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HPCの教育における利用
九州大学安浦寛人
19/04/19 1
hraraiテキスト ボックス資料2
我が国の文教および科学振興費と教育改革
国税庁HPより
平成30年度当初予算u 教育は国の未来への投資Ø 教育は国の巨大産業(文科省H29年度)
• 学校数: 56,643校• 在学者数:18,886,465人• 教員数:195万人、職員数:46万人
u Society5.0の中での教育のあり方Ø ICTを活用した新しい教育手法
• 電子教材とネット接続(SINET)• e-LearningやMOOCs• LearningAnalytics• 学習法や教育手法の変化• 学習履歴データベース
Ø AIやデータ科学の基礎教育• AI時代の社会常識• データ活用社会への適応教育
Ø スポーツの発展• データを活用した指導や観戦• データと脳科学の連携
Ø 技能や芸能の指導と伝承• 音楽、舞踊、絵画、映像など• 新しい芸術の創出19/04/19 2
Society5.0と教育
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情報工学 データ工学
認知科学 脳科学
教育学 心理学
教育工学人間工学・AI
学習科学
教育データ科学
項目 従来の研究 本研究(教育データ科学)
教材/教育改善 教師の主観や経験が中心 データ分析に基づく意思決定中心
学生/教員評価 試験やアンケートが中心 プロセスのデータ分析中心
講義形式 計画に従って実施 データを基に適応的に実施
研究方法 観察、質問紙、試験中心大量の学習ログの分析中心(オープンサイエンスによる研究促進)
19/04/19 3
LearningAnalytics(LA)の例九州大学:M2B システム(2014〜)
19/04/19 4九州大学ラーニング・アナリティクスセンター
学習ログの蓄積状況(九大) 1.13億ログ (2019年2月3日時点)
Moodle56%
BookLooper15%
BookRoll29%
Moodle BookLooper BookRoll
0
20
40
60
80
100
120
2014 2015 2016 2017 2018 (
u LAにおける学習ログの収集(九大)Ø 500ログ/人・時間(現状)Ø 1,600コース(現状)Ø 200,000ログ/日(現状)
• 教科書などの操作• 学習メモ、日誌など
Ø 40GB/日(現状)u 1,500万人の生徒が使うと仮定
Ø 6時間の学習時間としてØ 3,000ログ(600kB)/人・日Ø 年間200日で120MB/人Ø 1年間で1.8PBのデータ
u データ収集の計算量としてはØ 現在、九大では70GFlopsの負荷Ø センシング項目の増加と全コースで利用す
ると約1万倍(0.7PFlops)Ø 100大学で70PFlops必要
u LAから得られる効果(予測)Ø 個人やクラスの学習空間モデル構築Ø カリキュラムや教科書改訂の効果測定Ø 教育改革施策の効果予測Ø 落ちこぼれや天才的才能の早期発見
5
九州大学ラーニング・アナリティクスセンター
学習履歴データベース
保育園幼稚園 小学校 中学校 高校 大学 大学院
社会人教育MOOC/大学など
社会人としての職歴など
学歴
Cloud学習履歴DB
CloudBlockChainの利用
資格
教育機関教育サービス企業(雇用主)行政資格認定機関研究者・政策立案者学習者(保護者)
アクセス管理と記載内容の保証
アクセス管理
入学・修学・卒業に関する情報の記入と参照
企業の採用や教育効果の確認等に関する情報の参照
個人情報
統計情報
本人(保護者) 6
入学試験や入社試験のない時代
補足資料
19/04/19 7
データに基づく教育・学習改善の例1/2
教師が授業中の話し方・スピードの改善に役立てた
電子教材閲覧ログデータの活用
担当教員のミーティングにおいて提示し、教員による教え方の違い等に着目して改善すべき点を議論した
第1回の授業 第2回の授業 第3回の授業 第4回の授業
教師1
教師2
教師3
教師4
教師5
教師6
教師7
教師8
教師9
教師10
教材閲覧ログデータの比較
教師よりも前のスライドを閲覧
教師よりも先のスライドを閲覧
1 2 3 4
10
授業開始 授業終了(90分後)
一人の学生を一行で表現
(百数十名のクラス)
受講者の教材閲覧状況 (教師がその場で確認できる)
続けて別のクラスで行われた同一教師による同じ内容の授業(教師が説明中の資料を同時に自分のパソコンで見ている学生が増加)
授業開始 授業終了 (90分後)
授業開始 授業終了 (90分後)
1
44
1
44
表示中のページ
表示中のページ
明るい色ほど人数が多い
19/04/19 8
九州大学ラーニング・アナリティクスセンター
学習日誌
学んだこと、分からなかったことなど
eポートフォリオ(学習日誌)データの活用
学習日誌データベース 学生の理解度や疑問点などを従来より詳細に把握し素早く対応できた。100~200名のクラスにおいても教員への過大な負担とならず、学生からも好評を得た
学生によるeラーニングシステムの積極的な利用につながったことなどが示唆される
電子教材閲覧ログデータとeポートフォリオデータの統合活用 アクティブラーナーポイントの可視化(学生の画面)
データに基づく教育・学習改善の例2/2
自分のポイント
クラスの平均
アクティブラーナーポイントとは、以下の学習ログデータをそれぞれ点数化・重み付けして加算したもの: ・出席 ・小テスト ・レポート ・コース閲覧数 ・学習日誌の文字数 ・教材上にマーカーを付与した数 ・教材閲覧時間 ・教材上で行った操作の数 ・教材上にメモを付与した数
日誌の内容に基づいて、学生に回答・コメント
テキストマイニング技術を用いて、大人数クラスの日誌データも一瞥して把握できるよう
に提示
19/04/19 9九州大学ラーニング・アナリティクスセンター