※2 システム上でSRI+リアル店データとの合算集計が可能に※3 13次中計においては、SRI+およびECサービスに係る2021年6月期以降の売上寄与および費用などを考慮する予定

1月SRI+と統合※2

1月本リリース

8月13次中計発表※3

現行SRI

6月度データで更新終了6月

現行SRIとSRI+の並行提供・本リリースと同一システムでの提供・お客様の要望対応など

19年1月~テストデータ(Excel)提供・開発など

売上貢献2020年6月期(15か月) 2021年6月期(12か月)

ECデータSRI+1月~

SRI+へ順次切り替え

Page 3: インテージホールディングス Neutral継続 - Morningstarportal.morningstarjp.com/stock/er_report/pdf/er4326... · +」の本リリース時に統合する構想だ。

本資料は投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。銘柄の選択、投資判断の最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。本資料に掲載された意見は作成日における判断であり、予告なしに変更される場合があります。本資料に掲載された意見・データは、当社が信頼できると判断したデータ等により作成いたしましたが、その正確性、安全性等について保障するものではありません。著作権、知的所有権等一切の権利はモーニングスター株式会社並びにMorningstar.Inc に帰属しますので、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。

(3/3)

Morningstar Equity Research Report 2019.11.28

モーニングスター株式会社株式分析部 アナリスト  松尾 繁 03-6229-0810     [email protected]

インテージホールディングス(4326・東証1部)

インテージホールディングス(4326・東1)

マクロミル(3978・東1)

クロス・マーケティンググループ(3675東1)

基本事項

株価 940円 1,012円 373円

投資単位 100株 100株 100株

最低投資金額 94,000円 101,200円 37,300円

決算月 6月 6月 12月

株価指標

PER(予) - 9.2倍 -

PBR(実) 1.3倍 1.4倍 1.9倍

配当利回り(予) - 1.1% 1.6%

成長性

売上高成長率(予) - 3.9% 14.3%

営業利益成長率(予) - ▲2.0% 30.9%

EPS成長率(予) - ▲6.4% 赤転

収益性

売上高営業利益率(予) - 16.5% 6.3%

自己資本当期純利益率(実) 10.2% 17.1% 14.0%

総資産経常利益率(実) 9.7% 9.5% 8.4%

財務安定性

自己資本比率(実) 63.3% 38.0% 36.3%デット・エクイティ・レシオ(実) 14.5% 119.8% 76.0%

流動比率(実) 199.3% 203.3% 169.2%

競合他社比較(赤太字は競合他社に比べ優位な数値)

■ 成長性20年6月期は決算期変更に伴う

変則決算で、成長性指標は比較していない。20年3月末までの12か月間予想では売上高59,000百万円

(前年同期比9.3%増)、営業利益4,550百万円(同6.6%増)で、競合内中位。競合のうち、マクロミルは継続的投資が短期の利益成長を鈍化させる見通し。クロス・マーケティンググループは2ケタ営業増益予想ながら、海外リサーチ事業ののれんの減損損失で最終赤字を見込む。インテージHDは、デジタル化への対応、「SRI+」の投入、海外事業の強化、ヘルスケア分野の業務効率化と相乗効果の最大化、ビッグデータ基盤を活用した新サービスや先端領域での研究開発を推進し、M&A(企業の合併・買収)も選択肢に入れ成長を追求する。

■ 収益性収益性の指標は、20年6月期が

変則決算のため予想営業利益率は比較していない。20年3月末までの12か月間での同利益率は7.7%で、マクロミルは下回るもののクロス・マーケティンググループは上回る。19年度を最終年度に定める中期経営計画では、積極的な研究開発投資を継続(広義の研究開発費用を売上高の2%程度投下)しつつ、連結営業利益率8%水準を目指す。19年3月期基準の自己資本当期純利益率は下位ながら、総資産経常利益率はトップで、資産全体を活用した効率的な経営がなされている。今後は「SRI+」やAI・ビッグデータ基盤を軸とした高付加価値サービスの投入・普及、利益率が高いヘルスケア分野の立て直し、買収企業の収益性向上などが鍵。

■ 財務安定性19年3月期末基準の財務安定

性の指標は、自己資本比率が63.3%と競合2社を大きく上回る。同指標は20年6月期2Q末時点では65.4%に上昇。配当および自己株式の消却で株主資本が減少した半面、主に買掛金、未払法人税等、退職給付に係る負債が減少した。19年3月期末のデット・エクイティ・レシオは依然として低位。流動比率はマクロミルをわずかに下回るものの競合内上位にある。資金は潤沢で、現状でもM&Aを含め機動的な投資を行うことが可能となっている。全体的に見て、財務は健全かつ安定的な状態にある。なお、会社側は配当政策として、連結配当性向35%(19年3月期実績は31.7%)を目標に掲げる。

(11/27時点)

競合企業として、同業大手のマクロミル( 3978)と、ネットリサーチ事業のクロス・マーケティンググループ( 3675)を選出。なお、インテージホールディングスの 20 年6 月期は決算期変更に伴う 15 カ月間の変則決算のため、一部の指標は評価対象外とした。

Page 4: インテージホールディングス Neutral継続 - Morningstarportal.morningstarjp.com/stock/er_report/pdf/er4326... · +」の本リリース時に統合する構想だ。

本資料は投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。銘柄の選択、投資判断の最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。本資料に掲載された意見は作成日における判断であり、予告なしに変更される場合があります。本資料に掲載された意見・データは、当社が信頼できると判断したデータ等により作成いたしましたが、その正確性、安全性等について保障するものではありません。著作権、知的所有権等一切の権利はモーニングスター株式会社並びに Morningstar.Inc に帰属しますので、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。

モーニングスター・エクイティ・リサーチレポートの読み方

(1)第三者機関として中立的な立場を重視 モーニングスター・エクイティ・リサーチレポートは、モーニングスターが位置する中立的な第三者としての立場を重要視し、客観的な比較・評価情報の提供に努めています。モーニングスターがカバーする全銘柄に対し、アナリスト個人の見解に加え、複数のアナリストから成る銘柄評価委員会の意見を反映し、投資判断・想定株価レンジ・業績予想を決定しています。

(2)カバー銘柄のユニバース カバー銘柄は下記対象銘柄から銘柄評価委員会が選出しています。

【銘柄選定基準】 ● アナリストのカバー率が低い国内新興市場上場銘柄 ● 個人投資家からの人気が高い銘柄(各オンライン証券

のデータを参考) ● 時価総額を考慮(50 億円程度以上を目安) ● 整理、監理銘柄や継続疑義、債務超過銘柄を除く

(3)3 段階の投資判断 カバー銘柄に対する投資判断は、モーニングスターの各アナリストによる調査・取材・分析を基に銘柄評価委員会の協議を経て決定しています。下記の基準を基に 3 段階(最上位から「Overweight 」(オーバーウエート)、「Neutral」

(ニュートラル)、「Underweight」(アンダーウエート))で予測しています。

Overweight (オーバーウエート)今後、半年間の株価推移が現値水準を 15%以上上回ると予測される場合 Neutral (ニュートラル)今後、半年間の株価推移が現値水準の- 15%~+ 15%にとどまると予測される場合Underweight(アンダーウエート)今後、半年間の株価推移が現値水準を 15%以上下回ると予測される場合

 モーニングスターでは業績見通しや財務状況、株価の値動きなどに関する見解の変更により、機動的に投資判断を変更します。ただし、影響力のある、新しい情報が明らかとなり、判断に時間を要する場合には投資判断を「Under Review」(保留)とする場合があります。また、取引時間中の投資判断の変更は行いません。アナリストが退職した場合などは投資判断をいったん「Suspension」(停止)とする可能性があります。

(4)中期的な想定株価レンジ 向こう半年間で想定される株価のレンジを示します。株価指標などを用いた適正株価水準のほか、チャートのフシ目や直近の高値・安値、トレンドライン、移動平均線などテクニカル面や価格帯別出来高なども考慮して、中期的な上値メド、下値メドを決定しています。

■ アナリストコメント  直近の業績動向や事業環境について、取材に基づいた評価をコメントしています。投資判断の根拠や業績予想に対する見方、今後の事業展望などを記載し、株式投資をするうえで最も重要な情報を掲載しています。また、読みやすさを考慮してテーマごとに 2 ~ 4 つのパラグラフにまとめているほか、重要なポイントを太字で強調しております。

■ 業績動向  通期決算の実績 2 期分と会社予想、およびモーニングスターの独自予想を今期、来期の 2 期分掲載しております。各銘柄への取材に加え、四半期毎での過去の業績傾向やセグメント毎での分析に基づいて業績数値を予測しています。

■ 会社概要  各銘柄がどのようなビジネスを展開しているのか、どこに収益源があるのかなどを詳しく解説するほか、今後どの事業に力を入れていくのか、中期的にはどのような事業展開を図っていくのかなどの中期的な見通しも取材を踏まえて掲載します。

■ 事業環境と展望  各銘柄が属する業界について、足元の状況や将来の成長性などの観点から解説します。競合他社への取材も実施することで業界全体を多方面から捉えるほか、業界団体のデータなど具体的な数値も掲載します。

■ リスク要因  各銘柄が有するリスクを解説します。事業面でのリスクに加え、業績面や財務面、株式市場独自のリスクなども考慮して様々な角度から見たリスクを示します。

■ 成長性  今期会社計画の売上高成長率、営業利益成長率、EPS 成長率を競合他社と比較するほか、過去の経緯や主力事業の成長力などを評価します。

■ 収益性  今期会社計画の売上高営業利益率と前期実績の自己資本当期純利益率、総資産経常利益率を競合他社と比較するほか、過去からの収益性の変動などを評価します。

■ 財務安定性  前期実績の自己資本比率、デット・エクイティ・レシオ(=有利子負債/ 自己資本× 100)、流動比率(=流動資産 / 流動負債× 100)を競合他社と比較するほか、現預金やキャッシュフローなどの観点から財務安定性を評価します。

項目説明

特 徴