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Copyright © 2018 TIS Inc. All rights reserved.
2019年1月21日
サービス事業統括本部AIサービス事業部/戦略技術センター油谷実紀
FIWAREを利用したロボット×人×IoT連携の実現~会津大学実証実験報告~
一般社団法人官民データ活用共通プラットフォーム協議会(DPC)官民実装促進委員会 第2回事例研究会
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油谷実紀(ゆたにみき)1994年4月~ 株式会社東洋情報システム(現: TIS株式会社)に入社し、新規事業立ち上げを担当
2001年4月~ 産業系事業部にて生産管理システム、データ交換システム等のPMを担当
2009年4月~ R&D部門である先端技術センター(現: 戦略技術センター)センター長
→先進的なICTの社会実装を通じた社会課題解決に取り組む
2017年4月~ AIサービス事業部副事業部長兼任
現任
○TIS株式会社 フェロー 戦略技術センター長
兼 サービス事業統括本部 AIサービス事業部副事業部長
○SEQSENSE株式会社 社外取締役
公的活動
○国立大学法人 北陸先端科学技術大学院大学 産学官連携客員教授
○一般社団法人 オープンガバメント・コンソーシアム 理事 AI・ロボット分科会/FinTech分科会 主査
○一般社団法人 官民データ活用共通プラットフォーム協議会 理事 官民実装促進委員会 ロボットWGリーダー
○一般社団法人 スーパー連携大学院コンソーシアム 運営幹事会 委員
オープンイノベーションプラットフォーム検討WG 委員
○特定非営利活動法人 ロボットビジネス支援機構 アドバイザー
自己紹介
https://seqsense.com/
油谷実紀@blackaplysia
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TIS株式会社
主要事業①決済システム 主要事業②高信頼性システム運用基盤
TIS株式会社 (TIS Inc.) 100億円
連結:405,648百万円単体:168,654百万円(2018年3月期)
システムインテグレータ(SIer)
東証第一部
社 名
業 種
上 場 市 場
創 業
資 本 金
売 上 高
1971年4月28日
東京都新宿区所 在 地
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サービスロボットインテグレーションの取り組み警備ロボットスタートアップ企業
SEQSENSEへの出資(2017/2/6)
https://www.tis.co.jp/news/2016/tis_news/20170206_1.html
https://www.tis.co.jp/news/2018/tis_news/20180613_1.html
https://www.tis.co.jp/news/2018/tis_news/20181016_1.html
FIWARE Foundationへの参画(2018/6/13)
サービスロボットインテグレーションプラットフォームRoboticBase™発表(2018/10/16)
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SEQSENSE①
SEQSENSE株式会社
自律移動型ロボット及びその関連製品の開発
社 名
事 業 概 要
代 表 者 中村 壮一郎
設 立 2016年10月3日
東京都渋谷区所 在 地
https://jp.techcrunch.com/2018/06/15/seqsense-fundraising-1-b-yen/
https://www.sankeibiz.jp/business/news/180622/bsl1806220500002-n1.htm
SankeiBizより引用
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SEQSENSE②
ランドマークタワーでの実証実験 SEQSENSEとTISとの関係
https://twitter.com/robotstart/status/1037646243168571392https://www.meiji.ac.jp/osri/topics/2015/6t5h7p00000iybhs.htmlhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000025363.htmlhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000025363.html
NEDO
「次世代ロボット中核技術開発」
事業(2015年度~)
明治大学・TIS共同研究
SEQSENSE設立(2016/10/3)
出資
エンジニア出向
共同営業
社外取締役派遣
サクラではない普通の人々に混ざって巡回警備を行う警備ロボットSQ-2
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⚫ サービスロボットインテグレーションアーキテクチャに関する発表・デモ– Kyoto Smart City Expo 2018
(2018/10/4-5)– FIWARE Global Summit 2018
(2018/11/27-28)
FIWARE Foundationでの活動
https://www.facebook.com/nbyk.matsui/posts/1833275443435486https://www.slideshare.net/FI-WARE/fiware-118272037
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⚫ サービスロボットにおける外部システム連携⚫ RoboticBase™ – ロボット×人×環境(IoT)のプラットフォーム⚫ 会津大学における実証実験
本日のアジェンダ
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サービスロボットにおける外部システム連携
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超高齢化社会は社会スキームの限界を迎える
http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2016/html/zenbun/s1_1_1.html
政府試算(2065年)高齢化率: 38.4%(2.5人に1人)
労働人口比率: 51.4%(2人に1人)
労働人口: 4,529万人※2017年7,596万人
→40.3%減少
「現役世代」が「リタイア世代」を支える社会スキームの限界
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超高齢化社会において「高齢者を支援する」
単身世帯化傾向
相対的所得向上傾向
労働力提供の持続
単身世帯支援・移動支援・家事代行・ヘルスケア・見守り
消費喚起・ファミリーライフイベント・ターゲットマーケティング
持続的労働支援・単純作業支援 ・移動支援・パワードスーツ
広範なデータを用いた
高精度の分析
親しみのある
コミュニケーション
人を補佐する能力を
持つロボット
IT(とりわけAI/IoT/ロボット)を活用することによる技術の進歩
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⚫ 労働人口減少社会における生産性向上、サービス向上– 作業および移動能力の代替・拡張
✓定型業務のロボット化✓従来人では対応できなかった業務の遂行
– コミュニケーション能力の代替・拡張✓無人店舗、業務の前捌き✓多国語対応、遠隔ロボット間意思疎通による高度な「おもてなし」
超高齢化社会において「人の能力を代替・拡張する」
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⚫ ロボットは、センサ系、知能系、駆動系から構成されるシステム参考:経済産業省(2009)「ロボット産業政策研究会報告書」
⚫ サービスロボットは日常生活において人の作業を支援し代替する参考:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(2014)「NEDOロボット白書2014」
ロボットとプラットフォームの定義と分類
http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/286890/www.meti.go.jp/press/20090325002/20090325002-3.pdf
http://www.nedo.go.jp/content/100567345.pdf
ロボットを構成する3要素
NEDO(2014)によるロボットの分類※通常、フィールドロボットはサービスロボットに分類
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⚫ サービスロボットは産業ロボットと異なる点がある– 生産性向上よりも人の能力の代替・拡張に主眼
✓人による業務フローへのロボット導入✓ただし、人の完全代替はできない
→人とロボットとの役割分担が重要– 多数の人々、とりわけオプトインしない
人々の隣人として作業する→人や環境を含むシステム外部からの情報
に基づくリスクの分析と対応が重要⚫ 上記を考慮するために、
ロボットの3要素の「知能系」において他システム連携やクラウドサービス連携が必要となる
サービスロボットの特質
ロボットを構成する3要素とシステム連携
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産業ロボットにおけるFIWARE活用のリファレンス・アーキテクチャ
https://donar.messe.de/exhibitor/cebit/2018/F276984/fiware-for-industry-eng-565607.pdf
ロボット
ROS I/F
専用機 需給管理カメラ・IoTデータストリーム
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Connect Robotics社: ドローンによる配送サービスシステム
https://www.slideshare.net/FI-WARE/open-iot-platforms-for-smart-services-japanese
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RoboticBase™ – ロボット×人×環境(IoT)のプラットフォーム
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⚫ RoboticBase™は、ロボット、人、環境(センサ、デバイス、オープンデータ、外部システム等)をつなぐプラットフォーム– 様々な置換可能なサービスロボットを有機的に接続することで、
人の作業を代替・拡張する– 突発的で非定常的な仕事は人にオフロードすることで、
サービスロボットをシンプルに保つ– 環境の情報を活用することで、
サービスロボット単体では知りえない知識を元に作業を遂行することができる
RoboticBase™のコンセプト
Robots People
Environments
Collaborative
Robot
Platform人とロボットとの役割分担
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人とロボットの役割分担イメージ
作業指示を受信→作業遂行
(案内、搬送、警備、清掃等)
環境分析と業務改善、ロボット・人の統合作業管理
RoboticBase™
対面状況認識→他ロボット・人への作業指示
環境認識
非定型処理対応(非定型タスク、災害時等)
コミュニケーションロボット
自律移動型ロボット
IoTデバイス、オープンデータ提供サービス
業務担当者
業務管理者
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RoboticBase™で実現する機能
IoTデバイスオープンデータとのインタフェース
サービスロボットとのインタフェース
業務統合システム統合
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ロボットプラットフォームが持つべきアーキテクチャのポイント①
⚫ 特定の環境に依存せず容易に運用できること– サービスロボットが果たすべき業務は幅広く、その業務にとって
必要十分なインフラを容易に調達し運用できなければならない
⚫ 既存の資産を再利用できること– サービスロボットが果たすべき業務は状況により柔軟に変わるため、
毎回ゼロからスクラッチで構築するのではなく、資産を再利用することで生産性を向上しなければならない
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ロボットプラットフォームが持つべきアーキテクチャのポイント②
⚫ 個々の技術要素が疎に連携して業務を構築できること– サービスロボットが果たすべき業務を構成するためには、ロボット
テクノロジーだけでなく、デバイス制御や業務プロセス設計、人が使いやすいUXなど、様々な技術要素が必要となる
– そのため、これらの技術要素がお互いに疎に連携することで業務を構築できるようにし、エンジニアの間口を広げなければならない
⚫ ソフトウェアやプロトコルがオープンであること– サービスロボットが果たすべき業務を継続的に維持運用できるように
するために、ロボットプラットフォームは誰でも動作が解析でき、必要であれば改変できるようにしなければならない
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⚫ RoboticBase-Coreは、Kubernetes上のマイクロサービスとして動作する、FIWAREを中心としたプラットフォーム
RoboticBase™のアーキテクチャのコンセプト
https://kubernetes.io/docs/tutorials/kubernetes-basics/deploy-app/deploy-intro/https://www.fiware.org/developers/
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クラウド上のFIWAREを中心としたハブ&スポーク構造
Orion
IDAS
Cygnus
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⚫ RoboticBase™のコア部分をOSS化– Kubernetes上へFIWAREやその他の
マイクロサービス群を構築するためのスクリプト類とコマンドリスト
– FIWAREだけではカバーしきれないため新規開発したマイクロサービスのソース
– ゲームパッドでロボットを操作するサンプルプログラム
⚫ 公開サイト(github)– https://github.com/tech-sketch/roboticbase-core
※URLは近日中に変更される可能性有
RoboticBaseTMのコア部分のオープンソース化
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会津大学における実証実験
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OGCについて
正式名称 一般社団法人オープンガバメント・コンソーシアムOpen Government Consortium (略称: OGC)
設立 2013年4月1日
目的
役員
会員数 41社 (2018/11時点)
分科会 (1) データヘルスケアプロジェクト分科会(2) オープンスマートシティ分科会(3) サイバーセキュリティ分科会(4) 高度IT人材育成分科会(5) エネルギー改革分科会(6) AI・ロボット分科会
(7) Fintech分科会(8) モビリティ分科会(9) 働き方改革分科会(10) API Economy分科会(11) 最新技術研究会
(1) オープンなクラウドの普及(2) オープンなスタンダードの普及(3) コスト構造改革の推進支援(4) 高度IT人材育成の支援
(5) 上記(1)、(2)、(3)、(4)の事業に関わる政府関係各省庁への意見表明及び具申(6) 上記の目的を達成するために必要な事業を行うこと
■会長 東京大学大学院情報学環 教授 須藤修■代表理事 アクセンチュア株式会社 中村彰二朗■副代表理事 日本電気株式会社 松口裕重■理事 株式会社シマンテック 池田昭雄
ソフトバンク株式会社 石岡幸則シスコシステムズ合同会社 萩原聡
■理事 株式会社チェンジ 高橋範光TIS株式会社 油谷実紀
■監事 ネットワンシステムズ株式会社 辻秀典■顧問 株式会社エル・カミノ・リアル 木寺祥友
インターネットITS協議会 長谷部孝彦
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OGC AI・ロボット分科会による提言―「人とロボットが共生する社会」実現に向けたグランドデザイン
https://ogc.or.jp/article/3788
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人とサービスロボットとの共生
https://ogc.or.jp/article/3788
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サービスロボットが人と共生する社会を実現するには
ロボットが人と共生する
ユースケース(実証実験)を通じて
プラットフォーム化へ
プラットフォーム整備
・R2R、R2Device、R2Person
・複数ロボットのコラボレーション
標準化整備
・インタフェース、データモデル
・セキュリティ
社会環境整備
・バリアフリー、安心・安全
・プライバシー、法規制
https://ogc.or.jp/article/3788
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⚫ 会津大学・OGCプレスリリース(2018/6/1)「OGC(AI・ロボット分科会)と会津大学が連携協定を締結
~「人とロボットの共生」を目指して、ロボット技術、AI、IoTの利活用を推進~
会津地域における実証実験計画
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31268900R00C18A6X20000/
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1. 目的
① 異種複数ロボット、IoT連携プラットフォームの機能および有効性検証
② 異種複数ロボットとIoTセンサーから取得する環境情報が協働するシステムの検証
③ ロボットが取得したカメラ画像の取扱いの検証
2. 期間
– 2018年11月5日~16日
3. 場所
– 会津大学「先端ICTラボ」(LICTiA=リクティア)
4. 体制と役割
「人とロボットの共生」の実現に向けた実証実験
会津大学・実証実験企画、評価・ロボットの移動および人・ロボット位置情報取得に関する開発
OGC・実証実験企画、評価・プラットフォームおよびIoTに関する開発
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実証実験シナリオ
参考:OGC分科会資料
1F受付ロボット
訪問者
1F誘導ロボット
Private
2F
1F
受付ロボット群が訪問者の目的地を確認し、指示を受けた誘導ロボットや人が目的地まで誘導する①1Fへの訪問者は、
受付ロボット傍に常駐する誘導ロボットが誘導
②2Fへの訪問者は、1F受付ロボットが2Fのロボットに連携
③3F(privateエリア)では、1F受付ロボットが入館権限を持った人を呼び出す
目的地ランプ2F受付
ロボット2F誘導
ロボット
顔認証用カメラ
3F誘導担当者
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ロボットと人の役割分担■1階受付: Pepper■1階誘導: TurtleBot2■2階受付: Pepper■2階誘導: TurtleBot2■3階受付・誘導: 人
実証実験のようす①
1Fエントランスで待機中のPepper
受付ロボットによる対話と待機中の誘導ロボット
自律移動型の誘導ロボット(TurtleBot2)
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LEDによる誘導 ロボットから一定間隔で送信される状況を可視化
実証実験のようす②
Azureの顔認証
天井カメラから移動体を検知し可視化
hbps://youtu.be/D9NPxxYgPa0
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⚫ https://youtu.be/D9NPxxYgPa0
実証実験のようす③
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⚫ 確認できたこと– 「人とロボットの共生」に向けたロボットプラットフォームの有用性– FIWAREによるロボットプラットフォームの実現性
⚫ 今後の取り組み– プラットフォームソフトウェアとしての機能の整備– スマートソサエティにおいてロボットがデータ利活用するための
ナレッジと事例の共有(DPC)– ロボットサービス設計手法(業務モデル、性能標準等)の確立
→日本ビルメンロボット協議会(JBMRC)、ロボット工業会等– 安心・安全なロボットサービスの実現– ロボットのための高品質で安定した通信環境
実証実験のまとめ