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1 PEN May 2014 May 2014 Volume 5, Number 2 ISSN 2185 - 3231 Public Engagement with Nano- based Emerging Technologies PEN N E W S L E T T E R

ISSN 2185 - 3231 PEN€¦ · 大阪大学ナノサイエンスデザイン教育研究センターでは、 ナノ高度学際教育研究訓練プログラムの社会人・大学院生

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  • 1PEN May 2014

    May 2014Volume 5, Number 2

    ISSN 2185 - 3231

    Public Engagement with Nano-based Emerging Technologies

    PENN E W S L E T T E R

  • 2 PEN May 2014

    CONTENTS

    寄稿 平成 26 年度大阪大学ナノ高度学際教育研究訓練プログラム土曜集中講座「ナノテクノロジー社会受容特論 A」の一般公開について ……………………………………………… 3

    寄稿 液晶を用いた気体分子のキラリティの簡便な検出法気体試料を吹き付けるだけで分子の機能を左右する利き手を可視化する “ 液晶掌性天秤 ” ……………………… 7

    海外動向 ……………………………………………………………………… 10POLICY BRIEF ………………………………………………………………… 13国内動向 ……………………………………………………………………… 15Cutting-Edge Technologies

    プレスリリースより …………………………………………………… 18豊蔵レポートより ……………………………………………………… 25台湾 ITRI より …………………………………………………………… 53Fraunhofer より ……………………………………………………… 56MEMS 関連情報 ………………………………………………………… 57バイオミメティクス研究会より ……………………………………… 59

    講演会・イベントのご案内 ………………………………………………… 61編集後記 ……………………………………………………………………… 63

    Food for Thought学際と Serendipity …………………………………………………… 23

    Column リスクを楽しく学ぼう ……………………………………………………………………………… 12構造色をもつ鳥㉖ ヤマムスメ …………………………………………………………………… 52

    Cover:縄張りを見守るキジのオス

    狩猟鳥として狩りの対象となっているキジは警戒心が強く、逃げ足が速い鳥です。しかし、繁殖期にはライバルのオスから縄張りとメスを守ることに神経を尖らせるため、人に対する警戒は多少疎かになります。春は構造色の羽をまとったキジを観察できる絶好の機会です。

  • 3PEN May 2014

    大阪大学ナノサイエンスデザイン教育研究センターでは、

    ナノ高度学際教育研究訓練プログラムの社会人・大学院生

    対象の土曜集中講座「ナノテクノロジー社会受容特論A」

    を、今年もナノテク関係者の方々にも一般公開致します。

    本講座では、社会受容、科学技術コミュニケーションに関

    する視野を身につけ、産業化における問題点、リスクアセ

    スメント並びに管理手法、標準化、知財等の基礎知識、科

    学技術政策の考え方を学びます。毎回同じ重みを持った時

    間配分の講義と討論により構成され、少人数のグループ討

    論では受講生が自分の専門に対してケーススタディーを行

    えます。以下、開講の趣旨、プログラム構成、申し込み方

    法の順でご紹介しますので、是非多くの方々のご参加をお

    待ちしております。

    1. ナノテクノロジー社会受容講座開講の趣旨

    ナノサイエンス・ナノテクノロジーは専門領域を横断した

    学際的な研究分野であり、その成果の多くが学問体系の枠

    組みを超えてグリーン・ライフイノベーションの原動力に

    なっています。このような科学技術の発展は産業の発展を

    もたらし、人々の生活を豊かにしてきました。しかし、同

    時に公害、薬害、自然破壊、地球温暖化といった問題が相

    次いで発生しています。さらに、グローバル化における日

    本産業の国際競争力の低下、製品の国際標準化への取り組

    みの弱さ、未曾有の大震災、原発事故、それに伴う環境・

    エネルギー問題などの科学技術に支えられる日本の未来社

    会に対する国民の疑問など、新興科学技術の国際性・社会

    性に対する発想の転換さえ求められるようになってきまし

    た。このことは、科学技術と社会とのかかわりをもっと深

    く考える必要があることを訴え掛けています。製造工程や

    製品そのものの安全性やリスク管理の問題、車のようにリ

    スクがあっても社会で受け入れられるにはベネフィットと

    リスクのバランスに関するコンセンサスを得る科学技術コ

    ミュニケーションが必要であること、ナノ材料は物質名だ

    けでなくその大きさ・形状・不純物の量などによって大き

    く性質が変わることからナノ計測技術や材料の標準化それ

    も国際標準化が重要であること、より幅広く科学技術を社

    会に役立てるためのオープンイノベーションでは知財と標

    準化のバランスが大切であること、これらの科学技術政策

    FEATURES

    寄稿

    平成 26 年度大阪大学ナノ高度学際教育研究訓練プログラム土曜集中講座「ナノテクノロジー社会受容特論 A」の一般公開について

    大阪大学ナノサイエンスデザイン教育研究センター 伊藤正

    小グループによる討論と発表

  • 4 PEN May 2014

    が今どのように進行しているのか、といったお互いにリン

    クした問題を総合的に考えること(総称して「社会受容」注 1 と呼ぶ)が求められています。しかも、これらのこと

    に長けた専門家だけが議論するのではなく、科学技術者の

    個々人が日々の科学技術開発の中でこれら社会とのつなが

    りを考え、持続可能な社会に受け入れられる科学技術とす

    るための意識的な努力が求められています。1999 年のブ

    タペストにおける世界科学会議において採択された「科学

    と科学的知識の利用に関する世界宣言」では、従来の科学

    が目指していた知識のための科学、平和のための科学、開

    発のための科学に加えて、「社会における科学と社会のた

    めの科学」を目指すという 1 項目が加えられました。今日

    の日本の科学技術政策でも社会への説明責任を含めた重要

    項目として取り上げられています。

    そのことを踏まえて、大阪大学では、研究科、研究所・セ

    ンターを横断するナノサイエンス・ナノテクノロジーに関

    する人材育成のためのナノサイエンス・ナノテクノロジー

    高度学際教育研究訓練プログラムを立ち上げ、理工学系

    大学院の博士前期課程(修士)・博士後期課程(博士)向

    けの副専攻型プログラムと、ナノ関連企業で働く社会人

    向けの高度教育プログラムを 2004 年度より提供し、既に

    1300 名に迫る修了生を送り出しています。その人材育成

    活動の中では、ナノ理工学の基礎から応用に亘る専門的知

    識を育むことはもちろんですが、同時にナノ理工学の研究

    開発に携わる人なら是非知っておいて欲しいナノテクノロ

    ジーの社会受容、即ち新たなナノ科学技術を社会で活用す

    る際の科学技術政策、リスクアセスメント ・ 管理手法、標

    準化、科学技術コミュニケーションなどの基礎知識とその

    考え方を育むことにも力を入れています。我が国のものづ

    くり産業に資する新しい科学技術の実用化には世界的展開

    が不可欠であり、ナノ理工学の多様性と迅速性の故に基礎

    科学技術の初期の時期から、ナノテクの社会受容を世界的

    にかつ戦略的に実践することが必須となっています。我が

    国が世界に立ち後れている社会受容の実践家を幅広く育て

    ると共に、ナノ理工学分野、ナノテク産業に係わる科学技

    術者自身が、自分の専門と社会受容との関連を日頃から議

    論し、 必要に応じて実践に結びつける訓練を積むことも極

    めて重要です。

    大阪大学では 2009 年度に、(社)大阪大学ナノ理工学人

    材育成産学コンソーシアムと連携して、ナノテクノロジー

    社会受容セミナー入門編を開催するとともに、産業技術総

    合研究所イノベーション推進室ナノテクノロジー戦略 WG

    が主催するナノテクセミナー 2009 大阪 ~みんなで学ぼ

    う リスク管理策~ を共催しました。これらは社会受容

    の専門家を養成するためのものではありませんが、現在と

    将来のナノ理工学に関わる科学者・技術者が持つべき共通

    認識として、極めて大切な内容を含み、多くの先進諸国で

    もその知識普及と実践の必要性が謳われているものです。

    そこで、2010 年度より産業技術総合研究所 ナノシステム

    研究部門の協力を得て、大阪大学ナノ高度学際教育研究訓

    練プログラムの大学院生と社会人受講生に共通の土曜特別

    集中講座「ナノテクノロジー社会受容特論」として正式開

    講しました。数名の政策担当者、企業開発担当者、学内教

    員等が講義を担当します。社会受容、科学技術コミュニケー

    ションに関する視野を身につけ、産業化における問題点、

    リスクアセスメント並びに管理手法、標準化、知財等の基

    礎知識、科学技術政策の考え方を学びます。この講座は、

    1 日は基本的に午前 3 時間、午後 3 時間の 2 テーマの組み

    合わせですが、各テーマは各々同じ重みを持った時間配分

    の講義と討論により構成されていることが特徴であり、少

    人数のグループ討論では受講生が自分の専門に対してケー

    ススタディーを行うことができます。

    専門家による話題提供(講義)

    2. 今年度のプログラム構成

    2014 年度の土曜講座「ナノテクノロジー社会受容特論 A」

    では、4 日間の日程に拡大し、最初 3 日間で、本講義の位

    置づけ、社会受容一般の解説に続けて、①科学技術コミュ

    ニケーションの重要性とその手法について、②産業化とリ

    スクの問題とナノ材料に特化したリスクの問題、③国際競

    争と知財・標準化の必要性、国際標準化の現場、について

    解説し、それに基づいて関連項目について討論を行います。

    注 1:社会受容は英語の Public Acceptance の直訳である。

    国際的にはさらに進んだ概念である Public Engagement が

    一般に使われるが、日本語には適切な単語がないため、こ

    こでは社会受容で総称する。

  • 5PEN May 2014

    最終日第 4 日目には、あらかじめ与えられた科学技術が生

    み出す未来のテーマに対して、どのように社会受容を推進

    し、未来の社会に受け入れられ、社会に役立つ科学技術を

    いかに追求していくかについて、丸 1 日をかけて少人数グ

    ループで考え、議論し、まとめて発表することとします。

    以下の要領で大学院生 ・ 社会人受講生に対して講義として

    開講しますが、同時により幅広いジャンルの社会人の方々

    にも参加していただけるように、ナノ関連企業にお勤めの

    研究者・技術者の方々にも本講座を一般公開します。なお、

    本講座は遠隔講義システムを用いたライブ中継により受講

    場所も大阪大学中之島センター以外に複数設けてあります

    ので、お近くの会場を選んでご参加下さい。第 4 日目の演

    習を除き、1 日ないし半日だけの参加も可能です。

    (1)開講場所〇大阪大学中之島センター 7 階セミナー室(講師来訪)

    〇大阪大学東京オフィスサテライト教室(遠隔配信による

    講義)

    上記の2教室の詳細については下記を参照下さい。http://www.sigma.es.osaka-u.ac.jp/pub/nano/02_shakaijin/map/Maptop.htm

    〇大阪大学豊中キャンパス基礎工学研究科 G217、吹田

    キャンパス工学研究科 U3-311(遠隔配信による講義)

    ※吹田 ・ 豊中キャンパスは、少人数の場合は他教室と統合

    し、開設しない場合があります。第 4 回目は開設しません。

    〇四日市商工会議所内サテライト教室(遠隔配信による講

    義)

    (2)具体的プログラム(開講日と各回の講師と講義内容)第 1 日:6 月 14 日(土)

    本講座の開催趣旨と意義を説明し、引き続いてナノテク研

    究開発における社会受容の重要性を解説すると共に、後半

    は、材料に関する国際標準化の意義を学び、議論する。

    1)10:00-10:30 はじめに(履修ガイダンスと本講義

    の意義)

    伊藤正(大阪大学ナノサイエンスデザイン教育研究セ

    ンター特任教授)

    新興科学技術においては、その科学技術を用いたシス

    テムやデバイスを人類の繁栄と文化の向上に役立てる

    には、科学技術そのものの持つ可能性を追求すると共

    に、国際社会にどのように受け入れられるかを同時に

    考え、デザインする必要がある。本講座はその必要性

    を理解し、将来実践できる素養を身につけるための訓

    練の場を与える。

    2)10:30-13:00 ナノテクノロジーの社会受容(討論

    1 時間を含む)

    阿多誠文(産業技術総合研究所ナノシステム研究部門)

    2001 年度の第 2 期科学技術基本計画から戦略的投資

    が行われたナノテクノロジーの研究開発では、創出す

    る技術が社会にどのような影響を与えるのかを検討し、

    研究開発にフィードバックする新しい方法論が検討さ

    れた。またナノ材料のリスク管理策やナノテクノロジー

    国際標準化といった社会基盤が整わない段階で、どの

    ように研究開発を進めるべきか検討が重ねられた。本

    講義ではこれら「社会受容」の課題に対する我々の実

    践を概要する。

    3)14:00-17:00 知財と国際標準化(討論 1.5 時間を

    含む)

    中西浩(前大阪大学学際融合教育研究センター特任教

    授)

    本講義では、国際標準化の歴史と社会とのかかわりの

    中で知財と国際標準をどのように捉え、国際標準化の

    目指すべき方向や新技術の社会受容性の向上について

    何をなすべきかを議論する。

    第 2 日:6 月 28 日(土)

    ナノ材料の安全性の問題を理解し、ナノ技術を産業界に移

    転する際のリスク、環境規制などの現実の問題点について

    触れると共に、ナノリスクの評価・管理策、規制のあり方

    について学び、議論する。

    4)10:00-13:00 ナノ粉末、ナノインク材料の開発と

    環境規制問題(討論 1.5 時間を含む)

    中許昌美(大阪市立工業研究所理事長)

    金属ナノ粒子の作成法とその応用分野について概観し

    た後、ナノ粒子のリスク評価に関して話題提供し、さ

    らに企業の生産と結びつける際のリスクアセスメント

    やヨーロッパを中心とする厳しい環境規制にどのよう

    に対処するか、持続的なナノ技術の発展に必要な今後

    の課題について議論する。

    5)14:00-17:00 ナノ材料の安全性、リスク評価の考

    え方(討論 1.5 時間を含む)

    広瀬明彦(国立医薬品食品衛生研究所)

    新材料の産業化におけるリスク評価のあり方と、得ら

    れた評価結果がリスク管理策に与える意義について概

    説する。併せて関連省庁、欧米から出されている規制

    策についても触れる。それらを踏まえて、ベネフィッ

    トとリスクのバランスを考える。

     

    第 3 日:7月5日(土)

    リスクと科学技術のコミュニケーションの歴史及び変容を

    理解し、如何に社会と情報を共有するかを考える。後半は、

    研究開発・産業応用におけるナノテク国際標準化の議論の

  • 6 PEN May 2014

    例としてバイオミメティックスを取り上げ、議論する。

    6)10:00-13:00 科学技術コミュニケーション(討論 1.5

    時間を含む)

    小林傳司(大阪大学コミュニケーションデザインセン

    ター教授)

    3.11 以後、科学技術コミュニケーションに加えリスク

    コミュニケーションという言葉がよく使われるように

    なった。講義では、そもそもなぜコミュニケーション

    がこれほど重視されるようになったのかについて議論

    したい。まずその歴史的背景を概説し、そのうえでナ

    ノテクノロジーを代表的事例とするような近年の新興

    科学技術をめぐって生じてきている研究モードの変化

    及び社会との関係の変容について議論したい。

    7)14:00-17:00 バイオミメティックスの国際標準化

    (討論 1.5 時間を含む)

    齋藤彰(大阪大学工学研究科精密科学講座准教授)

    ナノ材料の国際標準化は包括的な事柄と個々の用途に

    応じた標準化の議論が各国の提案で進んでいる。ここ

    では国際標準化の国際会議でどのような議論が展開さ

    れているか、そのことがオープンイノベーション時代

    の知財と標準化のあるべき姿にいかに結びつくかにつ

    いて言及する。これらを、各自の課題に関連付けた議

    論も進める。

    第 4 日:7月 19 日(土)

    未来の社会システムやコンセプトに繋がる科学技術を活用

    する際に、どのように社会受容を推進し、未来の社会に受

    け入れられ役立つ科学技術として追求していくかを、あら

    かじめ与えられた未来科学技術のテーマについて、テンプ

    レートに基づき、少人数グループで討論し、まとめて発表

    し、各方面からの評価を仰ぐ。複数の未来科学技術のテー

    マに対して、各受講生の選びたいテーマ希望をあらかじめ

    調査の上、少人数でのチーム分けを第 3 日に行い、事前

    に各人でテンプレートを可能な限り埋める作業を行ってお

    き、当日の議論に臨む。テーマ例としては、①ナノ粒子、

    ②バイオミメティックス、③カーボンナノチューブ、の材

    料 ・ 技術を用いたデバイス ・ システムなどが挙げられる。

    詳しくは第 1 日目に公表する。

    阿多誠文、伊藤正、小川久仁、奥山雅則、渡會仁(以上特

    任教授)

    中西浩、中許昌美(以上講師)

    8)10:00-13:00 課題に対する社会受容取り組み方の

    討論

    9)14:00-15:00 発表資料作成

    10)15:00-17:00 各グループの発表と総評

    3.受講申し込み方法について

    (1)受講費用:一般参加者は資料代 4 回分一括で 4,000

    円を頂戴します。

    (大阪大学ナノ理工学人材育成産学コンソーシアム会員企

    業関係者は無料です。)

    (2)受講申込方法

    下記事項について、各開催日の 8 日前の金曜日までにメー

    ルにてお申込み下さい。なお、最終回は演習であり、前回

    までの予備知識を必要としますので最終回のみの受講はで

    きません。

    ※申込必要事項(送信内容):氏名、所属企業名、連絡先

    電話番号、受講日(半日受講の場合は午前、午後を併記)、

    受講場所(受講場所が日により異なる場合は、日付と受講

    場所を対で明記のこと)

    ※申込み先:[email protected]

    できるだけ、4 回を続けて受講されることをお勧めいたし

    ます。追って、参加費支払い方法、講義資料の受領方法を

    お知らせいたします。

    (3)問い合わせ先

    大阪大学ナノサイエンスデザイン教育研究センター

    伊藤正、小川久仁、片山京子

    Tel:06-6850-6397, 6995、e-mail:katayama@insd.

    osaka-u.ac.jp

    URL:http://www.sigma.es.osaka-u.ac.jp/pub/nano/

  • 7PEN May 2014

    寄稿

    液晶を用いた気体分子のキラリティの簡便な検出法気体試料を吹き付けるだけで分子の機能を左右する利き手を可視化する “ 液晶掌性天秤 ”

    産総研ナノシステム研究部門 大園拓哉、山本貴広、福田順一

    気体試料のキラリティ分析には人工的な半導体や振動子等

    に基づくガスセンサー、円二色性などの光学的手法やクロ

    マトグラフィーなどの精密分析手法が開発されているが、

    分子デザインや合成、固定化などが煩雑なうえ、試料の濃

    縮などの前処理が必要であったり、比較的高価な分析装置

    が必要であるため、簡便・高感度・安価に作製できるキラ

    リティ分析手法が求められている。今回、我々は一つの解

    決策として、液晶を用いた気体試料の簡便なキラリティ検

    出法を提案した [1, 2]。ここでは、キラリティを有する試

    料分子が液晶に溶け込むことによる液晶構造の変化を観察

    して、気体分子中のキラリティをもつ光学活性分子とその

    利き手を検知するという手法を用いる。常温・常圧下で迅

    速に評価でき、偏光顕微鏡だけで容易に観察可能であると

    いう特徴のため、香料などの揮発性化学品の簡易分析や住・

    自然環境のモニタリングに応用できる。

    今回開発した技術では、自己組織化により形成する表面凹

    凸構造であるマイクロリンクルを液晶の基板として利用す

    る。このマイクロリンクルは、ゴム基板上に製膜した硬い

    高分子薄膜の表面に平行な方向へ 1 軸的圧縮ひずみが加わ

    ることで現れる。キラリティセンサーとして利用するのは、

    このマイクロリンクルの溝にネマチック液晶を閉じ込める

    (次ページ図、左下)と自発的に形成される周期的な液晶

    配向構造(次ページ図、右下)[3, 4] である。この液晶配

    向構造では、局所的な配向ねじれの向きが右巻きの領域と

    左巻きの領域が、ほぼ同じ長さで交互に繰り返されている。

    ここに、気体試料を吹き付けると、試料中の光学異性体分

    子が液晶に溶け込み、一方のねじれの向きの領域長が、エ

    ネルギー的に有利になって相対的に長くなる。この試料分

    子のキラリティ(掌性)に対する天秤(次ページ図、上)

    のように応答する現象を利用すれば、光学活性分子の存在

    や、どちらの光学異性体であるかを視覚的に検知できる。

    今回開発した気体のキラリティ検出法の特徴を以下に挙げ

    る:(1)センサー部は、自己組織化で作製できるマイクロ

    リンクルに、ディスプレイなどに広く利用されているネマ

    FEATURES

  • 8 PEN May 2014

    チック液晶を塗布するだけで、非常に安価に作製でき、(2)

    測定気体試料を、濃縮や熱処理せずに、常温、常圧、通常

    湿度条件下で、直接センサー部に吹き付けられるため、操

    作手順の簡便性に優れ、(3)偏光顕微鏡だけで視覚的に検

    知でき、鋭敏色板の利用でパターン変化がさらに明確化で

    き、(4)数秒以内の速い応答時間を示し、(5)ほとんど

    の場合、溶け込んだ分子は再蒸発し、液晶配向構造自体も、

    少なくとも数カ月間は安定であるため、センサー部の再利

    用も可能である。

    よって、このキラリティ検出法は、野外でも使用可能な、

    簡便かつ経済的な気体試料のキラリティセンサーとして利

    用でき、また、液晶における欠陥構造の新たな応答性を利

    用した原理に基づいており、外的な刺激に容易に応答する

    ソフトマテリアルの特徴を巧みに利用した例である。

    References:[1] T. Ohzono, T. Yamamoto, J. Fukuda, Nat. Commun. 5,

    3735,(2014).

    [2] 産総研プレスリリース(2014.5.1)http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2014/pr20140501/pr20140501.html

    [3] T. Ohzono, J. Fukuda, Nat. Commun. 3, 701,(2012)

    [4] 産総研プレスリリース(2012.2.29)http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/pr20120229/pr20120229.html

  • 9PEN May 2014THE LATEST DEVELOPMENTS

  • 10 PEN May 2014

    海外動向

    オランダ、食品包装関連の国内法を改正(2014.4.24)オランダの食品包装および消費者製品規則の改正規則が

    2014 年 4 月 1 日に施行された。改正によってナノ形状の

    材料を用いた製品も規制の対象とされることになる。規則

    は欧州連合(EU)域内で合法的に製造あるいは流通してい

    る包装あるいは消費者製品には適用されない。また、EU

    の食品関連の規則 No.1935/2004:Materials and articles

    intended to come into contact with food(No.1935/2004)

    で規制されている材料や成型品も対象とされない。した

    がってナノ材料を用いた最終製品が No.1935/2004 の製

    造にあたっての一般的要求事項を定める第 3 条に従ってい

    る限り、ナノ材料を使用することができる。http://www.nanotechia.org/news/news-articles/dutch-food-contact-rules-revision-

    covers-nano-form-substances

    欧州議会、医療用機器の規制案に関するレポートを承認(2014.4.24)欧州議会は医療用機器の規制案に関してまとめられたレ

    ポートを承認した。規制案では、医療用機器の意図され

    た目的や潜在的なリスクを評価し、Ⅰ、Ⅱ A、Ⅱ B、Ⅲの

    4 つのクラスに分類することが提案されている。意図的に

    体内に放出されるナノ材料は、クラスⅢのハイリスク機器

    に分類されるべきとなっている。レポートは、医療機器の

    使用によって患者や使用者などの安全が損なわれないよう

    に、ナノ材料に関する一般的な安全性と要求性能を定めて

    ナノ材料のリスクの低減と予防を図っている。また、医療

    機器には情報提供のためにラベルを貼付すべきとしてい

    る。医療機器の規制案は 2014 年 5 月に選出される新しい

    議会で審議される。

    http://www.safenano.org/KnowledgeBase/CurrentAwareness/ArticleView/

    tabid/168/ArticleId/441/EP-approves-report-on-proposed-Regulation-on-Medical-

    Devices.aspx

    ECHA、ナノ材料のリスク評価における規制上の課題に関するワークショップ開催(予告)(2014.4.16)欧州化学品庁(ECHA)は 2014 年 10 月 23 ~ 24 日にナ

    ノ材料のリスク評価における規制上の課題に関するワーク

    ショップを開催する。ワークショップではナノ材料の健康

    と環境へのリスクを評価する科学的原則やガイドライン

    について議論する予定。ECHA によるとワークショップは

    学界や規制当局に、規制上の主要な長期的課題がナノ材料

    の研究に及ぼす影響に取り組むための基盤を提供するもの

    となるという。ワークショップでは規制のためのナノ材料

    のリスク評価の課題、ナノ材料の計測とキャラクタリゼー

    ションなどについて議論される。http://nanotech.lawbc.com/2014/04/articles/international/echa-planning-

    workshop-on-regulatory-challenges-in-the-risk-assessment-of-nanomaterials/

    EPA 長官、環境分野での国境を越えた連携のため台湾とベトナムを訪問(2014.4.14)米国の環境保護庁(EPA)長官がアジア太平洋地域におい

    て環境分野の連携を進め、環境教育の重要性への理解を得

    るために台湾とベトナムを訪問する。http://yosemite.epa.gov/opa/admpress.nsf/d0cf6618525a9efb85257359003fb69

    d/d21fe2644bdc7e6c85257cba006436ba!OpenDocument

  • 11PEN May 2014

    EPA、これからの 4 年のための戦略計画を公開(2014.4.10)米国の環境保護庁(EPA)は、人々の健康や環境を守るた

    めに 2014 年度~ 2018 年度に実施する予定の戦略計画を

    公開した。EPA は困難な環境問題の解決のために、業界、

    州政府、連邦機関などと、政策立案や調査研究の実施にあ

    たって新しい形の連携を始める予定でいる。EPA が掲げる

    5 つの戦略目標は、1)気候変動への対処と大気の質の維持・

    向上、2)飲料水の質の維持、3)持続可能なコミュニティ

    の環境の整備、4)化学物資の安全性の確保と汚染の防止、

    5)規制の実施と順守による健康と環境の保護である。http://yosemite.epa.gov/opa/admpress.nsf/d0cf6618525a9efb85257359003fb69d

    /75143c6974e6b05f85257cb60051d435!opendocument

    科学者によって異なる「責任ある研究開発」のとらえ方(2014.4.8)コペンハーゲン大学の研究チームによると、研究は自律的

    で政治や社会から独立した「象牙の塔」で進められる方が

    良いと考える科学者と、研究は開かれた環境で政治家や市

    民、企業との交流のうちに進められるべきであると考える

    科学者が存在している。前者にとって責任ある研究の基本

    は外界の影響から切り離されていることで、後者にとって

    は外界からの積極的な働きかけこそが責任ある研究を実現

    するための正しい方法である。研究チームは、社会におけ

    る研究の役割や責任に関連する 250 報以上の論文を分析

    し、科学者は自身の研究が責任あるものであることに強い

    関心を持っているものの、どのような方法が責任ある方法

    であるといえるのか、についての一致した見解はないとの

    結論を得た。http://www.nanowerk.com/nanotechnology_news/newsid=35127.php

    生物に学ぶ結氷予防技術の開発(2014.3.18)現在、寒冷地に位置する空港では航空機への着氷を防ぐた

    めに日々多量の凍結防止剤が使用されている。また、着氷

    が問題となっているのは航空業界だけではなく、送電線や

    風量発電のタービンブレードなども着氷は設備の変形・損

    傷や生産ロスを引き起こすとして問題となっている。また、

    凍結防止剤の使用は航空機の安全な運行にとって欠かせな

    いものではあるが、米国の環境保護庁(EPA)は凍結防止

    剤の使用が環境へ悪影響を及ぼすと指摘している。そこで、

    環境への負荷やコストを抑えることのできる凍結防止策が

    模索されている。この問題への解決策の一つとして、研究

    が活発になっている生物に学ぶ凍結防止策の数々を解析、

    分類した論文が米国化学会で発表され、注目を集めた。論

    文を発表した中国科学院の研究チームは、今後の課題とし

    て生物に学んで新しい表面構造や界面材料を開発すること

    ACC、ナノ材料の職業暴露限度に関する会議報告書を公開(2014.4.14)2012 年 9 月 10 ~ 11 日 に 米 国 化 学 工 業 協 会(ACC)

    の ナ ノ テ ク ノ ロ ジ ー パ ネ ル と ジ ョ ー ジ ワ シ ン ト ン 大

    学 の 共 催 で 行 わ れ た ワ ー ク シ ョ ッ プ「Strategies for

    Setting Occupational Exposure Limits for Engineered

    Nanomaterials」についてまとめた報告書が公開された。

    発表資料もウェブサイト上に公開されている。http://nanotechnology.americanchemistry.com/Nanotechnology/Panel-Activities/

    Workshop-Strategies-for-Setting-Occupational-Exposure-Limits-for-Engineered-

    Nanomaterials

    EPA、 ナ ノ 材 料 の ラ イ フ サ イ ク ル の 調 査 研 究 を 助 成(2014.4.11)米国の環境保護庁(EPA)は、ナノ材料のライフサイクル

    の調査研究のために 500 万ドル、4 年の研究資金をアリ

    ゾナ州立大学へ提供する。本調査研究プロジェクトは化学、

    毒性学、科学、工学、社会科学などの多様な専門家の参画

    によって進められる。プロジェクトでは、製品中のナノ材

    料に期待される機能と人や環境へのリスクのトレードオフ

    をすべてのライフステージで評価する。対象とされるナノ

    材料が放出される可能性の高い 4 つの製品カテゴリであ

    る。EPA は、ナノテクノロジー製品の不確実性の低減、ビ

    ジネスに配慮すると同時に環境や健康への影響を最小限に

    抑えることのできる製品設計のための基礎、人材育成、ラ

    イフサイクルを見通すことの重要性を学んでもらうことを

    本プロジェクトの目標としている。http://nanotech.lawbc.com/2014/04/articles/united-states/federal/epa-awards-

    grant-to-study-the-life-cycle-of-nanomaterials/

    ミシガン大学、責任あるナノテクノロジーの研究開発関連のプロジェクト NanoCamp 開催(2014.4.11)ミシガン大学のリスクサイエンスセンターでは、ナノテク

    ノロジーの研究開発につきもののリスクについての理解を

    深め、どのように付き合ってゆくべきなのかについて学ぶ

    ためのプロジェクトを実施している。そのようなプロジェ

    クトのひとつに学生向きに企画された NanoCamp がある。

    2014 年 4 月 5 日に開催された NanoCamp は、リスクサ

    イエンスセンターの専門家が企画する実践的な取り組みを

    通して学生たちがナノテクノロジーへの興味を育み、新し

    い技術についての創造的で、批判的な思考を会得できるよ

    う工夫され、参加者が実践的なプログラムに取り組んだ。http://www.riskscience.umich.edu/hands-activities-explore-responsible-use-

    nanotech/?utm_source=April+Update&utm_campaign=April+Update&utm_

    medium=email

  • 12 PEN May 2014

    などを指摘している。http://www.nanowerk.com/spotlight/spotid=34823.php

    EPA、 潜 在 的 に 有 害 な 殺 虫 剤 に 関 し て 民 間 企 業 と 合 意(2014.3.14)米 国 の 環 境 保 護 庁(EPA) は、 ペ ッ ト ケ ア 用 品 メ ー

    カ ー の Sergeant's Pet Care Products, Inc. と Wellmark

    International と、カーバメート系殺虫剤成分のプロポキス

    ルを含有するペット用のノミ・ダニ駆除用首輪の販売を中

    止することで合意した。EPA は 2013 年秋に子供のプロポ

    キスル暴露のリスク評価を完了しその結果を基礎に、企業

    による自主的な販売中止の約束を取り付けた。EPA は子供

    を殺虫剤のリスクから守る取り組みを強化している。http://yosemite.epa.gov/opa/admpress.nsf/0/04D96E6211E3C9CF85257C9B0059

    50C9

    バイオミミクリの食品産業への影響(2014.2.28)Biomimicry 3.8 の共同創立者の Dayna Baumeister 氏が、

    将来自然から学ぶバイオミミクリの考え方を取り入れた製

    品デザインが主流になると、栄養補助食品の製造企業と顧

    客との関係性がよりパーソナルな関係へ変化する可能性を

    指摘した。http://www.foodnavigator-asia.com/Formulation/Concept-of-biomimicry-could-

    inform-nutraceutical-discovery-manufacture-expert-says/?utm_source=newsletter_

    daily&utm_medium=email&utm_campaign=Newsletter%2BDaily&c=0Flk0DMKh%2F

    M%2BiehuyYbaQQ%3D%3D

    Column

    リスクを楽しく学ぼう

    ミシガン大学リスクサイエンスセンターでは、日々の暮らしのなかで出会う様々なリスクについて分かりやすく解説したビデオを作成し、You Tube のチャンネル Risk Bites! で公開している。シンプルなアニメーション仕立てのビデオは、短いものは 2 分、長くても 5 分程度にまとめられている。Risk Bites! では、飲料水中のダイオキシン、電子タバコ、頭痛薬と二日酔い、凍傷、ハザードとリスクの違い、などの非常に多くの身近なリスクの話題が取り上げられている。

    Risk Bites!http://www.youtube.com/user/riskbites

    PEN 関谷瑞木

  • 13PEN May 2014

    3D プリンティング産業発展戦略を策定

    未来創造科学部と産業通商資源部は共同で、製造業のイノ

    ベーションと新市場の創出等、新たなパラダイムシフトと

    なる「3D プリンティング産業発展戦略」を策定した。同

    戦略では、「2020 年 3D プリンティングリーディング国家

    へ」をビジョンとして、△ニーズ対応 3D プリンティング

    成長基盤の整備、△ビジネスの活性化の支援、△技術競争

    力の確保、△法制度整備等 4 大分野、11 大重点課題を取

    り上げている。

    また民間と政府の連携強化のため、「3D プリンティング産

    POLICY BRIEF

    業発展協議会」および「3D プリンティング産業発展推進団」

    を発足し、3D プリンティング関連政策・課題の掘り下げ、

    インフラの整備、企業支援等に積極的に乗り出す方針。http://www.msip.go.kr/www/brd/m_211/view.do?seq=1661&srchFr=&srchTo=&

    srchWord=&srchTp=&multi_itm_seq=0&itm_seq_1=0&itm_seq_2=0&company_

    cd=&company_nm=&page=2

    国家重点科学技術戦略ロードマップを策定

    未来創造科学部では、4 月 23 日開催された国家科学技術

    審議会にて将来新成長動力の創出と暮らしの質の向上等に

    必要な 5 大分野 30 技術を選考し、今後 10 年間基礎・要

    2 大部門 5 大分野 国家重点科学技術

    持続的な経済成長の牽引

    1. IT 融合新産業の創出 ①セキュリティ技術②ビックデータ技術③実感型コンテンツ技術④放送通信融合プラットフォーム技術⑤次世代半導体技術⑥スマート自動車技術⑦生産システムの生産性の向上技術⑧先端プラント技術

    2. 未来新産業基盤の拡充 ①次世代素材技術②次世代エネルギー貯蔵装置技術③バイオエネルギー技術④サービスロボット技術⑤医療機器技術⑥高付加価値船舶技術⑦未来型航空機技術

    暮らしの質の向上へ貢献

    3. クリーンかつ利便な環境整備 ①環境統合モニタリング及び管理技術②汚染物質の低減及び管理技術③有用な廃資源のリサイクル技術④気候変化監視予測適応技術⑤温室ガスの処理及び低減技術⑥スマートエコビル技術

    4. 健康長寿時代の実現 ①オーダーメード新薬開発技術②バイオシステム分析技術③遺伝体情報利用技術④幹細胞技術⑤オーダーメード健康管理技術

    5. 安心・安全な社会の実現 ①食品安全及び価値創出技術②有用な遺伝資源利用技術③自然災害モニタリング予測対応技術④社会的複合災難低減技術

    表 1 国家重点科学技術戦略ロードマップの策定対象技術

  • 14 PEN May 2014

    素技術開発から事業化までの技術成長のすべてのサイクル

    にまたがる省庁横断の総合的な「国家重点科学技術戦略

    ロードマップ」を審議・議決したと明らかにした。

    戦略ロードマップは政府の R&D 投資の方向性を決め、年

    間約 18 兆ウォンの政府 R&D 予算の配分・調整に反映さ

    れる。戦略ロードマップの策定対象技術は表 1 のとおりで

    ある。http://www.msip.go.kr/www/brd/m_211/view.do?seq=1662&srchFr=&srchTo=&

    srchWord=&srchTp=&multi_itm_seq=0&itm_seq_1=0&itm_seq_2=0&company_

    cd=&company_nm=&page=2

    産業部、バイオ化学に今後 5 年間 842 億ウォンを投資

    産業通商資源部は、石油依存から脱却、温室ガス排出規

    制等、環境規制への対応や、環境に優しい持続的成長を

    けん引する新成長エンジンとしてバイオ化学産業の育成に

    向けての「バイオ化学産業化促進技術開発」を新規支援す

    る計画と明らかにした。そのため、産業通商資源部では、

    2014 年から 2018 年まで今後 5 年間 842 億ウォンを投資

    し、バイオ化学の産業基盤の整備や早期事業化を支援する

    計画。

    バイオ化学産業は、従来石油化学と異なり、持続的成長の

    可能なバイオマスから生物・化学的工程を通じて、プラス

    チックをはじめ、すべての化学製品の生産が可能な環境に

    優しい産業であり、今後自動車、電気・電子、日用品等様々

    な分野に広がると予想されている。http://www.mot ie .go.kr/mot ie/ne/rt/press/bbs/bbsView.do?bbs_seq_

    n=78900&bbs_cd_n=16

    PEN 安順花

  • 15PEN May 2014

    国内動向

    日 本 国 際 賞、 エ レ ク ト ロ ニ ク ス の 末 松 安 晴 博 士 ら に(2014.4.23)本年度の日本国際賞(Japan Prize)が、長距離かつ大量の

    情報通信を可能にする半導体レーザーの開発により光ファ

    イバー通信の実現に貢献した東京工業大学栄誉教授の末松

    安晴博士らに授与された。http://www.japanprize.jp/prize.html

    ナノテクノロジー・材料ワーキンググループ(2014.4.23)3 月 31 日、第 4 回ナノテクノロジー・材料ワーキンググルー

    プが開催され、ワーキンググループの科学技術重要施策ア

    クションプランに対する議論等の資料が公開された。http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/juyoukadai/wg_nano/4kai/haifu_nano_04.

    html

    ICSC 日本語版を更新(2014.4.18)国立医薬品食品衛生研究所安全情報部は The International

    Chemical Safety Cards (ICSC)日本語版の「国際化学物質

    安全性カード」を更新した。http://www.nihs.go.jp/ICSC/

    総合科学技術会議(2014.4.14)4 月 14 日、第 119 回総合科学技術会議が開催され、議事

    次第およびイノベーションシステムの改革に関連する資料

    等が公開された。http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu119/haihu-si119.html

    研究者用・研究機関用科研費ハンドブック(2014.4.30)文部科学省及び日本学術振興会では、科研費の使用等に関

    するルールを分かりやすく解説したハンドブック(研究者

    用・研究機関用)を作成し、公開した。http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/1347112.htm

    http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/15_hand/data/h26/kakenHB1404.pdf

    メリーランド大学と協定(2014.4.25)東京理科大は、米国メリーランド大学と、相互利益となる

    分野での学術交流の実施、教員及び学生の交流、共同研究、

    学術出版物及び研究情報の交換等の推進を目的とした協定

    を締結した。http://www.tus.ac.jp/news/news.php?20140423131024

    今年度の「実施庁目標」及び「特許審査の品質ポリシー」を策定(2014.4.25)中央省庁等改革推進基本法に基づく「実施庁」である特許

    庁は、毎年度、実施庁が達成すべき目標設定を行う必要が

    あり、平成 26 年度の実施庁が達成すべき目標を定めた。

    また特許審査の質の一層の向上を図るため、「特許審査に

    関する品質ポリシー」を策定し公表した。http://www.meti.go.jp/press/2014/04/20140425006/20140425006.html

    制御システムのセキュリティマネジメントシステムの国際標準に対する認証を日本企業が取得(2014.4.25)社会インフラに用いられる制御システムのセキュリティマ

    ネジメントシステム国際標準 IEC62443-2-1(CSMS)に

    対して、三菱化学エンジニアリング(株)と横河ソリュー

  • 16 PEN May 2014

    いて審議された IPCC 第 5 次評価報告書第 3 作業部会報告

    書の政策決定者向け要約(SPM)が承認・公表されるとと

    もに、第 3 作業部会報告書の本体が受諾された。http://www.meti.go.jp/press/2014/04/20140414001/20140414001.html

    日本提案によるレドックスフロー電池の国際標準化審議がスタート(2014.4.15)日本工業標準調査会(JISC)(事務局:経済産業省)が昨

    年 10 月に国際電気標準会議(IEC)に対して行った、レドッ

    クスフロー電池の安全性に関する国際標準提案 について、

    IEC における当該国際標準の審議体制が決まり、具体的な

    審議がスタートする。http://www.meti.go.jp/press/2014/04/20140415001/20140415001.html

    ヘ ル ス ソ フ ト ウ ェ ア 推 進 協 議 会( 仮 称 ) の 設 立 へ(2014.4.11)電子情報技術産業協会(JEITA)は、保健医療福祉情報

    システム工業会(JAHIS)、日本画像医療システム工業会

    (JIRA)と共同で、ヘルスソフトウェア推進協議会(仮称)

    の設立に向けて検討を開始した。業界自主ガイドラインを

    設け、利用者が優良なヘルスソフトウェアを使用できる環

    境を整えることを 3 団体で推進する。http://www.jeita.or.jp/cgi-bin/topics/detail.cgi?n=2672&ca=1

    絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略(2014.4.11)環境省は、絶滅危惧種の保全を全国的に推進することを目

    的とし、基本的な考え方と早急に取り組むべき施策の展開

    を示した「絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略」を

    策定した。http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=18031

    http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=24365&hou_id=18031

    新しいエネルギー基本計画を閣議決定(2014.4.11)エネルギー基本計画は、エネルギー政策の基本的な方向性

    を示すためにエネルギー政策基本法に基づき政府が策定す

    るもの。東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所

    事故を始めとした、エネルギーを巡る国内外の環境の大き

    な変化を踏まえ、新たなエネルギー政策の方向性を示すも

    のとして、閣議決定された。http://www.meti.go.jp/press/2014/04/20140411001/20140411001.html

    ションサービス(株)が世界で初めて認証を取得した。http://www.meti.go.jp/press/2014/04/20140425003/20140425003.html

    システム LSI 事業の統合新会社(2014.4.23)富士通(株)、パナソニック(株)および(株)日本政策

    投資銀行(DBJ)は、富士通とパナソニックが共同出資で

    設立することを協議しているシステム LSI の設計・開発な

    どを手掛けるファブレス形態の統合新会社へ DBJ が出資

    並びに融資すること等について基本合意した。http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=359999&lindID=1

    圧縮水素スタンド及び圧縮天然ガススタンドの技術基準を改正(2014.4.21)経済産業省は、燃料電池自動車の 2015 年の本格的な普及

    に向けた準備の一環として、圧縮水素スタンドと圧縮天然

    ガススタンドの併設への対応や圧縮水素スタンドにおける

    使用可能鋼材を拡大するため、高圧ガス保安法の省令(一

    般高圧ガス保安規則)等を改正した。http://www.meti.go.jp/press/2014/04/20140421002/20140421002.html

    イノベーションはそれを普及させるためのコミュニケーション活動も重要(2014.4.15)京都大学の研究者は、日本社会における「自分へのご褒美」

    消費の普及に関する研究を行い、イノベーションの普及に

    おけるコミュニケーション活動の重要性を示唆した。これ

    までのイノベーション研究では、技術発明や新しいアイデ

    アの創出など、その創造過程に注目されてきたが、本研究

    ではイノベーションのもう一つの側面である普及過程に焦

    点を当てている。http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2014/140415_1.htm

    「ISO における国際標準化の取組と今後の展望」を開催(2014.4.15)経済産業省は、2014 年 5 月 13 日に、特別講演会「ISO

    における国際標準化の取組と今後の展望」を開催する。http://www.meti.go.jp/press/2014/04/20140415003/20140415003.html

    気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第 5 次評価報告書第 3 作業部会報告書(気候変動の緩和)を公表(2014.4.15)気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第 39 回総会が平

    成 26 年 4 月 7 ~ 12 日、ドイツのベルリンにおいて開催

    され、会期中に開催された第 3 作業部会第 12 回会合にお

  • 17PEN May 2014

    CUTTING-EDGE TECHNOLOGIES

    プレスリリースよりFood for thought 学際と Serendipity豊蔵レポートより台湾 ITRI より Fraunhofer よりMEMS 関連情報 バイオミメティクス研究会より

  • 18 PEN May 2014

    プレスリリースよりPEN 編集室がまとめた最新技術動向をお届けします。

    熱帯域における主要な大気変動の 1 カ月予測の可能性を実証(2014.5.7)海洋研究開発機構(JAMSTEC)と、東京大学、理化学研

    究所の共同研究チームは、スーパーコンピュータ「京」を

    利用して、熱帯域における主要な大気変動であり全球に影

    響を及ぼすマッデン・ジュリアン振動について全球雲シス

    テム解像モデル「NICAM」による数値実験を実施し、約 1

    カ月先まで有効な予測が可能であることを実証した。http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20140507/

    脳神経活動の可視化(2014.5.5)科学技術振興機構(JST)の課題達成型基礎研究の一環と

    して、カリフォルニア大学サンディエゴ校は、運動学習中

    の大脳皮質にある「運動野」の神経活動を可視化すること

    にマウスの実験で成功した。http://www.jst.go.jp/pr/info/info1027/index.html

    バイオマーカーを見分けて溶けるゲル状物質(2014.5.5)科学技術振興機構(JST)の課題達成型基礎研究の一環と

    して、京都大学は、疾病の指標(バイオマーカー)となる

    複雑な生体分子を識別して溶けるゲル状物質(ヒドロゲル)

    の開発に成功した。http://www.jst.go.jp/pr/announce/20140507/index.html

    特別目的会社 VAIO(株)を立ち上げ(2014.5.2)ソニー(株)と日本産業パートナーズ(株)が管理・運営

    を行う日本産業第四号投資事業有限責任組合が出資する予

    定の特別目的会社 VAIO(株)は、ソニーの VAIO ブラン

    ドの PC 事業をソニーから VAIO(株)へ譲渡することに

    関する正式契約を締結した。http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201405/14-0502/

    生体分子複合体のナノ構造を解明(2014.5.2)理化学研究所と英国リバプール大学は、X 線自由電子レー

    ザー(XFEL)光と高輝度放射光を使い、結晶化が困難な

    生体分子複合体「RNA 干渉(RNAi)マイクロスポンジ」

    の 3 次元ナノ構造を観測することに成功した。http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140502_2/

    X 線自由電子レーザーで未知の「場」を探す(2014.4.29)東京大学と理化学研究所は、真空に潜んだ未知のモノ(場)

    や量子力学が予言する粒子対を、X 線自由電子レーザー施

    設(SACLA)を用いて探索した。強力で質の高い X 線源

    を用いて素粒子研究ができることを示し、X 線同士の衝突

    技術など素粒子研究で鍵となる技術を確立した。http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2014/20.html

    液晶を用いた気体分子の掌性の可視化検出法(2014.5.1)産業技術総合研究所は、微細な皺状の溝に閉じ込められた

    液晶中に自発的に形成された周期的な液晶配向構造が、気

    体試料中の掌性(キラリティ)を持つ光学活性分子とその

    利き手の検知に利用できることを発見した。http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2014/pr20140501/pr20140501.html

  • 19PEN May 2014

    の研究プロジェクトにおいて、多能性幹細胞(ES/iPS 細胞)

    の三次元大量培養法に使用できる培養バッグ試作品を開発

    した。http://www.nipro.co.jp/ja/news/2014/document/140425.pdf

    細いタンパク質のひもを作る(2014.4.25)大阪大学の研究グループは、日本原子力研究開発機構およ

    び阿南工業高等専門学校、東北大学と共同で、たった一つ

    の粒子が引き起こす化学反応を利用して、長さや太さを

    nm レベルで自由に制御した世界で最も細いタンパク質の

    “ ひも ” を形成し、この莫大な表面に酵素を固定すること

    で超高感度を有する疾患診断などに応用可能な新しいタン

    パク質ナノ材料の形成に成功した。http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14042802/

    銅酸化物高温超伝導体の電子励起状態の解明(2014.4.25)日本原子力研究開発機、東北大学、ミラノ工科大学、欧州

    シンクロトロン放射光施設、京都大学、J-PARC センター、

    総合科学研究機構、高エネルギー加速器研究機構、関西学

    院は共同で、電子ドープ型銅酸化物超伝導体の電子のスピ

    ンと電荷の励起の全体像を解明した。http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14042502/

    http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2014/04/press20140425-01.html

    カ リ フ ォ ル ニ ア・ ニ ー ニ ョ / ニ ー ニ ャ 現 象 を 発 見(2014.4.25)海洋研究開発機構は、カリフォルニアからバハ・カリフォ

    ルニア半島の沿岸に発生する地域的な大気海洋結合現象を

    世界で初めて発見し、「カリフォルニア・ニーニョ / ニー

    ニャ」と命名した。http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20140425/

    グラフェンの超高速電子状態の直接観察(2014.4.25)東京大学と東北大学は共同で、単層グラフェン特有の性質

    である電子の質量がゼロに相当する状態(質量ゼロ)を直

    接観測することに成功した。これにより、質量ゼロの電子

    の振る舞いが、1 つの光子に対して複数の伝導電子が発生

    するグラフェン特有の光応答現象に対応することも明らか

    にした。http://www.issp.u-tokyo.ac.jp/issp_wms/DATA/OPTION/release20140423.pdf

    面 記 録 密 度 148Gb/in2 を 実 現 し た 磁 気 テ ー プ 技 術(2014.4.30)ソニー(株)は、スパッタ法を用い、独自のナノ・グレイ

    ン磁性膜により、テープストレージメディアとして世界最

    高の面記録密度 148Gb/in2 を実現した磁気テープ技術の

    開発に成功した。http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201404/14-044/

    サイトカイニンの輸送を担う遺伝子(2014.4.29)理化学研究所は、韓国の浦項工科大学、スイスのチューリッ

    ヒ工科大学と共同で、植物ホルモン「サイトカイニン」の

    長距離輸送の鍵となる遺伝子「ABCG14」を同定した。http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140429_2/

    電圧で制御できるキラル発光トランジスタ(2014.4.28)東京大学の研究グループは、オランダのフローニンゲン大

    学らと共同で、新たな原子膜材料として注目される 2 セレ

    ン化タングステン(WSe2)の電界効果トランジスタ(FET)

    を用いて、電圧によって左右の回転方向を制御可能な円偏

    光光源を実現した。http://www.t.u-tokyo.ac.jp/epage/release/2014/2014042801.html

    常温常圧でアンモニアが合成できる触媒の機能を解明(2014.4.28)東京大学と九州大学の研究グループは共同で、2010 年に

    開発したアンモニアの合成方法の鍵を握る中間物質(単核

    モリブデンニトリド錯体)の開発と単離に成功し、その反

    応機構を解明した。このアンモニア合成方法では、窒素分

    子で連結された 2 個のモリブデン間で電子の受け渡しが起

    きていた。http://www.kyushu-u.ac.jp/pressrelease/2014/2014_04_25_2.pdf

    準平面型の骨格を用いた有機半導体材料(2014.4.26)京都大学の研究者は、独自に設計した準平面型の骨格を用

    いて、電荷輸送特性に顕著な異方性を示す、革新的な有機

    半導体材料の開発に成功した。太陽電池の高効率化等が期

    待される。http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2014/140426_1.htm

    ヒト多能性幹細胞の培養バッグ(2014.4.25)ニプロ(株)と京都大学物質-細胞統合システム拠点

    (iCeMS)は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)

  • 20 PEN May 2014

    中 性 子 ハ ロ ー 核 11Be の 超 微 細 構 造 定 数 の 精 密 測 定(2014.4.24)理化学研究所は、中性子ハロー核の 1 つ「質量数 11 のベ

    リリウム同位体イオン(11Be+)」の超微細構造定数(超微

    細構造のエネルギー分離の大きさを定義する量)を、レー

    ザー・マイクロ波二重共鳴法によって精密測定し、その定

    数(A)を- 2677.302988 ± 0.000072 MHz と 3,000 万

    分の 1 の誤差で高精度に決定した。http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140424_1/

    ヒトの体細胞の初期化過程(2014.4.24)京都大学の研究グループは、ヒトの体細胞は原条の細胞に

    似た状態を経て初期化されることを明らかにした。http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2014/140424_1.htm

    空気浄化機能に「ナノイー」採用のガスファンヒーター(2014.4.23)東京ガス(株)、大阪ガス(株)、東邦ガス(株)、(株)ノー

    リツは、パナソニック(株)が開発した「nanoe」、「ナノイー」

    を採用したガスファンヒーターを発売する。http://www.tokyo-gas.co.jp/Press/20140423-01.html

    円偏光 X 線自由電子レーザー(2014.4.23)理化学研究所と高輝度光科学研究センター(JASRI)は、

    X 線自由電子レーザー(XFEL)施設「SACLA」に、X 線レー

    ザー光(XFEL 光)の偏光を自在に制御するための装置を

    導入した。これにより、円偏光したXFEL光の生成に成功し、

    超高速な磁気現象やキラル物質の研究に適した XFEL 光が

    利用できるようになった。http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140423_1/

    高精度な角度位置の検出が可能なロータリーエンコーダー(2014.4.23)産総研は、(株)マグネスケールと共同で、超高精度で超

    高分解能のロータリーエンコーダーを開発した。http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2014/pr20140423/pr20140423.html

    ブラックホールを記述する新理論をコンピュータで検証(2014.4.23)京都大学、高エネルギー加速器研究機構(KEK)、茨城大

    学の共同研究グループは、ブラックホールで起こる力学現

    象を厳密に記述できる新理論を、コンピュータによって数

    値的に検証した。http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2014/140423_1.htm

    タピオカ残渣からバイオエタノール(2014.4.22)サッポロビール(株)は、磐田化学工業(株)、山口大学

    とともに、タイ国にてタピオカデンプン抽出残渣を原料と

    したバイオエタノールの製造プラントを完成し、竣工式を

    開催した。http://www.sapporobeer.jp/news_release/0000020795/index.html

    溶液反応の超高速時間・角度分解光電子分光(2014.4.22)理化学研究所とドイツのヴュルツブルグ大学の共同研究

    グループは、液体表面近くで起こる電子移動反応をリア

    ルタイムに観測するフェムト秒時間・角度分解光電子分

    光(TARPES :Time and angle-resolved photoemission

    spectroscopy)に世界ではじめて成功した。http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2014/140421_1.htm

    窒素固定に必須の制御タンパク質を発見(2014.4.22)名古屋大学の研究グループは、科学技術振興機構(JST)

    先端的低炭素化技術開発(ALCA)の支援を受け、窒素固

    定能をもつシアノバクテリアから、窒素固定に必須の制御

    タンパク質の遺伝子を発見した。http://www.jst.go.jp/pr/announce/20140422/index.html

    炭素繊維強化プラスチック製新型試験車両(2014.4.21)川崎重工は、鉄道建設・運輸施設整備支援機構向けフリー

    ゲージトレイン新試験車両を九州旅客鉄道(株)の熊本総

    合車両所に納入した。異なる軌間(ゲージ)を走行できる

    ほか、炭素繊維強化プラスチック製の先頭部構体や軽量タ

    イプの特高圧電気品の採用、カーテンの代わりに調光機能

    付ガラスを採用するなど、最先端の技術が導入されている。http://www.khi.co.jp/news/detail/20140421_1.html

    火星の水が失われた歴史解明(2014.4.18)東京工業大学と名古屋大学は、火星誕生から約 4 億年の間

    に火星表層の初期水量の 50% 以上が大気を通じて宇宙空

    間へ流出し、また残りの水の大部分は火星の気候変動によ

    り氷となって現在でも火星の地下に存在する可能性がある

    ことを突き止めた。http://www.titech.ac.jp/news/2014/027470.html

  • 21PEN May 2014

    遺伝子「Chrono(クロノ)」を、ゲノムワイドかつ網羅的

    な解析によって発見した。昼夜の転写活性の振幅が大きい

    という時計遺伝子の特性を強くもつ遺伝子であり、最後の

    時計遺伝子と目される。http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140416_1/

    100 度以下の低温熱で発電(2014.4.15)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェ

    クト「省エネルギー革新技術開発事業 / 先導研究 / 自立型

    システムのための熱発電デバイスの研究開発」において、

    パナソニック(株)は、低温水の余剰排熱を活用して発電

    する熱発電チューブを開発、200 時間を超える検証試験で

    96℃の温水排熱から最大 246W の発電性能を確認した。http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100266.html

    電 子 デ バ イ ス の 低 熱 抵 抗 化 の た め の 放 熱 シ ー ト(2014.4.14)バンドー化学(株)は、ゴムの配合、分散、加工技術を活

    用と銀ナノ粒子接合技術により、垂直配向した熱伝導性

    フィラー構造を有し、さまざまな電子デバイスの低熱抵抗

    化に寄与する「放熱シート」を開発した。http://www.bando.co.jp/what-new/h260414.html

    次 世 代 型 ア ル ツ ハ イ マ ー 病 モ デ ル マ ウ ス の 開 発(2014.4.14)理化学研究所は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研

    究推進事業および文部科学省分子イメージング研究戦略推

    進プログラムの一環として、既存のアルツハイマー病モデ

    ルマウスよりも、アルツハイマー病患者脳内のアミロイド

    の蓄積を忠実に表わす、次世代型アルツハイマー病モデル

    マウスの開発に成功した。http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140414_1/digest/

    自在に切り貼りできるナノチューブ(2014.4.14)東京大学は、自在に切り貼りできる新しいナノ構造体であ

    る特別なナノチューブを開発した。このナノチューブから

    電子を奪う(酸化する)と、ナノチューブはその構成要素

    の一つであるリングに切断される。一方、得られたリング

    に電子を再注入(還元)すると、無数のリングが規則正し

    く重なりあって自発的にチューブを再構成する。http://www.t.u-tokyo.ac.jp/epage/release/2014/2014041401.html

    新奇層状ペロブスカイト圧電体材料(2014.4.18)京都大学の研究グループは、米国ペンシルバニア州立大学

    およびドレクセル大学と共同で、NaRTiO4(R は希土類元

    素)の組成をもつ一連の層状化合物が従来とは異なるメカ

    ニズムで圧電性を示すことを、実験と理論計算の手法を併

    用して明らかにした。http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2014/140418_1.htm

    タンパク質を細胞膜に組み込むメカニズム(2014.4.17)東京大学、京都産業大学、奈良先端科学技術大学院大学の

    共同研究グループは、「膜組み込みタンパク質 YidC」の立

    体構造を決定した。さらに YidC が、疎水的な生体膜に親

    水的な凹みを形成するという、予想外のユニークな構造体

    を形成することを発見した。http://www.jst.go.jp/pr/announce/20140417/index.html

    太陽電池の変換効率のカギは分子混合(2014.4.17)筑波大学、物質・材料研究機構(NIMS)、高エネルギー加

    速器研究機構、広島大学、産業技術総合研究所の研究グルー

    プは、軟 X 線顕微鏡を用いて、有機太陽電池のナノ構造を

    調べ、それぞれの分子領域内で分子が混合していることを

    発見した。http://www.nims.go.jp/news/press/2014/p201404170.html

    歪を加えて光信号への変換効果を増大(2014.4.17)東京大学は住友化学(株)との共同研究により、歪を加え

    たシリコン・ゲルマニウム(SiGe)結晶中において、電子

    や電子が抜けることにより正の電荷をもった正孔により誘

    起される屈折率や吸収率の変化が増大することを、世界で

    初めて実証した。http://www.t.u-tokyo.ac.jp/epage/release/2014/2014041701.html

    オイル添加剤ブラックナノダイヤモンド(2014.4.16)(株)オートバックスセブンは、低摩擦性能・熱伝導性・

    化学的安定性・絶縁性・腐食防止などの特性を持ったブラッ

    クナノダイヤモンドエンジンオイル添加剤の販売を開始し

    た。http://www.autobacs.co.jp/ja/news/news.php?id=MjkzOA%3D%3D

    最後の時計遺伝子(2014.4.16)理化学研究所は、広島大学、米国ミシガン大学との共同研

    究で、哺乳類の概日リズムをコントロールする新たな時計

  • 22 PEN May 2014

    ワット級高出力フォトニック結晶レーザー(2014.4.14)京都大学と浜松ホトニクス(株)のグループは、フォトニッ

    ク結晶レーザー素子の開発を進め、3 度以内の狭放射角を

    維持したまま、光出力 1.5 ワットというワット級の室温連

    続動作に世界で初めて成功した。さらにこのレーザーを用

    いたレンズフリーでの直接照射による燃焼デモンストレー

    ションなど、高輝度・高出力動作の有用性を実証した。http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2014/140414_1.htm

    中性子が多い原子核に現れる特異構造(2014.4.11)東京工業大学と理化学研究所の研究グループは、中性子が

    非常に多い原子核でみつかっている「中性子ハロー」「魔

    法数の消失」、「強い変形」という 3 つの特異構造が、重い

    ネオン同位体「ネオン 31」(31Ne)にすべて発現してい

    ることを定量的に明らかにし、これを統一的に理解するこ

    とに成功した。http://www.titech.ac.jp/news/2014/027409.html

    盲腸にも免疫学的意義(2014.4.10)大阪大学のグループは、人体で不必要な組織と考えられて

    いた盲腸(虫垂)に存在するリンパ組織が、粘膜免疫で重

    要な役割を果たすIgAの産生に重要な場であり、腸内細

    菌叢の制御に関与していることを突き止めた。http://www.jst.go.jp/pr/announce/20140410/index.html

    スプレーコーティングによるガスバリア性透明有機無機ハイブリッド薄膜の調製に成功(2014.4.4) 九州大学の研究グループは、無機平板状結晶集合体を厚

    み 0.7 ナノメートル(nm)の無機ナノシートに剥離する

    ための簡便な手法を確立した。無機ナノシートを混ぜたエ

    ポキシ樹脂分散液をスプレー塗布するという極めて簡易か

    つ省エネルギーな方法で、無機ナノシートが等間隔で積層

    した構造をもつ透明性の高い樹脂フィルムを作製すること

    に成功、積層構造により、この樹脂フィルムは極めて高い

    ガスバリア性能を実証した。http://www.kyushu-u.ac.jp/pressrelease/2014/2014_04_04.pdf

  • 23PEN May 2014

    学際と Serendipity

    「セレンディピティ」は古くからある言葉だが、1990 年代にこの言葉を耳にすることはほとんどなかった。英和辞典には「偶然にものをうまく見つけ出す能力、掘り出し上手、運よく見つけたもの、幸運」とその意味がある [1]。すぐ上にSerendip がスリランカのアラビア語名であることが記されているが、語源については割愛する。

    一つの学問が一つの産業を支えた時代から、多くの学問の集約から新しい知と価値を創出する学際の研究開発が必要な時代になってきた。そのような学際型の研究開発の先陣を切ったのが、2001 年度から戦略的な資源の投入が始まったナノテクノロジーであった。科学技術政策でも「異分野融合」、「産学官連携」といった学際の研究開発の推進策が図られた。このような動きを背景に、科学技術政策に基づいたナノテクノロジーへの戦略的研究開発支援が始まった頃からセレンディピティという言葉が頻繁に使われるようになった。実際に国内メディアがこの言葉を取り上げた件数の年推移を集計してみると、図 1 に示したように、2002 年にこの言葉がブームとなり、以降科学技術の世界で広く用いられるようになっていったことがわかる。

    今日、「シーズ・ニーズ・マッチング」をはじめとする産学連携の取組みが広く行われている。顔を突き合わせてオープンマインドで進めることができればその意義と効果は小さくないはずであるが、実際には産学連携の現状が抱える問題点を指摘する声も少なくない [2]。大学や公的研究機関には、連携活動の結果などの説明責任をはたしながら、こういった場の活用に関する日本の企業文化を含めた現状の解析や、必要な改善点を明らかにしていく努力が求められている。

    ところで、研究者が「何に使えるかわからないがユニークでオリジナルな発見」をした場合、そのシーズが直ちにマッチング・ビジネスのアイテムとして特定のニーズに応えることは、一般には難しい。「ビジネスにつながるようなシーズではない」と一蹴され、「論文だけか」と揶揄される。忸怩たる思いをした研究者も多いのではないだろうか。

    ところがこのようなシーズがまったく想定外のニーズに出会い、予想外の展開が起きるなら、大きな社会経済的価値を生むこともあり得る。またこのようなシーズが、全く異なる世界のシーズと出会うことで、新しい知の創出に発展することもあるだろう。民間で取り組むには難しいこのような知の創出も大学や公的機関にとっては使命であり本分であるなら、その将来価値を現在価値に転換していくことも大学や公的機関の責務である。問題はそれをどのように具体的にすすめるのか、である。

    読者数を正確には把握できないのだが、ログ解析が可能なポータルサイト PENGIN だけでも月に十数万件ほどのアクセスがある。PEN と併せれば、たとえばナノテク展の参加者の数倍の方に、国内隅々にまで、掲載された情報が配信される。情報は活用しないことには価値を産まない。有用な情報であっても深い井戸の底に置いていては気づく人は少ない。全く異なる世界のシーズとシーズ、あるいはシーズとニーズが出会って考えもしなかったような新しい価値が創出される、こ

    Food for thought

  • 24 PEN May 2014

    れが真のセレンディピティではないだろうか。このような社会経済的価値の創造に、PEN と PENGIN を活用していただければと思う。

    [1] 小学館ランダムハウス英和大辞典 2002 年第 2 版[2] たとえば「産学連携及び公的研究機関を巡る課題」第 33 回研究開発小委員会資料 6、平成 23 年 7 月、経済産業省http://www.meti.go.jp/committee/summary/0001620/033_06_00.pdf#search='%E7%B5%8C%E6%B8%88%E7%94%A3%E6%A5%AD%E7%9C%81+%E7%94%A3%E5%AD%A6%E9%80%A3%E6%90%BA+%E5%95%8F%E9%A1%8C'

    PEN 阿多誠文

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    120

    140

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    1995

    1996

    1997

    1998

    1999

    2000

    2001

    2002

    2003

    2004

    2005

    2006

    2007

    2008

    2009

    2010

    2011

    2012

    2013

    図 1 国内の新聞や雑誌に掲載されたセレンディピティに関する記事の推移。日経テレコン21 で調査。

    記事件数

  • 25PEN May 2014

    豊蔵レポートより豊蔵信夫氏が収集・配信されている最新技術情報をお届けします。

    German government braced for legal challenge on PV self-

    consumption chargehttp://www.pv-tech.org/news/german_government_braced_for_legal_challenge_on_

    pv_self_consumption_charge

    補足:閣議決定された変更点の一つは PV の年間導入量で、

    陸上風力発電とともに 2.5GW の上限が設けられたこと。

    加えて、自家消費型の PV にも再生可能エネルギー負担金

    を課すこと。

    アプライドマテリアル社、超電導障害電流制限器技術をテストアプライドマテリアルズ社が新しい市場に参入、Central

    Hudson 社が所有・操業している変電所で実施されている

    超電導障害電流制限器システムの開発と実用テストにつ

    いて発表、開発中の技術は全体的により高いグリッドの安

    定性を提供しながら早期故障や機器の交換を減らすことを

    意図、SuperPower 社製の高度な 2G 高温超電導材料を採

    用、故障電流の最初のピークを低減し障害後の動作回復を

    迅速に行うようインピーダンスを提供しながら通常動作中

    のインピーダンスを排除、ニューヨーク州エネルギー研究

    開発局が支援、プロジェクトチーム(Central Hudson 社、

    SuperPower Inc、Three-C)

    Applied Materials testing superconducting fault current

    limiter technologyhttp://www.pv-tech.org/news/applied_materials_testing_superconducting_fault_

    current_limiter_technology

    4 月の注目記事 Ⅱ(2014.4.16 ~ 2014.4.30)

    半径サブミリほどに折り曲げられる不揮発性メモリー素子を開発強誘電体高分子物質を利用、曲がるだけでなく紙のように

    折り曲げた状態でも正常に作動するフォルダブル不揮発性

    有機メモリー素子を開発、簡単な溶液工程で製造が可能、

    1000 回の折り曲げにも安定した電気的特性を保持、素子

    の柔軟性は構成する物質の機械的特性間の適合性が重要、

    メモリー素子の機械的物性を分析するためにナノインデン

    テーション(硬度、ヤング率、剛性測定)とナノスクラッ

    チ(二つの物質間の界面特性分析)技法を利用、延世大学、

    理研、ピエール・マリー・キュリー大学(フランス)

    Non-volatile organic memory with sub-millimetre bending

    radiushttp://www.nature.com/ncomms/2014/140408/ncomms4583/full/ncomms4583.

    html

    ドイツ、自家消費型 PV 課金に対する業界の法廷闘争に備える自家消費型の太陽光発電(PV)も再生可能エネルギー負

    担金の支払対象とする法案採択(4 月 8 日)、業界団体は

    法案修正に向けて争うとの声明、負担額は一般家庭向けが

    6.3 ユーロ /1kWh、工場や農場などの中小事業者向けが 4.4

    ユーロ、企業は一般家庭の 20% 程の 1.25 ユーロ、自家消

    費型の PV は今後の導入形態の主流となる可能性が高いた

    め業界団体は反発、業界団体の BSW-Solar と消費者団体の

    連邦消費者機構は憲法裁判所へ法案修正を求める訴えを起

    こす計画があることを発表

  • 26 PEN May 2014

    でリジッドを構成、分子太陽熱燃料の物理的な限界を超越

    (発色団間の相互作用をチューニングすることが可能な立

    体的に制約のある部分的な環境を導入)、テンプレート強

    制立体歪みの生成によってエネルギー貯蔵能力を増強、ア

    ゾベンゼン官能化 CNT を用いたハイブリッド型太陽熱燃

    料の原理を実証、2 倍を超えるアゾベンゼンに蓄積された

    エネルギー量(58 ~ 120kJ mol–1)、強いサイクル特性と

    安定性の維持、MIT、ハーバード大学

    Scientists Discover How to Generate Solar Power in the

    Darkht tp : // f inance .yahoo .com/news/sc ien t i s t s -d i scover -genera te - so lar -

    power-172726044.html

    分子拡散制御で有機ヘテロパターンを調整機能性有機材料の調整可能な有機ヘテロ構造を作製、場所

    標的成長法(前に特定された領域に分子を配置)の最適化

    条件を開発、位置する島間の分子の拡散を制御、最適化条

    件の特定、最初の予備パターンと堆積量の大きさ、最適温

    度でのアニールで調整、任意の基板上にスケールアップす

    るためには従来の無機処理プラットフォームと互換性があ

    る、アモイ大学(中国)、ミュンスター大学(ドイツ)

    Tunable Organic Hetero-Patterns via Molecule Diffusion

    Controlhttp://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/smll.201303400/abstract

    ナノテクノロジーの研究者がウコンから新しい抗がん剤を生産ウコン抽出物中に見出されたクルクミンからなる化合物は

    癌細胞の増殖を防止、クルクミンをポリマーナノキャリア

    に装填したところ 140nm の球状構造を形成、薬物を膠芽

    細胞腫(GBM)と呼ばれる中枢神経系の攻撃的な腫瘍の治

    療に利用(実験室条件下で成功)、骨髄および皮膚線維芽

    細胞の天然の細胞に由来する成熟した幹細胞に対すナノク

    ルクミンの致命的な効果を確認(癌細胞上有効である濃度

    よりも高い濃度で)、クルクミンに癌細胞に進入しやすい

    性質、Tarbiat Modarres University(イラン)

    Nanotechnology researchers produce new anti-cancer

    drug from turmerichttp://www.nanowerk.com/nanotechnology_news/newsid=35217.php

    MIT の化学者が一度に 3 種類の抗がん剤を標的送達できるナノ粒子を設計簡単に 3 つ以上の異なる薬物を含むナノ粒子を構築するた

    めの新しい方法を考案、正確な比率の 3 つの薬剤を運んで

    プラズモニックフィルターを用いてアモルファス酸化物薄膜トランジスタを安定化ディスプレイ素子の特性変化を防いで安定性を向上させう

    る技術を開発、表面プラズモンを利用、半導体素子に影響

    を与える波長帯域 (470nm 以下 ) を遮断し他の波長帯域を

    透過、光と電気的なストレスに弱い非晶質金属酸化物半導

    体(外部の光で自由電子が発生し特性が変化)という課題

    を解決、ナノフィルタで有害な光を遮断し透明ディスプレ

    イ素子の安定化を実現、白色光と -10V の環境下で長時間

    ストレスを受けてもフィルタがない場合と比較してスレッ

    ショルド電圧の変化が 1/3 に減少、光を遮断すればストレ

    スを受ける前の状態に回復、高麗大学、KAIST

    Photo-Insensitive Amorphous Oxide Thin-Film Transistor

    Integrated with a Plasmonic Filter for Transparent

    Electronicshttp://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adfm.201304114/abstract

    責任あるイノベーションに関する新ジャーナル Journal of Responsible Innovation 刊行技術革新と研究の道徳的・文化的・政治的・宗教的・民主的・

    持続可能性への影響について広範でより微妙な問題のイノ

    ベーショントピックをカバー、年間3回発行、雑誌の創

    立編集長は David Guston 氏(アリゾナ州立大学の Center

    for Nanotechnology in Society のディレクター、科学・政策・

    成果コンソーシアムの共同ディレクター)、新たなコミュ

    ニティを体系的かつ一貫した方法で研究と政策の懸念に対

    処する機会を提供、責任あるイノベーション研究者の学際

    的な議論の場、ジャーナルの全ての編集委員は責任あるイ

    ノベーションのための新しいバーチャルラボ(NSF が資金

    を提供するプロジェクト、アラバマ州立大学に設置)の一

    部、バーチャルラボとジャーナルのコロケーションはシナ

    ジー効果を最大化

    New Journal on Responsible Innovation Launchedh t t p : / / w w w. n e w s w i s e . c o m / a r t i c l e s / v i e w / 6 1 6 5 4 9 / ? s c = r s l n & u t m _

    source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+NewswiseLifene

    ws+%28Newswise%3A+LifeNews%29

    太陽熱燃料、フォトスイッチング現象の利用可能性を実験室レベルで実証�