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ポップアップカードの製作支援インタフェース An Interface for Assisting the Design and Production of Pop-Up Card 1 岡村聡介 1,2 五十嵐健夫 1 東京大学 2 ERATO JST 1. はじめに -Introduction- ■ポップアップカードとは? カードを開いたときに紙で作られた 3 次元構造が飛び 出し、再び二つ折りに出来るもの。 ■課題 ポップアップカードの組み立ては誰でも出来るが、初 心者には制約があるためデザインを行うことは難しい。 ■目標 コンピュータの支援により誰でも簡単にポップアップ カードがデザインできるインタフェースの実現。 ■Glassner [1] □飛び出す仕組みの紹介 □頂点のシミュレート方法 - 3 つの球の交点とする □エラーの発見方法 □型紙の生成方法 三谷ら [2] [3] □90゚型ポップアップカード製作のインタフェース ■ユーザテスト 本システムの有用性を示すためユーザテストを行った。 ●システムを用いずデザイン (Without ) ●システムを用いてデザイン (With ) ユーザ A と B は Without → With の順で、 ユーザ C と D は With → Without の順で行う。 ユーザからのコメント □ポップアップカードが簡単に製作できた。 □パーツの高さや位置が決めやすかった。 □各面のデザインをシステム内で直接行いたい。 Without With デザイン 15 分 + 組み立て 15 分 デザイン 10 分 + 組み立て 10 分 デザイン 40 分 + 組み立て 30 分 デザイン 20 分 + 組み立て 20 分 デザイン 20 分 + 組み立て 20 分 デザイン 25 分 + 組み立て 25 分 デザイン 35 分 + 組み立て 35 分 デザイン 25 分 + 組み立て 25 分 衝突 衝突 歪み はみ出し ■機能 □パーツの設置・消去 □パーツの編集 □テクスチャ貼付 □型紙生成 □エラー検知 ■インタフェース パーツを選択し、折り目の上でクリックすると自動的 にパーツが生成される。 パーツの頂点や面をドラッグすることで編集が可能。 ■エラー検知 ユーザがパーツを編集する際、リアルタイムに ●閉じた状態でのパーツのカードからのはみ出し ●開閉の際のパーツ同士の衝突 を検出し、ユーザに視覚的に教える。 カードを段階的 (0゚,10゚,20゚,…) に閉じた状態をシミュ レートし、ポリゴンの交差判定を行う。 move move close close highlight warning warning highlight [1] Andrew Glassner. Interactive pop-up card design, part 1 / 2. IEEE CG & A, 22(1):79-86 / 22(2):74-85, 2002. [2] 三谷純 , 鈴木宏正 , 宇野弘 . 計算機によるボクセルを用いた「折り 紙建築」モデルの設計手法 , 情処学論 , 44(5):1372-1379, 2003. [3] 三谷純 , 鈴木宏正 . 平面多角形の集合による「折り紙建築」モデルの 表現と計算機による設計支援 , 情処学論 , 45(3):969-976, 2004. 本システムを用いることで、ポップアップカード のデザイン・製作が簡単に出来るようになった。 特にリアルタイムのエラー検知によって、ユーザ はデザインと制約の両立に囚われず、デザインに 集中することが出来た。 2. 関連研究 - Previous Work - 3. システム -Prototype System- 参考文献 -Reference- 4. 結果 -Result- ■システムを用いた製作例 本システムを用いてポップアップカードを製作した。 デザインに 2 時間、組み立てに 2.5 時間を要した。 5. 結論 -Conclusion- 本研究は、 Glassner の研究を基に ●インタフェースを説明・改良した ●ユーザテストを実施した Without での失敗 10 20 30 40 50 60 70 0 user A user B user C user D without with ( design ) with ( assembly ) Time [mins] 所要時間

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ポップアップカードの製作支援インタフェースAn Interface for Assisting the Design and Production of Pop-Up Card

1 岡村聡介 1,2 五十嵐健夫1 東京大学 2 ERATO JST

1. はじめに -Introduction-

■ポップアップカードとは? カードを開いたときに紙で作られた 3次元構造が飛び 出し、再び二つ折りに出来るもの。

■課題 ポップアップカードの組み立ては誰でも出来るが、初 心者には制約があるためデザインを行うことは難しい。

■目標 コンピュータの支援により誰でも簡単にポップアップ カードがデザインできるインタフェースの実現。

■Glassner [1] □飛び出す仕組みの紹介 □頂点のシミュレート方法  - 3 つの球の交点とする □エラーの発見方法  □型紙の生成方法

■三谷ら [2] [3] □90゚型ポップアップカード製作のインタフェース

■ユーザテスト 本システムの有用性を示すためユーザテストを行った。  ●システムを用いずデザイン (Without)  ●システムを用いてデザイン (With) ユーザ Aと Bは Without → With の順で、 ユーザ Cと Dは With → Without の順で行う。

■ユーザからのコメント □ポップアップカードが簡単に製作できた。 □パーツの高さや位置が決めやすかった。 □各面のデザインをシステム内で直接行いたい。

Without With

ユーザA

ユーザB

ユーザC

ユーザD

デザイン 15 分 + 組み立て 15 分 デザイン 10 分 + 組み立て 10 分

デザイン 40 分 + 組み立て 30 分 デザイン 20 分 + 組み立て 20 分

デザイン 20 分 + 組み立て 20 分 デザイン 25 分 + 組み立て 25 分

デザイン 35 分 + 組み立て 35 分 デザイン 25 分 + 組み立て 25 分

衝突

衝突歪み

はみ出し

■機能 □パーツの設置・消去 □パーツの編集 □テクスチャ貼付 □型紙生成 □エラー検知

■インタフェース パーツを選択し、折り目の上でクリックすると自動的 にパーツが生成される。 パーツの頂点や面をドラッグすることで編集が可能。

■エラー検知 ユーザがパーツを編集する際、リアルタイムに  ●閉じた状態でのパーツのカードからのはみ出し  ●開閉の際のパーツ同士の衝突 を検出し、ユーザに視覚的に教える。 カードを段階的 (0゚,10゚,20゚,…) に閉じた状態をシミュ レートし、ポリゴンの交差判定を行う。

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[1] Andrew Glassner. Interactive pop-up card design,

part 1 / 2. IEEE CG & A, 22(1):79-86 / 22(2):74-85, 2002.

[2] 三谷純 , 鈴木宏正 , 宇野弘 . 計算機によるボクセルを用いた「折り

紙建築」モデルの設計手法 , 情処学論 , 44(5):1372-1379, 2003.

[3] 三谷純 , 鈴木宏正 . 平面多角形の集合による「折り紙建築」モデルの

表現と計算機による設計支援 , 情処学論 , 45(3):969-976, 2004.

本システムを用いることで、ポップアップカードのデザイン・製作が簡単に出来るようになった。特にリアルタイムのエラー検知によって、ユーザはデザインと制約の両立に囚われず、デザインに集中することが出来た。

2. 関連研究 -Previous Work-

3. システム -Prototype System-

参考文献 -Reference-

4. 結果 -Result-

■システムを用いた製作例 本システムを用いてポップアップカードを製作した。 デザインに 2時間、組み立てに 2.5 時間を要した。 5. 結論 -Conclusion-

本研究は、Glassner の研究を基に●インタフェースを説明・改良した●ユーザテストを実施した

Without での失敗

10

20

30

40

50

60

70

0user A user B user C user D

without with (design) with (assembly)

Time

[mins]

所要時間