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日医工MPS2010 対診・他の医療機関受診の取扱い -入院中の患者- 日医工株式会社 MPSチーム (日本医業経営コンサルタント協会認定 登録番号第4310 山岸義彦) (日本医業経営コンサルタント協会認定 登録番号第4217 菊地祐男) 日医工株式会社 http://www.nichiiko.co.jp 日医工MPS行政情報シリーズ http://www.nichiiko.co.jp/stu-ge/index.php 資料No.220614-1812010年度診療報酬改定 平成22年度診療報酬改定 1

index.php 対診・他の医療機関受診の取扱い -入院 …...日医工MPS2010 入院中患者の他医療機関受診の要件について ①入院患者が他医療機関で受診可能な要件として、入院医療機関にて診療を

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Ⓒ日医工MPS2010

対診・他の医療機関受診の取扱い-入院中の患者-

日医工株式会社 MPSチーム(日本医業経営コンサルタント協会認定 登録番号第4310 山岸義彦)(日本医業経営コンサルタント協会認定 登録番号第4217 菊地祐男)

日医工株式会社http://www.nichiiko.co.jp

日医工MPS行政情報シリーズhttp://www.nichiiko.co.jp/stu-ge/index.php

資料No.220614-181② 2010年度診療報酬改定平成22年度診療報酬改定

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Ⓒ日医工MPS2010

対診とは?

医療機関に入院している患者さんが、他の疾患などで別の医療機関の受診が必要

になった場合(内臓疾患で入院中の患者さんが緑内障で眼科医療機関に診てもらう

場合など)の取り扱いについては次の2つの方法があります。

対診:入院している医療機関とは別の医療機関の医師が入院先まで出向いて立会診療する場合

他の医療機関受診:入院している患者さんが別の医療機関に出かけて診療を受ける場合

入院患者の対診(他の医療機関受診)では、入院先医療機関の診療報酬と対診した医療機

関の診療報酬の両方が発生するため、重複部分の調整が必要になります。また入院患者の医

療機関が出来高病棟か、包括病棟か、DPC病棟かで対応も異なります。

今までも「対診」「他の医療機関受診」は行われてきましたが、2010年度の診療報酬改定で

ルールが整理され、診療報酬の重複部分の調整方法が明確になりました。

さらに6月4日には通知の一部改正と疑義解釈の訂正が行われています。

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Ⓒ日医工MPS2010

入院中患者の他医療機関受診の要件について

①入院患者が他医療機関で受診可能な要件として、入院医療機関にて診療を

行うことができない、専門的な診療が必要となった場合等のやむを得ない

場合に限られる。

②入院医療機関に“当該診療に係る診療科がない場合等”に行われていた専

門的な診療は、“入院医療機関にて診療を行うことができない専門的な診

療等”へと取り扱いが変更された。

③外来医療機関に対し、診療に必要な診療情報(算定入院料及び必要な診療

科を含む)を文書により提供しなければならない。なお、これらに要する

費用は入院医療機関で負担し、診療録にはその写しを添付する。

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Ⓒ日医工MPS2010

出来高病棟入院患者①

対診(立合診療) A病院(患者入院中) G医療機関(対診先)

初・再診料 往診料 ○(請求)

診療行為に係る費用 ○(請求) ×(合議で清算)

出来高病棟「A病院」

医師

【A病院】・ 「診療行為に係る費用」は、A病院からG医療機関に合議で精算

【G医療機関】・G医療機関は、定期的・計画的な往診は算定不可

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Ⓒ日医工MPS2010

出来高病棟入院患者②

他医療機関受診 A病院(患者入院中) G医療機関(受診先)

初・再診料 ○(請求)

診療行為に係る費用 △(一部請求可)

患者

【A病院】・入院基本料の30%を減額する

・G医療機関の診療行為、外来レセプト、診療情報を把握する

(カルテ・レセプト)

・レセプトの摘要欄に「受診した理由」「診療科」「受診日数:○日」を記載する

【G医療機関】・A病院で算定している入院料を情報提供文書で確認する

(カルテ・レセプト)

・A病院からの患者情報「診療情報提供文書」をカルテに添付する

・レセプトの摘要欄に「入院医療機関名」「患者の算定する入院料」「受診した理由」「受診日数:○日」「診

療科」を記載する

G医療機関が算定できる

点数は「p8表A」を参照

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Ⓒ日医工MPS2010

特定入院料等算定病棟(包括病棟)入院患者①

包括評価部分 出来高部分(包括外)

初・再診料 往診料 ○(請求)

診療行為に係る費用 × ○(請求) ×(合議で清算)

対診(立合診療) G医療機関(対診先)B病院(患者入院中)

包括病棟「B病院」

医師

【B病院】・ 「診療行為に係る費用」は、B病院からG医療機関に合議で精算

【G医療機関】・G医療機関は、定期的・計画的な往診は算定不可

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Ⓒ日医工MPS2010

包括評価部分 出来高部分(包括外)

初・再診料 ○(請求)

診療行為に係る費用 △(一部請求可)

B病院(患者入院中)他医療機関受診 G医療機関(受診先)

特定入院料等算定病棟(包括病棟)入院患者②患者

【B病院】・G医療機関が特定入院料等に包括される点数を算定する場合、特定入院料等の基本点数の70%を減額

・G医療機関が特定入院料等に包括される点数を算定しない場合、特定入院料等の基本点数の30%を減額

・G医療機関の診療行為、外来レセプト、診療情報を把握する

(カルテ・レセプト)

・レセプトの摘要欄に「受診した理由」「診療科」「受診日数:○日」を記載する

・G医療機関のレセプトを添付して請求する(特定入院料等の30%を減額する場合)

【G医療機関】・B病院で算定している入院料を情報提供文書で確認する

(カルテ・レセプト)

・B病院からの患者情報「診療情報提供文書」をカルテに添付する

・特定入院料等に包括される点数を算定しなかった場合はB病院にレセプトの写しを提出

・レセプトの摘要欄に「入院医療機関名」「患者の算定する入院料」「受診した理由」「受診日数:○日」「診療

科」を記載する

G医療機関が算定できる

点数は「p8表A」を参照

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Ⓒ日医工MPS2010

調剤報酬の算定

出来高病棟入院患者 ○調剤基本料(加算を含む)、調剤情報提供料(算定要件を満たす場合)、調剤料(加算を含む)、薬剤料及び特定保険医療材料料は算定可(調剤情報提供料以外の薬学管理料は算定不可)

特定入院料等算定病棟(包括病棟)入院患者

△調剤基本料(加算を含む)及び調剤情報提供料(算定要件を満たす場合)は算定可調剤料、薬剤料及び特定保険医療材料料は入院医療機関と合議により清算

DPC病棟入院患者 ×・調剤に係る費用は、入院医療機関において算定することとなるため合議により清算する・調剤内容(医薬品名、規格単位、用法・用量、調剤数量(投薬日数、調剤回数等)等)について、入院医療機関に情報提供する

・レセプトの摘要欄に、①入院中の患者である旨、②入院医療機関の名称、③出来高入院料を算定している患者であるか否かについて記載すること・調剤内容(医薬品名、規格単位、用法・用量、調剤数量(投薬日数、調剤回数等)等)を外来医療機関に情報提供すること

保険薬局の場合

初・再診料 ○ 短期滞在手術基本料2及び3は×

医学管理等 × 診療情報提供料のみ○ (特別の関係の場合は×)

在宅医療 × 在宅療養指導管理材料加算、薬剤料等も全て×

検査・画像診断 ○

投薬・注射 △出来高病棟入院患者については、専門的な診療に特有な薬剤を用いた投薬に係る費用(調剤料、薬剤料、処方料又は処方せん料等)は○

リハビリテーション × 言語聴覚療法に係る疾患別リハビリは○

精神専門療法・処置・手術・麻酔・放射線治療・病理診断

外来医療機関で算定できる点数

表A 参考:算定ルール

表B

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Ⓒ日医工MPS2010

DPC算定病棟入院患者①

包括評価部分 出来高部分(包括外)

初・再診料 往診料 ○(請求)

診療行為に係る費用 × ○(請求) ×(合議で清算)

C病院(患者入院中)対診(立合診療) G医療機関(対診先)

DPC病棟「C病院」

医師

【C病院】・ DPC包括内の「診療行為に係る費用」は、C病院からG医療機関に合議で精算

・ DPC包括外の「診療行為に係る費用」は、C病院が請求しG医療機関との合議で精算

・ C病院はG医療機関が提供した医療行為を含めて診断群分類を決定する

【G医療機関】・G医療機関は、定期的・計画的な往診は算定不可

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Ⓒ日医工MPS2010

DPC算定病棟入院患者②

包括評価部分 出来高部分(包括外)

初・再診料 ×(合議で清算)

診療行為に係る費用 × ○(請求) ×(合議で清算)

G医療機関(受診先)C病院(患者入院中)

他医療機関受診患者

【C病院】・C病院はG医療機関と合議し費用を支払う

・G医療機関が提供する診療行為を含めて診断群分類が決定される。

(カルテ・レセプト)

・G医療機関のレセプトの写しを添付して請求する

【G医療機関】・外来レセプト請求は行わず、診療行為に係る費用は合議で支払いを受ける。よって、患者から一部負担

金は徴収しない

・ガンマナイフによる定位放射線治療、直線加速器による定位放射線治療:○

(カルテ・レセプト)

・C病院からの患者情報「診療情報提供文書」をカルテに添付する

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Ⓒ日医工MPS2010

参考:入院料等の一覧

区分 病棟種別

入院基本料等算定患者(出来高病棟入院患者)

・一般病棟入院基本料 ・有床診療所入院基本料 ・精神病棟入院基本料・結核病棟入院基本料 ・障害者施設等入院基本料・特定機能病院入院基本料 ・専門病院入院基本料

特定入院料等算定患者(包括病棟入院患者)

・療養病棟入院基本料 ・有床診療所療養病床入院基本料・回復期リハビリテーション病棟入院料1、2 ・精神療養病棟入院料・特殊疾患病棟入院料 ・特殊疾患入院医療管理料・緩和ケア病棟入院料 ・救命救急入院料 ・特定集中治療室管理料・ハイケアユニット入院医療管理料 ・脳卒中ケアユニット入院医療管理料・新生児特定集中室治療室管理料 ・総合周産期特定集中治療室管理料・新生児回復室入院医療管理料 ・一類感染症患者入院医療管理料・小児入院医療管理料1~5 ・亜急性期入院医療管理料1、2・精神科救急入院料 ・精神科急性期治療病棟入院料・精神科救急、合併症入院料 ・認知症治療病棟入鹿料・特定入院基本料

DPC算定病棟入院患者 DPC対象病棟

モデルC病院

モデルB病院

モデルA病院

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医科診療報酬点数表に関する事項(保医発0305第1号)

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一部改正(保医発0604第1号)第2部 入院料等 <通則>

5 入院中の患者の他医療機関ヘの受診

(1) 入院中の患者が、当該入院の原因となった傷病以外の傷病に罹患し、入院している保険基本料医療

機関(以下本項において「入院医療機関」という。)以外での診療の必要が生じた場合は、他の保険医療機

関(以下本項において「他医療機関」という。)へ転医又は対診を求めることを原則とする。

(2) 入院中の患者(DPC算定病棟に入院している患者を除く。)に対し他医療機関での診療が必要となり、

当該入院中の患者が他医療機関を受診した場合(当該入院医療機関にて診療を行うことができない専門

的な診療が必要となった場合等のやむを得ない場合に限る。)は、他医療機関において当該診療に係る費

用を算定することができる。ただし、短期滞在手術基本料2及び3、医学管理等(診療情報提供料は除く。)、

在宅医療、投薬、注射(当該専門的な診療に特有な薬剤を用いた受診日の投薬又は注射に係る費用を除

き、処方料、処方せん料及び外来化学療法加算を含む。)及びリハビリテーション(言語聴覚療法に係る疾

患別リハビリテーション料を除く。)に係る費用は算定できない。

(3) (2)のただし書きにもかかわらず、出来高入院料を算定する病床に入院している患者の場合には、他

医療機関における診療に要する費用のうち、当該専門的な診療に特有な薬剤を用いた投薬に係る費用は

算定できる。

(4) 本通則において、出来高入院料とは療養病棟入院基本料、有床診療所療養病棟入院基本料、及び特

定入院基本料を除く入院基本料をいう。

(53) (2)の規定により入院中の患者が他医療機関を受診する場合には、入院医療機関は、当該他医療

機関に対し、当該診療に必要な診療情報(当該入院医療機関での算定入院料及び必要な診療科を含

む。)を文書により提供する(これらに要する費用は患者の入院している保険医療機関が負担するものとす

る。)とともに、診療録にその写しを添付すること。

通知

Ⓒ日医工MPS2010

通知 医科診療報酬点数表に関する事項(保発0305)

(64) (2)の規定により入院中の患者が他医療機関を受診する日の入院医療機関における診療報酬の算

定については、以下のとおりとすること。この場合において、1点未満の端数があるときは、小数点以下第

一位を四捨五入して計算すること。

ア 入院医療機関において、当該患者が出来高入院料療養病棟入院基本料、有床診療所療養病床入院

基本料及び特定入院基本料を除く入院基本料(以下、通則において「入院基本料等」という。)を算定してい

る場合は、出来高入院料入院基本料等は当該出来高入院料入院基本料等の基本点数の30%を控除した

点数により算定すること。

イ 入院医療機関において、当該患者が特定入院料、療養病棟入院基本料、有床診療所療養病床入院

基本料又は特定入院基本料(以下、通則において「特定入院料等」という。)を算定している場合であって、

当該他医療機関において特定入院料等に含まれる診療に係る費用(特掲診療料に限る。)を算定する場合

は、特定入院料等は、当該特定入院料等の基本点数の70%を控除した点数により算定すること。

ウ 入院医療機関において、当該患者が特定入院料等を算定している場合であって、当該他医療機関に

おいて特定入院料等に含まれる診療に係る費用(特掲診療料に限る。)を算定しない場合は、特定入院料

等は、当該特定入院料等の基本点数の30%を控除した点数により算定すること。

(75) 他医療機関において診療を行った場合には、入院医療機関から提供される当該患者に係る診療情

報に係る文書を診療録に添付するとともに、診療報酬明細書の摘要欄に「入院医療機関名」、「当該患者

の算定する入院料」、「受診した理由」、「診療科」及び「○他(受診日数:○日)」を記載すること。

(86) 入院医療機関においては、診療報酬明細書の摘要欄に、「他医療機関を受診した理由」、「診療科」

及び「○他(受診日数:○日)」を記載すること。ただし、特定入院料等を30%減算する場合には、他医療機関

のレセプトの写しを添付すること。

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Ⓒ日医工MPS2010

通知 医科診療報酬点数表に関する事項(保発0305)

(97) 入院中の患者(DPC算定病棟に入院している患者であって「診療報酬の算定方法」に基本料より入

院料を算定する患者に限る。)に対し他医療機関での診療が必要となり、当該入院中の患者が他医療機関

を受診した場合(当該入院医療機関にて診療を行うことができない専門的な診療が必要となった場合等の

やむを得ない場合に限る。)の他医療機関において実施された診療にかかる費用は、入院医療機関の保

険医が実施した診療の費用と同様の取扱いとし、入院医療機関において算定すること。なお、この場合の

医療機関間での診療報酬の分配は、相互の合議に委ねるものとする。

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Ⓒ日医工MPS2010

疑義解釈[保険局医療課その1 3月29日]

別添1(医科診療報酬点数表関係)(問155) 麻酔科で開業した医師が別の医療機関に赴き、手術前日、当日、翌日の3回往診料を算定する

のは妥当であるか。

(答) 定期的、計画的な訪問を行っての麻酔では、往診料は算定できない。

(問156) 従来からの、対診の場合の診療報酬請求の取扱いに関する以下の規定について、変更はないと

考えてよいか。

(1) 診療上必要があると認める場合は、他の保険医療機関の保険医の立会診療を求めることができる。

(2) 対診を求められて診療を行った保険医の属する保険医療機関からは、当該基本診療料、往診料等は

請求できるが、他の治療行為にかかる特掲診療料は主治医の属する保険医療機関において請求するもの

とし、治療を共同で行った場合の診療報酬の分配は相互の合議に委ねるものとする。

(答) 取扱いに変更はない。ただし、定期的又は計画的に行われる対診の場合は往診料を算定できないこ

とを明確化したものである。 (日本医師会Q&A3/11で同様のQ&Aあり)

(問157) 他医療機関受診時において、処方料、処方せん料は算定できないとあるが、この費用は入院中

の医療機関との合議による精算となるか。

(答) 処方は入院医療機関で行う。

Q&A

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Ⓒ日医工MPS2010Q&A

疑義解釈[保険局医療課その1 3月29日]

別添2(DPC)(問88) 労災又は公災が適用される入院患者が、他科受診において医療保険が適用される場合は、医科

点数表により算定するのか。

(答) 医療保険が適用される診療については医科点数表により算定する。

(問112) 入院中のDPC対象患者が他の保険医療機関を受診した場合、他の保険医療機関で行われた

DPCの包括対象外となる診療行為については、入院中の保険医療機関で算定できるのか。

(答) 算定できる。ただし、この場合のDPCのコーディングについては、他の保険医療機関で行われた診療

行為を含めて決定すること。また、当該診療行為に係る費用の分配については、医療機関間の合議に委ね

るものとする。

(問113) 入院中のDPC対象患者が他の保険医療機関を受診した場合、他の保険医療機関で行われた

DPCの包括範囲内の診療行為については、入院中の保険医療機関で別に医科点数表に基づき算定でき

るのか。

(答) 算定できない。ただし、この場合のDPCのコーディングについては、他の保険医療機関で行われた診

療行為を含めて決定すること。また、当該診療行為に係る費用については、医療機関間の合議に委ねるも

のとする。

(問114) 入院中のDPC対象患者に対診を実施した場合、入院中の医療機関において施設基準の届出を

行っていないが、他の保険医療機関で施設基準の届出を行っている診療行為は算定できるか。

(答) 算定できない。

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Ⓒ日医工MPS2010Q&A

疑義解釈[保険局医療課その1 3月29日]

別添2(DPC)(問115) 入院中のDPC対象患者が他の保険医療機関を受診した場合、入院中の医療機関において施設

基準の届出を行っていないが、他の保険医療機関で施設基準の届出を行っている診療行為は算定できる

か。

(答) 入院中の医療機関において算定できる。ただし、この場合のDPCのコーディングについては、他の保

険医療機関で行われた診療行為を含めて決定すること。また、当該診療行為に係る費用の分配について

は、医療機関間の合議に委ねることとする。

(問116) 入院中の患者が他の保険医療機関を受診した場合、外来でしか算定できない診療料は算定する

ことができるか。

(答) 算定できない。

(問155) 麻酔科で開業した医師が別の医療機関に赴き、手術前日、当日、翌日の3回往診料を算定する

のは妥当であるか。

(答) 定期的、計画的な訪問を行っての麻酔では、往診料は算定できない。

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Ⓒ日医工MPS2010

疑義解釈[保険局医療課その3 4月30日]

別添1(医科診療報酬点数表関係)(問23) 出来高病棟に入院中の患者が他医療機関を受診した際に、投薬が必要となった場合、当該他医

療機関の受診時に使用する薬剤を除き、入院中の医療機関が処方することとなっているが、薬事法上の取

扱い等において処方を行う医療機関が限定されている医薬品等の処方については、どのように取り扱うの

か。

(答) 処方は、原則として、入院中の医療機関が行うが、薬事法上の取扱い等において処方を行う医療機

関が限定されている医薬品等、専門的な医師の診療の下で処方することが必要な薬剤については、当該

他医療機関にて処方するか、他医療機関の処方せんに基づき薬局で調剤を行うものとする。この場合にお

いて、他医療機関又は薬局が処方又は調剤した薬剤に係る費用については、

・薬剤料については、入院中の医療機関が請求を行うこととし、その上で、入院中の医療機関は他医療機

関又は薬局に対して合議でとりきめた費用を支払うこと。なお、患者の一部負担金について、入院中の医

療機関において精算することとし、他医療機関又は薬局において患者から徴収しないように留意すること。

・他医療機関における処方料又は処方せん料や薬局における調剤技術料については、それぞれ他医療

機関又は薬局において請求すること。

なお、入院中の医療機関において薬剤料の請求を行う場合には、診療報酬明細書において、他医療機

関又は薬局で処方又は調剤された薬剤の最後に「○他」と記載すること。また、他医療機関において処方

料や処方せん料の請求を行う場合や薬局において調剤技術料の請求を行う場合には、診療報酬明細書

又は調剤報酬明細書の摘要欄にその投薬内容について記載すること。

Q&A

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Ⓒ日医工MPS2010Q&A

疑義解釈[日本医師会その2 5月31日]

【入院料】

《入院中の患者の他医療機関への受診》

Q,一般病棟に入院している患者が、必要があって他の医療機関を外来診した場合、「入院基本料等は当

該入院基本料等の基本点数の30%を控除した点数により算定すること。」とあるが、例えば、10対1一般病

棟入院基本料(1,300点)を算定している医療機関で入院後14目以内の期間の加算(450点)を算定してい

る期間中に他医療機関を受診した場合に、入院医療機関が算定できる点数は、

①1,300点から30%を控除した910点のみの算定

②910点+14日以内の加算450点の1,360点

のどちらの算定になるか?

A,②となる。

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Ⓒ日医工MPS2010Q&A

疑義解釈関連[日本医師会発文書 6月4日]

なお、これに伴い、厚生労働省より示されておりま

す疑義解釈資料の送付について(その1)(平成22

年3月29日)の問157 および(その3)(平成22年4

月30日)の問23 につきましては、廃止となりました。

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Ⓒ日医工MPS2010Q&A

疑義解釈[保険局医療課その4 6月4日](問1)出来高入院料を算定する病床に入院中の患者について、入院医療機関において行うことができない

専門的な診療が必要となり、他医療機関を受診した際に、投薬を行った場合には、その費用はどのように

取り扱うのか。

(答)他医療機関において、専門的な診療に特有な薬剤を用いた投薬に係る費用(調剤料、薬剤料、処方

料又は処方せん料等)を算定できる。また、薬局において調剤した場合には、当該薬局において調剤に係

る費用を算定できる。

※ 出来高入院料を算定する病床とは、DPC算定病床以外の病床であって、療養病棟入院基本料、有床

診療所療養病床入院基本料及び特定入院基本料を除く入院基本料を算定する病床をいう。

(問2)入院中の患者が他医療機関を受診する場合、入院医療機関、他医療機関、薬局間での処方内容等

の情報共有は、どのように行うのか。

(答)他医療機関において院内処方を行う場合には、他医療機関が入院医療機関に対して処方の内容を情

報提供する。

また、他医療機関が処方せんを交付する場合には、処方せんの備考欄に、①入院中の患者である旨、②

入院医療機関の名称、③出来高入院料を算定している患者であるか否かについて記載して交付することと

し、当該処方せんに基づき調剤を行った薬局は、調剤内容について入院医療機関に情報提供する。

※ 出来高入院料を算定する患者とは、DPC算定病棟に入院する患者以外の患者であって、療養病棟入

院基本料、有床診療所療養病床入院基本料及び特定入院基本料を除く入院基本料を算定する患者をいう。

(問3)入院中の患者が他医療機関を受診した場合に、入院医療機関や他医療機関の診療報酬明細書に

は、摘要欄に「診療科」を記載することとされているが、どの医療機関の診療科を記載するのか。

(答)入院医療機関の診療報謝明細書には他医療機関において受診した診療科を記載し、他医療機関の

診療報謝明細書には入院医療機関の入院中の診療科を記載する。21

Ⓒ日医工MPS2010

疑義解釈[保険局医療課その5 6月11日]別添1医科【他医療機関の受診】(問16) 出来高病棟に入院中の患者が他医療機関で受診をした場合には、入院医療機関は基本点数の30%を控除することとなるが、一般病棟入院基本料等の注加算は基本点数に含まれるのか。(答) 注加算は基本点数に含まれない。

別添3調剤【他医療機関の受診】(問1) 入院中の患者(DPC算定病棟に入院している患者を除く。)について、入院医療機関において行うことができない専門的な診療のため他医療機関の受診が必要となり、当該他医療機関から交付された処方せんに基づき薬局において調剤した場合、調剤報酬の算定等は具体的にどのように行うのか。(答) 当該薬局において、調剤基本料(加算を含む。)及び調剤情報提供料(算定要件を満たす場合に限る。)を算定することができる。ただし、当該患者が出来高入院料を算定する病床に入院している患者である場合には、これらの費用のほか、調剤料(加算を含む。)、薬剤料及び特定保険医療材料料についても算定することができる(調剤情報提供料以外の薬学管理料については、算定することはできない)。算定に当たっては、調剤報酬明細書の摘要欄に、①入院中の患者である旨、②入院医療機関の名称、③出来高入院料を算定している患者であるか否かについて記載すること。また、調剤内容(医薬品名、規格単位、用法・用量、調剤数量(投薬日数、調剤回数等)等)について、入院医療機関に情報提供すること。※ 出来高入院料を算定する病床とは、DPC算定病床以外の病床であって、療養病棟入院基本料、有床診療所療養病床入院基本料及び特定入院基本料を除く入院基本料を算定する病床をいう。※ 当該他医療機関が交付した処方せんの備考欄には、①入院中の患者である旨、②入院医療機関の名称、③出来高入院料を算定している患者であるか否かについて記載されている(平成22年6月4日厚生労働省保険局医療課事務連絡「疑義解釈資料の送付について(その4)」の問2参照)。

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Q&A

Ⓒ日医工MPS2010Q&A

疑義解釈[保険局医療課その5 6月11日]

別添3調剤【他医療機関の受診】(問2) 入院中の患者(DPC算定病棟に入院している患者に限る。)について、入院医療機関において行う

ことができない専門的な診療のため他医療機関の受診が必要となり、当該他医療機関から交付された処

方せんに基づき薬局において調剤した場合、調剤報酬の算定等は具体的にどのように行うのか。

(答) 当該薬局における調剤に係る費用は、入院医療機関が行った調剤に係る費用と同様の取扱いとし、

入院医療機関において算定することとなるため、この場合の入院医療機関と当該薬局との間での診療報

酬の分配は、相互の合議により行うこと。また、調剤内容(医薬品名、規格単位、用法・用量、調剤数量(投

薬日数、調剤回数等)等)について、入院医療機関に情報提供すること。

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