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~排出上限量の割当方法を中心に~
東京都環境局排出量取引担当課長 木村 真弘
総量削減義務と排出量取引制度について
2011/3/11
IGES排出量取引セミナー
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1 都における気候変動対策の意義
2 東京のキャップ&トレード制度の概要
目 次
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1.都における気候変動対策の意義
1エネルギーの大消費地としての責務・東京のエネルギー消費量は北欧の一国なみ
2炭素制約時代での東京の成長を可能に・いちはやく低炭素型の都市に転換することが、
東京の持続可能な成長を可能に → 東京自身のメリット
1 都市における気候変動対策の意義
気候変動対策への都の基本姿勢
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・21世紀半ばまでには、世界全体でCO2を半減以下にする必要
・エネルギー供給側、製品生産側だけでなく、最終需要側の取組が不可欠
・巨大な最終需要者である大都市の低炭素型への移行が必要
「東京都気候変動対策方針」等より
「地球温暖化対策計画書制度」の運用
2000年12月、環境確保条例に基づく「地球温暖化対策計画書制度」を導入(2002年施行)
*一定以上の温暖化ガスを排出する事業所に、温室効果ガスの計画的な削減を求める
※事業所の自主的取組を推進
自主的取組の推進①(2002-2004)
自主的取組の推進②(2005-2009)
総量削減の義務化(2010~)
「地球温暖化対策計画書制度」(都環境確保条例)
・第1ステップ・排出量の報告と自主的な目標の設定
*3年間で2%
・第2ステップ・対象事業所がより高いレベルの削減対策に取り組むよう、都が基本対策を提示 (都による指導・助言)・対象事業所は、毎年、排出状況報告を都に提出・より積極的に温暖化対策に取り組む事業所を、都が 評価・公表 *5年間で6%
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6→ 順次具体化
「10年後の東京」策定
1990 2000 2006 20102008 2020 2050
●2006.12 全世界で、2050年までに半減以下の削減が必要
→2008年3月に「東京都環境基本計画」に位置づけ(分野別目標も設定)
●2007.6「気候変動対策方針」策定
目標達成に向けた「主な対策」を公表
◆温暖化対策:温室効果ガス削減目標の設定「2020年までに2000年比▲25%削減」
東京都の気候変動対策
●2008.6環境確保条例 改正
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2.東京都の大規模事業所対策~東京のキャップ&トレード~
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対象範囲 前年度の燃料、熱、電気の使用量が、原油換算で1,500 ㎘以上の1,332事業所(2009年3月末時点)
・オフィスビル等の業務部門:約8割・工場等の産業部門:約2割(都内の主要な超高層ビル、官庁も対象に)
総量削減義務の対象者
対象となる事業所の所有者。但し、届出があれば、所有者に代わって、又は所有者と共同で義務者となることができる。*一定規模以上のテナント事業者も義務者となることも可能
削減計画期間 5年間
第一計画期間:2010~2014年度第二計画期間:2015~2019年度排出量の把握と報告書の提出: 毎年
削減義務対象ガス 燃料、熱、電気の使用に伴い排出されるCO2
(1)制度の概要①
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(1)制度の概要②排出上限量の割当方法
グランドファザリング
基準排出量×削減義務率×5年間
*基準排出量: (原則)2002年度から2007年度までの間のいずれか連続する3か年度の平均
削減義務率(第1計画期間)
○地球温暖化対策の推進の程度が極めて優れた事業所は、トップレベル事業所として削減義務率を1/2又は3/4に軽減
検 証 基準排出量の申請、排出量の報告などの際には、登録検証機関の検証が必要
実効性の確保 削減義務未達成の場合、措置命令(不足量の1.3倍)。命令違反の場合、罰金(上限50万円)、違反事実の公表、知事による代行と費用請求
区 分 削減義務率
Ⅰ-1オフィスビル等と地域冷暖房施設(「区分Ⅰ-2」に該当するものを除く。)
8%
Ⅰ-2 オフィスビル等のうち、地域冷暖房等を多く利用している事業所 6%
Ⅱ 区分Ⅰ-1、区分Ⅰ-2以外の事業所(工場等) 6%
(2)削減計画期間
○削減計画期間:5年間
第一計画期間:2010~2014年度第二計画期間:2015~2019年度以後、5年度ごとの期間
2010年度 2011年度 2012年度 2015年度2014年度2013年度
計画期間 整理期間
履行期限2016年3月末
○総量削減義務の履行期限
計画期間終了後、1年間の整理期間の後、履行期限となる
(例)第1計画期間の履行期限
東京都環境局
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(3)CAP設定の考え方
基準年度 2020年度第1計画期間(2010-2014年度)
第2計画期間(2015-2019年度)
5年平均6%削減
5年平均約17%削減(見通し)
◆第1計画期間(2010-2014年度)を「大幅削減に向けた転換始動期」と位置づけ
総量削減目標を▲6%に設定⇒これを前提に、区分ごとの削減義務率を設定
◆「2020年、2000年比25%削減」に必要な業務産業部門の削減率は17%
◆第2計画期間におけるキャップ見通し:約17%程度(平均)(基準年度比)、第2計画期間開始前に決定
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(4)総量削減義務の内容
基準排出量 削減義務率× 削減義務量
5年間の排出量を、上記で定まる排出上限量以下に
5年間で排出可能なCO2排出量の限度
46,000トン
(9,200㌧(10,000トン×▲8%)×5年間)
≧削減義務履行
(削減計画期間:5年間)2010 ‘11 ‘12 ‘13 ‘14 年度
5年間の排出量の合計
手法1:自らで削減手法2:排出量取引
●「基準排出量」:10,000トン●第1計画期間の削減義務率:▲8%削減 の場合
2010 ‘11 ‘12 ‘13 ‘14 年度
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(5)①基準排出量~基本l 2002年度から2007年度までの間のいずれか連続する3か年度(どの3か年度とするかは、事業者が選択可能。ただし、その年度の排出量について、登録検証機関の検証が必要)
10,000トン CO2/年
(2010-2014年度)
削減計画期間
9,500トンCO2/年
(2002-2004年度の平均)
(2005-2007年度の平均)
9,200トンCO2/年×5年
500トン削減の状況が維持されるとすると、追加的に必要な削減は
300トン×5年に軽減される既に▲500トン削減
既に総量削減実績のある事業所は、過去の削減実績を生かすことが可能
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(5)②基準排出量~新規対象事業所
●新規事業所の基準排出量の設定方法
①過去の実績排出量に基づく方法を選択するための基準
②排出標準原単位を用いた算出値
○ 運用管理条件を満たしている場合のみ選択可
○ 自己チェックを行い、検証機関の検証を付して、都に運用管理報告書を提出
○ 都が定める用途区分別の排出標準原単位
●新規事業所(平成22(2010)年度以降特定事業所)の対象要件○ 前年度の燃料、熱及び電気の使用量が、原油換算で年間1,500kl以上
⇒ 知事は、「指定地球温暖化対策事業所」に指定 ⇒ 毎年度、「計画書」提出など
○ 3ヵ年(使用開始年度は除く。)連続してエネルギー使用量が原油換算1,500kl以上に該当
⇒ 知事は、「特定地球温暖化対策事業所」に指定 ⇒ 排出総量の削減義務発生
選択制
区 分 削減義務率
Ⅰ-1オフィスビル等※1と地域冷暖房施設(「区分Ⅰ-2」に該当するものを除く。)
8%
Ⅰ-2オフィスビル等※1のうち、地域冷暖房等を多く利用している※2事業所
6%
Ⅱ 区分Ⅰ-1、区分Ⅰ-2以外の事業所(工場等※3) 6%
※1 オフィスビル、官公庁庁舎、商業施設、宿泊施設、教育施設、医療施設等※2 事業所の全エネルギー使用量に占める地域冷暖房等から供給されるエネルギーの割合が20%以上※3 工場、上下水施設、廃棄物処理施設等
(6)削減義務率(第一計画期間)
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◆第二計画期間における削減義務率見通し:約17%程度(平均)(基準年度比)、第二計画期間開始前に決定
必須 一般 加点 必須 一般 加点 必須 一般 加点 必須 一般 加点 必須 一般 加点 必須 一般 加点
23 4 1 23 3 1 22 6 1 22 6 1 22 6 1 22 6 126 39 45 22 31 30 16 50 124 14 29 92 18 42 93 16 33 9725 56 9 23 47 9 35 61 49 25 49 31 25 48 34 26 42 3174 99 55 68 81 40 73 117 174 61 84 124 65 96 128 64 81 129
364(190) 269(145) 289(161) 274(145)小 計計 (必須+一般) 228(173) 189(149)
Ⅱ.設備及び建物の性能に関する事項
Ⅲ.設備及び事業所の運用に関する事項
上水道施設 下水道施設 廃棄物処理施設
Ⅰ.一般管理事項
評価区分区分Ⅰ(事務所等) 区分Ⅰ(DHC) 工場他
◆評価項目:重要度や難易度等を考慮して以下に分類
・トップレベル事業所:総合得点が80.0点以上 準トップレベル事業所:総合得点が70.0点以上
◆総合得点の計算方法
・総合得点=必須項目の得点+一般項目の得点+加点項目の得点
(必須項目の得点+一般項目の得点=基礎得点=100点) ※加点項目の合計点数は、20.0点を上限
・基礎得点の配点 一般管理:10点、 設備及び建物の性能:60点、 設備及び事業所の運用:30点
・必須項目・・・トップレベル事業所等が必ず取り組むべき項目
・一般項目・・・トップレベル事業所等が優先的に取り組むべき項目
・加点項目・・・取組を行っているとき、評価の対象とする項目
◆トップレベル事業所の主な要件
(7)トップレベル事業所・地球温暖化対策推進の程度が極めて優れた事業所
⇒トップレベル事業所に認定(削減義務率を1/2に減)・地球温暖化対策推進の程度が特に優れた事業所
⇒準トップレベル事業所に認定(削減義務率を3/4に減)
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(8)総量削減義務の履行手段
①超過削減量:対象事業所が義務量を超えて削減した量
②中小クレジット:都内中小規模事業所において認定基準に基づく対策による削減量
③都外クレジット:都外の大規模事業所の省エネ対策による削減量(削減義務量相当を超えた量に限る)
④再エネクレジット:再生可能エネルギー環境価値(グリーンエネルギー証書、生グリーン電力等を含む。)
2 排出量取引
☆①~④の量は、検証を経て、都に認定されることが必要(グリーンエネルギー証書については、既に認証手続を経ているので、都の検証機関の検証は不要)
高効率なエネルギー消費設備・機器への更新や運用対策の推進 など
1 自らの事業所で削減
都基準によりクレジット化した削減量を取引で取得
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首都東京の企業と行政、NGO・都民が連携して取り組む先駆的な温暖化対策
Tokyo Climate Change Strategy
東京都環境局 http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/