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合成デザイン 炭素-炭素結合を作る アルカン・アルケン・アルキンを作る ハロゲン化アルキル・ハロゲン化アリールを作る アルコールを作る エーテルを作る エポキシドを作る 1

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合成デザイン

炭素-炭素結合を作る

アルカン・アルケン・アルキンを作る

ハロゲン化アルキル・ハロゲン化アリールを作る

アルコールを作る

エーテルを作るエポキシドを作る

1

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有機合成のデザイン

有機合成の基本的な考え方

炭素骨格をいかに作るか(炭素-炭素結合の生成方法)

官能基をいかに作るか(官能基の変換方法)

「合成に使える方法」を知って、それを使えることが重要

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炭素-炭素結合を作る

アセチリドの反応

Grignard 試薬の反応

エノラートの反応

Friedel‒Crafts アルキル化・アシル化

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アセチリドの反応

C CR C CR R'H

(1) NaNH2(2) R'–Br

C CR HNaNH2

O

C CR OH

(1)(2) H2O

アセチリドとハロゲン化アルキルの反応

アセチリドとエポキシドの反応

※ SN2 反応なので、R’ は一級・二級アルキルに限る

※ 2炭素増えたアルコールができる

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Grignard 試薬の反応 (1)

Grignard 試薬とエポキシドの反応

R BrMg

R MgBr

O(1)(2) H2O R OH

※ Grignard 試薬とハロゲン化アルキルの反応はうまくいかない※ 2炭素増えたアルコールができる

R BrMg

R MgBrR'–Br

R R'

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Grignard 試薬の反応 (2)Grignard 試薬とアルデヒド・ケトンの反応

R

O

R'

R'' MgBr(1)(2) H2O

RR'

R''OH

R

O

OMe

R'' MgBr(1)(2) H2O

(2 eq.)

RR''

R''OH

Grignard 試薬とエステルの反応※ アルコールができる。OH の根元に新しい炭素置換基が1個結合

※ アルコールができる。OH の根元に新しい炭素置換基が2個結合

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エノラートの反応 (1)エノラートとハロゲン化アルキルの反応

エナミンのアルキル化

O

H

(1) LDA(2) R–Br O

R

O

H

NH

, H+

NR–Br(1)

(2) H+, H2O O

R

※ どちらも SN2 反応なので、R’ は一級・二級アルキルに限る

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エノラートの反応 (2)

OEt

O O (1) NaOEt(2) R–Br

OEt

O O

R

(1) NaOH(2) H+, (3) Δ

OR

OEtEtO

OO (1) NaOEt(2) R–Br

OEtEtO

OO

R

(1) NaOH(2) H+, (3) Δ

OH

OR

※ どちらも SN2 反応なので、R’ は一級・二級アルキルに限る

アセト酢酸エステル合成

マロン酸エステル合成

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エノラートの反応 (3)

O

H

ONaOH, O OH

O

H H

ONaOH, O

O

H

OEt

ONaOEt, O O

アルドール付加

アルドール縮合

クライゼン縮合

※ アルデヒド・ケトンとの反応

※ アルデヒド・ケトンとの反応

※ エステルとの反応

※ 生成物はβ-ヒドロキシケトン

※ 生成物はα,β-不飽和ケトン

※ 生成物は1,3-ジケトン

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Friedel‒Crafts アルキル化・アシル化

Cl , AlCl3

R Cl

O, AlCl3 R

O

Friedel‒Crafts アルキル化

※ 制約が多い(転位、多置換)

Friedel‒Crafts アシル化

※ 転位なし、多置換なし→アルキル化よりも適用範囲が広い

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ケトンのカルボニル基→CH2 の変換芳香環に一級アルキル基を導入したい時は、アシル化したあとカルボニル基を CH2 に変換する

R R'

OH2NNH2KOHΔ R R'

H H

R R'

O Zn(Hg)HCl

R R'

H H

Wolff‒Kishner (ウォルフ・キシュナー)還元

Clemmensen (クレメンゼン)還元

※ 強塩基性条件

※ 強酸性条件

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アルカン・アルケン・アルキンを作る

還元反応によるアルカンの合成

脱離反応によるアルケンの合成

付加反応(還元反応)によるアルケンの合成

C‒C結合生成を伴うアルケンの合成

アルキンの合成(脱離反応、C‒C 結合生成)

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還元反応によるアルカンの生成

H2, Pd/C

H H

H2, Pd/CH H

H H

接触水素添加

Wolff‒Kishner 還元、Clemmensen 還元

R R'

OH2NNH2KOHΔ R R'

H H

R R'

O Zn(Hg)HCl

R R'

H H

※ 立体選択的(シン付加)

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脱離反応によるアルケンの合成

Br

H

CH3ONa

Br

t-BuONa

CH3Br CH3ONa CH3

E1 または E2 反応

※ 置換反応との競合に注意

※ 位置選択性に注意

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付加反応(還元反応)によるアルケンの合成

H2Lindlar cat.

H H

NaNH3 (liq.)

H

H

部分接触水素添加※ 活性を落とした触媒(被毒触媒)が必要。 Lindlar 触媒を指定すればよい

溶解金属還元※ 液体アンモニア中、金属ナトリウムによる還元

※ 立体選択的(シン付加)

※ 立体選択的(アンチ付加)

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C‒C 結合生成を伴うアルケンの合成Wittig(ウィッティヒ)反応

Diels‒Alder(ディールス・アルダー)反応

アルドール縮合

OPh3P

EWG

EWG

O

H H

OO

NaOH

※ ホスホニウムイリドの合成法も確認しておくこと

※ EWG=電子求引基

※ α,β-不飽和ケトンの合成

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アルキンの合成ハロゲン化ビニルの脱離反応

ジハロゲン化物の二段階脱離反応

CH

CBr

NaNH2C C

CBr

HCH

BrC C

NaNH2(2 eq.)

CBr

BrCH

HC C

NaNH2(2 eq.)

アセチリドのアルキル化

C CR C CR R'H

(1) NaNH2(2) R'–Br

※ 普通の E2 より強い塩基が必要

※ 一段階目でハロゲン化ビニルが生成、二段階目でアルキンが生成

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ハロゲン化アルキル・ハロゲン化アリールの合成

ラジカル反応によるハロゲン化アルキルの合成

求電子付加反応によるハロゲン化アルキルの合成

脂肪族求核置換反応によるハロゲン化アルキルの合成

芳香族求電子置換反応によるハロゲン化アリールの合成

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ラジカル反応によるハロゲン化アルキルの合成

Br + HBrBr2

hv

CH3 CH2BrBr2hv

NBS, BPO

Br

NBS = N

O

O

Br

ラジカル反応による臭素化・塩素化

※ 位置選択性に注意

Wohl‒Ziegler(ウォール・ツィーグラー)反応

※ アリル位の臭素化に有用(Br2の付加が競争しない)※ ベンジル位の臭素化にも使える

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求電子付加反応によるハロゲン化アルキルの合成

HBrBr

Br2Br

Br

Br2Br

OHH2O

HBr, HCl の付加

Br2 の付加

Br2 と水、アルコールなどの付加

※ 位置選択性に注意(安定なカルボカチオンに Br がつく)

※ 位置選択性に注意(安定なカルボカチオンに OH がつく)

※ 立体選択性に注意(アンチ付加)

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脂肪族求核置換反応によるハロゲン化アルキルの合成

OHHCl

Cl

OHPBr3

Br

三級ハロゲン化アルキル(SN1)

一級・二級ハロゲン化アルキル(SN2)

※ 一級、二級は非推奨(加熱を要し、副反応が多い)

※ 三級でも可(特に SOCl2)OHSOCl2

Cl

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ハロゲン化アリールの合成

Br2 , FeBr3Br

Br2 , FeBr3 CO2MeCO2Me Br

芳香族求電子置換反応によるハロゲン化

※ 普通はルイス酸が必要(FeBr3など)

※ 配向性に注意

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アルコールの合成

アルケンへの付加反応によるアルコールの合成

カルボニル化合物への付加反応によるアルコールの合成

脂肪族求核置換反応によるアルコールの合成

エステルの加水分解によるアルコールの合成

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アルケンへの付加反応によるアルコールの合成

H2O

OH

, H2SO4

(1) (BH3)2(2) NaOH, H2O2

OH

ヒドロホウ素化-酸化

アルケンへの水の付加(酸触媒)※ 酸触媒が必要※ 位置選択性に注意(安定なカルボカチオンに OH がつく)

※ 位置選択性が逆転する!(安定なカルボカチオンに H がつく)

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ヒドロホウ素化-酸化の反応機構

(BH3)2 2 BH3

ジボラン (BH3)2

BH

HB

H H

H H

��������

BH2HBH2H

δ+

δ–δ– δ+ BH2

H

B

H

–OOHB

H

O OH– –OH O

H

B–OH

O

H

B OHB OH– O

H

H–OHOH

H

ヒドロホウ素化

酸化

– –OH

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カルボニル化合物への付加反応によるアルコールの合成(1)

R R'

O (1) NaBH4(2) H+

RR'

OHH

R OMe

O (1) LiAlH4(2) H+

RH

OHH

アルデヒド・ケトンの還元 (NaBH4)

エステルの還元 (LiAlH4)

※ ヒドリド (H‒) が1個付加

※ ヒドリドが2個付加

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カルボニル化合物への付加反応によるアルコールの合成(2)

R

O

R'

R'' MgBr(1)(2) H2O

RR'

R''OH

R

O

OMe

R'' MgBr(1)(2) H2O

(2 eq.)

RR''

R''OH

O

H

ONaOH, O OH

アルデヒド・ケトンと Grignard 試薬

エステルと Grignard 試薬

アルデヒド・ケトンとエノラート(アルドール付加)

※ 炭素置換基が1個付加

※ 炭素置換基が2個付加

※ 3-位にカルボニル基を持つアルコールが生成

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脂肪族求核置換反応によるアルコールの合成 (1)

ハロゲン化アルキルと水 (SN1)

ハロゲン化アルキルと‒OH (SN2)

ハロゲン化アルキルと酢酸イオン(SN2)、続いて加水分解

R BrH2OR'

R''R OHR'

R''

※ 一級・二級に限る

※ 三級など、カルボカチオンが安定な場合に限る

※ 一級・二級で、脱離反応との競争を抑えるのに有効R Br

R' CH3CO2NaR O

R' O

CH3NaOH

R OH

R'

R BrNaOH

R OH

R BrNaOH

R OH

R' R'

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脂肪族求核置換反応によるアルコールの合成 (2)エポキシドと求核剤 (SN2)

C CRO

C CR OH(1)(2) H2O

Na+

R MgBrO

(1)(2) H2O R OH

※ 炭素求核剤を使って、2炭素増やしたアルコールを作れる

O(1) NaOH(2) H2O

HO OH

※ 他の求核剤も反応して、2-位に求核剤が置換したアルコールを与える

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エステルの加水分解によるアルコールの合成

O CH3R

O NaOHR OH

エステルの塩基性条件での加水分解

※ 酸触媒でも進行するが、特に理由がなければ塩基性で行う

※ この反応は「カルボン酸誘導体の反応」と思い込みがちだがアルコールの合成にも頻繁に用いられる例:(2つ前のスライド参照)

R Br

R' CH3CO2NaR O

R' O

CH3NaOH

R OH

R'

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エーテル・エポキシドの合成

アルケンへの付加反応によるエーテルの合成

脂肪族求核置換反応によるエーテルの合成

エポキシドの合成

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アルケンへの付加反応によるエーテルの合成

CH3OH

OCH3

H2SO4

アルケンへのアルコールの付加(酸触媒)

※ 酸触媒が必要※ 位置選択性に注意(安定なカルボカチオンに OR が結合する)

※ 逆の位置選択性が欲しい時は、ヒドロホウ素化-酸化を使って逆のアルコールを合成した後、Williamson エーテル合成

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脂肪族求核置換反応によるエーテルの合成アルコール・フェノールの共役塩基とハロゲン化アルキルの反応 (SN2)

OH

(1) NaH(2) CH3Br

OCH3

OH

(1) NaOH(2) CH3Br

OCH3

(Williamson(ウィリアムソン)エーテル合成)

※ アルコール・フェノールは必ず共役塩基にして反応させる(OH のままでは反応しない)※ 共役塩基を作るのには、アルコールは NaH、フェノールは NaOH を使うのが便利

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エポキシドの合成

CH3CO3H

O

Cl

CO3H m-��������m-chloroperbenzoic acid(mCPBA)

OH

Br NaOH

O

アルケンと過酸の反応

※ 過酢酸または mCPBA を使う

2-位にハロゲンを持つアルコールの分子内 SN2

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