当ファイルの著作権は㈱薬事日報社またはコンテンツ提供者に帰属します。当ファイル(印刷物含む)の利用は私的利用の範囲内に限られ、それ以 外の無断複製・無断転載・無断引用はご遠慮ください。当ファイル(印刷物含む)を社内資料、営業資料などでご利用される場合はご相談ください。 株式会社薬事日報社 TEL:03-3862-2141 [email protected] http://www.yakuji.co.jp/ ( 1 ) 第12305号 2020 (令和2) 年 5 月11日 月曜日 © (       ) 昭和十八年二月八日 第三種郵便物認可 THE YAKUJI NIPPO Pharmaceutical News 金 発行 薬事日報社 東京本社 〒101-8648 東京都千代田区神田和泉町1 ☎(03)3 8 6 2 - 2 1 4 1 (03)5 8 2 1 - 8 7 5 7 大阪支社 〒541-0045 大阪市中央区道修町2-1-10 ☎(06)6 2 0 3 - 4 1 9 1 (06)6 2 3 3 - 3 6 8 1 購 読 料  半年19,764円 (税込)  1年36,234円 柴㟢氏らに瑞中 20年春の勲章…2 薬局経営の支援要望 日薬……………3 抗コロナ薬の開発着手 ペプチドリーム… ……7 特集 45 ドリンク剤きょうの紙面 本号8ページ 辿29 10 米ギリアド 10 10 使10 退50 10 10 11 14 退14 64 10 53 退10 11 71 10 74 10 10 使10 国際医療研究センター薬剤部 使使95 退新型コロナウイルス感染者に対する病院薬剤師の活動 (フローチャート) 寺門氏 •••••••••••••••••••••••••••••••••••••••

( 1 ) 1 第三種郵便物認可 11昭和十八年二月八日 …...( 1 ) 1 第三種郵便物認可 THE YAKUJI NIPPO( Pharmaceutical News ) 2020(令和2 ... 71%、

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Page 1: ( 1 ) 1 第三種郵便物認可 11昭和十八年二月八日 …...( 1 ) 1 第三種郵便物認可 THE YAKUJI NIPPO( Pharmaceutical News ) 2020(令和2 ... 71%、

当ファイルの著作権は㈱薬事日報社またはコンテンツ提供者に帰属します。当ファイル(印刷物含む)の利用は私的利用の範囲内に限られ、それ以外の無断複製・無断転載・無断引用はご遠慮ください。当ファイル(印刷物含む)を社内資料、営業資料などでご利用される場合はご相談ください。

株式会社薬事日報社 TEL:03-3862-2141 [email protected] http://www.yakuji.co.jp/

( 1 ) 第12305号 2020(令和2)年 5 月11日 月曜日 ©(       )昭和十八年二月八日第三種郵便物認可 THE YAKUJI NIPPO ( Pharmaceutical News )

月 水 金 発行

薬事日報社東京本社� 〒101-8648東京都千代田区神田和泉町1  ☎(03)3 8 6 2 - 2 1 4 1  ℻(03)5 8 2 1 - 8 7 5 7大阪支社� 〒541-0045大阪市中央区道修町2-1-10  ☎(06)6 2 0 3 - 4 1 9 1  ℻(06)6 2 3 3 - 3 6 8 1 購 読 料  半年19,764円 (税込)  1年36,234円

柴㟢氏らに瑞中 20年春の勲章……2薬局経営の支援要望 日薬………………3抗コロナ薬の開発着手 ペプチドリーム………7特集 4~5〈ドリンク剤〉

きょうの紙面

本号8ページ

◆新型コロナ

ウイルス関連

の話題一色と

なって数カ月

が経過した。

感染者数と死

者数は一向に収まる気配

を見せず、増加の一途を

辿っている。一部沈静化

の傾向も見られるが、世

界規模で感染拡大は進ん

でおり、言い古された表

現だが、これは人類とウ

イルスとの戦争である◆

これまで人類は甚大な被

害を出しつつも何度とな

くこの戦いに勝利してき

た。今回もできる限り最

小の被害で打ち勝つこと

を信じたい。マスコミも

そうだが、多くの業種は

直接人々の生命と生活に

大きな影響を及ぼす仕事

ではない◆一方、命や生

活の危機に直結する仕事

がある。医療関係、行政

などの公務、食料を提供

する小売、輸配送などで

ある。これらメディカル

とライフ・インフラを支

えるエッセンシャルワー

カーの労働環境は過酷を

極めていると聞く◆身の

危険を顧みず懸命に人々

や社会を守る活躍に改め

て最大限の敬意と感謝を

表したい。われわれには

自分たちできることを着

実に遂行することが求め

られており、その実現が

結果として日本を救うこ

とにつながる。

 

米ギリアド・サ

イエンシズは米国

時間の4月29日、

新型コロナウイルス感染症

の重症入院患者を対象とし

た抗ウイルス薬「レムデシ

ビル」の第Ⅲ相試験で、患

者の半数以上で臨床症状の

改善を示す速報結果を発表

した。臨床試験結果でレム

デシビルの有効性が示され

るのは初の事例となる。レ

ムデシビルの5日間投与群

と10日間投与群で同程度の

有効性が確認されており、

治療期間の短縮につながる

可能性もある。試験結果の

 

感染症指定医療機関として新型コロナウイルス感染症患者を受

け入れている国立国際医療研究センター病院で診療支援を行って

いる同院薬剤部は、感染リスクを最小限にし、感染疑いの患者や

入院患者に対応するためのマニュアルをまとめた。寺門浩之薬剤

部長は、「今後さらに患者が増えれば、指定医療機関以外の病院

でも薬剤師が医師、看護師などとチームで対応していかなければ

ならなくなる」と指摘。「マニュアルを参考にしてもらい、積極

的に関わる薬剤師が増えることを期待したい」と話している。

 

同院では、患者の症状に

応じて一般病棟(感染疑い

患者)、陰圧病棟(中等症

患者)、ICU病棟(重症

患者)に振り分け、それぞ

れの病棟で薬剤師が必要な

対応を行っている。

コロナ重症患者に5日投与

治験で初の有効性

米ギリアド

詳細データは今後数週間以

内に論文などで発表する予

定だ。

 

第Ⅲ相試験では日本を含

めた世界各国180施設を

対象に重症患者に対するレ

ムデシビル静脈内投与の有

効性・安全性を検討してい

る。同試験と並行して実施

されている医師主導治験で

は、レムデシビル10日間投

与による有効性が検討され

ているが、ギリアドでは最

適な投与期間を確認するた

め、10日間の投与期間を5

日間に短縮した場合に同等

の有効性が得られるかを評

価した。

 

今回、第Ⅲ相試験の一部

として肺炎の所見があり、

人工呼吸器非使用の酵素飽

和度の低下が見られる患者

397人を解析した。標準

治療への上乗せ治療として

レムデシビル5日間投与群

と10日間投与群に割り付

け、退院、人工呼吸器・体

外式膜型人工肺(エクモ)

などの必要性、死亡など七

つの段階に臨床指標を定義

し、試験開始の評価スケー

ルから2段階以上改善した

ものを臨床的改善として両

群を比較した。

 

その結果、臨床的改善が

患者の50%に認められるま

での期間は、5日間投与群

が10日、10日間投与が11日

となり、両群とも半数以上

の患者が14日目までに退院

した。投与開始から第14日

には、5日投与群の64・

5%、10日投与群の53・

8%が酵素療法と治療が不

要になるか、退院に至る

臨床的回復に到達してい

た。死亡は5日間投与群が

8%、10日間投与群が11%

だった。

 

安全性については、5日

間投与群の71%、10日間投

与群の74%に有害事象が確

認されたが、重篤な薬剤関

連有害事象は両群ともに

2%、投与中止に至った有

害事象は5日間投与群が

5%、10日間投与群が10%

となった。

 

今回の試験結果につい

て、同社は「一部の患者で

は5日間の治療を受けられ

る可能性を示している」と

評価しており、米国立アレ

ルギー感染症研究所が実施

中のレムデシビルのプラセ

ボ対照試験を補完するデー

タとして役立てたい考え。

 

今後、重症患者を対象に

人工呼吸器の使用例を含む

5600人まで追加登録

し、第Ⅲ相試験を拡大する

予定。中等度の新型コロナ

ウイルス感染症患者につい

ても、標準治療にレムデシ

ビルの5日間投与と10日間

投与の上乗せ効果を検討す

る第Ⅲ相試験が進行中で、

今月末に600人を対象と

した結果が得られる見込

み。

 

現時点で同剤が承認され

ている国はないが、厚生労

働省が通常より早期に承認

する「特例承認制度」を適

用する方針を示している。

レムデシビル

国際医療研究センター薬剤部

感染患者の受入れ経験共有へ

 

新型コロナウイルス感染

症患者に対応する薬剤師は

1人の専従とし、横断的に

三つの病棟で活動。新型コ

ロナウイルス感染症担当薬

剤師は、夜勤をはじめ、土

日の日直業務から外して平

日日勤のみとしている。ま

た、他の不特定多数の患者

と接触しないよう他病棟の

患者対応や外来窓口対応か

ら外し、チーム医療のラウ

ンド参加も中止している。

 

サポート薬剤師も1人配

置している。寺門氏は「感

染が長期化すれば、専従の

薬剤師を複数名にするなど

バックアップ体制を整えて

おいた方がよい」と話す。

 

一般病棟に入室している

感染疑い患者は、他の患者

とは完全に隔離されてい

る。翌日に判明する検査結

果で陽性だった場合は、陰

圧病棟に移さ

れ、新型コロナ

ウイルス感染症

担当薬剤師が必

要な対応を行

う。陰性の患者

は他の一般病棟

に移され、転棟

先の病棟を担当

する薬剤師と情

報共有を行う。

 

中等症患者に

対応する陰圧病

棟では、入院患

者に持参薬があ

る場合はナース

ステーションには持ち込ま

ず、患者の病室内で新型コ

ロナウイルス感染症担当薬

剤師が聞き取りをして鑑別

を行う。

 

持参薬は、ウイルス汚染

の観点から看護師による管

理が難しいため原則不使用

とし、院内処方に切り替え

る。ただ、外国籍患者が服

用する海外の医薬品など、

院内処方できない特殊な薬

剤は持参薬を使用する。

 

主治医の依頼による服薬

指導は、新型コロナウイル

ス感染症担当薬剤師が患者

の状態を確認しながら行

う。薬歴を確認し、必要と

判断される場合は、主治医

と相談した上で服薬指導を

行っている。

 

重症化した患者はICU

に移され、呼吸管理が行わ

れる。ICUでの通常業務

はICU担当薬剤師が行う

が、患者に接触しなければ

ならない場合は、新型コロ

ナウイルス感染症担当薬剤

師が対応し、ICU担当薬

剤師と情報共有する。

 

感染患者と接触する際に

は、N95マスク、シールド

付きマスク、帽子、ガウン、

手袋などの個人防護具(P

PE)を装着する。薬剤師

はブルーのビニールガウン

を装着。退室の際、PPE

は部屋に設置された廃棄

ボックスに廃棄し、着脱時

は適切なタイミングで必ず

手指消毒を行う。

 

同院では、多くの新型コ

ロナウイルス感染症患者を

受け入れていることもあ

り、薬剤部としての対応に

ついて問い合わせが少なく

ない。寺門氏は「自施設で

の取り組みを公表すること

は、他施設の参考になる」

と話している。

新型コロナウイルス感染者に対する病院薬剤師の活動(フローチャート)

寺門氏

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新型コロナ対応でマニュアル