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<目次> - Oguchi€¦ · 8月17日から22日までの6日間、中学生と高校生で構成された11名の団員 の皆さんと、シンガポール及びマレーシアを訪問してきました。

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<目次>

シンガポール・マレーシアを訪問して 団長 早川 浩史

派遣日程

シンガポールとマレーシアの自然環境 羽山 幸那 中学生 …4

「制服」は文化の象徴だった 石井 優衣 中学生 …5

農業体験 佐竹 梨香 中学生 …6

シンガポールの日常生活 長村 京香 中学生 …8

多民族国家を実感して 榛田 和奏 中学生 …9

個性的で魅力的 小森 捺未 中学生 …10

街からみたシンガポール 小坂 彩月 中学生 …12

日本と外国の食文化の違い 石津 果奈 中学生 …13

ニューウォータービジターセンターを訪れて 石原 和華 中学生 …14

学校交流 津田 遥名 中学生 …15

シンガポールのヤマザキマザックを訪れて 佐橋 美音 高校生 …16

あとがきにかえて

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■シンガポール・マレーシアを訪問して

団長 早川 浩史

8月17日から22日までの6日間、中学生と高校生で構成された11名の団員

の皆さんと、シンガポール及びマレーシアを訪問してきました。

これから向かう熱帯性気候のマレー半島よりも暑いのではないかと思わせる夏の

早朝、長屋教育長はじめ職員の皆さま、多くのご家族の皆さまのお見送りを受け、

大口町役場を元気に出発いたしました。

シンガポールのチャンギ空港に到着してみると、予想通り気温も湿度も高く、団

員の皆さんの体調が心配されましたが、ホストファミリーとの対面時には、全員が

にこやかに英語であいさつをし、ホームステイ先に向かいました。それぞれの家族

と夕食をとり、早速現地ならではの料理を賞味したようです。

翌日は、本社を大口町に置くグローバル企業、ヤマザキマザックのシンガポール

工場を見学することができました。DMD の清水さんの説明や、野川さんの工場案内

が丁寧で分かりやすかっただけでなく、心温まるおもてなしをいただき、大変感激

をいたしました。団員の皆さんにとって身近なヤマザキマザックを通して、高い技

術力で優れた工業製品を生産して輸出する、日本の工業の特色を理解することがで

きました。同時に、工場内には肌の色や話す言語の違う人々が働いており、多国籍

企業の実情を目の当たりにすることができました。

午後には、ニューウォータービジターセンターを見学しました。ニューウォータ

ーとは、高度な浄水技術でリサイクルされた水のことで NEWater と表記する造語で

す。つまり、家庭やオフィスから下水道に流された使用済み水や汚水を、浄水プラ

ントで処理した水です。センターの所員が、アメリカなどでは飲まれており、WHO

が定める国際基準をクリアしているので、飲んでも問題がないことを力説していま

した。水を自給することができず、国土の3分の2が集水地であったり、マレーシ

アから水を輸入したりしているシンガポールの新たな取り組みを通して、日本とは

違う国情や、持続可能な社会の実現に向けた人類の英知を理解することができまし

た。

3日目からは、ジョホール水道を渡り、シンガポールの隣国マレーシアを訪れま

した。まずは、現地学校との交流です。MAKUTAB SULTAN ABU BAKAR の生徒とふれあ

っている時間は、団員の皆さんの笑顔が最も輝いていた時間でした。現地校に着い

た直後は、暑い中でも顔と手以外を衣服で隠しているイスラム教徒の女子生徒や、

肖像画が飾られた教室の雰囲気に、異文化の壁を感じていたようです。しかし、笑

顔で見つめ合った瞬間から、そんな壁はすぐに消え去りました。団員の皆さんが先

生となっての日本語教室や折り紙教室は大好評で、マレーシアの子ども達の笑顔も

輝いていました。様々な違いはあるものの、それを個性として認め合い、互いを尊

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重し合う関係を築くことができた経験は、団員の皆さんの未来に大きな幸せをもた

らすことでしょう。

マレーシアの伝統的な生活や文化を、現在においても色濃く残すプライ村での生

活経験は、とても貴重なものでした。衣食住すべてにおいて、恵まれた生活を送る

ことができる日本とは環境が大きく異なる中で、体力面でも精神面でも、団員の皆

さんの健康が心配されましたが、全くの杞憂に終わりました。箸やスプーンなどを

使わず、右手だけで食事をしようが、シャワーが冷水であろうが、祈りの音楽が村

中に流れようが関係ありません。団員の皆さんは笑顔を絶やすことなく、マレーシ

アの生活習慣を受け入れ、そこから学ぼうとしていました。そのたくましさに正直

言って驚かされました。

ゆっくりと時が流れ、色とりどりの花咲くプライ村では、庭になっている木の実

を採って食べたり、ゴムの木を削って樹液をこねたりもしました。パーム油やマー

ガリンの原料にも使われるアブラヤシの実を採ったり、様々な南国のフルーツを食

したりもしました。マレーシアの気候や産業を体感する中、団員の皆さんが一番心

に残ったのは、チョンカという伝統的な遊びではなかったでしょうか。大小の窪み

がある板とビー玉を使うマレーシアの伝統的なテーブルゲームに熱中する姿は、と

ても微笑ましいものでした。

シンガポールに戻っての市内観光では、マーライオン公園からマリーナ・ベイ・

サンズを見上げたり、アラブストリート、チャイナタウン、リトルインディアなど

を巡ったりしました。日本の淡路島とほぼ同じ大きさの小さな国土に、様々な人々

が共生し、平和で豊かな社会を形成していることを、実際に現地で学ぶことができ

た団員の皆さんは、これからますますグローバル化が進む地球社会のリーダーとし

て、この経験を生かしてくれることでしょう。

最後になりましたが、団員の

皆さん及び引率者全員が無事

に帰国できましたことに安堵

しております。今回の海外派

遣事業を主催した大口町及び

地域振興課の皆さま、団員の

保護者さま、共に引率してく

ださった政策推進課の飯田さ

ん、JTB の山部さんはじめ関

係各位の皆々様に深く感謝申

し上げ、巻頭のご挨拶とさせ

て頂きます。

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<派遣日程>

ニューウォータービジターセンター視察

※ HF:ホストファミリー提供の食事

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■シンガポールとマレーシアの自然環境

羽山 幸那

私たちは、シンガポールとマレーシアで、たくさんの自然の植物を見ることがで

きました。日本とは、気候が違うため採れる果物も大きく違っていることがわかり

ました。

私は、シンガポールのホストファミリーに果物市場のようなところに連れて行っ

てもらいました。そこで沢山の果物を見てきました。日本と種類も違うのが多いで

すが、売り方も違いました。大きなドリアンなどの果

物は、大きいまま売っていたり、カットしているもの

もありましたが、ランブッタンという果物は、枝のま

ま売っているところがほとんどで、採れたてなことが

とてもよくわかりました。日本ではなじみのないラン

ブッタンですが、シンガポールやマレーシアではよく

食べられていています。外見はトゲトゲしています

が、皮は手で簡単に開けれるほど柔らかく中身には、

大きな種が入っています。味はライチやマスカットの

ような味でした。

また、日本でもよく食べられているバナナ

は、すごく青いまま売られていました。そし

て、サイズは日本のよりも一回り小さかった

です。ドリアンは、食べてないのですが匂い

を嗅いたらすごく臭かったです。でも、口に

入れてしまえばとても美味しいらしいです。

マレーシアでも同じようなフルーツばかり

でしたが、シンガポールや日本とは違いスーパーで買うのではなく、自宅前にフル

ーツの木があり自分たちで育てていました。そこでは、パパイアや、スターフルー

ツ、ドラゴンフルーツなどもなっていました。パパイアの外見は黄色ですが、中は

きれいなオレンジで、黒い小さな種がたくさんメロンのように入っていました。味

もメロンに似たような感じですが、少し野菜っぽい味で、好き嫌いが分かれまし

た。ドラゴンフルーツは、外見が変わっており、中身は白や赤の種類がありまし

た。どちらも黒い斑点がついており、すいかのような味でした。スターフルーツは

なっているままの形では星形には見えませんが、切るときれいな星形でした。味

は、野菜っぽい味であまり甘くなかったです。

私は、海外派遣でとてもたくさんの種類の果物を

見ることができました。また、マレーシアでは自分

たちで果物を栽培していてとても驚いたし、日本で

も発展していく中、こういった自然なものを、少し

ずつ作れるような環境になったらいいなと思いまし

た。

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■「制服」は文化の象徴だった

石井 優衣

8月17日から、8月22日まで私はシンガポールとマレーシアに海外派遣に行

ってきた。私が調べたテーマは「制服」だ。日本の制服と現地(シンガポールとマ

レーシア)の制服の違いを実際に写真に撮り、比べてみることにした。

日本の制服の特徴はどこだろうか。普段何気なく着ている制服だが、少しずつ特徴

があることに気付いた。一番の特徴は男子の学ランだ。現地の生徒に話を聞くと、

学ランという単語自体を知らなかった。海外では学ランを着る文化はあまり無く、

ほとんどがブレザーの制服だからである。以下は、夏服のセーラー服と男子のシャ

ツについて比べてみたものとして考える。

シンガポールの制服は、日本のブレザーの

制服とあまり変わらなかった。しかし彼らは

アクセサリーを付けていた。むこうではピア

スを空けていることが普通らしい。アクセサ

リーも制服の一部のように感じた。

マレーシアの制服は、日本のものとは全く違

った。これは宗教上、女子はあまり肌を見せ

てはいけないからだ。ヘッドスカーフといっ

て、耳、首の肌をみせない布を巻き、夏でも長そで、長ズボンを着用していた。男

子は半そでで、小、中、高と制服の色が違っていた。宗教上、女子の制服は夏でも

そのような格好をすることが普通なのだが、半そでを知る私にとってはとても暑そ

うに思えた。夏に涼しい格好ができる日本の自由に感謝したいと思った。また、シ

ンガポールのようにアクセサリーを付けることは禁止されていた。

シンガポール・マレーシアの制服を見てみると、文化の違いが大きく見えた。日

本では禁止されているアクセサリーを付けていたシンガポールや、肌を見せてはい

けないという宗教の教えで女子は夏でも長そで長ズボンのマレーシア。少しずつ日

本の制服とは違いがあったが、着ている生徒は皆、とても似合っていたと思う。そ

れはその国の文化として、制服が根付いていたからか。

制服が、文化の象徴の一つだと気付かされた1週間だった。

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■農業体験

佐竹 梨香

事前研修での報告内容決定後、私はインタ

ーネットを通じて様々な情報を入手し、マレ

ーシアの農業について理解を深め、この海外

派遣がより充実したものになるように準備を

してきました。

マレーシアでは、ゴム・パームオイル・米

の生産が盛んです。私達は、アブラヤシ(パ

ームオイル)とゴムの木(天然ゴム)の収穫

を見学しました。

アブラヤシは、基本的に植物油として使わ

れます。アブラヤシの果実を約90度で蒸し

て、何度も圧力をかけて油を取ります。果実

は赤く、長い棒の先端についたカマを使って

落とします。果実は独特なにおい(ちょっと

くさい)で、既に油でぬるぬるとしていまし

た。

ゴムの木では、木の皮をめくり、幹に傷

をつけ樹液であるゴムを採ります。ゴムの

木はとても傷つきやすく、職人が木をめく

らないと木が弱り、天然ゴムがとれなくな

ってしまうほどです。なので、とても難し

いそうです。木の皮をめくるとまだ白い状

態の樹液(ゴム)が流れ出て、設置してあ

る籠の中に溜っていきます。ゴムと言われ

ると、輪ゴムやタイヤの茶色や黒色を想像

していたので、白色だったことや樹液の量

の多さにとても驚きました。

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この写真の通り、一緒に動物が飼

えるほど自然が豊かで、野生の動

物と共存しています。近年は、サ

ルなどのいたずらによりパームオ

イルの生産量が年々減少している

そうで、これが現在の課題となっ

ているそうです。私が体験できた

のは収穫までだったので、その後

ゴムになるまでの課程は、これか

ら自分で調べていこうと思っています。

私がマレーシアに滞在して特に感じたことは、日本との自然の違いです。どちら

の国も自然は豊かだと思いますが、自然の豊かさもその土地の気候によって随分違

ってくるのだなぁと思いました。日本で、自然豊かといえば、山、川、田畑のイメ

ージを持っていましたが、マレーシアの自然は、田畑だけではなく、広い土地に木

が植わっており、まさに熱帯雨林そのものでした。また、人間と野生の動物が何の

抵抗もなしに生活していることにも驚きましたが、うまく共存できているのだなぁ

と動物好きの私にとってうらやましく思えるところもありました。

最後に貴重な機会を与えてくださった皆様に心から感謝したいです。とても充実

した6日間でした。

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■シンガポールの日常生活

長村 京香

私がシンガポールでホームステイさせていただいたお宅は公団住宅の9階にある

広々としたところでした。

初めてホストファミリーのお宅を訪れたとき、一番始めに目についたのはドアです。

ドアは二重になっていて、内側のドアは日本

と同じようなドアでしたが、外側のドアは日

本で言う網戸のような役割をしていて、暑さ

をしのぐために風通しを良くしていました。

内側のドアと同じ大きさの柵がありました。

私が行ったホームステイ先には玄関がなく

外で靴を脱いで、外にある下駄箱に靴を置い

て家に入ります。家に入ると床はとてもひん

やりとしていました。床は石の素材で出来て

おり、日本のように床にカーペットを敷くという文化はなく、スリッパをはいたりも

しませんでした。シンガポールは日本よりも湿度が低く、からっとした暑さだったた

め、とても過ごしやすかったです。私がホームステイさせていただいたお宅にはエア

コンがないので、天井にファンがあり暑さを軽減するための重要なアイテムとなって

いました。ファンはどの部屋にもあり、夏には欠かせない物となっているようでした。

私がホームステイ先で一番驚いたことはお風呂とトイレです。バスタブはなく、ト

イレのとなりにシャワーが付いていて、その間に

はカーテンなどの仕切りもありませんでした。だ

から、シャワーを浴びるときはトイレも濡れてし

まいました。また、着替える服を置く場所もなく、

シャワーを浴びるときは色々なことに注意しなけ

ればなりませんでした。日本のように湯船に浸か

って疲れをいやすという文化はないのだと感じま

した。現地の人々にとって疲れをいやす場所は風

呂ではないようです。

私はシンガポールの日常生活に触れて

みて、日本との違いはあまり感じませんで

したが、生活様式の細々とした違いがたく

さんあると思いました。シンガポールは日

本よりも夏の暑さをしのぐ工夫がされて

おり、とても過ごしやすかったです。また、

ホストファミリーがとても親切にして下

さり、本当に有意義な時間を過ごすことが

できました。

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■多民族国家を実感して

榛田 和奏

みなさんは多民族国家という言葉を聞いて何を思い浮かべますか。私は異なる民

族の人がいるので、考え方が違うと思ったから「争い」を想像します。

私達が今回行ったシンガポールは、

多民族国家でした。しかし、争いなん

てまったくありませんでした。私は、

シンガポールの内の「リトルインディ

ア」「アラブストリート」「チャイナタ

ウン」の3つの場所について思ったこ

とがたくさんあります。まず一つ目は

場所によって雰囲気が違うことです。

場所によって、インドの雰囲気だった

り、アラブや中国の雰囲気でとても一

つの国の中だとは思えませんでした。

一つの国の中でこんなにも雰囲気が変わるものだとは思いませんでした。

2つ目は、場所によって匂いも異なる

ということです。シンガポールの匂いと

は違って3つの場所にはそれぞれ特有の

匂いがありました。一番匂いが強かった

のは、「リトルインディア」だと思いまし

た。お香と香水が混ざったようなにおい

がしました。同じ国内なのにこんなに違

うのかと思いました。

三つ目はそこにいる人たちです。リト

ルインディアにはインド系の人がいて、

アラブストリートにはアラブ系の人がいて、チャイナタウンには中国系の人がたく

さんいました。それぞれの場所にはインド系、アラブ系、中国系の人々がたくさん

集まっていました。みんなシンガポール人だけど、自分の祖先の住んでいた国の雰

囲気や匂いのする場所に集まるのかなと

思いました。

3つの場所にはそこの雰囲気の人だけ

がいた訳ではありません。リトルインデ

ィアに中国系の人がいたり、その逆があ

ったりしました。みんな、他人の文化を

理解し、認め合っているから争いは起こ

らないんだということを改めて理解しま

した。

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■個性的で魅力的

小森 捺未

「すごい!」

これは私がシンガポールに行って一番に浮かんだ言葉。多分、空港から出た時の私

の顔は口をあんぐりと開けて、

鳩が豆鉄砲を食ったような顔だ

ったと思う。でも、それほどま

でにシンガポールは驚きで一杯

だった。

まず、驚いたのは、道路と高

層ビル。自転車がほとんど見当

たらない代わりに、車のオンパ

レード!特に朝の通学の時間帯

など、車が至る所に溢れかえっ

ている。その代わりに自転車が

ほとんどなかった。ビルも名古

屋なんて目じゃない。東京都並

みにビルが乱立していて、さらに一つ一つが個性的でまるで近未来に来てしまった

かのように思えた。でも、添乗員さんが話してくれた

「シンガポールには自然災害がほとんどありません。」

この言葉で納得をした。地震大国の日本なら、建築をしても、一回の地震で倒れ

てしまうだろう。まあ、その前に周りの住民からの耐震対策への非難で建てること

は難しいと思うが…。シンガポールは建築の規制が厳しくないので、建築家にとっ

ては、うれしいことこの上ないと思う。

そんなビルの大群とは反対に、伝統的な屋台なども残っている。そこではお店の

人の明るい声が飛び交っていて、まるで全体が一つの家族のように暖かい雰囲気に

なっていた。それは日本で失われつ

つある風景で、少し懐かしい感じが

した。

でも、やはりシンガポールの一番

の魅力は人種の多様さだと思う。こ

の国の人達は、自らコミュニケーシ

ョンをとり、互いの違いや価値観を

認め尊重し合っている。街で会った

見知らぬ人でも、笑顔で「Hallo!」

と言ってくれた時は驚いた。こうい

う身近なコミュニケーションが、大事なのだと実感した。これはマレーシアでも同

じで、みんな自分達の周りだけでなく、世界を広く見て体感している。これこそが

本当の「多文化共生」だと私は思う。そしてこれからの日本に必要なのは、これか

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もしれない。

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■街から見たシンガポール

小坂 彩月

「木が邪魔で写真が撮れない。」

私たちが空港に着きバスに乗るとみ

んな口々にこう言った。たしかに、私

も建物を撮ろうと窓にカメラをむける

とどうしても木がかぶってしまう。日

本の都会はビルがたくさん建ち並んで

いて The 都会のイメージだ。シンガポ

ールの都会も、ビルが東京ほどではな

いがたくさんあった。しかし、電信柱

がなく何より道の真ん中に木が生い茂

っていてびっくりした。そして、道路

の幅も広く、同じアジアでも全く違った。信号が縦型であった。これは風による被

害を減らすため。そして、大きい木が多かった。新興国だからなのか、シンガポー

ルだからなのかは分からないけれど、自然が

多くていろいろな国の人が居て私の知らない

世界がそこには広がっていた。街中を歩いて

いてふと下を見てみるとごみが落ちていなく

てとてもきれいだった。海外派遣に行く前か

らポイ捨てをすると罰金をとられることは知

っていたけれど、実際にはあまり守られてい

ないと思っていたので驚いた。

私は、言葉や料理、衣装は国が違うので違

いは知っていたけど、街並みは違うと思っていた。だから、興味をもった。人に聞

くことよりも自分の目で見て感じることを伝えたかった。写真では伝えきれないこ

とを。

シンガポールの街並みは都会の中にも自然があってよかった。また、言語や国、

人種や食べ物は違っても優しい人があふれていて安心した。しかし、日本や大口町

の田んぼやかわら屋根の家々の方が好

きだと思った。シンガポールに行って

実際に見たことであらためて日本の景

色の良さに気づいた。

今回海外派遣に行ってみて自分の中

で変化があった。それは、自分の目や

耳で感じたことで将来、海外で働くと

いう選択肢が増えたことだ。たくさん

英語を勉強してたくさんの国に行きた

くなった。

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■日本と外国の食文化の違い

石津 果奈

シンガポールで一番最初に食べた物は、ほうれんそうや卵、じゃこなどが入った

スープと、骨つきの唐揚げ、メロンの器にメロンとブドウ、エビが入っている、ワ

サビで味つけされているものでした。スープ

は辛くはなく、なべのようでおいしかったで

す。唐揚げも日本とあまり変わっていなかっ

たです。メロンの器に入っていたものは、日

本人の私には少し口に合いませんでした。な

ぜなら、果物の甘さとわさびの辛さが合って

いなかったからです。しかし、ホストファミ

リーの方は、パクパク食べていたので、少し

驚きました。これが食文化の違いなんだと実

感しました。

シンガポールのホストファミリーに、シンガポールの伝統料理は何か聞いたとこ

ろ、チリクラブという辛いカニの料理と、チキンライスと言っていました。その次

の日に、チキンライスを食べに、ホストファミリーが屋台が並んだ場所に連れて行

ってくれました。私は最初、チキンライスのチキンは足が丸ごとのっているのかと

思いました。でも、出てきたものは想像と違い、シーチキンのような形をしていま

した。味も、シーチキンのようでとてもおいしかったです。

マレーシアは、チキンが多かったです。驚いたのは、消しゴムみたいにもちもち

したご飯が出たことです。ご飯は手で食べました。これも、文化の違いなんだなあ

と思いました。

外国の人は、日本人より味が濃い料理が好きだということを知りました。でも、

日本の料理と似ているところもありました。

海外派遣を通して、外国との食文化の違いについて知ることができました。多文

化社会という国で食文化を学べたことは、とてもいい機会でした。

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■ニューウォータービジターセンターを訪れて

石原 和華

私達は、2日目の午後にシンガポールのニューウォータービジターセンターを訪れ

ました。

ニューウォーターとは、高度な浄水技術

で下水をリサイクルした水のことを言いま

す。シンガポールは現在、雨水、海水、マレ

ーシアから買っている水、ニューウォータ

ーを様々な場面で利用しています。雨水や

海水、マレーシアから買っている水は飲料

水としても使われていますが、ニューウォ

ーターは心理的な障害があるため飲料水と

しては利用されていないそうです。確かに

リサイクルされていても、もとは下水なの

だから飲みたくないなと思う人は多いと思います。また、私は、今マレーシアから水

を買えているのだから、無理にニューウォーターを使う必要はないのではないかと疑

問を持ちました。しかし、マレーシアから買える水の契約期限は2つあり、1つは2

011年に、そしてもう1つは2061年に切れてしまい、マレーシアとの契約期限

が過ぎてしまうと、シンガポールは水不足になってしまうことが分かりました。なの

で、シンガポールはニューウォーターを使って、水を自給自足できるようにしなけれ

ばいけないそうです。

このように、水不足が大きな問題になることは、日本ではあまりありません。しか

し、シンガポールのように水不足に悩まされている地域があると知り、水の大切さを

改めて実感しました。そして、今までいろいろな場面で水を無駄にしてきていたので、

これからは水を大切にしていきたいと思いました。

また、世界にはいろいろな国があり、その国その国で抱えている問題があることを

知りました。そして、シンガポ

ールのようにその問題を解決

できるように、国全体で事業に

取り組めることはとても良い

ことだと思いました。

ニューウォーターはこれか

ら、飲料水として受け入れても

らえるように、生産量がもっと

増えるように、最先端の高度な

技術を使い、改良を続けていく

と思います。いつかシンガポー

ルの水不足を解決するために。

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■学校交流

津田 遥名

私たちは、3日目にマレーシアに移動し現地の学校の生徒さんたちと交流をしま

した。最初に、パートナーを1人ずつ決めその人に学校の中まで案内してもらいま

した。歩きながら英語で自己紹介をして日本のことについて話したり、現地のこと

についてきいたりしました。私は、中国系の男性とパートナーになって、現地の人

種が中国系、マレー系、インド系がいる

ことを教えていただいたり日本の気候に

ついて話したりしました。その後、現地

の先生の話があり、そのあとに私たちが

歌をうたいました。1曲目は、「世界に一

つだけの花」を私たちが現地の皆さんに

披露して、2曲目の「さんぽ」は、歌詞

カードを用意して、現地のみなさんと一

緒に歌いました。次に折り紙と日本語紹

介のブースに分かれグループを作ってそ

れぞれ教えました。折り紙は、「かぶと」「つる」「しゅりけん」を教えて、日本語紹

介は、簡単なあいさつ「おはよう」「こんにちは」などと自分の自己紹介をできるよ

うに教えました。私は、折り紙を教えた

のですが、現地の生徒さんは完成品をみ

せただけで「つる」や「しゅりけん」と

言っていたのですごく驚きました。それ

からは、学校内をまわり美術室で染めを

教えてもらい学校をバックに写真を撮り

ました。仲良くなった生徒さんとは、名

刺を交換したりチョンカで対戦したりし

ました。チョンカは、マレーシアの伝統

的なあそびで木のボードにビー玉もいれ

て遊ぶものです。意外に難しくて友達と

やっても1回しか勝てませんでした。

学校交流での短い時間でも、共通語さ

えあれば、国が違っても仲良くなれると

思いました。現地の生徒さんも私たちも

勉強になるような有意義な時間を過ごせ

たと思いました。

やさしく話してくれたパートナーや向

こうの先生たちに感謝したいです。

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■シンガポールのヤマザキマザックを訪れて

佐橋 美音

私たちは大口町に本社がある、ヤマザキマザックを訪れました。まず、ヤマザキ

マザックはどのような会社なのかとい

うと、国内は岐阜県に3つと三重県に

1つ、国外にはアメリカとイギリスと

シンガポールに1つずつ、中国に2つ

の会社を持ち、7,300人以上の人

が働いている会社です。こんなに大き

い会社の本社が大口町にあるなんて驚

きました。ヤマザキマザックでは主に

工作機械を作っています。工作機械と

は、金属を削ってものを作る機械で、英語では machine tool, mother machine と言

われています。

日本はこの工作機械を作る技術が世界でトップクラスだそうです。ヤマザキマザ

ックでは、旋盤とマシニングセンターの2種類の工作機械を作っています。旋盤は

丸い材料を回転させて削る機械、そしてマシニングセンターは四角の材料を工具を

回転させて削る機械です。また、その2つを合わせた機械、複合加工機という機械

も作っています。この機械は、斜めや曲面の加工もできて、値段はなんと8,00

0万円から1億円もするそうです。この複合加工機は車や飛行機、医療などたくさ

んの部品に使われているそうです。

シンガポールの工場での仕事は2つで、日本で作られた製品を東南アジアの人に

売ること、そして東南アジアの人たちに好まれる製品を作ることです。シンガポー

ルの工場では、日本では作られない小さい機械も作られます。だから日本の企業が

シンガポールの工場で作られた機械を使うこともあるそうです。また、シンガポー

ルの工場は東南アジアの工場の統括も任されています。なぜシンガポールがこのよ

うに重要な役割を任されているのでしょうか。理由はたくさんあります。まず1つ

目、東南アジアの中で学歴が高く、教育熱心だからです。それによって高教育レベ

ルのエンジニアが取得できます。2つ目はマレーシアなどから働きにくる、低コス

トのビザ取得工場労働者が多いこと。3つ目は英語が公用語だから他国とも取引が

しやすいこと。4つ目は多民族文化だから。外国人アレルギーがなく、国際化も進

んでいるので、仕事がしやすいそうです。そして5つ目、政治基盤が安定している

し、厳しい法律によってコピーもされにくいことです。安心して仕事ができると言

っていました。6つ目は経済成長と労働コストが安定していることです。労働コス

トは、安くはないが安定していて、5年先、10年先が読めると説明されました。

7つ目、政府が外国からの会社を手厚くサポートしてくれることです。リーマンシ

ョックのときもサポートしてもらったそうです。また、税金もあまりとらないそう

で、外国の企業にとても優しい国です。8つ目は対日感情が好意的なこと。そして

最後、9つ目は東南アジアのどこでも3時間以内で行けることです。また、ヨーロ

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ッパへのハブ機能も充実していて、地理的な条件もとてもいいです。このように見

ると経済的にも地理的にも治安

的にもシンガポールは会社に適

していると言えます。

最後に、ヤマザキマザックは

いろいろなことへの工夫がすご

いな、と思いました。工場はな

んとなく暗くて汚いイメージが

ありますが、ヤマザキマザック

では工場の床を白色にして明る

く、汚れが目立つようにしてい

ました。また、それぞれの機械

の責任者が一目でわかるように、責任を持って作業ができるように看板が立ててあ

りました。このようにヤマザキマザックは社員の働きやすさやよりよい製品を作る

努力をしていることがわかりました。

ヤマザキマザックだけでなく海外派遣すべてを通して、世界の広さを目の当たり

にしました。自分の英語はまだまだ全然ダメだと自覚できたし、もっと上手く話せ

るようになってまた海外に行きたいと思いました。いろんな体験を通して文化の違

いを学べたし、どの文化もそれぞれ素晴らしくてもっと他の文化も実際の体験を通

して学びたいと思えました。シンガポールでは、違う民族の人でも仲よさそうに話

しているし、英語と中国語などバイリンガルもたくさんいます。国際競争が激しく

なっている今、シンガポールだけでなく、他の国でも英語を話せる人が増えている

と思います。私たちも国際競争に負けないように英語をもっと話せるようにしなけ

ればならないと思います。

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あとがきにかえて

8月5日~8月7日 事前研修

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大口町の歴史や文化を学ぶ

渡航前の教育長挨拶

ホストファミリーとの面会

8月17日~8月22日 海外派遣

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8月19日

マレーシア

学校交流

マレー文化村

ヤマザキマザックシンガポール工場訪問

ニューウォータービジターセンター視察

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8月20日 プライ村 滞在

8月21日 シンガポール市内観光①

リトルインディア チャイナタウン アラブストリート

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8月21日 シンガポール市内観光②

8月24日~10月31日

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平成27年度 大口町海外派遣事業報告書

発行者 大口町地域協働部地域振興課

発行日 平成27年11月1日