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相模原市 相模原市 東京都市圏 検 索 http://www.tokyo-pt.jp/ 発行:東京都市圏交通計画協議会 第5回東京都市圏パーソントリップ調査 パーソントリップ調査からみた 東京都市圏の都市交通に関する 課題と対応の方向性 平成24年1月 東京都市圏交通計画協議会 2012年 7月 Vol.25 『パーソントリップ調査からみた 東京都市圏の都市交通に関する課題と対応の方向性』 をとりまとめました 【目 次】 第1章 第5回東京都市圏パーソントリップ調査の概要 第2章 東京都市圏の現状と将来の見通し 第3章 都市交通の問題と対応の方向性 第4章 実施が望まれる都市交通施策 第5章 望ましい都市交通の実現に向けて 第5回東京都市圏パーソントリップ調査の概要 第5回調査では、人の1日の移動を把握する交通実態調査と、東京都 市圏居住者の暮らし方やこれからの交通施策に関する意向を把握する ために「都市交通と暮らし方についてのアンケート調査」を実施しま した。※調査結果は、東京としけん交通だよりVol.22・23でご覧いた だけます。 東京都市圏交通計画協議会とは 日本で初めて複数の都県市及び関係機関がお互いに協力・調整し あって、東京都市圏における総合的な都市交通計画の推進に必要な調 査研究を行う組織として、1968年(昭和43年)に発足し(当時は東京 都市群交通計画委員会)、40年以上にわたって活動しています。 全文は東京都市圏交通計画協議会ホーム ページでご覧いただけますhttp://www.tokyo-pt.jp/data/120201.htm 【東京都市圏パーソントリップ調査の対象地域】 東京都市圏交通計画協議会は、第5回東京都市 圏パーソントリップ調査(平成20年実施)の交 通実態データをもとに、東京都市圏が今後直面す ると想定される課題及びこれからの都市交通施策 の方向性について、学識経験者から助言をいただ きながら検討を進めてきました。そしてこのた び、その成果を『パーソントリップ調査からみた 東京都市圏の都市交通に関する課題と対応の方向 性』としてとりまとめました。 この冊子は、地方公共団体等で、少子高齢社会 における都市・交通のあり方の検討や、マスター プラン・交通計画等策定の際に、活用されること が期待されるものです。本号では、本冊子の内容 の一部をご紹介します。 1 東京都 さいたま市 埼玉県 茨城県 (南部) 千葉市 川崎市 横浜市 神奈川県 相模原市 千葉県

『パーソントリップ調査からみた をとりまとめました67% 63% 51% 61% 0% 20% 40% 60% 80% 東京区部 駅から1.5km圏内 駅から1.5km圏外 都市圏計 東京区部以外

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Page 1: 『パーソントリップ調査からみた をとりまとめました67% 63% 51% 61% 0% 20% 40% 60% 80% 東京区部 駅から1.5km圏内 駅から1.5km圏外 都市圏計 東京区部以外

相模原市相模原市東京都市圏 検 索http://www.tokyo-pt.jp/

発行:東京都市圏交通計画協議会

   第5回東京都市圏パーソントリップ調査

パーソントリップ調査からみた

東京都市圏の都市交通に関する

課題と対応の方向性

平成24年1月

東京都市圏交通計画協議会

2012年 7月Vol.25

『パーソントリップ調査からみた東京都市圏の都市交通に関する課題と対応の方向性』

をとりまとめました

【目 次】

第1章 第5回東京都市圏パーソントリップ調査の概要

第2章 東京都市圏の現状と将来の見通し

第3章 都市交通の問題と対応の方向性

第4章 実施が望まれる都市交通施策

第5章 望ましい都市交通の実現に向けて

第5回東京都市圏パーソントリップ調査の概要

第5回調査では、人の1日の移動を把握する交通実態調査と、東京都市圏居住者の暮らし方やこれからの交通施策に関する意向を把握するために「都市交通と暮らし方についてのアンケート調査」を実施しました。※調査結果は、東京としけん交通だよりVol.22・23でご覧いただけます。

東京都市圏交通計画協議会とは

 日本で初めて複数の都県市及び関係機関がお互いに協力・調整しあって、東京都市圏における総合的な都市交通計画の推進に必要な調査研究を行う組織として、1968年(昭和43年)に発足し(当時は東京都市群交通計画委員会)、40年以上にわたって活動しています。

全文は東京都市圏交通計画協議会ホーム

ページでご覧いただけます。

http://www.tokyo-pt.jp/data/120201.htm

【東京都市圏パーソントリップ調査の対象地域】

 東京都市圏交通計画協議会は、第5回東京都市

圏パーソントリップ調査(平成20年実施)の交

通実態データをもとに、東京都市圏が今後直面す

ると想定される課題及びこれからの都市交通施策

の方向性について、学識経験者から助言をいただ

きながら検討を進めてきました。そしてこのた

び、その成果を『パーソントリップ調査からみた

東京都市圏の都市交通に関する課題と対応の方向

性』としてとりまとめました。

 この冊子は、地方公共団体等で、少子高齢社会

における都市・交通のあり方の検討や、マスター

プラン・交通計画等策定の際に、活用されること

が期待されるものです。本号では、本冊子の内容

の一部をご紹介します。

1

東京都

さいたま市

埼玉県茨城県(南部)

千葉市川崎市

横浜市神奈川県

相模原市千葉県

Page 2: 『パーソントリップ調査からみた をとりまとめました67% 63% 51% 61% 0% 20% 40% 60% 80% 東京区部 駅から1.5km圏内 駅から1.5km圏外 都市圏計 東京区部以外

286 448 699 1048

27852842

2763 2385

0

1,000

2,000

3,000

4,000

1988年(S63)

1998年(H10)

2008年(H20)

2030年(H42)

(万人)

32%

29%

16%

33%

52%

38%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

高齢

(65歳以上)

非高齢

(65歳未満)

自動車 鉄道 その他

31%

12%

19%

13%

50%

75%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

高齢

(65歳以上)

非高齢

(65歳未満)

自宅-私事 その他私事 その他

非高齢(65歳未満) 高齢(65歳以上)

2058 2616 2427 2501

1860 2012 2500 2405

3504 3265 3371 3190

01,0002,0003,0004,0005,0006,0007,0008,0009,000

10,000

1988年(S63)

1998年(H10)

2008年(H20)

2030年(H42)

1046 1255 1255 1343 626 750 1152 1142

5753 5892 5931 5611

01,0002,0003,0004,0005,0006,0007,0008,0009,000

10,000

1988年(S63)

1998年(H10)

2008年(H20)

2030年(H42)

高齢化の進展により、自動車利用の増加に繋がると考えられます

2

若いうちは

定年後は

多くは就業者で、主に鉄道で通勤

生活や余暇に関わる活動が中心で、

自動車がよく使われる

平成10年から平成20年の間で自動車利用トリップは減少しましたが、

将来的には増加に転じる見通しです。

 第5回東京都市圏パーソントリップ調査では、昭和43年の調査開始以来、はじめて前回調査より自

動車トリップ数が減少しました。しかし、将来を想定した需要推計を行ったところ、平成42年には、

自動車利用トリップ数が再び増加する見通しとなりました。

将来的に自動車が増える主な原因は高齢化の進展です。定年を境に、それまでの会社勤めではなく、

生活や余暇等のための活動が増えると考えられます。会社に行くときは主に鉄道が利用されますが、日

常生活では移動が便利な自動車が利用されると考えられます。こうしたことから、将来的には自動車利

用が増加する見通しとなっています。

【手段別トリップ数の推移】          【目的別トリップ数の推移】

【人口の推移】                【高齢者の交通手段分担率(H20)】

【高齢者の目的構成比(H20)】

総人口は横ばい

高齢者は増加

私事目的の移動が増加

高齢者は若者よりも自動車を利用

東京都市圏の現状と将来の見通し

高齢者は若者よりも私事目的の割合が大きい

(万トリップ)(万トリップ)

3071

自動車利用は今は減少、でも将来は再び増加

3290 3462 3433

74257896

8338 8096

自宅-私事 その他私事 その他自動車 鉄道 その他

74217893 8298 8096

※5歳以上人口

※手段不明除く                         ※目的不明除く 

Page 3: 『パーソントリップ調査からみた をとりまとめました67% 63% 51% 61% 0% 20% 40% 60% 80% 東京区部 駅から1.5km圏内 駅から1.5km圏外 都市圏計 東京区部以外

67%

63%

51%

61%

0% 20% 40% 60% 80%

東京区部

駅から1.5km圏内

駅から1.5km圏外

都市圏計

東京

区部

以外

3時

4時

5時

6時

7時

8時

9時

10時

11時

12時

13時

14時

15時

16時

17時

18時

19時

20時

21時

22時

23時

24時

25時

26時

日中は多くの人が自宅から離れた場所で活動しており帰宅困難になる可能性あり

移動中

居住地ゾーンの外にいる滞留人口

居住地ゾーンの中にいる滞留人口(在宅除く)

500

1000

1500

2000

2500

3000

万人

3500

都市交通の問題と対応の方向性

高齢化の進展をはじめとする社会経済情勢等の変化に対応するには、

以下の様な問題の解消を目指すことが重要です。

安全・安心

生 活 活 力

交通サービス

 インフラの維持更新費用が増大する中で、多様な移動ニーズに対応した交通サービスを提供していくた

めには、既存インフラの有効活用と計画的・効率的なインフラ更新が重要です。また、人口密度が高い地

域では路線バス、低い地域ではコミュニティバスやデマンドバスなど、人口密度に対応して交通サービス

を提供する等、効果的・効率的に施策を展開してくことも重要です。

 自動車への過度な依存を改めるとともに、渋滞

対策により道路交通の円滑化を図り、CO2排出量

の削減に取り組んでいくことが重要です。

低炭素

 大規模な災害が発生した場合でも、東京都市圏

の機能を早期に復旧できるように準備しておくこ

とが重要です。

 高齢者の様々な活動や生活がしやすくなること

は、生活の質の向上だけでなく、社会全体の活力

の向上にもつながることから、高齢者の円滑な移

動を支えることが重要です。

 生産年齢人口が減少する中で、我が国全体を牽

引していくためには、東京都市圏における経済活

動が円滑に行われること、すなわち、人や物の移

動が円滑に行われることが重要です。

自動車利用の増加は、都市圏郊外部において顕著

【免許無し高齢者の居住地域別外出率(H20)】 【道路混雑度(H42)】

3

【自動車分担率の変化(H20-H42)】          【時間帯別状況別滞留人口(H20)】

まだまだ需要に対して容量が少ない

駅から離れた地域に住む高齢者は外出率が低い

東京区部東京多摩部

埼玉南部

さいたま市

埼玉北部茨城南部

千葉西北部

千葉市

川崎市横浜市

神奈川

相模原市

千葉東部

千葉西南部 道路混雑度

   1.00未満

   1.00以上1.25未満

   1.25以上1.75未満

   1.75以上

外出中

-2ポイント未満

-2~±0ポイント

±0~+2ポイント

+2~+4ポイント

+4~+6ポイント

+6ポイント以上

378

486

112

484

667

148

514

916

220

434

1165

336

430

1279

413

402

1355

509

384

1381

562

386

1378

570

422

1381

604

419

1354

622

436

1227

555

533

950

463

833

313

173

Page 4: 『パーソントリップ調査からみた をとりまとめました67% 63% 51% 61% 0% 20% 40% 60% 80% 東京区部 駅から1.5km圏内 駅から1.5km圏外 都市圏計 東京区部以外

国土交通省関東地方整備局

企画部広域計画課

TEL:048-600-1330

茨 城 県

土木部 都市局都市計画課

TEL:029-301-4592

埼 玉 県

都市整備部都市計画課

TEL:048-830-5337

千 葉 県

県土整備部 都市整備局都市計画課

TEL:043-223-3161

東 京 都

都市整備局 都市基盤部交通企画課

TEL:03-5388-3283

神奈川県

県土整備局 環境共生都市部交通企画課

TEL:045-210-6182

横 浜 市

都市整備局 都市交通部都市交通課

TEL:045-671-4128

川 崎 市

まちづくり局交通政策室

TEL:044-200-2348

千 葉 市

都市局 都市部交通政策課

TEL:043-245-5351

さいたま市

都市局 都市計画部都市交通課

TEL:048-829-1053

相模原市

都市建設局 まちづくり計画部交通政策課

TEL:042-769-8249

独立行政法人都市再生機構

東日本都市再生本部特定プロジェクト推進室TEL:03-5323-0658

東日本高速道路株式会社関東支社総合企画部総合企画課

TEL:03-5828-8294

中日本高速道路株式会社東京支社総務企画部企画調整チーム

TEL:03-5776-5285

首都高速道路株式会社

計画・環境部交通調査グループ

TEL:03-3539-9408

4

望ましい都市交通の実現に向けて

ハードとソフトの一体的な計画および実施と、交通と土地利用の連携を図りながら施策を推進

施策を実施に移した後も、計画を点検し、必要に応じて改善していくことが重要

施策立案にあたっては、社会経済状況の長期的なトレンドを見据えながら進めていくことが重要

長期的なトレンドを見据えた施策の検討、実施

PDCAサイクルに基づく継続的な見直し

総合的な取り組みの推進

実施が望まれる都市交通施策

都市交通の問題の解決に向けて、交通ネットワークの整備、

効率的な運用、利用者への適切な働きかけを進めることが重要です。

交通ネットワークの

効率的な運用交通ネットワークの

整備利用者への適切な

働きかけ

・骨格的な道路ネットワーク整備

・バス走行空間の確保

・歩行者・自転車空間の整備

・鉄軌道ネットワークの整備 等

モビリティ・マネジメントにより、利用者の協力的な行動を促進

利用者ニーズに対応した交通ネットワークの形成と機能強化

交通ネットワークの効果を最大限発揮できるような技術的運用と必要施策の実施

・地域公共交通ネットワークの形成

・バスの走行環境の改善

・公共交通や自転車利用の促進

・課金等による自動車交通のコント

 ロール 等

・エコ通勤等の実施促進

・公共交通利用の啓発

・学校の授業を通じた啓発 等

 望ましい都市交通の実現に向け、以下の観点を考慮した施策や事業を展開することが重要です。

 今後も、幹線道路や鉄軌道などの交通ネットワークの形成と機能強化を、効率的かつ着実に進めることが重

要です。また、既に整備済みの交通基盤はもちろん、整備中の交通基盤も含め、それらの効果を最大限発揮で

きるような技術的な運用の仕方についても十分に検討することが必要です。そして、モビリティ・マネジメン

トによって利用者の協力的な行動を促することで、交通ネットワーク整備と一体となった施策を展開し、ネッ

トワークの効果を最大限に引き出していくことが重要です。

■お問い合わせ先