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カゴメサステナビリティレポート2014ダイジェスト版 - …カゴメサステナビリティレポート 2014 フルレポート(100ページ) サステナビリティの実現に向けたカゴメの活動全体をご紹介

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目 次

編集方針

トップメッセージ

カゴメの考えるサステナビリティとカゴメの理念体系

   サステナビリティへの取り組み

私たちの事業展開

私たちの価値創造基盤

私たちの戦略

事業部門別の戦略と業績

主要な財務・非財務パフォーマンス

コーポレート・ガバナンス

リスクマネジメント

CSRマネジメント

2

3

5

7

15

17

19

21

29

31

34

34

 カゴメグループは企業理念「感謝」「自然」「開かれた企業」

のもと、社会への貢献を通じた価値創造によりこれまで成長し

てきました。私たちの取り組みは、1999年度の環境報告書発

行をはじめとして、2013年度のサステナビリティレポート発行

まで、年々その取り組みを進化させ、ステークホルダーの皆さま

にご報告してきました。16年目となる2014年度サステナビリ

ティレポートでは、私たちの価値創造基盤をより具体的に読者

の皆さまへご紹介することを目的に編集しており、2016年度の

報告書において、事業における創出価値が明確となった「統合

報告書」の形にて、皆さまにご報告することを目指しています。

編集方針

報告書の変遷と今後の予定1999年度

2005年度

2010年度

2013年度

2016年度

: 環境報告書

: 社会環境報告書

: CSRレポート

: サステナビリティレポート

: 統合報告書(予定)

住 所

T E L

F A X

E - m a i l

報告対象期間・対象範囲対象期間: 2013年4月~2014年3月

※一部対象期間外の活動も含まれます。

文中においてカゴメ株式会社単体に関する報告は「カゴメ」、国内グ

ループ会社全体に関する報告は「国内カゴメグループ」、海外のグルー

プ会社を含む国内外全体に関する報告は「カゴメグループ」として表記

しています。

情報公開月2014年12月

お問い合わせ先: 〒103-8461

東京都中央区日本橋浜町3丁目21番1号 日本橋浜町Fタワー

カゴメ株式会社 コーポレート・コミュニケーション本部

グローバルサステナビリティ部

: (03)5623-8705 

: (03)5623-2334

[email protected]

 CSR情報については、網羅性の高い情報開示を目指し

「GRIサステナビリティレポーティングガイドライン第3.1

版」「ISO26000」および環境省の「環境報告書ガイドラ

イン2012年度版」を参考に編集しています。

CSR情報のご紹介

ウェブサイト

カゴメサステナビリティレポートほか、CSR関連情報をご紹

介しています。

http://www.kagome.co.jp/company/kankyo/index.html

カゴメサステナビリティレポート2014フルレポート(100ページ)

サステナビリティの実現に向けたカゴメの活動全体をご紹介

しています。

カゴメサステナビリティレポート2014ダイジェスト版(34ページ)

本冊子のPDF版をダウンロードできます。

特 集

報告対象範囲

 今後の制作などに役立てるため、お手数ですが下記アン

ケートフォームより、アンケートにご協力をお願いいたします。

http://www.kagome.co.jp/company/kankyo/report/questionnaire.html

アンケートご協力のお願い

1 2

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目 次

編集方針

トップメッセージ

カゴメの考えるサステナビリティとカゴメの理念体系

   サステナビリティへの取り組み

私たちの事業展開

私たちの価値創造基盤

私たちの戦略

事業部門別の戦略と業績

主要な財務・非財務パフォーマンス

コーポレート・ガバナンス

リスクマネジメント

CSRマネジメント

2

3

5

7

15

17

19

21

29

31

34

34

 カゴメグループは企業理念「感謝」「自然」「開かれた企業」

のもと、社会への貢献を通じた価値創造によりこれまで成長し

てきました。私たちの取り組みは、1999年度の環境報告書発

行をはじめとして、2013年度のサステナビリティレポート発行

まで、年々その取り組みを進化させ、ステークホルダーの皆さま

にご報告してきました。16年目となる2014年度サステナビリ

ティレポートでは、私たちの価値創造基盤をより具体的に読者

の皆さまへご紹介することを目的に編集しており、2016年度の

報告書において、事業における創出価値が明確となった「統合

報告書」の形にて、皆さまにご報告することを目指しています。

編集方針

報告書の変遷と今後の予定1999年度

2005年度

2010年度

2013年度

2016年度

: 環境報告書

: 社会環境報告書

: CSRレポート

: サステナビリティレポート

: 統合報告書(予定)

住 所

T E L

F A X

E - m a i l

報告対象期間・対象範囲対象期間: 2013年4月~2014年3月

※一部対象期間外の活動も含まれます。

文中においてカゴメ株式会社単体に関する報告は「カゴメ」、国内グ

ループ会社全体に関する報告は「国内カゴメグループ」、海外のグルー

プ会社を含む国内外全体に関する報告は「カゴメグループ」として表記

しています。

情報公開月2014年12月

お問い合わせ先: 〒103-8461

東京都中央区日本橋浜町3丁目21番1号 日本橋浜町Fタワー

カゴメ株式会社 コーポレート・コミュニケーション本部

グローバルサステナビリティ部

: (03)5623-8705 

: (03)5623-2334

[email protected]

 CSR情報については、網羅性の高い情報開示を目指し

「GRIサステナビリティレポーティングガイドライン第3.1

版」「ISO26000」および環境省の「環境報告書ガイドラ

イン2012年度版」を参考に編集しています。

CSR情報のご紹介

ウェブサイト

カゴメサステナビリティレポートほか、CSR関連情報をご紹

介しています。

http://www.kagome.co.jp/company/kankyo/index.html

カゴメサステナビリティレポート2014フルレポート(100ページ)

サステナビリティの実現に向けたカゴメの活動全体をご紹介

しています。

カゴメサステナビリティレポート2014ダイジェスト版(34ページ)

本冊子のPDF版をダウンロードできます。

特 集

報告対象範囲

 今後の制作などに役立てるため、お手数ですが下記アン

ケートフォームより、アンケートにご協力をお願いいたします。

http://www.kagome.co.jp/company/kankyo/report/questionnaire.html

アンケートご協力のお願い

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食を通じて社会課題の解決に取り組み、持続的に成長できる強い企業を実現します

トップメッセージ

カゴメ株式会社 代表取締役社長

 カゴメは、1899年の創業以来、トマトなど自然の恵みがも

つ価値を活かした商品の開発・提供を通じて、人々の健康的

な食生活の実現に貢献してきました。今日では、日本で消費

されるトマトの約3割、緑黄色野菜の約1割を供給するに至っ

ていますが、これは当社の企業理念に込められた「ステーク

ホルダーへの感謝」「自然の恵みを活かし、人々の健康に貢

献する価値開発の追求」「人と社会に開かれた企業の実現」

という考え方を社員一人ひとりが事業活動の中で追求し、ス

テークホルダーの皆さまから共感と信頼をいただいた結果で

あると考えています。

 これからの50年を見据えた時、日本では2035年に3人に

1人が高齢者という超高齢社会が到来し、人口減少、社会保

障費の増大、単身・二人世帯の増加、地方や農業の衰退など

の大きな社会変化が待ち受けています。世界でも全人口の

増加と経済発展および、気候変動に伴う水や食料などの資

源・エネルギー問題や環境問題、栄養問題(肥満、栄養不足

等)などの社会課題が深刻さを増すと考えられています。当

社が今後も食を通じて社会に貢献し続けるには、プロダク

トアウト型からソリューション型の事業に発想を転換し、社会

の変化を予測し、その時代の要請を事業戦略に組み込むこ

とで、カゴメならではの方法で社会課題の解決に貢献しつつ

(ソリューション)、経済価値を創出する力(イノベーション)

を高めることが、不可欠と考えています。

環境変化の中で再認識する私たちの使命

これまでの取り組みを振り返って 2013年度からスタートした中期経営計画「Next50」は、計

画初年度に連結売上高が前期比1.6%減の1,930億円という

厳しい結果となりました。また14年度も減収、減益となる見込

みです。この背景には、トマトブームの反動や既存商品の魅力

度低下を新商品でカバーできなかったほか、原料調達価格の

高騰や天候不順などの影響がありました。この振り返りで深め

た認識は、当社は社会に価値提供を行う前提条件である「安

定した収益を確保する基盤」が脆弱で、外部環境の変化に弱

いという反省でした。これを受けて、「Next50」は計画の前提

となる自社の実力の見極めが不十分であったと考えて白紙化

し、グローバルブランドへの飛躍を目指す長期的視点は継承し

つつ、「働き方の改革」と「収益構造の改革」を開始しました。

中期経営方針 新たな中期経営方針では当社が持続的に成長するため

の収益獲得基盤の強化に力点を置き、以下の3つの重点課

題に取り組みます。

 1つ目は「バリューアップ」で、既存商品の価値向上を通じ

て収益性を高めます。既に進めている、野菜飲料のペットボ

トルを二人世帯でもおいしく飲み切れる容量で提供する「ス

マートPET化」や、「旬の時期にしか味わえない国産原料を

使ったストレートのトマトジュース」を濃縮還元のトマトジュー

スと異なる商品ラインで提供する「トマトジュースのプレミア

ム化」などを継続して進めます。

 2つ目は「生産性の向上」で、原価低減や滞留品処分費用

の極小化、広告投資の効率化、商品の絞り込みなどを行うと

ともに、固定費の発生構造にまで踏み込んだ中長期的な収

益構造改革を進めるため、「働き方の改革」も推進します。

20時以降の残業禁止や働きやすい勤務体制を導入するほ

か、社長直轄の業務改革室を設置し、業務の必要性と価値

を第三者が評価し、不要な仕事を見直すことで「生産性の3

割向上」に取り組みます。同時に人事評価制度も改定し、職

位に応じて「職務+成果型」の評価割合を高め、新しい働き

方への意識を定着させ、年齢・人種・国籍・性別等に関係なく

活躍できる職場づくりを進めます。

 3つ目は「イノベーション」です。トマトは世界で消費量

No.1の野菜で、今後も毎年、日本の年間消費量に匹敵する

100万トンずつ消費量が増えると予測されています。日本で

も「販売金額1位の野菜」であり、「トマトのことなら何でもカ

ゴメに」と言っていただける状況を実現し、トマトで培った強

みをほかの野菜にも展開することが事業機会の創出に直結

します。このような認識の下、以下の中期的な重点成長領域

に経営資源を集中させ、部門間の連携を強化することで、当

社が持続的に成長する基盤づくりを進めます。

 第一は「グローバルトマトサプライヤー」の実現です。新

興国では経済発展に伴うライフスタイルの変化で生活習慣

病や肥満などの問題が増加し、健康へのニーズが高まって

います。当社は、原料生産から販売に至る全ての事業プロセ

スを持つ強みを活かし、地域の気候風土や消費者の嗜好に

合った品種開発など、各市場に合ったビジネスを速やかに構

築し、グループ全体の成長を牽引します。

 第二は「農業の成長産業化」です。「ジュース用トマト原料

真の自主自立を実現する これらの取り組みを進めるに当たって最も大切なことは、

適切な経済的利益を持続的に獲得する実力を身につけなけ

れば、社会に価値を提供し続けることはできない、という意識

を持つことです。「自主自立」「人中心の経営」など、当社が

これまで強みとしてきた企業文化は働きやすい雰囲気を高め

る一方で、業務に壁をつくり部門を超えた連携が進まない、

責任の所在を曖昧にするといった風潮を生み、変化への対応

力や競争力を弱める要因となっていました。今回、国内事業

間の連携を進める国内事業統括を設置し私が就いたのも、横

の連携を深め、このような体質を打破することが狙いです。

 当社は、経営の中心に「人」を置くことで成長してきた会社

であり、従業員の成長こそがカゴメの成長に他なりません。従

業員が適切な経済的利益を持続的に獲得する実力を身につ

けて初めて、ステークホルダーの信頼に応え、ひいては社会

への責任を果たすことにつながるのです。各自が環境変化を

的確にとらえ、企業理念の実現に向けてスピーディーな連携

が取れてこそ、真の「自主・自立」が成り立ちます。

の全量国産化」を推進し、国内における加工用トマトの契約

栽培の維持・拡大を進めるほか、生食用トマトやベビーリーフ

をはじめとしたカット野菜・パックサラダ素材の栽培を進めて

います。また、地域の特産品を当社の商品原料として全国に

お届けする「地産全消」では、収益確保と地域活性化への

貢献を今後も進めます。

 第三は「国内業務用事業の拡大」です。日本では働く女性

や高齢者、単身・二人世帯の増加で、家庭で料理をしない世

帯が増え、外食・中食市場が拡大しています。この業務用市

場で使われるトマト・野菜をカゴメが全て供給できるように、市

場のニーズに深く対応した商品を開発し、「トマトのことなら

何でもカゴメに」と言っていただける状況を目指します。

 第四は「フレッシュ化への挑戦」です。生ジュース感覚の商

品開発など、これまでにないフレッシュさを感じていただける

イノベーションにより、新たな需要創造を実現していきます。

3 4

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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食を通じて社会課題の解決に取り組み、持続的に成長できる強い企業を実現します

トップメッセージ

カゴメ株式会社 代表取締役社長

 カゴメは、1899年の創業以来、トマトなど自然の恵みがも

つ価値を活かした商品の開発・提供を通じて、人々の健康的

な食生活の実現に貢献してきました。今日では、日本で消費

されるトマトの約3割、緑黄色野菜の約1割を供給するに至っ

ていますが、これは当社の企業理念に込められた「ステーク

ホルダーへの感謝」「自然の恵みを活かし、人々の健康に貢

献する価値開発の追求」「人と社会に開かれた企業の実現」

という考え方を社員一人ひとりが事業活動の中で追求し、ス

テークホルダーの皆さまから共感と信頼をいただいた結果で

あると考えています。

 これからの50年を見据えた時、日本では2035年に3人に

1人が高齢者という超高齢社会が到来し、人口減少、社会保

障費の増大、単身・二人世帯の増加、地方や農業の衰退など

の大きな社会変化が待ち受けています。世界でも全人口の

増加と経済発展および、気候変動に伴う水や食料などの資

源・エネルギー問題や環境問題、栄養問題(肥満、栄養不足

等)などの社会課題が深刻さを増すと考えられています。当

社が今後も食を通じて社会に貢献し続けるには、プロダク

トアウト型からソリューション型の事業に発想を転換し、社会

の変化を予測し、その時代の要請を事業戦略に組み込むこ

とで、カゴメならではの方法で社会課題の解決に貢献しつつ

(ソリューション)、経済価値を創出する力(イノベーション)

を高めることが、不可欠と考えています。

環境変化の中で再認識する私たちの使命

これまでの取り組みを振り返って 2013年度からスタートした中期経営計画「Next50」は、計

画初年度に連結売上高が前期比1.6%減の1,930億円という

厳しい結果となりました。また14年度も減収、減益となる見込

みです。この背景には、トマトブームの反動や既存商品の魅力

度低下を新商品でカバーできなかったほか、原料調達価格の

高騰や天候不順などの影響がありました。この振り返りで深め

た認識は、当社は社会に価値提供を行う前提条件である「安

定した収益を確保する基盤」が脆弱で、外部環境の変化に弱

いという反省でした。これを受けて、「Next50」は計画の前提

となる自社の実力の見極めが不十分であったと考えて白紙化

し、グローバルブランドへの飛躍を目指す長期的視点は継承し

つつ、「働き方の改革」と「収益構造の改革」を開始しました。

中期経営方針 新たな中期経営方針では当社が持続的に成長するため

の収益獲得基盤の強化に力点を置き、以下の3つの重点課

題に取り組みます。

 1つ目は「バリューアップ」で、既存商品の価値向上を通じ

て収益性を高めます。既に進めている、野菜飲料のペットボ

トルを二人世帯でもおいしく飲み切れる容量で提供する「ス

マートPET化」や、「旬の時期にしか味わえない国産原料を

使ったストレートのトマトジュース」を濃縮還元のトマトジュー

スと異なる商品ラインで提供する「トマトジュースのプレミア

ム化」などを継続して進めます。

 2つ目は「生産性の向上」で、原価低減や滞留品処分費用

の極小化、広告投資の効率化、商品の絞り込みなどを行うと

ともに、固定費の発生構造にまで踏み込んだ中長期的な収

益構造改革を進めるため、「働き方の改革」も推進します。

20時以降の残業禁止や働きやすい勤務体制を導入するほ

か、社長直轄の業務改革室を設置し、業務の必要性と価値

を第三者が評価し、不要な仕事を見直すことで「生産性の3

割向上」に取り組みます。同時に人事評価制度も改定し、職

位に応じて「職務+成果型」の評価割合を高め、新しい働き

方への意識を定着させ、年齢・人種・国籍・性別等に関係なく

活躍できる職場づくりを進めます。

 3つ目は「イノベーション」です。トマトは世界で消費量

No.1の野菜で、今後も毎年、日本の年間消費量に匹敵する

100万トンずつ消費量が増えると予測されています。日本で

も「販売金額1位の野菜」であり、「トマトのことなら何でもカ

ゴメに」と言っていただける状況を実現し、トマトで培った強

みをほかの野菜にも展開することが事業機会の創出に直結

します。このような認識の下、以下の中期的な重点成長領域

に経営資源を集中させ、部門間の連携を強化することで、当

社が持続的に成長する基盤づくりを進めます。

 第一は「グローバルトマトサプライヤー」の実現です。新

興国では経済発展に伴うライフスタイルの変化で生活習慣

病や肥満などの問題が増加し、健康へのニーズが高まって

います。当社は、原料生産から販売に至る全ての事業プロセ

スを持つ強みを活かし、地域の気候風土や消費者の嗜好に

合った品種開発など、各市場に合ったビジネスを速やかに構

築し、グループ全体の成長を牽引します。

 第二は「農業の成長産業化」です。「ジュース用トマト原料

真の自主自立を実現する これらの取り組みを進めるに当たって最も大切なことは、

適切な経済的利益を持続的に獲得する実力を身につけなけ

れば、社会に価値を提供し続けることはできない、という意識

を持つことです。「自主自立」「人中心の経営」など、当社が

これまで強みとしてきた企業文化は働きやすい雰囲気を高め

る一方で、業務に壁をつくり部門を超えた連携が進まない、

責任の所在を曖昧にするといった風潮を生み、変化への対応

力や競争力を弱める要因となっていました。今回、国内事業

間の連携を進める国内事業統括を設置し私が就いたのも、横

の連携を深め、このような体質を打破することが狙いです。

 当社は、経営の中心に「人」を置くことで成長してきた会社

であり、従業員の成長こそがカゴメの成長に他なりません。従

業員が適切な経済的利益を持続的に獲得する実力を身につ

けて初めて、ステークホルダーの信頼に応え、ひいては社会

への責任を果たすことにつながるのです。各自が環境変化を

的確にとらえ、企業理念の実現に向けてスピーディーな連携

が取れてこそ、真の「自主・自立」が成り立ちます。

の全量国産化」を推進し、国内における加工用トマトの契約

栽培の維持・拡大を進めるほか、生食用トマトやベビーリーフ

をはじめとしたカット野菜・パックサラダ素材の栽培を進めて

います。また、地域の特産品を当社の商品原料として全国に

お届けする「地産全消」では、収益確保と地域活性化への

貢献を今後も進めます。

 第三は「国内業務用事業の拡大」です。日本では働く女性

や高齢者、単身・二人世帯の増加で、家庭で料理をしない世

帯が増え、外食・中食市場が拡大しています。この業務用市

場で使われるトマト・野菜をカゴメが全て供給できるように、市

場のニーズに深く対応した商品を開発し、「トマトのことなら

何でもカゴメに」と言っていただける状況を目指します。

 第四は「フレッシュ化への挑戦」です。生ジュース感覚の商

品開発など、これまでにないフレッシュさを感じていただける

イノベーションにより、新たな需要創造を実現していきます。

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KAGOME SUSTAINABILITY 2014

Page 6: カゴメサステナビリティレポート2014ダイジェスト版 - …カゴメサステナビリティレポート 2014 フルレポート(100ページ) サステナビリティの実現に向けたカゴメの活動全体をご紹介

カゴメの考えるサステナビリティとは、「共助」の精神に基

づいて、企業理念を具現化し、事業活動と一体となって、個人

としても、企業としても、持続可能な「人・社会・地球環境の

健康長寿に貢献する」ことです。

カゴメは、100年以上もの間、トマトをはじめとした野菜・

フルーツなど、たくさんの自然の恵みを利用して、商品づくり

を続けてきました。人々や地球の命や健康を維持することに、

大きな危機感が芽生え始めている今だからこそ、カゴメは人と

社会と地球環境が健康で、いつまでも持続できる社会の実現

を目指し、事業を通じて貢献していきたいと考えています。⦆

1899年の創業以来、「自然の恵みである農産物の価値を活かして人々の健康に貢献したい思い」を商品に込め、生活者の皆さまにお届けしています。

トマト関連 調味料※1

トマト ソース※1

トマト ケチャップ※1

トマト ジュース※2

野菜ミックス ジュース※2

野菜果実 ミックスジュース※2

1899年創業者蟹江一太郎、西洋野菜の栽培に着手

1903年トマトソース

2009年トマト鍋2001年

カゴメデリ

1996年サルサ

1961年ミートソース

1973年野菜ジュース

1933年トマトジュース

1908年トマトケチャップ・ウスターソース

1995年野菜果実ミックスジュース(野菜生活)

2004年野菜一日これ一本(杯)

2014年サラダ野菜

2006年植物性乳酸菌ラブレ

国内生鮮野菜事業

国内通販事業

国内業務用事業 海外事業国内ギフト

事業

国内TOPシェア商品群2013年計

カゴメの考えるサステナビリティとカゴメの理念体系

ブランドステートメント

51.1

1998年生鮮トマト

1998年健康直送便

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

行動規範

中期経営方針

ブランドステートメント

企業理念

人・社会・地球環境の健康長寿に貢献

商品から見たこれまでのあゆみ

%59.3

%86.0

%54.9

%51.0

%58.1

%

国内食品事業 国内飲料事業企業理念 ~時代を経ても変わらずに継承される「経営のこころ」~

私たちは、自然の恵みと多くの人々との出会いに感謝し、自然生態系と人間性を尊重します。

私たちは、自然の恵みを活かして、時代に先がけた深みのある価値を創造し、お客さまの健康に貢献します。

私たちは、おたがいの個性・能力を認め合い、公正・透明な企業活動につとめ開かれた企業を目指します。

自 然感 謝 開かれた企業

※1 出典:インテージSRI(食品)/2013年1月-12月/金額ベース※2 出典:インテージSRI(清涼飲料)/2013年1月-12月/金額ベース

自然の恵みがもつ抗酸化力や免疫力を活用して、食と健康を深く追求すること。

自然に反する添加物や技術にたよらず、体にやさしいおいしさを実現すること。

地球環境と体内環境に十分に配慮して、食の楽しさの新しい需要を創造すること。

おいしく自然を 楽しく

これがカゴメのお客さまへの約束です。

1966年プラスチックチューブ入りケチャップ(世界初)

1969年リンゴミックス

ジュース

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Page 7: カゴメサステナビリティレポート2014ダイジェスト版 - …カゴメサステナビリティレポート 2014 フルレポート(100ページ) サステナビリティの実現に向けたカゴメの活動全体をご紹介

カゴメの考えるサステナビリティとは、「共助」の精神に基

づいて、企業理念を具現化し、事業活動と一体となって、個人

としても、企業としても、持続可能な「人・社会・地球環境の

健康長寿に貢献する」ことです。

カゴメは、100年以上もの間、トマトをはじめとした野菜・

フルーツなど、たくさんの自然の恵みを利用して、商品づくり

を続けてきました。人々や地球の命や健康を維持することに、

大きな危機感が芽生え始めている今だからこそ、カゴメは人と

社会と地球環境が健康で、いつまでも持続できる社会の実現

を目指し、事業を通じて貢献していきたいと考えています。⦆

1899年の創業以来、「自然の恵みである農産物の価値を活かして人々の健康に貢献したい思い」を商品に込め、生活者の皆さまにお届けしています。

トマト関連 調味料※1

トマト ソース※1

トマト ケチャップ※1

トマト ジュース※2

野菜ミックス ジュース※2

野菜果実 ミックスジュース※2

1899年創業者蟹江一太郎、西洋野菜の栽培に着手

1903年トマトソース

2009年トマト鍋2001年

カゴメデリ

1996年サルサ

1961年ミートソース

1973年野菜ジュース

1933年トマトジュース

1908年トマトケチャップ・ウスターソース

1995年野菜果実ミックスジュース(野菜生活)

2004年野菜一日これ一本(杯)

2014年サラダ野菜

2006年植物性乳酸菌ラブレ

国内生鮮野菜事業

国内通販事業

国内業務用事業 海外事業国内ギフト

事業

国内TOPシェア商品群2013年計

カゴメの考えるサステナビリティとカゴメの理念体系

ブランドステートメント

51.1

1998年生鮮トマト

1998年健康直送便

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

行動規範

中期経営方針

ブランドステートメント

企業理念

人・社会・地球環境の健康長寿に貢献

商品から見たこれまでのあゆみ

%59.3

%86.0

%54.9

%51.0

%58.1

%

国内食品事業 国内飲料事業企業理念 ~時代を経ても変わらずに継承される「経営のこころ」~

私たちは、自然の恵みと多くの人々との出会いに感謝し、自然生態系と人間性を尊重します。

私たちは、自然の恵みを活かして、時代に先がけた深みのある価値を創造し、お客さまの健康に貢献します。

私たちは、おたがいの個性・能力を認め合い、公正・透明な企業活動につとめ開かれた企業を目指します。

自 然感 謝 開かれた企業

※1 出典:インテージSRI(食品)/2013年1月-12月/金額ベース※2 出典:インテージSRI(清涼飲料)/2013年1月-12月/金額ベース

自然の恵みがもつ抗酸化力や免疫力を活用して、食と健康を深く追求すること。

自然に反する添加物や技術にたよらず、体にやさしいおいしさを実現すること。

地球環境と体内環境に十分に配慮して、食の楽しさの新しい需要を創造すること。

おいしく自然を 楽しく

これがカゴメのお客さまへの約束です。

1966年プラスチックチューブ入りケチャップ(世界初)

1969年リンゴミックス

ジュース

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Page 8: カゴメサステナビリティレポート2014ダイジェスト版 - …カゴメサステナビリティレポート 2014 フルレポート(100ページ) サステナビリティの実現に向けたカゴメの活動全体をご紹介

農業・食料に関する問題● 食料の配分の不均衡● 気候変動による食料不足● 日本国内における農業の衰退  (耕作放棄地/後継者の不足)● 農業による環境汚染

カゴメグループは地球環境から得られる自然の恵みであるトマトと野菜、フルーツを活かした商品をつくり、生活者に届け

ることで、人々の健康長寿に貢献することと、その事業を維持・進化させるために農業から携わることで農業と地球環境

の持続可能性に貢献することを両立させています。このサイクルを回し、「社会価値」の提供と需要創造による「経済価

値」を両立させる構造をつくり育てていくことで、持続的な成長を目指しています。

サステナビリティへの取り組み

カゴメグループの垂直統合型のバリューチェーン

商品生産・品質管理一次加工・調達農業(栽培指導) マーケティング・販売

カゴメは農業から手がける

垂直統合型のバリューチェーンにより、

原料であるトマトと野菜を

よりおいしく、より栄養価の高いものに

みがきあげて商品をつくり、生活者に

安定して提供し続けています。

カゴメが提供する

自然の恵みを活かしたさまざまな

商品は、旬と栄養成分にこだわった

トマトと野菜をベースとし、人々の

健康長寿の実現に貢献することを

目指しています。

農 業(栽培指導)

商 品

特 集

健康に関する問題● 日本人の生活習慣病罹患者の  増加と若年化● 日本人の野菜摂取量の慢性的な不足● 日本国内における医療費の増加● 世界各国における収入の格差・食生活  の偏りによる栄養不足や栄養過多

カゴメの農業・食料に関する実践● 安定した原料調達のための拠点の拡大● 種や栽培技術の進化と普及活動● 農産物の収穫の効率化● 生鮮野菜事業のスマートアグリ化の推進

カゴメの人の健康に関する実践● トマトと野菜の機能性研究● トマト加工量52万トン(世界第11位)

● 日本国内における緑黄色野菜供給量11.3% (トマト30.6%、ニンジン16.3%、ピーマン4.7%)

トマトの分画・加工 さまざまな姿に変化可能なトマト

経営資源への再投資     

トマトと野菜・フルーツをベースとした商品

企業の継続的な発展と社会への継続的な価値提供

種から支えるものづくり

畑は第一の工場

世界各地での農業と地球環境の保全

世界中の人々の健康増進

※Fresh Tomatoes Processed Tomatoland Information Services, May 26, 2014

※農林水産省「食料需給表」(H24年度版)、「野菜生産出荷統計」(H24年度)、 財務省「貿易統計」(H24年度) カゴメの供給量はH24年度使用実績より算出

研究開発 品種開発 種 苗

● トマトエキス● ホールトマト

● リコピン● パウダー

● ピューレー● パサータ

● ペースト● ドライトマト

● ジュース● カットトマト

育 苗

調 達逆浸透膜

濃縮液

ジュース

一次加工(非加熱濃縮法)

商品生産

種 苗

研究開発

マーケティング販 売

人々の健康長寿

7 8

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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農業・食料に関する問題● 食料の配分の不均衡● 気候変動による食料不足● 日本国内における農業の衰退  (耕作放棄地/後継者の不足)● 農業による環境汚染

カゴメグループは地球環境から得られる自然の恵みであるトマトと野菜、フルーツを活かした商品をつくり、生活者に届け

ることで、人々の健康長寿に貢献することと、その事業を維持・進化させるために農業から携わることで農業と地球環境

の持続可能性に貢献することを両立させています。このサイクルを回し、「社会価値」の提供と需要創造による「経済価

値」を両立させる構造をつくり育てていくことで、持続的な成長を目指しています。

サステナビリティへの取り組み

カゴメグループの垂直統合型のバリューチェーン

商品生産・品質管理一次加工・調達農業(栽培指導) マーケティング・販売

カゴメは農業から手がける

垂直統合型のバリューチェーンにより、

原料であるトマトと野菜を

よりおいしく、より栄養価の高いものに

みがきあげて商品をつくり、生活者に

安定して提供し続けています。

カゴメが提供する

自然の恵みを活かしたさまざまな

商品は、旬と栄養成分にこだわった

トマトと野菜をベースとし、人々の

健康長寿の実現に貢献することを

目指しています。

農 業(栽培指導)

商 品

特 集

健康に関する問題● 日本人の生活習慣病罹患者の  増加と若年化● 日本人の野菜摂取量の慢性的な不足● 日本国内における医療費の増加● 世界各国における収入の格差・食生活  の偏りによる栄養不足や栄養過多

カゴメの農業・食料に関する実践● 安定した原料調達のための拠点の拡大● 種や栽培技術の進化と普及活動● 農産物の収穫の効率化● 生鮮野菜事業のスマートアグリ化の推進

カゴメの人の健康に関する実践● トマトと野菜の機能性研究● トマト加工量52万トン(世界第11位)

● 日本国内における緑黄色野菜供給量11.3% (トマト30.6%、ニンジン16.3%、ピーマン4.7%)

トマトの分画・加工 さまざまな姿に変化可能なトマト

経営資源への再投資     

トマトと野菜・フルーツをベースとした商品

企業の継続的な発展と社会への継続的な価値提供

種から支えるものづくり

畑は第一の工場

世界各地での農業と地球環境の保全

世界中の人々の健康増進

※Fresh Tomatoes Processed Tomatoland Information Services, May 26, 2014

※農林水産省「食料需給表」(H24年度版)、「野菜生産出荷統計」(H24年度)、 財務省「貿易統計」(H24年度) カゴメの供給量はH24年度使用実績より算出

研究開発 品種開発 種 苗

● トマトエキス● ホールトマト

● リコピン● パウダー

● ピューレー● パサータ

● ペースト● ドライトマト

● ジュース● カットトマト

育 苗

調 達逆浸透膜

濃縮液

ジュース

一次加工(非加熱濃縮法)

商品生産

種 苗

研究開発

マーケティング販 売

人々の健康長寿

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KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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トマトジュース原料の全量国産化を目指して

(有)アグリ―ドなるせ 代表取締役社長 安部 俊郎さん

機械収穫に向けて、今後のカゴメの対策に期待 ~生産者の声~

 カゴメが生産するトマトジュースの原料は、国内産トマトが約27%(缶・PET・紙容器

などの合計/2012年実績)程度で、不足分は海外産原料を使用しています。これは、

国内のトマト契約栽培生産者の高齢化や後継者不足により生産者数・栽培面積が伸び

悩んでいること、加工用トマトの内外価格差が主要因となっています。カゴメは、永続

的にトマトジュース原料の調達を実現するため、継続的な高付加価値品種の開発、

収穫期間の拡大、面積当たり単収量の拡大を課題として、トマトジュース用の原料トマ

トの産地・生産者・栽培方法を自ら開拓し、国内農業の持続可能性を高めることを目指し

ています。これにより、カゴメトマトジュースの原料全ての国産化を目指し、品質や鮮度

にこだわった高付加価値型の商品など、新たなトマトジュースの魅力の開発につなげ

ていくことが可能となります。

全量国産化による付加価値の創出に向けて

2014年11月、カゴメトマトジュースプレミアムが第6回「フード・アクション・ニッポン アワード2014」の大賞を受賞しました。受賞の理由は、国内農産物などの消費拡大に貢献したこと、ならびに農業と地域の活性化にもプラスの影響を与えたことです。

350

300

250

200

150

100

50

0

350

300

250

200

150

100

50

02011 20132012 2014 2016(計画)

国内産トマトジュース原料の調達量と栽培面積の推移トマトジュース用国内原料の調達量

12,00010,000

8,0006,0004,0002,000

02010 20122011 2013 2014

(見込)

国内の流通量の10%を目指す、生鮮トマトの生産

 カゴメは、2014年から生鮮野菜事業の拡大に向けてさらなる一歩を踏み出しました。

その第一弾として3月に発売した「ベビーリーフ」は、成長した葉と比べ重量あたりの

栄養成分が多く含まれ、機能性野菜として海外では人気があり、国内でも洗うだけで

食べられる手軽さから市場が拡大しています。8月には「カット野菜・パックサラダ」事業

への参入を発表。美容に関心の高い女性や健康志向の高いシニア層をターゲットに、

高付加価値を特徴とするサラダ商材のシリーズ展開を行い、野菜を食べる機会の創出

を通じて野菜の消費量の増加につながる活動を継続しています。

機能性・手軽さに特化した高付加価値野菜へ参入

栽培風景

2014年3月に発売した「サラダバンクシリーズ」

 カゴメの生鮮野菜事業は、加工用トマトの品種開発力、農業技術力を応用し、大規模

ハイテク菜園での環境保全型のコンピューター管理による新しい農業形態の確立を目

指してきました。事業開始から数年間は製販調整が軌道に乗らず、廃棄などのロスが発

生しましたが、2012年に黒字化を達成。カゴメの生鮮トマト「こくみトマト」などを全国

の小売店を通じて販売しています。現在の生鮮トマトのカゴメの供給量は約1万4千t

(国内の総供給量の2.5%程度)で、カゴメは10年以内に全体の10%の6万tまで増や

すことを視野に入れています。2014年11月時点で大型菜園は11カ所(単収25~

50t/10a)。現在、より高単収な最新型の大型菜園(目標単収70t/10a)の導入と、

夏季の安定供給が可能な供給体制の整備に着手しています。カゴメは本事業の拡大を

通じ、国内の農業の成長産業化と安定した雇用の創出を目指しています。

カゴメトマトジュースの売上高の推移

カゴメトマトジュースプレミアムが「フード・アクション・ニッポン アワード2014」の大賞を受賞

トマトブーム一巡後の売上の伸びが落ち着いた環境下での、国産原料の価値を活かしたバリューアップと、収穫期・単収量拡大によるコストリダクションを目指した、地域と協働した農業の持続可能性への貢献。

事 例

1 生鮮トマト・野菜分野での挑戦事 例

2

12,000

10,000

8,000

6,000

4,000

2,000

0

(百万円)(ha)(百t)

(年度)2009 20112010 2012 2014(見込)2013

生鮮野菜事業の売上高の推移

生鮮トマト・野菜に特化した農事業を、飲料・食品に続く新たな収益源に育てる経済価値

国内農業の成長産業化への貢献社会価値

国産トマトの有用性を活かし、トマトジュースのバリューアップを図ることにより、新たなる需要を促進経済価値

国内農業の持続可能性の追求社会価値

課題認識

課題認識

生鮮野菜事業の売上

大規模ハイテク菜園内部

高リコピントマト オレンジまこちゃん

2013年度2016年度目標

3万t1万9千t2012年度

2014年度見込

100億円規模89億円

※2011年度は東日本大震災の影響で、福島県産トマトの契約栽培を中止した影響で一時的に減少

トマトジュースプレミアムの売上高の推移

2014年に発売したストレートトマトジュース

「トマトジュースプレミアム」

(百万円)

(年度)

(年度)

(年度)

 東日本大震災の被災農地40haを含む100haの圃場で水稲をはじめとした麦、大豆の2年3作体系の農業を行い、そこに野菜を組み合わせ、従業員6名、臨時職員7名の雇用を継続しています。2014年にはカゴメのジュース用トマ

トを作付けし、その一部は機械収穫用品種の栽培を実施。栽培面積の拡大のためには機械収穫が必須ですが、近隣に選果場を設置するなど、トマトの運搬の頻度アップが課題となります。今後のカゴメの対策に期待しています。

1,000750500250

02013 2014(見込)

(百万円)

特 集 サステナビリティへの取り組み

 カゴメは現在、北日本を中心にトマトジュースの原料の産地拡大を進め、2014年

度はより大規模で機械化された営農が可能な北海道において試験栽培を実施し、数

年後の供給開始を視野に品種・栽培方法の調整に入っています。また、東北地方にお

いて、地元の農業法人との連携によるジュース用トマトの産地の拡大にも着手。宮

城、岩手、青森県においては、2013年度に4.77haであった栽培面積を、2014年

度は約4倍の19.17haへと広げています。

北日本に広がるジュース用トマトの産地

● 大規模ハイテク菜園による生鮮トマトの生産・販売に加え、機能性成分や手軽さなどの特徴がある「カット野菜・パックサラダ」分野へ参入。

● 単収量の拡大、製販調整の精度向上、高付加価値商品の開発による収益向上を目指した、「強い農業」を実現する。

原料調達量 栽培面積

こくみトマト

大規模ハイテク菜園の環境保全の取り組み(一部の菜園のみの取り組みも含む)● クリーンエネルギー(液化石油ガス・LPガス・天然ガス)を使用● ボイラー燃焼時のCO2を光合成に利用● 節水のため温室の屋根にたまった雨水を利用

● 太陽光発電所の電気を活用(響灘菜園)● 温室内に和種クロマルハナバチを放し、自然受粉を促進し、生態系を保全● 除去した茎や葉は微生物で分解し、肥料として再資源化(いわき小名浜菜園)

9 10

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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トマトジュース原料の全量国産化を目指して

(有)アグリ―ドなるせ 代表取締役社長 安部 俊郎さん

機械収穫に向けて、今後のカゴメの対策に期待 ~生産者の声~

 カゴメが生産するトマトジュースの原料は、国内産トマトが約27%(缶・PET・紙容器

などの合計/2012年実績)程度で、不足分は海外産原料を使用しています。これは、

国内のトマト契約栽培生産者の高齢化や後継者不足により生産者数・栽培面積が伸び

悩んでいること、加工用トマトの内外価格差が主要因となっています。カゴメは、永続

的にトマトジュース原料の調達を実現するため、継続的な高付加価値品種の開発、

収穫期間の拡大、面積当たり単収量の拡大を課題として、トマトジュース用の原料トマ

トの産地・生産者・栽培方法を自ら開拓し、国内農業の持続可能性を高めることを目指し

ています。これにより、カゴメトマトジュースの原料全ての国産化を目指し、品質や鮮度

にこだわった高付加価値型の商品など、新たなトマトジュースの魅力の開発につなげ

ていくことが可能となります。

全量国産化による付加価値の創出に向けて

2014年11月、カゴメトマトジュースプレミアムが第6回「フード・アクション・ニッポン アワード2014」の大賞を受賞しました。受賞の理由は、国内農産物などの消費拡大に貢献したこと、ならびに農業と地域の活性化にもプラスの影響を与えたことです。

350

300

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200

150

100

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0

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150

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02011 20132012 2014 2016(計画)

国内産トマトジュース原料の調達量と栽培面積の推移トマトジュース用国内原料の調達量

12,00010,000

8,0006,0004,0002,000

02010 20122011 2013 2014

(見込)

国内の流通量の10%を目指す、生鮮トマトの生産

 カゴメは、2014年から生鮮野菜事業の拡大に向けてさらなる一歩を踏み出しました。

その第一弾として3月に発売した「ベビーリーフ」は、成長した葉と比べ重量あたりの

栄養成分が多く含まれ、機能性野菜として海外では人気があり、国内でも洗うだけで

食べられる手軽さから市場が拡大しています。8月には「カット野菜・パックサラダ」事業

への参入を発表。美容に関心の高い女性や健康志向の高いシニア層をターゲットに、

高付加価値を特徴とするサラダ商材のシリーズ展開を行い、野菜を食べる機会の創出

を通じて野菜の消費量の増加につながる活動を継続しています。

機能性・手軽さに特化した高付加価値野菜へ参入

栽培風景

2014年3月に発売した「サラダバンクシリーズ」

 カゴメの生鮮野菜事業は、加工用トマトの品種開発力、農業技術力を応用し、大規模

ハイテク菜園での環境保全型のコンピューター管理による新しい農業形態の確立を目

指してきました。事業開始から数年間は製販調整が軌道に乗らず、廃棄などのロスが発

生しましたが、2012年に黒字化を達成。カゴメの生鮮トマト「こくみトマト」などを全国

の小売店を通じて販売しています。現在の生鮮トマトのカゴメの供給量は約1万4千t

(国内の総供給量の2.5%程度)で、カゴメは10年以内に全体の10%の6万tまで増や

すことを視野に入れています。2014年11月時点で大型菜園は11カ所(単収25~

50t/10a)。現在、より高単収な最新型の大型菜園(目標単収70t/10a)の導入と、

夏季の安定供給が可能な供給体制の整備に着手しています。カゴメは本事業の拡大を

通じ、国内の農業の成長産業化と安定した雇用の創出を目指しています。

カゴメトマトジュースの売上高の推移

カゴメトマトジュースプレミアムが「フード・アクション・ニッポン アワード2014」の大賞を受賞

トマトブーム一巡後の売上の伸びが落ち着いた環境下での、国産原料の価値を活かしたバリューアップと、収穫期・単収量拡大によるコストリダクションを目指した、地域と協働した農業の持続可能性への貢献。

事 例

1 生鮮トマト・野菜分野での挑戦事 例

2

12,000

10,000

8,000

6,000

4,000

2,000

0

(百万円)(ha)(百t)

(年度)2009 20112010 2012 2014(見込)2013

生鮮野菜事業の売上高の推移

生鮮トマト・野菜に特化した農事業を、飲料・食品に続く新たな収益源に育てる経済価値

国内農業の成長産業化への貢献社会価値

国産トマトの有用性を活かし、トマトジュースのバリューアップを図ることにより、新たなる需要を促進経済価値

国内農業の持続可能性の追求社会価値

課題認識

課題認識

生鮮野菜事業の売上

大規模ハイテク菜園内部

高リコピントマト オレンジまこちゃん

2013年度2016年度目標

3万t1万9千t2012年度

2014年度見込

100億円規模89億円

※2011年度は東日本大震災の影響で、福島県産トマトの契約栽培を中止した影響で一時的に減少

トマトジュースプレミアムの売上高の推移

2014年に発売したストレートトマトジュース

「トマトジュースプレミアム」

(百万円)

(年度)

(年度)

(年度)

 東日本大震災の被災農地40haを含む100haの圃場で水稲をはじめとした麦、大豆の2年3作体系の農業を行い、そこに野菜を組み合わせ、従業員6名、臨時職員7名の雇用を継続しています。2014年にはカゴメのジュース用トマ

トを作付けし、その一部は機械収穫用品種の栽培を実施。栽培面積の拡大のためには機械収穫が必須ですが、近隣に選果場を設置するなど、トマトの運搬の頻度アップが課題となります。今後のカゴメの対策に期待しています。

1,000750500250

02013 2014(見込)

(百万円)

特 集 サステナビリティへの取り組み

 カゴメは現在、北日本を中心にトマトジュースの原料の産地拡大を進め、2014年

度はより大規模で機械化された営農が可能な北海道において試験栽培を実施し、数

年後の供給開始を視野に品種・栽培方法の調整に入っています。また、東北地方にお

いて、地元の農業法人との連携によるジュース用トマトの産地の拡大にも着手。宮

城、岩手、青森県においては、2013年度に4.77haであった栽培面積を、2014年

度は約4倍の19.17haへと広げています。

北日本に広がるジュース用トマトの産地

● 大規模ハイテク菜園による生鮮トマトの生産・販売に加え、機能性成分や手軽さなどの特徴がある「カット野菜・パックサラダ」分野へ参入。

● 単収量の拡大、製販調整の精度向上、高付加価値商品の開発による収益向上を目指した、「強い農業」を実現する。

原料調達量 栽培面積

こくみトマト

大規模ハイテク菜園の環境保全の取り組み(一部の菜園のみの取り組みも含む)● クリーンエネルギー(液化石油ガス・LPガス・天然ガス)を使用● ボイラー燃焼時のCO2を光合成に利用● 節水のため温室の屋根にたまった雨水を利用

● 太陽光発電所の電気を活用(響灘菜園)● 温室内に和種クロマルハナバチを放し、自然受粉を促進し、生態系を保全● 除去した茎や葉は微生物で分解し、肥料として再資源化(いわき小名浜菜園)

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KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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地産全消で地域の農業を応援する

野菜生活100季節限定シリーズ(2013年4月~2014年10月)

 日本国内には数多くの野菜やフルーツの特産品が存在します。カゴメは自ら国内の

農業の活性化を担うのみならず、全国の自治体やJAと協定を結び、各地の特産品の

魅力をカゴメブランドの商品として全国にお届けする「地産全消」活動を2010年度

にスタートさせました。「野菜生活100季節限定シリーズ」は、地産全消商品の代表と

して、2013年度には1.3億本を超える販売本数となりました。しかしながら、季節限定

商品のリスクの一つである販売の見込みと実績のギャップにより、利益の圧迫をまね

いています。カゴメでは今後も「地産全消」をシステムとして継続するために、営業部

門での小売店における販売予測の精度向上、原料調達のリードタイムの短縮などを

急務として、改善に努めています。また、2014年度は2010年の取り組み開始以来

の販売数量の減少が見込まれ、新たな地域の特産品の開拓に加え、商品の味の設計

に踏み込んだ改良を課題として認識しています。

季節限定商品に特有の製販調整が課題

1億3,200万本/年

海外産原料の安定供給に向けた取り組み

海外事業の拡大を通じたビジネス展開国の発展

 カゴメグループは、1899年の創業以来、トマトの生産にこだわり、2013年現在では

世界11位※の加工量を誇る企業に成長しました。その大きな要因には、自然の摂理を守

りながら持続可能性を目指した農業技術を推進してきたことが挙げられます。カゴメオー

ストラリア社は、先進的なユニリーバ社の持続可能な農業基準に100%対応しており、

点滴灌漑の利用による水や肥料の管理と輪作による土壌改善の設備・技術を導入し、長

期間にわたる栽培が可能な農業を進めています。HIT社(ポルトガル)もグローバル

GAP(Good Agricultural Practice)に基づいた農業を推進しています。また、カゴメ

は2013年に米国の種苗会社UG社(United Genetics)を子会社化し、栽培地域の気

候や土壌に適したトマトと野菜の品種開発と、栽培技術の確立に着手。さらなる安定供

給技術の高度化に向け、種子のレベルから取り組んでいます。

事 例

3 世界各地での農業の持続可能性を目指して事 例

4

1億1,830万本30,000

25,000

20,000

15,000

10,000

5,000

0

(百万円)

(年度)2009 20112010 2012 2013

海外事業の売上高の推移2013年度海外事業売上高2013年販売本数実績

トマトと野菜の垂直統合型ビジネスの規模拡大による安定した原料調達の実現と海外事業の成長経済価値

世界各国の気候・土壌に適したトマトと野菜の栽培による農業の持続的な発展社会価値

地域特産品を使った特色ある商品を全国で販売し、商品と特産品の需要の裾野を広げる経済価値

地域特産品のジュース原料購入による地域農業への経済的な貢献と特産品の知名度の向上社会価値

 カゴメは、1989年からトマト加工品(一次加工・最終製品)を北米において販売開始

し、現在では欧州、アジア、オセアニアの顧客に販売する事業も行っています。2013年

には、インドにおいて現地大手メーカーなどとルチカゴメ社を合弁で設立し、業務用を中

心に家庭用においても事業の拡大を目指しています。カゴメの海外におけるビジネス展

開は、マーケットイン・地産地消に加え、現地での人材育成を含め、持続可能な現地産業

としての成立を基本としています。これらを通じて、ビジネス展開国における農業生産体

制の強化、加工技術などの普及、雇用の促進などに貢献することを目指しています。

※出典:Tomatoland Information  Services, May 26, 2014

インド・ムンバイで行われた、ルチカゴメ社の調印式

「野菜生活100瀬戸内レモンミックス」 ~広島県とカゴメの取り組み~ 広島県 総務局 経営企画チーム

280億円課題認識

地域の農業を応援し、日本の農業の持続可能性を高めるため、継続的かつ計画的に地域特産品原料の調達、商品化を行い、無駄なく販売することにより持続的な利益を確保し、全国での消費を促進する。

課題認識

● 商品の原料の安定供給を持続的に行うため、各国の環境に適したトマトと野菜の品種の開発と栽培方法の確立を行う。

● 世界各国地域において、種子開発と農業から始まる地産地消型の持続可能なトマトと野菜のビジネスを広げ、事業の拡大を図る。

140

120

100

80

60

40

20

0

350

300

250

200

150

100

50

0

野菜生活100季節限定シリーズの販売本数と営業利益(百万円)(百万本)

(年度)2010 20122011 2013 2014(計画)

特 集 サステナビリティへの取り組み

※セグメント間取引は相殺消去した数値です

販売本数 営業利益

 広島県では、国産シェア約5割と生産量日本一を誇る「瀬戸内 広島レモン」を中心とした、かんきつ産地の活性化を図るため、さまざまな取り組みを進めており、その一環として「瀬戸内 広島レモン」のPRを行ってい

ます。2012年にカゴメと「野菜生活100瀬戸内レモンミックス」の商品化を含めた「瀬戸内レモン協定」を締結し、この商品は1,600万本もの販売を記録。県庁内でも印象深い取り組みとなりました。

United Genetics社をカゴメグループに加え、垂直統合を前進 2013年11月、カゴメグループに加わった米国UG社(デラウエア州)はトマトと野菜の非遺伝子組み換え種子を自社開発し、世界80カ国以上で販売事業を展開する野菜種苗会社です。これにより種子を起点

としたカゴメグループの事業は、既存の拠点に加え、北米、南米、南ヨーロッパ、インドにも広がり、それらの各国において安定した供給ならびに利益を生み出す体制が整いました。

地産全消商品の生産者・自治体・カゴメの連携

生産者

地 域

カゴメ

全国のお客さま

自治体JA

協定

商品化

デコポン/熊本とちおとめ/栃木さくらんぼ/山形

広島県と「瀬戸内レモン協定」を締結

11 12

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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地産全消で地域の農業を応援する

野菜生活100季節限定シリーズ(2013年4月~2014年10月)

 日本国内には数多くの野菜やフルーツの特産品が存在します。カゴメは自ら国内の

農業の活性化を担うのみならず、全国の自治体やJAと協定を結び、各地の特産品の

魅力をカゴメブランドの商品として全国にお届けする「地産全消」活動を2010年度

にスタートさせました。「野菜生活100季節限定シリーズ」は、地産全消商品の代表と

して、2013年度には1.3億本を超える販売本数となりました。しかしながら、季節限定

商品のリスクの一つである販売の見込みと実績のギャップにより、利益の圧迫をまね

いています。カゴメでは今後も「地産全消」をシステムとして継続するために、営業部

門での小売店における販売予測の精度向上、原料調達のリードタイムの短縮などを

急務として、改善に努めています。また、2014年度は2010年の取り組み開始以来

の販売数量の減少が見込まれ、新たな地域の特産品の開拓に加え、商品の味の設計

に踏み込んだ改良を課題として認識しています。

季節限定商品に特有の製販調整が課題

1億3,200万本/年

海外産原料の安定供給に向けた取り組み

海外事業の拡大を通じたビジネス展開国の発展

 カゴメグループは、1899年の創業以来、トマトの生産にこだわり、2013年現在では

世界11位※の加工量を誇る企業に成長しました。その大きな要因には、自然の摂理を守

りながら持続可能性を目指した農業技術を推進してきたことが挙げられます。カゴメオー

ストラリア社は、先進的なユニリーバ社の持続可能な農業基準に100%対応しており、

点滴灌漑の利用による水や肥料の管理と輪作による土壌改善の設備・技術を導入し、長

期間にわたる栽培が可能な農業を進めています。HIT社(ポルトガル)もグローバル

GAP(Good Agricultural Practice)に基づいた農業を推進しています。また、カゴメ

は2013年に米国の種苗会社UG社(United Genetics)を子会社化し、栽培地域の気

候や土壌に適したトマトと野菜の品種開発と、栽培技術の確立に着手。さらなる安定供

給技術の高度化に向け、種子のレベルから取り組んでいます。

事 例

3 世界各地での農業の持続可能性を目指して事 例

4

1億1,830万本30,000

25,000

20,000

15,000

10,000

5,000

0

(百万円)

(年度)2009 20112010 2012 2013

海外事業の売上高の推移2013年度海外事業売上高2013年販売本数実績

トマトと野菜の垂直統合型ビジネスの規模拡大による安定した原料調達の実現と海外事業の成長経済価値

世界各国の気候・土壌に適したトマトと野菜の栽培による農業の持続的な発展社会価値

地域特産品を使った特色ある商品を全国で販売し、商品と特産品の需要の裾野を広げる経済価値

地域特産品のジュース原料購入による地域農業への経済的な貢献と特産品の知名度の向上社会価値

 カゴメは、1989年からトマト加工品(一次加工・最終製品)を北米において販売開始

し、現在では欧州、アジア、オセアニアの顧客に販売する事業も行っています。2013年

には、インドにおいて現地大手メーカーなどとルチカゴメ社を合弁で設立し、業務用を中

心に家庭用においても事業の拡大を目指しています。カゴメの海外におけるビジネス展

開は、マーケットイン・地産地消に加え、現地での人材育成を含め、持続可能な現地産業

としての成立を基本としています。これらを通じて、ビジネス展開国における農業生産体

制の強化、加工技術などの普及、雇用の促進などに貢献することを目指しています。

※出典:Tomatoland Information  Services, May 26, 2014

インド・ムンバイで行われた、ルチカゴメ社の調印式

「野菜生活100瀬戸内レモンミックス」 ~広島県とカゴメの取り組み~ 広島県 総務局 経営企画チーム

280億円課題認識

地域の農業を応援し、日本の農業の持続可能性を高めるため、継続的かつ計画的に地域特産品原料の調達、商品化を行い、無駄なく販売することにより持続的な利益を確保し、全国での消費を促進する。

課題認識

● 商品の原料の安定供給を持続的に行うため、各国の環境に適したトマトと野菜の品種の開発と栽培方法の確立を行う。

● 世界各国地域において、種子開発と農業から始まる地産地消型の持続可能なトマトと野菜のビジネスを広げ、事業の拡大を図る。

140

120

100

80

60

40

20

0

350

300

250

200

150

100

50

0

野菜生活100季節限定シリーズの販売本数と営業利益(百万円)(百万本)

(年度)2010 20122011 2013 2014(計画)

特 集 サステナビリティへの取り組み

※セグメント間取引は相殺消去した数値です

販売本数 営業利益

 広島県では、国産シェア約5割と生産量日本一を誇る「瀬戸内 広島レモン」を中心とした、かんきつ産地の活性化を図るため、さまざまな取り組みを進めており、その一環として「瀬戸内 広島レモン」のPRを行ってい

ます。2012年にカゴメと「野菜生活100瀬戸内レモンミックス」の商品化を含めた「瀬戸内レモン協定」を締結し、この商品は1,600万本もの販売を記録。県庁内でも印象深い取り組みとなりました。

United Genetics社をカゴメグループに加え、垂直統合を前進 2013年11月、カゴメグループに加わった米国UG社(デラウエア州)はトマトと野菜の非遺伝子組み換え種子を自社開発し、世界80カ国以上で販売事業を展開する野菜種苗会社です。これにより種子を起点

としたカゴメグループの事業は、既存の拠点に加え、北米、南米、南ヨーロッパ、インドにも広がり、それらの各国において安定した供給ならびに利益を生み出す体制が整いました。

地産全消商品の生産者・自治体・カゴメの連携

生産者

地 域

カゴメ

全国のお客さま

自治体JA

協定

商品化

デコポン/熊本とちおとめ/栃木さくらんぼ/山形

広島県と「瀬戸内レモン協定」を締結

11 12

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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特 集 サステナビリティへの取り組み

遺伝子解析技術の活用により、飛躍的に品種開発の対応力が向上

カゴメ研究開発本部は、グループのバリューチェーンの源流として、研究

開発による技術的成長エネルギーの供給をミッションに、現在と将来に

わたり活用できる技術や情報を追求しています。

 カゴメでは現在、約7,500種のトマトの遺伝資源を活用し、遺伝子組み換え技術を用いずに加工用と生鮮用トマトの品種開発をしています。現在は遺伝子解析技術の活用に力を入れており、品種開発が大幅に効率化しました。これにより市場のニーズへのすばやい対応が可能となるだけでなく、病気に強い品種、国内の栽培面積の拡大に対応した機械収穫に適した品種などの開発力が大幅にアップしました。

● 品質とおいしさの向上と収量性・病害抵抗性の両立したトマトの品種開発

● トマトの新規産地における作型研究。収穫機械の開発、機械収穫に適した栽培技術開発。病虫害防除の技術開発

安全が安心に変わるまで「ふくしま産トマトジュース」

東北復興の担い手を育む「みちのく未来基金」

農資源開発部:農業のサステナビリティを目指す取り組み

 2013年12月末に発覚した国内他社冷凍食品工場での農薬混入事件以降、全社的にフードディフェンス(食品への意図的な異物の混入を防止する取り組み)を強化しています。食品安全部では、万が一問題が発生した際に、危害物質を迅速に特定できる分析方法の装備を進めています。同時に緊急対応時の分析手順を定めるとともに、365日分析ができる体制を整えました。

研究開発本部 カスタマーソリューションセンター 食品安全部 課長森内 知男

ふくしま産トマトジュース

みちのく未来基金「第3期生の集い」

カゴメりりこわくわくプログラム

りりこ

トマトの種子

みちのく未来基金 「夏の集い」

自分の手で育てた凜々子を使った調理体験

43年間で、のべ341万人が来場した「カゴメ劇場」

2014年3月便秘はいくつかの栄養素の吸収効率を低下させるとともに、老化・がんの原因となる酸化ストレスを高める可能性が明らかに~女子大学生を対象に調査を実施~ (日本農芸化学会にて発表)

研究開発本部 農資源開発部 課長伊藤 博孝

 カゴメは、加工用トマトの生産地として福島県に大きな期待を寄せています。「東日本大震災により福島県のトマト栽培を途絶えさせてはならない」という強い決意の下、2011年度と2012年度をかけ、福島産トマトの安全性を検証し、2013年11月に「ふくしま産トマトジュース」の発売が実現しました(福島産の加工用トマトは、本商品のみで使用)。これからもカゴメは「ふくしま産トマトジュース」を通じ、福島県の農業を支援し、それに共感する人々の輪を広げていきたいと考えています。

コンシューマー事業本部 商品企画部 部長稲垣 慶一

 2011年にカルビー株式会社、ロート製薬株式会社と共同で設立した震災遺児のための進学基金、公益財団法人「みちのく未来基金」は4年目を迎え、基金給付生が300人を超えました。2015年度も、約100名のエントリーが見込まれており、その後も毎年70~100名の基金生を迎える見込みです。2014年3月には、専門学校の課程を修了する46名が新社会人として基金を旅立っていき、これからの活躍が期待されます。現在、基金では岩手・宮城・福島県以外に移り住んだ震災遺児への情報提供を目的とし、全国の自治体や支援団体を訪問する活動を続けています。

コーポレート・コミュニケーション本部東日本大震災復興支援室北岡 祐治

子どもたちの「食」への興味・関心を育み、食の楽しさを体験するきっかけ

づくりをしたいと考え、食育支援活動に取り組んでいます。

正しい食習慣を伝えるミュージカル「カゴメ劇場」

トマトを通じた食農体験「カゴメりりこわくわくプログラム」

 1972年から続く、夏休みにたくさんの親子を無料でご招待しているカゴメオリジナルのミュージカルです。食べ物の役割や健康の大切さを歌とダンスで楽しく紹介し、幼児期に正しい食習慣を身につけるきっかけとなることを願って実施しています。

 全国の小学校や保育園などに、ジュース用トマト「凛々子」の苗と学習用資料を無償で提供する活動です。食べ物を育てて調理して食べることを通じ、命への関心と感謝の心を育むことを狙いとしています。1999年から2014年度までの参加校は累計で45,563校・園を数えます。

フードディフェンス視点での食品危害物質分析体制を強化

カゴメは、共助の精神に基づき、東日本大震災の被災地における人道支援・

農業再生支援を2011年から継続して行っています。

世界的な影響病害「トマト黄化葉巻病」に対する抵抗性品種

ラブレ菌

カゴメと農機具メーカーの共同で開発した日本型収穫機

2014年7月食事前、もしくは食事中の野菜ジュース飲用でメタボの原因となる食後の血糖値の急激な上昇が抑えられることを確認(日本食品科学工学会第61回大会にて発表)

2014年10月ラクトバチルス・ブレビス・KB290(通称:ラブレ菌)を含む飲料の継続摂取によるインフルエンザ罹患率の低減を確認~インフルエンザ流行期に栃木県那須塩原市の小学校15校にて大規模調査を実施~(日本食品免疫学会設立10周年記念大会で発表)

Topics

1

Topics

3

Topics

2トマトの品種開発の効率化/食の安心・安全への対応を強化

子どもたちの豊かな食体験と心身の健やかな成長を応援する食育支援活動

東北の未来を拓く息の長い支援を続ける東日本大震災復興支援活動

研究開発本部:最近の研究成果から(2013年4月~2014年10月)

● 食品に関するリスク予見活動情報の収集と管理への反映● 分析技術の装備(化学物質、微生物、香味・匂い成分等)● 原料の安全性評価と定期的な検査(残留農薬・放射性物質等)● 微生物の特性・挙動評価と制御条件確立ソリューション

食品安全部:商品の安全性を確保する取り組み

放射性物質の分析

2013年7月スルフォラファンに悪酔い軽減が期待できる効果を発見 ~米国Johns Hopkins医科大学と共同研究~ (Alcohol and Alcoholism誌の電子版に掲載)

13 14

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

Page 15: カゴメサステナビリティレポート2014ダイジェスト版 - …カゴメサステナビリティレポート 2014 フルレポート(100ページ) サステナビリティの実現に向けたカゴメの活動全体をご紹介

特 集 サステナビリティへの取り組み

遺伝子解析技術の活用により、飛躍的に品種開発の対応力が向上

カゴメ研究開発本部は、グループのバリューチェーンの源流として、研究

開発による技術的成長エネルギーの供給をミッションに、現在と将来に

わたり活用できる技術や情報を追求しています。

 カゴメでは現在、約7,500種のトマトの遺伝資源を活用し、遺伝子組み換え技術を用いずに加工用と生鮮用トマトの品種開発をしています。現在は遺伝子解析技術の活用に力を入れており、品種開発が大幅に効率化しました。これにより市場のニーズへのすばやい対応が可能となるだけでなく、病気に強い品種、国内の栽培面積の拡大に対応した機械収穫に適した品種などの開発力が大幅にアップしました。

● 品質とおいしさの向上と収量性・病害抵抗性の両立したトマトの品種開発

● トマトの新規産地における作型研究。収穫機械の開発、機械収穫に適した栽培技術開発。病虫害防除の技術開発

安全が安心に変わるまで「ふくしま産トマトジュース」

東北復興の担い手を育む「みちのく未来基金」

農資源開発部:農業のサステナビリティを目指す取り組み

 2013年12月末に発覚した国内他社冷凍食品工場での農薬混入事件以降、全社的にフードディフェンス(食品への意図的な異物の混入を防止する取り組み)を強化しています。食品安全部では、万が一問題が発生した際に、危害物質を迅速に特定できる分析方法の装備を進めています。同時に緊急対応時の分析手順を定めるとともに、365日分析ができる体制を整えました。

研究開発本部 カスタマーソリューションセンター 食品安全部 課長森内 知男

ふくしま産トマトジュース

みちのく未来基金「第3期生の集い」

カゴメりりこわくわくプログラム

りりこ

トマトの種子

みちのく未来基金 「夏の集い」

自分の手で育てた凜々子を使った調理体験

43年間で、のべ341万人が来場した「カゴメ劇場」

2014年3月便秘はいくつかの栄養素の吸収効率を低下させるとともに、老化・がんの原因となる酸化ストレスを高める可能性が明らかに~女子大学生を対象に調査を実施~ (日本農芸化学会にて発表)

研究開発本部 農資源開発部 課長伊藤 博孝

 カゴメは、加工用トマトの生産地として福島県に大きな期待を寄せています。「東日本大震災により福島県のトマト栽培を途絶えさせてはならない」という強い決意の下、2011年度と2012年度をかけ、福島産トマトの安全性を検証し、2013年11月に「ふくしま産トマトジュース」の発売が実現しました(福島産の加工用トマトは、本商品のみで使用)。これからもカゴメは「ふくしま産トマトジュース」を通じ、福島県の農業を支援し、それに共感する人々の輪を広げていきたいと考えています。

コンシューマー事業本部 商品企画部 部長稲垣 慶一

 2011年にカルビー株式会社、ロート製薬株式会社と共同で設立した震災遺児のための進学基金、公益財団法人「みちのく未来基金」は4年目を迎え、基金給付生が300人を超えました。2015年度も、約100名のエントリーが見込まれており、その後も毎年70~100名の基金生を迎える見込みです。2014年3月には、専門学校の課程を修了する46名が新社会人として基金を旅立っていき、これからの活躍が期待されます。現在、基金では岩手・宮城・福島県以外に移り住んだ震災遺児への情報提供を目的とし、全国の自治体や支援団体を訪問する活動を続けています。

コーポレート・コミュニケーション本部東日本大震災復興支援室北岡 祐治

子どもたちの「食」への興味・関心を育み、食の楽しさを体験するきっかけ

づくりをしたいと考え、食育支援活動に取り組んでいます。

正しい食習慣を伝えるミュージカル「カゴメ劇場」

トマトを通じた食農体験「カゴメりりこわくわくプログラム」

 1972年から続く、夏休みにたくさんの親子を無料でご招待しているカゴメオリジナルのミュージカルです。食べ物の役割や健康の大切さを歌とダンスで楽しく紹介し、幼児期に正しい食習慣を身につけるきっかけとなることを願って実施しています。

 全国の小学校や保育園などに、ジュース用トマト「凛々子」の苗と学習用資料を無償で提供する活動です。食べ物を育てて調理して食べることを通じ、命への関心と感謝の心を育むことを狙いとしています。1999年から2014年度までの参加校は累計で45,563校・園を数えます。

フードディフェンス視点での食品危害物質分析体制を強化

カゴメは、共助の精神に基づき、東日本大震災の被災地における人道支援・

農業再生支援を2011年から継続して行っています。

世界的な影響病害「トマト黄化葉巻病」に対する抵抗性品種

ラブレ菌

カゴメと農機具メーカーの共同で開発した日本型収穫機

2014年7月食事前、もしくは食事中の野菜ジュース飲用でメタボの原因となる食後の血糖値の急激な上昇が抑えられることを確認(日本食品科学工学会第61回大会にて発表)

2014年10月ラクトバチルス・ブレビス・KB290(通称:ラブレ菌)を含む飲料の継続摂取によるインフルエンザ罹患率の低減を確認~インフルエンザ流行期に栃木県那須塩原市の小学校15校にて大規模調査を実施~(日本食品免疫学会設立10周年記念大会で発表)

Topics

1

Topics

3

Topics

2トマトの品種開発の効率化/食の安心・安全への対応を強化

子どもたちの豊かな食体験と心身の健やかな成長を応援する食育支援活動

東北の未来を拓く息の長い支援を続ける東日本大震災復興支援活動

研究開発本部:最近の研究成果から(2013年4月~2014年10月)

● 食品に関するリスク予見活動情報の収集と管理への反映● 分析技術の装備(化学物質、微生物、香味・匂い成分等)● 原料の安全性評価と定期的な検査(残留農薬・放射性物質等)● 微生物の特性・挙動評価と制御条件確立ソリューション

食品安全部:商品の安全性を確保する取り組み

放射性物質の分析

2013年7月スルフォラファンに悪酔い軽減が期待できる効果を発見 ~米国Johns Hopkins医科大学と共同研究~ (Alcohol and Alcoholism誌の電子版に掲載)

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KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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カゴメグループは国内をはじめ、世界各地を調査し、最適な栽培地を選び出し、海外においても日本で培ったノウハウ

をもとに事業を展開しています。カゴメグループはグローバルブランドを目指して、世界中の人々においしさと健康を

お届けしています。

私たちの事業展開

会社概要 事業セグメント別売上高構成比 経営計画推進体制創 業

設 立

本 社

東京本社

資 本 金

代 表 者

従業員数

: 1899年(明治32年)

: 1949年(昭和24年)

: 愛知県名古屋市中区錦3丁目14番15号

: 東京都中央区日本橋浜町3丁目21番1号 日本橋浜町Fタワー

: 19,985百万円(2014年3月31日現在)

: 代表取締役社長 寺田直行

: 2,349名(2014年3月31日現在)

飲料事業45.5%

業務用事業13.3%

0.9%

1.6%

4.3%

4.3%

5.0%

12.1%

12.9%

その他

アジア事業

通販事業

ギフト事業

生鮮野菜事業

食品事業

グローバルトマト事業

アジア事業カンパニー

トマト事業カンパニー

コーポレート・

コミュニケーション本部

コンシューマー事業本部

業務用事業本部

生産調達本部

経営企画本部

研究開発本部

〈8本部〉 〈2カンパニー〉

※2014年3月31日現在※セグメント間取引は相殺消去した数値です

農事業本部

通販事業本部

代表取締役社長

カゴメ(株)1899年設立・日本調味食品、保存食品、飲料、その他の食品の製造・販売ならびに、種苗、青果物の仕入れ・生産・販売

Holding da Industria Transformadora doTomate,

SGPS S.A. (HIT)2007年設立・ポルトガルトマトペーストやピザソース等のトマト加工品の製造・販売

Taiwan Kagome Co., Ltd.

1967年設立・台湾調味料および飲料の製造・販売

Kagome (Hangzhou)Food Co., Ltd.

2005年設立・中国飲料の製造・販売

Kagome (Tianjin) Food Industry Co., Ltd.

2013年設立・中国フィルム容器入り調味料の製造・販売

Kagome Hongmei (Ningxia)Agriculture Co., Ltd.

2013年設立・中国中国国内生鮮トマトの生産・販売

Kagome Hong KongCo., Ltd.

2014年設立・中国飲料、食品、生鮮野菜の輸入販売

OSOTSPAKAGOME CO., LTD.

2012年設立・タイ商品開発ならびに美容健康飲料等の製造・販売

Ruchi Kagome Foods India Pvt.Ltd.

2013年設立・インドトマト加工品の製造・販売

Vegitalia S.p.A.

2003年設立・イタリア契約農家と共同で育てた地中海野菜の加工・冷凍・販売

United Genetics TurkeyTohum Fide A.S.

1987年設立・トルコ種子の生産・販売、および育苗事業

Kagome Australia Pty Ltd.

2010年設立・オーストラリア加工用トマトの生産およびトマト加工品の製造・販売

日本中国

フランス

スペイン

イタリア トルコ

南アフリカ

オーストラリア ニュージーランド

本社

研究開発本部

東京本社

アメリカ

ブラジル

チリ

アルゼンチン

ポルトガル

※2014年10月現在

※事業拠点、原料生産国は 2014年10月現在の内容です。

事業拠点(社名)

事業内容

原料生産国

支店

工場

菜園

Kagome Foods, Inc.

2007年設立・アメリカ各種業務用ソースに加え、マーガリンや他の植物油ベースの製品の製造・販売

Kagome Longson Sdv.Bhd.

2014年12月設立予定・マレーシアハラル対応業務用調味料の製造・販売

United Genetics Holding LLC

1990年設立・アメリカグローバルにトマト、野菜およびフルーツの種子開発・生産・販売

Kagome Inc.

1998年設立・アメリカ米国での大手レストランチェーン向け業務用トマトソースの製造・販売

15 16

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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カゴメグループは国内をはじめ、世界各地を調査し、最適な栽培地を選び出し、海外においても日本で培ったノウハウ

をもとに事業を展開しています。カゴメグループはグローバルブランドを目指して、世界中の人々においしさと健康を

お届けしています。

私たちの事業展開

会社概要 事業セグメント別売上高構成比 経営計画推進体制創 業

設 立

本 社

東京本社

資 本 金

代 表 者

従業員数

: 1899年(明治32年)

: 1949年(昭和24年)

: 愛知県名古屋市中区錦3丁目14番15号

: 東京都中央区日本橋浜町3丁目21番1号 日本橋浜町Fタワー

: 19,985百万円(2014年3月31日現在)

: 代表取締役社長 寺田直行

: 2,349名(2014年3月31日現在)

飲料事業45.5%

業務用事業13.3%

0.9%

1.6%

4.3%

4.3%

5.0%

12.1%

12.9%

その他

アジア事業

通販事業

ギフト事業

生鮮野菜事業

食品事業

グローバルトマト事業

アジア事業カンパニー

トマト事業カンパニー

コーポレート・

コミュニケーション本部

コンシューマー事業本部

業務用事業本部

生産調達本部

経営企画本部

研究開発本部

〈8本部〉 〈2カンパニー〉

※2014年3月31日現在※セグメント間取引は相殺消去した数値です

農事業本部

通販事業本部

代表取締役社長

カゴメ(株)1899年設立・日本調味食品、保存食品、飲料、その他の食品の製造・販売ならびに、種苗、青果物の仕入れ・生産・販売

Holding da Industria Transformadora doTomate,

SGPS S.A. (HIT)2007年設立・ポルトガルトマトペーストやピザソース等のトマト加工品の製造・販売

Taiwan Kagome Co., Ltd.

1967年設立・台湾調味料および飲料の製造・販売

Kagome (Hangzhou)Food Co., Ltd.

2005年設立・中国飲料の製造・販売

Kagome (Tianjin) Food Industry Co., Ltd.

2013年設立・中国フィルム容器入り調味料の製造・販売

Kagome Hongmei (Ningxia)Agriculture Co., Ltd.

2013年設立・中国中国国内生鮮トマトの生産・販売

Kagome Hong KongCo., Ltd.

2014年設立・中国飲料、食品、生鮮野菜の輸入販売

OSOTSPAKAGOME CO., LTD.

2012年設立・タイ商品開発ならびに美容健康飲料等の製造・販売

Ruchi Kagome Foods India Pvt.Ltd.

2013年設立・インドトマト加工品の製造・販売

Vegitalia S.p.A.

2003年設立・イタリア契約農家と共同で育てた地中海野菜の加工・冷凍・販売

United Genetics TurkeyTohum Fide A.S.

1987年設立・トルコ種子の生産・販売、および育苗事業

Kagome Australia Pty Ltd.

2010年設立・オーストラリア生鮮トマトの生産およびトマト加工品の製造・販売

日本中国

フランス

スペイン

イタリア トルコ

南アフリカ

オーストラリア ニュージーランド

本社

研究開発本部

東京本社

アメリカ

ブラジル

チリ

アルゼンチン

ポルトガル

※2014年10月現在

※事業拠点、原料生産国は 2014年10月現在の内容です。

事業拠点(社名)

事業内容

原料生産国

支店

工場

菜園

Kagome Foods, Inc.

2007年設立・アメリカ各種業務用ソースに加え、マーガリンや他の植物油ベースの製品の製造・販売

Kagome Longson Sdv.Bhd.

2014年12月設立予定・マレーシアハラル対応業務用調味料の製造・販売

United Genetics Holding LLC

1990年設立・アメリカグローバルにトマト、野菜およびフルーツの種子開発・生産・販売

Kagome Inc.

1998年設立・アメリカ米国での大手レストランチェーン向け業務用トマトソースの製造・販売

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KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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需要創造(マーケティング・販売)

商品生産

一次加工・調達

活動内容日 本事業プロセス

カゴメの事業は、自然の恵みである「農産物の価値」を活かすことに立脚しています。そのため、「畑は第一の工場」の

考えの下、農産物の生産と加工の段階で、「良い原料と良い技術の最適組み合わせ」により最も大きな価値形成を

行い、品質管理を徹底して、採れたてのおいしさを活かした商品をお客さまにお届けする事業を営んでいます。

このような当社の事業は、自然の恵み(農作物や農地などの自然資本)や農家(社会関係資本)など、多くのステーク

ホルダーとの協働の上に成り立っています。そのため、当社の事業の発展につながり、かつステークホルダーの課題

解決にもつながる事業活動を推進することが、当社の競争力を高め、持続的な成長・発展につながると考えています。

カゴメグループの事業活動(農産物の価値の最大化)

● 農作物の価値を活かした商品づくりに向けた一貫した研究開発体制(農業~素材の有用性研究~製造・加工技術~商品開発)

● 世界各地に設置した研究ラボ

● トマト等の遺伝資源を数多く保有● 栽培地の生育条件に適した用途別の競争優位な品種の開発力

● 種苗の生産技術と販売ネットワーク

● 食品安全・農業生産性・環境保全を確保する独自基準に基づく農業

● 全量買い取りを前提とした指定品種による契約栽培● 契約農家への栽培指導

● 非加熱濃縮など環境・栄養・おいしさに最適な一次加工● カゴメの品質要求を実現できる最適栽培地の生産者ネットワーク

● 調達先の畑や工場まで入り、品質・安全性を確認した優良原料のみを仕入れる調達

● 素材の価値を活かす独自の製造技術(無菌充填、成分変換技術 等)

● 素材のおいしさを保持し、食品の安心・安全を確保する徹底した品質管理

● 環境負荷の最小化に向けた管理、製造工程の効率化

● 時代に先駆けた価値提案と強い需要創造力● 安心・安全な食品として日本で広く愛されているブランド

商品が持つ価値をお客さまに伝え、需要を創造する価値伝達活動

良い原料と良い技術の最適組み合わせで、農産原料の価値を最大化する製造工程と品質管理

自社基準を満たした高品質の農産原料のみを調達し、おいしさを損なわないための一次加工を実施

指定品種による契約栽培と農業指導(左)、ハイテク菜園での生鮮トマト栽培(右)

自社保有の農産物の遺伝資源を用い、交配法で有用品種を創出し、競争力のある種苗を生産・供給

自然の恵みである農産物の価値を最大化し、人の健康長寿に貢献するための一貫した研究開発を推進(研究拠点:日本、ポルトガルなど)

私たちの価値創造基盤

競争力の強化と持続的成長の実現

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

69億2,300万円

事業活動への再投資 うち設備投資額

日本のトマト消費量の

30.6%を供給

国際品質基準を全製造拠点で

取得

トマト加工量52万トン

(世界第11位)

国産トマトジュースの原料栽培面積240.5ha

トマトの遺伝資源日本

約7,500種

研究員数約200名

ステークホルダー価値人と社会と地球環境の健康長寿への貢献特 徴 価値創造基盤

海 外

農産原料生産環境配慮型の大規模農業で農産原料を生産し、グループ内外に販売(事業拠点:ポルトガル、オーストラリアなど)

農業資源開発新しい品種の開発・採種・育苗を行い、グループ内外に種苗を販売(事業拠点:米国、トルコ、イタリア、インドなど)

製造・販売グループ内外から原料を調達し、商品を製造・販売(企業向け、消費者向け)(事業拠点:ポルトガル、オーストラリア、インド、アメリカ、中国、イタリア、台湾、タイなど)

株主配当

(個人株主数約19万人)

67億7,500万円

51億500万円

営業利益

当期純利益

1,930億(うち海外11%)グループ売上

自然の恵みを活かした食品の提供

6つの資本● 財務・製造資本● 知 的 資 本

● 人 的 資 本● 社会関係資本● 自 然 資 本

: 総資産 1,836億円 : 農業生産・製造加工等に関する 独自技術・ノウハウ、強いブランド: 社員(2,349名): 生産者等との強いつながり: 豊かな農地、農作物の遺伝資源等

資本を活用した事業の推進

事業を通じたステークホルダーへの価値提供

資本の維持・強化を通じた価値創造基盤の強化

農 業

高品質な農産原料供給

品種開発・種苗生産

競争優位な種苗の供給

研究開発

21億8,800万円

※1 農林水産省「食料需給表」(H24年度版)、「野菜生産出荷統計」(H24年度)、財務省「貿易統計」(H24年度) カゴメの供給量はH24年度使用実績より算出 ※2 Fresh Tomatoes Processed Tomatoland Information Services, May 26, 2014※上記の数値は2013年度のものです。

※1

※2

● 自然環境、農地生態系の保全● トマト等の遺伝資源の保全

自然環境

● 心身ともに健康的な食生活の実現● 安全で高品質な食品の摂取(原料トレーサビリティの確保)● 野菜の新たな「おいしさ」「健康価値」の発見● (海外)栄養問題の解消(肥満、栄養不足など)

消費者

● 品質管理・生産技術の向上● 経済価値の安定的な獲得

サプライヤー(原料生産、製造加工)

● 安定した農業経営の実現● 農業生産のサポート(優良品種の入手、野菜生産技術や知見等の入手・利用)

● 農業を通じた地域の活性化● (海外)雇用・所得の創出、農業技術移転、新産地形成 等

農家、地域社会

● 持続的な経済価値の獲得

株主・投資家

● 働きがいある仕事● 労働環境の向上

社員

17 18

Page 19: カゴメサステナビリティレポート2014ダイジェスト版 - …カゴメサステナビリティレポート 2014 フルレポート(100ページ) サステナビリティの実現に向けたカゴメの活動全体をご紹介

需要創造(マーケティング・販売)

商品生産

一次加工・調達

活動内容日 本事業プロセス

カゴメの事業は、自然の恵みである「農産物の価値」を活かすことに立脚しています。そのため、「畑は第一の工場」の

考えの下、農産物の生産と加工の段階で、「良い原料と良い技術の最適組み合わせ」により最も大きな価値形成を

行い、品質管理を徹底して、採れたてのおいしさを活かした商品をお客さまにお届けする事業を営んでいます。

このような当社の事業は、自然の恵み(農作物や農地などの自然資本)や農家(社会関係資本)など、多くのステーク

ホルダーとの協働の上に成り立っています。そのため、当社の事業の発展につながり、かつステークホルダーの課題

解決にもつながる事業活動を推進することが、当社の競争力を高め、持続的な成長・発展につながると考えています。

カゴメグループの事業活動(農産物の価値の最大化)

● 農作物の価値を活かした商品づくりに向けた一貫した研究開発体制(農業~素材の有用性研究~製造・加工技術~商品開発)

● 世界各地に設置した研究ラボ

● トマト等の遺伝資源を数多く保有● 栽培地の生育条件に適した用途別の競争優位な品種の開発力

● 種苗の生産技術と販売ネットワーク

● 食品安全・農業生産性・環境保全を確保する独自基準に基づく農業

● 全量買い取りを前提とした指定品種による契約栽培● 契約農家への栽培指導

● 非加熱濃縮など環境・栄養・おいしさに最適な一次加工● カゴメの品質要求を実現できる最適栽培地の生産者ネットワーク

● 調達先の畑や工場まで入り、品質・安全性を確認した優良原料のみを仕入れる調達

● 素材の価値を活かす独自の製造技術(無菌充填、成分変換技術 等)

● 素材のおいしさを保持し、食品の安心・安全を確保する徹底した品質管理

● 環境負荷の最小化に向けた管理、製造工程の効率化

● 時代に先駆けた価値提案と強い需要創造力● 安心・安全な食品として日本で広く愛されているブランド

商品が持つ価値をお客さまに伝え、需要を創造する価値伝達活動

良い原料と良い技術の最適組み合わせで、農産原料の価値を最大化する製造工程と品質管理

自社基準を満たした高品質の農産原料のみを調達し、おいしさを損なわないための一次加工を実施

指定品種による契約栽培と農業指導(左)、ハイテク菜園での生鮮トマト栽培(右)

自社保有の農産物の遺伝資源を用い、交配法で有用品種を創出し、競争力のある種苗を生産・供給

自然の恵みである農産物の価値を最大化し、人の健康長寿に貢献するための一貫した研究開発を推進(研究拠点:日本、ポルトガルなど)

私たちの価値創造基盤

競争力の強化と持続的成長の実現

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

69億2,300万円

事業活動への再投資 うち設備投資額

日本のトマト消費量の

30.6%を供給

国際品質基準を全製造拠点で

取得

トマト加工量52万トン

(世界第11位)

国産トマトジュースの原料栽培面積240.5ha

トマトの遺伝資源日本

約7,500種

研究員数約200名

ステークホルダー価値人と社会と地球環境の健康長寿への貢献特 徴 価値創造基盤

海 外

農産原料生産環境配慮型の大規模農業で農産原料を生産し、グループ内外に販売(事業拠点:ポルトガル、オーストラリアなど)

農業資源開発新しい品種の開発・採種・育苗を行い、グループ内外に種苗を販売(事業拠点:米国、トルコ、イタリア、インドなど)

製造・販売グループ内外から原料を調達し、商品を製造・販売(企業向け、消費者向け)(事業拠点:ポルトガル、オーストラリア、インド、アメリカ、中国、イタリア、台湾、タイなど)

株主配当

(個人株主数約19万人)

67億7,500万円

51億500万円

営業利益

当期純利益

1,930億(うち海外11%)グループ売上

自然の恵みを活かした食品の提供

6つの資本● 財務・製造資本● 知 的 資 本

● 人 的 資 本● 社会関係資本● 自 然 資 本

: 総資産 1,836億円 : 農業生産・製造加工等に関する 独自技術・ノウハウ、強いブランド: 社員(2,349名): 生産者等との強いつながり: 豊かな農地、農作物の遺伝資源等

資本を活用した事業の推進

事業を通じたステークホルダーへの価値提供

資本の維持・強化を通じた価値創造基盤の強化

農 業

高品質な農産原料供給

品種開発・種苗生産

競争優位な種苗の供給

研究開発

21億8,800万円

※1 農林水産省「食料需給表」(H24年度版)、「野菜生産出荷統計」(H24年度)、財務省「貿易統計」(H24年度) カゴメの供給量はH24年度使用実績より算出 ※2 Fresh Tomatoes Processed Tomatoland Information Services, May 26, 2014※上記の数値は2013年度のものです。

※1

※2

● 自然環境、農地生態系の保全● トマト等の遺伝資源の保全

自然環境

● 心身ともに健康的な食生活の実現● 安全で高品質な食品の摂取(原料トレーサビリティの確保)● 野菜の新たな「おいしさ」「健康価値」の発見● (海外)栄養問題の解消(肥満、栄養不足など)

消費者

● 品質管理・生産技術の向上● 経済価値の安定的な獲得

サプライヤー(原料生産、製造加工)

● 安定した農業経営の実現● 農業生産のサポート(優良品種の入手、野菜生産技術や知見等の入手・利用)

● 農業を通じた地域の活性化● (海外)雇用・所得の創出、農業技術移転、新産地形成 等

農家、地域社会

● 持続的な経済価値の獲得

株主・投資家

● 働きがいある仕事● 労働環境の向上

社員

17 18

Page 20: カゴメサステナビリティレポート2014ダイジェスト版 - …カゴメサステナビリティレポート 2014 フルレポート(100ページ) サステナビリティの実現に向けたカゴメの活動全体をご紹介

 当社は、東海地域の一企業から日本のナショナルブランド

へと転換を図った年から50年目にあたる2013年に、世界の

人々のより健康的で豊かな食生活の実現と食・農業・健康など

に関わる社会課題の解決に貢献するグローバルブランドへと

飛躍するため、2013年度からの中期経営計画「Next50」を

策定しました。

 しかし、計画初年度、主力の飲料事業が減収減益となり、

連結売上高が前期比1.6%減の1,930億円という厳しい結

果となりました。また2014年度も減収減益となる見込みで

す。これは、過去最高益を記録した2012年のトマトジュース

ブームの反動と他の飲料との競合激化による既存商品の魅

力度の低下を新商品でカバーできず、トマト原料の海外調達

コストの増加や国内の天候不順および増税への対応等が遅

れたことが原因です。

 しかし、より長期の視点で見ると過去にも好調時の業績を

維持できずに収益を低下させており、当社の本質的な課題は

「安定した収益を確保する基盤」が脆弱であり、外部環境の

変化に弱い点にあるとの認識を深めました。これを受け、

「Next50」は計画の前提となる自社の実力の見極めが不十

分であったとの考えから白紙化し、グローバルブランドへの飛

躍を目指す長期的視点は継承しつつ、「働き方の改革」と「収

益構造の改革」を開始しました。この改革により、持続性のあ

る収益基盤の構築を目指します。

● アベノミクス、消費税増税、円安

● 食品機能性表示の規制緩和

● 農業の規制緩和、TPPと関税撤廃

● 流通の巨大化、ネット通販・宅配チャネルの拡大

● 2020年東京オリンピック・パラリンピック(緩やかな成長、コストアップ)

● 急激な社会構造変化(人口減少、超高齢社会、社会保障費と国の債務問題、都市部への集中と地方の衰退)

● ライフスタイルの変化(働く女性と少人数世帯の増加、家庭で料理を作る世帯の減少、価値観の多様化)

● 農業環境の変化(農家の高齢化、後継者不足、脱稲作) 等

● 世界人口の増加と資源・食料不足、格差の拡大

● 気候変動等の環境問題の深刻化

● 経済の重心変化とアジア等の新興国におけるトマトの需要増(ライフスタイルの変化と食の欧米化、肥満等の過剰栄養問題)

● 途上国における栄養問題

● FTA等の自由貿易圏拡大

● 国境を越える企業活動とサプライチェーン

● ICTの発達

● 社会課題解決への社会要請拡大

● トマトは「販売金額1位の野菜」「好きな野菜1位」

● トマトは世界で消費量No.1の野菜

● 今後、毎年100万トンずつ消費量が増加予測

国 内 海 外

当社を取り巻く主な外部環境動向

国内外で健康的な食生活へのニーズが拡大。「トマトのことなら何でもカゴメに」と言っていただける状況を実現し、さらにトマトで培った強みをほかの野菜にも展開することが、当社の事業機会に直結

私たちの戦略

中期経営方針 国内事業は、主力の飲料事業を含めてトマトの国際相場の

変動や円安等による輸入原料コストの増加で今後さらなる原

価上昇が見込まれるため、単年度のコスト削減だけでは安定し

た収益の確保は十分とは言えません。また、当社の強みとして

きた「自主自立」「人中心の経営」などの企業文化は、働きやす

い職場づくりにつながる反面、部門を超えた連携が進まない、

責任の所在を曖昧にするなどの風潮を生み、競争力低下の要

因になっていたとの認識の下、「持続的な利益獲得力の構築」

には組織と社員一人ひとりの仕事の中身にまで踏み込んだ

「働き方の改革」と「収益構造の改革」が必要です。

 また、これからの50年を見据えた時、日本では超高齢社会

の到来など、大きな社会変化が予想されており、世界でも全人

口の増加と経済発展および、気候変動に伴う資源・エネルギー

問題や栄養問題(肥満、栄養不足等)が深刻化するなど、資源・

環境面での制約が強まると考えられます。このような変動の激

しい時代に持続的に発展し、社会に価値を提供し続けるため

には、社会の変化を予測し、その時代の要請を事業戦略に組

み込むことで、当社ならではの方法で社会課題の解決に貢献

し、経済的価値の創出につなげる「プロダクトアウト型」から

「ソリューション型」への事業の発想の転換が不可欠になると

考えています。

 このような基本認識の下、新たな中期経営方針では持続的

な利益獲得力の構築に向けて、「働き方の改革」と「収益構造

の改革」を行い、2015年度は経常利益率4%、2016年度に

は5%を目指します。改革の3つの重点課題である「バリュー

アップ」「生産性の向上」「イノベーション」に取り組むことで、

持続的な利益獲得基盤の構築を推進していきます。

(重点課題の具体的内容は、トップメッセージをご参照ください)

方針策定における基本的考え方

事業機会

● 配当政策連結業績を基準に、配当性向40%を目安に安定配当。

中期経営方針(2015年度~2016年度)

安定した収益を確保する基盤が弱く、外部環境の変化に弱い現 状

働き方の改革と収益構造の改革(定量目標: 経常利益率 2015年度 4%、2016年度 5%)目 標

目標達成に向けた基本視点❶ 働き方と収益構造の改革による「生産性の向上」目標達成に向けた基本視点❷ 社会変化を見据えた「重点成長領域への経営資源の集中」

イノベーション中期的な重点成長領域に資源を集中させ、事業組織間の連携強化による成長を目指す。● グローバルトマトサプライヤーの実現● 農業の成長産業化● 国内業務用事業の拡大● フレッシュ化への挑戦 等

重点課題3

生産性の向上● 広告投資の効率化● 商品の絞り込み● コストダウン● 利益マネジメントの見直し 等

重点課題2

バリューアップ既存事業や既存商品群における利益の改善を図る。● スマートPET化● トマトジュースのプレミアム化 等

重点課題1

19 20

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

Page 21: カゴメサステナビリティレポート2014ダイジェスト版 - …カゴメサステナビリティレポート 2014 フルレポート(100ページ) サステナビリティの実現に向けたカゴメの活動全体をご紹介

 当社は、東海地域の一企業から日本のナショナルブランド

へと転換を図った年から50年目にあたる2013年に、世界の

人々のより健康的で豊かな食生活の実現と食・農業・健康など

に関わる社会課題の解決に貢献するグローバルブランドへと

飛躍するため、2013年度からの中期経営計画「Next50」を

策定しました。

 しかし、計画初年度、主力の飲料事業が減収減益となり、

連結売上高が前期比1.6%減の1,930億円という厳しい結

果となりました。また2014年度も減収減益となる見込みで

す。これは、過去最高益を記録した2012年のトマトジュース

ブームの反動と他の飲料との競合激化による既存商品の魅

力度の低下を新商品でカバーできず、トマト原料の海外調達

コストの増加や国内の天候不順および増税への対応等が遅

れたことが原因です。

 しかし、より長期の視点で見ると過去にも好調時の業績を

維持できずに収益を低下させており、当社の本質的な課題は

「安定した収益を確保する基盤」が脆弱であり、外部環境の

変化に弱い点にあるとの認識を深めました。これを受け、

「Next50」は計画の前提となる自社の実力の見極めが不十

分であったとの考えから白紙化し、グローバルブランドへの飛

躍を目指す長期的視点は継承しつつ、「働き方の改革」と「収

益構造の改革」を開始しました。この改革により、持続性のあ

る収益基盤の構築を目指します。

● アベノミクス、消費税増税、円安

● 食品機能性表示の規制緩和

● 農業の規制緩和、TPPと関税撤廃

● 流通の巨大化、ネット通販・宅配チャネルの拡大

● 2020年東京オリンピック・パラリンピック(緩やかな成長、コストアップ)

● 急激な社会構造変化(人口減少、超高齢社会、社会保障費と国の債務問題、都市部への集中と地方の衰退)

● ライフスタイルの変化(働く女性と少人数世帯の増加、家庭で料理を作る世帯の減少、価値観の多様化)

● 農業環境の変化(農家の高齢化、後継者不足、脱稲作) 等

● 世界人口の増加と資源・食料不足、格差の拡大

● 気候変動等の環境問題の深刻化

● 経済の重心変化とアジア等の新興国におけるトマトの需要増(ライフスタイルの変化と食の欧米化、肥満等の過剰栄養問題)

● 途上国における栄養問題

● FTA等の自由貿易圏拡大

● 国境を越える企業活動とサプライチェーン

● ICTの発達

● 社会課題解決への社会要請拡大

● トマトは「販売金額1位の野菜」「好きな野菜1位」

● トマトは世界で消費量No.1の野菜

● 今後、毎年100万トンずつ消費量が増加予測

国 内 海 外

当社を取り巻く主な外部環境動向

国内外で健康的な食生活へのニーズが拡大。「トマトのことなら何でもカゴメに」と言っていただける状況を実現し、さらにトマトで培った強みをほかの野菜にも展開することが、当社の事業機会に直結

私たちの戦略

中期経営方針 国内事業は、主力の飲料事業を含めてトマトの国際相場の

変動や円安等による輸入原料コストの増加で今後さらなる原

価上昇が見込まれるため、単年度のコスト削減だけでは安定し

た収益の確保は十分とは言えません。また、当社の強みとして

きた「自主自立」「人中心の経営」などの企業文化は、働きやす

い職場づくりにつながる反面、部門を超えた連携が進まない、

責任の所在を曖昧にするなどの風潮を生み、競争力低下の要

因になっていたとの認識の下、「持続的な利益獲得力の構築」

には組織と社員一人ひとりの仕事の中身にまで踏み込んだ

「働き方の改革」と「収益構造の改革」が必要です。

 また、これからの50年を見据えた時、日本では超高齢社会

の到来など、大きな社会変化が予想されており、世界でも全人

口の増加と経済発展および、気候変動に伴う資源・エネルギー

問題や栄養問題(肥満、栄養不足等)が深刻化するなど、資源・

環境面での制約が強まると考えられます。このような変動の激

しい時代に持続的に発展し、社会に価値を提供し続けるため

には、社会の変化を予測し、その時代の要請を事業戦略に組

み込むことで、当社ならではの方法で社会課題の解決に貢献

し、経済的価値の創出につなげる「プロダクトアウト型」から

「ソリューション型」への事業の発想の転換が不可欠になると

考えています。

 このような基本認識の下、新たな中期経営方針では持続的

な利益獲得力の構築に向けて、「働き方の改革」と「収益構造

の改革」を行い、2015年度は経常利益率4%、2016年度に

は5%を目指します。改革の3つの重点課題である「バリュー

アップ」「生産性の向上」「イノベーション」に取り組むことで、

持続的な利益獲得基盤の構築を推進していきます。

(重点課題の具体的内容は、トップメッセージをご参照ください)

方針策定における基本的考え方

事業機会

● 配当政策連結業績を基準に、配当性向40%を目安に安定配当。

中期経営方針(2015年度~2016年度)

安定した収益を確保する基盤が弱く、外部環境の変化に弱い現 状

働き方の改革と収益構造の改革(定量目標: 経常利益率 2015年度 4%、2016年度 5%)目 標

目標達成に向けた基本視点❶ 働き方と収益構造の改革による「生産性の向上」目標達成に向けた基本視点❷ 社会変化を見据えた「重点成長領域への経営資源の集中」

イノベーション中期的な重点成長領域に資源を集中させ、事業組織間の連携強化による成長を目指す。● グローバルトマトサプライヤーの実現● 農業の成長産業化● 国内業務用事業の拡大● フレッシュ化への挑戦 等

重点課題3

生産性の向上● 広告投資の効率化● 商品の絞り込み● コストダウン● 利益マネジメントの見直し 等

重点課題2

バリューアップ既存事業や既存商品群における利益の改善を図る。● スマートPET化● トマトジュースのプレミアム化 等

重点課題1

19 20

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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コンシューマー事業本部

飲 料 食 品 ギフト

関連セグメント

 野菜飲料カテゴリーでは、「野菜生活100」シリーズにおい

て、重点マーケティングテーマ「地産全消」を象徴する、地域色

が豊かで季節感の溢れる期間限定商品が好調に推移しました。

「野菜一日これ一本」シリーズについては、缶商品の賞味期限を

3.5年※に延長したことを契機に、「野菜の保存食」としての価値

を提案し、これまで取引のなかったチャネルへの普及が進みまし

た。トマト飲料については、8月に毎年好評いただいている新物

のトマトジュースにて、トマトのフレッシュなおいしさを実現した

低温度帯の商品を数量限定で発売し、好評をいただきました。

 これらの施策を行いましたが、野菜飲料カテゴリー合計で

は、価格制度の変更もあり減収となりました。また、実質的にも

トマトブームの反動によるトマトジュースの落ち込みをカバー

しきれず、前期を少し下回りました。乳酸菌カテゴリーについて

は、8月までは前年を下回る水準が続いていましたが、第3四半

期以降(2013年10月1日~2014年3月31日)は前期比

108%と好調に推移しました。その結果、飲料事業の売上高

は、価格制度の変更による減少を含めて、前期比8.6%減の

878億11百万円となりました。

飲料

 トマトのおいしさ・楽しさを新発見・再発見してお客さまにお

届けしていく活動「トマト・ディスカバリーズ」をテーマに商品を

発売し、プロモーションを展開しました。トマトケチャップにおい

ては、ナポリタンスパゲティのメニュー提案に注力したことなど

により、前期を上回りました。2013年11月にはメニュー提案

の取り組みを象徴するイベントとして、全国の絶品ナポリタンを

集めた「ナポリタンスタジアム」を横浜にて開催し、好評をいた

だきました。トマト調味料については、2013年3月に発売した、

使いやすく環境負荷の低い紙容器「トマトパック」シリーズの育

成に注力しました。トマト鍋については、本年度より水を加える

必要のないストレートタイプとして、お客さまの利便性を高め発

売した結果、好評をいただきました。パスタソースについては、

人気の瓶入りパスタソース「アンナマンマ」シリーズから3品の

フレーバーを8月に発売しました。手軽に、トマトの濃いおいし

さをお楽しみいただけることに高い評価をいただき、発売以降

好調に推移しています。ソースについては、堅調に推移しまし

た。食品事業合計では価格制度の変更のために減収となりまし

たが、実質的には前期を少し上回りました。その結果、食品事

業の売上高は、価格の変更による減少を含めて、前期比

15.5%減の232億77百万円となりました。

食品

 中元・歳暮市場全体は縮小という厳しい環境下、当社では

各流通チャネルにおいて高い採用率を獲得し、過去最高の売

上高となりました。野菜飲料ギフトや国産フルーツジュースギ

フト、および歳暮期に導入したフリーズドライのスープギフトに

加え、企業限定などプレミアム感を打ち出した商品が好調に推

移しました。またトマトの焼き菓子「トマッティーニ」やトマトの

ゼリー「Fruttoma(フルットマ)」といったスイーツギフトによ

り、母の日や手土産といった中元・歳暮期以外の需要を開拓で

きました。その結果、ギフト事業の売上高は、前期比5.1%増

の83億38百万円となりました。

ギフト

2013年度の業績概況

 コンシューマー事業は、トマトや野菜のおいしさや価値を、

飲料・食品・ギフトの各事業を通して日本の消費者の皆さまに

ご提供することをミッションとしています。

 2013年度は主力の飲料事業で減収となったことを踏まえ、

2014年度より「収益力の向上」を最優先課題とし、「イノ

ベーション」の促進による新しい成長エンジンの創出と「バ

リューアップ」による既存事業領域の成長力と収益力の回復

を進めています。具体的には、チルド温度帯(5℃以下)の商品

開発など、当社にしか提供できない鮮度訴求型商品を開発す

る「フレッシュ・イノベーション」、また、「旬の時期にしか味わ

えない国産・ストレートのトマトジュース」を従来と異なる商品

ラインで提供する「プレミアム化」や、ペットボトル野菜飲料を

二人世帯でもおいしく飲み切れる容量で提供する「スマート

PET化」など、既存商品の価値向上を通じた「バリューアップ」

の推進です。さらに、今後の日本は外食・中食市場が拡大し、

消費者のライフスタイルや価値観・嗜好も多様化するなか、

当社の提供価値を明確化し、事業の垣根を超えてお客さまと

の関係をより強固にしていくことが必要です。そのため、これ

まで事業別だった営業の連携を進め、価値提供マネジメントの

強化に取り組みます。また、原価低減活動や広告投資の効率

化、商品の絞り込みなどのコストダウンへの取り組みを進めつ

つ、需要や業績予測の精度向上や、より効率的かつスピー

ディーな現場情報の把握と利益マネジメントの仕組みを強化

することで、外部環境にかかわらず持続的に収益を獲得する

力を高めていきます。

今後の戦略

執行役員コンシューマー事業本部長

小林 寛久

※2015年度 賞味期間5.5年の商品発売予定

事業部門別の戦略と業績

21 22

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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コンシューマー事業本部

飲 料 食 品 ギフト

関連セグメント

 野菜飲料カテゴリーでは、「野菜生活100」シリーズにおい

て、重点マーケティングテーマ「地産全消」を象徴する、地域色

が豊かで季節感の溢れる期間限定商品が好調に推移しました。

「野菜一日これ一本」シリーズについては、缶商品の賞味期限を

3.5年※に延長したことを契機に、「野菜の保存食」としての価値

を提案し、これまで取引のなかったチャネルへの普及が進みまし

た。トマト飲料については、8月に毎年好評いただいている新物

のトマトジュースにて、トマトのフレッシュなおいしさを実現した

低温度帯の商品を数量限定で発売し、好評をいただきました。

 これらの施策を行いましたが、野菜飲料カテゴリー合計で

は、価格制度の変更もあり減収となりました。また、実質的にも

トマトブームの反動によるトマトジュースの落ち込みをカバー

しきれず、前期を少し下回りました。乳酸菌カテゴリーについて

は、8月までは前年を下回る水準が続いていましたが、第3四半

期以降(2013年10月1日~2014年3月31日)は前期比

108%と好調に推移しました。その結果、飲料事業の売上高

は、価格制度の変更による減少を含めて、前期比8.6%減の

878億11百万円となりました。

飲料

 トマトのおいしさ・楽しさを新発見・再発見してお客さまにお

届けしていく活動「トマト・ディスカバリーズ」をテーマに商品を

発売し、プロモーションを展開しました。トマトケチャップにおい

ては、ナポリタンスパゲティのメニュー提案に注力したことなど

により、前期を上回りました。2013年11月にはメニュー提案

の取り組みを象徴するイベントとして、全国の絶品ナポリタンを

集めた「ナポリタンスタジアム」を横浜にて開催し、好評をいた

だきました。トマト調味料については、2013年3月に発売した、

使いやすく環境負荷の低い紙容器「トマトパック」シリーズの育

成に注力しました。トマト鍋については、本年度より水を加える

必要のないストレートタイプとして、お客さまの利便性を高め発

売した結果、好評をいただきました。パスタソースについては、

人気の瓶入りパスタソース「アンナマンマ」シリーズから3品の

フレーバーを8月に発売しました。手軽に、トマトの濃いおいし

さをお楽しみいただけることに高い評価をいただき、発売以降

好調に推移しています。ソースについては、堅調に推移しまし

た。食品事業合計では価格制度の変更のために減収となりまし

たが、実質的には前期を少し上回りました。その結果、食品事

業の売上高は、価格の変更による減少を含めて、前期比

15.5%減の232億77百万円となりました。

食品

 中元・歳暮市場全体は縮小という厳しい環境下、当社では

各流通チャネルにおいて高い採用率を獲得し、過去最高の売

上高となりました。野菜飲料ギフトや国産フルーツジュースギ

フト、および歳暮期に導入したフリーズドライのスープギフトに

加え、企業限定などプレミアム感を打ち出した商品が好調に推

移しました。またトマトの焼き菓子「トマッティーニ」やトマトの

ゼリー「Fruttoma(フルットマ)」といったスイーツギフトによ

り、母の日や手土産といった中元・歳暮期以外の需要を開拓で

きました。その結果、ギフト事業の売上高は、前期比5.1%増

の83億38百万円となりました。

ギフト

2013年度の業績概況

 コンシューマー事業は、トマトや野菜のおいしさや価値を、

飲料・食品・ギフトの各事業を通して日本の消費者の皆さまに

ご提供することをミッションとしています。

 2013年度は主力の飲料事業で減収となったことを踏まえ、

2014年度より「収益力の向上」を最優先課題とし、「イノ

ベーション」の促進による新しい成長エンジンの創出と「バ

リューアップ」による既存事業領域の成長力と収益力の回復

を進めています。具体的には、チルド温度帯(5℃以下)の商品

開発など、当社にしか提供できない鮮度訴求型商品を開発す

る「フレッシュ・イノベーション」、また、「旬の時期にしか味わ

えない国産・ストレートのトマトジュース」を従来と異なる商品

ラインで提供する「プレミアム化」や、ペットボトル野菜飲料を

二人世帯でもおいしく飲み切れる容量で提供する「スマート

PET化」など、既存商品の価値向上を通じた「バリューアップ」

の推進です。さらに、今後の日本は外食・中食市場が拡大し、

消費者のライフスタイルや価値観・嗜好も多様化するなか、

当社の提供価値を明確化し、事業の垣根を超えてお客さまと

の関係をより強固にしていくことが必要です。そのため、これ

まで事業別だった営業の連携を進め、価値提供マネジメントの

強化に取り組みます。また、原価低減活動や広告投資の効率

化、商品の絞り込みなどのコストダウンへの取り組みを進めつ

つ、需要や業績予測の精度向上や、より効率的かつスピー

ディーな現場情報の把握と利益マネジメントの仕組みを強化

することで、外部環境にかかわらず持続的に収益を獲得する

力を高めていきます。

今後の戦略

執行役員コンシューマー事業本部長

小林 寛久

※2015年度 賞味期間5.5年の商品発売予定

事業部門別の戦略と業績

21 22

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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事業部門別の戦略と業績

関連セグメント

生鮮野菜

 店頭では、「ダブルトマトでおいしく!」をテーマに「トマトフェ

ア」や「カゴメフェア」など野菜飲料や食品と連動した展開の機

会を獲得できました。プロモーションとしては、昨年に引き続き

2014年2月に、東京マラソンに協賛し、「高リコピントマト」と

「ちいさなももこ」を東京マラソン公認トマトとしてランナーの皆

さまに配布することで、スポーツシーンでのトマト摂取を提案し

ました。また、生鮮トマトの収穫量を増やし、供給を増やすことが

できたこともあり、過去最高の売上高となりました。

 その結果、生鮮野菜事業の売上高は、前期比8.4%増の96億

83百万円となりました。

生鮮野菜2013年度の業績概況

 農事業本部は、カゴメにおける「トマトと農のエキスパート集

団」として、国内におけるトマトジュースの原料となる「加工用ト

マト」の生産に契約農家の皆さまと取り組むとともに、スーパー

マーケットなどでお買い求めいただける「生食用トマト」を全国

11カ所の大規模ハイテク菜園で生産・販売するなど、「農産原

料の生産技術の高度化」「トマトや野菜の生産と他の事業部門

への供給」、そしてお客さまに生鮮野菜を直接販売する「生鮮

野菜事業」を担っています。

 近年は「ジュース用トマト原料の全量国産化」を目指して、

日本の農への貢献に取り組むとともに、総面積53haにおよぶ環

境配慮型の大規模ハイテク菜園で独自ブランドの「生鮮トマト」

の生産に取り組み、最初の菜園設立から10年以上を経た2012

年に初の黒字化を実現。2013年度は96億円を超える売上の

事業に成長しました。

 今後は、当社の農を基盤とした垂直統合型ビジネスモデルの

強みを活かし、①生鮮トマトの供給基盤拡充と機能性訴求による

生鮮トマト事業の拡大、②加工用トマトの機械化収穫の確立と北

海道などでの栽培を含む、ジュース用トマト原料の国内産地拡大

を推進します。また、近年、働く女性や単身・二人世帯の増加など

で、カット野菜やパックサラダといった生鮮型加工食品の需要が

急拡大するなど、数年のうちに1兆円規模になるのではと予想

する(量販店役員や卸業者さまの)声も聞こえています。このよ

うな状況を踏まえ、③「野菜領域」への本格進出を進めており、

2014年3月に販売を開始した「ベビーリーフ」および8月に発

表した「カット野菜・パックサラダ事業」への参入は多くの量販

店、卸業者さまからお問い合わせをいただきました。今後も、高

品質・機能性野菜を特徴とする新たなサラダ商材「サラダバンク

シリーズ」の販売を推進します。

 このような生鮮野菜事業の拡大を通じて、日本の農業の成長

産業化と消費者の皆さまの健康長寿に貢献してまいります。

今後の戦略

関連セグメント

アジア

 主力商品「毎日飲む野菜」については、2014年6月に新た

なお客さまを獲得するための広告手段を追加したことにより7

月以降の販売量が増加し、好調に推移しました。また、商品供

給体制が整い3年ぶりに再発売した数量限定商品「桃しぼり」

や甘みと栄養がたっぷりの旬の冬ニンジンをジュースにした

「冬しぼり」など、希少な旬のとれたてジュースをお届けする

「旬シリーズ」の販売も好調でした。加えて、サプリメントなど

の商品ラインナップを強化したことも、売上高の増分に寄与

しました。

 その結果、通販事業の売上高は過去最高となり、前期比

7.5%増の82億77百万円となりました。

通販2013年度の業績概況

 通販事業本部は、IT化の進展に伴う新たなビジネスチャネ

ルに対応し、通信販売専用商品の開発・販売を通じて、お客さ

まの健康長寿と食の楽しさの提供に貢献することをミッション

としています。現在、100万人以上のお客さまとコミュニケー

ションを行っており、お客さまのお声を直接いただくことで、

「カゴメへの期待」や「新たなニーズ」を把握し、カゴメの事業

全体にフィードバックする役割も担いつつあります。

 現在は、お客さまの利用メディアの変化や増税の影響で足

元の市場成長率はやや鈍化しているものの、2013年度は希

少な旬の採れたてのジュースをお届けする「旬シリーズ」など

が好調で過去最高の売上高となりました。当事業の中心購買

層が食生活と健康への意識の高い比較的高い年齢層である

ことを考えると、高齢化が進む今後の日本において、当事業は

高い成長ポテンシャルを持っていると考えています。

 今後は、お客さまの生活に寄り添ったより長く愛飲・ご利用

いただけるカゴメならではの魅力的な商品を提供していく計

画で、「つぶより野菜」のようなほかの商品と差別化できる特

徴のある野菜飲料の開発や、これまでカゴメが培ってきたラ

ブレ菌やリコピンなどの機能を生かしたサプリメント事業の基

盤の確立を進めます。また、新規顧客獲得のための広告・プロ

モーションの見直しや既存のお客さまとのコミュニケーション

の充実を図ると共に、お客さまのご要望により柔軟に対応で

きるサービス基盤の整備を進め、お客さまとのつながりを一

層強化していきます。

今後の戦略

執行役員通販事業本部長

高野 仁

関連セグメント

通 販

執行役員農事業本部長

藤井 啓吾

農事業本部 通販事業本部

23 24

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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事業部門別の戦略と業績

関連セグメント

生鮮野菜

 店頭では、「ダブルトマトでおいしく!」をテーマに「トマトフェ

ア」や「カゴメフェア」など野菜飲料や食品と連動した展開の機

会を獲得できました。プロモーションとしては、昨年に引き続き

2014年2月に、東京マラソンに協賛し、「高リコピントマト」と

「ちいさなももこ」を東京マラソン公認トマトとしてランナーの皆

さまに配布することで、スポーツシーンでのトマト摂取を提案し

ました。また、生鮮トマトの収穫量を増やし、供給を増やすことが

できたこともあり、過去最高の売上高となりました。

 その結果、生鮮野菜事業の売上高は、前期比8.4%増の96億

83百万円となりました。

生鮮野菜2013年度の業績概況

 農事業本部は、カゴメにおける「トマトと農のエキスパート集

団」として、国内におけるトマトジュースの原料となる「加工用ト

マト」の生産に契約農家の皆さまと取り組むとともに、スーパー

マーケットなどでお買い求めいただける「生食用トマト」を全国

11カ所の大規模ハイテク菜園で生産・販売するなど、「農産原

料の生産技術の高度化」「トマトや野菜の生産と他の事業部門

への供給」、そしてお客さまに生鮮野菜を直接販売する「生鮮

野菜事業」を担っています。

 近年は「ジュース用トマト原料の全量国産化」を目指して、

日本の農への貢献に取り組むとともに、総面積53haにおよぶ環

境配慮型の大規模ハイテク菜園で独自ブランドの「生鮮トマト」

の生産に取り組み、最初の菜園設立から10年以上を経た2012

年に初の黒字化を実現。2013年度は96億円を超える売上の

事業に成長しました。

 今後は、当社の農を基盤とした垂直統合型ビジネスモデルの

強みを活かし、①生鮮トマトの供給基盤拡充と機能性訴求による

生鮮トマト事業の拡大、②加工用トマトの機械化収穫の確立と北

海道などでの栽培を含む、ジュース用トマト原料の国内産地拡大

を推進します。また、近年、働く女性や単身・二人世帯の増加など

で、カット野菜やパックサラダといった生鮮型加工食品の需要が

急拡大するなど、数年のうちに1兆円規模になるのではと予想

する(量販店役員や卸業者さまの)声も聞こえています。このよ

うな状況を踏まえ、③「野菜領域」への本格進出を進めており、

2014年3月に販売を開始した「ベビーリーフ」および8月に発

表した「カット野菜・パックサラダ事業」への参入は多くの量販

店、卸業者さまからお問い合わせをいただきました。今後も、高

品質・機能性野菜を特徴とする新たなサラダ商材「サラダバンク

シリーズ」の販売を推進します。

 このような生鮮野菜事業の拡大を通じて、日本の農業の成長

産業化と消費者の皆さまの健康長寿に貢献してまいります。

今後の戦略

関連セグメント

アジア

 主力商品「毎日飲む野菜」については、2014年6月に新た

なお客さまを獲得するための広告手段を追加したことにより7

月以降の販売量が増加し、好調に推移しました。また、商品供

給体制が整い3年ぶりに再発売した数量限定商品「桃しぼり」

や甘みと栄養がたっぷりの旬の冬ニンジンをジュースにした

「冬しぼり」など、希少な旬のとれたてジュースをお届けする

「旬シリーズ」の販売も好調でした。加えて、サプリメントなど

の商品ラインナップを強化したことも、売上高の増分に寄与

しました。

 その結果、通販事業の売上高は過去最高となり、前期比

7.5%増の82億77百万円となりました。

通販2013年度の業績概況

 通販事業本部は、IT化の進展に伴う新たなビジネスチャネ

ルに対応し、通信販売専用商品の開発・販売を通じて、お客さ

まの健康長寿と食の楽しさの提供に貢献することをミッション

としています。現在、100万人以上のお客さまとコミュニケー

ションを行っており、お客さまのお声を直接いただくことで、

「カゴメへの期待」や「新たなニーズ」を把握し、カゴメの事業

全体にフィードバックする役割も担いつつあります。

 現在は、お客さまの利用メディアの変化や増税の影響で足

元の市場成長率はやや鈍化しているものの、2013年度は希

少な旬の採れたてのジュースをお届けする「旬シリーズ」など

が好調で過去最高の売上高となりました。当事業の中心購買

層が食生活と健康への意識の高い比較的高い年齢層である

ことを考えると、高齢化が進む今後の日本において、当事業は

高い成長ポテンシャルを持っていると考えています。

 今後は、お客さまの生活に寄り添ったより長く愛飲・ご利用

いただけるカゴメならではの魅力的な商品を提供していく計

画で、「つぶより野菜」のようなほかの商品と差別化できる特

徴のある野菜飲料の開発や、これまでカゴメが培ってきたラ

ブレ菌やリコピンなどの機能を生かしたサプリメント事業の基

盤の確立を進めます。また、新規顧客獲得のための広告・プロ

モーションの見直しや既存のお客さまとのコミュニケーション

の充実を図ると共に、お客さまのご要望により柔軟に対応で

きるサービス基盤の整備を進め、お客さまとのつながりを一

層強化していきます。

今後の戦略

執行役員通販事業本部長

高野 仁

関連セグメント

通 販

執行役員農事業本部長

藤井 啓吾

農事業本部 通販事業本部

23 24

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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関連セグメント

業務用

 「トマト素材」「トマトソース」「野菜素材」「野菜飲料」を重点

商品カテゴリーに設定し、売上拡大を図りました。大手ユー

ザーや産業用に向けたサポート体制を強化してきた成果が表

れ、売上高は順調に推移しました。トマト・ディスカバリーズの取

り組みとしましては、既述の「ナポリタンスタジアム」の開催に

あたり食品事業との連携を強化し、ナポリタンスパゲティのメ

ニュー普及に努めました。また他社との連携としては、「トマト×

スイーツ」の新しいおいしさ・楽しさを提案するために株式会社

銀座コージーコーナーと協働しました。両社の強みを活かして

共同開発したメニュー・商品は、同社の店舗にて提供・販売さ

れ、好評をいただきました。このほかにも、カルビー株式会社と

の初めてのコラボレーション商品として「ポテトチップス カゴメ

トマトケチャップ味」が同社より発売されました。

 その結果、業務用事業の売上高は過去最高となり、前期比

2.9%増の257億64百万円となりました。

業務用2013年度の業績概況

 業務用事業本部は、「トマトや野菜を中心とする業務用食

品」の開発・販売事業を担っており、日本で消費されるトマトの

16%にあたる約17万トン※を供給しています。

 日本は働く女性の増加や高齢化で、宅配食を含む外食・中食

の食支出に占める割合が上昇しています。多くの人々の「日々

の食」を外食・中食が支えるようになるなか、「食を通じた健康」

や「おいしさ」へのニーズも年々高まっています。当社は、強み

である「トマトや野菜」を中心とする食品にフォーカスし、この

分野で顧客企業の多様化するニーズに“深く”対応すること

で、事業の拡大を図っています。

 2013年度は、大手企業向けのチーム営業・開発体制を一層

強化したほか、スイーツなどのほかの食品分野の企業との協業

で新しい商品開発に取り組みました。また、コンシューマー事業

本部と協働でナポリタン日本一を決めるイベント「ナポリタンス

タジアム」を開催し、トマトケチャップの需要喚起になどに取り

組みました。このような新たな需要創造への継続的な取り組み

を通じて、より良い食生活の実現に貢献し、事業の安定的な成

長を実現していきます。

今後の戦略

執行役員業務用事業本部長

山口 聡

関連セグメント

アジア

 Taiwan Kagome Co., Ltd.は、円安に伴い円換算での売

上高が増加しましたが、現地通貨ベースでの売上高も前期を上

回る水準で推移しました。Kagome(Hangzhou)Food Co.,

Ltd.は、香港市場向けの野菜飲料の生産量が増えていることに

加えて、円安の影響もあり売上高が増加しました。なお、タイに

おける飲料の商品開発・販売業を展開しているOSOTSPA

KAGOME CO., LTD.については、9月にコンシューマー向けの

小瓶入りワンショットトマト健康飲料「Tomato Essence」を発

売しました。

 その結果、アジアにおける売上高は、前期比35.0%増の31

億19百万円※となりました。

アジア2013年度の業績概況

 当カンパニーのミッションは、トマトや野菜を中心とする食の

提供を通じて、アジア36億の人々の健康長寿に貢献し、カゴメ

グループの成長に寄与することです。

 そのためアジア全体の市場を見据え、中国、台湾、香港、

タイ、マレーシア、インドに拠点を構え、トマトと野菜を中心とす

る飲料・業務用調味料、生鮮野菜などの商品を、その国に最も

合った形で提供し事業を進める計画です。

 具体的には、業務用事業とコンシューマー事業に分かれます

が、業務用ビジネスでは、カゴメの強みであるグローバルなト

マト原料の供給力、個別のお客さま向け商品の開発力を駆使

し、アジアで展開されるグローバル企業や日系企業のみなら

ず、現地企業にも良質で安価な商品を提供し、早期の事業展開

を進めます。また、アジアでは経済成長に伴う社会環境やライ

フスタイルの変化のなか、「安心・安全な食」、「より健康的な

食」へのニーズが急速に高まりつつあります。このため、コン

シューマー向けビジネスでは、トマトや野菜の効用に関する研

究成果、おいしく安全な商品設計力と、信頼できる現地企業

のノウハウや製造インフラ、現地スタッフを中心とする営業力

を掛け合わせ、現地の人々の嗜好に徹底的に合った商品を

リーズナブルな価格で提供し、着実にお客さまを増やしてい

きたいと思います。

今後の戦略

取締役 常務執行役員アジア事業カンパニーCEO

児玉 弘仁

関連セグメント

アジア

※セグメント間取引は相殺消去した数値です

※トマトの供給量は、トマトケチャップなどのトマト加工品に使用しているトマト原料を 生トマトに換算した数値です。

事業部門別の戦略と業績

業務用事業本部 アジア事業カンパニー

25 26

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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関連セグメント

業務用

 「トマト素材」「トマトソース」「野菜素材」「野菜飲料」を重点

商品カテゴリーに設定し、売上拡大を図りました。大手ユー

ザーや産業用に向けたサポート体制を強化してきた成果が表

れ、売上高は順調に推移しました。トマト・ディスカバリーズの取

り組みとしましては、既述の「ナポリタンスタジアム」の開催に

あたり食品事業との連携を強化し、ナポリタンスパゲティのメ

ニュー普及に努めました。また他社との連携としては、「トマト×

スイーツ」の新しいおいしさ・楽しさを提案するために株式会社

銀座コージーコーナーと協働しました。両社の強みを活かして

共同開発したメニュー・商品は、同社の店舗にて提供・販売さ

れ、好評をいただきました。このほかにも、カルビー株式会社と

の初めてのコラボレーション商品として「ポテトチップス カゴメ

トマトケチャップ味」が同社より発売されました。

 その結果、業務用事業の売上高は過去最高となり、前期比

2.9%増の257億64百万円となりました。

業務用2013年度の業績概況

 業務用事業本部は、「トマトや野菜を中心とする業務用食

品」の開発・販売事業を担っており、日本で消費されるトマトの

16%にあたる約17万トン※を供給しています。

 日本は働く女性の増加や高齢化で、宅配食を含む外食・中食

の食支出に占める割合が上昇しています。多くの人々の「日々

の食」を外食・中食が支えるようになるなか、「食を通じた健康」

や「おいしさ」へのニーズも年々高まっています。当社は、強み

である「トマトや野菜」を中心とする食品にフォーカスし、この

分野で顧客企業の多様化するニーズに“深く”対応すること

で、事業の拡大を図っています。

 2013年度は、大手企業向けのチーム営業・開発体制を一層

強化したほか、スイーツなどのほかの食品分野の企業との協業

で新しい商品開発に取り組みました。また、コンシューマー事業

本部と協働でナポリタン日本一を決めるイベント「ナポリタンス

タジアム」を開催し、トマトケチャップの需要喚起になどに取り

組みました。このような新たな需要創造への継続的な取り組み

を通じて、より良い食生活の実現に貢献し、事業の安定的な成

長を実現していきます。

今後の戦略

執行役員業務用事業本部長

山口 聡

関連セグメント

アジア

 Taiwan Kagome Co., Ltd.は、円安に伴い円換算での売

上高が増加しましたが、現地通貨ベースでの売上高も前期を上

回る水準で推移しました。Kagome(Hangzhou)Food Co.,

Ltd.は、香港市場向けの野菜飲料の生産量が増えていることに

加えて、円安の影響もあり売上高が増加しました。なお、タイに

おける飲料の商品開発・販売業を展開しているOSOTSPA

KAGOME CO., LTD.については、9月にコンシューマー向けの

小瓶入りワンショットトマト健康飲料「Tomato Essence」を発

売しました。

 その結果、アジアにおける売上高は、前期比35.0%増の31

億19百万円※となりました。

アジア2013年度の業績概況

 当カンパニーのミッションは、トマトや野菜を中心とする食の

提供を通じて、アジア36億の人々の健康長寿に貢献し、カゴメ

グループの成長に寄与することです。

 そのためアジア全体の市場を見据え、中国、台湾、香港、

タイ、マレーシア、インドに拠点を構え、トマトと野菜を中心とす

る飲料・業務用調味料、生鮮野菜などの商品を、その国に最も

合った形で提供し事業を進める計画です。

 具体的には、業務用事業とコンシューマー事業に分かれます

が、業務用ビジネスでは、カゴメの強みであるグローバルなト

マト原料の供給力、個別のお客さま向け商品の開発力を駆使

し、アジアで展開されるグローバル企業や日系企業のみなら

ず、現地企業にも良質で安価な商品を提供し、早期の事業展開

を進めます。また、アジアでは経済成長に伴う社会環境やライ

フスタイルの変化のなか、「安心・安全な食」、「より健康的な

食」へのニーズが急速に高まりつつあります。このため、コン

シューマー向けビジネスでは、トマトや野菜の効用に関する研

究成果、おいしく安全な商品設計力と、信頼できる現地企業

のノウハウや製造インフラ、現地スタッフを中心とする営業力

を掛け合わせ、現地の人々の嗜好に徹底的に合った商品を

リーズナブルな価格で提供し、着実にお客さまを増やしてい

きたいと思います。

今後の戦略

取締役 常務執行役員アジア事業カンパニーCEO

児玉 弘仁

関連セグメント

アジア

※セグメント間取引は相殺消去した数値です

※トマトの供給量は、トマトケチャップなどのトマト加工品に使用しているトマト原料を 生トマトに換算した数値です。

事業部門別の戦略と業績

業務用事業本部 アジア事業カンパニー

25 26

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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グローバルトマト 米国・欧州・豪州

関連セグメント

 トマト事業カンパニーは、トマトという商材を使ったグローバ

ルな事業展開を担っています。先達が追求してきた「トマトが持

つ価値をお客さまに提供し、広めていく」ことを通じて、持続的

に収益を上げるだけでなく、世界の皆さまから支持される「そ

の地域になくてはならない企業」となり、カゴメをトマトで世界

No.1の企業にすることが当カンパニーの役割です。

 そのために、私たちは事業エリアを11の戦略地域に分けて

います。①良質なトマト原料の生産・調達の可否、②トマト原料

の加工基盤の有無、③市場の有無(消費スタイル、成長性な

ど)、という3つの条件で各地域を評価し、進出の優先順位や

市場での成功要因を見極めることで、それぞれの地域に最も

合った戦略を立案して事業を推進しています。

 当カンパニーは、当社グループの中長期の成長に大きく貢

献すると考えています。その理由の一つは、トマトがすべての

野菜の中で最も消費量が大きく、今後も年率2.5%で成長する

有望な商材だからです。そのため、価格競争ではなく、カゴメの

強みである品質・付加価値面における競争で、利益率の高い事

業の実現が可能です。もう一つは、当社グループが持つ垂直統

合型ビジネスモデルの強みを活かせることです。2013年に米

国の種苗会社を買収し、トマトを扱う企業としては唯一、競争優

位性のあるトマトの品種開発から、農業生産、商品開発、加工、

販売までの全てのプロセスを持つ「自然の恵みと消費者を直接

結びつけることができる企業」となりました。その結果、グルー

プの資源・ノウハウを組み合わせることで、各市場に合ったビジ

ネスを構築できるだけでなく、全プロセスにカゴメが関わること

で垂直統合による当社独自の競争力創出や「安全・安心な食」

の提供を当社自身で確保できるようになり、世界レベルでのト

マトの持続可能な地産地消に貢献することが可能となります。

 今後は、各国の気候や土壌に適した種苗などトマトの価値創

造に向けた革新的な研究開発も進めていきます。また、グロー

バルな事業の推進を実現する上で最も重要なカゴメの価値を

共有し継承できる人材の育成に向けて、世界共通の人事制度

で公正な評価・処遇を実現するとともに、世界中のスタッフとカ

ゴメの価値観を共有し、多様な地域での業務を経験してもらう

ことで、事業を牽引する幹部人材を育成し、グローバルレベル

での成長を加速させていきます。

今後の戦略

常務執行役員トマト事業カンパニーCEO

住友 正宏

 私たちは、85カ国の市場に商品を提供しており、野菜種子における世界のベストカンパニーを目指しています。私たちの野菜は遺伝子組み換えではなく、伝統的な品種改良技術を基に開発されており、そのための革新的な研究が成長を支えています。これまで過去5年間にわたって、2桁台の力強い成長を享受することができました。今後は、さらなる地域展開と高付加価値商品の展開を進める予定です。特に、より高い利益が見込まれる温室向けの品種において、競争力のある製品群の開発に力を入れていきます。

 ステークホルダーの方々のお力添えもあり、私たちは25年にわたり高品質な商品を展開してきました。現在では、米国の大手レストランチェーンなどへの販売だけでなく、世界40カ国で私たちの商品が使われています。これからも顧客のニーズに合った革新的なトマトベースのソースの開発と製造に注力することで事業を成長させていきます。また、2007年に買収により米国の両岸に拠点を持ち、さまざまなタイプの商品や容器形態を提供できるようになりましたので、今後もこうした利点を生かし、総合的なサービスを提供していきます。

Luis DeOliveira執行役員

Kagome Inc. (USA)President CEO

 米国では、円安に伴い円換算での売上高が増加に加え、

現地大手顧客向けの出荷も順調に推移しています。ポルト

ガルでは、Holding da Industria Transformadora

do Tomate, SGPS S.A.の連結子会社化に伴い、売上高が

純増しました。また、イタリアでは、円安に伴い円換算での売

上高が増加しました。豪州では、主要顧客へのトマト加工品の

販売時期後ろ倒しに伴い、売上高が前期を下回りました。その

結果、米国・欧州・豪州における売上高は、前期比32.6%増の

249億63百万円※となりました。

グローバルトマト 米国・欧州・豪州2013年度の業績概況

 オーストラリアの事業は、トマトの栽培から始まり、収穫、食品メーカー向けのペースト、ダイス加工まで手掛ける、垂直統合型のビジネスです。農業、食品製造業に渡る、サステナビリティ、食品の安全に関する数々のグローバルな認証を取得し、原料からのバリューチェーン作りに努めています。また2014年には、ベータカロテンの含有量の高いニンジンの栽培・加工を始めました。2015年には、豪州国内および東南アジア市場をターゲットとした、フードサービスへの商品供給を開始し、さらなるバリューチェーンの拡大をしてまいります。

 冬に雨が多く、夏に乾燥したポルトガルの気候はトマト栽培に特に適しています。私たちはそうした自然が与えてくれる価値を生かすだけでなく、農業慣行の改善や水利用の効率性へ特段の配慮を実施してきました。ここ数年は、そうした気候のおかげで生まれるフルーティーで甘いという特徴を生かし、さまざまなトマトの開発を行ってきました。今後は、そうした特色のさらなる改善に加え、リコピン含有量などさまざまなトマトの特徴を改善することに力を入れていく予定です。これからも高い技術と品質により成長機会を生かしていきます。

欧州

※セグメント間取引は相殺消去した数値です

John BradyKagome Australia Pty Ltd.

President CEO

Martin Stilwell執行役員 CTO

Holding da IndustriaTransformadora do Tomate, SGPS S.A.

President CEO

トマト栽培お客さまのニーズに合わせた加工、パッケージング

海外CEOメッセージ

米国

豪州

Remo LudergnaniUnited Genetics Holding LLC

President CEO

米国

事業部門別の戦略と業績

トマト事業カンパニー

27 28

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

Page 29: カゴメサステナビリティレポート2014ダイジェスト版 - …カゴメサステナビリティレポート 2014 フルレポート(100ページ) サステナビリティの実現に向けたカゴメの活動全体をご紹介

グローバルトマト 米国・欧州・豪州

関連セグメント

 トマト事業カンパニーは、トマトという商材を使ったグローバ

ルな事業展開を担っています。先達が追求してきた「トマトが持

つ価値をお客さまに提供し、広めていく」ことを通じて、持続的

に収益を上げるだけでなく、世界の皆さまから支持される「そ

の地域になくてはならない企業」となり、カゴメをトマトで世界

No.1の企業にすることが当カンパニーの役割です。

 そのために、私たちは事業エリアを11の戦略地域に分けて

います。①良質なトマト原料の生産・調達の可否、②トマト原料

の加工基盤の有無、③市場の有無(消費スタイル、成長性な

ど)、という3つの条件で各地域を評価し、進出の優先順位や

市場での成功要因を見極めることで、それぞれの地域に最も

合った戦略を立案して事業を推進しています。

 当カンパニーは、当社グループの中長期の成長に大きく貢

献すると考えています。その理由の一つは、トマトがすべての

野菜の中で最も消費量が大きく、今後も年率2.5%で成長する

有望な商材だからです。そのため、価格競争ではなく、カゴメの

強みである品質・付加価値面における競争で、利益率の高い事

業の実現が可能です。もう一つは、当社グループが持つ垂直統

合型ビジネスモデルの強みを活かせることです。2013年に米

国の種苗会社を買収し、トマトを扱う企業としては唯一、競争優

位性のあるトマトの品種開発から、農業生産、商品開発、加工、

販売までの全てのプロセスを持つ「自然の恵みと消費者を直接

結びつけることができる企業」となりました。その結果、グルー

プの資源・ノウハウを組み合わせることで、各市場に合ったビジ

ネスを構築できるだけでなく、全プロセスにカゴメが関わること

で垂直統合による当社独自の競争力創出や「安全・安心な食」

の提供を当社自身で確保できるようになり、世界レベルでのト

マトの持続可能な地産地消に貢献することが可能となります。

 今後は、各国の気候や土壌に適した種苗などトマトの価値創

造に向けた革新的な研究開発も進めていきます。また、グロー

バルな事業の推進を実現する上で最も重要なカゴメの価値を

共有し継承できる人材の育成に向けて、世界共通の人事制度

で公正な評価・処遇を実現するとともに、世界中のスタッフとカ

ゴメの価値観を共有し、多様な地域での業務を経験してもらう

ことで、事業を牽引する幹部人材を育成し、グローバルレベル

での成長を加速させていきます。

今後の戦略

常務執行役員トマト事業カンパニーCEO

住友 正宏

 私たちは、85カ国の市場に商品を提供しており、野菜種子における世界のベストカンパニーを目指しています。私たちの野菜は遺伝子組み換えではなく、伝統的な品種改良技術を基に開発されており、そのための革新的な研究が成長を支えています。これまで過去5年間にわたって、2桁台の力強い成長を享受することができました。今後は、さらなる地域展開と高付加価値商品の展開を進める予定です。特に、より高い利益が見込まれる温室向けの品種において、競争力のある製品群の開発に力を入れていきます。

 ステークホルダーの方々のお力添えもあり、私たちは25年にわたり高品質な商品を展開してきました。現在では、米国の大手レストランチェーンなどへの販売だけでなく、世界40カ国で私たちの商品が使われています。これからも顧客のニーズに合った革新的なトマトベースのソースの開発と製造に注力することで事業を成長させていきます。また、2007年に買収により米国の両岸に拠点を持ち、さまざまなタイプの商品や容器形態を提供できるようになりましたので、今後もこうした利点を生かし、総合的なサービスを提供していきます。

Luis DeOliveira執行役員

Kagome Inc. (USA)President CEO

 米国では、円安に伴い円換算での売上高が増加に加え、

現地大手顧客向けの出荷も順調に推移しています。ポルト

ガルでは、Holding da Industria Transformadora

do Tomate, SGPS S.A.の連結子会社化に伴い、売上高が

純増しました。また、イタリアでは、円安に伴い円換算での売

上高が増加しました。豪州では、主要顧客へのトマト加工品の

販売時期後ろ倒しに伴い、売上高が前期を下回りました。その

結果、米国・欧州・豪州における売上高は、前期比32.6%増の

249億63百万円※となりました。

グローバルトマト 米国・欧州・豪州2013年度の業績概況

 オーストラリアの事業は、トマトの栽培から始まり、収穫、食品メーカー向けのペースト、ダイス加工まで手掛ける、垂直統合型のビジネスです。農業、食品製造業に渡る、サステナビリティ、食品の安全に関する数々のグローバルな認証を取得し、原料からのバリューチェーン作りに努めています。また2014年には、ベータカロテンの含有量の高いニンジンの栽培・加工を始めました。2015年には、豪州国内および東南アジア市場をターゲットとした、フードサービスへの商品供給を開始し、さらなるバリューチェーンの拡大をしてまいります。

 冬に雨が多く、夏に乾燥したポルトガルの気候はトマト栽培に特に適しています。私たちはそうした自然が与えてくれる価値を生かすだけでなく、農業慣行の改善や水利用の効率性へ特段の配慮を実施してきました。ここ数年は、そうした気候のおかげで生まれるフルーティーで甘いという特徴を生かし、さまざまなトマトの開発を行ってきました。今後は、そうした特色のさらなる改善に加え、リコピン含有量などさまざまなトマトの特徴を改善することに力を入れていく予定です。これからも高い技術と品質により成長機会を生かしていきます。

欧州

※セグメント間取引は相殺消去した数値です

John BradyKagome Australia Pty Ltd.

President CEO

Martin Stilwell執行役員 CTO

Holding da IndustriaTransformadora do Tomate, SGPS S.A.

President CEO

トマト栽培お客さまのニーズに合わせた加工、パッケージング

海外CEOメッセージ

米国

豪州

Remo LudergnaniUnited Genetics Holding LLC

President CEO

米国

事業部門別の戦略と業績

トマト事業カンパニー

27 28

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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売上高/海外売上高比率※1

200,000

160,000

120,000

80,000

40,000

0

20

16

12

8

4

2004 20062005 2007 20092008 20112010 2012 2013

(百万円) (%)

(年度)

営業利益/営業利益率

10,000

8,000

6,000

4,000

2,000

0

10

8

6

4

2

(百万円) (%)

総資産/純資産

200,000

160,000

120,000

80,000

40,000

0

(百万円)

一株当たり配当金/配当性向

25

20

15

10

5

0

100

80

60

40

20

(円) (%)

当期純利益

7,000

6,000

5,000

4,000

3,000

2,000

1,000

0

(百万円)

自己資本当期純利益率

10

8

6

4

2

(%)

一株当たり当期純利益

80

60

40

20

0

(円)

一株当たり純資産

CO2排出量※3、※4エネルギー使用量※3 水使用量※3

1,200

1,000

800

600

400

200

0

(円)

従業員数※2

2,400

2,000

1,600

1,200

800

400

0

(名)

売上高 海外売上高比率 営業利益 総資産 純資産営業利益率

一株当たり配当金 配当性向

2004 20062005 2007 20092008 20112010 2012 2013(年度) 2004 20062005 2007 20092008 20112010 2012 2013(年度)

2004 20062005 2007 20092008 20112010 2012 2013(年度) 2004 20062005 2007 20092008 20112010 2012 2013(年度) 2004 20062005 2007 20092008 20112010 2012 2013(年度)

2004 20062005 2007 20092008 20112010 2012 2013(年度)

2004 20062005 2007 20092008 20112010 2012 2013(年度)

2004 20062005 2007 20092008 20112010 2012 2013(年度)

2,000

1,600

1,200

800

400

0

(千GJ)

20062005 2007 20092008 20112010 2012 2013(年度)

100,000

80,000

60,000

40,000

20,000

0

(t)

20062005 2007 20092008 20112010 2012 2013(年度)

5,000

4,000

3,000

2,000

1,000

0

(千t)

2006 2007 20092008 20112010 2012 2013(年度)

※2 対象範囲はカゴメグループ ※3 対象範囲はカゴメ本体+国内グループ会社(カゴメ不動産、カゴメ物流サービス、4菜園) ※4 CO2計算値における電気換算係数は社内管理固定係数:0.421kg-CO2/kWhを使用

※1 セグメント間取引は相殺消去した数値です

連結決算財務パフォーマンス

非財務パフォーマンス

主要な財務・非財務パフォーマンス

29 30

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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売上高/海外売上高比率※1

200,000

160,000

120,000

80,000

40,000

0

20

16

12

8

4

2004 20062005 2007 20092008 20112010 2012 2013

(百万円) (%)

(年度)

営業利益/営業利益率

10,000

8,000

6,000

4,000

2,000

0

10

8

6

4

2

(百万円) (%)

総資産/純資産

200,000

160,000

120,000

80,000

40,000

0

(百万円)

一株当たり配当金/配当性向

25

20

15

10

5

0

100

80

60

40

20

(円) (%)

当期純利益

7,000

6,000

5,000

4,000

3,000

2,000

1,000

0

(百万円)

自己資本当期純利益率

10

8

6

4

2

(%)

一株当たり当期純利益

80

60

40

20

0

(円)

一株当たり純資産

CO2排出量※3、※4エネルギー使用量※3 水使用量※3

1,200

1,000

800

600

400

200

0

(円)

従業員数※2

2,400

2,000

1,600

1,200

800

400

0

(名)

売上高 海外売上高比率 営業利益 総資産 純資産営業利益率

一株当たり配当金 配当性向

2004 20062005 2007 20092008 20112010 2012 2013(年度) 2004 20062005 2007 20092008 20112010 2012 2013(年度)

2004 20062005 2007 20092008 20112010 2012 2013(年度) 2004 20062005 2007 20092008 20112010 2012 2013(年度) 2004 20062005 2007 20092008 20112010 2012 2013(年度)

2004 20062005 2007 20092008 20112010 2012 2013(年度)

2004 20062005 2007 20092008 20112010 2012 2013(年度)

2004 20062005 2007 20092008 20112010 2012 2013(年度)

2,000

1,600

1,200

800

400

0

(千GJ)

20062005 2007 20092008 20112010 2012 2013(年度)

100,000

80,000

60,000

40,000

20,000

0

(t)

20062005 2007 20092008 20112010 2012 2013(年度)

5,000

4,000

3,000

2,000

1,000

0

(千t)

2006 2007 20092008 20112010 2012 2013(年度)

※2 対象範囲はカゴメグループ ※3 対象範囲はカゴメ本体+国内グループ会社(カゴメ不動産、カゴメ物流サービス、4菜園) ※4 CO2計算値における電気換算係数は社内管理固定係数:0.421kg-CO2/kWhを使用

※1 セグメント間取引は相殺消去した数値です

連結決算財務パフォーマンス

非財務パフォーマンス

主要な財務・非財務パフォーマンス

29 30

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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独立役員の選任方法

氏 名 地 位 担当、主な職業および重要な兼職の状況

監査役監査および内部監査の状況 カゴメは、2006年4月の取締役会において、「内部統制に

関する基本方針」を決議し、「業務の有効性・効率性」「財務

報告の信頼性」「法令等の遵守」「資産の保全」の達成に向け

継続的に取り組んでいます。

 当社の監査役会は、監査役4名で構成されます。取締役の

職務執行について、監査役会の定める監査方針および分担に

従い、各監査役が監査を実施しております。また、当社が監査

契約を締結している名古屋監査法人から年間会計監査計画

の提出・会計監査実施結果の報告を受けるほか、適宜、会計

監査人による監査に立ち会うとともに、会計監査人と定期的

な情報交換や意見交換を行うなど、緊密な相互連携をとって

おります。

 当社の内部監査は、内部監査室3名で組織され、各事業所

の業務活動が、法令、諸規程および経営方針・計画に準拠し、

適正かつ効率的に運営されているか否かを検討し、経営の合

理化・業務効率の改善向上に資することを目的としております。

監査において発見された問題点については、都度情報交換・

意見交換を行い、必要な対策または改善措置を立案・実行し

ております。また、内部監査室による監査に監査役が立ち会う

など、監査機能の精度向上や連携を図っております。

役員報酬 当社の役員報酬等は、基本報酬および業績に連動した役員

賞与、ストックオプションにより構成されており、役位別に基本報

酬と役員賞与、ストックオプションの構成割合を定めています。

 基本報酬は、株主総会で決議された総額の範囲内におい

て、使用人の最高位の年収を基礎とし、その職位ごとに役割の

大きさに応じて決定する固定報酬としております。

 役員賞与およびストックオプションは、全社業績としての連結

経常利益率と役員個人の貢献度を基にして決定しております。

 なお、当社は、役員報酬などの決定の透明性および客観性

を高めるために取締役会の諮問機関として報酬委員会を設

置しています。また、監査役報酬については、株主総会にて決

議された総額の範囲内において、監査役会の協議により決定

しています。

基本的考え方ンス強化に加え、社外取締役3名それぞれの持つ知見を最

大限経営に活かしています。

社外取締役の選任

 2014年10月現在、「取締役会」は10名の取締役で構成さ

れ、全社の経営戦略の決定と業務執行の監督を行っています。

取締役の任期は1年とし、経営責任を明確化しています。2014

年度より当社の経営判断・意思決定の過程で、その知識と経験

に基づいた助言・提言をいただくことを目的に社外取締役を3名

新たに選任しています。また、執行役員制度を採用し、取締役は

「経営戦略の決定」「業務執行の監督」、執行役員は「部門業務

の執行」に専念できる体制を整備しています。

 なお、カゴメは監査役会設置会社であり、4名の監査役(うち

2名は社外監査役)が「取締役会」をはじめとする重要な会議に

出席し、意思決定プロセスやその内容、業務執行の状況をチェッ

クすることで、経営の健全性と透明性を確保しています。

コーポレート・ガバナンス体制

コーポレート・ガバナンス

当社としての独立性に関する基準または方針はないものの、選任にあたっては、東京証券取引所の独立役員の独立性に関する判断基準等を参考にしております。その内容は以下の通りです。

ア. 当社または当社の関係会社の業務執行者でないことイ. 当社を主要な取引先とする者または業務執行者でないことウ. 当社の主要な取引先またはその業務執行者でないこと

エ. 当社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得てい  るコンサルタント、会計専門家、法律専門家でないことオ. 当社の主要株主でないことカ. 当社または当社の関係会社の会計参与でないこと

西 秀訓寺田 直行大嶽 節洋児玉 弘仁渡辺 美衡佐藤 邦彦三輪 克行蟹江 睦久村岡 明高

江尻 隆

村田 守弘近藤 誠一橋本 孝之明関 美良

あいうえおかきくけ

さしすせ

代表取締役会長代表取締役社長代表取締役副社長取締役常務執行役員取締役常務執行役員取締役常務執行役員取締役常務執行役員

常勤監査役常勤監査役

監査役

監査役社外取締役社外取締役社外取締役

ダイナパック(株) 社外取締役、長瀬産業(株) 社外取締役

United Genetics Holding LLC 会長アジア事業カンパニーCEO経営企画本部長研究開発本部長生産調達本部長ダイナパック(株) 社外監査役

弁護士法人西村あさひ法律事務所社員、(株)安藤・間 社外監査役、ディップ(株) 社外監査役

村田守弘会計事務所代表、住友ゴム工業(株) 社外監査役近藤文化・外交研究所代表、外務省参与(国連安保理非常任理事国選挙担当大使)日本アイ・ビー・エム(株) 会長マルトモ(株) 代表取締役社長

 社外からのガバナンス強化のため、2014年6月18日開催

の第70回定時株主総会で社外取締役3名(うち2名を独立

役員として)を選任しました。従来から取り組んできたガバナ

し せ す さ こ

か え あ い う お き

 カゴメは、「開かれた企業」を目指すという企業理念の下、「経

営の透明性の実現」「経営責任の明確化」「スピーディーな意思決

定」「経営監視機能の強化」をコーポレート・ガバナンスに関する基

本的な考え方として据えており、グループ各社に適用されています。

く け

31 32

KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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独立役員の選任方法

氏 名 地 位 担当、主な職業および重要な兼職の状況

監査役監査および内部監査の状況 カゴメは、2006年4月の取締役会において、「内部統制に

関する基本方針」を決議し、「業務の有効性・効率性」「財務

報告の信頼性」「法令等の遵守」「資産の保全」の達成に向け

継続的に取り組んでいます。

 当社の監査役会は、監査役4名で構成されます。取締役の

職務執行について、監査役会の定める監査方針および分担に

従い、各監査役が監査を実施しております。また、当社が監査

契約を締結している名古屋監査法人から年間会計監査計画

の提出・会計監査実施結果の報告を受けるほか、適宜、会計

監査人による監査に立ち会うとともに、会計監査人と定期的

な情報交換や意見交換を行うなど、緊密な相互連携をとって

おります。

 当社の内部監査は、内部監査室3名で組織され、各事業所

の業務活動が、法令、諸規程および経営方針・計画に準拠し、

適正かつ効率的に運営されているか否かを検討し、経営の合

理化・業務効率の改善向上に資することを目的としております。

監査において発見された問題点については、都度情報交換・

意見交換を行い、必要な対策または改善措置を立案・実行し

ております。また、内部監査室による監査に監査役が立ち会う

など、監査機能の精度向上や連携を図っております。

役員報酬 当社の役員報酬等は、基本報酬および業績に連動した役員

賞与、ストックオプションにより構成されており、役位別に基本報

酬と役員賞与、ストックオプションの構成割合を定めています。

 基本報酬は、株主総会で決議された総額の範囲内におい

て、使用人の最高位の年収を基礎とし、その職位ごとに役割の

大きさに応じて決定する固定報酬としております。

 役員賞与およびストックオプションは、全社業績としての連結

経常利益率と役員個人の貢献度を基にして決定しております。

 なお、当社は、役員報酬などの決定の透明性および客観性

を高めるために取締役会の諮問機関として報酬委員会を設

置しています。また、監査役報酬については、株主総会にて決

議された総額の範囲内において、監査役会の協議により決定

しています。

基本的考え方ンス強化に加え、社外取締役3名それぞれの持つ知見を最

大限経営に活かしています。

社外取締役の選任

 2014年10月現在、「取締役会」は10名の取締役で構成さ

れ、全社の経営戦略の決定と業務執行の監督を行っています。

取締役の任期は1年とし、経営責任を明確化しています。2014

年度より当社の経営判断・意思決定の過程で、その知識と経験

に基づいた助言・提言をいただくことを目的に社外取締役を3名

新たに選任しています。また、執行役員制度を採用し、取締役は

「経営戦略の決定」「業務執行の監督」、執行役員は「部門業務

の執行」に専念できる体制を整備しています。

 なお、カゴメは監査役会設置会社であり、4名の監査役(うち

2名は社外監査役)が「取締役会」をはじめとする重要な会議に

出席し、意思決定プロセスやその内容、業務執行の状況をチェッ

クすることで、経営の健全性と透明性を確保しています。

コーポレート・ガバナンス体制

コーポレート・ガバナンス

当社としての独立性に関する基準または方針はないものの、選任にあたっては、東京証券取引所の独立役員の独立性に関する判断基準等を参考にしております。その内容は以下の通りです。

ア. 当社または当社の関係会社の業務執行者でないことイ. 当社を主要な取引先とする者または業務執行者でないことウ. 当社の主要な取引先またはその業務執行者でないこと

エ. 当社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得てい  るコンサルタント、会計専門家、法律専門家でないことオ. 当社の主要株主でないことカ. 当社または当社の関係会社の会計参与でないこと

西 秀訓寺田 直行大嶽 節洋児玉 弘仁渡辺 美衡佐藤 邦彦三輪 克行蟹江 睦久村岡 明高

江尻 隆

村田 守弘近藤 誠一橋本 孝之明関 美良

あいうえおかきくけ

さしすせ

代表取締役会長代表取締役社長代表取締役副社長取締役常務執行役員取締役常務執行役員取締役常務執行役員取締役常務執行役員

常勤監査役常勤監査役

監査役

監査役社外取締役社外取締役社外取締役

ダイナパック(株) 社外取締役、長瀬産業(株) 社外取締役

United Genetics Holding LLC 会長アジア事業カンパニーCEO経営企画本部長研究開発本部長生産調達本部長ダイナパック(株) 社外監査役

弁護士法人西村あさひ法律事務所社員、(株)安藤・間 社外監査役、三菱UFJ証券ホールディングス(株) 社外監査役、三菱UFJモルガン・スタンレー証券(株) 社外監査役、ディップ(株) 社外監査役

村田守弘会計事務所代表、住友ゴム工業(株) 社外監査役近藤文化・外交研究所代表、外務省参与(国連安保理非常任理事国選挙担当大使)日本アイ・ビー・エム(株) 会長マルトモ(株) 代表取締役社長

 社外からのガバナンス強化のため、2014年6月18日開催

の第70回定時株主総会で社外取締役3名(うち2名を独立

役員として)を選任しました。従来から取り組んできたガバナ

し せ す さ こ

か え あ い う お き

 カゴメは、「開かれた企業」を目指すという企業理念の下、「経

営の透明性の実現」「経営責任の明確化」「スピーディーな意思決

定」「経営監視機能の強化」をコーポレート・ガバナンスに関する基

本的な考え方として据えており、グループ各社に適用されています。

く け

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KAGOME SUSTAINABILITY 2014

Page 34: カゴメサステナビリティレポート2014ダイジェスト版 - …カゴメサステナビリティレポート 2014 フルレポート(100ページ) サステナビリティの実現に向けたカゴメの活動全体をご紹介

リスクマネジメント

カゴメに愛着をもちつつ、厳しい目で見ていきたい

選任目的 カゴメグループはトマトに関する商品やサービスを、垂直統合型のビジネスモデルで世界に提供することを目指しています。同氏の中央省庁での豊富な海外経験や経済への知見を活かして、当社の海外事業の拡大やダイバーシティに貢献いただきます。

 カゴメは、リスク管理の統括機関として、総合リスク対策会

議を設置しています。総合リスク対策会議は取締役、一部の執

行役員、監査役をメンバーとして、リスク対応方針や重要リス

ク対応課題について検討し、迅速な意思決定を図るための会

議です。また、「コンプライアンス委員会」「情報セキュリティ委

員会」「品質保証委員会」「研究倫理審査委員会」「投資委員

会」の5つの委員会を設置し、リスク管理体制の充実を図って

います。

総合リスク対策会議

CSRマネジメント

 カゴメでは、社会的責任に関する国際規格であるISO26000

を活用し、CSRマネジメントを推進しています。2013年度は「組

織統治」「人権」「労働慣行」「環境」「公正な事業慣行」「消費

者課題」「コミュニティへの参画及びコミュニティの発展」の7つ

のテーマについて取り組みの現状を分析しました。

 個人や組織が自由で競争的な経済活動(投資)を行うことで発展する現代社会において、経済のエンジンたる企業は、利益を社会に還元する「良き企業市民」でなければなりません。そして、そうした資質を備えることが「ガバナンス」です。しかし、組織は時に、過去のしがらみに縛られ、身内でかばい合い、結果として社会的公正を欠くことになりがちです。だからこそ、会社から一定の距離をおいて監視し、適切にアドバイスすることを任務とする人が必要であり、これが社外取締役の役割であると考えます。 カゴメのことを知り、愛着をもちつつ、厳しい目で見て、耳の痛いことであっても率直に意見していくことが、社外取締役としての私の役目だと認識し努めてまいります。

経営の可視化を推し進め、妥協なき姿勢で臨みたい

選任目的 グローバルにビジネスを展開するIBMは、ダイバーシティについても先進的で、一貫した考えを有しています。こうした企業をリードしてきた同氏の知見を活かして、変化に強い組織作り、多様性を持った人材の最適配分を可能にする新たなグローバル人事制度の設計・導入に寄与いただきます。

 「開かれた企業」という企業理念の下、社外取締役の導入1年目から、取締役会を中心に活発な議論が行われています。昨今の経済、政治、地球環境の変化に伴う自然災害など、変転極まりない経営環境下において、ステークホルダーの期待に応え成長し続けるためには、軸足をしっかりと据え、その存在意義を常に認識し、変えないものと変えるべきものを明確化し、スピード感をもって変革することが要求されます。そのための的確な判断を促すために、―層の経営の可視化を推進し、社外取締役として妥協なき姿勢で議論を尽くしてまいります。また、多様性を取り入れさらなる価値を創造できる、インクルーシブな風土の醸成にも注力してまいります。

女性、母親、若年者の視点でもサポートしていきたい

選任目的 マルトモ株式会社は、かつお削りぶしをはじめとする、水産天然資源を利用した商品開発に取り組んでいます。企業経営の一線を担いながら、育児を両立させてきた同氏の知見を活かして、世界中の顧客に対して新しい価値提案を目指す当社の経営に貢献いただきます。

 カゴメの取締役の皆さんは、会社とトマトをこよなく愛し、メンバー同士もとても仲が良く、良い雰囲気であることから、イメージ通りの「良い会社」という印象を受けました。トマトや農産の専門知識のない社外取締役でも、偏らない判断ができるように、現地視察や勉強会などの機会を積極的に設けていただいています。これからのカゴメは、「おいしさ」に「感動」を加えた価値を、生産者、取引先、消費者と一緒になって生み出していくことで、社会で必要とされる企業であり続け、それが企業価値の一層の向上につながると考えます。ライフスタイルが変化する中で、その一助となるよう、経営者としてはもちろん、女性、母親、若年者の視点でも取締役会の意思決定をサポートしていきます。

近藤文化・外交研究所代表外務省参与(国連安保理非常任理事国選挙担当大使)

近藤 誠一

日本アイ・ビー・エム株式会社会長

橋本 孝之

マルトモ株式会社代表取締役社長

明関 美良

社外取締役メッセージ リスク管理体制

ISO26000の活用

主要なリスクと対策

認識と対策

原材料、商品の調達に関するリスク

安全性に関するリスク

情報システムに関するリスク

天災リスク

リスク

当社グループは、原材料および一部の商品を、複数の国から調達しています。これらの調達にあたっては安定的な調達を行うため、さまざまな対策を実施していますが、世界的な食料需給構造変化に伴う、安定的な価格や調達量確保に対するリスクおよび調達先の国における下記のリスクが内在しています。● 予期しない法律または規制の変更  ● 政治、経済の混乱  ● テロ、戦争等による社会的混乱これらの要因は、当社グループにおける調達価格の上昇や供給不足の原因となるリスクをはらんでおり、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、商品の品質、安全性を経営の最重要課題のひとつだと考えており、そのためにさまざまな活動を行っています。具体的にはトップ参加の品質保証委員会を毎月開催し、商品クレーム、事故の発生防止活動、商品表示の適正化に取り組んでいます。また、いわゆる「フードディフェンス」の考え方を取り入れ、意図的な異物混入を防御するとともに異常がないことを証明できる体制づくりを行っていますが、異物混入などの被害によりブランドイメージを損ね、回収費用や訴訟・損害賠償などにより業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、商品の品質や安全性を確保するためのトレーサビリティの強化などは、そのシステム構築に多大な費用がかかる可能性があり、これらも業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、販売促進キャンペーン、通信販売などにより多数のお客さまの個人情報を保持しています。当社グループは、これらの重要な情報の紛失、誤用、改ざんなどを防止するため、システムを含め情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しています。しかしながら、停電、災害、ソフトウエアや機器の欠陥、コンピューターウイルスの感染、不正アクセスなど予測の範囲を超える出来事により、情報システムの崩壊、停止または一時的な混乱、顧客情報を含めた内部情報の消失、漏えい、改ざんなどのリスクがあります。このような事態が発生した場合、営業活動に支障をきたし、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、生産ラインの中断による潜在的なリスクを回避するため、必要だと考えられる定期的な災害防止検査と、設備点検、さらにサプライチェーンの複線化などの災害対策を行っています。しかしながら、天災などによる生産施設における災害を完全に防止できる保証はありません。こうした影響は、売上高の低下、コストの増加を招く可能性があり、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

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KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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リスクマネジメント

カゴメに愛着をもちつつ、厳しい目で見ていきたい

選任目的 カゴメグループはトマトに関する商品やサービスを、垂直統合型のビジネスモデルで世界に提供することを目指しています。同氏の中央省庁での豊富な海外経験や経済への知見を活かして、当社の海外事業の拡大やダイバーシティに貢献いただきます。

 カゴメは、リスク管理の統括機関として、総合リスク対策会

議を設置しています。総合リスク対策会議は取締役、一部の執

行役員、監査役をメンバーとして、リスク対応方針や重要リス

ク対応課題について検討し、迅速な意思決定を図るための会

議です。また、「コンプライアンス委員会」「情報セキュリティ委

員会」「品質保証委員会」「研究倫理審査委員会」「投資委員

会」の5つの委員会を設置し、リスク管理体制の充実を図って

います。

総合リスク対策会議

CSRマネジメント

 カゴメでは、社会的責任に関する国際規格であるISO26000

を活用し、CSRマネジメントを推進しています。2013年度は「組

織統治」「人権」「労働慣行」「環境」「公正な事業慣行」「消費

者課題」「コミュニティへの参画及びコミュニティの発展」の7つ

のテーマについて取り組みの現状を分析しました。

 個人や組織が自由で競争的な経済活動(投資)を行うことで発展する現代社会において、経済のエンジンたる企業は、利益を社会に還元する「良き企業市民」でなければなりません。そして、そうした資質を備えることが「ガバナンス」です。しかし、組織は時に、過去のしがらみに縛られ、身内でかばい合い、結果として社会的公正を欠くことになりがちです。だからこそ、会社から一定の距離をおいて監視し、適切にアドバイスすることを任務とする人が必要であり、これが社外取締役の役割であると考えます。 カゴメのことを知り、愛着をもちつつ、厳しい目で見て、耳の痛いことであっても率直に意見していくことが、社外取締役としての私の役目だと認識し努めてまいります。

経営の可視化を推し進め、妥協なき姿勢で臨みたい

選任目的 グローバルにビジネスを展開するIBMは、ダイバーシティについても先進的で、一貫した考えを有しています。こうした企業をリードしてきた同氏の知見を活かして、変化に強い組織作り、多様性を持った人材の最適配分を可能にする新たなグローバル人事制度の設計・導入に寄与いただきます。

 「開かれた企業」という企業理念の下、社外取締役の導入1年目から、取締役会を中心に活発な議論が行われています。昨今の経済、政治、地球環境の変化に伴う自然災害など、変転極まりない経営環境下において、ステークホルダーの期待に応え成長し続けるためには、軸足をしっかりと据え、その存在意義を常に認識し、変えないものと変えるべきものを明確化し、スピード感をもって変革することが要求されます。そのための的確な判断を促すために、―層の経営の可視化を推進し、社外取締役として妥協なき姿勢で議論を尽くしてまいります。また、多様性を取り入れさらなる価値を創造できる、インクルーシブな風土の醸成にも注力してまいります。

女性、母親、若年者の視点でもサポートしていきたい

選任目的 マルトモ株式会社は、かつお削りぶしをはじめとする、水産天然資源を利用した商品開発に取り組んでいます。企業経営の一線を担いながら、育児を両立させてきた同氏の知見を活かして、世界中の顧客に対して新しい価値提案を目指す当社の経営に貢献いただきます。

 カゴメの取締役の皆さんは、会社とトマトをこよなく愛し、メンバー同士もとても仲が良く、良い雰囲気であることから、イメージ通りの「良い会社」という印象を受けました。トマトや農産の専門知識のない社外取締役でも、偏らない判断ができるように、現地視察や勉強会などの機会を積極的に設けていただいています。これからのカゴメは、「おいしさ」に「感動」を加えた価値を、生産者、取引先、消費者と一緒になって生み出していくことで、社会で必要とされる企業であり続け、それが企業価値の一層の向上につながると考えます。ライフスタイルが変化する中で、その一助となるよう、経営者としてはもちろん、女性、母親、若年者の視点でも取締役会の意思決定をサポートしていきます。

近藤文化・外交研究所代表外務省参与(国連安保理非常任理事国選挙担当大使)

近藤 誠一

日本アイ・ビー・エム株式会社会長

橋本 孝之

マルトモ株式会社代表取締役社長

明関 美良

社外取締役メッセージ リスク管理体制

ISO26000の活用

主要なリスクと対策

認識と対策

原材料、商品の調達に関するリスク

安全性に関するリスク

情報システムに関するリスク

天災リスク

リスク

当社グループは、原材料および一部の商品を、複数の国から調達しています。これらの調達にあたっては安定的な調達を行うため、さまざまな対策を実施していますが、世界的な食料需給構造変化に伴う、安定的な価格や調達量確保に対するリスクおよび調達先の国における下記のリスクが内在しています。● 予期しない法律または規制の変更  ● 政治、経済の混乱  ● テロ、戦争等による社会的混乱これらの要因は、当社グループにおける調達価格の上昇や供給不足の原因となるリスクをはらんでおり、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、商品の品質、安全性を経営の最重要課題のひとつだと考えており、そのためにさまざまな活動を行っています。具体的にはトップ参加の品質保証委員会を毎月開催し、商品クレーム、事故の発生防止活動、商品表示の適正化に取り組んでいます。また、いわゆる「フードディフェンス」の考え方を取り入れ、意図的な異物混入を防御するとともに異常がないことを証明できる体制づくりを行っていますが、異物混入などの被害によりブランドイメージを損ね、回収費用や訴訟・損害賠償などにより業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、商品の品質や安全性を確保するためのトレーサビリティの強化などは、そのシステム構築に多大な費用がかかる可能性があり、これらも業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、販売促進キャンペーン、通信販売などにより多数のお客さまの個人情報を保持しています。当社グループは、これらの重要な情報の紛失、誤用、改ざんなどを防止するため、システムを含め情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しています。しかしながら、停電、災害、ソフトウエアや機器の欠陥、コンピューターウイルスの感染、不正アクセスなど予測の範囲を超える出来事により、情報システムの崩壊、停止または一時的な混乱、顧客情報を含めた内部情報の消失、漏えい、改ざんなどのリスクがあります。このような事態が発生した場合、営業活動に支障をきたし、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、生産ラインの中断による潜在的なリスクを回避するため、必要だと考えられる定期的な災害防止検査と、設備点検、さらにサプライチェーンの複線化などの災害対策を行っています。しかしながら、天災などによる生産施設における災害を完全に防止できる保証はありません。こうした影響は、売上高の低下、コストの増加を招く可能性があり、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

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KAGOME SUSTAINABILITY 2014

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