IoT・ビッグデータ・AIを活⽤したビジネスモデル事例

(Business Case ExamplesUtilizing IoT, Bigdata and AI)

平成27年10⽉October 2015

経済産業省Ministry of Economy, Trade and Industry

（注）IoT推進ラボの⽴ち上げに先⽴ち、経済産業省が様々な事業者から聴取した結果をまとめたもの

* Collections of business case examples based on the series of hearing survey conducted by METI, prior to launch of NexGen IoT Acceleration Lab.

参考資料 2Reference Materials #2

１．⼈間の果たす役割・機能⾃体の変化

2

（１）⾃動運転 無⼈タクシー（２）ドローン 施⼯管理／インフラ管理／物資輸送（３）農業 IoT農業（４）ホーム、ビル 対話型ロボット／⾃動洗濯物折りたたみ機／家庭内IoTデバイス／AIによる建物管理（５）医療 AIによる⽪膚病診断⽀援システム

２．⾮連続なカスタマイズの世界へ（１）BtoC 消費者ニーズを踏まえたマスカスタマイゼーション（２）健康・創薬 ｶｽﾀﾏｲｽﾞ健康ｻｰﾋﾞｽ／バイオマーカー／⾎液成分データによる診断／⽣物による⾼機能品製造（３）観光 SNSリアルタイム分析／スマート免税店・百貨店（４）義⼿ 義⼿のオープン開発（５）⾦融 ITを活⽤した新たな⾦融サービス（Fintech）

３．社会に存在するあらゆる資源・資産の有効利⽤（１）観光 地元案内⼈のマッチング（２）個⼈間カーシェア ⾃家⽤⾞カーシェア（３）家電 家電等の保証書電⼦管理（４）ものづくり 3Dプリンタネットワーク化（５）流通 地⽅⾷材のマッチング

４．IoT時代を⽀える基盤技術（１）IoT IoT機器活⽤に向けた環境整備（２）ビーコン インバウンドO2O（３）ブロックチェーン ブロックチェーン技術を活⽤したプラットフォーム（４）⼈⼯知能 誰もが使えるAI／AIプラットフォーム（５）指紋認証 カード・IDが不要な指紋認証技術（６）データ流通 データ流通市場の創出

･･･ 04

･･･ 15

･･･ 26

･･･ 32

3

２．Toward a World with Discontinuous Customization（１）mass customization The personalization with needs of the consumer（２）Healthcare, Drug discoveryPersonalized Healthcare Service/Biomaker/Diagnosis by

blood component data/Manufacturing products by living bodies（３）Tourism real-time analysis by SNS/smart-duty free shop

& department store（４）Open source development Prosthetic arm by open source software development（５）Fintech Business Expansion of Emerging Fintech Ventures

･･･ 15

１．Radical Change in Roles and Functions of Human beings（１）Automated Driving Driverless Taxi（２）Drone Construction Progress Mgmt／ Infrastructure Mgmt／Logistics（３）Agriculture IoT-driven Agriculture（４）Home, Building Robot with Dialogue Interface／Laundroid／Home IoT Device（５）Medical Care AI based Supporting System for Skin Disease Diagnosis

･･･ 04

３．Effective utilization of resources and assets exist all over the society（１）Tourism Matching of regional guide（２）Car-sharing Matching of private car（３）home appliances Management of digital warranty （４）Manufacturing Networking of 3D printers（５）Distribution Matching of regional food

･･･ 26

4. Technologies for IoT era （１）IoT Environmental improvement for IoT utilization（２）Beacon The inbound marketing by O2O technology（３）Block chain Platform that leverages the block chain technology（４）AI(Artificial intelligence) AI ／AI platform that can be used by anyone（５）Fingerprint authentication card-less authentication technology（６）data circulation Creation of data distribution markets

･･･ 32

4

１．⼈間の果たす役割・機能⾃体の変化

２．⾮連続なカスタマイズの世界へ

３．社会に存在するあらゆる資源・資産の有効利⽤

４．IoT時代を⽀える基盤技術

１．Radical Change in Roles and Functions of Human beings

⾞の周囲状況の把握と制御等の⾃動運転に関する技術を活⽤することにより、将来的には、無⼈のタクシー事業の実現を志向。⽻⽥空港と東京駅や都内ホテル、競技会場、観光地等が含ま

れる特定の地域で、完全⾃動運転タクシー（ドライバーなし）を実際に⽇常の⾜として運⽤して、世界に向けたショーケースにしたいとの意向。

⾃動運転による無⼈のタクシーサービスの実現Implementation of driverless taxi service by automated driving technologies

2014年7⽉より名古屋市で県庁と県警の協⼒のもと、有⼈での公道実証実験を⾏っており、来年初めからは神奈川県にて有⼈で⼀般⼈を乗せた公道実証実験を⾏う予定。また、仙台の被災地域において完全⾃動⾛⾏に向けた実証実験を検討。

5

ロボットタクシー (Robot Taxi, Inc.)

本事例から想定される将来像

今後、⾃動⾛⾏の実現を通じて、これまで必須であった運転⼿が不要となること等によって、⼈の移動、⽣活のあり⽅が変⾰。

将来的には、⼈為的ミスのない⾃動化による交通事故低減、適切な運転・交通管理による渋滞解消及び環境問題の解消、コスト低減による地⽅での「移動困難者」の解消等が⾒込まれる。

【綜合警備保障】太陽光パネルの故障部分等の異常をドローンに搭載したカメラ

で発⾒するサービスを展開中。【セコム】侵⼊者をセンサーで捉えるとドローンが発進、追跡しながら搭

載カメラで不審な⾞や⼈を撮影し、その画像をセコムのセンターに無線で送信。

ドローンによる公共インフラのメンテナンス及び設備の警備Realization of maintenance and security of public equipment by drones

6

綜合警備保障 (SOHGO SECURITY SERVICES CO.,LTD.)/セコム (SECOM CO., LTD.)

本事例から想定される将来像 これまで⼈間が担ってきたインフラのメンテナンスや警備をドローンによって代替し、危険を伴

う作業から解放。 将来的には、インフラの効率的な管理、⼈⼿不⾜の解消、確実な犯⼈捕捉による安⼼・

安全の実現等につなげることが可能。

綜合警備保障 メガソーラー撮影画像

いずれも、現時点では限定的なエリアでの運⽤に留まるが、将来的にはより広域でのサービス展開や、⾵⼒発電施設点検や橋梁点検への活⽤の他、災害発⽣時の画像による現場確認等他分野へのサービス展開を検討中。

ドローンにカメラを搭載し、⾃動で建設現場を上空から撮影。⾼層ビルディング建設現場で、コンクリートを流し込む前に鉄⾻の施⾏状況を確認し、クラウド上で設計図と照合することで建設⼯事の安全性を担保。現在、来年度からのサービスインに向けてシステムを開発中。このほ

か、ドローンの活⽤により、採⽯場における採⽯量の管理、資材置き場に保管されている在庫の管理等が可能に。建設、物流、農林⽔産等、⽣活を⽀える基幹産業における主要

企業と協業しながら、2016年前半より法⼈向けにサービス提供を開始予定。

ドローンカメラを活⽤した建築等の施⼯管理Construction Progress Management Utilizing Images Taken by Drones

7

エアロセンス (Aerosense Inc.)

本事例から想定される将来像 これまで⼈間が担ってきた施⼯管理をドローンによって代替し、危険を伴う作業から解放。 将来的には、⽬視管理に⽐べて、建築物の安全性向上、コスト低減・⼈⼿不⾜解消が可

能に。更に、プロセスの適正化・質の保証に伴う建築プロセスの管理のあり⽅の⾒直しに繫がることも期待。

<同社が開発したドローン>

<建材の在庫を上空から撮影>

【MIKAWAYA21】コールセンターで注⽂を受け付けると、新聞配達店からドローンが発進。

⼩売店等に⼀旦着陸して注⽂品を搭載したのち、注⽂者の⼿元に注⽂品を届けるサービスを検討中。

ドローンによる物資輸送の実現Realization of goods delivery by drones

8

MIKAWAYA21 (MIKAWAYA 21 co., Ltd.)/Coaido (Coaido Inc.)

本事例から想定される将来像 これまで⼈の⼿によって担われてきた物資輸送をドローンによって代替。交通インフラに左右

されずに、必要な物資が迅速に⼿元に届くようになる。 将来的には、離島を含む地⽅の各種インフラ（交通、医療、⼩売店等）の制約を超えて、

買い物難⺠の解消などの諸問題を解決する新たな流通インフラの実現が期待される。

【Coaido】119番通報を受けた消防が、救命ボランティア登録者のスマートフォンに現地駆け付け要請を

通知し、救急⾞到着前の迅速なAEDの使⽤を⾏い救命率を向上する「FRシステム」を開発、⾃治体でシステムの実証実験を実施中。AED設置場所をより正確に登録でき情報の精度を上げるAEDマップも開発している。将来的にはドローンでAEDを輸送するサービスも検討。

MIKAWAYA21が開発中のドローン

科学的知⾒に基づくIoT農業の実現Implementation of IoT driven agriculture based on scientific knowledge

9

ベジタリア(Vegetalia,Inc.)／PSソリューションズ(PS Solutions Corp.)

本事例から想定される将来像 農業のノウハウが科学的知⾒に裏づけられた形式知となり、作物、地⽅ごとに最適にデータ

化される農業情報⾰命が急速に拡⼤。 将来的には、IoT農業⽀援サービスの発達による⽣産者不⾜の解消、⾼付加価値農産

物の輸出の拡⼤などにも繫がる。

【ＰＳソリューションズ】圃場に設置したセンサーから温湿度・⼟壌⽔分量・⽇射をはじめ

とする各種データを収集・解析。計測データ×科学的根拠×経験・勘を統合し、栽培指導に資する農業IoTソリューション「e-kakashi」を提供。

【ベジタリア】最新の植物科学とテクノロジーに基づいた「次世代緑の⾰命」を

⽬指す東京⼤学発ベンチャー。環境センサー、樹液流センサー、⼟壌ミネラルセンサーなどのIoTセンサーを独⾃開発、栽培管理システム「アグリノート」データとともにビッグデータ解析し⼈⼯知能も応⽤して最適な栽培アルゴリズムや収穫時期予測、病⾍害予察システムを提供。

ロボットの動作や⾔語を処理する対話型の⼈⼯知能プラットフォームを搭載した「Pepper」を開発・製造。このプラットフォームを使った第三者による様々なサービスの開発を促進している段階。現在、⾦融機関や量販店での適切な接客を⽀援することや、要

介護者とのコミュニケーションツール、対話型で⾃⼰学習を⾏うためのツールとしての活⽤を検討中。

⽇本発の対話型ロボットを活⽤した新たなサービス市場Creation of a New Service Market based on Robot with Dialogue Interface

10

ソフトバンクロボティクス (SoftBank Robotics Corp.)

本事例から想定される将来像 今後は、デバイスの形態にかかわらず、あらゆるサービスが⼈⼯知能や⾳声認識を活⽤した

対話型のプラットフォーム上で展開される可能性。 将来的には、これらを通じて収集された情報から様々なサービスが⽣まれる可能性があり、

Pepperは有⼒なプラットフォーム候補。

画像解析技術及びロボティクス技術を活⽤した、全⾃動洗濯物折り畳み機「ランドロイド」を開発。画像解析技術により「Tシャツ」や「ズボン」など⾐類の種類を⾃動識別。また、⼯場などで培ったロボティクス技術を活⽤することで⾐類の取り分け、全⾃動の折り畳みを実現。全⾃動の折り畳みだけでなく、洗濯機や乾燥機の搭載及び家

族構成にあわせた⾐類の振り分けなど⾐服に関わる全般のワンストップサービスの提供も予定。また、個⼈向けだけでなく法⼈向けサービスの展開や取得した様々なデータの活⽤も検討。

IoT技術を活⽤し、家事⾃動化を実現Housework Automation by Utilization of IoT Technology

11

セブンドリーマーズ (seven dreamers laboratories inc.)

本事例から想定される将来像 画像解析技術やロボティクス技術を活⽤して、これまで⼈間の⼿によってしか担えなかった

家事を⾃動化。 将来的には、様々な家事労働が⾃動化されることによって、余暇時間の増加、共働き世

帯の負担軽減を通じた少⼦⾼齢化の解消への貢献などが期待できる。

12

本事例から想定される将来像

IoTによる家庭内デバイスの制御を実現。 将来的には、 IoTデバイスの活⽤に係る環境整備やユースケース創出を通じて、機器同⼠

の連携、機器から得られるデータを活⽤した新たなサービスの創出などにより、住⼈のニーズに応じた快適な「暮らし」を提供。

機器に「センサー」や「ネットワークからの被制御機能」を搭載することでスマートフォンなどと連携可能なIoTデバイスを製造・販売。スマートフォンと連携した調光ユニット「OTTO」やウェブサービ

スを制御するキースイッチ「Hackey」を企画。

IoTによる、家庭内デバイス（家電、機器）の制御の実現Consumer IoT Devices to Control Home Electronics

Cerevo (Cerevo Inc.)

電⼒、温度、湿度、照明、衛⽣、防犯・⼊退出、情報システムの管理や予知保全を、クラウドを通じて集中的に最適制御するプラットフォームを展開予定。個々のハードではなく、ビル内のデータを収集して⼈⼯知能が学習し、ソフトウェア側で最適に制御することによって、ビル⾃体の快適性が⽇々進化。複雑化する⾼機能ビル管理の⾃動化により、省エネ・安全性

向上、オフィスの⽣産性向上、管理⼈の⼈材不⾜にも対応。

建物の⾼度な管理を⼈⼯知能で⾃動化Advanced automation management for buildings by A.I.

⽵中⼯務店 (Takenaka Corporation)

本事例から想定される将来像 ビル内の様々な機能・サービスと紐付く共通プラットフォームの構築によって、様々なアプリ

ケーションを活⽤したビルの機能拡張を実現。 将来的には、単⼀のビルにとどまらない、複数のビルの連携による街全体のエネルギー利⽤

効率化や、不動産建設ビジネスのサービス化が実現。

AIを活⽤した⽪膚病診断⽀援システムの開発AI Based Supporting System for Skin Disease Diagnosis

14

エクスメディオ (exmed.io inc.)

本事例から想定される将来像 AIを活⽤した診断⽀援により、医師の負担が軽減。幅広い知⾒を踏まえたより的確な医

療が可能に。 将来的には、蓄積された共有知を活⽤し、距離的・時間的な制約を超えて国⺠が質の⾼

い診断を受診可能に。

⾮⽪膚科医に対して、⽪膚科医(休業中・留学中等の約10名の⽪膚科医)を活⽤し、スマホアプリを通じて送られた患部の写真と問診情報をもとに、無料で⽪膚病の診断⽀援サービスを提供する「ヒフミル」を開発。今後は、上記サービスで蓄積された28万枚の画像データをAIにより分析し、

診断・治療に携わる医師に提供することで、患部の画像から想定される⽪膚疾患を判断・提⽰する診断⽀援システムを開発。来年を⽬途に開発し、薬事申請を予定。同様の仕組みを他の疾患にも拡充し、眼部像解析による診断⽀援(「メミ

ルちゃん」) 等への横展開を志向。

15

１．⼈間の果たす役割・機能⾃体の変化

２．⾮連続なカスタマイズの世界へ

３．社会に存在するあらゆる資源・資産の有効利⽤

４．IoT時代を⽀える基盤技術

２．Toward a World with Discontinuous Customization

総合繊維業のセーレンは、パソコンで作ったデザインデータで、タイムラグなしに布地をプリントし、染めて最終製品にする独⾃のシステム「ビスコテックス」を開発。顧客が、店頭で様々な選択肢の中から⾃分好みの

⽣地やデザインの組み合わせ（47万通り）を選ぶと、データが即座に⼯場に送られ、⾃動的に⽣産を開始。顧客の好みに合わせた世界で1着のパーソナルオーダーを3週間で⽣産・納品。

消費者のニーズの迅速な⽣産プロセスへの反映Manufacturing in accordance with the personalization

16

セーレン (SEIREN Co.,Ltd)

本事例から想定される将来像 個⼈のニーズに合わせたテイラーメイド製品が量産品と変わらない価格で提供できるように。 将来的には、同様に、多品種少量、短納期、在庫レスを実現するマスカスタマイゼーション

の仕組みが他分野の製造プロセスに適⽤され、製造業全体に波及。

レセプト・健診・健康データ活⽤による⽣活習慣病の予防Prevention of life-style related diseases by medical prescription/checkup/health data utilization

17

テルモ (Terumo Corporation)

本事例から想定される将来像

レセプト健診データ

活動量歩数バイタル

参加社員の同意のもと、健保組合及び事業主が保有するレセプト・健診データと、各個⼈がウェアラブル端末等で貯めた健康データ（活動量、歩数、バイタル等）をシステムに蓄積。その上で、健診による肥満症状などのデータと本⼈の⽇常の運動量を組み合わせて、ウォーキングによる健康改善の効果等を分析し、健康増進・⽣活習慣病の予防につなげる。本年10⽉よりテルモで実証的な取組みを⾏い、成果をとりまとめた上で、

KENKO企業会に共有、横展開を⽬指す。

様々な健康データを組み合わせて分析することで、健康リスク別での個別化されたサービスの提供や受診勧奨を⾏うことが可能に（例：活動量に基づく個々⼈に最適な運動プランの提⽰、⽣活習慣病予防のための⾷⽣活のアドバイス）。

将来的には、医療の「予防」へのシフトによる健康寿命の延伸・医療費適正化などが⾒込まれる。

遺伝⼦・⾎液等の検査、⾷習慣・⽣活習慣を把握できるパーソナルサーベイ、活動データの記録などのライフログを元に、パーソナライズした⾷事・運動のタスクをアプリを通じて提⽰等を⾏い、持続的な健康維持増進を進める。また、SNSを通じて、同じようなライフスタイルを持つ⽅々、仲

間・専⾨家・著名⼈との交流などを図り、継続モチベーションのアップに繋げる。

パーソナライズドサービスにより可能となる持続的健康維持Personalized sustainable health maintenance service

18

FiNC (FiNC inc.)

本事例から想定される将来像

ライフログが溜まるほど個⼈にフィットする情報の提供が進み、SNS等の活⽤により、⽣活習慣改善の時にありがちな「続かない」をサポート。

将来的には、個⼈のライフログなど情報が収集された上、IoTによるモニタリングが進むことで、健康寿命の延伸や医療費適正化、医療機関や保険会社との連携なども⾒込まれる。

ヒトの体内の代謝物質（糖、有機酸、アミノ酸などの低分⼦）の種類や量のデータを網羅的に解析（メタボローム解析）することにより、うつ病を診断するバイオマーカーとしてエタノールアミリン酸（PEA）を発⾒した。これにより、PEAの濃度を測定することで、これまで問診で診断していたうつ病を数値化し、正

確な診断と患者に応じた適切な投薬が可能になる。慶應義塾⼤学先端⽣命科学研究所（⼭形県鶴岡市）のメタボローム解析技術をもとに

⽣まれたベンチャー企業。メタボローム解析の受託試験やバイオマーカー開発を⾏っている。

19

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(Human Metabolome Technologies Inc. )

本事例から想定される将来像

体内の様々なデータを網羅的に解析することで、これまで問診でしか診断できなかったうつ病をバイオマーカーにより数値化して診断することが可能に。

将来的には、他の疾患のバイオマーカーを開発することで、うつ病以外の疾患が⾎液、唾液、尿などから診断が可能になる。

⾎液検査でうつ病を診断する検査法を開発Diagnose depression by the blood test

⾎液成分データ等の活⽤による診断薬・治療薬の最適化Optimization of diagnostics and therapeutic drugs through the use of blood component data

20

東レ (Toray Industries, Inc.)

本事例から想定される将来像

がん等の疾患に特徴的な⾎液成分データやタンパク質構造データをシステムに蓄積。⾎液成分データの解析により、がんやアルツハイマーの早期診

断に最適な診断薬（診断チップ）を開発。タンパク質構造データの活⽤により、各患者に適した、薬効が

⾼く、副作⽤の少ない医薬品をコンピュータ上でデザイン。東レは、国⽴がん研究センター等の研究機関・企業とともに、

13種類のがんとアルツハイマーの診断薬開発を⾏っている。また、産総研や⼤阪⼤学と共に、医薬品をデザインするためのソフトウェア開発も進めている。

様々な疾患を⾎液検査で早期に診断することが可能になるとともに、各患者に適した医薬品を提供することが可能に。

将来的には、⾰新的なIT技術を⽤いた創薬により、⽇本発の医薬品開発が加速され、健康寿命の延伸・医療費適正化に貢献することが期待される。

×○ ×

患者⾎液

診断チップ

データベースと照合し、診断

コンピュータ上で、医薬品をデザインし、安全性、毒性等も予測

Spiber社は、⾼機能素材である⼈⼯クモ⽷「QMONOS™」の量産化技術に世界で初めて成功した。⼈⼯的にクモの⽷を合成するため、関連する遺伝⼦情報を解析し、利⽤することで、微⽣物発酵によるクモ⽷タンパク質の⽣産を可能にし、独⾃の紡⽷技術の開発を実現した。現在、同繊維の実⽤化を⽬指し、⾞体や⾐類などの試作を⾏っており、

スポーツアパレル分野では、GOLDWIN社のブランド「THE NORTH FACE」と共同で新製品の販売に向け、研究を進めている。

⽣物による⾼機能品製造Manufacturing high performance products by living bodies

21

Spiber (Spiber Inc.)

本事例から想定される将来像

⽣物のゲノム情報やそのタンパク質発現状況、代謝経路を解析し、それらを統合した⽣物利⽤システムを構築・利⽤することで、⽣物しか作れなかった物質の⼈⼯的な製造が可能に。

将来的には、同様のアプローチを⽤いて、様々な⾼機能品を⽣物に作らせることが可能となる。

中国⼈の観光消費のリアルタイム分析による地⽅創⽣Realization of "regional revitalization" by real-time tourism consumption analysis

ホットリンク (Hottolink, Inc.)

本事例から想定される将来像

多様な「⽣の声」を踏まえた商品開発や旅⾏コース検討、需要予測を迅速かつ効果的に実施することが可能に。

将来的には、増加する中国⼈のインバウンド需要を確実に取り込み、地⽅創⽣にもつながる。

中国⼈による国内観光消費は年間5,000億円を超え、今後も増加。しかし、データに基づくマーケティングが不在。このため、同社では中国⼈の⼝コミ情報を収集して、来⽇時の消費動向、観光スポットやお⼟産などの評価をリアルタイムに分析し、本夏から地⽅⾃治体や事業者に提供。例えば、時々刻々と⼊れ替わる「爆買い」の⼈気商品や⼈気の場

22

所、⼈気の⾷事、それらの理由などのトレンド情報、⽇本旅⾏での不満点もわかる。これにより、稼ぐ商品づくりや旅⾏コースづくり、需要予測が迅速に可能となり、中国⼈の国内観光消費の拡⼤や地⽅創⽣につながる。

OpenRunwaysが運営する+81モールは、中国⼈等の訪⽇観光客をターゲットにして、既存の商業施設（松屋銀座等）を商品の受け取り店として活⽤した予約販売サービス。外国⼈が訪⽇前に商品と店頭訪問⽇を予約することで、欲しい商品の⽋品を防ぎ、購⼊時間を短縮して効率的な買い物ができる。中国⼈による “爆買い” により商業施設は当⽇⽋品が相次ぐ

状況であり、同サービスの導⼊により爆買い需要を漏らさず獲得。また、商業施設を活⽤するため、EC販売と異なり商品を免税とすることができ、⼀層の需要獲得に寄与する。

23

オープン・ランウェイズ (OpenRunways Inc,)

本事例から想定される将来像

⽇本全国の主要都市の商業施設・実店舗にもサービスを展開することで、2020年オリンピック・パラリンピックとその先を⾒据え、増⼤する訪⽇外国⼈観光客による旺盛な消費意欲を地域経済に取り込み、地域活性化に寄与する。

将来的には、訪⽇観光客の属性情報等を⽤いたビッグデータ収集と解析モデルの提⽰により、地⽅においてビッグデータを活⽤したインバウンド観光戦略の策定への貢献が⾒込まれる。

＋８１モール

スマート免税店・百貨店による爆買い需要獲得Acquisition of bulk buying demand by smart- duty free shop/department store

移動に不可⽋な義⾜と異なり、電動義⼿は市場が限定的であるために⾼価（150万円程度）で普及が進んでいない。このため、その低廉化（20万円程度）を⽬指した電動義⼿を開発中。

オープン開発による電動義⼿の⾰命的な低価格化Achievement of ultra low-cost prosthetic arm by open source software development

世界中で廉価に製造できるよう3Dプリンターを活⽤してデザイン性の⾼い義⼿の開発を実施するとともに、「設計図」、「ソフトウェア」など全ての情報をインターネット上で公開。これにより世界各国によるオープンな製造・開発を促進し、その結果をフィードバックすることで、

ニッチな分野である義⼿の開発・改良が⾶躍的に進展。

24

イクシー (exiii Inc.)

本事例から想定される将来像 ソフトウェアのみならずハードウェアにもオープンな開発プロセスを導⼊することによって、多様な

ニーズに応じたカスタマイズが可能に。 将来的には、義⼿の利⽤者⾃らがカスタムメイドで義⼿の製造ができるサービスが実現。

【マネーフォワード】スマートフォン等から簡単に家計・資産管理ができるサービスを約250万⼈のユーザーへ向け

て展開中。また、中⼩企業のバックオフィス処理（会計・請求・給与計算・マイナンバー管理等）を廉価に⾏うことを可能とするクラウドサービス(MFクラウドシリーズ)を提供中。

【お⾦のデザイン】最先端の⾦融⼯学アルゴリズムにより、⼀⼈ひとりに合ったポートフォリオを⾃動⽣成し分散投

資を⾏う、⾼度な資産運⽤サービスを提供。

【bitFlyer】国内最⼤のビットコイン取引所を運営。独⾃開発のブロックチェーン技術を⽤いて、ブロック

チェーン可視化ツール等を提供。

ITを活⽤した新たな⾦融サービス（Fintech）の拡⼤Business Expansion of Emerging Fintech Ventures

25

マネーフォワード／お⾦のデザイン／bitFlyer(Money Forward, Inc. ／MONEY DESIGN Co., Ltd. ／bitFlyer, Inc.) 

本事例から想定される将来像 近年、Fintech(フィンテック)と呼ばれるITを活⽤して⾰新的な⾦融サービスを展開するベ

ンチャー企業が世界中で活動を活発化。 将来的には、最新のITを駆使したサービス展開で、ユーザーの利便性を向上させることで、

経済活動を活性化させる可能性。

26

１．⼈間の果たす役割・機能⾃体の変化

２．⾮連続なカスタマイズの世界へ

３．社会に存在するあらゆる資源・資産の有効利⽤

４．IoT時代を⽀える基盤技術３．Effective utilization of resources and assets exist all over the society

地域の暮らしを旅するコンセプトに、地域ならではの⽳場スポットや体験を地元の⼈に案内してもらえるよう、案内⼈と旅⼈をマッチングするサービス“TABICA（タビカ）”を展開。お仕着せの観光コースではなく、地域の真の魅⼒を引き出す

ことで地⽅創⽣にも貢献。

観光ニーズと地元案内⼈との「マッチング」による地⽅創⽣Regional revitalization by “Matching” between traveler and regional guide

27

ガイアックス (GaiaX Co.Ltd.)

本事例から想定される将来像

観光ニーズと地元案内⼈をマッチングしていく中で、地域シニア⼈材に対して活躍の場を提供することにより、シニア層のリタイア後の⽣き甲斐・収⼊⾯におけるメリットを⽣むとともに、観光客に新たな観光サービスを提供。

将来的には、訪⽇外国⼈観光客についても、おもてなしサービスとしての展開を図るとともに、カーシェアなどそのほかの様々なシェアリングビジネスと合わせて地域のリソースを最適に活⽤することも可能に。

⾃家⽤⾞の稼働率を⾼める個⼈間カーシェアリングC2C car-sharing with increasing operating rate of private car

28

ディー・エヌ・エー (DeNA Co., Ltd.)

本事例から想定される将来像

個⼈間の⾃動⾞の共同使⽤をマッチングするAnyca(エニカ)事業を開始(9⽉9⽇正式リリース)。個⼈所有の⾃動⾞を、使⽤しない時間に、他⼈にシェアすることで、使⽤料がドライバーからオーナーに⽀払われ、⼿数料10%がDeNAに⼊る仕組み。⾃家⽤⾞の平均稼働率は約3%であり、遊休資産活⽤に貢献。クラシックカーや外⾒・内装が希少な⾞に乗⾞できることも独⾃の魅⼒。現在の登録は約400台(10⽉1⽇時点)だが、年内に2〜3,000台が⽬標。専⽤のIoTハードウェアでの解錠施錠や⾛⾏データの収集等を11⽉より開始予定。

個⼈間カーシェアリングを前提にした新しい⾞両売買契約の登場等、クルマの所有のあり⽅を変⾰する。結果的に、クルマの所有ハードルを下げるなどの効果を期待し得る。

将来的には、⾃家⽤⾞の稼働率が向上すると同時に⼀台あたりの⾛⾏距離が伸びることで買い替えサイクルが短縮され、最新技術が搭載された環境に優しい⾞両の普及が促進されるため、環境問題の解消等が⾒込まれる。

これまで、紙でバラバラに管理されてきた家電等の保証書を特定のメーカーに依存することなしに、スマホアプリを活⽤して電⼦的に保存するプラットフォームを提供。さらに、故障時にはアプリ上から修理を申し込むことで、修理に要する⼿続を

簡素化するとともに、中古買取案内等も実施。現時点では、住宅管理事業者（アットホーム）等と組んで、B2Bでビジネス

を展開しており、登録会員は１万⼈。将来的には、家庭の家電の所有、故障、買い換え情報を集積し、リコール対

応の負担軽減、家電メーカーとユーザーとの間でコミュニケーションが可能になるようなプラットフォームの構築も可能。

家電等の保証書の電⼦管理Electronic management of appliance warranty

29

Warrantee (Warrantee Inc.)

本事例から想定される将来像 これまで捕捉が難しかった、家電をはじめとする家庭内機器のトレーサビリティを確保。 将来的には、同様のプラットフォームサービスが様々な形で展開されることにより、販売者と

ユーザー、製造者とユーザーの関係性を超えた様々なサービスの提供が可能に。

カブクが有する国内外1万社以上の3Dプリンター保有企業と、クラウドソーシング最⼤⼿のランサーズが有する地域・海外在住3Dデザイナーをつなぐことにより、クライアント・消費者の細やかなニーズにリアルタイムに対応する地域によるものづくりを⽀援。地域・海外の能⼒の⾼い3Dデザイナーにとっての働く場、 3Dプ

リンター保有企業にとっての遊休資産活⽤機会、クライアントや消費者にとっての顧客起点のものづくりの場を創出し、地域におけるユーザーイノベーションの創出を加速化。

30

カブク (kabuku Inc.)/ランサーズ (LANCERS,INC.)

本事例から想定される将来像

3Dプリンターの活⽤環境が整備され、ユーザーが⾃らのニーズに合わせカスタマイズされたものづくりを⾏うことで、これまでの製造・流通・消費の在り⽅が変⾰する。

将来的には、伝統⼯芸技術者・デザイナー・ユーザーを直接つなぐことにより、⽇本の優れた技術の活⽤と継承が進むとともに、全国各地で、⽇本の⽣活⽂化を活かした新製品の開発・製造が進み、地域発のイノベーション創出に寄与。

3Dプリンターのネットワーク化による地域ものづくり⾰命Revolution in regional manufacturing by networking of 3D printers

中央卸売市場だけでなく、全国各地の⽣産者や地⽅市場流通業者から様々な⽣鮮⾷品を仕⼊れ、ITを活⽤して料理⼈へ販売する事業を展開。品質は優れているものの、少量多品種もしくは不定期であること

から⼤⼿流通経路に乗らない商品を中⼩のこだわり飲⾷店に対して直接販売することがポイント。⽔産物や⻘果、精⾁そして酒類などを取り扱い、独⾃物流網にて受注翌⽇に納品可能。これにより、地域独⾃の⾷材をビジネスモデル化するとともに、消

費する中⼩レストランの差別化も可能となるなど、地⽅創⽣にも貢献。

全国各地の⽣鮮⾷品を販売する料理⼈向けEC事業EC business which handling variety of fresh foods for cooks

31

⼋⾯六臂 (hachimenroppi Inc.)

本事例から想定される将来像 ⼩ロットの⾷材であっても、ニーズに応じて有効に活⽤することを可能とする新しい流通形態

の実現が可能。 将来的には、地域独⾃の⾼付加価値な素材を、⽇本全国、更には海外に展開していくこ

とで、地⽅創⽣につなげることが可能。

32

１．⼈間の果たす役割・機能⾃体の変化

２．⾮連続なカスタマイズの世界へ

３．社会に存在するあらゆる資源・資産の有効利⽤

４．IoT時代を⽀える基盤技術4. Technologies for IoT era

【コネクトフリー】⾃律ルーティング技術でアドホックネットワークや携帯通信網など、複数のネットワークから最適

なネットワークを選択することで、携帯通信回線の使⽤量を最⼩限にし、IoT向け⽉額通信料０円を実現した通信モジュール＆チップを開発・販売。【ソラコム】Amazon Web Servicesの提供するクラウドサービス上に通信プラットフォームを構築するこ

とで、従来の携帯電話回線より通信費を削減し、Web上で回線を⼀括管理できるIoT向けSIMカードを販売。【Yahoo!：オープンなIoTプラットフォーム】様々なIoT製品やwebサービスをつなげるためのプラットフォーム「myThings」を構築。モノや

サービスなどをつなげることにより、例えば「室温⼀定以上ならエアコンを⾃動起動」等が可能に。

IoT機器を活⽤したサービスの創造に向けた環境整備Business Environmental Improvement to Develop Businesses Utilizing IoT Devices

33

コネクトフリー／ソラコム／Yahoo! connectFree k.k. ／ SORACOM, INC. ／ Yahoo Japan Corporation

本事例から想定される将来像 IoT活性化に向けた環境整備が進むことで様々なIoTデバイスの導⼊を促進。 将来的には、これらIoTデバイスの活⽤や、当該デバイスを通じて収集されるデータの活⽤を

通じて、個別のニーズに応じたより便利な暮らしやサービスの実現が実現可能に。

短距離通信（BLE）によりスマートフォンに情報提供を⾏うビーコンを、ショッピングセンターや商店街などに配置し、通⾏⼈のスマートフォンに、観光案内や店舗誘導のための情報を送るなどのサービスが展開できるプラットフォームを構築。これにより屋内でもきめ細かく顧客の動向が把握でき、

適切な情報をその場で提供することが可能になる。世界的にもビーコンを活⽤したマーケティングは注⽬されている。

インバウンドO2Oの普及による観光客誘導The inbound marketing by O2O technology

34

Tangerine (Tangerine lnc.)

本事例から想定される将来像 ビーコンを通じて位置情報の捕捉し、様々なサービスを提供することが可能に。 将来的には、例えば、東京オリンピックが開催される2020年に、訪⽇観光客の快適な滞

在を実現するため、観光案内やお奨めレストランや注意情報など、通過したビーコンの場所に最も適したスタジアムへの誘導や、観光情報を観光客のスマートフォンに、彼らの⾔語で表⽰することも可能に。

35

【Orb】独⾃プロトコル採⽤のブロックチェーン技術を⽤いることで、世界最速クラスの認証と取引完了

性を実現するプラットフォーム (Orb)を提供。同プラットフォームの上に載るアプリケーション開発者向けに、SDK (Software Development Kit)、APIも提供。地域通貨や電⼦チケットへの適⽤を想定。【テックビューロ】任意のネットワーク内(企業内、企業間)で利⽤可能なブロックチェーンプラットフォーム「mijin」

を提供。既存のデータベースや勘定システムを置き換えて劇的にコストを削減すると同時に、実質ゼロ・ダウンタイムを実現可能。2016年には汎⽤プラットフォームのオープンソースプロジェクトとして公開予定。

ブロックチェーン技術を⽤いた⾮中央集権型プラットフォームDecentralized Platform Based on Block-Chain Technologies

35

Orb (Orb, Inc.)／テックビューロ (Tech Bureau, Corp.)

本事例から想定される将来像 低管理コスト・⾼セキュリティな分散処理技術であるブロックチェーン技術の活⽤により、⾦融シ

ステムの変⾰につながる可能性。 将来的には、⾦融分野のみならず、広範な分野におけるブロックチェーン技術の活⽤によって、

様々な分野の管理コスト低減や堅牢性の確保などが⾒込まれる。

プログラムするのではなく、学習によって⾃ら成⻑する⼈⼯知能SOINNを展開。ディープラーニングと異なり、市販のPCやスマホ、組込みシステムでも稼働し、ネット検索した「画像＋テキスト」といった混合データからでも学習可能。個⼈向けから企業のビッグデータ解析、⼤規模災害予測まで、幅広い分野で活⽤が進む。国際的にも⾼い評価を得ている。

⾃ら学習して成⻑する「誰もが使える⼈⼯知能」の活⽤拡⼤Expanded use of self-learning AI which anyone can use

SOINN (SOINN Inc.)

本事例から想定される将来像

スマートフォン等の⾝近な端末や家電に個⼈専⽤の⼈⼯知能が常駐し、誰もが今までにない快適さや便利さを⼿に⼊れ、⼈の⽣活を変⾰。

将来的には、様々なサービスに⼈⼯知能が浸透し、例えば、テキスト（問診結果）・画像（レントゲン写真）・数値（体温、脈拍）等の多様な情報を組み合わせた⾼度な医療診断⽀援や、地域の災害予測などが低廉なPCで実現され、公的サービスも⾶躍的に向上する。また、医療・介護や⽣産現場、営業等のベテランのノウハウを学習させた⼈⼯知能が流通し、誰でもプログラムレスで使える汎⽤の家庭⽤ロボットの普及も進む。

新たなAI技術であるディープラーニングを⽤いて、情報セキュリティ分野など、ビジネスベースでの活⽤を拡⼤すべく、パイロットプロジェクトを多数実施。画像・⾳声・テキスト等、「経験・勘・コツ」

で処理していた⾮定型データ・定性データを利⽤可能とする⼈⼯知能情報処理システムを提供。

ディープラーニングをあらゆる分野で活⽤可能にするAIプラットフォーム構築Development of AI Platform Enabling Utilization of Deep Learning Technology in All Fields.

37

クロスコンパス (Xcompass Ltd.)

本事例から想定される将来像 ⼈⼯知能の学習をオープンプラットフォーム化すること、⼈⼯知能の成⻑速度が加速。 将来的に商⽤利⽤の範囲が急速に拡⼤する可能性。

また、誰もが学習済みニューラルネットワークを共有し、追加学習させ、利⽤することが可能なAI流通プラットフォームの構築に向けてビジネスを展開。

カードやID⼊⼒等が全く不要で、指紋のみで本⼈認証が数千万⼈規模でも数秒で完了する決済システム「Liquid pay」を展開中。簡便に本⼈を認識・特定することができることから、決済や

様々なシステムのログインはもちろんのこと、テーマパーク等の⼊場、災害時の個⼈認証（安否確認、預⾦の引き出し）などにも活⽤可能。⼤⼿ホテルグループ複数社と連携し、池袋、渋⾕周辺での実証実験を本年１１⽉〜来年

初から開始予定。例えば、外国⼈の⼊国審査等で指紋を登録すれば、以後、買い物の決済や交通機関の利⽤や消費税還付等が全て指紋確認のみの究極の「おもてなし」が可能。

38

Liquid (Liquid inc.)

本事例から想定される将来像 指紋のみを活⽤して容易な本⼈識別が可能に。 将来的には、例えば、東京オリンピックが開催される2020年に、訪⽇観光客の快適な⼊

国審査から⽀払決済、⾝分証明、コミュニケーションを指紋で実現するとともに、⽇々の様々な本⼈確認に当たり指紋のみで個⼈認証することも可能に。

カード・IDが不要な指紋認証Fingerprint authentication without using any ID or password input

【データエクスチェンジコンソーシアム】企業間のデータ取引のため、データ内容の検索や企業マッチングや取引等をネットワーク上で

⾏うプラットフォームを整備し、2017年から商⽤リリース。

データ流通市場の創出Creation of data distribution markets

【エブリセンスジャパン】ネットワーク上で、個⼈等があらかじめ提供可能なデータ範囲

（例えばセンサーデータ等）を設定することで、データを必要とする事業者のニーズに応じて、フォーマット変換されたデータが流れるプラットフォームを構築しており、実証実験中。データを蓄積しないことで安全性を確保。

39

データエクスチェンジコンソーシアム (Data Exchange Consortium LLP. )/エブリセンスジャパン (EverySense,Inc.)

本事例から想定される将来像 ネットワーク上にデータ流通市場が形成され、データを⾦銭で取引可能となる。 将来的には、個々の管理の上で、個⼈・企業のデータが⾃動的にマッチングされ、プライバ

シー、セキュリティが確保された上で、新たなサービスの創造を期待される。

エブリセンスジャパン プラットフォームイメージ