10
委託先:(国研)産業技術総合研究所(茨城県つくば市) 国立大学法人東京大学(東京都文京区) (一社)東京オープンソースロボティクス協会(千代田区) イーソル(株)(中野区) オープンロボットソフトウェアのプラットフォーム化技術開発 事業年度:2017-2019年度(予定) ロボットをプラットフォーム化するために必要となる分野・機能別ソフトウェア、ミド ルウェア・ロボットOS、開発・運用・安全を支援するツール等の機能に関する研究開発 (機能要件)に加えて、テスト・品質保証、ドキュメント、教育・コミュニティ、ロボッ ト開発プロセス、ISO10218やISO13482等の安全規格への対応、ライセンス・特許ク リアランス、保守・運用体制等(非機能要件)に関連する種々の研究開発や環境整備を実 施することで、ロボットメーカー・SIerのロボット開発・導入効率の向上、開発・運用プ ロセスを確立し、ロボット導入コストの削減とロボット未活用領域における市場の拡大目指します。 提案題目 研究開発内容 期待される効果 OSSをベースとしたマニピュレーション・ナビゲーション等、機能別ソフトウェア、ロ ボットOSや開発・運用・安全性確保を支援するツール等を開発するとともに横展開可能な プラットフォーム化を実施します。 開発内容②:ソフトウェアの品質・特許・ライセンス・ハードコンソ連携・ エコシステム形成を含む非機能要件の開発 上記ソフトウェアをビジネスレベルで実利用するために必要な品質管理とこれを実現す るテストの枠組みやシステム開発プロセスの確立、ライセンス・特許クリアランスの実施、 ハードウェアコンソーシアムとの共同開発を含む連携、教育・コミュニティ形成を行うこと により確実な技術移転とSI(システムインテグレーション)市場の拡大を行います。 これらの技術開発により、ロ ボット未活用領域におけるSI費用 が削減され、初期導入コストが2 割以上削減されます。また、これ まで導入が進んでこなかった、小中堅企業における人手による工 程へのロボットの普及が期待され ます。さらには、三品産業を含む、 ものづくり分野、物流・バック ヤード等におけるサービス分野等、 様々な分野で応用可能となる等の 波及効果が期待できます。 ソフトウェアプラットフォーム 開発内容①:ロボットのプラットフォーム化に資する分野別ソフトウェア・ ロボットOS・ツールの開発

ソフトウェアプラットフォーム 提案題目 オープンロボットソフ … · (一社)東京オープンソースロボティクス協会(千代田区) イーソル(株)(中野区)

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: ソフトウェアプラットフォーム 提案題目 オープンロボットソフ … · (一社)東京オープンソースロボティクス協会(千代田区) イーソル(株)(中野区)

委託先:(国研)産業技術総合研究所(茨城県つくば市) 国立大学法人東京大学(東京都文京区)(一社)東京オープンソースロボティクス協会(千代田区) イーソル(株)(中野区)

オープンロボットソフトウェアのプラットフォーム化技術開発

事業年度:2017-2019年度(予定)

ロボットをプラットフォーム化するために必要となる分野・機能別ソフトウェア、ミドルウェア・ロボットOS、開発・運用・安全を支援するツール等の機能に関する研究開発(機能要件)に加えて、テスト・品質保証、ドキュメント、教育・コミュニティ、ロボット開発プロセス、ISO10218やISO13482等の安全規格への対応、ライセンス・特許クリアランス、保守・運用体制等(非機能要件)に関連する種々の研究開発や環境整備を実施することで、ロボットメーカー・SIerのロボット開発・導入効率の向上、開発・運用プロセスを確立し、ロボット導入コストの削減とロボット未活用領域における市場の拡大を目指します。

提案題目

概 要

研究開発内容

期待される効果

OSSをベースとしたマニピュレーション・ナビゲーション等、機能別ソフトウェア、ロボットOSや開発・運用・安全性確保を支援するツール等を開発するとともに横展開可能なプラットフォーム化を実施します。

開発内容②:ソフトウェアの品質・特許・ライセンス・ハードコンソ連携・エコシステム形成を含む非機能要件の開発

上記ソフトウェアをビジネスレベルで実利用するために必要な品質管理とこれを実現するテストの枠組みやシステム開発プロセスの確立、ライセンス・特許クリアランスの実施、ハードウェアコンソーシアムとの共同開発を含む連携、教育・コミュニティ形成を行うことにより確実な技術移転とSI(システムインテグレーション)市場の拡大を行います。

これらの技術開発により、ロボット未活用領域におけるSI費用が削減され、初期導入コストが2割以上削減されます。また、これまで導入が進んでこなかった、中小中堅企業における人手による工程へのロボットの普及が期待されます。さらには、三品産業を含む、ものづくり分野、物流・バックヤード等におけるサービス分野等、様々な分野で応用可能となる等の波及効果が期待できます。

ソフトウェアプラットフォーム

開発内容①:ロボットのプラットフォーム化に資する分野別ソフトウェア・ロボットOS・ツールの開発

Page 2: ソフトウェアプラットフォーム 提案題目 オープンロボットソフ … · (一社)東京オープンソースロボティクス協会(千代田区) イーソル(株)(中野区)

委託先:一般財団法人日本品質保証機構(東京都千代田区)

安全なロボットを開発するための安全化対応ガイドラインの開発

事業年度:2017-2019年度(予定)

最近では、生活空間で使用するロボットや人・ロボットの協働作業を前提としたロボットが多数提案されており、これらに適した安全確保の方策を実装して行くことが求められています。このように、安全なロボットを開発していくことは、ロボットの未活用領域への普及を図るうえでも必要不可欠であると考えます。また、オープンソースソフトウェアを使ったロボット開発は、ロボット導入コストの低減や開発期間の短縮化をもたらし得る反面、そのままでは安全性を担保することは困難と見られています。本開発では、オープンソースソフトウェアを活用しロボット導入コストの低減を図り、同時に、ロボットの安全化対応を図るため、安全なロボットの開発プロセスを整備し、安全化対応ガイドラインとして提供します。

提案題目

概 要

研究開発内容

期待される効果

ロボットのタイプに応じ参照すべき規格(例:ISO 13482またはISO 10218-1/2)を基に安全なロボットの開発を支援します。また、ロボット開発者(個人、組織)の力量の在り方について調査・研究します。

プラットフォームロボットの開発やシステムインテグレートの場面でガイドラインを活用することにより、ロボット開発者(SIer)がオープンソースソフトウェアをベースとした安全なロボットの効率的な開発プロセスを導入可能とし、ロボット全体の安全化対応を図ることが期待されます。

ソフトウェアプラットフォーム

オープンソースソフトウェアの活用を意図し安全系と非安全系を分離させ、試作ソフトウェアを開発し具体的な検討を行います。モデル表記を用いた開発プロセスについても併せて研究します。

①と②で得た知見を安全化対応ガイドラインとしてまとめて参画事業者へ紹介し、適時フィードバックを受けながらブラッシュアップを図ります。

開発内容②:移動型ロボットをモチーフとしたソフトウェアの安全化対応の検討

開発内容①:ハードウェアPFコンソーシアムの事業者向けの安全化対応の支援

開発内容③:安全化対応ガイドラインの作成及びブラッシュアップ

Page 3: ソフトウェアプラットフォーム 提案題目 オープンロボットソフ … · (一社)東京オープンソースロボティクス協会(千代田区) イーソル(株)(中野区)

委託先:株式会社セック(東京都世田谷区) THK株式会社(東京都品川区)株式会社hapi-robo st(東京都港区) 学校法人名城大学(名古屋市天白区)

人と共働して軽作業をするロボットプラットフォームの開発

事業年度:2017-2019年度(予定)

本研究開発では、人や他のロボットと協調・共働して軽作業を行うことが可能な移動機構とマニピュレータを備えた汎用ロボットプラットフォームを開発します。これを実現するために、安全性を備えたハードウェアプラットフォームを研究開発

し、実用化を加速するソフトウェアプラットフォーム(ロボットが行うタスクを容易に開発/カスタマイズできるタスクエディタ、実環境への導入支援ツール、ロボットの運用改善のための運用モニタやデータレコーダーなど)を融合します。構築したロボットプラットフォームは、レストランやコンビニエンスストアで実証

し、実用化に向けた評価を行います。

提案題目

概 要

研究開発内容

期待される効果

ロボットの共通化機能及びサービスロボットの開発、導入・運用を支援するソフトウェアプラットフォームを開発します。

これらの技術開発により、ロボット1台分の導入費を下げることができ、導入が進まなかったレストラン等の飲食店でのウェイター業務のロボット化が期待されます。さらに、コンビニエンスストア等の人とロボットが混在するサービス分野でロボットが広く活用される等の波及効果が期待されます。

ハードウェアプラットフォーム

移動機構とマニピュレータを有し、安全性を備えた軽作業が可能な汎用的なハードウェアプラットフォームを開発します。

人とロボットが共働で、受付・席誘導・注文・配膳・片付けなどの作業を行うウェイターロボットの実証評価を行います。

商品の陳列・廃棄を行うロボットの実証評価を行います。

開発内容①:ロボットソフトウェアプラットフォームの研究開発

開発内容②:ロボットハードウェアプラットフォームの研究開発

開発内容③-1:レストラン向け共働ウェイターロボットの研究開発

開発内容③-2:コンビニエンスストア向けロボットソフトウェアの研究開発

Page 4: ソフトウェアプラットフォーム 提案題目 オープンロボットソフ … · (一社)東京オープンソースロボティクス協会(千代田区) イーソル(株)(中野区)

委託先:カワダロボティクス株式会社(東京都中央区)

人型多能工ロボット統合拡張プラットフォーム化技術開発

事業年度:2017-2019年度(予定)

中小企業では生産する品種の変更も多く、既存ロボットシステムのプラットフォームをカスタマイズするだけで対象工程のロボット化を実現できるシステムは多くありません。また、ユーザーニーズに合わせて周辺機器と環境も個別対応しなければなりません。そのため、システムインテグレーションにかかる初期導入や組換えコスト、システムインテグレーションするための技術的知識の必要性などが自動化導入の障壁となっています。本開発では、ロボット作業システムを迅速に構築することを目的に、ロボットタス

クインテグレーションテーブル(RIT)と呼ぶ基幹モジュール及び人型多能工ロボット拡張モジュール(ロボットを含む)のセットを一つのセルとしてパッケージ化します。ハードウェアのインターフェースを共通化し、拡張性の高いオープンなミドルウェアに対応させ、外部機器との相互接続性を向上し、初期導入コストを低減できるプラットフォームを開発します。

提案題目

概 要

研究開発内容

期待される効果

人型多能工ロボットと共に導入し、ロボットや周辺の工程と接続することで、ロボット作業システムを迅速に構築することが可能な基幹モジュールを開発します。

RITに付随してマニピュレーションやセンシング等の様々な作業要求に柔軟に対応できることを目的とした、インテグレーションに必要な共通・個別機能を実現する多能工ロボットモジュール及びシステム(ロボットを含む)を開発します。人型多能工ロボットと共に導入し、ロボットや周辺の工程と接続することでロボット作

業システムを迅速に構築することが可能な基幹モジュールを開発します。

これらの技術開発により外部機器との接続性が向上し、システム構築の高速化が図られます。その結果、工程へのロボットの初期導入および運用コストの2割以上が削減され、三品業界などロボット未活用領域におけるロボットの普及が期待されます。

ハードウェアプラットフォーム

機器情報種々のインターフェース

開発内容①:ロボットタスクインテグレーションテーブル(RIT)の開発

開発内容②:人型多能工ロボット拡張モジュールの開発

Page 5: ソフトウェアプラットフォーム 提案題目 オープンロボットソフ … · (一社)東京オープンソースロボティクス協会(千代田区) イーソル(株)(中野区)

委託先:パナソニック株式会社(大阪府門真市)

屋内の人共存環境下で安全に利用可能な搬送用自律移動プラットフォーム

事業年度:2017-2019年度(予定)

自律移動技術は多くの分野で使用可能なロボットの重要な基本要素技術であり、コミュニケーション技術、マニピュレーション技術と組み合わせることで、多くのタスクが実現可能となります。しかし、現時点では、屋内分野においてはキラーアプリケーションを見出せておらず、多くの分野で市場を見つけ出すためのプラットフォームロボットの開発が急務となっています。本開発では、屋内の自律移動ロボットのプラットフォーム化を目指し、人共存環境

化で課題となる「走行路面の小さな凹凸に対応するための①自律移動用の段差乗越え機構・制御の研究開発」と、「様々な環境化で安全を実現する②自律移動用安全技術の汎用化の研究開発」を行います。

提案題目

概 要

研究開発内容

期待される効果

実際の屋内フロアに多く存在する小さな段差を安定して搬送可能かつ自律移動可能な状態を維持したまま、乗越え可能な機構や制御法の開発を行います。

複数の走行形態(追従走行など)で安全担保できる安全ユニットを開発します。自律移動に必要な経路生成や自己位置推定などはROS(ロボットオペレーティングシステム)に対応することでプラットフォーム化し動作させます。

これらの技術開発により、これまでロボットの導入が進んでこなかった工場、小売、物流などにおける搬送業務が容易かつ安全に自動化され、初期導入コストが2割以上削減されます。さらには、モノ搬送の自動化に加え、パーソナルモビリティなどのヒト搬送の自動化等、様々な分野で応用可能となり、波及効果が期待されます。

ハードウェアプラットフォーム

開発内容①:自律移動用の段差乗越え機構・制御の研究開発

開発内容②:自律移動用安全技術の汎用化の研究開発

Page 6: ソフトウェアプラットフォーム 提案題目 オープンロボットソフ … · (一社)東京オープンソースロボティクス協会(千代田区) イーソル(株)(中野区)

委託先:株式会社YOODS(山口県山口市)

汎用ロボットビジョンシステムのプラットフォーム化技術開発

事業年度:2017-2019年度(予定)

これまでロボット利用は大企業を中心に進んできましたが、多品種・少量生産が主となる中小企業ではロボットシステム導入における初期コストと低い稼働率がネックとなり、人間がしなくてはならない作業が多く残っています。一方、ビジョンシステムをロボットに搭載して視覚機能をもたせ、ティーチングレスで動かす試みも進められていますが、ビジョンシステムのコスト、使い方の難しさ、ティーチングレスを実現するための複雑な画像処理技術への対応等がネックになり、導入が進んでいない現状があります。本開発では、①ロボットの視覚機能として動作して、ロボットハンドに搭載可能な小型低価格ハンドアイ3Dカメラと、②カメラからの情報を高速に処理でき、将来的にはAI機能も搭載可能な組込型ビジョンコントローラを開発します。

提案題目

概 要

研究開発内容

期待される効果

プロジェクターを搭載し、ロボットハンドに取り付け可能な小型・低価格3Dカメラを開発し、ビジョンコントローラと連携し、データの取得・処理が容易なプラットフォーム化技術を開発します。

ARM製GPUを搭載して、ソフトウェアプラットフォームの成果が搭載できる小型・高性能ビジョンコントローラと、計測・認識結果をロボットに提供するためのプラットフォーム化技術を開発します。

これらの技術開発により、ロボットへのビジョンシステムの搭載が簡便化され、ビジョンシステム搭載ロボットシステムの初期導入コストが2割以上削減されます。また、これまで導入が進んでこなかった、中小企業での2D・3D検査、3D計測、ピッキング工程での活用が期待されます。また、導入コストが下がることによ

り、ロボット市場が拡大します。さらに、汎用化された3Dカメラとビジョンコントローラが広く活用されることにより、視覚認識技術の市場拡大等の波及効果が期待されます。

ハードウェアプラットフォーム

ハンドアイ3Dカメラ

ARM製GPULinux搭載ビジョン

コントローラ

開発内容①:小型低価格ハンドアイ3Dカメラの開発によるビジョンデータのプラットフォーム化

開発内容②:小型高機能ビジョンコントローラの開発によるビジョンセンシングのプラットフォーム化

Page 7: ソフトウェアプラットフォーム 提案題目 オープンロボットソフ … · (一社)東京オープンソースロボティクス協会(千代田区) イーソル(株)(中野区)

委託先:富士ソフト株式会社(横浜市中区) 日本電産株式会社(京都市南区)

次世代FMSを実現する再利用性の高いハードウェアプラットフォーム開発

事業年度:2017-2019年度(予定)

製造業ではロボット導入による作業の効率化が期待されていますが、昨今の製造業では生産ラインのライフサイクルが短くなっている為、ロボットシステム導入による費用対効果が得られず、ロボット導入が見送られるという課題を抱えています。本開発では、①ハードウェアプラットフォームのオープンプラットフォーム対応と

②他製品との協調制御の実現により、作業を複数台の安価な汎用ロボットに置き換える事でロボット導入コストの削減を目指します。さらに汎用ロボットの特徴を活かして再利用しやすいハードウェアプラットフォームを構築して運用コストを削減し、多品種少量生産に対応した次世代FMS(フレキシブル生産システム)の実現を目指します。

提案題目

概 要

研究開発内容

期待される効果

既存ロボットの制御コントローラにオープンソースのROS(ロボットオペレーティングシステム)を適用し、ロボット制御コントローラのオープンプラットフォーム化を実現します。

既存ロボットを改良し、複数のロボットを協調制御する仕組みを実現します。また、ロボットが追加、削除されても大幅にソフトを修正せずに再利用可能な仕組みを実現します。

これらの技術開発により、ロボット導入から運用を含めた全体コストに対して3割以上のコスト削減を目指します。その結果、これまで費用対効果が原因でロボットを導入できなかった製造業へのロボット普及が期待されます。さらには、食品加工や盛り付け工程等で同様の問題を抱えている食品業等、他業種にも応用することでさらなる波及効果が期待されます。

ハードウェアプラットフォーム

これまでは高価で高機能な双腕型H/Wを用い、さらには製造ライン毎にロボット設計を実施していた為、導入費用および製造ライン変更時の費用も高くなる為、ロボットの導入が進まなかった。

複数の安価で汎用性の高いロボットによる協調制御作業の実現によりロボット導入コストが削減され、また製造ラインの変更時にも個々のロボットの役割を柔軟に変えることで、ハードウェアの再利用性が向上される。

2ロボット協調による2部品締結作業

2ロボット協調による重量、大外形物搬送

開発内容①:既存ロボットのオープンプラットフォーム対応

開発内容②:既存ロボットの協調制御対応

Page 8: ソフトウェアプラットフォーム 提案題目 オープンロボットソフ … · (一社)東京オープンソースロボティクス協会(千代田区) イーソル(株)(中野区)

委託先:川崎重工業株式会社(兵庫県明石市)

協働型双腕スカラロボットのプラットフォーム化技術開発

事業年度:2017-2019年度(予定)

ロボット未活用領域として、コンビニ向け食品の箱詰め作業が注目を浴びています。特に、サンドイッチやおにぎり等、パッケージが短期間で変化し、扱いの困難な柔らかい食品のハンドリングを行うロボットの実現には、多くの技術者の連携によるオープンイノベーションが必要不可欠であり、そのためのロボットのプラットフォーム化技術は高いニーズがあります。本研究開発では、省スペース性、簡易設置性、簡単教示性を特徴とする、協働型の双腕スカラロボットduAroを、ロボットプラットフォームソフトウェアのデファクトスタンダードであるROS(ロボットオペレーティングシステム)へ対応させるための研究開発を実施し、短期間で変化するパッケージを有する対象物の認識機能分野、サンドイッチやおにぎり等の柔らかい物品の双腕把持機能分野の二つの分野研究開発を行うことでプラットフォーム性を評価します。

提案題目

概 要

研究開発内容

期待される効果

省スペース性、簡易設置性、簡単教示性を特徴とする、協働型の双腕スカラロボットduAroを、ロボットプラットフォームソフトウェアのデファクトスタンダードであるROSへ対応させるための研究開発を実施します。

短期間で変化するパッケージを有する対象物の認識機能分野、サンドイッチやおにぎり等の柔らかい物品の双腕把持機能分野において、再構成が容易なEasy To Useなプラットフォームソフトウェアアプリケーションを開発します。

ハードウェアのプラットフォーム化を実現することで深層学習認識処理、人工知能探索障害物回避等のソフトウェアプラットフォーム機能が発揮しやすくなります。これにより初期導入コストの2割以上削減と、これまで導入が進んでこなかった、食品箱詰め分野におけるロボットの普及が期待されます。特に、対象の食品が変わっても最小の再構成で適応し、波及効果が期待できます。

ハードウェアプラットフォーム

開発内容①:duAroのプラットフォーム化

開発内容②:認識機能分野,双腕把持機能分野のプラットフォーム化

Page 9: ソフトウェアプラットフォーム 提案題目 オープンロボットソフ … · (一社)東京オープンソースロボティクス協会(千代田区) イーソル(株)(中野区)

委託先:ライフロボティクス株式会社(東京都江東区)

安全で安価な小型汎用プラットフォーム協働ロボットCORO-PFの開発

事業年度:2017-2019年度(予定)

日本の労働人口減少に伴う人手不足問題解消と生産性向上を実現するためには、ロボット未活用領域にロボットを導入していくことが重要です。未活用領域ではロボット専門家不在の場合が多いため、肘関節のない機構でロボットアームの動作を簡単にする、などの対策が重要となります。これらの問題を解決できてこそ、ティーチングの簡素化が期待されます。これらの条件を満たす協働ロボットとしてはCOROが適しており、プラットフォームに最適であると言えます。本研究開発では、COROの開発・商品化・量産化で培ってきた技術とノウハウをベースに、我が国を支える真のハードウエアプラットフォームとなる安全で安価な小型汎用プラットフォーム協働ロボットCORO-PFを開発します。

提案題目

概 要

研究開発内容

期待される効果

肘関節の無い協働ロボットCOROの開発で培ってきた技術、顧客への導入で培ってきた簡単教示技術と多種多様な機器との連携技術を活用し、ロボット未活用領域で活躍できるCORO-PFを開発します。

食器仕分け、液体(スープ)、パウチ搬送、化粧品搬送、容器用キャップの把持と仮締め、部品搬送、箱搬送、平面板搬送、取扱説明書ピッキング、食材ピッキング、弁当蓋ピッキングの各工程について、標準的なロボットハンドを開発します。

これらの技術開発により、ロボット本体と周辺機器との連動コストも削減するため、初期導入コストが2割以上削減し、これまで導入が進んでこなかった、外食産業のバックヤードにおけるロボットの普及が期待されます。さらには、食品製造現場における弁当製造、物流現場におけるピッキング等、様々な分野で応用可能となり、波及効果が期待されます。

ハードウェアプラットフォーム

開発内容①:小型汎用プラットフォーム協働ロボットCORO-PFの開発

開発内容②:ロボット未活用領域における10種以上の標準ハンドの開発

Page 10: ソフトウェアプラットフォーム 提案題目 オープンロボットソフ … · (一社)東京オープンソースロボティクス協会(千代田区) イーソル(株)(中野区)

委託先:株式会社東芝(東京都港区)

汎用自律走行ロボットプラットフォームの研究開発

事業年度:2017-2019年度(予定)

近年、ADAS(先進運転支援システム)が普及し自動走行の実用化に向けた開発が進んでいる一方で、AGV(無人搬送車)等は自己位置認識と安全性確保の課題が残っており、人共存環境での自律移動の普及には至っていません。本開発では、車載用画像認識プロセッサを用い、複数画像からの位置認識と車載相

当の人物検出を実現する①インテリジェントユニットを開発し、また、物流現場、店舗、中小規模工場、介護施設の複数の現場で要求を満たす②走行ユニットと個別ユニットを併せて開発し実証することで、汎用性と実用性を兼ね備えた汎用自律走行プラットフォームを提供します。

提案題目

概 要

研究開発内容

期待される効果

車載用画像認識プロセッサを用いて10fpsの安定した処理を行うことで、自己位置認識精度±5%と車載相当の人物検出を同時に実現するユニットを開発します。また、組込み環境ではコアユニットとして、PC環境では画像認識ユニットとして、本プロジェクトで構築される新ロボットプラットフォームを実装します。

物流センターでのカゴ台車搬送、店舗での棚卸、中小規模工場での部品供給、施設での監視見守りといった複数の現場の各々の顧客要求を満たす走行ユニットと必要な個別ユニットを開発し、新ロボットプラットフォームに対応する、インテリジェントユニットとシステムを構築し、実証します。

実証する4つの現場で、ロボット活用による人件費削減効果として総額85億円程度の市場創出が見込まれます。また、インテリジェントユニットの販売により駅等の雑踏での警備ロボットなどへの利

用が考えられ、さらに、波及効果として、大学等でのインテリジェントユニットを活用した研究開発が促進され、 2020年 106億ドルと言われる移動ロボット市場に向けた日本のロボット技術の貢献が期待されます。

ハードウェアプラットフォーム

開発内容①:インテリジェントユニット開発

開発内容②:走行ユニット・個別ユニット開発