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【下新川海岸(神子沢沖合)の副離岸堤整備】 至富山 至新潟 神子沢地区 平成24年 施工箇所 神子沢 副離岸堤整備 アスファルトマットによる海岸コンクリートブロックの安定化について 名 : 神子沢副離岸堤その2工事 請 負 者 : 株式会社 飯作組 現場代理人 : 大 川 浩 司 ○ 監理技術者 : 吉 江 久 彦 1.はじめに 下新川海岸神子沢副離岸堤その2工事の概要 下新川海岸は、富山湾特有の「寄り回り波」や「冬期風 浪」といった高浪の影響で越波や海岸浸食の被害が生じ ており、平成 20 年 2 月 24 日の高波被害では、直立堤や 離岸堤等の海岸保全施設が被災し、越波により背後地の 一般住宅への浸水や海岸施設等の被害が発生した。 このため、本工事は神子沢地区の海岸保全施設として、 異形ブロック積副離岸堤(堤底延長L=95.07m、天端 延長L=82.79m)による施設整備を行う工事である。 当工事の異形ブロック積副離岸堤整備の特徴として、 平成 20 年 2 月 24 日と同等の波浪から守るため、海岸コ ンクリーブロック異形ブロック40t型及び50t型 の組合せによる5層積みの層積構造で、従来工法より異 形ブロック 1 個当たりの重量が重く、1層多く積上げる 構造である。 2.工事概要 (1)工 事 名:神子沢副離岸堤その2工事 (2)工事箇所:富山県下新川郡入善町神子沢地先 (3)工 期:平成 24 年 1 月 31 日~平成 25 年 11 月 13 日(287 日間) (4)主要工種:海域堤防 (堤底延長 L=95.07m、天端延長 L=82.79m) 海域堤基礎工 捨石工 捨石(海上) 岩石 200~1000 ㎏/個 6,300m 3 捨石(海上) 切込砕石 50 ㎜以下 1,104m 3 捨石均し 荒均し±30cm 4,170m 2 床均し 770m 3 洗掘防止工 海岸コンクリートブロック運搬 異形ブロック 4t 179 個 (陸上・海上) 異形ブロック 8t 181 個 海域堤本体工 海岸コンクリートブロック工 海岸コンクリートブロック運搬 異形ブロック 40t 179 個 (陸上・海上) 異形ブロック 50t 181 個 鋼製魚礁工 鋼製魚礁工 鋼製魚礁製作・運搬 3.4m×3.4m H=2.4m 2 基 (陸上・海上) 標準断面図 平面図 縦断図 1:1.34 1:3.0 本体ブロック10.0型 1 : 0 .67 異形ブロック40t 異形ブロック50t 異形ブロック40t 異形ブロック40t 異形ブロック40t 異形ブロック50t ▽ T.P.-4.77m 1:3.0 2.00 C.L. 被覆ブロック8t型 根固めブロック4t型 7.91 22.22 岩石200~1000kg/個 アスファルトマット(孔あきタイプ) L=12.0m,t=10cm H.H.W.L +1.07 H.W.L +0.51 L.W.L +0.06 岩石200~1000kg/個 岩石200~1000kg/個 ▽ T.P. +5.27 ▽ +0.00 異形ブロック50t 異形ブロック50t 異形ブロック40t 異形ブロック40t 異形ブロック50t 0.50 1:1.3 1:1.3 砕石50mm以下 t=0.5m 2.63 10.00 2.00 1:3.0 床均し -7.33 1層目 2層目 3層目 4層目 5層目 堤底幅 [email protected]+(31-1)@0.10=95.07 天端幅 [email protected]+(27-1)@0.10=82.79 22.22 ブロック中心線 根固めブロック4t型 被覆ブロック8t型 X=104129.671 Y= 25687.667 X=104104.712 Y= 25697.569 アスファルトマット(孔あきタイプ) L=12.0m,t=10cm X=104166.204 Y= 25779.754 X=104132.977 Y= 25739.646 X=104141.248 Y= 25789.655 本体ブロック10.0型 床均し 床均し L.W.L +0.06 T.P. -4.77 本体ブロック10.0型 T.P. +5.27 1:3.0 1:3.0 岩石 200~1000kg/個 砕石 50mm以下 根固めブロック4t型 被覆ブロック8t型 0 , 5 0 t=0.5m 1層目 1 :1.3 1:3.0 1:3.0 アスファルトマット(孔あきタイプ) L=12.0m,t=10cm 床均し 岩石 200~1000kg/個 2層目 3層目 4層目 5層目 アスファルトマット(孔あきタイプ) L=12.0m,t=10cm 床均し 根固めブロック4t型 被覆ブロック8t型

アスファルトマットによる海岸コンクリートブロッ …【下新川海岸(神子沢沖合)の副離岸堤整備】 至富山 至新潟 神子沢地区 平成24年

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Page 1: アスファルトマットによる海岸コンクリートブロッ …【下新川海岸(神子沢沖合)の副離岸堤整備】 至富山 至新潟 神子沢地区 平成24年

【下新川海岸(神子沢沖合)の副離岸堤整備】

至富山

至新潟

神子沢地区

平成24年

施工箇所

神子沢

副離岸堤整備

アスファルトマットによる海岸コンクリートブロックの安定化について

工 事 名 : 神子沢副離岸堤その2工事

請 負 者 : 株式会社 飯作組

現場代理人 : 大 川 浩 司

○ 監理技術者 : 吉 江 久 彦

1.はじめに

下新川海岸神子沢副離岸堤その2工事の概要

下新川海岸は、富山湾特有の「寄り回り波」や「冬期風

浪」といった高浪の影響で越波や海岸浸食の被害が生じ

ており、平成 20 年 2 月 24 日の高波被害では、直立堤や

離岸堤等の海岸保全施設が被災し、越波により背後地の

一般住宅への浸水や海岸施設等の被害が発生した。

このため、本工事は神子沢地区の海岸保全施設として、

異形ブロック積副離岸堤(堤底延長L=95.07m、天端

延長L=82.79m)による施設整備を行う工事である。

当工事の異形ブロック積副離岸堤整備の特徴として、

平成 20 年 2 月 24 日と同等の波浪から守るため、海岸コ

ンクリーブロック異形ブロック40t型及び50t型

の組合せによる5層積みの層積構造で、従来工法より異

形ブロック 1個当たりの重量が重く、1層多く積上げる

構造である。

2.工事概要

(1)工 事 名:神子沢副離岸堤その2工事

(2)工事箇所:富山県下新川郡入善町神子沢地先

(3)工 期:平成 24年 1月 31 日~平成 25年 11 月 13 日(287 日間)

(4)主要工種:海域堤防 (堤底延長 L=95.07m、天端延長 L=82.79m) 海域堤基礎工

捨石工 捨石(海上) 岩石 200~1000 ㎏/個 6,300m3 捨石(海上) 切込砕石 50 ㎜以下 1,104m3

捨石均し 荒均し±30cm 4,170m2

床均し 770m3

洗掘防止工 海岸コンクリートブロック運搬 異形ブロック 4t 179 個 (陸上・海上) 異形ブロック 8t 181 個

海域堤本体工 海岸コンクリートブロック工 海岸コンクリートブロック運搬 異形ブロック 40t 179 個

(陸上・海上) 異形ブロック 50t 181 個 鋼製魚礁工

鋼製魚礁工 鋼製魚礁製作・運搬 3.4m×3.4m H=2.4m 2 基 (陸上・海上)

【 標準断面図 】 【 平面図 縦断図 】

1:1.34

1:3.0

本体ブロック10.0型

1:0.67

異形ブロック40t

異形ブロック50t

異形ブロック40t 異形ブロック40t

異形ブロック40t 異形ブロック50t

▽ T.P.-4.77m

1:3.0

2.00

C.L.

被覆ブロック8t型

根固めブロック4t型

7.91

22.22

岩石200~1000kg/個

アスファルトマット(孔あきタイプ)L=12.0m,t=10cm

H.H.W.L +1.07H.W.L +0.51

L.W.L +0.06

岩石200~1000kg/個

岩石200~1000kg/個

▽ T.P. +5.27

▽ +0.00

異形ブロック50t

異形ブロック50t

異形ブロック40t

異形ブロック40t

異形ブロック50t

0.501:

1.3

1:1.3

砕石50mm以下t=0.5m

2.63

10.00 2.00

1:3.0

床均し

-7.33

1層目

2層目3層目4層目5層目

堤底幅 [email protected]+(31-1)@0.10=95.07

天端幅 [email protected]+(27-1)@0.10=82.79

22.

22

ブロック中心線

根固めブロック4t型

被覆ブロック8t型

X=104129.671Y= 25687.667

X=104104.712Y= 25697.569

アスファルトマット(孔あきタイプ)L=12.0m,t=10cm

X=104166.204Y= 25779.754

X=104132.977Y= 25739.646

X=104141.248Y= 25789.655

本体ブロック10.0型

床均し 床均し

L.W.L +0.06

T.P. -4.77

本体ブロック10.0型

T.P. +5.27

1:3.0 1:3.0

岩石 200~1000kg/個

砕石 50mm以下

根固めブロック4t型

被覆ブロック8t型

0,50

t=0.5m

1層目

1:1.3

1:3.0 1:3.0

アスファルトマット(孔あきタイプ)L=12.0m,t=10cm

床均し

岩石 200~1000kg/個

2層目3層目4層目5層目

アスファルトマット(孔あきタイプ)L=12.0m,t=10cm

床均し

根固めブロック4t型

被覆ブロック8t型

Page 2: アスファルトマットによる海岸コンクリートブロッ …【下新川海岸(神子沢沖合)の副離岸堤整備】 至富山 至新潟 神子沢地区 平成24年

【海岸保全施設の技術上の基準・同解説より

図 2.3.4.1 浅海域における波浪変形の諸要素】

3.着目点及び目的

施工する副離岸堤は、富山湾特有の「寄り回り波」や「冬期風浪」による浅海域における波浪変形の砕波、

流れ、反射、透過等の影響により、特に副離岸堤側面部の海岸コンクリートブロック脚部は捨石面(岩石 200

~1000 ㎏/個)の小粒径(200 ㎏/個)捨石が吸い出され流出し易い箇所であり、この箇所を全体構造に影響

のない方法で捨石の流出を抑制するとともに、海岸コンクリートブロック本体の安定性向上を目的とする。

4.工夫・改善点

副離岸堤の海岸コンクリートブロック法先部と被覆ブロックの境界部では構造上若干の間隙がある。

完成時には問題とならなくとも、捨石の締り等の圧密や地盤の不等沈下等により、海岸コンクリートブロ

ック脚部・被覆ブロックと捨石面の間隙が大きくなる可能性があり、その際、浅海域における波浪変形等の

影響により、特に離岸堤側面は流速が速く浮いた小粒径の捨石が流出し易く、長期的な時間の経過とともに、

海岸コンクリートブロックが不安定になり、沈下・崩壊の危険性が高まると考えられる。この対策として、

今回はアスファルトマットを捨石マウンド上に敷設し、海岸コンクリートブロックを上載することにより、

ブロック脚部の捨石面からの捨石流出を抑制すると共に、海岸コンクリートブロックの安定性の向上を図る。

尚、アスファルトマットによる海岸コンクリートブロックの安定化対策は創意工夫として施工する。

【浅海域における波浪変形の影響による沈下想定図】

T.P. -4.77

岩石 200~1000kg/個

根固めブロック4t型

被覆ブロック8t型

1:3.0

透過捨石流失、移動

沈下・崩壊

波浪

流れ

L.W.L +0.06

本体ブロック10.0型

速い流速

高い

砕波

透過

流れ

【浅海域における波浪変形の諸要素 砕波、流れ、透過状況】

流れ 反射

【浅海域における波浪変形の諸要素 流れ、反射状況】

【平成 25 年 10 月 16 日台風 26 号通過後の高波波浪状況】

T.P. -4.77

岩石 200~1000kg/個

根固めブロック4t型

被覆ブロック8t型

1:3.0

透過

海岸コンクリートブロックの安定

L.W.L +0.06

捨石流失抑制

アスファルトマット本体ブロック10.0型

波浪

流れ

速い流速

高い

【アスファルトマット施工による捨石流失抑制想定図】

Page 3: アスファルトマットによる海岸コンクリートブロッ …【下新川海岸(神子沢沖合)の副離岸堤整備】 至富山 至新潟 神子沢地区 平成24年

1)アスファルトマット設置の検討事項

(1)アスファルトマットの特性

アスファルトマットは、アスファルト合材と補強心材(ガラスクロス等)が主材料で強度(引張強度、

圧縮強度、押し抜き強度)があり、自重(比重 2.3)とたわみ性によって地盤や捨石になじみ、厚さが

あることから帆布等のような波浪による影響によるめくり上がりが少なく疲労破損し難い材料である。

この特性により、アスファルトマットを捨石マウンド上に設置し、海岸コンクリートブロックを上載

することでブロック脚部の捨石面からの捨石流出を抑制する。

(2)アスファルトマットの設置計画

アスファルトマット設置位置は、副離岸堤が波浪等の影響によって経年変化する下記の位置とする。

①延長方向 NO.0+ 2.52~NO.0+ 7.52 L=5.00m(堤体マウンド西側 異形ブロック 2列分)

NO.4+11.54~No.4+16.54 L=5.00m(堤体マウンド東側 異形ブロック 2列分)

②横断方向 B=21.91m 形状寸法 11.20m×2 重ね幅 0.5m (海域堤本体工 堤体 1 層目幅)

(3)アスファルトマットの厚さ

アスファルトマットの厚さについては、海岸コンクリートブロックの上載並びにアスファルトマット

の特性等及び製作費を考慮し、設計で使用する洗掘防止工の『張出部』ではないので、施工最少厚さの

『 5㎝ 』とする。尚、本工事の設計仕様と同様に上載する海岸コンクリートブロックの重量により

突き抜け破損を防止するため、3t 以上のものが上載される場合には、強度の強い補強材(ガラス繊維

テープ網:引張強度 500 ㎏ f/2.5 ㎝等)を使用し、品質管理試験にある押抜き強度 1.5KN 以上(1.5t/

φ10 ㎝当り)を行い、試験結果が規格値以上を満たしたものを使用する。

(4)アスファルトマットの構造図及び設置図

上記によりアスファルトマットの構造、規格、寸法、設置位置は下記のとおりとする。

堤底幅 [email protected]+(31-1)@0.10=95.07

天端幅 [email protected]+(27-1)@0.10=82.79

根固めブロック4t型

被覆ブロック8t型

本体ブロック10.0型

5.00

沈下防止用強化アスファルトマット

寸 法

(m)

21.90×5.0×0.05

面積

(㎡/枚)

109.5

総面積

(㎡)

219.0

21.90

5.00

21.90

1:1.3

T.P. -4.77

本体ブロック10.0型

1:3.0 1:3.0

30列

29列

28列

27列

31列

№0

№1

№2

№3

№4

№4+19.07

砕石50㎜以下t=0.5m

岩石200~1000㎏/個

T.P. +5.27

3.1m2 3.1m2

4.74 4.74

№0-4.33

№0+3.94

№0-10.50

№5+3.40

№4+15.13

№5+9.58

H.H.W.L +1.07H.W.L +0.51L.W.L +0.06

本体ブロック10.0型

根固めブロック4t型

被覆ブロック8t型30列

29列

28列

27列

31列

[email protected]+(27-1)@0.10=82.79

5.00 5.00

DL=-10.00 10.00 2.00

▽ T.P. +4.40

本体ブロック10.0型

10.0型×4単位

10.0型×5単位

10.0型×4単位 10.0型×4単位

10.0型×4単位 10.0型×5単位

C.L.

H.H.W.L +1.07H.W.L +0.51

L.W.L +0.06

▽ T.P. +5.27

▽ +0.00

10.0型×5単位

10.0型×5単位

10.0型×4単位

10.0型×4単位

10.0型×5単位

1:3.0

被覆ブロック8t型

根固めブロック4t型

アスファルトマット(孔あきタイプ)L=12.0m,t=10cm

▽ T.P.-4.77m

7.91

岩石200~1000kg

砕石50mm以下t=0.5m

0.50

1:3.01:1.3

1:1.3

2.0022.222.63

23.912.77

26.69

21.90

横 断 図

アスファルトマット設置位置図(堤体マウンド天端) 

アスファルトマット(t=50㎜)

縦 断 図

アスファルトマット(t=50㎜)

アスファルトマット(t=50㎜)

アスファルトマット(t=50㎜)

平 面 図

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5.実施内容

平成 25 年 7 月 20 日より新潟県上越市直江津港東ふ頭地区にてアスファルトマットの製作を開始し、同日

に 11.205m×5.0m 4 枚の製作を完了した。同年 7 月 23 日に出来形測定及び比重、曲げ強さたわみ試験、

圧縮試験、押抜き最大荷重、変位試験を行い試験結果が規格値以上であるため合格とした。

同年 8月に直江津港より芦崎積出基地に海上運搬を行った。

【下層厚さ検測 t=25 ㎝】 【下層 AS 合材打設】 【補強材 ワイヤーロープ等設置】

【補強材 ガラス繊維テープ網設置】 【上層 AS 合材打設】 【アスファルトマット出来形測定】

【AS 合材温度測定】 【アスファルトマット供試体】

【出来形測定 実測値 W=11.30m】 【出来形測定 実測値 B=5.00m】 【出来形測定 実測値 t=50 ㎜】

【アスファルトマット比重試験

試験結果平均2.3g/㎝ 3 規格値2.2以上】

【アスファルトマット押抜き試験

試験結果平均26.8KN 規格値15以上】

【アスファルトマット圧縮試験

試験結果平均4.5N/㎜ 2 規格値1.0以上】

【アスファルトマット曲げ試験

試験結果平均4.3N/㎜ 2 規格値1.0以上】

Page 5: アスファルトマットによる海岸コンクリートブロッ …【下新川海岸(神子沢沖合)の副離岸堤整備】 至富山 至新潟 神子沢地区 平成24年

平成 25 年 9 月 28 日に堤体マウンド東側及び同年 10 月 15 日に堤体マウンド西側にアスファルトマットを

設置し、同時に海域堤本体工 海岸コンクリートブロック据付(海上)異形ブロック 40t 型 50t 型を上載し

て、同年 10 月 15 日現在で1層目 31 列、2 層目 12 列の計 129 個(異形ブロック 40t 型 67 個、50t 型 62 個)

据付を完了した。

【 アスファルトマット海上運搬積込 】 【 アスファルトマット海上運搬積込完了 】

【 アスファルトマット海上運搬設置】 【 アスファルトマット海上運搬設置 】

【 アスファルトマット海上運搬設置

西側堤体マウンド設置完了 】

陸側

沖側

W=21.90m

B=5.0m

【 アスファルトマット海上運搬設置

東側堤体マウンド設置完了 】

陸側

沖側

W=21.90m

B=5.0

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6.実施結果

施工中、(同年 10 月 15 日現在で1層目 31 列、2 層目 12 列の計 129 個、異形ブロック 40t 型 67 個、50t

型 62 個据付完了の直後)フィリピンの東海上で発生した台風 26 号が日本列島の太平洋側を北上し、その影

響により高波波浪が発生した。(16 日AM9:50 田中観測所 最高波高H=7.36m、有義波高H=4.97m)

【 No.4+11.54 西側堤体マウンド設置完了 】 【 No.0+2.52 東側堤体マウンド設置完了 】

【 No.4+16.54 西側堤体マウンド設置完了 】 【 No.0+7.52 東側堤体マウンド設置完了 】

【 海域堤本体工 海岸コンクリートブロック

No.4+11.54 付近 異形ブロック据付 】

【 海域堤本体工 海岸コンクリートブロック

No.0+2.52 付近 異形ブロック据付 】

【平成 25 年 10 月 16 日 10 時台風進路予想図】 【平成 25 年 10 月 16 日台風 26 号通過後の高波波浪状況】

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至 富山至 新潟

至 富山至 新潟

【台風 26 号通過後 平成 25 年 10 月 20 日撮影】

【台風 26 号通過前 平成 25 年 10 月 15 日撮影】

台風の通過後、高波波浪が収まったのち海域堤防を調査した結果、高波により一部捨石マウンド中央部の

捨石流出及び海岸コンクリートブロックの沈下傾斜等が確認された。図-1、図-2 下図参照

【図-2 台風 26 号通過後の海岸コンクリートブロック沈下量比較図】

※1.海岸コンクリートブロックの沈下量測定は、据付完了時点の出来形測定値からの沈下量である。 ※2.捨石マウンドは、異形ブロックの自重による沈下及び波浪等による経年変化を想定し、基準天端高さより 25cm

余盛してある。

22.22

NO.0

NO.1

NO.2

NO.3

NO.4

NO.4+19.070

20.00 20.00 20.00 20.00 19.07

0~5㎝

5~9㎝

10~14㎝

15~19㎝

20~24㎝

25~29㎝

30~34㎝

35~40㎝

1列目

5列目

10列目

15列目

20列目

25列目

30列

凡例

アスファルトマット

設置箇所アスファルトマット

設置箇所

22.2

2

NO.0

NO.1

NO.2

NO.3

NO.4

NO.4+19.070

20.00 20.00 20.00 20.00 19.07

異形ブロックと捨石との接地面を残し、設置面以外の

捨石が飛散し洗掘され捨石均しが必要。2層目の異形ブロック40t型が高波

の影響により傾き、手直しが必要。

1層目の堤体異形ブロック40t型7

個・50t型11個が高波の影響によ

り沈下して傾いており手直しが必

要。

海域堤基礎工 堤体マウンド天端

部の東西に、捨石飛散制御を目

的としたアスファルトマット設置し

た箇所は、波浪の影響は無く、十

分な効果を発揮したといえる。

海域堤基礎工 堤体マウンド陸側

は法肩、法面ともにほとんど波浪

の影響は受けず、捨石が10個程

度飛散している。

海域堤基礎工 堤体マウンド天端

部の東西に、捨石飛散制御を目

的としたアスファルトマットを設置し

た箇所は、波浪の影響は無く、十

分な効果を発揮したといえる。

海域堤本体工の異形ブロックの2層積を据付完了した堤体マウンド

の捨石箇所は、ほとんど波浪の影

響は受けていない。

アスファルトマット設置箇所

アスファルトマット設置箇所

【図-1 台風 26 号通過後の海域堤防現況状況】

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【神子沢副離岸堤完成 平成 25 年 11 月】

波浪の影響で若干の手直しを要する箇所が発生したが、手戻りに至る大きな被害は無かった。

アスファルトマットを設置した箇所においては、上載した海岸コンクリートブロック脚部周辺からの捨石

の流出は確認されず、アスファルトマットの効果により捨石の流出は抑制されていることが確認できた。

結果、当時の有義波高約 H=5.0m 級の高波波浪では、前項4.工夫・改善点で述べた波浪等の影響で異形ブ

ロックが不安定な状態になり副離岸堤側面から沈下・傾斜・崩壊すると想定されたが、アスファルトマット

を捨石天端に設置することにより、上載した異形ブロック脚部周辺からの捨石の流出が抑制されて異形ブロ

ックが沈下・崩壊する危険性を抑止し、海岸コンクリートブロックの安定化を図ることでき被害の増大を抑

えたと考える。海岸コンクリートブロックの据付完了後に天端高さの出来形測定を行った結果、最大値+39

㎝、最小値+13 ㎝、平均値+30.1 ㎝であった。異形ブロック 40t、50t型の組合せによる5層積みの層積

構造で、従来工法より異形ブロック 1 個当たり重量が重く、1層多く積上げる構造であるが、現在も沈下・

傾斜した箇所は見受けられず海岸コンクリートブロックは安定した状態を保っている。

7.まとめ

本工事は、平成 25 年 10 月 20 日に海岸コンクリートブロック海上据付を再開し、高波による一部捨石マウ

ンド中央部の捨石流出箇所及び海岸コンクリートブロ

ックの傾斜等が確認された箇所を、海上据付作業と同時

に手直しを行い 2層目以降の据付作業を進捗させ、同年

11 月 3 日に海上据付作業を無事完了し、同年 11 月 13

日に竣工を迎えることが出来ました。同年 8 月 26 日以

降に連続 14 日間の不稼働日があり、かつ 4 回台風の影

響を受けたが計画工程とおり進捗が出来た。

今回、無事に工事が進捗した背景には黒部河川事務所

をはじめ、地元住民の皆様、協力業者のご指導とご協力

のおかげであり、感謝を申し上げる次第である。今後も

より高い安全・品質の確保に努力し、「寄り回り波」や

「冬期風浪」に耐える堅固な海岸保全施設の建設に心が

け、取組んで行く所存である。

【台風 26 号高波波浪後 副離岸堤側面部アスファルトマット設置状況並びに捨石現況】

【NO.0+2.52 付近】 【NO.4+16.54 付近】

【台風 26 号高波波浪後 副離岸堤側面部アスファルトマット設置状況並びに捨石現況】

【NO.0+7.52 付近】 【NO.4+7.54 付近】