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レンタルユニフォームの入出荷管理用RFID耐洗タグを ユーザーの入退室管理システム構築で活用
■RFIDタグとユニフォーム
RFID(radio frequency identifier) は、固有の情報が書き込まれたICタグを読み取り機に
かざすと、無線通信で情報のやり取りが成立し、照合や書き換え等が可能になる技術の総称で、
現在では定期券や電子マネーなど、生活のあらゆる場所で活用されている。
ユニフォームのRFID耐洗タグは、もともとはリネンサプライヤーやレンタルユニフォーム
会社での入出荷管理の品質向上、効率化を目的に採用されたものだった。
クリーニング工場の仕分けでは長年、バーコードラベルの採用が中心だったが、電波を利用し
た方がハンディータイプのリーダーで1着ずつ読み取るよりもハンドリングに優れ、速く認識
でき、自動化もしやすいため、徐々にRFIDタグ方式に移行しているという。
■クリーニング工場のためのRFID耐洗タグを活用する
仮にRFID耐洗タグによる入出荷管理をしているレンタルユニフォームを利用している工場
なら、最小限の投資と準備期間で入退室管理システムを構築できるということだ。
たとえば、タグの活用をレンタルユニフォームサービスの一環に含めれば、タグの導入は初期
投資ではなく、ランニングコストに吸収されることになる。
この場合、ユーザー側は読み取り装置と管理システムのソフトウエアなどを準備するだけで済
む。しかも、これらをリースで導入することもできるという。
■RFIDタグ方式のメリット
携帯するかたちのIDカードには、貸し借りによる
成りすましや、盗難による悪用、紛失のしやすさな
どのリスクがある。
一方、ユニフォームに装着された耐洗タグは着用し
ている限り、いわば体の一部のような状態になるた
め、これらの心配が少ない。
もちろん、別のスタッフがそのユニフォームを着て
しまえば成りすましができないこともないが、ユニ
フォームにネームラベルやバーコード。QRコードの
ラベルを貼れば、仮にこのようなことがあった場合に
は、確実に指摘を受けることになるだろう。
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また、入退室の情報は記録され、さまざまな管理情報とひも付けされているため、二重の入場は
できないし、休暇届が出されているはずのスタッフが入場しようとしてもエラーが出る。
よりセキュリティレベルを上げる場合は、読み取り装置の近くにディスプレィを備え、登録された
方の顔写真を表示できるようにすれば、成りすましの抑止効果が得られるし、周囲スタッフによる
監視もしやすくなる。
この他のメリットとしては、
①IDカードを携帯しないため、ユニフォームのノーポケット化が図りやすくハンズフリーになる
②ユニフォームと一緒にクリーニングが可能のため、タグを清潔な状態で保てる。
③ひもを付けて首に掛ける必要がないので、機器への巻き込まれの心配が少ない。
等が挙げられる。
■なぜ、HF帯を利用するのか
RFIDで使用する電波にも、周波数によってさまざまな種類がある。
入退室管理システムの構築にあたって推奨するのは、HF帯の電波である。短波ラジオなどでおなじ
みのこの周波数帯は、定期券や電子マネーなどでも広く利用されている。特にこれらで使用される
13.56MHz(ISO15693 準拠)という周波数はさまざまな機器との互換性が高く、システム構築
を図りやすい。
■電波の性質としての主な特徴
①通信のレスポンスが速く、人の流れを作りやすい
②通信距離が10 ~ 15cmと短く、他のRFIDタグを誤って読み取ってしまうエラーが
少ない。このため共連れもしにくい。
③同様の理由で、ノイズなどによる電波の干渉を受けにくい 等。
一方、地上波テレビジョンや携帯端末、Wi-Fi などと同じ周波数帯のUHF帯(860 ~ 960MHz)
も入退室管理システムで採用される。UHF帯はアンテナが小さくても、HF帯と比べて比較的電波
が飛びやすい。したがって、3 ~ 4mほどの離れた場所から複数のRFIDタグを一括で読み取る
場合などには有効。だが、こうした場合、電波の性質により、逆にコントロールが難しく、1人ず
つの入退室を正確に識別して読み取るのは比較的苦手である。
また、食品工場にはUHF帯のノイズ電波を発生する機器が多いため、HF帯よりも干渉を受けやす
くなる。以上の理由からHF帯電波を採用している。
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■RFID耐洗タグの応用
ある食品工場では、入退室管理システムとフラッパーゲートとを連動させ、移動権限のないスタッフ
が、自分の持ち場以外には行けないようにしているという。もし、自分の持ち場以外の場所に入ろ
うとすると、その履歴も残されるため、あとでその理由を本人に確認することが可能。
ユニフォームに装着したRFID耐洗タグは、こうした入退室管理のみならず、工場内での私物管理
や食堂での食券発行、健康チェック記録など、今後はさまざまな応用が期待できる。
例えば、レンタルユニフォーム会社各社では、すでにスタッフ一人一人の着替えチェック管理システ
ムとしてサービスを展開し、活用する工場も増えている。また、出退勤管理システムとの連携も推し
進めている。
ユニフォームのタグをそのまま使えるので、従来型のタイムカードやIDカードを使わずに出退勤
管理システムを組めるようになる上、パッケージソフトによって入退室や不正アクセスの履歴管理、
入室権限の登録など、さまざまな制御が可能となっている。
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