4
3 2 A 歯周治療学実習総論 歯周治療学実習では、これまで学んだ歯周病学および歯周治療学の基礎知識に基づいて実習を行っていく。相 互実習および顎模型を用い、歯周組織検査法を学び、次いでブラッシング指導、スケーリング・ルートプレーニン グなどの歯周基本(初期)治療の術式を学ぶ。その後、各種歯周外科処置について、適応、術式を理解したうえで、 顎模型およびブタの下顎骨を用い、切開、剝離、縫合などの基本術式を身につけるための実習を行う。特に歯周基 本治療は、臨床実習において患者に対してすぐに行わなければならない術式であり、十分に習熟していなくてはな らない。患者は術者を信頼して治療を任せているわけであるから、責任と自覚をもって実習に臨んでほしい。疑問 点やうまくできなかった項目については積極的に質問し、解決してから次の項目に臨むようにすること。 B 実習における心得 ① 実習中は規定の清潔な白衣、マスク、手袋を着用すること。 ② 髪は下を向いた際に垂れないように束ねておくか、診療帽をかぶること。 ③ マニキュア、指輪、ピアス、イヤリング、ジーパンなどは禁止する。 ④ 実習中はむやみに実習室を出入りしないこと。また、規定時間を厳守すること。 ⑤ 実習の内容については、あらかじめ必ず勉強しておき、滞りなく準備を行うこと。 ⑥ 実習中は必ず実習帳を携帯し、検印は各ステップごとに必ず受けること。 ⑦ 廃棄物(ごみ)は所定の場所に分別して捨てること。 ⑧ 原則として実習の欠席は認めないが、やむを得ない事故または病気により欠席する場合は、診断書および欠席 届を提出すること。 C 歯周組織 Periodontium 歯周組織は歯の支持組織であり、歯肉(gingiva)、歯根膜(periodontalligament)、セメント質(cementum) そして歯槽骨(alveolar bone)の4つの組織より構成される。 各歯周組織はそれぞれに機能を有し、歯周組織の維持に関与している。 はじめに 表 1-1 歯周組織のもつ役割 支持 保護 貯蔵 改造 感覚 セメント質 歯根膜 歯槽骨 歯 肉 セメント質 歯周組織 歯肉 象牙質 エナメル質 歯髄 歯根膜 歯槽骨 図 1-1 セメント質 歯肉 歯肉溝 歯根膜 歯槽骨 上皮 結合組織 ごく軽度の白血球 (炎症細胞)浸潤 歯肉線維の発達良好 歯肉 歯肉ポケット 骨に変化なし 歯肉の炎症 プラーク 歯石 歯肉の炎症 歯周ポケット 骨吸収 歯周ポケット プラーク 歯石 破骨細胞 外傷性咬合 (異常に強い咬合力) 歯肉の炎症は生じない 咬合性外傷 牽引側 ・歯根膜の変性 咬合性外傷 圧迫側 ・歯根膜の 変性壊死 ・歯槽骨吸収 図 1-2 図 1-3 歯肉炎では、アタッチメントロスは認められない。 可逆性である 図 1-4 歯周炎では、アタッチメントロスが認められる。 不可逆性である 図 1-5 D 歯周病 1.歯周病の病態 正常な歯周組織 歯肉炎 咬合性外傷 歯周炎 I はじめに

I はじめに はじめに D A40 41 Ⅶ歯周基本(初期)治療 A プラークコントロール 165.75 mm 1.プラークコントロールとは プラークが歯肉に炎症を起こすことが、1965年の

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: I はじめに はじめに D A40 41 Ⅶ歯周基本(初期)治療 A プラークコントロール 165.75 mm 1.プラークコントロールとは プラークが歯肉に炎症を起こすことが、1965年の

32

A 歯周治療学実習総論歯周治療学実習では、これまで学んだ歯周病学および歯周治療学の基礎知識に基づいて実習を行っていく。相

互実習および顎模型を用い、歯周組織検査法を学び、次いでブラッシング指導、スケーリング・ルートプレーニン

グなどの歯周基本(初期)治療の術式を学ぶ。その後、各種歯周外科処置について、適応、術式を理解したうえで、

顎模型およびブタの下顎骨を用い、切開、剝離、縫合などの基本術式を身につけるための実習を行う。特に歯周基

本治療は、臨床実習において患者に対してすぐに行わなければならない術式であり、十分に習熟していなくてはな

らない。患者は術者を信頼して治療を任せているわけであるから、責任と自覚をもって実習に臨んでほしい。疑問

点やうまくできなかった項目については積極的に質問し、解決してから次の項目に臨むようにすること。

B 実習における心得① 実習中は規定の清潔な白衣、マスク、手袋を着用すること。

② 髪は下を向いた際に垂れないように束ねておくか、診療帽をかぶること。

③ マニキュア、指輪、ピアス、イヤリング、ジーパンなどは禁止する。

④ 実習中はむやみに実習室を出入りしないこと。また、規定時間を厳守すること。

⑤ 実習の内容については、あらかじめ必ず勉強しておき、滞りなく準備を行うこと。

⑥ 実習中は必ず実習帳を携帯し、検印は各ステップごとに必ず受けること。

⑦ 廃棄物(ごみ)は所定の場所に分別して捨てること。

⑧ 原則として実習の欠席は認めないが、やむを得ない事故または病気により欠席する場合は、診断書および欠席

届を提出すること。

C 歯周組織 Periodontium歯周組織は歯の支持組織であり、歯肉(gingiva)、歯根膜(periodontal ligament)、セメント質(cementum)

そして歯槽骨(alveolarbone)の4つの組織より構成される。

各歯周組織はそれぞれに機能を有し、歯周組織の維持に関与している。

Ⅰ はじめに

表1-1 歯周組織のもつ役割

支持 保護 貯蔵 改造 感覚

セメント質 ○

歯根膜 ○ ○ ○

歯槽骨 ○ ○

歯 肉 ○ ○ ○ セメント質歯周組織

歯肉

象牙質

エナメル質

歯髄

歯根膜

歯槽骨

図1-1

セメント質

歯肉

歯肉溝

歯根膜

歯槽骨

上皮結合組織

ごく軽度の白血球(炎症細胞)浸潤

歯肉線維の発達良好歯肉

歯肉ポケット

骨に変化なし

歯肉の炎症

プラーク

歯石

歯肉の炎症

歯周ポケット

骨吸収

歯周ポケット

プラーク

歯石

破骨細胞

外傷性咬合(異常に強い咬合力)

歯肉の炎症は生じない

咬合性外傷牽引側・歯根膜の変性

咬合性外傷圧迫側・歯根膜の 変性壊死・歯槽骨吸収

図1-2 図1-3 歯肉炎では、アタッチメントロスは認められない。可逆性である

図1-4 歯周炎では、アタッチメントロスが認められる。不可逆性である

図1-5

D 歯周病

165.75 mm

1.歯周病の病態

❶ 正常な歯周組織 ❷ 歯肉炎

❹ 咬合性外傷❸ 歯周炎

I はじめに

Page 2: I はじめに はじめに D A40 41 Ⅶ歯周基本(初期)治療 A プラークコントロール 165.75 mm 1.プラークコントロールとは プラークが歯肉に炎症を起こすことが、1965年の

4140

Ⅶ 歯周基本(初期)治療

A プラークコントロール

165.75 mm

1.プラークコントロールとは

プラークが歯肉に炎症を起こすことが、1965 年のTheilade らの研究によってヒトで初めて実験的に明らかに

されて以来、プラークコントロール(plaquecontrol)は歯周病の予防や治療上、非常に大切であることが一段

と強調されるようになった。Glickman は『Glickman'sClinicalPeriodontology』のなかで、プラークコントロー

ルを“Plaquecontrolisthepreventionoftheaccumulationofdentalplaqueandotherdepositisontheteethand

adjacentgingivalsurfaces.” と述べている。ここで重要な点は、すでに付着したプラークを除去するだけではなく、

プラークと他の付着物が歯面と隣接歯肉の表面に付着するのを防止するということである。

165.75 mm

2.プラークコントロールの方法

❶ 化学的方法

① 抗生物質:ペニシリン系、テトラサイクリン系、セファロスポリン系など

② 酵 素 :デキストラナーゼ、ムチナーゼ、ヒアルロニダーゼなど

③ 殺菌剤 :クロルヘキシジン、ポビドンヨードなど

❷物理的方法

① 繊維性食物の摂取

② 口腔清掃:ブラッシング、フロッシング、歯間ブラシなど

❸口腔環境を改善する方法

① 歯面の滑沢化:ルートプレーニングやポリッシングにより歯面を滑沢にし、プラークを付着しにくくする。

② 歯列矯正:正しい歯列はブラッシングが行いやすく、しかも咀嚼時に食物の自浄作用も良い。

③ その他、食片圧入の処置や、修復物のオーバーハングを修正して食片が停滞しないようにする。

165.75 mm

3.歯みがき Tooth�brushing

ブラッシングの目的は、まず第一に発炎性因子のプラークの除去、次に歯肉に対して適度なマッサージを与え、

血行をよくするとともに角化層を増し、歯周組織の抵抗力を強くすることである。

現在考えられているブラッシング方法は 10 数種類と数多くあるが、患者に

これらの方法を全部行わせるわけではなく、患者の歯周組織や歯列の状態に

よって、多くても数種類の方法を用いる。ブラッシングの方法は大別すると、

主に歯ブラシの毛先を使う方法と毛の脇腹を使う方法とがある。一般的に前者

はプラークの除去効果がより高く、後者は歯肉に対するマッサージ効果がより

期待できる。

図7-1 プラーク

❶主に歯ブラシの毛先を使う方法

(1)横みがき horizontal�method歯ブラシの毛先を歯面に垂直に当て、横すなわち近遠心

方向に歯ブラシを動かす。歯肉退縮やくさび状欠損を生じ

やすく、しかも隣接面部の清掃効果が悪いため、あまり推奨されない。

(2)縦みがき vertical�method歯ブラシの毛先を歯面に垂直に当て、縦すなわち垂直方向に歯ブラシを動かす。比較的隣接面の清掃は良いが、

歯肉退縮や歯肉の擦過傷を生じやすいので、あまり推奨されない。

(3)バス法 Bass�methodBass が 1954 年に発表した方法であり、歯面の汚れの他に歯肉溝や歯周ポケッ

トの内容物の除去を目的として考案された。この方法では、歯肉溝の中に毛先が入

るように、特に毛の直径が 0.007 インチの軟毛歯ブラシを用いるよう指定されてい

る。歯ブラシの毛先を歯軸に対して 45 度に当て、毛先を歯肉溝の中に入れて近遠

心方向に振動する。このとき、歯に近い毛束部の毛先を歯肉溝や歯周ポケット内に

入れ、ほかの毛束は歯面に当たるようにすることが大切である(図 7-2)。

(4)フォーンズ法 Fones�methodFones が 1934 年に発表した方法であり、別名、描円法(circular

method)とも言う。唇頰側歯面を上下顎同時にみがく方法。歯面に歯

ブラシを垂直に当て、切端咬合の状態で上下顎最後方歯から大きく円を

描くように1歯ずつ近心方向にずらしながらみがく(図 7-3)。プラー

クの除去効果は非常によいが、小さく円を動かすと縦みがきになる場合

がある。舌口蓋側は横みがきを行う。

(5)スクラッビング法 scrubbing�method頰側では歯ブラシを歯面に対して垂直に当て、毛先はわずかに歯肉に触れる程度

にし、主に歯面だけを毛先を近遠心方向に移動させてみがく(図 7-4上参照)。舌

口蓋側では歯ブラシを歯軸に対してバス法と同じように約 45 度に当て、歯面だけ

を毛先を近遠心方向に振動させてみがく。この時、唇頰側と同様に歯ブラシの毛先

はわずかに歯肉に触れる程度とし、歯肉溝や歯周ポケットの中に入れてはならない

(図 7-4下参照)。最後方臼歯遠心面は歯ブラシの先を用いてかき出すようにしてみ

がく。歯ブラシの動きは近遠心方向の振動であり、毛先を移動させないようにする

ことがポイントである。しかしながら、毛先を移動させないようにすることは難し

いので、実際は動く範囲を数 mm とする。この方法は、プラークの除去効果も高く、

行いやすく、しかも横みがきのようなくさび状欠損の危険性が少ないので望ましい

方法である。

 図7-3 フォーンズ法

 図7-4 スクラッビング法

Ⅶ 歯周基本(初期)治療

横みがきバス法スクラッビング法1歯ずつの縦みがき法

縦みがきフォーンズ法ブロッティング法

 図7-2 バス法

バス法

スクラッビング法

Page 3: I はじめに はじめに D A40 41 Ⅶ歯周基本(初期)治療 A プラークコントロール 165.75 mm 1.プラークコントロールとは プラークが歯肉に炎症を起こすことが、1965年の

62 63

図7-56 JankelsonⅠ級(白矢印)と作業側(黒矢印)での外傷性咬合のケースa:7の頰側咬頭内斜面にJankelsonⅠ級の咬頭干渉(白矢印)、および6遠心咬頭内斜面に作業側での咬頭干渉(黒矢印)

b:aに対合する7頰側近心咬頭外斜面に咬頭干渉(白矢印)を認め、病的ファセットにより面状の接触が生じている。また、6遠心頰側咬頭外斜面に作業側での咬頭干渉を認める(黒矢印)

c:BULLの法則に従い、6頰側咬頭遠心内斜面の削合を行うd:JankelsonⅠ級の法則に従い下顎頰側咬頭外斜面を削合、また、面状のファセットの球面形成を行う

 頰側 舌側

Ⅰ級 Ⅱ級 Ⅲ級

頰側 舌側 頰側 舌側

Ⅰ級 Ⅲ級

Ⅱ級Ⅲ級

Jankelson の分類にしたがって削合する。

〈 ステップ 3 〉

・Jankelson の分類Ⅰ級:上顎頰側咬頭内斜面と下顎頰側咬頭外斜面での早期接触

   ⇒下顎の頰側咬頭の頰側(外)斜面を削合

Ⅱ級:上顎舌側咬頭外斜面と下顎舌側咬頭内斜面での早期接触

   ⇒上顎の舌側咬頭の舌側(外)斜面を削合

Ⅲ級:上顎舌側咬頭内斜面と下顎頰側咬頭内斜面での早期接触

   ⇒下顎の頰側咬頭の舌側(内)斜面を削合

(2)側方運動a.作業側BULL の法則に従い削合する。また、場合によりMUDL の法則を適応する。

BULL の法則 :作業側の咬頭干渉に対して行う咬合調整の原則。上顎の頰側咬頭内斜面(UpperBuccal)

と下顎舌側咬頭内斜面(LowerLingal)の削合を行う。

MUDLの法則 :基本的には中心滑走時に用いる咬合調整法。上顎の近心咬頭斜面(UpperMesial)と下

顎の遠心咬頭斜面(LowerDistal)を削合する。

b.平衡側(非作業側)平衡側での咬頭干渉では、一般に DILU と MIBL の法則に従い咬合調整を行う。作業側と平衡側が均等に接

触している場合には削合を行う必要はない。基本的に削合は、主に上顎の歯(舌側咬頭の遠心内斜面)を削る。

これは下顎の接触部が頰側咬頭頂付近であることが多く、この部位が咬合嵌合位の重要な支持点になっている

ことが多いからである。平衡側の咬頭干渉は歯周組織に対して為害性がきわめて強いとされることから、十分

な検査と調整が必要となる。

(3)前方運動

通常は図 7-59aのように上顎前歯舌側を削合するが、場合により b、c のように削合する(黒い部分が削合

部位を示す)。リスクフォームがある

場合には、まずその歯を削合する(ス

テップ1)。臼歯においては DUML が

適応される(ステップ2)。なお、前

方運動路はすべての歯が接触する必要

はなく、特定の歯のみが接触誘導して

いても、その歯に咬合性外傷が生じて

いなければ削合する必要はない。

図7-57 上顎の歯は頰側咬頭(UpperBuccal)、下顎は舌側咬頭(LowerLingal)を削合する。

〈上顎〉平衡側 作業側 平衡側 作業側

〈下顎〉

頰側

舌側

頰側

頰側

舌側

頰側

a b c

図7-59 前方運動での削合のバリエーション

Ⅶ 歯周基本(初期)治療

図7-58 DILU:平衡側の削合は、上顎では舌側咬頭遠心内斜面を削合する MIBL:平衡側の削合は、下顎では頰側咬頭近心内斜面を削合する

作業側 平衡側

作業側平衡側

頰側

舌側

頰側

咬合調整・作業側

咬合調整・平衡側

咬合調整・中心咬合位

Page 4: I はじめに はじめに D A40 41 Ⅶ歯周基本(初期)治療 A プラークコントロール 165.75 mm 1.プラークコントロールとは プラークが歯肉に炎症を起こすことが、1965年の

152 153

Ⅻ 歯周外科処置の実際

L ルートリセクション Root�Resection(p.111参照)① ブリッジの支台歯である上顎右側第一大臼歯近心頰側根に根尖病巣を認める。

② ブリッジは私費で製作されており、患者はブリッジの除去を希望されていないことからルートリセクションを

行うこととした。

③ 歯肉弁を剝離翻転したところ、根分岐部病変と近心頰側根相当歯槽骨に病変が認められた。

④ 鋭匙で病巣を探ると根尖まで触知が可能であった。

⑤ 頰側近心の歯槽骨を注意深く除去し、頰側近心根をバーにより切除する。この場合も、アンダーカットが残ら

ないように注意することが必要であり、また、露出した根管はレジンなどで封鎖を行う。

⑥ 病巣部は十分に掻爬しておくことが必要である。

⑦ 掻爬後は歯肉弁を復位し縫合する。

⑧ 治癒後は特に補綴処置は行わず、このままの状態で口腔内で機能させることとした。

図12-94 ① 図12-95 ②

図12-96 ③ 図12-97 ④

図12-98 ⑤ 図12-99 ⑥

図12-100 ⑦ 図12-101 ⑧

M 膿瘍切開(歯周膿瘍)① 67に歯周膿瘍の形成を認める。

② 口蓋側にも歯周膿瘍を形成しているのが分かる。

③ エックス線写真像で根尖病巣は認めないことから、歯周膿瘍であると鑑別診断ができる。

④ 膿瘍部を避けてその周囲に浸潤麻酔を行い、メスを用いて骨膜まで達する切開を加える。このとき、しっかり

骨膜まで切開を達していないと再発を起こす。膿瘍部が歯頸部に近ければ、ポケット内からキュレットを用い

て排膿させることもある。

N 歯周組織再生誘導法��Guided�Tissue�Regeneration�Method:GTR法(p.82-84参照)① 6分岐部にLindhe の分類Ⅱ度の根分岐部病変を認める。

② エックス線写真によっても根分岐部病変が確認できる。

③ 6近心よりアクセスフラップを入れ、全層弁(粘膜骨膜弁)にて剝離を行う。根分岐部に病巣を認め、エナ

メル突起も確認された。

④ エナメル突起を除去し、十分な掻爬を行った後、GTR 膜(SingleWideStandard)を骨欠損より2〜3mm 大

きめにトリミングし、ゴアテックスの糸を用いて歯頸部にしっかりと固定する。

図12-102 ① 図12-103 ②

図12-104 ③ 図12-105 ④

図12-106 ① 図12-107 ②