7
〔千集医学 ㌲㌭ⴭⴳ㈹ ㄹ㜵⤠ ぺントパノレビタールの脳内濃度と麻酔深度の経時的観察 要生* ⢏몘愠 6 日受付) 要旨 ぺントパ j レビター J レ,催眠時の薬物の脳内濃度と麻酔深皮との関係を明らかにする目的で実験 を行ない,さらにカフェイン,あるいはクロルプロマジンを前投与し,ぺントパ J レビターノレ の薬理作用と代謝におよぽす影響を比較検討した。雄のウイスター系ラットに,カフェイン 㔰 浧晫g あるいはクロ J レプロマジン 浧晫g を腹腔内投与し, 㔠✢✭✱0 分後に, それぞれ興 奮あるいは抑制の見られたラットに ㌰ 浧晫g のぺン卜パ J レピター J レを静注し, その後適当な 時間に断頭し,全脳と血中のペン卜パ J レビター J レを定量した。麻酔深度は 䍲潦t のスコア法 に従った。導入時間は,ぺントパノレピター J レ投与後,正向反射の消失までとし,平均睡眠時間 は,その消失から回復までの時間とした。ぺントパノレピタール単独投与群,カフェイン前投与 群,クロルプロマジン前投与群のそれぞれで,導入時間は, 㘵⸰ 秒, 㤴⸱ 秒, 秒以内, 均睡眠時間は, 㔰⸳ 分, ㌶⸰ 分, ㄱ㤮6 分であり, 最も深い麻酔深度に達する時間は, 分, 分, 1 分以内であった。回復過程で, ペントパノレビター J レ単独投与群は速かに回復し, フェイン前投与群は協調運動を欠く時期が,クロノレプロマジン前投与群はうずくまったままの 時期が見られた。また,ぺントパ J レビタールの脳内,および血中濃度には,カフェイン前投与 群の脳内 分値を除き, 有意の差が見られなかった。ぺントパルピタール単独投与群で、は, 麻酔深度と薬物の脳内濃度の聞に平行関係が認められた。一般行動の面からは,カフェインは 措抗的であり,クロ J レプロマジンは,明らかに協力していたが,ぺントパ J レピター J レの脳内濃 度と行動との面でずれが生じていたところから,カフェイン,クロルプロマジンは,ぺントパ ノレピターノレ,代謝以外の面で,ベントパルピターノレ催眠に対して,拾抗ないし協力するものと思 われる。 䭥祷潲摳㨠 ぺントパルピター J レ催眠,スコア法,ぺントパルピタール脳内濃度と行動 タールの催眠に対するカフェインの桔抗ならびにクロ J まえがき プロマジンの協力が,ペントパ j レピタールの脳内濃度を 短時間作用型のパ J レピツレイトであるべントパルピタ 変化させることに由来するものかどうかについての研究 j レの催眠作用に対し,中舷全般に興奮作用を持つカフ は少ない ㈭㨱) ェイン,強力な神経遮断薬であるクロ l レプロマジンが, 本研究はぺントパ J レピタールの脳内濃度と麻酔の導 それぞれ中枢興奮のレベノレの面で拾抗,協力作用を現わ 入,深度および持続との関係を経時的に観察し,ぺント すりことは周知のところである。また, ぺン卜パルピタ パルピタールの催眠作用と脳内濃度との相関を確認する ールの催眠作用の深度や持続が,その脳内濃度と相関関 とともに,カフェインの桔抗,クロルプロマジンの協力 係にあることも疑いを入れない。しかし,ぺントパノレピ が,ぺントパルピタールの脳内濃度の変化によるものか 徒千葉大学医学部脳機能研究施設 奏卅䤠 佈吠 䄺 䄠呩浥 䍯畲獥 却畤礠 潮 䱥癥汳 潦 䅮慥獴桥獩愠 慮搠 健湴潢慲扩瑡氠 䍯湣敮瑲慴楯渠 瑨攠 䉲慩渮 䉲慩渠 剥獥慲捨 䥮獴楴畴e 卣桯潬 潦 䵥摩捩湥 䍨楢愠 啮楶敲獩瑹 䍨楢愠 ㈸〮 剥捥楶敤 景爠 灵扬楣慴楯n 䩵湥 ㄹ㜵⸠

リgpmr^[フ]Zxニ[xフoIマ@ - Chiba U...J s^[フ]Zxニ[xフoIマ@ 325 06 lJf ain 0.4 0 E 2 280 220 3. カィソゥoオスリgps^{フOzネB}カシェヘtCEシェヘS]ゥフotナフ

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Page 1: リgpmr^[フ]Zxニ[xフoIマ@ - Chiba U...J s^[フ]Zxニ[xフoIマ@ 325 06 lJf ain 0.4 0 E 2 280 220 3. カィソゥoオスリgps^{フOzネB}カシェヘtCEシェヘS]ゥフotナフ

〔千集医学 51323----3291975)

ぺントパノレビタールの脳内濃度と麻酔深度の経時的観察

太 田 要生

(昭和 50年6月25日受付)

要 旨

ぺントパjレビター Jレ催眠時の薬物の脳内濃度と麻酔深皮との関係を明らかにする目的で実験

を行ないさらにカフェインあるいはクロルプロマジンを前投与しぺントパJレビターノレ

の薬理作用と代謝におよぽす影響を比較検討した雄のウイスター系ラットにカフェイン

50 mgfkgあるいはクロ Jレプロマジン 10mgfkgを腹腔内投与し 5 -10分後に それぞれ興

奮あるいは抑制の見られたラットに 30mgfkgのぺン卜パJレピター Jレを静注し その後適当な

時間に断頭し全脳と血中のペン卜パJレビターJレを定量した麻酔深度は Croftのスコア法

に従った導入時間はぺントパノレピターJレ投与後正向反射の消失までとし平均睡眠時間

はその消失から回復までの時間としたぺントパノレピタール単独投与群カフェイン前投与

群クロルプロマジン前投与群のそれぞれで導入時間は 650秒 941秒 30秒以内 平

均睡眠時間は 503分 360分 1196分であり 最も深い麻酔深度に達する時間は 10分

10分 1分以内であった回復過程で ペントパノレビターJレ単独投与群は速かに回復し カ

フェイン前投与群は協調運動を欠く時期がクロノレプロマジン前投与群はうずくまったままの

時期が見られたまたぺントパJレビタールの脳内および血中濃度にはカフェイン前投与

群の脳内 30分値を除き 有意の差が見られなかったぺントパルピタール単独投与群では

麻酔深度と薬物の脳内濃度の聞に平行関係が認められた一般行動の面からはカフェインは

措抗的でありクロ Jレプロマジンは明らかに協力していたがぺントパJレピターJレの脳内濃

度と行動との面でずれが生じていたところからカフェインクロルプロマジンはぺントパ

ノレピターノレ代謝以外の面でベントパルピターノレ催眠に対して拾抗ないし協力するものと思

われる

Keywords ぺントパルピター Jレ催眠スコア法ぺントパルピタール脳内濃度と行動

タールの催眠に対するカフェインの桔抗ならびにクロ Jレまえがき

プロマジンの協力がペントパjレピタールの脳内濃度を

短時間作用型のパJレピツレイトであるべントパルピタ 変化させることに由来するものかどうかについての研究

ーjレの催眠作用に対し中舷全般に興奮作用を持つカフ は少ない2-1)

ェイン強力な神経遮断薬であるクロ lレプロマジンが 本研究はぺントパJレピタールの脳内濃度と麻酔の導

それぞれ中枢興奮のレベノレの面で拾抗協力作用を現わ 入深度および持続との関係を経時的に観察しぺント

すりことは周知のところであるまた ぺン卜パルピタ パルピタールの催眠作用と脳内濃度との相関を確認する

ールの催眠作用の深度や持続がその脳内濃度と相関関 とともにカフェインの桔抗クロルプロマジンの協力

係にあることも疑いを入れないしかしぺントパノレピ がぺントパルピタールの脳内濃度の変化によるものか

徒千葉大学医学部脳機能研究施設

YOSEI OHT A A Time Course Study on Levels of Anaesthesia and Pentobarbital Concentration in

the Brain

Brain Research InstituteSchool of MedicineChiba UniversityChiba 280

Received for publicationJune 251975

324 太田 要 生

どうかを明らかにする目的で行なわれた

実験方法

体重 150250gの雄のウイスター系ラットを用い

カフェイン 50mgkgあるいはクロルブロマジン 10mg

kgを腹腔内投与後 5から 10分後に興富あるいは抑

制の出現を確かめてからぺントパlレピタール 30mgJkg

を尾静脈より静注したその後適当な時間に断頭し全

脳と血中のペントパルピター Jレを定量したペントパJレ

ピターJレ単独投与群の場合にはペントパJレピタール静

注後同様の過程でぺントパルピター Jレを定量した

麻酔深度および回復過程の決定には Croftのスコア

法い5)を用いた麻酔深度のスコアは

1 動物は立っていられなくなるが横にしようとす

るともとにもどり

2 立っていられなくのみならず横にするとそのま

まになっており

3 後肢を引っばっても縮めないが眼験反射は存在

4 後肢の反射も眼験反射もなくなる

また回復過程のスコアは

(1) 動物が横位から自発的に起き上ろうとし

(2) うずくまりすわった姿勢がとれ

(3) 自発的に動くようになるが運動全体に協調性

を欠いており

(4) 正常な運動ができるようになりまわりのもの

に興味を示す

これらのスコアを指標として各時間における麻酔深

06

04

02

220 240 260 280 300 320 mp

図1 標準品ぺントパルピタールの紫外部吸収曲娘

縦軸は吸光度横軸は波長 (mμ)0 (EB)は

pH99での開準品ぺントパルピタールの紫

外部吸収曲線 (EN) は pH130での標準品

ぺントパルピタールの紫外部l民収曲線を示す

dEIE刊一 EB)at260 m~ 04 ~

03

02

01

o 1 0 20 30 40 50 60 70

ド9ノ2ml

図2 260 mμ での ENと EB のl成光度の差と標準

品ぺントパルピタールの量との関係

縦軸は 260mμ での ENと EB の吸光度差

横軸は 045規定苛性ソーダ溶液中の原準品

ぺントパルピタルの量 (μgJ2 ml)を示すo

度および回復状態を決定したまた導入時間はぺ

ントパルピタール投与後正向反射の消失までとし平

均睡眠時間はその消失から回復までの時間とした

ペントパJレピタールは Broughtonの方法6) を一部

改良して定量したすなわち標準品のぺントパルピタ

ールを pH99 (以下 EB) および pH130 (以下 EN)

で 2l0360 mμ の範囲で測定を行なうと図 lに見ら

れるように EB では吸収極大が 238240mμ に EN

では吸収極大が 252--255mμ吸収極小が 234237mμ

にあり EB とENの吸光度の同じ波長が 227230 mμ

および 247250mμ にあったまた ENと Eoの最大

の吸光度の差は 260mμおよび 236mμ にあった 260

mμ での ENと EBの吸光度差とぺントパJレピタールの

量との聞には図 2に見られるように直線関係が得られ

たこの検量曲線より生物材料からのぺントパJレピタ

ーJレを定量したo またぺントパルピタールの絶対量が

少ない場合には EB および ENの吸収極大吸収極小

はldquo肩として現われた

全脳でのぺントパルピタールの定量は断頭後直ちに

全脳をとり出し氷冷下の pH 18の硫酸に浸し蒸留

水で摩砕した後 クロロホルムで抽出し 有機層を 05

モJレの燐酸緩衝液で洗い 有機層から 045規定の苛性

ソーダで再抽出を行なった さらに 1000xgで遠心

後水層をア Jレカリ抽出液としたアルカリ抽出液の

pH99 および pH130で 210360mtの範囲で測定

を行なった血液の場合は断頭後直ちに全血を集め同

じ方法で定量を行なった血液からの吸収曲線は図 3に

示すように Es および ENの吸収極大吸収極小は

ピークとなったが 全脳からの吸収曲線では ldquo肩と

して現われたこれは全脳に分布するぺントパjレピタ

325 ぺントパJレピタールの脳内濃度と麻酔深度の経時的観察

06

lJfain

04

02

280 220

国 3 生物試料から抽出したぺントパルピタルの紫外部吸収曲線

図左半分は血液右半分は全脳からの抽出液での ENおよび

EB を示す図左半分の破線は ぺントパルピタールを投与しな

いラットからの生物試料での Eu および E~ を示す縦軸は吸光

度横幅hは波長 (mp)を示す

220 2柑

yen yen-

刷ω

--yen之』

4三~岡田

-レの絶対量が少ないためである回収率は血液で

95全脳で 70であった

使用した薬物はぺントパノレピタールはネンブタール

カフェインは 1gのカフェイン末を 50mlの蒸留水に

溶解したものクロルプロマジンはウインタミンを使

用した動物への薬物投与はすべて午後 l時から 2時の

間に行なったぺントパJレビタールの紫外部吸収測定に

は目立自記分光光度計 EPS-3型を用いた

実験成績

ペントパJレピタール単独投与群でのぺントパJレビター

Jレの脳内血中濃度の経時的変化およびスコアを図 4

p9ノ9

40

30

20

ベblood 10ト bull

B

5 1030 60 fllll1

score 1-3 2-4 4 4(1)(2)-(4)

図4 ぺントパルピタール単独投与群の全脳および

血中のぺントパルピタール濃度の経時的変化

と各時間でのスコア

縦軸はぺントパルビタール濃度 (μgfg)横

制lは時間(分)を示す下の段はスコア(本

文参照)を示す

に示すぺントパJレビターJレは静注後 3分で脳内にお

いて最高値 355μgjgに達し 30分 間 そ の 値 を維持し

たまた血中濃度は投与後 30秒で最高値 293μgjgに

達し 1分後には脳内濃度より低くなりその後減少を

続けた 1時間後には脳内血中のぺントパルピター

Jレは痕跡程度まで減少していたまたスコアはぺン

トパJレピタール投与後 30秒では 13 3分で 24

10分で 4 30分ではほとんどのラットは 4であるが

なかには回復過程に入り (1)を示すラットも見られた

正向反射回復後は (2)(3)はほとんど見られず (4)

まで急速に回復したこの場合導入時間は 650秒平

均睡眠時間は 503分であった

図 5にカフェイン前投与群でのぺントパルピタールの

内19

40

30

20

---プ人+blood

5 1030 60 min

score 1-3 3-4 4 (1)向

図5 カフェイン前投与群でのぺントパルピタール

の全脳および血中濃度の経時的変化と各時間

でのスコア

縦軸はぺントパルビーヲール濃度 (μgfg)横

i国lは時間(分)を示す下の段はスコア(本

文参照)を示すo

326 太田嬰生

ド9ノg

40

30 ぺbrain

20

10 bull

5 10かすすmln

score 3-4 4 4 4 4

図 6 クロルプロマツン前投与群でのぺンドパルビ

タールの全脳および血中濃度の経時的変化と

各時間でのスコア

表 1 Effects of ca百eine and chlorpromazine

on onset and duration of sleep induced

by pentobarbital

Onset of sleep Duration of sleep (sec) (min)

Control 650土 118 503土 61

Caffeine 941土 316 360t98骨骨

Chlorpromazine く300 1196土 344骨骨骨

骨 州 州 骨pく005 pく001 pく0005

表1 カフェインおよびクロルプロマジンのぺント

パルピタール催眠の導入時間持続時聞にお

よぼす影響

コントロールはぺントパルピタール単独

投与群カフェインは カフェイン前投与群

gjg)(μはぺントパルピタール濃度l縦制 硝 (本文参照)クロルプロマツンはクロルプロ

料lは時間(分)を示す下の段はスコア(本

文参照)を示すo

脳内血中濃度の経時的変化と各時間のスコアを示す

ぺントパJレピター Jレの全脳内濃度は 30分後には 222

μgjgまで減少したが この値は ぺントパJレピターJレ

単独投与群ではまだ麻酔状態を示す量であるまた他

の時間では全脳内血中のぺントパルピタール濃度

はぺン -Jyenレピター Jレ単独投与群と有意の差がなかっ

た スコアはぺントパノレピタール投与後 30秒で 1 3

3分で 3410分で 430分後に (1)を示したまた

正向反射回復後 (3)の状態がペントパルーピター Jレ単独

投与群に比べて長く続いたこの場合導入時間は延長

し平均睡眠時間は短縮した

クロ Jレプロマヲン前投与群でのペシト jレピター jレの

脳内血中濃度の経時的変化と各時間のスコアを図 6

に示すぺントパJレピタールの全脳内血中濃度はぺ

ントパルピター Jレ単独投与群と有意の差がなかったo ス

コアはぺントパルピター Jレ投与後 30秒で 34 1分以

内に 4に達し以後 l時間まで 4が続き bull1時間を過ぎ

そから (1) まで回復したまた正向反射回復後 ~(2) の

状態がぺントパJレピター Jレ単独投与群に比べ非常に長

く続いた

ぺントパルピター Jレ単独投与群では導入時間は

650秒平均睡眠時間は 503分であったカフェイン

50 ingJkgを前投与すると導入時間は 941秒に延長し

危険率は 005以下であったまた平均l睡眠時 間は

360分に短縮し危険率は 001以下であった一方

クロルプロマ少シ 10mgjkgを前投与すると 導入時間

は 30秒以内に短縮し平均睡眠時間は 1196分に延長

し危険率は 0005以下であった前者に関しては推計

学的処理はできなかったこれらをまとめて表 lに示

マクン前投与群(本文参照)での導入時間お

よび持続時聞を示すぺ骨骨骨昏持はそれぞ

れの危険率で有意の差があることを示す

考 察

一般に生物材料からのパJレビツレイトの定量は一度

有機層に抽出しiさらにアルカリに再抽出する方法7-11)

が用いられているがこの方法ではパルビツレイトの代

謝産物12-13)も含めて測定した値が求められる本法6)で

は pH99および pH130で 260mμ での吸光度の差を

利用しているので生物材料からの組織のもつ吸光度の

測定を不必要とし時間的にも早く測定できる利点があ

るぺントパルピタールは容易に脳血液関門を通過8)し

脳あるいは他の器官組織へ移行するもの 14-17)であり

各器官組織の分配はそれらの血流量と組織分配係数

によるとされているなおペントパルピタールの一部

は血妓蛋白と結合するがこのぺントパノレピタールもわ

ずかながら器官組織への分布に関与するものと考え

られる

ペントパルビタール単独投与時の脳内のぺントパjレピ

タール濃度と Croftのスコア法1)による各時間の麻酔

深度との聞には全体として相関関係が得られたー

方前投薬としてカフェインクロルプロマジンを与

えた場合の一般行動を観察した結果カフェインはぺン

卜パJレピタール催眠に措抗的でありクロ Jレプロマ少ン

は明らかに協力していた

この経過中のぺントパルピタールの脳内 血中濃 度

は カフェイン前投与群の脳内 30分値が有意に減少し

ているほかには脳内血中のぺントパJレピタール濃度

327 ぺントパJレピタールの脳内濃度と麻僻深度の経l時的観察

には有意な変化が見あれなかったこのカフェイン前

投与群での脳内 30分値の減少は一般に実験動物にお

いてカフェインが脳循環を増加させるといわれている

18)のでぺントパJレピターJレの分布ことに脳内からの

ぺントパJレピタールの運び出しに関係するものと思われ

るがこの点に関しではなお検討を要するまた覚醒

時のぺントパJレピタールの脳内濃度はぺントパルピ

タール単独投与群クロ Jレプロマヅン前投与群では

20μgjg以下であったo つまり カフェイン前投与群で

ほぼ覚醒状態にある脳内 30分値 222 pgjgという値は

他の 2群ではまだ麻酔状態を示す量である

ペントパJレビタールあるいは他のパJレビツレイトの脳

内血中濃度の経時的観察については諸家の報告19-20)

があるがスコア法による麻酔深度との関連について

は明らかにされていないさらにぺントパノレピター

Jレの脳内各部位での分布には差がありニューロン分画

に多く非ニューロン分画に少ないといわれている 21】著

者は全脳を等張の庶糖溶液によりシナプトゾーム分

画と非シナプトゾーム分画にわけベントパノレピター

Jレの分布を調べぺントパjレピタールはほとんど後者

に分布するという結果を得たがmこの場合ー分布する

ぺントパjレピターJレの絶対量が少なかったため本法に

よる正確な定量はできなかったしかじ全脳に分布す

る約 60のぺントパJレピタールが 非シナプトゾーム

分画lこ存在していることは疑いがないこの結果は等

張庶糖溶液によるシナプトゾーム分画の精製過程での物

理的なぺントパJレピタールの非シナプトゾーム分画への

移行の結果であるかも知れないがぺントパJレピターJレ

が膜成分あるいは神経終末に強く結合していないととを

示唆するものと思われる

生体を一つのコンパートメントと考えて薬物の分

布吸収排世についての動力学的な解析を行なう方法

mがあるが著者向もぺントパJレピターノレ単独投与群の

血中濃度から同様の解析を行ないぺントパJレピター Jレ

は急速相と低速相の 2相に分かれて分布吸収排池

が起っており血中濃度の半減期は 急速相で 34分で

あり低速相では 1時間以上であるととを見ているま

た パJレピツレイトの代謝凡24-26)は主に肝でフk酸化

あるいは酸化されるといわれておりさらにパノレピツー

Jレ酸の作用時間を限定する主な因子はパルピツ νィト

が脳から血流によって他の脂肪の少ない組織へと再分

布される速度であるともいわれている 27)また脂肪の

少ない組織に再分布したパノレピツレイトは最終的に

は体内の脂肪組織に分布するこ主も明らかにされてい

る28)

カフェインを動物に連続投与すると肝ミクロゾーム

分画の酵素活性を上昇させるという報告別もあり 他

方カフェイシはぺントパルピターJレの代謝には何の影

響もおよぽさないという報告30)もあるまた クロ Jレプ

ロマツンは投与量が大量である場合と少量である場合

とではベシトパノレピター Jレの代謝あるいは脳内濃度への

影響が異るという報告もある 2)実験動物種や実験条件

の違いはあるがカフェインあるいはクロルプロマジン

を前投与した場合これら薬物のパルピツレイトの薬理

作用への影響はいずれも代謝を介するものではないと

報告されているμ

本実験ではカフェィンあるいはクロルプロマジンをラ

ットに投与しその後比較的短時間のうちにペントパル

ピターJレを投与したがこれらの前投薬はぺントパル

ビターJレの脳内濃度にはあまり大きな影響を与えず

にカフェインではぺントパルピタール催眠の導入時

間を延長持続時間を短縮しまたクロ Jレプロマジン

は導入時間を短縮持続時間を延長したすなわち

ぺンドパノレピタールの脳内濃度と一般行動の面で不一

致が認められたこの不一致を生ずる機序は諸家の報

告2_3)からも ぺントパJレピタールの代謝を介するもの

ではないと考えられるb この機序の解明は重要な課題で

あり別途の計画にもとずく研究が必要であるど思う

稿を終るにあたりと校闘を賜わった萩原弥四郎

教授ならびに C指導と教示をいただいた村山智教

授米沢利英教授麻生芳郎助教授長谷川修司博

士に深謝します本論文の要旨は昭和 50年第 l回

研究発表会および第 52回日本薬理学会関東部会に

おいて発表した本論文は審査学位論文である

SUMMARY

A correlationshi p between levels of anaesthesia

ltnd pentobarbital col1centration in brain was

elucidated The effect of pretreatment with

caffeine and chlorpromazine on hypnosis by

pentobarbital was also estimated Male Wister

rats were administrated pentobarbital (30 mgjkg

i v) At various time intervals after admini-

stration of pentobarbitalanimals Were saerificed

by decapitation Pentobarbital conc~ntration in

whole brain and whole blood were detected by

spectrophotometric measurement Some animals

were injected intraperitoneally with caffeine (50

328 太 田要生ι

bitone sodium on 1in combination with pentoba tly1sho(10 mgJkg) omazine1p1chlo 10mgJkg)

Pento- consciousness and appreciation of pain Thelation of pentobarbita1e administ1befo

1959287-293record 7J Y1ain and whole veterina 1bital concentration in whole b1ba

5)薬効の評価 (1)薬理試験法く上〉医薬品開発基礎e1mined by the same procedu1e dete1blood we

講座 V津田恭介野上寿編 pp 138-143地e1weabove Levels of anaesthesiaibed1desc

1197人書館東京e loss and regain-L 1gross behavio ~withassessed

o1aviolet spect1rapid u1t A 6) BroughtonP M G lsquoed by Croft 1ing qf various reflexes sco

estimationdetection 1photometric method fo

ates in biologica1 1and identification of barbitu

A single 8hot of pentobarbital in rat found

a significant correlation between levels of anaes

Biochem J63 207-213 1956lia1matepentobarbital concentrationain1bthesia and

7) Brodie B B MαrkL CPapperE MLiefP Aation of sleep in rats which received 1Onset and du

pentobarbital alonewere 650 sec and 503 min Bernstein E and Rovenstine E A The fate of

its esti-1thiopental in man and a method foo開1caffeine p witheatment1et1Pespectively1

lmaco1PhaJlia1ation mation in biological mate 1longed onset to 941 sec and shortened du

195085-9698 1ExpTheeatment1et1pMeanwhileof sleep to 36 min

P ALiefClMαrkJJBurnsB B8) Brodie kedly potentiated hyp-1promazine ma1with chlo

Bernstein Eαnd Papper E M The fate of eat-1et1omazine-p1Chlorplbita1nosis by pentoba

methodbita1 in man and dog and a 1pentobaoand p 1sec~tened the onset within 30 1ment sho

how-ation of the sleep to 1196 min1longed du Jlin biologica1 materiaQits estimatio 1fo

195326-34109 1ExpThe Pharmaco1生bital1ation of pentoba1concentthe brain 1eve

was not so affected 9) Fastlich E Seαle B and Dαvidow B Identifi-

o-1ch 1ate in blood by pape1bitu1oup cation of ba 1ved in the g1This tendency was also obse

1965436-440C1in Chem J Japhy1expect the value in 30 matogeated with caffeine1et1p

1apid method fo1simple1Q) Wαddell W J Aesult suggests 1 pentobarbital This 1min afte

Clinate1aphy of barbitu1omatog1ch 1 om pape 1bita1 f1emoval of pentoba1 rapidthat the

Chem 1137-391965ate1 ain may be depended on the increased 1the b

J and Seifert1JankuKMαsekE11) Buchar Thea1 blood flow induced by caffeine 1eb1of ce

Ostrovskaya R U E町 ect of aminooxyacetic

acid on metabolism of pentobarbital in mice omazine is 1p1ch10 1eine0町modification with ca

1-effects on pentoba 1not likely e1icited by thei

bital metabolism J Neurochem 23447-4491974

12) Cohin J and OalyJ W The use of thin-layer

analysis of drugsthe 1fochromatography

文 献 Iso1ation and identification of barbiturates and

urine bloodom1fhypnoticsbiturate1nonba1) GoodmanL S and Gilmαn A The pharma-

139 1Exp The lmaco1PhaJand tissues~d1c010gical basis of therapeutics pp 98-120o3

ate Radio-1bitu1Ba

Ed MacmillanNew York1965 154-1591963

2) Jori A Bianchetti A and Prestini ~ E Re1a- 12) SpectorSoαnd FlynnE J

11971036-1038Science 174immunoassaybiturate brain levels and 1bations between

Ngαi1 CCampomanesJJBurnsCL13) Mark

B B E M and BrodiePαpperNTrousfS H

Jain1bThe passage of lt thiopenta1 into

sleeping time in various experimenta1 condi-

tionsBiochem Pharmacol 192687-26941970

3)Aeschbαcher H U Atkinson J and Domαhidy B

195735-381191守Exp The lmaco1PhaThce町 ectof caffcinelsquoltgt n Qarbiturate s1eeping

Exp 15) Butler T C The rate of penetration of bar-J Pharmacollain leve1btIme and

Jain1ivatives into the b1deTher 192635-6411975 bituric acid

4) CroftPGo Effect of mephenesin alone and Phaqnacol Exp Ther 100219-2261950

329 ペントパノレピターノレの脳内濃度と麻酔深度の経時的観察

16)小坂義弘 a)脳におけるサイアミラルの吸収につ

いて第 l編頚動静脈内濃度差よりの考察札幌

医誌 22299-3111962

b)同第 2編大脳皮質および脳脊髄液内濃度

同誌 22315-3241962

17) BrodieB BKurzH and 5chanl時 rL5 The

importance of dissociation constant and lipid-

so1ubility in influencing the passage of drugs

into the cerebrospina1 fluidJ Pharmacol

Exp Ther 13020-251960

18) Sokolo仔 L The action of drugs on cerebral

circu1ationPharmacolRev 11ト851959

19) GoldsteinA and AronowL The duration of

action of thiopental and pentobarbital J PharmacolExp Ther 1281-61960

20) ShidemanF E GouldT CWintersW D

PetersonR C and WilnerW K The distribu-

tion and in vivo rate of metabolism of thio-

pental J Pharmacol Exp Ther 107368-

3771953

21) UtleyJ D Change in pentobarbital distribu-

tion with time in neura1 and non-neural tissue

of cat brainBiochem Pharmacol 14353-

3551965

22)太田要生 未発表

23)大森義仁織田敏次編 薬の吸収排池一基礎と

臨床一広川書唐東京 1969

24) CooperJ R and BrodieB B Enzymatic

oxidation of pentobarbita1 and thiopental J PharmacolExp Ther 12075-831957

25) CooperJ R and BrodieB B The enzymatic

metabo1ism of hexobarbital J Pharmacol

Exp Ther 114409-4171955

26) GouldT C and 5hidemanF E The in vitro

metabolism of thiopental by a fortifiedcell-

free tissue preparation of the rat J Pharma-

colExp Ther 104427-4391952

27) PriceH LKovnatP JSaferJ NCon附 EH

ndPriceM L The uptake of thiopenta1 by

body tissues and its relation to the duration

of narcosisClin Pharmacol Ther 116-22

1960

28) BrodieB BBernsteinEαnd MarkL C The

role of bod y fat in limiting the duration of

action of thiopentalJ PharmacolExp Ther

105421-4261952

29) MitomaCLombrozoL Levalley5 E and Dehn

F Nature of the effect of caffeine on drug-

metabolizing enzymesArch Biochem Bio-

phys 134434-4411969

30) KatoRChiesaraE and VαssanelliP Further

studies on the inhibition and stimulation of

microsomal drug-metabolizing enzymes of rat

liver by various compoundsBiochem Phar

macol1369-831964

Page 2: リgpmr^[フ]Zxニ[xフoIマ@ - Chiba U...J s^[フ]Zxニ[xフoIマ@ 325 06 lJf ain 0.4 0 E 2 280 220 3. カィソゥoオスリgps^{フOzネB}カシェヘtCEシェヘS]ゥフotナフ

324 太田 要 生

どうかを明らかにする目的で行なわれた

実験方法

体重 150250gの雄のウイスター系ラットを用い

カフェイン 50mgkgあるいはクロルブロマジン 10mg

kgを腹腔内投与後 5から 10分後に興富あるいは抑

制の出現を確かめてからぺントパlレピタール 30mgJkg

を尾静脈より静注したその後適当な時間に断頭し全

脳と血中のペントパルピター Jレを定量したペントパJレ

ピターJレ単独投与群の場合にはペントパJレピタール静

注後同様の過程でぺントパルピター Jレを定量した

麻酔深度および回復過程の決定には Croftのスコア

法い5)を用いた麻酔深度のスコアは

1 動物は立っていられなくなるが横にしようとす

るともとにもどり

2 立っていられなくのみならず横にするとそのま

まになっており

3 後肢を引っばっても縮めないが眼験反射は存在

4 後肢の反射も眼験反射もなくなる

また回復過程のスコアは

(1) 動物が横位から自発的に起き上ろうとし

(2) うずくまりすわった姿勢がとれ

(3) 自発的に動くようになるが運動全体に協調性

を欠いており

(4) 正常な運動ができるようになりまわりのもの

に興味を示す

これらのスコアを指標として各時間における麻酔深

06

04

02

220 240 260 280 300 320 mp

図1 標準品ぺントパルピタールの紫外部吸収曲娘

縦軸は吸光度横軸は波長 (mμ)0 (EB)は

pH99での開準品ぺントパルピタールの紫

外部吸収曲線 (EN) は pH130での標準品

ぺントパルピタールの紫外部l民収曲線を示す

dEIE刊一 EB)at260 m~ 04 ~

03

02

01

o 1 0 20 30 40 50 60 70

ド9ノ2ml

図2 260 mμ での ENと EB のl成光度の差と標準

品ぺントパルピタールの量との関係

縦軸は 260mμ での ENと EB の吸光度差

横軸は 045規定苛性ソーダ溶液中の原準品

ぺントパルピタルの量 (μgJ2 ml)を示すo

度および回復状態を決定したまた導入時間はぺ

ントパルピタール投与後正向反射の消失までとし平

均睡眠時間はその消失から回復までの時間とした

ペントパJレピタールは Broughtonの方法6) を一部

改良して定量したすなわち標準品のぺントパルピタ

ールを pH99 (以下 EB) および pH130 (以下 EN)

で 2l0360 mμ の範囲で測定を行なうと図 lに見ら

れるように EB では吸収極大が 238240mμ に EN

では吸収極大が 252--255mμ吸収極小が 234237mμ

にあり EB とENの吸光度の同じ波長が 227230 mμ

および 247250mμ にあったまた ENと Eoの最大

の吸光度の差は 260mμおよび 236mμ にあった 260

mμ での ENと EBの吸光度差とぺントパJレピタールの

量との聞には図 2に見られるように直線関係が得られ

たこの検量曲線より生物材料からのぺントパJレピタ

ーJレを定量したo またぺントパルピタールの絶対量が

少ない場合には EB および ENの吸収極大吸収極小

はldquo肩として現われた

全脳でのぺントパルピタールの定量は断頭後直ちに

全脳をとり出し氷冷下の pH 18の硫酸に浸し蒸留

水で摩砕した後 クロロホルムで抽出し 有機層を 05

モJレの燐酸緩衝液で洗い 有機層から 045規定の苛性

ソーダで再抽出を行なった さらに 1000xgで遠心

後水層をア Jレカリ抽出液としたアルカリ抽出液の

pH99 および pH130で 210360mtの範囲で測定

を行なった血液の場合は断頭後直ちに全血を集め同

じ方法で定量を行なった血液からの吸収曲線は図 3に

示すように Es および ENの吸収極大吸収極小は

ピークとなったが 全脳からの吸収曲線では ldquo肩と

して現われたこれは全脳に分布するぺントパjレピタ

325 ぺントパJレピタールの脳内濃度と麻酔深度の経時的観察

06

lJfain

04

02

280 220

国 3 生物試料から抽出したぺントパルピタルの紫外部吸収曲線

図左半分は血液右半分は全脳からの抽出液での ENおよび

EB を示す図左半分の破線は ぺントパルピタールを投与しな

いラットからの生物試料での Eu および E~ を示す縦軸は吸光

度横幅hは波長 (mp)を示す

220 2柑

yen yen-

刷ω

--yen之』

4三~岡田

-レの絶対量が少ないためである回収率は血液で

95全脳で 70であった

使用した薬物はぺントパノレピタールはネンブタール

カフェインは 1gのカフェイン末を 50mlの蒸留水に

溶解したものクロルプロマジンはウインタミンを使

用した動物への薬物投与はすべて午後 l時から 2時の

間に行なったぺントパJレビタールの紫外部吸収測定に

は目立自記分光光度計 EPS-3型を用いた

実験成績

ペントパJレピタール単独投与群でのぺントパJレビター

Jレの脳内血中濃度の経時的変化およびスコアを図 4

p9ノ9

40

30

20

ベblood 10ト bull

B

5 1030 60 fllll1

score 1-3 2-4 4 4(1)(2)-(4)

図4 ぺントパルピタール単独投与群の全脳および

血中のぺントパルピタール濃度の経時的変化

と各時間でのスコア

縦軸はぺントパルビタール濃度 (μgfg)横

制lは時間(分)を示す下の段はスコア(本

文参照)を示す

に示すぺントパJレビターJレは静注後 3分で脳内にお

いて最高値 355μgjgに達し 30分 間 そ の 値 を維持し

たまた血中濃度は投与後 30秒で最高値 293μgjgに

達し 1分後には脳内濃度より低くなりその後減少を

続けた 1時間後には脳内血中のぺントパルピター

Jレは痕跡程度まで減少していたまたスコアはぺン

トパJレピタール投与後 30秒では 13 3分で 24

10分で 4 30分ではほとんどのラットは 4であるが

なかには回復過程に入り (1)を示すラットも見られた

正向反射回復後は (2)(3)はほとんど見られず (4)

まで急速に回復したこの場合導入時間は 650秒平

均睡眠時間は 503分であった

図 5にカフェイン前投与群でのぺントパルピタールの

内19

40

30

20

---プ人+blood

5 1030 60 min

score 1-3 3-4 4 (1)向

図5 カフェイン前投与群でのぺントパルピタール

の全脳および血中濃度の経時的変化と各時間

でのスコア

縦軸はぺントパルビーヲール濃度 (μgfg)横

i国lは時間(分)を示す下の段はスコア(本

文参照)を示すo

326 太田嬰生

ド9ノg

40

30 ぺbrain

20

10 bull

5 10かすすmln

score 3-4 4 4 4 4

図 6 クロルプロマツン前投与群でのぺンドパルビ

タールの全脳および血中濃度の経時的変化と

各時間でのスコア

表 1 Effects of ca百eine and chlorpromazine

on onset and duration of sleep induced

by pentobarbital

Onset of sleep Duration of sleep (sec) (min)

Control 650土 118 503土 61

Caffeine 941土 316 360t98骨骨

Chlorpromazine く300 1196土 344骨骨骨

骨 州 州 骨pく005 pく001 pく0005

表1 カフェインおよびクロルプロマジンのぺント

パルピタール催眠の導入時間持続時聞にお

よぼす影響

コントロールはぺントパルピタール単独

投与群カフェインは カフェイン前投与群

gjg)(μはぺントパルピタール濃度l縦制 硝 (本文参照)クロルプロマツンはクロルプロ

料lは時間(分)を示す下の段はスコア(本

文参照)を示すo

脳内血中濃度の経時的変化と各時間のスコアを示す

ぺントパJレピター Jレの全脳内濃度は 30分後には 222

μgjgまで減少したが この値は ぺントパJレピターJレ

単独投与群ではまだ麻酔状態を示す量であるまた他

の時間では全脳内血中のぺントパルピタール濃度

はぺン -Jyenレピター Jレ単独投与群と有意の差がなかっ

た スコアはぺントパノレピタール投与後 30秒で 1 3

3分で 3410分で 430分後に (1)を示したまた

正向反射回復後 (3)の状態がペントパルーピター Jレ単独

投与群に比べて長く続いたこの場合導入時間は延長

し平均睡眠時間は短縮した

クロ Jレプロマヲン前投与群でのペシト jレピター jレの

脳内血中濃度の経時的変化と各時間のスコアを図 6

に示すぺントパJレピタールの全脳内血中濃度はぺ

ントパルピター Jレ単独投与群と有意の差がなかったo ス

コアはぺントパルピター Jレ投与後 30秒で 34 1分以

内に 4に達し以後 l時間まで 4が続き bull1時間を過ぎ

そから (1) まで回復したまた正向反射回復後 ~(2) の

状態がぺントパJレピター Jレ単独投与群に比べ非常に長

く続いた

ぺントパルピター Jレ単独投与群では導入時間は

650秒平均睡眠時間は 503分であったカフェイン

50 ingJkgを前投与すると導入時間は 941秒に延長し

危険率は 005以下であったまた平均l睡眠時 間は

360分に短縮し危険率は 001以下であった一方

クロルプロマ少シ 10mgjkgを前投与すると 導入時間

は 30秒以内に短縮し平均睡眠時間は 1196分に延長

し危険率は 0005以下であった前者に関しては推計

学的処理はできなかったこれらをまとめて表 lに示

マクン前投与群(本文参照)での導入時間お

よび持続時聞を示すぺ骨骨骨昏持はそれぞ

れの危険率で有意の差があることを示す

考 察

一般に生物材料からのパJレビツレイトの定量は一度

有機層に抽出しiさらにアルカリに再抽出する方法7-11)

が用いられているがこの方法ではパルビツレイトの代

謝産物12-13)も含めて測定した値が求められる本法6)で

は pH99および pH130で 260mμ での吸光度の差を

利用しているので生物材料からの組織のもつ吸光度の

測定を不必要とし時間的にも早く測定できる利点があ

るぺントパルピタールは容易に脳血液関門を通過8)し

脳あるいは他の器官組織へ移行するもの 14-17)であり

各器官組織の分配はそれらの血流量と組織分配係数

によるとされているなおペントパルピタールの一部

は血妓蛋白と結合するがこのぺントパノレピタールもわ

ずかながら器官組織への分布に関与するものと考え

られる

ペントパルビタール単独投与時の脳内のぺントパjレピ

タール濃度と Croftのスコア法1)による各時間の麻酔

深度との聞には全体として相関関係が得られたー

方前投薬としてカフェインクロルプロマジンを与

えた場合の一般行動を観察した結果カフェインはぺン

卜パJレピタール催眠に措抗的でありクロ Jレプロマ少ン

は明らかに協力していた

この経過中のぺントパルピタールの脳内 血中濃 度

は カフェイン前投与群の脳内 30分値が有意に減少し

ているほかには脳内血中のぺントパJレピタール濃度

327 ぺントパJレピタールの脳内濃度と麻僻深度の経l時的観察

には有意な変化が見あれなかったこのカフェイン前

投与群での脳内 30分値の減少は一般に実験動物にお

いてカフェインが脳循環を増加させるといわれている

18)のでぺントパJレピターJレの分布ことに脳内からの

ぺントパJレピタールの運び出しに関係するものと思われ

るがこの点に関しではなお検討を要するまた覚醒

時のぺントパJレピタールの脳内濃度はぺントパルピ

タール単独投与群クロ Jレプロマヅン前投与群では

20μgjg以下であったo つまり カフェイン前投与群で

ほぼ覚醒状態にある脳内 30分値 222 pgjgという値は

他の 2群ではまだ麻酔状態を示す量である

ペントパJレビタールあるいは他のパJレビツレイトの脳

内血中濃度の経時的観察については諸家の報告19-20)

があるがスコア法による麻酔深度との関連について

は明らかにされていないさらにぺントパノレピター

Jレの脳内各部位での分布には差がありニューロン分画

に多く非ニューロン分画に少ないといわれている 21】著

者は全脳を等張の庶糖溶液によりシナプトゾーム分

画と非シナプトゾーム分画にわけベントパノレピター

Jレの分布を調べぺントパjレピタールはほとんど後者

に分布するという結果を得たがmこの場合ー分布する

ぺントパjレピターJレの絶対量が少なかったため本法に

よる正確な定量はできなかったしかじ全脳に分布す

る約 60のぺントパJレピタールが 非シナプトゾーム

分画lこ存在していることは疑いがないこの結果は等

張庶糖溶液によるシナプトゾーム分画の精製過程での物

理的なぺントパJレピタールの非シナプトゾーム分画への

移行の結果であるかも知れないがぺントパJレピターJレ

が膜成分あるいは神経終末に強く結合していないととを

示唆するものと思われる

生体を一つのコンパートメントと考えて薬物の分

布吸収排世についての動力学的な解析を行なう方法

mがあるが著者向もぺントパJレピターノレ単独投与群の

血中濃度から同様の解析を行ないぺントパJレピター Jレ

は急速相と低速相の 2相に分かれて分布吸収排池

が起っており血中濃度の半減期は 急速相で 34分で

あり低速相では 1時間以上であるととを見ているま

た パJレピツレイトの代謝凡24-26)は主に肝でフk酸化

あるいは酸化されるといわれておりさらにパノレピツー

Jレ酸の作用時間を限定する主な因子はパルピツ νィト

が脳から血流によって他の脂肪の少ない組織へと再分

布される速度であるともいわれている 27)また脂肪の

少ない組織に再分布したパノレピツレイトは最終的に

は体内の脂肪組織に分布するこ主も明らかにされてい

る28)

カフェインを動物に連続投与すると肝ミクロゾーム

分画の酵素活性を上昇させるという報告別もあり 他

方カフェイシはぺントパルピターJレの代謝には何の影

響もおよぽさないという報告30)もあるまた クロ Jレプ

ロマツンは投与量が大量である場合と少量である場合

とではベシトパノレピター Jレの代謝あるいは脳内濃度への

影響が異るという報告もある 2)実験動物種や実験条件

の違いはあるがカフェインあるいはクロルプロマジン

を前投与した場合これら薬物のパルピツレイトの薬理

作用への影響はいずれも代謝を介するものではないと

報告されているμ

本実験ではカフェィンあるいはクロルプロマジンをラ

ットに投与しその後比較的短時間のうちにペントパル

ピターJレを投与したがこれらの前投薬はぺントパル

ビターJレの脳内濃度にはあまり大きな影響を与えず

にカフェインではぺントパルピタール催眠の導入時

間を延長持続時間を短縮しまたクロ Jレプロマジン

は導入時間を短縮持続時間を延長したすなわち

ぺンドパノレピタールの脳内濃度と一般行動の面で不一

致が認められたこの不一致を生ずる機序は諸家の報

告2_3)からも ぺントパJレピタールの代謝を介するもの

ではないと考えられるb この機序の解明は重要な課題で

あり別途の計画にもとずく研究が必要であるど思う

稿を終るにあたりと校闘を賜わった萩原弥四郎

教授ならびに C指導と教示をいただいた村山智教

授米沢利英教授麻生芳郎助教授長谷川修司博

士に深謝します本論文の要旨は昭和 50年第 l回

研究発表会および第 52回日本薬理学会関東部会に

おいて発表した本論文は審査学位論文である

SUMMARY

A correlationshi p between levels of anaesthesia

ltnd pentobarbital col1centration in brain was

elucidated The effect of pretreatment with

caffeine and chlorpromazine on hypnosis by

pentobarbital was also estimated Male Wister

rats were administrated pentobarbital (30 mgjkg

i v) At various time intervals after admini-

stration of pentobarbitalanimals Were saerificed

by decapitation Pentobarbital conc~ntration in

whole brain and whole blood were detected by

spectrophotometric measurement Some animals

were injected intraperitoneally with caffeine (50

328 太 田要生ι

bitone sodium on 1in combination with pentoba tly1sho(10 mgJkg) omazine1p1chlo 10mgJkg)

Pento- consciousness and appreciation of pain Thelation of pentobarbita1e administ1befo

1959287-293record 7J Y1ain and whole veterina 1bital concentration in whole b1ba

5)薬効の評価 (1)薬理試験法く上〉医薬品開発基礎e1mined by the same procedu1e dete1blood we

講座 V津田恭介野上寿編 pp 138-143地e1weabove Levels of anaesthesiaibed1desc

1197人書館東京e loss and regain-L 1gross behavio ~withassessed

o1aviolet spect1rapid u1t A 6) BroughtonP M G lsquoed by Croft 1ing qf various reflexes sco

estimationdetection 1photometric method fo

ates in biologica1 1and identification of barbitu

A single 8hot of pentobarbital in rat found

a significant correlation between levels of anaes

Biochem J63 207-213 1956lia1matepentobarbital concentrationain1bthesia and

7) Brodie B B MαrkL CPapperE MLiefP Aation of sleep in rats which received 1Onset and du

pentobarbital alonewere 650 sec and 503 min Bernstein E and Rovenstine E A The fate of

its esti-1thiopental in man and a method foo開1caffeine p witheatment1et1Pespectively1

lmaco1PhaJlia1ation mation in biological mate 1longed onset to 941 sec and shortened du

195085-9698 1ExpTheeatment1et1pMeanwhileof sleep to 36 min

P ALiefClMαrkJJBurnsB B8) Brodie kedly potentiated hyp-1promazine ma1with chlo

Bernstein Eαnd Papper E M The fate of eat-1et1omazine-p1Chlorplbita1nosis by pentoba

methodbita1 in man and dog and a 1pentobaoand p 1sec~tened the onset within 30 1ment sho

how-ation of the sleep to 1196 min1longed du Jlin biologica1 materiaQits estimatio 1fo

195326-34109 1ExpThe Pharmaco1生bital1ation of pentoba1concentthe brain 1eve

was not so affected 9) Fastlich E Seαle B and Dαvidow B Identifi-

o-1ch 1ate in blood by pape1bitu1oup cation of ba 1ved in the g1This tendency was also obse

1965436-440C1in Chem J Japhy1expect the value in 30 matogeated with caffeine1et1p

1apid method fo1simple1Q) Wαddell W J Aesult suggests 1 pentobarbital This 1min afte

Clinate1aphy of barbitu1omatog1ch 1 om pape 1bita1 f1emoval of pentoba1 rapidthat the

Chem 1137-391965ate1 ain may be depended on the increased 1the b

J and Seifert1JankuKMαsekE11) Buchar Thea1 blood flow induced by caffeine 1eb1of ce

Ostrovskaya R U E町 ect of aminooxyacetic

acid on metabolism of pentobarbital in mice omazine is 1p1ch10 1eine0町modification with ca

1-effects on pentoba 1not likely e1icited by thei

bital metabolism J Neurochem 23447-4491974

12) Cohin J and OalyJ W The use of thin-layer

analysis of drugsthe 1fochromatography

文 献 Iso1ation and identification of barbiturates and

urine bloodom1fhypnoticsbiturate1nonba1) GoodmanL S and Gilmαn A The pharma-

139 1Exp The lmaco1PhaJand tissues~d1c010gical basis of therapeutics pp 98-120o3

ate Radio-1bitu1Ba

Ed MacmillanNew York1965 154-1591963

2) Jori A Bianchetti A and Prestini ~ E Re1a- 12) SpectorSoαnd FlynnE J

11971036-1038Science 174immunoassaybiturate brain levels and 1bations between

Ngαi1 CCampomanesJJBurnsCL13) Mark

B B E M and BrodiePαpperNTrousfS H

Jain1bThe passage of lt thiopenta1 into

sleeping time in various experimenta1 condi-

tionsBiochem Pharmacol 192687-26941970

3)Aeschbαcher H U Atkinson J and Domαhidy B

195735-381191守Exp The lmaco1PhaThce町 ectof caffcinelsquoltgt n Qarbiturate s1eeping

Exp 15) Butler T C The rate of penetration of bar-J Pharmacollain leve1btIme and

Jain1ivatives into the b1deTher 192635-6411975 bituric acid

4) CroftPGo Effect of mephenesin alone and Phaqnacol Exp Ther 100219-2261950

329 ペントパノレピターノレの脳内濃度と麻酔深度の経時的観察

16)小坂義弘 a)脳におけるサイアミラルの吸収につ

いて第 l編頚動静脈内濃度差よりの考察札幌

医誌 22299-3111962

b)同第 2編大脳皮質および脳脊髄液内濃度

同誌 22315-3241962

17) BrodieB BKurzH and 5chanl時 rL5 The

importance of dissociation constant and lipid-

so1ubility in influencing the passage of drugs

into the cerebrospina1 fluidJ Pharmacol

Exp Ther 13020-251960

18) Sokolo仔 L The action of drugs on cerebral

circu1ationPharmacolRev 11ト851959

19) GoldsteinA and AronowL The duration of

action of thiopental and pentobarbital J PharmacolExp Ther 1281-61960

20) ShidemanF E GouldT CWintersW D

PetersonR C and WilnerW K The distribu-

tion and in vivo rate of metabolism of thio-

pental J Pharmacol Exp Ther 107368-

3771953

21) UtleyJ D Change in pentobarbital distribu-

tion with time in neura1 and non-neural tissue

of cat brainBiochem Pharmacol 14353-

3551965

22)太田要生 未発表

23)大森義仁織田敏次編 薬の吸収排池一基礎と

臨床一広川書唐東京 1969

24) CooperJ R and BrodieB B Enzymatic

oxidation of pentobarbita1 and thiopental J PharmacolExp Ther 12075-831957

25) CooperJ R and BrodieB B The enzymatic

metabo1ism of hexobarbital J Pharmacol

Exp Ther 114409-4171955

26) GouldT C and 5hidemanF E The in vitro

metabolism of thiopental by a fortifiedcell-

free tissue preparation of the rat J Pharma-

colExp Ther 104427-4391952

27) PriceH LKovnatP JSaferJ NCon附 EH

ndPriceM L The uptake of thiopenta1 by

body tissues and its relation to the duration

of narcosisClin Pharmacol Ther 116-22

1960

28) BrodieB BBernsteinEαnd MarkL C The

role of bod y fat in limiting the duration of

action of thiopentalJ PharmacolExp Ther

105421-4261952

29) MitomaCLombrozoL Levalley5 E and Dehn

F Nature of the effect of caffeine on drug-

metabolizing enzymesArch Biochem Bio-

phys 134434-4411969

30) KatoRChiesaraE and VαssanelliP Further

studies on the inhibition and stimulation of

microsomal drug-metabolizing enzymes of rat

liver by various compoundsBiochem Phar

macol1369-831964

Page 3: リgpmr^[フ]Zxニ[xフoIマ@ - Chiba U...J s^[フ]Zxニ[xフoIマ@ 325 06 lJf ain 0.4 0 E 2 280 220 3. カィソゥoオスリgps^{フOzネB}カシェヘtCEシェヘS]ゥフotナフ

325 ぺントパJレピタールの脳内濃度と麻酔深度の経時的観察

06

lJfain

04

02

280 220

国 3 生物試料から抽出したぺントパルピタルの紫外部吸収曲線

図左半分は血液右半分は全脳からの抽出液での ENおよび

EB を示す図左半分の破線は ぺントパルピタールを投与しな

いラットからの生物試料での Eu および E~ を示す縦軸は吸光

度横幅hは波長 (mp)を示す

220 2柑

yen yen-

刷ω

--yen之』

4三~岡田

-レの絶対量が少ないためである回収率は血液で

95全脳で 70であった

使用した薬物はぺントパノレピタールはネンブタール

カフェインは 1gのカフェイン末を 50mlの蒸留水に

溶解したものクロルプロマジンはウインタミンを使

用した動物への薬物投与はすべて午後 l時から 2時の

間に行なったぺントパJレビタールの紫外部吸収測定に

は目立自記分光光度計 EPS-3型を用いた

実験成績

ペントパJレピタール単独投与群でのぺントパJレビター

Jレの脳内血中濃度の経時的変化およびスコアを図 4

p9ノ9

40

30

20

ベblood 10ト bull

B

5 1030 60 fllll1

score 1-3 2-4 4 4(1)(2)-(4)

図4 ぺントパルピタール単独投与群の全脳および

血中のぺントパルピタール濃度の経時的変化

と各時間でのスコア

縦軸はぺントパルビタール濃度 (μgfg)横

制lは時間(分)を示す下の段はスコア(本

文参照)を示す

に示すぺントパJレビターJレは静注後 3分で脳内にお

いて最高値 355μgjgに達し 30分 間 そ の 値 を維持し

たまた血中濃度は投与後 30秒で最高値 293μgjgに

達し 1分後には脳内濃度より低くなりその後減少を

続けた 1時間後には脳内血中のぺントパルピター

Jレは痕跡程度まで減少していたまたスコアはぺン

トパJレピタール投与後 30秒では 13 3分で 24

10分で 4 30分ではほとんどのラットは 4であるが

なかには回復過程に入り (1)を示すラットも見られた

正向反射回復後は (2)(3)はほとんど見られず (4)

まで急速に回復したこの場合導入時間は 650秒平

均睡眠時間は 503分であった

図 5にカフェイン前投与群でのぺントパルピタールの

内19

40

30

20

---プ人+blood

5 1030 60 min

score 1-3 3-4 4 (1)向

図5 カフェイン前投与群でのぺントパルピタール

の全脳および血中濃度の経時的変化と各時間

でのスコア

縦軸はぺントパルビーヲール濃度 (μgfg)横

i国lは時間(分)を示す下の段はスコア(本

文参照)を示すo

326 太田嬰生

ド9ノg

40

30 ぺbrain

20

10 bull

5 10かすすmln

score 3-4 4 4 4 4

図 6 クロルプロマツン前投与群でのぺンドパルビ

タールの全脳および血中濃度の経時的変化と

各時間でのスコア

表 1 Effects of ca百eine and chlorpromazine

on onset and duration of sleep induced

by pentobarbital

Onset of sleep Duration of sleep (sec) (min)

Control 650土 118 503土 61

Caffeine 941土 316 360t98骨骨

Chlorpromazine く300 1196土 344骨骨骨

骨 州 州 骨pく005 pく001 pく0005

表1 カフェインおよびクロルプロマジンのぺント

パルピタール催眠の導入時間持続時聞にお

よぼす影響

コントロールはぺントパルピタール単独

投与群カフェインは カフェイン前投与群

gjg)(μはぺントパルピタール濃度l縦制 硝 (本文参照)クロルプロマツンはクロルプロ

料lは時間(分)を示す下の段はスコア(本

文参照)を示すo

脳内血中濃度の経時的変化と各時間のスコアを示す

ぺントパJレピター Jレの全脳内濃度は 30分後には 222

μgjgまで減少したが この値は ぺントパJレピターJレ

単独投与群ではまだ麻酔状態を示す量であるまた他

の時間では全脳内血中のぺントパルピタール濃度

はぺン -Jyenレピター Jレ単独投与群と有意の差がなかっ

た スコアはぺントパノレピタール投与後 30秒で 1 3

3分で 3410分で 430分後に (1)を示したまた

正向反射回復後 (3)の状態がペントパルーピター Jレ単独

投与群に比べて長く続いたこの場合導入時間は延長

し平均睡眠時間は短縮した

クロ Jレプロマヲン前投与群でのペシト jレピター jレの

脳内血中濃度の経時的変化と各時間のスコアを図 6

に示すぺントパJレピタールの全脳内血中濃度はぺ

ントパルピター Jレ単独投与群と有意の差がなかったo ス

コアはぺントパルピター Jレ投与後 30秒で 34 1分以

内に 4に達し以後 l時間まで 4が続き bull1時間を過ぎ

そから (1) まで回復したまた正向反射回復後 ~(2) の

状態がぺントパJレピター Jレ単独投与群に比べ非常に長

く続いた

ぺントパルピター Jレ単独投与群では導入時間は

650秒平均睡眠時間は 503分であったカフェイン

50 ingJkgを前投与すると導入時間は 941秒に延長し

危険率は 005以下であったまた平均l睡眠時 間は

360分に短縮し危険率は 001以下であった一方

クロルプロマ少シ 10mgjkgを前投与すると 導入時間

は 30秒以内に短縮し平均睡眠時間は 1196分に延長

し危険率は 0005以下であった前者に関しては推計

学的処理はできなかったこれらをまとめて表 lに示

マクン前投与群(本文参照)での導入時間お

よび持続時聞を示すぺ骨骨骨昏持はそれぞ

れの危険率で有意の差があることを示す

考 察

一般に生物材料からのパJレビツレイトの定量は一度

有機層に抽出しiさらにアルカリに再抽出する方法7-11)

が用いられているがこの方法ではパルビツレイトの代

謝産物12-13)も含めて測定した値が求められる本法6)で

は pH99および pH130で 260mμ での吸光度の差を

利用しているので生物材料からの組織のもつ吸光度の

測定を不必要とし時間的にも早く測定できる利点があ

るぺントパルピタールは容易に脳血液関門を通過8)し

脳あるいは他の器官組織へ移行するもの 14-17)であり

各器官組織の分配はそれらの血流量と組織分配係数

によるとされているなおペントパルピタールの一部

は血妓蛋白と結合するがこのぺントパノレピタールもわ

ずかながら器官組織への分布に関与するものと考え

られる

ペントパルビタール単独投与時の脳内のぺントパjレピ

タール濃度と Croftのスコア法1)による各時間の麻酔

深度との聞には全体として相関関係が得られたー

方前投薬としてカフェインクロルプロマジンを与

えた場合の一般行動を観察した結果カフェインはぺン

卜パJレピタール催眠に措抗的でありクロ Jレプロマ少ン

は明らかに協力していた

この経過中のぺントパルピタールの脳内 血中濃 度

は カフェイン前投与群の脳内 30分値が有意に減少し

ているほかには脳内血中のぺントパJレピタール濃度

327 ぺントパJレピタールの脳内濃度と麻僻深度の経l時的観察

には有意な変化が見あれなかったこのカフェイン前

投与群での脳内 30分値の減少は一般に実験動物にお

いてカフェインが脳循環を増加させるといわれている

18)のでぺントパJレピターJレの分布ことに脳内からの

ぺントパJレピタールの運び出しに関係するものと思われ

るがこの点に関しではなお検討を要するまた覚醒

時のぺントパJレピタールの脳内濃度はぺントパルピ

タール単独投与群クロ Jレプロマヅン前投与群では

20μgjg以下であったo つまり カフェイン前投与群で

ほぼ覚醒状態にある脳内 30分値 222 pgjgという値は

他の 2群ではまだ麻酔状態を示す量である

ペントパJレビタールあるいは他のパJレビツレイトの脳

内血中濃度の経時的観察については諸家の報告19-20)

があるがスコア法による麻酔深度との関連について

は明らかにされていないさらにぺントパノレピター

Jレの脳内各部位での分布には差がありニューロン分画

に多く非ニューロン分画に少ないといわれている 21】著

者は全脳を等張の庶糖溶液によりシナプトゾーム分

画と非シナプトゾーム分画にわけベントパノレピター

Jレの分布を調べぺントパjレピタールはほとんど後者

に分布するという結果を得たがmこの場合ー分布する

ぺントパjレピターJレの絶対量が少なかったため本法に

よる正確な定量はできなかったしかじ全脳に分布す

る約 60のぺントパJレピタールが 非シナプトゾーム

分画lこ存在していることは疑いがないこの結果は等

張庶糖溶液によるシナプトゾーム分画の精製過程での物

理的なぺントパJレピタールの非シナプトゾーム分画への

移行の結果であるかも知れないがぺントパJレピターJレ

が膜成分あるいは神経終末に強く結合していないととを

示唆するものと思われる

生体を一つのコンパートメントと考えて薬物の分

布吸収排世についての動力学的な解析を行なう方法

mがあるが著者向もぺントパJレピターノレ単独投与群の

血中濃度から同様の解析を行ないぺントパJレピター Jレ

は急速相と低速相の 2相に分かれて分布吸収排池

が起っており血中濃度の半減期は 急速相で 34分で

あり低速相では 1時間以上であるととを見ているま

た パJレピツレイトの代謝凡24-26)は主に肝でフk酸化

あるいは酸化されるといわれておりさらにパノレピツー

Jレ酸の作用時間を限定する主な因子はパルピツ νィト

が脳から血流によって他の脂肪の少ない組織へと再分

布される速度であるともいわれている 27)また脂肪の

少ない組織に再分布したパノレピツレイトは最終的に

は体内の脂肪組織に分布するこ主も明らかにされてい

る28)

カフェインを動物に連続投与すると肝ミクロゾーム

分画の酵素活性を上昇させるという報告別もあり 他

方カフェイシはぺントパルピターJレの代謝には何の影

響もおよぽさないという報告30)もあるまた クロ Jレプ

ロマツンは投与量が大量である場合と少量である場合

とではベシトパノレピター Jレの代謝あるいは脳内濃度への

影響が異るという報告もある 2)実験動物種や実験条件

の違いはあるがカフェインあるいはクロルプロマジン

を前投与した場合これら薬物のパルピツレイトの薬理

作用への影響はいずれも代謝を介するものではないと

報告されているμ

本実験ではカフェィンあるいはクロルプロマジンをラ

ットに投与しその後比較的短時間のうちにペントパル

ピターJレを投与したがこれらの前投薬はぺントパル

ビターJレの脳内濃度にはあまり大きな影響を与えず

にカフェインではぺントパルピタール催眠の導入時

間を延長持続時間を短縮しまたクロ Jレプロマジン

は導入時間を短縮持続時間を延長したすなわち

ぺンドパノレピタールの脳内濃度と一般行動の面で不一

致が認められたこの不一致を生ずる機序は諸家の報

告2_3)からも ぺントパJレピタールの代謝を介するもの

ではないと考えられるb この機序の解明は重要な課題で

あり別途の計画にもとずく研究が必要であるど思う

稿を終るにあたりと校闘を賜わった萩原弥四郎

教授ならびに C指導と教示をいただいた村山智教

授米沢利英教授麻生芳郎助教授長谷川修司博

士に深謝します本論文の要旨は昭和 50年第 l回

研究発表会および第 52回日本薬理学会関東部会に

おいて発表した本論文は審査学位論文である

SUMMARY

A correlationshi p between levels of anaesthesia

ltnd pentobarbital col1centration in brain was

elucidated The effect of pretreatment with

caffeine and chlorpromazine on hypnosis by

pentobarbital was also estimated Male Wister

rats were administrated pentobarbital (30 mgjkg

i v) At various time intervals after admini-

stration of pentobarbitalanimals Were saerificed

by decapitation Pentobarbital conc~ntration in

whole brain and whole blood were detected by

spectrophotometric measurement Some animals

were injected intraperitoneally with caffeine (50

328 太 田要生ι

bitone sodium on 1in combination with pentoba tly1sho(10 mgJkg) omazine1p1chlo 10mgJkg)

Pento- consciousness and appreciation of pain Thelation of pentobarbita1e administ1befo

1959287-293record 7J Y1ain and whole veterina 1bital concentration in whole b1ba

5)薬効の評価 (1)薬理試験法く上〉医薬品開発基礎e1mined by the same procedu1e dete1blood we

講座 V津田恭介野上寿編 pp 138-143地e1weabove Levels of anaesthesiaibed1desc

1197人書館東京e loss and regain-L 1gross behavio ~withassessed

o1aviolet spect1rapid u1t A 6) BroughtonP M G lsquoed by Croft 1ing qf various reflexes sco

estimationdetection 1photometric method fo

ates in biologica1 1and identification of barbitu

A single 8hot of pentobarbital in rat found

a significant correlation between levels of anaes

Biochem J63 207-213 1956lia1matepentobarbital concentrationain1bthesia and

7) Brodie B B MαrkL CPapperE MLiefP Aation of sleep in rats which received 1Onset and du

pentobarbital alonewere 650 sec and 503 min Bernstein E and Rovenstine E A The fate of

its esti-1thiopental in man and a method foo開1caffeine p witheatment1et1Pespectively1

lmaco1PhaJlia1ation mation in biological mate 1longed onset to 941 sec and shortened du

195085-9698 1ExpTheeatment1et1pMeanwhileof sleep to 36 min

P ALiefClMαrkJJBurnsB B8) Brodie kedly potentiated hyp-1promazine ma1with chlo

Bernstein Eαnd Papper E M The fate of eat-1et1omazine-p1Chlorplbita1nosis by pentoba

methodbita1 in man and dog and a 1pentobaoand p 1sec~tened the onset within 30 1ment sho

how-ation of the sleep to 1196 min1longed du Jlin biologica1 materiaQits estimatio 1fo

195326-34109 1ExpThe Pharmaco1生bital1ation of pentoba1concentthe brain 1eve

was not so affected 9) Fastlich E Seαle B and Dαvidow B Identifi-

o-1ch 1ate in blood by pape1bitu1oup cation of ba 1ved in the g1This tendency was also obse

1965436-440C1in Chem J Japhy1expect the value in 30 matogeated with caffeine1et1p

1apid method fo1simple1Q) Wαddell W J Aesult suggests 1 pentobarbital This 1min afte

Clinate1aphy of barbitu1omatog1ch 1 om pape 1bita1 f1emoval of pentoba1 rapidthat the

Chem 1137-391965ate1 ain may be depended on the increased 1the b

J and Seifert1JankuKMαsekE11) Buchar Thea1 blood flow induced by caffeine 1eb1of ce

Ostrovskaya R U E町 ect of aminooxyacetic

acid on metabolism of pentobarbital in mice omazine is 1p1ch10 1eine0町modification with ca

1-effects on pentoba 1not likely e1icited by thei

bital metabolism J Neurochem 23447-4491974

12) Cohin J and OalyJ W The use of thin-layer

analysis of drugsthe 1fochromatography

文 献 Iso1ation and identification of barbiturates and

urine bloodom1fhypnoticsbiturate1nonba1) GoodmanL S and Gilmαn A The pharma-

139 1Exp The lmaco1PhaJand tissues~d1c010gical basis of therapeutics pp 98-120o3

ate Radio-1bitu1Ba

Ed MacmillanNew York1965 154-1591963

2) Jori A Bianchetti A and Prestini ~ E Re1a- 12) SpectorSoαnd FlynnE J

11971036-1038Science 174immunoassaybiturate brain levels and 1bations between

Ngαi1 CCampomanesJJBurnsCL13) Mark

B B E M and BrodiePαpperNTrousfS H

Jain1bThe passage of lt thiopenta1 into

sleeping time in various experimenta1 condi-

tionsBiochem Pharmacol 192687-26941970

3)Aeschbαcher H U Atkinson J and Domαhidy B

195735-381191守Exp The lmaco1PhaThce町 ectof caffcinelsquoltgt n Qarbiturate s1eeping

Exp 15) Butler T C The rate of penetration of bar-J Pharmacollain leve1btIme and

Jain1ivatives into the b1deTher 192635-6411975 bituric acid

4) CroftPGo Effect of mephenesin alone and Phaqnacol Exp Ther 100219-2261950

329 ペントパノレピターノレの脳内濃度と麻酔深度の経時的観察

16)小坂義弘 a)脳におけるサイアミラルの吸収につ

いて第 l編頚動静脈内濃度差よりの考察札幌

医誌 22299-3111962

b)同第 2編大脳皮質および脳脊髄液内濃度

同誌 22315-3241962

17) BrodieB BKurzH and 5chanl時 rL5 The

importance of dissociation constant and lipid-

so1ubility in influencing the passage of drugs

into the cerebrospina1 fluidJ Pharmacol

Exp Ther 13020-251960

18) Sokolo仔 L The action of drugs on cerebral

circu1ationPharmacolRev 11ト851959

19) GoldsteinA and AronowL The duration of

action of thiopental and pentobarbital J PharmacolExp Ther 1281-61960

20) ShidemanF E GouldT CWintersW D

PetersonR C and WilnerW K The distribu-

tion and in vivo rate of metabolism of thio-

pental J Pharmacol Exp Ther 107368-

3771953

21) UtleyJ D Change in pentobarbital distribu-

tion with time in neura1 and non-neural tissue

of cat brainBiochem Pharmacol 14353-

3551965

22)太田要生 未発表

23)大森義仁織田敏次編 薬の吸収排池一基礎と

臨床一広川書唐東京 1969

24) CooperJ R and BrodieB B Enzymatic

oxidation of pentobarbita1 and thiopental J PharmacolExp Ther 12075-831957

25) CooperJ R and BrodieB B The enzymatic

metabo1ism of hexobarbital J Pharmacol

Exp Ther 114409-4171955

26) GouldT C and 5hidemanF E The in vitro

metabolism of thiopental by a fortifiedcell-

free tissue preparation of the rat J Pharma-

colExp Ther 104427-4391952

27) PriceH LKovnatP JSaferJ NCon附 EH

ndPriceM L The uptake of thiopenta1 by

body tissues and its relation to the duration

of narcosisClin Pharmacol Ther 116-22

1960

28) BrodieB BBernsteinEαnd MarkL C The

role of bod y fat in limiting the duration of

action of thiopentalJ PharmacolExp Ther

105421-4261952

29) MitomaCLombrozoL Levalley5 E and Dehn

F Nature of the effect of caffeine on drug-

metabolizing enzymesArch Biochem Bio-

phys 134434-4411969

30) KatoRChiesaraE and VαssanelliP Further

studies on the inhibition and stimulation of

microsomal drug-metabolizing enzymes of rat

liver by various compoundsBiochem Phar

macol1369-831964

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326 太田嬰生

ド9ノg

40

30 ぺbrain

20

10 bull

5 10かすすmln

score 3-4 4 4 4 4

図 6 クロルプロマツン前投与群でのぺンドパルビ

タールの全脳および血中濃度の経時的変化と

各時間でのスコア

表 1 Effects of ca百eine and chlorpromazine

on onset and duration of sleep induced

by pentobarbital

Onset of sleep Duration of sleep (sec) (min)

Control 650土 118 503土 61

Caffeine 941土 316 360t98骨骨

Chlorpromazine く300 1196土 344骨骨骨

骨 州 州 骨pく005 pく001 pく0005

表1 カフェインおよびクロルプロマジンのぺント

パルピタール催眠の導入時間持続時聞にお

よぼす影響

コントロールはぺントパルピタール単独

投与群カフェインは カフェイン前投与群

gjg)(μはぺントパルピタール濃度l縦制 硝 (本文参照)クロルプロマツンはクロルプロ

料lは時間(分)を示す下の段はスコア(本

文参照)を示すo

脳内血中濃度の経時的変化と各時間のスコアを示す

ぺントパJレピター Jレの全脳内濃度は 30分後には 222

μgjgまで減少したが この値は ぺントパJレピターJレ

単独投与群ではまだ麻酔状態を示す量であるまた他

の時間では全脳内血中のぺントパルピタール濃度

はぺン -Jyenレピター Jレ単独投与群と有意の差がなかっ

た スコアはぺントパノレピタール投与後 30秒で 1 3

3分で 3410分で 430分後に (1)を示したまた

正向反射回復後 (3)の状態がペントパルーピター Jレ単独

投与群に比べて長く続いたこの場合導入時間は延長

し平均睡眠時間は短縮した

クロ Jレプロマヲン前投与群でのペシト jレピター jレの

脳内血中濃度の経時的変化と各時間のスコアを図 6

に示すぺントパJレピタールの全脳内血中濃度はぺ

ントパルピター Jレ単独投与群と有意の差がなかったo ス

コアはぺントパルピター Jレ投与後 30秒で 34 1分以

内に 4に達し以後 l時間まで 4が続き bull1時間を過ぎ

そから (1) まで回復したまた正向反射回復後 ~(2) の

状態がぺントパJレピター Jレ単独投与群に比べ非常に長

く続いた

ぺントパルピター Jレ単独投与群では導入時間は

650秒平均睡眠時間は 503分であったカフェイン

50 ingJkgを前投与すると導入時間は 941秒に延長し

危険率は 005以下であったまた平均l睡眠時 間は

360分に短縮し危険率は 001以下であった一方

クロルプロマ少シ 10mgjkgを前投与すると 導入時間

は 30秒以内に短縮し平均睡眠時間は 1196分に延長

し危険率は 0005以下であった前者に関しては推計

学的処理はできなかったこれらをまとめて表 lに示

マクン前投与群(本文参照)での導入時間お

よび持続時聞を示すぺ骨骨骨昏持はそれぞ

れの危険率で有意の差があることを示す

考 察

一般に生物材料からのパJレビツレイトの定量は一度

有機層に抽出しiさらにアルカリに再抽出する方法7-11)

が用いられているがこの方法ではパルビツレイトの代

謝産物12-13)も含めて測定した値が求められる本法6)で

は pH99および pH130で 260mμ での吸光度の差を

利用しているので生物材料からの組織のもつ吸光度の

測定を不必要とし時間的にも早く測定できる利点があ

るぺントパルピタールは容易に脳血液関門を通過8)し

脳あるいは他の器官組織へ移行するもの 14-17)であり

各器官組織の分配はそれらの血流量と組織分配係数

によるとされているなおペントパルピタールの一部

は血妓蛋白と結合するがこのぺントパノレピタールもわ

ずかながら器官組織への分布に関与するものと考え

られる

ペントパルビタール単独投与時の脳内のぺントパjレピ

タール濃度と Croftのスコア法1)による各時間の麻酔

深度との聞には全体として相関関係が得られたー

方前投薬としてカフェインクロルプロマジンを与

えた場合の一般行動を観察した結果カフェインはぺン

卜パJレピタール催眠に措抗的でありクロ Jレプロマ少ン

は明らかに協力していた

この経過中のぺントパルピタールの脳内 血中濃 度

は カフェイン前投与群の脳内 30分値が有意に減少し

ているほかには脳内血中のぺントパJレピタール濃度

327 ぺントパJレピタールの脳内濃度と麻僻深度の経l時的観察

には有意な変化が見あれなかったこのカフェイン前

投与群での脳内 30分値の減少は一般に実験動物にお

いてカフェインが脳循環を増加させるといわれている

18)のでぺントパJレピターJレの分布ことに脳内からの

ぺントパJレピタールの運び出しに関係するものと思われ

るがこの点に関しではなお検討を要するまた覚醒

時のぺントパJレピタールの脳内濃度はぺントパルピ

タール単独投与群クロ Jレプロマヅン前投与群では

20μgjg以下であったo つまり カフェイン前投与群で

ほぼ覚醒状態にある脳内 30分値 222 pgjgという値は

他の 2群ではまだ麻酔状態を示す量である

ペントパJレビタールあるいは他のパJレビツレイトの脳

内血中濃度の経時的観察については諸家の報告19-20)

があるがスコア法による麻酔深度との関連について

は明らかにされていないさらにぺントパノレピター

Jレの脳内各部位での分布には差がありニューロン分画

に多く非ニューロン分画に少ないといわれている 21】著

者は全脳を等張の庶糖溶液によりシナプトゾーム分

画と非シナプトゾーム分画にわけベントパノレピター

Jレの分布を調べぺントパjレピタールはほとんど後者

に分布するという結果を得たがmこの場合ー分布する

ぺントパjレピターJレの絶対量が少なかったため本法に

よる正確な定量はできなかったしかじ全脳に分布す

る約 60のぺントパJレピタールが 非シナプトゾーム

分画lこ存在していることは疑いがないこの結果は等

張庶糖溶液によるシナプトゾーム分画の精製過程での物

理的なぺントパJレピタールの非シナプトゾーム分画への

移行の結果であるかも知れないがぺントパJレピターJレ

が膜成分あるいは神経終末に強く結合していないととを

示唆するものと思われる

生体を一つのコンパートメントと考えて薬物の分

布吸収排世についての動力学的な解析を行なう方法

mがあるが著者向もぺントパJレピターノレ単独投与群の

血中濃度から同様の解析を行ないぺントパJレピター Jレ

は急速相と低速相の 2相に分かれて分布吸収排池

が起っており血中濃度の半減期は 急速相で 34分で

あり低速相では 1時間以上であるととを見ているま

た パJレピツレイトの代謝凡24-26)は主に肝でフk酸化

あるいは酸化されるといわれておりさらにパノレピツー

Jレ酸の作用時間を限定する主な因子はパルピツ νィト

が脳から血流によって他の脂肪の少ない組織へと再分

布される速度であるともいわれている 27)また脂肪の

少ない組織に再分布したパノレピツレイトは最終的に

は体内の脂肪組織に分布するこ主も明らかにされてい

る28)

カフェインを動物に連続投与すると肝ミクロゾーム

分画の酵素活性を上昇させるという報告別もあり 他

方カフェイシはぺントパルピターJレの代謝には何の影

響もおよぽさないという報告30)もあるまた クロ Jレプ

ロマツンは投与量が大量である場合と少量である場合

とではベシトパノレピター Jレの代謝あるいは脳内濃度への

影響が異るという報告もある 2)実験動物種や実験条件

の違いはあるがカフェインあるいはクロルプロマジン

を前投与した場合これら薬物のパルピツレイトの薬理

作用への影響はいずれも代謝を介するものではないと

報告されているμ

本実験ではカフェィンあるいはクロルプロマジンをラ

ットに投与しその後比較的短時間のうちにペントパル

ピターJレを投与したがこれらの前投薬はぺントパル

ビターJレの脳内濃度にはあまり大きな影響を与えず

にカフェインではぺントパルピタール催眠の導入時

間を延長持続時間を短縮しまたクロ Jレプロマジン

は導入時間を短縮持続時間を延長したすなわち

ぺンドパノレピタールの脳内濃度と一般行動の面で不一

致が認められたこの不一致を生ずる機序は諸家の報

告2_3)からも ぺントパJレピタールの代謝を介するもの

ではないと考えられるb この機序の解明は重要な課題で

あり別途の計画にもとずく研究が必要であるど思う

稿を終るにあたりと校闘を賜わった萩原弥四郎

教授ならびに C指導と教示をいただいた村山智教

授米沢利英教授麻生芳郎助教授長谷川修司博

士に深謝します本論文の要旨は昭和 50年第 l回

研究発表会および第 52回日本薬理学会関東部会に

おいて発表した本論文は審査学位論文である

SUMMARY

A correlationshi p between levels of anaesthesia

ltnd pentobarbital col1centration in brain was

elucidated The effect of pretreatment with

caffeine and chlorpromazine on hypnosis by

pentobarbital was also estimated Male Wister

rats were administrated pentobarbital (30 mgjkg

i v) At various time intervals after admini-

stration of pentobarbitalanimals Were saerificed

by decapitation Pentobarbital conc~ntration in

whole brain and whole blood were detected by

spectrophotometric measurement Some animals

were injected intraperitoneally with caffeine (50

328 太 田要生ι

bitone sodium on 1in combination with pentoba tly1sho(10 mgJkg) omazine1p1chlo 10mgJkg)

Pento- consciousness and appreciation of pain Thelation of pentobarbita1e administ1befo

1959287-293record 7J Y1ain and whole veterina 1bital concentration in whole b1ba

5)薬効の評価 (1)薬理試験法く上〉医薬品開発基礎e1mined by the same procedu1e dete1blood we

講座 V津田恭介野上寿編 pp 138-143地e1weabove Levels of anaesthesiaibed1desc

1197人書館東京e loss and regain-L 1gross behavio ~withassessed

o1aviolet spect1rapid u1t A 6) BroughtonP M G lsquoed by Croft 1ing qf various reflexes sco

estimationdetection 1photometric method fo

ates in biologica1 1and identification of barbitu

A single 8hot of pentobarbital in rat found

a significant correlation between levels of anaes

Biochem J63 207-213 1956lia1matepentobarbital concentrationain1bthesia and

7) Brodie B B MαrkL CPapperE MLiefP Aation of sleep in rats which received 1Onset and du

pentobarbital alonewere 650 sec and 503 min Bernstein E and Rovenstine E A The fate of

its esti-1thiopental in man and a method foo開1caffeine p witheatment1et1Pespectively1

lmaco1PhaJlia1ation mation in biological mate 1longed onset to 941 sec and shortened du

195085-9698 1ExpTheeatment1et1pMeanwhileof sleep to 36 min

P ALiefClMαrkJJBurnsB B8) Brodie kedly potentiated hyp-1promazine ma1with chlo

Bernstein Eαnd Papper E M The fate of eat-1et1omazine-p1Chlorplbita1nosis by pentoba

methodbita1 in man and dog and a 1pentobaoand p 1sec~tened the onset within 30 1ment sho

how-ation of the sleep to 1196 min1longed du Jlin biologica1 materiaQits estimatio 1fo

195326-34109 1ExpThe Pharmaco1生bital1ation of pentoba1concentthe brain 1eve

was not so affected 9) Fastlich E Seαle B and Dαvidow B Identifi-

o-1ch 1ate in blood by pape1bitu1oup cation of ba 1ved in the g1This tendency was also obse

1965436-440C1in Chem J Japhy1expect the value in 30 matogeated with caffeine1et1p

1apid method fo1simple1Q) Wαddell W J Aesult suggests 1 pentobarbital This 1min afte

Clinate1aphy of barbitu1omatog1ch 1 om pape 1bita1 f1emoval of pentoba1 rapidthat the

Chem 1137-391965ate1 ain may be depended on the increased 1the b

J and Seifert1JankuKMαsekE11) Buchar Thea1 blood flow induced by caffeine 1eb1of ce

Ostrovskaya R U E町 ect of aminooxyacetic

acid on metabolism of pentobarbital in mice omazine is 1p1ch10 1eine0町modification with ca

1-effects on pentoba 1not likely e1icited by thei

bital metabolism J Neurochem 23447-4491974

12) Cohin J and OalyJ W The use of thin-layer

analysis of drugsthe 1fochromatography

文 献 Iso1ation and identification of barbiturates and

urine bloodom1fhypnoticsbiturate1nonba1) GoodmanL S and Gilmαn A The pharma-

139 1Exp The lmaco1PhaJand tissues~d1c010gical basis of therapeutics pp 98-120o3

ate Radio-1bitu1Ba

Ed MacmillanNew York1965 154-1591963

2) Jori A Bianchetti A and Prestini ~ E Re1a- 12) SpectorSoαnd FlynnE J

11971036-1038Science 174immunoassaybiturate brain levels and 1bations between

Ngαi1 CCampomanesJJBurnsCL13) Mark

B B E M and BrodiePαpperNTrousfS H

Jain1bThe passage of lt thiopenta1 into

sleeping time in various experimenta1 condi-

tionsBiochem Pharmacol 192687-26941970

3)Aeschbαcher H U Atkinson J and Domαhidy B

195735-381191守Exp The lmaco1PhaThce町 ectof caffcinelsquoltgt n Qarbiturate s1eeping

Exp 15) Butler T C The rate of penetration of bar-J Pharmacollain leve1btIme and

Jain1ivatives into the b1deTher 192635-6411975 bituric acid

4) CroftPGo Effect of mephenesin alone and Phaqnacol Exp Ther 100219-2261950

329 ペントパノレピターノレの脳内濃度と麻酔深度の経時的観察

16)小坂義弘 a)脳におけるサイアミラルの吸収につ

いて第 l編頚動静脈内濃度差よりの考察札幌

医誌 22299-3111962

b)同第 2編大脳皮質および脳脊髄液内濃度

同誌 22315-3241962

17) BrodieB BKurzH and 5chanl時 rL5 The

importance of dissociation constant and lipid-

so1ubility in influencing the passage of drugs

into the cerebrospina1 fluidJ Pharmacol

Exp Ther 13020-251960

18) Sokolo仔 L The action of drugs on cerebral

circu1ationPharmacolRev 11ト851959

19) GoldsteinA and AronowL The duration of

action of thiopental and pentobarbital J PharmacolExp Ther 1281-61960

20) ShidemanF E GouldT CWintersW D

PetersonR C and WilnerW K The distribu-

tion and in vivo rate of metabolism of thio-

pental J Pharmacol Exp Ther 107368-

3771953

21) UtleyJ D Change in pentobarbital distribu-

tion with time in neura1 and non-neural tissue

of cat brainBiochem Pharmacol 14353-

3551965

22)太田要生 未発表

23)大森義仁織田敏次編 薬の吸収排池一基礎と

臨床一広川書唐東京 1969

24) CooperJ R and BrodieB B Enzymatic

oxidation of pentobarbita1 and thiopental J PharmacolExp Ther 12075-831957

25) CooperJ R and BrodieB B The enzymatic

metabo1ism of hexobarbital J Pharmacol

Exp Ther 114409-4171955

26) GouldT C and 5hidemanF E The in vitro

metabolism of thiopental by a fortifiedcell-

free tissue preparation of the rat J Pharma-

colExp Ther 104427-4391952

27) PriceH LKovnatP JSaferJ NCon附 EH

ndPriceM L The uptake of thiopenta1 by

body tissues and its relation to the duration

of narcosisClin Pharmacol Ther 116-22

1960

28) BrodieB BBernsteinEαnd MarkL C The

role of bod y fat in limiting the duration of

action of thiopentalJ PharmacolExp Ther

105421-4261952

29) MitomaCLombrozoL Levalley5 E and Dehn

F Nature of the effect of caffeine on drug-

metabolizing enzymesArch Biochem Bio-

phys 134434-4411969

30) KatoRChiesaraE and VαssanelliP Further

studies on the inhibition and stimulation of

microsomal drug-metabolizing enzymes of rat

liver by various compoundsBiochem Phar

macol1369-831964

Page 5: リgpmr^[フ]Zxニ[xフoIマ@ - Chiba U...J s^[フ]Zxニ[xフoIマ@ 325 06 lJf ain 0.4 0 E 2 280 220 3. カィソゥoオスリgps^{フOzネB}カシェヘtCEシェヘS]ゥフotナフ

327 ぺントパJレピタールの脳内濃度と麻僻深度の経l時的観察

には有意な変化が見あれなかったこのカフェイン前

投与群での脳内 30分値の減少は一般に実験動物にお

いてカフェインが脳循環を増加させるといわれている

18)のでぺントパJレピターJレの分布ことに脳内からの

ぺントパJレピタールの運び出しに関係するものと思われ

るがこの点に関しではなお検討を要するまた覚醒

時のぺントパJレピタールの脳内濃度はぺントパルピ

タール単独投与群クロ Jレプロマヅン前投与群では

20μgjg以下であったo つまり カフェイン前投与群で

ほぼ覚醒状態にある脳内 30分値 222 pgjgという値は

他の 2群ではまだ麻酔状態を示す量である

ペントパJレビタールあるいは他のパJレビツレイトの脳

内血中濃度の経時的観察については諸家の報告19-20)

があるがスコア法による麻酔深度との関連について

は明らかにされていないさらにぺントパノレピター

Jレの脳内各部位での分布には差がありニューロン分画

に多く非ニューロン分画に少ないといわれている 21】著

者は全脳を等張の庶糖溶液によりシナプトゾーム分

画と非シナプトゾーム分画にわけベントパノレピター

Jレの分布を調べぺントパjレピタールはほとんど後者

に分布するという結果を得たがmこの場合ー分布する

ぺントパjレピターJレの絶対量が少なかったため本法に

よる正確な定量はできなかったしかじ全脳に分布す

る約 60のぺントパJレピタールが 非シナプトゾーム

分画lこ存在していることは疑いがないこの結果は等

張庶糖溶液によるシナプトゾーム分画の精製過程での物

理的なぺントパJレピタールの非シナプトゾーム分画への

移行の結果であるかも知れないがぺントパJレピターJレ

が膜成分あるいは神経終末に強く結合していないととを

示唆するものと思われる

生体を一つのコンパートメントと考えて薬物の分

布吸収排世についての動力学的な解析を行なう方法

mがあるが著者向もぺントパJレピターノレ単独投与群の

血中濃度から同様の解析を行ないぺントパJレピター Jレ

は急速相と低速相の 2相に分かれて分布吸収排池

が起っており血中濃度の半減期は 急速相で 34分で

あり低速相では 1時間以上であるととを見ているま

た パJレピツレイトの代謝凡24-26)は主に肝でフk酸化

あるいは酸化されるといわれておりさらにパノレピツー

Jレ酸の作用時間を限定する主な因子はパルピツ νィト

が脳から血流によって他の脂肪の少ない組織へと再分

布される速度であるともいわれている 27)また脂肪の

少ない組織に再分布したパノレピツレイトは最終的に

は体内の脂肪組織に分布するこ主も明らかにされてい

る28)

カフェインを動物に連続投与すると肝ミクロゾーム

分画の酵素活性を上昇させるという報告別もあり 他

方カフェイシはぺントパルピターJレの代謝には何の影

響もおよぽさないという報告30)もあるまた クロ Jレプ

ロマツンは投与量が大量である場合と少量である場合

とではベシトパノレピター Jレの代謝あるいは脳内濃度への

影響が異るという報告もある 2)実験動物種や実験条件

の違いはあるがカフェインあるいはクロルプロマジン

を前投与した場合これら薬物のパルピツレイトの薬理

作用への影響はいずれも代謝を介するものではないと

報告されているμ

本実験ではカフェィンあるいはクロルプロマジンをラ

ットに投与しその後比較的短時間のうちにペントパル

ピターJレを投与したがこれらの前投薬はぺントパル

ビターJレの脳内濃度にはあまり大きな影響を与えず

にカフェインではぺントパルピタール催眠の導入時

間を延長持続時間を短縮しまたクロ Jレプロマジン

は導入時間を短縮持続時間を延長したすなわち

ぺンドパノレピタールの脳内濃度と一般行動の面で不一

致が認められたこの不一致を生ずる機序は諸家の報

告2_3)からも ぺントパJレピタールの代謝を介するもの

ではないと考えられるb この機序の解明は重要な課題で

あり別途の計画にもとずく研究が必要であるど思う

稿を終るにあたりと校闘を賜わった萩原弥四郎

教授ならびに C指導と教示をいただいた村山智教

授米沢利英教授麻生芳郎助教授長谷川修司博

士に深謝します本論文の要旨は昭和 50年第 l回

研究発表会および第 52回日本薬理学会関東部会に

おいて発表した本論文は審査学位論文である

SUMMARY

A correlationshi p between levels of anaesthesia

ltnd pentobarbital col1centration in brain was

elucidated The effect of pretreatment with

caffeine and chlorpromazine on hypnosis by

pentobarbital was also estimated Male Wister

rats were administrated pentobarbital (30 mgjkg

i v) At various time intervals after admini-

stration of pentobarbitalanimals Were saerificed

by decapitation Pentobarbital conc~ntration in

whole brain and whole blood were detected by

spectrophotometric measurement Some animals

were injected intraperitoneally with caffeine (50

328 太 田要生ι

bitone sodium on 1in combination with pentoba tly1sho(10 mgJkg) omazine1p1chlo 10mgJkg)

Pento- consciousness and appreciation of pain Thelation of pentobarbita1e administ1befo

1959287-293record 7J Y1ain and whole veterina 1bital concentration in whole b1ba

5)薬効の評価 (1)薬理試験法く上〉医薬品開発基礎e1mined by the same procedu1e dete1blood we

講座 V津田恭介野上寿編 pp 138-143地e1weabove Levels of anaesthesiaibed1desc

1197人書館東京e loss and regain-L 1gross behavio ~withassessed

o1aviolet spect1rapid u1t A 6) BroughtonP M G lsquoed by Croft 1ing qf various reflexes sco

estimationdetection 1photometric method fo

ates in biologica1 1and identification of barbitu

A single 8hot of pentobarbital in rat found

a significant correlation between levels of anaes

Biochem J63 207-213 1956lia1matepentobarbital concentrationain1bthesia and

7) Brodie B B MαrkL CPapperE MLiefP Aation of sleep in rats which received 1Onset and du

pentobarbital alonewere 650 sec and 503 min Bernstein E and Rovenstine E A The fate of

its esti-1thiopental in man and a method foo開1caffeine p witheatment1et1Pespectively1

lmaco1PhaJlia1ation mation in biological mate 1longed onset to 941 sec and shortened du

195085-9698 1ExpTheeatment1et1pMeanwhileof sleep to 36 min

P ALiefClMαrkJJBurnsB B8) Brodie kedly potentiated hyp-1promazine ma1with chlo

Bernstein Eαnd Papper E M The fate of eat-1et1omazine-p1Chlorplbita1nosis by pentoba

methodbita1 in man and dog and a 1pentobaoand p 1sec~tened the onset within 30 1ment sho

how-ation of the sleep to 1196 min1longed du Jlin biologica1 materiaQits estimatio 1fo

195326-34109 1ExpThe Pharmaco1生bital1ation of pentoba1concentthe brain 1eve

was not so affected 9) Fastlich E Seαle B and Dαvidow B Identifi-

o-1ch 1ate in blood by pape1bitu1oup cation of ba 1ved in the g1This tendency was also obse

1965436-440C1in Chem J Japhy1expect the value in 30 matogeated with caffeine1et1p

1apid method fo1simple1Q) Wαddell W J Aesult suggests 1 pentobarbital This 1min afte

Clinate1aphy of barbitu1omatog1ch 1 om pape 1bita1 f1emoval of pentoba1 rapidthat the

Chem 1137-391965ate1 ain may be depended on the increased 1the b

J and Seifert1JankuKMαsekE11) Buchar Thea1 blood flow induced by caffeine 1eb1of ce

Ostrovskaya R U E町 ect of aminooxyacetic

acid on metabolism of pentobarbital in mice omazine is 1p1ch10 1eine0町modification with ca

1-effects on pentoba 1not likely e1icited by thei

bital metabolism J Neurochem 23447-4491974

12) Cohin J and OalyJ W The use of thin-layer

analysis of drugsthe 1fochromatography

文 献 Iso1ation and identification of barbiturates and

urine bloodom1fhypnoticsbiturate1nonba1) GoodmanL S and Gilmαn A The pharma-

139 1Exp The lmaco1PhaJand tissues~d1c010gical basis of therapeutics pp 98-120o3

ate Radio-1bitu1Ba

Ed MacmillanNew York1965 154-1591963

2) Jori A Bianchetti A and Prestini ~ E Re1a- 12) SpectorSoαnd FlynnE J

11971036-1038Science 174immunoassaybiturate brain levels and 1bations between

Ngαi1 CCampomanesJJBurnsCL13) Mark

B B E M and BrodiePαpperNTrousfS H

Jain1bThe passage of lt thiopenta1 into

sleeping time in various experimenta1 condi-

tionsBiochem Pharmacol 192687-26941970

3)Aeschbαcher H U Atkinson J and Domαhidy B

195735-381191守Exp The lmaco1PhaThce町 ectof caffcinelsquoltgt n Qarbiturate s1eeping

Exp 15) Butler T C The rate of penetration of bar-J Pharmacollain leve1btIme and

Jain1ivatives into the b1deTher 192635-6411975 bituric acid

4) CroftPGo Effect of mephenesin alone and Phaqnacol Exp Ther 100219-2261950

329 ペントパノレピターノレの脳内濃度と麻酔深度の経時的観察

16)小坂義弘 a)脳におけるサイアミラルの吸収につ

いて第 l編頚動静脈内濃度差よりの考察札幌

医誌 22299-3111962

b)同第 2編大脳皮質および脳脊髄液内濃度

同誌 22315-3241962

17) BrodieB BKurzH and 5chanl時 rL5 The

importance of dissociation constant and lipid-

so1ubility in influencing the passage of drugs

into the cerebrospina1 fluidJ Pharmacol

Exp Ther 13020-251960

18) Sokolo仔 L The action of drugs on cerebral

circu1ationPharmacolRev 11ト851959

19) GoldsteinA and AronowL The duration of

action of thiopental and pentobarbital J PharmacolExp Ther 1281-61960

20) ShidemanF E GouldT CWintersW D

PetersonR C and WilnerW K The distribu-

tion and in vivo rate of metabolism of thio-

pental J Pharmacol Exp Ther 107368-

3771953

21) UtleyJ D Change in pentobarbital distribu-

tion with time in neura1 and non-neural tissue

of cat brainBiochem Pharmacol 14353-

3551965

22)太田要生 未発表

23)大森義仁織田敏次編 薬の吸収排池一基礎と

臨床一広川書唐東京 1969

24) CooperJ R and BrodieB B Enzymatic

oxidation of pentobarbita1 and thiopental J PharmacolExp Ther 12075-831957

25) CooperJ R and BrodieB B The enzymatic

metabo1ism of hexobarbital J Pharmacol

Exp Ther 114409-4171955

26) GouldT C and 5hidemanF E The in vitro

metabolism of thiopental by a fortifiedcell-

free tissue preparation of the rat J Pharma-

colExp Ther 104427-4391952

27) PriceH LKovnatP JSaferJ NCon附 EH

ndPriceM L The uptake of thiopenta1 by

body tissues and its relation to the duration

of narcosisClin Pharmacol Ther 116-22

1960

28) BrodieB BBernsteinEαnd MarkL C The

role of bod y fat in limiting the duration of

action of thiopentalJ PharmacolExp Ther

105421-4261952

29) MitomaCLombrozoL Levalley5 E and Dehn

F Nature of the effect of caffeine on drug-

metabolizing enzymesArch Biochem Bio-

phys 134434-4411969

30) KatoRChiesaraE and VαssanelliP Further

studies on the inhibition and stimulation of

microsomal drug-metabolizing enzymes of rat

liver by various compoundsBiochem Phar

macol1369-831964

Page 6: リgpmr^[フ]Zxニ[xフoIマ@ - Chiba U...J s^[フ]Zxニ[xフoIマ@ 325 06 lJf ain 0.4 0 E 2 280 220 3. カィソゥoオスリgps^{フOzネB}カシェヘtCEシェヘS]ゥフotナフ

328 太 田要生ι

bitone sodium on 1in combination with pentoba tly1sho(10 mgJkg) omazine1p1chlo 10mgJkg)

Pento- consciousness and appreciation of pain Thelation of pentobarbita1e administ1befo

1959287-293record 7J Y1ain and whole veterina 1bital concentration in whole b1ba

5)薬効の評価 (1)薬理試験法く上〉医薬品開発基礎e1mined by the same procedu1e dete1blood we

講座 V津田恭介野上寿編 pp 138-143地e1weabove Levels of anaesthesiaibed1desc

1197人書館東京e loss and regain-L 1gross behavio ~withassessed

o1aviolet spect1rapid u1t A 6) BroughtonP M G lsquoed by Croft 1ing qf various reflexes sco

estimationdetection 1photometric method fo

ates in biologica1 1and identification of barbitu

A single 8hot of pentobarbital in rat found

a significant correlation between levels of anaes

Biochem J63 207-213 1956lia1matepentobarbital concentrationain1bthesia and

7) Brodie B B MαrkL CPapperE MLiefP Aation of sleep in rats which received 1Onset and du

pentobarbital alonewere 650 sec and 503 min Bernstein E and Rovenstine E A The fate of

its esti-1thiopental in man and a method foo開1caffeine p witheatment1et1Pespectively1

lmaco1PhaJlia1ation mation in biological mate 1longed onset to 941 sec and shortened du

195085-9698 1ExpTheeatment1et1pMeanwhileof sleep to 36 min

P ALiefClMαrkJJBurnsB B8) Brodie kedly potentiated hyp-1promazine ma1with chlo

Bernstein Eαnd Papper E M The fate of eat-1et1omazine-p1Chlorplbita1nosis by pentoba

methodbita1 in man and dog and a 1pentobaoand p 1sec~tened the onset within 30 1ment sho

how-ation of the sleep to 1196 min1longed du Jlin biologica1 materiaQits estimatio 1fo

195326-34109 1ExpThe Pharmaco1生bital1ation of pentoba1concentthe brain 1eve

was not so affected 9) Fastlich E Seαle B and Dαvidow B Identifi-

o-1ch 1ate in blood by pape1bitu1oup cation of ba 1ved in the g1This tendency was also obse

1965436-440C1in Chem J Japhy1expect the value in 30 matogeated with caffeine1et1p

1apid method fo1simple1Q) Wαddell W J Aesult suggests 1 pentobarbital This 1min afte

Clinate1aphy of barbitu1omatog1ch 1 om pape 1bita1 f1emoval of pentoba1 rapidthat the

Chem 1137-391965ate1 ain may be depended on the increased 1the b

J and Seifert1JankuKMαsekE11) Buchar Thea1 blood flow induced by caffeine 1eb1of ce

Ostrovskaya R U E町 ect of aminooxyacetic

acid on metabolism of pentobarbital in mice omazine is 1p1ch10 1eine0町modification with ca

1-effects on pentoba 1not likely e1icited by thei

bital metabolism J Neurochem 23447-4491974

12) Cohin J and OalyJ W The use of thin-layer

analysis of drugsthe 1fochromatography

文 献 Iso1ation and identification of barbiturates and

urine bloodom1fhypnoticsbiturate1nonba1) GoodmanL S and Gilmαn A The pharma-

139 1Exp The lmaco1PhaJand tissues~d1c010gical basis of therapeutics pp 98-120o3

ate Radio-1bitu1Ba

Ed MacmillanNew York1965 154-1591963

2) Jori A Bianchetti A and Prestini ~ E Re1a- 12) SpectorSoαnd FlynnE J

11971036-1038Science 174immunoassaybiturate brain levels and 1bations between

Ngαi1 CCampomanesJJBurnsCL13) Mark

B B E M and BrodiePαpperNTrousfS H

Jain1bThe passage of lt thiopenta1 into

sleeping time in various experimenta1 condi-

tionsBiochem Pharmacol 192687-26941970

3)Aeschbαcher H U Atkinson J and Domαhidy B

195735-381191守Exp The lmaco1PhaThce町 ectof caffcinelsquoltgt n Qarbiturate s1eeping

Exp 15) Butler T C The rate of penetration of bar-J Pharmacollain leve1btIme and

Jain1ivatives into the b1deTher 192635-6411975 bituric acid

4) CroftPGo Effect of mephenesin alone and Phaqnacol Exp Ther 100219-2261950

329 ペントパノレピターノレの脳内濃度と麻酔深度の経時的観察

16)小坂義弘 a)脳におけるサイアミラルの吸収につ

いて第 l編頚動静脈内濃度差よりの考察札幌

医誌 22299-3111962

b)同第 2編大脳皮質および脳脊髄液内濃度

同誌 22315-3241962

17) BrodieB BKurzH and 5chanl時 rL5 The

importance of dissociation constant and lipid-

so1ubility in influencing the passage of drugs

into the cerebrospina1 fluidJ Pharmacol

Exp Ther 13020-251960

18) Sokolo仔 L The action of drugs on cerebral

circu1ationPharmacolRev 11ト851959

19) GoldsteinA and AronowL The duration of

action of thiopental and pentobarbital J PharmacolExp Ther 1281-61960

20) ShidemanF E GouldT CWintersW D

PetersonR C and WilnerW K The distribu-

tion and in vivo rate of metabolism of thio-

pental J Pharmacol Exp Ther 107368-

3771953

21) UtleyJ D Change in pentobarbital distribu-

tion with time in neura1 and non-neural tissue

of cat brainBiochem Pharmacol 14353-

3551965

22)太田要生 未発表

23)大森義仁織田敏次編 薬の吸収排池一基礎と

臨床一広川書唐東京 1969

24) CooperJ R and BrodieB B Enzymatic

oxidation of pentobarbita1 and thiopental J PharmacolExp Ther 12075-831957

25) CooperJ R and BrodieB B The enzymatic

metabo1ism of hexobarbital J Pharmacol

Exp Ther 114409-4171955

26) GouldT C and 5hidemanF E The in vitro

metabolism of thiopental by a fortifiedcell-

free tissue preparation of the rat J Pharma-

colExp Ther 104427-4391952

27) PriceH LKovnatP JSaferJ NCon附 EH

ndPriceM L The uptake of thiopenta1 by

body tissues and its relation to the duration

of narcosisClin Pharmacol Ther 116-22

1960

28) BrodieB BBernsteinEαnd MarkL C The

role of bod y fat in limiting the duration of

action of thiopentalJ PharmacolExp Ther

105421-4261952

29) MitomaCLombrozoL Levalley5 E and Dehn

F Nature of the effect of caffeine on drug-

metabolizing enzymesArch Biochem Bio-

phys 134434-4411969

30) KatoRChiesaraE and VαssanelliP Further

studies on the inhibition and stimulation of

microsomal drug-metabolizing enzymes of rat

liver by various compoundsBiochem Phar

macol1369-831964

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329 ペントパノレピターノレの脳内濃度と麻酔深度の経時的観察

16)小坂義弘 a)脳におけるサイアミラルの吸収につ

いて第 l編頚動静脈内濃度差よりの考察札幌

医誌 22299-3111962

b)同第 2編大脳皮質および脳脊髄液内濃度

同誌 22315-3241962

17) BrodieB BKurzH and 5chanl時 rL5 The

importance of dissociation constant and lipid-

so1ubility in influencing the passage of drugs

into the cerebrospina1 fluidJ Pharmacol

Exp Ther 13020-251960

18) Sokolo仔 L The action of drugs on cerebral

circu1ationPharmacolRev 11ト851959

19) GoldsteinA and AronowL The duration of

action of thiopental and pentobarbital J PharmacolExp Ther 1281-61960

20) ShidemanF E GouldT CWintersW D

PetersonR C and WilnerW K The distribu-

tion and in vivo rate of metabolism of thio-

pental J Pharmacol Exp Ther 107368-

3771953

21) UtleyJ D Change in pentobarbital distribu-

tion with time in neura1 and non-neural tissue

of cat brainBiochem Pharmacol 14353-

3551965

22)太田要生 未発表

23)大森義仁織田敏次編 薬の吸収排池一基礎と

臨床一広川書唐東京 1969

24) CooperJ R and BrodieB B Enzymatic

oxidation of pentobarbita1 and thiopental J PharmacolExp Ther 12075-831957

25) CooperJ R and BrodieB B The enzymatic

metabo1ism of hexobarbital J Pharmacol

Exp Ther 114409-4171955

26) GouldT C and 5hidemanF E The in vitro

metabolism of thiopental by a fortifiedcell-

free tissue preparation of the rat J Pharma-

colExp Ther 104427-4391952

27) PriceH LKovnatP JSaferJ NCon附 EH

ndPriceM L The uptake of thiopenta1 by

body tissues and its relation to the duration

of narcosisClin Pharmacol Ther 116-22

1960

28) BrodieB BBernsteinEαnd MarkL C The

role of bod y fat in limiting the duration of

action of thiopentalJ PharmacolExp Ther

105421-4261952

29) MitomaCLombrozoL Levalley5 E and Dehn

F Nature of the effect of caffeine on drug-

metabolizing enzymesArch Biochem Bio-

phys 134434-4411969

30) KatoRChiesaraE and VαssanelliP Further

studies on the inhibition and stimulation of

microsomal drug-metabolizing enzymes of rat

liver by various compoundsBiochem Phar

macol1369-831964