40

『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

  • Upload
    others

  • View
    2

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景
Page 2: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方

山口大学では、 年度より共通教育でコース・カリキュラムが運用されています。コース・カ2002リキュラムは、学生のさまざまな学ぶ意欲に応えて、自由度の高い科目選択を可能にするもの

で、全国的に注目を集めているものです。

また、 年度の国立大学法人化に向けて、認証評価体制に対応し、国民への説明責任に2004応える教育制度作りが進んでいます。たとえば、FD活動の推進や、学生授業評価や授業自己

評価などがそれに当たります。そして、時代の要請に応えるシラバスの作成も、それらの教育制

度作りの根幹に当たる最も重要なものだと言えます。

山口大学では、以前より、各学部でシラバスを作成し、学生に配布してきた経緯があります。し

かし、学部ごとに盛り込まれている項目や内容はまちまちで、授業科目選択のための単なる講

義概要でしかないものや、 上に公開され、学生が必要とする資料や図表がすべて閲覧でWEBきるデータベースになっているものまで、千差万別でした。

年度から、 シラバスで他学部を先んじている医学部を除き、すべての学部でシラ2003 WEBWEB CABOS=Computer Assistedバスの項目が統一され、 上で入力・閲覧できる「かぼす(

)」が導入されました。もちろん、入学当初、コンピュータが扱えない学生のたBoard Of Syllabusめに、当面は冊子による提供も続けています。そして、そのシラバスの中に、学生に対して、学習

の指針を与え、科目選択の便を図るための機能と、将来的な学習情報データベース機能を含ま

せながら、教育機関としての責任をしっかり果たすためのエキスを盛り込みました。それを皆様

方にご理解いただくのが、今回の「FDハンドブック 第1部 『シラバスの作成』」の制作のねら

いです。

教育の成果は一朝一夕には現れません。また、人間が人間を相手にすることですから、この

教育方法が一番ということも、実は存在しません。ましてや、人が人を評価することの、絶対的、

客観的な指標もありえないのは分かっています。しかし、認証評価体制への移行の中で、国民に

対して、学生に対して、保護者や地域の住民に対して、教育機関として責任を果たしていかなけ

ればならない以上、いつまでも「できない」だけではすまされないところがあります。

今回の「シラバスの作成」では、教育の難しい側面を十分に理解しながら、現在取りうる最も妥

当な選択を、教育学的な説明をもとに展開しています。もちろん、これまで長年授業をしてこられ

た教員の中には、依然、疑問や反論があろうかと思いますが、今できることは、そのような疑問

や反論に耳を傾けながら、より良いものを探し続けることです。とにかく、私たちは何もせずに立

ち止まっているわけにはいかないのです。それは、大学の責任を放棄することにつながります。

この小冊子が、単なる「シラバス作成のためのマニュアル」としてだけでなく、当面、歩き続ける

ための杖になることを期待しています。紙面の関係上、十分な説明を省いたところも多いです

が、読みやすさと手に取りやすさを重視しました。

皆様方のご活用を心からお願いするとともに、今後の改訂のために、忌憚のないご意見、ご助

言をお待ちしている次第です。

Page 3: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

目 次

11.シラバスとは何か

22.シラバスを作る意義と背景

33.授業の目標の設定とシラバスの目標の書き方

94.授業設計とシラバスの授業計画の書き方

145.成績評価の考え方とシラバスへの記述の方法

6.各科目のシラバス例18(1)文系講義科目

24(2)理系講義科目

30(3)実験・実習・演習系科目

33(4)語学科目

35(5)芸術系科目

Page 4: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 1 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1

1.シラバスとは何か

山口大学では、 シラバス「かぼす( )」の開発、充Web Computer Assisted Board Of Syllabus実を受けて、シラバスを以下の意味で考えています。

(1)学生に対する契約書学生が、科目選択や履修計画を立てる際、授業の内容はもとより、シラバスに明記された「授

業の目標」や「成績評価の方法」は、学生にとって非常に大きな判断材料になります。

毎週の授業の進度(15回の授業計画)は、受講者の人数やレディネス に応じて、適宜変更*1

される場合がありますが、「授業の目標」や「成績

評価の方法」は、その授業の最も基本的な契約

事項として、授業開始後に変更することはできま

せん。また、授業計画についても、変更する場合

には、事前に学生へ事情を説明し、 シラバWebスへの記入等を通して、十分周知しておく必要が

あります。

さらに、授業の最初の週には、オリエンテーションとして、シラバスを再度配布して、概要や目

標、授業計画や成績評価の方法を詳述するとともに、授業への参加態度など学生へのメッセー

ジなども説明すると良いでしょう。共通教育では、配布用シラバスを用意していますので、必要な

方は教務課にご連絡下さい。

(2)科目選択、履修計画のための情報を提供するもの学生が、科目選択を行ったり、履修計画を立てたりするための情報を提供するものです。山口

大学では、 シラバス「かぼす」の他、簡易版を印刷媒体で全学生に提供しています。Web

(3)学習の指針を示すもの学生が、授業中や授業外で学習を行うための指針を示すものです。シ

ラバスの中には、毎回の「授業計画」の他、「授業外学習の指示等」の項

目や「教科書」、「参考書」の項目、「成績評価方法」の項目などが用意さ

れています。学生は、これらの項目に記載された情報に基づいて、日々

の授業の準備や予習・復習に利用します。

(4)学習資料や参考文献を提供するものシラバス「かぼす」の中には、「授業の記録」という項目があり、ここには、授業中に配付しWeb

た資料や参考文献へのリンクを、授業の進行にしたがって追記していくことができるようになって

います。著作権やウィルスの感染に対する注意は必要ですが、 シラバスを、学生が授業外Webでも活用できるよう、徐々に充実させていきましょう。

) レディネス( )とは、「学習をするた*1 readinessめに、学習者の側にそれを受け止める準備がで

きていること」をいう。【日本教育工学会編、『日本

教育工学事典』】

Page 5: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 2 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1

2.シラバスを作る意義と背景

シラバスを作る作業は、決して楽ではありません。しかし、先生方に、忙しい日々の中、時間を

割いていただき、シラバスを書いていただくのには、いくつかの理由があります。

(1)学生との契約、国民への説明責任シラバスは、山口大学で行う授業に関して、学生との契約事項になると同時に、国庫負担を支

える国民への説明責任になると考えられます。全てのシラバスの内容が、外部に 公開されWebるわけではありませんが、どのような授業が、どのような目標で行われているかは、学生はもとよ

り、受験生や保護者、高等学校の先生方の関心の的です。

(2)授業の見直しシラバスを作成する過程で、授業の目標を考えたり、授業計画を練り直したり、目標に応じた

成績評価方法を検討する作業は、自分の授業を見直す良い機会になります。特に今回のシラバ

ス改訂で、従来、それほど明示的に行わなれていなかった授業の目標や成績評価方法の記述

についても、かなり具体的で詳細なプランを示していただくことになったので、今まで何年も実施

してきた授業も、再度根本を見直すことが必要になります。新しいシラバスの書き方に関するFD

研修会では、「自分の授業を真剣に考え直すいいきっかけになった」という意見が多数寄せられ

ました。授業を再度見直すことが授業改善への第一歩であり、これもシラバス作成の重要な役割

です。

(3)認証評価体制への対応年度に改正された学校教育法( 条)や 年 月に出された中教審答申では、大2002 69 2002 8

学評価は、事前の機関審査(設置審)から事後の認証評価に移行することが述べられています。

認証評価では、

① 教育目標は妥当か?

② カリキュラムは教育目的・目標達成に十分

貢献しているか?

③ 授業の教育目標は、全体の教育目標にど

のように貢献しているか?

また、他の授業と整合的か?

④ 成績評価基準は授業の目的・目標に対応

しているか?

⑤ 実際に成績評価基準に従った成績評価が

なされているか?

が問われます。

したがって、シラバスの記載事項を整備し、全体(山口大学、共通教育、各学部)の教育目標

との関連にしたがって、各授業の教育目標を明記すると同時に、その教育目標を達成したことを

示す成績評価基準、方法の提示や、実績の挙証が求められるわけです。

Page 6: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 3 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1

3.授業の目標の設定とシラバスの目標の書き方

(1)授業の目標に対する基本的な考え方授業の目標の分類方法は、分類の視点の違いによって様々なものがありますが、教科や学

問領域の枠を超えて、共通の体系に当てはめて考えようとしたものに、 ( )らにBloom, B.S. 1956*2

よる教育目標分類学があります(表 )。1

表 「 による教育目標の分類(タキソノミー)」1 Bloom

(2)行為動詞で記述する授業の目標らによると、「授業の目標」は、学習活動Bloom

を通じてその実現が期待される学力の内容を明示

し、その到達度を個々人について、また集団につ

いて明らかにするもの(到達目標)であるとし、上

記の3領域から、「授業者の学習者に対する働き

かけが終わったときに、授業者が学習者に証明で

きるようになってもらいたい行動」の形(行動目標)

で表すことが、目標の明確化であるとしています。

このとき、これらの行動は、観察できるものだけで

なく、観察することはできないが、観察できる行動

から、あるいは一連の行動系列から十分に推測で

きる行動までも含むものとし、それらの行動を表す

動詞を、「行為動詞(表 )」と呼んでいます。このよ2うに、行為動詞を用いて記述した到達目標(行動

目標)は、全学的な教育目標や各授業の目標に

対して、その到達度を挙証することを求める認証

評価体制に対応するだけでなく、学習者に対して

も、学習後の具体的な成果を提示する、現在のと

ころ、もっとも効果的な教育目標の記述方法であると言えます。

) は、教育目標の分類学、形成的評*2 Bloom価と総括的評価、完全学習理論などの教授学

習理論で知られるアメリカの学習心理学者であ

る。これらの3つの中では、評価理論がほかの2

つを結びつける中心となっている。すなわち、教

育目標の達成を図るのも評価であり、また、目

標を目指してそれぞれの子どもの学習理解を助

けるとともに、教師の教授活動を助けるのも評

価である。子どもにどのような能力を習得させる

べきかの目標にしたがって、その達成のための

教育内容を設定し、それにふさわしい教育方法

が必要とされる。そして、その目標が達成された

か否かは評価によって測られるという関連があ

り、評価理論が中心に見られるのである。【小澤

周三他、『教育思想史』、有斐閣】

1.認知的領域( )Cognitive Domain・ 知識・理解・高次の論理的思考力等

・ ある程度、ペーパーテスト等で測定可能

2.情意的領域( )Affective Domain・ 価値観、学習意欲、態度等

・ 評価が困難

3.精神運動的領域( )Psychomotor Domain・ 運動技能、操作技術・技能等

・ 学習行動の観察や活動結果によって評価可能

Page 7: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 4 )

表 「行動目標の記述に用いられる行為動詞の例」2

一般目標と行動目標記述のための行為動詞例

(1) 一般目標記述のための動詞の例

知る 認識する 理解する 判断する 適用する価値を認める 感じる 考察する 使用する 実施する評価する 位置づける 示す 創造する 修得する身につける

(2) 行動目標記述のための動詞の例

認知的領域2-1列挙する 述べる 具体的に述べる 記述する 説明する構成する 命名する 再構成する 計画する 見つける分類する 比較する 一般化する 類別する 区分する区別する 指摘する 関係づける 判断する 予測する選択する 同定する 測定する 分析する 配列する系統化する 正当化する 合成する 分離する 計算する質問する 帰納する 検証する 結合する 決定する対応する 対照する 選別する 適合する 概括する要約する 解釈する 描写する 叙述する 推論する対比する 公式化する 使用する 識別する 応用する適用する 演繹する 結論する 批判する 評価する指示する 収集する 賛同する 発表する 報告する暗唱する 再生する 判定する 確認する 求める定式化する 証明する 仮説を立てる

情意的領域2-2尋ねる 助ける 討議する 寄与する コミュニケートする協調する 見せる 表現する 感じる 始める参加する 反応する 応える 系統立てる 相互に作用する配慮する 相談する 示す 受容する 協力する

精神運動的領域2-3感じる 始める 模倣する 熟練する 工夫する実施する 創造する 解剖する 注射する 挿入する操作する 動かす 手術する 触れる 触診する打診する 聴診する 調べる 準備する 測定する走る 跳ぶ 投げる 反復する 打つ止める 入れる 防ぐ かわす 持ち上げる引く 押す 倒す 反応する 削る切る 貼る つなぐ 組み立てる 操作する調整する 混ぜる 配合する 書く 描く

運転する 修理する

(参考文献) 1) 医学・歯学教育ワークショップ配付資料(富士研修所)

2) 西之園晴夫、『コンピュータによる授業設計と評価』、1986

3) 西之園晴夫、「多人数教育における実践知創造科目開発の方法論」、2002

山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1

Page 8: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 5 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1

(3)行動目標の限界知識の修得や操作技能・運動技能等に関わる行動目標は、それを達成する手順と筋道が比

較的明確で、直線的に形成することができます。それに対して、興味・関心、態度、学習意欲、価

値観等の情意的な目標は、それを達成する手順と筋道が複雑かつ多様であり、これらは、行動

目標として表現することが困難な目標です【南部昌敏、『教育の方法と技術』、ぎょうせい

】。1993また、学習者は失敗から学ぶことが多く、目標として設定した行動やそれに近い行動ができた

か否かだけで短絡的に成果を評価することは間違いだという批判も一部にはあります。

さらに、初等・中等教育の実践の中には、一つの教科の1時間の授業の設計に、行動目標を

上位目標から下位目標まで分類し、分刻みで目標を設定することが見られますが、多くの場合、

「目標つぶしの授業」と呼ばれ、生き生きとした学習者の活動を疎外する原因ともなっています。

しかしながら、教育目標のない教育機関はあり得ないし、学習目標のない授業もあり得ませ

ん。そして、各授業の目標はもちろん、大学の理念・目標から の認定基準に至るまで、JABEE「情意的領域」に関わる学習目標や、認知的領域でも短期的な行動目標では達成できない高次

の目標(表 )が記述されているほか、昨今の認証評価では、目標の設定とその達成度の挙証が3大前提となっていることから、行動目標の限界を認識しながらも、当面はその枠組みの中で教育

活動を進めなければならないと考えます。

表 「日本技術者教育認定基準、基準1『学習・教育目標の設定と公開』」3

( ) 自立した技術者の育成を目的として、下記の( )-( )に示した知識・能力等を網羅したプログラム独自1 a hの具体的な学習・教育目標が設定され、公開されていること

地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養( )a技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、および技術者が社会に対して負っている責任に( )b

関する理解(技術者倫理)

( ) 数学、自然科学および情報技術に関する知識とそれらを応用できる能力c( ) 該当する分野の専門技術に関する知識とそれらを問題解決に応用できる能力d( ) 種々の科学、技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力e( ) 日本語による論理的な記述力、口頭発表力、討議等のコミュニケーション能力および国際的fに通用するコミュニケーション基礎能力

自主的、継続的に学習できる能力( )g( ) 与えられた制約の下で計画的に仕事を進め、まとめる能力h

( ) 伝統、資源および卒業生の活躍分野等を考慮して、特色ある学習・教育目標が設定され、公開されて2いること

( ) 学習・教育目標が社会の要求や学生の要望を考慮して設定されていること3

Page 9: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 6 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1

(4)梶田叡一の目標類型梶田叡一( )は、行動目標の考え方に潜む狭さを批判し、3つの領域をそれぞれ「達成目1978

標」、「向上目標」、「体験目標」 の3種類*3

に類別し、目標類型と らの目標領Bloom域を整理しました(表 、表 )。4 5梶田の述べるように、目標類型を3つに

分けると、それぞれの類型ごとに到達性の

確認視点や到達性確認に適した時期、あ

るいは方法などが見やすくなり、授業の目

標が立てやすくなります。特に表 で薄緑4色に塗りつぶされているところは、大学で

行われる大部分の授業の目標に相当する

部分で、それぞれに対する具体的な行動目標やその評価方法を考えることによって、シラバスに

記入する「授業の到達目標」と「成績評価方法(観点別)」を準備します。

表 「目標類型と目標領域の観点からの代表的目標例の分類(梶田)」4

目標類型達成目標 向上目標 体験目標

領域論理的思考力

認知的領域 知識・理解 等 創造性 発見 等(思考・判断) 等

情意的領域 興味・関心 等 態度、価値観 等 触れあい、感動 等

精神運動的領域 技能・技術 等 練達 等 技術的達成 等

表 「目標類型と目標到達性(梶田)」5

目標類型達成目標 向上目標 体験目標

領域目標として規定さ 目標として規定されてい 目標として規定され

到達性の確認の れている通りにで る向上が見られるかどう ている体験が生じた基本視点 きるようになったか か かどうか

どうか特定の教育活動の 多様な教育活動の複合 教育活動に内在する

目標到達性の性格 直接的な成果 的総合的な成果 特定の経験

授業中 学期末、学年末 授業中到達性確認に 単元末 単元末適した時期 学期末、学年末

: 特定の具体的な知識や能力を完全に*3) 達成目標身につけることが要求されるといった目標。

: ある方向へ向かっての向上や深まりが要向上目標

求されるといった目標。

: 学習者側における何らかの変容を直接的体験目標

なねらいとするものではなく、特定の体験の生起自体を

ねらいとするような目標。 【梶田叡一、『教育評価』、有

斐閣】

Page 10: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 7 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1

(5)シラバスの概要、キーワード、授業の一般目標の書き方

表 「 シラバスの入力フォーマット」6 Web(概要、キーワード、一般目標)

系列 ○○ 分野 ○○ 科目類型 ○○

開設科目名 単位数 担当教官

開設期 開設時限 授業区分

対象学生 備考 JABEE工学部指定

授業の概要 ←授業の趣旨を記入する

本授業は○○○を体系的に説明する。

検索キーワード ○○○、△△△、・・・

授業の一般目標 ←学習者を中心とした授業目標を記入する

○○を知る。 ○○を理解する。 ○○を考察する。

① 授業の概要■ どのような授業を行うのか、授業の趣旨を、授業者が主語で記入する。

■ 学習者が理解できるよう、分かりやすい言葉で具体的に書く。専門用語は多用しない。

■ 一般目標や到達目標に書けないカリキュラム全体との関連や他の授業科目との関連も

明記すると分かりやすい。

■ 例:○○を講義する。○○を説明する。○○を紹介する。○○を明らかにする。等々

② 検索キーワード■ 学習者が検索しやすいキーワードを記入する。

③ 授業の一般目標■ 学習後の総合的な成果を表 の「一般目標記述のための動詞の例」を参考に、学習者を2主語に記述する。

■ 全体のカリキュラムとの関連で、具体的な到達目標に書ききれない目標を含めることがで

きる。

■ 例:○○を知る。○○を理解する。○○を考察する。 等々

Page 11: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 8 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1

(6)授業の到達目標の書き方

表 「 シラバスのフォーマット(到達目標)」7 Web授業の到達目標 ←一般目標を達成するための到達目標を記入する(該当項目選択)

□ 知識・理解の観点 1.○○を説明できる。2.○○を関係づける。レ

□ 思考・判断の観点 1.○○を類別できる。2.○○を指摘できる。レ

3.・・・・

□ 関心・意欲の観点 1.○○を討議できる。2.○○に寄与できる。レ

□ 態度の観点 1.○○に参加できる。2.○○と協調できる。レ

□ 技能・表現の観点 1.○○が使用できる。2.○○を表現できる。

□ その他の観点

④ 授業の到達目標■ 梶田の目標領域と目標類型の観点にしたがって、当てはまる領域・類型ごとにチェックを

付け、学習者の学習後の具体的な成果を表 の「 」を参考2 行動目標記述のための動詞の例

に、学習者を主語にして記述する。なお、すべての領域・類型にチェックを付ける必要はな

く、具体的な成績評価方法が用意できるものに到達目標を限定するのが現実的である。

今回のシラバス改訂で記述に一番悩むところであるが、徐々に充実させよう。

■ 「 」は、「 」の「 」である。多くの授業の中心的な領域知識・理解の観点 認知的領域 達成目標

・類型に当たるため、最も記述量が多くなることが予想される。「○○を知る」等の言葉では

なく、「○○を説明できる」等の言葉遣いを心がける。

■ 「 」は、「 」の「 」である。単なる知識修得にとどまら思考・判断の観点 認知的領域 向上目標

ず、論理的思考力や創造性などの包括的で総合的な高次の目標がこれに属する。ある段

階に達したときに示されるであろう態度や行動の外的特性についての記述を準備しておき

たい。例:「○○を類別できる」「○○を指摘できる」

■ 「 」は、「 」の「 」である。「○○に寄与できる」「○○関心・意欲の観点 情意的領域 達成目標

に配慮できる」などの言葉を用いる。

■ 「 」は、「 」の「 」である。評価の困難なところであるが、態度 の観点 情意的領域 向上目標*4

「思考・判断の観点」と同様、「○○に参加できる」「○○と協調できる」等の、ある段階に

達したときに示されるであろう態度や行動の外的特性についての記述を準備しておきたい。

■ 「 」は、「 」の「 」である。「○○が使用できる」や技能・表現の観点 精神運動的領域 達成目標

「○○を操作できる」等の記述を準備する。

: 日本の教育現場で良く用いられる「価値観」や「態度」と*4) 態度いう目標は、 らが検討した「価値づけ( )」に相当する。Bloom valuing価値という抽象概念は、部分的には個人による価値付けや評価の結

果であるが、それ以上に、次第に内在化され、受け入れられ、学習者

自身の価値基準として用いられるようになる社会的産物と言える。「価

値づけ」とされる行動の重要な要素は、追従とか服従への欲求ではな

く、行動を導き出す基本的な価値に対する個人の関与によって動機づ

けられている、という点である。【梶田叡一、『教育評価』、有斐閣】

Page 12: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 9 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1

4.授業設計とシラバスの授業計画の書き方

(1)教授・学習理論教授・学習理論とは、教育の成果を目指してなされる、教師の教授活動と学習者の学習活動

を中核とする理論のことです。教育や指導は、しつけでしばしば言及されるように、一般に束縛と

解放という2つの対立する傾向の中で営まれます。そこで、たとえば前者に重みがかかったとき

には、教師中心の教授の理論の傾向となり、後者に重みがかかったときには、学習者中心の学

習の理論の傾向が増します。そして、教育方法史によれば、どちらに重み付けがかかるかは、時

代によるとされています。

ここでは、これまで教育工学に現れた2つの典型的とも言える教授・学習理論を取り上げま

す。1つは、「行動主義(図 )」と呼ばれる、日本の教育工学の構想期に登場した伝統的な教授・1学習理論であり、もう一つは、近年提唱された「構成主義(図 )」、「社会的構成主義」による、革2新的な教授・学習理論です。これらの両理論は、まさにコペルニクス転回と言えるほど、互いに

大局的な諸特徴を有しており、今日が教育の展開期にあることを窺わせるものです。【『教育工

学事典』、日本教育工学会編、実教出版】

図 「行動主義の学習者観」【イメージ:林徳治】1

図 「構成主義の学習者観」【イメージ:林徳治】2

教授者が伝授教授者が伝授

単純単純→→複雑複雑基礎基礎→→応用応用

レンガ積みのイメージ

意味のある糸でつながれていくことで意味のある糸でつながれていくことで納得ができ、主体的に必要な再生や納得ができ、主体的に必要な再生や組替えができる。組替えができる。

スキーマ(schema):体系化された知識の枠組み

Page 13: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 10 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1

(2)行動主義と構成主義行動主義と構成主義の特徴を、表でまとめると、以下の通りになります(表 )。8

表 「行動主義と構成主義【菅井】」8

行動主義の典型的な授業方法は、日本の学校に普遍的

に見られる、教師による一斉指導や講義です。 年代1960以降にはコンピュータを用いたプログラム学習やティーチン

グ・マシンによる個別化も試みられました。また、その後、長

い間、系統学習として、理科や数学、国語などを中心に基

礎から応用へ段階的に積み上げる指導方法が続きました

が、詰め込み勉強や受験競争の激化等の批判を受けまし

た。しかし、これらの授業方法は、「知識・理解」や「技能・表

現」に関する能力の育成にはかなり有効であり、今でも中心

的な授業方法として受け継がれています。

一方、構成主義の授業では、近年とみに能動的な学習観

や対人的なネットワーク内での知識の構成という考え方が

支持を集め、初等中等教育における「総合的な学習の時間」や、大学における学生参画型授業

を中心に、初等中等教育や高等教育でさまざまな実践が進んでいます。山口大学医学部で実践

されているチュートリアル教育や自己開発コースなどもこの範疇に入る教育方法だと言えます。

特に、問題解決能力やコミュニケーション能力等の重視が、従来の指導法での限界を意識づ

け、生徒や学生が能動的に参画する授業方法を開発する必要性を提起しています。さらに、大

学をはじめ、各学校の理念や教育目標には、「思考・判断」や「興味・関心・態度」に関わる能力

の育成が記述されていることが多く、これらの目標を達成するには、構成主義的な授業方法が

有効であると言われています。

予 測 困 難予 測 可 能 、 制 御可 能

行 動 予 測

認 知 - 理 解 - 知識

刺 激 - 反 応 - 強化

概 念 装 置

能 動 的 な 情 報 生成 体

受 動 的 な 情 報 伝達 体

学 習 者 観

マ イ ン ド に 関 わ る内 的 過 程

行 動学 習 研 究 の 対 象

チ ン パ ン ジ ー の知 的 学 習

ソ ー ン ダ イ ク の 試行 錯 誤 学 習

先 行 研 究

構 成 主 義行 動 主 義

予 測 困 難予 測 可 能 、 制 御可 能

行 動 予 測

認 知 - 理 解 - 知識

刺 激 - 反 応 - 強化

概 念 装 置

能 動 的 な 情 報 生成 体

受 動 的 な 情 報 伝達 体

学 習 者 観

マ イ ン ド に 関 わ る内 的 過 程

行 動学 習 研 究 の 対 象

チ ン パ ン ジ ー の知 的 学 習

ソ ー ン ダ イ ク の 試行 錯 誤 学 習

先 行 研 究

構 成 主 義行 動 主 義

: 箱に入れられた猫が、箱から脱出する過程を見たもので、5匹の猫を観察ソーンダイクの試行錯誤学習

した実験では、学習の初期はどの猫もでたらめに行動することにより、脱出に 秒以上かかっているが、学60習が進むにつれて早く脱出する様子が認められた。箱から脱出する過程で、偶然に脱出に成功した反応が

強化され、脱出に失敗した反応が弱められるためであり、このような学習を試行錯誤学習と呼ぶ。

: ケーラーは、檻の中に棒が1本だけ置かれている状況で、チンパンジーが檻のチンパンジーの知的学習

外の手の届かないところに置かれた好物のバナナをどのようにして取るかを観察した。いくつかの不成功に

終わった行動の後、チンパンジーはひとたび棒を手にして外のバナナを引き寄せることに成功した。その後

はさまざまな課題に対して適切に処理した。チンパンジーは、自らの置かれている状況を理解し、問題場面

を見通してバナナを手に入れたと言える。【『教育工学事典』、日本教育工学会編、実教出版】

Page 14: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 11 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1

(3)知識習得の3段階モデル行動主義に基づく授業方法と構成主義に基づく授業方法は、その授業計画や授業設計にお

いて、用いるべき方略が大きく異なりますが、 ( )は、単元などのまとまりのあJonassen, D. H. 1991る単位で、それらは使い分けられるものだと主張しています(図 )。3

構造化領域 難構造化領域 綿密(精巧)な構造

技能に基づくレベル 知識に基づくレベル スキーマ的パターン

練 習 徒弟制 経 験

フィードバック コーチング

図 「知識習得の3段階モデル【 】」3 Jonassen, D. H.

たとえば、小学校の九九の学習を例に挙げると、「初期レベルの知識習得」では、「知識・理

解」(認知的領域・達成目標)の観点に当てはまる「一桁の数字同士のかけ算を暗唱できる」とい

う到達目標を掲げ、練習やフィードバックという行動主義的な学習指導が極めて有効であり、ま

た、それを評価する際にも、実際に九九が暗唱できれば、それが達成されたことを挙証できま

す。

一方、「アドバンスレベルの知識習得」で

は、「思考・判断」(認知的領域・向上目標)

の観点に当てはまる「一桁の数字同士のか

け算が適用できる場面を想定し、計算するこ

とができる」という到達目標を掲げ、個別指

導やグループごとの教え合いという構成主

義的な学習指導の中で、さまざまな応用問

題に関わらせることによって、かなりの成果

を挙げることができます。また、その評価

は、学習者が自ら、日常的な課題から応用

問題を作ることができれば、このレベルは達

成されたことを挙証できます。

さらに、科目や単元によっては、総合的、

包括的な経験に基づくスキーマ構造が必要ではありますが、専門家である「エキスパートレベ

ル」に達することもあり得ると は述べています。Jonassenこのように、すべての授業を、行動主義と構成主義に分けて考える必要はなく、認知領域の達

成目標には講義中心、向上目標や情意領域の目標については、グループ学習や個別学習によ

る問題解決学習など、授業の目標に応じて、方法に少しの工夫を織り込みながら展開していくよ

うな柔軟な考え方が現実的だと言えるでしょう。

初期レベルの(予備的)知識習得

アドバンスレベル

の知識習得

エキスパートレベル

の知識習得

Page 15: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 12 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1

(4)シラバスの授業計画への記述の実際授業計画への記述内容は、従来とそれほど変わったところはありません。

ただ、新たな項目として、「授業外学習の指示等」と「授業の記録」が付け加わり、「授業項目・

内容等」に、その授業の主なトピックスと内容(方法)を「項目」と「内容」に分けて記述することが

大きな変更点です。

特に「内容」には、最初に立てた授業の「一般目標」、「到達目標」を実現する授業方法と内容

を考え、できればシラバスを書く時点でイメージ・トレーニングをしておくと良いでしょう。また、そ

れが、シラバスを書く上での大きなメリットになることは先に述べました。

さて、「授業外学習の指示等」の項目は、今後、学生がシラバスを活用していくための大きな踏

み台になるものです。ご存じの通り、授業で与えられる一単位は、授業1時間に予習・復習各1

時間を合わせて3時間の学習に対して付与されるものです。したがって、この部分の指示が十分

適切であることが、シラバスの利用価値を決めると言って良いでしょう。

また、同様に、授業外でシラバスを利用するためには、授業で用いられた資料やレジュメ等

も、自由に引き出すことができることが重要です。授業の進展に合わせて、「授業の記録」項目か

ら、自分のサーバーに保存されている資料等のファイルへリンクを張ることによって、このような

使い方を促進することができますので、徐々に充実させていくことが望まれます。

なお、授業計画は週ごとの授業単位で記述するものと、全体で記述するものがありますが、当

面は、両方書いても一方だけを書いても構いません。また、回数や日付まで書くように求めてい

ますが、最初に述べたように、授業開始後に シラバスに限り、若干の修正が可能ですのWebで、急な休講や進度の遅い・早いにも対応することができます。ただ、どの場合でも、学生との信

頼関係や説明責任が伴いますので、十分学生に周知徹底する必要があります。

表 「 シラバスのフォーマット(授業計画)」9 Web授業計画(授業単位)

回数 日付 授業項目・内容等 授業外学習の 授業の記録

指示等

第1回 月 【項目】オリエンテーション シラバスを読んでおく 配布資料14 9

日 【内容】担当教員の紹介、授業の目標と進め方、シラ こと

バス説明、成績評価の方法

第2回 月 【項目】○○ 1.教科書 を レジュメ4 16 p21-29

日 【内容】○○について説明する 読んでおくこと

2.資料2を読んでおく 1。水について・・

こと 2.油について・・

第3回 月 【項目】○○について解説する4 23

日 【内容】グループデスカッションをする

第 【項目】試験15

Page 16: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 13 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1

<参考資料>

構成主義の学習環境をデザインするためのガイドライン

( ) 学習活動を実際に解決しなければならない問題として、より大きな枠組みの中に埋め込む。1( ) 学習者が問題や課題に主体的に取り組めるように支援する。2( ) 本物( )の問題状況をデザインする。3 authentic( ) 現実の複雑な社会状況を反映した学習環境と課題をデザインする。4( ) 問題解決に向けて取り組んでいるプロセスを学習者自身が自分のこととして捉える環境をデザイン5する。

( ) 学習者の学びの過程を支援し、多様なコミュニケーション・モードを活用する環境をデザインする。6( ) 多様な視点で評価できる学習環境をデザインする。7( ) 学習内容と学習プロセスの両方について内省する機会を用意する。8

【久保田賢一、「構成主義パラダイムと学習環境デザイン」、関西大学出版部、 】2002

Page 17: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 14 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1

5.成績評価の考え方とシラバスへの記述の方法

(1)成績評価の考え方これまで見たきたように、シラバスは学生に対する契約書の側面を持つと同時に、科目選択や

学習の指針に役立ち、学習資料のデータベースにも寄与するものです。

この中で、成績評価方法に関する記述は、授業の目標と同様、学生に対する契約に属する最

も重要なものになります。

また、成績評価方法は、授業の目標との関連で記述されなければなりません。つまり、一般目

標や観点別の到達目標は、それを実現する授業計画・授業方法を介して、それらの到達度を判

定する成績評価方法に帰着するのです。また、行動目標で記述された到達目標は、「○○でき

る」等の言葉で書かれていますから、まさにその能力が発現する状況を的確に設定し、観察する

ことによって評価することができます。そして、目標設定から評価に至る、これら一連のつながり

こそが、行動目標で学習目標を記述する一番大きなメリットになります。

(2)シラバス記述の実際① 成績評価方法(総合)実際、シラバスに成績評価方法を記述するには、まず、「成績評価方法(総合)」欄に、どのよ

うな試験を何回実施するか、レポートはどのくらいの分量のものを要求するかなど、できるだけ詳

しい情報を書き込んで下さい。

「成績評価方法(観点別)」には、何回試験を行うか、レポートの分量はどうかなどの詳細は書

き込めませんので、「成績評価方法(総合)」欄が用意してあるわけです。

表 「 シラバスのフォーマット(成績評価方法-総合)」10 Web成績評価方法(総合)

( )授業の中で小テストを○回行う。( )○○についてレポートを○字程度で作成し、提出する。1 2( )試験を中間、期末の2回実施する。以上を、下記の観点、割合で評価する。なお、出席が所3定の回数に満たない者には、単位を与えない。

Page 18: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 15 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1

② 成績評価方法(観点別)「授業の到達目標」にチェックした観点ごとに、どのような成績評価方法でその到達度を評価

するかを示します。また、その重み付けを「◎(より重視する)」「○(重視する)」の2段階で表示し

ます。「評価割合」の項目には、全体( )の中での評価の割合を記入して下さい。チェックを100%付けていない観点や、付けてあっても評価に加えない(例:出席)場合は、「評価に加えず」を選

んで下さい。

本来ならば、さらに詳しく、各観点別の個々の到達目標ごとに成績評価方法を指定するべきだ

との意見もありましたが、各観点内に書かれた個々の到達目標は、基本的に同じ成績評価方法

で測定されることが多いので、今回は、作業量を減らす意味も含めて、このような形式になりまし

た。

表 「 シラバスフォーマット(成績評価方法-観点別)と対応する評価方法」11 Web授業の到達目標

□ 知識・理解の観点 1.○○を説明できる 2.○○を関係づけるレ

□ 思考・判断の観点 1.○○を類別できる 2.○○を指摘できるレ

□ 関心・意欲の観点 1.○○を討議できる。2.○○に寄与できる。レ

□ 態度の観点 1.○○に参加できる。2.○○と協調できる。レ

□ 技能・表現の観点

□ その他の観点

成績評価方法(観点別)

到達目標等 知識・ 思考・ 関心・ 態度 技能・ そ の 評価割合(%)

成績評価方法 理解 判断 意欲 表現 他

70%定期試験(中間・期末試験) ◎ ○

20%小テスト・授業内レポート ◎ ○ ○

10%宿題・授業外レポート ○ ◎ ○ ◎

評価に加えず授業態度・授業への参加度

評価に加えず受講者の発表(プレゼン)

・授業内での制作作品

評価に加えず演習

欠格条件出席 ○

評価に加えずその他( )

参 考

知識 思考 関心 態度 技能到達目標

・理解 ・判断 ・意欲 ・表現対応する評価方法

テスト法 ◎ ○

レポート法 ○ ◎ ○ ◎ ○

観察法 ○ ○ ◎ ○ ◎

面接法 ◎ ◎ ◎ ○

質問紙法 ◎ ○

自己評価法 ○ ○ ○ ○

相互評価法 ○ ○ ○ ○

作品法 ◎ ○ ◎

ポートフォリオ法 ○ ○ ○

※ポートフォリオ( )法portfolioとは、学習者の学習の足取り

を示す記録や作品類をすべて

保管しておき、それを学習過程

の評価に活用する評 法。価

Page 19: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 16 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1

③ JABEEへの対応とは、 (日本技術者教育認定機JABEE Japan Accreditation Board for Engineering Education

構)の略で、 年 月 日に設立された、技術系学協会と密接に連携しながら技術者教育1999 11 19プログラムの審査・認定を行う非政府団体を意味します。

大学や教育の国際化の中で、山口大学もさまざまな認証評価を通して、その教育の質を国際

的に認知してもらう必要が出てきました。また、それをなくしては、もはや大学の存立にも関わる

時代になったと言えるでしょう。

現在、山口大学では、工学部と理学部の一部が の審査を受ける準備をしていますJABEEが、それには、学部専門教育のみならず、共通教育においても、申請対象学生の履修及び成績

評価に関する資料の網羅的保存(事前蓄積)が求められます。さらに実地審査においては、担当

教員による教育目標・教育方法とその達成度評価に関する根拠開示(説明)が求められます。

今回のシラバスの成績評価方法(観点別)の一番右側にある「 収集資料」の欄は、JABEE審査の指定授業科目に当たった担当教員について、出席表及び各学習者の成績評価JABEE

の概ね 程度の説明ができる根拠資料(定期試験、レポート等)がどれに相当するかを示す80%ものです。「評価割合」の項目の合計が 程度になる成績評価方法に「○」をつけてください。80%また、それらの根拠資料(対象者の出席表、定期試験、レポート等)は、大学教育センターで保

存、整理、管理を行う予定です。

表 「 シラバスフォーマット( 収集資料)」12 Web JABEE成績評価方法(観点別)

収集資料到達目標等 知識・ 思考・ 関心・ 評価割合(%) JABEE成績評価方法 理解 判断 意欲

定期試験(中間・期末試験) ○50%

評価に加えず小テスト・授業内レポート

宿題・授業外レポート ○30%

20%授業態度・授業への参加度

評価に加えず受講者の発表(プレゼン)

・授業内での制作作品

評価に加えず演習

出席 ○欠格条件

評価に加えずその他( )

Page 20: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 17 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1

④ 教科書・参考書やメッセージ等の書き方シラバスの最後の欄には、「関連科目」や「教科書」、「参考書」、「メッセージ」、「連絡先・オフィ

スアワー」を書き込む欄があります。

シラバスが、学生の「学習の指針を示すもの」としての役割を果たす非常に重要な項目ですか

ら、できるだけ省略せずに書いて下さい。特に、「メッセージ」は、どのような学生に、どのような態

度で授業に臨んで欲しいかなど、他の欄には書けなかった担当教員の熱い想いを書いていただ

けると、シラバスにも人間味が出てくるというものです。また、それらの想いを学生と共有する項

目が、「連絡先・オフィスアワー」になります。記入の上、是非、その機会をご活用いただきたいと

思います。

表 「 シラバスフォーマット(教科書、メッセージ等)」13 Web関連科目

教科書

参考書

メッセージ

連絡先・オフィスアワー

Page 21: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 18 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1

6.各科目のシラバス例

(1)文系講義科目系列 社会科学 分野 教育学 科目類型 総説

開設科目名 教育学 単位数 単位 担当教官2開設期 年生前期 開設時限 授業区分 講義1対象学生 全(獣医除く) 備考

授業の概要

本授業では、生涯学習の観点から教育の各領域について概説する。まず、生涯学習そのものについて理解を深めるため

に基本的な事項について説明する。次に、学校制度、教育を受ける権利、教育課程、児童生徒の在学管理と懲戒、教育行政

について説明する。

検索キーワード 教育、学校、生涯学習、教育制度

授業の一般目標

( )生涯学習の基本的な事項について理解するとともに,教育の各領域の概要と課題を理解する1( )教育問題について関心を持ち、主体的に考えることができる2授業の到達目標

知識・理解の観点 1.生涯学習とは何かについて説明できる。2.教育の各領域の概要と課題を説明できる。□レ思考・判断の観点 1.授業で取り上げた各領域について自分の意見を論理的に述べることができる。□レ関心・意欲の観点 1.教育に関する関心を広げ,問題意識を高めることができる。□レ態度の観点 1.日常生活の中で教育問題について主体的に考えることができる。□レ技能・表現の観点

その他の観点

授業計画(全体)

授業計画(授業単位)

回数 日付 授業項目・内容等 授業外学習の指示等 授業の記録

省 略

成績評価方法

( )授業の中で小テスト、授業内レポートを数回行う。( )グループディスカッションのまとめをメールで提出する。( )関心ある1 2 3教育問題についてレポートを 字程度で作成し提出する。( )最後に試験を実施する。以上を下記の観点・割合で評価す2000 4る。なお、出席が所定の回数に満たない者には単位を与えない。

JABEE到達目標等 知識・理解 思考・判断 関心・意欲 態度 技能・表現 その他 評価割合

( ) 収集資料成績評価方法 %50%定期試験(中間・期末試験) ◎ ○

30%小テスト・授業内レポート ◎ ○ ◎

10%宿題・授業外レポート ◎ ○ ◎

10%授業態度・授業への参加度 ○

受講者の発表(プレゼン) 評価に加えず

演習 評価に加えず

出席 欠格条件○

その他 評価に加えず

100%合計

関連科目

教科書 ○○○○編『生涯学習時代の教育と法規』ミネルヴァ書房, 年2003参考書

メッセージ 教科書は必ず購入すること。履修希望者が○○名を超えた場合には抽選を行うので初回に必ず出

席すること。

@yamaguchi-u.ac.jp 10:00 12:00連絡先・オフィスアワー ○○ 研究室:○○学部○階 オフィスアワー○曜日 ~

Page 22: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 19 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1系列 主題 分野 芸術と表現 科目類型 包括

開設科目名 プレゼンテーション技術 単位数 単位 担当教官2開設期 後期 開設時限 授業区分 選択・講義

対象学生 全 備考 工学部指定JABEE授業の概要

情報社会においては、溢れる情報の中から必要な情報を取り出す力が求められると同時に、自らも発信する力がますます

強く求められている。それは、サイバースペースにおける情報発信のみならず、人間のコミュニケーションの基本形である

のコミュニケーションにおいてもその重要性は以前にも増して強まっていると言える。 ところが、人前で意見を述face to faceべたり、議論したりする力は、これまでの学校教育の中で十分に涵養されてきたとは言い難い。この授業では、様々なプレゼ

ンテーション訓練を通じて、プレゼンテーションやコミュニケーションの重要性を認識し、それを改善するための技術、方法を理

解して、人前で発表したり、議論したりする力を養うことを目指している。就職活動や卒業論文の発表など、実際に応用できる

ことはもちろん、積極的に自らの意見を述べ、他人の意見を聴く態度を養うことにより、これからの生活や学習の質の向上を

目指したい。授業では、前半部分を講義およびグループ内での様々な訓練に当て、後半部分をパワーポイントを使ったプレ

ゼンテーション作成と発表に当てる。パワーポイントについては初心者を対象にしているが、コンピュータの基本操作(ワード

が使える程度)は前提としている。

検索キーワード プレゼンテーション、コミュニケーション

授業の一般目標

プレゼンテーション、コミュニケーションが社会生活の中で果たしている役割を認識し、その影響を理解するとともに、自分

および他人のプレゼンテーションを客観的に評価あるいは批評する態度を身につける。また、状況に応じて常に適切なプレゼ

ンテーション、コミュニケーションを心がけると同時に、それらの質を改善するためには何が必要かを判断し、適切な技術とメ

ディアを選択し、適用する技術と心構えを修得する。

授業の到達目標

知識・理解の観点 1.プレゼンテーションを評価するための観点を説明できる。 2.自分および他人のプレゼンテ□レーションを観点に基づき、評価できる。

思考・判断の観点 1.実施されたプレゼンテーション、コミュニケーションが、固有の状況の中で果たしている役割□レや意味、その影響を文脈に基づいて説明できる。

関心・意欲の観点 1.状況に応じて常に適切なプレゼンテーションを心がける。□レ態度の観点 1.他人のプレゼンテーションに対して、技術的観点のみならず、その内容に関して適切な評価、□レ

批評ができる。 2.他人の意見を尊重し、協調的、建設的な議論が行える。

技能・表現の観点 1.プレゼンテーションの質を改善するために必要な技術・方法を具体的に選択し、適用できる。□レその他の観点

授業計画(授業単位)

回数 日付 授業項目・内容等 授業外学習の指示等 授業の記録

省 略

成績評価方法

毎回、その日に行われた訓練の結果について、グループ内で議論し、個人ごとに問題点、改善された点、反省等のレポー

トを授業内にまとめて提出する(5点×6回)。また、最後は各自10分程度のマイクロプレゼンテーションを行い、全員で評価

し合う。プレゼンテーションの成績は、担当教官だけが行うのではなく、全員で行った観点別評価の平均点と、全員から寄せ

られたコメントに対する個人の反省レポート(1500字程度)をもとに採点する(50点満点)。よって、下記の『「受講者の発表」

を評価に加えず』となっているのは、プレゼンの成績を加味しないという意味ではないので、注意すること。

JABEE到達目標等 知識・理解 思考・判断 関心・意欲 態度 技能・表現 その他 評価割合

( ) 収集資料成績評価方法 %定期試験(中間・期末試験) 評価に加えず

○ ◎ ◎ ◎ ○ ○小テスト・授業内レポート 30%◎ ○ ◎ ○宿題・授業外レポート 50%

20%授業態度・授業への参加度 ○

受講者の発表(プレゼン) 評価に加えず

演習 評価に加えず

○ ○出席 欠格条件

その他 評価に加えず

100% 80%合計

関連科目

教科書 情報社会を生き抜くプレゼンテーション技術(ぎょうせい)

参考書

メッセージ 教科書は必ず購入すること。履修希望者が 名を超えた場合には抽選を行うので初回に必ず出席40すること。

@yamaguchi-u.ac.jp 11:00 18:00連絡先・オフィスアワー ○○ 研究室:○○学部○階 オフィスアワー○曜日 ~

Page 23: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 20 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1系列 人文科学 分野 歴史学 科目類型 総説

開設科目名 東洋史 単位数 単位 担当教官2

開設期 開設時限 授業区分 講義

対象学生 備考 JABEE工学部指定

授業の概要

1.日本が属してきた歴史世界が東アジア世界であったことを説明する。

2.古代東アジア世界を律する秩序であった册封体制と、中世におけるその変質について説明する。

3.東アジアの伝統秩序と近代世界システムとの齟齬および、後者による前者の併呑を説明する。

検索キーワード 東アジア世界、中華思想、冊封体制、渡来銭、朝貢貿易、近代世界システム、侵略、変質

授業の一般目標

( )東アジア世界を前近代において律していた册封体制・朝貢貿易システムを理解する。1

( )世界史/日本史の二分法、世界―アジア―日本(或いは世界―日本)の同心円的世界観を相対化する。2

( )日本社会の置かれた国際環境を歴史的に理解し、日本史を孤立化させて考える視点から脱却する。3

授業の到達目標

知識・理解の観点 1.古代東アジアの册封体制と中世におけるその変質を説明できる。□レ

思考・判断の観点 1.「世界」「アジア」「日本」という地域を無限定に設定する不合理を指摘することができる。□レ

関心・意欲の観点 1.歴史学あるいは東アジア史に興味を持つ。□レ

態度の観点 1.既存の概念に疑いを持つ。2.近現代の世界観に疑いを持つ。□レ

技能・表現の観点

その他の観点

授業計画(全体)

授業計画(授業単位)

回数 日付 授業項目・内容等 授業外学習の指示等 授業の記録

省 略

成績評価方法

欠席は0回=20点、1回=15点、2回=10点、3回=5点、4回=0点を加点。5回以上失格。

JABEE到達目標等 知識・理解 思考・判断 関心・意欲 態度 技能・表現 その他 評価割合

( ) 収集資料成績評価方法 %◎ ○ ○ ○定期試験(中間・期末試験) 70%○ ○ ◎ ○小テスト・授業内レポート 10%

宿題・授業外レポート 評価に加えず

授業態度・授業への参加度 評価に加えず

受講者の発表(プレゼン) 評価に加えず

演習 評価に加えず

◎ 点 ○出席 20その他 評価に加えず

100% 100%合計

関連科目

教科書 なし。適宜プリントを配布する。

参考書 『中国古代国家と東アジア世界』西嶋定生東京大学出版会 年, , ,1983『隋唐の国際秩序と東アジア』金子修一名著刊行会 年, , ,2001『アジアの中の日本史』1~6荒野・石井・村井編東京大学出版会 年, , ,1992『アジア工業圏と日本工業化 』 濱下・川勝編 リブロポート 年1500-1900 , , ,1991『朝貢システムと近代アジア』濱下武志岩波書店 年, , ,1997上記以外にも多数あり。授業中に紹介する。

メッセージ

@yamaguchi-u.ac.jp 10:00 12:00連絡先・オフィスアワー ○○ 研究室:○○学部○階 オフィスアワー○曜日 ~

Page 24: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 21 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1系列 分野 科目類型

開設科目名 国際関係論 単位数 単位 担当教官2

開設期 開設時限 授業区分 講義

対象学生 備考

授業の概要

本授業では、国際社会に関するさまざまな事象・問題について概説する。国際政治関係の歴史的発展や現在の国際社会

が直面する問題について理解を深めるために基本的事項について説明する。また、国際関係を理解するための基本的な理

論的考え方について説明を行う。

検索キーワード 国際社会、国際政治、国際秩序

授業の一般目標

( )国際社会におけるさまざまな問題・事象を認識するとともに、そうした問題等の原因・背景を推論するための基本的考え方1

を理解する。

( )国際問題について関心を深め、主体的に考える姿勢を身につける。2

授業の到達目標

知識・理解の観点 1.さまざまな国際問題の状況、背景について説明できる。□レ

思考・判断の観点 1.国際問題の相互関係やその解決策について自分の意見を述べることができる。□レ

関心・意欲の観点 1.日常生活の中で国際社会に関わる問題に関心を持つ。□レ

態度の観点

技能・表現の観点

その他の観点

授業計画(全体)

授業計画(授業単位)

回数 日付 授業項目・内容等 授業外学習の指示等 授業の記録

省 略

成績評価方法

( )授業の中で小テストを3回実施する。( )自分が関心を持つ国際問題についてのレポートを 字程度で作成し、授業1 2 2000

の最終回に提出する。( )最後に試験を実施する。なお、出席が所定の回数に満たない者には単位を与えない。3

JABEE到達目標等 知識・理解 思考・判断 関心・意欲 態度 技能・表現 その他 評価割合

( ) 収集資料成績評価方法 %50%定期試験(中間・期末試験) ◎ ○

20%小テスト・授業内レポート ◎ ◎

30%宿題・授業外レポート ◎ ○

授業態度・授業への参加度 評価に加えず

受講者の発表(プレゼン) 評価に加えず

演習 評価に加えず

出席 欠格条件○

その他 評価に加えず

100%合計

関連科目

教科書

参考書

メッセージ

@yamaguchi-u.ac.jp 13:00 17:00連絡先・オフィスアワー ○○ 研究室:○○学部○階 オフィスアワー○曜日 ~

Page 25: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 22 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1系列 分野 科目類型

開設科目名 国文学購読Ⅱ 単位数 単位 担当教官2開設期 前期 開設時限 授業区分 講義

対象学生 3年生 備考

授業の概要

わが国の代表的古典教材の一つである『おくのほそ道』を読んでゆく。中学・高校の教科書に採録されることの多い章段を

中心に、旅立ちから大垣到着までを見てゆく。はじめに芭蕉の生涯や作品、俳諧の歴史、『おくのほそ道』の諸本や基本事項

等について概説し、次いで本文の講読に入る。適宜、研究の現状や課題についても解説を加える。構成・文体・素材等に留

意しつつ、旅を文学へと昇華させている作品の仕掛けについて解明を試みる。

検索キーワード おくのほそ道、紀行文、俳文

授業の一般目標

(1)『おくのほそ道』を講読し、わが国の代表的古典作品の内容や作者・時代背景について知るとともに、紀行文としてのその

ユニークな特質を理解する。

(2)古典文学を講読する際の基礎的技法を習得し、主体的に古典文学について研究・考察する力の育成を目指す。

授業の到達目標

知識・理解の観点 1.作品や作者について理解を深める。2.近世の俳諧および俳文について理解を深める。□レ

思考・判断の観点 1.作品の特質および研究の現状について考察し、自分の見解を論理的に述べる力を培う。□レ

関心・意欲の観点 1.古典文学への関心を高め、生涯にわたって古典を楽しむ態度を身につける。□レ

態度の観点 1.問題意識をもって積極的に作品講読に取り組むことができる。□レ

技能・表現の観点 1.考察した結果を文章や口答で適切に表現できる。□レ

その他の観点

授業計画(全体)

授業は、基本的には作品の講読とその解説という形で進行する。主体的に作品講読に参加し、問題点を見出して考察を加

え、適切に表現する技能を身につけるために、授業の終わりに毎回、自分で見出した問題点や疑問についてまとめたシート

を提出してもらう。優れたものについては、次回の授業時に紹介し、適宜、解説を加える。平常のシート提出も総合評価に加

。点する

授業計画(授業単位)

回数 日付 授業項目・内容等 授業外学習の指示等 授業の記録

省 略

成績評価方法

(1)授業の終わりに毎回、考察結果をまとめたシートを提出する。(2)試験を実施する。以上を下記の観点・割合で評価す

る。 なお、出席が所定の回数に満たない者には単位を与えない。

JABEE到達目標等 知識・理解 思考・判断 関心・意欲 態度 技能・表現 その他 評価割合( ) 収集資料成績評価方法 %

60%定期試験(中間・期末試験) ○ ◎ ◎40%小テスト・授業内レポート ○ ◎ ○ ○ ◎

宿題・授業外レポート 評価に加えず

授業態度・授業への参加度 評価に加えず

受講者の発表(プレゼン) 評価に加えず

演習 評価に加えず

出席 欠格条件

その他 評価に加えず

100%合計

関連科目教科書参考書メッセージ

@yamaguchi-u.ac.jp 10:00 15:00連絡先・オフィスアワー ○○ 研究室:○○学部○階 オフィスアワー○曜日 ~

Page 26: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 23 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1系列 分野 科目類型

開設科目名 障害者福祉論 単位数 2単位 担当教官

開設期 3年生前期 開設時限 授業区分 講義

対象学生 全 備考

授業の概要

近年、障害者を取り巻く社会福祉の状況は、“保護から機会の提供へ”と変わりつつある。障害者が積極的に地域生活を

送ることを望むようになった一方で、施設の機能はより多機能・多様化し、障害を持った人々のニーズに応じようとしてきてい

る。本講義では、社会的状況が変化してく中で、障害者への対応の仕方を歴史、理念、法律、社会的な諸施策また心理社会

的なアプローチから概観していく。障害者福祉は実践的な問題を通じて具体的に知っていくことが大切なので、学生が種々の

体験を通じて経験してきた事がらから、講義を展開していく。

検索キーワード 障害者、社会福祉

授業の一般目標

(1)障害者の生活と学生自身の生活を評価し、障害者の生活実態に近づく。

(2)障害者がこれまで社会の中でおかれてきた歴史を認識し、今後の障害者福祉の方向性を考察する。

授業の到達目標

知識・理解の観点 1.自身の障害者観を記述する。2.障害者に関わる概念、歴史、基本的な施策を記述する。□レ

思考・判断の観点 1.障害者福祉の現状から、改善点を指摘する。□レ

関心・意欲の観点 1.自身の障害者観を他者と討議する。□レ

2.障害者に関わる事例を通じて、援助計画を討議する。

態度の観点 1.事例検討を通じて障害者の生活を感じ取る。□レ

技能・表現の観点

その他の観点

授業計画(全体)

授業計画(授業単位)

回数 日付 授業項目・内容等 授業外学習の指示等 授業の記録

省 略

成績評価方法

毎回のリアクションペーパー(50%)と、学期末の試験(50%)で評価する。

JABEE到達目標等 知識・理解 思考・判断 関心・意欲 態度 技能・表現 その他 評価割合

( ) 収集資料成績評価方法 %50%定期試験(中間・期末試験) ◎ ○

50%小テスト・授業内レポート ○ ◎ ◎

宿題・授業外レポート 評価に加えず

授業態度・授業への参加度 評価に加えず

受講者の発表(プレゼン) 評価に加えず

演習 評価に加えず

出席 欠格条件

その他 評価に加えず

100%合計

関連科目

教科書 独自のレジュメを使用する。

¥2,500 ¥2,900参考書 安積純子他『生の技法』、藤原書店、 、櫻井芳郎著『障害者福祉臨床論』、学文社、

メッセージ

@yamaguchi-u.ac.jp 13:00 16:00連絡先・オフィスアワー ○○ 研究室:○○学部○階 オフィスアワー○曜日 ~

Page 27: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 24 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1

(2)理系講義科目系列 自然科学 分野 化学 科目類型 総説

開設科目名 化学Ⅱ 単位数 2単位 担当教官

開設期 1年生前期 開設時限 授業区分 講義

対象学生 情報・数理・自然・生資 備考 JABEE工学部指定

授業の概要

有機化学の基礎の原理を正確につかめるように、有機化学の基礎となる分子の性質や化学反応性について説明する。ま

た、関連する内容の中から、未来技術につながる最新の話題やさまざまなアイデア等を紹介する。

検索キーワード

授業の一般目標

有機分子の構造と結合を、電子と原子軌道・分子軌道の立場から理解する。次に、基本的な化合物の結合様式を学び、官

能基の違いによる物理的・化学的性質の相違について修得する。

授業の到達目標

知識・理解の観点 有機分子の構造や反応性を説明できる。□レ

思考・判断の観点 物質や状態の変化について、原子・分子レベルからの見方・考え方ができる。□レ

関心・意欲の観点 自分の専門分野と分子の世界との関わりに関心を持つ。□レ

態度の観点 有機化学は暗記の学問ではなく、基本的な原理がわかれば理解しやすい学問であることに気づ□レ

き、有機化学の面白さを味わうことができるようになる。

技能・表現の観点

その他の観点

授業計画(全体)

講義・演習等は全てプロジェクタを用いて行い、また、プリントを配布する。資料等はWeb上で公開する。メールでのレポート

提出(毎回実施)、化学式の作成及び分子構造の描写等にコンピュータを使用するため、ノート型PCを持参すること。

授業計画(授業単位)

回数 日付 授業項目・内容等 授業外学習の指示等 授業の記録

省 略

成績評価方法

(1)レポート課題提示・メールでの提出(毎回実施)。(2)中間テストの実施およびその内容に関する演習。(3)期末試験の実

施。以上を下記の観点・割合で評価する。なお、出席が所定の回数に満たない者には単位を与えない。

JABEE到達目標等 知識・理解 思考・判断 関心・意欲 態度 技能・表現 その他 評価割合

( ) 収集資料成績評価方法 %◎ ○定期試験(中間・期末試験) 60%○ ◎ ○小テスト・授業内レポート 15%○ ○ ◎ ◎ ○宿題・授業外レポート 15%

5%授業態度・授業への参加度 ○

受講者の発表(プレゼン) 評価に加えず

○ ○ ○演習 5%出席 欠格条件○

その他 評価に加えず

100% 95%合計

関連科目

教科書 デジタルテキスト( にて公開)を用いる予定WEB参考書

メッセージ

@yamaguchi-u.ac.jp 15:00 17:00連絡先・オフィスアワー ○○ 研究室:○○学部○階 オフィスアワー○曜日 ~

Page 28: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 25 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1系列 自然科学 分野 数学 科目類型 総説

開設科目名 数学1 単位数 単位 担当教官2開設期 1年生前期 開設時限 授業区分 講義

対象学生 全 備考 工学部指定JABEE授業の概要

本授業では、行列と行列式の基本的な概念と計算について解説し、線形代数の入門を図る。

検索キーワード 線形代数、線形空間、行列、行列式、固有値、固有ベクトル

授業の一般目標

行列の概念を理解し、連立一次方程式を初め、基本的な計算法に習熟する。また、行列式の基本性質を理解し、様々な行

列式の計算に慣れる。さらに、線形空間の一次独立、一次従属、基底、次元の概念を理解し、行列の固有値、固有ベクトルを

求め、対称行列の対角化ができるようになる。

また、線形代数の様々な概念や手法を、統計学やコンピュータを初め他の学問領域で積極的に応用する態度を養う。

授業の到達目標

知識・理解の観点 1.行列の演算ができる。2.連立一次方程式を行列を用い、消去法で解くことができる。3.行□レ列式の基本性質に基づき、行列式の計算が正確にできる。4.ベクトルの一次独立、一次従属

並びに線形空間の基底、次元の概念を説明することができる。5.行列の固有値、固有ベクトル

を求めることができる。6.対称行列を対角化することができる。

思考・判断の観点 1.他の学問分野で線形代数を応用することができる。□レ関心・意欲の観点 1.日常生活の中で線形代数を応用する分野に関心を持つ。□レ態度の観点

技能・表現の観点

その他の観点

授業計画(全体)

授業は、基本的に行列と行列式に関して様々な定理を解説し、必要な演習を行う形で進行する。しかし、この科目は実際

に自分の手で計算を行うことが必要不可欠であり、十分な予習と復習が必要である。そのため、授業中に5回、小テストを実

施し、総合評価に加点すると同時に、受講生の学習の進捗状況をチェックする。さらに、線形代数はすべての理系科目の基

礎的な知識・技能であり、他分野での応用も広い。実際に応用されている分野と内容を調べ、今後の学習の励みにすることを

目指して、レポートを課す。提出されたレポートに関しては、総合評価に加点すると同時に、授業中、全員に紹介する予定で

ある。

授業計画(授業単位)

回数 日付 授業項目・内容等 授業外学習の指示等 授業の記録

省 略

成績評価方法

( )授業の中で小テストを5回(各4点満点)行う。( )他の学問分野で線形代数が応用されている領域を調べ、その概要につ1 2いてレポートを 字程度で作成し提出する。( )試験を実施する。以上を下記の観点・割合で評価する。なお、出席が所定2000 3の回数に満たない者には単位を与えない。

JABEE到達目標等 知識・理解 思考・判断 関心・意欲 態度 技能・表現 その他 評価割合

( ) 収集資料成績評価方法 %◎ ○定期試験(中間・期末試験) 60%◎ ○ ○小テスト・授業内レポート 20%

◎ ○宿題・授業外レポート 20%授業態度・授業への参加度 評価に加えず

受講者の発表(プレゼン) 評価に加えず

演習 評価に加えず

○ ○出席 欠格条件

その他 評価に加えず

100% 100%合計

関連科目

教科書

参考書

メッセージ

@yamaguchi-u.ac.jp 15:00 18:00連絡先・オフィスアワー ○○ 研究室:○○学部○階 オフィスアワー○曜日 ~

Page 29: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 26 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1系列 応用科学 分野 応用科学 科目類型 総説

開設科目名 技術概論 単位数 2単位 担当教官

開設期 1年生前期 開設時限 授業区分 講義

対象学生 全(工・農除く) 備考

授業の概要

技術とは何だろうか。よく聞く言葉ではあるが、その意味や内容は多様である。

本授業では、はじめに「技術」という言葉およびその用法について考察し、この後さまざまな分野における技術の変遷や実

例について概説する。主な分野および内容は、伝統的な技術としての手加工(木材を中心とした加工)と最近の木材利用技

術、現代西洋技術の先端であるコンピュータ、現代社会を支えるエネルギー事情と核エネルギー、メカトロに代表される機械

の制御技術などである。

検索キーワード 技術、環境問題、エネルギー、ロボット、コンピュータ、ヒューマノイド

授業の一般目標

本授業は、人と技術、人間社会と技術、環境と技術など、総合的な関わりの中で技術をとらえる必要を知り、自分なりの技

術をみる目、すなわち技術論の形成ができるようになることを目的とする。

授業の到達目標

知識・理解の観点 1.技術を人と技術、人間社会と技術、環境と技術など関わりの中でとらえて説明することができ□レ

る。 2.最近の木材利用技術について説明することができる。 3.現代のエネルギー事情を

説明することができる。 4.最近のロボット技術,特にヒューマノイドの必要性を検証することが

できる。 5.コンピュータの動作原理を説明することができる。

思考・判断の観点 1.木材と環境問題の関わりを検証することができる。 2.エネルギーと環境問題について推□レ

論することができる。

関心・意欲の観点 1.自分自身のエネルギー使用量に関心をもち生活に問題意識をもつ。 2.工場以外でロボッ□レ

トがどのように活用されているについて関心を持つ。

態度の観点 1.将来の環境問題やエネルギー問題を主体的に考える。 2.ヒューマノイドを製作することへ□レ

の反対意見や自分なりの利用法を提案する。

技能・表現の観点

その他の観点

授業計画(全体)

授業計画(授業単位)

回数 日付 授業項目・内容等 授業外学習の指示等 授業の記録

省 略

成績評価方法

授業は複数の教官で行うため、成績評価は、それぞれの教官の採点を平均したものを使用する。

JABEE到達目標等 知識・理解 思考・判断 関心・意欲 態度 技能・表現 その他 評価割合( ) 収集資料成績評価方法 %

定期試験(中間・期末試験) 評価に加えず

40%小テスト・授業内レポート ◎ ○60%宿題・授業外レポート ○ ◎ ○ ◎

授業態度・授業への参加度 評価に加えず

受講者の発表(プレゼン) 評価に加えず

演習 評価に加えず

出席 欠格条件

その他 評価に加えず

100%合計

関連科目教科書参考書メッセージ

@yamaguchi-u.ac.jp 10:00 17:00連絡先・オフィスアワー ○○ 研究室:○○学部○階 オフィスアワー○曜日 ~

Page 30: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 27 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1系列 分野 科目類型

開設科目名 獣医生理学 単位数 2単位 担当教官

開設期 2年生通年 開設時限 授業区分 講義

対象学生 農学部獣医学科 備考

授業の概要

獣医生理学とは、伴侶動物、産業動物、および野生動物に関する、細胞、組織、器官の機能を理解し、そして個体のあら

ゆる機能の統合制御を理解する学問である。獣医生理学は高学年になって開始される応用、臨床領域における学問分野を

理解するための学問でもある。したがって、獣医生理学では常に臨床への展開を考慮に入れながら説明する。

検索キーワード 獣医学、生理、機能、神経系、循環器、内分泌、繁殖、泌尿器、腎、呼吸器

授業の一般目標

細胞、神経系、心臓循環器系、消化器系、内分泌系 繁殖、泌尿器系 呼吸器系 腎臓系、各系の形態、機能を理解し、す

べての系の統合された機能達成の3次元イメージを構築する。生命を理解し、向かい合う基本的態度を培う。

授業の到達目標

知識・理解の観点 1.細胞の機能の説明ができる。 2.各系の機能達成の基本的メカニズム、また調節制御が説□レ明できる。 3.各系の関連を説明できる。 4.生命に関して自分なりに定義し、示すことがで

きる。

思考・判断の観点 1.さまざまな状況における各系の機能変化と、それがもたらす結果が説明できる。□レ2.さまざまな疾患における各系における機能異常の発生のメカニズムが説明できる。

関心・意欲の観点 1.生物のさまざまな行動、機能の変化に反応を示し指摘する。またその出現のメカニズムにつ□レいて自分なりに解釈しようとする意志を示す。

態度の観点

技能・表現の観点 1.Technical termsを適切に用いて、口頭および文章で適切な表現による説明ができる。□レその他の観点

授業計画(全体)

講義は、1.細胞、2.神経系、3.心臓循環器系、4.消化器系、5. 内分泌系 6.繁殖、7. 泌尿器系 8. 呼吸器系 9. 腎臓系、と

分類して行う。獣医生理学はまた動物種による違いを理解しなければいけない。機能を理解するとは、時間経過とともにおこ

る変化を変化の起こる原因、そしてその生体に及ぼす効果を理論的に説明することができるようになることである。そのため

には特に復習と獲得した知識を用いて応用することが重要である。年間3回の筆記試験と、講義中に前もって指示したテーマ

について口頭発表を実施しその理解の程度を確認する。さらに疾患例を示しその機能障害について考察を行う(レポート)。

授業計画(授業単位)

回数 日付 授業項目・内容等 授業外学習の指示等 授業の記録

省 略

成績評価方法

(1)試験期間内に3回の試験を行う。(2)講義中に各人1-2回の発表を行う。(3)臨床例に対する考察結果をレポートにて提

出する(字数制限なし)。以上を下記の観点・割合で評価する。なお出席が所定の回数に満たない者(70%未満)には単位を与

えない。

JABEE到達目標等 知識・理解 思考・判断 関心・意欲 態度 技能・表現 その他 評価割合

( ) 収集資料成績評価方法 %60%定期試験(中間・期末試験) ◎ ○ ○ ○

30%小テスト・授業内レポート ◎ ◎ ◎ ○

宿題・授業外レポート 評価に加えず

授業態度・授業への参加度 評価に加えず

10%受講者の発表(プレゼン) ○ ○

演習 評価に加えず

出席 欠格条件○

その他 評価に加えず

100%合計

関連科目 獣医解剖学、獣医内科学

教科書 なし。

参考書 生理学テキスト、獣医生理学、医科生理学展望

メッセージ

@yamaguchi-u.ac.jp 10:00 17:00連絡先・オフィスアワー ○○ 研究室:○○学部○階 オフィスアワー○曜日 ~

Page 31: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 28 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1系列 分野 科目類型

開設科目名 土木地質学 単位数 2単位 担当教官

開設期 後期 開設時限 授業区分 講義

対象学生 2年生 備考 JABEE工学部指定

授業の概要

岩石・岩盤・未固結堆積物の地質、地下水、岩盤力学に関する特性や地質プロセスに関する知識、調査法について説明す

るとともに、実際の現場における事例検討からその知識や技術がどのように現場へ適用され、評価が行われるかについて解

説する。また、科学技術の社会における役割や影響と技術者の果たすべき役割について解説する。

検索キーワード 岩石、岩盤、未固結堆積物、岩盤劣化、地下水、技術者倫理、地質調査法

授業の一般目標

(1)岩石、岩盤、未固結堆積物の区分ができ、各々の物理特性を理解する。 (2)岩盤の劣化現象を理解し、土木地質学的

問題に適用できる。 (3)地下水、岩盤力学に関する基礎知識を知り、土木地質学的問題に適用できる。 (4)技術者倫理の

考え方を理解し、倫理観を継続的に向上できる。

授業の到達目標

知識・理解の観点 1.岩石・岩盤・未固結堆積物の区分、成因、物理特性が説明でき土木地質学的問題と関連づ□レけることができる。 2.岩盤の劣化現象が説明でき土木地質学的問題と関連付けることができ

る。 3.地下水・岩盤力学に関する基礎的知識や調査法が説明できる。 4.技術者倫理の考

え方について説明できる。

思考・判断の観点 1.岩盤の劣化現象の観点から斜面の安定性、構造物基礎地盤の安定性等に関する課題につ□レいて指摘ができる。 2.地下水・岩盤力学の観点からダム等の設計に関する課題について指

摘できる。 3.地質技術者として技術者倫理が発揮できる。

関心・意欲の観点 1.理学としての地質及び地質現象が引き起こす土木地質的課題について関心を広げ、安全□レ性、合理性などに関する意識を高める。

態度の観点 1.科学技術の社会における役割や影響について積極的に考察し、地質技術者として発揮すべ□レき倫理観について主体的に考えることができる。

技能・表現の観点 1.合理的で安全な土木構造物のサイト選定ができる。□レその他の観点

授業計画(全体)

授業は、基本的な用語の定義、成因や考え方について説明した後に,土木地質学的意義や実際の課題などに関して紹介

してそれらの知識がどのように展開していくかのついて説明する。基礎知識については商テストで段階ごとに確認を行うととも

に、適用に関しては、具体的な事例についてレポートを活用して学生に考えさせる。さらに、適時、講義の中で簡単な実験を

行う。

授業計画(授業単位)

回数 日付 授業項目・内容等 授業外学習の指示等 授業の記録

省 略

成績評価方法

期末試験により知識・理解目標の到達度を評価するが、小テストやレポートにより基礎知識などについて段階ごとに確認を

行う。また、事例検討を与えて、思考判断力をレポートにより評価する。3回以上欠席者は不適格とする

JABEE到達目標等 知識・理解 思考・判断 関心・意欲 態度 技能・表現 その他 評価割合

( ) 収集資料成績評価方法 %◎ ○ ○定期試験(中間・期末試験) 60%◎ ○ ○ ○ ○小テスト・授業内レポート 20%

◎ ○ ○ ◎ ○宿題・授業外レポート 20%授業態度・授業への参加度 評価に加えず

受講者の発表(プレゼン) 評価に加えず

演習 評価に加えず

○出席 欠格条件

その他 評価に加えず

100% 100%合計

関連科目

教科書 水文地質学

参考書 『技術者の倫理入門』

メッセージ 新聞などの情報に関心を持って欲しい。

@yamaguchi-u.ac.jp 10:00 17:00連絡先・オフィスアワー ○○ 研究室:○○学部○階 オフィスアワー○曜日 ~

Page 32: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 29 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1系列 分野 科目類型

開設科目名 プログラミング言語 単位数 単位 担当教官

開設期 開設時限 授業区分 講義

対象学生 理学部2年生 備考 JABEE工学部指定

授業の概要

本授業は、計算機言語であるC言語について、「文法」に焦点をあてながら体系的に説明する。

検索キーワード 計算機言語、C言語、プログラム

授業の一般目標

C言語の文法規則について学習し、典型的なC言語プログラムのスタイルに慣れる。また、計算機科学分野を含め、種々

の分野においてC言語プログラムを積極的に応用する態度を養う。

授業の到達目標

知識・理解の観点 1.C言語の特徴を述べることができる。 2.変数の型を理解し、必要に応じて使い分けること□レ

ができる。 3.条件判断とループ処理を必要に応じて使いわけることができる。 4.数値デー

タの内部表現が説明できる。 5.文字データの処理ができる。 6.代入演算子の使い方を理

解し、説明できる。 7.配列、アドレス、ポインタの概念を理解し、適切に使い分けることができ

る。 8.構造体の概念、文法を理解し、それを使うことができる。 9.ファイル操作の手続きを

理解し、説明できる。

思考・判断の観点 1.種々の学問分野で利用されている計算手続き(アルゴリズム)をプログラム化できる。□レ

関心・意欲の観点 1.日常生活の中で、プログラムによって稼動しているシステム等に強い関心を持つ。□レ

態度の観点

技能・表現の観点

その他の観点

授業計画(全体)

授業は、基本的にC言語の文法を中心に解説し、理解度を小テストで確認しながら進行する。

授業計画(授業単位)

回数 日付 授業項目・内容等 授業外学習の指示等 授業の記録

省 略

成績評価方法

1.授業の中で小テストを3回行う。 2.プログラムによって稼動しているシステムを調べ、その概要についてレポートを150

0字以内で作成し、提出する。 3.試験を実施する。 以上を下記の観点・割合で評価する。なお,出席が所定の回数に満

たない者には単位を与えない。

JABEE到達目標等 知識・理解 思考・判断 関心・意欲 態度 技能・表現 その他 評価割合

( ) 収集資料成績評価方法 %◎ ○定期試験(中間・期末試験) 70%◎ ◎ ○小テスト・授業内レポート 15%

○ ○ ○宿題・授業外レポート 15%授業態度・授業への参加度 評価に加えず

受講者の発表(プレゼン) 評価に加えず

演習 評価に加えず

○ ○出席 欠格条件

その他 評価に加えず

100% 90%合計

関連科目

教科書

参考書

メッセージ

@yamaguchi-u.ac.jp 10:00 17:00連絡先・オフィスアワー ○○ 研究室:○○学部○階 オフィスアワー○曜日 ~

Page 33: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 30 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1

(3)実験・実習・演習系科目系列 自然科学 分野 自然科学実験 科目類型 総説

開設科目名 物理学実験B 単位数 2単位 担当教官

開設期 前期 開設時限 授業区分 実験・実習

対象学生 機械、応用科学、社会建設 備考 JABEE工学部指定

授業の概要

物理学実験と化学実験授業は対になっている。クォーター(6回)ずつ物理実験と化学実験を交互に行う。物理学実験で

は、高等学校レベルの物理学の知識を基に、力学・熱力学・光学・電磁気学などの基礎的分野から、6テーマの実験を行い、

実験結果の整理・解析とレポートの作成を行う。

検索キーワード 物理学、物理学実験、基礎物理学

授業の一般目標

物理学実験では、力学・熱力学・光学・電磁気学の分野における基本的な物理現象や原理・概念を説明できるようになるこ

とを目標とする。さらに、「ものづくり」のための基礎技術と、初歩的な技術作文の書き方を身につける。

授業の到達目標

知識・理解の観点 1.6テーマの物理実験の原理について説明できる。 2.仮説・仮定をたてて、それを実証・検□レ

証するという手法を身につける。 3.技術作文ができる。

思考・判断の観点 1.自然現象のすべては物理現象に基づいていることを実感する。□レ

関心・意欲の観点 1.身の回りに起こる現象について、「なぜ?」という疑問を抱くようにする・□レ

態度の観点

技能・表現の観点 1.実験指導書で説明している測定機器について扱える。□レ

その他の観点 1.チームワークの方法と技術について、創意工夫を行う。□レ

授業計画(全体)

物理学実験Bでは、下記の14テーマの実験課題の中から6テーマを選んで実験を行う。どの6テーマを行うか、その順番

で実験を行うかについては、実験グループによって異なります。物理学実験の掲示板に張り出される実験予定表をよく見て、

自分の行う実験を確認すること。

授業計画(授業単位)

回数 日付 授業項目・内容等 授業外学習の指示等 授業の記録

省 略

成績評価方法

JABEE到達目標等 知識・理解 思考・判断 関心・意欲 態度 技能・表現 その他 評価割合

( ) 収集資料成績評価方法 %定期試験(中間・期末試験) 実施せず

小テスト・授業内レポート 実施せず

◎ ◎ ◎ ○宿題・授業外レポート 50%○授業態度・授業への参加度

◎受講者の発表(プレゼン)

演習 実施せず

◎ ◎ ○出席 50%その他

100% 100%合計

関連科目

教科書 基礎物理学

参考書

メッセージ

毎週金曜日 正午~午後0時50分、研究室 連絡先○○-○○○○連絡先・オフィスアワー

Page 34: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 31 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1系列 初期教育 分野 情報処理 科目類型 総説

開設科目名 情報処理演習 単位数 2単位 担当教官

開設期 前期 開設時限 授業区分 演習

対象学生 1年生 備考

授業の概要

インターネットによって雑多な情報が広範囲かつ瞬時に伝わるようになり、必要な情報を探し出す技能や、得た情報を適切

に加工し表現する技能を身につけることが求められている。この授業ではこれらの技能を身につけることが目的として、WEB

ブラウザ、ワードプロセッサ、表計算ソフト、プレゼンテーションソフトの利用法を説明し、作成した情報をネットワーク上に公開

する技法についても解説する。

検索キーワード 情報リテラシー、文章作成、表計算、ネットワーク、プレゼンテーション

授業の一般目標

インターネットから必要とする情報をWEBブラウザを用いて検索できることを体験する。これと同時に、セキュリティやネチケ

ットについての重要性を理解する。ワードプロセッサや表計算ソフトを用いて文書をまとめ、データを解析する方法を修得す

る。プレゼンテーションソフトを用いて、自分の考えを効果的に表現する方法を修得する。これらのソフトを統合的に用いる技

法を修得する。

授業の到達目標

知識・理解の観点 1.セキュリティやネチケットの問題を指摘することができる。□レ

思考・判断の観点 1.表計算ソフトを使ってデータの分析ができる。□レ

関心・意欲の観点 1.常により適切なプレゼンテーションを心がける。□レ

態度の観点 1.他人のプレゼンテーションに対して適切な評価ができる。□レ

技能・表現の観点 1.ワープロで文書の推敲ができる。プレゼンソフトで考えを伝えることができる。□レ

その他の観点 1.ブラウザで必要な情報を探し出すことができる。□レ

授業計画(全体)

授業計画(授業単位)

回数 日付 授業項目・内容等 授業外学習の指示等 授業の記録

省 略

成績評価方法

ワープロ、表計算については個別に作品を提出し、それらについて評価を行う。課題発表はプレゼンテーションソフトで行う

が、その内容や技法について評価する。学生間での評価も加味する。

JABEE到達目標等 知識・理解 思考・判断 関心・意欲 態度 技能・表現 その他 評価割合

( ) 収集資料成績評価方法 %定期試験(中間・期末試験) 評価に加えず

20%小テスト・授業内レポート ○ ○ ○

20%宿題・授業外レポート ◎ ○

10%授業態度・授業への参加度 ◎

30%受講者の発表(プレゼン) ◎ ◎

20%演習 ○ ◎ ◎

出席 欠格条件○

その他 評価に加えず

100%合計

関連科目

教科書

参考書

メッセージ

連絡先・オフィスアワー

Page 35: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 32 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1系列 分野 科目類型

開設科目名 社会福祉援助技術現場実習指導Ⅱ 単位数 2単位 担当教官

開設期 3年生前・後期 開設時限 授業区分 演習

対象学生 備考

授業の概要

本科目は、「社会福祉援助技術現場実習」の事前・事後指導にあたる。通年科目であるが、前期は配属実習前の指導とし

て、実習中のテーマ設定・ケース実習の説明を行う。その際、社会福祉援助技術論で学んだ技術を並行させながら、ソーシャ

ルワークの学習を確認する作業も同時に行う。後期は、配属実習後の事後指導として、実習生各自が学習してきたテーマに

ついての深化、取り上げてきたケースについての、スーパーヴィジョンを実施する。

検索キーワード

授業の一般目標

(1)社会福祉現場を知る。(2)利用者の多面的理解を行う。(3)援助技術を習得する。(4)自己覚知を深める。

授業の到達目標

知識・理解の観点 1.社会福祉現場を規定している法律を確認する。2.援助技術を再構成する。□レ

思考・判断の観点 1.ソーシャルワーカーとして援助プロセスを記述する。2.クライエントと自身との価値観が違う□レ

ことを説明する。

関心・意欲の観点 1.自身がたてた実習テーマを教員と話し合う。2.スーパーヴィジョンに参加する。□レ

態度の観点 1.ソーシャルワーカーの倫理観や対人援助の価値観を感じる。2.ソーシャルワーカーの援助□レ

プロセスを模倣する。

技能・表現の観点 1.実習内容を報告書にまとめる。□レ

その他の観点

授業計画(全体)

授業計画(授業単位)

回数 日付 授業項目・内容等 授業外学習の指示等 授業の記録

省 略

成績評価方法

実習報告書を重視する。報告書にソーシャルワークの価値、知識、技術が盛り込まれているかどうかを評価基準とする。な

お、ケース討議で事例提出者については、加点を行う。スーパーヴィジョンについては、2回欠席した時点で履修不可とする。

JABEE到達目標等 知識・理解 思考・判断 関心・意欲 態度 技能・表現 その他 評価割合

( ) 収集資料成績評価方法 %定期試験(中間・期末試験) 実施せず

20%小テスト・授業内レポート ◎ ○

50%宿題・授業外レポート ○ ◎ ◎

30%授業態度・授業への参加度 ○ ◎ ○

受講者の発表(プレゼン) 評価に加えず

演習 評価に加えず

出席 欠格条件

その他 評価に加えず

100%合計

関連科目 社会福祉援助技術論、社会福祉援助技術現場実習

教科書 特になし。

参考書

メッセージ 専門職養成のための実習であるため、社会福祉専門職に就こうとする者以外の履修は不可。なお、

社会福祉援助技術現場実習が規定の時間数に達しない場合、本科目は自動的に未履修となる。

携帯アドレス ○○@○○○○、オフィス・アワー:水曜日午後、ただし、空き時間であれば、連絡を連絡先・オフィスアワー

取った上で来室は可。

Page 36: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 33 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1

(4)語学系科目系列 外国語教育 分野 フランス語 科目類型 総説

開設科目名 フランス語初級1 単位数 4単位 担当教官

開設期 前期 開設時限 授業区分 講義

対象学生 備考

授業の概要

本授業では現代フランス語を読み、書き、話すことができるための基礎的な能力を養う。そのためには文法の諸規則を説

明し、発音やイントネーションを身につけ、基本単語の語彙や語形変化を憶えて実際に運用できるよう様々な練習を課す。

検索キーワード 初習外国語、フランス語

授業の一般目標

現代フランス語の発音、イントネーションの基本を習得する。名詞、形容詞、動詞、疑問詞等の品詞の理解を通してフラン

ス語文法の基礎構造を認識する。更に平易な表現を憶えて簡単な日常会話が表現できるようになる。

授業の到達目標

知識・理解の観点 1.主に品詞の性数変化、動詞の活用変化を身につける。□レ

思考・判断の観点 1.日本語とは異なる発想や表現に触れて物事を複眼的に観れるようになる。□レ

関心・意欲の観点 1.フランス語の言葉の背景やフランスの文化に更なる関心を抱く。□レ

態度の観点

技能・表現の観点 1.フランス語の文章が正しく読める。簡単な文が作れる。□レ

その他の観点

授業計画(全体)

授業計画(授業単位)

回数 日付 授業項目・内容等 授業外学習の指示等 授業の記録

省 略

成績評価方法

(1)レポートは課題を与える場合と自ら問題を探求することを求めるケースとがある。(2)隔週ごとに練習問題を板書する時

間を設け、演習として評価。以上を下記の観点・割合で評価する。なお、出席が所定の回数に満たない者には単位を与えな

い。

JABEE到達目標等 知識・理解 思考・判断 関心・意欲 態度 技能・表現 その他 評価割合

( ) 収集資料成績評価方法 %70%定期試験(中間・期末試験) ◎ ○ ○

小テスト・授業内レポート 評価に加えず

20%宿題・授業外レポート ○ ◎ ○

授業態度・授業への参加度 評価に加えず

受講者の発表(プレゼン) 評価に加えず

10%演習 ◎ ○

出席 欠格条件○

その他 評価に加えず

100%合計

関連科目

教科書

参考書

メッセージ

@yamaguchi-u.ac.jp 10:00 17:00連絡先・オフィスアワー ○○ 研究室:○○学部○階 オフィスアワー○曜日 ~

Page 37: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 34 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1系列 外国語 分野 英語 科目類型 包括開設科目名 TOEIC準備 単位数 1単位 担当教官開設期 前期 開設時限 授業区分 講義対象学生 1年生、再履修生 備考統一教科書(2004年度新訂版)用統一シラバス授業の概要この授業では、TOEICテストを用いて実践的な英語でのコミュニケーション能力を自己確認する。そのために、TOEICテスト

の全貌について学び、その受験技術とテストで用いられるコミュニケーションのための実用文(話し言葉、書き言葉)に慣れる。TOEICテストは「聞く」「読む」という2つのスキルについてのみ実施されるが、他の「話す」「書く」というスキルも間接的なスキルとして評価される。TOEICテストの最初の半分が45分のListening Comprehensionに当てられるため、特にこの授業では聞き取りに力を入れる。検索キーワード TOEIC、コミュニケーション、単語力、文法力、速読力、速聴力、情報収集授業の一般目標TOEICテスト全般について学ぶ。それによって、本格的な英語のコミュニケーションに指向する授業を通して英語でのコミュ

ニケーションへの志向性をつける。また、英語で提示された情報をスピーディに検索・収集するやり方、および、推察力と即断力を学ぶ。TOEICテストで英語コミュニケーション初期能力の自己確認をするために、テストのパート毎の正答率を算出するなどして

受講者自ら6月TOEIC IPテストでの目標点を設定する。6月受験でのスコアを初期値にして向上目標を設定する。Listening Comprehensionに慣れるため、自習課題を通して、少なくとも週6日1日1時間の英語の「自学自習」の習慣を身に

つける。また、異文化としての英語へ積極的に接触してグローバリズムの意味をより深く知る。外国事情に関心をもち、留学や旅行

の海外体験に意欲的になって自己の英語力を高め世界観を広げる。これらを通して、積極的に英語でのコミュニケーション実践に取り組む。

授業の到達目標知識・理解の観点 1.ネイティブが基本と考える文法が理解できる。2.日常生活のあらゆる場面で用いられている□レ

英語がぼんやりと理解できる(そのためにまず新しく、少なくとも1000語の単語を学習する)。思考・判断の観点 1.英語が用いられている状況を推察したり判断したりできる。2.求められている情報を少しで□レ

もより的確に検索・収集できる。関心・意欲の観点 1.使われている英語に関心を示すようになる(TV, 映画、音楽、新聞・雑誌など)。2.外国事情□レ

に関心や興味を持つようになる。態度の観点 毎日の積み重ね(1日1時間の課題の作業とその復習)の自学自習の習慣を形成する(TOEICス□レ

コアは必ずこの習慣を反映する)。技能・表現の観点 1.英語のコミュニケーションのための4つのスキルを高める。2.情報検索と収集を短時間にす□レ

る仕方を獲得する。その他の観点 英語学習がコミュニケーションへ指向するため劇的な指導法と学習法の変化に慣れる。□レ

授業計画(全体)TOEICテストは大きなテストであるにもかかわらず、授業は1クオター7回しかない。その中で全貌を知るために、テストの各

パートの受験テクニック、各パートに出てくる日常生活の大人の英語を学習する(高校までの英語とは様相や場面設定が大きく異なる)。学習の焦点はこの二つにあるが、1分間に150語のスピーディな英語を聞き取って情報を求めるやり方、そのために発音・単語も扱う。教科書の各課の扱いは担当者によって異なることがある。担当者の方針によっては、各課で扱う 内

週単位の項目・内容は担当者によって異なる。容の一部を飛ばしたり、それが自習課題に変わることもある。なお、授業計画(授業単位)回数 日付 授業項目・内容等 授業外学習の指示等 授業の記録

省 略

成績評価方法自習課題ノート・担当者から指示された提出物の未提出や作業の具合をもとに欠席回数に換算して2回以上は不合格とす

る(公欠を含む)。JABEE到達目標等 知識・理解 思考・判断 関心・意欲 態度 技能・表現 その他 評価割合

( ) 収集資料成績評価方法 %定期試験(中間・期末試験) 評価に加えずこの授業の直接の評価にはならないが、 テストTOEIC IP

20%小テスト・授業内レポート ◎ ○ ◎80%宿題・授業外レポート ◎ ◎ ○ ◎ ◎20%授業態度・授業への参加度 ○

受講者の発表(プレゼン) 評価に加えず

演習 評価に加えず

出席 欠格条件◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎その他 評価に加えず

100%合計

関連科目 (スコアによって)基礎科目、展開科目1・2にある授業科目、(仮称)言語センター提供のアドバンストコースプログラム

教科書 (仮称)Circuit Training for the TOEICR Test(TOEICRテストサーキットトレーニング)参考書 販のTOEIC図書(『TOEIC公式ガイド&問題集1・2』など)、ALC NetAcademy, Video on Demand市

による「英会話」番組(使用については、図書館の情報リテラシー係へ)メッセージ ・この授業は忙しい授業です。そのために、教科書の説明は予習しておいてください。質問やアドバイ

スは「自習課題ノート」にある質問・感想のページを利用してください。・この授業の「目的」「意義」をよく理解して授業に臨んでください。遅刻をしないでください。

@yamaguchi-u.ac.jp 10:00 17:00連絡先・オフィスアワー ○○ 研究室:○○学部○階 オフィスアワー○曜日 ~

Page 38: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景

( 35 )山口大学教員能力開発( )委員会FD

山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1

(5)芸術系科目系列 人文科学 分野 芸術 科目類型 総説

開設科目名 美術表現と鑑賞 単位数 2単位 担当教官

開設期 1年生後期 開設時限 授業区分 講義

対象学生 全(工、生資除く) 備考

授業の概要

美術の多様な表現を鑑賞する。特に、近代、現代の絵画や工芸の表現を対象とし、時代背景、制作意図、表現の特徴など

を解説する。また、日本的な美の特性について解説する。

検索キーワード 西洋美術、日本の美、美術表現、美術作品、美術鑑賞

授業の一般目標

(1)西洋の近代、現代の美術表現の多様性を理解する。 (2)日本の美の特性について感受する。

授業の到達目標

知識・理解の観点 1.19世紀以降の西洋美術の変遷の概略を説明できる。□レ

思考・判断の観点

関心・意欲の観点 1.日本的な美について感受し、生活の中に美を見いだすことができる。□レ

態度の観点 1.美術作品を鑑賞する習慣を身につけようと努力する。□レ

技能・表現の観点

その他の観点

授業計画(全体)

西洋の19世紀、20世紀の絵画表現の変遷をビデオ等によって鑑賞する。さらに、日本の美の特性について、要素別に鑑

賞する。加えて、美術館での鑑賞活動も行う。

授業計画(授業単位)

回数 日付 授業項目・内容等 授業外学習の指示等 授業の記録

省 略

成績評価方法

( )出席による評価。( )レポートによる評価。( )試験によって知識と感性を評価する。1 2 3

JABEE到達目標等 知識・理解 思考・判断 関心・意欲 態度 技能・表現 その他 評価割合

( ) 収集資料成績評価方法 %50%定期試験(中間・期末試験) ◎ ○

小テスト・授業内レポート 実施せず

30%宿題・授業外レポート ◎ ◎ ○

授業態度・授業への参加度 評価に加えず

受講者の発表(プレゼン) 評価に加えず

演習 評価に加えず

20%出席 ○ ◎

その他 評価に加えず

100%合計

関連科目

教科書

参考書

メッセージ

@yamaguchi-u.ac.jp 10:00 17:00連絡先・オフィスアワー ○○ 研究室:○○学部○階 オフィスアワー○曜日 ~

Page 39: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景
Page 40: 『シラバスの作成』の制作のねらいと使い方(2) 山口大学教員能力開発( )委員会FD 山口大学FDハンドブック 『シラバスの作成』VOL.1 2.シラバスを作る意義と背景