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NTT技術ジャーナル 2014.1 40 158 起業支援プログラムや投資によって ベンチャー企業を活性化 ◆貴社の設立背景をお聞かせください. NTTドコモ・ベンチャーズは2013年2月に設立されま した.もともと,NTTの子会社であり,コーポレートベ ンチャー投資ファンドを運営していたNTTインベストメ ント・パートナーズ(NIP)という会社がありましたが, NTTドコモがその株式を100%取得し,NTTグループを 代表してベンチャー企業との連携を強化していくことにな りました.ファンド運営においても,従来NIPで運営して いたNIPファンド150億円と新たにNTTドコモとしても 100億円のファンドを組成し,両方のファンドを運営し ております. このような動きの背景には,NTTドコモを取り巻く事 業環境の変化がありました.NTTドコモはiモードという 垂直統合型モデルのビジネスを展開しておりましたが,ス マートフォンが広まるにつれてオープン化が進み, OTT *1 と呼ばれる事業領域での競争に着実にシフトしつ つあります.OTTプレイヤーに伍してサービスレイヤで 勝ち残っていくためには,ベンチャーの持つアイデアやス ピードが必要だという認識が生まれました. 設立当初の人員は社員7名,派遣1名.現在は社員14名, 派遣3名に増えました.社員は,NTTドコモから出向して います. ◆事業概要を教えてください. NTTグループのスタートアップ *2 ・ベンチャーコミュ ニティとの総合窓口として,サービスや技術,プロセスの イノベーションを加速させていきます. 具体的には起業支援プログラム「ドコモ・イノベーショ ンビレッジ」の運営とファンド運営を通じて,ベンチャー 企業への資金支援や起業育成支援,事業マッチングを行 います.それと同時にNTTドコモ,NTTグループ各社に ベンチャー企業を紹介し,積極的な事業連携を進めてい きます. ◆どのような企業を支援していきたいですか. 私たちのマインドとして絶対に忘れてはいけないのが, スタートアップ企業と完全に対等でなければならないとい うこと.それを如実に表しているのが,当社からベンチャー 企業に向けたメッセージ,「求ム,好敵手!」です.私た ちがベンチャー企業の成長に寄与することによって,その 会社は時にNTTの既存サービスの競合相手にもなり得る でしょうし協業のパートナーにもなります.彼らが「NTT あるいはNTTドコモのビジネスを助けてやるよ」と思っ てくれるような,大きなポテンシャルを秘めたところと一 緒にやっていきたいですね. 欧米ではすでに一般的な M&Aなどのシナリオも視野に ◆具体的な支援方法を教えてください. スタートアップのフェーズに合わせて,ベストな手法で 成長支援を行います.シードやアーリー段階ではドコモ・ *1 OTT:動画データや音声データなどのコンテンツを通信事業者のサービ スによらずに提供すること.Over The Topの略. *2 スタートアップ:起業したばかりの企業のこと.特にIT関連で急成長を ねらう企業を指します. http://www.nttdocomo-v.com/ グループ全体のコーポレートベンチャー キ ャ ピ タ ル と し てNTTド コ モ,NTT グループ各社とベンチャー企業をつなぐ NTTインベストメント・パートナーズを引き継ぐかたちで,今年 誕生したばかりのNTTドコモ・ベンチャーズ.ベンチャー企業の方 が常に出入りしていることもあり,オフィス環境や社員の服装など 自由でおしゃれな雰囲気に驚かされる.欧米の企業とのやり取りも 多く,海外業務経験を持つ社員も少なくない.設立背景やこれから の展開など,同社の秋元信行副社長に詳しくお話を伺った. NTT ドコモ・ベンチャーズ 秋元信行副社長 株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ

グループ全体のコーポレートベンチャー キャピタル …40 NTT技術ジャーナル 2014.1 158 起業支援プログラムや投資によって ベンチャー企業を活性化

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Page 1: グループ全体のコーポレートベンチャー キャピタル …40 NTT技術ジャーナル 2014.1 158 起業支援プログラムや投資によって ベンチャー企業を活性化

NTT技術ジャーナル 2014.140

158158

起業支援プログラムや投資によって ベンチャー企業を活性化

◆貴社の設立背景をお聞かせください.NTTドコモ・ベンチャーズは2013年2月に設立されま

した.もともと,NTTの子会社であり,コーポレートベンチャー投資ファンドを運営していたNTTインベストメント・パートナーズ(NIP)という会社がありましたが,NTTドコモがその株式を100%取得し,NTTグループを代表してベンチャー企業との連携を強化していくことになりました.ファンド運営においても,従来NIPで運営していたNIPファンド150億円と新たにNTTドコモとしても100億円のファンドを組成し,両方のファンドを運営しております.

このような動きの背景には,NTTドコモを取り巻く事業環境の変化がありました.NTTドコモはiモードという垂直統合型モデルのビジネスを展開しておりましたが,スマ ー ト フ ォ ン が 広 ま る に つ れ て オ ー プ ン 化 が 進 み,OTT*1と呼ばれる事業領域での競争に着実にシフトしつつあります.OTTプレイヤーに伍してサービスレイヤで勝ち残っていくためには,ベンチャーの持つアイデアやスピードが必要だという認識が生まれました.

設立当初の人員は社員7名,派遣1名.現在は社員14名,派遣3名に増えました.社員は,NTTドコモから出向しています.◆事業概要を教えてください.

NTTグループのスタートアップ*2・ベンチャーコミュニティとの総合窓口として,サービスや技術,プロセスの

イノベーションを加速させていきます.具体的には起業支援プログラム「ドコモ・イノベーショ

ンビレッジ」の運営とファンド運営を通じて,ベンチャー企業への資金支援や起業育成支援,事業マッチングを行います.それと同時にNTTドコモ,NTTグループ各社にベンチャー企業を紹介し,積極的な事業連携を進めていきます.◆どのような企業を支援していきたいですか.

私たちのマインドとして絶対に忘れてはいけないのが,スタートアップ企業と完全に対等でなければならないということ.それを如実に表しているのが,当社からベンチャー企業に向けたメッセージ,「求ム,好敵手!」です.私たちがベンチャー企業の成長に寄与することによって,その会社は時にNTTの既存サービスの競合相手にもなり得るでしょうし協業のパートナーにもなります.彼らが「NTTあるいはNTTドコモのビジネスを助けてやるよ」と思ってくれるような,大きなポテンシャルを秘めたところと一緒にやっていきたいですね.

欧米ではすでに一般的な M&Aなどのシナリオも視野に

◆具体的な支援方法を教えてください.スタートアップのフェーズに合わせて,ベストな手法で

成長支援を行います.シードやアーリー段階ではドコモ・

*1 OTT:動画データや音声データなどのコンテンツを通信事業者のサービスによらずに提供すること.Over The Topの略.

*2 スタートアップ:起業したばかりの企業のこと.特にIT関連で急成長をねらう企業を指します.

http://www.nttdocomo-v.com/

グループ全体のコーポレートベンチャーキャピタルとしてNTTドコモ,NTT グループ各社とベンチャー企業をつなぐ

 NTTインベストメント・パートナーズを引き継ぐかたちで,今年誕生したばかりのNTTドコモ・ベンチャーズ.ベンチャー企業の方が常に出入りしていることもあり,オフィス環境や社員の服装など自由でおしゃれな雰囲気に驚かされる.欧米の企業とのやり取りも多く,海外業務経験を持つ社員も少なくない.設立背景やこれからの展開など,同社の秋元信行副社長に詳しくお話を伺った.

NTT ドコモ・ベンチャーズ 秋元信行副社長

株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ

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イノベーションビレッジによるインキュベーション支援を行い,アーリーも含めたミドル,レイター段階ではファンドによる支援を行います.全ステージにおいてNTTドコモやNTTグループ各社との協業支援を積極的に行っていきます.また,欧米においてM&Aはすでに一般的ですが,NTT事業会社からのM&Aといったシナリオも追求したいと考えています.

日本のスタートアップ・エコシステムは欧米に比べるとまだまだ未成熟です.中でも,エグジット*3の選択肢がIPOに限られていることに加え,全体的に非常に少ない状況です.欧米では大企業によるM&Aは大きな選択肢.そして,M&Aはスタートアップ業界全体を活性化させるためには,絶対に必要な選択肢です.その点をリードするためにも,私たちは力を尽くしていきたいです.◆ドコモ・イノベーションビレッジとはどのようなもので

すか.インキュベーションを目的としたプログラムを年2回実

施しています.対象となるのは,革新的なアイデアや技術を有する起業家の方々です.スタートアップ企業からの応募を受け,最終的に5~7社を選びます.その後,4~5カ月間かけてプログラムを実行します.サポート内容は,NTTドコモとの協業・営業支援や,共同オフィススペースの提供などさまざまです.さらには,NTTドコモの持つグローバルネットワークも利用できます.例えば当社はシリコンバレーのインキュベータ兼ベンチャーキャピタルである「500 Startups」と提携しており,同社の方からのメンタリングを提供しています.その他の米国や欧州のインキュベータやベンチャーキャピタルとも協業を進める予定です.スタートアップ企業が欧米に事業展開したいと考えたとき,私たちがそれをつなぎ,具体的な機会を提供できることが重要です.◆投資ポリシーについてお聞かせください.

全ステージを対象としていますが,主となるのはアーリーからミドルです.日本国内に限らず,海外企業にも投資を行います.「NTTドコモまたはNTTグループ各社との協業または協業可能性が見込める場合」としていますが,これはたとえ十分な実績がなくとも可能性に賭けて先鞭的に投資を行うこともあるという意味です.原則は持株比率の目安が20%未満の「マイナー投資」.取締役は派遣しませんが,取締役会のオブザーバー権は確保します.また,情報取得権の獲得は必須としています.財務諸表などの経営情報を把握するためです.出資金額の規模は数千万から2億円程度です.

エグジットシナリオは,株式の市場売却もしくは継続保有.あるいはNTTドコモおよびNTTグループ各社への株式譲渡などを考えています.◆どの領域に積極的に投資していきますか.

我々の重点投資テーマとしては,周辺機器連携ソリューション,コンテンツPF・サービス,電力・電池,クラウド,認証セキュリティ,コミュニケーションPF,BigDataとしており,これにかかわるスタートアップ企業に積極的に投資していきます.未開拓の分野も含めて,間口は広く取りたいと考えています.

個人的なつながりも活かして 実のあるかたちでグローバル展開を支援

◆貴社の強みはどのような点ですか.1つは,スタートアップ企業をNTTドコモやNTTグルー

プ各社につなげられる点です.NTTグループを代表するコーポレートベンチャーキャピタルであるため,NTTグループ全体につなげられるということそのものが,ほかにはない強みだと思います.

もう1つの差別化要素は,グローバル展開支援です.NTTドコモ・ベンチャーズとしても海外に出ていきたいという企業を,実際に,実のあるかたちで支援する環境を準備しています.また,私自身,シリコンバレーで約6年間勤務していたことから,現地とのリレーションをいまだに維持できていますのでスタートアップ企業の方々がグローバル展開を目指す際に,さまざまな橋渡しができると考えています.むしろ,最初から世界一を目指しているようなスタートアップ企業の方が魅力的だと感じます.◆社風をお聞かせください.

スタートアップ企業の方は若い人が多いため,かしこまった感じだと足が遠のいてしまいます.ですから,気軽に立ち寄ってもらえるような,自由でオープンな雰囲気を醸成したいと考えています.

私たち自身がモノをつくるわけではありませんが,スタートアップ企業の力を借りて,新しい流れを生み出していくのが私たちの仕事です.そのため,「今想定もしていないようなサービスをつくり上げる」「次のNTTドコモあるいはNTTの一部をつくっていく」という気概をもって業務に取り組んでいます.◆社員の方々へのメッセージをお願いします.

繰り返しになりますが,スタートアップ企業と対等な関係であること,そして良いライバルを探すこと.これを皆で追求していきましょう.

*3 エグジット:ベンチャーキャピタル等の投資ファンドにおける投資資金回収手段または戦略のこと.

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NTT技術ジャーナル 2014.142

担当者に聞く

◆投資担当の業務内容をお聞かせください.投資担当は8名で,私たちの

業務はベンチャー企業に対して投資を行っていくことです.とりわけITの情報通信関連分野の企業が多いです.出資に関しては 特 に 通 常 の 投 資 と 異 な り,フィナンシャルリターンを追求するだけではなく,NTTドコモやNTTグループ各社との戦略的な事業シナジーを生み出すことを目的としています.◆投資先はどのように決定しますか.

最初に,さまざまなところからの投資案件は入ってきますが,主には他のベンチャーキャピタルなどからから紹介を受けます.もちろん,当社のホームページを見て直接問い合わせを受けることもあります.また,私たちからもベンチャー企業のイベントに積極的にアプローチし,興味のあるベンチャーがいれば発掘も行います.

そのうえで,NTTドコモやNTTグループ各社との協業の可能性があるかどうかを見極め,可能性があれば,事業会社各社に打診・紹介を行います.NTTドコモとはベンチャー企業との協業などの可能性のある部署と定例ミーティングを設けており,我々が最近知見したベンチャー企業について定期的に情報を提供し,必要に応じて両者の引き合わせを行います.

投資検討にあたっては,まずはベンチャー企業との面談後,社内において詳細検討の是非を判断するディスカッションを行います.出資に向けて検討可となった場合には,NTTドコモおよびNTTグループ各社との協業の可能性についてより詳細に詰めていきます.その後,事業および財務に関するデューデリジェンスを実施し,最終的には出資の戦略的意義や社内および関係組織のコンセンサス形成を確認するために出資審査委員会に付議し,意思決定を行うというのが基本的な流れです.

なお,出資後におけるベンチャー企業へのボードミーティングへの参加権は基本的に確保し,経営状況を把握しているため,経営判断が必要な課題等がある場合にはスピーディに社内にエスカレーションを行い対応できるようにしております.

◆ご苦労や課題はおありですか.ベンチャー企業の方々のスピードがあまりにも早いこと

です.チームメンバーは各々工夫しながら,それに向き合うようにしています.私はすべての案件について詳細な資料や報告書を作成しているとベンチャーのスピード感についていけなくなるため,社内作業についてはタスクの重要度や緊急度を意識しながら処理するように心掛けています.◆今後の目標をお聞かせください.

広報も私の役割ですので,今年度は対外的な認知PR活動を積極的に進めていきたいです.ベンチャーのイベントや勉強会で,ただ当社の名前を知ってもらうだけではなく,投資方針や投資重点領域まで認知度を高めていきたいと考えています.

また,将来的にNTTドコモおよびNTTグループ各社がベンチャー企業と協業というかたちで化学反応を起こせるように,私たち自身がNTTドコモやNTTグループ各社の事業部の中・長期の戦略や活動を理解しなければなりません.チーム内で役割分担しながら把握していくつもりです.そしてスピーディにフィードバックを行い,コミュニケーションを取れるように新たに投資案件のデータベースの構築も考えています.

定例ミーティングでのメンタリングを通じて スタートアップを手厚く支援DOCOMO Innovation Village Senior Director 久津見 武さん

◆ドコモ・イノベーションビレッジ担当について教えてください.私たちのチームでは,起業支

援プログラムである「ドコモ・イノベーションビレッジ」を運営しています.ドコモ・イノベーションビレッジは,起業したばかりでサービスやプロダクトがまだ世の中に出ていないような

「スタートアップ」と呼ばれる企業の成長を支援するプログラムで,参加チームの募集や面談・プレゼンテーションによる審査のほか,プログラム期間中のサポート全般や,プログラム卒業後の継続支援・モニタリングまでを行っています.

社員5名,派遣社員1名の小さなチームですが,さまざまなバックグラウンドを持ったユニークなメンバーで構成され,NTTドコモ本社の関連部署とも連携しながらこのプログラムを運営しています.

投資目的はフィナンシャルなリターンだけではなくNTTドコモやNTTグループ各社との戦略的な事業シナジーを重視Investment & Business Development Senior Director 安元 淳さん

安元淳 Senior Director

久津見武 Senior Director

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◆第1期のプログラムはどのようなものでしたか.ドコモ・イノベーションビレッジの第1回プログラムに

は6チームが参加し,昨年のゴールデンウィーク明けから約5カ月間支援を行いました.

支援期間中は,週1回すべての参加チームに当社のオフィスに集まってもらい,ハンズオンミーティングを開きます.このミーティングでは,開発状況や目標会員数・ダウンロード数等の達成に向けた進捗状況の報告を受け,チームごとにアドバイスを行います.ハンズオンミーティングの後には,起業経験者や,教育・広告分野の専門家,弁護士といったメンターの方々による講演やQ&Aセッションが行われます.また,シリコンバレーのインキュベータとして著名な500 Startupsのメンターも3回来日し,ドコモ・イノベーションビレッジの参加チームにアドバイスをしてもらいました.

NTTドコモ社内からも,幹部が参加チームに対して担当する領域に関する講演を行うほか,各チームが提供するサービスに関連する部署の若手社員がチュータとして派遣され,NTTドコモとのビジネス面での連携をサポートします.このチュータ制度は,ドコモ・イノベーションビレッ

ジの特徴の1つだと思います.2013年9月26日にはデモデーと呼ばれる成果発表会

をラフォーレミュージアム六本木で開催し,約400名の来場者の前で各チームがプレゼンテーションを行いました.デモデーの模様は当日の民放番組のワールドビジネスサテライトでも取り上げられ,後日いくつものチームに協業や出資の提案が持ち込まれる等,大きな反響がありました.◆第 2 期以降の展望をお聞かせください.

第2期では,パートナー企業とNTTドコモが一体となって支援を行う「パートナーブースト枠」を新しく設けました.NTT西日本,NTTぷらら,NTTデータの3社にそれぞれテーマを設定してもらい,そのテーマに合致するスタートアップを,NTTドコモがそのテーマを設定した企業と一緒にサポートする仕組みです.初めての試みであるため,第2期はNTTグループの企業をパートナーとしましたが,第3期以降はNTTグループだけでなく,外部の企業とコラボレーションしたいと考えています.この取り組みを通じて,将来のグローバルスタンダードになるような,新しいサービスを生み出したいと考えています.

(インタビュー:村上百合)

■自由な雰囲気が漂うイベントスペース週1回,さまざまなベンチャー企業が集まってのイベントが催される,広々としたスペース.クラブやカフェを連想させるようなおしゃれなインテリアの中でも,ひときわ目を引くのが大胆なチョークアートです(写真 1).これはシリコンバレーでもしばしばみられるアートで,社外の方に描いていただいたよう.NTTドコモ・ベンチャーズの自由でコラボレーションを歓迎する空気感が感じられます.■コワーキングスペースでは思わぬ出会いもNTTドコモ・ベンチャーズ社内には,イノベーションビレッジ参加企業が日常的に事業開発や打合せなどを行う共同スペースもあります(写真 2).ファンドの出資先などいろいろな方が訪れ,もともと知らない間柄でもいろいろな話が弾み,新しいアイデアが生まれることもあるそうです.■ライバル企業の方々とも積極的に交流同社が交流するベンチャー企業や投資家の方々は10代から60代までと年齢がさまざま.そのほかにも,NTTグループやNTTドコモグループの企業はもとより,ソフトバンクやKDDI,Google,Amazonといった企業とのお付き合いもあるのだとか.年齢や職種,国籍を問わない,幅広い交流のある会社なのです.■海外出張や英語での会話の多い職場「成長が期待できる会社があれば米国でも欧州でも」というのが同社の精神.実際に,秋元副社長をはじめとする社員たちは,欧米やアジア地域など海外も頻繁に訪れています.オフィスでも,英語で電話会議をしているのはよくある光景で,同社ならではの国際的な雰囲気に満ちています.

写真 1

写真 2

NTTドコモ・ベンチャーズア・ラ・カルトア・ラ・カルト