( 1 ) 立教池袋中・高校通信 2019年度 第3号 (通刊 217号) 2019.10.4 Rutgers Summer Jazz Institute Mamma Mia 使EXPO-2019 ʻ“All real life is encounter.Martin Buber Pro Deo et Patria

( 1 ) 立教池袋中・高校通信 2019年度 第3号 Pro …ikebukuro.rikkyo.ac.jp/information/_asset/pdf/horuto217.pdfPro Deo et Patria 国際プログラムなど ( 2 )

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( 1 ) 立教池袋中・高校通信 2019年度 第3号 (通刊 217号) 2019.10.4ホ ル ト ノ キ

トビタテ留学ジャパン

第五期生 

立教池袋第一号

 

今年の夏休みに私は人生

で初めて一人でアメリカへ

の渡航。文部科学省が主催

し企業が留学生をサポート

するという「トビタテ留学

ジャパン日本代表プログラ

ム」という新しい形の国家

プロジェクトに第五期生と

して応募し、アメリカの音

楽院主催のプログラムに参

加した。一次審査、二次面

接試験を経て、合格後は文

部科学省での壮行会と事前

研修会が行われ全国各地か

ら留学する日本代表の仲間

が集まり、お互いの留学の

目標や熱意、情報を共有す

る貴重な機会となった。

 

今回、私は総学生数六万

人、敷地面積は東京ドーム

の二百三十倍ありニュージ

ャージー州で最大のRutgers

州立大学のSum

mer Jazz

Institute

に参加した。到着

して即オーディションがあ

りクラス分けされた。広大

な敷地の中での毎日学生寮

と音楽ホールとカフェテリ

アの移動以外は朝から晩ま

で厳しいレッスンがあり、

音楽理論からジャズの即興

演奏法などを学んだ。初め

は周りのレベルの高さに圧

倒されたが少しずつ慣れて

行った。自由時間はほとん

どなかったが夜はBBQや

ゲスト、音楽院生、による

コンサートが開催され、特

に教授陣の演奏はプロ以上

で本当に感動し、また尊敬

している。私以外は全員ア

メリカ人だったこの三週間

の滞在の中で「音楽」を通

してこれからの自分の世界

を広げる友情も築くことが

出来た。プログラム後には

ニューヨークを一人で歩き

カーネギーホール、リンカ

ーンセンターやジュリアー

ド音楽院などの音楽施設を

訪れた。楽器専門店が閉

まっていて日本にない楽器

やパーツを見ることが出来

なかったのは残念だった

が、本場の"M

amm

a Mia

のミュージカルを観劇した。

 

また、今回日本代表とし

て日本の文化を広め交流を

深める「アンバサダー活

動」と、トビタテ留学の情

報を発信する「エバンジェ

リスト活動」と言う課題が

ある。アンバサダー活動と

しては学生の名前や知りた

い単語の漢字やひらがなを

教えたり、折り紙で手裏剣

や鶴を一緒に作ったり、ク

ラスでは日本の楽曲の楽譜

をプレゼントし一緒に演奏

した。アニメから学んだ変

な日本のイメージには驚か

されたりもしたが私が着て

いた甚平を譲って欲しいと

お願いされたことは予想外

で嬉しかった。エバンジェ

リスト活動としては、イン

スタグラムで今回訪れた大

学や街を日本語と英語で紹

介している。また先日は、

アメリカ大使館主催の「ア

メリカ留学EX

PO-2019

でトビタテ留学紹介のブー

スでカウンセラーとして活

動参加した。

 

今回の私の留学は度々の

学校変更や出発直前でプロ

グラム催行中止などがあ

り、実現する事が出来ない

のではと不安になることが

何度もあった。しかし無事

に実行できたことを嬉しく

思うと同時に、応募からこ

こまで助けていただいた家

族、先生方、国内外の多く

の人々に心から感謝してい

る。また昨年学校で参加し

たCCES交換留学、私が

所属する吹奏楽部で毎年開

催しているASIJ(アメ

リカンスクール)との合同

演奏会などの経験があった

からこそ、今回の留学がよ

り一層充実したものになっ

たということは間違いな

い。帰国し

た今でも

「楽しかっ

た」で終わ

ることはな

く、これか

らもまだ提

出課題が山

積みだが一

生の宝とな

る経験、友

人ができた

と確信して

いる。

(高二

 

滝澤圭介)

宝物―英国語学研修

 「こんなにあっという間

な二週間は初めて」ʻ

 

そんな風に思わせてくれ

る英国語学研修であった。

英国での二週間の滞在は、

ラグビー校というイギリス

の中でも最も有名で古いパ

ブリックスクールでの寮生

活であった。ラグビー発祥

の地でもあるラグビー校の

目の前に広がるフィールド

を含めた壮大な眺め、チャ

ペルをはじめとする歴史的

建物の数々には、私も着い

た瞬間から圧倒された。そ

んな環境の中で、二週間を

通して、世界中から集まっ

た多種多様なバックグラウ

ンドを持った仲間たちと、

授業をはじめ、エクスカー

ション、ディスコ、スポー

ツといった様々なプログラ

ムを経験した。ここには、

二週間を通して感じ、学ん

だ大きく二つのことを示し

たいと思う。

 

一つ目に、様々な視点か

ら活発的で創造的な授業を

受けられることができた。

現地での授業はレベル別に

分けられ、少人数でのグ

ループワーク(主にコミュ

ニーケーション)が中心で

ある。私のクラスは、韓

国・ポーランド・香港・ド

イツ・中国など様々な国か

らみな集まっていた。とて

も興味深かったのが、国の

文化や慣習が全く違うこと

で、一つの問題について

ディスカッションをしても

十通りの意見やアイデアが

生まれてくることであっ

た。例えば、「未成年の飲

酒」や「若者の政治参加」

というトピックでディス

カッションをしていても、

それぞれの国で全く違う法

律や問題があり、様々な角

度から議論し合うことで、

お互いに新たな気付きやさ

らなる問題点が浮かび上

がってきたりと、毎日内容

の濃い授業であった。授業

だけではなく、寮や休み時

間などにも自然とそのよう

な空間が出来上がり、自分

たちでルールを作ってゲー

ムをしたり、お互いの国の

問題点や自分の研究したい

テーマについて話したり

と、とにかく英語を話しっ

ぱなしだった二週間である

と感じる。こんなにも真剣

に白熱した議論ができ、自

分の視野や可能性を広げら

れることができたのは本当

に貴重な時間であった。

 

二つ目にかけがえのない

友人を得た。着いた瞬間か

ら私を温かく迎え入れてく

れて、二週間を通してほと

んどのプログラムを共にし

た寮の仲間たちには感謝し

てもしきれない。

二週間のなかで英

語という魔法が、

私を様々な国籍の

人たちと結び付け

てくれた気がす

る。イギリスでは

二十四時間彼・彼

女らがそばにい

て、常に一緒に

笑っていた。うれ

しいことに技術の

進歩のおかげで、遠

く離れてしまった今

もオンラインでつな

がっていて、近い将

来彼らが東京に、そ

して私が彼らの母国

を訪れることを約束

してくれた。

 

今回の英国語学研

修を通して、多様性

やグローバルリズム

など、楽しさ以上に

感じることがたくさ

んあった。ラグビー

校での世界各国から

の仲間や教授、そし

て新たな問題意識や

視点との出会いは自

分自身を大きく成長させて

くれるものであったと確信

している。今回の貴重な経

験を活かし、自分の夢に向

かってより一層の努力をし

たいと思う。

“All real life is encounter.”

│Martin Buber

(高一 

明星悠大)

Pro Deo et Patria

国際プログラムなど

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( 2 ) 立教池袋中・高校通信 2019年度 第3号 (通刊 217号) 2019.10.4ホ ル ト ノ キ

キャンプヒューストンに

参加して感じたこと、帰

国してからの自分の思い

 

二〇一九年八月九日から

十日間Cam

p Huston

に参

加しました。物心ついてか

らは初めてのアメリカとい

うことで、仲の良い友達や

先輩と一緒に行けることに

対する楽しみもありました

が、自分の英語がどの程度

伝わるのか、また現地の仲

間とコミュニケーションが

うまくとれるのかという不

安のほうが大きかったで

す。

 

自主研修はいつもの仲間

たちとシアトルの名所を

回ったり、メジャーリーグ

の試合みたり単純に楽しめ

ました。

 

Camp

に入れば、現地の

仲間も交えて班ごとの活動

になるので、直前の不安は

大きくなりました。でも、

いざCam

p

に入るとその不

安はすぐになくなりまし

た。自分と同じ年代の仲間

と行動を共にし、一緒に遊

びましたが、不安だった言

葉ですが自分が思っていた

以上に伝えることができま

した。自分の英語だけでは

伝わらない時は、身振り手

振りで伝える努力をした

し、相手の仲間たちも何と

か理解しようと努力してく

れました。そのおかげで、

コミュニケーションはしっ

かりとれすぐに友達がたく

さんできました。

 

楽しいことや、チャレン

ジすることなど、現地の仲

間と一緒に過ごしていくう

ちに、この人はどういう性

格なのかとか、どういうこ

とが好きなのか嫌いなのか

などがわかってきて、より

親しく接することができた

し、逆に自分のこともわ

かってもらえてきたような

実感もありました。

 

どんどん楽しくなってき

てとても、予想していたよ

りも何倍も楽しい時間を過

ごすことができました。終

わりが近づくにつれ、「帰

りたくない、この時間が

ずっと続けばよいのに」と

感じている自分に気づきま

した。

 

Japan Day

では自主研修

の班と同じメンバーで二人

場織に挑戦しました。二人

場織のルールややり方がア

メリカ人に伝わるかを考え

るのに努力しました。どこ

の班も楽しんでましたが自

分たちのセクションも楽し

んでくれてとてもうれし

かったです

 

先輩たちも言っていたの

ですが、お別れの時は本当

に寂しくて、日本に帰りた

くないとも思いました。日

本に帰ってきてまず感じた

ことは、「もう1度行きた

い」ということです。空港

から家へ帰る車の中で、両

親にさっそくそのお願いを

したぐらいです。あまりの

楽しさから、Cam

p Huston

で働きたいとも思いまし

た。今まで、将来の仕事に

ついてあまり憧れや目標は

ありませんでしたが初めて

そんな感覚になりました。

 

Camp H

uston

で働くかど

うかは別として、今回の体

験で、日本以外の友達のす

ばらしさや、海外の人との

コミュニケーションの楽し

さを発見できました。もし

英語がもっとうまく話すこ

とができれば、そういう機

会も増えるだろうと思いま

した。ありふれた感想です

がこれから英語の勉強を

もっと頑張りたいというモ

チベーションになりまし

た。そしてチャンスがあれ

ば来年Cam

p Huston

にも

う一度参加したいと思いま

す。

(中三 

松田 

然)

二つの学び�

�―キャンプスティーブンス

 

キャンプスティーブンス

では様々なことを経験でき

ました。その中でも、二つ

のことが自分の中で特に印

象強く残っています。一つ

目は、英語を話すことや聞

くことを前よりも出来るよ

うになったことです。キャ

ンプ中や市内観光中に、現

地の人と英語で話さなけれ

ばいけないため、普段学校

であまりできない、話す練

習をたくさんすることがで

きました。具体的には、

キャンプ中に「次何をする

のか」とリーダーに聞いた

り、現地の人に日本の遊び

を紹介する機会がありまし

た。また市内観光の時に

は、町の人にどこにレスト

ランがあるのか聞いたり、

店員さんにそのお店のおす

すめを聞いたりもしまし

た。これらをしているうち

に、学んだ文法を使いなが

ら、聞きたいことがすぐ英

語で言えるようになりまし

た。それと同時に、聞く能

力もこのキャンプでとても

上がったと思います。ぼく

はキャンプ中、なるべく現

地の人とコミュニケーショ

ンをとろうと意識していた

ため、自分から話しかける

だけでなく自然と相手の方

から話しかけてくることも

多くなりました。またコ

ミュニケーションをとって

いなくても、キャビン(寝

泊りするところ)で現地の

人同士の会話が常に耳に

入ってくるので、キャンプ

初日はわからなかった英語

が、だんだんと聞きとれる

ようになりました。特に

キャンプ最終日のチャプレ

ンの話がすらす

らと入ってきま

した。分からな

い単語ももちろ

んありました

が、チャプレン

の伝えたいこと

やその意味が分

かり、自分の成

長を感じること

ができました。

 

二つ目は英語

圏ならではの文

化や雰囲気を学

べたことです。

例えばくしゃみ

をした時に

“God bless you”

と周りの人

が言ってくれます。これは

「神のご加護を」という意

味で、英語圏ではくしゃみ

をすると、その人から魂が

抜けてしまうといわれてい

るからです。その他にも

様々な英語圏ならではの出

来事がありましたが、僕が

一番印象に残ったことは、

現地の人の温かさです。そ

の温かさを感じたのは、僕

が現地の人とサッカーをし

ていた時です。実際に、僕

がシュートを外してしまっ

た時に必ずみんなが

「Nice

」や「O

K O

K

」と励

ましてくれました。またサ

ンディエゴ空港でスター

バックスに行ったときも感

じました。アメリカでは自

分の名前が注文した飲み物

のコップに印刷されるとい

うことを僕は知らなかった

ため、間違えて他の人の飲

み物を取ってしまいまし

た。そして間違えたことに

気付きその人に飲み物を返

す時にすみませんと言う

と、その人は“T

hatʼs fine”

(大丈夫だよ)と言ってく

れました。優しいなと感じ

ました。このように、誰か

が失敗した時や間違えてし

まったときに前向きな言葉

をかけてくれる文化はとて

も素晴らしいと思い、また

キャンプスティーブンスに

参加したからこそ学べまし

た。

 

ぼくはキャンプスティー

ブンスに参加して、たくさ

んのことを学び、将来外国

で勉強したいと強く思うよ

うになりました。この経験

は一生忘れません。

(中二 

中丸泰知)

Workshop

で得たもの

ケンブリッジ・サイエンス・

ワークショップ

 

今回のイギリスでのサイ

エンス・ワークショップを

通じて、今までの自分の概

念が変わるような非常に充

実した素晴らしい10日間を

過ごすことができた。

 

私はケンブリッジ大学で

のプロジェクトとして、

Whittle L

aboratory

ジェットエンジンについて

研究した。はじめに、エン

ジンの原理についてラボの

研究生から講義を受けた。

その後、エンジンのフィン

の性能や効率をよりよくす

るためにはどのようにした

らいいかを実際に研究した

という流れだ。自分にとっ

て、このワークショップ期

間中は興奮が止まらなかっ

た。エンジンに対する関心

はもちろんのこと、自分の

思い描く将来像と完璧に

マッチする人々が目の前に

いて、実際に共同研究をす

ることができたからだ。は

じめのほうは、研究生の説

明は、半分ほどしか理解で

きなかった。専門的な分野

であることはもちろんのこ

と、英語のスピードや意味

があいまいな単語を聞いた

時に解釈することに時間が

かかってしまうなど、思う

ようにいかないときもあっ

た。しかし、自分のプロ

ジェクトにケンブリッジ大

学の日本人の学生がファシ

リテーターとして参加して

くださっていたので、とて

も心強かった。ラボの中で

は興味深いことがいくつも

あった。試作中である新し

いエンジンや、200年前にケ

ンブリッジ大学で使われて

いたエンジンの実物など、

めったに見ることのできな

いものがたくさん存在して

いたが、中でも一番印象に

残ったものは3Dプリン

ターだ。私達は、エンジン

内のフィンの角度や形状を

研究し、どの形状が一番効

率が良いものかを研究した

が、研究生はこれらのもの

を実際に3Dプリンターで

製作し、試行錯誤を繰り返

しているという。ワーク

ショップの最終日に行われ

たプレゼンテーションで

は、得た知識と研究内容を

短い発表時間に集約するこ

とはとても大変ではあった

が、よいプレゼンになった

と思う。

 

次に述べることは、共に

ワークショップ期間中を過

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( 3 ) 立教池袋中・高校通信 2019年度 第3号 (通刊 217号) 2019.10.4ホ ル ト ノ キ

ごした同年代のイギリス人

の高校生についてだ。寮生

活で、私はイギリス人と

ルームメイトとなった。彼

と話していくうちに、彼と

同じ学校の生徒とも仲良く

なり、結果、イギリス人と

日本人の生徒全員がクラス

メイトのような親密さにま

でなった。はじめは、食事

のときに日本人のグループ

とイギリス人のグループの

二つに分かれてしまってい

たが、日に日に隣の席にイ

ギリス人が座ることも自然

になり、夜に皆でかくれん

ぼをしたりすることもあっ

た。これらの現地の友人が

いることで、コミュニケー

ションにおいても、お互い

の国の文化を知る上でも大

きなサポートとなり、この

ワークショップ中において

心強い存在となった。

 

最後に述べることは、自

分の将来についてだ。もと

もと、このワークショップ

に参加することを志望した

動機の一つに、ケンブリッ

ジ大学をより深く見てみた

いからというものがあっ

た。将来、イギリスのよう

な欧米の国で、世界をリー

ドして世の中を作っていき

たいと強く思っている自分

にとって、ケンブリッジ大

学は、憧れであり目標とし

ている存在である。このサ

イエンス・ワークショップ

を通じて、その気持ちを一

層強めると同時に、研究生

やファシリテーターといっ

た自分の将来像のモデルと

なる人々と出会うことがで

きた。これらの経験や存在

は、今後、自分の将来にお

いてよい指標となると自分

は思う。(

高二 

山口高明)

学友会活動

中高ゴルフ部

十二年連続全国大会

 

全国中学校・高等学校ゴ

ルフ選手権への参加カテゴ

リーは中学の団体と個人、

高校も団体と個人の四カテ

ゴリー。団体戦は学校毎に

四人出場して三人の合計ス

コアで競うもの。一方個人

戦は学校のクラブ活動所属

が条件ではないため、毎年

おびただしい数の個人競技

者が限られた出場枠をかけ

て熾烈に闘う狭き門となっ

ています。

 

本年度本校の出場は久し

振りにこの内の三競技に出

場。中学団体戦は伝統を受

け継ぎ入賞まであと一歩と

健闘、中でも中三・阿出川

宗哉は個人戦でも上位に進

出。高一・星野豪汰も関東

の激戦区を勝ち抜いて見事

本選出場を果たしました。

以下は出場選手を代表した

中三・阿出川君の感想で

す。

(顧問 

増田 

毅)

 

中学ゴルフ部は、昨年ま

でで十一年連続して全国大

会「緑の甲子園」に出場し

ています。今年のメンバー

は三年生の僕、二年生二人

と一年生一人の個性ある若

いチームでした。僕たちは

記録継続のプレッシャーを

感じながらも、とてもよい

雰囲気の中で日々練習を重

ねることができました。し

かし、情けないことに最上

級性である僕が、全国の切

符をかけた関東大会の一个

月前に足の靭帯を損傷し、

何週間も練習ができなく

なってしまいました。足が

治ってからは三日間猛練習

し、ぎりぎりの状態で大会

に挑みましたが、後輩たち

は初めての団体戦にも関わ

らず、全く緊張している様

子がなく、僕もリラックス

してスタートすることがで

きました。ところが長い期

間練習していなかったせい

か、途中から急に体の疲れ

が出て、後半は全く思うよ

うなゴルフができませんで

した。結果は、後輩たちの

おかげでなんとか全国大会

出場を決めたものの、個人

的にはみんなに申し訳ない

気持ちでいっぱいでした。

しかし、このままみんなの

足をひっぱるわけにはいか

ないと気持ちを切り替え、

そこから猛特訓をしまし

た。

 

八月、いよいよ全国大会

が始まりました。コースは

去年と同様、茨城県のセン

トラルゴルフクラブnew

コース。ここは風がかなり

吹き、池やバンカーも多い

ため、なかなか難しいので

すが、前日の練習ラウンド

ではみんなよいスコアで回

ることができました。団体

戦初日、空一面に青空が広

がっていてものすごい暑さ

でした。それと少し緊張が

あったのでしょ

うか、初日の前

半は皆スコアを

崩してしまいま

した。でもみん

な諦めず、後半

は全員39で盛り

返し、なんとか

8位につけるこ

とができました。

6位までが入賞

なので明日は順

位を二つ以上上げなければ

なりません。そのためその

日の夜はいつも以上に気合

いを入れて練習しました。

そして迎えた最終日。僕は

パターの調子が悪く、皆も

なかなかスコアがまとまり

ませんでした。しかしここ

で終わらないのが僕たちで

す。後半、そろそろ疲れが

出始める中、なんとかスコ

アを伸ばし、入賞には一歩

届かなかったものの、7位

に入ることができました。

もちろん悔しい気持ちもた

くさんあったのですが、こ

のメンバーで上位に入るこ

とができてとても嬉しかっ

たです。

 

その後僕は、全国大会個

人の部に出場しました。個

人戦では団体戦で悪かった

パターを修正することがで

き、自分の中では良い結果

を残すことができました。

 

最後に、僕たちのことを

支えてくださった先生、先

輩、両親、応援してくだ

さった方々、一緒に戦った

メンバーには本当に感謝し

ています。後輩たちには今

年成し遂げられなかった全

国大会入賞を是非達成して

もらいたいです。

(中三 

阿出川宗哉)

中高水泳部

 

関東・全国での活躍

▼中学水泳部

 

全国大会

 

一〇〇m自由形 

第四位

 

二〇〇m自由形 

第五位

桐山真葵(二年)

 

関東大会

 

二〇〇m平泳ぎ 

出場

栗原健太(三年)

 

四〇〇mメドレーリレー

第十位

石田涼馬 

(二年)

栗原健太 

(三年)

田野倉悠正(三年)

花澤亜帆呂(三年)

 

四〇〇mリレー 

出場

白石旭  

(二年)

栗原健太 

(三年)

田野倉悠正(三年)

花澤亜帆呂(三年)

▼高校水泳部

 

関東大会

 

二〇〇mバタフライ

         

出場

桐山心成(二年)

 

この夏、厳しい東京都予

選会を突破し、中学は関東

大会、全国大会の出場を果

たした。高校は関東大会ま

で進むも力及ばずインター

ハイへの出場は果たせな

かった。

 

部員は中高総五十三名。

ここに紹介する以外にも結

果に関係なく、それぞれの

ドラマがたくさんある。来

年の夏はどんなドラマを見

せてくれるのか非常に楽し

みである。

 

以下は関東大会に出場し

た生徒の振り返りである、

(顧問 

酒井一哉)

 

七月の東京都中学選手権

大会では、中学三年生を中

心にチーム編成しフリーリ

レーとメドレーリレーにエ

ントリーしました。今年の

目標は、全国への派遣記録

を切って全国大会に出場す

ることでした。しかし、残

念ながら十分に力を出すこ

とが出来ず、フリーリレー

は三秒、メドレーリレーは

〇.三秒というわずかな差

で悔しい結果となり全国大

会出場の夢は断たれまし

た。全国大会への出場は叶

いませんでしたが、八月の

関東中学校水泳競技大会で

予選突破、決勝へ進出する

ことができました。

 

まず、僕にとってのこの

東京都中学大会の反省点

は、記録に大きく影響する

リレーの引き継ぎのタイミ

ングが合わないことでし

た。飛び込みのタイミング

を上手くとらえることがと

ても重要で練習の課題と

なっていたのです。関東大

会ともなると、他県から実

力のある選手も多く

出場しており、会場

も今までの大会経験

の中で一番緊張感が

漂っていたと思いま

す。僕自身も、これ

ほど大きな大会出場

は初めてだったので

初日から落ち着か

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( 4 ) 立教池袋中・高校通信 2019年度 第3号 (通刊 217号) 2019.10.4ホ ル ト ノ キ

ず、水着を着用するにも時

間を要してしまい、十分な

ウォーミングアップも出来

ないままレースに臨んでし

まいました。最初のフリー

リレーは残念ながら予選突

破することが出来ず、翌日

のメドレーリレー予選まで

に気持ちをなんとか落ち着

かせたいと思っていたら、

その夜、僕達の気持ちに気

付いて下さったのか、中川

先生がご自身の水泳部時代

に出場した大会映像と経験

談、失敗談を話して下さい

ました。大変勇気づけられ

感謝しています。また、選

手の家族の方々や水泳部

員、先輩が開催地の前橋ま

で駆け付け、応援してくれ

たことも、僕達には励みに

なり大変嬉しかったです。

 

メドレーリレー予選で

は、スタートまでの時間を

逆算してウォーミングアッ

プやストレッチを実践する

ことが出来、皆で力を合わ

せて予選を通過、決勝は十

位という結果になりまし

た。

 

三年生には最後の大会で

したが、大きな大会を体験

し、その場の緊張感や雰囲

気というものを肌で感じる

ことができました。今回、

大会に出場できた二年生は

この貴重な経験を生かして

今後の目標に向かって欲し

いです。

(中三 

花澤亜帆呂)

陸上競技部 

夏の成果

 

五月の東京都高校総体に

おいて高三梶山が一一〇m

ハードルで優勝、同じく高

三小山が棒高跳で二位とな

り、全国屈指のレベルの高

さを誇る南関東大会へ駒を

進めた。

 

梶山は予選を一四秒七四

の自己ベスト(二着)、準

決勝を追い風参考ながら一

四秒三四、決勝ではさらに

公認の自己ベスト一四秒五

九で四着となり、念願の沖

縄インターハイへの切符を

手にすることができた。小

山はインターハイ終了時の

高校ランキング二〇位の四

m八〇という記録を持って

いるものの南関東大会の壁

に泣き、九位という結果で

あった。

 

インターハイにおいて陸

上競技が沖縄で行われるの

は二〇一〇年以来、二度目

となる(ちなみにその年、

田部先生が三段跳で出場し

ている)が、この場所は天

候との闘いも大切な要素と

なる。

 

台風九号の影響で当日も

雨が断続的に降り続く中、

一一〇mハードルの予選が

始まる。予選の組が進むに

つれ、雨と風が激しくな

り、推定二十メートル以上

の風が雨を運び、たたきつ

ける。会場にいる観衆が全

員ずぶぬれになり、競技中

断の指示が出されるほどの

荒天となった。

 

そんな中、九組中八組に

出場した梶山は冷静なレー

ス運びで常にトップをキー

プ、最終的には二着で準決

勝進出を果たした。

 

残念ながら準決勝では

ハードルの一台目に接触、

大きくバランスを崩し、思

うようなレースが出来な

かったが、条件がうまくか

み合えば、決勝進出の可能

性も十分あったと感じさせ

たことも記しておく。

 

応援、支援してくださっ

た皆様、誠にありがとうご

ざいます。

(顧問 

高橋 

整)

釣り同好会 

夏の活躍

 

釣り同好は七月二十三日

に、スポーツニッポンさん

主催の「バリバスカップ

2019スポニチ

(釣りと

同様)U‐18選手権 

東京

湾ライトタックルマアジ釣

り大会」に参加した。二〇

一一年からスタートしたバ

リバスカップだが、近年増

えている釣り好きの中高生

のために、今年から史上初

となる高校生までを対象と

した釣り大会を開催してい

る。

 

今回の対象魚となったの

は、ビギナーにも優しいと

されるマアジ。開始直後か

ら、多くの参加者が入れ食

い状態となった。釣れたマ

アジの平均サイズは二十セ

ンチほどで、優勝者は四十

センチを超えたようだっ

た。我々のチームでは賞を

貰えるほどの大きいマアジ

は釣れなかったものの、中

学一年生で今回初挑戦とな

る大橋が四十センチを超え

るサバを釣り上げるなど、

可能性を見せた。ちなみに

このサバは、二番目に大き

なサイズであった。これか

らの彼らの活躍に期待した

い。

 

我々のように学校のグ

ループにて参加した者も多

いためか、乗合船での釣り

が初めてという生徒も少な

くなかったようで、開始か

ら二時間も経過すれば初船

酔いに苦しむ生徒が散見さ

れた。

 

釣り同好会としての結果

は入賞を逃がしてしまった

ものの、釣りはストレス解

消の特効薬だ。今後彼らに

とって長い付き合いになる

ことを願いたい。

(高三 

内本 

海・平崎太

玖磨)

内木文英賞(最優秀賞)

受賞! 

中学演劇部

坂本琉 

櫻井英太朗 

中西凪(以上中一)

黒沼七音 

林健太郎 

猪股隆太朗(以上中三)

 

第四十六回東京私立中学

校演劇発表会に出場し、中

学演劇部が最優秀賞にあた

る内木文英賞を受賞しまし

た。この発表会は、立教池

袋中学校が東京の私立学校

として出場できる唯一の大

会で、七月十四日と十五日

の二日間行われました。参

加した十七校の中で、最優

秀賞に選ばれた作品は黒沼

七音(中学三年)作『汚れ

たカネとたっぷ』で、一人

の泥棒少年がタップダンス

と尊敬できる人物との出会

いで変わり、真の自分を見

つける過程を描いた物語で

す。全てオリジナルの脚

本・演出・振付で、タップ

ダンスを取り入れたストー

リー構成や演技で好評をい

ただきました。特に、プロ

として活躍されている役者

の方に「中学生がここまで

できるのか」と審査の際に

コメントをいただけたこと

は誇らしかったです。特別

賞に終わった昨年の悔しさ

を胸に本大会に挑み、部員

全員の努力が報われた結果

となりました。

 

現在、中学演劇部は中学

三年生が三名、中学一年生

が三名で活動をしていま

す。中学二年生の部員がい

ないため、今年度は中学三

年生にとって初めての後輩

ができました。また、中学

演劇部は生徒が主体的に活

動する部活なので、練習か

ら本番まで全て自分たちで

組み立てていきます。もち

ろん、顧問と高校部員がサ

ポートをしますが、実質的

には中学三年生を中心に計

画および実行をします。

 

五月の初旬から始めた練

習ですが、一筋縄ではいか

なかったです。先輩が後輩

を指導し、後輩が耐えかね

て教室から出て行ってし

まった後、皆で学校中探し

まわる日がありました。考

え方の違いが原因で、演出

と役者の間で言い争ってし

まうこともありました。中

間テスト・総合テストとの

兼ね合いで多忙感に悩まさ

れることもありました。本

番の日まで怒涛のような毎

日だったように覚えていま

す。今思えばその全てに意

味がありました。お互いの

思いをぶつけ合うフラット

な関係があってこそ、納得

のいく演技ができるのです

から。誰かの権力に従って

思考せず「やらされてい

る」のであれば偽物で、観

客に感動を与えることは決

してできません。役者同士

の本気のエネルギーと舞台

上で生み出したメッセージ

が観客とつながった時に感

動が生まれるのですから。

 

保護者の方々や高校生の

サポートを受けつつ、こう

した衝突や課題を乗り越

え、自分たちの力で最優秀

賞を得た部員たちを誇りに

思います。同時に、舞台に

立つという創造的な営みを

通じた今後の成長を期待し

ています。ちなみに、部員

募集しています!

(顧問 

小林隆史)

高校科学部�

―さが総文に参加して

 

二〇一九年七月二十七日

から二十九日まで第四十三

回全国高等学校総合文化祭

が佐賀県で開催された。

「創造の羽を広げ蒼天に舞

えバルーンの如く」をテー

マとし、全国の高校生代表

が集まった。本大会は文芸

部門など十九部門あり、部

門ごとに佐賀県の様々な都

市で開かれた。私が参加し

た自然科学部門は佐賀市に

ある、佐賀大学の本庄キャ

ンパスが会場となった。自

然科学部門は、地学、物

理、化学、生物、ポスター

発表の五つの分野に分かれ

ており、私は化学部門の東

京都代表として発表を行っ

た、

 

開会式当日は朝六時に羽

田を出発し、飛行機で佐賀

県に向かった。開会式後は

化学部門で第一会場、第二

会場と分かれ、一人十五分

間の発表が夜七時まで続い

た。どの高校の発表も素晴

らしくレベルの高いもので

あったので、朝早くに東京

を出たにもかかわらず、眠

くなっている暇などないく

らい聞き入った。私の研究

である「カメレオンエマル

ションの謎」の発表では、

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( 5 ) 立教池袋中・高校通信 2019年度 第3号 (通刊 217号) 2019.10.4ホ ル ト ノ キ

場の雰囲気に飲まれてとて

も緊張した。受けた質問の

レベルの高さにも圧倒され

たが、後からいただいた講

評によると「動画や画像が

わかりやすい」、「結果に対

する考察が細かく考えられ

ていた」など高い評価で

あった。今までの努力が報

われ大変嬉しかった。

 

発表後には、普段交流で

きない他校の生徒と話す良

い機会があり、研究につい

てもお互いに共有できた。

佐賀大会ではその他のプロ

グラムとして日本固有の生

物が生息している有明海の

干潟見学や、新元素ニホニ

ウムを発見した森田博士の

基調講演があり、最先端の

研究を直接聞くことができ

貴重な体験となった。

 

私は六年間科学部を続け

てきたが、毎日が楽しかっ

たわけではなく、毎年のよ

うに科学部を辞めたいと

思ったこともあった。また

高校三年で科学部に在籍し

ていたのが私一人だけであ

り、必然的に部長になって

しまったので、友人にも愚

痴を言っていた。しかしな

がら私の愚痴を聞き続け応

援してくれる先生や友人達

なくしては科学部の活動は

続けられなかったと思う。

また前校長に目をかけても

らったことも科学部を続け

られた理由の一つであろ

う。

 

このような機会を与えて

くれた高文連の皆様、六年

間愚痴にもつき合い、根気

よく指導を続けてくださっ

た先生方、また六年間部活

を応援してくれた友人、支

えてくれた家族に深く感謝

し参加報告としたい。

(高三 

藤田寛興)

吹奏楽部�

都コンクールでの成果

 

我が吹奏楽部は、毎年八

月に行われる

東京都吹奏楽

コンクールに

向けて四月か

ら練習を始め

ていた。普段

は中高合同で

演奏するのだ

が、コンクー

ルは違う。そ

れぞれが異な

る曲を異なる

団体として演

奏する。その

ため、中学生

にとっては緊

張感の真下演

奏となっただ

ろう。しかも

今年の中学生

の曲は昨年と

同じ程に難し

い曲であっ

た。

 

一方、高校

生の方はとい

うと、昨年惜

しくも銀賞という結果に終

わってしまったため、今年

こそは何としてでも金賞を

受賞しようと昨年以上に部

員一丸となって練習に励ん

だ。とはいえ、高校生の場

合は、後輩である中学生を

教える必要があるので、時

間の効率化が求められた。

 

今年のコンクールの日程

は、中学生が八月五日、高

校生が八月十一日であっ

た。そのためまず中学生の

コンクールが先に行われ

た。本番当日の演奏開始時

刻はお昼ごろの十一番目と

いう去年よりも遅く演奏者

にとってもある程度やりや

すい時間帯であった。だっ

たが、曲の難易度もあり昨

年のように金賞に持ってい

くことは難しかった。しか

し、演奏初心者である中学

一年生などが十数名以上い

る中であの曲であれほどの

完成度に持っていけただで

も大変すばらしいことで

あったと思う。

 

そして、私達高校生は今

年どうしても金賞を取らな

ければいけなかった。それ

は、高校三年生の代と私達

の高校二年生の代がまだ一

度も金賞を受賞していない

からである。なので、例年

よりも多くの合奏などや新

しいことを取り入れた。な

ので、高校生達だけになっ

た音楽室などではいつも緊

張感があり、また高校生内

で教えあうことが絶えな

かった。そしてついに本番

当日を迎えた。高校生の演

奏時間もなんと中学生と同

じタイミングであったの

で、ある程度演奏しやす

かったのではないだろう

か。今回金賞を取らなけれ

ばいけないというプレッ

シャーもある中、私達は前

日まで教えあっていた成果

もあり私達の考えている演

奏が行えた。しかしながら

結果はついてくることな

く、昨年と同様の点数で銀

賞であった。なので来年こ

そは自分も先頭に立ってリ

ベンジをしたい。

(高二 

小見山雄次)

数理研究部�

 

IVRCユース部門金賞�

 

渡し舟教習所始めました

 

国際学生対抗バーチャル

リアリティコンテスト(I

VRC)に参加して、はや

六年となった。多くに皆様

のご支援とご協力のもと、

昨年度に引き続き、二年連

続三度目の金賞を受賞する

ことができた。

 

昨年度の作品(ARC

O)を超えるコンテンツは

何かを考えることから制作

が始まったものの、この視

点でテーマを考えるのはと

ても大変である。そこで、

昨年を超えるコンテンツの

作成という視点を捨てたの

である。

 

今年の作品を制作するに

あたり、二〇一九年三月フ

ランスのLA

VA

L Virtual

加した高校二、三年生のア

ドバイスから、海外の視点

に立つことにした。それが

複数人のプレイである。こ

の視点をベースに何をモ

チーフにするかということ

を高校一年生が考え、二人

が同時にプレイし、同じ空

間内にいながら、二人の動

きは異なるものとし、最終

的には日本の文化である渡

し船となった。実際に渡し

船を体験しに行き、かじ取

り、漕ぎ方だけでなく、漕

ぐ櫓の構造や仕組みを教わ

り研究した成果である。ぜ

ひ、R.I.F.で多くの人

に和船を体験してもらいた

い。

(顧問 

内田芳宏)

 

今回、IVRCでその場

での対応力の重要性を強く

感じた。私たちは直前まで

システムを変更していたた

め、審査の最後の最後でバ

グが発生してしまった。し

かし、そこですぐにバグを

直すことはできなかったが

対応することができたので

その後も体験を継続するこ

とができた。本戦でも役に

立つような良い体験ができ

たのではないか。

 

例年、私たちは十一月の

中旬に大会を迎えていた。

そのため、R.I.F.を挟

むため大会が二回目の展示

だったおかげで体験者への

対応にあまりミスなくしっ

かりとやることができた。

 

しかし、今年は九月に予

選でこれが初展示だったた

め、予想以上に体験者への

対応に苦戦することになっ

た。しかし、他のチームも

これが初展示だったため、

特に順位に影響がなかった

ことが幸いだ。

 

数理研究部は無事に二年

連続ユース金賞をとること

ができたうえ、全体三位と

いうことで無事に本戦に出

場できるようになった。私

は今回の結果になり安堵し

ている。ここで燃え尽きな

いようにR.I.F.、そし

て本選に向けて準備してい

きたい

(高一 

林 

幸希)

高校文芸部―夏の活躍

第九回

牧水・短歌甲子

園 

全国大会(二〇一九

年八月十七~十八日:宮

崎県日向市)出場

 

石井悠真、加藤瑠、栗山

宗卓(三年)

第二十二回俳句甲子園 

全国大会(二〇一九年八

月十七~十八日:愛媛県

松山市)出場

 

Aチーム……一関瑛貴、

越湖隆信、草彅祐、笹川

佳那人(三年)、丹羽隆

樹(一年)

 

優秀賞(鴇田智哉選)

「夕立を逃れん新食感の

グミ」

 

Bチーム……井上昂星、

簱浩平(三年)、坂田治

哉、野口大清、藤井万里

(一年)

 

団体奨励賞、優秀賞(正

木ゆう子選)「夏の月椅

子に一泊ぶんの薪」

 

今年の文芸部は、短歌と

俳句という二つの分野の

「甲子園」出場を果たしま

した。俳句甲子園について

は、年々、大会規模が拡大

し、レベルも高くなり、予

選を勝ち抜くのが難しく

なってきた中で、二チーム

が出場するという文芸部史

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( 6 ) 立教池袋中・高校通信 2019年度 第3号 (通刊 217号) 2019.10.4ホ ル ト ノ キ

上初の大きな成果を収めま

した。さらに右のような各

賞もいただき、部員の大き

な自信・成長につながる夏

となりました。以下は、俳

句甲子園に出場した生徒の

感想です。

(顧問 

永田真一)

 

文芸部の夏は、伊豆合

宿・牧水短歌甲子園・俳句

甲子園の豪華三本立てとな

り、卒業論文を書く暇がな

いほど充実したものでし

た。その中でも、私が出場

した俳句甲子園について感

想を述べたいと思います。

 

今年の俳句甲子園は、二

チームが同時に全国大会へ

進出するという快挙を成し

遂げました。しかし、その

代償としてもたらされたの

は、深刻な人手不足でし

た。特に、私の所属してい

たAチームは急遽、他の部

員をメンバーに登録しまし

た。それでも、笹川や丹羽

がイギリス留学、草彅が剣

道部を兼部、越湖が演劇部

を兼部、私も鉄道研究同好

会を兼部と夏休みは予定が

多く、メンバー全員が集ま

り活動する時間は限られて

いました。そのような中、

各々が時間を見つけては俳

句を作り、チャットを利用

して話し合う毎日でした。

 

さて、俳句甲子園当日で

すが、はっきり申し上げ

て、私は細かいことは覚え

ていないのです。そこに

あったのは、直前の焦燥、

そしてじわじわと沸き立つ

鼓動であったと思います。

私は、去年も同様に俳句甲

子園の全国大会に出場しま

したが、いざ舞台に立って

みると、会場の空気や「胡

瓜」で作った自身の句の雰

囲気に押しつぶされてしま

い、発言の際に挙げる腕が

強張っていたことを覚えて

います。一方で、今年のこ

とで唯一違いをあげるとす

るなら、胸の中に沸き立つ

エネルギーと増大するエン

トロピーを上手く捉え、胸

を張って試合に臨むことが

出来たことでしょうか。

 

結果は、私のAチームは

残念ながら一勝二敗で予選

敗退となりました。しか

し、Bチームは団体奨励賞

を受賞し、また、個人の優

秀賞も二人出るなど、様々

な賞を頂きました。これ

は、各々の部員の努力と感

性が評価された結果であっ

たと思っています。

 

今年、予定通り進めば、

高校三年生である私を始め

とした多くの部員が卒業し

ます。これは、文芸部に

とっては九人の大所帯を失

うことになります。そうな

れば、今年のように俳句や

短歌など様々な分野にリ

ソースを割くことは今のま

までは難しいかもしれませ

ん。言わば、文芸部の岐路

ともとれるでしょう。

 

その際、後輩にはミニマ

ムになった文芸部を、より

おもしろい形に、是非育て

ていただきたいと思いま

す。

(高三 

一関瑛貴)

鉄道研究同好会

全国高校生模型コン

テストでダブル受賞

モデラ︱:眞嶋・工藤・増

田・入交・中山・目崎・左

右木・本庄・中野

 

今年度の鉄道模型コンテ

ストで、鉄道研究同好会

は、「ベストライター賞」

と「理事長特別賞」を受賞

致しました。作品名は、

「夜の御祭り、歴史深き琴

平にて」で、香川県を走る

琴電の琴平駅をモチーフに

したジオラマです。

 

作品について、作品名に

もあるように、夜のお祭り

をテーマとしたため、屋台

やちょうちん、お神輿など

でお祭りらしさを演出した

上で、電飾をして、夜の町

並みを再現しました。ま

た、モジュールの半分近く

を占める川は左右で高低差

があり、その段差部分に水

しぶきなどの表現を行うこ

とにより、これまでの作品

以上に自然な水表現を行う

ことに力を入れました。加

えてこの川には、実際にL

EDランプによって光る灯

籠がいくつか設置されてお

り、暗転した室内で光らせ

ることにより、夜のお祭り

が表現できるようになって

います。

 

製作においては、昨年度

までのジオラマ製作で活躍

された先輩方が卒業をし、

新しいリーダーの元で行っ

た今回のジオラマ製作に

は、多くの課題がありまし

た。特に、昨年度の作品は

加藤祐治賞受賞という優れ

た成績であったため、今思

えば残された私たちにとっ

てプレッシャーが大きかっ

たように思います。しかし

ながら、今年度の作品で

は、今までの良いところ、

この部活にしか作れない

"立教色"を残しつつ、新

しいことに挑戦することが

できたと思います。

 

ジオラマには、表現でき

る場所はボード上のみとい

う制約がある為、先ずは自

分たちが琴平らしいと思う

ところを提案しあって、そ

れらを世界観が壊れないよ

うにうまく配置した上で、

電気工作や自作した建造

物、川の表現など、部員が

こだわりたい!と思う場所

にとことん時間がかけられ

るよう、昨年度までの課題

であった製作スピードの遅

さを改善すべく、一日ごと

に目標をもって作業を行

い、前年度以上に計画的な

作品作りに徹しました。

 

結果としてモジュール以

外の製作記やPVの作成に

も力を入れることができ、

これがこの部活にとって初

めてのベストライター賞の

受賞につながったと思いま

す。

 

部員達が一生懸命作った

作品が、このような形で成

果を報告できることに非常

に嬉しく思っています。私

は今年度のジオラマ製作を

最後に卒業しますが、鉄道

研究同好会は、来年度以降

もより美しい、立教らしい

作品を作り続けていく所存

です。

(高三 

眞嶋実楽)

個人の成果

 

僕はこの夏、ピティナピ

アノコンペティションに挑

戦し、三年連続で全国大会

に入選することができた。

このコンクールは延べ参加

人数が四万組を超える国内

最大規模のコンクールで、

全国大会へは通過率約二%

の難関だ。今年は二つ飛び

級をしてF級(高三以下)

で参加し、平均律やショパ

ンエチュードなど四曲を弾

いた。技術、表現で磨きの

かかった高校生達の中で説

得力のある演奏をするのは

大変だが、作者や曲が生ま

れた背景への理解を深め想

像し、今感じる楽しさ、喜

び、悲しみ、不安、葛藤を

もとに自分の音で表現する

ことを追求した。目に見え

ない、正解が一つではない

音楽と正面から向き合って

その美しさを追求すること

は純粋に楽しいし、会場で

他の沢山の素晴らしい演奏

に触れ大いに刺激を受け

た。

 

三月には思いがけず手

術、入院をすることにな

り、毎日お見舞いに来てく

れる家族、友達、先生、そ

して音楽が僕の支えだっ

た。今までの当たり前だと

思っていた日常に感謝する

と共に音楽で奉仕したいと

いう気持ちが芽生えた。来

月には全日本学生音楽コン

クールの本選も控えている

が、これからも誠実に自分

らしい音楽を創り上げてい

きたい。

(中二 

杉﨑雄太郎)

侍ジャパン 

U―₁₂

日本代表選手として選出

―中一 

林京乃佑君

 

第五回WBSC(ワール

ドベースボールソフトボー

ルクラシックU︱12、七月

二十六日から八月四日ま

で、台湾・台南市にて実

施)に出場する侍ジャパン

U︱12日本代表選手として

選出され、主にピッチャー

として参加しました。その

結果、U︱12カテゴリーで

は過去最高位となる準優勝

に輝きました。

第四十回全国中学生

将棋選手権大会出場

 

八月三日から四日に第四

十回全国中学生将棋選手権

大会に東京代表として出場

しました。各県の予選を勝

ち抜いた代表が山形県天童

市に集う大会です。

 

強豪揃いの中、予選リー

グをなんとか勝ち抜け、決

勝トーナメントに進出しま

した。集中力を途切らせず

普段通りの力を出せるよう

に努め、トーナメントの決

勝まで駒を進められました

が、決勝対局では力が入り

過ぎたのか途中ミスをして

しまい、準優勝に終わりま

した。自身としては残念な

結果でありますが、今後に

生かせる非常に良い経験に

なりました。

 

先日、奨励会(プロ棋士

になるための育成機関)試

験に合格したため、今回が

アマチュアとして出場する

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( 7 ) 立教池袋中・高校通信 2019年度 第3号 (通刊 217号) 2019.10.4ホ ル ト ノ キ

最後の大会となりました。

今後はプロ棋士を目指して

より一層の努力を続けたい

と思います。

(中二 

福田 

旭)

英検一級に合格して

 

私は高二の時に英検一級

に合格することができまし

た。何度も挑戦し続けてき

た私にとって、取得できた

ことは率直に嬉しかったで

す。ここでは私が英検の勉

強から学んだこと・感じた

ことを紹介したいと思いま

す。

 

まず、私は英検の勉強は

基本的に「独学」で学習し

ました。塾やオンライン学

習サイトは使用せず、一般

的なごく普通の参考書を購

入して勉強をしました。し

かし、本に書いてある通り

に勉強して"受動的"に学

習しているだけでは上手く

いかないことに気がついた

私は、これまでの経験から

独自の「勉強スタイル」を

確立することにしました。

例えば私の場合、分からな

い英語が出てきたときは直

ぐにスマホで調べると決め

ていました。文章中やリス

ニング以外にも、スマホの

記事やY

ouTube

の動画な

どで出てきた些細なことで

も理解するまで徹底的に検

索し続けました。始めたば

かりの頃は莫大な量を整理

する必要があったので大変

でしたが、一度調べた英語

が再度出現した際に意味を

理解できた時の爽快感など

に惹かれ、調べることが習

慣化されるようになりまし

た。参考書にはこのような

勉強法は書いていませんで

したが、結果的に豊富なボ

キャブラリーを培うことが

でき、点数の大幅アップに

繋がりました。このよう

に、一般的に提言されてい

る学習法を初めから鵜呑み

にするのではなく、自分は

何が得意かを見極め、自分

に合った勉強方法を見つけ

て継続させることはとても

大切だと思います。

 

英検一級に合格すること

は、英語力においての自

信、そして更なる高みを目

指すためのモチベーション

にも繋がると私は思いま

す。また、自分の英語力を

客観的に証明するうえでも

大きな効果が期待できま

す。一つの目標として、挑

戦してみてはいかがでしょ

うか。

(高三 

神野優紀)

ボランティア活動など

ワークキャンプ

 

第五十回ワークキャンプ

は、群馬県にあるPAZ

(パース)グループの関連

施設で、八月二十日から二

泊三日でおこなった。参加

した生徒の感想をのせる。

 「特別養護老人ホーム・

小野子ヒルズで行われる納

涼祭に向けた準備を中心に

施設のお手伝いをしなが

ら、参加者とOBの方々と

親睦を深めることができ

た。新鮮な経験をさせても

らう中で、非日常ゆえの気

づきもあった。このワーク

キャンプに参加する前に、

保育園ボランティアにも参

加させてもらい、その時の

気づきをこのキャンプでの

気づきと比較すると、施設

の特徴の数々や、安全や楽

しさを重んじて接し続ける

職員の方たちの姿、話を受

身で聞き続ける中で、会話

を続ける私たちの姿が重な

るなど、共通点が多く見つ

かり、スムーズに入居者の

方たちと接することができ

た。私たちは生活を日々単

調に過ごしている節があ

る。夏休みなどの長い休み

だとなおさらだ。そのよう

なときこそ、非日常の経験

をさせてもらえるボラン

ティアなどに参加し、刺激

を受けて、日常に反映させ

ていくことの大切さとおも

しろさを気づくことができ

た。」

(高一 

大野寧央)

 「私は今回、三回目の参

加となった。ワークキャン

プでは毎年違った手ごたえ

を感じる。今年は私が回数

と年齢共に経験が最もある

参加者となり、今までと

違った視点でキャンプを過

ごした。だから今回はメン

バーを引っ張っていくとい

う気持ちがあったが、他の

メンバーは優秀で、施設の

方との会話も怖気ずくこと

なく、納涼祭の手伝いもテ

キパキとこなしていた。私

の活躍は、初日のBBQの

時の肉を焼く係りくらい。

そんな私が今年の納涼祭に

て司会をすることになっ

た。入居者の方々は要介護

の方が多いので、司会は大

きな声でゆっくり話す必要

があるのだが、私は小声早

口な人間。OBの方を見習

うなどしてどうにかこなす

ことができた。少し詰まっ

てしまっても、施設の方が

優しく応援してくだ

さり無事に勤めを果

たせた。今年のワー

クキャンプも充実し

たものとなった。」

(高一 

真野 

継)

 「私にとって今回

は二度目のワーク

キャンプだったの

で、落ち着いて行動

できた。入居者の方

のお一人とお話する

機会があり、幼少期

の頃についてお尋ね

した。その方は九十

一歳で関東大震災の

八日後に生まれたら

しい。そして実家は

群馬県の農家であっ

たため、震災で東京

から避難してきた

人々で溢れかえって

いたようだ。母親も

子育てと避難してき

た人を養うことで大

変だったろうと話さ

れた。また、太平洋

戦争の時には、飢え

ている子に自分のお

にぎりの半分をあげ

たという。そして、

六十年後におにぎり

をあげた人と再会し、「今

でも覚えているよ!」と言

われたそうだ。今では、群

馬などに避難することは考

えられないが、六十年も経

て再開できるという嬉しい

話はないだろう。不便だっ

た時代にあった人々の強い

絆に私は感動した。この話

を聞くことができ、話した

入居者の方と心が通いあえ

た気がした。」

(中二 

長谷部雄也)

清里環境ボランティア

キャンプ

 

毎年開催されている清里

環境ボランティアキャンプ

ですが、今年も八月十五日

から十七日の三日間の日程

で開催されました。この

キャンプは、立教小学校か

ら立教大学までの学院全校

が参加する唯一のプログラ

ムです。今年は池袋中高か

らは中学生六名、高校生五

名の計十一名が参加しまし

た。

KEEP

協会のレンジャー

の指導のもと、森林整備の

お手伝いを行うのが主な目

的です。大学生リーダーに

よるアイスブレーキングや

目標づくり、レクリエー

ション大会なども行われ、

全員が一体となってキャン

プを楽しめていました。中

学生は小学生のお手本とし

て、高校生は大学生のサ

ポート役として、一人一人

が活躍してくれたおかげ

で、とてもいいキャンプに

なったと思います。

 

以下はキャンプに参加し

た高校三年生日川君の感想

文です。(

引率 

佐山貴亮)

 

白く深い濃霧。

 

始まりの天気はいつもこ

うだ。縦長車両の色付き窓

を吹き抜けていく真っ白な

煙は、見慣れた日常からわ

たしたちを遠くにいざなう

象徴のようでもある。

 

しとど降る雨。

 

天翔ける流れ星のように

窓をつたう雫の大きさは常

に不揃い。形を失いながら

も描かれるなめらかな軌跡

は、暗がりの灯に淡く照ら

され輝きを放つ。

 

澄み渡る空気。

 

肺の濁りが拭い去られ、

澱んだ脳裏に純麗な風が靡

く。箱の中から一歩、二

歩、三歩。艶やかに濡れた

砂利を踏みしめるたび、大

気はますます無垢の色を帯

びていく。

 

鮮やかな新緑。

 

飾らない翡翠色が燦々た

る光を一身に浴び、艶やか

な透明感とともに視界に広

がる。精霊の囁きのような

葉擦れの音が耳に心地い

い。

 

息づく地の草。

 

足元に根差すものから腰

丈まで茂るものまで、多様

な草花が出迎えてくる。露

をのせた葉を弾けば細やか

な飛沫が宙を舞い、光に煌

めいては消えてゆく。

 

温かく照る陽。

 

柔らかさを帯びた光の帯

が木々の葉を透かして流れ

Page 8: ( 1 ) 立教池袋中・高校通信 2019年度 第3号 Pro …ikebukuro.rikkyo.ac.jp/information/_asset/pdf/horuto217.pdfPro Deo et Patria 国際プログラムなど ( 2 )

( 8 ) 立教池袋中・高校通信 2019年度 第3号 (通刊 217号) 2019.10.4ホ ル ト ノ キ

立教池袋中高・広報室

だし、一筋の陽だまりを生

み出す。落葉さえも息づく

かのようで、湿り気のある

土の色もまた良い。

 

晴れ渡る青空。

 

水彩絵具で描かれた宇宙

に繊麗な白雲が漂い、青色

の濃淡が惑わせる果てのな

い蒼穹に新たな色を添えて

いく。ふと見上げたときの

清爽なる感動たるや。

 

清里ボランティアキャン

プの醍醐味といえば、わた

しは間違いなく自然だと思

う。そしてひたすら自然に

没入できる環境が整えられ

ているのが、この清里ボラ

ンティアキャンプである。

折しも雨のあと、草木の薫

りもまたいっそう増してい

る中での作業は、実に涼や

かで快いものであった。

 

たったひとつの心残りと

言えば、星屑が散らされた

黒い天蓋をみることが叶わ

なかったことか。昨年度の

思い出があるだけに、これ

は心底から無念に思う。

 

それでも二日目の夜、

寒々とした夜の空気にふと

視線を上に向けたとき、わ

ずかに晴れた雲間からのぞ

く深く遠大な夜空には、確

かに小さな星がいくつも瞬

いていた。

 

星が綺麗なのは、星に花

が咲いているから。

 

ある小説の一節が思い起

こされる。

 

今は、それでよし。

(高三 

日川雄仁)

保育園職場体験�

ボランティア

 

今年度は中高あわせて二

十四名の生徒と二名の大学

生OBが参加して豊島区の

九つの保育園にお世話に

なって、保育園職場体験・

ボランティアが行われまし

た。梅雨明けの暑い中では

ありましたが、みな熱心に

ボランティア活動に取り組

みました。最終日は、参加

可能な生徒とOBで活動後

に学校に集合して、振り返

りの会を行いました。今年

で十三回目となった保育園

ボランティアですが、振り

返りの会だけでもと参加し

てくれた社会人OBもい

て、同じ体験をした中学

生、高校生、大学生、社会

人が一緒に体験を振り返る

という、貴重な時間を持つ

ことが出来ました。感想文

を紹介します。

(担当 

真崎昌子)

 保育士という

   仕事を体験して

 

私はこの夏、東池袋第一

保育園にボランティアに

行った。

 

保育園に入ると、母と今

さっき別れたせいか泣いて

いた子がいた。私がその子

に、「僕が今日一日親の代

わりになるから。」と言う

と、その子は納得したよう

に首を縦に振り、とてとて

と私の方へやって来た。泣

き止むまで私の膝の上でそ

の子の名前を聞いたり、ア

ニメの話をしたりした。そ

の子は、泣き止んでから

も、いつも私の傍にいるこ

とが多かった。私がいない

と、きょろきょろと探し、

私を見つけると安心した顔

で駆け寄ってくる姿は、と

ても可愛らしかった。

 

午前中は、園児と外で遊

んだ。私は、山にトンネル

を貫通させたら喜ぶのでは

ないかと思い、みんなで協

力して大きな山を作った。

水で山を固める際には、み

なが懸命に手でとんとんと

山を固め、トンネルを通す

ときには山が崩れないよう

にトンネルの周りに土を補

強する子もいた。出来上

がったトンネルに手を入れ

て握手して確かめる。みん

な泥まみれになったが、笑

顔でいっぱいだった。

 

二日目、私は早番体験を

した。早朝には一つの部屋

に年齢が異なる子たちがい

た。私が驚いたのは、年長

さんが年少さんの面倒をみ

ていたことだ。私が泣いて

いる子をなぐさめていたよ

うに、年長さんも泣いてい

る子の頭をなでたり、荷物

を整理してあげたりしてい

た。

 

最終日に私が帰るとき、

園児たちは小さい体をうん

と伸ばしてガラス越しに

やっとの思いで頭を出し、

私に手を振ってくれた。私

も何度も振り向いて手を振

り返した。その子たちは、

ずっとそこで手を振ってい

た。

 

体験の三日間はとても早

く感じた。私は今回のボラ

ンティアを通じて、保育士

の仕事で何よりも大切だと

感じたことがある。それ

は、園児が困っていたり、

寂しい気持ちになっていた

りしたときに寄り添うこと

だ。また、園児の行動は、

私に人を思いやれることの

大切さを教えてくれたとも

思っている。そして園児と

触れ合うことは何より楽し

かった。また来年行って、

違う姿を見てみたい。

(高二 

藤田知樹)

 And let us not grow weary of doing good, for in due season we will reap, if we do not give up. Galatians 6:9

 Many years ago I felt the first “cold” weather as a resident of Japan. Having been born and raised in a northern city in America, I found it amusing that the temperature falling to around 20˚ was considered to be suddenly “cold.” In reality, people could not get enough of the light, cool, breezes that came in the windows or were felt in the open streets. The crisp autumn air gave enthusiasm and a positive attitude that had been made dull during the heat of late summer. What is it about a simple change in weather that can bring out the best in people? Itʼs almost like each new season is a new beginning of sorts. Newness awakens changes in our souls. For me, the sound of crickets at night, the taste of rich hot cocoa, and the smell of roasting chicken arouse my autumn senses. The Bible also mentions new changes and beginnings in our lives. Seasons are metaphors for Godʼs timing in delivering us through all the changes He makes in our lives. We can acknowledge the blessings we reap from following Him through those changes, even if we did not fully understand or welcome them. The scripture passage above tells us to never give up. No matter how long, strenuous, or painful the road or trials are in our lives, there is always a new season ahead, a season of new promise and new beginnings. Every day we can make the decision to begin again. We can try to adopt a positive attitude. As time progresses, a beginning becomes a passage that also must come to an end so a new beginning, a new season, can happen. We need to look ahead and try to learn from what is happening, good or bad, as that beginning turns to passage. Each subtle change we make towards living a more positive life may eventually become an important part of our lives. But also, any change without the presence of God will eventually wither in importance. Autumn reminds us that a beautiful tree full of wonderful green foliage and rich, ripened fruit can offer shelter, nourishment, and shade, but only temporarily. The leaves eventually turn brilliant colors: red, gold, yellow, and orange. The colors offer us many wonderful scenes, brushstrokes of genius only God can artfully paint. Then, those leaves must fall, leaving that beautiful tree bare and vulnerable to the new season of winter. The tree must rest through that season to prepare for the beginning of new life, a new cycle, with budding blossoms fragrant and beautiful. As the Psalmist writes, He is like a tree planted by streams of water that yields its fruit in its season, and its leaf does not wither. In all that he does, he prospers. (Psalm 1:3) We also need to be forever grateful and thank God, especially when our future seems very unclear. Stay firmly planted in faith so we will never wither, but always prosper and produce good fruit. When we dare to begin, dare to change, welcome each new season, and forever trust God with each unpredictable new step, we will never stop believing and growing. Like the tree that rests in winter, we may never fully know what God's intentions are for us, but we can always do our absolute best to be with God. Only then, when we have learned all there is to learn and are truly grateful, God will move us to a new, more bountiful, and more blessed season. (チャプレン マーク・シュタール)

今月の聖句