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PwC
IFRS 最新動向 (降り返り ~2012年)
4
日本 欧州 米国
2002年 ― ― IASBとFASBの間でコンバージェンスに合意(ノーウォーク合意)
2005年 CESRによる同等性評価を受け始める
EU域内の上場企業にIFRS強制適用
CESRが日本に対する同等性評価を開始
―
2006年 ― ― IASBとFASBがMoU締結
2007年 IASBとASBJ間でコンバージェンスの加速化に合意(東京合意)
IASC財団のガバナンス向上提案公表(EU、SEC、金融庁)
―
2008年 CESRによる同等性評価を得る CESRが同等性評価を日本に付与 IASBとFASBがMoU見直し
SECがロードマップ案を公表
2009年 金融庁企業会計審議会が「我が国における国際会計基準の取扱いについて(中間報告)」を公表
IFRS財団モニタリング・ボード設置 ―
2010年 IFRSの任意適用が開始(3月期) ― SECが単一の高品質なグローバル会計基準を支持する声明を公表
2011年 金融担当大臣がIFRS適用に関する声明を発表
― SECスタッフがスタッフ・ペーパーでコンドースメント・アプローチを説明
2012年 金融庁が「国際会計基準への対応のあり方についてのこれまでの議論(中間的論点整理)」を公表
IFRS財団がアジア・オセアニア・オフィスを東京に開設
IFRS財団モニタリング・ボードが「ガバナンス改革」最終報告書を公表→メンバー要件としての「IFRSの使用」
SECスタッフ最終報告書へのコメント公表
SECスタッフが最終報告書を公表(意思決定には追加の時間がかかる旨)
1.IFRS 最新動向
PwC
IFRS 最新動向 (降り返り 2013年~)
日本 欧州/IASB 米国
2013年 ASBJがASAFの初代メンバーに 選出
自民党が「国際会計基準への対応についての提言」を公表
金融庁が「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」を公表
IFRS財団がIASBに対する技術的諮問機関として会計基準アドバイザリー・フォーラム(ASAF)を創設
IFRS財団モニタリング・ボード(MB)がメンバー要件である「IFRSの使用」の定義を明確化
FASBがASAFの初代メンバーに選出される
2014年 1月:東証他による新指数「JPX日経インデックス400」がスタート
5月:自民党が「日本再生ビジョン」を公表
6月:政府が「日本再興戦略」改訂2014を閣議決定
7月:ASBJが修正版IFRS(JMIS)公表
8月:金融庁が内閣府令を改正(非上場IFRS適用会社が初めて提出する有価証券届出書の連結財務諸表の年数を短縮)
10月:金融庁が企業会計審議会総会を開催
11月:東証が会計基準の選択に関する基本的な考え方についての開示を要請
5月:IASBが収益認識(IFRS第15号)会計基準公表
7月:IASBが金融商品(IFRS第9号)の改訂公表(分類及び測定、減損含む)
11月:佐藤隆文元金融庁長官がIFRS財団の評議員に就任(評議員会副議長の藤沼亜起氏の後継)
3月:FASB および非公開会社評議会(PCC) が非公開企業のための最終基準(のれんの償却、簡素化された減損テスト適用可能)を公表
5月:FASBが収益認識基準を公表
2015年 - ASAFメンバー見直し予定(2年毎) -
2016年 2016年末までに、IFRS任意適用企業300社程度をめざす
MBメンバー見直し予定(3年毎) -5
1.IFRS 最新動向
PwC
IFRS 最新動向 - IFRSの任意適用の積上げを図る主な取組み
6
2013年6月に金融庁の企業会計審議会より「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」(以後「当面の方針」)が公表され、その後各提案に対して対応が取られました。
H12013 2014
H2 H1 H22015
任意適用が可能な企業数が大幅に増加
ASBJ内の「作業部会」にてJMISを開発
連結財規改正2013年「当面の方針」
~2012
財規改正2009年
中間
報告
開示負担の軽減
2011年
大臣発言
任意適用要件の緩和
上場企業・国際的な財務・事業活動の要件は撤廃
IFRSの適用の方法
エンドースメントされたIFRS
単体開示の簡素化
会社法の要求水準に統一することを基本
2010/3期~IFRS任意適用
開始
公開草案
IFRSの任意適用の積上げを図る取組み
2012年
中間的
論点整理
金融庁関連の動向
作業部会は、IFRSと日本基準に精通した作成者他により構成
内閣府令改正
IFRSを使用したIPOの増加
JMISの公表
1.IFRS 最新動向
PwC
政府は2014年6月24日に、新成長戦略「「日本再興戦略」改訂2014-未来への挑戦」を閣議決定
金融・資本市場の活性化
IFRSの任意適用企業の拡大促進
・2008年のG20首脳宣言において示された、会計における「単一で高品質な国際基準を策定する」との目標の実現に向け、IFRSの任意適用企業の拡大促進に努めるものとする。
・また、従来進めてきた施策に加え、IFRSの任意適用企業がIFRS移行時の課題をどのように乗り越えたのか、また、移行によるメリットにどのようなものがあったのか、等について、実態調査・ヒアリングを行い、IFRSへの移行を検討している企業の参考とするため、「IFRS適用レポート(仮称)」として公表するなどの対応を進める。
・上場企業に対し、会計基準の選択に関する基本的な考え方(例えば、IFRSの適用を検討しているかなど)について、投資家に説明するよう東京証券取引所から促すこととする。
2016年度2014年度 2015年度
IFRSの任意適用企業の拡大促進
2017年度~
IFRS適用レポート(仮称)公表
7
短信にて、2015年3月期決算から「会計基準の選択に関する基本的な考え方」の記載が要請される(2014年11月12日公表)例えば、IFRSの適用を検討しているか(その検討状況、適用予定時期)などを記載
IFRS 最新動向 -日本再興戦略
1.IFRS 最新動向
PwC
IFRS 最新動向 - JPX日経インデックス400
8
日本取引所グループと東京証券取引所(JPXグループ)及び日本経済新聞社は、2013年11月6日に、「JPX 日経インデックス400」を共同開発
3年平均ROE:40%
3年累積営業利益:40%
選定基準日時点における時価総額:20%
定量的指標
独立した社外取締役の選任(2人以上) IFRS採用(ピュアIFRSを想定)または採用
を決定 決算情報英文資料のTDnet(英文資料
配信サービス)を通じた開示
定性的指標
エムスリー、DeNA、双日、JT、三菱ケミカル
ホールディングス、花王、武田薬品、
アステラス製薬、田辺三菱製薬、中外製薬、
エーザイ、小野薬品、参天製薬、第一三共、
ヤフー、伊藤忠テクノソリューションズ、楽天、
コニカミノルタ、旭硝子、LIXIL、富士通、
アンリツ、日東電工、HOYA、伊藤忠、丸紅、
三井物産、住友商事、三菱商事、日本
取引所、ファーストリテイリング、ソフトバンク
2013年11月6日公表(第1回目銘柄:IFRS適用、適用予定32社が含まれる)
第1回目選定銘柄(左記)に加えて、以下の
IFRS適用、適用予定企業が追加された
セイコーエプソン、リコー
2014年8月7日公表(第2回目銘柄:IFRS適用、適用予定2社追加)
1.IFRS 最新動向
PwC
IFRS 最新動向 -日本のIFRS適用状況
9
12月1日現在、IFRSを適用又は適用を公表している企業は50社
業種 会社数
医薬品 9
卸売業 7
電気機器 6
情報・通信業 6
サービス 6
化学 4
ガラス・土石製品 2
証券、商品先物取引業 2
小売業 2
その他金融業、輸送用機器、金属製品、精密機器、食料品、不動産業
6(各業種1社)
2014年12月1日の状況
IFRS適用企業の数(50社)は、東証全体の会社数(3,430社)の
約1%
IFRS適用企業の時価総額合計(約71兆円)は、東証全体の時価総額(約529兆円)の
約13%
数は1%であるが、時価総額で換算すると
1.IFRS 最新動向
PwC
2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度
ヤフー LIXIL
参天製薬
日東電工
エーザイ
コニカミノルタ
エムスリー
ケーヒン
日本取引所G
富士通
セイコーエプソン
伊藤忠テクノソリューションズ
三菱ケミカルホールディングス
日本板硝子 DeNA
SBIホールディングズ
アンリツ
トーセイ
楽天
中外製薬
ネクソン
ソフトバンク
クックパッド
IFRS適用を正式に公表
【凡例】
日本電波工業 HOYA
住友商事 日本たばこ産業
マネックスG
双日
旭硝子
三井物産
伊藤忠商事
三菱商事
第一三共
丸紅
アステラス製薬
武田薬品
小野薬品工業
リコー
そーせいG
伊藤忠エネクス
1社 2社 2社 11社 13社 15社 2社 3社
300社達成か?
日本合成化学
(社数)
出典 : 東京証券取引所ホームページ
ファーストリテイリング
花王
IFRS適用
すかいらーく
田辺三菱製薬
電通
10
ホットリンク
コナミ
IFRS 最新動向 -IFRS適用及び適用公表企業
ネクスト
1.IFRS 最新動向
PwC
IFRS適用の兆候
11
兆 候 項 目 会社数
IFRS適用に向けた取り組みを開示 (*1) 105社
会計監査人とのIFRSにかかるアドバイザリー契約を開示 (*2) 444社
決算期変更を実施(予定) (*3) 24社
減価償却方法を変更(定率法⇒定額法) (*4) 182社
*1: 有価証券報告書(決算日は2013年1月1日~2013年12月31日)の「経理の状況」の“連結財務諸表等の
適正性を確保するための取組み”において、指定国際会計基準適用に向けた取組みに関する記述を
行っている会社数
*2: 有価証券報告書の「コーポレートガバナンスの状況等」において、会計監査人に対する非監査業務の
報酬を開示し、当該業務の内容としてIFRSにかかるアドバイザリー契約など(セミナーの委託なども
含む)を開示している会社数(出典:経営財務:3105号、3106号)
*3: 2009年1月1日から2014年6月11日までに「決算期の変更」・「定款の一部変更」等のタイトルで適時
開示を行い、「IFRS対応」を理由に決算期変更を発表した会社数(連結子会社のみの変更は除く)
(出典:経営財務:3167号)
*4: 調査対象は、2011年3月期~2014年1月期の会社
1.IFRS 最新動向
PwC
上位
300社
81%
その他
1532社
19%
東証一部(4,640,455億円)
時価総額割合
上位300社との比較
各母集団の平均時価総額
東証一部企業(1832社)2,533億円
東証一部上位(300社)12,454億円
東証一部のIFRS適用企業(46社)14,130億円
時価総額上位800社の中でIFRSに関する非監査報酬を記載している企業(83社)9,546億円
時価総額から見た東証一部市場におけるIFRSの状況(10月31日現在)
IFRS適
用46社
14%その他
1786社
86%
東証一部(4,640,455億円)
時価総額割合
IFRS適用企業との比較
12
1.IFRS 最新動向
PwC
各母集団の平均売上高
東証一部企業(1827社)3,939億円
東証一部上位(300社)18,994億円
東証一部のIFRS適用企業(46社)24,992億円
時価総額上位800社の中でIFRSに関する非監査報酬を記載している企業(83社)14,320億円
売上高から見た東証一部市場におけるIFRSの状況(直近の有価証券報告書情報より)
建設業9社
上位300社
79%
その他
1527社
21%
東証一部(7,196,862億円)
売上高割合
上位300社との比較
IFRS適用
46社
16%
その他
1781社
84%
東証一部(7,196,862億円)
売上高割合
IFRS適用企業との比較
13
1.IFRS 最新動向
PwC
17%
17%
20%24%
22%
IFRS適用企業(46社)
海外売上比率割合
開示なし
1%~20%
21%~40%
41%~60%
61%~78%
海外売上比率
34%
22%10%
20%
14%
IFRS適用に向けた取り組みを開示している企業(95社)
海外売上比率割合
開示なし
0%~20%
21%~40%
41%~60%
61%~90%
海外売上比率
海外売上比率の状況 (直近の有価証券報告書情報より)
14
1.IFRS 最新動向
PwC
(参考)IFRS財団とモニタリング・ボードの関係
15
IASB(IFRS作成)14人(うち日本人1人)
・鶯地隆継氏(元住友商事(株))
IASBメンバーの指名、資金調達等
評議員会(Trustees)22人(うち日本人2人)
・佐藤隆文氏(日本取引所理事長、元金融庁長官)
・岡田譲治氏(三井物産(株))
IFRS財団(民間)
監視、評議員の選任の承認
IFRS解釈指針委員会14人(うち日本人1人)
・湯浅一生氏(富士通(株))
IFRS諮問会議・熊谷五郎氏(日本証券アナリスト協会)
・村岡富美雄氏(日本経団連)(2015年1月1日より石原秀威氏に交代)
助言
モニタリング・ボード(公的監視機関)
(金融庁、SEC,IOSCO,EC新興市場枠:ブラジル、韓国)
・河野正道氏<議長>(金融庁金融国際審議官)
・細溝清史氏(金融庁長官)
基準設定上の論点に関する助言、見解の提供 会計基準アドバイザリー・
フォーラム(ASAF)メンバー12 日本他
1.IFRS 最新動向
PwC
IFRS財団が約 130カ国を調査
日本、インド、シンガポールを
含む
IFRS任意適用14カ国
IFRS強制適用105カ国
インドネシア、タイ
準備中2カ国
日本本社より、海外子会社等の方が既にIFRSを適用している場合が多い
米国と中国を含む
自国基準7カ国
金融機関のみ適用
3カ国
韓国、台湾、ミャンマー、マレーシア、香港を含む
17
Analysis of the IFRS jurisdictional profiles(出典 IASB HP: last updated 14 April 2014)
2.各国のIFRS適用状況
PwC
(参考)G20各国の現在の上場会社のIFRS適用状況
国 状況
アルゼンチン 2012年から強制適用
オーストラリア 2005年から強制適用
ブラジル 2010年から強制適用
カナダ 2011年から強制適用
中国実質的に自国基準をIFRSへコンバージェンス
EU 2005年から強制適用
フランス 2005年から強制適用
ドイツ 2005年から強制適用
インド 任意適用
インドネシアフルアドプションに向けてタイムテーブルを作成中
国 状況
イタリア 2005年から強制適用
日本 2010年から任意適用
メキシコ2012年から強制適用(銀行、保険会社除く)
韓国 2011年から強制適用
ロシア 2012年から強制適用
サウジアラビア 銀行、保険会社は強制適用
南アフリカ 2005年から強制適用
トルコ 2005年から強制適用
イギリス 2005年から強制適用
米国 2007年から外国登録企業に任意適用
上場会社のほとんどにIFRSを強制適用している国は、14か国
「ANNUAL REPORT 2013」(IFRS財団)を参考に作成
500社超が適用
任意適用積上げ中
2.各国のIFRS適用状況
18
PwC 19
国名公開企業の
IFRSの適用の可否
非公開企業のIFRSの
適用の可否IFRS適用方針 自国基準とIFRSの関係等
韓国 K-IFRSs原則K-GAAP(自国基準)、K-IFRSsは容認
アドプション済(K-IFRSs)
・K-GAAPは、旧企業会計基準を修正補完して簡素化
・長期的に中小企業向けIFRSに合わせる方針(主な差異:のれんの償却、LIFO許容など)
台湾
FSC(*1)によってエンドースメント
されたIFRS/IFRS/US-GAAP(*2)
*1:FinancialSupervisoryCommission
*2:外国会社のみ
台湾会計基準(自国基準)
アドプション済(但し一部金融機関等は2015年までに適用)
台湾会計基準は、米国基準およびIFRSを参考として規定(主な差異:退職給付会計の任意適用、数理差異等の遅延認識など)
ミャンマー
MFRSs
(店頭市場のみ存在)
MFRSs(自国基準=IFRS)/
MFRS for SMEs(自国基準=
中小企業向けIFRS)
アドプション済(2011年以降のIFRSの追加・修正アップデートを計画)
ミャンマー会計基準(MFRSs)はIFRSをアドプション(MFRSsは、2010年版のIFRSsをベース)
マレーシア MFRS
PERS(*3)(自国基準)/MFRS(=IFRS)
*3:Private EntityReporting Standards
アドプション済(MFRS)
・マレーシア会計基準(PERS)は2006年以前のIASをベース(主な差異:のれん、金融商品、機能通貨等)
・2016年からMPERS(≒中小企業向けIFRS)適用予定(早期適用可)
アジアにおけるIFRS適用の可否 / 今後のIFRS適用方針 (1/3)ご注意 : 以下の情報は、IASBの調査報告等を基に記載しておりますが、直近の各国の状況につきましては、現地の会計事務所に
ご確認いただきますよう、お願いいたします
2.各国のIFRS適用状況
PwC 20
国名公開企業の
IFRSの適用の可否
非公開企業のIFRSの
適用の可否IFRS適用方針 自国基準とIFRSの関係等
香港IFRS/HKFRS
(自国基準≒IFRS)
HKFRS(自国基準=IFRS)(外国設立企業は
IFRS可)
コンバージェンス済(HKFRS)
香港会計基準(HKFRS)はIFRSとコンバージェンスされている(特定の基準に関する発効日や経過措置の相違を除く)
シンガポール
SGX上場の場合
SFRS(自国基準)/IFRS/US-GAAP
SFRS(自国基準)
/SFRS for smallentities
・ほぼ全てアドプション済
・コンバージェンス予定
シンガポール会計基準(SFRS)はIFRSと非常に類似(IFRS 9は未適用 他)
中国企業会計準則
(自国基準≒IFRS)
企業会計準則(自国基準≒IFRS)
(中小を除く)
・実質的にコンバージェンス済(企業会計準則)
・継続的なコンバージェンスを目指す
企業会計準則は実質的にコンバージェンス済と主張(主な差異:有形固定資産、無形資産等の非流動資産の減損損失戻入の禁止など)
タイ
TAS(自国基準)(*1)
*1:Thai FinancialAccounting Standards
TAS for NPAEs(*2)(自国基準≒IFRS)
*2:TAS for Non-PubliclyAccountable Entities
段階的にアップデート・追加設定を予定(2014~2016年)
・主に上場企業を対象としたTASは2009年版のIFRSをベース
・主に非上場会社を対象としたTAS for NPAEsはTFRSを簡便化した基準。税効果会計や退職給付の数理計算等は任意適用。
アジアにおけるIFRS適用の可否 / 今後のIFRS適用方針 (2/3)ご注意 : 以下の情報は、IASBの調査報告等を基に記載しておりますが、直近の各国の状況につきましては、現地の会計事務所に
ご確認いただきますよう、お願いいたします
2.各国のIFRS適用状況
PwC
国名公開企業の
IFRSの適用の可否
非公開企業のIFRSの
適用の可否IFRS適用方針 自国基準とIFRSの関係等
インドネシア
SAK(*1)
(自国基準)
*1:Indonesian FinancialAccounting Standards(Standar Akuntansi
Keuangan)
SAK(自国基準)
・2009年時点のIFRSにコンバージェンス済
・2009年以降のIFRS改訂について順次コンバージェンス予定
・インドネシア会計基準(SAK)は2009年1月1日時点で有効なIFRSと実質的に同等
・土地の会計処理に関する会計基準等、一部インドネシア独自の会計基準あり
ベトナム
VAS(自国基準≒IFRS)
(銀行はIFRS強制/容認)
VAS(自国基準≒IFRS)
IFRSをベースとしたVASを整備する方針
ベトナム会計基準(VAS)はIFRS関連基準に基づき、部分的な差異を残して作成(主な差異:減損、金融商品、退職給付等に係る基準なし)
インドInd ASs
(自国基準)/IFRS
Ind ASs(自国基準)
・アドプションしていない
・コンバージェンスについては企業規模別に段階的に適用予定
・インド会計基準(Ind ASs)はIFRSをベース・法的枠組み又は現行の会計実務から生じる課題などに基づき、修正しており、いくつか差異あり
(外国為替レート変動の影響、のれんの償却、金融商品(表示、認識と測定)、初度適用など)
アジアにおけるIFRS適用の可否 / 今後のIFRS適用方針 (3/3)ご注意 : 以下の情報は、IASBの調査報告等を基に記載しておりますが、直近の各国の状況につきましては、現地の会計事務所に
ご確認いただきますよう、お願いいたします
2.各国のIFRS適用状況
21
PwC
IFRS 任意適用によるメリット・デメリット
メリット デメリット?
経営戦略
グローバル展開のための経営基盤の強化
・海外M&Aの取り組み容易化
・海外での資金調達の容易化
・業績管理の一元化による国内外のグループ各社に対するグリップ力の強化
IFRS導入時のコスト負担
⇒グローバル展開、経営管理効率化等を見据えた先行投資と捉える
決算に見積り要素が増えるため、業績のボラティリティ―が高まる可能性
⇒経営者の判断を明確にすることで、納得感を与える
ディスクロージャー
連結財務諸表の国際比較性の向上
外国人投資家の投資意欲向上
開示項目の充実による投資家に対する透明性向上
会社法や金商法の単体決算では日本基準での開示継続
⇒コンバージェンスにより差異は縮小傾向
有価証券報告書上の開示項目の増加により決算業務負担増加の可能性
⇒子会社の経営実態を把握するよう適切な情報を適時に入手することで、グループ経営強化につながる
3.IFRSの導入理由及びその課題
23
PwC
IFRS への対応に関するアンケート結果 -任意適用の理由-
24
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
回答社数(63社)に対する割合
(出典:経営財務:10月27日/3185号)
3.IFRSの導入理由及びその課題
PwC
IFRS への対応に関するアンケート結果 -任意適用によるメリット-
25
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
40%
45%回答社数
(出典:経営財務:10月27日/3185号)
3.IFRSの導入理由及びその課題
PwC
IFRS への対応に関するアンケート結果 -任意適用によるデメリット-
26
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
回答社数(190社)に対する割合
(出典:経営財務:10月27日/3185号)
3.IFRSの導入理由及びその課題
PwC
IFRS 関連業務に対するコスト(ご参考)
27
対象企業 IFRS関連の非監査報酬の平均金額
IFRS関連業務の記載がある企業数(a)
母集団企業数(b)
割合(a/b)
東証一部上場企業の時価総額上位800社
36百万円 83 800 10%
IFRS適用済企業 40百万円 13 35 37%
IFRS適用正式表明企業
112百万円 6 10 60%
化学(業種)企業 45百万円 12 132 9%
(注)外部アドバイザリー会社を併用しているケースもあるため、あくまで参考数値。また、非監査報酬にはIFRS関連業務以外の非監査報酬も含むことに留意。直近の有価証券報書よりデータ入手。
3.IFRSの導入理由及びその課題
PwC
修正国際基準(JMIS)とは
修正国際基準 (国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)Japan’s Modified International Standards (JMIS) : Accounting Standards Comprising IFRSs andthe ASBJ Modifications
2014年7月31日、企業会計基準委員会(ASBJ)が、修正国際基準(JMIS)の公開草案を公表し、コメント期限の2014年10月31日までに19件のコメントが提出されています。修正国際基準の正式名称は、以下のとおりです。
• 現行の指定国際会計基準は任意適用のまま維持される• JMISによって日本の資本市場で四つの基準が併存する見込み• 金融庁がJMISを制度化する段階で、適用時期等が定められる
見込み
以下の3つから構成されます。
IASBにより公表された会計基準等 *でASBJが採択したもの
ASBJによる修正会計基準• のれんの会計処理• その他の包括利益の会計処理
修正国際基準(JMIS)
「修正国際基準の適用」
* 本公開草案では、2012年12月31日現在で国際会計基準審議会(IASB)により公表されている会計基準等(会計基準及び解釈指針)
日本基準
JMIS
指定国際会計基準
USGAAP
日本の資本市場
IASBが公表するIFRS
29
4.修正国際基準(JMIS)
PwC
(参考)IFRSのエンドースメントに関する作業部会 参加メンバー
30
作業部会(名簿:18名)は、IFRSと日本基準に精通した作成者、利用者、監査人、学識経験者で構成
氏名 肩書
小賀坂 敦(部会長)企業会計基準委員会 副委員長(常勤)
関口 智和 ASBJ委員(常勤)
今給黎 真一株式会社日立製作所 財務統括本部財務一部 担当部長
加藤 治永住友商事株式会社 総合経理部 部長代理アカウンティングリサーチチームリーダー
髙畑 修一三菱重工業株式会社 経営・財務企画部企画グループ 主席部員
香川 勉 株式会社東芝 財務部主計担当グループ長
山床 眞一 新日鐵住金株式会社 財務部 決算室主幹
貝増 眞 日本証券アナリスト協会 教育第1企画部長
熊谷 五郎みずほ証券株式会社 経営調査部上級研究員
氏名 肩書
秋葉 賢一 早稲田大学商学学術院教授
万代 勝信 一橋大学大学院教授
小倉 加奈子 有限責任あずさ監査法人 公認会計士
岸上 恵子 新日本有限責任監査法人 公認会計士
古内 和明 有限責任監査法人トーマツ 公認会計士
紙谷 孝雄 企業会計基準委員会 ディレクター(総括担当)
板橋 淳志 企業会計基準委員会 ディレクター(金融担当)
川西 安喜 企業会計基準委員会 ディレクター(国際担当)
荻原 正佳企業会計基準委員会トランスレーション・プロジェクト・マネージャー
氏名 肩書
小野 行雄 ASBJ委員長(常勤)
関根 愛子ASBJ委員(常勤) あらた監査法人 公認会計士日本公認会計士協会 副会長
東証 ―
金融庁 ―
【オブザーバー】
(敬称略)
4.修正国際基準(JMIS)
PwC
修正国際基準(JMIS)の開発ASBJでは「当面の方針」を受けて「作業部会」による検討を2013年8月
からスタート、2014年7月にJMISの公開草案のドラフトを作成しました。同月24日のASBJの公表議決を経て、31日に公開草案を公表しました。今後は、コメント募集を経て、日本基準の場合と同様のDue Processに
よって基準の開発が進められると想定されています。
JMISの公開草案
● 修正国際基準の公開草案の公表にあたって● 修正国際基準の適用(案)● ASBJによる修正会計基準公開草案
第1号「のれんの会計処理(案)」● ASBJによる修正会計基準公開草案
第2号「その他の包括利益の会計処理(案)」
4.公開草案10月末までコメント募集
5.(予定)
最終基準
1.論点の洗出し
2013年8月~作業部会による
検討
検討が必要な項目の候補
JMISガイダンス
等公開草案公表後に検討予定
時期未定
2014年7月、ASBJの議決により公表
JMISの登場により、4基準併存となるが大きな収斂の流れの中の1ステップと位置付ける
エンドースメントする際の判断基準は、会計基準に係る基本的な考え方、実務上の困難さなど
「削除又は修正」は国際的にも合理的に説明できる範囲に限定
現在は初度エンドースメント手続(2012年12月31日現在でIASBにより公表されて
いる66の会計基準等を対象)として、その中から約180個の論点を抽出
約30個の論点に絞込み、次ページに一覧あり
2.詳細な検討
3.絞込み
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4.修正国際基準(JMIS)
PwC
公開草案での「削除又は修正」項目の概要
修正会計基準1号
「のれんの会計処理」(案)
【IFRS】のれんは非償却
【修正】のれんを償却(20年以内の効果の及ぶ期間)
• のれんの毎年の減損テストについてはIFRSを修正しない
• 企業結合で取得した無形資産の識別の取扱いについてもIFRSを修正しない
• 関連会社・共同支配企業に対する投資に係るのれん相当額についても償却
• 関連会社・共同支配企業に対する投資に係るのれん相当額について配分した減損損失は戻入しない
修正会計基準2号「その他の包括利益(OCI)の会計処理」(案)
【IFRS】OCIを純利益に組替ない(リサイクリングしない)
【修正】OCIを純利益に組替える(リサイクリングする)
• 資本性金融商品の OCI オプション➔ 認識の中止時および減損損失の認識時にリサイクリング
• 退職給付に関する再測定部分➔ 平均残存勤務期間で按分した額をリサイクリング
• 公正価値オプションに指定された金融負債の自己の信用リスク➔ 認識の中止時にリサイクリング
コメント期限の2014年10月31日までに19件のコメントが提出されています。適用時期等は、金融庁により修正国際基準が制度化された段階で検討することとされ、JMISのガイダンスや教育文書の取扱についての検討も予定されています。
修正国際基準(JMIS)の公開草案では、ASBJによる修正会計基準案として以下の2つを示しています。
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4.修正国際基準(JMIS)
PwC
「修正国際基準」公表の意義と今後の課題-金融庁 池田総務企画局長の掲載記事
今最も大事なこと
「修正国際基準」を重要な拠りどころにし、我が国の
ポジションを国際的にこれまで以上に明確に示す
IASB等との間で我が国としての意見発信を積極的に行う
IASBで、IFRSの所要の改訂に向けた議論の場が設け
られていくよう、関係者が一致団結して、働きかける
両者(リサイクリングとのれんの償却)について日本の主張が受け入れられ、「修正国際基準」は晴れてピュアな「IFRS」となる
(出典:経営財務:9月29日/3181号)
上記の取組みが功を奏して
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4.修正国際基準(JMIS)
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