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ビジネスホワイトペーパー IoT サービスの実現を加速する プラットフォームとは

IoTサービスの実現を加速するプラットフォームと …ビジネスホワイトペーパー P3 こうした、目的ごとに閉じたシステムを連携させ、収集したデータを活用して収益化に結びつけ

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ビジネスホワイトペーパー

IoTサービスの実現を加速する プラットフォームとは

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ビジネスホワイトペーパー P2

目次

2 IoTの進化

2 次世代IoTソリューション

4 HPE Universal IoT Platformの概要

4 HPE Universal IoT Platformのアーキテクチャー

6 デバイス & サービス管理 (DSM: Device and Service Management)

6 ネットワーク相互接続プロキシ (NIP: Network Interworking Proxy)

6 データ収集・検証・格納 (DAV: Data Acquisition and Verification)

7 データ分析 (DA: Data Analytics)

7 運用/ビジネスサポートシステム (OSS/BSS)

8 データサービスクラウド (DSC: Data Service Cloud)

8 データ収益化でビジネス成果を実現

IoTの進化

最近は、新しい技術動向のニュースでは必ずといっていいほど、IoT (Internet of Things: モノのインターネット ) の話題が登場します。IoTは、マシンツーマシン (M2M) テクノロジーが自然な進化を遂げたものであり、デバイスと、それらを管理するプラットフォームを相互接続し、い

わゆる「スマートな世界」を具現化します。ウェルネス /ヘルスモニタリングから、スマートメーター、統合ロジスティクス、自動運転車まで、IoTの世界では高度な自動化が急速に進んでいます。

IoTデバイス /アプリケーションの市場や、可能になる新たなビジネスプロセスの規模は膨大です。Gartner社の予測によれば、IoTの端末接続数は、2013年から 2020年にかけて 31.7%の年平均成長率 (CAGR) で成長し、208億台に到達します 1。2020年には66億個の接続対象となる「モノ」が出荷される見込みで、その約 3分の 2はコンシューマー向けの用途です。ネットワーク接続エンドポイントに関するハードウェア支出は、2020年には 3兆ドルに達します 2。

IoTについては、企業が自社のネットワーク経由でデバイスを接続しているだけの場合もあります(1つまたは複数の工場で構築されたWi-Fiメッシュなど)。しかし、大多数のケースでは、企業の IoTネットワークは広範囲にわたります。さまざまなエリアで接続されたデバイスから構成されており、接続形態として多様な接続オプションを用意しておく必要があります。たとえば、

飛行中の航空機はフィードバックセンサー情報を衛星通信で送信しますが、同じ航空機でも出発

ゲートに駐機している際は空港のWi-Fiアクセス網を使用する可能性があります。同様に、デバイスを電源に接続できない場所では、低電力 /低スループットの接続オプション(Sigfox、LoRaなど)が必要です。

限定的な機能しかないM2Mサービスから、非常に多くの機能を持つ IoTエコシステムへの進化は、伝統的な通信事業者や各業界の革新的企業に新たなビジネス領域とチャンスをもたらしまし

た。IoTによって新たなサービスやビジネスモデルの導入が可能になり、このテクノロジーを活用しビジネスに活かせる企業は、既存サービスの利用価値をかつてないレベルにまで高められま

す。さらに社内の運用システムを進化、変革させることで、より高度なネットワーク接続要求に

も対応できるようになります。

次世代 IoTソリューション

ネットワークへの接続が必須ということから、IoTは通信事業者(モバイルネットワーク事業者など)が大きな役割を担うと考えられます。しかし、今やネットワーク接続は、誰にでも提供さ

れているサービスの 1つです。また、一部の IoTユースケースでは、経済的要件(ユーザーあたりの平均収益の低さ)や技術的要件(低消費電力 : 限定的なトラフィック /モビリティ /帯域幅)など、ネットワーク接続性に関するさまざまな要件が加わっています。そのため、このようなユー

スケースの効率性や投資収益率 (ROI) を高めるには、低スループットでのネットワーク接続など、新しいタイプの接続オプションが求められます。

今やデバイスをネットワークに接続して利用可能な状態を維持するだけでは、価値を創出できな

くなっています。そこで重要なのは、データを収集して検証し、分析機能でデータの価値を高め、

他のデータと組み合わせた上で「アプリケーションから利用可能とする」ことです。これにより、

企業はサービスから高い付加価値を得られるようになります。

すでに多数のM2Mソリューションが市場全体にわたって使用されていますが、その多くは限定された用途の「サイロ型」ソリューションで、接続されたデバイスとシステムの間の連携は限定

的にしか管理できません。たとえば、電力メーターや特定の自動車から単純に使用状況データを

収集するなどです。これらのソリューションは、特定のデバイスタイプ、業界プロトコル、ビジ

ネスプロセスにしか対応していない場合が一般的です。

1 『Forecast Alert: モノのインターネット ̶ ワールドワイドの端末接続数および関連サービス、2015年』、Gartner社、2015年

2 『モノのインターネット : 次のメガトレンドを理解』、Goldman Sachs社、2014年

「重要なのは、データを収集して

検証し、分析機能でデータの価

値を高め、他のデータと組み合わ

せた上で『アプリケーションから

利用可能とする』ことです。これ

により、企業はサービスから高い

付加価値を得られるようになり

ます」

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こうした、目的ごとに閉じたシステムを連携させ、収集したデータを活用して収益化に結びつけ

るには、IoTサービスを構成する各コンポーネントを提供するベンダー間の、緊密な協調が求められます。たとえば、以下のようなベンダーです。

• スマートデバイス /センサーの製造メーカー

• M2M/IoTサービスと業界固有のアプリケーションに対応するシステムインテグレーター

• マネージド ICTインフラストラクチャプロバイダー

• デバイス管理 /サービス管理 /課金に対応する管理プラットフォームプロバイダー

• データを取得して検証 /統合し、分析をサポートするデータ処理レイヤーオペレーター

• アプリケーションプログラムインターフェイス (API) 管理プラットフォームのプロバイダー(開発者管理、マーケットプレイス、アプリケーション開発環境の提供を含む)

サイロ型アプローチでは、各ユースケースに対して統合を行い、システムを作り直す必要があり

ます。このような IoT事業者は、個別サービスごとにそれぞれ運用コストが発生するという問題があります。また、このような個別にシステムが構築されているソリューションを拡張 /統合することはできず、他のユースケースや業界に対応できるように進化させることも不可能です。そ

の結果、サイロ化されていることが、成長を阻害することがあります。価値を生み出すには、セン

サーからアプリケーションまで、データを収益化するバリューチェーン全体の合理化が必要にな

る場合が大半だからです。合理化により価値が向上して利益が得られ、目標とするビジネスケー

スを達成できるようになり、IoT関連プロジェクトへの投資の促進につながります。また、高度な柔軟性、拡張性、コスト効率、汎用性も必要とされますが、これらは次世代型の IoTプラットフォームを導入すれば実現できます。

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HPE Universal IoT Platformの概要

通信事業者や各企業が IoT事業者になり、IoTの価値を収益化するには、アプリケーションごとに作りこむ「垂直」型のシステムではなく、「水平」型のプラットフォームをもとにしたアプロー

チが必要です。「水平型」プラットフォームは、あらゆる業界の IoTアプリケーションやデバイスの種類に対応したユースケースを容易に構築できる必要があります。また、それぞれのアプリ

ケーションの構築とサービス開始から終了までの管理も必要です。さらに、末端のデバイスが

10年以上の期間、かつ数百万台単位で利用されるようになった場合、プラットフォームは拡張性とライフサイクルにも対応することが必要です。HPEの通信 /メディアソリューション (CMS) 部門では、このような長期的な IoT要件に対応するために、HPE Universal IoT Platformを開発しました。このプラットフォームの中核は、通信業界で幅広く使用されている HPE独自のキャリアグレード(通信事業者から見た標準)ソフトウェアを用いているほか、固有の IoT要件に対応するための自社開発のソフトウェアが追加されています。また、このプラットフォームではク

ラウド、ビッグデータ、分析アプリケーションなどのさまざまな HPE製品も活用されています(仮想プライベートクラウド、Verticaが含まれます)。

HPE Universal IoT Platformは、異種混在 IoTデバイス(標準および独自仕様の通信)と IoTアプリケーションの間での接続やデータ流通を可能にします。それにより、既存の「サイロ型」個

別ソリューションへの依存を軽減し、さまざまなデバイスを多様なデバイス通信プロトコルと統

合する作業を大幅に簡素化できます。HPE Universal IoT Platformを導入すると、たとえば HPE Aruba Networks WLANソリューションと統合して、そのネットワーク範囲内にあるモバイルデバイスやそれらのデバイスが生成するデータを管理できるようになります。また、他のWi-Fi/固定網 /モバイル網ネットワークで接続されているデバイスを一元管理できます。これらには、GPRS (2G/3G)、LTE (4G)、「低スループットネットワーク」(LoRaなど)が含まれます。

こうしたユビキタスな接続性を備え、HPE Universal IoT Platformはデバイスとサービス管理の連携、データの取得とアプリケーションへの展開を実現します。HPEのプラットフォームを使用すると、公共、ホームオートメーション企業、保険会社、医療機関、国の規制当局、自治体な

ど多くのお客様が、以前には入手不可能だったデータを入手しやすくなり、データを集約して非

常に大きなメリットを実現できます。HPE Universal IoT Platformにより、お客様は接続されたデバイスの増加に対応して新たな価値を引き出し、次のようなメリットを得ることができます。

• コンシューマー /業界 /自治体向けに新規サービスを開始する場合の新たな収益源。

• 各種業界向けにデバイスやアプリケーションを提供しているパートナーとともに迅速にサービス展開することで、付加価値の実現を加速。

• TCOを削減することで、限定的な投資で新しいサービスを導入可能。これに加えて、HPEはクラウドベース製品の提供などさまざまなオプションやリスクを低減する機能をご用意。

HPEの新しい IoT機能、サービス、ソリューションを採用することで、IoT事業者(通信事業者や各企業)は標準化されたエンドツーエンドのプラットフォームを実現できます。ま

た、Business-to-Business (B2B)、Business-to-Consumer (B2C)、Business-to-Business-to-Consumer (B2B2C) などのビジネスモデルを採用して、業界で新しいサービスを生み出し、データから新たな価値を得られるようになります。

HPE Universal IoT Platformのアーキテクチャー

HPE Universal IoT Platformのアーキテクチャーは、業界標準の oneM2Mに準拠しており、個別の業界やベンダーには依存しない設計となっています。これにより、さまざまなサウスバウン

ド、つまりデバイスやネットワーク側での技術を採用することができます。また、ノースバウン

ド、つまりアプリケーション側では、それぞれの業界に向けて多様なアプリケーションプロバイ

ダーが提供している、さまざまなアプリケーションやプロセスを利用できます。HPE Universal IoT Platformを使用すれば、同一の「水平型」プラットフォーム上で各業界に固有のユースケースに対応できます。

HPEのソリューションにより、IoT事業者は接続されたデバイスの増加に対応して新たな価値を引き出せるようになります。このソリューションはHPEの実績あるキャリアグレードアプリケーションを活用しているため、高い拡張性と汎用性を備えています。たとえば、プラットフォーム

のコンポーネントは、大都市の数百万台の電力メーターから収集されたデータを管理するために

導入された実績があります。また、巨大ネットワークやアプリケーションからのデータ収集・検

証・格納を管理するために、世界中の 170社以上の通信事業者で使用されています。

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oneM2M標準のデータモデルに準拠しているため、10以上の主要業界を対象とした、数百個のユースケースがすでに存在しています。標準ベースのプロトコル、大規模に採用されているプロ

トコル、または業界に特化したプロトコルを使用して、ネットワークに接続されたデバイスから

データを取得する場合には、HPE Universal IoT Platformはこれらのユースケースを標準的にサポートします。デバイスが使用するプロトコルは HPE Universal IoT Platform上に簡単に追加できます。これはネットワーク相互接続プロキシ (NIP: Network Interworking Proxy) テクノロジーのメリットです。このテクノロジーにより、新しいプロトコルコネクターの開発 /展開を迅速に実施でき、従来からあるプラットフォームを使用した場合と比べ、HPE Universal IoT Platformが開発の迅速性を高められるポイントとなっています。

HPE Universal IoT Platformでは、特定のテクノロジーへの依存ではなく、アプリケーションとデバイスをつなぐ「スマートエコシステム」をサポートします。オンプレミスでも任意のクラウ

ド環境(包括的な as-a-Serviceモデルを実現する場合)でも展開できます。

HPEのソリューションにより、IoT事業者はエンドツーエンドのデバイスリモート管理機能(デバイス検出、構成、ソフトウェア管理 )を利用できます。HPE Universal IoT Platformによってデータの一元管理が容易になるため、同一のマルチテナントプラットフォーム上で、スマートアプリ

ケーション用の数百万台の IoTデバイスをリモート管理できます。

また、このソリューションはデバイスベンダーに依存せず、特定の接続技術も依存していません。

低い TCOで運用でき、組み込みのデータモデルを oneM2M標準と組み合わせられる高い拡張性と柔軟性を備えています。さらに、プラットフォームの基盤にセキュリティが直接組み込まれて

おり、データライフサイクル全体にわたるエンドツーエンドの保護を実現できます。

HPE Universal IoT Platformでは、基本的にデータセントリックなアーキテクチャーを採用しています。これは、データとその収益化が IoTビジネスモデルの本質だからです。また、さまざまな種類が混在した数百万個のデバイスとの接続に対応できるように設計されています。モジュー

ル形式のソリューションであり、モジュール形式で展開できます。必要なコアモジュールのみを

ライセンスまたは as-a-Serviceとして購入でき、必要に応じてさらに高度なモジュールを追加するオプションが用意されています。HPE Universal IoT Platformは以下の主要モジュールで構成されています。

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デバイス & サービス管理 (DSM: Device and Service Management)

デバイス & サービス管理 (DSM) モジュールは HPE Universal IoT Platformの中枢部であり、IoTサービスおよび関連するゲートウェイやデバイス /センサーのライフサイクルをエンドツーエンドで管理します。サービス利用者や管理者向けのWebベース GUIが用意されており、このプラットフォーム上の IoTサービスを管理 /利用できます。

階層型の顧客アカウントモデル(マルチテナント)は、複数の権限によるロールベースのアクセ

ス制御 (RBAC: Role-Based Access Control) メカニズムと組み合わされて、相互にメリットのあるさまざまなサービスモジュール(B2B、B2C、B2B2Cモジュールなど)を構築できます。

DSMモジュールを使用すると、IoTアプリケーションの管理(構成、料金プランのサブスクリプション、デバイスの関連付けなど)や IoTゲートウェイ /デバイスの管理(プロビジョニング、構成、監視など )を実行できます。また、IoTデバイスのトラブルシューティングも可能になります。

ネットワーク相互接続プロキシ (NIP: Network Interworking Proxy)

NIPコンポーネントが提供するコネクテッドデバイスフレームワークにより、異なる種類が混在する、さまざまな IoTゲートウェイとデバイスの管理 /通信や、さまざまなタイプのネットワーク経由での通信が可能になります。

NIPにより、ネットワーク上に構築された異なるシステム間の相互運用とデータ流通を実現できます。また、HPE Universal IoT Platformでサポートされている統一されたoneM2M準拠のリソースモデルによる管理も実現できます。NIPは「分散メッセージキュー」アーキテクチャーがベースとなっており、IoTデータの処理に関する「3つの V」、つまり Volume(量)、Variety(多様性)、Velocity(速度)に対応できるように設計されています。

NIPには「プロトコルファクトリ」とよばれる仕組みが用意されており、新しい IoTプロトコルをプラットフォームに実装するためのデバイスコントローラーとプロキシを迅速に開発できま

す。さらに、IoTベンダーデバイス用のデバイスコントローラーとプロキシが組み込まれており、その他の主要な IoT接続プロトコルも備わっています(Message Queuing Telemetry Transport (MQTT)、Lightweight M2Mプロトコル (LWM2M)、Device Language Message Specification (DLMS)/Companion Specification for Energy Metering (COSEM)、HTTP Representational State Transfer (HTTP REST) など)。

データ収集・検証・格納 (DAV: Data Acquisition and Verification)

データ収集・検証・格納 (DAV) は、クラウド内の IoTアプリケーションと現場に展開されたIoTゲートウェイ /デバイスとの間の確実な双方向のデータ通信をサポートします。DAVコンポーネントは NIPを使用して IoTデバイスのデータを操作 /取得し、oneM2Mに準拠したリソース指向の統一データモデルとして保持します。このデータモデルはデバイスやアプリケー

ションに一切依存しておらず、完全な柔軟性と拡張性を備えています。IoTアプリケーションは、oneM2M準拠の HTTP RESTインターフェイスを利用して、ノースバウンド(アプリケーション) 側でこれらのリソース(ゲートウェイ、デバイスなど)を発見 /アクセス /利用できます。DAVコンポーネントは、以下のような IoTデータの変換、検証などの処理も担当します。

• デバイス固有のコーデックライブラリを使用したメッセージのエンコーディング /デコーディング

• データの処理およびメッセージのタイプに基づいたアクションのトリガー (アラーム処理 /複合イベント処理など )

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DAVコンポーネントは、以下のようなプラットフォームのセキュリティ確保機能を担当します。

• IoTデバイスの登録、デバイスの一意的な識別、信頼できるデバイスのみとのデータ通信のサポート

• 高信頼 /暗号化通信を実現するデバイスセキュリティキーの管理

• アクセス制御ポリシーによるアプリケーションとデバイスの間の多対多通信の管理

DAVコンポーネントは、リレーショナルデータベースとカラム型データベースを基盤とする複数のデータストアを組み合わせて使用し、IoTデータを保存します。これにより、オンライン処理や分析 /バッチ処理関連の処理など、異なるタイプの処理に対しても高度なパフォーマンスを確保しています。カラム型データベースを分散ファイルシステムベースのストレージと組み合わ

せて使用すると、データを低コストで保管して、データの寿命を延長できます。このようにホッ

ト /コールドデータストレージを組み合わせることで、デバイスから収集した IoTデータを長期間にわたり分析可能になります。

データ分析 (DA: Data Analytics)

データ分析モジュールは、HPE Verticaテクノロジーを活用して、デバイスから収集されたデータから得られる意味、知見を見出します。その際、他のアプリケーションから得られる外部のデー

タも使用します。このコンポーネントは、「複合イベント処理」をベースとして、バッチ、リア

ルタイム分析などの分析ロジックの作成 /実行 /可視化環境を提供します。これによって作成されるデータからの知見は、ビジネス分析での使用や、パートナーと共有して収益に結びつけるよ

うに活用することが可能です。この IoTデータ分析機能は、さまざまなタイプの分析モデル、たとえばディスクリプティブ(記述的)分析では、KPI、ソーシャルメディアなど、またジオフェンシング、プレディクティブ(予測定義)、プレスクリプティブ(処方の推奨 )までカバーしています。

運用 /ビジネスサポートシステム (OSS/BSS)

運用 /ビジネスサポートシステム (OSS/BSS) モジュールは、デバイス /ゲートウェイ /ネットワークの 状況について、エンドツーエンドの情報として一元的に提供します。このモジュールにより、IoT事業者は運用している主要なタスクを自動化、優先順位付けし、インフラストラクチャに関わる問題解決を迅速化してダウンタイムを削減できます。また、サービス品質を向上させ、

日常的な運用に必要な人材や資金面を強化できます。このモジュールは、HPE独自の OSSポートフォリオの実績あるアプリケーションを使用しています(「Telecommunication Management Information Platform (TeMIP)」、「Unified Correlation Analyzer (UCA)」、「Order Management」など)。

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© Copyright 2016 Hewlett Packard Enterprise Development LP. 本書の内容は、将来予告なく変更されることがあります。ヒューレット・パッカード エンタープライズ製品およびサービスに対する保証については、当該製品およびサービスの保証規定書に記載されています。本書のいかなる内容も、新たな保証を追加するものではありません。本

書の内容につきましては万全を期しておりますが、本書中の技術的あるいは校正上の誤り、省略に対しては責任を

負いかねますのでご了承ください。

4AA6-5128JPN、2016年4月

OSS/BSSモジュールは、運用効率やサービスの信頼性を、以下のような複数の方法で向上させます。

• 相関(コリレーション): 複数のインフラストラクチャドメインにわたる自動的な問題相関と根本原因分析により、問題を迅速に特定して、サービスへの影響を判断

• 自動化(オートメーション): 問題解決プロセスの主要な手順を自動化することで、サービスの停止時間を短縮

データサービスクラウド (DSC: Data Service Cloud)

データサービスクラウド (DSC) モジュールは、より優れた収益モデルの実現を目指して、IoT/クラウドサービスで利用しやすい APIを提供します。DSCは新しいコンテンツを作成するためのマッシュアップもサポートしています。他のシステムから取得した社内外のデータを、システ

ム内にある IoTデータと組み合わせることで、新たなインサイト(洞察)を見出すことができるようになります。このインサイトは、該当する IoTサービスの直接の利用者や管理者ではない外部の利用者であっても、分析結果を収益に結びつけることを可能とします。

DSCの APIデザイン機能を使用すると、再利用可能なコンポーネントとモジュールにより、個々の IoTマイクロサービスを迅速に開発できます。そのため、IoTプロセス /アプリケーションのコストや市場投入時間が削減されます。DSCはパートナー指向レイヤー(開発パートナーが利用できる範囲)であり、B2B/B2B2Cモデルにおいてサービスのライフサイクルを安全に管理します。

データ収益化でビジネス成果を実現

IoTでの最終的な目標は、生成されたデータという膨大な宝の山を確実に収益化することです。新たな収益源の確保、コストの削減、カスタマー・エクスペリエンスの向上を実現し、業務アプ

リケーションに価値をもたらします。

IoTサービスを構成する、目的ごとに閉じているシステムを連携させ、エンドツーエンドのソリューションとして機能させるために、デバイスからアプリケーションまでを相互接続するイン

フラストラクチャが必要です。そのインフラストラクチャは、ユビキタスに管理された接続性を

基盤として、この価値を実現する業界固有のユースケースの特定 /開発 /ロールアウトを可能にします。

HPE Universal IoT Platformアーキテクチャーにより、高い拡張性 /モジュール性 /汎用性を備え、個別の業界やクライアントに依存しないソリューションを実現できます。これによって、お客様

の IoTソリューションを管理できます。また、ネットワークに接続されたデバイスが生成した大量のデータを収益化し、業務アプリケーション /ユースケースで利用可能にすることで高いビジネス価値を実現できます。

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