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71 ●ポリフェニレンサルファイドにおける新グレードの 開発 高分子材料研究所 モールドグループ  春成  武 1.はじめに ポリフェニレンサルフィド(PPS)樹脂は、高温環 境下での長期使用に耐える卓越した耐熱性(UL 温度 インデックスは 200 ~ 240℃)、フッ素樹脂に匹敵す る耐薬品性、耐熱水性、難燃剤を必要としない自己難 燃性など、多くの優れた特性を有する熱可塑性エンジ ニアリングプラスチックである 1,2) 。これらの特長か ら、PPS 樹脂は金属または熱硬化性樹脂の代替材料と して、耐熱性や信頼性の求められる自動車部品、電気・ 電子部品、水廻り・住設機器などに使用されてきた。 PPS 樹脂のグレードはガラス繊維や無機フィラー が配合された強化タイプが一般的であるが、これらグ レードにエラストマー等を配合した高靭性グレード、 高熱伝導フィラーを配合した高熱伝導グレード、フッ 素樹脂等を配合した高摺動グレードなどの特殊グレー ドも上市されている。 東ソー㈱は顧客の新たな要求に応えるべく、高機能 グレードの開発に取り組んできた。本稿では、当社の PPS 樹脂<サスティール>の中から、射出成形によ り金属と PPS 樹脂との複合化を可能とする金属接合 PPS グレード、および耐トラッキング PPS グレード について紹介する。 2.金属接合 PPS グレード [1]射出接合 近年、自動車部品、電気・電子部品などでは、金属 と樹脂との複合化、あるいは複数の部品を一体化した モジュール化が進展している。また、スマートフォン に代表されるモバイル機器では薄型・軽量化や意匠性 が強く求められており、本分野においても、金属と樹 脂との複合化に対する要求が非常に高まっている。 金属と樹脂との複合化については、ネジ等による機 械式接合、接着剤による接合等が古くから知られるが、 最近、射出成形を利用した複合化手法である射出接合 が注目されている。射出接合は溶融樹脂と接合させる ため表面処理を行った金属を用いてインサート成形す る手法であり、生産性が高く、機械式接合のようなネジ が不要であることから部品点数が削減され、設計自由 度が高いという特長がある。射出接合の手法としては、 大成プラスの NMT(Nano Molding Technology) 3 5) 東亜電化の TRI システム 6,7) 等があり、各種部品への 適用が進められている。  [2]NMT(Nano Molding Technology) 代表的な射出接合手法である NMT について概略を 説明する。金属を特殊な水溶液に浸せきすることで金 属表面に数十 nm の微細孔が形成される(図1)。こ の表面処理した金属を金型内にセットし、射出イン サート成形により金属と樹脂の一体成形を行う技術が NMT であり、樹脂と金属は主にアンカー効果により 接合すると報告されている 3 5) 。また、樹脂は、金属 表面に形成された数十 nm の微細孔に、隙間なく侵入 することが報告されている 8,9) 。NMT に使用される 金属には、アルミニウム、マグネシウム、銅、ステン レス、チタン、鉄などがある 4,5) 。以下、PPS 樹脂と アルミニウムを NMT で接合した結果を示す。 [3]PPS 樹脂と金属との接合強度 PPS 樹脂は流動性に優れるため、金属表面の微細 孔に流入しやすく、NMT による接合に適した樹脂で ある。当社は PPS 樹脂と金属との接合強度をさらに 向上させるため、金属接合 PPS グレードを開発した。 図2に金属接合 PPS グレード(SGX 120 (12))とア ルミニウムとの接合強度を示す。なお、本接合強度の 図1 表面処理したアルミニウム(A6061) 4)

ポリフェニレンサルファイドにおける新グレードの240 HB (0.4mmt) 39 17 高衝撃強度 1.60 235 13.0 175 V-0 (3.0mmt) 32 13 低ハロゲン 表1 金属接合PPSグレード

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  • 71

    ●ポリフェニレンサルファイドにおける新グレードの 開発

    高分子材料研究所 モールドグループ  春成  武

    1.はじめに

     ポリフェニレンサルフィド(PPS)樹脂は、高温環

    境下での長期使用に耐える卓越した耐熱性(UL 温度

    インデックスは 200 ~ 240℃)、フッ素樹脂に匹敵す

    る耐薬品性、耐熱水性、難燃剤を必要としない自己難

    燃性など、多くの優れた特性を有する熱可塑性エンジ

    ニアリングプラスチックである 1,2)。これらの特長か

    ら、PPS 樹脂は金属または熱硬化性樹脂の代替材料と

    して、耐熱性や信頼性の求められる自動車部品、電気・

    電子部品、水廻り・住設機器などに使用されてきた。

     PPS 樹脂のグレードはガラス繊維や無機フィラー

    が配合された強化タイプが一般的であるが、これらグ

    レードにエラストマー等を配合した高靭性グレード、

    高熱伝導フィラーを配合した高熱伝導グレード、フッ

    素樹脂等を配合した高摺動グレードなどの特殊グレー

    ドも上市されている。

     東ソー㈱は顧客の新たな要求に応えるべく、高機能

    グレードの開発に取り組んできた。本稿では、当社の

    PPS 樹脂<サスティール>の中から、射出成形によ

    り金属と PPS 樹脂との複合化を可能とする金属接合

    PPS グレード、および耐トラッキング PPS グレード

    について紹介する。

    2.金属接合 PPS グレード

    [1]射出接合

     近年、自動車部品、電気・電子部品などでは、金属

    と樹脂との複合化、あるいは複数の部品を一体化した

    モジュール化が進展している。また、スマートフォン

    に代表されるモバイル機器では薄型・軽量化や意匠性

    が強く求められており、本分野においても、金属と樹

    脂との複合化に対する要求が非常に高まっている。

     金属と樹脂との複合化については、ネジ等による機

    械式接合、接着剤による接合等が古くから知られるが、

    最近、射出成形を利用した複合化手法である射出接合

    が注目されている。射出接合は溶融樹脂と接合させる

    ため表面処理を行った金属を用いてインサート成形す

    る手法であり、生産性が高く、機械式接合のようなネジ

    が不要であることから部品点数が削減され、設計自由

    度が高いという特長がある。射出接合の手法としては、

    大成プラスの NMT(Nano Molding Technology)3 − 5)、

    東亜電化の TRI システム 6,7)等があり、各種部品への

    適用が進められている。 

    [2]NMT(Nano Molding Technology)

     代表的な射出接合手法である NMT について概略を

    説明する。金属を特殊な水溶液に浸せきすることで金

    属表面に数十 nm の微細孔が形成される(図1)。こ

    の表面処理した金属を金型内にセットし、射出イン

    サート成形により金属と樹脂の一体成形を行う技術が

    NMT であり、樹脂と金属は主にアンカー効果により

    接合すると報告されている 3 − 5)。また、樹脂は、金属

    表面に形成された数十 nm の微細孔に、隙間なく侵入

    することが報告されている 8,9)。NMT に使用される

    金属には、アルミニウム、マグネシウム、銅、ステン

    レス、チタン、鉄などがある 4,5)。以下、PPS 樹脂と

    アルミニウムを NMT で接合した結果を示す。

    [3]PPS 樹脂と金属との接合強度

     PPS 樹脂は流動性に優れるため、金属表面の微細

    孔に流入しやすく、NMT による接合に適した樹脂で

    ある。当社は PPS 樹脂と金属との接合強度をさらに

    向上させるため、金属接合 PPS グレードを開発した。

    図2に金属接合 PPS グレード(SGX − 120(12))とア

    ルミニウムとの接合強度を示す。なお、本接合強度の

    図1 表面処理したアルミニウム(A6061)4)

  • 72 TOSOH Research & Technology Review Vol.59(2015)

    評価では、表面処理したアルミニウム(A5052)を使

    用し、引張剪断試験により接合強度を測定した。金

    属接合 PPS グレードとアルミニウムとの接合強度は

    44MPa に達し、PPS 樹脂の一般グレードに対し、2 ~

    3 倍の接合強度を示すことが分かる。このような高い

    接合強度を実現できたことにより、過酷な環境や高応

    力下での使用において、接合への信頼性が高まったと

    考える。

     自動車用の部品などでは高温高湿下、冷熱環境下な

    ど過酷な環境下での長期にわたる品質安定性が要求さ

    れるため、接合強度の長期耐久性を調べた。1000 時

    間の湿熱試験後(85℃× 85% RH)、アルミニウムお

    よび銅と金属接合グレード(SGX − 120(12))との接

    合強度を評価した結果、接合強度の大きな低下は認め

    られなかった(図3)。また、1000 サイクルの冷熱衝

    撃試験(− 40℃× 30min ⇔ 150℃× 30min)において

    も、アルミニウムと金属接合グレード(SGX − 120(12))

    との接合強度の低下は認められず(図4)、金属接合

    PPS グレードは長期信頼性が要求される部品にも適用

    できる可能性を見出した。

    [4]金属接合 PPS グレードのラインナップ

     東ソー㈱は用途、目的に応じて各種の金属接合 PPS

    グレードをラインナップしている。表1に代表的な 3

    種類の金属接合 PPS グレードの特性を示す。

     SGX − 120(12)は、金属との接合強度、薄肉流動性、

    靭性に優れる金属接合 PPS の標準グレードであり、

    薄型・軽量化への要求が強いモバイル電子機器の筐体、

    50

    40

    30

    20

    10

    0

    接合強度[MPa]

    SGX-120 GS-40 G-10

    金属接合用グレード 一般グレード

    図2 アルミニウム(A5052)との接合強度

    50

    40

    30

    20

    10

    0

    接合強度[MPa]

    0 250 500 750 1000

    85℃×85%RH湿熱処理時間[hr]

    図3 接合強度の耐久性(湿熱試験;85℃×85%RH)

    銅アルミニウム

    50

    40

    30

    20

    10

    0

    接合強度[MPa]

    1 10 100 1000

    サイクル回数[回]

    図4 接合強度の耐久性(冷熱衝撃試験)

    測定項目 試験方法 単位SGX-120(12)GF20%強化

    SGX-115(52A)GF15%強化

    SGX-140(52)GF40%強化

    密 度曲 げ 強 さ曲 げ 弾 性 率流 動 長

     燃 焼 性

     接 合 強 度シャルピー衝撃強度特 長

    注 1)金型形状;1mm厚×10mm幅バーフロー金型注 2)引張剪断接合強度 金属;アルミニウム(A5052)注 3)周波数:2GHz

    ISO 1183ISO 178ISO 178東ソー法1)

     UL94 

    東ソー法2)

    ISO 179-1

    [g/ cm3][MPa][GPa][mm]

    [-] 

    [MPa][kJ/ m2]

    1.401706.5310V-2

    (1.0mmt)449

    高接合強度

    1.361505.0240HB

    (0.4mmt)3917

    高衝撃強度

    1.6023513.0175V-0

    (3.0mmt)3213

    低ハロゲン

    表1 金属接合 PPS グレード

  • 73東ソー研究・技術報告 第 59 巻(2015)

    ボス、枠などに採用された実績がある。SGX − 115(52A)

    は、衝撃強度を特徴とした金属接合 PPS グレードで

    あり、落下強度が要求されるスマートフォンの筐体と

    して採用された。さらに近年、電気・電子分野におい

    て低ハロゲンに対する要求が高まっており、本要求と

    金属との接合強度を両立させたグレードを開発してい

    る。SGX − 140(52)は、ハロゲン含有量が 900ppm 以

    下の金属接合 PPS グレードである。

     これらグレード以外にも、低異方性、薄肉高流動性、

    高摺動性、低誘電率、カラーグレードなどの金属接合

    グレードをラインナップしており、顧客の要望に合わ

    せ、グレードの充実化を図っている。

    [5]用途開発

     金属接合 PPS グレードは、PPS 本来の特長である

    耐熱性、耐薬品性等に加え、金属との高い接合強度

    を有し、プロジェクタ、携帯音楽機器、スマートフォ

    ンなどのモバイル電子機器などとして採用されており

    (図5,6)、薄型・軽量化が求められる薄型テレビ、ノー

    トパソコン等の筐体などでも開発が進められている。

    また、接合強度の長期信頼性を活かし、金属との気密

    性が要求されるリチウムイオン電池の封口板での開発

    が進められている 4,5,10)。

    3.耐トラッキング PPS グレード

    [1]耐トラッキング性

     電力変換装置に用いられているパワーデバイス

    の 主 要 素 子 で あ る Insulated Gate Bipolar Transistor

    (IGBT)は、大容量化、高耐電圧化が進展しており、

    これら IGBT パワーモジュールに使用される材料には

    CTI600V 以上という高い耐トラッキング性が要求され

    る場合がある 11)。

     トラッキングとは、有機絶縁体表面が湿気や塩分、

    埃などで汚染された状態で電圧が印加された際に、微

    小放電が生じ、絶縁体表面が発熱により分解あるいは

    燃焼することで、炭化物導電路が形成されることであ

    る。トラッキングに対する耐性、すなわち耐トラッキ

    ング性は、IEC 法におけるトラッキング指数(CTI)

    により評価されることが多く、CTI600V 以上は、耐

    トラッキング指数の最も高い区分に位置づけられる。

    PPS 樹脂は優れた特長をもつ材料であるが、分子鎖中

    にベンゼン環を含むため、耐トラッキング性に乏し

    く 12)、一般グレードの CTI は 175V 程度である。そこで、

    東ソー㈱は CTI600V 以上の耐トラッキング PPS グレー

    ドの開発に取り組み、現在、市場評価を進めている。

     

    [2]耐トラッキング PPS グレードの開発

     PPS 樹脂の耐トラッキング性を改良する方法とし

    て、熱分解時に吸熱し、放電の熱を吸収する無機フィ

    ラー(分解吸熱フィラー)、あるいは耐トラッキング

    性に優れる脂肪族系有機化合物を配合する方法が知ら

    れるが、多量のフィラーの配合を必要とするため、流

    動性、機械特性等が損なわれる問題がある。当社は、

    PPS 樹脂の炭化を抑制する効果をもつ新たな炭化抑制

    剤を見出し、これを分解吸熱フィラーと組み合わせた。

    その結果、一定の無機フィラー配合量にて、PPS 樹脂

    の耐トラッキング性を著しく向上させることに成功し

    た(図7)。表2に代表的な耐トラッキング PPS グレー

    ドとして、標準タイプ、低ガスタイプ、高伸びタイプ

    の特性を示す。

    [3]高強度耐トラッキング PPS グレード

     耐トラッキング PPS グレードは一般の PPS グレー

    ドと比較して強度に劣るため、CTI600V を保持し、か

    つ強度に優れる耐トラッキング PPS グレードの開発

    に取り組んでいる。強度の評価方法には、部品の実用

    物性がイメージできるように、ボルト締付強度を採用

    図5 アルミニウム板に射出接合した PPS 製ボス(大成プラス㈱殿提供)      

    図6 電子機器筐体への適用事例(大成プラス㈱殿提供)

  • 74 TOSOH Research & Technology Review Vol.59(2015)

    した。試験方法の概略として、4M サイズの六角穴を

    設けた試験片を射出成形により作製し、トルクレンチ

    で六角穴を締め付け、六角穴が割れた時のトルクをボ

    ルト締付強度として計測した。表3に高強度耐トラッ

    キング PPS グレードの特性を示す。既存の耐トラッ

    キング PPS グレードに対し、ボルト締付強度を大幅

    に向上させることができた。

    [4]用途開発

      東 ソ ー ㈱ の 耐 ト ラ ッ キ ン グ PPS グ レ ー ド は、

    CTI600V 以上の優れた耐トラッキング性が注目され、

    特に、大容量電力変換が必要な鉄道車両や、太陽光、

    風力発電向けの IGBT パワーモジュールケース等の部

    品として顧客評価が進められている。

    4.おわりに

     本稿では、東ソー㈱の PPS 樹脂<サスティール>のなかから、射出成形により金属と樹脂との複合化を可能とする金属接合 PPS グレード、および耐トラッキング PPS グレードについて紹介した。両グレードともに、耐熱性、耐薬品性、高流動性、難燃性といった PPS 樹脂の特長を損なうことなく、顧客の要求する金属接合性や耐トラッキング性を付与する

    ことを目指し、開発したものである。また、当社で

    は、本稿で紹介した両グレード以外にも高熱伝導グ

    レード(導電タイプ、絶縁タイプ)を開発し、用途

    開発を進めている。今後とも、これらグレードを始め、東ソー㈱のPPS 樹脂に顧客の要求を一層、反映させていきたいと考える。

    参考文献

    1)山縣邦彦,高野健,プラスチックス,57,90(2006)

    2)実用プラスチック事典編集委員会(産業調査会),

    実用プラスチック事典,418(1993)

    3)安藤直樹,成形加工,16,588(2004)

    4)安藤直樹,成形加工,21,600(2009)

    5)板橋雅巳,プラスチックスエージ,58,45(2012)

    6)佐々木秀幸ら,高分子論文集,55,470(1998)

    7)斎聖一ら,成形加工,16,506(2004)

    1000

    800

    600

    400

    200

    CTI[V]

    少 多

    分解吸熱フィラー配合量

    図7 分解吸熱フィラーの配合量とCTI の関係

    PPS+分解吸熱フィラー

    PPS+分解吸熱フィラー+炭化抑制剤

    測定項目 試験方法単位 標準タイプ 低ガスタイプ 高伸びタイプ

    比            重引 張 強 度引 張 伸 び引 張 ウ ェ ル ド 強 度曲 げ 強 度曲 げ 弾 性 率シャルピー衝撃強度(ノッチ側)溶 融 流 動 長耐トラッキング指数(CT I)

    注 1)金型形状;1mm厚×10mm幅バーフロー金型

    ISO 1183ISO 527ISO 527ASTM D638ISO 178ISO 178ISO 179

    TOSOH法1)

    IEC60112

    [-][MPa][%][MPa][MPa][GPa][kJ/ m2][mm][V]

    1.88900.531150186123600

    1.89900.532150185110600

    1.69811.52512096120600

    表2 耐トラッキング PPS グレード

    測定項目 試験方法単位 標準タイプ 高強度タイプ

    引 張 強 度引 張 伸 び耐トラッキング指数(CTI)ボ ル ト 締 付 強 度

    ISO 527ISO 527IEC60112TOSOH法

    [MPa][%][V][N・m]

    900.56001.6

    992.16002.8

    表3 高強度耐トラッキング PPS グレード

  • 75東ソー研究・技術報告 第 59 巻(2015)

    8)堀内伸ら , 日本接着学会第 48 回年次大会 講演要

    旨集,160(2010)

    9)堀内伸,Polyfile,49,46(2012)

    10)日経 BP 社,日経 Automotive Technology,9,18

    (2009)

    11)西村孝司,高宮喜和,中嶋修,富士時報,81,6,

    390(2008)

    12)山形直樹,鍵崎秀樹,山城啓輔,高野哲美,前田

    孝夫,電学論 A,122,2,164(2002)