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da プロフィットセンター(利益を生む部門) としての テクニカルコミュニケーション 企業自身と、企業の顧客とにとって 最適なコンテンツとは 2009 年 9 月 David Houlihan

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da

プロフィットセンター(利益を生む部門)

としての

テクニカルコミュニケーション 企業自身と、企業の顧客とにとって

最適なコンテンツとは

2009 年 9 月 David Houlihan

Page 2: プロフィットセンター(利益を生む部門) としての …support.ptc.com/WCMS/files/102942/ja/_6017-RA-TCProfit...da プロフィットセンター(利益を生む部門)

プロフィットセンターとしてのテクニカルコミュニケーション Page 2

© 2009 Aberdeen Group. Telephone: 617 854 5200 www.aberdeen.com Fax: 617 723 7897

概要 製品文書や、それを制作するテクニカルコミュニケーション部門は、どの程度戦略

的に重要視されているでしょうか。 多くの企業は、組織に利益をもたらすこの部

門の貢献に対して無知なため、大抵の答えは「あまり大したことはない」と認識さ

れているでしょう。 アバディーンの 165 社を対象とした調査から、顧客満足度の

42%向上や、それに関連して製品売上が 45% 増加したといった貢献から、多くの

人が考えるよりも重要であることがうかがえます。 この点を基に、本レポートでは、

プロフィットセンターとしてのテクニカルコミュニケーションの効果を最大限に高めよ

うとしている組織のために、ベストプラクティスの紹介および提言をしています。

優良企業のパフォーマンス アバディーンの調査では、業務効率と文書の品質を同時に重視した結果、優良

企業はテクニカルコミュニケーションを通じ、顧客に直接対応する際、大きな価値

を実現していることが分かりました。 Å スタマーサポートへの電話の件数が 41% 減少した

Å スタマーサポートでの問題解決にかかる時間が 42% 減少した

Å 顧客満足度スコアが 41% 向上した

競争成熟度の評価 調査の結果から、優良なパフォーマンスを達成している組織は、いくつかの共通の

特徴を備えていることが分かりました。 これらの特徴のうち以下の点が、優良企業において顕著であることが分かっています。

• 構造化されたエディターを活用する(46% 高い) Å 顧客の文書の利用状況を調査する (83% 高い) Å コンテンツ管理システム (CMS) を利用し、コンテンツ要素間の関係を管理す

る (86% 高い)

Å 正式な指標で、テクニカルコミュニケーションのパフォーマンスを測定する (100% 高い)

とるべき行動 本レポートの第 3 章にある特定の推奨事項に加え、企業が優良なパフォーマン

スを達成するには、次のことを実行する必要があります。

• 正式な指標で、テクニカルコミュニケーションの業務遂行能力を測定する • 構造化されたオーサリングエディターや、コンテンツ/プロジェクト管理ソリューシ

ョンによって可能になるコンテンツの再利用に合わせ、プロセスを合理化する • 対象となるユーザーのニーズや、製品構成に特化した文書を出版することで、

顧客を引き込む

調査ベンチマーク

アバディーンの調査ベンチマーク

は、ベストプラクティスの特定と実

践可能な提言により、プロセスや

手順、方法、技術について、総

合的な見識を提供します。

「テクニカルコミュニケーションは、

革新的でモチベーションの高い企

業にとって、非常に大きなメリット

をもたらします。 業務を適切に行

うには、部門の枠を超えた卓越し

たスキルが必要であり、多くの異

なるタイプの社員とのコミュニケー

ションが取れることが必要となりま

す。 適切な文書をタイムリーに提

供できない場合、顧客は不満を

感じ、カスタマーサポートへの電話

の件数が増えるのです。」

ミア・フィッシャー

 テクニカルコミュニケーション担当

           マネージャー

            Internec

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プロフィットセンターとしてのテクニカルコミュニケーション Page 3

© 2009 Aberdeen Group. Telephone: 617 854 5200 www.aberdeen.com Fax: 617 723 7897

目次 要旨 .................................................................................................................................. 2

優良企業のパフォーマンス ........................................................................................ 2 競争成熟度の評価 .................................................................................................. 2 とるべき行動................................................................................................................ 2

第 1 章 優良企業のベンチマーク作成 ...................................................................... 5 テクニカルコミュニケーションの目標および制約条件 ............................................. 5 成熟度レベルのフレームワーク ................................................................................. 6 優良企業の PACE モデル....................................................................................... 9 優良企業の戦略....................................................................................................... 9

第 2 章 成功に必要な条件ベンチマークを作成 ...................................................12 競合評価..................................................................................................................13 顧客とのコミュニケーション方法を理解する ..........................................................15 編集の効率性、多様なコンテンツの開発 ...........................................................15 コンテンツとプロセスの一元管理 ............................................................................17 顧客ニーズに従い出版物を送付..........................................................................20

第 3 章 とるべき行動 ..................................................................................................23 下位企業の成功へのステップ ................................................................................23 業界平均企業の成功へのステップ .......................................................................23 優良企業の成功へのステップ ................................................................................24

付録 1 調査方法 .......................................................................................................26 付録 B: 関連するアバディーンの調査......................................................................28 Figures 図 1: テクニカルコミュニケーションに変化をもたらす圧力の上位 5 位.................. 5 図 2: 顧客サービスおよびサポートへの効果 ............................................................ 8 図 3: 顧客満足度および製品売上への効果 ......................................................... 8 図 4: 優良企業の戦略的行動 ...............................................................................10 図 5: 文書の品質規準の測定 ................................................................................11 図 6: 顧客のフィードバックの追跡............................................................................15 図 7: グラフィックおよびリッチメディアエディターの使用 ...........................................17 図 8: 優良企業が使用する CMS の機能 ............................................................18 図 9: プロジェクト管理ソリューションで管理されたプロセス ...................................19 図 10: 独自にカスタマイズした文書の提供............................................................20 Tables 表 1: パフォーマンス上位企業が優良企業................................................................ 7 表 2: 優良企業の PACE フレームワーク .................................................................... 9 表 3: 競争フレームワーク .............................................................................................14 表 4: PACE フレームワークの鍵 .................................................................................27

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プロフィットセンターとしてのテクニカルコミュニケーション Page 4

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表 5: 競争フレームワークの鍵 .....................................................................................27 表 6: PACE と競争的フレームワークとの関係 ............................................................27

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プロフィットセンターとしてのテクニカルコミュニケーション Page 5

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第 1 章 優良企業のベンチマーク作成

企業内でのテクニカルコミュニケーションの役割には、相反する 2 つの観点があり

ます。 テクニカルコミュニケーションに携わる担当者は、長年にわたり、製品文書

は顧客満足度ならびにカスタマーサポートやサービスなど、下流プロセスのコスト

削減で大きなビジネス価値をもたらすと主張してきました。 ただし、企業のより広

い観点でみると、文書は通常、製品の市場への投入における数ある要件のうち

の 1 つとして捉えられています。 この後者のシナリオでは、文書を作成するグルー

プはコストセンターと見なされ、製品の市場投入に遅れをきさないよう、厳しい予

算と厳しい締め切りに従うという業務命令を受けています。 テクニカルコミュニケー

ションの効果を追跡する機能がない場合、この部門のビジネス価値について訴

え、企業での自らの部門の役割を証明するのに必要となる、定量的なデータを

得ることができないのです。

165 社を対象とした直接の調査を通じ、アバディーンは、戦略的に対処した際に

テクニカルコミュニケーションがもたらす多大な利益への効果について、定量化可

能なフレームワーク(枠組み)を開発しました。 この章では、そうした利益や利益を

生む組織が行っている取り組みの概要について述べます。

テクニカルコミュニケーションの目標および制約事項 テクニカルコミュニケーションの業務への効果を理解するには、まず組織のパフォー

マンスの制約となり、最終的に業務変更を促す要因について理解する必要があ

ります。図 1 ではこうした変化をもたらす圧力の上位 5 位を挙げています。

図 1: テクニカルコミュニケーションに変化をもたらす圧力の上位 5 位

出典: アバディーングループ、2009 年 9 月

36%

35%

31%

29%

25%

0% 10% 20% 30% 40%

n=165

36%

35%

31%

29%

25%

0% 10% 20% 30% 40%

文書支援予算が削減されている

製品開発日程の短縮

より簡略または高品質の文書に対する

客/市場からの要望

効率改善に対する組織の取り組み

製品および関連文書の量の増加

回答者の割合 (%) 全回答者 n=165

ポイント

パフォーマンスが優良レベルの企

業は、次のことを達成していま

す。

√ カスタマーサポートへの電話の

件数が 41% 減少

√ カスタマーサポートで問題解決

にかかる時間が 38% 減少

√ 顧客満足度スコアが 43% 向

√ 製品売上が 45% 増加

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プロフィットセンターとしてのテクニカルコミュニケーション Page 6

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明らかに、いずれの圧力、もテクニカルコミュニケーションに対する変化を示すもの

ではありません。 実際、このデータは、テクニカルコミュニケーションが直面する業務

上の制約要因を示しています。 文書を必要とする製品の量の増加や、企業全

体での効率向上の取り組み、製品開発スケジュールの短縮、予算の削減が、テ

クニカルコミュニケーションでの変化をもたらす圧力として、ほぼ同程度の順位で挙

げられています。

製品開発サイクルの最後に登場し、また通常はコストセンターと見なされるテクニ

カルコミュニケーション部門は、プロジェクトのスケジュールや利用可能な予算、リソ

ースに関し、厳しい業務上の制約を受けます。 実際に、昨年多くのテクニカルコミ

ュニケーション関連の部門 (サイドバーを参照) で人員が削減され、リソースはさら

に減少しています。 また、多くの企業が、開発する製品の量を増加していることか

ら、制作に対する需要も増加しています。 アバディーンの 2009 年 8 月のレポー

ト Product Design Made Easy から、売上を新規に増やすために企業が市場に投

入する製品数は、平均で 14% 増加していることがうかがえます。

こうした圧力の下で、簡潔で質の高いコミュニケーションに対する、顧客や市場から

の今まで以上の要求が第 3 位に挙げられています。 これは、テクニカルコミュニ

ケーションによるビジネスへの潜在的な効果を含め、こうした圧力への企業の対

応能力に関係してきます。 その点は、企業内で理解されていることでしょう。 テク

ニカルコミュニケーションの目標に順位を付けるよう求められた際、調査参加者は

顧客満足度の向上を第1の目的に挙げました。 全回答者の 82% がそのように

答えている点で、顧客満足度の向上は、他の業務目的より 58% 高く重視さ

れていると言えます。

成熟度レベルのフレームワーク テクニカルコミュニケーションに課せられた業務制約において、顧客の要求をどう捉

えるべきか。それは、これら制約条件の範囲内にて、テクニカルコミュニケーション

がもたらすビジネス価値を特定すればよいのです。 そのため、アバディーンは、業

務効率と文書の質を同時に高水準に保っている企業について、 次の 5 つの主

要な指標を用いて測定しました。

• 編集の締め切り目標を達成したプロジェクトの比率

• 文書の品質目標を達成したプロジェクトの比率

• ソース言語の編集コスト目標を達成したプロジェクトの比率

• 文書作成に必要な時間の減少率

• ソース言語の編集コストの減少率

これらの指標を用いて、アバディーンは調査参加者のベンチマークを作成し、参加

企業を、優良企業 (上位 20%)、業界平均企業 (中位 50%)、下位企業 (下位

30%)の 3 つのパフォーマンスレベルに分類しました。表 1 には、これら組織の合計

パフォーマンスが示されています。

人員の減少: テクニカルコミュニケーション

アバディーンの調査によれば、テク

ニカルコミュニケーション関連部門

での過去 1 年間の人員の減少

は、一般的には次のようになりま

す。

√ これら部門の 16% で、人員

が 20% 以上減少

√ これら部門の 11% では、人

員減少は 20% 以下にとどま

√ 57% では人員に変化なし

√ 7% については人員が 1% から

20% 増加

√ 7% については人員が 20% 以

上増加

テクニカルコミュニケーションへの主た

る圧力としての顧客の要求

アバディーンの調査では、テクニカル

コミュニケーションへの主たる圧力と

なる顧客の要求が、以下のものを

のものを含むと示しています。

√ The Technical Communicator's Transformation (2008 年

10 月)

コミュニケーションの正確さ

/質についての顧客の要

求 (50%)

順位: 1 位

√ Publishing Technical Communications in a Multi-Channel World (2007 年 5 月)

より簡潔なコミュニケーショ

ンについての要求増加

(53%) 順位: 1 位

顧客満足度へ一層の注

力 (40%) 順位: 4th

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表 1: パフォーマンス上位企業が優良企業

成熟度レベルの定義 クラスのパフォーマンス平均

優良: パフォーマンス得点総合

で上位 20%

編集の締め切り目標を達成したプロジェクト: 93% 文書の品質目標を達成したプロジェクト: 91% ソース言語の編集費用目標を達成したプロジェクト: 83% テクニカルコミュニケーションの開発に必要な時間: 26% 減少 (必要な人時) ソース言語の編集費用: 43% 減少

業界平均: パフォーマンス得点総合

で中位 50%

編集の締め切り目標を達成したプロジェクト: 89% 文書の品質目標を達成したプロジェクト: 75% ソース言語の編集費用目標を達成したプロジェクト: 81% テクニカルコミュニケーションの開発に必要な時間: 6% 減少 (必要な人時) ソース言語の編集費用: 5% 減少

下位: パフォーマンス得点総合

で下位 30%

編集の締め切り目標を達成したプロジェクト: 65% 文書の品質目標を達成したプロジェクト: 35% ソース言語の編集費用目標を達成したプロジェクト: 18% テクニカルコミュニケーションの開発に必要な時間: 2% 増加 (必要な人時) ソース言語の編集費用: 1% 増加

出典 アバディーングループ、2009 年 9 月

こうした指標だけ見ても、優良企業と業界平均、または業界平均と下位企業と

の間にはパフォーマンスに大きな差があることに気付きます。 特に、優良企業は、

図 1 に示されたさまざまな圧力のバランスをとる能力に長けていることが分かりま

す。また、業務の効率性と文書の質を高いものに保つという点で優良企業のパフ

ォーマンスを定義すると、顧客満足度とカスタマーサポート、サービス組織の効果

に相関関係があることが分かりました。 これらの結果は、「プロフィットセンターとし

てのテクニカルコミュニケーション」という概念によって説明される価値であり、またテ

クニカルコミュニケーションが企業にもたらす潜在的なビジネス価値を示しています。

サービスおよびサポートコストの減少 アバディーンがテクニカルコミュニケーションによる効果として特定した最初の分野

は、カスタマーサポートとサービス組織です (図 2)。 文書への期待に、より適切に

対応することで、優良企業は製品の機能や使用方法について、顧客を引き付け

適切に教育することができます。 こうした教育の結果、カスタマーサポートやサービ

ス組織への電話の件数が 41% 減少しています。それに対し、業界平均や下位

企業では減少率は 0% となっています。 アバディーンの調査によると、このような製

品教育により、カスタマーサポート部門に製品の問題が上げられた際の問題解

決にかかる時間も、42% 減少しています。 業界平均および下位企業でもこの部

門への効果はありますが、優良企業の半分以下にとどまっています。

「テクニカルミュニケーションへの投

資における決裁者がその結果を

重視しないのであれば、投資は

行わないでしょう。 テクニカルコミュ

ニケーションマネージャーにとっての

課題は、上司である管理職に常

にその価値を示すことにあります。 自らを常に宣伝し、上司に価値

を示す必要があるのです。」

チョナ・シュマテ

テクニカルパブリケーション担当

産業用機器メーカー

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図 2: カスタマーサービスおよびサポートへの効果

出典 アバディーングループ、2009 年 9 月

これらの2つの点で優良企業のパフォーマンスを見ても、カスタマーサポートやサー

ビスでの業務コスト削減に貢献することによる、下流プロセスでの利益率向上とい

った、テクニカルコミュニケーションの潜在的な効果が認められます。 対照的に、業

界平均および下位企業のパフォーマンスから、テクニカルコミュニケーションについて

の機会喪失、とくに業務上の圧力への対処に苦慮している企業での機会喪失

が見て取れるでしょう。

顧客満足度および製品売上の増加 テクニカルコミュニケーションの第 1 の目的として、顧客満足度の向上が報告され

ています (82%)。 アバディーンは、優良企業とそれ以外の企業において、この分野

での大きな効果の差を特定しました (図 3)。

図 3: 顧客満足度および製品売上への効果

出典 アバディーングループ、2009 年 9 月

0%

13%

41%

42%

0% 10% 20% 30% 40% 50%

かかってくる電話の

件数の減少

解決に擁する時間の

減少

その他すべての企業 n=123

0%

13%

41%

42%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 回答者の割合 (%))

優良企業 n=123

17%

8%

41%

45%

0% 10% 20% 30% 40% 50%

製品売上の増加

顧客満足度の数値の

向上

回答者の割合 (%)その他すべての企業 優良企業

n=123

17%

8%

41%

45%

0% 10% 20% 30% 40% 50%

n=123

図 2 の注: 市場に投入された製品は増加

報告された電話の数の減少を正し

く理解するため、アバディーンは調査

参加者の回答と、同時期にカスタマ

ーサポートを必要とする製品の変化

とを比較しました。

アバディーンは、どのレベルの企業に

おいても、製品数が増加しているこ

とを特定しました。 業界平均および

下位企業ではそれぞれ 19% 製品

が増加していますが、優良企業で

は 33% 増加していると報告されてい

ます。

業界平均および下位企業では電

話の件数は全く減少していません。 こうした企業でカスタマーサポート

への効果がなかったのではなく、テ

クニカルコミュニケーションによる効果

は製品の増加に遅れをとっていま

す。 一方で、優良企業で顧客サポ

ートを必要とする製品は 33% 増加

しており、それによる顧客からの電

話件数は 41% 増加するなど、結果

はより劇的なものとなっています。

「顧客は製品の一部として文書

をとらえています。 当社も文書を

そう見るべきです。 文書は必要

悪ではありません。 製品の一部

なのです。 文書を使用し、顧客

のための製品改善に役立てること

ができます。 顧客が製品について

知れば知るほど、製品を高く評

価します。 文書のできが悪いが

故に多くのチャンスを失っているの

です。」

チョナ・シュマテ

テクニカルパブリケーション担当

産業用機器メーカー

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プロフィットセンターとしてのテクニカルコミュニケーション Page 9

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優良企業で認められた大きな効果の差として、優良企業は顧客満足が 41% 度

上昇したと報告している点です。一方で、業界平均および下位企業では、そ

の数値が半分以下の 17% にとどまっています。製品についてより顧客を引き付

け教育できるかという期待に、企業がどの程度対応できるかという能力の結果現

れる効果と言えます。 企業の上層部や経営陣がより興味をもっている点は、顧

客満足度向上により 45% の製品売上増加を達成した優良企業が、顧客のリテ

ンションを実現していることです。

一方で、テクニカルコミュニケーションのみが製品売上の 45% 増加をもたらすという

のは言い過ぎですが、 顧客中心のテクニカルコミュニケーション組織を有する優良

企業は、このような効果を達成するために、今回の調査の対象とならなかった分

野でも、さまざまな取り組みをしていることは間違いありません。 少なくとも、前項

で述べたとおり、市場投入への製品数は以前に比べ 33% も増加しているのです

から。

優良企業の PACE モデル 業務効率と文書の質を同時に高水準に維持することで、優良企業は顧客満足

度と下流プロセスの利益率向上に大きく貢献しています。 このバランスを保つこと

は、まさに言うは易く行うは難し、と言えます。 戦略的行動や組織の能力、そして

表 2 にまとめられた技術が必要となるのです。

表 2: 優良企業の PACE (Pressures/Actions/Capabilities/Enablers)フレームワーク

圧力

(Pressures) 行動

(Actions) 能力

(Cababilities) 実現する要因

(Enablers)

製品量の増加 顧客の要望

テクニカルコミュニケ

ーションでのコンテン

ツの再利用の増加 テクニカルコミュニケ

ーションによって顧

客体験をより充実

させる 特定の/プレミアム

感の高い文書へ

の、制限付きアクセ

スを提供

コンテンツのレイアウトが使用例に基づき

標準化されている 文書を顧客ニーズに基づきカスタマイズ可

能 文書の書式/プレゼンテーションの作成お

よび管理に割り当てられた専属のスタッフ 編集者が製品ライン全般に適用できる知

識分野の専門家である 顧客の文書へのアクセスを追跡、測定 製品の記録システム内の情報と文書がに

ダイナミックにリンク テクニカルコミュニケーション組織のパフォー

マンスを正式な指標を使用して測定

組織化された編集

構造化されたオー

サリング エディター グラフィック/画像編

集 リッチメディア/e ラ

ーニング編集 コンテンツ管理シス

テム (CMS) プロセス/プロジェク

ト管理

出典: アバディーングループ、2009 年 9 月

優良企業の戦略 アバディーンのデータでは、優良企業がテクニカルコミュニケーションを活用し顧客体

験に影響を与えることで、企業利益へ大きな効果をもたらしていることは明確です。

「当社の顧客満足度調査には、

常に文書に関する項目が含まれ

ています。 文書は大抵、製品全

般に対する顧客満足度に比例し

ています。 評価の高い製品に

も、評価の高い文書が添付され

ています。 製品の評価が低い場

合、文書の評価も低いものとなっ

ています。」

アソシエート・バイスプレジデント

ヘルスケアソフトウェアプロバイダ

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プロフィットセンターとしてのテクニカルコミュニケーション Page 10

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優良企業は、テクニカルコミュニケーションにおける厳しい業務圧力なしにこの点を

達成したのではありません。 むしろ、そのために優良企業はさまざまな戦略を駆使

しています (図 4)。

図 4: 優良企業の戦略的行動

24%

65% 54%

64%

36%35%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70%

テクニカルコミュニケーションコミュニケー

ションでのコンテンツの再利用の増加

テクニカルコミュニケーションコミュニケーション

によって顧客体験をよりよくする

(%)

優良企業 業界平均 下位 n=123

出典: アバディーングループ、2009 年 9 月

こうした戦略の1つは、コンテンツの再利用を増やすことであり、テクニカルコミュニケ

ーションでは当然の意義と言えます。 新しい文書を作成する際、多くの場合、以

前使用した部分と全く同じまたは似たような部分があります。 この場合、もう一

度文書を作成して時間を無駄にする代わりに、既存のコンテンツを再利用するこ

とで、ライターはまったく新規な部分の作成に注力することができるようになります。 コンテンツを再利用する取り組みが一般的であることを考えると、業界平均企業

のこうした戦略の採用率が優良企業とほぼ等しいことは当然と言えます。 ただし、

優良企業は実行に際し大きく異なるアプローチを採用しています。その点につい

ては第 2 章で説明しましょう。

第 1 の戦略が優良企業の業務での成功の要因となっているのであれば、図 4 に

示された第 2 の戦略 (テクニカルコミュニケーションにより顧客体験をより良くする)

は、これら企業の顧客が享受しているメリットの要因となります。 実際に、これら

優良企業は、コンテンツの再利用で得た効率を、顧客を引き付け教育するため

の新たな手段の発見に再投資しています。 こうした取り組みがもたらす違いは大

きく、優良企業での顧客満足度の 42% 向上や、製品売上の 45% 増加という形

で明確に現れています。

「再利用および再度活用すること」は、

多くの人が理解しておらず、実際にどう

実行したらよいか理解していません。 真の意味で再利用を行い、そして再度

活用するためには、既存のコンテンツを

そのまま使用しては駄目です。「ヘルプ

機能を使用する際には、実際何をす

るだろうか。」と、自分自身で考えて

見なくてはなりません。また、トレーナーや

セールスエンジニア、ユーザー、サポー

ト担当者などすべての当事者に会い、

「どうやったら、製品やソリューション

に対してやりたいことと、コンテンツを

一致させることができるのか?」と、尋ね

る必要があります。

ヘルプ機能において、大量の情報が

「自動的かつ魔法のように」1つに統合

されることはありません。 ヘルプ機能に

こうした大量の情報 (または文書) が

単にあるからといって、プリンタで紙詰ま

りが発生したり製品に問題が発生した

ときに、タイムリーに解決策を提供でき

るとは限らないのです。」

ジャン・リュック・マゼ

    ローカライゼーション プログラム

                     マネージャー

                         情報開発担当者

                         HP

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プロフィットセンターとしてのテクニカルコミュニケーション Page 11

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アバディーンの洞察 – 戦略

優良企業がカスタマーサポートおよび顧客満足度の両方で上げる効果は、文

書の品質に左右されます。 このため、優良企業は競合他社に比べ、より広

範な要件に従い出版物の品質を評価していること分かりました。 対照的に、

下位企業の 57% は文書の品質を測定していないことが分かりました。

図 5: 文書の品質規準の測定

出典 アバディーングループ、2009 年 9 月

優良企業がこれら指標の中で、顧客への対応を最優先で注力していることは

注目すべきです。 また、優良企業以外の企業はこの点で大きく出遅れていま

す。 優良企業にとっての品質は、製品文書を、顧客がどの程度有用だと考

えているかで決定されます。 この点は、彼らが戦略的に顧客を引き付け、その

結果、顧客にメリットをもたらすことに注力していることの裏付けとも言えます。 ただし、こうした品質への注力は、業務の制約事項の範疇で実行するという

前提条件のもとに行われている、ということを忘れてはなりません。

次の章では、優良企業がこうした点を実現するのにどのようなことを行っているの

か見てみましょう。

89%

72%

50%

28%

52% 42%

35%

18% 19% 27%

19%

5%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90%

100%

顧客からの「有用性」につ

いてのフィードバック 企業/ブランドスタイ

ルの遵守 文書中の誤りの数 簡略な英語を使用

(%)

優良企業 業界平均 下位 n=123

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第 2 章 成功に必要な条件のベンチマークを作成

ビジネス資産としてテクニカルコミュニケーションを効率的に活用するには、この組

織に対しての見方を変える必要があります。 顧客に価値を、そして企業に利益

をもたらす戦略的なテクニカルコミュニケーション部門は、コストセンターとしてみな

すべきではありません。 この章では、優良企業のテクニカルコミュニケーション部門

がどうような形態をとり、その特徴を成す能力とは何かを検証します。

ケーススタディ: テクニカルコミュニケーションのリソースの効率的な活用による

効果と顧客対応

ある北米のビジネスソフトウェア プロバイダーは最近、自社のテクニカルコミュニ

ケーショングループがどのように組織され配置されているかについての再評価を

行いました。 以前は、文書の作成機能は各製品ラインに関連して配置され

ていました。 同社は、グラフィックアートや編集、出版、構造化されたオーサリ

ングや関連ツール、技術サポートの一元的アーキテクチャなどの専門機能のリ

ソース共有を含む、これらアプローチすべてを見直しました。その結果ハイブリ

ッド型の組織となり、各製品グループに配置されたコンテンツ作成者と、製品

すべてをサポートするシェアードサービスとを統合しました。 こうした変更を行う

ことで、企業全体でリソースをより効率的に活用できるようになりました。 この

一元化されたテクニカルパブリケーショングループの部長は、「専門化されたリ

ソースを本社に置くことで、業務全体に分散するよりコストが大幅に最適化さ

れます。以前製品グループが独自に行えなかった投資を行うことができまし

た。」と述べています。

同社は、より適切に顧客をサポートする文書を作成するため、この投資を行

いました。 ただし、リソースの共有よりもむしろ顧客ニーズを満たすために、戦

略的な変更が必要であることを、彼らは認識していたのです。テクニカルパブ

リケーショングループの部長は、「各顧客のニーズに対応した特定のマニュアル

を出版する必要があり、そのパターンは数千種類に上りました。 そのため

には、コンテンツ自体を情報提供の物理的な形から分離し、自動化するしか

ありませんでした。 その他の方法は考えられなく、あったとしても大規模なもの

となっていたでしょう。」と説明しています。

同社はトピックベースの編集プロセスを採用し、コンテンツ管理システムを利

用して、コンテンツを再利用可能な部分(トピック)に小分けにしました。このト

ピックが、一元化された出版・ローカライズ機能に含まれるインフラストラクチャ

の一部となります。 このような構造化された編集アプローチにより、コンテンツ

の作成およびローカライズ、出版の時間が減少し、テクニカルコミュニケーショ

ンの担当者は情報の質の改善により注力できるようになっています。

続く

ポイント

競合他社と比較した場合の優良

企業の主たる差別化要因は次

のとおりです。

√ 構造化されたオーサリング

エディターを活用する可能性

が 46% 高い

√ CMS を使用してコンテンツ

の要素間の関係を管理する

可能性が 86% 高い

√ 正式な指標でテクニカルコ

ミュニケーションのパフォーマン

スを測定する可能性が

100% 高い

√ 顧客の文書使用を追跡

し測定する可能性が 83%

高い

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ケーススタディ: テクニカルコミュニケーションのリソースの効率的な活用による効

果とおよび顧客対応

同社はこのアプローチを利用して、コンテンツ作成と情報の提供プロセスとを分

離しました。 コンテンツの出版を自動化するため、コンテンツの要素を共通の

CMS に保存し、コンテンツを顧客ニーズに合わせてカスタマイズされた文書にし

て提供する、出版エンジンを採用しています。

コンテンツの作成方法を転換し、組織間のコラボレーションのためのテクニカル

コミュニケーションへと再編することで、この企業はリソースをより効率的に活用

し、顧客ごとにカスタマイズされた文書を提供しています。 その結果もたらされ

る変化は、同社が最近発表した低コスト製品の例に、もっと顕著に見られま

す。 低コストで提供し利益を得るには、製品マージンを低く抑える必要があり

ました。 同社のテクニカルパブリケーション担当部長は次のように述べていま

す。「製品のインストールを容易にし、顧客向けのサポートの電話をできる限り

減らす必要がありました。 そのためには、テクニカルパブリケーションをなんとかす

る必要があったのです。 一部はデザインに起因するため、我々の部門がすべ

て貢献したというわけではありませんが、カスタマーサポート業務は適切なレベ

ルになりました。これは、 成功と言えるのではないでしょうか。」

競合評価 アバディーングループは、調査対象となった企業の合計指標を分析し、各企業の

パフォーマンスを優良、業界平均、下位にレベル分けしました。 一般的なパフォー

マンスレベルに加え、各企業は以下の 5 つのカテゴリーでの特徴についても分析

されています。

1. プロセス – 日々の業務を遂行するためのアプローチ

2. 組織 – 企業としての注力、および関係者間のコラボレーション

3. ナレッジマネジメント – データを状況に応じて主要な関係者に提供する

4. 技術 – 適切なツールの選択、およびそうしたツールの効率的な導入

5. パフォーマンスマネジメント – 結果を測定しビジネスを改善する組織の能力

表 3 で特定された能力および(実現する)要因は、ベストプラクティスのガイドライ

ンであり、主要な指標における優良企業のパフォーマンスと直接的な相関関係が

あります。 これらの特徴は、優良企業が編集環境の効率確保と、製品情報の

顧客への伝達をどのように同時に行っているかを表しています。 本章の残りの部

分では、優良企業を例にとりながら、以下にあげた 4 つのテーマを通じて、こうし

た能力やそれを実現する要因について議論します。

• 顧客の期待についての可視化を実現

• オーサリングの生産性の向上、およびさまざまな種類のコンテンツ作成

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• コンテンツおよびプロセスの一元管理およびコントロール

• 顧客ニーズに合ったコンテンツの提供

表 3: 競争フレームワーク

優良企業 業界平均 その他

コンテンツのレイアウトが使用例に基づき標準化されている

76% 49% 45%

文書を顧客ニーズに基づきカスタマイズ可能 プロセス

40% 28% 23%

作成者は製品ライン全般に適用できる知識分野において専門

家である 組織 56% 49% 41%

顧客の文書へのアクセスを追跡、測定

44% 29% 25%

文章が、製品の記録システム内の情報にダイナミックにリンク

ナレッジ マネジメント

38% 21% 13%

テクニカルコミュニケーション組織のパフォーマンスを正式な指標

を使用して測定 パフォーマンス

測定 40% 19% 18%

現在使用されている技術:

テクノロジー要因 .

構造化された

オーサリングエ

ディター: 63% グラフィック/画

像エディター:

100% リッチメディア

e ラーニング

エディター:

43% コンテンツ管理システム:

46% プロセス/

プロジェクト管

理: 50%

構造化されたオー

サリングエディター:

45% グラフィック/画像エディター:85% リッチメディア/e ラ

ーニングエディター:

17% コンテンツ管理シ

ステム:41% プロセス/プロジェ

クト管理: 48%

構造化されたオ

ーサリングエディ

ー: 39% グラフィック/画像

エディター:78% リッチメディア/e

ラーニングエディ

:20% コンテンツ管理シ

ステム: 36% プロセス/プロジェ

クト管理:38%

出典: アバディーングループ、2009 年 9 月

「当社は次のように、いくつかのレ

ベルで顧客のフィードバックを把握

しています。 サポートまたはマーケティングのエ

スカレーションリストからの電子メ

ールでのコメント。

当社の製品について、顧客が発

見した欠陥またはテストで見つか

った欠陥。

当社のウェブサイトに埋め込まれ

たフィードバックツール。コメントが

寄せられると、テクニカルパブリケ

ーションのリーダーがそれを仕分け

し、コメントが明確で正当なもの

である場合には解決すべき問題

を割り当てます。

チームが大きく、製品チームが複

数のリリースをサポートしている場

合、文書を維持するにはこうした

コメントを必ず解決する必要があ

ります。 コメントに対処すること

で、すべての改善事項を最新の

文書に盛り込むことができます。」

   テクニカルコミュニケーション

                  マネージャー

                      通信機器メーカー

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顧客とのコミュニケーション方法を理解する 2 つの戦略的取り組みのうち、顧客引き付けることは、もっとも実現が難しいもの

です。 アバディーンの調査から、優良企業は、一丸となって顧客の価値を可視

化する努力をすることで、この問題を解決しています。

図 6: 顧客のフィードバックの追跡

44%

80%

29%

56%

15%

36%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

文書についての顧客のフィードバックを正式に追跡、把握している

顧客の文書へのアクセスを追跡、測定している

回答

者の

割合

(%)

優良企業 業界平均 下位

出典: アバディーン、2009 年 9 月

第 1 章の最後で、優良企業は、テクニカルコミュニケーションの質における主な指

標として、何が有用で何が有用でないかについて、顧客のフィードバックを活用し

ていることに触れました。 優良企業は競合他社より、そうした有用性についてのフ

ィードバックを追跡できる、きちんとした仕組みを導入する傾向が高くなっています。 優良企業は、文書について直接的な顧客のフィードバックだけでなく、顧客のアク

セス方法の追跡も行っています。 いずれも、顧客が文書をどのように使用しその

メリットを享受しているかについて、ある一定の傾向を示してくれます。前者は、報

告される直接のフィードバックを通じて、後者は、文書がどのような観点で読まれ

ているか、または読まれていないのか、どのようなことが回避されているのかを追跡

することによってもたらされます。そして後者を行うには、その文書を電子的に提供する必要があるのです。

何が顧客を引き付けるのかを理解し、その見解を応用している優良企業は、他

社との間に大きな差をつけています。 この効果は、顧客満足度の数値が 41%

向上しているという点でもっとも明らかであり、優良企業では、競合他社の 2 倍

以上となっています。

編集の効率性、多様なコンテンツの作成 企業を優良企業と位置付けるに当たり、アバディーンは何よりもまず、これら企業

のどんな能力が、テクニカルコミュニケーションにおける高い業務効率性をもらたし

ているのかを調査しました。そして、戦略的に見ると、コンテンツの再利用に注

「当社の文書作成者には、顧客のビ

ジネスについて学び、当社の製品ライ

ンが顧客のビジネスニーズにどのように

応えているかについて学んでほしいと

思っています。 顧客のビジネスを理

解するテクニカルコミュニケーション担

当者は、出版物から相手のニーズが

どのようなものかを知る可能性が大き

くなります。 こうした文書作成者は、

顧客との関係を構築できます。 つま

り、これにより顧客向けに付加価値を

生む出版物を作成できるということで

す。 こうした付加価値を生む出版物

は、当社のビジネス戦略をサポート

し、売上の機会をもたらします。」

デニーズ・リー

               マネージャー

                     テクニカルコミュニケーション

                                          管理グループ

                                                             LexisNexis Risk Solutions

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力することがポイントとなっていることが分かりました。 多くのテクニカルコミュニケー

ショングループが、トピックベースの編集と呼ばれるアプローチを通じ、コンテンツの

再利用における決められたプロセスを採用しています。 このアプローチでは、コンテ

ンツを「巻」または「章」ではなく、個別の「トピック」や「コンテンツの要素」として編

集します。 つまり、同様のトピックは 1 回しか作成されず、異なる文書のニーズに

合わせ必要に応じて再利用、再活用されます。 これは優良企業が顧客とどうコ

ミュニケーションをとっているかの応用と言えますが、もっとも重要なメリットは編集プ

ロセスの効率化にあるのです。

優良企業はさまざまな方法でこの考え方を支持し発展させています。 まずは、

ライターへプロジェクトを依頼するときに、特定の製品ラインに対するフォーカスから、

企業が開発するどの製品にも適応できる知識分野へとフォーカスを転換すること

です。 文書ベースの編集プロセスからトピックベースのプロセスに変更することで、

コンテンツの使用方法における柔軟性が大幅に高まります。 ライターがトピック全

体にわたって適用される部分にフォーカスをシフトする際に、このような柔軟性がも

たらされるのです。 ライターは、幅広いニーズに対応できるコンテンツを開発できる

ようになり、最終的にリソースをより適切に利用、応用できるようになります。

また、優良企業は構造化されたオーサリングソリューションを導入して、ライターにと

ってトピックベースの方法にふさわしい環境を提供しています。 特に、優良企業は、

こうしたソリューションを使用する傾向が業界平均に比べ 1.4 倍、下位企業に比

べ 1.6 倍高いものとなっています。 従来のオーサリングツールでは、ライターは、そ

のコンテンツがページでどのように表示されるかを視野に入れつつコンテンツを作成

していました。 構造化されたオーサリングツールと利用すると、ライターは、前後関

係など事情に関係なくコンテンツを作成でき、またそれをどのように管理し後々応

用すべきかを整理することができるのです。 こうした「事前条件なし」のコンテンツ

要素は、将来作成される予定の文書において、再利用することができるようにな

ります。これは、構造化されていないコンテンツでは不可能であり、生産性を大幅

に高めることができる方法なのです。 またこの時間の節約により、テクニカルコミュ

ニケーション部門は、より質の高い文書作成に注力できるようになる点も重要で

す。

こうした取り組みの効果は、優良企業が、編集期限の厳守や、ソース言語コスト

目標、文書の品質目標について、それぞれ 93%、83%、91% 達成していることから

もうかがえます。

グラフィックを用いたコミュニケーション もちろん、編集プロセスの効率性だけで優良企業が第 1 章で述べた結果を達

成している訳ではありません。 優良企業は、顧客をより効率的に引き付ける方

法を見つける努力をしています。 実際に、こうした取り組みは多くの場合、グラフィ

ックを用いたコミュニケーションを最大限活用するという形を取っています。

製品や部品のイラストは、テクニカルコミュニケーションでは珍しいものではありませ

んが、 ここ数年で、こうしたコンテンツの開発方法に効果を与えるだけでなく、テク

ニカルコンテンツの見せ方の限界を広げる技術的進歩もありました。 優良企業は

「構造化されたオーサリングによ

り、当社は一貫性を保つことを余

儀なくされます。 そして、制作が

楽になるというメリットを感じていま

す。 トピックを再び書く必要がな

ければ、それで終わりです。再度

見直す必要がなければ、通常

は、再度翻訳する必要もなく、文

書コストは大幅に低下します。 文書を書く場合でも、構造化さ

れたオーサリングにより、一段高い

レベルで行えます。つまり、小説を

書くことから、必要な種類の技術

文書を書くことに変化するので

す。」

ラリー・W・アーノルド

消費者向けテクニカルパブリケー

           ション担当 

         マネージャー

          Garmin

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競合他社に比べ、こうした進歩を活用して顧客とのコミュニケーション方法を進化

する傾向が高くなっています (図 7)。

図 7: グラフィックおよびリッチメディアエディターの使用

43%

100%

17%

85%

20%

78%

0%10%20%30%40%50%60%70%80%90%

100%

画像/グラフィック編集者 リッチメディア/eラーニング編集者

回答

者の

割合

(%)

優良企業 業界平均 下位

出典 アバディーン、2009 年 9 月

大半の組織がビジュアルコンテンツを文書に含めているということは、何らかの形で

グラフィックエディターを導入しているということを意味しています。しかし、こうした

ツールの採用でも、各企業のレベル間で差が生じています。 優良企業は業界平

均に比べ 18%、下位企業に比べ 28% こうしたツールを使用している傾向が高くな

っています。 こうしたツールを使用することで、企業はテキストでは不可能だった顧

客に対する指示を、イラストで行えるようになります。 さらなるメリットとしては、こう

したツールで作成したグラフィックコンテンツは翻訳が不要であり、それにより優良

企業はローカライズのコストをかけずに、グローバルに顧客対応ができる点です。

また、優良企業は、テクニカルコミュニケーションに使用されるアニメーションやインタ

ラクティブメディアを作成する際、リッチメディアを活用する傾向が、その他の企業

に比べ、 2 倍となっていることが分かっています。 こうしたツールの使用は電子出

版に限定されていますが、その効果は大きなものです。 静的なグラフィック画像と

同様、リッチメディアは通常、顧客に分かりやすい形で情報を伝達しますが、 静的なグラフィックが製品に対する親近感を持たすことができる一方で、リッチメディ

アを利用すれば、顧客がその製品とどのように使ったらよいかを正確にガイドするこ

とができます。 部品メーカーにとっては、組み立てやメンテナンス関連のコンテンツ

を作成する際には、この点は特にメリットとなります。 その他のメーカーおよびソフト

ウェア企業にとっては、こうした種類のコンテンツは特に具体的なデモとしても活用

されます。

コンテンツとプロセスの一元管理 優良企業は、コンテンツとそれが作成されるプロセスの管理を確実に行うため、コ

ンテンツ管理ソリューション (CMS) や、プロジェクトおよびプロセス管理ソリューショ

ンを慎重に活用しています。

業界別の見識: 部品メーカー

ビジネス上任意の場合、優良企

業は同業他社に比べ、製品の設

計において製品開発部門で使

用するコンピュータを使用した設

計 (CAD) ファイルと、製品の画

像イメージとをリンクしている傾向

が 2 倍となっています。 こ の こ

とは、CAD を使用して製品を

設計する業界に限られています

が、こうした機能によりイラスト作

成の時間は短縮され、製品のよ

り正確な表現が可能となり、ま

た、製品の変更が起きた場合、

自動的に更新されます。

「当社には、厳しいテンプレート基

準があります。 テンプレートで行う

すべてのことが管理されており、誰

がやっても同じ結果が得られま

す。 製品向けの文書を送信する

際、文書がスタイルガイドと社内

規則を記載したハンドブックに沿

ったものであることは分かっていま

す。 それにより、顧客に対する一

貫性が保たれます。どんな製

品であっても、同じことです。 顧客にとって親しみやすさを除外し

ているのではなく、すべての人に、

同じ品質を提供することを意図し

ています。」

ラリー・W・アーノルド

  消費者向け技術出版物担当

            マネージャー

              Garmin

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コンテンツの管理 CMS の大部分は文書管理ソリューションから生まれたものです。 この 2 つのもっ

とも大きな違いは、文書管理では文書全体を管理するのに対し、CMS は個別

のコンテンツ要素を管理するという点にあります。 優良企業は競合他社に比べ、

こうしたソリューションを活用する傾向が高くなっていますが、もっとも大きな違いは、

優良企業が使用するこれらのソリューションの機能にあります (図 8)。

図 8: 優良企業が使用する CMS の機能

80%

57%

50%

75%

46%

23%

60%

16%11%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

バージョン管理 検索、取得 コンテンツの構成要素の

関係の管理

回答

者の

割合

(%)

優良企業 業界平均 下位n=123

出典: アバディーングループ、2009 年 9 月

こうした機能のうち、一般的に利用されるのがバージョン管理です。それは、コンテ

ンツ要素の連続性を確認し、複数の関係者が同一フォルダに保存されたコンテン

ツの作成に関わっている際によく発生する「バージョンの混乱」を回避するため、こ

うしたソリューションが使用するチェックイン/チェックアウト プロトコルを指しています。 残りの 2 つの機能は、コンテンツの再利用を容易させます。つまり、検索・取得機能を使い、優良企業は再利用可能なコンテンツを迅速に見つけることができま

す。 また、コンテンツ要素間の関係を管理することで、構成要素間の文脈上のつ

ながりを保持できます。これにより、再利用が増え構成要素間の一貫性が増すと

ともに、文書の更新が必要な際に楽になります。 新製品がリリースされた場合、

以前の文書の大半は再利用できますが、一部は新機能により陳腐化します。 構成要素間の関係を理解することで、優良企業は文書の間違いを減らすため

に、アップデートによって影響を受ける箇所を特定できるようになります。

プロジェクトとプロセスの管理 優良企業は、コンテンツだけではなく、プロセスについての一元的管理も行ってい

ます。 それゆえに、優良企業は競合他社に比べ、プロジェクトおよびプロセス管理

ソリューションを使用する傾向が高くなっています。 ここでも、優良企業と競合他

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社との決定的な差は、ソリューションの使用にとどまらず、どう活用するかに及んで

います (図 9)。

図 9: プロジェクト管理ソリューションで管理されたプロセス

64%50%

45%50%

54%52%

41%45%

26%

37%

16%

24%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%.

オーサリングプロ ɾェクトの管理

オーサリングプロ

ʁスのワークフロー

レビュー/承認プロ

セスのワークフロー

レビュー/承認プロ セス のワークフロー

回答

者の割

合 (%

)

優良企業 業界平均 下位

出典: アバディーングループ、2009 年 9 月

優良企業はプロジェクト管理ソリューションを活用し、文書作成に必要なさまざま

なプロセスを管理しています。 こうした管理は、編集プロジェクトを誰に依頼する

かの管理や、各プロジェクトのプロセスワークフローの管理から始まります。この部

分では、下位企業が他社に比べ大きく遅れています。調査対象すべての企業

でもっとも差が大きな 2 つの分野は、コンテンツのレビュー、および出版のワークフ

ローを管理するためのこうしたソリューションの活用となっています。 総合的に見て、

これらの機能は、優良企業が業務を厳しく管理する傾向が高いことを示すもので

す。 こうした管理を行うため、優良企業は競合他社に比べ、正式な指標を使用

してテクニカルコミュニケーションのパフォーマンスを測定する傾向が 2 倍となってい

ます。 またこれにより、優良企業は継続的な改善を進めることが可能となってい

ます。

上記に述べた管理方法やすべてのステップによって、大幅な編集の効率性という

結果が表れています。 特に、優良企業では、編集時間が 26% (業界平均では

6%)、ソース言語での編集コストが 43% (業界平均では 5%) 減少したと報告され

ています。 優良企業とその他の企業との実績の差は、下位企業との比較でもっ

とも顕著に見られます。下位企業では、ソース言語での編集コスト目標を達成し

たのはわずかに 18%、文書品質の目標を達成したのは 35% にとどまっています。

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顧客ニーズに従い出版物を提供 優良企業が顧客をより引き付けようとするニーズは、製品情報を伝える方法の

みならず、情報の提供方法にも及んでいます。 つまり、優良企業のアプローチは、

決まった製品ライン用に単一のマニュアルを作成するという考え方とは相反するも

のです。 この単一のマニュアルには、製品ラインに関するすべてのバージョンおよび

構成の情報が含まれており、1 つのモデルを購入する顧客は、自らには関係ない

大量の情報を受け取ることになります。

顧客が自分にとって有益な情報を見つけるため多くのページを渉猟する必要があ

るのに対し、優良企業では、業界平均に比べ、顧客特定の注文やニーズ、顧客

のビジネスにとって意味のあるその他の要因に基づき出版物をカスタマイズする傾

向が 96% 高いものとなっています (図 10)。 つまり、優良企業は、それぞれの特

定の顧客にとって価値のある情報のみを共有しています。

図 10: 独自にカスタマイズした文書の提供

29%

40%

21%

28%

18%

23%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

文書を顧客の注文/ニーズに基づきカスタマイズ可能

文書が製品構成に基づき自動的に組み立てられる

回答

者の

割合

(%)

優良企業 業界平均 下位

出典: アバディーン、2009 年 9 月

独自にカスタマイズした、または対象を高度に絞り込んだ文書を出版することで、

テクニカルコミュニケーション部門に相当量の負担がかかります。 優良企業は、主

にコンテンツの作成および管理方法を変更することで、こうした負担を減らしてい

ます。

繰り返しになりますが、これは、情報を毎回作成するのではなく、再利用するとい

う考え方に基づいています。 構造化されたコンテンツ要素とその管理を CMS で

「当社は製品のイメージを、今後

2 年間で共通化することを目指

しています。 これにより、1つの情

報ソースを、各製品のニーズに合

わせてカスタマイズすることができ

るようになります。 また、プラットフ

ォームに依存しない製品やスタン

ドアロンメディア (CD/DVD や

USB フラッシュキー)、当社のサポ

ートサイトにおいて共通するヘル

プ機能を提供できるようにもなり

ます。 このように、トピックベースの

文書作成に移行することは、真

に統合されたソリューションのサポ

ートを行う上で重要です。」

アンディ・ロス

部長

エンジニアリングサービス

グローバル製品ソリューション

Tekelec

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行うことで、優良企業はテクニカルコミュニケーションを「文書」として捉えることもな

くなっています。 こうした個別の要素を組み合わせ、さまざまなニーズに見合う出

版物を必要に応じ作ることができます。 また、このコンテンツを自動的に組み立て

る出版エンジンを出版することで、優良企業はスタッフリソースの負担を軽減して

います。 優良企業には、その他の新たな能力もあります。 優良企業は、下位企

業に比べ、製品構成に基づきコンテンツの組み立てを自動化する傾向が 61%

高くなっています。

リッチメディアやその他のグラフィックコンテンツを使用してより特別なコンテンツを提

供するメリットは、テクニカルコミュニケーションの業務パフォーマンスという範疇では、

実感されません。 その代わりに、顧客が製品についてどのように教育されるか、ま

た顧客の製品に対する最終的な満足度という効果として現れます。 優良企業

が発揮する能力の差は、彼らが実現する顧客に対するメリットすべてで見受けら

れます。

• カスタマーサポートへの電話の件数が 41% 減少

• 顧客の問題解決にかかる時間が 38% 減少

• 顧客満足度スコアが 42% 向上

• 製品売上が 45% 増加

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アバディーンの見識 – 技術

テクニカルコミュニケーションを支援するために技術投資を優先する企業は、ほ

とんどありません。 ただし、優良企業がその傾向とは相反していることは、すで

に明らかでしょう。優良企業は、テクニカルコミュニケーションがビジネス資産とし

てもたらす価値を認識し、組織に大きな価値を実現する技術ソリューションに

投資する意志が大いにあることを証明しています。 こうした意志が、コンテンツ

の再利用や業務の効率化、顧客を引き付け顧客の期待に応えることを合理

化するソリューションへと導くのです。

このようなソリューションの両方を採用し効率的に運用することによって、優良

企業が実現しているようなメリットを可能にしています。 企業のテクニカルコミュ

ニケーションプロセスの効率改善に寄与する技術 (CMS および構造化された

オーサリングツール) だけでは、優良企業が実現しているような顧客に対する価

値を促進するには十分ではありません。 こうした優良企業は、顧客をより引き

付けるようなグラフィックやリッチメディアを活用したコミュニケーションや、スタッフ

にさらなる負荷をかけずによりカスタマイズされた出版物を提供可能とする出

版エンジンを追加しています。また、プロジェクトおよびプロセス管理ソリューショ

ンによる業務効率から達成されるコンテンツの品質への注力を通じて、優良

企業と同等のパフォーマンスを実現することが可能となります。

一言で言えば、 顧客向けのビジネス資産としてテクニカルコミュニケーションの

活用を望む企業は、その組織に適切な投資を行う準備をする必要がありま

す。

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第 3 章 とるべき行動

企業がそのパフォーマンスのレベルを下位から業界平均に、または業界平均から

優良に高めようとする際、次のような行動をとる必要があります。

下位企業の成功へのステップ • コンテンツ再利用に努力する。下位企業は、何よりもまず、文書作成方法

を転換するため戦略的コミットメントをする必要があります。 下位企業のうち、

コンテンツの再利用に戦略的優先順位をおいているのは、わずか 35% にとど

まっていますが、優良企業と業界平均では 50%に達しています。 コンテンツの

再利用により編集時間が短縮され、一貫した業務パフォーマンスの改善に

必要となる生産性の向上に寄与します。 また、テクニカルコミュニケーションを

行う担当者が新たなセクションの質に重点を置くこともできます。 トピックベー

スのアプローチと構造化されたオーサリングソリューションを導入することで、こ

の戦略を実行することが可能です。

• テクニカルコミュニケーションの業務パフォーマンスを測定する。 現在のパフォー

マンスについて把握していなければ、その組織が改善方法を見つけるのはむ

ずかしいでしょう。 優良企業は下位企業に比べ、正式な指標を使用してテ

クニカルコミュニケーションのパフォーマンスを測定する傾向が 123% 高くなって

います。優良企業が経験により得たこのような考え方は、彼らの現在のパフォ

ーマンスを向上し、継続的にこうした利益を得る要因となります。

• 顧客のフィードバックを把握する。 テクニカルコミュニケーション組織の業務パ

フォーマンス改善には正式の指標を使用することが必要なように、顧客の文

書使用方法について把握することは、顧客のニーズにどのように応えるかを理

解する上での第一歩となります。 優良企業は下位企業に比べ、顧客のフィ

ードバックを把握できている傾向が 122% 高くなっています。優良企業がこの

フィードバック情報をいかに活用するかが、優良企業が顧客満足度を 41%

上昇させることができるかのカギです。

業界平均企業の成功へのステップ • CMS のメリットを広範囲に活用する。 業界平均企業は、業務パフォーマンス

を改善し、編集時間を 6%、編集コストを 5% 削減していますが、 優良企業が

実現したような劇的な変化はありません。 業界平均企業と優良企業とでは、

CMS の利用という点でとほとんど差はありませんが、業界平均企業において

は、その本来の機能をフル活用しきれていません。優良企業は、検索機能

では 24%、CMS を利用したコンテンツ要素間の関係管理では 53% 利用す

る傾向が高くなっています。 こうした機能を活用することで、優良企業はコン

テンツをより頻繁に再利用し、必要な際により迅速に検索を行うなど、最終

的に生産性を向上しています。

ポイント

テクニカルコミュニケーション部門を

「プロフィットセンター」へと変革し

たい組織は、次のことを行う必要

があります。

√ 正式な指標でテクニカルコミ

ュニケーション部門の業務パ

フォーマンスを測定する

√ 構造化されたオーサリングツ

ールによって可能となるコンテ

ンツの再利用、および CMS

やプロジェクト管理ソリューシ

ョンの効果的な使用を通じ、

編集プロセスを合理化する

√ ターゲットとなるユーザーのニ

ーズや製品の構成に則した

文書を刊行する

√ 文書についてのフィードバック

を把握することで、顧客を引き

付け、教育する方法について

理解する

「当社では、5-10% をただちに再

利用することを検討しています。 また、文書作成者がフォーマット

ではなくコンテンツについてのみ気

を配ればよいため、サイクルタイム

も短くなっています。 当社では、

スタッフがツールにより習熟し、新

たなプロジェクトでの再利用率が

高くなっていることから、価値は大

幅に高まるものと予想していま

す。」

アンディ・ロス

部長

エンジニアリングサービス

グローバル製品ソリューション

Tekelec

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• 顧客の文書利用状況を測定する。 顧客のフィードバックを把握することで、

企業は顧客の文書への満足度ならびに顧客ニーズへの対応方法をより適

切に理解できるようになります。 ただし、このフィードバックだけでは、顧客が意

識しない実用性に効果を与える要因について、なんの見識ももたらしません。 場合によっては、もっとも効果を与える要因が、ユーザーには見えないこともあ

ります。 だからこそ優良企業は、その代わりに、顧客がどのように出版物にア

クセスしているのか、その方法を追跡する傾向が 52% も高いものになっている

のです。

• 文書のカスタマイズを増やす。 優良企業は業界平均企業に比べ、顧客の

注文やニーズに応じて文書をカスタマイズする傾向が、43% 高くなっています。 ほとんどの組織が、それぞれ個々の顧客に合わせて文書を提供する必要が

あるわけではありませんが、対象を絞り込んだ文書を作成できない組織は、

顧客にとっての文書の実用性を損なう可能性があります。 つまりほとんどの

場合、文書を利用しない顧客による、顧客満足度の低下という結果になる

のです。

優良企業の成功へのステップ • 出版を自動化する。 出版エンジンの使用により、企業は広範囲な書式およ

びチャンネルへのコンテンツの出版を自動化し、さまざまな対象の特定のニー

ズに合わせコンテンツを組み立てることが可能となります。 優良企業は、業

界平均および下位企業に比べ、製品構成に基づきコンテンツの組み立てを

自動的に行う傾向がそれぞれ 38%、61% 高いものとなっていますが、 こうした

機能を採用しているのは優良企業の 29% にとどまっています。 自動化の採

用により、優良企業はテクニカルコミュニケーションスタッフを追加せずに正確

な出版物を発行できるようになります。

• リッチメディアで顧客を引き付け、教育する。可能な場合はリッチメディアを活

用することで、製品の使用や組み立て、修理方法をストレートに実演できま

す。つまり、リッチメディアを通じ提供される情報には曖昧な点があまりなく、

顧客に製品の使用方法を適切に示すことができます。 多くの顧客にとっては

テキストを読むより簡単であり、使ってみたいと思わせる付加価値ともなります。 優良企業は、それ以外の企業に比べ、こうしたコンテンツ開発にリッチメディ

アエディターを使用する傾向は 2 倍となっていますが、実際にリッチメディアエ

ディターを活用しているのは 40% に過ぎません。 こうしたツールを現在使用し

ていない優良企業は、ツールを使用することで、顧客との関係をより強化し

続けることが可能となります。

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アバディーンの見識 – まとめ

第 1 章の図 2 および 3 に示された優良企業のパフォーマンスを見ると、テクニ

カルコミュニケーションが企業のビジネスに大きな効果を与えているということは

間違いありません。 ただし、同様の指標についての業界平均および下位企業

のパフォーマンスを見ると、大抵の場合、テクニカルコミュニケーションはその可能

性が十分に発揮されていないことがうかがえます。

つまり、多くの企業には、テクニカルパブリケーションを顧客中心、そしてプロフィ

ットセンター的な組織に転換することで、大きなビジネス価値を生むチャンスが

あります。 本章で詳細に述べた提言は、組織が業務効率を改善し、顧客を

戦略的に取り込み、教育するためにとることのできる「次のステップ」の実現を

支援するためのものです。

多くの組織にとってこの転換には、業務上の要件を満たすかそれ以上のレベル

へとテクニカルコミュニケーションの生産性を改善するのに必要な投資努力が

必要となります。これにより、テクニカルコミュニケーション担当者は、顧客のニーズへの対応に注力することができる時間が生まれます。 カスタマーサポー

トや顧客満足度、企業の収益性など、結果として現れる価値は、このような

ことから、自然と実現し始めるのです。

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付録 1 調査方法

2009 年 7 月から 9 月にかけて、アバディーンは 165 以上の企業のテクニカルコミ

ュニケーション部門の利用および経験、目的についての調査を行いました。

このオンライン調査に加え、一部の調査回答者を選択して面談を行い、企業が

展開する戦略についての追加情報を収集し、テクニカルコミュニケーションや企業

の体験、最終的には結果についての理解を深めました。

対象となる企業には次のものが含まれました。

• 役職: 調査対象には、以下の役職を持つ回答者が含まれました。 CEO、そ

の他の上級管理職 (10%)、課長、次長 (8%)、部長 (25%)、テクニカルコミュ

ニケーションマネージャー (23%)、テクニカルコミュニケーションスタッフ (21%)。

• 部署/部門: 調査対象には、以下の部署または部門の回答者が含まれまし

た。 テクニカルコミュニケーション (49%)、ビジネス業務/管理 (22%)、エンジニア

リング/研究開発 (12%)、マーケティング (8%)、ビジネス開発 (6%)、その他

(3%)。

• 業種: 調査対象には、広範囲な業界の回答者が含まれました。 該当者の

多かった業界は次のとおりです。 通信 (7%)、コンピュータハードウェアおよび機

器 (9%)、産業機器 (9%)、その他の製造業メーカー (11%)、ソフトウェア (33%)。

• 地理的分布: 回答者の大半 (73%) は北米、 残りの回答者はアジア太平

洋地域 (12%)、ヨーロッパ (11%)、その他 (4%) からのものでした。

• 企業規模: 回答者の 26% は大企業 (年間売上 10 億米ドル超)、31% が

中堅企業 (年間売上が 5000 万ドルから 10 億ドル)、43% が中小企業

(年間売上 5000 万ドル以下) に属していました。

• 社員数: 回答者の 36% が大企業 (社員数 1000 名超)、32% が中堅企

業 (社員数 100-999 名)、32% が中小企業 (社員数 1-99 名) に属してい

ました。

調査での重点事項

調査参加者は、以下の点を判

断するための質問に対し、オンラ

インでの調査に回答しました。

√ テクニカルコミュニケーションが測

定可能なビジネス価値を生成す

る程度

√ 既存のテクニカルコミュニケーシ

ョン部門の構造および有効性

√ テクニカルコミュニケーションのパ

フォーマンス向上および効果をサ

ポートするための、現在および今

後計画された戦略および機能

√ 組織が戦略および能力をサポ

ートするために活用できる技術的

なソリューション

調査は、テクニカルコミュニケーショ

ンがもたらす定量化可能なビジネ

ス価値、そしてテクニカルコミュニケ

ーションにより効率的に投資する

ために優良企業が活用するベス

トプラクティスを特定するためのも

のでした。 調査の結果は、読者

が自らの組織および能力を評価

する際のフレームワークとなること

を目的としたものです。

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表 4: PACE フレームワークの鍵

概要

アバディーンは、ビジネス上の圧力や行動、能力を評価するベンチマーク調査の方法、および特定のビジネスプロセスでの企業

の行動を実現する要因 (PACE) を採用しています。 これらの用語は次のように定義されます。 圧力 – 組織の市場での地位や競争力、業務に効果を与える外的な力 (例: 経済、政治、規制に関わるもの、技術、顧客

の変化する嗜好、競争に関わるものなど) 行動 – 組織が業界圧力に対して取る戦略的アプローチ (例: 製品/サービス戦略や、対象となる市場、財務戦略、市場戦

略、販売戦略など企業のビジネスモデルを調整して業界の事業機

会を活用する) 能力 – 企業戦略を実行するのに必要なビジネスプロセス能力 (例: スキルのある人員、ブランド、市場での地位、実行可能

な製品/サービス、エコシステムパートナー、資金調達) 実現する要因 – 組織が業務上実践できるようサポートするのに必要な技術的なソリューションの主要な機能 (例: 開発プラッ

トフォーム、アプリケーション、ネットワーク接続、ユーザーインタフェース、研修およびサポート、パートナーインタフェース、データク

リーニング、管理)

出典: アバディーングループ、2009 年 9 月

表 5: 競争フレームワークにおける鍵

概要

アバディーンの競争フレームワークは、実践状況やパフォーマンス

において、企業を以下の 3 つのレベルに振り分けるよう定義する

ものです。 優良 (20%) – 現在行われているもののうち最高で、業界平均

を大きく上回り、業界でも上位のパフォーマンスを上げている企

業。 業界平均 (50%) –業界平均のパフォーマンスを上げている企

業。 下位 (30%) – 業界平均を大きく下回り、パフォーマンスの低い

企業。

各カテゴリーでの質問事項。 プロセス – プロセス標準化の範囲は? そのプロセスの効率

性、効果はどのようなものか? 組織 – その特定のプロセスを管理し最適化するため、企

業は現在どのように組織されているか? 知識 – そのプロセスの管理に必要な主要なデータと情報

について、どのような可視化をしているか? 技術 – そのプロセスのサポートにどの程度の水準の自動化

を行ったか? この自動化はどのように統合、調整されるか? パフォーマンス – 何を測定するか? どの程度の頻度か? 実際のパフォーマンスはどのようなものか?

出典: アバディーングループ、2009 年 9 月

表 6: PACE と競争フレームワークとの関係

PACE と競争フレームワーク – それらの関連性

アバディーンの調査は、もっとも効果のある圧力を特定しもっとも効果のある転換のための行動を取る企業が、秀でたパフォーマ

ンスを達成する傾向がもっとも高いことを示しています。 企業が達成する競争パフォーマンスのレベルは、企業が行う PACE 選

択およびそれらの決定をどの程度適切に実行するかにより大きく左右されます。

出典: アバディーングループ、2009 年 9 月

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付録 B: 関連するアバディーンの調査

本レポートの手引きとなる、または本レポートの参照となる、関連するアバディーン

の調査には、次のようなものがあります。

• The Technical Communicator's Transformation: Publishing On-Time and On-Quality, 2009 年 10 月

• Documentation Goes Global、2008 年 4 月

• Dynamic Publishing, スマート文書により技術文書を統合、2007 年 12 月

• Publishing Technical Communications in a Multi-Channel World、2007 年

5 月

• Next Generation Product Documentation、2006 年 12 月

これらの調査およびその他のアバディーンの刊行物に関する情報については、

www.aberdeen.com をご参照ください。

作成者: デビッド・フーリハン、製品革新およびエンジニアリング担当上級研究アソシ

エート ([email protected])

1988 年以来、アバディーンの調査は世界中の企業の優良企業への成長を支援してきました。 64 万 4000 社

以上のパフォーマンスをベンチマーキングしたアバディーンは、企業に進歩と結果をもたらす重要な事象を提供す

ることで、独自の地位を築いてきました。 弊社の調査が 40 カ国、220 万人以上の読者、フォーチュン 1,000 社

の 90%、テクノロジー 500 社の 93% に利用されているのはそのためです。

アバディーンはハートハンクス社傘下の一社として、グローバルなダイレクト マーケティングおよびターゲット マーケ

ティング会社に、コンテントをコンテクストに合わせて提供するという重要な役割を果たしています。 ハートハンクス

の「顧客最適化」プロセス(情報、機会、考察、関与、取り組み)に対するアバディーンの分析的で独立性のあ

る視点はクライアント価値を拡大し、ハートハンクスが市場にもたらす戦略的機能を強化します。 追加情報に

関してはアバディーンのホームページ (http://www.aberdeen.com)、または(617) 723-7890 にお電話ください。ハート

ハンクスに関する詳細については (800) 456-9748 まで問い合わせるか、ホームページ (http://www.harte-hanks.com) をご覧ください。

本書は、アバディーン グループが実施したプライマリ リサーチをもとに作成されたものです。 アバディーン グループ

の調査方法は、客観的な事実ベースの調査で、本レポート出版時において入手可能な最新の分析結果をお

届けするものです。 特に記述がない限り、本書の全内容は Aberdeen Group, Inc. に著作権があり、Aberdeen Group, Inc. の事前の書面による同意がない限りいかなる形式や方法によっても複製、配布、保管、あるいは転

送することを禁じます (071309b)。