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HACCPとは ~HACCPをとりまく状況について~ 平成29年8月 近畿農政局食品企業課

HACCPとは - maff.go.jp · 本日の流れ 1 食品安全をめぐる状況 我が国の食品製造事業者における食中毒の発生状況 ®HPの現状 ()HPとは

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HACCPとは~HACCPをとりまく状況について~

平成29年8月

近畿農政局食品企業課

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本日の流れ

1

1 食品安全をめぐる状況

我が国の食品製造事業者における食中毒の発生状況

2 HACCPの現状

(1)HACCPとは

(2)国内外の取組状況

3 HACCPの制度化について

4 日本発の食品安全管理規格(JFS規格)

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2

1 食品安全をめぐる状況

~我が国の食品製造事業者における食中毒の発生状況~

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平成22年

23年 24年 25年 26年 27年 28年

事 件 数 (件) 9 6 13 10 8 7 6

患 者 数 (人) 287 446 1,319 394 1,467 183 160

ウイルス

ノロウイルス 78 17 1,037 385 1,386 147 7

細菌

サルモネラ属菌 153 18 - 7 - 3 -

ウエルシュ菌 - - - - - - -

カンピロバクター - - - - - - -

病原大腸菌(O157等)

- 287 169 - 78 - -

ぶどう球菌 5 84 111 - - 32 13

腸炎ビブリオ 45 - - - - -

その他(寄生虫、自然毒、化学物質等)

6 40 2 2 3 1 140

1事件当たりの患者数(人)

32 74 101 39 183 26 27

・食パン(1,271人)・弁当(55人)

・和菓子(55人)

・洋菓子(5人)

食中毒被害の発生状況

3

原因施設が「製造所」の食中毒の発生状況の推移

資料:厚生労働省食中毒統計をもとに作成

白菜浅漬(死者

8人含む)

団子等(死者1人含む)

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近年の食中毒事例とその発生要因

4

近年の食品事故のほとんどが、一般衛生管理への対応が不十分であることに起因して発生。

事例 H23.4

ユッケH24.8

白菜浅漬けH26.1

パン(学校給食)

H28.8

きゅうりゆかり和え(給食)

原因施設焼肉店食肉卸売(加工)業者?

漬物製造業者 パン製造業者給食施設(老人ホーム)

原因物質 O111 O157 ノロウイルス O157

発生要因(未特定のものを含む)

・原料牛肉表面の細菌汚染除去(トリミング)の処理の未実施等(飲食チェーン段階、卸売業者段階)・原料肉の自主検査の未実施等(飲食チェーン段階)

※4名死亡

殺菌工程の不備等の衛生管理上の問題?

※8名死亡

・製品の検品作業時に作業員の手袋を介して汚染?・手洗い不足、作業マニュアル不備?

※患者数1,271名

・食材の洗浄不十分?(流水洗浄のみ・殺菌工程なし)

※10名死亡

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白菜浅漬けによるO157集団食中毒事件を振り返って・・・

5

感染経路は特定されていないが、以下の問題が存在

○ 原材料の洗浄・殺菌に不備

例)殺菌前と後の原材料を取り扱う区域の区分が不十分

殺菌液の希釈時、濃度の調整は目分量

殺菌液の使い回しによる効力の低下を考慮せず

○ 施設・設備の管理に不備

例)樽、ふた等の器具の洗浄は水洗いのみ

床に直置きしていたホースを樽に直接入れて給水

この結果、8名死亡という犠牲、当該事業者の倒産だけでなく、全国的に白菜や漬け物が売れなくなり、業界全体や原料供給者にまで多大な影響が発生

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工場ではどうしてますか?

6

例えば

○ 従業員管理面

・手洗い方法、手袋の使用方法のルールを定めていますか?

・従業員全員が本当にルールを守っていますか?

・ルールを定めるだけでなく、効果を検証してますか?

○ 設備管理面

製造終了後、製造器具の小さいネジの紛失が判明!

⇒ ・対応ルールを定めていますか?

・いつネジが外れたのか断定できますか?

(昨日は外れていなかったと証明できますか?)

・予防策はとれなかったのですか?

安全性の向上は、小さな基本の積み重ね

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2 HACCPの現状

(1)HACCPとは

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HACCPとは

8

1 原材料の受入れから最終製品までの各工程ごとに、微生物による汚染、金属の混入などの危害要因を分析(HA)した上で、危害の防止につながる特に重要な工程(CCP)を継続的に監視・記録する「工程管理システム」

2 これまでの品質管理の手法である最終製品の抜取検査に比べ、より効果的に問題のある製品の出荷を未然に防ぐことが可能

HACCP方式

継続的な監視・記録

※重要管理点(CCP)の例

異物の検出温度の管理

HA (Hazard Analysis)

危害要因の分析 微生物、異物など

CCP(Critical Control Point)

重要管理点 加熱工程における温度、時間など

工程例

原材料

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HACCPとは

9

※重要管理点(CCP)の例

温度の管理③ CCP(Critical Control Point)を決める

重要管理点 加熱工程における温度、時間など

異物の検出

工程例

原材料

重要管理点

② HA (Hazard Analysis)を行う

危害要因の分析 微生物、異物など

① 製品の概要、工程を整理する

④ 継続的な監視・記録

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HACCPシステムの誕生

10

○ 1993年、FAO/WHO合同食品規格委員会(コーデックス委員会)が「食品衛生の一般原則」の附属文書として「HACCPシステム及びその適用のためのガイドライン」を公表。

【いわゆる、コーデックスHACCP】

○ 1960年代 アメリカのアポロ計画の一環で開発

〔目的:宇宙食の安全確保〕

製造後の“製品検査” → 事前の“分析”をもとに製造工程を管理

○ 1973年 アメリカで低酸性缶詰の製造基準に

HACCPシステムの考え方を取り入れる

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HACCPの簡単な説明

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○ HACCPをわかりやすく見てみよう

別紙の食品産業センターの資料

○ HACCPは企業だけの問題ではない

家庭でも同じ事原材料

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(参考)コーデックス規格におけるHACCP

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○危害要因分析のための準備段階手順 1:HACCPチームの編成手順 2:製品についての記述手順 3:意図する用途の特定手順 4:製造工程一覧図の作成手順 5:製造工程一覧図の現場での確認

○危害要因分析、HACCPプランの作成手順 6:危害要因の分析 (原則1)手順 7:重要管理点(CCP)の決定(原則2)手順 8:管理基準の設定 (原則3)手順 9:モニタリング方法の設定 (原則4)手順 10:改善措置の設定 (原則5)手順 11:検証方法の設定 (原則6)手順 12:文書化及び記録の保持 (原則7)

※Point

危害要因の分析、管理手法の設定・運営についての作業手順を規定したもの。

施設や設備の整備についての規定ではありません。

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事後対応 未然防止

対応時点 事故が起こった後 事故が起こる前

考え方 被害の拡大防止 被害の発生そのものを未然防止

被害発生リスク

大きい 小さい

1 事後対応から未然防止へ

HACCP導入の必要性(1)

13

食品の安全性が向上

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HACCP導入の必要性(2)

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○ 食品製造段階と消費の分離

食の外部化・複雑化により、消費者から農業生産や食品流通が見えにくい

○ 調達のグローバル化

原材料や加工食品の調達・供給は、国内にとどまらずグローバル化が進展

○ 事故が起きた場合の被害の最小化、原因究明

食品製造過程における記録等の科学的な根拠・証明の必要性が増加

2 科学的根拠の提示の必要性

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2 HACCPの現状

(2)国内外の取組状況

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ブラジル1998 年 に 動 物 由 来 食 品 にHACCPの段階的導入を開始、2011年に水産食品についてHACCP導入を義務付け

ベトナム:HACCP導入を検討中

ロシア:HACCP導入を検討中

メキシコ:HACCP導入を検討中

台湾:2003年より、水産食品、食肉製品、乳製品について、順次HACCP導入を義務付け

中国:2009年より、食品安全法においてHACCP導入による食品安全管理水準の向上を奨励

GCC諸国:2015年9月に施行されたGCC共通食品輸入規制において、HACCP導入を規定

EU:2006年より、一次産品を除くすべての食品について、HACCP導入を義務付け

カナダ:1992年より、水産食品、食肉 製 品 に つ い て 、順 次HACCP導入を義務付け

米国:2011年に成立した食品安全強化法により、国内で消費される食品すべてについて、HACCP導入を義務付け

日本:HACCP導入を検討中

農林水産物・食品の輸出額上位15か国(億円・平成27年度実績)

1. 香 港 1,794 6. E U 400 11. フィリピン 95

2. 米 国 1,071 7. タ イ 358 12. マレーシア 83

3. 台 湾 952 8. ベトナム 345 13. カナダ 81

4. 中 国 839 9. シンガポール 233 14. UAE 75

5. 韓 国 501 10. 豪 州 120 15. インドネシア 64

韓国:2016年2月に施行される輸入食品安全管理特別法において、畜産物についてHACCP導入の有無により輸入時検査等を区分

厚生労働省資料

海外におけるHACCP導入の動き

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出典:平成18年度は「食品産業動向調査」、平成22年度以降は「食品製造業におけるHACCPの導入状況実態調査」(農林水産省調べ)。

HACCPの導入状況

17 17

零細規模層(1億円未満)

中小規模層(1億~50億円)

大規模層(50億円以上)

平成18年度 15% 5% 16% 70%

平成22年度 19% 7% 22% 75%

平成23年度 24% 9% 27% 72%

平成24年度 24% 8% 27% 82%

平成25年度 23% 12% 28% 77%

平成26年度 29% 14% 34% 87%

平成27年度 29% 15% 35% 88%

平成28年度 37% 21% 45% 83%

全体

販売金額規模別

○ 導入率は、全体で4割程度。

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3 HACCPの制度化について

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厚生労働省「食品衛生管理の国際標準化に関する検討会最終とりまとめ」(平成28 年12 月)

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HACCPの導入により、食品の安全性の向上を図る必要があるとの観点から、平成28年3月から12月まで、厚生労働省においてHACCPの制度化について検討。

10月14日に中間とりまとめが公表され、11月15日まで意見募集を実施、 12月26日に最終とりまとめを公表。(最終とりまとめは、http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000146747.html に掲載)

これを受けて、厚生労働省が制度設計を行う予定。

厚生労働省資料を基に作成

【制度のあり方の方向性】

フードチェーンを構成する食品の製造・加工、調理、販売等を行う全ての食品等事業者が対象。

食品等事業者は、一般衛生管理及びHACCPによる衛生管理のための「衛生管理計画」を作成。

・基準A :コーデックスHACCPの7原則を要件とするもの。

・基準B :一般衛生管理を基本として、事業者の実情を踏まえた手引書等を参考に必要に応じて重要管理点を設けて管理するなど、弾力的な取扱いを可能とするもの。小規模事業者や一定の業種等(注)が対象

(注)一定の業種等とは、当該店舗での小売のみを目的とした製造・加工、調理を行っている事業者 / 提供する食品の種類が多く、かつ、変更頻度が高い業種 / 一般衛生管理で管理が可能な業種等(飲食業、販売業等)

※ISO22000、FSSC22000、JFS 等既存の民間認証(略)は、基準Aが要求するコーデックスHACCPと同様の要件である

ことから、営業許可等の申請書類の提出時、監視指導計画の策定や監視業務に際し、これらの民間認証のために作成された資料や認定書、監査の結果等も活用してHACCPによる衛生管理の実施状況を確認すること等により、監視指導の効率化や事業者の負担軽減を図ることに十分配慮すべきである。

○ 対象事業者

○衛生管理計画の作成

○HACCPによる衛生管理の基準

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適用する基準の考え方

HACCP 衛生管理計画 制度化の要求事項

基準A

Codexのガイドラインで示されたHACCP

(7原則)

HACCPプランの作成

以下の内容(7原則)を全て実施・危害要因分析・重要管理点の決定・管理基準の設定・モニタリング方法の設定・改善措置の設定・検証方法の設定・記録と保存方法の設定

基準BHACCPの考え方に基づ

く衛生管理を実施HACCPの考え方に基づく

衛生管理計画を作成危害要因分析、モニタリング頻度、記録作成・保管の弾力化を検討

〇 コーデックスHACCPの7原則を要件とする基準(基準A)と、弾力的な運用を可能とするHACCPの考え方に基づく衛生管理を要件とする基準(基準B)を設ける。

厚生労働省資料を元に農林水産省で作成

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①一般衛生管理の着実な実施が不可欠一般衛生管理は、食品の安全性を確保する上で必ず実施しなければならない基本的な事項であり、加

えて、食中毒の原因の多くは一般衛生管理の実施の不備であることから、食品の安全性を確保するため

には、施設設備、機械器具等の衛生管理、食品取扱者の健康や衛生の管理等の一般衛生管理を着実に実

施することが不可欠である。このため、一般衛生管理をより実行性のある仕組みとする必要がある。

②その上で、HACCPによる衛生管理の手法を取り入れるそれぞれの事業者が使用する原材料、製造方法に応じて、食中毒菌汚染、異物混入等の危害要因を把

握し、それらの食品衛生上問題のないレベルにまで除去又は低減するために特に重要な工程を管理し、

検証・改善する仕組みを自ら構築し、実行することにより、我が国の食品の安全性の更なる向上を図る

ことが必要である。

Ⅲ HACCPの制度化のあり方 ~1 具体的な枠組み~

衛生管理についての基本的な考え方

一般衛生管理

HACCP

基本的な考え方

厚生労働省資料

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4 日本発の食品安全管理規格(JFS規格)

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食品の安全管理に求められること

業界内での取組向上

人材育成

海外との調和

海外への情報発信

取組の「見える化」

規格認証スキーム

統一的なもの国際的に通用するもの

実質的に機能するもの・信頼性・規制や国標標準との調和

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HACCPを含む認証の仕組み

<国際的なもの>

ISO22000

FSSC22000

SQF

米国向けHACCP認定

E U 向けHACCP認定 等

<国内のもの>

自治体HACCP

業界HACCP 等

HACCPの導入において、認証の仕組みを活用することも有効

ただし、規制にも国際的な基準にも整合している必要

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日本発の食品安全管理規格・認証スキーム構築の目的

【食品安全等対策レベルの向上】・ 業界全体の食品安全等対策レベル向上

・ HACCP義務化への対応

・ 標準的な教育による効率的習得

【品質管理の効率化・有効化】・ 業界横断的な共有による監査の効率化

・ 国内における課題解決に寄与

【認証ハードルの低減】・ 国際的な規格による認証取得のハードルの低減

(言語・背景の違いによるわかりにくさ等の解消)

⇒ 国際的取引で有効(評価される)

【輸出促進】・ 外国の規制への対応、外国との相互承認の素地を作る・ 国際的取引での活用(納入・調達基準)

【日本の食料産業の存在感、発言力の向上】・ スキーム作成の経験、保持が、国際的な標準化(ルールメーキング)への参画を可能にし、プレゼンスや発言力を向上

【世界の食品安全への貢献】・ 海外展開先での取組のレベルアップへの活用・フードチェーンを通じた食品安全等への取組の促進

【世界への和食とそれに使われる産品の展開・普及】

ビジネスの力により以下を実現

将来にわたる国際競争力の維持・向上に寄与する

国 内 海 外

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日本発の食品安全管理規格・認証スキーム構築の経緯

食品安全マネジメント等推進に向けた準備委員会

食料産業における国際標準戦略検討会平成26年

5月~8月(農林水産省主催)

(有志の食品関係企業と農林水産省との共同開催)

【検討内容】 ① 必要となる規格・認証スキームの内容、人材育成の具体的方法 、情報発信の内容と具体的方法の検討② 各種情報の収集、調整等

一般財団法人 食品安全マネジメント協会 設立( Japan Food Safety Management Association 略称:JFSM )

平成27年1月~

平成28年1月

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日本発の民間の食品安全管理規格(JFS規格)の推進①

JFSMが策定するJFS規格の特徴(Japan Food Safety)

○ 中小事業者にとっても取り組みやすい段

階的な仕組み

○ 日本の企業文化、食文化になじみやすい○ 日本の事業者に分かりやすい

●組織に対する要求事項

1.マネジメント・システム経営トップの関与、組織体制、PDCAサイクル など

2.HACCP危害要因分析をして、重要管理点を定め、管理して記録をとるシステム

3.適正製造規範(一般衛生管理)

手洗い、清掃、微生物・異物混入対策、原材料管理 など

●認証の仕組みに対する要求事項

・運営主体に対する要求事項・認定機関に対する要求事項・認証機関に対する要求事項

・現場からの改善提案を活用する仕組みがあること

現場や食文化に即したガ イド ラインの整備

・規格を分かりやすく解説

・生食・発酵食品を含めた日本の独特な食品等の安全な取扱方法を、科学的根拠をベースとして説明。

(例:惣菜の管理、味噌の管理等)

国際標準と共通する部分 日本発の特徴

A

規格

B

規格

C

規格

国際取引に使われる

HACCPの実施を含む

一般衛生管理を中心

要求事項の種類

段階

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監査員等の評価

認証

認証機関

契約

(食品事業者への認証を実施)

認定機関

契約

認定

監査会社(業界団体、取引企業等)

監査・適合証明

JFSMへの登録申請

監査員等の登録

(一財)食品安全マネジメント協会 (略称:JFSM)

食品事業者

JFS-Cスキーム国際的に運用させるべく、ISO等の認証の仕組みを活用

JFS-A/B監査及び適合証明プログラム(国内で独自で確認する仕組みを構築)

JFS(Japan Food Safety)規格の認証等の仕組み

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規格を作り認証の仕組みを運営する民間機関

「一般財団法人食品安全マネジメント協会」(理事長:西谷徳治)(平成28年1月~)

(英文名 Japan Food Safety Management Association

略称 JFSM)

一般財団法人 食品安全マネジメント協会

【ミッション】フードチェーンを通じた食品安全及び信頼確保の取組向上と標準化によるコストの最適化を目的として、

① 規格、ガイドライン等の作成と認証の運営② 食品業界内の人材育成③ 情報収集と発信

■法人会員(食品関係事業者) 66社

■業界団体会員 3団体

■賛助会員(食品関係事業者以外) 42社

■個人会員 22名

合計 133(平成29年5月16日現在)

会 員

・ 平成28年1月

規格を策定し、認証の仕組み等を運営する「一般財団法人 食品安全マネジメント協会」(JFSM)設立。

・ 平成28年7月

日本発の国際的な基準と整合する製造分野の食品安全管理規格(JFS-E-C規格)と認証の仕組みを公表。(9月に認証第1号 が誕生し、平成29年1月末までに5件の認証が実施された。)

・ 平成28年10月

中小事業者向けプログラムである一般衛生管理が中心の規格(JFS-E-A規格)、HACCPの実施を含む規格(JFS-E-B規格) 等を公表。

経緯

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JFS-E規格の構成

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規格の要素

ハザード制御(HACCP)

適正製造規範(GMP)

食品安全マネジメントシステム

(FSM)

FSM 1 食品安全マネジメントシステム一般要求事項FSM 2 食品安全の方針 FSM 2 食品安全の方針 FSM 2 食品安全の方針

FSM 3 食品安全マニュアルFSM 4 経営者の責任 FSM 4 経営者の責任 FSM 4 トップマネジメントの責任FSM 5 経営者の積極的関与 FSM 5 経営者の積極的関与 FSM 5 トップマネジメントの積極的関与

FSM 6 マネジメントレビューFSM 7 資源の管理 FSM 7 資源の管理 FSM 7 資源の管理FSM 8 記録の管理 FSM 8 文書・記録の管理 FSM 8 文書・記録の管理

FSM 9 購入するまたは供給を受ける物及びサービスの仕様の管理

FSM 10 手順 FSM 10 手順FSM 11 内部監査

FSM 12 不適合への対応 FSM 12 不適合への対応 FSM 12 不適合への対応FSM 13 是正処置 FSM 13 是正処置 FSM 13 是正処置FSM 14 製品の出荷 FSM 14 製品の出荷 FSM 14 製品のリリース

FSM 15 購買 FSM 15 購買FSM 16 サプライヤーのパフォーマンス FSM 16 サプライヤーのパフォーマンス

FSM 17 外注FSM 18 苦情への対応 FSM 18 苦情への対応

FSM 19 現場からの改善提案の活用FSM 20 重大事故管理 FSM 20 重大事故管理 FSM 20 重大事故管理FSM 21 測定・モニタリング装置・機器の管理 FSM 21 測定・モニタリング装置・機器の管理 FSM 21 測定・モニタリング装置・機器の管理

FSM 22 食品防御 FSM 22 食品防御FSM 23 製品表示 FSM 23 製品表示

FSM 24 トレーサビリティ  FSM 24 トレーサビリティ  FSM 24 トレーサビリティ FSM 25 検査 FSM 25 検査

FSM 26 食品偽装防止対策FSM 27 検証活動及び結果の分析FSM 28 食品安全マネジメントシステムの更新

ハザード制御 HACCP手順1~5 ハザード制御 HACCP手順1~5 ハザード制御 HACCP手順1~5

ハザード制御 HACCP手順6~12 ハザード制御 HACCP手順6~12

GMP 1 立地環境GMP 2 敷地管理 GMP 2 敷地管理 GMP 2 敷地管理GMP 3 施設・設備の設計、施工、配置及び製造ライン GMP 3 施設・設備の設計、施工、配置及び製造ライン GMP 3 施設・設備の設計、施工、配置及び製造ライン

GMP 4 製造・保管区域の仕様・ユーティリティの管理 GMP 4 製造・保管区域の仕様・ユーティリティの管理GMP 5 装置・器具 GMP 5 装置・器具GMP 6 保守 GMP 6 保守

GMP 7 従業員用の施設 GMP 7 従業員用の施設 GMP 7 従業員用の施設GMP 8 汚染リスクの特定・管理 GMP 8 汚染リスクの特定・管理 GMP 8 物理的、化学的、生物学的製品汚染リスクGMP 9 交差汚染 GMP 9 交差汚染 GMP 9 隔離と交差汚染GMP 10 在庫の管理 GMP 10 在庫の管理 GMP 10 在庫の管理GMP 11 整理整頓、清掃、衛生 GMP 11 整理整頓、清掃、衛生 GMP 11 整理整頓、清掃、衛生GMP 12 水や氷の管理 GMP 12 水や氷の管理 GMP 12 水や氷の管理GMP 13 廃棄物の管理 GMP 13 廃棄物の管理 GMP 13 廃棄物の管理GMP 14 有害生物防除 GMP 14 有害生物防除 GMP 14 有害生物防除GMP 15 輸送 GMP 15 輸送 GMP 15 輸送GMP 16 従業員等の衛生及び健康管理 GMP 16 従業員等の衛生及び健康管理 GMP 16 従業員等の衛生及び健康管理GMP 17 教育・訓練 GMP 17 教育・訓練 GMP 17 教育・訓練

A規格24項目+HACCP手順1~5

B規格34項目+HACCP手順1~12

C規格45項目+HACCP手順1~12

Page 32: HACCPとは - maff.go.jp · 本日の流れ 1 食品安全をめぐる状況 我が国の食品製造事業者における食中毒の発生状況 ®HPの現状 ()HPとは

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